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特表2024-545298基地局バージョンダウンロード方法、ネットワーク管理サーバ、基地局、機器及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】基地局バージョンダウンロード方法、ネットワーク管理サーバ、基地局、機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/00 20090101AFI20241128BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20241128BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20241128BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20241128BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20241128BHJP
【FI】
H04W8/00
H04W88/08
H04W88/18
H04W92/20
H04W92/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537492
(86)(22)【出願日】2023-03-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2023079937
(87)【国際公開番号】W WO2023185390
(87)【国際公開日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】202210314165.0
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】賈曉龍
(72)【発明者】
【氏名】徐濟乾
(72)【発明者】
【氏名】鄭鵬
(72)【発明者】
【氏名】郭先清
(72)【発明者】
【氏名】王康
(72)【発明者】
【氏名】鄭亮
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA44
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH22
(57)【要約】
本願は、無線通信の技術分野に関し、基地局バージョンダウンロード方法、ネットワーク管理サーバ、基地局、機器及び媒体を開示する。本願において、ネットワーク管理サーバに適用される基地局バージョンダウンロード方法は、全ての基地局から第1の基地局を選択し、第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供するステップと、第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、第1の基地局をシード基地局リストに追加するステップと、ダウンロード待ち基地局がシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、ダウンロード待ち基地局をシード基地局リストに追加するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク管理サーバに適用される基地局バージョンダウンロード方法であって、
全ての基地局から第1の基地局を選択し、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供するステップと、
前記第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記第1の基地局をシード基地局リストに追加するステップと、
ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、前記ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記ダウンロード待ち基地局を前記シード基地局リストに追加するステップと、
を含む基地局バージョンダウンロード方法。
【請求項2】
全ての基地局から第1の基地局を選択する前記ステップは、
各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局として選択するステップを含み、
ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングする前記ステップは、
ダウンロード待ち基地局が属するグループに基づいて、前記シード基地局リスト内の、前記ダウンロード待ち基地局と同じグループに属するターゲット基地局を決定するステップと、
前記ダウンロード待ち基地局が前記ターゲット基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングするステップと、
を含む請求項1に記載の基地局バージョンダウンロード方法。
【請求項3】
各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、各前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局として選択する前記ステップは、
前記全ての基地局のうち、必要とされる基地局バージョンが同じである基地局を1つのグループに分け、各前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局としてランダムに選択するステップ、
又は、前記全ての基地局のうちの各基地局に必要とされる基地局バージョンの包含関係に基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、各前記グループ内の、必要とされる基地局バージョンのファイルが最も多い基地局を、前記第1の基地局として選択するステップを含み、
前記グループ内の第1の基地局でない基地局に必要とされる基地局バージョンのファイルは、同じグループの前記第1の基地局に必要とされる基地局バージョンのファイルに含まれる
請求項2に記載の基地局バージョンダウンロード方法。
【請求項4】
各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分ける前記ステップの前に、
前記ネットワーク管理サーバにより、前記グループ内のどの2つの基地局間の伝送リンクも相互接続されていることを検出するステップ、
又は、伝送リンク検出スクリプトを利用して、前記グループ内のどの2つの基地局間の伝送リンクも相互接続されていることを検出するステップ
をさらに含む請求項2又は3に記載の基地局バージョンダウンロード方法。
【請求項5】
前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供する前記ステップの前に、
各前記第1の基地局が属する前記グループ内の基地局数に基づいて、各前記第1の基地局に割り当てる安全なファイル転送プロトコルSFTPダウンロードリソースを決定するステップをさらに含み、
前記第1の基地局は、前記SFTPダウンロードリソースを利用して前記基地局バージョンをダウンロードする
請求項2に記載の基地局バージョンダウンロード方法。
【請求項6】
基地局に適用される基地局バージョンダウンロード方法であって、
ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするステップと、
前記基地局が前記ネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを前記ネットワーク管理サーバに報告するステップと、
前記基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供するステップと、を含み、前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される
基地局バージョンダウンロード方法。
【請求項7】
ネットワーク管理サーバであって、
全ての基地局から第1の基地局を選択し、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供するように設定された選択提供モジュールと、
前記第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記第1の基地局をシード基地局リストに追加するように設定されたシード基地局決定モジュールと、
ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、前記ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記ダウンロード待ち基地局を前記シード基地局リストに追加するように設定されたダウンロードスケジューリングモジュールと、
を含むネットワーク管理サーバ。
【請求項8】
基地局であって、
ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするように設定された基地局バージョンダウンロードモジュールと、
前記基地局が前記ネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを前記ネットワーク管理サーバに報告するように設定されたメッセージ報告モジュールと、
前記基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供するように設定された基地局バージョン提供モジュールと、を含み、
前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される
基地局。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶され、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から6の何れか一項に記載の基地局バージョンダウンロード方法を実行できるようにする
電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行された場合、請求項1から6の何れか一項に記載の基地局バージョンダウンロード方法を実現する
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年3月28日に出願された、出願番号が202210314165.0である中国特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本願は、無線通信の技術分野に関するものであり、特に、基地局バージョンダウンロード方法、ネットワーク管理サーバ、基地局、機器及び媒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
無線通信ネットワークにおける基地局は、ソフトウェア及びハードウェアの統合度が高く、強力な機能を持っている。異なる通信事業者、異なるシナリオにおけるデプロイメントのニーズを満たすために、1セットの基地局は、一般的に、2/3/4/5G方式を同時にサポートする必要がある。なお、基地局には、強力な機能を持つソフトウェアバージョンによるサポートが必要である。同時に、最新の機能をサポートし、継続的なアップグレードのニーズに対応するためには、技術の急速な革新に合わせて、基地局のバージョンも頻繁にアップグレードする必要がある。
【0004】
従来の基地局バージョンのアップグレードは、無線ネットワークの技術分野で一般的に採用されているのは従来のダウンロード方式、即ち、全ての基地局がネットワーク管理サーバからソフトウェアバージョンをダウンロードする方式である。しかしながら、基地局ソフトウェアバージョンの進化に従ってバージョンパッケージは膨大になりつつあるが、ネットワーク管理アウトバウンド帯域幅のリソースが限られている(多くの実地では複数の事業者、複数のネットワーク管理が同じネットワーク管理サーバ室にデプロイメントされ、アウトバウンド帯域幅を共用する)ため、ソフトウェアバージョンを一括ダウンロードする際、速度が遅く、時間がかかってしまう。実際には、基地局のソフトウェアのバージョンアップグレードにかかる時間の大半は、バージョンのダウンロードに費やされている。
【0005】
また、従来の基地局バージョンをダウンロードする案は、ダウンロード効率が一般的には6~9時間/2000局と比較的低い。一方、実地でバージョンを大規模にデプロイメントする場合、1日にアップグレードされる基地局の規模は2000~3000局である。つまり、一般的には、昼間の時間は全てバージョンのダウンロードに費やされる。また、基地局のバージョンダウンロードには時間がかかるため、作業者は交代でバージョンダウンロードの監視を担当することにより、ダウンロード異常が発生した場合に作業者がダウンロード異常の発生した局に対して適時に処理できるようにする必要がある。さらに、大量のバージョンダウンロードは、ネットワーク管理アウトバウンド帯域幅を含む大量のネットワーク管理資源を占有し、これは、現場の基地局の運用開始、日常の運用保守などの作業に影響し、さらに、現場の人的資源の巨大な消耗を引き起こす。
【0006】
こうして、従来の基地局バージョンダウンロード方式には、ダウンロード速度が遅く、ダウンロード効率が低く、大量の人的資源及びネットワーク管理リソースを消費するなど、最適化及び解決が強く求められている問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の実施形態の目的は、基地局バージョンダウンロードの速度を向上させ、基地局バージョンダウンロードの効率を向上させるとともに、基地局バージョンダウンロードに必要な人的資源及びネットワーク管理リソースを節約するための、基地局バージョンダウンロード方法、ネットワーク管理サーバ、基地局、機器及び媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決策するために、本願の実施例は、ネットワーク管理サーバに適用される基地局バージョンダウンロード方法を提供し、前記方法は、全ての基地局から第1の基地局を選択し、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供するステップと、前記第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記第1の基地局をシード(seed)基地局リストに追加するステップと、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、前記ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記ダウンロード待ち基地局を前記シード基地局リストに追加するステップと、を含む。
【0009】
上記問題点を解決策するために、本願の実施例は、基地局に適用される基地局バージョンダウンロード方法を提供し、前記方法は、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするステップと、前記基地局が前記ネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを前記ネットワーク管理サーバに報告するステップと、前記基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供するステップと、を含み、前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される。
【0010】
上記問題点を解決策するために、本願の実施例は、ネットワーク管理サーバをさらに提供し、前記ネットワーク管理サーバは、全ての基地局から第1の基地局を選択し、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供するのに用いられる選択提供モジュールと、前記第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記第1の基地局をシード基地局リストに追加するのに用いられるシード基地局決定モジュールと、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、前記ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記ダウンロード待ち基地局を前記シード基地局リストに追加するのに用いられるダウンロードスケジューリングモジュールと、を含む。
【0011】
上記問題点を解決策するために、本願の実施例は、基地局をさらに提供し、前記基地局は、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするのに用いられる基地局バージョンダウンロードモジュールと、前記基地局が前記ネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを前記ネットワーク管理サーバに報告するのに用いられるメッセージ報告モジュールと、前記基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供するのに用いられる基地局バージョン提供モジュールと、を含み、前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される。
【0012】
本願の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを備える電子機器をさらに提供し、メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行できる命令が記憶され、命令が少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、少なくとも1つのプロセッサが上記の基地局バージョンダウンロード方法を実行できるようにする。
【0013】
本願の実施形態はさらに、コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行された場合、上記基地局バージョンダウンロード方法を実現する。
【発明の効果】
【0014】
(有益な効果)
本願の実施形態において、ネットワーク管理サーバは、全ての基地局から第1の基地局を選択し、第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供し、ネットワーク管理サーバは、第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、第1の基地局をシード基地局リストに追加し、さらに、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングする。選択された一部の基地局のみがネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードし、残りのダウンロード待ち基地局が全てシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするため、全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする従来の方式に比べて、ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースを効果的に節約できる。また、大量の基地局がネットワーク管理アウトバウンドリソースを占有するダウンロード方式に比べて、ダウンロード速度を効果的に向上させることもできる。なお、ネットワーク管理サーバは、ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、ダウンロード待ち基地局をシード基地局リストに追加する。これにより、基地局バージョンダウンロードを完了した基地局は全て、ダウンロードされるように基地局バージョンを提供するシード基地局になることができ、さらに、各ダウンロード待ち基地局は、シード基地局リスト内の複数の基地局から基地局バージョンを同時にダウンロードすることができる。基地局バージョンのダウンロードに要する時間を大幅に短縮し、基地局バージョンダウンロードの効率を向上させることができる。さらに、上記のプロセスには技術者が関与する必要がないため、労力の消費を大幅に削減することができる。
【0015】
一つ又は複数の実施形態をそれに対応する添付図面中の画像によって例示的に示し、これらの例示的な説明は、実施形態に対する限定を構成せず、添付図面中の同じ参照符号を有する素子は同様の素子であることを示し、特に明記されていない限り、図面内の画像は比例に対する限定を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本願の一実施形態にかかる、ネットワーク管理サーバに適用される基地局バージョンダウンロードの方法のフローチャートである。
図2】本願の一実施形態にかかる、基地局バージョンダウンロードのインタラクション方法のフローチャートである。
図3】本願の一実施形態にかかる、1つ目のグループ分け方式の基地局グループ分け模式図である。
図4】本願の一実施形態にかかる、2つ目のグループ分け方式の基地局グループ分け模式図である。
図5】本願の一実施形態にかかる、基地局に適用される基地局バージョンダウンロードの方法のフローチャートである。
図6】本願の一実施形態にかかる、ネットワーク管理サーバの構成模式図である。
図7】本願の一実施形態にかかる、基地局の構成模式図である。
図8】本願の別の実施例にかかる、電子機器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面を組み合わせて本願の各実施形態を詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本願の各実施形態において、読み手に本願をよりよく理解してもらうために多くの技術的詳細が提示されていることを理解することができる。しかしながら、これらの技術的詳細及び以下の各実施形態に基づく様々な変更及び修正がなくとも、本願の保護を求める技術案を実現することができる。
【0018】
本願の一実施形態は、ネットワーク管理サーバに適用される基地局バージョンダウンロード方法に関する。
【0019】
本実施形態において、ネットワーク管理サーバは、全ての基地局から第1の基地局を選択し、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供し、前記第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記第1の基地局をシード基地局リストに追加し、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、前記ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記ダウンロード待ち基地局を前記シード基地局リストに追加する。
【0020】
実際に実施する際には、ネットワーク管理サーバを、ネットワーク管理通常ダウンロード方式とシード基地局ダウンロード方式との2つのダウンロード方式を備えるように設定することができる。ネットワーク管理サーバが基地局バージョンダウンロードタスクを作成し、ダウンロード方式をシード基地局ダウンロードとして決定した場合、ネットワーク管理サーバは、本実施形態に記載される基地局バージョンダウンロード方法を実行する。ネットワーク管理サーバが基地局バージョンダウンロードタスクを作成し、ダウンロード方式をネットワーク管理通常ダウンロードとして決定した場合、ネットワーク管理サーバは、従来の基地局バージョンダウンロード方式を実行する。即ち、全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする。
【0021】
以下では、本実施例にかかる、基地局バージョンをダウンロードする方法の実現の詳細について具体的に説明するが、以下の内容は、本案の実現の詳細への理解を容易にするためのものであり、本案を実施するための必須条件ではない。具体的な流れは図1に示され、以下のステップを含んでもよい。
【0022】
ステップ101において、全ての基地局から第1の基地局を選択し、第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供する。
【0023】
本ステップにかかる第1の基地局は、全ての基地局のうちの一部の基地局のみである。したがって、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするのは、全ての基地局のうちの一部の基地局のみである。そのため、全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする従来の方式に比べて、ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースを効果的に節約できる。
【0024】
ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースが限られている場合、ネットワーク管理サーバはさらに、選択された全ての第1の基地局を複数の組に分けて、第1の基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするように組ごとにスケジューリングすることもできる。これにより、ネットワーク管理アウトバウンドリソース不足によるダウンロードの輻輳を回避することができ、基地局バージョンダウンロードの速度をさらに向上させることができる。
【0025】
各組においてネットワーク管理サーバから基地局バージョンを同時にダウンロードする基地局の数は、ネットワーク管理サーバに設定されたSFTP(SSH File Transfer Protocol:安全なファイル転送プロトコル)同時実行数に基づいて決定されることができる。SFTP同時実行数は、ネットワーク管理サーバにおいて事前に設定できる。
【0026】
ステップ102において、第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、第1の基地局をシード基地局リストに追加する。
【0027】
第1の基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功し、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージをネットワーク管理サーバに報告する。ネットワーク管理サーバは、第1の基地局をシード基地局リストに追加する。本明細書でいうシード基地局とは、基地局バージョンのダウンロードが完了しており、他の各ダウンロード待ち基地局に基地局バージョンダウンロードサービスを提供できる基地局を指す。
【0028】
ネットワーク管理サーバは、第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、第1の基地局により占有されているSFTPリソースを自動的に解放する。
【0029】
ステップ103において、ダウンロード待ち基地局がシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、ダウンロード待ち基地局をシード基地局リストに追加する。
【0030】
本ステップにおいて、ネットワーク管理サーバは、ダウンロード待ち基地局がシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、基地局間の基地局バージョンの相互伝送を実現することができる。基地局は、その基地局バージョンのダウンロードが完了した限り、シード基地局となり、ダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするために、基地局バージョンを提供することができる。
【0031】
ダウンロード待ち基地局の全てが基地局バージョンのダウンロードを完了するまで、ステップ103を繰り返す。即ち、全ての基地局が基地局バージョンのダウンロードを完了するまで、各ダウンロード待ち基地局は、シード基地局から基地局バージョンをダウンロードし、ダウンロードが完了した後にシード基地局となる。この過程において、シード基地局リスト内の基地局数が増加するにつれて、基地局バージョンの同時ダウンロード能力がほぼ指数関数的に向上することができるため、バージョンダウンロードの効率が飛躍的に向上する。
【0032】
なお、シード基地局がダウンロード待ち基地局にマルチスレッドでダウンロードサービスを提供することができる。即ち、複数のダウンロード待ち基地局が同一のシード基地局から基地局バージョンを同時にダウンロードすることができる。これにより、基地局バージョンのダウンロード効率がさらに向上させることができる。本明細書で言及される、シード基地局により提供されるダウンロードサービスの同時実行スレッド数は、ネットワーク管理サーバを介して設定できる。
【0033】
さらに、基地局間での基地局バージョンの相互伝送は、各基地局間の伝送リンクが相互接続されていることを保証する必要がある。そのため、ダウンロード待ち基地局がシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードする前に、基地間のSFTP接続を行う必要がある。ネットワーク管理サーバにより構成インターフェースを呼び出して、基地局間のOMCB(Operation and Maintenance Channel for NodeB:基地局用運用保守チャネル)の構成を自動的に行うことができる。基地局間のOMCBチャネルの構成が完了した後に、ダウンロード待ち基地局がシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングするステップを実行する。
【0034】
ダウンロード待ち基地局がシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンを成功裏にダウンロードした後に、ネットワーク管理サーバは、構成インターフェースを自動的に呼び出して、当該ダウンロード待ち基地局とシード基地局との間のOMCBチャネルを削除することができる。
【0035】
また、ダウンロード待ち基地局がシード基地局から基地局バージョンをダウンロードする場合、ダウンロードに失敗する可能性もある。これは、シード基地局の動作異常などが原因である可能性がある。この場合、ダウンロード待ち基地局は、シード基地局から複数回のダウンロードを試みても失敗した後に、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするのを行列で待つことができる。
本実施形態により提供される基地局バージョンダウンロードの方法をよりよく理解するために、図2に示すようなインタラクションプロセスの模式図を参照することができる。
【0036】
本実施形態において、ネットワーク管理サーバは、全ての基地局から第1の基地局を選択し、第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供する。ネットワーク管理サーバは、第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、第1の基地局をシード基地局リストに追加し、さらに、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングする。選択された一部の基地局のみがネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードし、残りのダウンロード待ち基地局が全てシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするため、全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする従来の方式に比べて、ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースを効果的に節約できる。また、大量の基地局がネットワーク管理アウトバウンドリソースを占有するダウンロード方式に比べて、ダウンロード速度を効果的に向上させることもできる。なお、ネットワーク管理サーバは、ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、ダウンロード待ち基地局をシード基地局リストに追加する。これにより、基地局バージョンダウンロードを完了した基地局は全て、ダウンロードされるように基地局バージョンを提供するシード基地局になることができ、さらに、各ダウンロード待ち基地局は、シード基地局リスト内の複数の基地局から基地局バージョンを同時にダウンロードすることができる。基地局バージョンのダウンロードに要する時間を大幅に短縮し、基地局バージョンダウンロードの効率を向上させることができる。さらに、上記のプロセスには技術者が関与する必要がないため、労力の消費を大幅に削減することができる。
【0037】
本願の別の実施形態は、ネットワーク管理サーバに適用される基地局バージョンダウンロード方法に関する。本実施形態は、前の実施形態とほぼ同じであるが、主な相違点は、本実施形態において、全ての基地局から第1の基地局を選択するステップが、各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局として選択するステップを含むことにある。
【0038】
本実施形態において、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングするステップは、ダウンロード待ち基地局が属するグループに基づいて、前記シード基地局リスト内の、前記ダウンロード待ち基地局と同じグループに属するターゲット基地局を決定するステップと、前記ダウンロード待ち基地局が前記ターゲット基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングするステップと、を含んでもよい。
【0039】
ここのターゲット基地局は即ち、ダウンロード待ち基地局と同じグループに属するシード基地局である。シード基地局は、グループ内では全てのダウンロード待ち基地局にとって共有されているものであり、且つ、同じグループ内でしか使用されることができない。
【0040】
基地局に必要とされる基地局バージョンファイルは、基地局の実際の構成に基づいて決定されるため、構成(ハードウェア構成、ワイヤレス構成を含む)が異なる各基地局に必要とされるバージョンファイルが異なるかもしれない。したがって、基地局バージョンをダウンロードする前に、基地局を、それぞれに必要とされる基地局バージョンに基づいてグループ化する必要があり、これにより、各基地局が属するグループ内のシード基地局からダウンロードするバージョンファイルが正確且つ完全であることを保証することができる。
【0041】
本実施形態において、各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、各前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局として選択するステップは、前記全ての基地局のうち、必要とされる基地局バージョンが同じである基地局を1つのグループに分け、各前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局としてランダムに選択するステップ、又は、前記全ての基地局のうちの各基地局に必要とされる基地局バージョンの包含関係に基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、各前記グループ内の、必要とされる基地局バージョンのファイルが最も多い基地局を、前記第1の基地局として選択するステップを含んでもよく、前記グループ内の第1の基地局でない基地局に必要とされる基地局バージョンのファイルは、同じグループの前記第1の基地局に必要とされる基地局バージョンのファイルに含まれる。
【0042】
1つ目のグループ化方式、即ち、前記全ての基地局のうち、必要とされる基地局バージョンが同じである基地局を1つのグループに分けるグループ化方法をよりよく理解してもらうために、図3に示すような基地局グループ化模式図を用いて、1つ目のグループ化方式について説明する。図3に示されるように、必要とされる基地局バージョンがAである各基地局はグループ1に分けられ、必要とされる基地局バージョンがBである各基地局はグループ2に分けられ、残りの各グループは同様に分けられる。
【0043】
上記各グループ内の基地局については、各基地局に必要とされる基地局バージョンファイルが同じであるため、任意の基地局を第1の基地局としても、第1の基地局でない各基地局のダウンロード需要を満たすことができるので、各グループ内で1つの基地局を第1の基地局としてランダムに選択すればよい。
【0044】
1つ目のグループ化方式については、実際に実施する際に、ネットワーク管理サーバにより、基地局バージョンダウンロードタスクを作成した後に、必要とされる基地局バージョンファイルを報告する命令を各基地局に送信することができる。ネットワーク管理サーバは、全ての基地局により報告された、必要とされる基地局バージョンのファイルのリストを収集した後に、基地局をグループ化する。
【0045】
2つ目のグループ化方式、即ち、前記全ての基地局のうちの各基地局に必要とされる基地局バージョンの包含関係に基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分けるグループ化方法をよりよく理解してもらうために、図4に示すような基地局グループ化模式図を用いて、2つ目のグループ化方式について説明する。
【0046】
図4に示すように、基地局バージョンファイルA+B+Cは、基地局バージョンファイルA+B+C+Dの部分集合であるので、必要とされる基地局バージョンファイルがA+B+Cである基地局は、必要とされる基地局バージョンファイルがA+B+C+Dである基地局と同じグループに分けられてもよい。同様に、必要とされる基地局バージョンファイルがA+B+D、A+C、又はAである基地局も、当該グループに分けられることができる。また、必要とされるバージョンファイルがA+B+C+Dである基地局が第1の基地局として選択され、これにより、このグループ内の各基地局が全て、必要とされる基地局バージョンファイルをダウンロードして取得できることを保証できる。
【0047】
シード基地局数が増加するにつれて、全ての基地局が基地局バージョンをダウンロードする速度は、ほぼ指数関数的に増大することができる。シード基地局は、属するグループ内のダウンロード待ち基地局としか基地局バージョンファイルを共有できないので、各基地局をグループ化する必要がある場合、グループ化するグループ数が少ないほど、高いダウンロード速度を達成することができる。2つ目のグループ化方式は、1つ目のグループ化方式に比べて複雑ではあるが、グループ化するグループ数を大幅に削減することができる。したがって、全ての基地局が基地局バージョンをダウンロードするのに要する時間を短縮し、基地局のダウンロード効率を向上させることができる。
【0048】
2つ目のグループ化方式を用いて基地局をグループ化した後に、ネットワーク管理サーバは、ダウンロード待ち基地局にシード基地局から基地局バージョンをダウンロードさせるステップを実行するためには、ダウンロード待ち基地局とシード基地局とをペアリングする必要がある。ネットワーク管理サーバは、図4に示すような同じグループ内のレベル階層に従って、下から上へ順にレベルごとに基地局にシード基地局を割り当てる。ダウンロード待ち基地局に必要とされる全てのバージョンファイルがシード基地局に含まれていれば、ペアリング及びダウンロードを行うことができる。図4に示す基地局を例として、ネットワークサーバは、必要とされるバージョンファイルがA+B+Dである基地局に、該基地局のシード基地局として、必要とされるバージョンファイルがA+B+C+Dである基地局を割り当てることができる。
【0049】
1つ目のグループ化方式については、実際に実施する際に、ネットワーク管理サーバにより、基地局バージョンダウンロードタスクを作成した後に、必要とされる基地局バージョンファイルを報告する命令を各基地局に送信することができる。ネットワーク管理サーバは、全ての基地局により報告された、必要とされる基地局バージョンのファイルのリストを収集した後に、各基地局に必要とされる基地局バージョンファイルの数が多い順に基地局を並べ替え、必要とされる基地局バージョンファイルが包含関係にある基地局を1つのグループに分ける。共通部分を持つ、又は共通部分を持たない基地局を、異なるグループに分ける。
【0050】
基地局間での基地局バージョンファイルの伝送は、基地局間SFTPリンクに依存するため、グループ内の各基地局間の伝送リンクが相互接続されていることを保証する必要がある。一例において、各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分ける前に、さらに、前記ネットワーク管理サーバにより、前記グループ内のどの2つの基地局間の伝送リンクも相互接続されていることを検出するか、又は、伝送リンク検出スクリプトを利用して、前記グループ内のどの2つの基地局間の伝送リンクも相互接続されていることを検出してもよい。
【0051】
ここで、個別に開発された伝送リンク検出スクリプトを利用すれば、伝送リンク検出によるネットワーク管理サーバへの負荷を軽減することができる。伝送リンク検出スクリプトを用いれば、ネットワーク内の基地局間伝送リンクの状態を定期的に収集することができる(例えば、毎日午前2:00にスクリプトを1回実行するなど)。さらに、ネットワーク管理サーバが基地局のグループ分けを行う過程において各基地局間の伝送リンク相互接続状態を参考にするように、収集した結果をネットワーク管理サーバに報告する。
【0052】
なお、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供する前に、さらに、各前記第1の基地局が属する前記グループ内の基地局数に基づいて、各前記第1の基地局に割り当てる安全なファイル転送プロトコルSFTPダウンロードリソースを決定してもよく、ここで、前記第1の基地局は、前記SFTPダウンロードリソースを利用して前記基地局バージョンをダウンロードする。
【0053】
すなわち、ネットワーク管理サーバは、グループ内の基地局数に基づいて、SFTPダウンロードリソースを割合に応じて各第1の基地局に割り当てる。これにより、基地局数の比較的多いグループがより多くのネットワーク管理SFTPリソースを得ることができるように保証する。
【0054】
ネットワーク管理サーバが各第1基地局を複数の組に分けて基地局バージョンをダウンロードする場合、ネットワーク管理サーバからの1組目の第1の基地局のダウンロードが完了した後に、基地局は、これらの第1の基地局が占有していたSFTPリソースを解放し、これらのSFTPリソースを割合に応じてその後の組の第1の基地局に割り当てることができる。
【0055】
本実施形態にかかる基地局バージョンダウンロードの方法が前の実施形態の改善であるため、前の実施形態で開示された関連する技術的詳細は、本実施形態においても有効である。重複を避けるために、ここでは説明を省く。
【0056】
本実施形態にかかる基地局バージョンダウンロード方法は、各基地局が全て、必要とされる基地局バージョンファイルをダウンロードして取得できることを保証することができる。また、基地局バージョンダウンロードの効率は、従来のダウンロード方式の6~9時間/2000局から1時間/2000局にまで向上できることが実証された。基地局バージョンのダウンロードに要する時間を効果的に短縮し、基地局バージョンダウンロードの速度を向上させる。また、従来の方式では人的資源を消費し、ネットワーク管理アウトバウンドリソースが膨大である問題を解決した。
【0057】
本願の別の実施形態は、基地局に適用される基地局バージョンダウンロード方法に関する。
【0058】
本実施形態において、基地局は、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードし、前記基地局が前記ネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを前記ネットワーク管理サーバに報告し、前記基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供する。ここで、前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される。
【0059】
以下では、本実施例にかかる、基地局バージョンをダウンロードする方法の実現の詳細について具体的に説明するが、以下の内容は、本案の実現の詳細への理解を容易にするためのものであり、本案を実施するための必須条件ではない。具体的な流れは図5に示され、
ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするステップ201と、
基地局がネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージをネットワーク管理サーバに報告するステップ202と、
基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供するステップ203と、を含んでもよく、ここで、ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、シード基地局リストに追加される。
【0060】
本実施形態にかかる、基地局に適用される基地局バージョンダウンロード方法は、全ての方式の基地局に適用可能であり、本実施形態では、基地局の方式について具体的に限定しない。
【0061】
本実施形態にかかる基地局バージョンダウンロードの方法の実行主体は、前述の実施形態にかかる第1の基地局であるため、前述の実施形態で開示された関連する技術的詳細は、本実施形態においても有効である。重複を避けるために、ここでは説明を省く。
【0062】
本実施形態において、基地局は、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする。さらに、基地局がネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージをネットワーク管理サーバに報告する。一実施形態において、基地局は、シード基地局として、該基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供することができる。全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする従来の方式に比べて、ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースを効果的に節約できる。また、大量の基地局がネットワーク管理アウトバウンドリソースを占有するダウンロード方式に比べて、ダウンロード速度を効果的に向上させることもできる。前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される。これにより、基地局バージョンダウンロードを完了した基地局は全て、ダウンロードされるように基地局バージョンを提供するシード基地局になることができ、さらに、各ダウンロード待ち基地局は、シード基地局リスト内の複数の基地局から基地局バージョンを同時にダウンロードすることができる。基地局バージョンのダウンロードに要する時間を大幅に短縮し、基地局バージョンダウンロードの効率を向上させることができる。さらに、上記のプロセスには技術者が関与する必要がないため、労力の消費を大幅に削減することができる。
【0063】
本願の一実施形態は、図6に示すようなネットワーク管理サーバに関し、ネットワーク管理サーバは、
全ての基地局から第1の基地局を選択し、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供するのに用いられる選択提供モジュール301と、
前記第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記第1の基地局をシード基地局リストに追加するのに用いられるシード基地局決定モジュール302と、
ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングし、前記ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、前記ダウンロード待ち基地局を前記シード基地局リストに追加するのに用いられるダウンロードスケジューリングモジュール303と、を含む。
【0064】
一例において、選択提供モジュール301はさらに、各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局として選択するのに用いられてもよい。本例において、ダウンロードスケジューリングモジュール303はさらに、ダウンロード待ち基地局が属するグループに基づいて、前記シード基地局リスト内の、前記ダウンロード待ち基地局と同じグループに属するターゲット基地局を決定し、前記ダウンロード待ち基地局が前記ターゲット基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングするのに用いられてもよい。
【0065】
一例において、選択提供モジュール301はさらに、前記全ての基地局のうち、必要とされる基地局バージョンが同じである基地局を1つのグループに分け、各前記グループ内で1つの基地局を前記第1の基地局としてランダムに選択し、又は、前記全ての基地局のうちの各基地局に必要とされる基地局バージョンファイルの包含関係に基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分け、各前記グループ内の、必要とされる基地局バージョンのファイルが最も多い基地局を、前記第1の基地局として選択するのに用いられてもよく、前記グループ内の第1の基地局でない基地局に必要とされる基地局バージョンのファイルは、同じグループの前記第1の基地局に必要とされる基地局バージョンのファイルに含まれる。
【0066】
一例において、ネットワーク管理サーバは、各基地局に必要とされる基地局バージョンに基づいて、全ての基地局を少なくとも1つのグループに分ける前に、前記ネットワーク管理サーバにより、前記グループ内のどの2つの基地局間の伝送リンクも相互接続されていることを検出するか、又は、伝送リンク検出スクリプトを利用して、前記グループ内のどの2つの基地局間の伝送リンクも相互接続されていることを検出するのに用いられる伝送リンク検出モジュール(不図示)をさらに含んでもよい。
【0067】
一例において、ネットワーク管理サーバは、前記第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供する前に、各前記第1の基地局が属する前記グループ内の基地局数に基づいて、各前記第1の基地局に割り当てる安全なファイル転送プロトコルSFTPダウンロードリソースを決定するのに用いられるネットワーク管理リソース割当モジュール(不図示)をさらに含んでもよく、ここで、前記第1の基地局は、前記SFTPダウンロードリソースを利用して前記基地局バージョンをダウンロードする。
【0068】
前述の実施形態内の関連する技術的詳細は、本実施形態においても有効である。重複を避けるために、ここでは説明を省く。
【0069】
本実施形態により提供されるネットワーク管理サーバは、全ての基地局から第1の基地局を選択し、第1の基地局によりダウンロードされるように、基地局バージョンを提供する。ネットワーク管理サーバは、第1の基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、第1の基地局をシード基地局リストに追加し、さらに、ダウンロード待ち基地局が前記シード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするようにスケジューリングする。選択された一部の基地局のみがネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードし、残りのダウンロード待ち基地局が全てシード基地局リスト内の基地局から基地局バージョンをダウンロードするため、全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする従来の方式に比べて、ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースを効果的に節約できる。また、大量の基地局がネットワーク管理アウトバウンドリソースを占有するダウンロード方式に比べて、ダウンロード速度を効果的に向上させることもできる。なお、ネットワーク管理サーバは、ダウンロード待ち基地局により報告された、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを受信した後に、ダウンロード待ち基地局をシード基地局リストに追加する。これにより、基地局バージョンダウンロードを完了した基地局は全て、ダウンロードされるように基地局バージョンを提供するシード基地局になることができ、さらに、各ダウンロード待ち基地局は、シード基地局リスト内の複数の基地局から基地局バージョンを同時にダウンロードすることができる。基地局バージョンのダウンロードに要する時間を大幅に短縮し、基地局バージョンダウンロードの効率を向上させることができる。さらに、上記のプロセスには技術者が関与する必要がないため、労力の消費を大幅に削減することができる。
【0070】
本願の別の実施形態は、図7に示すような基地局に関し、基地局は、
ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードするのに用いられる基地局バージョンダウンロードモジュール401と、
前記基地局が前記ネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージを前記ネットワーク管理サーバに報告するのに用いられるメッセージ報告モジュール402と、
前記基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供するのに用いられる基地局バージョン提供モジュール403と、を含み、前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される。
【0071】
本実施形態にかかる基地局は、前述の実施形態にかかる第1の基地局であるため、前述の実施形態内の関連する技術的詳細は、本実施形態においても有効である。重複を避けるために、ここでは説明を省く。
【0072】
本実施形態により提供される基地局は、ネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする。さらに、基地局がネットワーク管理サーバによりシード基地局リストに追加されるように、基地局バージョンのダウンロード成功のメッセージをネットワーク管理サーバに報告する。一実施形態において、基地局は、シード基地局として、該基地局からダウンロード待ち基地局が基地局バージョンをダウンロードするように、ダウンロードした基地局バージョンを提供することができる。全ての基地局がネットワーク管理サーバから基地局バージョンをダウンロードする従来の方式に比べて、ネットワーク管理サーバのアウトバウンドリソースを効果的に節約できる。また、大量の基地局がネットワーク管理アウトバウンドリソースを占有するダウンロード方式に比べて、ダウンロード速度を効果的に向上させることもできる。前記ダウンロード待ち基地局は、基地局バージョンのダウンロードに成功した後に、前記シード基地局リストに追加される。これにより、基地局バージョンダウンロードを完了した基地局は全て、ダウンロードされるように基地局バージョンを提供するシード基地局になることができ、さらに、各ダウンロード待ち基地局は、シード基地局リスト内の複数の基地局から基地局バージョンを同時にダウンロードすることができる。基地局バージョンのダウンロードに要する時間を大幅に短縮し、基地局バージョンダウンロードの効率を向上させることができる。さらに、上記のプロセスには技術者が関与する必要がないため、労力の消費を大幅に削減することができる。
【0073】
本願の上記実施形態に係る各モジュールはいずれも論理モジュールであり、実際の応用において、1つの論理ユニットは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに、複数の物理ユニットの組み合わせで実現されてもよい。また、本願の創造的な部分を強調するために、本願で提起された技術的課題の解決にあまり関係のない手段は本実施形態には導入されていないが、これは本実施形態に他の手段が存在しないことを示しているわけではない。
【0074】
本願の実施例は電子機器をさらに提供し、この電子機器は、図8に示すように、少なくとも1つのプロセッサ501と、前記少なくとも1つのプロセッサ501と通信可能に接続されたメモリ502とを含み、メモリ502には少なくとも1つのプロセッサ501により実行できる命令が記憶されており、命令が少なくとも1つのプロセッサ501により実行されることで、少なくとも1つのプロセッサ501が上記の基地局バージョンダウンロードの方法を実行できる。
【0075】
ここで、メモリ502とプロセッサ501とはバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバス及びブリッジを含んでもよく、バスにより、1つ又は複数のプロセッサ501とメモリ502の様々な回路が一つに接続される。バスはまた、周辺機器、電圧安定器、及びパワーマネジメント回路などの様々な他の回路を一つに接続することができるが、これらは当分野で周知なことであるので、本文ではこれ以上の説明を省く。バスインターフェースは、バスとトランシーバとの間のインターフェースを提供する。トランシーバは、1つの素子であってもよく、複数の受信機及び送信機のような複数の素子であってもよく、伝送媒体上で様々な他の装置と通信するための手段を提供する。プロセッサ501によって処理されたデータはアンテナを介して無線媒体で伝送され、さらに、アンテナはまたデータを受信して、プロセッサ501にデータを伝送する。
【0076】
プロセッサ501は、バスの管理及び通常の処理を担う以外にも、さらにタイミング、周辺インターフェース、電圧調節、電源管理及びその他の制御機能を含む様々な機能を提供することができる。一方、メモリ502は、プロセッサ501によって操作を実行するときに使用されるデータを記憶するために使用されてもよい。
【0077】
上記の製品は、本願の実施例により提供される方法を実行することができ、実行される方法に対応する機能モジュール及び有益な効果を有する。なお、本実施例では詳しく説明されていない技術的詳細については、本願の実施例で提供される方法を参照できる。
【0078】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行された場合、上記基地局バージョンダウンロード方法を実現する。
【0079】
当業者であれば、上記の実施例の方法における全部又は一部のステップを実施することは、プログラムによって関連するハードウェアに命令することにより実現できることは、理解できるであろう。このプログラムは1つの記憶媒体に記憶され、1つの装置(ワンチップコンピュータ、チップなどであってもよい)又はプロセッサ(processor)に本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む。一方、上記記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等、プログラムコードを記憶可能な種々の媒体を含む。
【0080】
上述した実施例は、当業者が本願を実現及び使用するために提供されたものであり、当業者は、本願の発明構想を逸脱することなく、上述した実施形態に対してさまざまな修正又は変更を加えることができるので、本願の保護範囲は上述した実施形態により限定されるのではなく、特許請求の範囲に記載される革新的な特徴の最大範囲に一致すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】