(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】調理機器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/08 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A47J27/08 Z
A47J27/08 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539916
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 KR2022009223
(87)【国際公開番号】W WO2023132418
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0000929
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522407695
【氏名又は名称】クチェン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Cuchen Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】530,Samseong-ro,Gangnam-gu,Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨム、キュヒョン
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA08
4B055BA04
4B055BA07
4B055CA38
4B055CA68
4B055CA84
4B055CC26
(57)【要約】
本発明の技術的思想は、本体;前記本体に収容された内釜;及び前記本体に連結され、前記内釜を覆う本体蓋;を含み、前記本体蓋は、前記内釜を覆うトッププレート;前記トッププレートの縁部に沿って回転可能に前記トッププレート上に配置された回転カバー;前記内釜のフランジ部にかかるように構成された係止突起を含み、前記回転カバーの回転に連動してロック位置とアンロック位置間で線状移動するように構成され、前記ロック位置は、前記係止突起が前記内釜の前記フランジ部に垂直方向に重畳した位置であり、前記アンロック位置は、前記ロック位置から半径方向の外側に離隔された位置である、ロック構造体;及び前記ロック構造体に前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう方向に弾性支持するように構成された加圧スライダー;を含む調理機器を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に収容された内釜と、
前記本体に連結されて前記内釜を覆う本体蓋と、
を含み、
前記本体蓋は、
前記内釜を覆うトッププレートと、
前記トッププレートの縁部に沿って回転可能に前記トッププレート上に配置された回転カバーと、
前記内釜のフランジ部にかかるように構成された係止突起を含み、前記回転カバーの回転に連動してロック位置とアンロック位置間で線状移動するように構成され、前記ロック位置は、前記係止突起が前記内釜の前記フランジ部に垂直方向に重畳した位置であり、前記アンロック位置は、前記ロック位置から半径方向の外側に離隔された位置である、ロック構造体と、
前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう方向に前記ロック構造体を弾性支持するように構成された加圧スライダーと、
を含む、調理機器。
【請求項2】
前記加圧スライダーは、
固定本体と、
前記固定本体内で線状移動するように構成され、前記ロック構造体に接触する移動本体と、
前記固定本体と前記移動本体との間に提供され、前記移動本体を前記回転カバーの中心から遠くなる方向に移動させるための復元力を提供するスプリングと、
を含む、請求項1に記載の調理機器。
【請求項3】
前記回転カバーは、前記回転カバーの中心から第1距離だけ離隔された第1区間と、前記回転カバーの中心から前記第1距離より大きい距離で離隔された第2区間を含むガイド溝を含み、
前記ロック構造体は、前記ガイド溝に収容されて前記回転カバーの回転角度によって前記ガイド溝内で移動するガイド突起をさらに含み、
前記ロック構造体は、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第1区間内にある間、前記ロック位置に位置し、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第2区間内で移動する間、前記ロック位置と前記アンロック位置の間で移動する、請求項1に記載の調理機器。
【請求項4】
前記内釜の収容空間と連通する流路を含むシリンダ、及び前記内釜内の蒸気圧に応じて前記シリンダの流路を開閉するように構成された重りを含む重りバルブと、
前記回転カバーの回転角度によってピン‐ダウン位置とピン‐アップ位置間で昇降するように構成されたリフトピンと、
をさらに含み、
前記リフトピンは、前記ピン‐アップ位置に位置して前記シリンダの流路の流出口が強制開放されるように前記重りを持ち上げる、請求項3に記載の調理機器。
【請求項5】
前記リフトピンは、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第1区間内で移動する間、前記ピン‐ダウン位置に位置し、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第2区間内で移動する間、前記ピン‐アップ位置に位置する、請求項4に記載の調理機器。
【請求項6】
前記本体蓋に分離可能に締結されるカバー組み立て体をさらに含み、
前記本体蓋は、前記トッププレートから下方に突出した固定ポストをさらに含み、
前記カバー組み立て体は、
前記内釜を覆うカバープレートと、
前記カバープレートの縁部に結合され、前記カバープレートの前記縁部に沿って延びたリング形態を有し、前記内釜と前記トッププレートとの間に配置されて前記内釜と前記トッププレートの間を密閉するように構成されたパッキングと、
前記カバープレートの中心部に提供され、前記固定ポストが挿入される挿入溝を含むハンドルと、
を含み、
前記パッキングは、
前記カバープレートがはめられる締結溝を含み、前記カバープレートの縁部に沿って延びたリング形態の中心本体と、
前記中心本体から内側に上向きに傾斜して延び、前記中心本体に沿って延びたリング形態であり、前記トッププレートと連続的に接触した上部密着突起と、
前記中心本体から内側に下向きに傾斜して延び、前記中心本体に沿って延びたリング形態であり、前記内釜と連続的に接触した下部密着突起と、
前記中心本体の上面に提供された少なくとも1つの上部エアー溝と、
前記中心本体の下面に提供された少なくとも1つの下部エアー溝と、
を含む、請求項1に記載の調理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術的思想は調理機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に調理機器の代表的な例として、電気圧力炊飯器は米を炊くことができる炊事機能と、炊かれた米を一定の温度で維持することができる保温機能を選択的に行えるようになっている装置である。電気圧力炊飯器は本体の上部に蒸気排出孔が形成された本体蓋が前記本体に開閉可能に設けられ、前記本体の内部には内釜が着脱可能に内蔵され、この内釜を覆えるように内釜蓋が別途で備えられる。本体内には前記内釜に収容された調理材料、即ち、米や雑穀、その他の食材に熱を伝達して調理することができるようにする誘導加熱式または熱板式のヒータが備えられる。このような電気圧力炊飯器は高い圧力下で調理材料を調理するので、内釜内の高い圧力を維持するために内釜内の空間に対する効果的な密閉が必須的に要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が解決しようとする課題は調理機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の技術的思想は本体;前記本体に収容された内釜;及び前記本体に連結されて前記内釜を覆う本体蓋;を含み、前記本体蓋は、前記内釜を覆うトッププレート;前記トッププレートの縁部に沿って回転可能に前記トッププレート上に配置された回転カバー;前記内釜のフランジ部にかかるように構成された係止突起を含み、前記回転カバーの回転に連動してロック位置とアンロック位置間で線状移動するように構成され、前記ロック位置は、前記係止突起が前記内釜の前記フランジ部に垂直方向に重畳した位置であり、前記アンロック位置は、前記ロック位置から半径方向の外側に離隔された位置である、ロック構造体;及び前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう方向に前記ロック構造体を弾性支持するように構成された加圧スライダー;を含む調理機器を提供する。
【0005】
例示的な実施例において前記加圧スライダーは、固定本体;前記固定本体内で線状移動するように構成され、前記ロック構造体に接触する移動本体;及び前記固定本体と前記移動本体との間に提供され、前記移動本体を前記回転カバーの中心から遠くなる方向に移動させるための復元力を提供するスプリング;を含むことを特徴とする。
【0006】
例示的な実施例において、前記回転カバーは、前記回転カバーの中心から第1距離だけ離隔された第1区間と、前記回転カバーの中心から前記第1距離より大きい距離で離隔された第2区間を含むガイド溝を含み、前記ロック構造体は、前記ガイド溝に収容されて前記回転カバーの回転角度によって前記ガイド溝内で移動するガイド突起をさらに含み、前記ロック構造体は、前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第1区間内にある間、前記ロック位置に位置し、前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第2区間内で移動する間、前記ロック位置と前記アンロック位置間で移動することを特徴とする。
【0007】
例示的な実施例において、前記内釜の収容空間と連通する流路を含むシリンダ、及び前記内釜内の蒸気圧に応じて前記シリンダの流路を開閉するように構成された重りを含む重りバルブ;及び前記回転カバーの回転角度によってピン‐ダウン位置とピン‐アップ位置間で昇降するように構成されたリフトピン;をさらに含み、前記リフトピンは、前記ピン‐アップ位置に位置して前記シリンダの流路が強制開放されるように前記重りを持ち上げることを特徴とする。
【0008】
例示的な実施例において、前記リフトピンは、前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第1区間内で移動する間、前記ピン‐ダウン位置に位置し、前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第2区間内で移動する間、前記ピン‐アップ位置に位置することを特徴とする。
【0009】
例示的な実施例において、前記本体蓋に分離可能に締結されるカバー組み立て体をさらに含み、前記本体蓋は、前記トッププレートから下方に突出した固定ポストをさらに含み、前記カバー組み立て体は、前記内釜を覆うカバープレート;及び前記カバープレートの縁部に結合され、前記カバープレートの前記縁部に沿って延びたリング形態を有し、前記内釜と前記トッププレートとの間に配置されて前記内釜と前記トッププレート間を密閉するように構成されたパッキング;及び前記カバープレートの中心部に提供され、前記固定ポストが挿入される挿入溝を含むハンドル;を含み、前記パッキングは、前記カバープレートがはめられる締結溝を含み、前記カバープレートの縁部に沿って延びたリング形態の中心本体;前記中心本体から内側に上向きに傾斜して延び、前記中心本体に沿って延びたリング形態であり、前記トッププレートと連続的に接触した上部密着突起;前記中心本体から内側に下向きに傾斜して延び、前記中心本体に沿って延びたリング形態であり、前記内釜と連続的に接触した下部密着突起;前記中心本体の上面に提供された少なくとも1つの上部エアー溝;及び前記中心本体の下面に提供された少なくとも1つの下部エアー溝;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の例示的な実施例によれば、回転カバーの回転に連動してロック構造体が線状スライディング移動するように構成され、ロック構造体のロック位置とアンロック位置間での転換はロック構造体の線状スライディング移動を通じて実現され得る。また、本発明の例示的な実施例によれば、ロック構造体のスライディング移動のための外力を提供する加圧スライダーを含むので、ロック構造体の動作の再現性及び安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の例示的な実施例による調理機器を示す構成図である。
【
図2】調理機器の本体蓋の外観を示す斜視図である。
【
図3】調理機器の本体蓋の内部を示す斜視図である。
【
図5】ロック構造体及び加圧スライダーを示す平面図である。
【
図8A-8C】回転カバーの回転角度に応じたロック構造体の動作を示す平面図である。
【
図9A-9B】回転カバーの回転によるロック構造体及び加圧スライダーの動作を示す概略図である。
【
図10A-10B】調理機器の本体蓋の一部を示す側面図である。
【
図11A-11B】本体蓋の動作を示す斜視図である。
【
図12】操作ハンドルの回転位置の変化による、ガイド突起の位置、ロック構造体の位置、リフトピンの位置を示すテーブルである。
【
図13】本発明の例示的な実施例による調理機器用カバー組み立て体を示す斜視図である。
【
図14】
図13のXIV‐XIV’線に沿ったカバー組み立て体の断面図である。
【
図15】カバー組み立て体のカバープレートを示す斜視図である。
【
図16】カバー組み立て体のパッキングを示す斜視図である。
【
図17】カバー組み立て体のパッキングを示す側面図である。
【
図18】カバー組み立て体を含む調理機器の一部を示す断面図である。
【
図19】
図18の「XIX」で示された領域を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明することにする。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形され得、本発明の範囲が下記で詳述する実施例によって限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は当業界において平均的な知識を有する者に本発明を、より完全に説明するために提供されるものと解釈されるのが望ましい。同一の符号は終始同一の要素を意味する。さらに、図面における多様な要素と領域は概略的に描かれたものである。従って、本発明の概念は添付した図面に描かれた相対的な大きさや間隔によって制限されない。
【0013】
特に定義されない限り、ここに用いられる全ての用語は技術用語と科学用語を含み、本発明の概念が属する技術分野において通常の知識を有する者が共通して理解しているものと同一の意味を有する。また、通常用いられる事前に定義されたような用語は、関連する技術の脈絡で、これらが意味するものと一貫する意味を有すると解釈されなければならず、ここに明らかに定義されていない限り過度に形式的な意味と解釈されてはならないことは理解されるはずである。
【0014】
図1は本発明の例示的な実施例による調理機器(10)を示す構成図である。
図2は調理機器(10)の本体蓋(200)の外観を示す斜視図である。
図3は調理機器(10)の本体蓋(200)の内部を示す斜視図である。
図4は調理機器(10)の本体蓋(200)を示す分離斜視図である。
【0015】
図1~
図4を参照すると、調理機器(10)は調理材料を調理できる調理空間を含む本体(100)、本体(100)の調理空間に収容される内釜(110)、前記本体(100)の調理空間を開閉できるように前記本体(100)に設けられた本体蓋(200)、及び前記本体蓋(200)に分離可能に装着されたカバー組み立て体(300)を含むことができる。
【0016】
内釜(110)は容器形態を有し、調理材料が収容される収容空間を有することができる。内釜(110)は本体(100)の調理空間内に分離可能に搭載されることができる。例示的な実施例において、内釜(110)はその上端の縁部に、外側に突出したフランジ部(
図9Aの111参照)を含むことができる。フランジ部(111)は内釜(110)の上端の縁部に沿って延び、また、内釜(110)の上端の縁部に沿って延びることができる。本体(100)は内釜(110)に収容された調理材料を加熱するための加熱源を含むことができる。例えば、本体(100)は熱板方式のヒータまたは誘導加熱方式で作動するヒータを含むことができる。
【0017】
本体蓋(200)は調理材料に対する炊事が行われる間、本体(100)の調理空間内に適した圧力が形成されるように、本体(100)の調理空間及び内釜(110)の収容空間を覆って密閉することができる。例えば、本体蓋(200)は本体(100)に脱着可能に結合され、本体(100)の調理空間及び内釜(110)の収容空間を開閉するように構成され得る。例示的な実施例において、本体蓋(200)は本体(100)の上部にヒンジ結合されて回動軸を中心に回動でき、前記回動軸を中心に回動して本体(100)の調理空間または内釜(110)の収容空間を、開放もしくは閉鎖することができる。他の例示的な実施例において、本体蓋(200)は本体(100)に分離可能に結合されることもできる。
【0018】
本体蓋(200)は蓋フレーム(201)、トッププレート(210)、支持プレート(220)、回転カバー(230)、安全構造体(240)、重りバルブ(250)、ソレノイドバルブ(260)、ロック構造体(270)、及び加圧スライダー(290)を含むことができる。
【0019】
蓋フレーム(201)は本体(100)に結合され得る。蓋フレーム(201)は本体蓋(200)の外観を形成することができる。蓋フレーム(201)は内部に各種電装部品が設けられる空間を提供することができる。
【0020】
トッププレート(210)は内釜(110)に向き合う本体蓋(200)の下部に配置されることができる。トッププレート(210)は本体(100)に収容された内釜(110)を覆うことができる。トッププレート(210)は内釜(110)の収容空間と連通する第1蒸気ホール(211H1)及び第2蒸気ホール(211H2)を含むことができる。
【0021】
トッププレート(210)は垂直方向(例えば、Z方向または調理機器(10)が置かれる基準面(例えば、XY平面)に垂直な方向)に、一定の範囲内で移動可能なように本体蓋(200)内に設けられる。例えば、トッププレート(210)は内釜(110)内の蒸気圧に応じて垂直方向に一定の範囲内で移動するように構成され得る。例えば、トッププレート(210)は内釜(110)から垂直方向に第1距離で離隔された上昇位置と、内釜(110)から垂直方向に前記第1距離より小さい第2距離で離隔された下降位置間で移動するように構成され得る。トッププレート(210)の上昇位置は内釜(110)内の蒸気圧が相対的に高圧である時の位置であり、トッププレート(210)の下降位置は内釜(110)内の蒸気圧が相対的に低圧である時の位置であり得る。例えば、内釜(110)内の蒸気圧が低圧から高圧に切り替わる場合、トッププレート(210)は上方に(即ち、トッププレート(210)の下降位置から上昇位置に向かう方向に)移動し、内釜(110)内の蒸気圧が高圧から低圧に切り替わる場合、トッププレート(210)は下方に(即ち、トッププレート(210)の上昇位置から下降位置に向かう方向に)移動することができる。トッププレート(210)の移動時、トッププレート(210)に固定結合された支持プレート(220)及びカバー組み立て体(300)はトッププレート(210)と共に移動するように構成され得る。
【0022】
支持プレート(220)は蓋フレーム(201)内に提供されることができる。支持プレート(220)はトッププレート(210)の上側に配置され、トッププレート(210)に固定結合されることができる。支持プレート(220)は略円板形態を有し得る。支持プレート(220)には各種部品が装着され得る。
【0023】
回転カバー(230)はトッププレート(210)上に配置され得る。回転カバー(230)は略トッププレート(210)の縁部に沿って連続的に延びたリング形態を有することができる。回転カバー(230)はトッププレート(210)の縁部に沿って回転可能にトッププレート(210)上に搭載され得る。回転カバー(230)は垂直方向(例えば、Z方向)を回転軸に、第1回転方向(例えば、時計方向)及びこれに対して反対となった第2回転方向(例えば、反時計方向)に回転するように構成され得る。
【0024】
回転カバー(230)は蓋フレーム(201)から突出している操作ハンドル(283)の回転に連動して回転するように構成され得る。操作ハンドル(283)の第1回転方向に沿った回転は回転カバー(230)の第1回転方向に沿った回転を引き起こし、操作ハンドル(283)の第2回転方向に沿った回転は回転カバー(230)の第2回転方向に沿った回転を引き起こし得る。即ち、操作ハンドル(283)の回転角度(例えば、操作ハンドル(283)の基準位置から測定された角度)を調節し、回転カバー(230)の回転角度(例えば、回転カバー(230)の基準位置から測定された角度)を調節することができる。
【0025】
より具体的には、操作ハンドル(283)と回転カバー(230)は操作ハンドル(283)の回転時、操作ハンドル(283)の回転軸を基準に回動する連結レバー(284)を介して連結され得る。前記連結レバー(284)の一端は操作ハンドル(283)に連結されて前記連結レバー(284)の他端は回転カバー(230)の連結突起(231)に噛み合い得る。例えば、使用者の操作によって操作ハンドル(283)が回転すれば、操作ハンドル(283)の回転に連動して前記連結レバー(284)が回動し、連結突起(231)を介して連結レバー(284)に連結された回転カバー(230)が、トッププレート(210)の縁部に沿って回転することができる。
【0026】
回転カバー(230)はトッププレート(210)上で予め定められた回転角度の範囲内で回転するように構成され得る。回転カバー(230)は回転カバー(230)の回転方向または回転カバー(230)の縁部に沿って弧(arc)形態を有するように延びた回転拘束溝(233)を含むことができる。回転拘束溝(233)は回転カバー(230)の回転移動を案内すると共に、回転カバー(230)の回転移動範囲を制限することができる。
【0027】
より具体的には、ネジのような締結構造(285)は、回転拘束溝(233)を介して、回転拘束溝(233)の下にある支持プレート(220)のボス(boss)(222)内に挿入されることができる。回転カバー(230)の回転は、前記締結構造(285)が回転拘束溝(233)の一端部にかかる位置から、前記締結構造(285)が回転拘束溝(233)の他端部にかかる位置の間で制限され得る。
【0028】
重りバルブ(poise valve)(250)は内釜(110)の収容空間の圧力レベルによって蒸気の排出を制御し、内釜(110)の収容空間の圧力を制御するように構成され得る。重りバルブ(250)は重り(252)を用いて内釜(110)の収容空間の圧力(即ち、蒸気圧)を予め定められた圧力で維持するように構成され得る。重りバルブ(250)は、支持プレート(220)に装着されるシリンダ(251)と、前記シリンダ(251)上に配置された重り(252)を含むことができる。シリンダ(251)は第1蒸気ホール(211H1)を介して内釜(110)の収容空間と連通する流路を有し、重り(252)は内釜(110)の収容空間の圧力レベルによってシリンダ(251)の流路の端部(即ち、流路)を開閉するように構成され得る。内釜(110)の収容空間の圧力(即ち、蒸気圧)が予め定められた圧力以上の場合、重り(252)が持ち上げられて、シリンダ(251)の流路の端部が開放され、前記シリンダ(251)の流路に流入した蒸気が外部に排出され得る。内釜(110)の収容空間の圧力(即ち、蒸気圧)が予め定められた圧力未満の場合、重り(252)はシリンダ(251)の流路の端部を閉鎖することができる。
【0029】
ソレノイドバルブ(260)は支持プレート(220)に装着され得る。ソレノイドバルブ(260)は電気的制御信号に従って内釜(110)の収容空間の蒸気を排出することによって、内釜(110)の収容空間の圧力を調節するように構成され得る。ソレノイドバルブ(260)はトッププレート(210)の第2蒸気ホール(211H2)を介して内釜(110)の収容空間と連通する内部流路を含むことができ、調理機器(10)の制御部(例えば、マイコン)から印加された電気的制御信号によって前記内部流路を選択的に開閉するように構成され得る。例えば、ソレノイドバルブ(260)は調理が完了した時点で前記内部流路を開放して内釜(110)内の残圧を外部に素早く放出するように機能することができる。
【0030】
ロック構造体(270)は内釜(110)のフランジ部(111)にロックされるロック位置と、内釜(110)のフランジ部(111)に対してロック解除されるアンロック位置間で移動するように構成され得る。ロック構造体(270)のロック位置とアンロック位置間における切り替えは、回転カバー(230)の回転と連動してなされるように構成され得る。
【0031】
ロック構造体(270)はトッププレート(210)上に装着され、選択的に内釜(110)のフランジ部(111)に噛み合うように構成された係止突起(
図9Aの277)を含むことができる。ロック構造体(270)のロック位置はロック構造体(270)の係止突起(277)が内釜(110)のフランジ部(111)と垂直方向に重畳する位置であり、ロック構造体(270)のアンロック位置はロック構造体(270)の係止突起(277)が内釜(110)のフランジ部(111)と垂直方向に重畳しない位置であり得る。内釜(110)に入った調理材料に対する調理が行われる間、ロック構造体(270)はロック位置に位置しており、係止突起(277)が内釜(110)に固定されることによって、内釜(110)とトッププレート(210)間が堅固に固定されることができる。ロック構造体(270)については後により詳細に説明する。
【0032】
加圧スライダー(290)はロック構造体(270)を一方向に移動させるための外力を提供することができる。例えば、加圧スライダー(290)はロック構造体(270)をロック位置からアンロック位置に向かってスライディング移動させるための外力を提供することができる。加圧スライダー(290)については後により詳細に説明する。
【0033】
安全構造体(240)は回転カバー(230)の回転を選択的に許容または制限するように構成され得る。例えば、安全構造体(240)は、炊事時のように内釜(110)内に高い圧力が形成された時、回転カバー(230)の回転を制限することで、回転カバー(230)の回転に連動してスライディング移動するように構成されたロック構造体(270)の移動を制限することができる。安全構造体(240)については後により詳細に説明する。
【0034】
図5はロック構造体(270)及び加圧スライダー(290)を示す平面図である。
図6は加圧スライダー(290)の分離斜視図である。
図7は回転カバー(230)を示す平面図である。
図8A~
図8cは回転カバー(230)の回転角度によるロック構造体(270)の動作を示す平面図であり、ガイド突起(275)がガイド溝(235)の第1~第3位置(P1、P2、P3)にある時のロック構造体(270)の状態を示す。
図9A及び
図9Bは回転カバー(230)の回転によるロック構造体(270)及び加圧スライダー(290)の動作を示す概略図であり、
図9Aはロック構造体(270)のロック位置にある時の状態を示し、
図9Bはロック構造体(270)のアンロック位置にある時の状態を示す。
【0035】
図5~
図9Bを
図1~
図4と共に参照すると、ロック構造体(270)はトッププレート(210)の縁部に沿って延び、平面的観点から曲線形態を有するロックブレード(271)を含むことができる。ロックブレード(271)はトッププレート(210)及びトッププレート(210)の底面に結合されたカバー組み立て体(300)のパッキング(330)を側方向から取り囲む側壁部(2713)と、側壁部(2713)の上端部から内側に延びてトッププレート(210)の上面に接する上部本体(2711)と、前記側壁部(2713)の下端部から内側に延びた下部本体を含むことができる。ロックブレード(271)の下部本体は内釜(110)のフランジ部(111)に係止固定されるように構成された係止突起(277)を含むことができる。
【0036】
ロック構造体(270)はロックブレード(271)の上部本体(2711)に連結された連結プレート(273)を含むことができる。連結プレート(273)は垂直方向に対してトッププレート(210)と回転カバー(230)との間に配置され得る。連結プレート(273)は直線方向に延びた溝(274)を含むことができる。連結プレート(273)の溝(274)はロック構造体(270)の線状移動を案内すると共に、ロック構造体(270)の移動範囲を制限することができる。より具体的には、ネジのような締結構造(287)は、連結プレート(273)の溝(274)を介してトッププレート(210)のボス(223)内に挿入され得る。ロック構造体(270)の線状移動は、溝(274)の一端部が締結構造(287)にかかる位置から溝(274)の他端部が締結構造(287)にかかる位置の間に制限されることができる。
【0037】
回転カバー(230)は概ね回転カバー(230)の回転方向に沿って曲線形態で延びるガイド溝(235)を含み、ロック構造体(270)の連結プレート(273)は回転カバー(230)のガイド溝(235)に挿入されるガイド突起(275)を含むことができる。回転カバー(230)が回転する間、回転カバー(230)とガイド溝(235)に収容されたガイド突起(275)間の物理的な干渉によってロック構造体(270)の線状移動が実現され得る。
【0038】
例示的な実施例において、
図7に例示された通り、ガイド溝(235)はガイド溝(235)の一端部と他端部との間でガイド溝(235)の延長方向に沿って順に配置された第1位置(P1)、第2位置(P2)、及び第3位置(P3)を含むことができる。ガイド溝(235)の第1位置(P1)はガイド溝(235)の一端部にある位置であり、ガイド溝(235)の第3位置(P3)はガイド溝(235)の他端部にある位置であり、ガイド溝(235)の第2位置(P2)はガイド溝(235)の第1位置(P1)と第3位置(P3)との間の位置であり得る。ガイド溝(235)の第1位置(P1)及び第2位置(P2)は、回転カバー(230)の回転中心(RC)から第1距離(D1)に離隔され得、ガイド溝(235)の第3位置(P3)は回転カバー(230)の回転中心(RC)から第1距離(D1)より大きい第2距離(D2)に離隔され得る。例示的な実施例において、ガイド溝(235)で第1位置(P1)と第2位置(P2)との間の区間はロック区間(2351)と称され得、第2位置(P2)と第3位置(P3)との間の区間はスライディング移動区間(2352)と称され得る。ロック区間(2351)は回転中心(RC)から第1距離(D1)だけ離隔された区間であり得、スライディング移動区間(2352)は回転中心(RC)から第1距離(D1)~第2距離(D2)の間に離隔された区間であり得る。
【0039】
回転カバー(230)の回転角度によって、ガイド溝(235)に対するガイド突起(275)の相対的な位置が変わることになる。ガイド突起(275)が回転カバー(230)の回転中心(RC)から実質的に同一の第1距離(D1)に離隔されたガイド溝(235)のロック区間(2351)内で相対移動する間、ロック構造体(270)は係止突起(277)が内釜(110)のフランジ部(111)に係止可能なロック位置に固定されることができる。ガイド突起(275)が回転カバー(230)の回転中心(RC)から第1距離(D1)より大きい第2距離(D2)に離隔されたガイド溝(235)のスライディング移動区間(2352)内で相対移動する間、ロック構造体(270)はロック位置とロック位置から半径方向の外側に離隔されたアンロック位置との間でスライディング移動することができる。即ち、ガイド突起(275)がガイド溝(235)のスライディング移動区間(2352)で移動する間、ロック構造体(270)は半径方向の外側に移動するか、半径方向の内側に移動することができる。具体的には、ガイド突起(275)がガイド溝(235)の第2位置(P2)から第3位置(P3)に向かって移動する間、ロック構造体(270)は半径方向の外側に移動することになる。反対に、ガイド突起(275)がガイド溝(235)の第3位置(P3)から第2位置(P2)に向かって移動する間、ロック構造体(270)は半径方向の内側に移動することになる。
【0040】
例示的な実施例において、本体蓋(200)には回転カバー(230)の回転角度を感知するように構成されたリードスイッチ(289)が提供され得る。リードスイッチ(289)は蓋フレーム(201)に固定されて、回転カバー(230)が回転する間、リードスイッチ(289)と標識子(236)間の相対距離が変わることになる。リードスイッチ(289)は、回転カバー(230)に付着されて回転カバー(230)と共に回転するように構成された標識子(236)を感知して電気的な信号を生成することができる。標識子(236)は磁性を有する物体、例えば磁石であり得る。例えば、ガイド突起(275)がガイド溝(235)の第1位置(P1)に位置する時、リードスイッチ(289)と回転カバー(230)の標識子(236)は垂直方向に重畳するように位置し、リードスイッチ(289)は第1動作信号を生成することができる。また、ガイド突起(275)がガイド溝(235)の第1位置(P1)から外れて第2位置(P2)と第3位置(P3)との間に位置する時、リードスイッチ(289)と回転カバー(230)の標識子(236)が一定距離離隔され、リードスイッチ(289)は第2動作信号を生成することができる。
【0041】
本体(100)の制御部はリードスイッチ(289)の電気的な信号を受信し、前記電気的な信号に基づいて排気組み立て体など調理機器(10)の部品の動作を制御することができる。例えば、調理機器(10)で炊事が行われる間のように、内釜(110)内の圧力が相対的に高圧状態の時、外部衝突によって回転カバー(230)が意図せず回転し、リードスイッチ(289)と回転カバー(230)の標識子(236)が一定距離離隔されれば、制御部はリードスイッチ(289)で生成された第2動作信号に基づいてソレノイドバルブ(260)の内部流路を開放させることができる。この場合、ソレノイドバルブ(260)を介して内釜(110)内の蒸気が排出され、事故を防止することができる。
【0042】
図8A及び
図8Bを参照すると、操作ハンドル(283)の回転に連動した回転カバー(230)の反時計方向の回転を通じ、ガイド突起(275)がロック区間(2351)内で移動する間、ロック構造体(270)の位置はロック位置に維持され、ロック構造体(270)と内釜(110)間のロック状態は維持され得る。
【0043】
図8B及び
図8Cを参照すると、操作ハンドル(283)の回転に連動した回転カバー(230)の反時計方向の回転を通じ、ガイド突起(275)がスライディング移動区間(2352)内で移動する間、ロック構造体(270)はロック位置からアンロック位置まで半径方向の外側に移動し、ロック構造体(270)と内釜(110)間のロック状態は解除され得る。
【0044】
加圧スライダー(290)は回転カバー(230)の回転中心(RC)から遠くなる方向(または、トッププレート(210)の中心から遠くなる方向)にロック構造体(270)を弾性支持するように構成され得る。即ち、ロック構造体(270)は加圧スライダー(290)によってロック位置からアンロック位置に向かう方向に弾性支持され得る。ロック構造体(270)が回転カバー(230)の回転に連動してロック位置からアンロック位置まで半径方向の外側に移動する間、加圧スライダー(290)はロック構造体(270)の線状移動のための外力(例えば、復元力)を提供することができる。また、加圧スライダー(290)はロック構造体(270)を弾性支持し、アンロック位置に位置するロック構造体(270)が外部衝撃などにより意図せずロック位置に移動することを防止することができる。
【0045】
例示的な実施例において、加圧スライダー(290)が提供する外力はロック構造体(270)の線状移動のために補助的に作用し得る。言い替えると、ロック構造体(270)の線状移動は操作ハンドル(283)を介して印加される力によって主導的に実現され、加圧スライダー(290)が提供する外力はスライディング移動区間(2352)内で、ガイド突起(275)が移動してロック構造体(270)が半径方向の外側に移動する間、ロック構造体(270)の線状移動に補助的に作用し得る。
【0046】
他の例示的な実施例において、ロック構造体(270)のアンロック位置からロック位置までの線状移動は、加圧スライダー(290)が提供する外力によって独立的に、または主導的に実現され得る。即ち、ロック構造体(270)がロック位置からアンロック位置に切り替わる動作で、操作ハンドル(283)を介して印加される力によってガイド突起(275)が第1位置(P1)から第2位置(P2)まで移動すると、ガイド突起(275)の第2位置(P2)から第3位置(P3)までの移動は加圧スライダー(290)が提供する外力によって独立的にまたは主導的に実現され得る。
【0047】
加圧スライダー(290)は固定本体(291)、移動本体(293)、及びスプリング(295)を含むことができる。
【0048】
固定本体(291)は支持プレート(220)に固定結合されることができる。固定本体(291)はその内部に移動本体(293)及びスプリング(295)が挿入され得る空間を提供することができる。移動本体(293)は固定本体(291)に移動可能に装着され、ロック構造体(270)の連結プレート(273)に連結されることができる。移動本体(293)は固定本体(291)内に収容されて固定本体(291)内で線状移動するように構成され得る。スプリング(295)は移動本体(293)と固定本体(291)との間に配置され得る。スプリング(295)は、例えば圧縮スプリングを含むことができる。移動本体(293)は固定本体(291)の係止段に係止される係止フック(2931)を含むことができる。移動本体(293)の線状移動範囲は移動本体(293)の係止フック(2931)と固定本体(291)の係止段との間の係止は、移動本体(293)の線状移動範囲を制限して移動本体(293)が固定本体(291)から離脱することを防止することができる。
【0049】
スプリング(295)は移動本体(293)を線状移動させるための復元力を提供することができる。スプリング(295)はロック構造体(270)のロック位置からアンロック位置に向かう方向(または、回転カバー(230)の中心から遠くなる方向)に移動本体(293)を線状移動させるための復元力を提供することができる。スプリング(295)から提供された復元力は、移動本体(293)を介して移動本体(293)に接触した、または連結された連結プレート(273)に印加され、ロック構造体(270)のロック位置からアンロック位置までの線状移動を引き起こし得る。より具体的には、ロック構造体(270)がロック位置からアンロック位置に切り替わる時、ガイド突起(275)が第1位置(P1)から第2位置(P2)まで移動する間、移動本体(293)は、固定された状態であり、スプリング(295)の圧縮量は変わらないが、ガイド突起(275)が第2位置(P2)から第3位置(P3)まで移動する間、スプリング(295)の復元力は移動本体(293)及び移動本体(293)に接するロック構造体(270)を外側に移動させることができる。
【0050】
例示的な実施例において、移動本体(293)はガイド突起(275)を介して離隔された2つのスプリング(295)が提供する弾性復元力によって線状移動するように構成され得る。
【0051】
安全構造体(240)は支持プレート(220)に装着され得る。安全構造体(240)は回転カバー(230)の内周から内側方向に突出形成された安全突出部(239)と接触するように構成され得る。安全構造体(240)は回転カバー(230)の安全突出部(239)に物理的に干渉され、回転カバー(230)が意図せず回転するのを制限するように構成され得る。例えば、調理機器(10)を利用した炊事時のように、内釜(110)内の圧力が相対的に高圧(例えば、1.2kgf/cm2以上)の場合、回転カバー(230)の回転を制限して、回転カバー(230)の回転と連動してスライディング移動するロック構造体(270)の移動を制限することができる。例えば、調理機器(10)を利用した炊事が行われる間、ガイド突起(275)はガイド溝(235)の第1位置(P1)に位置し、ロック構造体(270)は内釜(110)に噛み合うロック位置に位置するが、安全構造体(240)は回転カバー(230)の回転を制限してロック構造体(270)が意図せずアンロック位置に向かって移動するのを遮断することができる。
【0052】
安全構造体(240)は支持プレート(220)の装着構造(227)に締結されるケース(241)、支持プレート(220)の貫通ホールを覆うように支持プレート(220)に結合された底カバー部(244)、前記ケース(241)内に収容されて底カバー部(244)上に配置された安全突起(242)、及び安全突起(242)を下方に弾性支持するように構成されたスプリング(243)を含み得る。前記底カバー部(244)は、優れた弾性を有する素材で形成され、例えばダイアフラムを含み得る。安全突起(242)はケース(241)内で昇降するように構成され得る。例えば、安全突起(242)はケース(241)から上方に突出し、回転カバー(230)の安全突出部(239)に物理的に干渉可能な位置まで上昇した上昇位置と、回転カバー(230)の安全突出部(239)に干渉されないように前記上昇位置から下降した下降位置の間で昇降するように構成され得る。スプリング(243)は安全突起(242)の上昇位置から下降位置に向かう方向で前記安全突起(242)に復元力を提供することができる。
【0053】
安全突起(242)の垂直位置は内釜(110)内の圧力レベルによって決定され得る。例えば、調理機器(10)を利用した炊事が行われる間のように、内釜(110)内の圧力が相対的に高圧(例えば、1.2kgf/cm2以上)である場合、支持プレート(220)の貫通ホールを介して露出した底カバー部(244)、及び底カバー部(244)上の安全突起(242)は蒸気圧に加圧され、蒸気圧に加圧された安全突起(242)はスプリング(243)の弾性力を克服して上昇位置まで上昇することになる。一方、内釜(110)内の圧力が相対的に低圧(例えば、大気圧と実質的に同一または類似の水準の圧力)の場合、安全突起(242)はスプリング(243)の弾性力によって下降位置に固定され得る。
【0054】
安全突起(242)が上昇位置にある時、安全突起(242)は回転カバー(230)の安全突出部(239)の移動軌跡上に位置し、安全突出部(239)の側壁に接触して回転カバー(230)の回転を制限することができる。例えば、調理機器(10)を利用した炊事が行われる間、ガイド突起(275)はガイド溝(235)の第1位置(P1)に位置し、ロック構造体(270)は内釜(110)に噛み合うロック位置に位置するが、安全突起(242)は安全突出部(239)の側壁に接触して回転カバー(230)の回転を制限し、これによりロック構造体(270)が意図せずアンロック位置に移動することが遮断されることができる。
【0055】
安全突起(242)が下降位置にある時、安全突起(242)は回転カバー(230)の安全突出部(239)に干渉されないように下降するので、回転カバー(230)の回転及び回転カバー(230)の回転に連動するロック構造体(270)のスライディング移動が安全突起(242)により制限されない。
【0056】
図10A及び
図10Bは調理機器(10)の本体蓋(200)の一部を示す側面図であり、
図10Aはリフトピン(281)がピン‐ダウン(pin‐down)位置に位置する時の状態を示し、
図10Bはリフトピン(281)がピン‐アップ(pin‐up)位置に位置する時の状態を示す。
【0057】
図10A及び
図10Bを
図1~
図4、及び
図7と共に参照すると、調理機器(10)は蓋フレーム(201)に昇降可能に装着されたリフトピン(281)を含むことができる。リフトピン(281)は蓋フレーム(201)の貫通ホールに垂直方向に移動可能に装着され、リフトピン(281)のヘッド部は蓋フレーム(201)から突出することができる。リフトピン(281)の下端部は回転カバー(230)に接触して、回転カバー(230)の回転時、回転カバー(230)の表面部にスライディング接触するように構成され得る。
【0058】
図10Aに示された通り、リフトピン(281)が第1高さレベルにある回転カバー(230)の第2表面部(238)に支持された場合、リフトピン(281)はピン‐ダウン位置に位置し得る。リフトピン(281)がピン‐ダウン位置にある時、リフトピン(281)は重り(252)から離隔され得る。ここで、リフトピン(281)が重り(252)から離隔されることは、リフトピン(281)が重り(252)から一定距離離隔されて物理的に接触しない場合と、リフトピン(281)が重り(252)に物理的に接触するが重り(252)を持ち上げるのに十分な外力がリフトピン(281)により提供されない場合を含み得る。リフトピン(281)のピン‐ダウン位置で、重りバルブ(250)による蒸気排出は内釜(110)の収容空間の蒸気圧レベルによって決定され得る。
【0059】
図10Bに示された通り、リフトピン(281)が第1高さレベルより上にある第2高さレベルにある回転カバー(230)の第1表面部(237)に支持された場合、リフトピン(281)はピン‐アップ位置に位置し得る。リフトピン(281)がピン‐アップ位置にある時、リフトピン(281)は重りバルブ(250)の重り(252)を持ち上げることができる。リフトピン(281)により重り(252)が持ち上げられれば、重りバルブ(250)のシリンダ(251)の流路が内釜(110)の収容空間の蒸気圧レベルと関係なく強制開放され、内釜(110)の収容空間の蒸気は重りバルブ(250)を介して調理機器(10)の外部に排出され得る。
【0060】
例えば、回転カバー(230)が第1回転方向に回転する間、リフトピン(281)と回転カバー(230)間の接触位置は回転カバー(230)の第1表面部(237)から第2表面部(238)に移動することになって、リフトピン(281)はピン‐アップ位置からピン‐ダウン位置に下降することができる。反対に、回転カバー(230)が第2回転方向に回転する間、リフトピン(281)と回転カバー(230)間の接触位置は回転カバー(230)の第2表面部(238)から第1表面部(237)に移動することになって、リフトピン(281)はピン‐ダウン位置からピン‐アップ位置に上昇することができる。
【0061】
リフトピン(281)の昇降動作は回転カバー(230)の回転に連動してなされ得る。例示的な実施例において、ガイド突起(275)がガイド溝(235)のロック区間(2351)で移動する間、リフトピン(281)は回転カバー(230)の第2表面部(238)に接触してピン‐ダウン状態にあり得る。例示的な実施例において、ガイド突起(275)がガイド溝(235)のスライディング移動区間(2352)で移動する間、リフトピン(281)は回転カバー(230)の第1表面部(237)に接触してピン‐アップ位置にあり得る。この時、前記ガイド突起(275)がガイド溝(235)の第2位置(P2)に位置する時、リフトピン(281)はピン‐アップ位置に位置することも、またはピン‐ダウン位置に位置することもある。
【0062】
図11A及び
図11Bは本体蓋(200)の動作を示す斜視図である。
図12は操作ハンドル(283)の回転位置の変化に応じた、ガイド突起(275)の位置、ロック構造体(270)の位置、リフトピン(281)の位置を示すテーブルである。
【0063】
以下で、
図1~
図12を参照し、本体蓋(200)を含む調理機器(10)の動作方法に対して説明する。
【0064】
まず、
図11Aに示された通り、操作ハンドル(283)が第1回転位置に位置する時、ガイド突起(275)はガイド溝(235)の第1位置(P1)に位置し、ロック構造体(270)は
図9Aに示された通り、ロック構造体(270)の係止突起(277)が内釜(110)のフランジ部(111)に係止可能なロック位置に位置する。
【0065】
操作ハンドル(283)が第1回転位置に位置する時、
図10Aに示された通り第1回転カバー(230)の第2表面部(238)に支持されたリフトピン(281)はピン‐ダウン位置にあり得る。この場合、重りバルブ(250)による蒸気排出は内釜(110)の収容空間の蒸気圧レベルによって決定され得る。
【0066】
万一、操作ハンドル(283)が第1回転位置に位置してロック構造体(270)がロック位置にある時、炊事を行って内釜(110)内の圧力が相対的に高圧(例えば、1.2kgf/cm2以上)の場合、安全突起(242)が回転カバー(230)の安全突出部(239)の側壁に接触し、回転カバー(230)の回転(例えば、ガイド突起(275)をガイド溝(235)の第1位置(P1)から第2位置(P2)に向かって相対移動させるための回転カバー(230)の回転)が制限され得る。万一、内釜(110)内の圧力が相対的に低圧の場合、安全突起(242)は回転カバー(230)の安全突出部(239)に干渉されない高さに下降するので、回転カバー(230)は安全突起(242)に干渉されずに回転可能である。
【0067】
図11Bを参照すると、操作ハンドル(283)が第1回転位置から第2回転位置に切り替われば、ガイド突起(275)はガイド溝(235)の第1位置(P1)から第2位置(P2)に移動し、ロック構造体(270)はロック位置に固定される。操作ハンドル(283)が第2回転位置に位置する時、リフトピン(281)は
図10Bに示された通り、回転カバー(230)の第1表面部(237)に支持されてピン‐ダウン位置からピン‐アップ位置に上昇することができる。または、リフトピン(281)は操作ハンドル(283)が第2回転位置に位置する時点でピン‐ダウン位置にあることもあり、リフトピン(281)が重り(252)を持ち上げるピン‐アップ位置は、ガイドピンがガイド溝(235)の第2位置(P2)から第3位置(P3)に移動する間、または第3位置(P3)に到達した時点で達成されることもある。
【0068】
操作ハンドル(283)が第2回転位置から第3回転位置に切り替われば、
図8Cに示された通り、ガイド突起(275)はガイド溝(235)の第2位置(P2)から第3位置(P3)に移動し、ロック構造体(270)はロック位置からアンロック位置までスライディング移動することができる。ロック構造体(270)のロック位置からアンロック位置に向かうスライディング移動は加圧スライダー(290)が提供する外力によって実現されることができる。また、操作ハンドル(283)が第2回転位置から第3回転位置に切り替われば、リフトピン(281)は第1表面部(237)に支持されてピン‐アップ位置に位置することができる。
【0069】
本発明の例示的な実施例によれば、回転カバー(230)の回転に連動してロック構造体(270)が線状スライディング移動するように構成され、ロック構造体(270)のロック位置とアンロック位置間の切り替えは、ロック構造体(270)の線状スライディング移動を通じて実現され得る。また、本発明の例示的な実施例によれば、ロック構造体(270)のスライディング移動のための外力を提供する加圧スライダー(290)を含むので、ロック構造体(270)の動作の再現性及び安全性が向上し得る。
【0070】
図13は本発明の例示的な実施例による調理機器用カバー組み立て体(300)を示す斜視図である。
図14は
図13のXIV‐XIV’線に沿ったカバー組み立て体(300)の断面図である。
図15はカバー組み立て体(300)のカバープレート(310)を示す斜視図である。
図16はカバー組み立て体(300)のパッキング(330)を示す斜視図である。
図17はカバー組み立て体(300)のパッキング(330)を示す側面図である。
【0071】
図13~
図17を参照すると、カバー組み立て体(300)は調理機器(
図1の10)を利用した調理過程で発生する高温高圧の蒸気漏洩を遮断するように調理機器(10)に提供され得る。カバー組み立て体(300)は調理機器(10)の本体蓋(
図1の200)に分離可能に締結され得る。カバー組み立て体(300)は調理機器(10)の本体蓋(200)に締結され、調理機器(10)の本体(
図1の100)に収容された内釜(
図1の110)と、調理機器(10)の本体蓋(200)のトッププレート(
図1の210)との間の隙間を密閉するように構成され得る。
【0072】
カバー組み立て体(300)はカバープレート(310)、ハンドル(320)、及びパッキング(330)を含むことができる。
【0073】
カバープレート(310)は内釜(110)を覆うのに適切な形態及びサイズを有することができる。カバープレート(310)は平面的観点から略円板形態を有することができる。カバープレート(310)は調理過程で発生する蒸気がカバープレート(310)に溜まるようにし、調理過程で発生した蒸気によるトッププレート(210)及びトッププレート(210)に搭載された各種電装部品を保護することができる。カバープレート(310)はステンレススチール(stainless steel)等の軽量かつ簡単に曲がらない強度を有する物質を含み得るが、これに限定されはしない。
【0074】
ハンドル(320)はカバープレート(310)の中心部に締結されることができる。例えば、ハンドル(320)はカバープレート(310)の中心部に提供された締結ホール(313)に分離可能に締結され得る。例えば、ハンドル(320)の外周面に形成された溝がカバープレート(310)の締結ホール(313)を定義する本体の部分にはめられることによって、ハンドル(320)とカバープレート(310)間の締結が実現され得る。ハンドル(320)の上部はカバープレート(310)から上方に突出し得、ハンドル(320)の下部はカバープレート(310)から下方に突出し得る。
【0075】
ハンドル(320)は、本体蓋(200)に設けられた固定ポスト(282)(
図18参照)が嵌合され得る挿入溝(321)を含むことができる。例えば、固定ポスト(282)はトッププレート(210)の底面から下方に延びた柱状であり、ハンドル(320)の挿入溝(321)はハンドル(320)の上面から下方に延びて固定ポスト(282)が嵌合されるのに適したサイズ及び形態を有することができる。固定ポスト(282)がハンドル(320)の挿入溝(321)に嵌合されることによって、カバー組み立て体(300)が本体蓋(200)に結合され得る。そして、固定ポスト(282)がハンドル(320)の挿入溝(321)から分離されることによって、カバー組み立て体(300)が本体蓋(200)から分離され得る。カバー組み立て体(300)を本体蓋(200)から分離するために、使用者はカバープレート(310)の底面から突出したハンドル(320)の下部を把持した状態で下方に作用する外力を印加し、カバープレート(310)を本体蓋(200)から分離することができる。
【0076】
ハンドル(320)は弾性変形可能な物質を含むことができる。例えば、ハンドル(320)はシリコーンゴムまたは合成ゴムの材質を含むことができるが、これに限定されはしない。
【0077】
パッキング(330)はカバープレート(310)の縁部に分離可能に締結されることができる。パッキング(330)はカバープレート(310)の縁部に沿って連続的に延びたリング形態を有することができ、カバープレート(310)の縁部に連続的に接触することができる。例示的な実施例において、カバープレート(310)の外郭部(311)はカバープレート(310)の中心から遠くなる方向または半径方向に延びた平板形態を有し、パッキング(330)の内側面にはカバープレート(310)の外郭部(311)を収容する締結溝(3311)が提供され得る。パッキング(330)の締結溝(3311)はカバープレート(310)の縁部に沿って連続的に延び、カバープレート(310)の外郭部(311)がパッキング(330)の内側面に提供された締結溝(3311)にはめられることによって、カバープレート(310)とパッキング(330)間の締結が実現され得る。
【0078】
例えば、パッキング(330)は弾性変形可能な物質を含むことができる。例えば、パッキング(330)はシリコーンゴムまたは合成ゴムの材質を含み得るが、これに限定されはしない。
【0079】
パッキング(330)は中心本体(331)、上部密着突起(333)、及び下部密着突起(335)を含むことができる。
【0080】
パッキング(330)の中心本体(331)はカバープレート(310)に接触する部分であり、平面的観点からカバープレート(310)の縁部に沿って連続的に延びたリング形態を有することができる。中心本体(331)の内側面にはカバープレート(310)の外郭部(311)が挿入されて固定される締結溝(3311)が提供され得る。中心本体(331)はカバープレート(310)の外郭部(311)の上面上から延びた上部、中心本体(331)はカバープレート(310)の外郭部(311)の下面上から延びた下部、及び前記上部と下部を連結する側部を含み得る。
【0081】
上部密着突起(333)は中心本体(331)から内側に(即ち、パッキング(330)の中心、またはカバープレート(310)の中心に向かう方向に)上向きに傾斜して延び得、下部密着突起(335)は中心本体(331)から内側に(即ち、パッキング(330)の中心、またはカバープレート(310)の中心に向かう方向)下向きに傾斜して延び得る。上部密着突起(333)はカバープレート(310)の外郭部(311)と垂直方向に重畳し得、カバープレート(310)の外郭部(311)の上面上にあり得る。下部密着突起(335)はカバープレート(310)の外郭部(311)と垂直方向に重畳し得、カバープレート(310)の外郭部(311)の下面下にあり得る。
【0082】
パッキング(330)は上下対称構造を有することができる。即ち、パッキング(330)はパッキング(330)の垂直方向、または高さ方向に沿った中心を通る中心平面(CP)に対して上下対称となった構造(例えば、パッキング(330)の垂直方向または高さ方向に沿った中心を通る中心平面(CP)を基準に対称となった鏡形状)を有することができる。この場合、パッキング(330)の上下方向性が除去されるので、パッキング(330)とカバープレート(310)間の組み立てがより一層容易になり得る。
【0083】
上部密着突起(333)は中心本体(331)の端部から上向き折曲した、または上方に突出した形態を有することができる。上部密着突起(333)は平面的観点から、リング形態の中心本体(331)に沿って、またはカバープレート(310)の縁部に沿って連続的に延びたリング形態であり、その延長方向に沿ってトッププレート(210)と連続的に接触するように構成され得る。カバー組み立て体(300)が調理機器(10)に搭載された時、上部密着突起(333)とトッププレート(210)の接触面で下方に作用する外力は、パッキング(330)の上部密着突起(333)に印加され、パッキング(330)の上部(即ち、カバープレート(310)の外郭部(311)上にあるパッキング(330)の一部分)を弾性変形させることができる。弾性変形されたパッキング(330)の弾性復元力によって、上部密着突起(333)はトッププレート(210)に密着することができる。上部密着突起(333)はトッププレート(210)に密着して、トッププレート(210)とパッキング(330)間に隙間が生じるのを防止し、調理機器(10)を利用した調理過程で発生した蒸気がトッププレート(210)とパッキング(330)との間に漏洩するのを遮断することができる。
【0084】
下部密着突起(335)は中心本体(331)の端部から下方折曲された、または下方に突出した形態を有することができる。下部密着突起(335)は平面的観点からリング形態の中心本体(331)に沿って、またはカバープレート(310)の縁部に沿って連続的に延びたリング形態であり、その延長方向に沿って内釜(110)と連続的に接触するように構成され得る。カバー組み立て体(300)が調理機器(10)に搭載された時、下部密着突起(335)と内釜(110)の接触面から上方に作用する外力はパッキング(330)の下部密着突起(335)に印加されてパッキング(330)の下部(即ち、カバープレート(310)の外郭部(311)の下にあるパッキング(330)の一部分)を弾性変形させることができる。弾性変形されたパッキング(330)の弾性復元力によって、下部密着突起(335)は内釜(110)に密着することができる。下部密着突起(335)は内釜(110)に密着し、内釜(110)とパッキング(330)との間に隙間が生じるのを防止し、調理機器(10)を利用した調理過程で発生した蒸気が内釜(110)とパッキング(330)の間に漏洩するのを遮断することができる。
【0085】
パッキング(330)は中心本体(331)の上面(331U)(即ち、トッププレート(210)と向き合う表面)に提供された少なくとも1つの上部エアー溝(341)を含むことができる。少なくとも1つの上部エアー溝(341)は、概ねカバープレート(310)の中心から遠くなる方向または半径方向に延び、概ね線状的に延びることができる。上部エアー溝(341)はトッププレート(210)と連続的に接触してパッキング(330)とトッププレート(210)との間に連続的な密閉区間を形成する上部密着突起(333)には形成されない。例えば、上部エアー溝(341)は上部密着突起(333)とトッププレート(210)間の接触部から離隔された一端部から中心本体(331)の外側面(331S)まで線状的に延びることができる。
【0086】
例えば、パッキング(330)は1つの上部エアー溝(341)を含むこともでき、パッキング(330)の周方向に沿って相互に離隔された複数の上部エアー溝(341)を含むこともできる。パッキング(330)が複数の上部エアー溝(341)を含む場合、複数の上部エアー溝(341)は均一かつ一定の間隔であり得る。即ち、隣接する2つの上部エアー溝(341)間の周方向に沿った距離は一定であり得る。
【0087】
パッキング(330)は中心本体(331)の下面(331L)(即ち、内釜(110)と向き合う表面)に提供された少なくとも1つの下部エアー溝(343)を含むことができる。少なくとも1つの下部エアー溝(343)は、概ねカバープレート(310)の中心から遠くなる方向または半径方向に延び、概ね線状的に延びることができる。下部エアー溝(343)は内釜(110)と連続的に接触してパッキング(330)と内釜(110)との間に連続的な密閉区間を形成する下部密着突起(335)には形成されない。例えば、下部エアー溝(343)は下部密着突起(335)と内釜(110)間の接触部から離隔された一端部から中心本体(331)の外側面(331S)まで線状的に延びることができる。
【0088】
例えば、パッキング(330)は1つの下部エアー溝(343)を含むこともでき、パッキング(330)の周方向に沿って相互に離隔された複数の下部エアー溝(343)を含むこともできる。パッキング(330)が複数の下部エアー溝(343)を含む場合、複数の下部エアー溝(343)は均一かつ一定の間隔であり得る。即ち、隣接する2つの下部エアー溝(343)間の周方向に沿った距離は一定であり得る。
【0089】
パッキング(330)は中心本体(331)の上面(331U)に設けられた上部エアー溝(341)の一端部から中心本体(331)の下面(331L)に設けられた下部エアー溝(343)の一端部まで延長された連結溝(345)をさらに含むことができる。前記連結溝(345)は中心本体(331)の外側面(331S)に設けられ、概ね垂直方向に延びて上部エアー溝(341)と下部エアー溝(343)間を連結することができる。上部エアー溝(341)と下部エアー溝(343)が連結溝(345)を介して連結されることによって、パッキング(330)には下部密着突起(335)に隣接したパッキング(330)の下部の一地点から始まって上部密着突起(333)に隣接したパッキング(330)の上部の一地点まで連続的に延びた溝が形成され得る。
【0090】
パッキング(330)は中心本体(331)の上面(331U)(即ち、トッププレート(210)と向き合う表面)に提供された少なくとも1つの上部補助溝(347)を含むことができる。少なくとも1つの上部補助溝(347)は概ねカバープレート(310)の中心から遠くなる方向、または半径方向に延び、概ね線状的に延びることができる。上部補助溝(347)はトッププレート(210)と連続的に接触してパッキング(330)とトッププレート(210)との間に連続的な密閉区間を形成する上部密着突起(333)には形成されない。例えば、上部補助溝(347)は上部密着突起(333)から一定距離離隔された地点から、または中心本体(331)と上部密着突起(333)間の境界から中心本体(331)の外側面(331S)に向かって延びることができる。
【0091】
例えば、パッキング(330)は1つの上部補助溝(347)を含むこともでき、パッキング(330)の周方向に沿って相互に離隔された複数の上部補助溝(347)を含むこともできる。例えば、パッキング(330)の周方向に隣接する2つの上部エアー溝(341)間には、複数の上部補助溝(347)が提供され得る。
【0092】
上部補助溝(347)の深さは、上部エアー溝(341)の深さより小さいことがあり、また、上部補助溝(347)の水平幅(即ち、パッキング(330)の周方向による幅)及び延長長さ(即ち、パッキング(330)の半径方向またはパッキング(330)の中心から遠くなる方向に延びた長さ)は、それぞれ上部エアー溝(341)の水平幅及び延長長さより小さいことがある。
【0093】
パッキング(330)は中心本体(331)の下面(331L)(即ち、内釜(110)と向き合う表面)に提供された少なくとも1つの下部補助溝(349)を含むことができる。少なくとも1つの下部補助溝(349)は概ねカバープレート(310)の中心から遠くなる方向または半径方向に延び、概ね線状的に延びることができる。下部補助溝(349)は内釜(110)と連続的に接触し、パッキング(330)と内釜(110)との間に連続的な密閉区間を形成する下部密着突起(335)には形成されない。例えば、下部補助溝(349)は下部密着突起(335)から一定距離離隔された地点から、または中心本体(331)と下部密着突起(335)間の境界から中心本体(331)の外側面(331S)に向かって延びることができる。
【0094】
例えば、パッキング(330)は1つの下部補助溝(349)を含むこともでき、パッキング(330)の周方向に沿って相互に離隔された複数の下部補助溝(349)を含むこともできる。例えば、パッキング(330)の周方向に隣接する2つの下部エアー溝(343)の間には、複数の下部補助溝(349)が提供され得る。
【0095】
下部補助溝(349)の深さは下部エアー溝(343)の深さより小さいことがあり、また、下部補助溝(349)の水平幅(即ち、パッキング(330)の周方向による幅)及び延長長さ(即ち、パッキング(330)の半径方向またはパッキング(330)の中心から遠くなる方向に延びた長さ)は、それぞれ下部エアー溝(343)の水平幅及び延長長さより小さいことがある。
【0096】
上部エアー溝(341)と下部エアー溝(343)が連結溝(345)を介して連結されたのとは異なって、上部補助溝(347)と下部補助溝(349)は互いに連結されないことがある。
【0097】
パッキング(330)が上下対称構造を有する場合、上部エアー溝(341)の個数及び配列(例えば、隣接する上部エアー溝(341)間の間隔)は、下部エアー溝(343)の個数及び配列と同一であり、また、上部補助溝(347)の個数及び配列は下部補助溝(349)の個数及び配列と同一であり得る。
【0098】
図18はカバー組み立て体(300)を含む調理機器の一部を示す断面図である。
図19は
図18の「XIX」で示された領域を示す拡大図である。
【0099】
図18及び
図19を
図1、
図13~
図17と共に参照すると、カバー組み立て体(300)は本体蓋(200)に分離可能に締結されることができる。トッププレート(210)から下方に突出した固定ポスト(282)が、ハンドル(320)の挿入溝(321)に挿入されることによって、カバー組み立て体(300)は本体蓋(200)に締結されることができる。カバー組み立て体(300)が本体蓋(200)に締結された時、カバー組み立て体(300)はトッププレート(210)の移動時にトッププレート(210)と共に移動することができる。カバー組み立て体(300)が本体蓋(200)に締結された時、カバー組み立て体(300)のパッキング(330)はトッププレート(210)と内釜(110)との間に配置され、トッププレート(210)と内釜(110)との間の隙間に蒸気が漏洩するのを遮断する。例えば、カバー組み立て体(300)のパッキング(330)はトッププレート(210)と内釜(110)との間で圧着され、トッププレート(210)と内釜(110)との間の隙間に蒸気が漏洩するのを遮断するように構成され得る。
【0100】
調理機器(10)で炊事が行われる間、上部密着突起(333)がトッププレート(210)に密着すれば、上部密着突起(333)とトッププレート(210)間の接触部近辺には、パッキング(330)の上部とトッププレート(210)によって囲まれた第1空間(SA)が形成され得る。第1空間(SA)は中心本体(331)の上面(331U)とトッププレート(210)との間の空間を含み得る。トッププレート(210)と向き合うパッキング(330)の表面に設けられた上部エアー溝(341)はパッキング(330)の外側または内釜(110)の外側にある外部空間と第1空間(SA)との間を連通させ、パッキング(330)の外側または内釜(110)の外側にある前記外部空間と第1空間(SA)との間で空気の流動を許容することができる。
【0101】
比較例として、パッキング(330)に上部エアー溝(341)がない場合、調理機器(10)で炊事が行われる間、第1空間(SA)に真空が形成され得る。この場合、パッキング(330)がトッププレート(210)に強く付着されているため、炊事終了後にパッキング(330)とトッププレート(210)間の分離に要求される力が大きくなり、パッキング(330)とトッププレート(210)間の分離のためにパッキング(330)に印加された力によってパッキング(330)が変形及び摩耗し得る。このようなパッキング(330)の変形及び摩耗によって、パッキング(330)の密閉性能が低下し得る。
【0102】
また、調理機器(10)で炊事が行われる間、下部密着突起(335)が内釜(110)に密着すれば、パッキング(330)の下部と内釜(110)により囲まれた第2空間(SB)が形成され得る。第2空間(SB)は中心本体(331)の下面(331L)と内釜(110)との間の空間を含み得る。内釜(110)と向き合うパッキング(330)の表面に設けられた下部エアー溝(343)は、パッキング(330)の外側または内釜(110)の外側にある外部空間と第2空間(SB)の間を連通させて、パッキング(330)の外側または内釜(110)の外側にある前記外部空間と第2空間(SB)との間で空気の流動を許容し得る。
【0103】
比較例として、パッキング(330)に下部エアー溝(343)がない場合、調理機器(10)で炊事が行われる間、第2空間(SB)に真空が形成され得る。この場合、パッキング(330)が内釜(110)に強く付着されているため、本体蓋(200)の開放動作時、パッキング(330)と内釜(110)間の分離に要求される力が大きくなり、パッキング(330)と内釜(110)間の分離のためにパッキング(330)に印加された力によってパッキング(330)が変形及び摩耗し得る。このようなパッキング(330)の変形及び摩耗によって、パッキング(330)の密閉性能が低下し得る。
【0104】
しかし、本発明の実施例において、調理機器(10)で炊事が行われる間、上部エアー溝(341)は第1空間(SA)とパッキング(330)の外側にある外部空間の空気流動を許容し、下部エアー溝(343)は第2空間(SB)とパッキング(330)の外側にある外部空間の空気流動を許容するので、第1空間(SA)及び/又は第2空間(SB)に真空が形成されるのを防止することができる。従って、第1空間(SA)及び/又は第2空間(SB)に真空が形成されることによって引き起こされ得るパッキング(330)の変形及び摩耗が防止され得る。
【0105】
また、本発明の実施例において、トッププレート(210)に向き合うパッキング(330)の表面に提供された上部補助溝(347)は、上部エアー溝(341)と共にパッキング(330)の上部とトッププレート(210)との間に真空が形成されるのをさらに抑制するように機能し得、内釜(110)に向き合うパッキング(330)の表面に提供された下部補助溝(349)は、下部エアー溝(343)と共にパッキング(330)の下部と内釜(110)との間に真空が形成されるのをさらに抑制するように機能し得る。
【0106】
例示的な実施例において、調理機器(10)はトッププレート(210)上に提供され、下方に弾性復元力を提供するように構成されたスプリング(288)を含み得る。スプリング(288)は、例えば、トッププレート(210)上に提供された支柱(229)に装着され、トッププレート(210)を下方に加圧する弾性復元力を提供することができる。即ち、スプリング(288)はトッププレート(210)の上昇位置から下降位置に向かう方向にトッププレート(210)を弾性支持するように構成され得る。スプリング(288)は、例えば、圧縮スプリング(288)を含むことができる。スプリング(288)が提供する弾性復元力がトッププレート(210)全体にわたって概ね均一に作用するように、トッププレート(210)上にはトッププレート(210)の中心を基準に対称となって配置された複数のスプリング(288)が提供され得る。
【0107】
スプリング(288)は内釜(110)内の圧力が高圧状態の時、トッププレート(210)、及び/又は本体蓋(200)に作用する力を吸収し、トッププレート(210)及び/又は本体蓋(200)の変形及び損傷を防止し得る。さらに、スプリング(288)はトッププレート(210)の上昇位置から下降位置に向かう方向にトッププレート(210)及びパッキング(330)を弾性支持することができる。この場合、トッププレート(210)と内釜(110)との間に配置されたパッキング(330)はスプリング(288)が提供する弾性復元力によって圧着され得る。スプリング(288)が提供する弾性復元力によって、内釜(110)内の圧力が高圧状態の場合にも、内釜(110)とトッププレート(210)との間に配置されたパッキング(330)が適正水準に圧着され得る。
【0108】
本発明の例示的な実施例によれば、カバー組み立て体(300)は調理機器(10)の本体蓋(200)に分離可能に締結され、カバー組み立て体(300)のパッキング(330)はパッキング(330)とトッププレート(210)の間の空間、及びパッキング(330)と内釜(110)の間の空間に真空が形成されるのを防止することによって、パッキング(330)を本体蓋(200)及び/又は内釜(110)から分離する過程でパッキング(330)に過度な外力が印加されるのを防止することができる。これにより、パッキング(330)の変形及び摩耗が防止されてパッキング(330)による密閉性能が向上することができ、最終的には調理機器(10)の調理品質が向上することができる。
【0109】
以上のように、図面と明細書で例示的な実施例が開示された。本明細書で特定の用語を用いて実施例を説明したが、これは単に本開示の技術的思想を説明する目的で用いられたものであって、意味の限定、もしくは請求の範囲に記載された本開示の範囲を制限するために用いられたものではない。従って、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形、及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するはずである。従って、本開示の真の技術的な保護範囲は、添付の請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に収容された内釜と、
前記本体に連結されて前記内釜を覆う本体蓋と、
を含み、
前記本体蓋は、
前記内釜を覆うトッププレートと、
前記トッププレート上に配置される支持プレートと、
回転方向に対応する形態で延びたガイド溝を含み、前記トッププレートの縁部に沿って回転可能に前記トッププレート上に配置された回転カバーと、
前記内釜のフランジ部にかかるように構成された係止突起
、前記係止突起の本体に連結される連結プレート、および前記ガイド溝に挿入されるガイド突起を含み、前記回転カバーの回転に連動してロック位置とアンロック位置間で線状移動するように構成され、前記ロック位置は、前記係止突起が前記内釜の前記フランジ部に垂直方向に重畳した位置であり、前記アンロック位置は、前記ロック位置から半径方向の外側に離隔された位置である、ロック構造体と、
前記ロック位置から前記アンロック位置に向かう方向に前記ロック構造体を弾性支持するように構成された加圧スライダーと、
を含
み、
前記加圧スライダーは、
前記支持プレートに結合される固定本体と、
前記固定本体の係止段にかかるように構成された係止フックを含み、内で線状移動するように構成され、前記ロック構造体に接触する移動本体と、
前記固定本体と前記移動本体との間に提供され、前記ガイド突起が前記ガイド溝に沿って移動するに伴い前記移動本体を前記回転カバーの中心から遠くなる方向に移動させるための復元力を提供するスプリングと、
を含む、調理機器。
【請求項2】
前記ガイド溝は、
前記回転カバーの中心から第1距離だけ離隔された第1区間と、前記回転カバーの中心から前記第1距離より大きい距離で離隔された第2区間を含み、
前記ロック構造体は、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第1区間内にある間、前記ロック位置に位置し、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第2区間内で移動する間、前記ロック位置と前記アンロック位置の間で移動する、請求項1に記載の調理機器。
【請求項3】
前記内釜の収容空間と連通する流路を含むシリンダ、及び前記内釜内の蒸気圧に応じて前記シリンダの流路を開閉するように構成された重りを含む重りバルブと、
前記回転カバーの回転角度によってピン‐ダウン位置とピン‐アップ位置間で昇降するように構成されたリフトピンと、
をさらに含み、
前記リフトピンは、前記ピン‐アップ位置に位置して前記シリンダの流路の流出口が強制開放されるように前記重りを持ち上げる、請求項2に記載の調理機器。
【請求項4】
前記リフトピンは、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第1区間内で移動する間、前記ピン‐ダウン位置に位置し、
前記ガイド突起が前記ガイド溝の前記第2区間内で移動する間、前記ピン‐アップ位置に位置する、請求項3に記載の調理機器。
【請求項5】
前記本体蓋に分離可能に締結されるカバー組み立て体をさらに含み、
前記本体蓋は、前記トッププレートから下方に突出した固定ポストをさらに含み、
前記カバー組み立て体は、
前記内釜を覆うカバープレートと、
前記カバープレートの縁部に結合され、前記カバープレートの前記縁部に沿って延びたリング形態を有し、前記内釜と前記トッププレートとの間に配置されて前記内釜と前記トッププレートの間を密閉するように構成されたパッキングと、
前記カバープレートの中心部に提供され、前記固定ポストが挿入される挿入溝を含むハンドルと、
を含み、
前記パッキングは、
前記カバープレートがはめられる締結溝を含み、前記カバープレートの縁部に沿って延びたリング形態の中心本体と、
前記中心本体から内側に上向きに傾斜して延び、前記中心本体に沿って延びたリング形態であり、前記トッププレートと連続的に接触した上部密着突起と、
前記中心本体から内側に下向きに傾斜して延び、前記中心本体に沿って延びたリング形態であり、前記内釜と連続的に接触した下部密着突起と、
前記中心本体の上面に提供された少なくとも1つの上部エアー溝と、
前記中心本体の下面に提供された少なくとも1つの下部エアー溝と、
を含む、請求項1に記載の調理機器。
【国際調査報告】