(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】二重壁の引出し側板
(51)【国際特許分類】
A47B 88/90 20170101AFI20241128BHJP
【FI】
A47B88/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537599
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-20
(86)【国際出願番号】 AT2022060439
(87)【国際公開番号】W WO2023115082
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス フォイアーシュタイン
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB35
3B160DA26
3B160DA42
3B160EA36
(57)【要約】
内壁(2)と外壁(3)とを備える二重壁の引出し側板(1)であって、内壁(2)と外壁(3)との間に少なくとも1つのスペーサ(4)が配置されているかまたは配置可能であり、この少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプ可能である、二重壁の引出し側板(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁(2)と外壁(3)とを備える二重壁の引出し側板(1)において、
前記内壁(2)と前記外壁(3)との間に少なくとも1つのスペーサ(4)が配置されているかまたは配置可能であり、該少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプ可能であることを特徴とする、二重壁の引出し側板(1)。
【請求項2】
前記外壁(3)または前記内壁(2)は、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)を介して前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合可能であるかまたは結合されている、請求項1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項3】
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記外壁(3)を前記内壁(2)に結合する前に前記外壁(3)または前記内壁(2)に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)から横方向に張り出しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に不動に、特に一体形に結合されていて、特に前記内壁(2)および/または前記外壁(3)と同じ金属薄板部材から製作されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の全長および/または全幅にわたって延在しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記二重壁の引出し側板(1)の端面を形成しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の互いに反対側の2つの辺部、好ましくは長辺部に配置されている、
請求項1または2記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、
- 少なくとも部分的に、好ましくは全体で発泡材、特にポリエチレン発泡材から製作されており、かつ/または
- 実質的にプレート状に成形されており、かつ/または
- 目標破断箇所(18)、好ましくはパーフォレーション孔を有する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、
- 前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に面接触しており、かつ/または
- 前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の面の少なくとも1/4を覆っている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記外壁(3)または前記内壁(2)が前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)との結合のために接触する点により展開される仮想平面に対して間隔(A)を置いて配置されており、好ましくは、該間隔(A)は0.1mm~0.5mmである、請求項1から5までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項7】
前記外壁(3)または前記内壁(2)は、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合された状態において、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)の方向に湾曲させられており、これによって、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)が、クランプされた前記少なくとも1つのスペーサ(4)に接触している、請求項1から6までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記外壁(3)または前記内壁(2)をガイドするための少なくとも1つのガイド溝(51)を有し、好ましくは、該少なくとも1つのガイド溝(51)は、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)に、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を前記少なくとも1つのガイド溝(51)の長手方向に対して横方向に導入するための導入面(53)が続いており、好ましくは、前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記導入面(53)の端縁部に接触している、請求項8記載の二重壁の引出し側板。
【請求項10】
前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に導入するための少なくとも1つのガイドウェブを有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのガイドウェブは、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されており、好適には、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の少なくとも1つの前記曲げ部の半径が、前記少なくとも1つのガイドウェブの少なくとも1つの前記曲げ部の半径よりも大きく、かつ/または
- 前記少なくとも1つのガイドウェブは、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)と同じ金属薄板部材、好ましくは、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)の端部分から製作されている、
請求項8または9記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブに保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を備える、請求項10記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(81)は、段付けられた形状を有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記内壁(2)または前記外壁(3)から出発して第1の段部(91)に配置可能であり、特に好適には、前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの前記第1の段部(91)の湾曲部(10)に接触しており、かつ/または
- 少なくとも1つの前記外壁(3)または内壁(2)は、前記内壁(2)もしくは外壁(3)に結合された状態において、前記内壁(2)もしくは外壁(3)から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部(92)に配置されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、前記外壁(3)または前記内壁(2)を引っ掛けるための少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項14】
前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)は、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)に引っ掛けるための少なくとも1つの引掛け溝(61)を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの引掛け溝(61)は、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)の、曲げ返された端部分として成形されている、請求項13記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項15】
引出し(14)であって、請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの二重壁の引出し側板(1)を備え、好ましくは、引出し底板(15)、背壁(16)および/または前板(17)を有する、引出し(14)。
【請求項16】
内壁(2)と外壁(3)とを備えた、特に請求項1から14までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)を機械的にかつ/または手を使って製作するための方法であって、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)とを有する、方法において、
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に、特に実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプする方法ステップと、
- 前記外壁(3)を前記内壁(2)に対して平行に配置して、該内壁(2)に結合する方法ステップと
を、特に記載した順序で経時的に実施することを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記外壁(3)および/または前記内壁(2)を前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とに配置して、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記外壁(3)を前記内壁(2)に結合する前に前記外壁(3)または前記内壁(2)に配置されており、
- 前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を準備する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に、特に実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプし、これによって、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)に取り付ける方法ステップと、
- 前記内壁(2)もしくは外壁(3)を準備する方法ステップと、
- 前記外壁(3)を前記内壁(2)に対して平行に配置して、該内壁(2)に結合する方法ステップと
を含む、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
前記外壁(3)と前記内壁(2)とを互いに結合する際に、
- 両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にかつ/または該長手方向に対して横方向に移動させる方法ステップと、
- 前記両方の壁(2,3)を移動動作の最中に互いに結合する方法ステップと
が特定されている、請求項16から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は目標破断箇所(18)、好ましくはパーフォレーション孔を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に前記少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプする前に、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)を前記目標破断箇所(18)に沿って、特に工具なしに破断する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)の破断部分を引き続きスペーサ(4)として使用して、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプする方法ステップと
を実施する、請求項16から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、少なくとも1つのガイド溝(51)を有し、前記外壁(3)または前記内壁(2)は、少なくとも1つのガイドウェブを有し、
- 好ましくは、両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して横方向にかつ/または好ましくは前記少なくとも1つのガイド溝(51)が前記少なくとも1つのガイドウェブを取り囲むように移動させることによって、前記少なくとも1つのガイドウェブを前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に配置する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つのガイドウェブを前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に移動させる方法ステップと
のうちの少なくとも一方の方法ステップを含む、請求項16から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、段付けられた形状を有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)を、前記内壁(2)または前記外壁(3)から出発して第1の段部(91)に配置し、特に好適には、前記少なくとも1つのスペーサを少なくとも1つの前記第1の段部(91)の湾曲部(10)に配置し、かつ/または
- 少なくとも1つの前記外壁(3)または内壁(2)を、前記内壁(2)もしくは外壁(3)から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部(92)に配置する、
請求項16から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を有し、前記外壁(3)または前記内壁(2)は、少なくとも1つの引掛け溝(61)を有し、
- 好ましくは、両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して横方向にかつ好ましくは前記少なくとも1つの引掛け溝(61)が前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)の裏側に係合するように移動させることによって、前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を前記少なくとも1つの引掛け溝(61)内に配置する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を前記少なくとも1つの引掛け溝(61)内で前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に移動させる方法ステップと
のうちの少なくとも一方の方法ステップを含む、請求項16から22までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内壁と外壁とを備える二重壁の引出し側板に関する。さらに、本発明は、請求項15記載の、二重壁の引出し側板を備えた引出しと、請求項16記載の、二重壁の引出し側板を機械的にかつ/または手を使って製作するための方法とに関する。
【0002】
二重壁の引出し側板は、すでに先行技術に基づき公知である。この公知の二重壁の引出し側板は、通常、機械的な方法で製作される。この方法では、二重壁の引出し側板の内壁と外壁とが相応に位置決めされ、適切な結合技術によって互いに結合、例えば溶接、接着、リベット締め、ねじ締結またはクリンチングされる。
【0003】
上述した結合技術には、これらの結合技術が、手を使った二重壁の引出し側板の製作に適していないという欠点がある。さらに、機械的な製作法の場合には、結合技術を実現することができる付加的な結合装置、例えば溶接装置、接着装置、リベット締め装置、ねじ締結装置および/またはクリンチング装置が必要となる。
【0004】
外壁と内壁とを互いに結合することは、例えば国際公開第2013/090951号に開示されているような機械式の保持装置によって実現することもできる。これによって、二重壁の引出し側板を付加的な装置なしで手を使ってかつ/または機械的に組み立てることができる。
【0005】
この先行技術には、機械式の保持装置が典型的に遊びを有しており、これによって、二重壁の引出し側板の使用時に騒音発生、特にガタつきが起こってしまうという欠点がある。
【0006】
本発明の課題は、二重壁の引出し側板の製作を簡単に保ちつつ、この二重壁の引出し側板の使用時の騒音発生を回避することである。
【0007】
本発明によれば、内壁と外壁との間に少なくとも1つのスペーサが配置されているかまたは配置可能であり、この少なくとも1つのスペーサは、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間にクランプ可能であることが特定されている。
【0008】
内壁と外壁との間に少なくとも1つのスペーサが配置されているかまたは配置可能であることによって、二重壁の引出し側板の使用時の騒音発生が回避される。
【0009】
少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間に少なくとも1つのスペーサがクランプ可能であることによって、二重壁の引出しの製作を特に簡単に実施することができる。特に、少なくとも1つのスペーサは、内壁と外壁との間にクランプ可能である必要はなく、ひいては、内壁および/または外壁によって保持される必要はない。
【0010】
本発明の一実施例では、外壁または内壁が、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部を介して内壁もしくは外壁に結合可能であるかまたは結合されていることが特定されている。
【0011】
これによって、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部を、両方の壁の間の結合のためにも、少なくとも1つのスペーサをクランプするためにも使用することができる。これによって、構造が特に簡単に形成される。
【0012】
少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部が、内壁および/または外壁から横方向に張り出していることが特定されていてよい。こうして、少なくとも1つのスペーサを内壁および/または外壁の平面の方向で保持することができる。
【0013】
別の実施例では、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部が、内壁および/または外壁に不動に、特に一体形に結合されている。特に、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部は、内壁および/または外壁と同じ金属薄板部材から製作されている。特に好適には、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部とは、内壁に一体形に結合されている。したがって、構成部分の個数が減じられる。
【0014】
少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部が、内壁および/または外壁の全長および/または全幅にわたって延在していることが特定されていてよい。
【0015】
特に好適な実施例では、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部が、二重壁の引出し側板の端面を形成している。特に好適には、内壁と外壁とは、端面を介して互いに接続されてよい。端面は、好ましくは、内壁および/または外壁の全長にわたって延在している。
【0016】
少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部とが、内壁および/または外壁の互いに反対側の2つの辺部、好ましくは長辺部に配置されていることが特定されていてよい。このことは、特に、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部が、二重壁の引出し側板の端面を形成している場合に云える。
【0017】
好適な実施例では、少なくとも1つのスペーサが、少なくとも部分的に、好ましくは全体で発泡材、特にポリエチレン発泡材から製作されている。発泡材として、特に好適には型式Alveo NA 36/100が使用される。発泡材の使用によって、騒音発生を特に効率よく回避することができる。
【0018】
少なくとも1つのスペーサは、好適には弾性的に形成されているため、より長く使用しても、永久変形は生じない。
【0019】
少なくとも1つのスペーサが、実質的にプレート状に成形されていることが特定されていてよい。これによって、少なくとも1つのスペーサが、比較的大きな面にわたって内壁および/または外壁に接触して、騒音発生を阻止することができる。
【0020】
特に好適には、少なくとも1つのスペーサが、目標破断箇所、好ましくはパーフォレーション孔を有する。少なくとも1つのスペーサは、目標破断箇所に沿って、好ましくは工具なしに分割されてよい。これによって、それぞれ異なるサイズの二重壁の引出し側板に1種類のスペーサを使用することができる。例えば、より大きな引出し側板には、破断されていないスペーサ全体を使用することができ、より小さな引出し側板には、本来のスペーサの破断部分だけを使用することができる。
【0021】
一実施例では、少なくとも1つのスペーサが、クランプ状態において、内壁および/または外壁に面接触している。これによって、騒音発生が阻止される。
【0022】
特に、少なくとも1つのスペーサは、内壁および/または外壁の面の少なくとも1/4を覆っている。
【0023】
特に好適な実施例では、少なくとも1つのスペーサが、クランプ状態において、外壁または内壁が内壁もしくは外壁との結合のために接触する点により展開される仮想平面に対して間隔を置いて配置されている。この間隔は、好ましくは0.1mm~0.5mmである。
【0024】
少なくとも1つのスペーサは、例えば内壁に接触していて、外壁が内壁との結合のために接触する点により展開される仮想平面に対して間隔を置いて配置されていてよい。外壁が内壁との結合のために接触する点は、外壁と内壁とが張出し部を介して結合される場合、例えば少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部に配置されていてよい。
【0025】
外壁または内壁が、内壁もしくは外壁に結合された状態において、内壁もしくは外壁の方向に湾曲させられており、これによって、外壁もしくは内壁が、クランプされた少なくとも1つのスペーサに接触していることが特定されていてよい。特に、外壁もしくは内壁は、前の段落に記載したような間隔が存在しているにもかかわらず。クランプされた少なくとも1つのスペーサに接触していてよい。この場合、湾曲部は、特に0.1mm~0.5mmの間隔に跨がっている。
【0026】
好適な実施例では、少なくとも1つの第1の張出し部および/または少なくとも1つの第2の張出し部が、外壁または内壁をガイドするための少なくとも1つのガイド溝を有し、好ましくは、この少なくとも1つのガイド溝が、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されている。特に、ガイド溝は第1の張出し部にしか配置されていない。
【0027】
少なくとも1つのガイド溝に、外壁もしくは内壁を少なくとも1つのガイド溝の長手方向に対して横方向に導入するための導入面が続いており、好ましくは、少なくとも1つのスペーサが、クランプ状態において、導入面の端縁部に接触していることが特定されていてよい。外壁もしくは内壁を導入するためには、外壁もしくは内壁の一部が導入面に載置されて、この導入面上でガイド溝内に押し進められてよい。
【0028】
外壁もしくは内壁が、少なくとも1つのガイド溝内に導入するための少なくとも1つのガイドウェブを有することが特定されていてもよい。これによって、外壁もしくは内壁と張出し部との間に結合部を提供することができる。
【0029】
好ましくは、この場合、少なくとも1つのガイドウェブが、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されており、好適には、少なくとも1つのガイド溝の少なくとも1つの曲げ部の半径が、少なくとも1つのガイドウェブの少なくとも1つの曲げ部の半径よりも大きいことが特定されている。
【0030】
付加的または代替的に、少なくとも1つのガイドウェブが、外壁もしくは内壁と同じ金属薄板部材、好ましくは、外壁もしくは内壁の端部分から製作されていることが特定されてよい。
【0031】
二重壁の引出し側板は、少なくとも1つのガイド溝を少なくとも1つのガイドウェブに保持するための少なくとも1つの保持装置を備えてよい。この保持装置は、ガイド溝内へのガイドウェブの挿入後または挿入時に把持してよい。
【0032】
好適な実施例では、少なくとも1つの第2の張出し部および/または少なくとも1つの第1の張出し部が、段付けられた形状を有する。特に、この成形部は、少なくとも1つの第2の張出し部に対して設けられている。
【0033】
この場合、好ましくは、少なくとも1つのスペーサが、クランプ状態において、内壁または外壁から出発して第1の段部に配置可能であり、特に好適には、少なくとも1つのスペーサが、少なくとも1つの第1の段部の湾曲部に接触していることが特定されていてよい。
【0034】
好ましくは、少なくとも1つの外壁または内壁が、内壁もしくは外壁に結合された状態において、内壁もしくは外壁から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部に配置されていることが特定されていてよい。
【0035】
一実施例では、少なくとも1つの第2の張出し部および/または少なくとも1つの第1の張出し部が、外壁または内壁を引っ掛けるための少なくとも1つの引掛けウェブを有する。特に、この成形部は少なくとも1つの第2の張出し部に対して設けられている。
【0036】
この場合、外壁もしくは内壁が、外壁もしくは内壁を少なくとも1つの引掛けウェブに引っ掛けるための少なくとも1つの引掛け溝を有し、好ましくは、少なくとも1つの引掛け溝が、外壁もしくは内壁の、曲げ返された端部分として成形されていることが特定されてよい。
【0037】
特に、ガイドウェブと引掛け溝とが外壁に配置されていてよく、第1の張出し部と第2の張出し部とが内壁に配置されていてよい(またはその逆も可能である)。少なくとも1つの第1の張出し部のガイド溝内へのガイドウェブの導入と、引掛けウェブの裏側への引掛け溝の係合とによって、外壁を内壁に結合することができる。
【0038】
内壁と外壁とを備えた二重壁の引出し側板を機械的にかつ/または手を使って製作するための本発明に係る方法であって、内壁および/または外壁が、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部とを有する、本発明に係る方法は、
- 少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間に、特に実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサをクランプする方法ステップと、
- 外壁を内壁に対して平行に配置して、この内壁に結合する方法ステップと
を、特に記載した順序で経時的に実施することを有する。
【0039】
好適には、この場合、外壁および/または内壁を少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部とに配置して、内壁もしくは外壁に結合することが特定されている。
【0040】
好適には、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部とが、外壁を内壁に結合する前に外壁または内壁に配置されており、
- 外壁もしくは内壁を準備する方法ステップと、
- 少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間に、特に実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサをクランプし、これによって、外壁もしくは内壁に取り付ける方法ステップと、
- 内壁もしくは外壁を準備する方法ステップと、
- 外壁を内壁に対して平行に配置して、この内壁に結合する方法ステップと
が設けられていることが特定されていてよい。
【0041】
これによって、まず、少なくとも1つのスペーサを、張出し部を備えた第1の壁(外壁または内壁)にクランプによって取り付けることができる。後続のステップでは、好ましくは張出し部なしの第2の壁を、第1の壁とスペーサとから成るユニットに配置して、結合することができる。有利には、この実施形態では、スペーサが、両方の壁の結合中にすでに第1の壁に取り付けられているため、特別に保持される必要がない。
【0042】
外壁と内壁とを互いに結合する際に、
- 両方の壁を互いに相対的にこれらの壁の長手方向に対して平行な方向にかつ/またはこの長手方向に対して横方向に移動させる方法ステップと、
- 両方の壁を移動動作の最中に互いに結合する方法ステップと
が特定されていてよい。
【0043】
方法の好適な実施例では、少なくとも1つのスペーサが目標破断箇所、好ましくはパーフォレーション孔を有する。この場合、好ましくは、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間に少なくとも1つのスペーサをクランプする前に、
- 少なくとも1つのスペーサを目標破断箇所に沿って、特に工具なしに破断する方法ステップと、
- 少なくとも1つのスペーサの破断部分を引き続きスペーサとして使用して、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間にクランプする方法ステップと
を実施する。
【0044】
更なる実施例および詳細は図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1a】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1b】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1c】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1d】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1e】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1f】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1g】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図1h】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して垂直に見た図である。
【
図2a】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して平行に見た図である。
【
図2b】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して平行に見た図である。
【
図2c】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して平行に見た図である。
【
図2d】少なくとも1つのスペーサと、少なくとも1つの第1の張出し部と、少なくとも1つの第2の張出し部との配置状況の種々異なる実施例を外壁または内壁の平面に対して平行に見た図である。
【
図3a】スペーサが内壁に配置される前のこの内壁の好適な実施例を示す図である。
【
図3b】内壁に配置されたスペーサを備えた、
図3aに示した実施例を示す図である。
【
図4a】第1の張出し部に配置された外壁を備えた、
図3aに示した実施例を示す図である。
【
図4b】内壁に結合された外壁を備えた、
図3aに示した実施例を示す図である。
【
図5a】外壁を内壁に結合する際の動作シーケンスを示す図である。
【
図5b】外壁を内壁に結合する際の動作シーケンスを示す図である。
【
図5c】外壁を内壁に結合する際の動作シーケンスを示す図である。
【
図6d】
図6bに示した断面図の別の詳細図である。
【
図7a】外壁なしでスペーサを備えた引出し側板の平面図である。
【
図7d】
図7bに示した断面図の別の詳細図である。
【
図8a】外壁なしでスペーサを備えた引出し側板の別の実施例を示す図である。
【
図8b】外壁なしでスペーサを備えた引出し側板の別の実施例を示す図である。
【
図9】2つの二重壁の引出し側板を備えた引出しを示す図である。
【0046】
図1a~
図1hには、少なくとも1つのスペーサ4と、少なくとも1つの第1の張出し部81と、少なくとも1つの第2の張出し部82との配置状況の種々異なる実施例が、外壁3または内壁2の平面に対して垂直に見た図で示してある。
【0047】
少なくとも1つのスペーサ4は内壁2と外壁3との間に配置されている。
図1a~
図1hには、それぞれ1つの外壁3(または内壁2)が示してある。図示の外壁3(または内壁2)は少なくとも1つのスペーサ4の下側に配置されている。この少なくとも1つのスペーサ4の上側に配置された内壁2(または外壁3)は、
図1a~
図1hには示していない。
【0048】
少なくとも1つのスペーサ4は、少なくとも1つの第1の張出し部81と少なくとも1つの第2の張出し部82との間にクランプ可能である。
【0049】
図1aでは、第1の張出し部81と第2の張出し部82とが、内壁2および/または外壁3の全長にわたって延在している。さらに、第1の張出し部81と第2の張出し部82とは、内壁2および/または外壁3の互いに反対側の2つの長辺部に配置されている。スペーサ4は、内壁2および/または外壁3の全幅にわたって延在している。
【0050】
特にこの形態の実施例では、張出し部81,82が、外壁3と内壁2とを互いに結合するために使用されてもよい。張出し部81,82は、二重壁の外側側板1の端面を形成していてもよい。
【0051】
図1bでは、第1の張出し部81と第2の張出し部82とが、内壁2および/または外壁3の長辺部に対して平行に配置されている。ただし、第1の張出し部81と第2の張出し部82とは、互いに反対側の2つの長辺部にではなく、内壁2および/または外壁3の平面の内部に配置されている。
【0052】
図1cでは、第1の張出し部81と第2の張出し部82とが、内壁2および/または外壁3の長辺部に対して直交して配置されている。ただし、第1の張出し部81と第2の張出し部82とは短辺部には配置されていない。
【0053】
図1dでは、第1の張出し部81と第2の張出し部82とが折曲げ部として形成されている。スペーサ4は、対角線方向で互いに反対側の2つの角隅に保持される。
【0054】
図1eでは、第1の張出し部81が、内壁2および/または外壁3の全長にわたって延在していて、内壁2および/または外壁3の一方の長辺部に配置されている。第2の張出し部82は、内壁2および/または外壁3の長辺部に対して平行に配置されていて、内壁2および/または外壁3の平面の内部に配置されている。
【0055】
図1fでは、2つのスペーサ4が設けられている。第1のスペーサ4は、第1の短辺部に配置された第1の張出し部81と、第1の短辺部に対して平行に方向付けられていて、内壁2および/または外壁3の平面の内部に配置された第2の張出し部82との間にクランプされている。第2のスペーサ4は、第1の短辺部と反対側の第2の短辺部に配置された第1の張出し部81と、第2の短辺部に対して平行に方向付けられていて、内壁2および/または外壁3の平面の内部に配置された第2の張出し部82との間にクランプされている。
【0056】
図1gでは、2つの第1の張出し部81が設けられている。これら2つの第1の張出し部81は折曲げ部として形成されていて、スペーサ4を、このスペーサ4の一方の長辺部に沿って互いに反対側に位置する2つの角隅において保持している。第2の張出し部82は、スペーサ4の第2の長辺側に配置されている。
【0057】
図1hでは、2つのスペーサ4が設けられている。第1のスペーサ4は、内壁2および/または外壁3の全長にわたって延在する、内壁2および/または外壁3の一方の長辺部に配置された第1の張出し部81と、長辺部に対して平行に方向付けられた、内壁2および/または外壁3の内部に配置された第2の張出し部82との間にクランプされている。第2のスペーサ4は、内壁2および/または外壁3の全長にわたって延在する、内壁2および/または外壁3の反対側の長辺部に配置された第2の張出し部81と、第1のスペーサ4も保持する第2の張出し部82との間にクランプされている。
【0058】
図2a~
図2dには、少なくとも1つのスペーサ4と、少なくとも1つの第1の張出し部81と、少なくとも1つの第2の張出し部82との配置状況の種々異なる実施例が、外壁または内壁の平面に対して平行に、特に引出し側板1の長手方向に沿って見た図で示してある。
【0059】
少なくとも1つの第1の張出し部81および/または少なくとも1つの第2の張出し部82は、内壁2および/または外壁3から横方向に張り出している。
【0060】
図2aでは、第1の張出し部81も第2の張出し部82も内壁2に配置されている。
図2bでは、第1の張出し部81も第2の張出し部82も外壁3に配置されている。
図2cでは、第1の張出し部81が内壁2に配置されていて、第2の張出し部82が外壁3に配置されている。
【0061】
図2a~
図2cでは、少なくとも1つのスペーサ4が内壁2と外壁3とに面接触している。
【0062】
図2dには、好適に設けられた例が示してある。この例では、少なくとも1つのスペーサ4が、クランプ状態において、外壁3が内壁2との結合のために接触する点により展開される仮想平面に対して間隔Aを置いて配置されている。この間隔Aは、好ましくは0.1mm~0.5mmである。
【0063】
外壁3が内壁2との結合のために接触する点は、第1の張出し部81と第2の張出し部82とに配置されている。これらの張出し部81,82の間には、スペーサ4もクランプされている。つまり、外壁3は、少なくとも1つの第1の張出し部81と少なくとも1つの第2の張出し部82とを介して内壁に結合されている。
【0064】
この場合、外壁3は、内壁2に結合された状態において、この内壁2の方向に湾曲させられており、これによって、外壁3もしくは内壁2が、クランプされた少なくとも1つのスペーサ4に接触している。これによって、張出し部81,82がスペーサ4よりも高いにもかかわらず、騒音発生が阻止される。
【0065】
図3a~
図6dには、二重壁の引出し側板1の好適な実施例が示してある。
【0066】
この実施例では、少なくとも1つの第1の張出し部81と少なくとも1つの第2の張出し部82とが、内壁2に不動に、特に一体形に結合されていて、特に内壁2と同じ金属薄板部材から製作されている。この場合、第1の張出し部81と第2の張出し部82とは、引出し側板1の長辺部のそれぞれ1つの端面を形成している。
【0067】
外壁3は、第1の張出し部81と第2の張出し部82とを介して内壁2に結合される。
【0068】
スペーサ4は、少なくとも部分的に、好ましくは全体で発泡材、特にポリエチレン発泡材から製作されていてよく、実質的にプレート状に成形されている。これによって、騒音発生を効率よく阻止することができる。
【0069】
特に、
図3a~
図4bには、二重壁の引出し側板1を製作するための4つのステップが示してある。
【0070】
図3aでは、2つの張出し部81,82を備えた内壁2と、スペーサ4とが準備される。
【0071】
図3bでは、スペーサ4が、第1の張出し部81と第2の張出し部82との間にクランプされる。
【0072】
図4aでは、外壁3が、第1の張出し部81に設けられたガイド溝51内に配置される。
【0073】
図4bでは、外壁3が内壁2に対して平行に配置され、この内壁2に結合される。特に、外壁3は、少なくとも1つの第1の張出し部81と少なくとも1つの第2の張出し部82とに配置され、内壁2に結合される。
【0074】
図5a~
図5cには、外壁3を内壁2に結合するために必要となる動作についての更なる詳細が示してある。
【0075】
【0076】
図5bでは、両方の壁2,3が、これらの壁2,3の長手方向に対して横方向に互いに相対的に移動させられ、これによって、外壁3が、第1の張出し部81に設けられたガイド溝51内に係合する。
【0077】
特に、外壁3に配置された少なくとも1つのガイドウェブが、第1の張出し部81に配置された少なくとも1つのガイド溝51内に押し込まれる。この場合、この少なくとも1つのガイド溝51が少なくとも1つのガイドウェブを取り囲む。
【0078】
さらに、特に、第2の張出し部82に配置された少なくとも1つの引掛けウェブ62が、外壁3に配置された少なくとも1つの引掛け溝61内に押し込まれる。この場合、この少なくとも1つの引掛け溝61が少なくとも1つの引掛けウェブ62の裏側に係合する。
【0079】
引掛け溝61とガイドウェブとは、外壁3の互いに反対側の2つの長辺部に配置されている。
【0080】
図5cでは、両方の壁2,3が、これらの壁2,3の長手方向に対して平行な方向に互いに相対的に移動させられる。
【0081】
特に、少なくとも1つのガイドウェブが、少なくとも1つのガイド溝51内で壁2,3の長手方向に対して平行な方向に移動させられる。さらに、特に、少なくとも1つの引掛けウェブ62が、少なくとも1つの引掛け溝61内で壁2,3の長手方向に対して平行な方向に移動させられる。
【0082】
要するに、両方の壁2,3が移動動作の最中に互いに結合される。
【0083】
図6bには、スペーサ4が配置された内壁2を示した
図6aの断面が示してある。
【0084】
第2の張出し部82の領域には、二重壁の引出し側板1を組み付けるための、
図6bに良好に認めることができる容器レール11が設けられている。
【0085】
図6cには、第1の張出し部81の、スペーサ4が接触している領域の詳細図が示してある。
【0086】
少なくとも1つの第1の張出し部81は、外壁3をガイドするための少なくとも1つのガイド溝51を有している。好ましくは、この少なくとも1つのガイド溝51は、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されている。
【0087】
少なくとも1つのガイド溝51には、外壁3を少なくとも1つのガイド溝51の長手方向に対して横方向に導入するための導入面53が続いている。
【0088】
スペーサ4は、クランプ状態において導入面53の端縁部に接触している。
【0089】
ガイド溝51と導入面53とは、好ましくは内壁2と同じ金属薄板部材から成形されている。
【0090】
ガイド溝51内には、外壁3に配置されたガイドウェブが押し込まれてよい。このガイドウェブは、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されている。好適には、ガイド溝51の少なくとも1つの曲げ部の半径は、ガイドウェブの少なくとも1つの曲げ部の半径よりも大きい。ガイドウェブは、外壁3もしくは内壁2と同じ金属薄板部材、好ましくは外壁3の端部分から製作されている。
【0091】
二重壁の引出し側板1は、少なくとも1つのガイド溝51を少なくとも1つのガイドウェブ52に保持するための少なくとも1つの保持装置7を備えていてよい。
【0092】
図6dには、第2の張出し部82の、スペーサ4が接触している領域の詳細図が示してある。
【0093】
第2の張出し部82は、段付けられた形状を有している。スペーサ4は、クランプ状態において内壁2から出発して第1の段部91に配置されている。この第1の段部91は湾曲部10を有している。この場合、スペーサ4は、第1の段部91の湾曲部10に接触している。
【0094】
外壁3は、内壁2に結合された状態において、この内壁2から出発して第2の段部92に配置される。
【0095】
両方の段部91,92と湾曲部10とは、内壁2と同じ金属薄板部材から製作されている。
【0096】
第2の張出し部82、特に第2の段部92には、外壁2を引っ掛けるための引掛けウェブ62が配置されていてよい。外壁3は、対応部分として、外壁3を少なくとも1つの引掛けウェブ62に引っ掛けるための引掛け溝61を有していてよい。この少なくとも1つの引掛け溝61は、外壁3の、曲げ返された端部分として成形されていてよい。
【0097】
図7aには、外壁3なしでスペーサ4を備えた引出し側板1の平面図が示してある。同図では、スペーサ4が、内壁2の面の少なくとも1/4を覆っていることを良好に認めることができる。
【0098】
【0099】
図7cには、スペーサ4が接触している領域における第1の張出し部81の部分の詳細図が示してある。この部分は、第1の張出し部81の導入面53の端縁部である。
【0100】
図7dには、スペーサ4が接触している領域における第2の張出し部82の部分の詳細図が示してある。スペーサは、特に湾曲部10に接触している。この湾曲部10は、好ましくは、第2の張出し部82の第1の段部91に配置されている。
【0101】
図8aには、引出し側板1の代替的な実施例が示してある。
図3a~
図7dに示した実施例と比べて、引出し側板1はより少ない幅を有していて、ひいては、比較的長く形成されている。この実施例でも、スペーサ84が、第1の張出し部81と第2の張出し部82との間にクランプされている。第1の張出し部81と第2の張出し部82とは、外壁3に結合するようにも形成されている。
【0102】
スペーサ4は目標破断箇所18、好適にはパーフォレーション孔を有している。これによって、スペーサ4を分割することができ、それぞれ別の寸法を有する引出し側板1を使用することができる。
【0103】
図8bには、それぞれ別の寸法を有する代替的な実施例が示してある。特に、引出し側板が、
図8aに示した引出し側板よりも短くかつ
図8aに示した引出し側板と同じ幅に形成されている。したがって、
図8aに示したスペーサ4は、
図8bに示した引出し側板1では過度に長いが、適切な幅を有している。
【0104】
(
図8aに示した)スペーサ4は、目標破断箇所18に沿って、特に工具なしに破断されてよい。スペーサ4の破断部分は、引き続きスペーサ4として使用され、少なくとも1つの第1の張出し部81と少なくとも1つの第2の張出し部82との間にクランプされる。したがって、破断部分は、
図8bの引出し側板1内にも嵌め込まれる。
【0105】
図9には、2つの二重壁の引出し側板11を備える引出し14が示してある。この引出し14は、さらに、引出し底板15と、背壁16と、前板17とを有している。
【符号の説明】
【0106】
1 二重壁の引出し側板
2 内壁
3 外壁
4 スペーサ
51 ガイド溝
53 導入面
61 引掛け溝
62 引掛けウェブ
7 保持装置
81 第1の張出し部
82 第2の張出し部
91 第1の段部
92 第2の段部
10 湾曲部
11 容器レール
12 前側アタッチメント
13 背側アタッチメント
14 引出し
15 引出し底板
16 背壁
17 前板
18 目標破断箇所
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁(2)と外壁(3)とを備える二重壁の引出し側板(1)
であって、前記内壁(2)と前記外壁(3)との間に少なくとも1つのスペーサ(4)が配置されているかまたは配置可能であ
る、二重壁の引出し側板(1)において、
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、実質的にプレート状に成形されており、該少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプ可能であることを特徴とする、二重壁の引出し側板(1)。
【請求項2】
前記外壁(3)または前記内壁(2)は、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)を介して前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合可能であるかまたは結合されている、請求項1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項3】
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記外壁(3)を前記内壁(2)に結合する前に前記外壁(3)または前記内壁(2)に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)から横方向に張り出しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に不動に、特に一体形に結合されていて、特に前記内壁(2)および/または前記外壁(3)と同じ金属薄板部材から製作されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の全長および/または全幅にわたって延在しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記二重壁の引出し側板(1)の端面を形成しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の互いに反対側の2つの辺部、好ましくは長辺部に配置されている、
請求項1または2記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、
- 少なくとも部分的に、好ましくは全体で発泡材、特にポリエチレン発泡材から製作されており、かつ/また
は
- 目標破断箇所(18)、好ましくはパーフォレーション孔を有する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、
- 前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に面接触しており、かつ/または
- 前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の面の少なくとも1/4を覆っている、
請求項1から4までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記外壁(3)または前記内壁(2)が前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)との結合のために接触する点により展開される仮想平面に対して間隔(A)を置いて配置されており、好ましくは、該間隔(A)は0.1mm~0.5mmである、請求項1から5までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項7】
前記外壁(3)または前記内壁(2)は、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合された状態において、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)の方向に湾曲させられており、これによって、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)が、クランプされた前記少なくとも1つのスペーサ(4)に接触している、請求項1から6までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記外壁(3)または前記内壁(2)をガイドするための少なくとも1つのガイド溝(51)を有し、好ましくは、該少なくとも1つのガイド溝(51)は、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)に、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を前記少なくとも1つのガイド溝(51)の長手方向に対して横方向に導入するための導入面(53)が続いており、好ましくは、前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記導入面(53)の端縁部に接触している、請求項8記載の二重壁の引出し側板。
【請求項10】
前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に導入するための少なくとも1つのガイドウェブを有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのガイドウェブは、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されており、好適には、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の少なくとも1つの前記曲げ部の半径が、前記少なくとも1つのガイドウェブの少なくとも1つの前記曲げ部の半径よりも大きく、かつ/または
- 前記少なくとも1つのガイドウェブは、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)と同じ金属薄板部材、好ましくは、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)の端部分から製作されている、
請求項8または9記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブに保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を備える、請求項10記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(81)は、段付けられた形状を有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記内壁(2)または前記外壁(3)から出発して第1の段部(91)に配置可能であり、特に好適には、前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの前記第1の段部(91)の湾曲部(10)に接触しており、かつ/または
- 少なくとも1つの前記外壁(3)または内壁(2)は、前記内壁(2)もしくは外壁(3)に結合された状態において、前記内壁(2)もしくは外壁(3)から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部(92)に配置されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、前記外壁(3)または前記内壁(2)を引っ掛けるための少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項14】
前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)は、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)に引っ掛けるための少なくとも1つの引掛け溝(61)を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの引掛け溝(61)は、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)の、曲げ返された端部分として成形されている、請求項13記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項15】
引出し(14)であって、請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの二重壁の引出し側板(1)を備え、好ましくは、引出し底板(15)、背壁(16)および/または前板(17)を有する、引出し(14)。
【請求項16】
内壁(2)と外壁(3)とを備えた、特に請求項1から14までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)を機械的にかつ/または手を使って製作するための方法であって、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)とを有する、方法において、
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に
、実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプする方法ステップと、
- 前記外壁(3)を前記内壁(2)に対して平行に配置して、該内壁(2)に結合する方法ステップと
を、特に記載した順序で経時的に実施することを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記外壁(3)および/または前記内壁(2)を前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とに配置して、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記外壁(3)を前記内壁(2)に結合する前に前記外壁(3)または前記内壁(2)に配置されており、
- 前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を準備する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に、特に実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプし、これによって、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)に取り付ける方法ステップと、
- 前記内壁(2)もしくは外壁(3)を準備する方法ステップと、
- 前記外壁(3)を前記内壁(2)に対して平行に配置して、該内壁(2)に結合する方法ステップと
を含む、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
前記外壁(3)と前記内壁(2)とを互いに結合する際に、
- 両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にかつ/または該長手方向に対して横方向に移動させる方法ステップと、
- 前記両方の壁(2,3)を移動動作の最中に互いに結合する方法ステップと
が特定されている、請求項16から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は目標破断箇所(18)、好ましくはパーフォレーション孔を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に前記少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプする前に、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)を前記目標破断箇所(18)に沿って、特に工具なしに破断する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)の破断部分を引き続きスペーサ(4)として使用して、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプする方法ステップと
を実施する、請求項16から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、少なくとも1つのガイド溝(51)を有し、前記外壁(3)または前記内壁(2)は、少なくとも1つのガイドウェブを有し、
- 好ましくは、両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して横方向にかつ/または好ましくは前記少なくとも1つのガイド溝(51)が前記少なくとも1つのガイドウェブを取り囲むように移動させることによって、前記少なくとも1つのガイドウェブを前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に配置する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つのガイドウェブを前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に移動させる方法ステップと
のうちの少なくとも一方の方法ステップを含む、請求項16から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、段付けられた形状を有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)を、前記内壁(2)または前記外壁(3)から出発して第1の段部(91)に配置し、特に好適には、前記少なくとも1つのスペーサを少なくとも1つの前記第1の段部(91)の湾曲部(10)に配置し、かつ/または
- 少なくとも1つの前記外壁(3)または内壁(2)を、前記内壁(2)もしくは外壁(3)から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部(92)に配置する、
請求項16から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を有し、前記外壁(3)または前記内壁(2)は、少なくとも1つの引掛け溝(61)を有し、
- 好ましくは、両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して横方向にかつ好ましくは前記少なくとも1つの引掛け溝(61)が前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)の裏側に係合するように移動させることによって、前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を前記少なくとも1つの引掛け溝(61)内に配置する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を前記少なくとも1つの引掛け溝(61)内で前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に移動させる方法ステップと
のうちの少なくとも一方の方法ステップを含む、請求項16から22までのいずれか1項記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間に少なくとも1つのスペーサがクランプ可能であることによって、二重壁の引出しの製作を特に簡単に実施することができる。特に、少なくとも1つのスペーサは、内壁と外壁との間にクランプ可能である必要はなく、ひいては、内壁および/または外壁によって保持される必要はない。
さらに、本発明によれば、少なくとも1つのスペーサが、実質的にプレート状に成形されていることが特定されている。これによって、少なくとも1つのスペーサが、比較的大きな面にわたって内壁および/または外壁に接触して、騒音発生を阻止することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
内壁と外壁とを備えた二重壁の引出し側板を機械的にかつ/または手を使って製作するための本発明に係る方法であって、内壁および/または外壁が、少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部とを有する、本発明に係る方法は、
- 少なくとも1つの第1の張出し部と少なくとも1つの第2の張出し部との間に、実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサをクランプする方法ステップと、
- 外壁を内壁に対して平行に配置して、この内壁に結合する方法ステップと
を、特に記載した順序で経時的に実施することを有する。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁(2)と外壁(3)とを備える二重壁の引出し側板(1)であって、前記内壁(2)と前記外壁(3)との間に少なくとも1つのスペーサ(4)が配置されているかまたは配置可能である、二重壁の引出し側板(1)において、
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、実質的にプレート状に成形されており、該少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプ可能であることを特徴とする、二重壁の引出し側板(1)。
【請求項2】
前記外壁(3)または前記内壁(2)は、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)を介して前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合可能であるかまたは結合されている、請求項1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項3】
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記外壁(3)を前記内壁(2)に結合する前に前記外壁(3)または前記内壁(2)に配置されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)から横方向に張り出しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に不動に、特に一体形に結合されていて、特に前記内壁(2)および/または前記外壁(3)と同じ金属薄板部材から製作されており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の全長および/または全幅にわたって延在しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記二重壁の引出し側板(1)の端面を形成しており、かつ/または
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の互いに反対側の2つの辺部、好ましくは長辺部に配置されている、
請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、
- 少なくとも部分的に、好ましくは全体で発泡材、特にポリエチレン発泡材から製作されており、かつ/または
- 目標破断箇所(18)、好ましくはパーフォレーション孔を有する、
請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、
- 前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に面接触しており、かつ/または
- 前記内壁(2)および/または前記外壁(3)の面の少なくとも1/4を覆っている、
請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記外壁(3)または前記内壁(2)が前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)との結合のために接触する点により展開される仮想平面に対して間隔(A)を置いて配置されており、好ましくは、該間隔(A)は0.1mm~0.5mmである、請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項7】
前記外壁(3)または前記内壁(2)は、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合された状態において、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)の方向に湾曲させられており、これによって、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)が、クランプされた前記少なくとも1つのスペーサ(4)に接触している、請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、前記外壁(3)または前記内壁(2)をガイドするための少なくとも1つのガイド溝(51)を有し、好ましくは、該少なくとも1つのガイド溝(51)は、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されている、請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)に、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を前記少なくとも1つのガイド溝(51)の長手方向に対して横方向に導入するための導入面(53)が続いており、好ましくは、前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記導入面(53)の端縁部に接触している、請求項8記載の二重壁の引出し側板
(1)。
【請求項10】
前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に導入するための少なくとも1つのガイドウェブを有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのガイドウェブは、金属薄板部材の実質的に半円形の曲げ部として成形されており、好適には、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の少なくとも1つの前記曲げ部の半径が、前記少なくとも1つのガイドウェブの少なくとも1つの前記曲げ部の半径よりも大きく、かつ/または
- 前記少なくとも1つのガイドウェブは、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)と同じ金属薄板部材、好ましくは、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)の端部分から製作されている、
請求項
8記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブに保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を備える、請求項10記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第
1の張出し部(81)は、段付けられた形状を有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、クランプ状態において、前記内壁(2)または前記外壁(3)から出発して第1の段部(91)に配置可能であり、特に好適には、前記少なくとも1つのスペーサ(4)は、少なくとも1つの前記第1の段部(91)の湾曲部(10)に接触しており、かつ/または
- 少なくとも1つの前記外壁(3)または内壁(2)は、前記内壁(2)もしくは外壁(3)に結合された状態において、前記内壁(2)もしくは外壁(3)から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部(92)に配置されている、
請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、前記外壁(3)または前記内壁(2)を引っ掛けるための少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を有する、請求項
1記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項14】
前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)は、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)に引っ掛けるための少なくとも1つの引掛け溝(61)を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの引掛け溝(61)は、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)の、曲げ返された端部分として成形されている、請求項13記載の二重壁の引出し側板(1)。
【請求項15】
引出し(14)であって、請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つの二重壁の引出し側板(1)を備え、好ましくは、引出し底板(15)、背壁(16)および/または前板(17)を有する、引出し(14)。
【請求項16】
内壁(2)と外壁(3)とを備えた、特に請求項1から14までのいずれか1項記載の二重壁の引出し側板(1)を機械的にかつ/または手を使って製作するための方法であって、前記内壁(2)および/または前記外壁(3)は、少なくとも1つの第1の張出し部(81)と少なくとも1つの第2の張出し部(82)とを有する、方法において、
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に、実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプする方法ステップと、
- 前記外壁(3)を前記内壁(2)に対して平行に配置して、該内壁(2)に結合する方法ステップと
を、特に記載した順序で経時的に実施することを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記外壁(3)および/または前記内壁(2)を前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とに配置して、前記内壁(2)もしくは前記外壁(3)に結合する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)とは、前記外壁(3)を前記内壁(2)に結合する前に前記外壁(3)または前記内壁(2)に配置されており、
- 前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)を準備する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に、特に実質的にプレート状の少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプし、これによって、前記外壁(3)もしくは前記内壁(2)に取り付ける方法ステップと、
- 前記内壁(2)もしくは外壁(3)を準備する方法ステップと、
- 前記外壁(3)を前記内壁(2)に対して平行に配置して、該内壁(2)に結合する方法ステップと
を含む、請求項1
6記載の方法。
【請求項19】
前記外壁(3)と前記内壁(2)とを互いに結合する際に、
- 両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にかつ/または該長手方向に対して横方向に移動させる方法ステップと、
- 前記両方の壁(2,3)を移動動作の最中に互いに結合する方法ステップと
が特定されている、請求項1
6記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのスペーサ(4)は目標破断箇所(18)、好ましくはパーフォレーション孔を有し、好ましくは、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間に前記少なくとも1つのスペーサ(4)をクランプする前に、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)を前記目標破断箇所(18)に沿って、特に工具なしに破断する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)の破断部分を引き続きスペーサ(4)として使用して、前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)と前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)との間にクランプする方法ステップと
を実施する、請求項1
6記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)および/または前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)は、少なくとも1つのガイド溝(51)を有し、前記外壁(3)または前記内壁(2)は、少なくとも1つのガイドウェブを有し、
- 好ましくは、両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して横方向にかつ/または好ましくは前記少なくとも1つのガイド溝(51)が前記少なくとも1つのガイドウェブを取り囲むように移動させることによって、前記少なくとも1つのガイドウェブを前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に配置する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つのガイドウェブを前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に移動させる方法ステップと
のうちの少なくとも一方の方法ステップを含む、請求項1
6記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、段付けられた形状を有し、好ましくは、
- 前記少なくとも1つのスペーサ(4)を、前記内壁(2)または前記外壁(3)から出発して第1の段部(91)に配置し、特に好適には、前記少なくとも1つのスペーサを少なくとも1つの前記第1の段部(91)の湾曲部(10)に配置し、かつ/または
- 少なくとも1つの前記外壁(3)または内壁(2)を、前記内壁(2)もしくは外壁(3)から出発して最後の段部、好ましくは第2の段部(92)に配置する、
請求項1
6記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の張出し部(82)および/または前記少なくとも1つの第1の張出し部(81)は、少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を有し、前記外壁(3)または前記内壁(2)は、少なくとも1つの引掛け溝(61)を有し、
- 好ましくは、両方の壁(2,3)を互いに相対的に該壁(2,3)の長手方向に対して横方向にかつ好ましくは前記少なくとも1つの引掛け溝(61)が前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)の裏側に係合するように移動させることによって、前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を前記少なくとも1つの引掛け溝(61)内に配置する方法ステップと、
- 前記少なくとも1つの引掛けウェブ(62)を前記少なくとも1つの引掛け溝(61)内で前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に移動させる方法ステップと
のうちの少なくとも一方の方法ステップを含む、請求項1
6記載の方法。
【国際調査報告】