(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】飲料注出システムのためのカプラ装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20241128BHJP
B67D 1/12 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
B67D1/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538243
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 NL2022050746
(87)【国際公開番号】W WO2023121455
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591211799
【氏名又は名称】ハイネケン サプライ チェーン ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】Tweede Weteringplantsoen21 1017 ZD Amsterdam The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】パウイ、アリー マールテン
(72)【発明者】
【氏名】デシン、ヤコーブス ペートルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ケンプ、デニス クリスティアーン
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB03
3E082CC01
3E082DD20
3E082FF05
(57)【要約】
飲料容器の飲料チャンバを飲料注出ラインに流体接続するためのカプラ装置100。カプラ装置は、飲料容器に取り付けられた第1の注出ライン部分に接続されるために構成されている入口と、注出器に取り付けられた第2の注出ライン部分に接続されるために構成されている出口82との間に延びる飲料導管80を備える。飲料導管80は、飲料のための水平流路を画定する水平方向に延びる飲料導管セクション83を含み、飲料導管セクションにおいて、カプラ装置は、カプラ装置の出口から入口への飲料導管を通る飲料の逆流を防止するために配置された逆流弁を備える。逆流弁は、注出ライン内の飲料圧力サージが弁を横切って移動することを可能にするために、水平流路に沿って飲料導管セクションに対して移動可能である可動弁要素84を含む。
【選択図】
図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の飲料チャンバを飲料注出ラインに流体接続するためのカプラ装置であって、
ハウジングであって、前記ハウジングを前記飲料容器に取り外し可能に結合するための結合器を備えた、ハウジングと、
前記飲料容器に取り付けられた第1の注出ライン部分に接続されるために構成されている入口と、注出器に取り付けられた第2の注出ライン部分に接続されるために構成されている出口との間で前記ハウジングを通って延びる飲料導管と、
前記飲料チャンバを前記第1の注出ライン部分に流体接続するために、前記飲料容器の口を開けるために前記ハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素と、
を備え、
前記飲料導管が、前記飲料容器に結合されたときの前記カプラ装置の使用中に、飲料のための水平流路を画定する水平方向に延びる飲料導管セクションを含み、
前記飲料導管セクションにおいて、前記カプラ装置が、前記カプラ装置の前記出口から前記入口までの前記飲料導管を通る飲料の逆流を制限するために配置された逆流弁を備え、前記逆流弁が、前記注出ライン内の飲料圧力サージが前記弁を横切って移動することを可能にするために、前記飲料導管セクションに対して前記水平流路に沿った逆流方向に移動可能である可動弁要素を有する、
装置。
【請求項2】
前記可動弁要素が、前記飲料導管セクションの上流端と反対側の下流端との間で移動可能であり、前記飲料導管セクションの前記両側端の間の前記飲料導管セクションの体積から前記可動弁要素の体積を差し引いたものが、少なくとも2mL、好ましくは最大5mLである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可動弁要素が、閉鎖本体であって、前記飲料導管セクション内に移動可能に配置されており、かつ前記入口から前記出口への前記飲料導管セクションを通る飲料の流れを可能にするための開放位置と、前記出口から前記入口に向かう前記飲料導管セクションを通る飲料の逆流を防止するために、前記閉鎖本体が前記飲料導管セクションの貫流開口部を閉塞する閉鎖位置との間で、前記飲料導管セクションに対して前記水平流路に沿って移動可能である、閉鎖本体を備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記閉鎖本体が、球形である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記飲料導管セクションが、前記開放位置と前記閉鎖位置との間の前記導管セクションの中央水平軸に沿った前記閉鎖本体の移動を誘導するための軸方向ガイドを備える、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記飲料導管セクションが、前記閉鎖本体を前記閉鎖位置に受け入れるために上流台座が提供される上流サブセクションと、前記閉鎖本体を前記開放位置に受け入れるために下流台座が提供される下流サブセクションとを含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記上流台座と前記下流台座との間の前記飲料導管セクションの体積から前記閉鎖本体の体積を差し引いたものが、少なくとも2mLであり、好ましくは最大5mLである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記上流サブセクションが、前記閉鎖本体の断面に実質的に等しい一定の断面を有し、下流セクションが、前記閉鎖本体の前記断面よりも大きい断面を有する、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記下流台座が、そこを通る飲料の流れを可能にするための中央貫流開口部を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記閉鎖本体が、前記飲料導管セクション内に付勢されずに配置されており、前記飲料導管セクションを通る飲料流によって、前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動可能である、請求項3~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記可動弁要素が、逆止弁アセンブリを含み、前記逆止弁アセンブリが、前記飲料導管セクション内で前記水平流路に沿って移動可能であり、プランジャ部材であって、飲料導管セクション壁と流体密閉摺動係合しており、かつそこを通る飲料の流れを可能にするための開口を有する、プランジャ部材と、前記逆止弁アセンブリの開放状態で、前記入口から前記出口への前記プランジャ部材の前記開口を通る飲料の流れを可能にするために、かつ前記逆止弁アセンブリの閉鎖状態で、前記出口から前記入口への前記開口を通る飲料の逆流を防止するために構成された弁閉鎖部材と、を備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項12】
前記逆止弁アセンブリが、前記飲料導管セクションにばね式に結合されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記飲料導管セクションの上流端で、前記プランジャ部材の下流ばね係合面とカップリング装置の上流ばね係合面との間の前記飲料導管セクションに配置されたばねを備える、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
飲料、特にビールなどの麦芽ベースの飲料を収容するための飲料チャンバを有する飲料容器であって、前記容器が、容器出口であって、前記飲料出口の開放を可能にするように配置された密封部材を備えた、容器出口を有する、飲料容器と、請求項1~13のいずれか一項に記載のカプラ装置であって、前記カップリング装置の口開け要素が、前記容器に結合されたときに、前記カプラ装置の飲料導管セクションが延びる水平方向を横切る垂直方向への前記口開け要素の移動によって前記容器出口を開放するように構成されている、カプラ装置と、を備える、システム。
【請求項15】
前記第1の注出ライン部分を形成する第1のチューブであって、前記第1のチューブの上流端で前記飲料容器出口に取り付けられる、第1のチューブと、前記第2の注出ライン部分を形成する第2のチューブであって、前記第2のチューブの下流端で注出器に取り付けられる、第2のチューブと、を備え、前記カプラ装置が、その入口を前記第1のチューブの下流端に結合し、その出口を前記第2のチューブの上流端に結合するために構成されている、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器を注出ライン飲料に、特にビール注出システムのために結合するためのカプラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカプラ装置は、ビール樽などの飲料容器の飲料チャンバを注出ラインに流体接続するために配置される。接続されると、容器からの飲料の注出は、注出ラインの下流端に配置された蛇口などの注出器によって制御することができる。
【0003】
カプラ装置は、典型的には、入口と出口との間を通って延びる流体導管を備えたハウジングを含み、カプラ入口は、容器出口に接続可能である。様々な従来のカプラ装置の流体導管は、容器に結合されたときの使用中、垂直に延在する。
【0004】
飲料容器は、例えば、空の容器を満杯の容器に置き換えるように交換することができる。したがって、従来のカプラ装置は、飲料容器に取り外し可能に結合可能である。容器が分離されると、注出ライン内の飲料の逆流を防止するために、従来のカプラ装置の垂直に延びる飲料導管に従来の一方向弁が設けられている。従来の一方向弁は、弁座と、カプラ装置の垂直飲料導管内に配置された弁ボールと、を含む。弁ボールは、台座によって受け入れられて、飲料導管を密封し、容器から注出器に向かう飲料流によって上方に押し出される。飲料導管の垂直な延在は、重力の影響下で弁座に向かう弁ボールの付勢を確実にする。
【0005】
しかしながら、飲料導管が、容器に結合されたときの使用中に、垂直方向ではなく水平方向に延びるカプラ装置では、従来の一方向弁は、特に弁ボールが重力によって弁座に向かって付勢されることができないため、逆流を確実に防止しない。したがって、そのようなカプラ装置は、カップリング装置を容器から切り離す前に手動で閉じる手動操作可能な遮断弁を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザが使いやすい一方、逆流を防止するための改良されたカップリング装置を提供することを目的とする。より低コストのカップリング装置を提供すること、及び/又はより衛生的に使用することができるカップリング装置を提供することは、更なる又は別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、カプラ装置は、飲料容器の飲料チャンバを飲料注出ラインに流体接続するために提供される。カプラ装置は、ハウジングであって、ハウジングを飲料容器に取り外し可能に結合するために配置された結合器を備えたハウジングと、飲料容器に取り付けられた第1の注出ライン部分に接続されるために構成されている入口と、注出器に取り付けられた第2の注出ライン部分に接続されるために構成されている出口との間でハウジングを通って延びる飲料導管と、飲料チャンバを第1の注出ライン部分に流体接続するために、飲料容器の口を開けるためにハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素と、を備える。飲料容器に結合されたときのカプラ装置の使用中に、飲料導管は、飲料のための水平流路を画定する水平方向に延びる飲料導管セクションを含み、飲料導管セクションにおいて、カプラ装置は、カプラ装置の出口から入口への、飲料導管を通る飲料の逆流を防止するために配置された逆流弁を備える。逆流弁は、注出ライン内の飲料圧力サージが弁を横切って移動することを可能にするために、水平流路に沿って飲料導管セクションに対して移動可能である可動弁要素を含む。したがって、注出器での注出ラインの閉鎖によって引き起こされる、逆流方向に、すなわち、注出器から飲料容器に向かって伝播する、ウォーターハンマーとも呼ばれる圧力サージは、逆流弁から跳ね返らないが、代わりに、飲料容器によって吸収される逆流弁を横切って伝播することが可能である。飲料容器の飲料チャンバは、容器によって保持される飲料が膨張することができるガス充填ヘッドスペースを含むことが多い。したがって、飲料容器は、サージタンクとして機能し得る。圧力サージが逆流弁を横切って伝播することを可能にすることによって、逆流弁にかかるピーク負荷への曝露が低減され、したがって、カプラ装置及び注出ライン構成要素の耐久性を高めることができる。
【0008】
特に、注出器による注出ラインの急速な閉鎖によって引き起こされる飲料注出ラインの圧力変化は、ほとんどの注出システムにおいて、約2mLの飲料の体積が逆流することを可能にすることによって緩和することができることが見出されている。したがって、逆流弁は、少なくとも2mLの飲料の逆流を可能にするために配置され得る。カプラ装置を容器から切り離した後の飲料の漏出量を制限するために、逆流弁はまた、最大5mLの飲料の逆流を可能にするために配置され得る。
【0009】
任意選択的に、可動弁要素は、飲料導管セクションの上流端と反対側の下流端との間で移動可能であり、飲料導管セクションの両側端の間の飲料導管セクションの体積から可動弁要素の体積を差し引いたものは、少なくとも2mLである。したがって、可動弁要素は、少なくとも2mLの体積の飲料が飲料容器に向かって逆流することができるような量だけ移動可能である。カプラ装置が容器から切り離されると、過剰な飲料がこぼれるのを防止するために、飲料導管の両側端の間の飲料導管セクションから可動弁要素を差し引いた体積は、好ましくは最大5mLである。
【0010】
任意選択的に、可動弁要素は、閉鎖本体であって、飲料導管セクション内に移動可能に配置されており、かつ入口から出口への飲料導管セクションを通る飲料の流れを可能にするための開放位置と、出口から入口に向かう飲料導管セクションを通る飲料の逆流を防止するために、閉鎖本体が飲料導管セクションの貫流開口部を閉塞する閉鎖位置との間で、飲料導管セクションに対して水平流路に沿って移動可能である、閉鎖本体を備える。
【0011】
任意選択的に、閉鎖本体は、球形である。したがって、閉鎖本体は、その回転配向にかかわらず閉鎖位置で受け入れることができる。
【0012】
任意選択的に、飲料導管セクションは、開放位置と閉鎖位置との間の導管セクションの中央水平軸に沿った閉鎖本体の移動を誘導するための軸方向ガイドを備える。軸方向ガイドは、閉鎖本体、例えば閉鎖ボールが、飲料導管セクションと整列することを確実にし、閉鎖本体が飲料の逆流に応じて閉鎖位置に確実に戻るようにする。
【0013】
任意選択的に、飲料導管セクションは、閉鎖本体を閉鎖位置に受け入れるために上流台座が提供される上流サブセクションと、閉鎖本体を開放位置に受け入れるために下流台座が提供される下流サブセクションとを含む。
【0014】
任意選択的に、上流台座と下流台座との間の飲料導管セクションの体積から閉鎖本体の体積を差し引いたものは、少なくとも2mL、好ましくは最大5mLである。したがって、閉鎖本体は、少なくとも2mLの体積の飲料が飲料容器に向かって逆流することができるような量だけ開放位置から閉鎖位置まで移動するように配置することができる。
【0015】
任意選択的に、上流サブセクションは、閉鎖本体の断面に実質的に等しい一定の断面を有し、下流セクションは、閉鎖本体の断面よりも大きい断面を有する。
【0016】
好ましくは、閉鎖本体は、6~16mmの断面直径を有し、上流サブセクションは、6.5~16.5mmの断面直径を有する。より好ましくは、閉鎖本体は、8~12mmの断面直径を有し、上流サブセクションは、8.5~12.5mmの断面直径を有する。最も好ましくは、閉鎖本体は、およそ10mmの断面直径を有し、上流サブセクションは、およそ10.5mmの断面直径を有する。比較的小さい断面直径を有する閉鎖本体は、閉鎖本体による開口部の漏れのない閉鎖のために、飲料導管の入口の小さな開口サイズを必要とする。使用中の閉鎖本体の断面直径が6mm未満であると、開口部のサイズが小さすぎるため、注出時に飲料流の流れ圧力が高すぎる。比較的大きな断面直径を有する閉鎖本体は、飲料導管を通って、よりゆっくりと移動する。使用中の16mmを超える閉鎖本体の断面直径は、閉鎖位置ではあまりにもゆっくりと移動するため、カップリング装置が飲料容器から切り離されると飲料が漏出する。
【0017】
好ましくは、上流サブセクションの断面直径は、閉鎖本体の断面直径よりも0.1~2mm大きい。より好ましくは、上流サブセクションの断面直径は、閉鎖本体の断面直径よりも0.3~0.7mm大きい。注出ラインの閉鎖時に最初に少なくとも2mLの飲料の逆流を可能にした後の飲料導管の漏れのない密封に関して、これらのサイズの閉鎖本体及び上流サブセクション、並びに、閉鎖本体と上流サブセクションとの間のサイズ差で良い結果が得られた。閉鎖本体と上流サブセクションとの間の直径サイズの差が2mmを超えると、注出ラインの閉鎖時に閉鎖本体の周りに逆流する液体体積が大きすぎて、閉鎖本体が閉鎖位置でゆっくりと移動する。閉鎖本体と上流サブセクションとの間の直径サイズの差が0.1mm未満であると、注出ラインの閉鎖時に閉鎖本体の周りに逆流する液体体積が少なすぎて、飲料導管及び注出ラインに望ましくない高い液体圧力を引き起こす。
【0018】
任意選択的に、下流台座は、そこを通る飲料の流れを可能にするための中央貫流開口部を含む。したがって、閉鎖本体は、飲料の逆流によって開放位置から閉鎖位置に向かって押し出されることができる。
【0019】
任意選択的に、閉鎖本体は、飲料導管セクション内に付勢されずに配置されており、飲料導管セクションを通る飲料流によって、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である。特に炭酸飲料、より具体的にはビールなどの麦芽ベースの飲料について、注出ラインに設けられ得る付勢ばねは、注出されるときに飲料を過度に泡立たせる乱流を促進する。
【0020】
任意選択的に、可動弁要素は、逆止弁アセンブリを含み、逆止弁アセンブリは、飲料導管セクション内で水平流路に沿って移動可能であり、プランジャ部材であって、飲料導管セクション壁と流体密閉摺動係合しており、かつそこを通る飲料の流れを可能にするための開口を有する、プランジャ部材と、逆止弁アセンブリの開放状態で、入口から出口へのプランジャ部材の開口を通る飲料の流れを可能にするために、かつ逆止弁アセンブリの閉鎖状態で、出口から入口への開口を通る飲料の逆流を防止するために構成された弁閉鎖部材と、を備える。
【0021】
任意選択的に、逆止弁アセンブリは、飲料導管セクションにばね式に結合されている。例えば、逆止弁アセンブリは、中立位置に付勢されて、そこに戻され得る。
【0022】
任意選択的に、ばねは、飲料導管セクションの上流端で、プランジャ部材の下流ばね係合面とカップリング装置の上流ばね係合面との間の飲料導管セクションに配置されている。
【0023】
任意選択的に、ばねは、中央貫流開口部を有する螺旋ばねを含み、螺旋ばねの外径は、飲料導管セクションの直径に対応する。
【0024】
別の態様によれば、飲料、特にビールなどの麦芽ベースの飲料を収容するための飲料チャンバを有する飲料容器と、本明細書に記載のカプラ装置と、を備えるシステムが提供され、容器は、飲料出口の開放を可能にするように配置された密封部材を備えた容器出口を有し、カップリング装置の口開け要素は、容器に結合されたときに、カプラ装置の飲料導管セクションが延びる水平方向を横切る垂直方向への口開け要素の移動によって容器出口を開放するように構成されている。
【0025】
任意選択的に、システムは、第1の注出ライン部分を形成する第1のチューブであって、第1のチューブの上流端で飲料容器出口に取り付けられる、第1のチューブと、第2の注出ライン部分を形成する第2のチューブであって、第2のチューブの下流端で注出器に取り付けられる、第2のチューブと、を備え、カプラ装置は、その入口を第1のチューブの下流端に結合し、その出口を第2のチューブの上流端に結合するために構成されている。
【0026】
本明細書に記載される態様、特徴、及びオプションのいずれかを組み合わせることができることが理解され、特に、カプラ装置を考慮して記載される態様、特徴、及びオプションのいずれかがシステムに等しく適用され、その逆も同様に適用されることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
【
図2A】例示的な逆流弁を備えたカプラ装置の飲料導管の詳細な断面図を示す。
【
図2B】例示的な逆流弁を備えたカプラ装置の飲料導管の詳細な断面図を示す。
【
図3】カプラ装置のための例示的な逆流弁を備えたカプラ装置の飲料導管の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、例示的なカプラ装置100を示す。カプラ装置は、ハウジング10をビール樽などの飲料容器に結合するための結合器20を備えたハウジング10を備える。飲料容器は、飲料を保持するための飲料チャンバを区切る容器本体を含む。口開け要素30、例えば、口開けピストンは、飲料容器の口を開けるためにハウジング20内に設けられる。口開け要素30は、例えば、飲料容器の容器シールを開放するように配置され得る。口開け要素30は、ハウジング10に対して垂直方向(
図1のY方向)に移動可能である。口開け要素30は、口開け要素30を下向きに移動させて、飲料容器の口を開け、上向きに移動させて、口開け要素30を容器から解放するために、口開けレバー40を使用して作動させることができる。
【0030】
本実施例では、カプラ装置100は、ガスチューブをそこに接続するためのガス入口ポート50を有するガス導管を備える。ガス導管は、本実施例では、ガス入口ポート50と飲料容器のガス入口に接続可能なガス出口ポートとの間でカプラハウジング10を通って延びる。
【0031】
カプラ装置100は、ハウジング10の入口側60に設けられた入口81と、ハウジング10の出口側70に設けられた出口82との間に延びる飲料導管80を備える。飲料導管80は、特に、垂直方向を横切って水平方向(
図1のX方向)に延びる飲料導管セクション83を含む。
【0032】
図2A及び2Bは、カプラ装置、特に
図1に示されるようなカプラ装置100の飲料導管80の詳細な断面図を示す。入口81は、第1の注出ライン部分を形成する第1のチューブに解放可能に接続されるために構成されている。第1のチューブは、本実施例では、第1のチューブの上流端で飲料容器出口に取り付けられる。出口82は、第2の注出ライン部分を形成する第2のチューブに接続されるように構成されている。第2のチューブは、第2のチューブの下流端で、注出器、例えば、蛇口に取り付けられる。第2のチューブは、例えば、カプラの飲料導管出口に恒久的に接続され得る。飲料容器の口を開ける前に、第1のチューブの下流端を入口に接続して、カプラ装置100の飲料導管80を介する第1のチューブと第2のチューブとの間の流体接続を作成することができる。したがって、飲料チャンバと注出器との間に注出ラインが形成される。
【0033】
飲料導管80は、水平に延びて、飲料のための水平流路を形成する飲料導管セクション83を含む。本実施例では、使いやすさのために、飲料導管80全体が水平に延びる。
【0034】
飲料導管セクション83において、カプラ装置100は、飲料導管80を通って出口82から入口81に向かって戻る飲料の逆流を防止するために配置された逆流弁を備える。逆流弁は、可動弁要素84を含む。可動弁要素84は、導管セクション83によって画定される水平流路に沿って飲料導管セクション83に対して移動可能である。カプラ装置100は、注出ライン内の飲料圧力サージが逆流弁を横切って移動することを可能にするために配置されている。
【0035】
特に、使用中、容器によって保持された飲料は、注出器が開放されたときに、カプラ装置の飲料導管を介して、注出ラインを通って第2の注出ラインの端部の注出器に流れる。飲料を注出した後、例えば、ビール飲料をドラフトした後、注出器を閉鎖して、容器からの飲料の流れを止める。流れる飲料の慣性のために、注出器の突然の閉鎖は、飲料が、閉鎖された注出器に力を及ぼし、これは、注出器の上流に圧力の蓄積を引き起こす。圧力の蓄積は、圧力サージが注出ラインに沿って逆流方向、すなわち、注出器から飲料容器に向かって戻って伝播することをもたらす。これはまた、ウォーターハンマー、又は油圧ショックとしても知られている。
【0036】
可動弁要素が逆流方向に移動することを可能にすることによって、圧力サージは、弁要素84を横切って飲料容器に向かって伝播することができる。飲料容器は、圧力サージを吸収するためのサージ容器として機能し得る。したがって、移動弁要素84の上流側及び下流側の圧力を平均化することができる。
【0037】
カプラ装置100は、逆流弁の閉鎖前及び/又は逆流弁が閉鎖されている間に、少なくとも2mLの飲料体積が逆流することを可能にするように特に配置されている。約2mLの体積は、圧力サージに起因し得る任意の残留圧力差を平準化するのに適切であることが見出される。
【0038】
可動弁要素は、閉鎖本体を含み得る。
図2A及び2Bに示される実施例では、可動弁要素84は、閉鎖本体、特に球形の閉鎖本体として具現化される。球形の閉鎖本体84は、飲料導管セクション83内に移動可能に配置されており、かつ入口81から出口82までの、飲料導管セクション80を通る飲料の流れを可能にするための開放位置と、閉鎖本体84が飲料導管セクションの貫流開口部を閉塞して、出口82から入口81に向かう、飲料導管セクションを通る飲料の逆流を防止する閉鎖位置との間で、飲料導管セクション83によって画定される水平流路に沿って、移動可能である。
図2Aは、閉鎖本体が閉鎖位置にあることを示し、
図2Bは、閉鎖本体が開放位置にあることを示す。
【0039】
カプラ装置100は、閉鎖本体84を閉鎖位置に受け入れるための上流台座85と、閉鎖本体84を開放位置に受け入れるための下流台座86と、を備える。飲料導管セクションは、上流台座85と下流台座86との間に少なくとも2mLの体積を区切ることができる。中央貫流開口部88を有する上流台座85は、飲料導管セクション83の上流サブセクション83Aに配置されている。上流サブセクション83Aは、閉鎖本体84の断面に対応する一定の断面を有する。閉鎖本体が導管セクション83の流れ方向に移動することを可能にするために、導管セクション壁と閉鎖本体84との間に、横方向のある遊びを設けることができることが理解されるであろう。遊びは、例えば、0.1~0.3mmであり得る。下流台座86は、飲料導管セクション83の下流サブセクション83Bに配置されている。下流サブセクション83Bは、閉鎖本体が下流台座86によって保持されている間に飲料が閉鎖本体84の周りを流れることを可能にするために、閉鎖本体84の断面よりも大きい断面を有する。
【0040】
カプラ装置100は、水平飲料導管セクション83の中心線に沿って動いている閉鎖本体84を誘導するために配置された軸方向ガイド89を備える。ガイド89は、閉鎖本体84が導管セクション83を画定する水平流路からオフセットして移動するのを防止し、閉鎖本体83の上流台座85への信頼性の高い戻りを確実にする。ガイド89は、閉鎖本体84の断面が飲料導管セクションの断面よりも小さい場合、本実施例では下流サブセクション83Bに特に設けられる。
【0041】
閉鎖本体84は、飲料導管セクション83に特に付勢されずに設けられる。したがって、閉鎖本体84は、飲料流の影響下で閉鎖位置と開放位置との間で移動する。
【0042】
図3は、カプラ装置100の飲料導管セクション83に設けられた逆流弁の別の、例えば、代替的な例を示す。ここで、可動弁要素84は、逆止弁アセンブリとして具現化され、これは、飲料導管セクション83の壁と流体密閉スライド係合しているプランジャ部材91を備える。プランジャ部材91は、飲料がそこを通って流れることを可能にするための開口92を含む。逆止弁アセンブリはまた、逆止弁アセンブリ84の開放状態で、飲料導管の入口81から出口82への開口92を通る飲料の流れを可能にし、逆止弁アセンブリ84の閉鎖状態で、出口82から入口81に戻る開口92を通る飲料の逆流を防止するために構成された弁閉鎖部材93と、を備える。
【0043】
カプラ装置100はまた、本実施例では、逆止弁アセンブリ84を飲料導管80に付勢して結合するためのばね95を備える。ばね95は、本実施例では、プランジャ部材91の下流ばね係合面とカップリング装置100の上流ばね係合面との間の、逆止弁アセンブリ84の上流側の飲料導管セクション83に配置されている。
【0044】
逆止弁アセンブリ84は、飲料導管セクション83によって画定される水平流路に沿って、逆流方向、すなわち飲料導管80の入口81に向かって移動するように配置されている。逆止弁アセンブリ84の軸方向の変位は、圧力サージに起因する圧力差を説明し得る。使用中、可動逆止弁アセンブリ84のストローク体積は、少なくとも2mLであり得る。したがって、例えば、飲料導管セクション83の体積から逆止弁アセンブリの体積を差し引いたものは、約2mLであり得る。
【0045】
本明細書において、本発明は、本発明の実施形態の具体的な例を参照して記載される。しかしながら、本発明の本質から逸脱することなく、様々な修正及び変更が行われ得ることは明らかであろう。明確化及び簡潔な説明の目的のために、特徴は、同一又は別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、これらの別個の実施形態で記載される特徴の全て又はいくつかの組み合わせを有する代替の実施形態も想定される。
【0046】
しかしながら、他の修正、変形、及び代替も可能である。したがって、明細書、図面、及び実施例は、限定的な意味ではなく、例示的な意味でみなされるべきである。
【0047】
明確化及び簡潔な説明の目的のために、特徴は、同一又は別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本発明の範囲は、記載される特徴の全て又はいくつかの組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。
【0048】
特許請求の範囲において、括弧内に配置された任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されてはならない。「含む(comprising)」という単語は、特許請求の範囲に記載されているもの以外の他の特徴又はステップの存在を排除するものではない。更に、「a」及び「an」という単語は、「1つだけ」に限定されるものではなく、「少なくとも1つ」を意味するために使用され、複数を除外するものではない。ある特定の手段が相互に異なる特許請求の範囲に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0049】
(付記)
(付記1)
飲料容器の飲料チャンバを飲料注出ラインに流体接続するためのカプラ装置であって、
ハウジングであって、前記ハウジングを前記飲料容器に取り外し可能に結合するための結合器を備えた、ハウジングと、
前記飲料容器に取り付けられた第1の注出ライン部分に接続されるために構成されている入口と、注出器に取り付けられた第2の注出ライン部分に接続されるために構成されている出口との間で前記ハウジングを通って延びる飲料導管と、
前記飲料チャンバを前記第1の注出ライン部分に流体接続するために、前記飲料容器の口を開けるために前記ハウジングに対して移動可能に配置された口開け要素と、
を備え、
前記飲料導管が、前記飲料容器に結合されたときの前記カプラ装置の使用中に、飲料のための水平流路を画定する水平方向に延びる飲料導管セクションを含み、
前記飲料導管セクションにおいて、前記カプラ装置が、前記カプラ装置の前記出口から前記入口までの前記飲料導管を通る飲料の逆流を制限するために配置された逆流弁を備え、前記逆流弁が、前記注出ライン内の飲料圧力サージが前記弁を横切って移動することを可能にするために、前記飲料導管セクションに対して前記水平流路に沿った逆流方向に移動可能である可動弁要素を有する、
装置。
【0050】
(付記2)
前記可動弁要素が、前記飲料導管セクションの上流端と反対側の下流端との間で移動可能であり、前記飲料導管セクションの前記両側端の間の前記飲料導管セクションの体積から前記可動弁要素の体積を差し引いたものが、少なくとも2mL、好ましくは最大5mLである、付記1に記載の装置。
【0051】
(付記3)
前記可動弁要素が、閉鎖本体であって、前記飲料導管セクション内に移動可能に配置されており、かつ前記入口から前記出口への前記飲料導管セクションを通る飲料の流れを可能にするための開放位置と、前記出口から前記入口に向かう前記飲料導管セクションを通る飲料の逆流を防止するために、前記閉鎖本体が前記飲料導管セクションの貫流開口部を閉塞する閉鎖位置との間で、前記飲料導管セクションに対して前記水平流路に沿って移動可能である、閉鎖本体を備える、付記1又は2に記載の装置。
【0052】
(付記4)
前記閉鎖本体が、球形である、付記3に記載の装置。
【0053】
(付記5)
前記飲料導管セクションが、前記開放位置と前記閉鎖位置との間の前記導管セクションの中央水平軸に沿った前記閉鎖本体の移動を誘導するための軸方向ガイドを備える、付記3又は4に記載の装置。
【0054】
(付記6)
前記飲料導管セクションが、前記閉鎖本体を前記閉鎖位置に受け入れるために上流台座が提供される上流サブセクションと、前記閉鎖本体を前記開放位置に受け入れるために下流台座が提供される下流サブセクションとを含む、付記3~5のいずれか一つに記載の装置。
【0055】
(付記7)
前記上流台座と前記下流台座との間の前記飲料導管セクションの体積から前記閉鎖本体の体積を差し引いたものが、少なくとも2mLであり、好ましくは最大5mLである、付記6に記載の装置。
【0056】
(付記8)
前記上流サブセクションが、前記閉鎖本体の断面に実質的に等しい一定の断面を有し、下流セクションが、前記閉鎖本体の前記断面よりも大きい断面を有する、付記6又は7に記載の装置。
【0057】
(付記9)
前記下流台座が、そこを通る飲料の流れを可能にするための中央貫流開口部を含む、付記6~8のいずれか一つに記載の装置。
【0058】
(付記10)
前記閉鎖本体が、前記飲料導管セクション内に付勢されずに配置されており、前記飲料導管セクションを通る飲料流によって、前記開放位置と前記閉鎖位置との間で移動可能である、付記3~9のいずれか一つに記載の装置。
【0059】
(付記11)
前記可動弁要素が、逆止弁アセンブリを含み、前記逆止弁アセンブリが、前記飲料導管セクション内で前記水平流路に沿って移動可能であり、プランジャ部材であって、飲料導管セクション壁と流体密閉摺動係合しており、かつそこを通る飲料の流れを可能にするための開口を有する、プランジャ部材と、前記逆止弁アセンブリの開放状態で、前記入口から前記出口への前記プランジャ部材の前記開口を通る飲料の流れを可能にするために、かつ前記逆止弁アセンブリの閉鎖状態で、前記出口から前記入口への前記開口を通る飲料の逆流を防止するために構成された弁閉鎖部材と、を備える、付記1又は2に記載の装置。
【0060】
(付記12)
前記逆止弁アセンブリが、前記飲料導管セクションにばね式に結合されている、付記11に記載の装置。
【0061】
(付記13)
前記飲料導管セクションの上流端で、前記プランジャ部材の下流ばね係合面とカップリング装置の上流ばね係合面との間の前記飲料導管セクションに配置されたばねを備える、付記10に記載の装置。
【0062】
(付記14)
飲料、特にビールなどの麦芽ベースの飲料を収容するための飲料チャンバを有する飲料容器であって、前記容器が、容器出口であって、前記飲料出口の開放を可能にするように配置された密封部材を備えた、容器出口を有する、飲料容器と、付記1~13のいずれか1つに記載のカプラ装置であって、前記カップリング装置の口開け要素が、前記容器に結合されたときに、前記カプラ装置の飲料導管セクションが延びる水平方向を横切る垂直方向への前記口開け要素の移動によって前記容器出口を開放するように構成されている、カプラ装置と、を備える、システム。
【0063】
(付記15)
前記第1の注出ライン部分を形成する第1のチューブであって、前記第1のチューブの上流端で前記飲料容器出口に取り付けられる、第1のチューブと、前記第2の注出ライン部分を形成する第2のチューブであって、前記第2のチューブの下流端で注出器に取り付けられる、第2のチューブと、を備え、前記カプラ装置が、その入口を前記第1のチューブの下流端に結合し、その出口を前記第2のチューブの上流端に結合するために構成されている、付記14に記載のシステム。
【国際調査報告】