(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】直接結合されたフレームウェハ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241128BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L25/08 C
H01L21/60 311S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539000
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 US2022082378
(87)【国際公開番号】W WO2023129901
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518065991
【氏名又は名称】アデイア セミコンダクター ボンディング テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ファウンテン ガイウス ギルマン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ギリアン
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン ジョージ カールトン
(72)【発明者】
【氏名】ミルカリミ ローラ ウィルズ
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK05
5F044LL15
5F044QQ06
(57)【要約】
結合構造がフレーム素子を含み、フレーム素子は、その厚みを貫いて形成されたキャビティを有する。フレーム素子は、第1の側で第1の素子に直接結合され、第2の側で第2の素子に直接結合されてキャビティを取り囲む。フレーム素子は、基板貫通ビア(TSV)を含むことができる。結合層には、直接結合の品質及び信頼性を高めるために冗長導電性コンタクトパッドを形成することができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク部分と、第1の結合層と、第2の結合層とを有するフレーム素子であって、前記第1の結合層が、前記バルク部分の第1の表面上に配置されて前記フレーム素子の第1の側を少なくとも部分的に定め、前記第2の結合層が、前記バルク部分の第2の表面上に配置されて前記フレーム素子の第1の側とは反対側の第2の側を少なくとも部分的に定める、前記フレーム素子を準備することと、
前記第1の結合層、前記バルク部分及び前記第2の結合層を貫通するように、前記フレーム素子を貫いて開口部を形成することと、
介在接着剤を使用せずに前記開口部を覆って前記フレーム素子の前記第1の結合層に第1の素子を直接結合することと、
介在接着剤を使用せずに前記開口部を覆って前記フレーム素子の前記第2の結合層に第2の素子を直接結合してキャビティを定めることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記開口部を形成することは、
前記第1の結合層を貫いて、前記フレーム素子の前記第1の側から前記フレーム素子の前記第2の側に向けて第1の方向にエッチングすることと、
前記バルク部分を少なくとも部分的に貫いて前記第1の方向にエッチングすることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開口部を形成することは、前記バルク部分を完全に貫いて前記第1の方向にエッチングすることを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記開口部を形成することは、前記第2の結合層を貫いて前記第1の方向にエッチングすることを含む、
請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記開口部を形成することは、前記バルク部分を部分的に貫いて、前記フレーム素子の前記第2の側から前記フレーム素子の前記第1の側に向けて第2の方向にエッチングすることをさらに含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記開口部を形成することは、前記第2の結合層を貫いて、前記フレーム素子の前記第2の側から前記フレーム素子の前記第1の側に向けて第2の方向にエッチングすることをさらに含む、
請求項2、3又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記開口部を形成する前に前記フレーム素子を支持体に取り付けることをさらに含む、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記フレームを支持体に取り付けることは、前記フレーム素子を有機接着剤で硬質基板に取り付けることを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記フレームを支持体に取り付けることは、前記フレーム素子をテープに取り付けることを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記フレームを支持体に取り付けることは、接着剤を使用せずに前記フレーム素子を硬質基板に直接結合することを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記基板は、窒化シリコンを含む無機結合層を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無機結合層は、100μJ/m
2~1000μJ/m
2の範囲内の結合エネルギーを有する、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記無機結合層は、加熱時に結合強度を弱める揮発性成分を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記フレーム素子の前記第1の結合層に前記第1の素子を直接結合することは、前記フレーム素子を支持体に取り付けた後に行われる、
請求項7から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記フレーム素子の前記第1の結合層に前記第1の素子を直接結合した後に、前記フレーム素子から前記支持体を取り外すことをさらに含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記フレーム素子の前記第2の結合層に前記第2の素子を直接結合することは、前記フレーム素子から前記支持体を取り外した後に行われる、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記フレーム素子の少なくとも一部を前記キャビティまで貫いて通気口を形成することをさらに含む、
請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記フレーム素子の前記第1の結合層に前記第1の素子を直接結合した後に前記通気口を形成することをさらに含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フレーム素子の前記第1の結合層に前記第1の素子を直接結合することは、接着剤を使用せずに前記第1の素子の導電性コンタクトフィーチャを前記フレーム素子の対応する導電性コンタクトフィーチャに直接結合することを含む、
請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記フレーム素子の前記第2の結合層に前記第2の素子を直接結合することは、接着剤を使用せずに前記第2の素子の導電性コンタクトフィーチャを前記フレーム素子の対応する導電性コンタクトフィーチャに直接結合することを含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記フレーム素子の前記第1の結合層に前記第1の素子を直接結合することは、前記第1の素子の非導電性結合層を前記フレーム素子の非導電性結合層に直接結合することを含む、
請求項19又は20記載の方法。
【請求項22】
前記フレーム素子を貫いて導電性基板貫通ビア(TSV)を設けることをさらに含み、前記TSVは、銅、ニッケル、タングステン、アルミニウム、又はポリシリコンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項19及び20に記載の方法。
【請求項23】
前記導電性コンタクトフィーチャは、前記TSVと同じ材料を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記導電性コンタクトフィーチャは、前記TSVとは異なる材料を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記TSVの幅が前記導電性コンタクトフィーチャの幅よりも大きい、
請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記TSVの幅が前記導電性コンタクトフィーチャの幅よりも小さい、
請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の側において、前記フレーム素子の前記TSVに複数の導電性コンタクトフィーチャが接続する、
請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の側及び前記第2の側において、前記フレーム素子の前記TSVに複数の導電性コンタクトフィーチャが接続する、
請求項22に記載の方法。
【請求項29】
前記導電性コンタクトフィーチャと前記TSVとの間に再配線層(RDL)導電性トレースが配置される、
請求項22に記載の方法。
【請求項30】
フレーム素子であって、
前記フレーム素子の第1の側から前記第1の側とは反対側の第2の側に延びる開口部と、
バルク部分と、
前記バルク部分の第1の表面上に配置されて前記フレーム素子の前記第1の側を少なくとも部分的に定める第1の結合層と、
前記バルク部分の第2の表面上に配置されて前記フレーム素子の前記第1の側とは反対側の前記第2の側を少なくとも部分的に定める第2の結合層と、
を含み、
前記開口部は、前記第1の結合層、前記バルク部分及び前記第2の結合層を貫通し、
前記バルク部分は、前記開口部の第1の側壁を含み、前記第1の側壁は、前記フレーム素子の前記第1の側から前記フレームの前記第2の側に向かう第1の方向の第1のエッチングプロセスを示す第1のエッチングシグネチャを含み、
前記第1の結合層は、前記開口部の第2の側壁を含み、前記第2の側壁は、前記第1の方向の第2のエッチングプロセスを示す第2のエッチングシグネチャを含む、
フレーム素子。
【請求項31】
前記第2の結合層は、前記開口部の第3の側壁を含み、前記第3の側壁は、前記第1の方向の第3のエッチングプロセスを示す第3のエッチングシグネチャを含む、
請求項30に記載のフレーム素子。
【請求項32】
前記第2の側壁及び前記第3の側壁は、同じ配向でテーパ付けされる、
請求項31に記載のフレーム素子。
【請求項33】
前記第2の側壁及び前記第3の側壁は、前記第1の方向に沿って内向きにテーパ付けされる、
請求項32に記載のフレーム素子。
【請求項34】
前記第2の側壁及び前記第3の側壁は、前記第1の方向に沿って外向きにテーパ付けされる、
請求項32に記載のフレーム素子。
【請求項35】
前記第2の結合層は、前記開口部の第3の側壁を含み、前記第3の側壁は、前記フレーム素子の前記第2の側から前記フレームの前記第1の側に向かう第2の方向の第3のエッチングプロセスを示す第3のエッチングシグネチャを含む、
請求項30に記載のフレーム素子。
【請求項36】
前記バルク部分は、前記開口部の第4の側壁を含み、前記第4の側壁は、前記第2の方向の第4のエッチングプロセスを示す第4のエッチングシグネチャを含む、
請求項35に記載のフレーム素子。
【請求項37】
前記第1の側壁及び前記第4の側壁は接合部において接続する、
請求項36に記載のフレーム素子。
【請求項38】
前記接合部は、前記第1の側壁及び前記第4の側壁のそれぞれの表面に対して半径方向内向きに突出する、
請求項37に記載のフレーム素子。
【請求項39】
前記第2の側壁及び前記第3の側壁は、逆配向でテーパ付けされる、
請求項35から38のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項40】
前記第2の側壁及び前記第3の側壁は、前記第1の方向を横切る第3の方向において横方向に位置ずれしている、
請求項30及び35から39のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項41】
前記第1のエッチングシグネチャ、前記第2のエッチングシグネチャ、前記第3のエッチングシグネチャ及び前記第4のエッチングシグネチャのうちのいずれかは、対応する前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記第3の側壁及び前記第4の側壁にそれぞれのストリエーションを含む、
請求項30から40のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項42】
前記第1のエッチングシグネチャ、前記第2のエッチングシグネチャ、前記第3のエッチングシグネチャ及び前記第4のエッチングシグネチャのうちのいずれかは、対応する前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記第3の側壁及び前記第4の側壁にそれぞれのテーパ角を含む、
請求項30から41のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項43】
前記バルク部分は半導体材料を含む、
請求項30から42のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項44】
前記半導体部分はシリコンを含む、
請求項43に記載のフレーム素子。
【請求項45】
前記第1の結合層は、第1の非導電性結合層を含み、前記第1の非導電性結合層は、前記第1の非導電性結合層に少なくとも部分的に埋め込まれた第1の導電性コンタクトフィーチャを有する、
請求項30から44のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項46】
前記第2の結合層は、第2の非導電性結合層を含み、前記第2の非導電性結合層は、前記第2の非導電性結合層に少なくとも部分的に埋め込まれた第2の導電性コンタクトフィーチャを有する、
請求項45に記載のフレーム素子。
【請求項47】
前記フレーム素子を貫通する導電性基板貫通ビア(TSV)をさらに含み、前記TSVは、前記第1の導電性コンタクトフィーチャ及び前記第2の導電性コンタクトフィーチャを含み、又は前記第1の導電性コンタクトフィーチャ及び前記第2の導電性コンタクトフィーチャに接続される、
請求項45又は46に記載のフレーム素子。
【請求項48】
前記TSVは、銅、ニッケル、タングステン、アルミニウム、又はポリシリコンのうちの少なくとも1つを含む、
請求項47に記載のフレーム素子。
【請求項49】
前記導電性コンタクトフィーチャは、前記TSVと同じ材料を含む、
請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
前記導電性コンタクトフィーチャは、前記TSVとは異なる材料を含む、
請求項47又は48に記載の方法。
【請求項51】
前記TSVの幅が前記導電性コンタクトフィーチャの幅よりも大きい、
請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記TSVの幅が前記導電性コンタクトフィーチャの幅よりも小さい、
請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の側において、前記フレーム素子の前記TSVに複数の導電性コンタクトフィーチャが接続する、
請求項47に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の側及び前記第2の側において、前記フレーム素子の前記TSVに複数の導電性コンタクトフィーチャが接続する、
請求項47に記載の方法。
【請求項55】
前記導電性コンタクトフィーチャと前記TSVとの間に再配線層(RDL)導電性トレースが配置される、
請求項47に記載の方法。
【請求項56】
前記第1の非導電性結合層及び前記第2の非導電性結合層の少なくとも一方が酸化シリコンを含む、
請求項30から47のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項57】
前記第1の結合層及び前記第2の結合層は研磨される、
請求項30から56のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【請求項58】
請求項30から57のいずれか1項に記載のフレーム素子を含む結合構造であって、前記結合構造は、介在接着剤を使用せずに前記フレーム素子の前記第1の側に直接結合された第1の素子と、介在接着剤を使用せずに前記フレーム素子の前記第2の側に直接結合された第2の素子とを含み、前記結合構造は、前記開口部によって少なくとも部分的に定められるキャビティを含む、
結合構造。
【請求項59】
前記フレーム素子の前記第1の導電性コンタクトフィーチャに、接着剤を使用せずに前記第1の素子の第3の導電性コンタクトフィーチャが直接結合される、
請求項58に記載の結合構造。
【請求項60】
前記フレーム素子の前記第2の導電性コンタクトフィーチャに前記第2の素子の第4の導電性コンタクトフィーチャが直接結合される、
請求項59に記載の結合構造。
【請求項61】
前記フレーム素子の前記第1の非導電性結合層は、前記第1の素子の第3の非導電性結合層に直接結合される、
請求項58から60のいずれか1項に記載の結合構造。
【請求項62】
前記フレーム素子の前記第2の非導電性結合層は、前記第2の素子の第4の非導電性結合層に直接結合される、
請求項61に記載の結合構造。
【請求項63】
前記第1の素子及び前記第2の素子の少なくとも一方に取り付けられた、又は前記第1の素子及び前記第2の素子の少なくとも一方と共に形成された1又は2以上のデバイスをさらに含み、前記1又は2以上のデバイスは前記キャビティ内に延び、又は前記キャビティに露出される、
請求項58から62のいずれか1項に記載の結合構造。
【請求項64】
前記1又は2以上のデバイスは集積デバイスダイを含む、
請求項63に記載の結合構造。
【請求項65】
前記キャビティから外部環境に延びる通気口をさらに含む、
請求項58から64のいずれか1項に記載の結合構造。
【請求項66】
前記開口部の幅が0.5mm~30mmの範囲内である、
請求項30から65のいずれか1項に記載のフレーム素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本特許出願は、2021年12月27日に出願された米国仮特許出願第63/294,031号の利益を主張するものであり、この文献の内容はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本分野は、直接結合されたフレームウェハに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの電子デバイスは、流体又は気体で満たされたキャビティを含む。例えば、いくつかの用途では、ダイをオーバーモールドするのとは対照的に、空気で満たされたキャビティ内に集積デバイスダイを提供することが、熱誘起応力の回避又はその他の検討事項のために有益であることができる。別の例として、マイク又はガスセンサなどの用途では、一部の微小電子機械システム(MEMS)デバイスがキャビティを含む。他の多くのタイプのデバイスは、空気で満たされたキャビティを利用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、キャビティを有する電子デバイスに対する需要が依然として存在する。
【0005】
以下、限定ではなく一例として示す下記図面を参照しながら具体的な実装について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図2】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図3】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図4A】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図4B】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図5】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図6】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図7】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム素子(例えば、フレーム半導体素子)を含む結合構造を形成するプロセスの第1の実施形態を示す概略的断面図である。
【
図8】
図2及び
図3の代替プロセスステップの概略的断面図である。
【
図9】
図2及び
図3の代替プロセスステップの概略的断面図である。
【
図11】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図12】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図13】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図14A】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図14B】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図15】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図16】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図17】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き素子を含む結合構造を形成する第2の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図31】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第3の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図32】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第3の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図33】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第3の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図34】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第3の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図35】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第3の実施形態のプロセスを示す別の概略的断面図である。
【
図36】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第4の実施形態のプロセスを示すさらに別の概略的断面図である。
【
図37】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第4の実施形態のプロセスを示すさらに別の概略的断面図である。
【
図38】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第4の実施形態のプロセスを示すさらに別の概略的断面図である。
【
図39】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第4の実施形態のプロセスを示すさらに別の概略的断面図である。
【
図40】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第4の実施形態のプロセスを示すさらに別の概略的断面図である。
【
図41】第1の半導体素子と第2の半導体素子との間に積層されたフレーム付き半導体素子を含む結合構造を形成する第4の実施形態のプロセスを示すさらに別の概略的断面図である。
【
図42】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図43】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図44】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図45】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図46】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図47】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図48】基板貫通ビア(TSV)に接続される導電性コンタクトパッドの様々なタイプの構造を示す断面図である。
【
図49】第1の素子及び第2の素子に直接結合された冗長コンタクトパッドを有するフレーム素子を含む結合構造を示す断面図である。
【
図50】第1の素子及び第2の素子に直接結合された冗長コンタクトパッドを有するフレーム素子を含む別の結合構造を示す断面図である。
【
図51】互いに直接結合されるように構成された2つのマイクロエレクトロニクス素子の概略的断面図である。
【
図52】互いに結合された
図51の2つのマイクロエレクトロニクス素子を含む結合構造の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
産業界がより高速なデバイス及び演算の方向に進むにつれ、継続的なフットプリントサイズの縮小、及び垂直に積層されるダイ間の効率的な相互接続が必要とされている。多機能モジュールの高度パッケージングでは、デバイスが垂直に積層される。例えば、シリコンインターポーザ(silicon interposer)は、横並びのダイ間及び積層素子又はデバイス間に連通をもたらす効果的な方法である。それにもかかわらず、複数のデバイス又はモジュールの統合を改善する構造が継続的に必要とされている。従って、様々な実施形態では、積層ウェハ又はインターポーザ間に相互接続部(interconnect)付きのフレームウェハ又はフレームインターポーザを提供することができる。フレームウェハは、マルチレベルウェハ及び電子デバイスの効率的な統合を可能にすることができる。本明細書に開示するフレームウェハは、電子デバイス内に効果的にキャビティを形成することができる。キャビティ(例えば、気体又は液体で満たされたキャビティなどの、流体で満たされたキャビティ)を有する電子デバイスは、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、センサ(例えば、気体センサ、圧力トランスデューサ、生物学的センサなど)、微小流体デバイス、マイクロフォンパッケージ、スピーカ装置、流体冷却装置、又は流体で満たされたキャビティを使用する他のいずれかの好適なデバイスなどの多くのタイプの用途で使用することができる。
【0008】
本明細書に開示する様々な実施形態は、フレームウェハなどのフレーム半導体素子と、フレーム素子の第1の側に直接結合された第1の半導体素子と、フレーム素子の第1の側とは反対側の第2の側に直接結合された第2の半導体素子とを含むことができる結合構造に関する。フレーム素子を通じて開口部を形成し、第1及び第2の素子がフレーム素子に結合された時に、開口部が少なくとも部分的にキャビティを定めるようにすることができる。様々な実施形態では、フレーム素子が比較的薄いことができ、及び/又は開口部が大きな幅を有することができる。例えば、様々な配置では、開口部が0.5mm~30mmの範囲内の幅を有することができる。フレーム素子の穴が大きく及び/又は厚みが小さいと、フレーム素子の操作が困難になり、フレーム素子の損傷、反り又は破損が生じやすくなる恐れがある。従って、本明細書に開示する様々な実施形態は、フレーム素子を操作して他の(単複の)素子に直接結合する様々な方法及び構造を含む。フレーム素子は、無線周波数集積デバイス、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、或いはウェハ又はダイの形態の他のいずれかの好適なタイプのデバイスなどのいずれかの好適なタイプの電子デバイスの一部であることができる。
【0009】
別の実施形態では、方法が、バルク部分と、第1の結合層と、第2の結合層とを有するフレーム素子であって、第1の結合層が、バルク部分の第1の表面上に配置されてフレーム素子の第1の側を少なくとも部分的に定め、第2の結合層が、バルク部分の第2の表面上に配置されてフレーム素子の第1の側とは反対側の第2の側を少なくとも部分的に定める、フレーム素子を提供することを含むことができる。本明細書で説明するように、フレーム素子を貫いて、第1の結合層、バルク部分及び第2の結合層を貫通するように開口部を形成することができる。
【0010】
様々な実施形態では、バルク部分が、例えばシリコン、ガラス、セラミック又は他のいずれかの好適なタイプの材料などの半導体材料を含むことができる。様々な実施形態では、第1の結合層が第1の非導電又は誘電材料層を含むことができ、第1の非導電層には第1の導電性コンタクトフィーチャが少なくとも部分的に埋め込まれる。第2の結合層は、第2の非導電又は誘電材料層を含むことができ、第2の非導電層には第2の導電性コンタクトフィーチャが少なくとも部分的に埋め込まれる。導電性基板貫通ビア(TSV)がフレーム素子を貫通することができ、TSVは、(TSVの露出端部を含むことができる)第1及び第2の導電性コンタクトフィーチャを含み又は第1及び第2の導電性コンタクトフィーチャに接続される。これに加えて又はこれに代えて、導電性コンタクトフィーチャは、(単複の)結合層内に形成されて(単複の)バックエンド(back-end-of-line:BEOL)層の下部の金属化物に接続されたディスクリート金属パッド(discrete metallic pads)を含むこともできる。様々な実施形態では、第1及び第2の非導電層の少なくとも一方が酸化シリコンを含む。本明細書で説明するように、第1及び第2の結合層は直接結合のために調製することができ、例えば第1及び第2の結合層は、直接結合のために研磨して活性化させることができる。
【0011】
本明細書では、フレーム素子を使用して垂直に積層されたデバイスを形成するプロセス例を示す様々な実施形態を開示する。
図1~
図7に、一連の実施形態プロセスステップ例を断面図として示す。例えば、フレーム素子は、接着剤を介して一時的基板に取り付けることができる。最初の3ステップでは、第1の結合層を貫いてフレーム素子の第1の側からフレーム素子の第2の側に向けて第1の方向にエッチングし、第1の方向にバルク部分を完全に貫いて第1の方向にエッチングし、第2の結合層を貫いて第1の方向にエッチングすることにより、基板上のフレーム素子に開口部を形成することができる。いずれかの好適なエッチングプロセスを使用することができる。図示の実施形態では、プロセス内に示す接着剤上で停止できるドライエッチングプロセスを使用することができる。
【0012】
図1に、フレーム半導体素子110の概略的断面図を示す。フレーム素子110は、第1の表面114、及び第1の表面114の反対側の第2の表面116を有するバルク部分112と、第1の表面114上に配置された第1の結合層120と、第2の表面116上に配置された第2の結合層130とを含む。第1の結合層120は、第1の平坦化された結合面128を形成する非導電又は誘電材料層126に埋め込まれた導電性コンタクトフィーチャ124を含むことができる。同様に、第2の結合層130は、第2の平坦化された結合面138を形成する非導電性又は誘電材料層136に埋め込まれた導電性コンタクトフィーチャ134を含むことができる。第1の表面128における導電性コンタクトフィーチャ124及び第2の結合面138における導電性コンタクトフィーチャ134を含み又はこれらの導電性コンタクトフィーチャに接続する少なくとも1つの基板貫通ビア(TSV)122がフレーム素子110を貫通することができる。フレーム素子110は、例えば微小電気機械システム(MEMS)デバイス、センサ、又は流体で満たされたキャビティ(例えば、気体で満たされた又は液体で満たされたキャビティ)を利用する他のいずれかの好適なデバイスなどのデバイスを含むことができる。バルク部分112は、例えばシリコン、ガラス、セラミック、又は他のいずれかの好適なタイプの材料などの半導体材料で形成することができる。
【0013】
図2には、ハンドルウェハ(handle wafer)などの一時的支持体160に取り付けられたフレーム素子110を示す。一時的支持体160は、半導体材料、ガラス、セラミック、又は金属などの他のタイプの硬質材料で形成できる支持基板162と、支持基板162上に配置された一時的結合層164とを含む。一時的結合層164は、レーザー剥離可能な(laser de-bondable)又は低温フロー/ナイフエッジ除去可能な(low temperature flow/knife edge removable)有機又は高分子接着材料を含むことができる。フレーム素子110又はフレーム素子110に結合される素子が非常に薄くて脆弱である場合、支持体160は、フレーム素子110又は結合される素子の損傷及び/又は反りを防ぐために製造加工中に一時的支持を行う。支持体160は、様々なプロセスステップ後にフレーム素子110から除去される。
【0014】
図3には、フレーム素子110を一時的支持体160に取り付けた後に、フレーム素子110に開口部148を形成できることを示す。開口部148は、フレーム素子110の第1の側128から第1の結合層120、バルク部分112及び第2の結合層130を貫いてフレーム素子110の第2の側138及び結合層164に到達する第1の方向147にエッチングを行うことによって形成することができる。
図3では、第1の方向147への1回のエッチングステップでフレーム素子110の全ての層を貫いてエッチングすることができる。或いは、やはり第1の方向147に、異なる層を選択的にエッチングすることもできる。例えば、最初に第1の結合層120を選択的にエッチングし、次にバルク部分112をエッチングし、その後に第2の結合層130をエッチングすることができる。
【0015】
図3では、開口部148の側壁が、バルク部分112の第1の側壁142、第1の結合層120の第2の側壁144、及び第2の結合層130の第3の側壁146を含むことができる。フレーム素子110の上面図では、開口部148が、例えば丸穴などの囲まれたフィーチャ(enclosed feature)であることができる。従って、開口部又は穴148の左側の側壁142、144及び146は、開口部の右側の側壁に途切れなく接続することができる。
図3に示すように、側壁142、144及び146はほぼ垂直である。これらの側壁は、反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)法、又はほぼ垂直な側壁(又は後述するような傾斜プロファイル)を形成する他のいずれかの好適なエッチング法によってエッチングすることができる。好適なエッチング法を適用した場合、例えば第1の側壁142、第2の側壁144及び第3の側壁146はわずかにテーパ付けされ又は傾斜して、垂直な基準面との間に小角度を形成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、開口部148を形成するためにウェットエッチングプロセスを使用することができる。
図4Aに示すように、様々なタイプのウェットエッチングプロセスでは、エッチングプロセスが下向きに進むにつれ、エッチングによって側壁を内向きにテーパ付けすることができる。従って、このようなウェットエッチングプロセスでは、上面128における開口部の方が下面138における開口部よりも広くなることができる。他の実施形態では、
図4Bに示すようにドライエッチングプロセスを使用することができる。
図4Bのドライエッチングプロセスに示すように、このような実施形態では側壁の傾斜を逆にすることができる。ドライエッチングプロセスでは、エッチングプロセスが下向きに進むにつれて側壁が外向きにテーパ付けされ、形成された開口部148は、上面128では小さく、下面138では広がることができる。なお、本明細書に開示する構造は、いずれもウェットエッチングプロセス又はドライエッチングプロセスによって形成することができ、構造の側壁はこれに応じて形成されると理解されたい。例えば、側壁は、ほぼ垂直であることも、(例えば、様々なウェットエッチング技術を使用して)内向きに傾斜して開口部の上面の方が底面より大きくなることも、或いは(例えば、様々なドライエッチング技術を使用して)外向きに傾斜して開口部の底面の方が上面より大きくなることもできる。
図4A~
図4Bに開示するエッチングプロセスは、本明細書に開示する他のいずれかの実施形態と組み合わせて使用することができる。
【0017】
図3、
図4A及び
図4Bに示す側壁142、144及び146の各々は、エッチング方向、エッチング法及びエッチングされる層の材料を含むエッチング条件に関連するエッチングシグネチャ(etching signature)を含むことができる。例えば、第1の側壁142は、対応するほぼ垂直の又はわずかにテーパ付けされた側壁プロファイルを形成するエッチング法によるバルク部分112における第1の方向147のエッチングを示す第1のエッチングシグネチャを含むことができる。同様に、第2の側壁144は、対応するほぼ垂直又はわずかにテーパ付けされた側壁プロファイルを形成するエッチング法による非導電層126における第1の方向147のエッチングを示す第2のエッチングシグネチャを含むことができる。第3の側壁144は、対応するほぼ垂直又はわずかにテーパ付けされた側壁プロファイルを形成するエッチング法による非導電層136における第1の方向147のエッチングを示す第3のエッチングシグネチャを含むことができる。層126で使用される非導電性結合層が層136のものと同じであり、同じエッチング法が適用される場合、これらの層は
図3、
図4A及び
図4Bに示すように同じエッチング方向を共有するので、第2のエッチングシグネチャは第3のエッチングシグネチャと実質的に同じであり又は非常に類似することができる。
【0018】
図5に示すように、フレーム素子110の第1の結合層120には、介在接着剤を使用せずに開口部148を覆ってウェハ又はダイなどの第1の半導体素子170を直接結合することができる。直接結合のプロセスステップ中には、第1の素子170の導電性コンタクトフィーチャ又はコンタクトパッド174をフレーム素子110の導電性コンタクトフィーチャ124に直接結合することができる。第1の素子170の非導電性結合層172は、フレーム素子110の非導電層126に直接結合することができる。或いは、一方の素子の非導電性フィーチャの一部を他方の素子の導電性フィーチャの一部に結合することもできる。第1の素子170は、集積回路を有するデバイス層176を含むことができる。
【0019】
図6では、フレーム素子110から一時的支持体160を除去して、フレーム素子110に形成された開口部148を下側から露出させる。上述したように、支持体160の一時的結合層164は有機又は高分子接着材料で形成されており、例えばレーザー、流体又は機械的技術を使用することによるいずれかの好適な方法で剥離又は除去することができる。支持体160の除去後には、フレーム素子110の第2の結合層130が再び直接結合できる状態になるように、タッチアップ化学機械研磨(touch-up chemical mechanical polish:CMP)を適用して第2の結合面138から接着剤屑(adhesive debris)を除去し、第2の結合面138のトポグラフィを復元することができる。
【0020】
図7では、開口部148が内部キャビティ148として封入されるように、介在接着剤を使用せずに開口部148を覆ってウェハ又はダイなどの第2の素子180をフレーム素子110の第2の結合層130に直接結合することができる。このようにして結合構造1が形成される。第1の素子170の場合と同様に、第2の素子180の導電性コンタクトフィーチャ又はコンタクトパッド182もフレーム素子110の導電性コンタクトフィーチャ134に直接結合することができる。第2の素子180の非導電性結合層182は、フレーム素子110の非導電層136に直接結合することができる。第2の素子180は、集積回路などの埋め込み金属化層が内部に形成されたデバイス層186を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図7の結合構造1において積層されたフレーム素子110が少なくとも1つのキャビティ148を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図7の結合構造1におけるフレーム素子110が複数のキャビティ148を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図7の結合構造1が、フレーム素子110の一方の側に結合された少なくとも1つの素子を含み、フレーム素子110の他方側で開口部148が露出したままにしておくことができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の素子の少なくとも一方に1又は2以上のデバイスを取り付け、又は第1及び第2の素子の少なくとも一方と共に1又は2以上のデバイスを形成することができる。1又は2以上のデバイスは、キャビティ148内に延び又はキャビティ148に露出することができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上のデバイスが集積デバイスダイを含むことができる。
【0021】
図8~
図10に、
図1~
図4に示すプロセスステップの代替実施形態を示す。
図8に示すように、
図1のプロセスステップ後であって一時的支持体への結合前に、第1の誘電材料層126及び第2の誘電材料層136をエッチングして対応するキャビティ157及び159を形成することができる。第1の誘電材料層126は、第1の方向147にエッチングされて、第2の側壁144によって取り囲まれたキャビティ157を形成する。第2の誘電材料層136は、第2の方向149にエッチングされて、第3の側壁146によって取り囲まれたキャビティ159を形成する。
図9では、
図2に図示し説明した方法と同様の方法でフレーム素子110に一時的支持体160を結合することができる。その後、
図10Aに示すように、フレーム素子110のバルク部分112を第1の方向147にエッチングして第1の側壁142を形成する。例えば、ウェットエッチング法を適用してわずかにテーパ付けされた側壁をもたらす場合には、第1の方向147にエッチングが進むにつれて第1の側壁142及び第2の側壁144を内向きにテーパ付けすることができる。147及び149ではエッチング方向が異なるので、第3の側壁146は、第1の側壁142及び第2の側壁144と比べて逆の角度を有することができる。他の実施形態では、例えば
図10Bに示すようにドライエッチング法を適用する場合、側壁を結合層120の上面128から下方に向かって外向きにテーパ付けすることができる。このように、側壁144及び142のテーパ付けによって開口部148の底部よりも上部の方を小さくすることができる。第3の側壁146は、開口部150の上部の方が底部よりもわずかに大きな逆のテーパを有することができる。
【0022】
エッチングが逆方向に行われるので、第1の側壁142と第3の側壁146との間にはわずかな位置ずれが存在することができる。
図10A及び
図10Bに示すように、この第1の側壁142と第3の側壁146との間の位置ずれは横方向の位置ずれであり、例えば第1の方向147及び第2の方向149に対してほぼ垂直な第3の方向151への位置ずれである。第1及び第2の非導電層126、136は逆方向にエッチングされるので、層126、136は別々にマスキングしてパターン化することができる。フレーム素子110の両側のマスキング及びパターニングを正確に調整することは困難な場合がある。従って、エッチングプロセスでは、第3の方向151に沿って横方向にも位置ずれした第2の側壁144及び第3の側壁146が形成されることがある。この位置ずれは、第1の側壁142を形成するためのバルク部分112のマスキング及びパターニングによって維持され、バルク部分112と第2の非導電層136との間の界面に、第3の方向151における第1の側壁142と第3の側壁146との間の位置ずれとして示される。
【0023】
また、
図10A及び
図10Bにおける第3の側壁146は第2の方向149にエッチングすることができ、
図3、
図4A及び
図4Bにおける第3の側壁146は第2の方向149とは反対の第1の方向147にエッチングすることができるので、
図10A及び
図10Bにおける第3の側壁146のエッチングシグネチャは、
図3、
図4A又は
図4Bにおける同じ側壁のエッチングシグネチャとは異なることができる。或いは、異なるエッチング法によるいくつかの実施形態では、第3の側壁146及び第1の側壁142を、例えば第2の方向149に広い状態から狭い状態へと同じ配向でテーパ付けすることができる。いくつかの実施形態では、材料の相違に起因して、バルク部分112の第1の側壁142のテーパ角が、非導電層126の第2の側壁144及び非導電層136の第3の側壁146のテーパ角と異なることもある。他の実施形態では、第1の側壁142を異なる角度でテーパ付けすることができ、実質的に直線状とすることができ、或いは第2の側壁144及び/又は第3の側壁146と実質的に同じ角度でテーパ付けすることができる。様々な実施形態では、本明細書に開示するエッチングシグネチャのいずれかが、対応する側壁にそれぞれのストリエーション(striations)を含み、及び/又は対応する側壁にそれぞれのテーパ角を含むことができる。しかしながら、テーパ角又は配向は、使用する特定のエッチングプロセスに応じて変化することができると理解されたい。
【0024】
図1~
図10に示すプロセスステップに開示する、フレーム素子110が他の2つの素子間に積層された結合構造1を形成するための一時的支持体160には、薄くて脆弱なフレーム素子110を物理的に支持するという利点がある。このようにして、素子110の損傷及び/又は歪みを防ぐことができる。しかしながら、一時的結合には有機接着剤層164が使用されるため、フレーム素子110の第2の結合面138に残存する接着剤屑がフレーム素子110と第2の素子180との間の接着に影響を及ぼす可能性がある。また、一時的支持体160を除去するための剥離又は除去プロセスが第2の結合面138に損傷を与える恐れもある。従って、接着剤屑を除去するとともに、フレーム素子110の第2の結合層130を再び直接結合できる状態になるように復元するために、タッチアップ化学機械研磨(CMP)を適用することができる。
【0025】
図11~
図17に、フレーム付き素子内にキャビティを含む結合構造を形成するための別の一連の実施形態プロセスステップ例を示す。
図1~
図10に示すプロセスステップと区別するために、これらの新たな一連の実施形態ステップ例は、フレーム素子と第1の素子との間の直接結合のための一時的支持体を含んでいない。
図11に概略的断面図として示すように、このプロセス例は、
図1に示すフレーム素子110と同様にフレーム素子210から開始する。
図1のフレーム素子110と比較すると、
図11のフレーム素子210は実質的に同じ構造を有しており、参照数字を100だけ増分している。従って、
図11における同様の参照数字は、
図1における同一の又は機能的に同様の構造要素を示す。例えば、
図11では、フレーム素子210が、
図1の半導体フレーム素子110の実質的に同様の素子112、120及び130に匹敵するバルク部分212、第1の結合層220、及び第2の結合層230を含む。
【0026】
図12では、一時的支持体に結合する代わりに、第1の結合面228からフレーム素子210内に向けて第1の結合面228に概ね垂直な第1の方向247に開口部248を部分的にエッチングして部分的深さの開口部248aを形成することができる。例えば、第1の非導電層226及びバルク部分212の一部を第1の方向247にエッチングすることができる。従って、非導電層226に第2の側壁244を形成し、部分的にエッチングされたバルク部分212に第1の側壁242を形成することができる。部分的開口部248aはフレーム素子210の厚みを部分的にしか貫通していないので、フレーム素子の下部は一体部品であって開口部を含んでいない。従って、フレーム素子210は、さらに加工できるほど十分な強度の構造を有することができる。
図13に示すように、部分的開口部248aを形成する部分的エッチングの後に、フレーム素子210に第1の素子270を直接結合することができる。この結合プロセスは、
図5に示すようなフレーム素子110と第1の素子170との間の結合と実質的に同じであることができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、フレーム素子210に、部分的開口部248aから水分などの空気揮発性物質(air volatile species)を放出するための通気路(venting path)を形成することができる。いくつかの実施形態では、フレーム素子210に第1の素子270を結合するときに、加熱アニール中の部分的開口部248a内の気圧上昇及び揮発性化学物質の放出によって、部分的開口部248aの下部のフレーム素子210の薄くなった部分が損傷を受けないように、圧力緩和のためにこのような通気路を設けることができる。
図14Aに示すように、いくつかの実施形態では、結合面228に通気溝252(vent groove)を形成して空気の流れを可能にすることができる。
図14Bには、9つの部分的深さの開口部248aを有するシンギュレーション(singulation)前のフレームウェハ210aの上面図を示す。フレームウェハ210aの上部結合面228に水平に並置された溝252は、9つの開口部248aの各々をウェハ周辺の外側に接続する。
図14Cには、同じ目的で9つの部分的深さの開口部248aを有するフレーム素子210aの別の溝252の配置を示す。
図14A~
図14Cに示すように上部結合面228に通気路を形成すると、フレーム素子を有する最終的な結合構造が他の2つの素子間に積層され直接結合されてフレーム素子の開口部を取り囲んだ場合でも、依然として開口部が通気路を通じて周囲空気に接続することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、
図15に示すように、フレーム素子210の部分的開口部248aの下方のエッチングされていない部分を貫いて通気口254を形成することができる。この事例では、(フレーム素子210の厚みを貫いて開口部248aをエッチングした後に)フレーム素子210の下面全体が別の素子に結合され、別の素子によって覆われるようになるため、最終的な結合構造には通気口254が存在しないこともある。従って、フレーム素子210、第1の素子270及び結合される第2の素子によって形成されるキャビティに気密シールを設けることができる。このような通気路は、フレーム素子210及び(単複の)積層された素子のうちの1つ又は2つ以上に設けることができる。
【0029】
本明細書に開示する、例えば
図14A~
図15の通気溝252又は
図15の通気口254などの通気路は、部分的開口部248を真空にすることが望ましい用途において、部分的開口部248から流体(例えば、水分及び/又は空気)を除去することができる。さらに、いくつかの実施形態では、第1の素子270をフレーム素子210に結合してアニール処理する際に、部分的開口部248の下部のフレーム素子210の薄くなったエッチングされていない部分の両側の圧力差がフレーム素子210に損傷を与えないように、圧力緩和のために通気溝252又は通気口254を設けることができる。
【0030】
フレーム素子210を第1の素子270に結合した後には、
図16に示すように、第2の非導電層230及びバルク部分212の残りの厚みを貫いて第2の結合面238から第1の素子270に向けて第2の方向249にフレーム素子210をエッチングすることができる。このようにして、フレーム素子210の厚み全体を貫く開口部248が形成され、第2の非導電層236に第3の側壁246が形成され、下側バルク部分212に第4の側壁245が形成される。従って、第1の結合層220は、第1の方向247へのエッチングプロセスを示すエッチングシグネチャを有する、開口部248の第2の側壁244を含むことができる。バルク部分212の上部は、第1の方向247へのエッチングプロセスを示すエッチングシグネチャを有する第1の側壁242を含むことができる。一方で、第2の結合層は、第2の方向249へのエッチングプロセスを示すエッチングシグネチャを有する、開口部248の第3の側壁246を含むことができる。バルク部分212の下部は、第2の方向249へのエッチングプロセスを示すエッチングシグネチャを有する、開口部248の第4の側壁245を含むことができる。第1の側壁242及び第4の側壁245は、バルク部分212の内部のいずれかの中間地点で接続することができる。いくつかの実施形態では、接合部に逆方向からのエッチングの位置ずれが存在することができる。この位置ずれは、第1の側壁及び第4の側壁のエッチングシグネチャの一部を形成するオフセットエッジ(offset edges)などのパターンを形成することができる。ウェットエッチングなどの様々なエッチング法を使用するいくつかの実施形態では、第1の側壁242及び第2の側壁244を第1の配向でテーパ付けし、第3の側壁246及び第4の側壁245を反対の第2の配向でテーパ付けすることができる。いくつかの実施形態では、接続点が、(例えば、逆方向のテーパに起因して)第1及び第4の側壁のそれぞれの表面に対して半径方向内向きに突出することができる。
【0031】
図17では、開口部248が内部キャビティ248として封入されるように、介在接着剤を使用せずに開口部248を覆ってフレーム素子210の第2の結合層230に第2の素子280を直接結合することができる。このようにして、第1の素子270と第2の素子280との間に直接ハイブリッド結合によって積層されたフレーム素子210を含む結合構造2が形成される。
図17の結合構造2は、
図7の結合構造1と実質的に同じであることができる。
【0032】
図18~
図21に、フレーム素子210に小さな通気口258を形成する代替実施形態を示す。
図18では、フレーム素子210に第1の素子270を結合した後の
図13に示す段階からプロセスが開始する。第2の結合層230をパターニングし、エッチングして、第2の非導電層236に小さな穴258を形成する。第2の結合層230を覆ってフォトレジスト層256を設け、これをパターニングして開口部257を形成することができ、これが
図18に示す状態である。
図19に示すように、第2の非導電層236をエッチングマスクとして使用してフレーム素子210のバルク部分212をエッチングして、バルク部分212に小さな穴259を形成することができる。バルク部分212の小さな穴259と第2の非導電層236の小さな穴258とを接続して、部分的開口部248aをフレーム素子210の下側に接続する貫通孔を形成する。
図20では、フォトレジストマスク256を使用して第2の非導電層230をエッチングして、
図18及び
図19の開口部257を拡張させた開口部257aを形成する。
図21では、部分的開口部248aがフレーム素子210の厚み全体を貫く大きな開口部248に拡大して開口部257aに接続されるように、再びフォトレジストマスク256を使用してフレーム素子210のバルク部分212をエッチングする。従って、フォトレジスト層256を除去し、フレーム素子210の第2の結合層230に第2の素子280を結合すると、
図17の結合構造2が形成される。
【0033】
図22~
図24に、一時的支持体を使用せずにフレーム素子との結合構造を形成する別の代替実施形態を示す。
図22では、フレーム素子210に、厚みの大部分を貫くが厚み全体を貫通していなくてもよい埋め込みTSV(buried TSVs)222が形成されている。第1の結合層220を第1の方向247にエッチングして、部分的深さの開口部257を形成する。その後、第1の素子270にフレーム素子210を直接結合する。
図23では、フレーム素子210の上面を薄くしてTSV222を露出させている。バルク部分212の上面に第2の結合層230を配置し、ビアの露出端部を含む導電性コンタクトフィーチャを形成する。
図24では、第2の結合層230の上面をパターン化し、フレーム素子210を第2の方向249にエッチングして開口部248を形成する。バルク部分212と第1の結合層220との間の界面には、反対方向247及び249のエッチングに起因して位置ずれシグネチャが存在することができる。この時点で、
図24の構造は
図16に示す段階にあり、第2の素子280に結合される準備が整っている。
【0034】
いくつかの実施形態では、
図1~
図10に示すプロセスステップに従って形成される結合構造1、及び
図11~
図24に示すプロセスステップに従って形成される結合構造2が、より堅牢かつ信頼性の高い直接結合を有することができる。このことを、一時的支持体を使用せずにフレーム付き素子にキャビティが存在する結合構造を形成するための
図25~
図30に示す一連の実施形態プロセスステップ例によって示す。
【0035】
図25は、
図11の状態にあるフレーム素子210から開始する。フレーム210の第1の表面214上に非導電性誘電体層226aを配置する。非導電層226a内では、各TSVの上に(基板貫通ビア(TSV)のサイズよりも大きいことができる)金属トレース224aを配置して各TSVに接続することができる。層226a~226b及びトレース224aはRDLとして機能することができる。非導電層226a上に第1の非導電層226bを配置し、非導電層226b内に導電性コンタクトパッド224bを含む導電性フィーチャを形成する。直接結合の品質及び信頼性を高めるために、複数のコンタクトパッド224bを形成して各RDL導電性トレース224aを接続し、冗長性をもたらすことができる。フレーム素子210の第2の表面216上に非導電層236aを配置する。フレーム素子210の上面と同様に、非導電層236aにも、各TSVに接続する大きなRDL導電性トレースを形成する。非導電層236a上に第2の結合層236bを配置する。図示の実施形態では、この段階で層236bが導電性コンタクトパッドを含まないことができる。
【0036】
図26では、
図12に示すプロセスと同様に、第1の結合層220を第1の方向247にパターニングしエッチングして、フレーム素子210に部分的深さの開口部248aを形成する。バルク部分212に第1の側壁242を形成する。非導電層226a及び226bに第2の側壁244を形成する。
図27では、
図13に示すプロセスと同様に、フレーム素子210に第1のフレーム素子270を直接結合する。フレーム素子210内の各TSVに接続された冗長導電パッド224bを第1の素子270内の冗長導電パッド274と結合界面において直接結合することで、例えば
図13及び
図5の直接結合などの冗長導電パッドが存在しない場合と比べてより堅牢かつ信頼性の高い直接結合が達成される。
【0037】
図28に進み、結合構造を上下に反転させ、第2の非導電層236bに導電性コンタクトパッド234bを形成する。それぞれのTSV222に接続された各RDL導電性トレース234a上に複数の導電性コンタクトパッド234bを形成することができる。
図29では、第2の非導電層236b上にフォトレジスト層237を形成してパターニングする。フレーム素子210の上部非導電層及びバルク層212を、残りの部分的厚みを貫いて第2の方向249にエッチングして、フレーム素子210の厚み全体を貫通する開口部248を形成する。このエッチングプロセスは、
図16に示すプロセスと同様である。第2の非導電層236bに第3の側壁246を形成し、部分バルク部分212に第4の側壁245を形成することができる。
図16の開口部248と同様に、
図29では、第1の非導電層226bの第2の側壁244、バルク部分212の下部の第1の側壁242、上側バルク部分212の第4の側壁245、及び第2の非導電層236bの第3の側壁246が、エッチング方向、エッチング材料及びエッチング法を含むエッチングプロセス条件を示す一意のエッチングシグネチャをそれぞれ有することができる。第1の方向247のエッチング、及び後続の第2の方向249のエッチングは、開口部248の垂直方向内側領域の接合部において接続することができる。いくつかの実施形態では、
図29に位置ずれエッジ253として示す反対方向からのエッチングの位置ずれが接合部に存在することができる。この位置ずれは、第1の側壁244及び第4の側壁245のエッチングシグネチャの一部を成すパターンを形成することができる。
図30では、フォトレジスト層237を除去し、キャビティ248が素子によって取り囲まれるように第2の結合層230において第2の素子280をフレーム素子210に直接結合する。
図27の直接結合と同様に、第2の素子280の冗長コンタクトパッド284をフレーム素子210の対応するコンタクトパッド234bに直接結合することで、結合品質及び信頼性が大幅に高まる。
【0038】
図31~
図35に、フレーム付き素子の結合構造を形成する別の一連の実施形態プロセスステップ例を示す。
図31に示すフレーム素子310は、
図1のフレーム素子110及び
図12のフレーム素子と実質的に同様又は同一の構造を含む。
図31のフレーム素子310の構造要素の参照数字は、
図11のフレーム素子210の参照数字から100だけ増分させたものである。従って、
図31のフレーム素子310には、フレーム素子110及びフレーム素子210についての説明を適用することができる。
【0039】
図32では、フレーム素子310をエッチングして、厚み全体を貫く開口部348を形成する。第1の結合層320、バルク部分312及び第2の結合層330という層毎に選択的エッチングを実行することができる。他の実施形態では、1ステップで全ての層をエッチングするエッチング法を使用することができる。
図33では、
図2~
図4に示すような一時的結合支持体160を使用する代わりに、第2の結合層330に支持テープ352を適用してフレーム素子310を支持することができる。テープ352は、テープフレームと共に、又はテープフレームを伴わずに適用することができる。
【0040】
図34を参照して分かるように、
図5で説明した結合プロセスに従ってフレーム素子310に第1の素子370を直接結合する。次に、支持テープ352を剥がし又は別様に除去し、
図35に示すようにフレーム素子310の第2の結合層330に第2の素子380を結合して結合構造3を形成する。このようにして、開口部348からのキャビティ348をフレーム素子310、第1の素子370及び第2の素子380によって取り囲む。
図35の結合構造3は、
図7の結合構造1及び
図17の結合構造2と同一又は概ね同様である。
【0041】
本明細書に開示するように、開口部を含むフレーム素子の別の素子に対する良好な直接結合を達成するために、
図5に示すようにフレーム素子を一時的に硬質支持体に結合することができる。或いは、
図13に示すように、フレーム素子が直接結合プロセスを受けるのに十分な構造的強度を有することを確実にするために、フレーム素子を部分的にのみエッチングすることもできる。いくつかの実施形態では、
図34に示すように、直接結合のために、開口部を含むフレーム素子を支持するためにテープを適用することができる。しかしながら、本明細書では、直接結合を容易にするために厚み貫通開口部(through-thickness opening)を含むフレーム付き素子を支持する他の実施形態を開示する。いくつかの実施形態では、操作を容易にするために低結合チャック(low bond chuck)を使用してフレーム素子を保持する。低結合チャックは、上部保持面上に形成されて真空源に接続された微小穴(tiny holes)を有することができる。フレーム素子を低結合チャックの上部保持面上に配置すると真空源がオンになり、フレーム素子が低結合チャック上にしっかりと保持されて支持される。このように、フレーム素子を補強する際には、第1の素子に対するフレーム素子の直接結合が行われる。
【0042】
図36~
図41に、フレーム付き素子の結合構造を形成するさらに別の一連の実施形態プロセスステップ例を示す。これらのプロセスステップは、一時的直接結合のための無機結合層を有する基板を含む支持体にフレーム素子を取り付ける点を除き、
図1~
図7に示すプロセスステップ例と概ね同様であることができる。
図36では、断面図におけるフレーム素子410が、参照数字を400番台に増分している点を除き、
図1に示すフレーム素子110、
図11のフレーム素子210、及び/又は
図31のフレーム素子310と実質的に同じである。従って、フレーム素子410には、フレーム素子110についての同じ構造的及び機能的説明を適用することができる。
【0043】
図37では、例えばシリコン、ガラス、セラミック又は金属などの、フレーム素子410を支持するのに十分な強度の材料(例えば、硬質)で形成された支持基板462を有してバルク部分412上に一時的結合層464を含む一時的支持体460にフレーム素子410を直接結合する。一時的結合層464は、窒化シリコン材料又は別のタイプの無機誘電材料を含むことができる。選択された誘電結合材料は、例えば100~1000μJ/m
2の範囲内の弱い結合面エネルギーを示すことができる。弱い非導電性直接結合を形成するための他の任意の材料としては、特定の条件下で揮発して結合を弱めることができる不純物含有量の高い酸化物、結合強度を低下させるために片側又は両側の結合面に適用される化学修飾物、及び比較的弱い直接結合を形成できるその他の誘電材料を挙げることができる。支持体460の結合層464は、非導電性直接結合プロセスを使用して調製し平坦化することができる。結合層464上の結合面の一部は、結合面積が減少するようにパターニングし、エッチングして凹部を形成することができる。次に、支持体460の一時的結合層464をフレーム素子410の第2の結合層430に直接結合してアニール処理する。窒化シリコンなどの弱い結合誘電材料は、結合面積の減少と相まって、結合界面での結合強度を比較的弱めて剥離しやすくする。
【0044】
図38では、
図3、
図4A及び
図4Bに示すフレーム素子110についての実質的に同様のプロセスステップに従って、一時的支持体460によって補強したフレーム素子を、厚み全体を貫く開口部448を形成するようにパターニングしてエッチングする。
図39では、
図5に関して説明したプロセスに従ってフレーム素子410を第1の素子470に直接結合する。第1の素子470は、内部に埋め込まれた金属化層を含むことができるデバイス層476を含むことができる。
図40に示すように、一時的支持体460は、支持体460の一時的結合層474をフレーム素子410の第2の結合層430から剥離することによって機械的に除去される。剥離ステップは、隅部又は側部から単純に支持体460を引っ張り、テープ又は真空を使用し、或いはこれらの両方の組み合わせによって実行することができる。剥離後、フレーム素子410の第2の結合面338は、再び直接結合のために調製されるように、湿式洗浄され、或いはタッチ化学機械研磨(CMP)によって調製されることができる。
【0045】
図41では、フレーム素子410の第2の結合層430に第2の素子480を結合して、中間にキャビティ348が取り囲まれた結合構造4を形成する。
図41の結合構造4は、
図7の結合構造1、
図17の結合構造2、及び/又は
図35の結合構造3と同様又は同一であることができる。これらの図示の結合構造間には、結合構造を形成するために使用する異なるプロセスに起因して様々な相違が生じることもある。
【0046】
なお、最初の一連のプロセスステップにおける一時的支持体160、上述した最後のプロセスステップにおける一時的支持体460及びテープ352を含む一時的支持体を使用する場合には、剥離又はテープ除去後に、例えば窒化シリコンなどの、残存する有機材料や無機材料のデブリを除去するために、フレーム素子内のキャビティを化学的に洗浄することができる。デブリの選択的化学洗浄は、誘電材料層及び導電性コンタクトパッドのトポグラフィを悪い方向に変化させないことができる。さらに、タッチアップ化学機械研磨(CMP)を使用してデブリを除去し、テープ、一時的結合材料又は窒化シリコンに結合されたフレームウェハのトポグラフィを復元することもできる。
【0047】
上記で開示した異なるプロセスは、フレーム素子内のTSV及び結合層内のコンタクトパッドの異なる配置を含む。例えば、
図25~
図30には冗長コンタクトパッドを示している。結合層に埋め込まれるコンタクトパッドは、例えば銅、ニッケル又はアルミニウムなどの金属などのいずれかの好適な導電材料で形成することができる。TSVの材料選択は、コンタクトパッドを形成する方法の選択に影響を与えることができる。
図42~
図48に、様々なコンタクトパッド及びTSVの実装のためのいくつかの実施形態例を示す。
【0048】
図42~
図45の各々は、互いに直接結合されるように調製されたフレーム素子520、540、560又は580の上方のデバイス素子510の断面図である。図のデバイス素子510は、本明細書で説明したものと同じ基板部分及び結合層構造を有する。フレーム素子520、540、560及び580は、TSV及びコンタクトパッドを除き、同じバルク部分及び結合層構造を共有することができる。従って、
図42の結合層を含む基本的素子構造についての説明は、
図43~
図45にも適用することができる。
【0049】
図42には、直接結合前の半導体素子521の下方に空間で分離されたフレーム素子520を示しており、例えばフレーム素子520及び半導体素子510は、直接結合される準備が整った状態にある。フレーム素子は、上側結合層526及び下側結合層522を含み、その厚みを貫いてTSV524が延びている。上側結合層526の上面は、TSVが露出するように平坦化され、直接結合のために調製されている。デバイス素子510の結合層512にはコンタクトパッド514が形成されている。コンタクトパッドの形成前には、コンタクトパッド用のキャビティの壁に薄いバリア層516を堆積させて、コンタクトパッド材料が周囲の誘電材料に拡散するのを防ぐことができる。バリア層516上には、コンタクトパッド514の電気めっきを容易にするために別の薄いシーディング層(seeding layer)を堆積させることができる。従って、
図42の事例では、フレーム素子520が半導体素子510に結合されると、フレーム素子520の上側結合層526が半導体素子510の結合層512に直接結合される。TSV524の露出面526は、コンタクトパッド514に直接結合される。様々な実施形態では、フレーム素子520のTSV及び半導体素子510のコンタクトパッド514が、銅などの同じ材料を含むことができる。
【0050】
図43では、フレーム素子540が、
図42のフレーム素子520の結合層と概ね同様であることができる上側結合層546及び下側結合層542を含む。下側結合層542の下面からは、フレーム素子520の厚みを貫いてTSVが延びて導電性コンタクトパッド548に接続する。半導体素子510のコンタクトパッド514と同様に、上側結合層526にコンタクトパッド548を形成する前に、コンタクトパッド548のために形成されたキャビティの壁に薄いバリア層549を堆積させて、コンタクトパッド材料が周囲の誘電材料に拡散するのを防ぐことができる。
図43の事例では、フレーム素子540の導電性フィーチャと半導体素子510との間の直接結合が、
図42のビア-コンタクトパッド接続とは対照的にコンタクトパッド-コンタクトパッド接続を含む。直接結合にコンタクトパッドを使用する1つの利点は、コンタクトパッドがより広い結合領域をカバーして結合品質及び信頼性を改善できる点である。いくつかの実施形態では、フレーム素子540のTSV、フレーム素子540の上側結合層546のコンタクトパッド、及び半導体素子510のコンタクトパッド514が、銅などの同じ材料を含むことができる。
【0051】
図44では、フレーム素子560の上側結合層556のTSV564及びコンタクトパッド568が、これらが異なる材料を含む点を除き、
図43のTSV544及びコンタクトパッド348と概ね同様であることができる。例えば、TSV654はタングステン製であることができ、コンタクトパッド568は銅製であることができる。コンタクトパッド568のために形成されたキャビティの壁には、コンタクトパッド材料が周囲の誘電材料に拡散するのを防ぐために薄いバリア層569を堆積させる。さらに、
図45では、TSV584がポリシリコン製であることができ、銅製であることができるコンタクトパッド588に接続する。コンタクトパッド588は、薄いバリア層589によって取り囲まれて上側結合層586に埋め込まれる。
【0052】
図25~
図30には、冗長コンタクトパッドを有するフレーム素子を示している。
図46~
図48に、冗長コンタクトパッドを有するフレーム素子の実施形態例を断面図で示す。
図46では、フレーム素子600が、バルク部分607と、第1の冗長コンタクトパッド612aが埋め込まれた第1の誘電体結合層602と、第2の冗長コンタクトパッド612bが埋め込まれた第2の結合層603とを含む。第1の冗長コンタクトパッド612aは、誘電体層605の第1のRDL導電性トレース614aに接続する。第1の結合層602及び誘電体層605の誘電材料は、例えば酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンなどのいずれかの好適な誘電体層を含むことができる。第1の結合層602及び下部の誘電体層605は、薄い窒化シリコンの層604によって分離することができる。フレーム素子600の下側の、冗長コンタクトパッド612bが埋め込まれた第2の結合層603、第2のRDL導電性トレース614bが埋設された下部の誘電体層609、及び誘電体層間の薄い窒化シリコンの層は、上側のそれぞれの構造と概ね同様であることができる。フレーム素子600のバルク部分607にはTSV608が貫通して、上方の第1のRDL導電性トレース614a及び下方の第2のRDL導電フィーチャ614bに接続される。第1のコンタクトパッド612a、第1のRDL導電性トレース614a、TSV608、第2のTSVトレース614b及び第2のコンタクトパッド612bを含む導電性トレースは、銅、ニッケル、タングステン、アルミニウム又はポリシリコンなどの同じ材料で形成することも、或いは異なる材料で形成することもできる。コンタクトパッド、RDL導電性トレース及びTSVフィーチャの各々を取り囲んでバリア層606を堆積させることができる。バルク部分607には、バリア層の外側でTSV608を取り囲むライナー酸化物(liner oxide)の層610が形成される。
【0053】
図47では、フレーム素子620が、バルク部分627と、第1の冗長コンタクトパッド632aが埋め込まれた第1の誘電体結合層622と、第2の冗長コンタクトパッド632bが埋め込まれた第2の結合層623とを含む。
図46のフレーム素子610と同様に、TSV628がバルク部分627を貫通して、上方の第1のRDL導電性トレース634a及び下方の第2のRDL導電性トレース634bに接続する。
図47と
図46との相違は、パッド、トレース及びTSVの導電材料が、例えば銅、タングステン、ニッケル、アルミニウム、他の金属、ポリシリコンなどの異なる導体であってもよい点である。例えば、第1のコンタクトパッド632a及び第2のコンタクトパッド632bは、薄い銅バリア材料の層によって取り囲まれた銅で形成することができる。いくつかの実施形態では、第1のRDL導電性トレース632a及び第2のRDL導電性トレース632bをアルミニウムで形成することができる。TSV628は、ポリシリコン又はタングステンで形成することができる。TSV638と第1のRDL導電性トレース632a又は第2のRDL導電性トレース632bとの間には、チタン又は窒化チタンなどの薄い導電材料の層を設けることができる。
図46と同様に、TSV628を取り囲むようにライナー酸化物層630を形成することができる。いくつかの実施形態では、ライナー酸化物層630の酸化物材料が、TSV628に使用されるポリシリコン又はタングステン材料と適合するように選択される。
【0054】
図48に、TSV648がポリシリコン又はタングステンで形成され、これを取り囲んでライナー酸化物層を形成できる点を除いて
図46と同じ構造を有する別の実施形態を示す。従って、第1の結合層642の第1の冗長コンタクトパッドは下部の第1のRDL導電性トレース654aに接続し、第1のRDL導電性トレース654aはTSV648に接続し、TSV648は第2のRDL導電性トレース654bに接続し、第2のRDL導電性トレース654bは第2の結合層643の第2の冗長コンタクト654bに接続する。第1及び第2のコンタクトパッド652a及び652b、並びに第1及び第2のRDL導電性トレース654a及び654bは、銅で形成することができる。
【0055】
図49は、
図42~
図48で開示した構造を含むことができる結合構造5の断面図である。
図49の結合構造の構造は、第2の素子780が冗長コンタクトパッドを含んでいない点を除いて
図30に示す結合構造と同様であることができる。
図49では、結合構造5に含まれるフレーム素子710が、上方では第1の素子770に直接結合され、下方では第2の素子780に直接結合され、フレーム素子710の厚みにわたって形成されたキャビティ748を取り囲む。フレーム素子710は、その厚みを貫いて上方の誘電体層726aの第1の導電性トレース724bに接続するとともに、第2の結合層736に埋め込まれた導電コンタクトパッド734に接続する少なくとも1つのTSV722を含む。誘電体層726a及び導電性トレース724bはRDLとして機能することができる。各コンタクトパッド734は、第2の素子780のデバイス層786上に配置された結合層782に埋め込まれたコンタクトパッド784に直接結合される。
【0056】
フレーム素子710の上側では、第1の結合層726bが、下部の第1の導電性トレース724aに接続するように埋め込まれた冗長コンタクトパッド724bを有する。冗長コンタクトパッド724bは、第1の素子770のデバイス層776上に配置された結合層772に埋め込まれた冗長コンタクトパッド774に直接結合される。
【0057】
図50に、上側及び下側の両方に冗長コンタクトパッドを有する、
図49と同様のフレーム素子を含む結合構造6の実施形態を示す。
図49の実施形態とは異なり、
図50のTSV722は、コンタクトパッド774及び784の幅よりも大きな幅で形成される。従って、結合層に複数のコンタクトパッド774又は784を形成して下部の各TSV722に接続することができる。例えば、第1の結合層726には、上方から各TSV722に接続する第1の冗長TSV724が形成される。第2の結合層736には、下方から各TSV722に接続する第2の冗長TSV734が形成される。冗長コンタクトパッドは、より良好な直接結合品質及び信頼性を保証する。他の実施形態では、TSVの幅が対応するコンタクトよりも小さいことができる。これにより、導電性トレース724b又は734bが冗長コンタクトパッド774又は784にTSV722を接続できる
図49の実施形態をもたらすことができる。
【0058】
直接結合方法及び直接結合構造の例
本明細書に開示する様々な実施形態は、介在接着剤を使用せずに2つの素子を互いに直接結合できる直接結合構造に関する。
図51及び
図52に、いくつかの実施形態による、介在接着剤を使用せずに直接ハイブリッド結合構造を形成するプロセスを概略的に示す。
図51及び
図52では、結合構造800が、介在接着剤を使用せずに結合界面818において互いに直接結合できる2つの素子802及び804を含む。(例えば集積デバイスダイ、ウェハ、受動デバイス、電力スイッチなどの個別能動デバイスを含む半導体素子などの)2又は3以上のマイクロエレクトロニクス素子802及び804を互いに積層又は結合して結合構造800を形成することができる。第1の素子802の導電性フィーチャ806a(例えば、コンタクトパッド、ビア(例えば、TSV)の露出端、又は基板貫通電極)は、第2の素子804の対応する導電性フィーチャ806bに電気的に接続することができる。結合構造800では、いずれかの好適な数の素子を積層することができる。例えば、第2の素子804上に第3の素子(図示せず)を積層したり、第3の素子上に第4の素子(図示せず)を積層したりすることができる。これに加えて又は代えて、第1の素子802に沿って1又は2以上のさらなる素子(図示せず)を互いに隣接して横方向に積層することもできる。いくつかの実施形態では、横方向に積層されるさらなる素子が、第2の素子よりも小さいことができる。いくつかの実施形態では、横方向に積層されるさらなる素子が、第2の素子よりも2倍小さいことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、素子802及び804が、接着剤を使用せずに互いに直接結合される。様々な実施形態では、非導電材料又は誘電材料を含む非導電場領域が第1の素子802の第1の結合層808aとして機能することができ、この第1の結合層808aを、第2の素子804の第2の結合層808bとして機能する非導電材料又は誘電材料を含む対応する非導電場領域に接着剤を使用せずに直接結合することができる。非導電性結合層808a及び808bは、素子802及び804の半導体(例えば、シリコン)部分などのデバイス部分810a及び810bのそれぞれの表側814a及び814bに配置することができる。能動デバイス及び/又は回路は、デバイス部分810a及び810bの表側814a及び814b又はその付近、及び/又はデバイス部分810a及び810bの反対の裏側816a及び816b又はその付近にパターン化し及び/又は別様に配置することができる。結合層は、素子の表側及び/又は裏側に施すことができる。非導電材料は、第1の素子802の非導電性結合領域又は結合層808aと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、誘電体-誘電体結合技術を使用して、第1の素子802の非導電性結合層808aを第2の素子804の対応する非導電性結合層808bに直接結合することができる。例えば、少なくとも米国特許第9,564,414号、第9,391,143号及び第10,434,749号に開示されている直接結合技術を使用して、接着剤を使用せずに非導電体-非導電体結合又は誘電体-誘電体結合を形成することができる。なお、様々な実施形態では、結合層808a及び/又は808bが、酸化シリコンなどの誘電材料又はアンドープ型シリコンなどのアンドープ型半導体材料などの非導電材料を含むことができると理解されたい。直接結合のための好適な誘電結合面又は材料としては、以下に限定するわけではないが、酸化シリコン、窒化シリコン、又は酸窒化シリコンなどの無機誘電体、或いは炭化シリコン、酸窒化シリコン、低K誘電材料、SiCOH誘電体、炭窒化シリコン、又はダイヤモンド状炭素などの炭素、或いはダイヤモンド表面を含む材料を挙げることができる。このような炭素含有セラミック材料は、炭素を含んでいるにもかかわらず無機物とみなすことができる。いくつかの実施形態では、誘電材料が、エポキシ、樹脂又は成形材料などのポリマー材料を含まない。
【0060】
いくつかの実施形態では、デバイス部分810a及び810bが、異種構造を定める有意に異なる熱膨張係数(thermal expansion:CTE)を有することができる。デバイス部分810a及び810b間の、とりわけ典型的にはデバイス部分810a、810bの単結晶部分であるバルク半導体間のCTE差は、5ppm又は10ppmよりも大きいことができる。例えば、デバイス部分810a及び810b間のCTE差は、5ppm~100ppm、5ppm~40ppm、10ppm~100ppm、又は10ppm~40ppmの範囲内であることができる。いくつかの実施形態では、デバイス部分810a及び810bの一方が、光圧電用途又は焦電用途に有用なペロブスカイト材料(perovskite materials)を含む光電子単結晶材料を含み、デバイス部分810a、810bの他方が、より従来の基板材料を含むことができる。例えば、デバイス部分810a、810bの一方は、タンタル酸リチウム(LiTaO3)又はニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含み、デバイス部分810a、810bの他方は、シリコン(Si)、石英、石英ガラス、サファイア、又はガラスを含む。他の実施形態では、デバイス部分810a、810bの一方が、ガリウムヒ素(GaAs)又は窒化ガリウム(GaN)などのIII-V族単一半導体材料を含み、デバイス部分810a、810bの他方が、シリコン(Si)などの非III-V族半導体材料、或いは石英、石英ガラス、サファイア又はガラスなどの、同様のCTEを有する他の材料を含むことができる。
【0061】
様々な実施形態では、介在接着剤を使用せずに直接ハイブリッド結合を形成することができる。例えば、非導電性結合面812a及び812bを高度に滑らかに研磨することができる。非導電性結合面812a及び812bは、例えば化学機械研磨(CMP)を使用して研磨することができる。研磨された結合面812a及び812bの粗さは、30Å rms未満であることができる。例えば、結合面812a及び812bの粗さは、約0.1Å rms~15Å rms、0.5Å rms~10Å rms、又は1Å rms~5Å rmsの範囲内であることができる。結合面812a及び812bを洗浄し、プラズマ及び/又はエッチャントに曝して表面812a及び812bを活性化することができる。いくつかの実施形態では、活性化後又は活性化中(例えば、プラズマ及び/又はエッチングプロセス中)に表面812a及び812bを化学種で終端させることができる。理論によって制限されるわけではないが、いくつかの実施形態では、結合面812a及び812bにおける化学結合を切断するために活性化プロセスを実行することができ、終端プロセスは、直接結合中の結合エネルギーを高めるさらなる化学種を結合面812a及び812bにおいて提供することができる。いくつかの実施形態では、活性化及び終端化が、例えばプラズマで表面812a及び812bを活性化して終端化することが、同じステップで行われる。他の実施形態では、直接結合のためのさらなる化学種をもたらすように結合面812a及び812bを別の処理で終端させることもできる。様々な実施形態では、終端化化学種(terminating species)が窒素を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、結合面812a、812bを窒素含有プラズマに曝すことができる。さらに、いくつかの実施形態では、結合面812a、812bをフッ素に曝すことができる。例えば、第1及び第2の素子802、804間の結合界面818又はその付近には、1又は2以上のフッ素ピークが存在することができる。従って、直接結合構造800では、2つの非導電材料(例えば、結合層808a及び808b)間の結合界面818が、結合界面818における窒素含有量及び/又はフッ素ピークが高い非常に滑らかな界面を含むことができる。活性化処理及び/又は終端化処理のさらなる例は、米国特許第9,564,414号、第9,391,143号、及び第10,434,749号において見出すことができ、これらの各文献の内容はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。研磨された結合面812a及び812bの粗さは、活性化プロセスの後にはわずかに粗く(例えば、約1Å rms~30Å rms、3Å rms~20Å rms、又は場合によってはさらに粗く)なることができる。
【0062】
様々な実施形態では、第1の素子802の導電性フィーチャ806aを、第2の素子804の対応する導電性フィーチャ806bに直接結合することもできる。例えば、直接ハイブリッド結合技術を使用して、上述したように調製された共有結合的に直接結合された非導電体-非導電体(例えば、誘電体-誘電体)表面を含む結合界面818に沿って導体-導体直接結合を提供することができる。様々な実施形態では、導体-導体(例えば、導電性フィーチャ806a-導電性フィーチャ806b)直接結合及び誘電体-誘電体ハイブリッド結合を、少なくとも米国特許第9,716,033号及び第9,852,988号に開示されている直接結合技術を使用して形成することができ、これらの各文献の内容はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。本明細書で説明する直接ハイブリッド結合の実施形態では、導電性フィーチャが非導電性結合層内に設けられ、導電性フィーチャ及び非導電性フィーチャの両方が上述した平坦化処理、活性化処理及び/又は終端化処理などによって直接結合のために調製される。従って、直接結合のために調製される結合面は、導電性フィーチャ及び非導電性フィーチャの両方を含む。
【0063】
例えば、非導電性(例えば、誘電性)結合面812a、812b(例えば、無機誘電体表面)は、上述したように調製して、介在接着剤を使用せずに互いに直接結合することができる。導電性コンタクトフィーチャ(例えば、結合層808a、808b内の非導電性誘電場領域によって少なくとも部分的に取り囲むことができる導電性フィーチャ806a、806b)も、介在接着剤を使用せずに互いに直接結合することができる。様々な実施形態では、導電性フィーチャ806a、806bが、非導電場領域に少なくとも部分的に埋め込まれた離散パッド又はトレースを含むことができる。いくつかの実施形態では、導電性コンタクトフィーチャが、基板貫通ビア(例えば、シリコン貫通ビア(TSV))の露出した接触面を含むことができる。いくつかの実施形態では、それぞれの導電性フィーチャ806a及び806bを、誘電場領域又は非導電性結合層808a及び808bの外面(例えば、上面)(非導電性結合面812a及び812b)から下方に、例えば30nm未満、20nm未満、15nm未満、又は10nm未満、例えば2nm~20nmの範囲内、又は4nm~10nmの範囲内で凹ませることができる。様々な実施形態では、直接結合の前に、対向する素子の凹部を、対向するコンタクトパッド間の総間隙が15nm未満又は10nm未満になるようにサイズ決めすることができる。いくつかの実施形態では、非導電性結合層108a及び108bを室温で接着剤を使用せずに互いに直接結合し、その後に結合構造100をアニール処理することができる。導電性フィーチャ106a及び106bは、アニール処理すると膨張して互いに接触し、金属-金属直接結合を形成することができる。カリフォルニア州サンノゼのAdeia社から市販されているDirect Bond Interconnect又はDBI(登録商標)技術を使用することで、直接結合界面818を横切る高密度の導電性フィーチャ806a及び806bの接続(例えば、規則的アレイのための小さな又は微細なピッチ)を有利に可能にすることができる。いくつかの実施形態では、結合された素子の一方の結合面に埋め込まれた導電性トレースなどの導電性フィーチャ806a及び806bのピッチPが、100ミクロン未満、又は10ミクロン未満、或いは2ミクロン未満であることができる。いくつかの用途では、結合パッドの寸法のうちの1つ(例えば、直径)に対する導電性フィーチャ806a及び806bのピッチの比率が20未満、又は10未満、又は5未満、又は3未満であり、場合によっては2未満であることが望ましい。他の用途では、結合された素子のうちの1つの素子の結合面に埋め込まれた導電性トレースの幅が、例えば0.3~3ミクロンなど、0.3~20ミクロンに及ぶことができる。様々な実施形態では、導電性フィーチャ806a及び806b及び/又はトレースが銅又は銅合金を含むことができるが、他の金属が適することもある。例えば、導電性フィーチャ806a及び806bなどの本明細書に開示する導電性フィーチャは、微細粒金属(fine-grain metal)(例えば、微細粒銅)を含むことができる。
【0064】
このように、直接結合プロセスでは、介在接着剤を使用せずに第1の素子802を第2の素子804に直接結合することができる。いくつかの構成では、第1の素子802が、シンギュレートされた集積デバイスダイなどのシンギュレートされた素子を含むことができる。他の構成では、第1の素子802が、シンギュレーション時に複数の集積デバイスダイを形成する複数(例えば、数十、数百、又はそれよりも多く)の素子領域を含むキャリア又は基板(例えば、ウェハ)を含むことができる。同様に、第2の素子804も、シンギュレートされた集積デバイスダイなどのシンギュレートされた素子を含むことができる。他の構成では、第2の素子804がキャリア又は基板(例えば、ウェハ)を含むことができる。従って、本明細書に開示する実施形態は、ウェハ-ウェハ(W2W)、ダイ-ダイ(D2D)、又はダイ-ウェハ(D2W)結合プロセスに適用することができる。ウェハ-ウェハ(W2W)プロセスでは、2又は3以上のウェハを互いに直接結合(例えば、直接ハイブリッド結合)し、好適なシンギュレーションプロセスを使用してシンギュレートすることができる。シンギュレーション後には、シンギュレートされた構造の側縁部(例えば、2つの結合された素子の側縁部)が実質的に同一平面上に存在し、結合構造の共通シンギュレーションプロセスを示すマーキング(例えば、鋸シンギュレーションプロセス(saw singulation process)が使用される場合には鋸マーキング)を含むことができる。
【0065】
本明細書で説明したように、第1及び第2の素子802、804は接着剤を使用せずに互いに直接結合することができ、これは堆積プロセスとは異なり、堆積と比べて構造的に異なる界面をもたらす。1つの用途では、結合構造における第1の素子802の幅が第2の素子804の幅と同様である。他のいくつかの実施形態では、結合構造800における第1の素子802の幅が第2の素子804の幅と異なる。同様に、結合構造における大きい方の素子の幅又は面積は、小さい方の素子の幅又は面積よりも少なくとも10%大きいことができる。従って、第1及び第2の素子802及び804は非堆積素子を含むことができる。さらに、直接結合構造800は、堆積層とは異なり、ナノメートルスケールの空隙(ナノボイド)が存在する欠陥領域を結合界面818に沿って含むことがある。ナノボイドは、結合面812a及び812bの活性化(例えば、プラズマへの曝露)に起因して形成されることがある。上述したように、結合界面818は、活性化及び/又は最後の化学処理プロセスからの材料の濃度を含むことができる。例えば、活性化に窒素プラズマを利用する実施形態では、結合界面818に窒素ピークが形成されることがある。窒素ピークは、二次イオン質量分析(SIMS)技術を使用して検出することができる。様々な実施形態では、例えば(例えば、結合面を窒素含有プラズマに曝す)窒素終端化処理が、加水分解(OH終端)面のOH基をNH2分子に置換して窒素終端面をもたらすことができる。活性化に酸素プラズマを利用する実施形態では、結合界面818に酸素ピークが形成されることがある。いくつかの実施形態では、結合界面818が酸窒化シリコン、酸炭窒化シリコン、又は炭窒化シリコンを含むことができる。本明細書で説明するように、直接結合は、ファンデルワールス結合(van Der Waals bonds)よりも強い共有結合を含むことができる。結合層808a及び808bは、高度に滑らかに平坦化された研磨表面を含むこともできる。
【0066】
様々な実施形態では、導電性フィーチャ806a及び806b間の金属-金属結合を、金属粒が結合界面818を越えて互いに成長するように接合することができる。いくつかの実施形態では、金属が銅であり又は銅を含み、結合界面818を横切る銅の拡散を向上させるように111結晶面に沿って配向された結晶粒を有することができる。いくつかの実施形態では、導電性フィーチャ806a及び806bが、アニール処理中に導電性フィーチャの融合を支援できるナノ双晶銅粒構造(nanotwinned copper grain structure)を含むことができる。結合界面818は、結合された導電性フィーチャ806a及び806b又はその付近の非導電性結合層808a及び808b間に実質的に間隙が存在しないように、結合された導電性フィーチャ806a及び806bの少なくとも一部まで実質的に完全に延びることができる。いくつかの実施形態では、導電性フィーチャ806a及び806bの下方に、及び/又はこれらを横方向に取り囲む(例えば、銅を含むことができる)バリア層を施すことができる。しかしながら、他の実施形態では、例えば米国特許第11,195,748号に記載されるように、導電性フィーチャ806a及び806bの下方にバリア層が存在しないこともでき、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0067】
本明細書で説明するハイブリッド結合技術の使用は、隣接する導電性フィーチャ806a及び806b間の極めて微細なピッチ、及び/又は小さなパッドサイズを可能にできるという利点を有する。例えば、様々な実施形態では、隣接する導電性フィーチャ806a(又は806b)間のピッチp(すなわち、
図13に示すような端部間又は中心間距離)が、0.5ミクロン~50ミクロン、0.75ミクロン~25ミクロン、1ミクロン~25ミクロン、1ミクロン~10ミクロン、又は1ミクロン~5ミクロンの範囲内であることができる。さらに、主要横寸法(例えば、パッド直径)も、例えば0.25ミクロン~30ミクロン、0.25ミクロン~5ミクロン、又は0.5ミクロン~5ミクロンの範囲内のように小さくすることができる。
【0068】
上述したように、非導電性結合層808a、808bは、接着剤を使用せずに互いに直接結合することができ、その後に結合構造800をアニール処理することができる。導電性フィーチャ806a及び806bは、アニール処理すると膨張して互いに接触し、金属-金属直接結合を形成することができる。いくつかの実施形態では、導電性フィーチャ806a及び806bの材料がアニールプロセス中に相互拡散(interdiffuse)することができる。
【0069】
実施例
様々な実施形態では、本発明は、バルク部分と、第1の結合層と、第2の結合層とを有するフレーム素子であって、第1の結合層が、バルク部分の第1の表面上に配置されてフレーム素子の第1の側を少なくとも部分的に定め、第2の結合層が、バルク部分の第2の表面上に配置されてフレーム素子の第1の側とは反対側の第2の側を少なくとも部分的に定める、フレーム素子を準備することと、第1の結合層、バルク部分及び第2の結合層を貫通するように、フレーム素子を貫いて開口部を形成することと、介在接着剤を使用せずに開口部を覆ってフレーム素子の第1の結合層に第1の素子を直接結合することと、介在接着剤を使用せずに開口部を覆ってフレーム素子の第2の結合層に第2の素子を直接結合してキャビティを定めることと、を含む方法である。
【0070】
本発明の1つの態様では、開口部を形成することが、第1の結合層を貫いて、フレーム素子の第1の側からフレーム素子の第2の側に向けて第1の方向にエッチングすることと、バルク部分を少なくとも部分的に貫いて第1の方向にエッチングすることと、を含む。開口部を形成することは、バルク部分を完全に貫いて第1の方向に、及び第2の結合層を貫いて第1の方向にエッチングすることをさらに含むことができる。
【0071】
本発明の別の態様では、開口部を形成することが、バルク部分を部分的に貫いて、フレーム素子の第2の側からフレーム素子の第1の側に向けて第2の方向にエッチングすることをさらに含む。
【0072】
本発明の別の態様では、開口部を形成することが、第2の結合層を貫いて、フレーム素子の第2の側からフレーム素子の第1の側に向けて第2の方向にエッチングすることをさらに含む。
【0073】
本発明の別の態様では、開口部を形成する前にフレーム素子が支持体に取り付けられる。支持体は、有機接着剤を含む硬質基板である。或いは、支持体は、窒化シリコンを含む硬質基板又は窒化シリコンを含む無機結合層である。無機結合層は、100mJ/m2~1000mJ/m2の範囲内の結合エネルギーを有する。或いは、無機結合層は、加熱時に結合強度を弱める揮発性成分を含む。或いは、支持体は支持テープである。
【0074】
本発明の別の態様では、フレーム素子の第1の結合層に第1の素子を直接結合することが、フレーム素子を支持体に取り付けた後に行われる。フレーム素子の第1の結合層に第1の素子を直接結合した後、支持体はフレーム素子から取り外される。
【0075】
本発明の別の態様では、フレーム素子の第2の結合層に第2の素子を直接結合することが、フレーム素子から支持体を取り外した後に行われる。
【0076】
本発明の別の態様では、フレーム素子の少なくとも一部をキャビティまで貫いて通気口が形成される。通気口は、フレーム素子の第1の結合層に第1の素子を直接結合した後に形成することができる。
【0077】
本発明の別の態様では、フレーム素子の第1の結合層に第1の素子を直接結合することが、接着剤を使用せずに第1の素子の導電性コンタクトフィーチャをフレーム素子の対応する導電性コンタクトフィーチャに直接結合することを含む。
【0078】
本発明の別の態様では、フレーム素子の第2の結合層に第2の素子を直接結合することが、接着剤を使用せずに第2の素子の導電性コンタクトフィーチャをフレーム素子の対応する導電性コンタクトフィーチャに直接結合することを含む。
【0079】
本発明の別の態様では、フレーム素子の第1の結合層に第1の素子を直接結合することが、第1の素子の非導電性結合層をフレーム素子の非導電性結合層に直接結合することを含む。
【0080】
本発明の別の態様では、フレーム素子を貫いて導電性基板貫通ビア(TSV)が設けられ、TSVは、銅、ニッケル、タングステン、アルミニウム、又はポリシリコンのうちの少なくとも1つを含む。導電性コンタクトフィーチャは、TSVと同じ材料を含む。或いは、導電性コンタクトフィーチャは、TSVとは異なる材料を含む。TSVの幅は、導電性コンタクトフィーチャの幅よりも大きい。或いは、TSVの幅は、導電性コンタクトフィーチャの幅よりも小さい。第1の側及び第2の側において、フレーム素子のTSVに複数の導電性コンタクトフィーチャが接続する。
【0081】
本発明の別の態様では、導電性コンタクトフィーチャとTSVとの間に再配線層(RDL)導電性トレースが配置される。
【0082】
他の実施形態では、本発明は、フレーム素子であって、フレーム素子の第1の側から第1の側とは反対側の第2の側に延びる開口部と、バルク部分と、バルク部分の第1の表面上に配置されてフレーム素子の第1の側を少なくとも部分的に定める第1の結合層と、バルク部分の第2の表面上に配置されてフレーム素子の第1の側とは反対側の第2の側を少なくとも部分的に定める第2の結合層とを含み、開口部が、第1の結合層、バルク部分及び第2の結合層を貫通し、バルク部分が、開口部の第1の側壁を含み、第1の側壁が、フレーム素子の第1の側からフレームの第2の側に向かう第1の方向の第1のエッチングプロセスを示す第1のエッチングシグネチャを含み、第1の結合層が、開口部の第2の側壁を含み、第2の側壁が、第1の方向の第2のエッチングプロセスを示す第2のエッチングシグネチャを含む、フレーム素子である。
【0083】
本発明の1つの態様では、第2の結合層が、開口部の第3の側壁を含み、第3の側壁は、第1の方向の第3のエッチングプロセスを示す第3のエッチングシグネチャを含む。第2及び第3の側壁は、同じ配向でテーパ付けされる。さらに、第2及び第3の側壁は、第1の方向に沿って内向きにテーパ付けされる。或いは、第2及び第3の側壁は、第1の方向に沿って外向きにテーパ付けされる。
【0084】
本発明の別の態様では、第2の結合層が、開口部の第3の側壁を含み、第3の側壁は、フレーム素子の第2の側からフレームの第1の側に向かう第2の方向の第3のエッチングプロセスを示す第3のエッチングシグネチャを含む。
【0085】
本発明の別の態様では、バルク部分が、開口部の第4の側壁を含み、第4の側壁は、第2の方向の第4のエッチングプロセスを示す第4のエッチングシグネチャを含む。
【0086】
本発明の別の態様では、第1及び第4の側壁が接合部において接続し、接合部は、第1及び第4の側壁のそれぞれの表面に対して半径方向内向きに突出する。
【0087】
本発明の別の態様では、第2及び第3の側壁が逆配向でテーパ付けされる。
【0088】
本発明の別の態様では、第2及び第3の側壁が、第1の方向を横切る第3の方向において横方向に位置ずれしている。
【0089】
本発明の別の態様では、第1、第2、第3及び第4のエッチングシグネチャのうちのいずれかが、対応する第1、第2、第3及び第4の側壁にそれぞれのストリエーションを含む。
【0090】
本発明の別の態様では、第1、第2、第3及び第4のエッチングシグネチャのうちのいずれかが、対応する第1、第2、第3及び第4の側壁にそれぞれのテーパ角を含む。
【0091】
本発明の別の態様では、バルク部分が半導体材料を含む。半導体部分はシリコンを含む。
【0092】
本発明の別の態様では、第1の結合層が、第1の非導電性結合層に少なくとも部分的に埋め込まれた第1の導電性コンタクトフィーチャを有する第1の非導電性結合層を含む。第2の結合層は、第2の非導電性結合層に少なくとも部分的に埋め込まれた第2の導電性コンタクトフィーチャを有する第2の非導電性結合層を含む。
【0093】
本発明の別の態様では、導電性基板貫通ビア(TSV)がフレーム素子を貫通し、TSVは、第1及び第2の導電性コンタクトフィーチャを含み、又は第1及び第2の導電性コンタクトフィーチャに接続される。TSVは、銅、ニッケル、タングステン、アルミニウム、又はポリシリコンの少なくとも1つを含む。導電性コンタクトは、TSVと同じ材料を含む。或いは、導電性コンタクトは、TSVとは異なる材料を含む。TSVの幅は導電性コンタクトの幅よりも大きい。或いは、TSVの幅は導電性コンタクトの幅よりも小さい。第1の側及び第2の側において、フレーム素子のTSVに複数の導電コンタクトが接続する。
【0094】
本発明の別の態様では、導電性コンタクトフィーチャとTSVとの間に再配線層(RDL)導電性トレースが配置される。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明は、上述したようなフレーム素子を含む結合構造であって、結合構造が、介在接着剤を使用せずにフレーム素子の第1の側に直接結合された第1の素子と、介在接着剤を使用せずにフレーム素子の第2の側に直接結合された第2の素子とを含み、結合構造が、開口部によって少なくとも部分的に定められるキャビティを含む、結合構造である。
【0096】
本発明の1つの態様では、フレーム素子の第1の導電性コンタクトフィーチャに、接着剤を使用せずに第1の素子の第3の導電性コンタクトフィーチャが直接結合される。フレーム素子の第2の導電性コンタクトフィーチャには、第2の素子の第4の導電性コンタクトフィーチャが直接結合される。
【0097】
本発明の別の態様では、フレーム素子の第1の非導電性結合層が、第1の素子の第3の非導電性結合層に直接結合される。フレーム素子の第2の非導電性結合層は、第2の素子の第4の非導電性結合層に直接結合される。
【0098】
本発明の別の態様では、1又は2以上のデバイスが第1及び第2の素子の少なくとも一方に取り付けられ、又はこれらと共に形成され、1又は2以上のデバイスはキャビティ内に延び、又はキャビティに露出される。1又は2以上のデバイスは集積デバイスダイを含む。
【0099】
本発明の別の態様では、キャビティから外部環境に通気口が延びる。
【0100】
本発明の別の態様では、開口部の幅が0.5mm~30mmの範囲内である。
【0101】
文脈において別途明確に必要としていない限り、本明細書及び特許請求の範囲全体を通じて、「含む、備える(comprise、comprising、include、including)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味ではなく包含的な意味で、すなわち「含むけれどもそれに限定されない(including,but not limited to)」という意味で解釈すべきである。本明細書で一般的に使用される「結合された(coupled)」という単語は、直接、或いは1又は2以上の中間要素を介して接続できる2又は3以上の要素を意味する。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続された(connected)」という単語も、直接、或いは1又は2以上の中間要素を介して接続できる2又は3以上の要素を意味する。また、本出願において、「本明細書で(herein)」「上記で(above)」「下記で(below)」及び同様の趣旨の単語を使用している場合、これらの単語は本出願全体を示すものであり、本出願のいずれか特定の部分を示すものではない。さらに、本明細書において、第1の要素を第2の要素「上に(on)」又は第2の要素を「覆って(over)」存在するものとして説明する場合、第1の要素は、第1及び第2の要素が直接接触するように第2の要素上に又は第2の要素を覆って直接存在することも、或いは第1及び第2の要素間に1又は2以上の要素が介在するように第2の要素上に又は第2の要素を覆って間接的に存在することもできる。上記の詳細な説明における単数又は複数を用いた単語は、文脈上可能な場合にはそれぞれ複数又は単数を含むこともできる。2又は3以上の項目のリストを参照する際の「又は(or)」という単語は、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目全て、及びリスト内の項目のいずれかの組み合わせ、といった単語の解釈を全て網羅する。
【0102】
さらに、本明細書で使用する、とりわけ「~できる(can、could、might、may)」、及び「例えば(e.g.、for example、such as)」などの条件語は、別途明確に言及していない限り、又は使用する文脈内で別様に理解されない限り、一般に特定の特徴、要素及び/又は状態を含む実施形態もあれば、それらを含まない実施形態もあることを伝えるように意図される。従って、このような条件語は、一般に特徴、要素及び/又は状態が1又は2以上の実施形態に何としても必要であることを意味するように意図するものではない。
【0103】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は一例として提示したものにすぎず、本開示の範囲を限定するように意図するものではない。実際に、本明細書で説明した新規の装置、方法及びシステムは他の様々な形態で具現化することもでき、さらに、本開示の趣旨から逸脱することなく、本明細書で説明した方法及びシステムの形態の様々な省略、置換及び変更を行うこともできる。例えば、ブロックについては所与の配置で示しているが、別の実施形態は、異なるコンポーネント及び/又は回路トポロジーを使用して同様の機能を実行することもでき、いくつかのブロックを削除、移動、追加、細分化、結合及び/又は変更することもできる。これらのブロックの各々は、様々な異なる方法で実装することができる。上述した様々な実施形態の要素及び行為のいずれかの好適な組み合わせを組み合わせてさらなる実施形態を提供することもできる。添付の特許請求の範囲及びその同等物は、本開示の範囲及び趣旨に含まれるような形態又は修正も対象とするように意図される。
【国際調査報告】