(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】液浸冷却装置及び液浸冷却システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20241128BHJP
H05K 7/20 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 A
H05K7/20 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538240
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2022138119
(87)【国際公開番号】W WO2023116475
(87)【国際公開日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】202111582976.0
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520476341
【氏名又は名称】北京字節跳動網絡技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Bytedance Network Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room B-0035, 2/F, No.3 Building, No.30, Shixing Road, Shijingshan District Beijing 100041 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】エルヴィー,ジチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シフォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユィロォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ルォイドォン
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA09
5E322DA01
5E322FA01
(57)【要約】
本開示の実施例は、液浸冷却装置及び液浸冷却システムに関する。この液浸冷却装置は、冷却溝と、冷却溝の外壁に集積される取り付け溝とを含むキャビネットであって、冷却溝が冷却すべき電子機器及び第一の冷却液を収容するために用いられ、取り付け溝が第一の冷却液を収容するために用いられ、冷却溝と取り付け溝とが貫通孔を介して流体連通するキャビネットと、取り付け溝に挿入されるのに適し、冷却液循環管路と、熱交換器と、冷却液駆動装置とを含む熱交換モジュールであって、冷却液循環管路と熱交換器とが、熱交換器に第二の冷却液を提供するために流体連通し、熱交換器が、その内部の第二の冷却液を利用してその外部の第一の冷却液を冷却するために用いられ、冷却液駆動装置が、第一の冷却液を取り付け溝と冷却溝との間にするために用いられる熱交換モジュールとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却溝(21)と、前記冷却溝(21)の外壁(211)に集積される取り付け溝(22)とを含むキャビネット(2)であって、前記冷却溝(21)が冷却すべき電子機器(4)及び第一の冷却液(5)を収容するために用いられ、前記取り付け溝(22)が前記第一の冷却液(5)を収容するために用いられ、前記冷却溝(21)と前記取り付け溝(22)とが貫通孔(6)を介して流体連通するキャビネット(2)と、
前記取り付け溝(22)に挿入されるのに適し、冷却液循環管路(31)と、熱交換器(32)と、冷却液駆動装置(33)とを含む熱交換モジュール(3)であって、前記冷却液循環管路(31)と前記熱交換器(32)とが、前記熱交換器(32)に第二の冷却液を提供するために流体連通し、前記熱交換器(32)が、その内部の前記第二の冷却液を利用してその外部の前記第一の冷却液(5)を冷却するために用いられ、前記冷却液駆動装置(33)が、前記第一の冷却液(5)を前記取り付け溝(22)と前記冷却溝(21)との間で循環させるために用いられる熱交換モジュール(3)と
を備える、液浸冷却装置(100)。
【請求項2】
前記貫通孔(6)は、第一組の貫通孔(61)と第二組の貫通孔(62)とを含み、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記冷却液駆動装置(33)は、前記取り付け溝(22)における前記第一の冷却液(5)を前記冷却溝(21)に駆動するとともに、前記冷却溝(21)における前記第一の冷却液(5)を前記第二組の貫通孔(62)を介して前記取り付け溝(22)に流すように、前記第一組の貫通孔(61)に近接する、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項3】
前記第一組の貫通孔(61)は、前記取り付け溝(22)の底側に近接して設置され、前記第二組の貫通孔(62)は、前記取り付け溝(22)の頂側に近接して設置される、
請求項2に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項4】
前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記冷却液駆動装置(33)は、前記取り付け溝(22)の底側に近接するとともに、前記熱交換器(32)は、前記冷却液駆動装置(33)の上方に位置し前記冷却液駆動装置(33)に隣接して設置される、
請求項3に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項5】
前記冷却液駆動装置(33)は、複数の循環ポンプを含み、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記複数の循環ポンプのうちの各循環ポンプは、それぞれ前記第一組の貫通孔(61)における該当する貫通孔に近接する、
請求項2に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項6】
前記キャビネット(2)は、外部フレームワーク(23)とトップカバー(24)とをさらに含み、前記外部フレームワーク(23)は、前記冷却溝(21)と前記取り付け溝(22)を囲んで設置され、前記トップカバー(24)は、前記外部フレームワーク(23)に回動可能に接続され、且つ前記冷却溝(21)を閉鎖する閉鎖状態と前記冷却溝(21)を開放する開放状態との間で切り替え可能である、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項7】
前記トップカバー(24)は、枠(241)と、前記枠(241)によって囲まれる透明部(242)とを含む、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項8】
前記トップカバー(24)の前記冷却溝(21)に面する側には、第一のシールリングが設置され、ここで、前記トップカバー(24)が前記閉鎖状態にある場合に、前記トップカバー(24)と前記冷却溝(21)との間は、前記第一のシールリングによってシールされる、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項9】
前記キャビネット(2)は、前記閉鎖状態と前記開放状態との間で切り替えるように前記トップカバー(24)を駆動するために、前記外部フレームワーク(23)と前記トップカバー(24)との間に接続される油圧駆動装置をさらに備える、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項10】
前記油圧駆動装置は、一対の油圧レバーを含み、前記一対の油圧レバーのうちの一方の油圧レバーは、前記トップカバー(24)の第一側(243)と前記外部フレームワーク(23)との間に接続され、前記一対の油圧レバーのうちの他方の油圧レバーは、前記トップカバー(24)の第二側(244)と前記外部フレームワーク(23)との間に接続され、前記トップカバー(24)の第一側(243)と第二側(244)とは、反対側である、
請求項9に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項11】
前記液浸冷却装置(100)は、高さ合わせブラケット(7)をさらに備え、前記高さ合わせブラケット(7)は、前記冷却溝(21)の下方に設置され前記冷却溝(21)を支持する、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項12】
前記熱交換モジュール(3)は、複数の液体占有ブロック(34)をさらに備え、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記複数の液体占有ブロック(34)は、前記取り付け溝(22)における前記第一の冷却液(5)に少なくとも部分的に浸漬可能である、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項13】
前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記複数の液体占有ブロック(34)は、前記取り付け溝(22)の頂側に近接して設置される、
請求項12に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項14】
前記複数の液体占有ブロック(34)のうちの隣接する液体占有ブロック(34)の間には、前記第一の冷却液(5)が流れるための通路(35)が設置されている、
請求項12に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項15】
前記熱交換モジュール(3)は、支持部(36)をさらに含み、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記支持部(36)は、前記取り付け溝(22)の外部に位置する、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項16】
前記支持部(36)の前記取り付け溝(22)に面する側には、第二のシールリングが設置され、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記支持部(36)と前記取り付け溝(22)との間は、前記第二のシールリングによってシールされる、
請求項15に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項17】
前記キャビネットの高さは、1000mmから1100mmの範囲内であり、前記キャビネットの幅は、750mmから850mmの範囲内であり、且つ前記キャビネットの長さは、500mmから800mmの範囲内である、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項18】
前記第一の冷却液(5)は、フッ素化液又は鉱油を含み、及び/又は前記第二の冷却液は、脱イオン水を含む、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項19】
前記電子機器(4)は、サーバ又は交換機を含む、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項20】
並んで配置される複数の液浸冷却装置(100)を含む液浸冷却システム(900)であって、前記複数の液浸冷却装置(100)のうちの各液浸冷却装置(100)は、請求項1から19のいずれか1項に記載の液浸冷却装置(100)である、
液浸冷却システム(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2021年12月22日に中国国家知識産権局に出願され、出願番号が202111582976.0であり、出願名称が「液浸冷却装置及び液浸冷却システム」である中国特許出願の優先権を主張しており、その内容のすべては、援用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示の実施例は、一般的に電子機器冷却技術分野に関し、より具体的には、液浸冷却装置及び液浸冷却装置を含む液浸冷却システムに関する。
【背景技術】
【0003】
5G、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能などの次世代情報通信技術と実体経済の融合・発展に伴い、データセンターは、徐々に一部の企業にサービスを提供するものから社会全体にサービスを提供するものへと広がりつつあり、新たなインフラとなっている。
【0004】
このような新たなインフラでは、冷却センターの冷却ソリューション及び全体的なエネルギー効率に対してより高い要求が求められている。一方では、ビッグデータ時代の到来に伴い、データは、想象を超える速度で増加しており、大規模データの処理、記憶と伝送には、IT機器の消費電力が倍増することが求められ、チップ冷却が巨大な挑戦となっている。従来の冷却ソリューションは、すでに電子情報機器の効率的な冷却の需要を満たすことが困難になっている。同時に、国、地方と業界は、続々とエネルギー政策を打ち出し、データセンターの省エネ指標に対してより高い要求が求められている。
【0005】
従来のデータセンターの機械室は、一般的にはルームレベルエアコン、床下から送風する冷却方式を採用する。この方式は、建設コストが低く、機械室の利用率が高く、3~5kWのシングルキャビネットの発熱を解決するために用いられる。しかし、ラック式、ブレード式サーバが機械室で大量応用されることに伴い、シングルキャビネット内の機器の数、パワー密度、発熱密度は、いずれも大幅に増加している。従来の機械室レベルエアコンは、すでにIT機器の冷却問題を解決することができなくなり、列レベルエアコン、背面パネルエアコンが登場した。このような新型のエアコンは、末端が熱源により近く、局所的な熱ポイント、高い発熱密度の問題を解決し、近距離の冷量伝送により、ファンの消費電力を減少させ、省エネを達成することができる。ルームレベルエアコンか、それとも列レベルエアコンか、背面パネルエアコンかにかかわらず、まず空気を冷却し、さらに冷気とサーバのCPUとの熱交換することで降温する。空気の熱交換効率、熱流密度が非常に低いため、空冷サーバは、冷却のエネルギー消費量が高く、騒音が大きく、機器密度が低いなどの問題がある。
【0006】
出力密度が非常に高いIT機器の冷却の課題を解決するために、データセンターは、液浸冷却技術を採用し始め、作動流体を熱伝送の中間媒体として使用し、熱を発熱箇所から離れた場所に伝達してから冷却する。液浸冷却技術の冷却効率は、空冷冷却よりも著しく高く、高密度サーバの冷却問題を効果的に解決し、冷却システムのエネルギー消費量を低減させ、そして騒音を減少させることができる。
【0007】
現在の液浸冷却方案を採用しているデータセンターでは、従来の液浸冷却システムは、一般的には大型のキャビネット(一般的には長さが3メートル程度である)に1セット又は複数セットの冷液割り当てユニット(CDU)を配備して構成されている。冷液割り当てユニットは、キャビネットの左右両側に設置される。本出願の発明者は、このような従来の液浸冷却システムに様々な問題が存在していることを発見した。
【0008】
第一に、従来の液浸冷却システムのキャビネットのサイズが大きく、操作・メンテナンスが困難である。オペレータは、メンテナンスの際、キャビネットの前に立つことしかできず、キャビネットの左右両側に立ってメンテナンスを行うことができず、操作上には難しい。例えば、従来の液浸冷却業界において、サーバの浸漬方式による冷却に適用されるシステムは、基本的に長さが2-3メートル程度の横式キャビネットを採用しており、これは、多くの実施と操作・メンテナンス上の困難をもたらしてしまう。
【0009】
第二に、従来の液浸冷却システムは、いずれも1セット又は複数セットの冷液割り当てユニットを搭載する必要があり、システム全体のアーキテクチャが比較的複雑になる。
【0010】
第三に、従来の液浸冷却システムは、IT機器への適合性が悪い。一般的な液浸冷却システムにおいて、高さの異なるIT機器を組み立てる時、同一の高さのキャビネットを使用する必要がある。組み立てるべきIT機器の高さがキャビネットの高さよりも低い場合、そのうちのサーバに割り当てられる必要のある冷却液がより多くなり、より多くのコストがかかってしまう。
【0011】
第四に、従来の液浸冷却システムの単一システムに搭載されるIT機器の容量が大きいため、規模が比較的小さいITシステムの場合、ある程度の機器及び冷却液の浪費をもたらすことになる。
【0012】
そのため、改良されるデータセンターの液浸冷却方案が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本開示の目的は、従来の技術において存在する上記問題を少なくとも部分的に解決するための液浸冷却装置及び液浸冷却装置を含む液浸冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の第一の態様によれば、液浸冷却装置を提供する。この液浸冷却装置は、冷却溝と、前記冷却溝の外壁に集積される取り付け溝とを含むキャビネットであって、前記冷却溝が冷却すべき電子機器及び第一の冷却液を収容するために用いられ、前記取り付け溝が前記第一の冷却液を収容するために用いられ、前記冷却溝と前記取り付け溝とが貫通孔を介して流体連通するキャビネットと、前記取り付け溝に挿入されるのに適しており、冷却液循環管路と、熱交換器と、冷却液駆動装置とを含む熱交換モジュールであって、前記冷却液循環管路と前記熱交換器とが、前記熱交換器に第二の冷却液を提供するために流体連通し、前記熱交換器が、その内部の前記第二の冷却液を利用してその外部の前記第一の冷却液を冷却するために用いられ、前記冷却液駆動装置が、前記第一の冷却液を前記取り付け溝と前記冷却溝との間で循環させるために用いられる熱交換モジュールとを含む。
【0015】
本開示の実施例による液浸冷却装置におけるキャビネットは、サイズが小さく、全体の重量が小さく、配備が困難であるという問題を解決した。オペレータは、液浸冷却装置の各側辺でメンテナンスを行うことができ、内部電子機器の部材のメンテナンスを非常に容易に実現することができる。なお、キャビネットと熱交換モジュールとが集積されているため、システム全体に冷液割り当てユニットを追加して搭載する必要がなく、非常に柔軟性に優れており、便利である。
【0016】
いくつかの実施例では、前記貫通孔は、第一組の貫通孔と第二組の貫通孔とを備える。前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記冷却液駆動装置は、前記取り付け溝における前記第一の冷却液を前記冷却溝に駆動するとともに、前記冷却溝における前記第一の冷却液を前記第二組の貫通孔を介して前記取り付け溝に流すように、前記第一組の貫通孔に近接する。このような実施例では、冷却液駆動装置を第一組の貫通孔に隣り合って配置することにより、第一の冷却液の取り付け溝と冷却溝との間での迅速な循環を実現することができる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第一組の貫通孔は、前記取り付け溝の底側に近接して設置され、前記第二組の貫通孔は、前記取り付け溝の頂側に近接して設置される。このような実施例では、取り付け溝における大部分の第一の冷却液は、すべて冷却溝に循環して流れることができ、液浸冷却装置による冷却の性能を高める。
【0018】
いくつかの実施例では、前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記冷却液駆動装置は、前記取り付け溝の底側に近接し、前記熱交換器は、前記冷却液駆動装置の上方に位置し且つ前記冷却液駆動装置に隣接して設置される。このような実施例では、冷却液駆動装置を熱交換器に隣接して設置することにより、熱交換器で冷却された後の第一の冷却液が適時冷却溝に輸送されることができ、液浸冷却装置による冷却の性能をさらに高める。
【0019】
いくつかの実施例では、前記冷却液駆動装置は、複数の循環ポンプを備える。前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記複数の循環ポンプのうちの各循環ポンプは、それぞれ前記第一組の貫通孔における該当する貫通孔に近接する。このような実施例では、複数の循環ポンプがそれぞれ該当する貫通孔に第一の冷却液を駆動することにより、第一の冷却液の取り付け溝と冷却溝との間での循環速度をさらに高めることができる。
【0020】
いくつかの実施例では、前記キャビネットは、外部フレームワークとトップカバーとをさらに備える。前記外部フレームワークは、前記冷却溝と前記取り付け溝を囲んで設置され、前記トップカバーは、前記外部フレームワークに回動可能に接続され且つ前記冷却溝を閉鎖する閉鎖状態と前記冷却溝を開放する開放状態との間で切り替え可能である。このような実施例では、トップカバーを採用して第一の冷却溝を閉鎖することにより、冷却溝における第一の冷却液の漏洩を減少させることができ、外部汚染物の冷却溝への侵入を防止することができる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記トップカバーは、枠と、前記枠によって囲まれる透明部とを備える。このような実施例では、透明部を介して冷却溝における電子機器を観察し、電子機器の部材の動作状態を適時把握することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記トップカバーの前記冷却溝に面する側には、第一のシールリングが設置されている。前記トップカバーが前記閉鎖状態にある場合に、前記トップカバーと前記冷却溝との間は、前記第一のシールリングによってシールされる。このような実施例では、第一のシールリングを採用することによって、トップカバーと冷却溝との間のシール性能を高め、冷却溝における第一の冷却液の漏洩をさらに減少させることができる。
【0023】
いくつかの実施例では、前記キャビネットは、油圧駆動装置をさらに備える。前記油圧駆動装置は、前記閉鎖状態と前記開放状態との間で切り替えるように前記トップカバーを駆動するために、前記外部フレームワークと前記トップカバーとの間に接続される。このような実施例では、油圧駆動装置を採用してトップカバーの開閉を容易に行うことができる。
【0024】
いくつかの実施例では、前記油圧駆動装置は、一対の油圧レバーを含み、前記一対の油圧レバーのうちの一方の油圧レバーは、前記トップカバーの第一側と前記外部フレームワークとの間に接続される。前記一対の油圧レバーのうちの他方の油圧レバーは、前記トップカバーの第二側と前記外部フレームワークとの間に接続される。前記トップカバーの第一側と第二側とは、反対側である。このような実施例では、対向して設置される一対の油圧レバーによって、トップカバーの状態切り替えを迅速にかつ確実に実現することができる。
【0025】
いくつかの実施例では、前記液浸冷却装置は、高さ合わせブラケットをさらに備える。前記高さ合わせブラケットは、前記冷却溝の下方に設置され前記冷却溝を支持する。このような実施例では、ユーザは、電子機器の実際の深さの必要に応じて異なる高さ合わせブラケットを有する液浸冷却装置を組み合わせることができ、第一の冷却液の使用量を大幅に節約することができ、カーボンニュートラルの達成を支援することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、前記熱交換モジュールは、複数の液体占有ブロックをさらに備える。前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記複数の液体占有ブロックは、前記取り付け溝における前記第一の冷却液に少なくとも部分的に浸漬可能である。このような実施例では、熱交換モジュールが取り付け溝に挿入されている場合に、液体占有ブロックは、第一の冷却液の体積を占めることができ、それによってキャビネットに必要な第一の冷却液の使用量を減少させ、全体のコストを低減させることができる。
【0027】
いくつかの実施例では、前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記複数の液体占有ブロックは、前記取り付け溝の頂側に近接して設置される。
【0028】
いくつかの実施例では、前記複数の液体占有ブロックのうちの隣接する液体占有ブロックの間には、前記第一の冷却液が流れるための通路が設置されている。このような実施例では、第一の冷却液は、液体占有ブロックの間の通路を流れることによって、安定した流体経路を形成することができる。
【0029】
いくつかの実施例では、前記熱交換モジュールは、支持部をさらに備える。前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記支持部は、前記取り付け溝の外部に位置する。このような実施例では、支持部によってキャビネットによる熱交換モジュールの確実な支持を実現できるとともに、支持部は、取り付け溝における第一の冷却液の漏洩を防止することができる。
【0030】
いくつかの実施例では、前記支持部の前記取り付け溝に面する側には、第二のシールリングが設置されている。前記熱交換モジュールが前記取り付け溝に挿入されている場合に、前記支持部と前記取り付け溝との間は、前記第二のシールリングによってシールされる。このような実施例では、第二のシールリングを採用することによって、支持部と取り付け溝との間のシール性能を高め、取り付け溝における第一の冷却液の漏洩をさらに減少させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、前記キャビネットの高さは、1000mmから1100mmの範囲内であり、前記キャビネットの幅は、750mmから850mmの範囲内であり、且つ前記キャビネットの長さは、500mmから800mmの範囲内である。このような実施例では、キャビネットの高さ及び幅と通常のキャビネットの高さ及び幅と基本的に同じである場合に、キャビネットの長さは、通常のキャビネットの長さに比べて著しく減少し、そのため、キャビネットの体積も著しく減少する。
【0032】
いくつかの実施例では、前記第一の冷却液は、フッ素化液又は鉱油を含み、及び/又は前記第二の冷却液は、脱イオン水を含む。
【0033】
いくつかの実施例では、前記電子機器は、サーバ又は交換機を含む。
【0034】
本開示の第二の態様によれば、液浸冷却システムを提供する。この液浸冷却システムは、並んで配置される複数の液浸冷却装置を備える。前記複数の液浸冷却装置のうちの各液浸冷却装置は、本開示の第一の態様によるいずれか一つの液浸冷却装置である。
【0035】
この内容部分は、簡素化の形式で概念を選択的に紹介するために提供されるものであり、これらは、以下の具体的な実施の形態においてさらに記述される。この内容部分は、本開示の内容の重要な特徴又は主な特徴を識別することを意図せず、本開示の内容の範囲を制限することも意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面を参照して以下の詳細な記述を読むことにより、本開示の実施例の上記及び他の目的、特徴と利点は、理解しやすくなる。図面において、本開示の若干の実施例を制限的な方式ではなく例として示しており、ここで、
【
図1】本開示の一つの実施例による液浸冷却装置の構造概略図を示し、トップカバーは、閉鎖状態にある。
【
図2】本開示の一つの実施例による液浸冷却装置の構造概略図を示し、トップカバーは、開放状態にある。
【
図3】
図1に示す液浸冷却装置の構造概略図を示し、熱交換モジュールは、引き出し状態にある。
【
図4】
図1に示す液浸冷却装置を別の視角に沿って見る時の構造概略図を示す。
【
図5】
図2に示す液浸冷却装置の上面図を示し、冷却溝における第一の冷却液を表示するためにトップカバーが示されていない。
【
図6】
図2に示す液浸冷却装置の上面図を示し、冷却溝と取り付け溝における第一の冷却液を表示するためにトップカバーと熱交換モジュールが示されていない。
【
図7】本開示の一つの実施例による冷却溝の取り付け溝を集積するための外壁の構造概略図を示す。
【
図8】本開示の一つの実施例による熱交換モジュールの構造概略図を示す。
【
図10】本開示の実施例による液浸冷却装置における電子機器の異なる配置を示す。
【
図11】本開示の実施例による液浸冷却装置における電子機器の異なる配置を示す。
【
図12】本開示の実施例による液浸冷却装置における電子機器の異なる配置を示す。
【
図13】本開示の実施例による液浸冷却システムの構造概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下は、図面を参照して本開示の好ましい実施例をより詳細に記述する。図面において本開示の好ましい実施例が表示されているが、理解すべきこととして、本開示は、ここで記述された実施例に制限されることなく様々な形式で実現することができる。逆に、これらの実施例は、本開示をより徹底的かつ完全にするとともに、本開示の範囲を当業者に完全に伝達することを可能にするために提供される。
【0038】
本明細書で使用される用語である「含む」及びその変形は、開放的包括、即ち「を含むが、それらに限らない」を表す。特に明記されない限り、用語である「又は」は、「及び/又は」を表す。用語である「に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づいて」を表す。用語である「一実施例」と「一つの実施例」は、「少なくとも一つの実施例」を表す。用語である「別の実施例」は、「少なくとも一つの別の実施例」を表す。用語である「第一」、「第二」などは、異なる又は同じオブジェクトを指してもよい。
【0039】
上述したように、従来の液浸冷却システムは、様々な問題、例えば運用・メンテナンスの困難さ、全体的なアーキテクチャの複雑さ、適合性の悪さ及び冷却液の浪費などが存在している。本開示の実施例は、運用・メンテナンスの困難性を低減させ、アーキテクチャの複雑さを減少させ、適合性を補強し、冷却液を節約するために、内部に熱交換器が集積されている液浸冷却装置及び液浸冷却装置を含む液浸冷却システムを提供する。以下、
図1から
図13を結び付けて本開示の原理について記述する。
【0040】
図1と
図2は、本開示の一つの実施例による液浸冷却装置100の構造概略図を示す。
図1においてトップカバー24は、閉鎖状態にあるが、
図2においてトップカバー24は、開放状態にある。
図3は、
図1に示す液浸冷却装置100の構造概略図を示し、熱交換モジュール3は、引き出し状態にある。
図4は、
図1に示す液浸冷却装置100を別の視角に沿って見る時の構造概略図を示す。
図1における符号Xは、液浸冷却装置100の長手方向を指示し、符号Yは、液浸冷却装置100の幅方向を指示し、符号Zは、液浸冷却装置100の高さ方向を指示する。
【0041】
図1から
図4に示すように、一般的に、ここで記述される液浸冷却装置100は、キャビネット2と熱交換モジュール3とを備える。キャビネット2は、外部フレームワーク23と、冷却溝21と、冷却溝21の外壁211に集積される取り付け溝22と、トップカバー24とを備える。冷却溝21は、冷却すべき電子機器4及び第一の冷却液5(
図5と
図6参照)を収容するために用いられる。取り付け溝22は、熱交換モジュール3と第一の冷却液5(
図6参照)を収容するために用いられる。冷却溝21と取り付け溝22とは、貫通孔6(
図7参照)を介して流体連通する。熱交換モジュール3は、取り付け溝22に挿入されるのに適している。
【0042】
図1から
図4に示すように、外部フレームワーク23は、冷却溝21と取り付け溝22をある程度機械的に支持するために、大体、冷却溝21と取り付け溝22を囲む。冷却溝21と取り付け溝22は、溶接又は他の方式で外部フレームワーク23に取り付けられてもよい。いくつかの実施例では、外部フレームワーク23は、型材角鋼溶接により成形されてもよい。他の実施例では、外部フレームワーク23は、他のプロセスを採用し又は他の材料を採用して製造して成形されてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0043】
いくつかの実施例では、冷却溝21と取り付け溝22は、ステンレス鋼板を採用して溶接により形成されてもよい。他の実施例では、冷却溝21と取り付け溝22は、他のプロセスにより又は他の材料を採用して製造して成形されてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0044】
図1と
図2に示すように、トップカバー24は、外部フレームワーク23に回動可能に接続され冷却溝21を閉鎖する閉鎖状態と冷却溝21を開放する開放状態との間で切り替え可能である。
図1においてトップカバー24が閉鎖状態にあることが示されているが、
図2においてトップカバー24が開放状態にあることが示されている。トップカバー24は、閉鎖状態で冷却溝21における第一の冷却液5の漏洩を減少させることができ、外部汚染物の冷却溝21への侵入を防止することもできる。トップカバー24が開放状態にある場合に、オペレータは、冷却溝21における電子機器4の取り付け又はメンテナンスを行い、冷却溝21に第一の冷却液5を注入することができる。
【0045】
いくつかの実施例では、第一の冷却液5は、フッ素化液又は鉱油を含む。他の実施例では、第一の冷却液5は、他のタイプであってもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0046】
いくつかの実施例では、トップカバー24は、外部フレームワーク23に対して90度以上開いてもよい。最大開く角度において、トップカバー24の位置を制限するストッパ(図示せず)が設置されてもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、トップカバー24は、ヒンジを介して外部フレームワーク23の一方側に接続されてもよい。他の実施例では、トップカバー24は、他の方式、例えば軸穴嵌合などで外部フレームワーク23に接続されてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0048】
いくつかの実施例では、
図1と
図2に示すように、トップカバー24は、枠241と、枠241によって囲まれる透明部242とを含む。枠241は、外部フレームワーク23に接続され外部フレームワーク23に対して回動可能である。枠241は、アルミニウム合金又は他のタイプの金属又は非金属材料を採用して製造されてもよい。透明部242は、透明ポリカーボネート(PC)材料又は他のタイプの透明材料を採用して製造されてもよい。透明部242を設置することにより、トップカバー24が閉鎖状態にある場合でも、オペレータは、透明部242を介して冷却溝21における電子機器4を観察し、電子機器4の部材の動作状態を適時把握することができる。
【0049】
いくつかの実施例では、トップカバー24の冷却溝21に面する側には、第一のシールリング(図示せず)が設置されている。トップカバー24が閉鎖状態にある場合に、トップカバー24と冷却溝21との間は、第一のシールリングによってシールされる。第一のシールリングは、例えばEPDMゴム又は他のタイプのシール材料を含んでもよい。第一のシールリングを採用することによって、トップカバー24と冷却溝21との間のシール性能を高め、冷却溝21における第一の冷却液5の漏洩をさらに減少させることができる。
【0050】
いくつかの実施例では、トップカバー24の開閉を実現するために、キャビネット2は、油圧駆動装置(図示せず)をさらに含む。油圧駆動装置は、閉鎖状態と開放状態との間で切り替えるようにトップカバー24を駆動するために、外部フレームワーク23とトップカバー24との間に接続される。油圧駆動装置を利用してトップカバー24の開閉を容易に実現することができる。
【0051】
いくつかの実施例では、油圧駆動装置は、一対の油圧レバー(図示せず)を含む。一対の油圧レバーのうちの一方の油圧レバーは、トップカバー24の第一側243と外部フレームワーク23の該当する側との間に接続される。一対の油圧レバーのうちの他方の油圧レバーは、トップカバー24の第二側244と外部フレームワーク23の該当する側との間に接続される。トップカバー24の第一側243と第二側244とは、反対側である。対向して設置される一対の油圧レバーによって、トップカバー24の状態切り替えを迅速にかつ確実に実現することができる。
【0052】
理解すべきこととして、他の実施例では、トップカバー24は、他の方式で閉鎖状態と開放状態との間で切り替えてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0053】
いくつかの実施例では、トップカバー24の冷却溝21に背向する側には、ハンドル(図示せず)がさらに設置されてもよい。このような配置を利用すると、オペレータは、ハンドルを握ってトップカバー24を開閉することができる。
【0054】
なお、本開示による実施例では、熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入され、取り付け溝22から引き出されるのに適しているため、異なる電子機器4の冷却要求に対して、オペレータは、異なる熱交換モジュール3を容易に使用することができる。
【0055】
上記に言及されたように、冷却溝21と取り付け溝22とは、いずれも第一の冷却液5を収容するために用いられる。冷却溝21において、第一の冷却液5は、電子機器4を冷却するために、電子機器4に浸漬可能である。取り付け溝22において、熱交換モジュール3は、第一の冷却液5によって少なくとも部分的に浸漬されてもよい。熱交換モジュール3は、外部冷却機器から提供される第二の冷却液を受け取るために、外部冷却機器(例えば冷却塔)に接続されてもよい。熱交換モジュール3における第二の冷却液の温度が取り付け溝22における第一の冷却液5の温度よりも低いため、取り付け溝22における第一の冷却液5を冷却することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、熱交換モジュール3における第二の冷却液は、脱イオン水を含んでもよい。他の実施例では、第二の冷却液は、他のタイプであってもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0057】
以下は、
図8を結び付けて熱交換モジュール3の例示的な構造を記述する。
図8に示すように、熱交換モジュール3は、冷却液循環管路31と、熱交換器32と、冷却液駆動装置33とを含む。冷却液循環管路31と熱交換器32とは、第二の冷却液を熱交換器32と外部冷却機器(例えば冷却塔)との間で循環させるために流体連通する。このような配置を利用すると、熱交換器32に温度が比較的低い第二の冷却液を提供することができる。熱交換器32は、その内部の第二の冷却液を利用してその外部の第一の冷却液5を冷却するために用いられる。冷却液駆動装置33は、第一の冷却液5を取り付け溝22と冷却溝21との間で循環させるために用いられる。この方式により、取り付け溝22から冷却溝21に入った低温の第一の冷却液5は、電子機器4から吸熱することができ、吸熱して昇温した後の第一の冷却液5は、冷却溝21から貫通孔6を介して取り付け溝22に入るとともに、取り付け溝22において再び熱交換器32により降温されて、次の循環を行うことができる。
【0058】
図1から
図8に示すように、熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、熱交換器32と冷却液駆動装置33とは、第一の冷却液5によって浸漬されることができる。熱交換器32に冷却液循環管路31を介して受け取られる第二の冷却液が存在しているため、第二の冷却液を利用して取り付け溝22における第一の冷却液5を降温することができる。
【0059】
いくつかの実施例では、冷却液循環管路31は、二組の入液と液戻り管路を含んでもよい。このような冗長設計により、一組の入液と液戻り管路に障害が発生した場合に、他組の入液と液戻り管路は、依然として正常に操作することができ、それによってシステムの信頼性を向上させることができる。
【0060】
いくつかの実施例では、熱交換器32は、プレート式熱交換器を含んでもよい。他の実施例では、熱交換器32は、他のタイプの熱交換器を含んでもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0061】
いくつかの実施例では、熱交換器32の内部には、第二の冷却液と熱交換器32との間の接触面積を増大させ、熱交換器32の熱交換効率を向上させるために、緻密なマイクロキャビティ構造が設置されてもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、熱交換器32は、ステンレス鋼材料を採用して製造されてもよい。他の実施例では、熱交換器32は、比較的高い熱伝導率を有する他のタイプの材料を採用して製造されてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0063】
図7は、冷却溝21の外壁211上の貫通孔6の例示的な配置を示す。いくつかの実施例では、
図7に示すように、貫通孔6は、第一組の貫通孔61と第二組の貫通孔62とを含む。
図1から
図4及び
図7と
図8に示すように、熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、冷却液駆動装置33は、取り付け溝22における第一の冷却液5を第一組の貫通孔61を介して冷却溝21に駆動するとともに、冷却溝21における第一の冷却液5を第二組の貫通孔62を介して取り付け溝22に流すように、第一組の貫通孔61に近接する。
【0064】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、第一組の貫通孔61における各貫通孔は、楕円形状であってもよい。理解すべきこととして、他の実施例では、第一組の貫通孔61における各貫通孔は、他の形状、例えば円形、長方形、四角形、ストリップ状などであってもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0065】
同様に、
図7に示すように、第二組の貫通孔62における各貫通孔は、楕円形状であってもよい。他の実施例では、第二組の貫通孔62における各貫通孔は、他の形状、例えば円形、長方形、四角形、ストリップ状などであってもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0066】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、第一組の貫通孔61は、取り付け溝22の底側に近接して設置されるとともに、第二組の貫通孔62は、取り付け溝22の頂側に近接して設置される。このような配置を利用すると、取り付け溝22における大部分の第一の冷却液5を冷却溝21と取り付け溝22との間の冷却液循環に関与させることができる。
【0067】
いくつかの実施例では、
図1から
図4及び
図8に示すように、熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、冷却液駆動装置33は、取り付け溝22の底側に近接するとともに、熱交換器32は、冷却液駆動装置33の上方に位置し冷却液駆動装置33に隣接して設置される。冷却液駆動装置33を熱交換器32に隣接して設置することにより、熱交換器32によって冷却された後の第一の冷却液5が適時冷却溝21に輸送されることができ、液浸冷却装置100の冷却性能をさらに高める。
【0068】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、冷却液駆動装置33は、複数の循環ポンプを備える。熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、各循環ポンプは、それぞれ第一組の貫通孔61における該当する貫通孔に近接する。このような配置を利用すると、複数の循環ポンプは、それぞれ該当する貫通孔に第一の冷却液5を駆動することができ、第一の冷却液5の取り付け溝22と冷却溝21との間での循環速度をさらに高めることができる。
【0069】
いくつかの実施例では、第一組の貫通孔61における各貫通孔の近傍に追加の循環ポンプを設置してもよい。このような冗長設計を利用すると、第一の冷却液5の取り付け溝21と冷却溝22との間での循環安定性を向上させることができる。
【0070】
他の実施例では、冷却液駆動装置33は、他のタイプの駆動ユニットをさらに含んでもよいし、又は他の配置を採用してもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0071】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、熱交換モジュール3は、複数の液体占有ブロック34をさらに含む。熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、複数の液体占有ブロック34は、取り付け溝22における第一の冷却液5に少なくとも部分的に浸漬可能である。この方式により、液体占有ブロック34は、取り付け溝22における第一の冷却液5の体積を占めることができ、それによって取り付け溝22における第一の冷却液5の液面を上昇させ、キャビネット2に必要な第一の冷却液5の使用量を減少させ、全体のコストを低減させる。
【0072】
いくつかの実施例では、
図1から
図4及び
図8に示すように、熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、複数の液体占有ブロック34は、取り付け溝22の頂側に近接して設置される。他の実施例では、液体占有ブロック34は、他の位置に設置されてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0073】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、複数の液体占有ブロック34のうちの隣接する液体占有ブロック34の間には、第一の冷却液5が流れる通路35が設置されている。第一の冷却液5は、液体占有ブロック34の間の通路35を流れることによって、安定した流体経路を形成することができる。
【0074】
図1から
図4及び
図8に示すように、いくつかの実施例では、熱交換モジュール3は、頂部に位置する支持部36を含む。熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、支持部36は、取り付け溝22の外部に位置し外部フレームワーク23によって支持される。この方式により、熱交換モジュール3の全体の重量が外部フレームワーク23に確実に支持されることができる。
【0075】
いくつかの実施例では、支持部36の取り付け溝22に面する側には、第二のシールリング(図示せず)が設置されている。熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、支持部36と取り付け溝22との間は、第二のシールリングによってシールされる。第二のシールリングを採用することによって、支持部36と取り付け溝22との間のシール性能を高め、取り付け溝22における第一の冷却液5の漏洩をさらに減少させることができる。
【0076】
図1から
図4及び
図8に示すように、いくつかの実施例では、支持部36には、一対のハンドル37が設置されている。ハンドル37を握ることにより、オペレータは、熱交換モジュール3を容易に操作することができ、例えば熱交換モジュール3を取り付け溝22から引き出し又は熱交換モジュール3を取り付け溝22に挿入する。
【0077】
図1から
図4に戻ると、いくつかの実施例では、液浸冷却装置100は、高さ合わせブラケット7をさらに備える。高さ合わせブラケット7は、冷却溝21の下方に設置され冷却溝21を支持する。このような配置を利用すると、ユーザは、電子機器4の実際の深さの必要に応じて異なる高さ合わせブラケット7を有する液浸冷却装置を組み合わせることができ、それによって第一の冷却液5の使用量を大幅に節約することができ、カーボンニュートラルの実現に力を入れることもできる。いくつかの場合に、高さ合わせブラケット7は、取り付け溝22を支持することもできる。
【0078】
図9は、矢印で指示される第一の冷却液5の概略的な流れ経路を示す。
図9に示すように、熱交換モジュール3が取り付け溝22に挿入されている場合に、熱交換器32と冷却液駆動装置33とは、第一の冷却液5によって浸漬されることができる。熱交換器32に冷却液循環管路31を介して受け取られる第二の冷却液が存在しているため、第二の冷却液を利用して取り付け溝22における第一の冷却液5を降温することができる。冷却液駆動装置33は、その後、取り付け溝22における第一の冷却液5を第一組の貫通孔61を介して冷却溝21に駆動するとともに、下から上へ電子機器4を流れることによって、電子機器を冷却する。その後、冷却溝21における電子機器4から吸熱した後の第一の冷却液5は、第二組の貫通孔62を介して取り付け溝22に流す。第一の冷却液5は、取り付け溝22において再び上から下へ入り熱交換器32を介して降温し、次の循環を行う。
【0079】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、熱交換器32における第二の冷却液は、左右方向に沿って流れることができるが、取り付け溝22における第一の冷却液5は、鉛直方向に沿って上下流れることができ、それによって二股流形式の熱交換を形成し、熱交換器32の熱交換効率を補強する。
【0080】
いくつかの実施例では、電子機器4は、サーバ又は交換機を含む。他の実施例では、電子機器4は、他のタイプであってもよく、本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0081】
図10から
図12は、本開示の実施例による液浸冷却装置100における電子機器4の異なる配置を示す。
図10に示すように、電子機器4は、計算型サーバと記憶型サーバとの両者を含む。
図11に示すように、電子機器4は、主に記憶型サーバを含む。
図12に示すように、電子機器4は、主に計算型サーバを含む。いくつかの実施例では、
図10から
図12に示す液浸冷却装置100のキャビネット2の大きさは、例えば8Uであってもよい。他の実施例では、キャビネット2の大きさは、8Uよりも大きくてもよいし小さくてもよい。本開示の実施例は、この点に関して厳密に制限しない。
【0082】
図1に示すように、本開示の実施例によるキャビネット2の高さ方向Zに沿う高さ及び幅方向Yに沿う幅と通常のキャビネットの高さ及び幅と基本的に同じである場合に、キャビネット2の長手方向Xに沿う長さは、通常のキャビネットの長さの六分の一程度にすぎない。例えば、キャビネットの高さが1000mmから1100mmの範囲内(例えば約1050mm)であり且つキャビネットの幅が750mmから850mmの範囲内(例えば約800mm)である場合に、通常のキャビネットの長さは、一般的には3メートル程度であるが、本開示の実施例におけるキャビネット2の長さは、500mmにすぎず、サイズが著しく減少する。本開示による実施例では、キャビネット2の長手方向Xに沿う長さは、その中に設置される電子機器4の数に応じて調整可能であり、500mmから800mmの範囲内に保持することが推奨される。
【0083】
図10から
図12において、電子機器4を接続して電子機器4への給電及び信号/データ伝送などを行うための導電端子8がさらに示されている。
【0084】
図10から
図12に示すように、キャビネット2のサイズが通常の液浸冷却ソリューションに比べて比較的小さいため、オペレータは、キャビネット2のいずれか一方側に立ってキャビネット2における電子機器4を操作することができる。
【0085】
本開示による実施例では、キャビネット2と熱交換モジュール3とを一体化した設計にするとともに、システム全体の内部で液熱交換による冷却を完了することにより、液浸冷却データセンターの新たなアーキテクチャを極めて簡素化することができる。
【0086】
図13は、本開示の実施例による液浸冷却システム900の構造概略図を示す。
図13に示すように、液浸冷却システム900は、並んで配置される複数の液浸冷却装置100を含む。複数の液浸冷却装置100のうちの各液浸冷却装置100は、
図1から
図12を結び付けて記述されるいずれか一つの液浸冷却装置100であってもよい。
【0087】
小型、中型又は大型データセンターを配備する場合でも、ユーザは、業務の必要に応じて液浸冷却装置100の数を設定することよって、異なる規模の業務システムを形成し、データセンターにより柔軟で効率的な液浸冷却システムの配備モードをもたらすことができる。これにより、単一のキャビネット内のIT機器の数が多くて1回の故障による損失が大きすぎるという問題も解決される。例えば、いくつかのエッジコンピューティングの使用シナリオにおいて、このような小型液浸冷却装置100は、独立して少量配備することができ、より多くの小型化で柔軟な配備の応用シナリオを可能にする。
【0088】
なお、大規模クラスター配備の際には、事前にデータセンターにキャビネット2と熱交換モジュール3を予め配置しておくことにより、液浸冷却装置100を事前にデータセンターの機械室に配置し、冷却液循環管路31と一次側冷却液提供システム(例えば冷却塔)とを接続してデバッグを完了することができる。その後、ユーザは、業務需要がある時に、IT機器を購入し、それをキャビネット2の冷却溝21に配備して、最後的に第一の冷却液5を冷却溝に加えることによって、システム全体の配備を完了することができる。この方式により、データセンターの配備時間を大幅に短縮することができる。
【0089】
本開示の実施例は、大規模クラスター配備のデータセンターをさらに提供し、データセンターの機械室内に予め配置される複数の液浸冷却装置100であって、各液浸冷却装置100に電子機器4が設置されておらず且つ第一の冷却液5が注入されていない複数の液浸冷却装置100と、輸液管路を介して各液浸冷却装置100の熱交換モジュール3における冷却液循環管路31に接続される一次側冷却液提供システム(例えば冷却塔)とを含む。このような配置を利用すると、液浸冷却装置100と一次側冷却液提供システムとを接続して試運転を事前に行うことができ、迅速な大規模クラスター配備を容易にする。
【0090】
本開示による実施例では、液浸冷却装置100におけるキャビネット2の冷却溝21は、異なるサイズ、例えば、4U、8Uなどの異なる大きさのIT機器を収容するための異なる深さを有するように設計されてもよい。ここで、Uは、IT機器の高さ単位を表し、1U=1.75インチ=4.445センチメートル、4U=7インチ=17.78センチメートル、8U=14インチ=35.56センチメートルである。それに応じて、高さ合わせブラケット7は、同一セットの外部フレームワーク23を異なる冷却溝21に適合させることができるように、異なるサイズを有してもよい。いくつかの実施例では、高さ合わせブラケット7は、高さ調整可能な高さ合わせブラケットであってもよい。
【0091】
例えば、一般的には計算型サーバの深さは、600mmであり、記憶型サーバの深さは、800mmである。キャビネット2は、底部の高さ合わせブラケット7によって冷却溝21の深さを調節することができる。異なる深さを有する冷却溝21を設計することにより、液浸冷却システム900におけるIT機器による冷却液の使用量を5-33%程度低減させることができる。
【0092】
本開示の実施例は、内部に熱交換器が集積されている液浸冷却システム設計を提供し、その内部に配置されるサーバ、交換機などのIT機器の自己循環冷却を効率的に実現し、データセンターの投資と全体的な運営コストを低減させ、データセンターの全体的な電源使用効率(PUE)を1.1以下に制御することができ、カーボンニュートラルの達成を支援ことができる。
【0093】
以上、本開示の各実施例をすでに記述したが、上記の説明は、例示的なものであり、網羅的なものではなく、開示された各実施例にも限らない。説明された各実施例の範囲と精神から逸脱することなく、当業者にとって多くの修正と変更は、いずれも自明である。本明細書では使用される用語の選択は、各実施例の原理、実際の応用又は市場における技術の改良を最もよく解釈し、又は他の当業者が本明細書で開示された各実施例を理解できるようにすることを目指す。
【図】
【手続補正書】
【提出日】2024-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却溝(21)と、前記冷却溝(21)の外壁(211)に集積される取り付け溝(22)とを含むキャビネット(2)であって、前記冷却溝(21)が冷却すべき電子機器(4)及び第一の冷却液(5)を収容するために用いられ、前記取り付け溝(22)が前記第一の冷却液(5)を収容するために用いられ、前記冷却溝(21)と前記取り付け溝(22)とが貫通孔(6)を介して流体連通するキャビネット(2)と、
前記取り付け溝(22)に挿入されるのに適し、冷却液循環管路(31)と、熱交換器(32)と、冷却液駆動装置(33)とを含む熱交換モジュール(3)であって、前記冷却液循環管路(31)と前記熱交換器(32)とが、前記熱交換器(32)に第二の冷却液を提供するために流体連通し、前記熱交換器(32)が、その内部の前記第二の冷却液を利用してその外部の前記第一の冷却液(5)を冷却するために用いられ、前記冷却液駆動装置(33)が、前記第一の冷却液(5)を前記取り付け溝(22)と前記冷却溝(21)との間で循環させるために用いられる熱交換モジュール(3)と
を備える、液浸冷却装置(100)。
【請求項2】
前記貫通孔(6)は、第一組の貫通孔(61)と第二組の貫通孔(62)とを含み、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記冷却液駆動装置(33)は、前記取り付け溝(22)における前記第一の冷却液(5)を前記冷却溝(21)に駆動するとともに、前記冷却溝(21)における前記第一の冷却液(5)を前記第二組の貫通孔(62)を介して前記取り付け溝(22)に流すように、前記第一組の貫通孔(61)に近接する、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項3】
前記第一組の貫通孔(61)は、前記取り付け溝(22)の底側に近接して設置され、前記第二組の貫通孔(62)は、前記取り付け溝(22)の頂側に近接して設置される、
請求項2に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項4】
前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記冷却液駆動装置(33)は、前記取り付け溝(22)の底側に近接するとともに、前記熱交換器(32)は、前記冷却液駆動装置(33)の上方に位置し前記冷却液駆動装置(33)に隣接して設置される、
請求項3に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項5】
前記冷却液駆動装置(33)は、複数の循環ポンプを含み、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記複数の循環ポンプのうちの各循環ポンプは、それぞれ前記第一組の貫通孔(61)における該当する貫通孔に近接する、
請求項2に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項6】
前記キャビネット(2)は、外部フレームワーク(23)とトップカバー(24)とをさらに含み、前記外部フレームワーク(23)は、前記冷却溝(21)と前記取り付け溝(22)を囲んで設置され、前記トップカバー(24)は、前記外部フレームワーク(23)に回動可能に接続され、且つ前記冷却溝(21)を閉鎖する閉鎖状態と前記冷却溝(21)を開放する開放状態との間で切り替え可能である、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項7】
前記トップカバー(24)は、枠(241)と、前記枠(241)によって囲まれる透明部(242)とを含む、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項8】
前記トップカバー(24)の前記冷却溝(21)に面する側には、第一のシールリングが設置され、ここで、前記トップカバー(24)が前記閉鎖状態にある場合に、前記トップカバー(24)と前記冷却溝(21)との間は、前記第一のシールリングによってシールされる、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項9】
前記キャビネット(2)は、前記閉鎖状態と前記開放状態との間で切り替えるように前記トップカバー(24)を駆動するために、前記外部フレームワーク(23)と前記トップカバー(24)との間に接続される油圧駆動装置をさらに備える、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項10】
前記油圧駆動装置は、一対の油圧レバーを含み、前記一対の油圧レバーのうちの一方の油圧レバーは、前記トップカバー(24)の第一側(243)と前記外部フレームワーク(23)との間に接続され、前記一対の油圧レバーのうちの他方の油圧レバーは、前記トップカバー(24)の第二側(244)と前記外部フレームワーク(23)との間に接続され、前記トップカバー(24)の第一側(243)と第二側(244)とは、反対側である、
請求項9に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項11】
前記液浸冷却装置(100)は、高さ合わせブラケット(7)をさらに備え、前記高さ合わせブラケット(7)は、前記冷却溝(21)の下方に設置され前記冷却溝(21)を支持する、
請求項6に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項12】
前記熱交換モジュール(3)は、複数の液体占有ブロック(34)をさらに備え、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記複数の液体占有ブロック(34)は、前記取り付け溝(22)における前記第一の冷却液(5)に少なくとも部分的に浸漬可能である、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項13】
前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記複数の液体占有ブロック(34)は、前記取り付け溝(22)の頂側に近接して設置される、
請求項12に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項14】
前記複数の液体占有ブロック(34)のうちの隣接する液体占有ブロック(34)の間には、前記第一の冷却液(5)が流れるための通路(35)が設置されている、
請求項12に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項15】
前記熱交換モジュール(3)は、支持部(36)をさらに含み、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記支持部(36)は、前記取り付け溝(22)の外部に位置する、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項16】
前記支持部(36)の前記取り付け溝(22)に面する側には、第二のシールリングが設置され、ここで、前記熱交換モジュール(3)が前記取り付け溝(22)に挿入されている場合に、前記支持部(36)と前記取り付け溝(22)との間は、前記第二のシールリングによってシールされる、
請求項15に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項17】
前記キャビネットの高さは、1000mmから1100mmの範囲内であり、前記キャビネットの幅は、750mmから850mmの範囲内であり、且つ前記キャビネットの長さは、500mmから800mmの範囲内である、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項18】
前記第一の冷却液(5)は、フッ素化液又は鉱油を含み、及び/又は前記第二の冷却液は、脱イオン水を含む、
請求項1に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項19】
前記電子機器(4)は、サーバ又は交換機を含む、
請求項1
~18のいずれか1項に記載の液浸冷却装置(100)。
【請求項20】
並んで配置される複数の液浸冷却装置(100)を含む液浸冷却システム(900)であって、前記複数の液浸冷却装置(100)のうちの各液浸冷却装置(100)は、請求
項19に記載の液浸冷却装置(100)である、
液浸冷却システム(900)。
【国際調査報告】