(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】パウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた変形検査方法
(51)【国際特許分類】
G01B 5/28 20060101AFI20241128BHJP
G01B 21/30 20060101ALI20241128BHJP
G01B 5/30 20060101ALI20241128BHJP
G01B 21/32 20060101ALI20241128BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20241128BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
G01B5/28 101
G01B21/30 101
G01B5/30
G01B21/32
H01M10/04 Z
H01M50/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538252
(86)(22)【出願日】2023-08-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2023011714
(87)【国際公開番号】W WO2024063335
(87)【国際公開日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0119267
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0098217
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、イン ジャエ
【テーマコード(参考)】
2F062
2F069
5H011
5H028
【Fターム(参考)】
2F062AA55
2F062EE04
2F062EE09
2F062EE66
2F062FF03
2F062GG17
2F062GG51
2F062HH05
2F062JJ04
2F062LL11
2F069AA54
2F069AA68
2F069CC04
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG12
2F069GG65
2F069HH02
2F069JJ06
2F069QQ03
5H011AA09
5H011DD26
5H028AA07
5H028BB10
5H028BB11
5H028BB17
5H028CC02
(57)【要約】
本発明はパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた変形検査方法に関し、パウチ型セルが直立した状態で着座する台部と、前記台部の上部に位置し、前記パウチ型セルの平坦度を測定する測定部材と、を含むことを特徴とするパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた変形検査方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パウチ型セルが直立した状態で着座する台部と、
前記台部の上部に位置し、前記パウチ型セルの平坦度を測定する測定部材と、を含む、パウチ型セルの変形検査装置。
【請求項2】
前記測定部材は、前記パウチ型セルの側面に位置する、請求項1に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項3】
前記測定部材は、前記パウチ型セルの全長方向に沿って複数備えられる、請求項2に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項4】
前記測定部材は、透視窓を備えており、内部が空いている収容部と、前記収容部に収納される移動バーと、前記移動バーに装着されたドッグと、前記収容部に収納され、一端は前記収容部に固定され、他端は前記移動バーの一側端部と連結されたスプリングと、前記収容部付近に位置する第1センシング部と、を含み、
前記ドッグは前記透視窓を通して外部に露出され、前記移動バーの他端部には前記収容部の外側に突出する接触部が備えられ、前記第1センシング部は、前記ドッグが前記透視窓を通して外部に露出されるときにのみ感知する、請求項3に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項5】
前記接触部は、弾性材質からなり、円錐状である、請求項4に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項6】
前記パウチ型セルの側面に向けて前記収容部を前進または後進させる駆動部をさらに含み、前記駆動部は、垂直に位置し、前記測定部材と締結される第1固定バーと、前記第1固定バーの一側と締結され、前記測定部材に平行に位置する第2固定バーと、前記第2固定バーの移動経路を提供するガイドレールと、設定の距離だけ前記第2固定バーを直線方向に往復させる線形運動部材と、を含む、請求項4に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項7】
前記収容部は、前記パウチ型セルの全幅方向に沿って一定の間隔だけ離隔した複数からなり、前記第1固定バーは前記複数の収容部と締結される、請求項6に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項8】
前記パウチ型セルの全幅方向に沿って、下部縁、上部縁、及び下部縁と上部縁との間に前記収容部がそれぞれ位置する、請求項7に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項9】
前記パウチ型セルの全長方向に沿って、一側縁、他側縁、及び一側縁と他側縁との間に前記収容部がそれぞれ位置する、請求項7に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項10】
前記測定部材は、内部が空いている収容部と、前記収容部に収納される第2センシング部と、を含み、
前記第2センシング部は、パウチ型セルとの距離を非接触式で測定することができる第2センサーを備えている、請求項3に記載のパウチ型セルの変形検査装置。
【請求項11】
パウチ型セルを垂直に位置させる第1段階と、
前記パウチ型セルの側面に位置する測定部材を使用して前記パウチ型セルの平坦度から正常であるかを判断する第2段階と、を含み、
前記測定部材は、接触方式または非接触方式で前記パウチ型セルの平坦度を測定する、パウチ型セルの変形検査方法。
【請求項12】
前記測定部材は、透視窓を備えており、内部が空いている収容部と、前記収容部に収納される移動バーと、前記移動バーに装着されたドッグと、前記収容部に収納され、一端は前記収容部に固定され、他端は前記移動バーの一側端部と連結されたスプリングと、前記収容部付近に位置する第1センシング部と、を含み、
前記第2段階は、前記パウチ型セルの側面と前記収容部とを直交するように位置させた状態で、前記パウチ型セルの側面に向けて所定の位置まで移動させ、前記ドッグが前記透視窓を通して外部に露出されて前記第1センシング部が前記ドッグを感知するときは正常と判定し、感知しないときは異常と判定する、請求項11に記載のパウチ型セルの変形検査方法。
【請求項13】
前記測定部材は、前記パウチ型セルの一側面または両側面に複数が位置する、請求項12に記載のパウチ型セルの変形検査方法。
【請求項14】
前記第2段階は、前記パウチ型セルの全長に沿って一定の間隔で離隔した複数の収容部を前記パウチ型セルの一側面または両側面に移動させる、請求項13に記載のパウチ型セルの変形検査方法。
【請求項15】
前記第2段階は、前記パウチ型セルの全幅に沿って一定の間隔で離隔した複数の収容部を前記パウチ型セルの一側面または両側面に移動させる、請求項13に記載のパウチ型セルの変形検査方法。
【請求項16】
前記第2段階で、前記ドッグが感知されないときは、アラームを発生させる、請求項12に記載のパウチ型セルの変形検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2022年9月21日付け韓国特許出願第10-2022-0119267号及び2023年7月27日付け韓国特許出願第10-2023-0098217号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明はパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いたパウチ型セルの変形検査方法に関し、より詳しくは、パウチ型セルを活性化する過程でまたは活性化過程が終わったパウチ型セルでベンディング現象が発生したかを測定するためのパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いたパウチ型セルの変形検査方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の使用による大気汚染、エネルギー枯渇による代替エネルギーの開発によって生産された電気エネルギーを貯蔵することができる二次電池に対する需要が増加している。充放電の可能な二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの日常生活に密接に使用されている。
【0004】
二次電池は、電極組立体の構造によって、円筒型二次電池、角型二次電池、およびパウチ型二次電池に区分される。そのうち、パウチ型二次電池は、高容量および高密度の二次電池を得ることができ、安い製造コスト、小重量、多様な形状を有することができるという理由で使用量が次第に増加している
【0005】
このようなパウチ型二次電池は、下部分離膜、負極、上部分離膜及び正極の順に積層した後、ロール(Roll)ラミネーション工程による加熱および押圧を実行した後、切断して得たモノセルを数十枚積層する工程で製造される。しかし、多様な原因によって、積層された電極組立体が全幅方向に曲がるベンディング(bending)現象が発生することがある。
【0006】
また、パウチ型二次電池を充放電及び安定化する活性化工程過程でもセルの内部の電極と分離膜との接着力に差が発生し、これによりベンディング現象が発生することもある。
【0007】
前記のようなベンディング現象がある二次電池はパッケージングなどの後続工程に移送される過程で設備と衝突するか、または落下によって発火するなどの危険があるから、変形された二次電池を判別する一連の検査過程が必ず必要である。
【0008】
これに関連して、(特許文献1)には、電池容器の変形を検査する装置が開示されている。すなわち、角型電池容器10の両側面に位置し得る従動軸1と連結された一対の押圧板2を備えており、このような押圧板2を電池容器10の表面に密着させることにより、電池容器10の変形された厚さを測定することになる。
【0009】
しかし、パウチ型電池セルの場合は、比較的外形変化が容易であるので、押圧板によって変形有無を判断することが難しく、特にどの部位で変形が発生したかを確認することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のような問題点を解決するために、本発明は、外形が変化しやすいパウチ型セルの変形有無を検査することができるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた変形検査方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、パウチ型セルで変形が発生した場合、変形された位置を確認することができるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた変形検査方法を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、デガス工程の前には肉眼で確認しにくかったパウチ型セルの変形有無まで確認することができるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた変形検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記のような目的を達成するために、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置は、パウチ型セル(S)が直立した状態で着座する台部(100)と、前記台部(100)の上部に位置し、前記パウチ型セル(S)の平坦度を測定する測定部材(200)と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記測定部材(200)は、前記パウチ型セル(S)の側面に位置することを特徴とする。
【0016】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記測定部材(200)は、前記パウチ型セル(S)の全長方向に沿って複数備えられることを特徴とする。
【0017】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記測定部材(200)は、透視窓(211)を備えており、内部が空いている収容部(210)と、前記収容部(210)に収納される移動バー(220)と、前記移動バー(220)に装着されたドッグ(230)と、前記収容部(210)に収納され、一端は前記収容部(210)に固定され、他端は前記移動バー(220)の一側端部と連結されたスプリング(240)と、前記収容部(210)付近に位置する第1センシング部(250)と、を含み、前記ドッグ(230)は前記透視窓(211)を通して外部に露出され、前記移動バー(220)の他端部には、前記収容部(210)の外側に突出する接触部(222)が備えられており、前記第1センシング部(250)は、前記ドッグ(230)が前記透視窓(211)を通して外部に露出されるときにのみ感知することを特徴とする。
【0018】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記接触部(222)は、弾性材質からなり、円錐状であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記パウチ型セル(S)の側面に向けて前記収容部(210)を前進または後進させる駆動部(300)をさらに含み、前記駆動部(300)は、垂直に位置し、前記測定部材(200)と締結される第1固定バー(310)と、前記第1固定バー(310)の一側と締結され、前記測定部材(200)に平行に位置する第2固定バー(320)と、前記第2固定バー(320)の移動経路を提供するガイドレール(330)と、設定の距離だけ前記第2固定バー(320)を直線方向に往復させる線形運動部材(340)と、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記収容部(210)は、前記パウチ型セル(S)の全幅方向に沿って一定の間隔で離隔した複数個からなり、前記第1固定バー(310)は前記複数の収容部(210)と締結されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記パウチ型セル(S)の全幅方向に沿って、下部縁、上部縁、及び下部縁と上部縁との間に前記収容部(210)がそれぞれ位置することを特徴とする。
【0022】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記パウチ型セル(S)の全長方向に沿って、一側縁、他側縁、及び一側縁と他側縁との間に前記収容部(210)がそれぞれ位置することを特徴とする。
【0023】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置において、前記測定部材(200)は、内部が空いている収容部(210)と、前記収容部(210)に収納される第2センシング部(260)と、を含み、前記第2センシング部(260)は、パウチ型セル(S)との距離を非接触式で測定することができる第2センサー(261)を備えていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査方法は、パウチ型セル(S)を垂直に位置させる第1段階と、前記パウチ型セル(S)の側面に位置する測定部材(200)を使用して前記パウチ型セル(S)の平坦度から正常であるかを判断する第2段階と、を含み、前記測定部材(200)は、接触方式または非接触方式で前記パウチ型セル(S)の平坦度を測定することを特徴とする。
【0025】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査方法において、前記測定部材(200)は、透視窓(211)を備えており、内部が空いている収容部(210)と、前記収容部(210)に収納される移動バー(220)と、前記移動バー(220)に装着されたドッグ(230)と、前記収容部(210)に収納され、一端は前記収容部(210)に固定され、他端は前記移動バー(220)の一側端部と連結されたスプリング(240)と、前記収容部(210)付近に位置する第1センシング部(250)と、を含み、前記第2段階は、前記パウチ型セル(S)の側面と前記収容部(210)とを直交するように位置させた状態で、前記パウチ型セル(S)の側面に向けて所定の位置まで移動させ、前記ドッグ(230)が前記透視窓(211)を通して外部に露出されて前記第1センシング部(250)が前記ドッグ(230)を感知するときは正常と判定し、感知しないときは異常と判定することを特徴とする。
【0026】
本発明によるパウチ型セルの変形検査方法において、前記測定部材(200)は、前記パウチ型セル(S)の一側面または両側面に複数が位置することを特徴とする。
【0027】
本発明によるパウチ型セルの変形検査方法において、前記第2段階は、前記パウチ型セル(S)の全長に沿って一定の間隔だけ離隔した複数の収容部(210)を前記パウチ型セル(S)の一側面または両側面に移動させることを特徴とする。
【0028】
本発明によるパウチ型セルの変形検査方法において、前記第2段階は、前記パウチ型セル(S)の全幅に沿って一定の間隔だけ離隔した複数の収容部(210)を前記パウチ型セル(S)の一側面または両側面に移動させることを特徴とする。
【0029】
本発明によるパウチ型セルの変形検査方法において、前記第2段階で、前記ドッグ(230)が感知されないときは、アラームを発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
以上で説明したように、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いたパウチ型セルの変形検査方法によれば、パウチ型セルとの接触または非接触方式によって、パウチ型セルの変形有無が分かるという利点がある。
【0031】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いたパウチ型セルの変形検査方法によれば、パウチ型セルの一側面または両側面に移動することができるドッグ、およびドッグを感知することができるセンシング部を備えているので、パウチ型セルの変形有無が容易に分かるという利点がある。
【0032】
また、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いたパウチ型セルの変形検査方法によれば、パウチ型セルの一側面または両側面に移動することができる複数のドッグ、およびドッグを感知することができるセンシング部を備えているので、変形された位置を確認することができるという利点がある。
【0033】
さらに、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いたパウチ型セルの変形検査方法によれば、パウチ型セルの一側面または両側面に移動することができる複数のドッグをセンシングすることによって変形程度を測定することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】従来技術による電池容器の変形を検査する装置の斜視図である。
【
図2】本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置にパウチ型セルが装着された状態を示す図である。
【
図3】本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置の模式図である。
【
図4】本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置に備えられる測定部材の斜視図である。
【
図6】本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置に備えられる変形された測定部材の斜視図である。
【
図7】本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置の測定部材と駆動部との結合構造を示す斜視図である。
【
図8】本発明の好適な第2実施例によるパウチ型セル変形検査装置の模式図である。
【
図9】本発明の好適な第2実施例によるパウチ型セル変形検査装置に備えられる測定部材の斜視図である。
【
図10】本発明の好適な第1実施例による検査装置で、正常状態のパウチ型セルが装着された場合のドッグの位置を説明するための図である。
【
図11】本発明の好適な第1実施例による検査装置で、異常状態のパウチ型セルが装着された場合のドッグの位置を説明するための図である。
【
図12】本発明の好適な第2実施例による検査装置で、正常状態のパウチ型セルが装着された場合の第2センサーの位置を説明するための図である。
【
図13】本発明の好適な第2実施例による検査装置で、異常状態のパウチ型セルが装着された場合の第2センサーの位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる実施例を詳細に説明する。ただし、本発明の好適な実施例の動作原理を詳細に説明するにあたり、関連した公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにする可能性があると判定される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0036】
また、図面全般にわたって類似の機能および作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般にわたって、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0037】
以下、本発明によるパウチ型セルの変形検査装置及びこれを用いた検査方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0038】
図2は本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置にパウチ型セルが装着された状態を示す図であり、
図3は本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置の模式図であり、
図4は本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置に備えられる測定部材の斜視図であり、
図5は
図4に示す測定部材の分解斜視図である。
【0039】
図2~
図5に示すように、本発明の第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置は、台部100と、測定部材200と、駆動部300と、把持手段400と、を含む。
【0040】
まず、台部100は、プレート形状のベース110および着座部120を含むことができる。ベース110を横切るように配置された着座部120は検査すべき対象であるパウチ型セルSの正確な着座位置を知らせるためのものであり、ベース110の上面よりも少し突出した状態であることが好ましい。
【0041】
測定部材200はパウチ型セルSの一側面または両側面に位置し、パウチ型セルSの平坦度、すなわちベンディング(bending)現象が発生したかを物理的に判断するための構成である。
【0042】
このような測定部材200は、内部が空いている円筒形状の収容部210と、収容部210に収納される移動バー220と、移動バー220に装着されたドッグ230と、弾性体であるスプリング240と、収容部210付近に位置する第1センシング部250と、を含むことができる。
【0043】
まず、収容部210はドッグ230が装着された状態の移動バー220をガイドするための構成であり、収容部210の所定の領域には、ドッグ230の位置を確認することができるように、透視窓211が備えられている。
【0044】
ここで、透視窓211は、ガラスなどの透明な材質によって外部に対して遮断された場合だけでなく、単純に開放している場合も含む。
【0045】
ドッグ230が装着された状態の移動バー220は、パウチ型セルSの平坦度によって移動可能である。
【0046】
詳細には、円柱状を有する移動バー220の一側端部はスプリング240の一側と連結され、またスプリング240の他側は収容部210の一側に固定されている。
【0047】
そして、移動バー220の他端部には、収容部210の外側に突出するように位置する接触部222が備えられている。したがって、外力が作用しないときは移動バー220が動かないが、パウチ型セルSの屈曲部分、すなわち外側に曲がっている部分によって押されるときはスプリング240が位置する方向に移動し、このとき、ドッグ230も一緒に移動する。
【0048】
移動バー220は互いに分離が可能な2個からなることができ、例えば雌雄ネジ締結方式であり得るが、これに限定されず、ドッグ230が容易に着脱するように、締結部位は延長部221に備えられることが良い。
【0049】
さらに説明すると、移動バー220の所定位置、例えば互いに連結される中央付近には外径が減少したバー形状の延長部221が備えられることができ、このような延長部221にドッグ230が装着される。
【0050】
接触部222は略円錐状であることが好ましく、ゴムやシリコンのような弾性材質からなることがより好ましい。これは、パウチ型セルSが損傷されることを防止するためである。もちろん、パウチ型セルSが損傷されない構造であれば、スプリング、またはスプリングの外面をゴムが包んでいる形態などに多様に変更され得る。
【0051】
次に、ドッグ230について説明する。前述したように、ドッグ230はドーナツ形状に移動バー220の延長部221に装着されており、移動バー220の接触部222とパウチ型セルSとが接しない状態であれば透視窓211を通して露出されるように位置する。
【0052】
このようなドッグ230は第1センシング部250によって感知することができる。詳細には、第1センシング部250は収容部210と直交するように位置し、透視窓211と対面する位置には、ドッグ230を認識することができる第1センサー251を備えている。
【0053】
したがって、第1センサー251は収容部210の透視窓211を通してのみドッグ230を感知することができ、仮にドッグ230が透視窓211の左右に移動したときは感知することができない。
【0054】
例えば、ドッグ230の外側面に有色インクからなったコーティング層が形成されており、第1センサー251はドッグ230のコーティング層を感知することができるカラーセンサーであり得る。特に、ドッグ230の外側面のコーティング層を形成するインクが一定の間隔で形成された帯状であり、また色相が互いに異なる多数のコーティング層からなるときは、色相変化によってドッグ230の移動距離まで感知することが可能である。
【0055】
もちろん、ドッグ230を感知することができれば、ドッグ230および第1センサー251は前述した例に限定されない。
【0056】
活性化工程を経たパウチ型セルSは、全幅W、すなわち電極リードが備えられた面に沿ってベンディング(bending)現象が発生し得る。したがって、パウチ型セルSの全幅に沿って一定の間隔で離隔した複数の収容部210が位置することが好ましく、パウチ型セルSの下部縁、上部縁、および下部縁と上部縁との間に収容部210が位置することがより好ましい。
【0057】
前記のように収容部210が位置する場合、全幅Wの一定の領域に対してベンディング現象が発生したかを判断することができる。
【0058】
特に、前述した収容部210が、パウチ型セルSの全長Lに沿って、一側縁、他側縁、及び一側縁と他側縁との間にも位置するときには、パウチ型セルSのほぼ全領域でのベンディング現象の発生有無が分かる。
一方、測定部材200がパウチ型セルSの一側面にのみ位置するよりはパウチ型セルSの両側面に互いに対応するように備えられることがよい。これは、一部の測定部材200が正常に作動することができない場合が発生しても検査結果の正確性を高めることができるからである。
【0059】
図6は本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置に備えられる変形された測定部材の斜視図である。
図6のように変形された測定部材を使用することも可能である。
【0060】
すなわち、変形された測定部材では、最大外径が移動バー220の外径よりも小さい略円錐状を有するドッグ230が移動バー220の延長部221に備えられ、第1センシング部に装着された第1センサーは、レーザーセンサー、超音波センサー、赤外線センサーなどの近接変位センサーである。このような変形された測定部材によれば、ドッグ230が透視窓211の部分に位置するかを確認することができるだけでなく、円錐状の外形によってドッグ230の移動距離も確認することができる。
【0061】
また、
図2~
図5を参照すると、第1センシング部250には前述した第1センサー251が装着されている。ここで、すべてのドッグ230をセンシングすることができるように、収容部210の透視窓211と同数の第1センサー251を備えることが好ましく、透視窓211と同じ水平線上に位置することがより好ましい。
【0062】
たとえ図面では第1センシング部250がベース110に位置するものとして示しているが、必ずしもこれに限定されない。
【0063】
一方、把持手段400は検査すべきパウチ型セルSを移動させ、一時固定するためのものであり、パウチ型セルSに損傷を与えなければ、特に限定されず、一例としてやっとこまたは真空吸着板であり得る。
【0064】
図7は本発明の好適な第1実施例によるパウチ型セル変形検査装置の収容部と駆動部との結合構造を示す斜視図である。
【0065】
パウチ型セルSのベンディング現象を確認するためには、前述した収容部210はパウチ型セルSの側面と直交するように位置しなければならなく、ベンディング部位を確認するためには、多数の収容部210を使用することが好ましい。
【0066】
駆動部300は収容部210をパウチ型セルSの側面と直交する方向に移動させる機能とともに多数の収容部210を互いに連結するための構成である。
【0067】
詳細には、駆動部300は、収容部210と締結される第1固定バー310と、第1固定バー310の一側と締結される第2固定バー320と、第2固定バー320の移動経路を提供するガイドレール330と、線形運動部材340と、を含む。
【0068】
第1固定バー310はパウチ型セルSの全幅方向に沿って配置される多数の収容部210を固定及び支持するためのものであり、収容部210とは直交する方向に、すなわち垂直に立てられている。ここで、第1固定バー310と収容部210とを締結することができれば、締結方法や手段は特に限定されない。たとえ図面では第1固定バー310が2個であるものとして示しているが、これは一例示であるだけで、変更が可能である。
【0069】
第2固定バー320は垂直に立てられた第1固定バー310を固定及び支持するためのものであり、収容部210に平行に位置し、これらの締結方法は特に限定されない。たとえ第1固定バー310と第2固定バー320とを区分して説明したが、これらが単一体に構成されてもかまわない。
【0070】
ガイドレール330は第2固定バー320がパウチ型セルSの側面と直交する方向に正確に移動するように誘導するための構成であり、長手方向に沿って凹んでいる溝が形成され得る。
【0071】
そして、第2固定バー320の一側と連結されている線形運動部材340は第2固定バー320を直線方向に往復させるための構成であり、設定の距離だけ第2固定バー320を線形運動させることができれば、特に限定されないが、好ましくはサーボモーターまたは空圧ブシリンダーである。
【0072】
図8は本発明の好適な第2実施例によるパウチ型セル変形検査装置の模式図であり、
図9は本発明の好適な第2実施例によるパウチ型セル変形検査装置に備えられる測定部材の斜視図である。
【0073】
本発明の好適な第2実施例による検査装置は、測定部材200を除いた残りは前述した第1実施例と同様である。言い換えれば、第2実施例による測定部材は、内部が空いている収容部210と、収容部210に収納される第2センシング部260とから構成される。ここで、第2センシング部260には、パウチ型セルSとの距離を非接触式で測定することができる第2センサー261、例えばレーザーセンサー、超音波センサー、赤外線センサーなどの近接変位センサーが備えられている。
【0074】
次に、前述した本発明の好適な第1実施例による検査装置を使用してパウチ型セルの変形有無を検査する方法について説明する。
【0075】
図10は本発明の好適な第1実施例による検査装置で、正常状態のパウチ型セルが装着された場合のドッグの位置を説明するための図であり、
図11は本発明の好適な第1実施例による検査装置で、異常状態のパウチ型セルが装着された場合のドッグの位置を説明するための図である。
【0076】
これらの図を参照しながら説明すると、本発明によるパウチ型セルSの変形有無を検査する方法は、パウチ型セルSを垂直に位置させる第1段階と、パウチ型セルSの側面に位置する測定部材200を使用してパウチ型セルSの平坦度から正常であるかを判断する第2段階と、を含む。
【0077】
まず、第1段階では、把持手段400を使用して地面またはベースに対してパウチ型セルSを垂直に位置させた後、固定する。もちろん、電極リードがベースにぶつからないようにパウチ型セルSの全長とベースとは平行な状態である。
【0078】
第2段階では、収容部210をパウチ型セルSの側面と直交するように位置させた状態で、パウチ型セルSの側面に向けて所定の位置まで、より詳細には、パウチ型セルSと密着するかまたは近接するまで移動させる。この際、測定部材200とパウチ型セルSとの間の離隔距離は事前に測定しておかなければならないというのは明らかである。
【0079】
線形運動部材340は、パウチ型セルSの全長及び全幅に沿って一定の間隔で離隔した複数の収容部210をパウチ型セルSの一側面に向けて移動させることが好ましく、パウチ型セルSの両側面に移動させることがより好ましく、すべての収容部210を同じ距離だけ移動させることが最も好ましい。
【0080】
パウチ型セルSが正常であるかはドッグ230の位置から判断する。
図10のように、パウチ型セルSが正常、すなわちベンディング現象がない場合であれば、パウチ型セルSの両側から移動した収容部210の接触部222はパウチ型セルSの側面と単純に接触するかまたは非常に近接した程度であるので、すべてのドッグ230は透視窓211を通して露出されることにより、第1センサー251が感知することができる。
【0081】
一方、
図11のように、パウチ型セルSが異常、すなわち一部の位置にベンディング現象が発生した場合であれば、パウチ型セルSの両側から移動した収容部210の接触部222の一部は所定の位置まで移動することができない。
【0082】
言い換えれば、収容部210が近付く方向に曲がった部分は収容部210に収納された接触部222を押圧するから、当該ドッグ230は透視窓211に位置することができなくて第1センサー251が感知することができないか、または透視窓211に位置しても設定の範囲以上にドッグ230が移動することにより、ドッグ230の一部のみが位置することになる。
【0083】
前記のように、すべてのドッグ230が感知されるときは当該パウチ型セルSはベンディング現象がない正常と判定し、感知されなかったドッグ230があるかまたは感知されても所定の範囲以上にドッグ230が移動したときは異常と判定する。
【0084】
パウチ型セルSが異常と判定されるときは、作業者が容易に認識することができるように、音などのアラームを発生させる段階をさらに含むことが好ましい。
【0085】
一方、
図6に示す構成を有する円錐状のドッグ230を備えた測定部材200を使用するときは、ドッグ230と第1センサー251との距離の測定によってパウチ型セルSの良否を判断することができる。
【0086】
図12は本発明の好適な第2実施例による検査装置で、正常状態のパウチ型セルが装着された場合の第2センサーの位置を説明するための図であり、
図13は本発明の好適な第2実施例による検査装置で、異常状態のパウチ型セルが装着された場合の第2センサーの位置を説明するための図である。
【0087】
第2実施例による検査装置を使用するときは、第2センサー261がパウチ型セルSから一定の距離だけ離隔した状態を維持するように位置させた後、パウチ型セルSと第2センサー261との距離を測定する。測定したすべての結果が設定の範囲内であると正常と判断し、一つ以上の結果が設定の範囲を外れると不良と判断する。
【0088】
第2実施例による検査装置は、第1実施例による検査装置と比較すると、パウチ型セルSと密着するかまたは近接するまで移動させなくても良いという利点がある。
【0089】
これまで本発明について具体的な実施例を参照しながら説明した。しかし、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形をなすことが可能であろう。
【符号の説明】
【0090】
100 台部
110 ベース
120 着座部
200 測定部材
210 収容部
211 透視窓
220 移動バー
221 延長部
222 接触部
230 ドッグ
240 スプリング
250 第1センシング部
251 第1センサー
260 第2センシング部
261 第2センサー
300 駆動部
310 第1固定バー
320 第2固定バー
330 ガイドレール
340 線形運動部材
400 把持手段
S パウチ型セル
L 全長
W 全幅
【国際調査報告】