(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ヒドロキシルアミン誘導体の調製方法
(51)【国際特許分類】
C07C 259/06 20060101AFI20241128BHJP
C07D 213/53 20060101ALI20241128BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
C07C259/06 CSP
C07D213/53
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537411
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2022087702
(87)【国際公開番号】W WO2023118558
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510000976
【氏名又は名称】インターベット インターナショナル ベー. フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100216839
【氏名又は名称】大石 敏幸
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】シャサン,クリストフ・ピエール・アラン
(72)【発明者】
【氏名】ダーメン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シャイパース,クラウディア
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AC24
4H006AC59
4H006BA25
4H006BA48
4H006BA69
4H039CA30
4H039CD20
(57)【要約】
式(I)の化合物またはその塩をカルボン酸副生成物の生成を低減させて調製する方法。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】
またはその塩を調製する方法であって、
式(III)の化合物
【化2】
を、式(IV)の化合物
【化3】
へ変換すること、および、前記式(IV)の化合物を、式(IX)の化合物
【化4】
またはその塩とカップリングさせて、副生成物として生成される2%未満の式(XI)の化合物
【化5】
を含む前記式(I)の化合物を得ること、を含み、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
3は、NH
2またはOHであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である、
方法。
【請求項2】
前記式(III)の化合物
【化6】
を、水酸化リチウムの存在下でヒドロキシルアミンと反応させて、前記式(IV)の化合物
【化7】
を生成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式(IV)の化合物
【化8】
を、前記式(IX)の化合物
【化9】
またはその塩と
パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下でカップリングさせて、式(X)の化合物
【化10】
を得、続いて前記式(X)の化合物を、
前記式(I)の化合物またはその塩に変換する工程、
を含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
式(II)の化合物
【化11】
を、4ブロモ安息香酸と反応させて式(III)の化合物を得ることによって、
前記式(III)の化合物を形成する工程を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
a) 式(II)の化合物
【化12】
を、4-ブロモ安息香酸と反応させて式(III)の化合物
【化13】
を得る工程
b) 水酸化リチウムの存在下で前記式(III)の化合物をヒドロキシルアミンと反応させて、式(IV)の化合物
【化14】
を生成する工程
c) 前記式(IV)の化合物を式(IX)の化合物
【化15】
またはその塩と
パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で反応させて、式(X)の化合物
【化16】
を得る工程、および
d) 前記式(X)の化合物を酸と反応させて、前記式(I)の化合物またはその塩を得る工程、を含み、
式中、
R
1およびR
2が、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
3が、NH
2またはOHであり、
R
4が、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり、
R
5が、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして、
R
6が、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記パラジウム触媒がPd(PPh
3)
4である、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記式(I)の化合物が、以下からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法:
【表1】
【請求項8】
前記式(I)の化合物が、ヒドロブロミド塩、ジヒドロブロミド塩、塩酸塩または二塩酸塩である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式(X)の化合物
【化17】
またはその塩;
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、またはNH
2もしくはOHで置換されていてもよいC
1~C
4アルキルであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、もしくは3-ピリジニルもしくは4-ピリジニル置換された-CH
2-であり、そして
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【請求項10】
前記式Xの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項9に記載の化合物:
【表2】
またはその塩。
【請求項11】
前記化合物が、ヒドロブロミド塩、ジヒドロブロミド塩、塩酸塩または二塩酸塩である、請求項9~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか一項に記載の化合物を調製する方法であって、該方法は、
式(IX)の化合物
【化18】
またはその塩を、
式(IV)の化合物
【化19】
と、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で反応させて、式(X)の化合物を得ること、および場合によりそれを塩に変換することを含み、
式中、
R
1およびR
2が、それぞれ独立して、水素、またはNH
2もしくはOHで置換されていてもよいC
1~C
4アルキルであり、
R
4が、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり
R
5が、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして
R
6が、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である、方法。
【請求項13】
前記パラジウム触媒がPd(PPh
3)
4である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式(IX)の化合物
【化20】
またはその塩;
式中、
R
4が、CH
2-NH-R
5またはNH
2であり、
R
5が、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である。
【請求項15】
前記式IXの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物:
【表3】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ヒドロキシルアミン誘導体である化合物を調製するための改良された方法である。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキサム酸抗生物質は、グラム陰性菌における脂質Aの生合成を担う酵素の小分子阻害剤である(Kalinin DV、Holl R.Expert Opin Ther Pat.2017 Nov;27(11):1227-1250.doi:10.1080/13543776.2017.1360282.Epub 2017 Aug 4.PMID:28742403を参照されたい)。
【0003】
国際公開第2018/115432号は、ヒドロキサム酸抗生物質である、動物の呼吸器疾患、特に牛呼吸器病または豚呼吸器病(BRDおよびSRD)の治療に有用な化合物を開示している。実施例1Q、1Rおよび1Sは、ヒドロキサム酸基が合成の最後または最後から2番目の工程で形成される、これらの化合物を製造するプロセスを開示している。
【0004】
欧州特許第3750881号は、特にグラム細菌に対して優れた抗菌活性を示す抗生物質化合物およびそれらの調製物を開示している。具体的には、エステル中間体の、対応するヒドロキサム酸最終生成物への変換が開示される。
【0005】
Mohammad A.Alamの「Methods for Hydroxamic Acid Synthesis」、Curr Org Chem.2019;23(9):978-993には、エステルおよびカルボン酸前駆体からヒドロキサム酸化合物を製造する方法が開示されている。
【0006】
Fei,et al.、A,のOrg.Process Res.Dev.2012、16、1436-1441は、ヒドロキサム酸化合物を生成するための合成経路を開示している。この合成では、最終工程でヒドロキサム酸基を導入する。
【0007】
Ho et al.のJ.Org.Chem.2005、70、4873-4875は、THF/MeOH/50%NH2OH水溶液中の溶液および固相エステルへの少量の固体KCNの添加が、対応するヒドロキサム酸へのそれらの変換の効率を高めることを開示している。類似のカルボン酸が副生成物として形成されることも開示されている(表1参照)。
【0008】
Park et al.のEur.J.Org.Chem.2013、1973-1978は、パラジウム触媒、具体的にはPd(PPh3)4を使用した臭化アリールおよびアルキンカルボン酸からのアリールアルキンカルボン酸の合成を開示している。
【0009】
DeVasher et al.のJ.Org.Chem.、Vol.69、No.23、2004、pp7919-7927は、パラジウム触媒を利用した臭化アリールとフェニルアルキンとの薗頭カップリングが開示している。この参考文献は、ヒドロキサム酸置換基を有する臭化アリールの薗頭カップリングを開示していない。
【0010】
しかしながら、Pd(PPh3)4触媒を使用した、ヒドロキサム酸置換基を有する臭化アリールおよびアリールアルキンからのアリールアルキンヒドロキサメートの調製の開示はない。
【0011】
対応するカルボン酸副生成物の形成が減少したヒドロキサム酸抗生物質の製造方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2018/115432号
【特許文献2】欧州特許第3750881号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Kalinin DV、Holl R.Expert Opin Ther Pat.2017 Nov;27(11):1227-1250.doi:10.1080/13543776.2017.1360282.Epub 2017 Aug 4.PMID:28742403
【非特許文献2】Mohammad A.Alam、「Methods for Hydroxamic Acid Synthesis」、Curr Org Chem.2019;23(9):978-993
【非特許文献3】Fei,et al.、A,Org.PROCESS Res.Dev.2012、16、1436-1441
【非特許文献4】Ho et al.、J.Org.Chem.2005、70、4873-4875
【非特許文献5】Park et al.Eur.J.Org.Chem.2013、1973-1978
【非特許文献6】DeVasher et al.、J.Org.Chem.、Vol.69、No.23、2004、pp7919-7927
【発明の概要】
【0014】
本発明は、式(I)の化合物
【化1】
またはその塩を調製する方法であって、
式(III)の化合物
【化2】
を、式(IV)の化合物
【化3】
へ変換すること、および、式(IV)の化合物を式(IX)の化合物
【化4】
またはその塩とカップリングさせて、副生成物として生成される2%未満の式(XI)の化合物
【化5】
を含む式(I)の化合物を得ること、を含む方法に関し、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
3は、NH
2またはOHであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ヒドロキサム酸抗生物質は、多くの場合、最終反応工程の1つにおいて、ヒドロキサム酸基を対応するエステルに変換することによって導入することによって生成される。ヒドロキサム酸誘導体を生成するこれらのプロセスは、多くの場合、対応するカルボン酸を副生成物として生成する。望ましくないカルボン酸を除去するためには、所望のヒドロキサム酸のさらなる面倒な精製が必要である。特許請求される発明は、望ましくないカルボン酸副生成物の生成が著しく減少した、ヒドロキサム酸誘導体を生成するプロセスである。
【0016】
最終段階でヒドロキサム酸を形成すると、3~8%のカルボン酸の存在下で所望の生成物が単離された。
【0017】
【0018】
以下の比較例1を参照されたい。
【0019】
Boc保護中間体上でヒドロキサム酸の形成を試みると、さらに大量のカルボン酸副生成物(14~20%)をもたらした。
【0020】
【0021】
以下の比較例2を参照されたい。
【0022】
反応工程のシーケンスの早期にヒドロキサム酸を導入すると、最終生成物と共に生成されるカルボン酸の量が減少し、選択的結晶化による容易な精製が可能になる。
【0023】
比較例とは対照的に、特許請求されるプロセスは、再現可能な様式で2%未満のカルボン酸をもたらし、所望のヒドロキサム酸誘導体の選択的結晶化によるこの副生成物の容易な分離を可能にする。スキーム1は、反応シーケンスの第2の工程におけるヒドロキサメート基の導入を伴う本発明のプロセス全体を示す。
【0024】
【0025】
スキーム2は、R4がシクロプロピルアミンである場合の完全なプロセスを示す。
【0026】
【0027】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物を調製する方法は、式(III)の化合物
【化10】
を、水酸化リチウムの存在下でヒドロキシルアミンと反応させて、式(IV)の化合物
【化11】
を生成する工程を含む。
【0028】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物を調製する方法は、式(IV)の化合物
【化12】
を、式(IX)の化合物
【化13】
またはその塩と
パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下でカップリングさせて、式(X)の化合物
【化14】
を得、続いて、式(X)の化合物を、
式(I)の化合物またはその塩に変換する、工程を含む。
【0029】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物を調製する方法は、式(II)の化合物
【化15】
を、4ブロモ安息香酸と反応させて式(III)の化合物を得ることによって、式(III)の化合物を形成する工程を含む。
【0030】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物を調製する方法は、
a) 式(II)の化合物
【化16】
を、4-ブロモ安息香酸と反応させて、式(III)の化合物
【化17】
を得る工程、
b) 水酸化リチウムの存在下、式(III)の化合物をヒドロキシルアミンと反応させて、式(IV)の化合物
【化18】
を生成する工程、
c) 式(IV)の化合物を、式(IX)の化合物
【化19】
またはその塩と
パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で反応させて、式(X)の化合物
【化20】
を得る工程、および
d) 式(X)の化合物を酸と反応させて、式(I)の化合物またはその塩を得る工程、を含み、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
3は、NH
2またはOHであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0031】
本発明の一実施形態では、パラジウム触媒は、0価パラジウム触媒である。一実施形態において、パラジウム触媒は、Pd2(dba)3;Pd(tBu3P)2;Pd(Cy3P)2またはPd(PPh3)4、好ましくはPd(PPh3)4である。
【0032】
本発明の一実施形態では、パラジウム触媒はPd(PPh3)4である。
【0033】
本発明の一実施形態では、式Iの化合物は、以下からなる群から選択される。
【表1】
【0034】
本発明の一実施形態では、式(I)の化合物は、ヒドロブロミド塩、ジヒドロブロミド塩、塩酸塩または二塩酸塩である。
【0035】
本発明の別の実施形態は、式(X)の化合物
【化21】
またはその塩であり、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、または、NH
2もしくはOHで置換されていてもよいC
1~C
4アルキルであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、もしくはピリジンで置換された-CH
2-であり、そして
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0036】
本発明の一実施形態では、式Xの化合物は、以下からなる群から選択される。
【表2】
【0037】
本発明の一実施形態では、化合物は、ヒドロブロミド塩、ジヒドロブロミド塩、塩酸塩または二塩酸塩である。
【0038】
本発明の別の実施形態は、式(X)の化合物
【化22】
またはその塩を調製する方法であり、
式(IX)の化合物
【化23】
を、式(IV)の化合物
【化24】
と、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で反応させて、化合物を式(X)の化合物を得て、そして、場合によりそれを塩に変換することを含み、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、または、NH
2もしくはOHで置換されていてもよいC
1~C
4アルキルであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0039】
本発明の一実施形態では、パラジウム触媒は、0価パラジウム触媒である。一実施形態において、パラジウム触媒は、Pd2(dba)3;Pd(tBu3P)2;Pd(Cy3P)2またはPd(PPh3)4、好ましくはPd(PPh3)4である。
【0040】
本発明の一実施形態では、パラジウム触媒はPd(PPh3)4である。
【0041】
本発明の別の実施形態は、式(IX)の化合物
【化25】
またはその塩であり、式中、
R
4は、CH
2-NH-R
5またはNH
2であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である。
【0042】
本発明の一実施形態では、式IXの化合物は、以下からなる群から選択される。
【表3】
【0043】
本発明の別の実施形態は、式(IX)の化合物
【化26】
またはその塩を調製する方法であり、
a) 式(V)の化合物
【化27】
を、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下、HC≡C-C(CH
3)
2OHと反応させて、式(VI)の化合物
【化28】
を得ること、
b) 式(VI)の化合物を、式(VII)の化合物
R
8-NH
2と、還元剤の存在下で反応させて、
式(VIII)
【化29】
の化合物を得ること、
c)式(VI)の化合物または式(VIII)の化合物のいずれかを、KOHおよびK
3PO
4と反応させて、式(IX)の化合物を得ること、を含み、
式中、
R
4は、CH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、
R
7は、C(O)Hであり、そして
R
8は、シクロプロピル、または-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である。
【0044】
本発明の別の実施形態は、式(IX)の化合物
【化30】
またはその塩を調製する方法であり、
a) 式(V)の化合物
【化31】
を、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下でHC≡C-C(CH
3)
2OHと反応させて、式(VI)の化合物
【化32】
を得ること、
b) 式(VI)の化合物のいずれかをKOHおよびK
3PO
4と反応させて、式(IX)の化合物を得ることを含み、式中、R
4およびR
7はNH
2である。
【0045】
本発明の別の実施形態は、式(III)の化合物
【化33】
またはその塩であり、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0046】
本発明の一実施形態では、R1およびR2はCH3であり、R6は-NHC(O)OC(CH3)3である。
【0047】
本発明の一実施形態では、R1はCH3であり、R2は水素であり、そして、R6は-OC(CH3)3である。
【0048】
本発明の別の実施形態は、式(IV)の化合物
【化34】
またはその塩であり、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0049】
本発明の一実施形態では、R1およびR2はCH3であり、R6は-NHC(O)OC(CH3)3である。
【0050】
本発明の一実施形態では、R1はCH3であり、R2は水素であり、そして、R6は-OC(CH3)3である。
【0051】
本発明の別の実施形態は、式(VI)の化合物
【化35】
またはその塩であり、
式中、R
7はNH
2である。
【0052】
本発明の別の実施形態は、式(VIII)の化合物
【化36】
またはその塩であり、
式中、R
8は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である。
【0053】
本発明の一実施形態では、式VIIIの化合物は、以下からなる群から選択される。
【表4】
【0054】
ヒドロキサム酸-ヒドロキサム酸は、官能基RC(O)N(OH)R’を有する有機化合物のクラスであり、RおよびR’は有機残基であり、COはカルボニル基である。それらは、NH中心がOH置換を有するアミド(RC(O)NHR’)である。それらは、しばしば金属キレート剤として使用される。
【0055】
薗頭カップリング反応:末端アルキンとアリールまたはビニルハロゲン化物とのこのカップリングは、パラジウム触媒および場合により銅(I)助触媒を用いて行われる(Rafael Chinchilla and Carmen Najera Chem.Rev.2007,107,3,874-922公開日:2007年2月17日https://doi.org/10.1021/cr050992x)。
【0056】
還元剤は、酸化されて電子を失うことで還元を起こしやすい物質である。例は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(Na(CH3CO2)BH)である。
【0057】
0価パラジウム触媒は、パラジウム金属原子が電子の完全な価電子殻を有する触媒である。このような触媒の例は、Pd2(dba)3;Pd(tBu3P)2;Pd(Cy3P)2またはPd(PPh3)4である。
【0058】
さらなる実施形態
実施形態1. 式(I)の化合物
【化37】
またはその塩を調製する方法であって、
式(III)の化合物
【化38】
を、式(IV)の化合物
【化39】
へ変換すること、および、式(IV)の化合物を、式(IX)の化合物
【化40】
またはその塩とカップリングさせて、
副生成物として生成される2%未満の式(XI)の化合物
【化41】
を含む式(I)の化合物を得ることを含み、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
3は、NH
2またはOHであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0059】
実施形態2. 式(III)の化合物
【化42】
を、水酸化リチウムの存在下、ヒドロキシルアミンと反応させて、式(IV)の化合物
【化43】
を生成する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0060】
実施形態3. 式(IV)の化合物
【化44】
を、式(IX)の化合物
【化45】
またはその塩と
パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下でカップリングさせて、式(X)の化合物
【化46】
を得、続いて、式(X)の化合物を、
式(I)の化合物またはその塩に変換する工程を含む、実施形態1~2のいずれか1つに記載の方法。
【0061】
実施形態4. 式(II)の化合物
【化47】
を、4ブロモ安息香酸と反応させて式(III)の化合物を得ることによって、
式(III)の化合物を形成する工程を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
実施形態5. a)式(II)の化合物
【化48】
を、4-ブロモ安息香酸と反応させて式(III)の化合物
【化49】
を得る工程
b) 水酸化リチウムの存在下で式(III)の化合物をヒドロキシルアミンと反応させて、式(IV)の化合物
【化50】
を生成する工程
c) 式(IV)の化合物を式(IX)の化合物
【化51】
またはその塩と
パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で反応させて、式(X)の化合物
【化52】
を得る工程、および
d) 式(X)の化合物を酸と反応させて、式(I)の化合物またはその塩を得る工程、を含み、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
3は、NH
2またはOHであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である、
実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
実施形態6. パラジウム触媒がPd(PPh3)4である、実施形態3~5のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
実施形態7. 式(I)の化合物が、以下からなる群から選択される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
【表5】
【0065】
実施形態8. 式(I)の化合物が、ヒドロブロミド塩、ジヒドロブロミド塩、塩酸塩または二塩酸塩である、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
実施形態9. 式(X)の化合物
【化53】
またはその塩であり、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、または、NH
2もしくはOHで置換されていてもよいC
1~C
4アルキルであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、もしくは3-ピリジニルもしくは4-ピリジニル置換された-CH
2-であり、そして
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0067】
実施形態10. 式Xの化合物が、以下からなる群から選択される、実施形態9に記載の化合物
【表6】
またはその塩。
【0068】
実施形態11. 化合物が、ヒドロブロミド塩、ジヒドロブロミド塩、塩酸塩または二塩酸塩である、実施形態9~10のいずれか1つに記載の化合物。
【0069】
実施形態12. 式(IX)の化合物
【化54】
またはその塩を、
式(IV)の化合物
【化55】
と、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で反応させて、式(X)の化合物を得ること、および、場合によりそれを塩に変換することを含み、
式中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、またはNH
2もしくはOHで置換されていてもよいC
1~C
4アルキルであり、
R
4は、NH
2またはCH
2-NH-R
5であり
R
5は、水素、シクロプロピル、または-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、そして、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である、
実施形態9~11のいずれか1つに記載の化合物を調製する方法。
【0070】
実施形態13. パラジウム触媒がPd(PPh3)4である、実施形態12に記載の方法。
【0071】
実施形態14. 式(IX)の化合物
【化56】
またはその塩であり、式中、
R
4は、CH
2-NH-R
5またはNH
2であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である。
【0072】
実施形態15. 式IXの化合物が、以下からなる群から選択される、実施形態14に記載の化合物。
【表7】
【0073】
実施形態16. 実施形態14または15のいずれか1つに記載の化合物またはその塩を調製する方法であり、
a) 式(V)の化合物
【化57】
を、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下で、HC≡C-C(CH
3)
2OHと反応させて、式(VI)の化合物
【化58】
を得ること、
b) 式(VI)の化合物を、式(VII)の化合物
R
8-NH
2と、還元剤の存在下で反応させて、
式(VIII)の化合物
【化59】
を得ること
c) 式(VI)の化合物または式(VIII)の化合物のいずれかをKOHおよびK
3PO
4と反応させて、式(IX)の化合物を得ること、を含み、
式中、
R
4は、CH
2-NH-R
5であり、
R
5は、水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-であり、
R
7は、C(O)Hであり、
R
8は、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である。
【0074】
実施形態17. 実施形態14または15のいずれか1つに記載の化合物
【化60】
またはその塩を調製する方法であり、
a) 式(V)の化合物
【化61】
を、パラジウム触媒、塩基および場合によりヨウ化銅の存在下でHC≡C-C(CH
3)
2OHと反応させて、式(VI)の化合物
【化62】
を得ること
b) 式(VI)の化合物のいずれかをKOHおよびK
3PO
4と反応させて、式(IX)の化合物を得ること、を含み、
式中、R
4およびR
7はNH
2である。
【0075】
実施形態18. 式(III)の化合物
【化63】
またはその塩であり、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、
R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0076】
実施形態19. R1およびR2はCH3であり、そして、R6は-NHC(O)OC(CH3)3である、実施形態18に記載の化合物。
【0077】
実施形態20. R1はCH3であり、R2は水素であり、そして、R6は-OC(CH3)3である、実施形態18に記載の化合物。
【0078】
実施形態21. 式(IV)の化合物
【化64】
またはその塩であり、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素またはC
1~C
4アルキルであり、そして、R
6は、-NHC(O)OC(CH
3)
3または-OC(CH
3)
3である。
【0079】
実施形態22. R1およびR2がCH3であり、そして、R6が-NHC(O)OC(CH3)3である、実施形態21に記載の化合物。
【0080】
実施形態23. R1がCH3であり、R2が水素であり、そして、R6が-OC(CH3)3である、実施形態21に記載の化合物。
【0081】
実施形態24. R
7がNH
2である、
式(VI)の化合物
【化65】
またはその塩。
【0082】
実施形態25. R
8が水素、シクロプロピル、または、-CH
2OCH
3、-CHF
2、-CF
3、3-ピリジニルもしくは4-ピリジニルで置換された-CH
2-である、
式(VIII)の化合物
【化66】
またはその塩。
【0083】
実施形態26. 式VIIIの化合物が、以下からなる群から選択される、実施形態25に記載の化合物。
【表8】
【0084】
[実施例]
HPLC方法:
方法A
以下で構成される、Agilent Technologies UHPLC/MSD 6130 Bシリーズ1290
デガッサを含むバイナリポンプG7120A
ウェルプレートサンプラG4226A
カラムオーブンG1316B
ダイオードアレイ検出器G4212A
質量検出器G6130B ESI源付き四重極LC/MS
カラム:Waters XP、2.1×50mm Xbridge BEH C18 2.5μ、T=40℃;
溶離液:A:0.05%(vol./vol.)ギ酸を含むアセトニトリル
B:0.05%ギ酸(vol./vol.)を含む水;
流量:0.8mL/分;
勾配:2~100%溶離液A 1.2分、100%溶離液A 0.5分;
実行時間:2.2分;
検出:ESI/MS、正イオンおよび負イオンスキャン:100~1000 m/z;
254および210nmのUV;
【0085】
方法B
以下で構成される、Agilent Technologies UHPLC/MS 1260シリーズ
デガッサを含むバイナリポンプG7120A
ウェルプレートサンプラG4226A
カラムオーブンG7116B
ダイオードアレイ検出器G7117B
質量検出器G6150B ESIジェットストリーム源付き四重極LC/MS
カラム:Waters XP、2.1×50mm Xbridge BEH C18 2.5μ、T=40℃;
溶離液:A:0.05%(vol./vol.)ギ酸を含むアセトニトリル
B:0.05%ギ酸(vol./vol.)を含む水;
流量:0.8mL/分;
勾配:2~100%溶離液A 1.2分、100%溶離液A 0.5分;
実行時間:2.2分;
検出:ESI/MS、正イオンおよび負イオンスキャン:100~1000 m/z;
254および210nmのUV;
【0086】
方法C
以下で構成される、Agilent Technologies UHPLC/MS 1260シリーズ
デガッサを含むバイナリポンプG4220A
ウェルプレートサンプラG4226A
カラムオーブンG7116B
ダイオードアレイ検出器G4212A
質量検出器G6130B ESI/APCIマルチモード源付き四重極LC/MS
カラム:Waters XP、2.1×50mm Xbridge BEH C18 2.5μ、T=40℃;
溶離液:A:0.05%(vol./vol.)ギ酸を含むアセトニトリル
B:0.05%ギ酸(vol./vol.)を含む水;
流量:0.8mL/分;
勾配:2~100%溶離液A 1.2分、100%溶離液A 0.5分;
実行時間:2.2分;
検出:ESI/MS、正イオンおよび負イオンスキャン:100~1000 m/z;
254および210nmのUV;
【0087】
比較例1:(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製
【化67】
【0088】
メチル(S)-3-アミノ-2-(4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-3-メチルブタノエート塩酸塩(1g、2.19mmol)をメタノール(10mL)に溶解した。得られた溶液を0℃に冷却し、温度を2℃未満に保ちながら50%ヒドロキシルアミン水溶液(1.61mL、26.3mmol)を滴下した。その後、温度を2℃未満に維持しながら、水酸化リチウム一水和物(0.28g、6.58mmol)を少しずつ添加した。2時間の反応時間後、反応混合物を周囲温度まで温め、さらに18時間撹拌した。反応混合物を水(40mL)で希釈し、揮発性物質を減圧下での蒸発によって除去した。残りの水層のpHを1M塩酸水溶液の添加によってpH8.5に調整し、水層をジクロロメタンと2-プロパノールとの2:1混合物(2×50mL)で抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、減圧下で濃縮すると、対応するカルボン酸の8面積%の存在下で所望の生成物が黄色固体(775mg、1.70mmol)として得られた。
【化68】
【0089】
LC/MS(方法A):Rt=0.53分、m/z 419(所望の生成物)およびRt=0.57分、m/z 404(カルボン酸)
【0090】
比較例2:tert-ブチル(S)-(3-(4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化69】
【0091】
メチル(S)-3((tert-ブトキシカルボニル)-アミノ)-2-(4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-3-メチルブタノエート(0.50g、0.96mmol)をメタノール(5mL)に溶解した。得られた溶液を-5℃に冷却し、温度を-2℃未満に保ちながら50%ヒドロキシルアミン水溶液(0.71mL、11.55mmol)を滴下した。水酸化リチウム一水和物(0.081g、1.92mmol)を添加し、反応時間15分後、反応混合物を室温に到達させた。室温で19時間の反応時間後、水(5mL)を添加し、揮発性物質を減圧下での蒸発によって除去した。水性残渣のpHを1N塩酸水溶液の添加によってpH9.5に調整し、水層をメチルtert-ブチルエーテル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮すると、対応するカルボン酸の14面積%の存在下で所望の生成物が淡黄色固体(500mg、0.86mmol)として得られた。
【化70】
【0092】
LC/MS(方法A):Rt=0.82分、m/z 519(所望の生成物)およびRt=0.90分、m/z 504(カルボン酸)
【0093】
【0094】
式(IX)の化合物は、実施例1に開示される合成方法に従って調製することができる。式(IX)の化合物は、実施例1~6に開示される遊離塩基または塩酸塩のいずれかとして都合よく単離することができる。
【0095】
[実施例1]
N-(4-エチニルベンジル)シクロプロパンアミン塩酸塩の調製
【化72】
【0096】
工程1:4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ベンズアルデヒドの調製
ジャケット付きガラス反応器(2L)に、置換4-ブロモベンズアルデヒド(100g、540mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.12g、2.70mmol)およびヨウ化銅(I)(1.029g、5.40mmol)を投入し、窒素を流した。乾燥テトラヒドロフラン(1L)を添加し、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。15分後、トリエチルアミン(151mL、1081mmol)および2-メチルブタ-3-イン-2-オール(53.9ml、540mmol)を順次添加した。アルコールを添加すると、反応混合物の温度が上昇した。しかしながら、混合物の温度は30℃未満に維持された。添加が完了した後、反応混合物を還流させた(約62℃)。反応時間70分後、反応混合物の温度を15℃に下げ、混合物を、セルロースおよびセライトの薄層で満たされたフリット漏斗で濾過した。フィルターケーキを酢酸エチル(約750mL)で洗浄し、40℃にて減圧下で乾燥させて、所望の化合物を得た。母液の体積を約2体積に減少させ、続いて濃縮物を酢酸エチル(750mL)で希釈し、有機層を水(2×300mL)で抽出すると、有機層を濃縮した後に所望の生成物の第2のクロップを単離することができた。所望の生成物のクロップの組み合わせを(105g、530mmol)、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0097】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.0(1H,s)、7.90(2H,J=8.3Hz,bd)、7.60(2H,J=8.3Hz,bd)、5.59(1H,s)、1.49(6H、s)
LC/MS(方法B):Rt=0.95分、m/z 230
【0098】
工程2:4-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)-2-メチルブタ-3-イン-2-オールの調製
ジャケット付きガラス反応器(5L)に、メタノール(1750mL)、4-(3-ヒドロキシ-3-メチルブタ-1-イン-1-イル)ベンズアルデヒド(105g、530mmol)およびシクロプロピルアミン(44.7mL、636mmol)を投入し、得られた混合物を周囲温度で3時間撹拌した。次いで反応混合物の温度を5℃に下げた後、反応混合物の温度を5~10℃に維持するために、水素化ホウ素ナトリウム(14.2g、371mmol)を少しずつ添加した。添加完了後、反応混合物を5~10℃で1時間撹拌し、温度を10℃未満に維持しながら水(500mL)を添加した。次いで、反応混合物を、セルロースおよびセライトの薄層で満たされたフリット漏斗で濾過し、湿ケーキの洗浄に使用された水(60mL)とメタノール(210mL)との混合物で反応器を2回すすいだ。温度を10℃未満に維持しながら、pH1に達するまで塩酸水溶液を濾液に添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、層を静置させる。水層を回収し、トルエン(1L)で希釈し、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHをpH8.5に調整した。15分間撹拌した後、層を静置させ、有機層を回収した。塩化ナトリウム(150g)を水層に添加し、トルエン(400mL)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、層を分離した後、第2の有機層を第1の有機層と合わせた。合わせた有機層を次の工程に関与させた。
【0099】
1H NMR(300 MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):8.20(1H,s)、7.33(4H、s)、3.78(2H、s)、2.14-2.07(1H、m)、1.45(6H、s)、0.42-0.37(2H、m)、0.34-0.29(2H、m)
LC/MS(方法B):Rt=0.95分、m/z 230
【0100】
工程3:N-(4-エチニルベンジル)シクロプロパンアミン塩酸塩の調製
4-(4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)-2-メチルブタ-3-イン-2-オール(121g、527mmol)のトルエン(2500mL)中溶液をジャケット付きガラス反応器(5L)に投入し、水酸化カリウム(30g、535mmol)およびリン酸三カリウム(112g、528mmol)を添加した。温度を85℃に設定し、反応混合物をこの温度で135分間撹拌した。次いで、加熱を停止し、反応混合物を室温に到達させた後、水(750mL)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、層を静置させる。水層を廃棄し、1N水酸化ナトリウム水溶液(500mL)を添加した。15分間撹拌した後、層を静置させ、水層を廃棄した。次いで、有機層を水(500mL)で再度洗浄し、トルエン(500mL)で希釈した。温度を25℃未満に維持しながら、塩酸の2-プロパノール(160mL)中5N溶液を撹拌下で添加した。反応混合物をこの温度で16時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、湿ケーキを酢酸エチル(500mL)およびメチルtert-ブチルエーテル(500mL)ですすいだ。すすいだ湿ケーキを最後に35℃で減圧下で乾燥させて、所望の生成物を得た(79.5g、380mmol、収率72%)。
【0101】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):9.71(2H、s)、7.61(2H,J=8.4Hz,d)、7.53(2H,J=8.4Hz,d)、4.30(1H,s)、4.21(2H、s)、2.66-2.56(1H、m)、0.95-0.90(2H、m)、0.74-0.67(2H、m)
LC/MS(方法B):Rt=1.01分、m/z 172
【0102】
[実施例2]
N-(4-エチニルベンジル)-2-メトキシエタン-1-アミン塩酸塩の調製
【化73】
【0103】
N-(4-エチニルベンジル)-2-メトキシエタン-1-アミン塩酸塩を、適切なアミンを使用して、実施例1に記載の一般的な方法に従って調製した。所望の生成物を白色固体として単離した(収率82%)。
【0104】
1H NMR(300MHz、d4-メタノール)δ(ppm):7.48-7.44(2H、m)、7.41-7.38(2H、m)、4.14(2H、s)、3.57-3.54(2H、m)、3.53(1H,s)、3.31(3H、s)、3.15-3.10(2H、m)。
LC/MS(方法A):Rt=0.57分、m/z 190
【0105】
[実施例3]
N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-4-イル)メタンアミンの調製
【化74】
【0106】
N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-4-イル)メタンアミンの調製を、実施例1に記載の一般的な方法の工程1および2に従って達成して、2-メチル-4-(4-(((ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)フェニル)ブタ-3-イン-2-オールを生成した。工程3は以下のようにして行った。
【0107】
工程3:N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-4-イル)メタンアミンの調製
2-メチル-4-(4-(((ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)フェニル)ブタ-3-イン-2-オール(60g、213mmol)のトルエン(1300mL)中溶液をジャケット付きガラス反応器(3L)に投入し、水酸化カリウム(12g、213mmol)およびリン酸三カリウム(45g、213mmol)を添加した。温度を100℃に設定し、反応混合物をこの温度で4時間撹拌した。次いで、加熱を停止し、反応混合物を室温に到達させた後、水(350mL)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、濾過する。層を静置させ、水層を廃棄した。有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(250mL)、水(2×150mL)およびブライン(100mL)で順次洗浄した。有機層を減圧下で濃縮すると、最終的に所望の生成物(37.9g、157mmol、収率74%)が得られた。
【0108】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):8.49-8.47(2H、m)、7.44-7.34(6H、m)、4.14(1H,s)、3.68(4H、s)、2.90(1H,s)
LC/MS(方法A):Rt=0.49分、m/z 223
【0109】
[実施例4]
N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-3-イル)メタンアミンの調製
【化75】
【0110】
N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-3-イル)メタンアミンの調製を、実施例1に記載の一般的な方法の工程1および2に従って達成して、2-メチル-4-(4-(((ピリジン-3-イルメチル)アミノ)メチル)フェニル)ブタ-3-イン-2-オールを生成した。工程3は以下のように行った。
【0111】
工程3:N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-3-イル)メタンアミンの調製
2-メチル-4-(4-(((ピリジン-3-イルメチル)アミノ)メチル)フェニル)ブタ-3-イン-2-オール(60g、213mmol)のトルエン(1.2L)中溶液をジャケット付きガラス反応器(3L)に投入し、水酸化カリウム(12g、213mmol)およびリン酸三カリウム(45g、213mmol)を添加した。還流するように温度を設定し、反応混合物をこの温度で3.5時間撹拌した。次いで、加熱を停止し、反応混合物を室温に到達させた後、水(350mL)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、濾過した。層を静置させ、水層を廃棄した。有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(250mL)、水(2×125mL)およびブライン(100mL)で順次洗浄した。有機層を減圧下で濃縮すると、最終的に所望の生成物(44g、198mmol、収率93%)が得られた。HClを遊離塩基に添加して、分析目的用の化合物のハンドリングをより簡便にした。
【0112】
対応する塩酸塩から、1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.28(2H,bs)、9.07(1H,J=1.5 Hz,bd)、8.89(1H,J=1.5,5.5Hz,dd)、8.66(1H,J=8.7Hz,bd)、8.00-7.96(1H、m)、7.63(2H,J=8.5Hz,d)、7.54(2H,J=8.5Hz,d)、4.38(2H,bs)、4.24(2H,bs)。
LC/MS(方法A):Rt=0.51分、m/z 223
【0113】
[実施例5]
N-(4-エチニルベンジル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-アミン塩酸塩の調製
【化76】
【0114】
4-((トリメチルシリル)エチニル)ベンズアルデヒド(7.85g、37mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(150mL)中溶液に、2,2,2-トリフルオロエタン-1-アミン(2.92mL、37mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で15時間撹拌した。その後、反応混合物の温度を30℃未満に維持するために、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(39.5g、186mmol)を小分けにして添加した。得られた懸濁液を2.5時間撹拌し、その後、出発物質の完全な変換が観察された。激しく撹拌しながら、ガス発生を制御するために水(50mL)をゆっくりと添加した。ガス発生が停止した後、さらなる水(100mL)、炭酸カリウム(41.2g、298mmol)およびメタノール(200mL)を激しく撹拌しながら添加した。所望の生成物への完全な変換が確保されたら、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、反応混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、約60mLに濃縮した。ジオキサン中の4N塩酸溶液(11mL、44.0mmol)を滴下し、反応混合物を60分間撹拌した。混合物を濾過し、湿ケーキを酢酸エチル(50mL)、ペンタン(50mL)で洗浄し、室温で減圧下で乾燥させると、所望の生成物が得られた(5.99g、23mmol、収率62%)。
【0115】
1H NMR(300MHz、d3-メタノール)δ(ppm):7.55-7.48(4H、m)、4.34(2H、s)、4.02(2H,J=9.1Hz,q)、3.60(2H、s)
LC/MS(方法A):Rt=0.98分、m/z 214
【0116】
[実施例6]
N-(4-エチニルベンジル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-アミン塩酸塩の調製
【化77】
【0117】
N-(4-エチニルベンジル)-2,2,2-トリフルオロエタン-1-アミン塩酸塩の調製は、実施例1に記載の一般的な方法の工程1~3に従って達成した。
【0118】
1H NMR(300MHz、d3-メタノール)δ(ppm):7.62-7.52(4H、m)、6.33(1H,J=3.1,53.8Hz,tt)、4.35(2H、s)、3.67(1H,s)、3.60(2H,J=3.1,15.4Hz,td)
LC/MS(方法A):Rt=0.56分、m/z 196
【0119】
【0120】
[実施例7]
tert-ブチル(S)-(3-(4-ブロモベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化79】
【0121】
工程1:メチル(S)-2-(4-ブロモベンズアミド)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートの調製
ジャケット付きガラス反応器(2L)に、テトラヒドロフラン(500mL)および4-ブロモ安息香酸(74.2g、365mmol)を投入した。懸濁液に、塩化オキサリル(34.3mL、384mmol)およびジメチルホルムアミド(0.1mL)を周囲温度で激しく撹拌しながら連続的に添加した。18時間の反応時間後に透明な溶液が得られ、反応混合物の試料とブチルアミンとの反応によって完全な変換が確保された。反応混合物を、冷却した(0℃)テトラヒドロフラン(360mL)中のメチル(S)-2-アミノ-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(90g、365mmol)およびトリエチルアミン(102mL、731mmol)の溶液に15分以内に添加した。30分の反応時間後、完全な変換が達成された。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1.5L)およびメチルtert-ブチルエーテル(1.5L)で希釈し、15分間撹拌した。層を静置させ、有機層を回収した。水層をメチルtert-ブチルエーテル(500mL)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、所望の生成物をオフホワイト色の固体として得た(161g、357mmol、収率98%)。
【0122】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.92(1H,bs)、9.02(1H,s)、8.72(1H,J=8.3Hz,bd)、7.83(2H,J=7.8Hz,d)、7.70(2H,J=7.8Hz,d)、6.70(1H,bs)、4.58(1H,J=8.3Hz,d)、1.36(9H、s)、1.33(6H、s)
LC/MS(方法A):Rt=0.51分、m/z 223
【0123】
工程2:tert-ブチル(S)-(3-(4-ブロモベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製
ジャケット付きガラス反応器(5L)にメタノール(800mL)およびメチル(S)-2-(4-ブロモベンズアミド)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(168g、356mmol)を投入し、得られた溶液を5℃に冷却した。混合物の温度を8℃未満に維持しながら、撹拌下でヒドロキシルアミン50%水溶液(262mL、4.27mol)を5分以内に添加した。水酸化リチウム一水和物(60g、1.42mol)を一度に添加し、17℃への温度上昇が観察された。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、その後、完全な変換が観察された(約800mLが残った)。反応混合物を水(300mL)で希釈し、沈殿の開始が観察されるまで反応混合物を40℃で減圧下で濃縮した。反応混合物のpHを1N塩酸水溶液(約1.3L)の添加によってpH9.0に調整し、メチルtert-ブチルエーテル(2L)を添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、層を静置させた。有機層を回収し、水層をメチルtert-ブチルエーテル(1L)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた固体をメチルtert-ブチルエーテル(800mL)に懸濁し、懸濁液を15分間加熱還流し、室温まで冷却した。懸濁液を濾過し、湿ケーキをジイソプロピルエーテル(650mL)ですすぎ、40℃の減圧下で乾燥させて、所望の生成物を白色固体として得た(117g、272mmol、収率76%)。
【0124】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.92(1H,bs)、9.02(1H,s)、8.72(1H,J=8.3Hz,bd)、7.83(2H,J=7.8Hz,d)、7.70(2H,J=7.8Hz,d)、6.70(1H,bs)、4.58(1H,J=8.3Hz,d)、1.36(9H、s)、1.33(6H、s)
LC/MS(方法A):Rt=1.00分、m/z 341/339
【0125】
[実施例8]
4-ブロモ-N-((2S,3R)-3-(tert-ブトキシ)-1-(ヒドロキシアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)ベンズアミドの調製
【化79】
【0126】
工程1:メチルN-(4-ブロモベンゾイル)-O-(tert-ブチル)-L-トレオニネートの調製
4-ブロモ安息香酸(10g、49.7mmol)を室温で乾燥テトラヒドロフラン(50mL)に懸濁し、塩化オキサリル(4.57mL、52.2mmol)および数滴のDMFを連続的に添加する。得られた反応混合物は透明な溶液に変わり、これを周囲温度で8時間撹拌した。反応混合物を、乾燥テトラヒドロフラン(150mL)およびTEA(20.80ml、149mmol)中のメチルO-(tert-ブチル)-L-トレオニネート塩酸塩(11.23g、49.7mmol)およびトリエチルアミン(20.8mL、149mmol)の冷却(0℃)懸濁液上に撹拌しながら15分以内に添加した。20分の反応時間後、反応混合物を約100mLまで減圧下で濃縮した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150mL)およびメチルtert-ブチルエーテル(50mL)を添加し、混合物を15分間撹拌した。層を静置させ、有機層を回収した。水層をtert-ブチルエーテル(50mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧下で濃縮して所望の粗生成物を得、これをさらに精製することなく工程2に着手した。
【0127】
工程2:4-ブロモ-N-((2S,3R)-3-(tert-ブトキシ)-1-(ヒドロキシアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)ベンズアミドの調製
ジャケット付きガラス反応器(1L)に、メタノール(200mL)および工程1で得られた粗メチルN-(4-ブロモベンゾイル)-O-(tert-ブチル)-L-トレオニネート(47.2mmol)を投入した。得られた溶液を5℃に冷却し、50%ヒドロキシルアミン水溶液(35mL、566mmol)をゆっくり添加した後、水酸化リチウム一水和物(7.9g、189mmol)を添加した。白色沈殿が形成されるまで(約30分の反応時間)、反応混合物を周囲温度で激しく撹拌した。反応混合物を水(250mL)で希釈し、減圧下で濃縮した(約100mL)。混合物のpHを、1M塩酸水溶液の添加によってpH9.0に調整した。得られた懸濁液をメチルtert-ブチルエーテル(500mLおよび2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、減圧下で濃縮すると、所望の生成物がオフホワイト色固体として得られた(10.9g、29mmol、収率62%)。
【0128】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.66(1H,bs)、8.94(1H,s)、8.13(1H,J=9.0Hz,bd)、7.84(2H,J=8.4Hz,d)、7.69(2H,J=8.4Hz,d)、4.35(1H,J=5.5,9.0Hz,dd)、3.96(1H,J=5.5,6.3Hz,qd)、1.12(9H、s)、1.08(6H,J=6.3Hz,d)。
LC/MS(方法A):Rt=0.94分、m/z 284/282
【0129】
【0130】
[実施例9]
tert-ブチル(S)-(3-(4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化81】
【0131】
ジャケット付きガラス反応器(2L)に無水ジメチルスルホキシド(1.2L)を投入した。溶媒を3回の真空/窒素通気サイクルによって脱気し、tert-ブチル(S)-(3-(4-ブロモベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(117g、272mmol)、N-(4-エチニルベンジル)シクロプロパンアミン塩酸塩(50.8g、245mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15.7g、13.6mmol)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(143mL、952mmol)を添加した。温度を70℃に上げ、反応混合物をこの温度で5時間撹拌した。加熱を停止し、温度を室温に到達させた。反応混合物をより大きな反応器(20L)に移し、酢酸エチル(6L)および0.5N塩酸水溶液(6L)を添加した。混合物を15分間撹拌し、層を静置させた。水層を回収し、有機層を0.5N塩酸水溶液(1.2L)で抽出した。合わせた水層のpHを、飽和炭酸ナトリウム水溶液(約0.5L)の添加によってpH6.0に設定し、合わせた水層を酢酸エチル(6Lおよび1.2L)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1.2L)で逆抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液(1.2L)で洗浄し、減圧下で濃縮すると、所望の生成物が淡黄色固体として得られた(118.4g、225mmol、収率92%)。
【0132】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):7.92(2H,J=8.3Hz,bd),7.64(2H,J=8.3Hz,bd),),7.54(2H,J=8.3Hz,bd),),7.41(2H,J=8.3Hz,bd),4.72(1H,s),3.85(2H,s),2.18-2.14(1H,m),1.50(3H,s),1.47(9H,s),1.43(3H,s),0.52-0.49(2H,m),0.43-0.41(2H,m)
LC/MS(方法A):Rt=0.79分、m/z 521
【0133】
[実施例10]
tert-ブチル(S)-(4-(ヒドロキシアミノ)-3-(4-((4-(((2-メトキシエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化82】
【0134】
ジャケット付きガラス反応器(1L)に、無水ジメチルスルホキシド(210mL)、tert-ブチル(S)-(3-(4-ブロモベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(20.5g、47.6mmol)、N-(4-エチニルベンジル)-2-メトキシエタン-1-アミン塩酸塩(9.68g、42.9mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.75g、2.4mmol)、ヨウ化銅(I)(0.90g、4.8mmol)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(25.1ml、167mmol)を投入した。温度を70℃に上げ、反応混合物をこの温度で1時間撹拌した。加熱を停止し、反応混合物を周囲温度まで冷却した。混合物をより大きな反応器(3L)に移し、酢酸エチル(800mL)および0.5N塩酸水溶液(800mL)を添加した。混合物を15分間撹拌し、層を静置させた。水層を回収し、有機層を0.5N塩酸水溶液(400mL)で抽出した。合わせた水層を酢酸エチル(200mL)で洗浄し、飽和炭酸ナトリウム水溶液の添加によってpHをpH6に調整した。水層を酢酸エチル(2×600mL)で抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、減圧下で濃縮すると、灰色固体が得られた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィ(溶離液ジクロロメタン:メタノール90:10)による精製により、所望の生成物をベージュ色固体として得た(18.8g、34.8mmol、収率81%)。
LC/MS(方法A):Rt=0.74分、m/z 539
【0135】
[実施例11]
tert-ブチル(S)-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソ-3-(4-((4-(((ピリジン-4-イルメチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)ブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化83】
【0136】
ジャケット付きガラス反応器(500mL)に、無水脱気ジメチルスルホキシド(150mL)、tert-ブチル(S)-(3-(4-ブロモベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(28.5g、66mmol)、N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-4-イル)メタンアミン(15.5g、64mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.83g、3.3mmol)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(34.9mL、232mmol)を投入した。温度を50℃に上げ、激しく撹拌しながらヨウ化銅(I)(1.26g、6.6mmol)を10分以内に少しずつ添加した。添加の完了後、温度を70℃に設定し、反応混合物をこの温度で30分間撹拌し、周囲温度まで冷却させた。反応混合物を撹拌しながら水(800mL)に注ぎ入れ、形成された沈殿物を濾過した。酢酸エチル(800mL)を濾液に添加し、得られた混合物を15分間撹拌した。層を静置させ、有機層を回収した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィ(溶離液酢酸エチル)による精製により、所望の生成物をベージュ色固体として得た(22.7g、36.0mmol、収率56%)。
【0137】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.92(1H,bs)、9.03(1H,s)、8.73(1H,J=9.0Hz,bd)、8.50(2H,J=5.9Hz,bd)、7.93(2H,J=8.2Hz,bd)、7.55(2H,J=8.2Hz,bd)、7.43(2H,J=8.2Hz,bd)、7.38(2H,J=5.9Hz,bd)、6.73(1H,s)、4.60(1H,J=8.9Hz,bd)、3.72(4H、m)、3.34(1H、m)、2.55(3H、s)、1.37(9H,bs)、1.34(3H,bs)、1.33(3H,bs)
LC/MS(方法A):Rt=0.70分、m/z 572
【0138】
[実施例12]
tert-ブチル(S)-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソ-3-(4-((4-(((ピリジン-3-イルメチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)ブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化84】
【0139】
ジャケット付きガラス反応器(500mL)に、無水脱気ジメチルスルホキシド(150mL)、tert-ブチル(S)-(3-(4-ブロモベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(29.5g、68.6mmol)、N-(4-エチニルベンジル)-1-(ピリジン-3-イル)メタンアミン(14.8g、66.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.96g、3.43mmol)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(36.2mL、240mmol)を投入した。得られた混合物の温度を50℃に設定し、ヨウ化銅(I)(1.31g、6.86mmol)を撹拌しながら少しずつ添加した。40分の反応時間後、完全な変換が観察され、反応混合物を室温に到達させた。反応混合物を撹拌しながら水(500mL)に注ぎ入れ、3N塩酸水溶液(約55mL)の添加によってpHを中性に設定した。形成された沈殿物を濾過し、酢酸エチル(500mL)を濾液に添加し、混合物を15分間撹拌した。層を静置させ、有機層を回収した。水層を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、減圧下で濃縮すると、所望の生成物が得られた(36g、59.8mmol、収率90%)。
【0140】
1H NMR(300MHz、d3-メタノール)δ(ppm):8.55(1H,bs)、8.48(1H,bs)、7.93-7.87(3H、m)、7.64(2H,J=8.1Hz,bd)、7.55(2H,J=8.1Hz,bd)、7.46-7.40(3H、m)、4.72(1H,s)、3.83(4H,bs)、1.50(3H、s)、1.47(9H、s)、1.44(3H、s)
LC/MS(方法A):Rt=0.72分、m/z 572
【0141】
[実施例13]
tert-ブチル(S)-(3-(4-((4-(((2,2-ジフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製
【化85】
【0142】
tert-ブチル(S)-(3-(4-((4-(((2,2-ジフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメートの調製は、実施例9に記載の一般的な方法に従うことによって達成した。
【0143】
1H NMR(300MHz、d3-メタノール)δ(ppm):8.55(1H,bs)、8.48(1H,bs)、7.93-7.87(3H、m)、7.64(2H,J=8.1Hz,bd)、7.55(2H,J=8.1Hz,bd)、7.46-7.40(3H、m)、4.72(1H,s)、3.83(4H,bs)、1.50(3H、s)、1.47(9H、s)、1.44(3H、s)
LC/MS(方法A):Rt=0.75分、m/z 545
【0144】
[実施例14]
N-((2S,3R)-3-(tert-ブトキシ)-1-(ヒドロキシアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製
【化86】
【0145】
N-((2S,3R)-3-(tert-ブトキシ)-1-(ヒドロキシアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製は、実施例9に記載される一般的な方法に従って達成した。
LC/MS(方法A):Rt=1.07分、m/z 506
【0146】
【0147】
[実施例15]
(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド二塩酸塩の調製
【化88】
【0148】
ジャケット付きガラス反応器(1L)に、アセトニトリル(300mL)、水(50mL)およびtert-ブチル(S)-(3-(4-((4-((シクロプロピルアミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-4-(ヒドロキシアミノ)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(90g、171mmol)を投入した。12N塩酸水溶液(141mL、1.71mol)を25℃で5分以内に添加し、33℃への温度上昇が観察された。3時間の反応時間後、完全な変換が達成され、反応混合物を約50℃で激しく撹拌しながらアセトン(4.5L)に20分以内に添加した。懸濁液を得て、10分間加熱還流し、その後、温度を25℃に冷却し、撹拌を15時間続けた。沈殿物を濾別し、アセトン(100mL)で洗浄し、40℃で減圧下で乾燥させると、淡黄色固体(73.7g、147mmol、収率86%)として所望の生成物が得られた。
【0149】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):11.29(1H,s)、9.89(1H,bs)、9.24(1H,bs)、8.86(1H,J=9.3Hz,bd)、8.38(3H,bs)、8.10(2H,J=8.4Hz,bd)、7.71-7.62(6H、m)、4.70(1H,J=9.3Hz,bd)、4.28-4.19(2H、m)、2.62(1H,bs)、1.38(3H、s)、1.36(3H、s)、0.99-0.94(2H、m)、0.74-0.67(2H、m)
LC/MS(方法A):Rt=0.53分、m/z 421
【0150】
[実施例16]
N-((2S,3R)-3-ヒドロキシ-1-(ヒドロキシアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製
【化89】
【0151】
12N塩酸水溶液(10mL、120mmol)を、N-((2S、3R)-3-(tert-ブトキシ)-1-(ヒドロキシアミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド(3.09g、6.11mmol)のアセトニトリル(30mL)中撹拌懸濁液に滴加した。懸濁固体が溶解し、得られた溶液を周囲温度で30分間撹拌した後、完全な変換が観察された。反応混合物を水(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の添加によりpHを8~9に調整し、酢酸エチル(250mL)を添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、層を静置させた。有機層を回収し、水層を酢酸エチル(250mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)、塩化ナトリウム水溶液(100mL)ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を酢酸エチル(約100mL)から再結晶し、続いて湿ケーキをメチルtert-ブチルエーテル(20mL)で洗浄し、減圧下40℃で乾燥させることによって精製した。所望の生成物をオフホワイト色の固体として得た(2.14g、4.76mmol、収率78%)。
【0152】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):10.70(1H,bs)、8.87(1H,bs)、8.16(1H,J=8.7Hz,d)、7.96(2H,J=8.3Hz,d)、7.66(2H,J=8.3Hz,d)、7.56(2H,J=8.3Hz,d)、7.42(2H,J=8.3Hz,d)、4.28(1H,J=5.5,8.3Hz,dd)、4.04(1H,J=5.5,6.9Hz,qd)、3.83(2H,J=6.9Hz,bd)、3.24-3.18(2H、m)、3.04-2.99(2H、m)、1.10(3H,J=6.3Hz,d)
LC/MS(方法A):Rt=0.80分、m/z 450
【0153】
[実施例17]
(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2-メトキシエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド二塩酸塩の調製
【化90】
【0154】
12N塩酸水溶液(55mL、666mmol)を、アセトニトリル(180mL)および水(20mL)の混合物中のtert-ブチル(S)-(4-(ヒドロキシアミノ)-3-(4-((4-(((2-メトキシエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミド)-2-メチル-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(20g、33mmol)の撹拌溶液に周囲温度で5分以内に添加した。3時間の反応時間後、完全な変換が観察された。揮発性物質を減圧下での蒸留によって取り除き、得られた残渣をジオキサン(200mL)に希釈し、凍結乾燥させると、所望の生成物が淡黄色固体(20.8g、40mmol、定量的)として得られた。
【0155】
1H NMR(300MHz,d3-ジメチルスルホキシド)δ(ppm):11.27(1H,s),9.51(2H,bs),8.82(1H,J=9.0Hz,bd),8.30(3H,bs),8.09(2H,J=8.4Hz,d),7.70-7.66(6H,m),4.70(1H,J=9.0Hz,d),4.21-4.18(2H,m),3.65(2H,J=5.1Hz,bt),3.30(3H,s),3.11-3.03(2H,m),1.37(3H,s),1.35(3H,s)
LC/MS(方法A):Rt=0.51分、m/z 439
【0156】
[実施例18]
(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2-ジフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製
【化91】
【0157】
(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2-ジフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製は、実施例15に記載される一般的な方法に従って達成した。
【0158】
1H NMR(300MHz,d3-メタノール)δ(ppm):7.90(2H,J=6.3Hz,d),7.63(2H,J=6.3Hz,d),7.54(2H,J=6.2Hz,d),7.40(2H,J=6.2Hz,d),5.93(1H,J=3.2,40.8Hz,tt),4.48(1H,s),3.86(2H,s),2.92(2H,J=3.2,11.6Hz,td),1.31(3H,s),1.22(3H,s)
LC-MS:(方法C):Rt=7.66分、m/z 445
【0159】
[実施例19]
(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製
【化92】
【0160】
(S)-N-(3-アミノ-1-(ヒドロキシアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル)-4-((4-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)メチル)フェニル)エチニル)ベンズアミドの調製は、実施例15に記載される一般的な方法に従って達成した。
【0161】
1H NMR(300MHz,d3-メタノール)δ(ppm):7.88(2H,J=8.1Hz,d),7.59(2H,J=8.1Hz,d),7.51(2H,J=8.1Hz,d),7.38(2H,J=8.1Hz,d),4.50(1H,s),3.87(2H,s),3.18(2H,J=9.9Hz,q),1.31(3H,s),1.23(3H,s)
LC-MS:(方法C):Rt=8.47分、m/z 463。
【国際調査報告】