(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】増幅器バイアス回路
(51)【国際特許分類】
H03F 1/22 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H03F1/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537398
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 US2022051128
(87)【国際公開番号】W WO2023129314
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524059674
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ベッテンコート,ジョン,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ケイパー,ヴァレリー,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ラルディザバル,スティーヴン,エム.
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA13
5J500AC02
5J500AC03
5J500AC04
5J500AC14
5J500AC81
5J500AH09
5J500AH14
5J500AH19
5J500AH29
5J500AH33
5J500AK05
5J500AK09
5J500AK12
5J500AM02
5J500AM17
5J500AT01
(57)【要約】
増幅器トランジスタにそれぞれのバイアス信号を供給するために、第1及び第2のカレントミラーとスタック型構成で結合された第1及び第2のトランジスタを含む増幅器のための方法及び装置。基準トランジスタが、バイアス信号を共に基準とするために、第1及び第2のカレントミラーに結合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタック型構成で結合された第1及び第2のトランジスタを含む増幅器と、
第1の制御ループ、及び前記第1のトランジスタの第1の端子に結合されて第1のバイアス電流を供給する第1のミラートランジスタを有する第1のカレントミラーと、
第2の制御ループ、及び前記第2のトランジスタの第1の端子に結合されて第2のバイアス電流を供給する第2のミラートランジスタを有する第2のカレントミラーと、
前記第1及び第2のカレントミラーに結合された基準トランジスタと、を含む回路。
【請求項2】
前記第1のカレントミラーが、前記第1のミラートランジスタと、第1の固定電流源と、フォロワ構成で前記第1のミラートランジスタに結合された第1のフォロワトランジスタと、を含む、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第2のカレントミラーが、前記第2のミラートランジスタと、第2の固定電流源と、フォロワ構成で前記第2のミラートランジスタに結合された第2のフォロワトランジスタと、を含む、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記基準トランジスタが、前記第1のミラートランジスタ及び前記第2のミラートランジスタに結合される、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記第1の制御ループが、少なくとも1つのダイオードをさらに含む、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記第1のカレントミラーの出力が、前記第2のカレントミラーの共通ゲート基準に対するソース電位を確立するように構成される、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記第2のカレントミラーの前記共通ゲート基準は、前記第2の固定電流源からのドレイン電流を有する、請求項6に記載の回路。
【請求項8】
前記増幅器はデプレッションモードFET増幅器を有する、請求項1に記載の回路。
【請求項9】
前記増幅器はRF増幅器を有する、請求項1に記載の回路。
【請求項10】
スタック型構成で結合された第1及び第2のトランジスタを含む増幅器を使用することと、
第1の制御ループ、及び第1のバイアス電流を供給するために前記第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1のミラートランジスタを有する第1のカレントミラーを使用することと、
第2の制御ループ、及び第2のバイアス電流を供給するために前記第2のトランジスタの第1の端子に結合された第2のミラートランジスタを有する第2のカレントミラーを使用することと、
前記第1及び第2のカレントミラーに結合された基準トランジスタを使用することと、を含む方法。
【請求項11】
前記第1のカレントミラーが、前記第1のミラートランジスタと、第1の固定電流源と、フォロワ構成で前記第1のミラートランジスタに結合された第1のフォロワトランジスタと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のカレントミラーが、前記第2のミラートランジスタと、第2の固定電流源と、フォロワ構成で前記第2のミラートランジスタに結合された第2のフォロワトランジスタと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基準トランジスタが、前記第1のミラートランジスタ及び前記第2のミラートランジスタに結合されている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の制御ループが、少なくとも1つのダイオードをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のカレントミラーの出力が、前記第2のカレントミラーの共通ゲート基準に対するソース電位を確立するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のカレントミラーの前記共通ゲート基準が、前記第2の固定電流源からのドレイン電流を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記増幅器はデプレッションモードFET増幅器を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記増幅器はRF増幅器を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
RF入力信号を受信する入力端子と、
RF出力信号を出力する出力端子と、
前記RF入力信号を増幅して前記RF出力信号を生成する手段と、を含む回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
当該技術分野で知られているように、無線周波数(RF)トランジスタ増幅器の設計において考慮すべき事項は、安定したDC動作条件を確立することである。このような条件は、例えば、ゲイン、周波数応答、ノイズ、線形性、効率といった増幅器の性能特性の多くに影響する。また、例えば、静止ドレイン電流などのDC動作条件は、温度、電源、及びプロセス変動に対して予測可能及び不変である必要がある。
図1に示すように、電界効果トランジスタ(FET)型増幅器のこの静止ドレイン電流(Id)の設定は、通常、トランジスタ(Q1)のゲートに供給されるDC電圧Vgを調整することによって行われる。原理的にはVgは典型的なデバイスのId対Vg伝達特性から容易に決定できるが、FET特性の固有感度は、製造プロセスと温度に対して本質的に敏感であるため、固定Vgの使用ができなくなる。
【0002】
当技術分野でも知られているように、アナログ回路設計で一般的に使用されるDCバイアス要素は、Paul R. Gray及びRobert G. Meyerによる著書「Analysis and Design of Analog Integrated Circuits,3rd ed.,New York:Wiley,1993.」に記載されているようなカレントミラーである。
図2は、Scheinbergによって実証されたDモードGaAs MESFET演算増幅器用の従来のカレントミラーの概略図であり、N Scheinberg, Design of high speed operational amplifiers with GaAs MESFETs, procs 1987 IEEE ISCAS (Philadelphia), May 1987, pp 193-198 及びC. Tamazou and D. Haigh, “Gallium Arsenide Analog Integrated Circuit Design Techniques,” Chapter 8 in “Analogue IC design: the current-mode approach”,Edited by C.Toumazou,F.J.Lidgey&D.G.Haigh.London:Peter Peregrinus Ltd.1990.を参照されたい。トランジスタQ1とQ2の幅を適切にサイズ設定することにより、カレントミラーは、主回路トランジスタQ2に安定した制御可能電流ID2を設定することを可能にする。ここで、電流ID2は、基準電流Irefを「反映」する(つまり、これに比例する)。カレントミラーの動作における要素の1つは、安定した基準電流Irefが利用可能であることである。この電流の関係は次の式で表される。
【数1】
【0003】
Q1とQ2が同一チップ上で互いに近接して製造されている限り、プロセス変動、特に電圧閾値(Vt)変動に関係なく、電流間の関係が維持されることに留意されたい。
図2の回路は、高効率、高出力RF増幅器のドレイン電流を制御するために簡単に実装できる。
【0004】
図3は、適切なインダクタとコンデンサがRF増幅器FET Q2に接続された簡略化された回路図の実施態様を示している。高出力で高効率のRF増幅器には、FETソース電位をグランド基準に直接接続する必要があることが必須であり、これは、
図3でVssがグランド電位に接続されていることでも示されている。また、Vss1はグランド電位よりも負であり、Q1、Q2、及びQ3のドレインはグランド電位よりも正であることにも留意されたい。
【0005】
プロセス変動を補償するバイアス回路がない場合、静止ドレイン電流Idが公称目標値の近くに設定されるように、好ましくは増幅器ごとにゲート電圧Vgを調整する何らかの手段を実装する必要がある。典型的な実施態様には、各増幅器に対して個別のVg電圧を外部から供給すること、固定された供給電圧から複数の候補Vg電圧を生成するためにチップ上に抵抗ラダーネットワークを追加すること、部品をスクリーニングして複数のVgビンに分割すること、が含まれる。しかしながら、これらの選択肢は、まず各部品または部品のグループにどのようなバイアスをかける必要があるかを判断するために、ある程度のテストを必要とする。次に、特定の部品または部品のグループに合わせて組み立てを調整する。これらのステップにより、製品にかかる時間とコストが大幅に増加する。DCバイアス回路の目的の1つは、これらのVgビンの必要性を回避することである。これらのタイプの回路に関する特許の例は、米国特許第5,889,429号、第6,304,130号、第6,114,901号、第5,793,194号、第4,896,121号、第7,928,804号、第8,854,140号であり、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
スタック型トランジスタRF増幅器トポロジは、単一トランジスタ方式よりも性能を向上させるために一般的に使用されている。バランス型カスコード及び従来式カスコードのスタック型トランジスタFET増幅器は、繰り返し可能なDCドレイン電流バイアスポイント、ならびに適切なRF動作のためのトランジスタドレイン全体にわたるDC供給電圧の適切な分散を必要とする。
【発明の概要】
【0007】
スタック型FET増幅器のDC静止電流及び電圧条件は、通常、半導体技術の固有のプロセス変動により、増幅器ごとに継続的な変更を必要とする抵抗分割ネットワークまたは調整可能な電力供給によって決定される。ネットワーク及び供給電圧を継続的に変更する必要なくDC条件を設定することが非常に望ましい。
【0008】
本開示の実施形態は、プロセスに影響を受けない基準電流がカスコード及びスタック型のFET増幅器にミラーリングされる2段デプレッションモードカレントミラーを備えたカスコード及びスタック型のFET RF増幅器のための方法及び装置を提供する。この配置により、増幅回路のスタック内の最上位FETの共通ゲートのためのソース基準電位が確立される。
【0009】
実施形態では、バイアス回路は、増幅器の静止制御を設定するために第1及び第2のカレントミラーを使用することに基づいている。第1のミラーは、増幅器の下部または共通ソースFETのゲート電極に電流制御信号を確立する。また、第1のミラーの電圧出力は、第2のミラー回路内の共通ゲート基準のソース電位を確立するための基準FETに送られる。実施形態では、第2のミラー回路内の共通ゲート基準FETは、第2の固定電流基準からのドレイン電流を有する。第2のカレントミラーの出力は、カスコードまたはスタック型のFETネットワーク内の最上位ゲートFETまたは共通ゲートFETに送られ得る。
【0010】
一態様では、回路は、スタック型構成で結合された第1及び第2のトランジスタを含む増幅器と、第1の制御ループ、及び第1のバイアス制御信号を提供するために第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1のミラートランジスタを有する第1のカレントミラーと、第2の制御ループ、及び第2のバイアス制御信号を提供するために第2のトランジスタの第1の端子に結合された第2のミラートランジスタを有する第2のカレントミラーと、第1及び第2のカレントミラーに結合された基準トランジスタと、を含む。
【0011】
回路は、以下の特徴の1つ以上をさらに含むことができ、それらは、第1のカレントミラーが、第1のミラートランジスタ、第1の固定電流源、及び第1のミラートランジスタにフォロワ構成で結合された第1のフォロワトランジスタを含むことと、第2のカレントミラーが、第2のミラートランジスタ、第2の固定電流源、及び第2のミラートランジスタにフォロワ構成で結合された第2のフォロワトランジスタを含むことと、基準トランジスタが、第1のミラートランジスタ及び第2のミラートランジスタに結合されていることと、第1の制御ループが、少なくとも1つのダイオードまたは複数のダイオードをさらに含むことと、第1のカレントミラーの出力が、第2のカレントミラーの共通ゲート基準のソース電位を確立するように構成されていることと、第2のミラーの共通ゲート基準が、第2の固定電流源からのドレイン電流を有することと、増幅器がデプレッションモードFET増幅器を含むことと、及び/または増幅器がRF増幅器を含むことと、である。
【0012】
別の態様では、方法は、スタック型構成で結合された第1及び第2のトランジスタを含む増幅器を使用することと、第1のバイアス制御信号を提供するために第1の制御ループ、及び第1のトランジスタの第1の端子に結合された第1のミラートランジスタを有する第1のカレントミラーを使用することと、第2のバイアス制御信号を提供するために第2の制御ループ、及び第2のトランジスタの第1の端子に結合された第2のミラートランジスタを有する第2のカレントミラーを使用することと、第1及び第2のカレントミラーに結合された基準トランジスタを使用することと、を含む。
【0013】
方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに含むことができ、それらは、第1のカレントミラーが、第1のミラートランジスタ、第1の固定電流源、及びフォロワ構成で第1のミラートランジスタに結合された第1のフォロワトランジスタを含むことと、第2のカレントミラーが、第2のミラートランジスタ、第2の固定電流源、及びフォロワ構成で第2のミラートランジスタに結合された第2のフォロワトランジスタを含むことと、基準トランジスタが、第1のミラートランジスタ及び第2のミラートランジスタに結合されていることと、第1のカレントループが少なくとも1つのダイオードをさらに含むことと、第1のカレントミラーの出力が、第2のカレントミラーの共通ゲート基準のソース電位を確立するように構成されていることと、第2のカレントミラーの共通ゲート基準が、第2の固定電流源からのドレイン電流を有することと、増幅器がデプレッションモードFET増幅器を含むことと、及び/または増幅器がRF増幅器を含むことと、である。
【0014】
実施形態では、第2のソースフォロワ内のダイオードは、1つ以上のダイオードを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のダイオードを1つ以上の抵抗器で置き換えることができる。
【0015】
さらなる態様では、回路は、RF入力信号を受信するための入力端子と、RF出力信号を出力するための出力端子と、RF入力信号を増幅してRF出力信号を生成するための手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の前述の特徴、ならびに開示そのものは、図面の以下の記述から、より完全に理解することができる。
【0017】
【
図2】従来技術のカレントミラー構成の回路図である。
【
図3】従来技術の増幅器及びカレントミラー構成の回路図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態に従った増幅器及びバイアス回路の回路図である。
【
図5】従来技術の増幅器バイアス回路の回路図である。
【
図6】従来技術の増幅器バイアス回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図4は、入力402及び出力404を有する増幅器400の一例を示す。本開示の例示的な実施形態は、RF増幅器用途に適する場合がある。増幅器400には、第1トランジスタ406及び第2トランジスタ408が含まれ、これらは電圧源Vdd1からグランドに直列結合されたカスコード/スタック型配置で構成され得る。
【0019】
実施形態では、第1のトランジスタ406は、第1のバイアス信号Vg1 410によってバイアスされ、第2のトランジスタ408は、第2のバイアス信号Vg2 412によってバイアスされる。図示した実施形態では、第1のトランジスタ406及び第2のトランジスタ408にバイアス信号を提供するために第1及び第2のカレントミラーが使用されている。
【0020】
第1のミラートランジスタ420は増幅器の第1のトランジスタ406に結合され、第2のミラートランジスタ422は増幅器の第2のトランジスタ408に結合される。第1のミラートランジスタ420及び第2のミラートランジスタ422は、以下でより詳細に説明するように、バイアス回路が増幅器の静止バイアスを設定するための第1及び第2の制御ループを提供する。第1の制御ループ425内の第1のミラートランジスタ420及び第1の固定電流基準423は、増幅器の第1の(共通ソースFET)トランジスタ406に静止状態を確立する。第1のミラートランジスタ420の電圧出力は、第2のミラートランジスタ422の共通ゲート基準のソース電位を確立するための基準トランジスタ424に送られる。実施形態では、第2のミラートランジスタ422(第2のミラー回路内の共通ゲート基準FET)は、第2の固定電流基準426からのドレイン電流を有する。第2のカレントミラー422の出力は、第2のトランジスタ408(カスコード/スタックされたFETネットワークにおけるトップまたはコモンゲートFET)に流れ得る。
【0021】
図5は、デプレッションモードカスコード増幅器の従来技術の回路500を示す。通常、静止状態は、DC電源からスタックされたFET Q1、Q2に電圧Vg1及びVg2を直接印加することによって設定される。
図6は、Vg2及びVg1を導出するための別個の分圧回路を備えた従来技術の回路を示す。これらの従来技術の構成では、固有のプロセス変動のため、Vgs2とVg1は回路ごとに調整する必要がある。
【0022】
対照的に、本開示の実施形態は、参照フィードバックを備えたフォロワネットワークを有し、その結果、バイアス回路の入力インピーダンスが低くなり、RF増幅器が小信号動作と大信号動作との間で遷移するときに、Vg1及びVg2の静止電圧が維持される。用途がより高い入力インピーダンスを望む場合、ダイオードを抵抗器に置き換えることができる。
【0023】
図4の例示的な実施形態を以下でさらに詳しく説明する。例示的な実施形態では、カレントミラー420、422は正の非反転カレントミラーである。第1のミラーは、FET Q1 420を備え、ドレインは第1の基準電流Iref423によって供給される。FET Q1 420は、飽和状態に置かれ、ソース(S)とドレイン(D)間の電流は、ソース(S)とドレイン(D)間の電圧変化に対してほぼ一定になることに留意されたい。増幅器の第1のトランジスタ406は、そのゲート電極(G)が基準トランジスタ424を介してFET Q1 420のゲート電極に接続されており、トランジスタFET406のドレイン電極を流れる電流は、値Iref423によって調整できる。FET420及びFET406は両方とも飽和状態になっていることに留意されたい。
【0024】
FET420のドレイン電極(D)は、FET427、及び1つ以上の直列結合されたダイオード(ここでは、例えばダイオードDn1)及び別の直列要素(ここでは、トランジスタ負荷429)で構成されたネットワークからなるフォロワネットワークを介して、そのゲート電極(G)に結合されている。FET420のソース電極は、示されているように、接地電位に結合されている。FET420のゲート電極(G)は、フォロワネットワークとともに、RF増幅器のデプレッションモードFET406のゲート電極に供給される出力を生成する。FET406のゲート電極(G)には入力RF信号RFinが供給される。ここで、FET406はデプレッションモードFETであるため、そのゲート電極(G)は通常、接地電位よりも負の電位でDCバイアスされることに留意されたい。
【0025】
図示した実施形態では、図のように、FET420は、第1の電流基準423及びFET427のゲート電極(G)に結合されているドレイン電極(D)を有する。FET427のドレイン電極(D)もVdd2に接続されている。図示するように、FET420のゲート電極(G)は、ダイオードDn1を介してFET427のソース電極(S)に接続される。FET420のソース電極(S)はグランドに接続されている。図示するように、FET420のゲート電極(G)もまた、RFブロッキングインダクタL1を介して増幅器FET406のゲート電極(G)に接続され、また、電流源負荷抵抗として接続されたFET429aを介してVss1に接続されている。
【0026】
図示されるように、FET406のゲート電極(G)もDCブロッキングコンデンサC1を介してRF入力信号RF inに結合されている。FET406のソース電極(S)は、グランドに接続されている。FET406のドレイン電極(D)は、スタック型配置で増幅器FET408のソース(S)に結合されている。図示するように、RFブロッキングインダクタL2はDCブロッキングコンデンサC2を介して出力RF outに結合されている。図示した実施形態では、FETはデプレッションモードFET(D-FET)である。
【0027】
第2のミラーは、直列結合されたダイオードDn2とのフォロワ構成でFET431のゲート(G)に結合されたFET422を含む。図示されるように、FET422のゲート電極(G)は、RFブロッキングインダクタL2を介して増幅器FET408のゲート電極(G)にも接続され、また、電流源負荷抵抗として接続されたFET429bを介してVss2にも接続されている。FET422のドレイン(D)は、第2の電流源426に結合されている。FET422のソース(S)はFET424のドレイン(D)に接続されている。FET424のソース電位(S)はグランド基準であり、そのゲート電位は第1のカレントミラーによって設定される。第2のミラーの出力は、バイアス信号Vg2 412をスタックされたFET増幅器内の第2のトランジスタ408に供給する。前述のように、第1及び第2のカレントミラーは、基準FET424を介して相互に参照される。
【0028】
Vss1及びVss2は同じ基準電位であっても異なる基準電位であってもよいことが理解される。基準電位はグランド基準より低くてもよく、または、一方がグランド基準より低くてもよく、他方が正の電位、つまりグランドより高くてもよい。任意の実用的な数のダイオードが使用でき、また、フォロワ構成ではダイオードの代わりに、またはダイオードと組み合わせて抵抗器が使用できることもさらに理解される。それぞれの制御ループを備えたスタックされた増幅器の実施形態では、任意の実用的な数のトランジスタが使用できることがさらに理解される。
【0029】
本開示の例示的な実施形態を説明してきたが、当業者には、それらの概念を組み込んだ他の実施形態も使用できることが明らかになるであろう。本明細書に含まれる実施形態は、開示される実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲によってのみ限定されるべきである。本願明細書において引用されるすべての出版物及び参照文献は、その全体が参照によって本願明細書に明示的に組み込まれているものとする。
【0030】
本願明細書において記載されている異なる実施形態の要素は、具体的に上記に記載されていない他の実施形態を形成するために組み合わせることができる。単一の実施形態の文脈で記載されている様々な要素は、別々に、または任意の適切な下位の組み合わせでも提供されても良い。本明細書に具体的に説明されていない他の実施形態もまた、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【国際調査報告】