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特表2024-545303毛細管を有する交換可能なカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】毛細管を有する交換可能なカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20241128BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024537562
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2022086102
(87)【国際公開番号】W WO2023117671
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】21216094.9
(32)【優先日】2021-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】トゥッリーニ エンリコ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置へと取り外し可能に接続可能となるように構成された交換可能なカートリッジであって、液体薬剤を貯蔵するための液体貯蔵部分であって、液体貯蔵部分の外に液体薬剤を方向付けるための液体出口を備える、液体貯蔵部分と、液体貯蔵部分及び液体出口と流体連通する毛細管であって、断面及び長軸方向長さを有し、毛細管の断面の表面が毛細管の長軸方向長さのうちの少なくとも一部に沿って一定のままである、毛細管と、を備える、交換可能なカートリッジに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置へと取り外し可能に接続可能となるように構成された交換可能なカートリッジであって、
液体薬剤を貯蔵するための液体貯蔵部分であって、前記液体貯蔵部分の外へと前記液体薬剤を方向付けるための液体出口を備える、液体貯蔵部分と、
前記液体貯蔵部分及び前記液体出口と流体連通する毛細管であって、断面及び長軸方向長さを有する毛細管を備え、前記毛細管の前記断面の前記表面が、前記毛細管の前記長軸方向長さのうちの少なくとも一部に沿って一定のままであり、前記液体貯蔵部分が、第一の内表面を有する第一の壁と、第二の内表面を有する第二の壁とを備え、前記毛細管が、前記対向する第一の内表面と第二の内表面との間に位置し、かつ前記液体貯蔵部分が、前記第一の壁としての外部シェルと、前記第二の壁としての内部シェルとを備え、前記内部シェルが、前記液体貯蔵部分の前記外部シェル内に収容され、かつ前記毛細管が、前記内部シェルと前記外部シェルとの間に位置する、交換可能なカートリッジ。
【請求項2】
前記毛細管が、前記内部シェルの外表面と前記外部シェルの内表面との間に位置する、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項3】
前記液体貯蔵部分がハウジングを備え、かつ
前記内部シェル及び前記外部シェルが、前記ハウジング内に位置する、又は
前記外部シェルが、前記ハウジングを備える、のうちの一つである、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項4】
前記内部シェル及び前記外部シェルが管状であり、かつ前記毛細管の前記断面が円形状表面、好ましくはリング形状表面を有する、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項5】
前記液体貯蔵部分が、前記毛細管の前記上流端における上流断面積及び前記毛細管の前記下流端における下流断面積を備え、かつ前記断面積が、前記上流断面積から前記下流断面積に向かって先細りである、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項6】
前記液体貯蔵部分が長軸方向軸を備え、かつ前記毛細管が延長方向に沿って延び、前記延長方向が前記長軸方向軸に向かって傾けられ、好ましくは前記延長方向が前記長軸方向軸に向かって0.1度~15度の角度だけ、より好ましくは2度~6度の角度だけ傾けられる、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項7】
前記液体貯蔵部分が、円錐台状形状を備える、又は有する、請求項5記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項8】
上流リッドをさらに備え、前記上流リッドが、前記液体貯蔵部分の前記上流端を閉じるように構成される、請求項5記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項9】
前記内部シェルの前記上流端が、少なくとも一つのスロットを備え、前記少なくとも一つのスロットが、前記上流リッドが前記液体貯蔵部分の前記上流端を閉鎖する時に、前記上流リッドから離間するように構成される、請求項8記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項10】
前記内部シェル及び前記外部シェルが、中空の多角形角柱であり、かつ前記毛細管の前記断面の前記表面が、中空の多角形形状を有する、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項11】
前記毛細管が突出部を備え、前記突出部が前記第一の内表面及び前記第二の内表面と接触し、より好ましくは前記突出部がリブを備える、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項12】
前記突出部が、前記液体貯蔵部分の前記中央長軸方向軸に沿って延び、より好ましくは、前記液体出口に隣接する前記内部シェルの下流部分が、前記突出部を含まない、請求項11に記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項13】
前記内部シェルが、空気吸込み口を備え、前記空気吸込み口が、前記内部シェルに空気が入ることを可能にするように構成され、好ましくは、前記空気吸込み口の直径が、0.5ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~3ミリメートルである、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項14】
前記液体薬剤からエアロゾルを発生するために構成されたエアロゾル化要素をさらに備え、好ましくは、前記エアロゾル化要素が、前記液体出口と流体連通している、請求項1記載の交換可能なカートリッジ。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1記載の交換可能なカートリッジと、
カートリッジに対して取り外し可能に接続可能であるように構成されるエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化される液体薬剤を収容する交換可能なカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
液体エアロゾル形成基体及びウィッキング要素を収容するカートリッジが知られている。ウィッキング要素は、通常、カートリッジが枯渇した時でさえも、大量のエアロゾル形成基体を保持する。さらに、これらのカートリッジ内の液体移動は、カートリッジの正しい向きに依存し、ウィッキング要素を通した液体の移送を可能にする。液体エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためのウィッキング要素とエアロゾル化要素との間の密接な接触はまた、有害な成分及び潜在的に有害な成分の産生につながる場合があるか、又はエアロゾルの産生を妨げる場合がある。
【0003】
枯渇する前に液体薬剤のより大きい割合の消費を可能にする交換可能なカートリッジを提供することが望ましいことになる。さらに、エアロゾルの産生中に有害な成分及び潜在的に有害な成分の量を低減又は除去することになる交換可能なカートリッジを提供することが望ましいことになる。さらに、カートリッジの向きとは無関係に液体薬剤の信頼性のある移送を可能にする交換可能なカートリッジを提供することが望ましいことになる。エアロゾルの形成中に、有害な成分及び潜在的に有害な成分の形成を低減又は回避することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生装置へと取り外し可能に接続可能であるように構成された交換可能なカートリッジが提供される。交換可能なカートリッジは、液体薬剤を貯蔵するために液体貯蔵部分を備えてもよい。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分の外に液体薬剤を方向付けるための液体出口を備えてもよい。交換可能なカートリッジは、液体貯蔵部分及び液体出口と流体連通する毛細管を備えてもよい。毛細管は、断面及び長軸方向長さを有してもよい。毛細管の断面の表面は、毛細管の長軸方向長さのうちの少なくとも一部に沿って一定のままであってもよい。
【0005】
本発明のさらなる実施形態によると、エアロゾル発生装置へと取り外し可能に接続可能であるように構成された交換可能なカートリッジが提供される。交換可能なカートリッジは、液体薬剤を貯蔵するための液体貯蔵部分を備える。液体貯蔵部分は、液体薬剤を液体貯蔵部分の外へと方向付けるための液体出口を備える。交換可能なカートリッジは、液体貯蔵部分及び液体出口と流体連通する毛細管をさらに備える。毛細管は、断面及び長軸方向長さを有する。毛細管の断面の表面は、毛細管の長軸方向長さのうちの少なくとも一部に沿って一定のままである。
【0006】
本明細書で使用される場合、「長軸方向長さ」という用語は、液体貯蔵部分の長軸方向軸に沿った毛細管の長さを指す。液体貯蔵部分は長軸方向軸を備え、またこの長軸方向軸に沿って延びる。したがって毛細管は、長軸方向軸に沿って延びてもよい。毛細管は、長軸方向軸に平行に延びることが好ましい。長軸方向軸に沿って、又は長軸方向軸に平行に、のいずれかで延びる毛細管の一部は、断面の表面を有してもよく、これは毛細管の完全な長軸方向長さに沿って一定のままであることが好ましい。
【0007】
本明細書で使用される場合、「毛細管の断面」という用語は、毛細管の長軸方向長さに垂直な毛細管の断面を指す。具体的には、毛細管の長軸方向長さの異なるエリアにおける断面は、断面の同じ面積又は表面を有してもよい。これは、毛細管作用を介した毛細管を通る液体薬剤の一定かつ信頼性のある移送を可能にする場合がある。
【0008】
本明細書で使用される場合、「液体貯蔵部分の断面積」という用語は、液体貯蔵部分の長軸方向軸と垂直な液体貯蔵部分の断面積を指す。具体的には、液体貯蔵部分の断面積は、液体貯蔵部分の長軸方向軸の異なるエリアにおいて同じ面積を有してもよく、又は液体貯蔵部分の他の実施形態では、長軸方向軸の異なるエリアにおいて異なる面積を有してもよい。一実施形態では、毛細管の上流端における液体貯蔵部分の断面積は、毛細管の下流端における液体貯蔵部分の断面積より大きくてもよい。
【0009】
本発明の交換可能なカートリッジは、液体薬剤の液体出口への一定かつ信頼性のある移送を可能にする。毛細管の断面の表面は、毛細管の長軸方向長さのうちの少なくとも一部に対して一定のままであるため、毛細管の長軸方向長さに沿った液体薬剤の液体出口への信頼性のある移送が提供される場合がある。
【0010】
毛細管はさらに、交換可能なカートリッジが枯渇する前に、大量の液体薬剤が使用されることを確実にする場合がある。これは、空のカートリッジ内に残る液体薬剤の量を低減する場合がある。毛細管はさらに、カートリッジの向きとは無関係に、液体薬剤の移送を可能にする場合がある。
【0011】
本発明の交換可能なカートリッジはさらに、カートリッジ及びその液体貯蔵部分とは別に、エアロゾル化要素を保持することを可能にする場合がある。エアロゾル化要素は、液体薬剤からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。具体的には、エアロゾル化要素は、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。エアロゾル化要素は、交換可能なカートリッジがエアロゾル発生装置に接続された時に、交換可能なカートリッジの液体出口と流体連通して定置されてもよい。これは、交換可能なカートリッジの貯蔵部分内に貯蔵された液体薬剤が使用された時に、エアロゾル化要素を破棄することを回避する場合がある。
【0012】
毛細管の断面の表面は、毛細管の下流部分における毛細管の断面の表面と比較して、毛細管の上流部分において同じであってもよい。これは、毛細管の上流部分と下流部分との間の毛細管を通る液体薬剤の簡単かつ一定の移送を可能にする場合がある。
【0013】
本明細書で使用される場合、「上流」及び「下流」という用語は、カートリッジの使用中に液体薬剤が液体貯蔵部分の毛細管を通って液体出口へと流れる方向に関して、交換可能なカートリッジの構成要素又は構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。交換可能なカートリッジの上流端は、毛細管と液体貯蔵部分との間に開口部を備えてもよく、貯蔵部分から毛細管の中への液体薬剤の侵入を可能にする。交換可能なカートリッジの下流端は、液体薬剤が液体貯蔵部分及びカートリッジから出ることを可能にする液体出口を備えてもよい。交換可能なカートリッジの構成要素又は構成要素の部分は、交換可能なカートリッジを通る液体薬剤の経路に対して、これらの相対的な位置に基づいて、相互の上流又は下流にあるものとして記述されてもよい。
【0014】
交換可能なカートリッジは、エアロゾル発生装置のマウスピースに対して取り外し可能に接続可能となるように構成されてもよい。交換可能なカートリッジは、マウスピースが液体出口に隣接して位置するように、マウスピースに直接的に取り外し可能に接続可能となるように構成されてもよい。交換可能なカートリッジは、交換可能なカートリッジをエアロゾル発生装置に接続するための接続要素を備えてもよい。
【0015】
毛細管は、交換可能なカートリッジ内にある二つの壁の対向する二つの表面の間に形成されてもよい。毛細管は、毛細管作用に起因して、毛細管を通る毛細管の長さに沿った液体薬剤の移送を可能にする場合がある。毛細管作用は、接着力、凝集性、交換可能なカートリッジの異なる区画間の圧力差、又は表面張力のうちの一つ以上によって駆動される場合がある。
【0016】
毛細管の断面の表面は、毛細管の長軸方向全長に沿って一定のままであることが好ましい。これは、毛細管の長軸方向全長に沿った液体薬剤の信頼性のある移送を確実にする場合がある。
【0017】
液体貯蔵部分は、第一の内表面を有する第一の壁を備えてもよく、また第二の内表面を有する第二の壁を備えてもよい。毛細管は、対向する第一の内表面と第二の内表面との間に位置してもよい。好ましくは、毛細管は、対向する第一の内表面と第二の内表面との間に形成されてもよい。毛細管は、液体貯蔵部分内の中央に位置してもよい。
【0018】
第一の壁の第一の内表面は、第二の壁の対向する第二の内表面と平行に延びてもよい。これは、毛細管の断面の長方形状の表面積をもたらす場合がある。
【0019】
毛細管は、液体貯蔵部分内に位置し、かつ液体貯蔵部分内に位置する液体薬剤から液体出口に向かって突出する第一の壁及び第二の壁を備えてもよい。
【0020】
液体貯蔵部分は、第一の壁として外部シェルを備えてもよい。液体貯蔵部分は、第二の壁として内部シェルをさらに備えてもよい。内部シェルは、液体貯蔵部分の外部シェル内に収容されてもよい。第一の毛細管は、内部シェルと外部シェルとの間に位置してもよい。好ましくは、第一の毛細管は、内部シェルの外表面と外部シェルの内表面との間に位置してもよい。外部シェルの内表面は、第一の壁の第一の内表面であってもよい。内部シェルの外表面は、第二の壁の第二の内表面であってもよい。
【0021】
したがって、第一の毛細管は、外部シェルの内表面と内部シェルの外表面との間の完全な界面に沿って形成されてもよい。これは、第一の毛細管が液体貯蔵部分の周囲に沿って形成されることを可能にする場合がある。
【0022】
液体貯蔵部分は、毛細管の上流端において上流断面積を備えてもよい。液体貯蔵部分は、毛細管の下流端において下流断面積を備えてもよい。断面積は、上流断面積から下流断面積に向かってテーパー付きであってもよい。
【0023】
これは、内部シェルの対向する側壁間の距離が、毛細管の上流端におけるより毛細管の下流端において小さいことを確実にする場合がある。
【0024】
これは、液体貯蔵部分に対する製造プロセス、したがってカートリッジ全体に対する製造を単純化する場合がある。これは、内部シェル及び外部シェルを、より大きい製造公差で製造することができることを確実にする場合がある。これは、射出成形による液体貯蔵部分の部品のより信頼性のある製造を可能にする場合がある。これは、毛細管の全体的な表面を改善する場合がある。
【0025】
液体貯蔵部分は、長軸方向軸を備えてもよい。毛細管は、延長方向に沿って延びてもよい。延長方向は、毛細管の上流端から毛細管の下流端へと延びてもよい。延長方向は、長軸方向軸に向かって傾いていてもよい。好ましくは、液体貯蔵部分の長軸方向軸に向かって0.1度~15度傾き、より好ましくは長軸方向軸に向かって2度~6度の角度だけ傾いていてもよい。
【0026】
これはまた、液体貯蔵部分に対する製造プロセスも単純化する場合がある。これは、より大きい製造公差を用いた、内部シェル及び外部シェルのうちの一方又は両方の製造を可能にする場合がある。
【0027】
液体貯蔵部分は、円錐台状形状を備えてもよく、又は円錐台状形状を有してもよい。液体貯蔵部分は、角錐台状形状を備えてもよく、又は角錐台状形状を有してもよい。
【0028】
これは、円錐が二つの平行な平面の間に位置するように、上部が切り取られた円錐であってもよい。これは、角錐が二つの平行な平面の間に位置するように、上部が切り取られた角錐であってもよい。
【0029】
カートリッジは、上流リッドをさらに備えてもよい。上流リッドは、液体貯蔵部分の上流端を閉じるように構成されてもよい。上流リッドは、上流リッドが液体貯蔵部分を閉じる時、外部シェルと接触してもよい。上流リッドは、圧入接続、レーザー溶接、ホットプレス、又はオーバーモールドのうちの一つ以上を採用することによって、外部シェルに固定されてもよい。
【0030】
内部シェルの上流端は、少なくとも一つのスロットを備えてもよい。少なくとも一つのスロットは、上流リッドが液体貯蔵部分の上流端を閉じる時、上流リッドから離隔するように構成されてもよい。
【0031】
少なくとも一つのスロットは、毛細管の上流端において形成されてもよい。これは、上流リッドに沿った液体貯蔵部分と毛細管との間の流体連通を可能にする場合がある。
【0032】
内部シェルの上流端は、2~7個のスロットを備えてもよい。これは、液体貯蔵部分から毛細管への液体薬剤のための複数の侵入地点を提供する場合がある。
【0033】
液体貯蔵部分は、ハウジングを備えてもよい。交換可能なカートリッジの一実施形態では、外部シェルは、ハウジングを備えてもよい。この実施形態では、内部シェルは、ハウジングの内側の液体貯蔵部分内に位置してもよく、また毛細管はハウジングと内部シェルとの間に形成されてもよい。内部シェルの全体的な幾何学的形状は、ハウジング、外部シェルの全体的な幾何学的形状に適合してもよい。これは、ハウジングと内部シェルとの間の毛細管の形成を可能にする場合がある。好ましくは、ハウジング、外部シェル、及び内部シェルは、管状又は円筒形状を有してもよい。ハウジング及び内部シェルは、毛細管の形成を可能にするために同心であってもよい。
【0034】
本発明の交換可能なカートリッジの別の実施形態では、液体貯蔵部分はハウジングを備え、また内部シェル及び外部シェルはハウジング内に位置する。これは、液体貯蔵部分のハウジングの形状とは無関係に、液体貯蔵部分の内側で内部シェル及び外部シェルとの毛細管の組み込みを可能にする場合がある。これはまた、そのサイズが外部シェル及び内部シェルの寸法によって制限されないことになるため、液体貯蔵部分の全体的なサイズを増加させるのにも役立つ場合がある。
【0035】
外部シェル及び内部シェルもまた、管状又は円筒形状を有してもよい。毛細管の長軸方向長さに対して垂直な毛細管の断面の表面は、円形状表面、好ましくはリング形状の表面を有してもよい。毛細管の断面の表面は、液体貯蔵部分の長軸方向軸の異なるエリアにおいて一定のままであってもよい。具体的には、毛細管の上流セクションにおける毛細管の断面の表面は、毛細管の下流セクションにおける毛細管の断面の表面と同じままであってもよい。これは、毛細管力を介した、毛細管の上流セクションと下流セクションとの間の液体薬剤の信頼性のある、かつ一定の移送を確実にする場合がある。
【0036】
外部シェル及び内部シェルは、外部シェルの内表面と内部シェルの外表面との間に毛細管を形成するのに適する任意の形状を有してもよい。管状又は円筒形状において有すること以外に、内部シェル及び外部シェルは中空の多角形角柱であってもよい。この場合、毛細管の断面の表面は、中空の多角形形状を有してもよい。例えば、外部シェル及び内部シェルは、中空の長方形状角柱であってもよい。この場合、毛細管の長軸方向長さに対して垂直な毛細管の断面の表面は、中空の長方形形状を有してもよい。
【0037】
第一の壁の第一の内表面と第二の壁の第二の内表面との間の距離は、0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであってもよい。好ましくは、距離は、内部シェルの外表面と外部シェルの内表面との間であってもよい。
【0038】
この範囲内の距離は、毛細管作用を介して液体薬剤を移送するために特に良好に適合する場合がある。
【0039】
毛細管は、突出部を備えてもよい。突出部は、第一の内表面及び第二の内表面と接触してもよい。突出部はまた、第二の毛細管が交換可能なカートリッジ内に存在する場合、第三の壁の第三の内表面及び第四の壁の第四の内表面と接触してもよい。突出部は、第一の内表面及び第二の内表面のうちの一方又は両方から、第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方の内部の中へと突出してもよい。
【0040】
突出部は、第一の毛細管の長さのうちの少なくとも一部について、第一の内表面と第二の内表面との間で同じ距離を維持するために機能する場合がある。同様に、突出部は、第二の毛細管の長さのうちの少なくとも一部について、第三の内表面と第四の内表面との間で同じ距離を維持するためにも機能する場合がある。したがって、突出部は、毛細管の長さのうちの少なくとも一部に沿って、第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方の同じ幅を維持する場合がある。
【0041】
第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方は、隣接する突出部の間に延びてもよい。これは、突出部のおかげで、毛細管作用を介した液体薬剤の簡単な移送、及び毛細管の同じ幅の維持を確実にする場合がある。
【0042】
突出部は、液体貯蔵部分の中央長軸方向軸に沿って延びてもよい。突出部は、第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方の内部内に延びてもよい。これは、第一の毛細管及び第二の毛細管の幅が、液体貯蔵部分の中央長軸方向軸に沿って同じままであることを確実にする場合がある。
【0043】
好ましくは、液体出口に隣接している第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方の一部分は、突出部を含まなくてもよい。これは、液体薬剤の液体出口への均質な毛細管移動を可能にする場合がある。突出部を含まない第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方の部分は、第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方の下流部分であってもよい。
【0044】
液体出口に隣接している内部シェルの下流部分は、突出部を含まなくてもよい。これは、液体薬剤を液体出口へと自由に移送することを可能にする場合がある。これは、依然として、内部シェルの外表面の上流部分に存在する突出部が、毛細管の一定の幅を維持することを可能にする場合がある。
【0045】
突出部は、リブを含んでもよい。リブは、第一の毛細管及び第二の毛細管の長さの少なくとも一部に延びてもよい。これは、リブが、毛細管の長さのうちの少なくとも一部に沿って一定に維持することを可能にする場合がある。リブは、幅及び長さを備えてもよい。リブの長さは、幅よりも大きくてもよい。これは、リブが、毛細管を通る液体薬剤の毛細管移動と干渉することなく、第一の毛細管及び第二の毛細管の長さのうちの少なくとも一部に沿って延びることができることを確実にする場合がある。毛細管は、隣接するリブの間に位置してもよい。複数のリブは、液体貯蔵部分の周囲を包囲する毛細管の内部に配設されてもよい。特に、複数のリブは、液体貯蔵部分の周囲の周りに配設された3本又は4本のリブを備えてもよい。
【0046】
N個の数の別個のリブは、毛細管の内部に配設されてもよい。好ましくは、これらのリブは、次いで、内部シェルの周囲の周りに360度/Nで離隔されてもよい。これは、外部シェルに対する内部シェルの適正な位置決めを確実にする場合がある。例えば、2本のリブが存在する場合、これらの2本のリブは、180度だけ離隔してもよい。
【0047】
リブは、外部シェルの内表面又は内部シェルの外表面のうちの一方又は両方上に位置してもよい。
【0048】
内部シェルは、空気吸込み口を備えてもよい。空気吸込み口は、空気が内部シェルに入ることを可能にするように構成されてもよい。空気吸込み口の直径は、0.5ミリメートル~3ミリメートル、好ましくは1ミリメートル~2ミリメートルであってもよい。
【0049】
空気吸込み口は、液体貯蔵部分の内部への空気の侵入を確実にする場合がある。これは、液体薬剤の大部分がすでに使用されている時でさえも、毛細管を通る液体薬剤の連続的な移送を可能にする場合がある。これはまた、空気が液体貯蔵部分に入り、そして消費された液体薬剤を置き換えることも可能にする場合がある。これはまた、内部シェル内の低い圧力の形成も防止する場合がある。これはまた、交換可能なカートリッジが上下逆さまに回転した場合でさえも、液体薬剤の毛細管へ液体出口への信頼性のある移送を可能にする場合がある。
【0050】
液体貯蔵部分の内部シェルは、液体出口面を備えてもよい。液体出口面は、液体出口の反対側に位置してもよい。空気吸込み口は、液体貯蔵部分の内部シェルの液体出口面に位置してもよい。液体出口面は、内部シェルの下流端に位置してもよい。
【0051】
これは、使用済みの液体薬剤を空気によって置き換えることができるように、液体貯蔵部分の中への空気の信頼性のある侵入を確実にする場合がある。
【0052】
ウィッキング要素は、内部シェルの液体出口面に隣接して位置してもよい。ウィッキング要素は、内部シェルの液体出口面と液体出口との間に位置してもよい。ウィッキング要素は、液体出口面及び液体出口のうちの一方又は両方と直接接触してもよい。これは、毛細管からウィッキング要素へ、そしてさらに液体出口への液体薬剤の信頼性のある移送を可能にする場合がある。これは、エアロゾル化のためにウィッキング要素内の液体薬剤を均一に分配することを可能にする場合がある。これは、液体薬剤の液体出口への送達の変動を補償するためのバッファ貯蔵部をさらに提供する場合がある。
【0053】
ウィッキング要素は、円筒形状を有してもよい。こうした形状は、内部シェル及び外部シェルが管状である、又は円錐台状形状もしくは角錐台状形状を含む、もしくは有する事例では、液体薬剤の貯蔵及び液体出口への移送を効果的に可能にすることができる場合がある。
【0054】
内部シェルの上流端は、外部シェルから離隔していてもよい。これは、第一の毛細管と液体貯蔵部分との間の流体連通のための開口部を提供する場合がある。これは、液体薬剤が内部シェルと外部シェルとの間の空間に入ることを可能にする場合がある。
【0055】
内部シェルの形状は、外部シェルの幾何学体に適合する場合がある。これは、外部シェルの内表面と内部シェルの外表面との間の第一の毛細管の形成を簡単にする場合がある。これは、液体貯蔵部分の周囲に沿った第一の毛細管の形成を簡単にする場合がある。
【0056】
内部シェル及び外部シェルは、円筒体、立方体、直方体、錐体、又は多角形体から選択される幾何学体を有してもよい。
【0057】
これらの幾何学的形状は、第一の毛細管を提供するために特に適切である場合がある。
【0058】
交換可能なカートリッジのさらなる実施形態では、第一の壁は、第一の内表面を有する第一の板を備えてもよい。第二の壁は、第二の内表面を有する第二の板を備えてもよい。毛細管は、対向する第一の板の第一の内表面と第二の板の第二の内表面との間に形成されてもよい。第一の板が第二の板に対して平行に延びる場合、毛細管の断面の長方形の表面積が形成されてもよい。
【0059】
これは、二つの板の界面の大部分に沿って延びる毛細管を提供する場合がある。これは、毛細管作用を介して大量の液体薬剤を移送することができる毛細管を提供する場合がある。
【0060】
毛細管は、第一の板の第一の内表面と第二の板の第二の内表面との間の界面の大部分に沿って形成されてもよい。毛細管は、第一の板と第二の板との間の界面の60パーセント~99パーセント、好ましくは界面の70パーセント~90パーセントを覆って形成されてもよい。これは、毛細管が、毛細管作用を介して大量の液体薬剤を移送するために十分に大きいサイズを有することを確実にする場合がある。
【0061】
これは、第一の壁と第二の壁との対向する表面の間の毛細管の簡単な形成を確実にする場合がある。
【0062】
毛細管の幅は、対向する第一の内表面と第二の内表面との間の距離であってもよい。
【0063】
これは、第一の壁の第一の内表面及び第二の壁の第二の内表面を、交換可能なカートリッジ内に互いに対して対向して単に定置することによって、毛細管の簡単な形成を可能にする場合がある。
【0064】
交換可能なカートリッジは、第二の板に対して横方向に配設された第三の板をさらに備えてもよい。第二の毛細管は、第三の板と第二の板との間に形成されてもよい。これは、第一の毛細管と類似した第二の毛細管の形成を可能にする場合がある。第二の毛細管は、第一の毛細管に対して横方向に形成されてもよい。
【0065】
第二の毛細管の存在は、液体薬剤の液体出口への移送を加速する場合がある。第二の毛細管はまた、液体薬剤の液体出口への移送も簡単にする場合がある。
【0066】
以下では、上述の「毛細管」は「第一の毛細管」と呼ばれる。
【0067】
第一の壁、第二の壁、又は第三の壁のうちの一つ以上は、第一の毛細管と第二の毛細管と液体貯蔵部分のうちの一方又は両方との間の流体連通のための少なくとも一つの開口部を備えてもよい。特に、第一の毛細管は、第一の壁及び第二の壁の一方又は両方に第一の開口部を備えてもよい。第二の毛細管は、第三の壁及び第二の壁の一方又は両方に第二の開口部を備えてもよい。
【0068】
開口部は、液体貯蔵部分と毛細管との間の信頼性のある流体連通を確実にする場合がある。第一の開口部及び第二の開口部のうちの一方又は両方は、液体出口の反対側の液体貯蔵部分の下端に位置することが好ましい。
【0069】
第一の開口部及び第二の開口部のうちの一方又は両方は、好ましくは、毛細管のそれぞれの壁内の毛細管の上流端に位置してもよい。加えて、開口部は、毛細管の下流部分における壁内、又は毛細管の上流端と下流端との間に位置する位置に存在してもよい。
【0070】
これは、開口部は、液体貯蔵部分と第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方との間の信頼性のある流体連通を確実にする場合がある。
【0071】
交換可能なカートリッジのさらなる実施形態では、N枚の数の板が、交換可能なカートリッジの液体貯蔵部分内に存在する。N枚の板は、すべて次々と配設され、N枚の板はすべて相互に対して横方向に配設されることが好ましい。毛細管は、二つの隣接する板の間に形成される。板は、これらの板が二つの別個の毛細管の一部であってもよいように、隣接する板によって両側に隣接されてもよい。それによって、N枚の板は、N-1個の毛細管を形成してもよく、式中、Nは、3≦N≦10の整数である。毛細管は、液体貯蔵部分内の液体薬剤から液体出口に向かって延びてもよく、またすべてが液体貯蔵部分及び液体出口の両方と流体連通してもよい。こうした配設は、毛細管力を介して液体出口への液体薬剤の移送を加速する場合がある。
【0072】
第一の壁、第二の壁、第三の壁のうちの一つ以上、又はN枚の数の板のうちのいずれかは、90度より小さい水接触角を有する親水性の材料を含んでもよい。材料は、親水性ポリマー、ガラス、ケイ素、及び金属から成る群から選択されてもよい。親水性ポリマーの例は、ポリカーボネート(PC)、又はポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、又はポリエチレンテレフタレート(PET)のうちの一つ以上であってもよい。
【0073】
隣接する壁又は板の間に位置する毛細管は、接着剤の使用、ホットスタンピング、又は連動装置設計を採用して形成されてもよい。板又は壁は、板の相互に対する接続を可能にし、それによって毛細管を形成する接続要素を備えてもよい。
【0074】
交換可能なカートリッジは、ウィッキング要素をさらに備えてもよい。ウィッキング要素は、液体出口に隣接して配設されてもよい。ウィッキング要素は、液体薬剤を吸収し、かつ液体薬剤を液体出口へと供給するように構成されてもよい。
【0075】
ウィッキング要素は、第一の毛細管及び第二の毛細管及び液体出口のうちの一方又は両方の間に位置してもよい。ウィッキング要素は、毛細管の一方の端から液体出口への液体薬剤の信頼性のある移送を提供するように構成されてもよい。
【0076】
ウィッキング材料は、液体薬剤を吸収するように構成された保持材料を含んでもよい。保持材料は、液体薬剤を毛細管から液体出口へと移送してもよい。保持材料は、繊維材料を含んでもよい。保持材料は、セルロースアセテート繊維、紙、多孔性ポリマー、及び木炭のうちの一つ以上を含んでもよい。保持材料は、プラスチック、例えば、ポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維を含んでもよい。保持材料は、多孔性セラミックもまた含んでもよい。セルロースアセテート繊維は、セルロースアセテートトウであってもよい。多孔性ポリマーは、フェニル-ホルムアルデヒド樹脂などの多孔性樹脂であってもよい。好ましくは、保持材料は、セルロースアセテートを含んでもよい。
【0077】
ウィッキング材料は、平坦なディスク様の形状を備えてもよい。ウィッキング材料の厚さは、0.1ミリメートル~10ミリメートル、好ましくは1ミリメートル~5ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~1ミリメートルの範囲であってもよい。ウィッキング材料は、外部シェルと内部シェルとの間の界面に位置してもよい。一実施形態では、ウィッキング材料の厚さは、液体出口の周りのエリアにおける外部シェルと内部シェルとの間の距離であってもよい。別の実施形態では、ウィッキング材料は、外部シェルの外側の液体出口を通して突出してもよい。
【0078】
ウィッキング材料の厚さは、従来のウィッキング材料と比較して低減されてもよい。これは、ウィッキング材料が加熱されるエアロゾル化要素に隣接する、又は加熱されるエアロゾル化要素の近くにある時に、有害な成分及び潜在的に有害な成分を形成する可能性を低減する場合がある。
【0079】
ウィッキング材料は、多孔性材料を含んでもよい。ウィッキング材料は、約50パーセント~99パーセント、好ましくは60パーセント~80パーセントの空隙率を有してもよい。本明細書で使用される場合、「空隙率」という用語は、ウィッキング材料内の空間の割合を指す。空隙率は、気体膨張の方法(ボイルの法則)によって計算されてもよい。PALS測定、ニュートロン及びX線散乱、水銀注入、密度方法、岩石学的方法など、その他の技法もあり、次いで空隙率測定のために適用することができる。これらの方法のほとんどの適用のために、試料のバルク容量も測定されるべきである。空隙率Φは、多孔性要素のバルク体積Vbの、固体物質によって占められていない割合として定義される。固体物質によって占められていない体積は、空孔体積Vpである:Φ=Vp/Vb
【0080】
ウィッキング要素の材料は、高い弾性を有してもよい。これは、ウィッキング要素が交換可能なカートリッジの軸方向公差を補償することを可能にする場合がある。具体的には、外部シェルに対する内部シェルの位置決めに関する軸方向公差は補償される場合がある。ウィッキング要素のヤング率は、好ましくは0.01MPa~50MPa、より好ましくは0.5MPa~5MPaの範囲から選択されてもよい。
【0081】
ウィッキング要素は、第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方と流体連通してもよい。これは、第一の毛細管及び第二の毛細管のうちの一方又は両方を通る液体薬剤の迅速な移送を確実にする場合がある。
【0082】
液体貯蔵部分は、ハウジングを備えてもよい。空気吸込み口は、ハウジング内に位置してもよい。好ましくは、空気吸込み口は、ハウジングの下流端に位置してもよい。これは、空気が液体貯蔵部分へと入ることを可能にする場合がある。これは、空気が、液体貯蔵部分内の使用された液体薬剤を確実に置き換えることを可能にする場合がある。
【0083】
外部シェルは、ハウジングを備えてもよい。外部シェルは、ハウジングであってもよい。
【0084】
これは、外部シェルをハウジングとして使用し、かつ内部シェルをハウジングの中へと挿入し、それによって第一の毛細管を形成することによって、第一の毛細管の単純な形成を可能にする場合がある。
【0085】
交換可能なカートリッジは、エアロゾル化要素をさらに備えてもよい。エアロゾル化要素は、交換可能なカートリッジから分離されることが好ましく、また、例えば、エアロゾル発生装置の一部であってもよい。これは、エアロゾル化要素を交換する必要を有しないで、カートリッジを交換することを可能にする場合がある。エアロゾル化要素は、液体薬剤からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。エアロゾル化要素は、液体出口と流体連通してもよい。エアロゾル化要素は、交換可能なカートリッジの液体出口と隣接してもよい。エアロゾル化要素は、液体薬剤を蒸発させるように構成されてもよい。エアロゾル化要素は、エアロゾルを提供するために、蒸発した液体薬剤を周囲空気と混合するように構成されてもよい。
【0086】
エアロゾル化要素は、ウィッキング要素と隣接して位置してもよい。エアロゾル化要素は、ウィッキング要素と直接接触してもよい。
【0087】
エアロゾル化要素は、ヒーター又は圧電トランスデューサのうちの一つ以上を備えてもよい。エアロゾル化要素は、圧電トランスデューサを備えてもよい。
【0088】
圧電トランスデューサは、圧電アクチュエータであってもよい。圧電アクチュエータは、振動可能となるように構成されてもよいメッシュであってもよい。振動可能となるように構成されたメッシュは、電気エネルギーの印加に伴い振動可能となるように構成されてもよい。圧電アクチュエータは、電気エネルギーの印加に伴い液体薬剤を蒸発させるように構成されてもよい。具体的には、電気エネルギーの印加に伴い、振動可能なメッシュである圧電アクチュエータは、振動を開始してもよく、それによって液体薬剤を蒸発する。
【0089】
メッシュは、ステンレス鋼、ケイ素、又は他の材料を含んでもよい。リングの形態の圧電材料は、メッシュの外側に適用されてもよい。メッシュは、10マイクロメートルより小さい直径を有する複数の小さい開口部を備えてもよい。液体薬剤は、メッシュが振動する時に開口部を通過してもよく、それによってレイリー分裂機構又は毛細管分裂機構を通してエアロゾルを作り出す。
【0090】
メッシュは、液体出口の下流に位置してもよい。これは、液体薬剤が液体貯蔵部分を出て、メッシュによって蒸発することを可能にする場合がある。メッシュは、振動可能であるか、又は加熱可能であるかのうちの一方又は両方となるように構成されてもよい。メッシュを振動又は加熱することのうちの一方又は両方は、メッシュと接触している液体薬剤を蒸発させる場合がある。
【0091】
メッシュは、当方の金属メッシュであってもよく、又は圧電材料で作製されたメッシュであってもよい。
【0092】
交換可能なカートリッジの液体貯蔵部分内の液体薬剤は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度かつ安定したエアロゾルの形成を容易にし、またシステムの動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な知られている化合物又は化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は、当業界で周知であり、また多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、又はトリアセテートなど)、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸、又はポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコール又はその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体は、プロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールとの両方を含んでもよい。液体薬剤は、50重量パーセント~約18重量パーセントの水を含んでもよい。これは、液体の粘度が十分に低いことを確実にする場合がある。これは、メッシュが液体薬剤を蒸発させることを可能にする場合がある。
【0093】
液体薬剤は、風味剤などの他の添加物及び成分を含んでもよい。液体薬剤は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、及び天然風味又は人工風味を含んでもよい。液体薬剤は、ニコチンを含んでもよい。液体薬剤は、約0.5パーセント~約10%、例えば、約2パーセントのニコチン濃度を有してもよい。
【0094】
本発明の別の実施形態は、エアロゾル発生システムを提供する。エアロゾル発生システムは、本明細書に記述されるような交換可能なカートリッジを備えてもよい。エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジに対して取り外し可能に接続可能となるように構成されてもよい。
【0095】
本発明のさらなる実施形態は、エアロゾル発生システムを提供する。エアロゾル発生システムは、本明細書に記述されるような交換可能なカートリッジ及びエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル発生装置は、カートリッジに対して取り外し可能に接続可能となるように構成される。
【0096】
エアロゾル発生装置は、電池と、ユーザー用の通信インターフェースと、エアロゾル化要素を制御するための制御回路と、のうちの一つ以上を備えてもよい。
【0097】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置のケーシング内に電源、典型的には電池を備えてもよい。一実施形態では、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、又はリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば、電源はおおよそ6分間の期間、又は6分の倍数の期間の間、エアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、又はエアロゾル化要素の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0098】
エアロゾル発生装置は電気制御回路を備えてもよい。電気回路は、マイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサは、制御ユニットの一部であってもよい。電気回路は、さらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、エアロゾル化要素への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、エアロゾル発生装置の起動に続いてエアロゾル化要素へと連続的に供給されてもよく、又は毎回の吸煙時などのように、断続的に供給されてもよい。電力は、電流のパルスの形態でエアロゾル化要素に供給されてもよい。電気回路は、エアロゾル化要素の電気抵抗をモニターするように、かつ好ましくはエアロゾル化要素の電気抵抗に応じて、エアロゾル化要素への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0099】
エアロゾル発生装置は、装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えば、エアロゾル発生装置、具体的には、エアロゾル化要素をオン及びオフにするためのボタンを含んでもよい。エアロゾル発生装置はまた、吸煙センサーによって起動されてもよい。
【0100】
ユーザーインターフェースはまた、装置の状態又は交換可能なカートリッジの充填レベルを表示するためのディスプレイも備えてもよい。
【0101】
一つの実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態に等しく適用されてもよい。
【0102】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1A図1Aは、内部シェル、外部シェル、及びウィッキング要素を備える、本発明によるその長軸方向軸に沿った交換可能なカートリッジの断面図を示す。
図1B図1Bは、図1Aの断面図と垂直な平面内の、図1Aの交換可能なカートリッジの断面図を図示する。
図2図2は、本発明による交換可能なカートリッジの別の実施形態の断面図を示す。
図3図3は、リブを含む交換可能なカートリッジの内部シェルの斜視図を図示する。
図4図4は、リブを有する交換可能なカートリッジの内部シェルの別の実施形態の斜視図を図示する。
図5図5は、本発明の交換可能なカートリッジの別の実施形態の概略断面図を示す。
図6図6は、図5に示す交換可能なカートリッジで採用される二つの板の間に形成された毛細管の斜視図を図示する。
図7図7は、交換可能なカートリッジの液体貯蔵部分内に位置する管状毛細管を含む、本発明の交換可能なカートリッジのさらなる実施形態の断面図を示す。
図8図8は、本発明の交換可能なカートリッジに接続されるエアロゾル発生装置の断面図を示す。
図9図9は、図8のエアロゾル発生装置の斜視図を示す。
図10図10は、カートリッジの別の断面図を図示する。
図11図11は、液体貯蔵部分の外部シェルの三次元斜視図を示す。
図12図12は、液体貯蔵部分の内部シェルのいくつかの三次元斜視図を図示する。
図13図13a及び図13bは、組み立てられた内部シェル、外部シェル、及びウィッキング要素を有するカートリッジの断面寸法図及びカートリッジの三次元図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下では、同じ要素は、すべての図全体を通して、同じ参照符号を用いて記される。
【0105】
図1Aは、本発明の交換可能なカートリッジ10の一つの実施形態の断面図を図示する。交換可能なカートリッジ10は、交換可能なカートリッジの外部シェルを形成することができる第一の壁22を備える。加えて、交換可能なカートリッジは、第二の壁24を備える。この第二の壁24は、交換可能なカートリッジの内部シェルを形成する。毛細管20は、外部シェルと内部シェルとの間に、具体的には外部シェル22の内表面22Aと内部シェル24の外表面24Aとの間に形成される。毛細管20の幅26も、図1Aに示される。毛細管は、液体貯蔵部分の長軸方向軸28に沿って延びる。これは、液体薬剤14の液体貯蔵部分12の外への毛細管20を通して液体出口32に向かう一定かつ信頼性のある移送を確保する。ウィッキング要素30は、毛細管20と液体出口32との間に位置する。ウィッキング要素30は、液体出口32と内部シェル24の液体出口面24Aとの間に位置してもよい。このウィッキング要素は、液体薬剤を吸収し、そしてさらに液体薬剤を液体出口32に向かって均一なやり方で移送することができる。内部シェル24は、毛細管の上流端に開口部36を含む。この開口部36は、毛細管20と液体貯蔵部分12内の液体薬剤14との間の流体連通を提供する。エアロゾル化要素33は、液体出口32に隣接して位置する。エアロゾル化要素33は、液体薬剤14からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。エアロゾル化要素33は、例えば、メッシュを備えてもよい。メッシュは、振動可能なメッシュ又は加熱可能なメッシュを備えてもよい。空気吸込み口34は、内部シェル24の液体出口面24A内に存在してもよい。この吸込み口34は、空気が液体貯蔵部分12に入り、それによって使用済みの液体薬剤を置き換えることを可能する場合がある。これは、液体貯蔵部分の外側の圧力と比較して、液体貯蔵部分内のより低い圧力の形成を防止する場合がある。
【0106】
図1Bは、図1Aで破線29及び31によって表示されるような、長軸方向軸28に垂直な平面に沿った、図1Aに示す交換可能なカートリッジの断面図である。この断面図は、外部シェル及び内部シェルを含む管状の交換可能なカートリッジを通る断面を示す。特に、外部シェルの内表面22A及び内部シェルの外表面24Aが示される。毛細管20は、外部シェルの内表面と内部シェルの外表面との間に形成され、また毛細管の断面の表面20Aは、縞模様のエリアとして表示される。毛細管の断面の表面20Aの面積は、破線29によって表示される交換可能なカートリッジの上流エリアにおいて、及び破線31によって表示される交換可能なカートリッジの下流エリアにおいて同じままである。これは、毛細管を通る液体薬剤の信頼性のある、かつ一定の移送を可能にする。毛細管の断面の表面は、リング状の形態を有する。
【0107】
図2は、図1A及び図1Bの交換可能なカートリッジ10の別の実施形態を示す。図2の交換可能なカートリッジは、ウィッキング要素30を含むのではなく、長軸方向軸28に対して垂直に延び、また液体薬剤14を液体出口32へと直接的に送達する毛細管20の一部20Aを含む。液体貯蔵部分12から毛細管20の中への液体薬剤14の流れの方向は、矢印38によって表示される。
【0108】
図3は、例えば、図1及び図2に示す交換可能なカートリッジで使用することができる内部シェル24の斜視図を図示する。内部シェル24の外表面24Aは、リブ40の形態にある突出部を備える。これらのリブ40は、本発明の交換可能なカートリッジ内の外部シェル22に対する内部シェル24の信頼性のある位置決めを可能にする。これは、内部シェルと外部シェルとの間に形成された毛細管の幅がリブのエリアにおいて一定なままであることを確実にする場合がある。毛細管を、隣接するリブ40の間に形成することができ、毛細管作用を介した液体薬剤の移送を可能にする。内部シェルの液体出口面24Aは、空気吸込み口34を含む。
【0109】
図4は、内部シェル24の別の実施形態を示す。この内部シェル24は、リブ40を含み、外表面24Aの下流部分24Bはリブ40を有しない。これは、液体出口の近くの液体薬剤の自由な流れを可能にする。これらのリブ40は、依然として、内部シェルと外部シェルとの間の信頼性のある位置決めを提供することができる。毛細管の下流端へと向かうリブ40間の液体薬剤の流れの方向は、矢印42によって表示される。
【0110】
図5は、毛細管20が第一の壁22と第二の壁24との間に形成される、交換可能なカートリッジ10の断面図を図示する。第一の壁22及び第二の壁24の両方は板である。毛細管20は、第一の板22の内表面22Aと第二の板24の内表面24Aとの間に形成される。毛細管20は、液体薬剤14及びウィッキング要素30と流体連通している。第一の板の内表面と第二の板の内表面との間の毛細管20の幅は、毛細管の長さに沿って一定のままである。これは、毛細管作用を介した液体薬剤14の信頼性のある、かつ一定の供給を可能にする。毛細管20を板と板との間に形成することは、液体貯蔵部分の全体的な幾何学的形状とは無関係に、交換可能なカートリッジ10の設計を可能にする場合がある。空気吸込み口34が存在し、これは、液体貯蔵部分内の低い圧力の形成を回避するために、空気が液体貯蔵部分に入ることを可能にする。
【0111】
図6は、図5の交換可能なカートリッジ10で採用される第一の板22及び第二の板24の斜視図を図示する。板22及び板24の両方は、相互に対して平行であり、また板と板との間の毛細管20の形成を可能にする。この毛細管20の断面のエリア22Aは長方形形状を有する。横方向突出部が、破線の円21によって表示されるように、第一の板の内表面22A及び第二の板の内表面24Aのうちの一方又は両方に存在する。これらの横方向突出部は、一方の内表面から向かい合った板の内表面へと突出し、そして両方の板の横方向端の上での毛細管20の閉鎖を可能にする。同様に、これらの横方向突出部は、両方の板の一定で、かつ信頼性のある離隔を可能にし、両方の板の間に形成された毛細管20の幅を一定のままにすることを可能にする。
【0112】
図7は、別の交換可能なカートリッジ10の断面図を図示する。このカートリッジ10は、外部シェル22の間と、内部シェル24の間に形成される第一の毛細管20を含む。毛細管は、交換可能なカートリッジの液体貯蔵部分内の中央に位置する。これは、液体貯蔵部分のハウジングが毛細管とは異なる形状を適合することを可能にする。毛細管20は、液体薬剤14及びウィッキング要素30と流体連通している。毛細管は、液体貯蔵部分及びカートリッジの長軸方向軸28に沿って延びる。液体貯蔵部分の中への空気の侵入を可能にする空気吸込み口34が存在し、それによって液体薬剤が消費された時の低い圧力を回避する。
【0113】
図8は、本発明の交換可能なカートリッジ10に接続されるエアロゾル発生装置46を含むエアロゾル発生システムの断面図を図示する。交換可能なカートリッジ10は、開口部を介してエアロゾル発生装置46の中へと挿入することができ、また交換可能なカートリッジをエアロゾル化要素33に対して押すことができるばね15が存在する。交換可能なカートリッジ10は、内部シェル24及び外部シェル22を備え、また装置46を介してマウスピース48に接続される。エアロゾル発生装置46は、制御回路52を備えるハウジング54を含む。
【0114】
図9は、図8のエアロゾル発生装置46の斜視図を示す。それを通して交換可能なカートリッジ10をエアロゾル発生装置46へと取り外し可能に接続することができる開口部56を、明確に見ることができる。
【0115】
図10は、カートリッジ10の別の実施形態の断面図を示す。カートリッジ10は、内部シェル24を収容する外部シェル22を備える。外部シェル22と内部シェル24との間に毛細管20が形成される。液体貯蔵部分は、長軸方向軸28を備える。毛細管20の上流端から下流端への毛細管20の延長方向は、破線矢印58によって表示される。これは、液体貯蔵部分の長軸方向軸に対する毛細管20の延長方向の傾き角60をもたらす。長軸方向軸28に対して傾きを有するこうした毛細管は、より大きい製造公差でより簡単に製造することができる。カートリッジ10は、全体的な円錐台状形状を有する。毛細管の上流端における液体貯蔵部分の直径64は、毛細管20の下流端における液体貯蔵部分の直径66より大きい。毛細管の上流端又は下流端における液体貯蔵部分のそれぞれの直径は、液体貯蔵部分12を取り囲む内部シェルの対向する側壁間の距離によって決定される。これは、液体貯蔵部分の上流断面積が液体貯蔵部分の下流断面積より大きいことに起因する。
【0116】
カートリッジ10は、液体貯蔵部分12の上流端を閉じる上流リッド62をさらに備える。空気吸込み口34は、内部シェル24の液体出口面24A内に存在する。
【0117】
図11は、リブの形態にある突出部40を含む外部シェル22の三次元斜視図を示す。これらの突出部40は、カートリッジが組み立てられた時に内部シェルに接触する。これらの突出部は、液体貯蔵部分の長軸方向軸に沿って同じ厚さを有する。これらの突出部40は、毛細管の上流端において、毛細管の下流端におけるのと同じ幅の毛細管が存在することを確実にすることができる。
【0118】
図12は、空気吸込み口34を含む内部シェル24の三次元斜視図を示す。内部シェル24はまた、内部シェルの上流端においてスロット68も備える。
【0119】
図13aは、組み立てられたカートリッジ10の断面三次元図を図示する。毛細管20が、内部シェル24と外部シェル22との間に形成されることを明確に見ることができる。内部シェル24の上流端におけるスロット68は、液体貯蔵部分と毛細管20との間の流体連通を可能にする。これらのスロット68は、上流リッド62から離間する。毛細管20の下流端において、ウィッキング要素30が存在する。
【0120】
図13bは、図13aの組み立てられたカートリッジの三次元図を示す。
【0121】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、又は態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例
【0122】
実施例1:エアロゾル発生装置へと取り外し可能に接続可能となるように構成された交換可能なカートリッジであって、
液体薬剤を貯蔵するための液体貯蔵部分であって、液体貯蔵部分の外へと液体薬剤を方向付けるための液体出口を備える、液体貯蔵部分と、
液体貯蔵部分及び液体出口と流体連通する毛細管であって、断面及び長軸方向長さを有し、毛細管の断面の表面が毛細管の長軸方向長さのうちの少なくとも一部に沿って一定のままである、毛細管と、を備える、交換可能なカートリッジ。
【0123】
実施例2:液体貯蔵部分が、第一の内表面を有する第一の壁と、第二の内表面を有する第二の壁とを備え、毛細管が、対向する第一の内表面と第二の内表面との間に位置し、好ましくは、毛細管が、対向する第一の内表面と第二の内表面との間に形成され、より好ましくは、毛細管が、液体貯蔵部分内の中央に位置する、実施例1の交換可能なカートリッジ。
【0124】
実施例3:液体貯蔵部分が、第一の壁としての外部シェルと、第二の壁としての内部シェルとを備え、内部シェルが、液体貯蔵部分の外部シェル内に収容され、かつ毛細管が内部シェルと外部シェルとの間に位置し、好ましくは、毛細管が内部シェルの外表面と外部シェルの内表面との間に位置する、実施例1~2のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0125】
実施例4:液体貯蔵部分が、毛細管の上流端における上流断面積及び毛細管の下流端における下流断面積を備え、かつ断面積が、上流断面積から下流断面積に向かって先細りである、実施例3の交換可能なカートリッジ。
【0126】
実施例5:液体貯蔵部分が長軸方向軸を備え、かつ毛細管が延長方向に沿って延び、延長方向が長軸方向軸に向かって傾けられ、好ましくは延長方向が長軸方向軸に向かって0.1度~15度の角度だけ、より好ましくは2度~6度の角度だけ傾けられる、実施例3又は実施例4のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0127】
実施例6:液体貯蔵部分が、円錐台状形状を備える、又は有する、実施例4又は実施例5のカートリッジ。
【0128】
実施例7:上流リッドをさらに備え、上流リッドが、液体貯蔵部分の上流端を閉じるように構成される、実施例4~6のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0129】
実施例8:内部シェルの上流端が、少なくとも一つのスロットを備え、少なくとも一つのスロットが、上流リッドが液体貯蔵部分の上流端を閉鎖する時に、上流リッドから離隔するように構成される、実施例7の交換可能なカートリッジ。
【0130】
実施例9:液体貯蔵部分がハウジングを備え、かつ、
内部シェル及び外部シェルが、ハウジング内に位置する、又は
外部シェルが、ハウジングを備える、のうちの一つである、実施例8の交換可能なカートリッジ。
【0131】
実施例10:内部シェル及び外部シェルが管状であり、かつ毛細管の断面が円形状表面、好ましくはリング形状表面を有する、実施例3又は実施例4の交換可能なカートリッジ。
【0132】
実施例11:内部シェル及び外部シェル、又は中空の多角形角柱、及び毛細管の断面の表面が、中空の多角形形状を有する、実施例3~8のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0133】
実施例12:第一の内表面と第二の内表面との間の距離が、0.02ミリメートル~0.5ミリメートルであり、好ましくは内部シェルの外表面と外部シェルの内表面との間の距離が、0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、より好ましくは内部シェルの外表面と外部シェルの内表面との間の距離が、0.03ミリメートル~0.08ミリメートルである、実施例3~11の交換可能なカートリッジ。
【0134】
実施例13:毛細管が突出部を備え、当該突出部が第一の内表面及び第二の内表面と接触し、より好ましくは突出部がリブを備える、実施例3~12のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0135】
実施例14:突出部が、液体貯蔵部分の中央長軸方向軸に沿って延び、より好ましくは、液体出口に隣接する内部シェルの下流部分が、突出部を含まない、実施例13の交換可能なカートリッジ。
【0136】
実施例15:内部シェルが、空気吸込み口を備え、空気吸込み口が、内部シェルに空気が入ることを可能にするように構成され、好ましくは、空気吸込み口の直径が、0.5ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル~3ミリメートルである、実施例3~14のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0137】
実施例16:内部シェルが液体出口面を備え、液体出口面がカートリッジの液体出口の反対側に位置する、実施例3~15のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0138】
実施例17:ウィッキング要素が、内部シェルの液体出口面に隣接して位置し、好ましくは、ウィッキング要素が、内部シェルの液体出口面と液体出口との間に位置する、実施例16の交換可能なカートリッジ。
【0139】
実施例18:空気吸込み口が、内部シェルの液体出口面に位置する、実施例15の、さらに実施例16に従属する、交換可能なカートリッジ。
【0140】
実施例19:内部シェルの上流端が、液体薬剤が内部シェルと外部シェルとの間の空間に入るための開口部を提供するために、外部シェルから離隔している、実施例3の交換可能なカートリッジ。
【0141】
実施例20:内部シェルの形状が、外部シェルの幾何学体に適合し、好ましくは、内部シェル及び外部シェルが、円筒体、立方体、長方形状直方体本体、錐体、又は多角形本体から選択される幾何学体を有する、実施例3~19のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0142】
実施例21:第一の壁が、第一の内表面を有する第一の板を備え、かつ第二の壁が、第二の内表面を有する第二の板を備え、かつ毛細管が、第一の板の対向する第一の内表面と第二の板の第二の内表面との間に形成され、好ましくは、毛細管の断面の表面が長方形状である、実施例2の交換可能なカートリッジ。
【0143】
実施例22:第二の板に対して横方向に配設される第三の板をさらに備え、第二の毛細管が第三の板と第二の板との間に形成され、好ましくは、N枚の板が液体貯蔵部分内に存在し、相互に対して横方向に配設され、かつN-1個の毛細管が板と板との間に形成され、Nが3≦N≦10の整数である、実施例21の交換可能なカートリッジ。
【0144】
実施例23:N-1個の毛細管が、液体出口と流体連通する、実施例22の交換可能なカートリッジ。
【0145】
実施例24:第一の壁、第二の壁、第三の壁のうちの一つ以上が、第一の毛細管と第二の毛細管と液体貯蔵部分とのうちの一方又は両方との間の流体連通のための少なくとも一つの開口部を備える、実施例2又は実施例21~23のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0146】
実施例25:液体出口に隣接して配設されたウィッキング要素をさらに備え、ウィッキング要素が、液体薬剤を吸収し、かつ液体出口へと供給するように構成される、実施例1~24のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0147】
実施例26:液体貯蔵部分がハウジングを備え、かつ空気吸込み口がハウジング内に位置し、好ましくは空気吸込み口がハウジングの下流端に位置する、実施例1~25のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0148】
実施例27:液体薬剤からエアロゾルを発生するために構成されたエアロゾル化要素をさらに備え、好ましくは、エアロゾル化要素が、液体出口と流体連通している、実施例1~26のいずれかの交換可能なカートリッジ。
【0149】
実施例28:エアロゾル化要素が、ウィッキング要素に隣接して位置し、好ましくは、エアロゾル化要素が、ウィッキング要素と直接接触している、実施例25のいずれかにさらに従属する、実施例27の交換可能なカートリッジ。
【0150】
実施例29:エアロゾル化要素が、ヒーター又はメッシュのうちの一つ以上を備える、実施例27又は実施例28の交換可能なカートリッジ。
【0151】
実施例30:メッシュが液体出口の下流に位置し、好ましくはメッシュが振動可能になるように構成され、より好ましくはカートリッジがメッシュを振動させるように構成された圧電素子を備える、実施例29の交換可能なカートリッジ。
【0152】
実施例31:エアロゾル発生システムであって、
【0153】
実施例1~30のいずれかの交換可能なカートリッジと、
カートリッジに対して取り外し可能に接続可能であるように構成されるエアロゾル発生装置と、を備える、エアロゾル発生システム。
【0154】
実施例32:エアロゾル発生装置が、電池と、ユーザー用の通信インターフェースと、エアロゾル化要素を制御するための制御回路と、のうちの一つ以上を備える、実施例31のエアロゾル発生システム。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a)】
図13b)】
【国際調査報告】