(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ピリミジン-環化トリアゾール誘導体及び血小板凝集の阻害におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20241128BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20241128BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20241128BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20241128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20241128BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241128BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C07D487/04 146
C07D487/04 CSP
A61P9/10
A61P9/00
A61P7/02
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/519
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024556596
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2022138449
(87)【国際公開番号】W WO2023109775
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/137533
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524223138
【氏名又は名称】ベイジン ホンフイ メディテック シーオー エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ピンピン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ シャオション
(72)【発明者】
【氏名】トン ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ イェ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA401
4C084ZA541
4C084ZA542
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB08
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA40
4C086ZA54
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、式(I)の新規なピリミジン環化誘導体及びこれらの化合物の調製方法、並びに血栓症又は関連障害の治療及び/又は予防におけるP2Y
12受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用に関する。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【化1】
(式中、
Xは、O、S、-S(O)-又は-S(O)
2-を表し、
Zは、S、O、NR
10、NH、又は単結合を表し、
R
10は、C
1-6アルキルを表し、
R
9は、H、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル、C
1-8アルキル-カルボニル、C
3-8シクロアルキル、アリール、アラルキル、4~6員ヘテロシクリル又は4~6員ヘテロシクリルアルキルを表し、ただし、各前記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルコキシ、C
1-3アルキルチオ、アミノ、N-モノアルキルアミノ、N,N-ジ-アルキルアミノ、シアノ及びニトロから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
8は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルキルオキシカルボニル、N-C
1-3アルキルカルバモイル又はN,N-ジC
1-3アルキルカルバモイルを表し、ただし、前記C
1-6アルキル基、N-C
1-3アルキルカルバモイル基及びN,N-ジC
1-3アルキルカルバモイル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
Yは、H、C
1-8アルキル、C
1-6アルコキシ-C
1-6アルキル、C
1-6アルキル-チオ-C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-3アルキル、フェニル-C
1-3アルキル、フェニル-C
3-8シクロアルキル、4~10員環ヘテロシクリル、4~10員環ヘテロシクリル-C
1-3アルキル又は4~10員環ヘテロシクリル-C
3-8シクロアルキルを表し、ただし、各前記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C
1-3アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
1-3アルコキシ-C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、アミノ、N-アルキルアミノ、及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
1は、H、シアノ、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、C
1-8アルキルカルボキシルメチル、又はベンゾイルメチルを表し、ただし、前記のC
1-8アルキルカルボキシルメチル基及びベンゾイルメチル基は、ハロゲン、カルボキシル及びC
1-6アルコキシ-カルボニルから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
2及びR
3は、独立して、水素、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、-CH
2C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル若しくはシアノを表し、又は、R
2及びR
3は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、前記カルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
4及びR
5は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル、シアノ、アミノ、N-アルキルアミノ若しくはN,N-ジアルキルアミノを表し、又は、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、前記カルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
6は、水素、シアノ、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル又は2-ヒドロキシエチルを表し、
R
7は、H、F、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル若しくはHOC(O)CH
2-を表し、又は、R
7及びR
12は一緒に一つのオキソを表し、
Aは、単結合、H、O、S、CH
2、CH
2CH
2、CHF、CF
2又はC(O)を表し、
Eは、水素、F、-OH、R
11O-、R
11OC(O)-、R
11C(O)-、R
11C(O)O-、又はG1、G2及びG3から選択される部分構造を表し、
【化2】
R
11は、水素、C
1-8アルキル、C
3-8アルケニル、C
3-8アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ベンジル、アリール又はヘテロシクリルを表し、ただし、前記の基は、ハロゲン、OH、ニトロ、シアノ、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、-C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル及びC
1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
12は、水素を表し、又はR
12及びR
7は一緒に一つのオキソを表し、
ただし、R
8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R
8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R
9はHではない。)
【請求項2】
式中、
XはOであり、R
6はHであり、
ただし、R
8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R
8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R
9はHではない、
請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【請求項3】
式中、XはOであり、R
1はHであり、R
6はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、XはOであり、R
6はHであり、R
1はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSであり、R
7はHであり、R
9はC
1-5アルキル、C
3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロアリールで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記フェニル又はヘテロシクリルは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
式中、Aは単結合、H、又はOであり、XはOであり、R
6はHであり、R
1はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSであり、R
7はHであり、R
9はC
1-5アルキル、C
3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロアリールで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記フェニル又はヘテロシクリルは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
式中、R
12はHであり、R
4及びR
5は、H、フッ素及びヒドロキシルから独立して選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
式中、R
1はHであり、R
6はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSであり、R
3はHであり、AはO又は単結合であり、EはH、R
11O-又はR
11C(O)-であり、R
11はC
1-8アルキル、ベンジル、ヘテロシクリル又はフェニルであり、前記のC
1-8アルキル基、ベンジル基、フェニル基又はヘテロシクリル基は、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、カルボキシル、C
1-6アルコキシカルボニル及びC
1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
式中、R
12はHであり、R
3はHであり、R
2はヒドロキシメチルである、請求項1~5及び請求項7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
式中、Yは、フェニルで置換されたシクロプロピルであり、前記フェニルは1~4個のフッ素で置換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,4R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール、
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール、
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルスルフィニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸、
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール、
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール、
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール、
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸、
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸、
及び2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸から選択される、
請求項1又は請求項2に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【請求項11】
宿主における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための医薬組成物であって、有効量の、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項12】
1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
治療に使用するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状の治療、改善又は予防に使用するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
その使用は、1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための薬剤の製造における、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
上記の治療又は予防のための薬剤の製造における、請求項16に記載の化合物の使用であって、1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、使用。
【請求項18】
治療を必要とする対象における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療又は予防するための方法であって、治療有効量の請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項19】
1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規なピリミジン-環化トリアゾール誘導体及びこれらの化合物の調製方法、並びに血栓症又は関連障害の治療及び/又は予防におけるP2Y12受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患及び脳血管疾患は、世界で最も一般的な死亡及び罹病の原因の1つである。アテローム血栓症は、破裂したアテローム斑の表面、又は内皮びらんの結果として発症する急性合併症であり、心筋梗塞又はや虚血性脳卒中を引き起こす可能性がある(Davi,G et al,New Engl.J.Med.,2007,357,2482;Michelson,A.et al,Nat.Rev.Drug Discovery 2010,9,154)。血小板は、固体血餅の急速な形成によって血管損傷後の過剰な失血を防ぐための血液中の肝心の細胞成分である。血小板の活性化と凝集は正常な止血に不可欠であるが、病理学的障害下では、生命を脅かす可能性のある急性の動脈血栓事象をトリガーする肝心のメカニズムでもある。
【0003】
いくつかの収束経路が血小板凝集につながる。凝集の最終ステップは、フィブリノーゲンを膜糖タンパク質受容体(GP IIb/IIIa)に結合させることによる血小板の架橋である。トロンビンは、他の経路とはほぼ独立して血小板凝集を誘導することができるが、他のメカニズムによる血小板の事前の活性化がなければ、かなりの量のトロンビンが存在する可能性は低い。現在利用可能な抗血小板治療薬の大部分は、血小板アゴニストの産生を阻害するか、又は特定の血小板受容体を遮断することによって機能する(Thijs,T,Clin.Chem.Lab.Med.,2010,48 Suppl.1,S3;Sakhuja,R.et al Curr.Probl.Cardiol.2010,35,123)。例えば、アスピリンは、トロンボキサンA2の生成を減少させ(Tohgi,H et al,Stroke,1992,23,1400)、アブシキシマブ、エピチフィバチド、及びチロフィバンなどは、GP IIb/IIIa受容体を阻害し(Epic Investigators,New Engl.J.Med,1994,330,956;Gibson,C.Am Heart J.,2006,152,668;Hartman,G.et al,J Med.Chem.1992,35,4640)、クロピドグレル、プラスグレル、チクロピジン、カングレロール、及びチカグレロルは、プリン受容体に対するアデノシン-5’-二リン酸(ADP)の誘導効果に拮抗する(Horiuchi,H,Ann.Med.2066,38,162)。
【0004】
ADPは、血小板の活性化及び凝集を誘導する肝心のシグナル伝達分子であり、したがって動脈血栓形成の開始及び進行において肝心の役割を果たす(Gachet,C,Thromb.Haemostasis 2001,86,222)。ADP誘発血小板凝集は、2つの特異的なP2Y受容体、P2Y1及びP2Y12への結合によってトリガーされる。ADPが原形質膜上のこれらのP2Y受容体に結合すると、アデニリルシクラーゼの阻害が誘導され、細胞内カルシウムイオンの流入と動員、ホスホイノシチド-3キナーゼ(PI3K)の活性化、血小板凝集、及び他のメディエーターの分泌などの細胞内シグナル伝達経路が調節され、したがって初期の事前凝集シグナルが増幅される(Cateneo,M,Dru News Persp.2006,19,253;Dangelmaier,C.et al,Thromb.Haemost.,2001,85,341;Bourdon,D.et al,J.Thromb.Haemost.,2006,4,861、Pfefferkom,A.et al,Bioog.Med.Chem.Lett.2008,18,3338)。しかしながら、P2Y1は遍在的に発現するが、P2Y12受容体は主に血小板上で発現する(Boeynaems,J.,et al,Semin.Thromb.Haemast.,2005,31,139;Jacobson,K et al,Drug Disc.Today,2010,15,570)。更に、実験研究では、血小板凝集を阻害及び防止するには、P2Y12を阻害するだけで十分であることが示されている(Andre,P.et al,J.Cnin.Invest.,2003,112,398;Judge,H.et al,Thromb.Haemost.,2010,103,1210;Power,R.et al,Expert Rev.Cardiovasc.Ther.2012,10,1261;Ji,X.et al,J.Hematol.Oncol.2012,4,4)。
【0005】
長年にわたり、P2Y12を、病理学的アテローム血栓症を治療及び予防するための分子標的とする可能性を研究するために多大な努力がなされ、実質的な進歩が達成され(Dorsam,R.et al,J Clin.Invest.,2004,113,340;Norgard,N.et al,Recent Patents Cardiovasc.Drug Disc.2008,3,194;Patel,P.et al,J.Cardiothor.Vascul.Anesth.2013,27,620)、そしていくつかのP2Y12阻害治療薬が臨床使用のために開発に成功した(Angiolillo,D.,Am.Heart.J.,2008,156,510;Michelson,A.,Curr.Opin.Hematol.2009,16,371)。クロピドグレル、プラスグレル、チクロピジン、カングレロール、及びチカグレロルなど、これらのP2Y12阻害剤は心血管障害の治療及び予防に非常に効果的であることが証明されている。それらは、急性心筋梗塞、動脈及び静脈血栓症(動脈粥状硬化症の原発性動脈血栓性合併症(血栓性又は塞栓性脳卒中、一過性脳虚血発作又は末梢血管疾患など)、動脈粥状硬化症への介入による動脈合併症(血管形成術及び血管形成術後の再閉塞など)、外科的又は機械的損傷による血栓性合併症(血栓治療後の再閉塞など)、動脈血栓症、静脈血栓症、血小板が、血管壁における下層炎症性疾患プロセスに寄与し得る症状(アテローム性斑の形成/進行、狭窄/再狭窄など)、及び狭心症又は不安定狭心症を治療、改善及び/又は予防するために使用することが示唆されている。
【0006】
しかし、これらの臨床的に利用可能なP2Y12治療薬は、すべて、それぞれの臨床使用に関連する特定の望ましくない特性又は副作用があることが観察され、記録されている。例えば、クロピドグレル及びチクロピジンは、血小板凝集を不可逆的に阻害する活性代謝物を形成するために、代謝酵素によって活性化される必要がある。それらは、患者の高い個人差と有意な薬物間相互作用に関連していることが判明した(Collect,J.,et al,Lancet,2009,373,309;Simon,T,et al,New Engl.J.Med.,2009,360,363;Bhatt,D.,N Engl.J Med.,2010,363,1909)。そして、クロピドグレルに対する耐性が報告されている(Barragan,P.,et al,Catheter Cardiovasc.Interv.,2003,59,295;Matetzky,S.,Circulation,2004,109,3171)。不可逆的な阻害剤として、プラスグレル及びクロピドグレルは、治療中の出血リスクの増加と関連することが観察されている(Koski,R.P&T,2018,42,352;Wiviott,S.,N Engl.J Med.,2007,357,2001)。カングレロールは非経口的にのみ投与されるため、長期間の治療的及び予防的使用の可能性が制限される。チカグレロルは、強力で可逆的な血小板凝集阻害剤である。これは、急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞、又はST上昇型心筋梗塞)患者の血栓性心血管事象を軽減するためのP2Y12血小板阻害剤として広く使用されている(Husted,S.,Cardiovasc.Therap.2009,27,259)。臨床使用では成功しているにもかかわらず、チカグレロルは呼吸困難、徐脈などの重篤な副作用を伴うことがわかっている。更に、チカグレロルは肝機能が低下している患者には推奨されない(Prescribing Information,Brilinta,2011)。
【0007】
心血管疾患及び脳血管疾患は依然として最も深刻なヒト疾患の1つであり、何百万もの患者に影響を及ぼす事実、及び現在利用可能なP2Y12抗血小板治療薬が様々な望ましくない特性と関連しているという事実を考慮すると、臨床使用におけるこれらのP2Y12阻害剤のいくつかの欠点を克服又は少なくとも軽減し、動脈血栓事象を治療及び予防するための新規で効果的かつ安全な薬剤を提供することが依然として強く求められている。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ヒト心血管障害の治療及び/又は予防用の新規化合物、方法及び組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、新規なピリミジン-環化トリアゾール誘導体、これらの化合物の調製方法、及びそのような化合物を含む医薬組成物、並びに動脈血栓症を治療又は予防する方法を含む。
【0010】
したがって、本発明は、一般式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを提供し、
【化1】
式中、
Xは、O、S、-S(O)-又は-S(O)
2-を表し、
Zは、S、O、NH、NR
10、又は単結合を表し、
R
10は、C
1-6アルキルを表し、
R
9は、水素、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル、C
1-8アルキル-カルボニル、C
3-8シクロアルキル、アリール、アラルキル、4~6員ヘテロシクリル又は4~6員ヘテロシクリルアルキルを表し、ただし、各上記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルコキシ、C
1-3アルキルチオ、アミノ、N-モノアルキルアミノ、N,N-ジ-アルキルアミノ、シアノ及びニトロから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
8は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルキルオキシカルボニル、N-C
1-3アルキルカルバモイル又はN,N-ジC
1-3アルキルカルバモイルを表し、ただし、前記のC
1-6アルキル基及びN-C
1-3アルキルカルバモイル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
Yは、H、C
1-8アルキル、C
1-6アルコキシ-C
1-6アルキル、C
1-6アルキル-チオ-C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-3アルキル、フェニル-C
1-3アルキル、フェニル-C
3-8シクロアルキル、4~10員環ヘテロシクリル、4~10員環ヘテロシクリル-C
1-3アルキル又は4~10員環ヘテロシクリル-C
3-8シクロアルキルを表し、ただし、各上記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C
1-3アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
1-3アルコキシ-C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、アミノ、N-アルキルアミノ、及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
1は、H、シアノ、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、C
1-8アルキルカルボキシルメチル、又はベンゾイルメチルを表し、ただし、前記のC
1-8アルキルカルボキシルメチル基及びベンゾイルメチル基は、ハロゲン、カルボキシル及びC
1-6アルコキシカルボニルから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
2及びR
3は、独立して、水素、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、-CH
2C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル若しくはシアノを表し、
又は、R
2及びR
3は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、カルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
4及びR
5は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル、シアノ、アミノ、N-アルキルアミノ若しくはN,N-ジアルキルアミノを表し、
又は、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、前記のカルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
6は、水素、シアノ、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル又は2-ヒドロキシエチルを表し、
R
7は、水素、F、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル若しくはカルボキシメチルを表し、又は、R
7及びR
12は一緒に一つのオキソを表し、
Aは、単結合、水素、O、S、-CH
2-、-CH
2CH
2-、CHF、CF
2又は-C(O)-を表し、
Eは、水素、F、OH、R
11O-、R
11OC(O)-、R
11C(O)-、R
11C(O)O-、又はG1、G2若しくはG3で表される部分構造を表し、
【化2】
R
11は、水素、C
1-8アルキル、C
3-8アルケニル、C
3-8アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ベンジル、アリール又はヘテロシクリルを表し、ただし、上記の基は、ハロゲン、OH、ニトロ、シアノ、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、カルボキシル、C
1-6アルコキシカルボニル及びC
1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
12は水素を表し、又はR
12及びR
7は一緒に一つのオキソを表し、
ただし、R
8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R
8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R
9はHではない。
【0011】
本発明の一実施形態では、一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグが提供され、式中、XはOであり、R6はHであり、
ただし、R8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R9はHではない。
【0012】
本発明の別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、XはOであり、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSである。
【0013】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、XはOであり、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R7はHであり、R9はC1-5アルキル、C3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロアリールで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0014】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、Aは単結合、水素、又はOであり、XはOであり、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R7はHであり、R9はC1-5アルキル、C3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロアリールで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記のフェニル又はヘテロアリールは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0015】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R4及びR5は、H、OH、フッ素及びヒドロキシメチルから独立して選択される。
【0016】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R3はHであり、AはO又は単結合であり、EはH、R11O-又はR11C(O)-であり、R11はC1-8アルキル、ベンジル、又はフェニルであり、上記のベンジル基及びフェニル基は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシカルボニル及びC1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0017】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R3はHであり、R2はヒドロキシメチルである。
【0018】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、Yはフェニルで置換されたシクロプロピルであり、上記のフェニルは1~4個のフッ素原子で置換されている。
【0019】
本発明の更に別の実施形態では、
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール、
((2R,4R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール、
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルスルフィニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸、
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール、
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール、
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール、
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸、
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸、
及び2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸から選択される一般式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグが提供される。
【0020】
本発明の更に別の実施形態では、宿主における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むが、これらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための医薬組成物であって、有効量の一般式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0021】
本発明の更に別の実施形態では、1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む上記の医薬組成物が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、キシメラガトラン、及びビタミンKアンタゴニスト。
【0022】
本発明の更に別の実施形態では、治療に使用するための一般式(I)の化合物が提供される。
【0023】
本発明の更に別の実施形態では、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むがこれらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状の治療、改善又は予防に使用するための一般式(I)の化合物が提供される。
【0024】
本発明の更に別の実施形態では、抗血小板剤、抗凝固剤及び抗線溶剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上の追加の治療剤を更に含む上記の治療、改善又は予防に使用するための前記一般式(I)の化合物が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、キシメラガトラン及びビタミンKアンタゴニスト。
【0025】
本発明の更に別の実施形態では、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むがこれらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための薬剤の製造における、一般式(I)の化合物の使用が提供される。
【0026】
本発明の更に別の実施形態では、抗血小板剤、抗凝固剤及び抗線溶剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上の追加の治療剤を更に含む上記の治療又は予防のための薬剤の製造における、一般式(I)の化合物の使用が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、及びビタミンKアンタゴニスト。
【0027】
本発明の更に別の実施形態では、治療を必要とする対象における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むがこれらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための方法であって、治療有効量の一般式(I)の化合物を投与することを含む方法が提供される。
【0028】
本発明の別の態様では、抗血小板剤、抗凝固剤及び抗線溶剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上の追加の治療剤を更に含む上記の方法が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、キシメラガトラン及びビタミンKアンタゴニスト。
【0029】
このような組み合わせの個々の成分は、別々のまたは組み合わされた医薬製剤中で連続的に又は同時に投与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
定義
前述及び以下で用語「式(I)の化合物」若しくは「本発明の化合物」又は類似の用語を使用する場合は常に、式(I)の化合物、それらの薬学的に許容されるプロドラッグ、塩、溶媒和物、第四級アミン及び金属錯体を含むことを意味する。
【0031】
本明細書全体を通して使用される「プロドラッグ」という用語は、エステル、カルバメート、カーボネート、エーテル、アミド、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスホロアミダート、ホスホンアミデート(phosphonamidate)、ホスホジアミド(phosphodiamide)、ホスホノジアミド(phosphonodiamide)などの薬理学的に許容される誘導体を意味する。上記誘導体は、得られる誘導体のin vivo生体内変換生成物が式(I)の化合物で定義した活性薬剤となるように作製される。プロドラッグを記載する参考文献は一般に本明細書に組み込まれる(Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,8thed,McGraw-Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,p 13-15;H.Bundgaard,Design of Prodrugs,H.Bundgaard ed.Elsevier Science Publisher,1985;M.Taylor,Adv.Drug Delivery1996,19,131;H.Bundgaard,Drugs of the Future,1991,16,443;A.Simplicio,Molecules,2008,13,519;P.Ettmayer,J.Med.Chem.2004,47,2393)。特に関連するのは、ヌクレオシド又はヌクレオチドプロドラッグを製造するために記載されたプロドラッグであり(S.Hecker et al,J.Med.Chem.,2008,51,2328;P.Poijarvi-Virta et al,Current Med.Chem.2006,13,3441;N.Gisch et al,J Med.Chem.2008,51,6752;L.Wiebe et al,Adv.Drug Delivery Rev.1999,39,63;J.Cooperwood et al,Nucleoside and Nucleotide Prodrugs,in Recent Advances in Nucleosides:Chemistry and Chemotherapy,C.K.Chu ed.Elsevier,2002,p.91-147)、プロドラッグは、好ましくは、優れた水溶解度、増加した生物学的利用能を有し、in vivoで式(I)の化合物に容易に代謝される。本発明の化合物の細胞膜透過を増加させることができるプロドラッグは、特に好ましく、本発明の一部である。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾が、ルーチン操作により切断され又はin vivoで切断されて親化合物になるような方法で化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製することができる。
【0032】
好ましくは、in vivoで加水分解可能であり、ヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又はリン酸基及び/又はホスホネート基を有する式(I)のこれらの化合物に由来する、薬学的に許容されるエステル、エーテル、カーボネート、ホスホジエステル、ホスホノモノエステル、ホスホトリエステル、ホスホノジエステル、ホスホロアミダート、ホスホンアミデート(phosphonamidate)、ホスホジアミド(phosphodiamide)、ホスホノジアミド(phosphonodiamide)及びカルバメートプロドラッグである。in vivoで加水分解可能なエステル、エーテル、カーボネート、ホスホジエステル、ホスホノモノエステル、ホスホトリエステル、ホスホノジエステル、ホスホロアミダート、ホスホンアミデート(phosphonamidate)、ホスホジアミド(phosphodiamide)、ホスホノジアミド(phosphonodiamide)及びカルバメートは、ヒト又は動物の体内で加水分解されて、本発明の化合物中に存在する親アルコール、アミン、リン酸塩又はホスホネートを生成する。プロドラッグの加水分解は、化学的加水分解又は酵素的加水分解であり得るが、酵素的加水分解が好ましいメカニズムである。ヌクレオシド/ヌクレオチドプロドラッグの加水分解に一般的に関与する酵素としては、カルボキシエステラーゼ、コリンエステラーゼ、カテプシンA、リパーゼ、バラシクロビラーゼ、パラオキソナーゼを含むが、これらに限定されない。
【0033】
本発明の式(I)の化合物の薬学的に許容される塩も提供される。「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される無機及び有機の酸及び塩基に由来するものを意味する。本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性である本発明の化合物の酸付加塩、例えば、酸付加塩であって、例えば、無機酸又は有機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、パラ-トルエンスルホン酸、2-メシチレンスルホン酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、1,2-エタンジスルホン酸、アジピン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、エタンスルホン酸又はニコチン酸)との酸付加塩である。更に、本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に酸性である本発明の化合物の塩基付加塩、例えば、金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛又はアルミニウム)、アンモニウム塩、第四級アンモニウムイオンを含む生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、tert-ブチルアミン、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルエチルアミン、シクロヘキシルエチルアミン、トリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシエチルジエチルアミン、(IR,2S)-2-ヒドロキシインデン-1-アミン、モルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ピペラジン、メチルピペラジン、アダマンチルアミン、水酸化コリン、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミン、L-アルギニン、N-メチルD-グルカミン、リジン、アルギニンなど)である。
【0034】
本発明の特定の化合物は、溶媒和物又は水和物として存在する可能性がある。本発明はそのような溶媒和物又は水和物のすべてを包含することが理解されるべきである。
【0035】
本発明の化合物は、また、そのような化合物を構成する1つ以上の原子において不自然な割合の原子同位体を含んでもよい。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、重水素(2H)、ヨウ素-125(125I)、又は炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射性標識することができる。本発明の化合物のすべての同位体変化は、放射性であるか否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0036】
本発明の化合物に互変異性体が存在する場合、本発明の個々の特定の実施形態として、すべての個々の互変異性型及びこれらの組み合わせを開示する。
【0037】
本発明による化合物は、5員テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン-1-オキシド又はテトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド環のコア構造を有し、上記5員環の2-、3-、4-及び5-位に定義された立体化学を有する。 式(I)の化合物は、1つ以上の不斉置換された炭素原子、不斉中心又はキラル中心を含み得る。本発明による化合物におけるこれらの不斉中心の1つ以上の存在は、立体化学的異性体形態、立体異性体(例えば、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はE-若しくはZ-異性体)を生じさせる可能性がある。立体化学が化学構造によって明確に定義されない限り、いずれの場合も、本発明は、エナンチオマー及びジアステレオマー、並びにそれらのラセミ混合物を含む混合物を含めて、純粋な形態及び互いに混合された形態の両方のすべてのそのような立体異性体にまで及ぶ可能性があると理解されるべきである。
【0038】
式(I)の化合物は、金属結合、キレート化又は錯体形成特性を有してもよく、したがって金属錯体又は金属キレートとして存在し得ることが理解されるである。式(I)の化合物のそのような金属化誘導体は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0039】
前述及び以下で使用される科学用語及び技術用語並びに命名は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有し、更に、特に別段の記載がない限り、以下の定義は、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体に適用されるものとする。
【0040】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード基を意味する。
【0041】
本明細書では、どの結合が連結点であるかを明確にするために「-」という記号を追加する場合がある。例えば、ヘテロシクリル-C1-3アルキルは、ヘテロシクリル部分で置換されたC1-3アルキルラジカルを表す。更に、RO-は、Rが酸素原子に結合し、該酸素原子がラジカル全体の連結点にあるラジカルを表す。
【0042】
「C1-nアルキル」という用語は、1~n個の炭素原子を有する直鎖又は分岐飽和アルキル基を意味し、ここで、「n」は1~18の整数である。「n」の例としては、2、3、4、5、6、7、8及び18を含む。上記アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル及びヘキシルを含むが、これらに限定されない。
【0043】
「C2-nアルケニル」という用語は、飽和炭素-炭素結合及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、2~n個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルケニル基を意味し、ここで「n」は2~18の整数である。「n」の例としては、2、3、4、5、6、7、8及び18を含む。上記アルケニルの例としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル及びブテニルを含むが、これらに限定されない。
【0044】
「C3-6シクロアルキル」という用語は、3~6個の炭素原子を有する飽和単環式環を意味する。上記シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含むが、これらに限定されない。
【0045】
「C1-nアルコキシ」という用語は、酸素に結合した上記で定義したC1-nアルキル、すなわちC1-nアルキル-O-を意味する。上記アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ及びブチルオキシを含むが、これらに限定されない。
【0046】
「アリール」という用語は、芳香族環、又は、芳香族若しくは非芳香族の炭素環若しくは複素環若しくは6~14個の炭素原子、好ましくは6~10個の炭素原子で構成される単環式、二環式若しくは三環式の環系を形成する環と縮合した芳香族環を意味する。上記アリールの例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、2-ナフタニル、テトラヒドロナフチル、2-インデニル、4-インデニル及びインダニルを含むが、これらに限定されない。
【0047】
「アリール-C1-nアルキル」という用語は、上記で定義したアリールで置換された上記で定義したC1-nアルキルを意味する。
【0048】
「アリール-C2-nアルキル」という用語は、上記で定義したアリールで置換された上記で定義したC2-nアルケニルを意味する。
【0049】
「ヘテロシクリル」という用語は、4~18個の原子で構成される飽和、部分不飽和、又は芳香族の単環式、二環式又は三環式環系を意味し、環中の1、2、3又は4個の原子は、窒素、酸素又は硫黄の1つ以上から独立して選択される炭素以外の元素である。上記ヘテロシクリルの例としては、ピロリジノ、ピペリジノ、オキセタニル、ピリジニル、ピペラジノ、モルホリノ、ジオキサニル、チオモルホリノ、フラニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジノリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル(benzisoxazolyl)、インドリル、及びイソインドリニルを含むが、これらに限定されない。
【0050】
「C3-pシクロアルキル-C1-nアルキル」という用語は、上記で定義したC3-pシクロアルキルで置換された上記で定義したC1-nアルキルを意味する。
【0051】
別段の指示がない限り、アルキル、アルケニル、アルコキシ及びシクロアルキル(例えば、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6シクロアルキルなど)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、オキソ、メルカプト、アミド、シアノ、アジド、ニトロ、C1~C3アルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい。定義に使用される任意の分子部分上のラジカル位置は、化学的に許容され、安定している限り、そのような部分上のどこにあってもよいことに留意すべきである。
【0052】
本明細書で使用される「任意に置換された」という用語は、置換が任意であること、すなわち、置換があってもなくてもよいことを意味する。例えば、「1つ以上の置換基で任意に置換されたアルキル基」という表現は、アルキル基がゼロ、1つ以上の置換基で置換されていることを意味する。
【0053】
「置換された」という用語は、少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されている分子を指す。
【0054】
可変要素の定義で使用されるラジカルには、特に指定がない限り、考えられるすべての異性体が含まれる。例えば、ピリジルには、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルが含まれ、ペンチルには、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチルなどが含まれる。任意の可変要素が任意の構成要素内で複数回出現する場合、各定義は独立している。
【0055】
「対象」という用語は、ヒトを含む任意の哺乳動物を表す。本発明の一実施形態では、対象はヒトである。
【0056】
「独立して」という用語は、本明細書では、独立して適用される可変要素が適用ごとに独立して変化することを示すために使用される。
【0057】
式(I)のいくつかの化合物を更に修飾して、式(I)で表すこともできる所望の化合物を得ることができることが理解される。このような修飾の方法は、所望の生成物の構造及び出発物質としての式(I)の化合物の構造に依存する。このような修飾反応は、脱保護、置換、付加、酸化、還元、及び有機合成では一般的な他の化学変換を含むことができる。
【0058】
医薬製剤
治療に使用するために必要な本発明の式(I)の化合物の量は、選択される特定の化合物だけでなく、投与経路、治療が必要な症状の性質、並びに患者の年齢、体重及び状態によっても変化し、最終的には主治医の判断に委ねられることが理解されるである。 しかしながら、一般に、好適な用量は、1日当たり約0.005~約30mg/kg体重の範囲で、好ましくは0.05~20mg/kg/日の範囲であり得る。
【0059】
所望の用量は、単回用量で、又は適切な間隔で投与される分割用量として、例えば、1日あたり2回、3回、4回又はそれ以上の用量として普通に与えられる。治療及び/又は予防の必要性に応じて、所望の用量は、また、例えば、2日に1回、3日に1回、又は更に週に1回であってもよい。
【0060】
この化合物は、例えば、単位剤形当たり0.5~1500mg、好都合には1~1000mg、最も好都合には5~700mgの活性成分を含有する単位剤形で投与するのが好都合である。
【0061】
本発明の化合物は、通常、活性成分又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ若しくは溶媒和物、又はそのような塩の溶媒和物を薬学的に許容される剤形で含む医薬製剤の形態で、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下若しくは他の注射可能な方法、口腔、直腸、膣、経皮及び/又は鼻腔経路及び/又は吸入を介して投与される。治療される障害及び患者、並びに投与経路に応じて、組成物は様々な用量で投与され得る。
【0062】
治療に使用するために、本発明の式(I)の化合物を原料化学物質として投与することも可能であるが、本発明の一実施形態によれば、活性成分を医薬組成物として提供することが好ましい。したがって、本発明は更に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを1種以上の薬学的に許容される担体とともに含む医薬組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と混合可能であり、その受容者にとって有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。本発明の一実施形態によれば、医薬製剤には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔及び舌下を含む)、経皮、膣若しくは非経口(筋肉内、皮下及び静脈内を含む)投与に適したもの、又は吸入若しくは吹送による投与に適した形態のものが含まれるが、これらに限定されない。製剤は、適切に、別個の投与単位で普通に提供されることができ、また、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。本実施形態によるすべての方法は、活性化合物を液体担体若しくは微粉固体担体又はその両方と会合させ、次いで、必要に応じて該生成物を所望の組成物に成形するステップを含む。
【0063】
経口投与に適した医薬組成物は、それぞれ所定量の活性成分を含有するカプセル、カシェ剤、又は錠剤などの個別の単位として、粉末又は顆粒として普通に提供される。別の実施形態では、製剤は、溶液、懸濁液、又はエマルジョンとして提供される。あるいは、活性成分は、ボーラス、なめ薬又はペーストとして提供される。
【0064】
経口投与用の錠剤及びカプセルは、結合剤、充填剤、滑沢剤、崩壊剤、又たは湿潤剤などの従来の賦形剤を含有してもよい。錠剤は、当技術分野で周知の方法に従ってコーティングされてもよい。経口液体製剤は、例えば、水性又は油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ又はエリクサー剤の形態であってもよく、あるいは使用前に水又は他の適切なビヒクルと調合するための乾燥製品として提供されてもよい。このような液体製剤は、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含み得る)、又は保存剤などの従来の添加剤を含有してもよい。
【0065】
式(I)の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は持続注入)用に製剤化することができ、また、アンプル、プレフィルドシリンジ、少量注入又は保存剤が添加された複数回投与容器中の単位用量形態で提供されてもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルジョンなどの形態をとることができ、また、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの配合剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば滅菌されたパイロジェンフリー水)と調合するために、滅菌固体の無菌単離又は溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末の形態であってもよい。
【0066】
上述の製剤は、活性成分の持続放出を提供するように適合される。
【0067】
一般的な合成方法
本発明は、また、本発明の化合物の製造方法に関する。化合物は、有機合成の適用可能な方法及び技術のいずれかによって調製することができる。多くのそのような方法及び技術は当技術分野で周知であり、既知の方法技術のいくつかは、Compendium of Organic Synthetic Methods,in 12 volumes(John Wiley & Sons,New York);Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March(John Wiley & Sons,New York,2001);Comprehensive Organic Synthesis.Selectivity.Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry,in 9 Volumes.Barry M.Trost,Editor-in-Chief(Pergamon Press,New York,1993)、及びChemistry of Nucleosides and Nucleotides,Townsend,L.B.,Ed.(Plenum Press;New York,1988)に詳述されている。
【0068】
本発明の化合物を調製するための多くの例示的な方法を以下に提供する。これらの方法は、そのような調製の性質を説明することを意図しており、適用可能な方法の範囲を限定することを意図していない。以下の一般スキーム及び調製例で示すように、本発明の化合物又はそれらの中間体を合成するために、有機化学の当業者には容易に明らかな代替経路を代替的に使用することができる。スキームで使用される様々な出発物質の調製は、十分に当業者の技術の範囲内にある。
【0069】
式(I)の化合物を調製するための以下に記載されるプロセスの過程において、望ましくない副反応に関与しやすい出発物質中の官能基、特にアミノ、アミド、カルボキシ、ヒドロキシ、ホスフェート、ホスホネート及びメルカプト基は、有機合成において通常使用される適切な従来の保護基によって保護することができる。これらの保護基は前駆体にすでに存在している可能性があり、アシル化、エーテル化、エステル化、アルキル化、酸化、還元、加溶媒分解などの望ましくない二次反応から当該官能基を保護することを目的としている。特定の場合には、保護基は更に、反応を選択的に、例えば位置選択的又は立体選択的に進行させることができる。保護基の特徴は、例えば、酸処理、フッ化物処理、加溶媒分解、還元によって、又は光分解によって、望ましくない二次反応を起こすことなく、容易に除去できることである。このような保護基による官能基の保護、保護基自体、及びこれらの除去のための反応は、例えば、M.Schelhaas et al,Angew.Chem,Internatl.Ed.(1996),35(18),2056及びGDT.W.Greene and P.G.M.Wuts“ Protective Groups in Organic Synthesis” John Wiley & Sons,Inc.,New York 1999などの標準的な著作に記載されている。
【0070】
スキーム1~6は、式(I)の化合物、又は式(I)の化合物に変換され得る化合物を合成するための異なるプロセスを示す。
【0071】
【0072】
スキーム1は、式(I)による化合物を調製するための一般的な方法を説明する。適切な出発物質である式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R12、X、A及びEは式(I)について定義したとおりである)の5員複素環は、文献中の周知の、及び当技術分野に精通した有機化学者に周知の有機合成における適用可能な方法及び技術を使用して調製することができる(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,in 12 volumes(John Wiley & Sons,New York;Comprehensive Organic Synthesis.Selectivity. Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry,in 9 Volumes.Barry M.Trost,Editor-in-Chief(Pergamon Press,New York,1993)。式(II)の化合物は、必要に応じて任意に適切に保護されている。これらを、極性溶媒中、塩基の存在下で、適切に置換された4,6-ジクロロ-ピリミジン-5-アミンと反応させて、式(III)の化合物を得る。反応に適した塩基は、トリエチルアミン、DIPEA、DMAP、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、DBU、ピリジン、又はそのような反応に一般的な他の有機塩基若しくは無機塩基を含む。反応用の溶媒は、DMF、THF、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、エタノール、及び置換反応に適した他の一般的な溶媒を含む(Springthorpe,B.et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2007,17,6013;Zhang,H.,et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2012,22,3598)。あるいは、(II)の化合物を、同様の方法を使用して、適切に置換された4,6-ジクロロ-5-ニトロ-ピリミジンと反応させることができ、続いて、得られた中間体を、ニトロ基をアミノ基に還元することによって式(III)の化合物に変換する(Tu,W.et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2014,24,141)。還元条件には、AcOH中のFe、水性溶媒中のFe/FeSO4、非プロトン性溶媒中のZn、触媒水素化及び金属水素化物などが含まれる。式(III)の化合物を、アセトニトリル中のイソアミルニトリル、AcOH/H2O中のNaNO2などのジアゾ化条件下で式(IV)のトリアゾロピリミジンに変換する。MeCN、DMF、THF、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジオキサン又は溶媒の混合物などの有機溶媒中で適切なアミンと置換することによって式(IV)の化合物をそのピリミジン環上で反応させる。反応では、トリエチルアミン、ジプロピルエチルアミン、2,6-ルチジン、ピリジン、DMAP、DBUなどの追加の塩基が好ましい。得られた中間体を任意に更に修飾して、脱保護後に所望の式(I)の化合物を得ることができる。
【0073】
【0074】
スキーム2は、式(I)による化合物を調製するための別の方法を説明する。適切な5員複素環式エポキシドである式(V)(式中、R1、R2、R3、R6、R7、R12、X、A及びEは式(I)について定義したとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、適切な溶媒又は溶媒の混合物中で、アジ化カリウム、アジ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドと反応させる。得られた式(VI)の化合物のアジド基は、金属水素化物、パラジウム触媒による水素化、トリフェニルホスフィンなどの適切な反応条件、及び文献(Scriven E et al,Chem Rev.1988,88,297;Rolla,F.J Org.Che.198,47,4327;Kim,B,et al,Tetrahedron Lett.1998,39,6921;Staudinger,H.;Helv.Chim.Acta,1919,2,635)中の周知の方法を使用して、アミンに還元することができる。アミノ基を適切に保護した後、式(VI)の化合物は、文献(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York;Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March,John Wiley & Sons,New York,2001)中の一般に知られているアプローチを使用して、多段階プロセスで所望のR4及びR5を有する式(VII)の化合物に変換することができる。続いて、式(VII)の化合物のアミノ基を、スキーム1に記載の方法を使用して、多段階プロセスで式(I)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに変換する。
【0075】
【0076】
スキーム3は、式(I)による化合物を調製するための更に別の合成戦略を説明した。3位にヒドロキシル基を有する適切な5員複素環である式(IX)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R12、X、A及びEは、式(I)について定義されたとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、メシレート、トシレート又はトリフレートなどのスルホニルエートに変換し、そして得られた式(X)の化合物をアジドによる求核置換にかけて式(XI)の化合物を得る(Kenneth A.et al,J.Med.Chem.(1995),38,1720;Taichi K.eatl.,Chemical Communications,2012,48(56),7038;B.Lv et al.,Tetrahedron Letters,2018 59,1473,Chen Y.D.et al,CN111333598)。あるいは、式(IX)の化合物をアジドの存在下で光延反応条件に付して、式(XI)の化合物を直接得る(Mitsunobu,O.,Synthesis,1981,1;Green,J.et al,Org.Lett.2009,11,807;G.Gosselin et al.,Nucleosides and nucleotides,1998,17,1731)。得られた式(XI)の化合物のアジド基をアミンに還元し、その後、スキーム1に記載したように、式(I)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに更に変換することができる。
【0077】
【0078】
スキーム4は、一般式(I)(式中、R6は水素であり、R12は水素である)の化合物を調製するための別の一般的な方法を説明した。適切な5員複素環式エポキシドである式(XIII)(式中、R1、R2、R3、R7、X、A及びEは、式(I)について定義されたとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、アジ化カリウム、アジ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドと反応させる。ヒドロキシルを適切な保護基で保護した後、得られた式(XV)の化合物のアジド基をアミンに還元し、その後、前のスキームで説明したいくつかのステップで式(XVIII)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに変換することができる。最後に、一般に知られているアプローチを使用して、多段階プロセスで所望のR4及びR5を導入した(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York;Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March,John Wiley & Sons,New York,2001;Koushi H.et al,J.Med.Chem.2018,61,5140;B.Lv et al.,Tetrahedron Letters 2018,59,1473)。
【0079】
【0080】
スキーム5は、式(I)(式中、R6は水素であり、R12は水素である)による化合物を調製するための別の一般的な方法を説明する。適切な5員複素環式エポキシドである式(XVI)(式中、R1、R2、R3、R6、R7、X、A及びEは式(I)について定義したとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、適切な溶媒又は溶媒の混合物中で、アジ化カリウム、アジ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドと反応させる。得られた複素環式アジドを、文献(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York;Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March,John Wiley & Sons,New York,2001;Koushi H.et tl,J.Med.Chem.2018,61,5140)中の一般に知られているアプローチを使用して、多段階プロセスで所望のR4及びR5を有する式(XVIII)の化合物に変換することができる。続いて、式(XVIII)の化合物のアミノ基を、当技術分野に精通した有機化学者に周知の方法を使用して、多段階プロセスで式(I)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに変換する。
【0081】
【0082】
スキーム6は、式(I)(式中、R6は水素であり、R12は水素である)による化合物を調製するための別の方法を説明した。式(XIX)の適切な3-オキソ5員複素環(式中、R6は水素であり、R12は水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R7、X、A及びEは式(I)について定義したとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を還元的アミノ化(B.Unterhait etal.,Seientia Pharmaeeutiea,2000,68,102;Michael Aaron B.etal,US2018/208608;Michael J.etal,US6355660;Dong Bo Li etal,Org.Lett.,2013,15(18),4767)又はトランスアミナーゼ触媒反応(Matteo P.et al,Chem.Sci.,2019,10,5955)に付してアミン化合物(XX)を得た後、上記スキームに記載したように式(I)の適切ななピリミジン-環化トリアゾールに更に変換した。
【0083】
【0084】
スキーム7は、式(I)の化合物を調製するための更に別の代替アプローチを説明する。式(XXI)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R12、R7、Xは式(I)について定義したとおりであり、Aは式(I)について定義したとおりであるか、又はAは式(I)について定義したAに変換され得る官能基である)。上記のスキームで述べたように、式(XXI)の化合物は、必要に応じて任意に適切に保護されている。式(XXI)の化合物を、上記のスキームで説明した方法を使用して、多段階反応で式(XXII)の化合物に変換する。続いて、式(XXIII)の化合物を、有機合成化学の文献(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York)における官能基変換及び誘導体化のための既知の方法を使用して、式(I)に従って定義した所望のE及びAを有する式(XXIII)の化合物に変換する。次いで、上記のスキームに記載した方法を使用して式(XXIII)の化合物を更に修飾して式(I)の化合物を得る。
【実施例】
【0085】
以下に提供する実施例及び調製は、本発明の化合物及びそのような化合物の調製方法を更に説明及び例示する。本発明の範囲は、以下の実施例及び調製の範囲によって限定されないことが理解されるべきである。
【0086】
本明細書における化合物の命名は、Cambridge Scientific Computing Inc.が提供するプログラム「ChemDraw19.0」を使用して行われた。例示された化合物の化学名と当該実施例の対応する構造との間に矛盾がある場合、当該実施例の化合物を決定するために前記化学構造を使用すべきである。
【0087】
略語
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DBU 2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミドール[1,2-a]アゼピン
EtOAc 酢酸エチル
Et3N トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DCM ジクロロメタン
MS(ESI) 質量分析(エレクトロスプレーイオン化)
MeCN アセトニトリル
RT 室温
TBDPS t-ブチルジフェニルシリル
TBDPSCl t-ブチルジフェニルシリルクロリド
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TFA トリフルオロ酢酸
DAST (ジエチルアミノ)三フッ化硫黄
Ms メタンスルホニル
Ts p-トルエンスルホニル
Tf トリフルオロメタンスルホニル
MeOH メタノール
EtOH エタノール
AcOH 酢酸
Me メチル
Ac2O 無水酢酸
Tf2O トリフルオロメタンスルホン酸無水物
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
aq 水性
Sat 飽和
FBS ウシ胎児血清
PBS リン酸塩緩衝食塩水
【0088】
(実施例1)
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物8)の調製
【0089】
【0090】
tert-ブチル(((1R,2S,4R,5R)-4-(ジメトキシメチル)-3,6-ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-イル)メトキシ)ジフェニルシラン(化合物1):
化合物SM1(910.00mg、4.79mmol)、DMAP(1.17g、9.58mmol)及びTBDPSCl(1.97g、7.20mmol)をジクロロメタン(30ml)に混合した混合物を室温で23時間撹拌した。その後、それを飽和NaHCO3水溶液(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物1(2.00g)を得た。MS(ESI) m/z:446[M+NH4]+.
【0091】
(2R,3R,4R,5R)-4-アジド-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物2):
化合物1(2.00g、4.67mmol)、アジ化ナトリウム(2.72g、41.84mmol)及び塩化アンモニウム(2.75g、51.41mmol)を水(12ml)及びエタノール(60ml)に混合した混合物を還流下で2日間加熱した。混合物を1/3体積まで濃縮し、水(50ml)で希釈し、ジクロロメタン(100ml×2)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油、1:12)で精製して、化合物2(1.50g)を油状物として得た。MS(ESI) m/z:489[M+NH4]+.
【0092】
(2R,3R,4R,5R)-4-アミノ-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物3):
化合物2(50mg、0.11mmol)を酢酸エチル(5ml)に溶かした溶液にPd/C(20mg)を加え、混合物を水素下で夜通し水素化した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して化合物3(46.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:446[M+H]+
【0093】
(2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-((6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物4):
化合物3(370.00mg、0.83mmol)、4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(245.00mg、0.92mmol)及びトリエチルアミン(251mg、0.92mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かした溶液を23時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、ブライン(50ml)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣をカラム(ヘキサン/酢酸エチル、5:1)で精製して、化合物4(440.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:677[M+H]+.
【0094】
(2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物6):
化合物4(440.00mg、0.65mmol)を酢酸(9ml)及び水(2ml)に溶かした溶液に、Fe粉末(182.00mg、3.26mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した(化合物5を精製せずに製造し、使用した)。次いで、亜硝酸ナトリウム(90.00mg、1.30mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。その後、混合物を酢酸エチル(200ml)と飽和NaHCO3水溶液(200ml)との間で分配した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して、化合物6(300.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:658[M+H]+.
【0095】
(2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物7):
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(147mg、0.87mmol)、化合物6(300mg、0.46mmol)及びDIPEA(119.00mg、0.92mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で20分間撹拌した。溶液を1N HCl水溶液(20ml)、飽和NaHCO3水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物7(302.00mg)を得た。ES-API m/z:791[M+H]+.
【0096】
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物8):
化合物7(150.00mg、0.19mmol)を1,4-ジオキサン(5ml)に溶解し、2%HCl水溶液(5ml)を加えた。反応溶液を90℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(PH8)で中和し、酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣(150mg)をメタノール(10ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(100mg、2.64mmol)を加え、溶液を室温で2時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、15:1)で精製して、化合物8(58.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:509[M+H]+.1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):9.137(1H,d),7.228-7.450(3H,m),5.132-5.620(1H,m),4.624-5.110(3H,m),3.746-4.175(3H,m,),3.386-3.584(4H,m),2.801-3.144(3H,m),2.050-2.119(1H,m),1.377-1.821(4H,m),0.815-0.996(3H,m).
【0097】
(実施例2)
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物19)の調製
【0098】
【0099】
(2R,3R,4S,5R)-4-アジド-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物9):
化合物2(600.00mg、1.27mmol)、DMAP(728.00mg、5.96mmol)及びAc2O(510.00mg、5.00mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かした溶液を室温で2時間撹拌した。溶液をジクロロメタンと水との間で分配した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラム(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物9(650.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:531[M+NH4]+.
【0100】
(2R,3R,4S,5R)-4-アミノ-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物10):
化合物9(650.00mg、1.27mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶かした溶液をPd/C(20%、130mg)とともに水素下で夜通し撹拌した。その後、混合物をセライトを通して濾過し、蒸発させて化合物10(610.00mg)を得た。MS (ESI) m/z:488[M+H]+.
【0101】
(2R,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-((6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物11):
化合物10(610.00mg、1.25mmol)、NEt3(190mg、0.10mmol)及び4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(403.00mg、1.51mmol)をTHF(10ml)に溶かした溶液を、室温で3時間撹拌した。混合物を、ジクロロメタン(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(50ml)との間で分配した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物11(750.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:719[M+H]+.
【0102】
(2R,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物13):
化合物11(750.00mg、0.10mmol)を酢酸(10ml)及び水(2.5ml)に溶かした溶液を、Fe粉末(292.00mg、5.23mmol)と共に室温で夜通し撹拌した。化合物12を生成し、直接使用した。亜硝酸ナトリウム(144.00mg、2.09mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。その後、それを飽和NaHCO3水溶液(pH>7)で中和し、酢酸エチル(50ml)を加えた。セライトを通して濾過した後、濾液を酢酸エチルと水との間で分配し、水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、化合物12(610.00mg)を得た。ES-API m/z:700[M+H]+.
【0103】
(2R,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物14):
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(198mg、1.17mmol)、化合物13(610.00mg、0.87mmol)及びDIPEA(376.00mg、2.91mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で16時間撹拌した。溶液を飽和NaHCO3水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して、化合物14(660.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:833[M+H]+.
【0104】
(2R,3R,4S,5R)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物15):
化合物14(660.00mg、0.79mmol)及びDMAP(116.00mg、0.95mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした溶液に、(Boc)2O(208.00mg、0.95mmol)を加え、反応溶液を室温で24時間撹拌した。その後、それを水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物15(630.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:933[M+H]+.
【0105】
tert-ブチル(3-((2R,3R,4R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物16):
化合物15(630.00mg、0.68mmol)をTHF(5ml)及びメタノール(5ml)に溶解し、アンモニウム(1ml)を加え、溶液を50℃で8.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、水(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(40ml×2)で抽出した。有機層をブライン(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して、化合物16(530.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:933[M+H]+.
【0106】
tert-ブチル(1-((2R,3S,4R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-((フェノキシカルボノチオイル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イル)-6-(プロピルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン-4-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物17):
化合物16(530.00mg、0.60mmol)、DMAP(727.00mg、5.95mmol)及びチオクロロギ酸フェニル(513.00mg、2.97mmol)をMeCN(20ml)に混合した混合物を70℃で5時間加熱した。室温まで冷却し、蒸発させた後、残渣を水(50ml)とジクロロメタン(100ml)との間で分配し、水相をジクロロメタン(100ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物17(360.00mg)を得た。ES-API m/z:1027[M+H]+.
【0107】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物18):
化合物17(360.00mg、0.35mmol)をトルエン(5ml)に溶解し、AIBN(73.00mg、0.44mmol)及びBu3SnH(306.00mg、1.05mmol)を加え、混合物を90℃で4時間加熱した。室温まで冷却し、蒸発させた後、残渣を飽和NaHCO3水溶液(50ml)とジクロロメタン(100ml)との間で分配した。有機相をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物18(230.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:875[M+H]+.
【0108】
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物19):
化合物18(220.00mg、0.25mmol)を1,4-ジオキサン(10ml)及び2%HCl(10ml)に溶かした溶液を90℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(50ml)で中和し、酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機層をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣(195.00mg)をメタノール(10ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(26.00mg、0.69mmol)を加え、溶液を室温で25分間撹拌した。水(50ml)を加え、混合物を酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機相をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、20:1)で精製して、化合物19(23.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:493[M+H]+.1H-NMR(400MHz,MeOH-d4):7.21-7.07(3H,m),5.38-5.35(1H,q),4.56-4.52(1H,m),4.40-4.36(1H,m),3.70-3.80(3H,m),3.62-3.56(1H,dd),3.13-3.09(1H,m),3.06-3.03(1H,m),2.96-2.94(1H,m),2.68-2.64(2H,m),2.13-2.12(1H,m),1.65-1.60(2H,m),1.48-1.46(1H,m),1.40-1.36(1H,m),0.94-0.91(3H,t).
【0109】
(実施例3)
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物27)の調製
【0110】
【0111】
(2R,3R,4S)-4-アジド-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物20):
化合物SM2(7.32g、45.56mmol)、アジ化ナトリウム(11.89g、0.18mol)及び塩化アンモニウム(12.22g、0.23mol)を水(73.2ml)及びエタノール(293ml)に混合した混合物を22時間還流した。冷却及び蒸発後、水(200ml)を加え、混合物をジクロロメタン(200ml×2)で抽出した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、夜通し乾燥させ、蒸発させて化合物20(7.77g)を得た。MS(ESI) m/z:221[M+NH4]+.
【0112】
(2R,3R,4S)-4-アジド-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物21):
化合物20(7.77g、38.26mmol)、Ac2O(15.60g、0.15mol)及びDMAP(23.40g、0.19mol)を1,2-ジクロロエタン(200ml)に溶かした溶液を55℃で3.5時間加熱した。冷却後、それをジクロロエタンと1N HCl水溶液(200ml)との間で分配し、有機相を飽和NaHCO3水溶液(200ml)及びブライン(200ml)で更に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10:1)で精製して、化合物21(8.83g)を得た。MS(ESI) m/z:263[M+NH4]+.
【0113】
(2R,3R,4S)-4-アミノ-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物22):
化合物21(8.83g、36.03mmol)をメタノール(100ml)に溶かした溶液をPd/C(10%、883.00mg)とともに水素下で夜通し撹拌した。その後、混合物をセライトを通して濾過し、濃縮して化合物22(7.04g)を得た。MS(ESI) m/z:220[M+H]+.
【0114】
(2R,3R,4S)-4-((6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物23):
4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(6.75g、25.28mmol)をTHF(135ml)に溶解し、化合物22(5.50g、25.10mmol)をTHF(110ml)に溶かした溶液を0℃で滴下し、反応混合物を室温で17時間撹拌した。その後、混合物を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して、化合物23(3.45g)を得た。MS(ESI) m/z:451[M+H]+.
【0115】
(2R,3R,4S)-4-(7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物25):
化合物23(688.00mg、1.53mmol)を酢酸(5ml)及び水(1ml)に溶かした溶液をFe粉末(427.00mg、7.65mmol)とともに室温で夜通し撹拌し(化合物24をLC-MSによってモニターした)、亜硝酸ナトリウム(212.00mg、3.07mmol)を加え、混合物を更に1時間撹拌した。酢酸エチル(50ml)及び水(50ml)を加えた。混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(50ml×2)及びブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗化合物25(680.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:432[M+H]+.
【0116】
(2R,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物26):
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(264mg、1.56mmol)、化合物25(560.00mg、1.30mmol)及びDIPEA(504.00mg、3.90mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で夜通し撹拌した。それを飽和NaHCO3水溶液(50m)及びブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物26(570.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:565[M+H]+.
【0117】
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物27):
化合物28(100.00mg、0.18mmol)を1,4-ジオキサン(2ml)及び2%HCl水溶液(2ml)に溶かした溶液を85℃で2時間加熱した。冷却後、飽和NaHCO3水溶液(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(40ml×2)で抽出し、有機相をブライン(40ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣(108.00mg、0.23mmol)をメタノール(5ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(15mg)を加え、溶液を室温で20分間撹拌した。水(70ml)を加え、混合物を酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/イソプロパノール、10:1)で精製して、化合物27(40.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:479[M+H]+.1H-NMR(400MHz,MeOH-d4):7.09-7.26(3H,m),4.90-5.36(1H,m),4.81-4.84(1H,t),4.31-4.42(2H,m),374-3.96(3H,m),2.91-3.17(3H,m),2.13-2.21(1H,m),1.32-1.54(4H,m),0.91-1.07(3H,m).
【0118】
(実施例4)
((2R,4R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物32)の調製
【0119】
【0120】
(2R,3R,4S)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物28):
化合物26(1.3g、2.5mmol)及びDMAP(843mg、6.9mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶かした溶液に、(Boc)2O(754.00mg、3.46mmol)を加えた。得られた溶液を室温で24時間撹拌した。溶液をジクロロメタンと水(30ml)との間で分配した。有機層を1N HCl水溶液(10ml)、飽和NaHCO3水溶液(10ml)及びブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン-酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物28(1.317g)を得た。MS(ESI) m/z:665[M+H]+.
【0121】
tert-ブチル((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)(3-((3S,4R,5R)-5-(ジメトキシメチル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)カルバメート(化合物29):
化合物28(1.317g、1.98mmol)をTHF(15ml)及びメタノール(15ml)に溶解した溶液にNH3
.H2O(41ml)を加えた。反応溶液を50℃で8時間撹拌した。冷却及び蒸発後、水(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。有機層をブライン(25ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン-酢酸エチル、6:1)にかけて、化合物29(945mg)を得た。MS(ESI) m/z:623[M+H]+.
【0122】
tert-ブチル((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)(1-((3S,4R,5R)-5-(ジメトキシメチル)-4-((フェノキシカルボノチオイル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イル)-6-(プロピルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン-4-イル)カーバメート(化合物30):
化合物29(945.00mg、1.52mmol)をMeCN(10ml)に溶かした溶液に、DMAP(1.86g、15.19mmol)及びチオクロロギ酸フェニル(1.31g、7.59mmol)を加え、混合物を70℃で5時間加熱した。冷却及び蒸発後、水(30ml)を加え、混合物をDCM(25ml×2)で抽出した。有機層をブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣を、N-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)を溶離液とするシリカ上のクロマトグラフィーにかけて化合物30(865mg)を得た。MS(ESI) m/z:758[M+H]+.
【0123】
tert-ブチル((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)(3-((3R,5R)-5-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)カルバメート(化合物31):
化合物30(865mg、1.14mmol)をトルエン(20ml)に溶かした溶液にAIBN(187mg、1.14mmol)及びBu3SnH(830mg、2.85mmol)を加え、混合物を90℃で4時間撹拌した。冷却及び蒸発後、飽和NaHCO3水溶液(50ml)を加え、混合物をDCM(30ml×2)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン-酢酸エチル、20:1)にかけて、化合物31(646mg)を得た。MS(ESI) m/z:607[M+H]+.
【0124】
((2R,4R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物32):
化合物31(370mg、0.61mmol)を1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした溶液に2%HCl水溶液(5ml)を加え、混合物を90℃で2時間加熱した。冷却後、飽和NaHCO3水溶液(30ml)を加え、混合物を酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣(280mg)をメタノール(10ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(16.00mg、0.69mmol)を加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。溶液を酢酸エチル(100ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(DCM/メタノール、40:1)にかけて、化合物32(18.7mg)を得た。MS(ESI) m/z:463[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.12-7.00(3H,m),6.77(1H,s),5.52-5.48(1H,m),4.38-4.36(1H,dd),4.35-4.27(1H,m),4.20-4.17(1H,m),3.98-3.96(1H,dd),3.79-3.76(1H,dd),3.12-3.06(2H,m),2.99-2.95(1H,m),2.68-2.62(2H,m),2.27-2.16(1H,m),1.68-1.64(2H,m),1.44-1.41(1H,m),1.38-1.35(1H,m),0.96-0.93(3H,t).
【0125】
(実施例5)
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39a)の調製
【0126】
【0127】
(((2R,3S,4R,5S)-3-アジド-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(化合物33a)及び(((2R,3S,4S,5S)-3-アジド-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(化合物33b)
化合物2(4.50g、9.55mmol)を50mlのTHFに溶かした溶液にDAST(3.08g、19.1mmol)を加え、反応溶液をN2下で3時間撹拌した。0℃に冷却した後、飽和重炭酸ナトリウムで中和した。混合物を酢酸エチル(100ml×2)で抽出し、有機層をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(N-ヘキサン-酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物33a及び33b(約2:1、2.38g、59.5%)を得た。MS(ESI) m/z:491[M+18]+.
【0128】
(2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-アミン(化合物34a)及び(2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-アミン(化合物34b)
化合物33a及び33b(2.38g、5.03mmol)を酢酸エチル(25ml)に溶かした溶液をPd/C(238mg)とともに水素下で夜通し撹拌した。セライトを通して濾過し、蒸発させて、化合物34a及び34b(2.00g)を得た。MS(ESI) m/z:448[M+H]+.
【0129】
N-((2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-アミン(化合物35a)及びN-((2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-アミン(化合物35b)
化合物34a及び34b(2.00g、4.47mmol)、4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(1.19g、4.47mmol)をテトラヒドロフラン(45ml)に溶かした溶液を20時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(40ml)との間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(N-ヘキサン-酢酸エチル、25:1)にかけて、化合物35a(1.24g)及び化合物35b(690mg)を得た。MS(ESI) m/z:679[M+H]+.
【0130】
3-((2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン(化合物36a)
化合物35a(1.24g、1.83mmol)を酢酸(24ml)及び水(6ml)に溶かした溶液を鉄粉(511.00mg、9.15mmol)とともに室温で撹拌した。16時間後、亜硝酸ナトリウム(253.00mg、2.04mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を酢酸エチル(200ml)と飽和NaHCO3水溶液(200ml)との間で分配した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(N-ヘキサン-酢酸エチル、10:1)にかけて、化合物36a(540.00mg)を得た。MS (ESI) m/z:660[M+H]+.
【0131】
3-((2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-N-((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-アミン(化合物37a)
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(78mg、0.455mmol)、化合物36a(250mg、0.379mmol)及びDIPEA(150.00mg、1.14mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で1時間撹拌した。それを酢酸エチル(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(20ml)との間で分配した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣を、シリカ上のクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル、5:1を溶離液とする)にかけて、化合物37a(220.00mg)を得た。ES(ESI) m/z:793[M+H]+.
【0132】
((2S,3S,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-3-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物38a)
化合物37a(220.00mg、0.278mmol)を23mlのジクロロメタンに溶かした溶液にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。次に、それを300mlの飽和NaHCO3水溶液に注いだ。10分間撹拌した後、混合物をジクロロメタン(100ml×2)で抽出した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(207mg)をメタノール(5ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(23mg、0.55mmol)を加えた。溶液を室温で0.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル、3:1)にかけして、化合物38a(178.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:749[M+H]+.
【0133】
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39a)
不活性雰囲気(N2)下で、化合物43(178mg)をTHF(5ml)に溶かした溶液にTBAF(THF中1M、1ml)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、それを酢酸エチル(20ml)で希釈し、水(10ml×2)及びブライン(10ml)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、40:11)で精製して、化合物39a(36mg)を得た。MS(ESI) m/z:511[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.14-6.98(3H,m),5.65(0.5H,m),5.55(0.5H,m),5.48-5.45(0.5H,m),5.39-5.37(1.5H,m),4.60-4.57(0.5H,m),4.52-4.50(0.5H,m),4.11-4.08(1H,m),4.01-3.92(2H,m),3.80-3.77(1H,m),3.15-3.13(1H,m),3.08-3.01(2H,m),2.96-2.91(1H,m),2.15-2.13(1H,t),1.66-1.61(2H,m),1.43-1.25(2H,m),0.94-0.90(3H,t)
【0134】
(実施例6)
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39b)の調製
【0135】
【0136】
3-((2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン(化合物36b)
化合物35b(690.00mg、1.02mmol)を酢酸(12ml)及び水(3ml)に溶かした溶液を鉄粉(285.00mg、5.09mmol)とともに室温で撹拌した。16時間後、亜硝酸ナトリウム(141.00mg、2.04mmol)を加えた。混合物を室温で更に2時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(200ml)と飽和NaHCO3水溶液(200ml)との間で分配した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、10:1)にかけて、化合物36b(280.00mg、41.72%)を得た。MS(ESI) m/z:660[M+H]+.
【0137】
3-((2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-N-((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-アミン(化合物37b)
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(62mg、0.364mmol)、化合物37b(200mg、0.303mmol)及びDIPEA(120.00mg、0.91mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶かした溶液を、室温で1時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(20ml)との間で分配した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム(n-ヘキサン-酢酸エチル、5:1)で精製して、化合物37b(224.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:793[M+H]+.
【0138】
((2S,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-3-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物38b)
(200.00mg、0.278mmol)を23mlのジクロロメタンに溶かした溶液にトリフルオロ酢酸10mlを加えた。反応物を室温で4時間撹拌した。その後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(300ml)に滴下し、更に10分間撹拌し、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣(205mg)をメタノール(5ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(22mg、0.55mmol)を加え、溶液を室温で0.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム(n-ヘキサン-酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物38b(135.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:749[M+H]+.
【0139】
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39b)
化合物38b(135mg、0.18mmol)を5mlのTHFに溶かした溶液にTBAF(THF中1M、1ml)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、それを酢酸エチル(20ml)と水(10ml)との間で分配した。有機相を水(10ml)及びブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、40:1)で精製して、化合物39b(26mg)を得た。MS(ESI) m/z:511[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.63-6.98(4H,m),6.08-6.07(0.5H,t),5.95-5.93(0.5H,t),5.64-5.58(1H,m),4.59-4.50(1H,m),4.49-4.44(1H,m),3.99-3.93(3H,m),3.73-3.69(1H,m),3.16-3.05(2H,m),2.96-2.91(1H,m),2.17-2.15(1H,m),1.66-1.61(2H,m),1.44-1.39(2H,m),1.05-1.01(3H,t).
【0140】
(実施例7)
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物42)の調製
【0141】
【0142】
(2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-カルボアルデヒド(化合物40)
化合物18(960mg、1.10mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かした溶液にTFA(5ml)を加え、反応溶液を室温で3時間撹拌した。その後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100ml)に滴下し、ジクロロメタン(2×30ml)で抽出した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、化合物40(760mg)を淡黄色泡状固体として得た。MS(ESI) m/z:747[M+H2O+H]+
【0143】
(2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物41)
化合物40(400mg、0.56mmol)をTHF(3ml)、DMSO(3ml)及びH2O(3ml)の混合溶媒に溶かした溶液に、0.2M Na2HPO4水溶液(2ml)及びNaClO(75mg、1.00mmol)を加え、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応を飽和Na2S2O3水溶液(10ml)で停止させ、1N HCl水溶液でPH=4~5に調整し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。有機相をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、化合物41(400mg)を白色泡状固体として得た。MS(ESI) m/z:745[M+H]+.
【0144】
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物42)
化合物41(400mg、0.54mmol)を乾燥THF(10ml)に溶かした溶液にTBAF(1ml、THF中1M)を加え、得られた混合物を室温で夜通し撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、1M HCl水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/H2O、6:4~5:5)で精製して、化合物42(110mg)を白色泡状固体として得た。MS(ESI) m/z:507[M+H]+.1H-NMR(400MHz,DMSO):9.0(1H,s),7.38-7.29(2H,m),7.09-7.07(1H,m),5.30-5.24(4H,q),4.70-4.67(1H,t),4.55-4.46(1H,m),3.61-3.57(1H,dd),3.50-3.46(1H,dd),3.18-3.07(2H,m),2.97-2.78(3H,m),2.15-2.10(1H,m),1.57-1.47(2H,m),1.41-1.36(1H,q),1.01-0.97(1H,q),0.85-0.81(3H,t).
【0145】
(実施例8)
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルスルフィニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物43)の調製
【0146】
【0147】
化合物42(80mg、0.16mmol)をDCM(20ml)に溶かした溶液にm-CPBA(27.3mg、0.16mmol)を加え、次いで、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/H2O、1:5~1:4)で精製して、化合物43(28mg)を白色固体として得た。MS(ESI) m/z:523[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.11-6.94(3H,m),5.62-5.58(1H,m),4.90-4.88(1H,m),4.65-4.50(1H,m),3.97-3.93(1H,dd),3.77-3.74(1H,dd),3.30-3.26(2H,m),3.17-3.01(3H,m),2.20-2.13(1H,m),1.72-1.67(2H,m),1.45-1.35(2H,m),,1.05-0.98(3H,t).
【0148】
(実施例9)
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物49)の調製
【0149】
【0150】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-ホルミルテトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物44)
化合物40(850mg、1.14mmol)をジクロロメタン(50ml)に溶かした溶液にDMAP(310mg、2.54mmol)及びBoc2O(300mg、1.37mmol)を加え、得られた溶液を夜通し撹拌した。その後、溶液を1N HCl水溶液(10ml)で洗浄し、有機相をブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、化合物44(960mg)を得た。MS(ESI) m/z:847[M+H2O+H]+.
【0151】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物45)
化合物44(960mg、1.13mmol)をメタノール(20ml)に溶かした溶液にNaBH4(55mg、1.44mmol)を加え、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、混合物をジクロロメタン(60ml)と水(60ml)との間で分配した。有機相をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて化合物45(831mg)を得た。MS(ESI) m/z:831[M+H]+.
【0152】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物46)
化合物45(831mg、1.00mmol)を乾燥ピリジン(20ml)に溶かした溶液にDMTrCl(507mg、1.50mmol)を加え、得られた混合物を室温で夜通し撹拌した。その後、混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、ブライン(30ml×3)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、15:1~5:1)で更に精製して、化合物46(660mg)を得た。MS(ESI) m/z:1133[M+H]+.
【0153】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物47)
化合物46(660mg、0.58mmol)をTHF(10ml)に溶かした溶液にTBAF(2.5ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で3時間撹拌した。蒸発後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物47(190mg)を得た。MS(ESI) m/z:895[M+H]+.
【0154】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-2-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物48)
化合物47(145mg、0.16mmol)、MeI(350mg、2.46mmol)及びAg2O(600mg、4.84mmol)をアセトニトリル(6ml)に混合した混合物を夜通し撹拌した。濾過後、濾過ケーキを酢酸エチル(30ml)で洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させて、化合物48(100mg)を得た。MS(ESI) m/z:909[M+H]+.
【0155】
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物49)
化合物48(100mg、0.11mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした溶液にTFA(2ml)を加え、反応溶液を1時間撹拌した。その後、反応を飽和NaHCO3水溶液(30ml)で停止させ、DCM(30ml)で抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、1:2)で精製して、化合物49(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:507[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.20-6.95(3H,m),6.68(1H,s),5.46-5.40(1H,q),4.67-4.64(1H,m),4.50-4.47(1H,m),3.90-3.86(1H,dd),3.81-3.72(2H,m),3.63-3.60(1H,dd),3.52-3.48(1H,m),3.39(3H,s),3.07(3H,m),2.81-2.75(1H,m),2.67-2.60(1H,m),2.16-2.14(1H,m),1.68-1.66(2H,m),1.42-1.38(2H,m),0.99-0.96(3H,t).
【0156】
(実施例10)
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール(化合物54)の調製
【0157】
【0158】
((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物50)
化合物40(1.50g、2.06mmol)をメタノール(30ml)に撹拌した溶液に0℃でNaBH4(273mg、7.21mmol)を加え、反応混合物を4時間撹拌した。その後、反応を2%HCl水溶液でPH=7に停止させ、濃縮し、ジクロロメタン(100ml×3)で抽出した。有機層をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、5:1~3:1)で精製して、化合物50(900mg)を得た。MS(ESI) m/z:731[M+H]+.
【0159】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-(ブロモメチル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物51)
PPh3(197mg、0.75mmol)及びCBr4(259mg、0.75mmol)をトルエン(20ml)に溶かした溶液を0℃で15分間撹拌した。化合物50(500mg、0.68mmol)を加え、次いで得られた溶液を室温で更に2時間撹拌した。蒸発後、残渣をゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、5:1~3:1)で精製して、化合物51(300mg)を得た。MS(ESI) m/z:793[M+H]+.
【0160】
2-((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)アセトアルデヒド(化合物52)
化合物51(200mg、0.25mmol)をTHF(20ml)に溶かした溶液に、N2雰囲気下、-78℃でn-BuLi(0.9ml、THF中1.6M)を加え、混合物をこの温度で15分間撹拌した。DMF(4.5ml)を加え、次いで、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(10ml)で停止させ、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を更にn-ヘキサン(5ml×2)で洗浄し、固体を収集して化合物52(180mg)を得た。MS(ESI) m/z:743[M+H]+.
【0161】
2-((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール(化合物53)
化合物52(180mg、0.24mmol)をメタノール(10ml)に撹拌した溶液に0℃でNaBH4(90mg、2.37mmol)を加え、反応混合物を夜通し撹拌した。その後、混合物を酢酸エチル(40ml)とブライン(40ml)との間で分配した。水層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、2:1)で精製して、化合物53(80mg)を得た。MS(ESI) m/z:745[M+H]+.
【0162】
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール(化合物54)
化合物53(80mg、0.11mmol)をTHF(10ml)に溶かした溶液にTBAF(1ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で夜通し撹拌した。その後、それを濃縮し、残渣をジクロロメタン(30ml)と水(10ml)との間で分配した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、20:1)で精製して、化合物54(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:507[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.33(1H,m),7.20(1H,d),7.10-7.00(1H,m),5.55-5.65(1H,m),4.99-4.80(3H,m),4.18-4.17(1H,m),3.68-3.61(1H,m),3.50-3.48(1H,m),3.10-3.01(4H,m),2.93-2.85(1H,m),2.19-2.17(1H,t),1.73-1.68(2H,m),1.51-1.29(4H,m),1.01-0.97(1H,t).
【0163】
(実施例11)
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール(化合物56)の調製
【0164】
【0165】
2-(((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール(化合物55)
化合物50(200mg、0.27mmol)をTHF(3ml)に溶かした溶液に、N2雰囲気下、-78℃でn-BuLi(1ml、THF中1.6M)を加え、混合物をこの温度で15分間撹拌した。エチレンオキシド(2.7ml、THF中1M)を加え、次いで混合物を室温で夜通し撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(10ml)で停止させ、酢酸エチル(50ml)と水(20ml)との間で分配した。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(30ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物55(207mg)を得た。MS(ESI) m/z:775[M+H]+.
【0166】
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール(化合物56)
化合物55(207mg、0.27mmol)をTHF(6ml)に溶かした溶液にTBAF(2ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で夜通し撹拌した。その後、それを濃縮し、残渣をジクロロメタン(50ml)と水(10ml)との間で分配した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水、20:1)で精製して、化合物56(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:537[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.10-6.99(2H,m),6.82-6.73(1H,m),4.48-4,37(1H,m),4.33-4.22(1H,m),4.09-4.06(1H,m),4.00-3.86(2H,m),3.82-3.73(2H,m),3.56-3.53(2H,m),3.53-3.40(2H,m),3.30-2.89(4H,m),2.80-2.60(1H,m),2.28-2.18(1H,m),1.70-1.60(2H,m),1.59-1.43(2H,m),0.92-0.89(3H,t).
【0167】
(実施例12)
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸(化合物60)の調製
【0168】
【0169】
(E)-3-((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)アクリル酸エチル(化合物57)
(カルベトキシメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(1.71g、4mmol)をTHF(5ml)に溶かした溶液にN2雰囲気下、-78℃でn-BuLi(1ml、THF中4M)を滴下し、得られた混合物をこの温度で15分間撹拌した。化合物40(200mg、0.27mmol)をTHF(1.5ml)に溶かした溶液を加え、次いで反応混合物を室温で更に夜通し撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(5ml)で停止させ、酢酸エチル(30ml)と水(30ml)との間で分配した。有機相をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、15:1~5:1)で精製して、化合物57(100mg)を得た。MS(ESI) m/z:799[M+H].
【0170】
3-((2S,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸エチル(化合物58)
化合物57(95mg、0.12mmol)及びPd/C(20mg)をメタノール(10ml)及び酢酸エチル(10ml)に混合した混合物をH2雰囲気下で夜通し撹拌した。その後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、化合物58(90mg)を得た。MS(ESI) m/z:801[M+H]+.
【0171】
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸エチル(化合物59)
化合物58(90mg、0.11mmol)をTHF(3ml)に溶かした溶液にTBAF(0.5ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で夜通し撹拌した。その後、溶液を濃縮し、酢酸エチル(20ml)と水(20ml)との間で分配した。有機相をブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、5:1~1:1)で精製して、化合物59(53mg)を得た。MS(ESI) m/z:563[M+H]+.
【0172】
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸(化合物60)
化合物59(50mg、0.09mmol)をTHF(3ml)及び水(3ml)に溶かした溶液にLiOH(10mg、0.42mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で夜通し撹拌した。その後、PH=4に調整し、酢酸エチル(20ml)と水(20ml)との間で分配した。水相を酢酸エチル(10ml×2)で更に抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(メタノール/水、1:5)で精製して、化合物60(30mg)を得た。MS(ESI) m/z:535[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.17-7.00(3H,m),6.49(1H,s),5.36-5.34(1H,q),4.45-4.43(1H,q),4.40-4.34(1H,m),3.85-3.81(1H,dd),3.66-3.63((1H,dd),3.10-3.07(3H,m),2.77-2.71(1H,m),2.52-2.48(1H,m),2.15-2.05((3H,m),1.73-1.68(2H,m),1.40-1.37(2H,m),1.00-0.97(3H,t).
【0173】
(実施例13)
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物63)の調製
【0174】
【0175】
tert-ブチル2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-((((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物61)
化合物45(125mg、0.15mmol)を乾燥THF(15ml)に溶かした溶液に、鉱油中の60%NaH(60mg、1.5mmol)をN2雰囲気下、0℃で加え、得られた混合物を30分間撹拌した。その後、2-(ブロモメチル)安息香酸tert-ブチル(200mg、0.74mmol)を加え、混合物を室温まで夜通し温めた。反応を飽和NH4Cl水溶液(20ml)で停止させ、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。有機相をブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(n-ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で更に精製して、化合物61(110mg)を得た。MS(ESI) m/z:1021[M+H]+.
【0176】
2-(((((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物62)
化合物61(110mg、0.11mmol)をジクロロメタン(6ml)に溶かした溶液にTFA(2ml)を加え、得られた溶液を3時間撹拌した。その後、飽和NaHCO3水溶液を加えてPH=7に調整し、混合物をジクロロメタン(30ml×2)で抽出した。有機相をブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して、化合物62(60mg)を得た。MS(ESI) m/z:865[M+H]+.
【0177】
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物63)
化合物62(60mg、0.07mmol)を乾燥THF(6ml)に溶かした溶液にTBAF(THF中1M、0.5ml)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(60ml)と水(30ml)の間で分配した。有機相をブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/H2O、9:1~1:1)で精製して、化合物63(25mg)を得た。MS(ESI) m/z:627[M+H]+.1H-NMR(400MHz,MeOD)8.03-8.01(1H,dd),7.44-7.40(1H,t),7.35-7.31(1H,t),7.23-7.18(1H,d),7.15-6.78(3H,m),6.22-6.10(0.5H,m),5.83-5.59(1H,m),5.50-5.44(0.5H,m),5.41-5.35(1H,q),4.53(1H,s),4.41-4.32(1H,s),3.81-3.78(3H.m),3.65-3.59(1H,m),3.18-3.11(1H,m),2.98-2.79(2H,m),2.66-2.62(2H,t),2.46-2.25(1H,m),1.72-1.63(2H,m),1.43-1.26(2H,m),1.03-0.89(3H,t)
【0178】
(実施例14)
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸(化合物65)の調製
【0179】
【0180】
tert-ブチル2-(((2R,4R,5R)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)アセテート(化合物64)
化合物45(200mg、0.24mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶かした溶液に、2-ヨード酢酸エチル(513mg、2.4mmol)及びAg2O(557mg、2.4mmol)を加え、得られた混合物を60℃で3日間撹拌した。その後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物64(120mg)を得た。MS(ESI) m/z:945[M+H]+.
【0181】
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸(化合物65)
化合物64(120mg、0.13mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした溶液にTFA(3ml)を加え、得られた溶液を室温で夜通し撹拌した。次いで、それをジクロロメタン(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(30ml)との間で分配した。有機相をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をTHF(5ml)に溶解し、続いてTBAF(1ml、THF中1M)を加えた。混合物を室温で夜通し撹拌し、酢酸エチル(50ml)と飽和NH4Cl水溶液(30ml)との間で分配した。有機相をブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水、1:10)で精製して、化合物64(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:551[M+H]+.1H-NMR(400MHz,DMSO):,7.36-7.31(2H,m),7.10-7.03(1H,m),5.34-5.28(1H,q),4.44-4.35(2H,m),3.78-3.72(1.5H,m),3.61-3.53(2.5H,m),3.48-3.43(2H,m),3.12-3.07(2H,m),2.97-2.85(2H,m),2.64-2.58(1H,m),2.15-2.11(1H,m),1.57-1.48(3H,m),1.41-1.34(1H,m),1.01-0.98(0.4m,t),0.85-0.81(2.6H,t)
【0182】
生物学的アッセイ
ヒトP2Y12受容体をトランスフェクトしたCHO細胞における阻害研究:
ヒトP2Y12受容体を安定して発現するCHO細胞株を、本発明の化合物の阻害効果の研究に使用した(細胞株は、Beijing Ion Channel Explorer Co.によって構築された)。hP2Y12-CHO細胞をHam’s F-12培地(Ham’s F-12培地:+10%FBS+200μg/mlハイグロマイシンB)で培養し、37℃、5%CO2でインキュベートした。貧弱な培地を除去し、細胞をPBSで洗浄した。次に、1mLのトリプシン溶液を加えて細胞を消化/剥離した。培養皿を37℃で2分間インキュベートした。細胞が剥離されるとすぐに、37℃に予熱した完全培地5mLを加えた。細胞懸濁液を滅菌ピペットに移し、穏やかな均質化によって細胞凝集体を解離させた。細胞懸濁液を滅菌チューブに移し、1000rpmで5分間遠心分離した。細胞の生理的活性を維持するため、細胞融合度を約80%に制御した。
【0183】
細胞計数後、細胞を384ウェルプレートで培養した。試験化合物を、10000nMから10個の濃度で5倍に連続希釈し、3個反復とした。チカグレロルを参照化合物として使用し、2-MeSADPを誘導剤として使用しました。37℃で15分間インキュベートした後、フォルスコリン緩衝液をすべてのウェルに加えてcAMPの産生を誘導した。プレートを1000pmで1分間遠心分離し、続いて37℃で30分間インキュベートした。溶解後に、PerkinElmerのLANCE(登録商標)Ultra cAMP Kit方法を使用してcAMP発現を定量した。試験化合物の阻害効果を、アンタゴニストの非存在下での2-MeSADPに対する応答パーセントとして計算し、GraphPad 7.0を用いて%阻害値及び化合物濃度の対数を非線形回帰に当てはめることによってIC50を計算した。
【0184】
アッセイからの本発明のいくつかの例示的な化合物の代表的な結果を表1に示す。
【0185】
ヒトP2Y12受容体をトランスフェクトしたCHO細胞におけるP2Y12に対する阻害効果
カテゴリA:<0.05μM、カテゴリB:0.05~0.25μM、カテゴリC:0.25~1.25μM、カテゴリD:>1.25μM。
【0186】
【手続補正書】
【提出日】2024-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【化1】
(式中、
Xは、O、S、-S(O)-又は-S(O)
2-を表し、
Zは、S、O、NR
10、NH、又は単結合を表し、
R
10は、C
1-6アルキルを表し、
R
9は、H、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル、C
1-8アルキル-カルボニル、C
3-8シクロアルキル、アリール、アラルキル、4~6員ヘテロシクリル又は4~6員ヘテロシクリルアルキルを表し、ただし、各前記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルコキシ、C
1-3アルキルチオ、アミノ、N-モノアルキルアミノ、N,N-ジ-アルキルアミノ、シアノ及びニトロから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
8は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルキルオキシカルボニル、N-C
1-3アルキルカルバモイル又はN,N-ジC
1-3アルキルカルバモイルを表し、ただし、前記C
1-6アルキル基、N-C
1-3アルキルカルバモイル基及びN,N-ジC
1-3アルキルカルバモイル基は、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
Yは、H、C
1-8アルキル、C
1-6アルコキシ-C
1-6アルキル、C
1-6アルキル-チオ-C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-3アルキル、フェニル-C
1-3アルキル、フェニル-C
3-8シクロアルキル、4~10員環ヘテロシクリル、4~10員環ヘテロシクリル-C
1-3アルキル又は4~10員環ヘテロシクリル-C
3-8シクロアルキルを表し、ただし、各前記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C
1-3アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
1-3アルコキシ-C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、アミノ、N-アルキルアミノ、及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
1は、H、シアノ、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、C
1-8アルキルカルボキシルメチル、又はベンゾイルメチルを表し、ただし、前記のC
1-8アルキルカルボキシルメチル基及びベンゾイルメチル基は、ハロゲン、カルボキシル及びC
1-6アルコキシ-カルボニルから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
2及びR
3は、独立して、水素、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、-CH
2C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル若しくはシアノを表し、又は、R
2及びR
3は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、前記カルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
4及びR
5は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル、シアノ、アミノ、N-アルキルアミノ若しくはN,N-ジアルキルアミノを表し、又は、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、前記カルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
6は、水素、シアノ、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル又は2-ヒドロキシエチルを表し、
R
7は、H、F、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル若しくはHOC(O)CH
2-を表し、又は、R
7及びR
12は一緒に一つのオキソを表し、
Aは、単結合、H、O、S、CH
2、CH
2CH
2、CHF、CF
2又はC(O)を表し、
Eは、水素、F、-OH、R
11O-、R
11OC(O)-、R
11C(O)-、R
11C(O)O-、又はG1、G2及びG3から選択される部分構造を表し、
【化2】
R
11は、水素、C
1-8アルキル、C
3-8アルケニル、C
3-8アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ベンジル、アリール又はヘテロシクリルを表し、ただし、前記の基は、ハロゲン、OH、ニトロ、シアノ、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、-C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル及びC
1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
12は、水素を表し、又はR
12及びR
7は一緒に一つのオキソを表し、
ただし、R
8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R
8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R
9はHではない。)
【請求項2】
式中、
XはOであり、R
6はHであり、
ただし、R
8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R
8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R
9はHではない、
請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【請求項3】
式中、XはOであり、R
1はHであり、R
6はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、XはOであり、R
6はHであり、R
1はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSであり、R
7はHであり、R
9はC
1-5アルキル、C
3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロ
シクリルで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記フェニル又はヘテロシクリルは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
式中、Aは単結合、H、又はOであり、XはOであり、R
6はHであり、R
1はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSであり、R
7はHであり、R
9はC
1-5アルキル、C
3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロ
シクリルで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記フェニル又はヘテロシクリルは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
式中、R
12はHであり、R
4及びR
5は、H、フッ素及びヒドロキシルから独立して選択される、請求項1
又は請求項2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
式中、R
1はHであり、R
6はHであり、R
12はHであり、R
8はHであり、ZはSであり、R
3はHであり、AはO又は単結合であり、EはH、R
11O-又はR
11C(O)-であり、R
11はC
1-8アルキル、ベンジル、ヘテロシクリル又はフェニルであり、前記のC
1-8アルキル基、ベンジル基、フェニル基又はヘテロシクリル基は、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、カルボキシル、C
1-6アルコキシカルボニル及びC
1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項8】
式中、R
12はHであり、R
3はHであり、R
2はヒドロキシメチルである、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
式中、Yは、フェニルで置換されたシクロプロピルであり、前記フェニルは1~4個のフッ素
原子で置換されている、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項10】
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,4R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール、
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール、
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルスルフィニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸、
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール、
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール、
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール、
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸、
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸、
及び2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸から選択される、
請求項1又は請求項2に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ。
【請求項11】
宿主における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための医薬組成物であって、有効量の、請求項1
又は請求項2に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項12】
1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
治療に使用するための、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項14】
心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状の治療、改善又は予防に使用するための、請求項1
又は請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
その使用は、1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含む血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための薬剤の製造における、請求項1
又は請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項17】
上記の治療又は予防のための薬剤の製造における、請求項16に記載の化合物の使用であって、1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む、使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規なピリミジン-環化トリアゾール誘導体及びこれらの化合物の調製方法、並びに血栓症又は関連障害の治療及び/又は予防におけるP2Y12受容体アンタゴニストとしてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
心血管疾患及び脳血管疾患は、世界で最も一般的な死亡及び罹病の原因の1つである。アテローム血栓症は、破裂したアテローム斑の表面、又は内皮びらんの結果として発症する急性合併症であり、心筋梗塞又はや虚血性脳卒中を引き起こす可能性がある(Davi,G et al,New Engl.J.Med.,2007,357,2482;Michelson,A.et al,Nat.Rev.Drug Discovery 2010,9,154)。血小板は、固体血餅の急速な形成によって血管損傷後の過剰な失血を防ぐための血液中の肝心の細胞成分である。血小板の活性化と凝集は正常な止血に不可欠であるが、病理学的障害下では、生命を脅かす可能性のある急性の動脈血栓事象をトリガーする肝心のメカニズムでもある。
【0003】
いくつかの収束経路が血小板凝集につながる。凝集の最終ステップは、フィブリノーゲンを膜糖タンパク質受容体(GP IIb/IIIa)に結合させることによる血小板の架橋である。トロンビンは、他の経路とはほぼ独立して血小板凝集を誘導することができるが、他のメカニズムによる血小板の事前の活性化がなければ、かなりの量のトロンビンが存在する可能性は低い。現在利用可能な抗血小板治療薬の大部分は、血小板アゴニストの産生を阻害するか、又は特定の血小板受容体を遮断することによって機能する(Thijs,T,Clin.Chem.Lab.Med.,2010,48 Suppl.1,S3;Sakhuja,R.et al Curr.Probl.Cardiol.2010,35,123)。例えば、アスピリンは、トロンボキサンA2の生成を減少させ(Tohgi,H et al,Stroke,1992,23,1400)、アブシキシマブ、エピチフィバチド、及びチロフィバンなどは、GP IIb/IIIa受容体を阻害し(Epic Investigators,New Engl.J.Med,1994,330,956;Gibson,C.Am Heart J.,2006,152,668;Hartman,G.et al,J Med.Chem.1992,35,4640)、クロピドグレル、プラスグレル、チクロピジン、カングレロール、及びチカグレロルは、プリン受容体に対するアデノシン-5’-二リン酸(ADP)の誘導効果に拮抗する(Horiuchi,H,Ann.Med.2066,38,162)。
【0004】
ADPは、血小板の活性化及び凝集を誘導する肝心のシグナル伝達分子であり、したがって動脈血栓形成の開始及び進行において肝心の役割を果たす(Gachet,C,Thromb.Haemostasis 2001,86,222)。ADP誘発血小板凝集は、2つの特異的なP2Y受容体、P2Y1及びP2Y12への結合によってトリガーされる。ADPが原形質膜上のこれらのP2Y受容体に結合すると、アデニリルシクラーゼの阻害が誘導され、細胞内カルシウムイオンの流入と動員、ホスホイノシチド-3キナーゼ(PI3K)の活性化、血小板凝集、及び他のメディエーターの分泌などの細胞内シグナル伝達経路が調節され、したがって初期の事前凝集シグナルが増幅される(Cateneo,M,Dru News Persp.2006,19,253;Dangelmaier,C.et al,Thromb.Haemost.,2001,85,341;Bourdon,D.et al,J.Thromb.Haemost.,2006,4,861、Pfefferkom,A.et al,Bioog.Med.Chem.Lett.2008,18,3338)。しかしながら、P2Y1は遍在的に発現するが、P2Y12受容体は主に血小板上で発現する(Boeynaems,J.,et al,Semin.Thromb.Haemast.,2005,31,139;Jacobson,K et al,Drug Disc.Today,2010,15,570)。更に、実験研究では、血小板凝集を阻害及び防止するには、P2Y12を阻害するだけで十分であることが示されている(Andre,P.et al,J.Cnin.Invest.,2003,112,398;Judge,H.et al,Thromb.Haemost.,2010,103,1210;Power,R.et al,Expert Rev.Cardiovasc.Ther.2012,10,1261;Ji,X.et al,J.Hematol.Oncol.2012,4,4)。
【0005】
長年にわたり、P2Y12を、病理学的アテローム血栓症を治療及び予防するための分子標的とする可能性を研究するために多大な努力がなされ、実質的な進歩が達成され(Dorsam,R.et al,J Clin.Invest.,2004,113,340;Norgard,N.et al,Recent Patents Cardiovasc.Drug Disc.2008,3,194;Patel,P.et al,J.Cardiothor.Vascul.Anesth.2013,27,620)、そしていくつかのP2Y12阻害治療薬が臨床使用のために開発に成功した(Angiolillo,D.,Am.Heart.J.,2008,156,510;Michelson,A.,Curr.Opin.Hematol.2009,16,371)。クロピドグレル、プラスグレル、チクロピジン、カングレロール、及びチカグレロルなど、これらのP2Y12阻害剤は心血管障害の治療及び予防に非常に効果的であることが証明されている。それらは、急性心筋梗塞、動脈及び静脈血栓症(動脈粥状硬化症の原発性動脈血栓性合併症(血栓性又は塞栓性脳卒中、一過性脳虚血発作又は末梢血管疾患など)、動脈粥状硬化症への介入による動脈合併症(血管形成術及び血管形成術後の再閉塞など)、外科的又は機械的損傷による血栓性合併症(血栓治療後の再閉塞など)、動脈血栓症、静脈血栓症、血小板が、血管壁における下層炎症性疾患プロセスに寄与し得る症状(アテローム性斑の形成/進行、狭窄/再狭窄など)、及び狭心症又は不安定狭心症を治療、改善及び/又は予防するために使用することが示唆されている。
【0006】
しかし、これらの臨床的に利用可能なP2Y12治療薬は、すべて、それぞれの臨床使用に関連する特定の望ましくない特性又は副作用があることが観察され、記録されている。例えば、クロピドグレル及びチクロピジンは、血小板凝集を不可逆的に阻害する活性代謝物を形成するために、代謝酵素によって活性化される必要がある。それらは、患者の高い個人差と有意な薬物間相互作用に関連していることが判明した(Collect,J.,et al,Lancet,2009,373,309;Simon,T,et al,New Engl.J.Med.,2009,360,363;Bhatt,D.,N Engl.J Med.,2010,363,1909)。そして、クロピドグレルに対する耐性が報告されている(Barragan,P.,et al,Catheter Cardiovasc.Interv.,2003,59,295;Matetzky,S.,Circulation,2004,109,3171)。不可逆的な阻害剤として、プラスグレル及びクロピドグレルは、治療中の出血リスクの増加と関連することが観察されている(Koski,R.P&T,2018,42,352;Wiviott,S.,N Engl.J Med.,2007,357,2001)。カングレロールは非経口的にのみ投与されるため、長期間の治療的及び予防的使用の可能性が制限される。チカグレロルは、強力で可逆的な血小板凝集阻害剤である。これは、急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞、又はST上昇型心筋梗塞)患者の血栓性心血管事象を軽減するためのP2Y12血小板阻害剤として広く使用されている(Husted,S.,Cardiovasc.Therap.2009,27,259)。臨床使用では成功しているにもかかわらず、チカグレロルは呼吸困難、徐脈などの重篤な副作用を伴うことがわかっている。更に、チカグレロルは肝機能が低下している患者には推奨されない(Prescribing Information,Brilinta,2011)。
【0007】
心血管疾患及び脳血管疾患は依然として最も深刻なヒト疾患の1つであり、何百万もの患者に影響を及ぼす事実、及び現在利用可能なP2Y12抗血小板治療薬が様々な望ましくない特性と関連しているという事実を考慮すると、臨床使用におけるこれらのP2Y12阻害剤のいくつかの欠点を克服又は少なくとも軽減し、動脈血栓事象を治療及び予防するための新規で効果的かつ安全な薬剤を提供することが依然として強く求められている。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ヒト心血管障害の治療及び/又は予防用の新規化合物、方法及び組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、新規なピリミジン-環化トリアゾール誘導体、これらの化合物の調製方法、及びそのような化合物を含む医薬組成物、並びに動脈血栓症を治療又は予防する方法を含む。
【0010】
したがって、本発明は、一般式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを提供し、
【化1】
式中、
Xは、O、S、-S(O)-又は-S(O)
2-を表し、
Zは、S、O、NH、NR
10、又は単結合を表し、
R
10は、C
1-6アルキルを表し、
R
9は、水素、ハロゲン、C
1-8アルキル、C
2-8アルケニル、C
2-8アルキニル、C
1-8アルキル-カルボニル、C
3-8シクロアルキル、アリール、アラルキル、4~6員ヘテロシクリル又は4~6員ヘテロシクリルアルキルを表し、ただし、各上記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルコキシ、C
1-3アルキルチオ、アミノ、N-モノアルキルアミノ、N,N-ジ-アルキルアミノ、シアノ及びニトロから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
8は、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルキルオキシカルボニル、N-C
1-3アルキルカルバモイル又はN,N-ジC
1-3アルキルカルバモイルを表し、ただし、前記のC
1-6アルキル基及びN-C
1-3アルキルカルバモイル基
及びN,N-ジC
1-3
アルキルカルバモイルは、ヒドロキシル、ハロゲン、C
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
Yは、H、C
1-8アルキル、C
1-6アルコキシ-C
1-6アルキル、C
1-6アルキル-チオ-C
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
3-8シクロアルキル-C
1-3アルキル、フェニル-C
1-3アルキル、フェニル-C
3-8シクロアルキル、4~10員環ヘテロシクリル、4~10員環ヘテロシクリル-C
1-3アルキル又は4~10員環ヘテロシクリル-C
3-8シクロアルキルを表し、ただし、各上記の基は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、C
1-3アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-3アルコキシ、C
3-6シクロアルキル、C
1-3アルコキシ-C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、アミノ、N-アルキルアミノ、及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
1は、H、シアノ、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、C
1-8アルキルカルボキシルメチル、又はベンゾイルメチルを表し、ただし、前記のC
1-8アルキルカルボキシルメチル基及びベンゾイルメチル基は、ハロゲン、カルボキシル及びC
1-6アルコキシカルボニルから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
2及びR
3は、独立して、水素、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、-CH
2C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル若しくはシアノを表し、
又は、R
2及びR
3は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、カルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
4及びR
5は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1-3アルキル、ハロ-C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、ヒドロキシルメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、-C(O)OH、C
1-6アルコキシカルボニル、C
1-6アルコキシカルボニルメチル、シアノ、アミノ、N-アルキルアミノ若しくはN,N-ジアルキルアミノを表し、
又は、R
4及びR
5は、それらが結合している炭素と共にC
3-5カルボシクリルを形成し、ただし、前記のカルボシクリルは、ハロゲン、OH、C
1-3アルキル又はC
1-3アルコキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
6は、水素、シアノ、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル又は2-ヒドロキシエチルを表し、
R
7は、水素、F、C
1-3アルキル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル若しくはカルボキシメチルを表し、又は、R
7及びR
12は一緒に一つのオキソを表し、
Aは、単結合、水素、O、S、-CH
2-、-CH
2CH
2-、CHF、CF
2又は-C(O)-を表し、
Eは、水素、F、OH、R
11O-、R
11OC(O)-、R
11C(O)-、R
11C(O)O-、又はG1、G2若しくはG3で表される部分構造を表し、
【化2】
R
11は、水素、C
1-8アルキル、C
3-8アルケニル、C
3-8アルキニル、C
3-8シクロアルキル、ベンジル、アリール又はヘテロシクリルを表し、ただし、上記の基は、ハロゲン、OH、ニトロ、シアノ、C
1-3アルキル、C
1-3アルコキシ、カルボキシル、C
1-6アルコキシカルボニル及びC
1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよく、
R
12は水素を表し、又はR
12及びR
7は一緒に一つのオキソを表し、
ただし、R
8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R
8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R
9はHではない。
【0011】
本発明の一実施形態では、一般式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグが提供され、式中、XはOであり、R6はHであり、
ただし、R8がHである場合、YはHではなく、
ただし、YがHである場合、R8はHではなく、
ただし、Zが単結合である場合、R9はHではない。
【0012】
本発明の別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、XはOであり、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSである。
【0013】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、XはOであり、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R7はHであり、R9はC1-5アルキル、C3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロシクリルで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記のフェニル又はヘテロシクリルは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0014】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、Aは単結合、水素、又はOであり、XはOであり、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R7はHであり、R9はC1-5アルキル、C3-8シクロアルキル又はフェニル基であり、Yはフェニル又はヘテロシクリルで置換されたシクロプロピルであり、ただし、前記のフェニル又はヘテロシクリルは、ハロゲン、CN、ニトロ、OH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C3-6シクロアルキル、アミノ、N-アルキルアミノ及びN,N-ジアルキルアミノから独立して選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0015】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R4及びR5は、H、OH、フッ素及びヒドロキシメチルから独立して選択される。
【0016】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R3はHであり、AはO又は単結合であり、EはH、R11O-又はR11C(O)-であり、R11はC1-8アルキル、ベンジル、又はフェニルであり、上記のベンジル基及びフェニル基は、ハロゲン、OH、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、カルボキシル、C1-6アルコキシカルボニル及びC1-6アルコキシカルボニルオキシから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されていてもよい。
【0017】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、R1はHであり、R6はHであり、R12はHであり、R8はHであり、ZはSであり、R3はHであり、R2はヒドロキシメチルである。
【0018】
本発明の更に別の実施形態では、一般式(I)の化合物が提供され、式中、Yはフェニルで置換されたシクロプロピルであり、上記のフェニルは1~4個のフッ素原子で置換されている。
【0019】
本発明の更に別の実施形態では、
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール
【化3】
、
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール
【化4】
、
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール
【化5】
、
((2R,4R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール
【化6】
、
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール
【化7】
、
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール
【化8】
、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸
【化9】
、
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルスルフィニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸
【化10】
、
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール
【化11】
、
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール
【化12】
、
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール
【化13】
、
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸
【化14】
、
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸
【化15】
、
及び2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸
【化16】
から選択される一般式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグが提供される。
【0020】
本発明の更に別の実施形態では、宿主における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むが、これらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための医薬組成物であって、有効量の一般式(I)の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0021】
本発明の更に別の実施形態では、1種以上の追加の抗血小板剤、抗凝固剤、抗線溶剤、又は心血管作用を有する他の治療剤を更に含む上記の医薬組成物が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、キシメラガトラン、及びビタミンKアンタゴニスト。
【0022】
本発明の更に別の実施形態では、治療に使用するための一般式(I)の化合物が提供される。
【0023】
本発明の更に別の実施形態では、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むがこれらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状の治療、改善又は予防に使用するための一般式(I)の化合物が提供される。
【0024】
本発明の更に別の実施形態では、抗血小板剤、抗凝固剤及び抗線溶剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上の追加の治療剤を更に含む上記の治療、改善又は予防に使用するための前記一般式(I)の化合物が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、キシメラガトラン及びビタミンKアンタゴニスト。
【0025】
本発明の更に別の実施形態では、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むがこれらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための薬剤の製造における、一般式(I)の化合物の使用が提供される。
【0026】
本発明の更に別の実施形態では、抗血小板剤、抗凝固剤及び抗線溶剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上の追加の治療剤を更に含む上記の治療又は予防のための薬剤の製造における、一般式(I)の化合物の使用が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、及びビタミンKアンタゴニスト。
【0027】
本発明の更に別の実施形態では、治療を必要とする対象における、心筋梗塞、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢血管疾患、狭心症及び不安定狭心症を含むがこれらに限定されない血小板媒介血栓性疾患、障害又は症状を治療、改善又は予防するための方法であって、治療有効量の一般式(I)の化合物を投与することを含む方法が提供される。
【0028】
本発明の別の態様では、抗血小板剤、抗凝固剤及び抗線溶剤、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上の追加の治療剤を更に含む上記の方法が提供される。このような追加の薬剤としては、以下の非限定的な例を含むことができる:アスピリン、トリフルサール、ヘパリン、シロスタゾール、ボラパキサル、アブシキシマブ、エピチフィバチド、チロフィバン、ジピリダモール、トロンボキサンシンターゼ阻害剤、テルトロバン、アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトラン、ヒルジン、エドキサバン、イノガトラン、キシメラガトラン及びビタミンKアンタゴニスト。
【0029】
このような組み合わせの個々の成分は、別々のまたは組み合わされた医薬製剤中で連続的に又は同時に投与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
定義
前述及び以下で用語「式(I)の化合物」若しくは「本発明の化合物」又は類似の用語を使用する場合は常に、式(I)の化合物、それらの薬学的に許容されるプロドラッグ、塩、溶媒和物、第四級アミン及び金属錯体を含むことを意味する。
【0031】
本明細書全体を通して使用される「プロドラッグ」という用語は、エステル、カルバメート、カーボネート、エーテル、アミド、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスホロアミダート、ホスホンアミデート(phosphonamidate)、ホスホジアミド(phosphodiamide)、ホスホノジアミド(phosphonodiamide)などの薬理学的に許容される誘導体を意味する。上記誘導体は、得られる誘導体のin vivo生体内変換生成物が式(I)の化合物で定義した活性薬剤となるように作製される。プロドラッグを記載する参考文献は一般に本明細書に組み込まれる(Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,8thed,McGraw-Hill,Int.Ed.1992,“Biotransformation of Drugs”,p 13-15;H.Bundgaard,Design of Prodrugs,H.Bundgaard ed.Elsevier Science Publisher,1985;M.Taylor,Adv.Drug Delivery 1996,19,131;H.Bundgaard,Drugs of the Future,1991,16,443;A.Simplicio,Molecules,2008,13,519;P.Ettmayer,J.Med.Chem.2004,47,2393)。特に関連するのは、ヌクレオシド又はヌクレオチドプロドラッグを製造するために記載されたプロドラッグであり(S.Hecker et al,J.Med.Chem.,2008,51,2328;P.Poijarvi-Virta et al,Current Med.Chem.2006,13,3441;N.Gisch et al,J Med.Chem.2008,51,6752;L.Wiebe et al,Adv.Drug Delivery Rev.1999,39,63;J.Cooperwood et al,Nucleoside and Nucleotide Prodrugs,in Recent Advances in Nucleosides:Chemistry and Chemotherapy,C.K.Chu ed.Elsevier,2002,p.91-147)、プロドラッグは、好ましくは、優れた水溶解度、増加した生物学的利用能を有し、in vivoで式(I)の化合物に容易に代謝される。本発明の化合物の細胞膜透過を増加させることができるプロドラッグは、特に好ましく、本発明の一部である。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾が、ルーチン操作により切断され又はin vivoで切断されて親化合物になるような方法で化合物中に存在する官能基を修飾することによって調製することができる。
【0032】
好ましくは、in vivoで加水分解可能であり、ヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又はリン酸基及び/又はホスホネート基を有する式(I)のこれらの化合物に由来する、薬学的に許容されるエステル、エーテル、カーボネート、ホスホジエステル、ホスホノモノエステル、ホスホトリエステル、ホスホノジエステル、ホスホロアミダート、ホスホンアミデート(phosphonamidate)、ホスホジアミド(phosphodiamide)、ホスホノジアミド(phosphonodiamide)及びカルバメートプロドラッグである。in vivoで加水分解可能なエステル、エーテル、カーボネート、ホスホジエステル、ホスホノモノエステル、ホスホトリエステル、ホスホノジエステル、ホスホロアミダート、ホスホンアミデート(phosphonamidate)、ホスホジアミド(phosphodiamide)、ホスホノジアミド(phosphonodiamide)及びカルバメートは、ヒト又は動物の体内で加水分解されて、本発明の化合物中に存在する親アルコール、アミン、リン酸塩又はホスホネートを生成する。プロドラッグの加水分解は、化学的加水分解又は酵素的加水分解であり得るが、酵素的加水分解が好ましいメカニズムである。ヌクレオシド/ヌクレオチドプロドラッグの加水分解に一般的に関与する酵素としては、カルボキシエステラーゼ、コリンエステラーゼ、カテプシンA、リパーゼ、バラシクロビラーゼ、パラオキソナーゼを含むが、これらに限定されない。
【0033】
本発明の式(I)の化合物の薬学的に許容される塩も提供される。「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される無機及び有機の酸及び塩基に由来するものを意味する。本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性である本発明の化合物の酸付加塩、例えば、酸付加塩であって、例えば、無機酸又は有機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、パラ-トルエンスルホン酸、2-メシチレンスルホン酸、クエン酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、1,2-エタンジスルホン酸、アジピン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、エタンスルホン酸又はニコチン酸)との酸付加塩である。更に、本発明の化合物の好適な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に酸性である本発明の化合物の塩基付加塩、例えば、金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛又はアルミニウム)、アンモニウム塩、第四級アンモニウムイオンを含む生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、tert-ブチルアミン、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルエチルアミン、シクロヘキシルエチルアミン、トリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシエチルジエチルアミン、(IR,2S)-2-ヒドロキシインデン-1-アミン、モルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ピペラジン、メチルピペラジン、アダマンチルアミン、水酸化コリン、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミン、L-アルギニン、N-メチルD-グルカミン、リジン、アルギニンなど)である。
【0034】
本発明の特定の化合物は、溶媒和物又は水和物として存在する可能性がある。本発明はそのような溶媒和物又は水和物のすべてを包含することが理解されるべきである。
【0035】
本発明の化合物は、また、そのような化合物を構成する1つ以上の原子において不自然な割合の原子同位体を含んでもよい。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、重水素(2H)、ヨウ素-125(125I)、又は炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射性標識することができる。本発明の化合物のすべての同位体変化は、放射性であるか否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0036】
本発明の化合物に互変異性体が存在する場合、本発明の個々の特定の実施形態として、すべての個々の互変異性型及びこれらの組み合わせを開示する。
【0037】
本発明による化合物は、5員テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン-1-オキシド又はテトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキシド環のコア構造を有し、上記5員環の2-、3-、4-及び5-位に定義された立体化学を有する。 式(I)の化合物は、1つ以上の不斉置換された炭素原子、不斉中心又はキラル中心を含み得る。本発明による化合物におけるこれらの不斉中心の1つ以上の存在は、立体化学的異性体形態、立体異性体(例えば、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はE-若しくはZ-異性体)を生じさせる可能性がある。立体化学が化学構造によって明確に定義されない限り、いずれの場合も、本発明は、エナンチオマー及びジアステレオマー、並びにそれらのラセミ混合物を含む混合物を含めて、純粋な形態及び互いに混合された形態の両方のすべてのそのような立体異性体にまで及ぶ可能性があると理解されるべきである。
【0038】
式(I)の化合物は、金属結合、キレート化又は錯体形成特性を有してもよく、したがって金属錯体又は金属キレートとして存在し得ることが理解されるである。式(I)の化合物のそのような金属化誘導体は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0039】
前述及び以下で使用される科学用語及び技術用語並びに命名は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有し、更に、特に別段の記載がない限り、以下の定義は、本明細書及び添付の特許請求の範囲全体に適用されるものとする。
【0040】
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード基を意味する。
【0041】
本明細書では、どの結合が連結点であるかを明確にするために「-」という記号を追加する場合がある。例えば、ヘテロシクリル-C1-3アルキルは、ヘテロシクリル部分で置換されたC1-3アルキルラジカルを表す。更に、RO-は、Rが酸素原子に結合し、該酸素原子がラジカル全体の連結点にあるラジカルを表す。
【0042】
「C1-nアルキル」という用語は、1~n個の炭素原子を有する直鎖又は分岐飽和アルキル基を意味し、ここで、「n」は1~18の整数である。「n」の例としては、2、3、4、5、6、7、8及び18を含む。上記アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル及びヘキシルを含むが、これらに限定されない。
【0043】
「C2-nアルケニル」という用語は、飽和炭素-炭素結合及び少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有し、2~n個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルケニル基を意味し、ここで「n」は2~18の整数である。「n」の例としては、2、3、4、5、6、7、8及び18を含む。上記アルケニルの例としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル及びブテニルを含むが、これらに限定されない。
【0044】
「C3-6シクロアルキル」という用語は、3~6個の炭素原子を有する飽和単環式環を意味する。上記シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含むが、これらに限定されない。
【0045】
「C1-nアルコキシ」という用語は、酸素に結合した上記で定義したC1-nアルキル、すなわちC1-nアルキル-O-を意味する。上記アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ及びブチルオキシを含むが、これらに限定されない。
【0046】
「アリール」という用語は、芳香族環、又は、芳香族若しくは非芳香族の炭素環若しくは複素環若しくは6~14個の炭素原子、好ましくは6~10個の炭素原子で構成される単環式、二環式若しくは三環式の環系を形成する環と縮合した芳香族環を意味する。上記アリールの例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、2-ナフタニル、テトラヒドロナフチル、2-インデニル、4-インデニル及びインダニルを含むが、これらに限定されない。
【0047】
「アリール-C1-nアルキル」という用語は、上記で定義したアリールで置換された上記で定義したC1-nアルキルを意味する。
【0048】
「アリール-C2-nアルキル」という用語は、上記で定義したアリールで置換された上記で定義したC2-nアルケニルを意味する。
【0049】
「ヘテロシクリル」という用語は、4~18個の原子で構成される飽和、部分不飽和、又は芳香族の単環式、二環式又は三環式環系を意味し、環中の1、2、3又は4個の原子は、窒素、酸素又は硫黄の1つ以上から独立して選択される炭素以外の元素である。上記ヘテロシクリルの例としては、ピロリジノ、ピペリジノ、オキセタニル、ピリジニル、ピペラジノ、モルホリノ、ジオキサニル、チオモルホリノ、フラニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジノリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル(benzisoxazolyl)、インドリル、及びイソインドリニルを含むが、これらに限定されない。
【0050】
「C3-pシクロアルキル-C1-nアルキル」という用語は、上記で定義したC3-pシクロアルキルで置換された上記で定義したC1-nアルキルを意味する。
【0051】
別段の指示がない限り、アルキル、アルケニル、アルコキシ及びシクロアルキル(例えば、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6シクロアルキルなど)は、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、オキソ、メルカプト、アミド、シアノ、アジド、ニトロ、C1~C3アルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4アルキニル、C3~C6シクロアルキル、C1~C4アルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換されていてもよい。定義に使用される任意の分子部分上のラジカル位置は、化学的に許容され、安定している限り、そのような部分上のどこにあってもよいことに留意すべきである。
【0052】
本明細書で使用される「任意に置換された」という用語は、置換が任意であること、すなわち、置換があってもなくてもよいことを意味する。例えば、「1つ以上の置換基で任意に置換されたアルキル基」という表現は、アルキル基がゼロ、1つ以上の置換基で置換されていることを意味する。
【0053】
「置換された」という用語は、少なくとも1つの水素原子が置換基で置換されている分子を指す。
【0054】
可変要素の定義で使用されるラジカルには、特に指定がない限り、考えられるすべての異性体が含まれる。例えば、ピリジルには、2-ピリジル、3-ピリジル、及び4-ピリジルが含まれ、ペンチルには、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチルなどが含まれる。任意の可変要素が任意の構成要素内で複数回出現する場合、各定義は独立している。
【0055】
「対象」という用語は、ヒトを含む任意の哺乳動物を表す。本発明の一実施形態では、対象はヒトである。
【0056】
「独立して」という用語は、本明細書では、独立して適用される可変要素が適用ごとに独立して変化することを示すために使用される。
【0057】
式(I)のいくつかの化合物を更に修飾して、式(I)で表すこともできる所望の化合物を得ることができることが理解される。このような修飾の方法は、所望の生成物の構造及び出発物質としての式(I)の化合物の構造に依存する。このような修飾反応は、脱保護、置換、付加、酸化、還元、及び有機合成では一般的な他の化学変換を含むことができる。
【0058】
医薬製剤
治療に使用するために必要な本発明の式(I)の化合物の量は、選択される特定の化合物だけでなく、投与経路、治療が必要な症状の性質、並びに患者の年齢、体重及び状態によっても変化し、最終的には主治医の判断に委ねられることが理解されるである。 しかしながら、一般に、好適な用量は、1日当たり約0.005~約30mg/kg体重の範囲で、好ましくは0.05~20mg/kg/日の範囲であり得る。
【0059】
所望の用量は、単回用量で、又は適切な間隔で投与される分割用量として、例えば、1日あたり2回、3回、4回又はそれ以上の用量として普通に与えられる。治療及び/又は予防の必要性に応じて、所望の用量は、また、例えば、2日に1回、3日に1回、又は更に週に1回であってもよい。
【0060】
この化合物は、例えば、単位剤形当たり0.5~1500mg、好都合には1~1000mg、最も好都合には5~700mgの活性成分を含有する単位剤形で投与するのが好都合である。
【0061】
本発明の化合物は、通常、活性成分又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ若しくは溶媒和物、又はそのような塩の溶媒和物を薬学的に許容される剤形で含む医薬製剤の形態で、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下若しくは他の注射可能な方法、口腔、直腸、膣、経皮及び/又は鼻腔経路及び/又は吸入を介して投与される。治療される障害及び患者、並びに投与経路に応じて、組成物は様々な用量で投与され得る。
【0062】
治療に使用するために、本発明の式(I)の化合物を原料化学物質として投与することも可能であるが、本発明の一実施形態によれば、活性成分を医薬組成物として提供することが好ましい。したがって、本発明は更に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグを1種以上の薬学的に許容される担体とともに含む医薬組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と混合可能であり、その受容者にとって有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。本発明の一実施形態によれば、医薬製剤には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔及び舌下を含む)、経皮、膣若しくは非経口(筋肉内、皮下及び静脈内を含む)投与に適したもの、又は吸入若しくは吹送による投与に適した形態のものが含まれるが、これらに限定されない。製剤は、適切に、別個の投与単位で普通に提供されることができ、また、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。本実施形態によるすべての方法は、活性化合物を液体担体若しくは微粉固体担体又はその両方と会合させ、次いで、必要に応じて該生成物を所望の組成物に成形するステップを含む。
【0063】
経口投与に適した医薬組成物は、それぞれ所定量の活性成分を含有するカプセル、カシェ剤、又は錠剤などの個別の単位として、粉末又は顆粒として普通に提供される。別の実施形態では、製剤は、溶液、懸濁液、又はエマルジョンとして提供される。あるいは、活性成分は、ボーラス、なめ薬又はペーストとして提供される。
【0064】
経口投与用の錠剤及びカプセルは、結合剤、充填剤、滑沢剤、崩壊剤、又たは湿潤剤などの従来の賦形剤を含有してもよい。錠剤は、当技術分野で周知の方法に従ってコーティングされてもよい。経口液体製剤は、例えば、水性又は油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ又はエリクサー剤の形態であってもよく、あるいは使用前に水又は他の適切なビヒクルと調合するための乾燥製品として提供されてもよい。このような液体製剤は、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含み得る)、又は保存剤などの従来の添加剤を含有してもよい。
【0065】
式(I)の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は持続注入)用に製剤化することができ、また、アンプル、プレフィルドシリンジ、少量注入又は保存剤が添加された複数回投与容器中の単位用量形態で提供されてもよい。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルジョンなどの形態をとることができ、また、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの配合剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば滅菌されたパイロジェンフリー水)と調合するために、滅菌固体の無菌単離又は溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末の形態であってもよい。
【0066】
上述の製剤は、活性成分の持続放出を提供するように適合される。
【0067】
一般的な合成方法
本発明は、また、本発明の化合物の製造方法に関する。化合物は、有機合成の適用可能な方法及び技術のいずれかによって調製することができる。多くのそのような方法及び技術は当技術分野で周知であり、既知の方法技術のいくつかは、Compendium of Organic Synthetic Methods,in 12 volumes(John Wiley & Sons,New York);Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March(John Wiley & Sons,New York,2001);Comprehensive Organic Synthesis.Selectivity.Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry,in 9 Volumes.Barry M.Trost,Editor-in-Chief(Pergamon Press,New York,1993)、及びChemistry of Nucleosides and Nucleotides,Townsend,L.B.,Ed.(Plenum Press;New York,1988)に詳述されている。
【0068】
本発明の化合物を調製するための多くの例示的な方法を以下に提供する。これらの方法は、そのような調製の性質を説明することを意図しており、適用可能な方法の範囲を限定することを意図していない。以下の一般スキーム及び調製例で示すように、本発明の化合物又はそれらの中間体を合成するために、有機化学の当業者には容易に明らかな代替経路を代替的に使用することができる。スキームで使用される様々な出発物質の調製は、十分に当業者の技術の範囲内にある。
【0069】
式(I)の化合物を調製するための以下に記載されるプロセスの過程において、望ましくない副反応に関与しやすい出発物質中の官能基、特にアミノ、アミド、カルボキシ、ヒドロキシ、ホスフェート、ホスホネート及びメルカプト基は、有機合成において通常使用される適切な従来の保護基によって保護することができる。これらの保護基は前駆体にすでに存在している可能性があり、アシル化、エーテル化、エステル化、アルキル化、酸化、還元、加溶媒分解などの望ましくない二次反応から当該官能基を保護することを目的としている。特定の場合には、保護基は更に、反応を選択的に、例えば位置選択的又は立体選択的に進行させることができる。保護基の特徴は、例えば、酸処理、フッ化物処理、加溶媒分解、還元によって、又は光分解によって、望ましくない二次反応を起こすことなく、容易に除去できることである。このような保護基による官能基の保護、保護基自体、及びこれらの除去のための反応は、例えば、M.Schelhaas et al,Angew.Chem,Internatl.Ed.(1996),35(18),2056及びGDT.W.Greene and P.G.M.Wuts“ Protective Groups in Organic Synthesis” John Wiley & Sons,Inc.,New York 1999などの標準的な著作に記載されている。
【0070】
スキーム1~6は、式(I)の化合物、又は式(I)の化合物に変換され得る化合物を合成するための異なるプロセスを示す。
【0071】
【0072】
スキーム1は、式(I)による化合物を調製するための一般的な方法を説明する。適切な出発物質である式(II)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R12、X、A及びEは式(I)について定義したとおりである)の5員複素環は、文献中の周知の、及び当技術分野に精通した有機化学者に周知の有機合成における適用可能な方法及び技術を使用して調製することができる(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,in 12 volumes(John Wiley & Sons,New York;Comprehensive Organic Synthesis.Selectivity. Strategy & Efficiency in Modern Organic Chemistry,in 9 Volumes.Barry M.Trost,Editor-in-Chief(Pergamon Press,New York,1993)。式(II)の化合物は、必要に応じて任意に適切に保護されている。これらを、極性溶媒中、塩基の存在下で、適切に置換された4,6-ジクロロ-ピリミジン-5-アミンと反応させて、式(III)の化合物を得る。反応に適した塩基は、トリエチルアミン、DIPEA、DMAP、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、DBU、ピリジン、又はそのような反応に一般的な他の有機塩基若しくは無機塩基を含む。反応用の溶媒は、DMF、THF、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、エタノール、及び置換反応に適した他の一般的な溶媒を含む(Springthorpe,B.et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2007,17,6013;Zhang,H.,et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2012,22,3598)。あるいは、(II)の化合物を、同様の方法を使用して、適切に置換された4,6-ジクロロ-5-ニトロ-ピリミジンと反応させることができ、続いて、得られた中間体を、ニトロ基をアミノ基に還元することによって式(III)の化合物に変換する(Tu,W.et al,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2014,24,141)。還元条件には、AcOH中のFe、水性溶媒中のFe/FeSO4、非プロトン性溶媒中のZn、触媒水素化及び金属水素化物などが含まれる。式(III)の化合物を、アセトニトリル中のイソアミルニトリル、AcOH/H2O中のNaNO2などのジアゾ化条件下で式(IV)のトリアゾロピリミジンに変換する。MeCN、DMF、THF、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジオキサン又は溶媒の混合物などの有機溶媒中で適切なアミンと置換することによって式(IV)の化合物をそのピリミジン環上で反応させる。反応では、トリエチルアミン、ジプロピルエチルアミン、2,6-ルチジン、ピリジン、DMAP、DBUなどの追加の塩基が好ましい。得られた中間体を任意に更に修飾して、脱保護後に所望の式(I)の化合物を得ることができる。
【0073】
【0074】
スキーム2は、式(I)による化合物を調製するための別の方法を説明する。適切な5員複素環式エポキシドである式(V)(式中、R1、R2、R3、R6、R7、R12、X、A及びEは式(I)について定義したとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、適切な溶媒又は溶媒の混合物中で、アジ化カリウム、アジ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドと反応させる。得られた式(VI)の化合物のアジド基は、金属水素化物、パラジウム触媒による水素化、トリフェニルホスフィンなどの適切な反応条件、及び文献(Scriven E et al,Chem Rev.1988,88,297;Rolla,F.J Org.Che.198,47,4327;Kim,B,et al,Tetrahedron Lett.1998,39,6921;Staudinger,H.;Helv.Chim.Acta,1919,2,635)中の周知の方法を使用して、アミンに還元することができる。アミノ基を適切に保護した後、式(VI)の化合物は、文献(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York;Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March,John Wiley & Sons,New York,2001)中の一般に知られているアプローチを使用して、多段階プロセスで所望のR4及びR5を有する式(VII)の化合物に変換することができる。続いて、式(VII)の化合物のアミノ基を、スキーム1に記載の方法を使用して、多段階プロセスで式(I)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに変換する。
【0075】
【0076】
スキーム3は、式(I)による化合物を調製するための更に別の合成戦略を説明した。3位にヒドロキシル基を有する適切な5員複素環である式(IX)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R12、X、A及びEは、式(I)について定義されたとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、メシレート、トシレート又はトリフレートなどのスルホニルエートに変換し、そして得られた式(X)の化合物をアジドによる求核置換にかけて式(XI)の化合物を得る(Kenneth A.et al,J.Med.Chem.(1995),38,1720;Taichi K.eatl.,Chemical Communications,2012,48(56),7038;B.Lv et al.,Tetrahedron Letters,2018 59,1473,Chen Y.D.et al,CN111333598)。あるいは、式(IX)の化合物をアジドの存在下で光延反応条件に付して、式(XI)の化合物を直接得る(Mitsunobu,O.,Synthesis,1981,1;Green,J.et al,Org.Lett.2009,11,807;G.Gosselin et al.,Nucleosides and nucleotides,1998,17,1731)。得られた式(XI)の化合物のアジド基をアミンに還元し、その後、スキーム1に記載したように、式(I)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに更に変換することができる。
【0077】
【0078】
スキーム4は、一般式(I)(式中、R6は水素であり、R12は水素である)の化合物を調製するための別の一般的な方法を説明した。適切な5員複素環式エポキシドである式(XIII)(式中、R1、R2、R3、R7、X、A及びEは、式(I)について定義されたとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、アジ化カリウム、アジ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドと反応させる。ヒドロキシルを適切な保護基で保護した後、得られた式(XV)の化合物のアジド基をアミンに還元し、その後、前のスキームで説明したいくつかのステップで式(XVIII)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに変換することができる。最後に、一般に知られているアプローチを使用して、多段階プロセスで所望のR4及びR5を導入した(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York;Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March,John Wiley & Sons,New York,2001;Koushi H.et al,J.Med.Chem.2018,61,5140;B.Lv et al.,Tetrahedron Letters 2018,59,1473)。
【0079】
【0080】
スキーム5は、式(I)(式中、R6は水素であり、R12は水素である)による化合物を調製するための別の一般的な方法を説明する。適切な5員複素環式エポキシドである式(XVI)(式中、R1、R2、R3、R6、R7、X、A及びEは式(I)について定義したとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を、適切な溶媒又は溶媒の混合物中で、アジ化カリウム、アジ化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムアジドなどのアジドと反応させる。得られた複素環式アジドを、文献(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York;Advanced Organic Chemistry,5 ed.M.Smith & J.March,John Wiley & Sons,New York,2001;Koushi H.et tl,J.Med.Chem.2018,61,5140)中の一般に知られているアプローチを使用して、多段階プロセスで所望のR4及びR5を有する式(XVIII)の化合物に変換することができる。続いて、式(XVIII)の化合物のアミノ基を、当技術分野に精通した有機化学者に周知の方法を使用して、多段階プロセスで式(I)の適切なピリミジン-環化トリアゾールに変換する。
【0081】
【0082】
スキーム6は、式(I)(式中、R6は水素であり、R12は水素である)による化合物を調製するための別の方法を説明した。式(XIX)の適切な3-オキソ5員複素環(式中、R6は水素であり、R12は水素であり、R1、R2、R3、R4、R5、R7、X、A及びEは式(I)について定義したとおりであり、必要に応じて任意に適切に保護されている)を還元的アミノ化(B.Unterhait etal.,Seientia Pharmaeeutiea,2000,68,102;Michael Aaron B.etal,US2018/208608;Michael J.etal,US6355660;Dong Bo Li etal,Org.Lett.,2013,15(18),4767)又はトランスアミナーゼ触媒反応(Matteo P.et al,Chem.Sci.,2019,10,5955)に付してアミン化合物(XX)を得た後、上記スキームに記載したように式(I)の適切ななピリミジン-環化トリアゾールに更に変換した。
【0083】
【0084】
スキーム7は、式(I)の化合物を調製するための更に別の代替アプローチを説明する。式(XXI)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R12、R7、Xは式(I)について定義したとおりであり、Aは式(I)について定義したとおりであるか、又はAは式(I)について定義したAに変換され得る官能基である)。上記のスキームで述べたように、式(XXI)の化合物は、必要に応じて任意に適切に保護されている。式(XXI)の化合物を、上記のスキームで説明した方法を使用して、多段階反応で式(XXII)の化合物に変換する。続いて、式(XXIII)の化合物を、有機合成化学の文献(Smith M.,et al,Compendium of Organic Synthetic Methods,Smith M.,et al ed.in 12 volumes,John Wiley & Sons,New York)における官能基変換及び誘導体化のための既知の方法を使用して、式(I)に従って定義した所望のE及びAを有する式(XXIII)の化合物に変換する。次いで、上記のスキームに記載した方法を使用して式(XXIII)の化合物を更に修飾して式(I)の化合物を得る。
【実施例】
【0085】
以下に提供する実施例及び調製は、本発明の化合物及びそのような化合物の調製方法を更に説明及び例示する。本発明の範囲は、以下の実施例及び調製の範囲によって限定されないことが理解されるべきである。
【0086】
本明細書における化合物の命名は、Cambridge Scientific Computing Inc.が提供するプログラム「ChemDraw19.0」を使用して行われた。例示された化合物の化学名と当該実施例の対応する構造との間に矛盾がある場合、当該実施例の化合物を決定するために前記化学構造を使用すべきである。
【0087】
略語
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DBU 2,3,4,6,7,8,9,10-オクタヒドロピリミドール[1,2-a]アゼピン
EtOAc 酢酸エチル
Et3N トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DCM ジクロロメタン
MS(ESI) 質量分析(エレクトロスプレーイオン化)
MeCN アセトニトリル
RT 室温
TBDPS t-ブチルジフェニルシリル
TBDPSCl t-ブチルジフェニルシリルクロリド
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TFA トリフルオロ酢酸
DAST (ジエチルアミノ)三フッ化硫黄
Ms メタンスルホニル
Ts p-トルエンスルホニル
Tf トリフルオロメタンスルホニル
MeOH メタノール
EtOH エタノール
AcOH 酢酸
Me メチル
Ac2O 無水酢酸
Tf2O トリフルオロメタンスルホン酸無水物
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
aq 水性
Sat 飽和
FBS ウシ胎児血清
PBS リン酸塩緩衝食塩水
【0088】
(実施例1)
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物8)の調製
【0089】
【0090】
tert-ブチル(((1R,2S,4R,5R)-4-(ジメトキシメチル)-3,6-ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-イル)メトキシ)ジフェニルシラン(化合物1):
化合物SM1(910.00mg、4.79mmol)、DMAP(1.17g、9.58mmol)及びTBDPSCl(1.97g、7.20mmol)をジクロロメタン(30ml)に混合した混合物を室温で23時間撹拌した。その後、それを飽和NaHCO3水溶液(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物1(2.00g)を得た。MS(ESI) m/z:446[M+NH4]+.
【0091】
(2R,3R,4R,5R)-4-アジド-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物2):
化合物1(2.00g、4.67mmol)、アジ化ナトリウム(2.72g、41.84mmol)及び塩化アンモニウム(2.75g、51.41mmol)を水(12ml)及びエタノール(60ml)に混合した混合物を還流下で2日間加熱した。混合物を1/3体積まで濃縮し、水(50ml)で希釈し、ジクロロメタン(100ml×2)で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油、1:12)で精製して、化合物2(1.50g)を油状物として得た。MS(ESI) m/z:489[M+NH4]+.
【0092】
(2R,3R,4R,5R)-4-アミノ-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物3):
化合物2(50mg、0.11mmol)を酢酸エチル(5ml)に溶かした溶液にPd/C(20mg)を加え、混合物を水素下で夜通し水素化した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して化合物3(46.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:446[M+H]+
【0093】
(2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-((6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物4):
化合物3(370.00mg、0.83mmol)、4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(245.00mg、0.92mmol)及びトリエチルアミン(251mg、0.92mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶かした溶液を23時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、ブライン(50ml)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣をカラム(ヘキサン/酢酸エチル、5:1)で精製して、化合物4(440.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:677[M+H]+.
【0094】
(2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物6):
化合物4(440.00mg、0.65mmol)を酢酸(9ml)及び水(2ml)に溶かした溶液に、Fe粉末(182.00mg、3.26mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌した(化合物5を精製せずに製造し、使用した)。次いで、亜硝酸ナトリウム(90.00mg、1.30mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。その後、混合物を酢酸エチル(200ml)と飽和NaHCO3水溶液(200ml)との間で分配した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して、化合物6(300.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:658[M+H]+.
【0095】
(2R,3R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物7):
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(147mg、0.87mmol)、化合物6(300mg、0.46mmol)及びDIPEA(119.00mg、0.92mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で20分間撹拌した。溶液を1N HCl水溶液(20ml)、飽和NaHCO3水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物7(302.00mg)を得た。ES-API m/z:791[M+H]+.
【0096】
((2R,3R,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物8):
化合物7(150.00mg、0.19mmol)を1,4-ジオキサン(5ml)に溶解し、2%HCl水溶液(5ml)を加えた。反応溶液を90℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(PH8)で中和し、酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣(150mg)をメタノール(10ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(100mg、2.64mmol)を加え、溶液を室温で2時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、15:1)で精製して、化合物8(58.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:509[M+H]+.1H-NMR(400MHz,DMSO-d6):9.137(1H,d),7.228-7.450(3H,m),5.132-5.620(1H,m),4.624-5.110(3H,m),3.746-4.175(3H,m,),3.386-3.584(4H,m),2.801-3.144(3H,m),2.050-2.119(1H,m),1.377-1.821(4H,m),0.815-0.996(3H,m).
【0097】
(実施例2)
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物19)の調製
【0098】
【0099】
(2R,3R,4S,5R)-4-アジド-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物9):
化合物2(600.00mg、1.27mmol)、DMAP(728.00mg、5.96mmol)及びAc2O(510.00mg、5.00mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かした溶液を室温で2時間撹拌した。溶液をジクロロメタンと水との間で分配した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラム(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物9(650.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:531[M+NH4]+.
【0100】
(2R,3R,4S,5R)-4-アミノ-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物10):
化合物9(650.00mg、1.27mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶かした溶液をPd/C(20%、130mg)とともに水素下で夜通し撹拌した。その後、混合物をセライトを通して濾過し、蒸発させて化合物10(610.00mg)を得た。MS (ESI) m/z:488[M+H]+.
【0101】
(2R,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-((6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物11):
化合物10(610.00mg、1.25mmol)、NEt3(190mg、0.10mmol)及び4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(403.00mg、1.51mmol)をTHF(10ml)に溶かした溶液を、室温で3時間撹拌した。混合物を、ジクロロメタン(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(50ml)との間で分配した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物11(750.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:719[M+H]+.
【0102】
(2R,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物13):
化合物11(750.00mg、0.10mmol)を酢酸(10ml)及び水(2.5ml)に溶かした溶液を、Fe粉末(292.00mg、5.23mmol)と共に室温で夜通し撹拌した。化合物12を生成し、直接使用した。亜硝酸ナトリウム(144.00mg、2.09mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。その後、それを飽和NaHCO3水溶液(pH>7)で中和し、酢酸エチル(50ml)を加えた。セライトを通して濾過した後、濾液を酢酸エチルと水との間で分配し、水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、化合物12(610.00mg)を得た。ES-API m/z:700[M+H]+.
【0103】
(2R,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物14):
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(198mg、1.17mmol)、化合物13(610.00mg、0.87mmol)及びDIPEA(376.00mg、2.91mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で16時間撹拌した。溶液を飽和NaHCO3水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、4:1)で精製して、化合物14(660.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:833[M+H]+.
【0104】
(2R,3R,4S,5R)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物15):
化合物14(660.00mg、0.79mmol)及びDMAP(116.00mg、0.95mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした溶液に、(Boc)2O(208.00mg、0.95mmol)を加え、反応溶液を室温で24時間撹拌した。その後、それを水(50ml)及びブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物15(630.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:933[M+H]+.
【0105】
tert-ブチル(3-((2R,3R,4R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物16):
化合物15(630.00mg、0.68mmol)をTHF(5ml)及びメタノール(5ml)に溶解し、アンモニウム(1ml)を加え、溶液を50℃で8.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、水(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(40ml×2)で抽出した。有機層をブライン(40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して、化合物16(530.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:933[M+H]+.
【0106】
tert-ブチル(1-((2R,3S,4R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-((フェノキシカルボノチオイル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イル)-6-(プロピルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン-4-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物17):
化合物16(530.00mg、0.60mmol)、DMAP(727.00mg、5.95mmol)及びチオクロロギ酸フェニル(513.00mg、2.97mmol)をMeCN(20ml)に混合した混合物を70℃で5時間加熱した。室温まで冷却し、蒸発させた後、残渣を水(50ml)とジクロロメタン(100ml)との間で分配し、水相をジクロロメタン(100ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、8:1)で精製して、化合物17(360.00mg)を得た。ES-API m/z:1027[M+H]+.
【0107】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物18):
化合物17(360.00mg、0.35mmol)をトルエン(5ml)に溶解し、AIBN(73.00mg、0.44mmol)及びBu3SnH(306.00mg、1.05mmol)を加え、混合物を90℃で4時間加熱した。室温まで冷却し、蒸発させた後、残渣を飽和NaHCO3水溶液(50ml)とジクロロメタン(100ml)との間で分配した。有機相をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物18(230.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:875[M+H]+.
【0108】
((2R,3R,5R)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物19):
化合物18(220.00mg、0.25mmol)を1,4-ジオキサン(10ml)及び2%HCl(10ml)に溶かした溶液を90℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(50ml)で中和し、酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機層をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣(195.00mg)をメタノール(10ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(26.00mg、0.69mmol)を加え、溶液を室温で25分間撹拌した。水(50ml)を加え、混合物を酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機相をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、20:1)で精製して、化合物19(23.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:493[M+H]+.1H-NMR(400MHz,MeOH-d4):7.21-7.07(3H,m),5.38-5.35(1H,q),4.56-4.52(1H,m),4.40-4.36(1H,m),3.70-3.80(3H,m),3.62-3.56(1H,dd),3.13-3.09(1H,m),3.06-3.03(1H,m),2.96-2.94(1H,m),2.68-2.64(2H,m),2.13-2.12(1H,m),1.65-1.60(2H,m),1.48-1.46(1H,m),1.40-1.36(1H,m),0.94-0.91(3H,t).
【0109】
(実施例3)
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物27)の調製
【0110】
【0111】
(2R,3R,4S)-4-アジド-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物20):
化合物SM2(7.32g、45.56mmol)、アジ化ナトリウム(11.89g、0.18mol)及び塩化アンモニウム(12.22g、0.23mol)を水(73.2ml)及びエタノール(293ml)に混合した混合物を22時間還流した。冷却及び蒸発後、水(200ml)を加え、混合物をジクロロメタン(200ml×2)で抽出した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、夜通し乾燥させ、蒸発させて化合物20(7.77g)を得た。MS(ESI) m/z:221[M+NH4]+.
【0112】
(2R,3R,4S)-4-アジド-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物21):
化合物20(7.77g、38.26mmol)、Ac2O(15.60g、0.15mol)及びDMAP(23.40g、0.19mol)を1,2-ジクロロエタン(200ml)に溶かした溶液を55℃で3.5時間加熱した。冷却後、それをジクロロエタンと1N HCl水溶液(200ml)との間で分配し、有機相を飽和NaHCO3水溶液(200ml)及びブライン(200ml)で更に洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10:1)で精製して、化合物21(8.83g)を得た。MS(ESI) m/z:263[M+NH4]+.
【0113】
(2R,3R,4S)-4-アミノ-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物22):
化合物21(8.83g、36.03mmol)をメタノール(100ml)に溶かした溶液をPd/C(10%、883.00mg)とともに水素下で夜通し撹拌した。その後、混合物をセライトを通して濾過し、濃縮して化合物22(7.04g)を得た。MS(ESI) m/z:220[M+H]+.
【0114】
(2R,3R,4S)-4-((6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-イル)アミノ)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート(化合物23):
4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(6.75g、25.28mmol)をTHF(135ml)に溶解し、化合物22(5.50g、25.10mmol)をTHF(110ml)に溶かした溶液を0℃で滴下し、反応混合物を室温で17時間撹拌した。その後、混合物を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して、化合物23(3.45g)を得た。MS(ESI) m/z:451[M+H]+.
【0115】
(2R,3R,4S)-4-(7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物25):
化合物23(688.00mg、1.53mmol)を酢酸(5ml)及び水(1ml)に溶かした溶液をFe粉末(427.00mg、7.65mmol)とともに室温で夜通し撹拌し(化合物24をLC-MSによってモニターした)、亜硝酸ナトリウム(212.00mg、3.07mmol)を加え、混合物を更に1時間撹拌した。酢酸エチル(50ml)及び水(50ml)を加えた。混合物を酢酸エチルと水との間で分配し、水相を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(50ml×2)及びブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗化合物25(680.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:432[M+H]+.
【0116】
(2R,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物26):
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(264mg、1.56mmol)、化合物25(560mg、1.30mmol)及びDIPEA(504mg、3.90mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で夜通し撹拌した。それを飽和NaHCO3水溶液(50m)及びブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物26(570.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:565[M+H]+.
【0117】
(2S,3R,4S)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール(化合物27):
化合物28(100.00mg、0.18mmol)を1,4-ジオキサン(2ml)及び2%HCl水溶液(2ml)に溶かした溶液を85℃で2時間加熱した。冷却後、飽和NaHCO3水溶液(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(40ml×2)で抽出し、有機相をブライン(40ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣(108.00mg、0.23mmol)をメタノール(5ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(15mg)を加え、溶液を室温で20分間撹拌した。水(70ml)を加え、混合物を酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM/イソプロパノール、10:1)で精製して、化合物27(40.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:479[M+H]+.1H-NMR(400MHz,MeOH-d4):7.09-7.26(3H,m),4.90-5.36(1H,m),4.81-4.84(1H,t),4.31-4.42(2H,m),374-3.96(3H,m),2.91-3.17(3H,m),2.13-2.21(1H,m),1.32-1.54(4H,m),0.91-1.07(3H,m).
【0118】
(実施例4)
((2R,4R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物32)の調製
【0119】
【0120】
(2R,3R,4S)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-2-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イルアセタート(化合物28):
化合物26(1.3g、2.5mmol)及びDMAP(843mg、6.9mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶かした溶液に、(Boc)2O(754.00mg、3.46mmol)を加えた。得られた溶液を室温で24時間撹拌した。溶液をジクロロメタンと水(30ml)との間で分配した。有機層を1N HCl水溶液(10ml)、飽和NaHCO3水溶液(10ml)及びブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン-酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物28(1.317g)を得た。MS(ESI) m/z:665[M+H]+.
【0121】
tert-ブチル((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)(3-((3S,4R,5R)-5-(ジメトキシメチル)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)カルバメート(化合物29):
化合物28(1.317g、1.98mmol)をTHF(15ml)及びメタノール(15ml)に溶解した溶液にNH3
.H2O(41ml)を加えた。反応溶液を50℃で8時間撹拌した。冷却及び蒸発後、水(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。有機層をブライン(25ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン-酢酸エチル、6:1)にかけて、化合物29(945mg)を得た。MS(ESI) m/z:623[M+H]+.
【0122】
tert-ブチル((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)(1-((3S,4R,5R)-5-(ジメトキシメチル)-4-((フェノキシカルボノチオイル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イル)-6-(プロピルチオ)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン-4-イル)カーバメート(化合物30):
化合物29(945.00mg、1.52mmol)をMeCN(10ml)に溶かした溶液に、DMAP(1.86g、15.19mmol)及びチオクロロギ酸フェニル(1.31g、7.59mmol)を加え、混合物を70℃で5時間加熱した。冷却及び蒸発後、水(30ml)を加え、混合物をDCM(25ml×2)で抽出した。有機層をブライン(15ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣を、N-ヘキサン-酢酸エチル(5:1)を溶離液とするシリカ上のクロマトグラフィーにかけて化合物30(865mg)を得た。MS(ESI) m/z:758[M+H]+.
【0123】
tert-ブチル((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)(3-((3R,5R)-5-(ジメトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)カルバメート(化合物31):
化合物30(865mg、1.14mmol)をトルエン(20ml)に溶かした溶液にAIBN(187mg、1.14mmol)及びBu3SnH(830mg、2.85mmol)を加え、混合物を90℃で4時間撹拌した。冷却及び蒸発後、飽和NaHCO3水溶液(50ml)を加え、混合物をDCM(30ml×2)で抽出した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(ジクロロメタン-酢酸エチル、20:1)にかけて、化合物31(646mg)を得た。MS(ESI) m/z:607[M+H]+.
【0124】
((2R,4R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物32):
化合物31(370mg、0.61mmol)を1,4-ジオキサン(5ml)に溶かした溶液に2%HCl水溶液(5ml)を加え、混合物を90℃で2時間加熱した。冷却後、飽和NaHCO3水溶液(30ml)を加え、混合物を酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣(280mg)をメタノール(10ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(16.00mg、0.69mmol)を加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。溶液を酢酸エチル(100ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層をブライン(50ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(DCM/メタノール、40:1)にかけて、化合物32(18.7mg)を得た。MS(ESI) m/z:463[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.12-7.00(3H,m),6.77(1H,s),5.52-5.48(1H,m),4.38-4.36(1H,dd),4.35-4.27(1H,m),4.20-4.17(1H,m),3.98-3.96(1H,dd),3.79-3.76(1H,dd),3.12-3.06(2H,m),2.99-2.95(1H,m),2.68-2.62(2H,m),2.27-2.16(1H,m),1.68-1.64(2H,m),1.44-1.41(1H,m),1.38-1.35(1H,m),0.96-0.93(3H,t).
【0125】
(実施例5)
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39a)の調製
【0126】
【0127】
(((2R,3S,4R,5S)-3-アジド-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(化合物33a)及び(((2R,3S,4S,5S)-3-アジド-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)(tert-ブチル)ジフェニルシラン(化合物33b)
化合物2(4.50g、9.55mmol)を50mlのTHFに溶かした溶液にDAST(3.08g、19.1mmol)を加え、反応溶液をN2下で3時間撹拌した。0℃に冷却した後、飽和重炭酸ナトリウムで中和した。混合物を酢酸エチル(100ml×2)で抽出し、有機層をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣をシリカ上のカラムクロマトグラフィー(N-ヘキサン-酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物33a及び33b(約2:1、2.38g、59.5%)を得た。MS(ESI) m/z:491[M+18]+.
【0128】
(2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-アミン(化合物34a)及び(2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-アミン(化合物34b)
化合物33a及び33b(2.38g、5.03mmol)を酢酸エチル(25ml)に溶かした溶液をPd/C(238mg)とともに水素下で夜通し撹拌した。セライトを通して濾過し、蒸発させて、化合物34a及び34b(2.00g)を得た。MS(ESI) m/z:448[M+H]+.
【0129】
N-((2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-アミン(化合物35a)及びN-((2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-6-クロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン-4-アミン(化合物35b)
化合物34a及び34b(2.00g、4.47mmol)、4,6-ジクロロ-5-ニトロ-2-(プロピルチオ)ピリミジン(1.19g、4.47mmol)をテトラヒドロフラン(45ml)に溶かした溶液を20時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(40ml)との間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(N-ヘキサン-酢酸エチル、25:1)にかけて、化合物35a(1.24g)及び化合物35b(690mg)を得た。MS(ESI) m/z:679[M+H]+.
【0130】
3-((2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン(化合物36a)
化合物35a(1.24g、1.83mmol)を酢酸(24ml)及び水(6ml)に溶かした溶液を鉄粉(511.00mg、9.15mmol)とともに室温で撹拌した。16時間後、亜硝酸ナトリウム(253.00mg、2.04mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を酢酸エチル(200ml)と飽和NaHCO3水溶液(200ml)との間で分配した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空中で蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(N-ヘキサン-酢酸エチル、10:1)にかけて、化合物36a(540.00mg)を得た。MS (ESI) m/z:660[M+H]+.
【0131】
3-((2R,3S,4S,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-N-((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-アミン(化合物37a)
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(78mg、0.455mmol)、化合物36a(250mg、0.379mmol)及びDIPEA(150.00mg、1.14mmol)を酢酸エチル(20ml)に溶かした溶液を室温で1時間撹拌した。それを酢酸エチル(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(20ml)との間で分配した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、蒸発させ、残渣を、シリカ上のクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル、5:1を溶離液とする)にかけて、化合物37a(220.00mg)を得た。ES(ESI) m/z:793[M+H]+.
【0132】
((2S,3S,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-3-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物38a)
化合物37a(220.00mg、0.278mmol)を23mlのジクロロメタンに溶かした溶液にトリフルオロ酢酸(10ml)を加え、反応物を室温で4時間撹拌した。次に、それを300mlの飽和NaHCO3水溶液に注いだ。10分間撹拌した後、混合物をジクロロメタン(100ml×2)で抽出した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(207mg)をメタノール(5ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(23mg、0.55mmol)を加えた。溶液を室温で0.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィー(n-ヘキサン-酢酸エチル、3:1)にかけして、化合物38a(178.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:749[M+H]+.
【0133】
((2R,3S,4S,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39a)
不活性雰囲気(N2)下で、化合物43(178mg)をTHF(5ml)に溶かした溶液にTBAF(THF中1M、1ml)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、それを酢酸エチル(20ml)で希釈し、水(10ml×2)及びブライン(10ml)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、40:11)で精製して、化合物39a(36mg)を得た。MS(ESI) m/z:511[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.14-6.98(3H,m),5.65(0.5H,m),5.55(0.5H,m),5.48-5.45(0.5H,m),5.39-5.37(1.5H,m),4.60-4.57(0.5H,m),4.52-4.50(0.5H,m),4.11-4.08(1H,m),4.01-3.92(2H,m),3.80-3.77(1H,m),3.15-3.13(1H,m),3.08-3.01(2H,m),2.96-2.91(1H,m),2.15-2.13(1H,t),1.66-1.61(2H,m),1.43-1.25(2H,m),0.94-0.90(3H,t)
【0134】
(実施例6)
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39b)の調製
【0135】
【0136】
3-((2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-7-クロロ-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン(化合物36b)
化合物35b(690.00mg、1.02mmol)を酢酸(12ml)及び水(3ml)に溶かした溶液を鉄粉(285.00mg、5.09mmol)とともに室温で撹拌した。16時間後、亜硝酸ナトリウム(141.00mg、2.04mmol)を加えた。混合物を室温で更に2時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(200ml)と飽和NaHCO3水溶液(200ml)との間で分配した。有機層をブライン(200ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル、10:1)にかけて、化合物36b(280.00mg、41.72%)を得た。MS(ESI) m/z:660[M+H]+.
【0137】
3-((2R,3S,4R,5S)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ジメトキシメチル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-3-イル)-N-((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-アミン(化合物37b)
(1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンアミン(62mg、0.364mmol)、化合物37b(200mg、0.303mmol)及びDIPEA(120.00mg、0.91mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶かした溶液を、室温で1時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(20ml)との間で分配した。有機層をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム(n-ヘキサン-酢酸エチル、5:1)で精製して、化合物37b(224.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:793[M+H]+.
【0138】
((2S,3R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-3-フルオロテトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物38b)
(200.00mg、0.278mmol)を23mlのジクロロメタンに溶かした溶液にトリフルオロ酢酸10mlを加えた。反応物を室温で4時間撹拌した。その後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(300ml)に滴下し、更に10分間撹拌し、ジクロロメタン(2×100ml)で抽出した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣(205mg)をメタノール(5ml)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(22mg、0.55mmol)を加え、溶液を室温で0.5時間撹拌した。溶液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム(n-ヘキサン-酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物38b(135.00mg)を得た。MS(ESI) m/z:749[M+H]+.
【0139】
((2R,3S,4R,5S)-3-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-フルオロテトラヒドロフラン-2,5-ジイル)ジメタノール(化合物39b)
化合物38b(135mg、0.18mmol)を5mlのTHFに溶かした溶液にTBAF(THF中1M、1ml)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、それを酢酸エチル(20ml)と水(10ml)との間で分配した。有機相を水(10ml)及びブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、40:1)で精製して、化合物39b(26mg)を得た。MS(ESI) m/z:511[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.63-6.98(4H,m),6.08-6.07(0.5H,t),5.95-5.93(0.5H,t),5.64-5.58(1H,m),4.59-4.50(1H,m),4.49-4.44(1H,m),3.99-3.93(3H,m),3.73-3.69(1H,m),3.16-3.05(2H,m),2.96-2.91(1H,m),2.17-2.15(1H,m),1.66-1.61(2H,m),1.44-1.39(2H,m),1.05-1.01(3H,t).
【0140】
(実施例7)
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物42)の調製
【0141】
【0142】
(2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-カルボアルデヒド(化合物40)
化合物18(960mg、1.10mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶かした溶液にTFA(5ml)を加え、反応溶液を室温で3時間撹拌した。その後、混合物を飽和NaHCO3水溶液(100ml)に滴下し、ジクロロメタン(2×30ml)で抽出した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、化合物40(760mg)を淡黄色泡状固体として得た。MS(ESI) m/z:747[M+H2O+H]+
【0143】
(2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物41)
化合物40(400mg、0.56mmol)をTHF(3ml)、DMSO(3ml)及びH2O(3ml)の混合溶媒に溶かした溶液に、0.2M Na2HPO4水溶液(2ml)及びNaClO(75mg、1.00mmol)を加え、得られた混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応を飽和Na2S2O3水溶液(10ml)で停止させ、1N HCl水溶液でPH=4~5に調整し、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。有機相をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、化合物41(400mg)を白色泡状固体として得た。MS(ESI) m/z:745[M+H]+.
【0144】
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物42)
化合物41(400mg、0.54mmol)を乾燥THF(10ml)に溶かした溶液にTBAF(1ml、THF中1M)を加え、得られた混合物を室温で夜通し撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、1M HCl水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/H2O、6:4~5:5)で精製して、化合物42(110mg)を白色泡状固体として得た。MS(ESI) m/z:507[M+H]+.1H-NMR(400MHz,DMSO):9.0(1H,s),7.38-7.29(2H,m),7.09-7.07(1H,m),5.30-5.24(4H,q),4.70-4.67(1H,t),4.55-4.46(1H,m),3.61-3.57(1H,dd),3.50-3.46(1H,dd),3.18-3.07(2H,m),2.97-2.78(3H,m),2.15-2.10(1H,m),1.57-1.47(2H,m),1.41-1.36(1H,q),1.01-0.97(1H,q),0.85-0.81(3H,t).
【0145】
(実施例8)
(2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルスルフィニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-カルボン酸(化合物43)の調製
【0146】
【0147】
化合物42(80mg、0.16mmol)をDCM(20ml)に溶かした溶液にm-CPBA(27.3mg、0.16mmol)を加え、次いで、得られた混合物を室温で5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/H2O、1:5~1:4)で精製して、化合物43(28mg)を白色固体として得た。MS(ESI) m/z:523[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.11-6.94(3H,m),5.62-5.58(1H,m),4.90-4.88(1H,m),4.65-4.50(1H,m),3.97-3.93(1H,dd),3.77-3.74(1H,dd),3.30-3.26(2H,m),3.17-3.01(3H,m),2.20-2.13(1H,m),1.72-1.67(2H,m),1.45-1.35(2H,m),,1.05-0.98(3H,t).
【0148】
(実施例9)
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物49)の調製
【0149】
【0150】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-ホルミルテトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物44)
化合物40(850mg、1.14mmol)をジクロロメタン(50ml)に溶かした溶液にDMAP(310mg、2.54mmol)及びBoc2O(300mg、1.37mmol)を加え、得られた溶液を夜通し撹拌した。その後、溶液を1N HCl水溶液(10ml)で洗浄し、有機相をブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、化合物44(960mg)を得た。MS(ESI) m/z:847[M+H2O+H]+.
【0151】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物45)
化合物44(960mg、1.13mmol)をメタノール(20ml)に溶かした溶液にNaBH4(55mg、1.44mmol)を加え、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、混合物をジクロロメタン(60ml)と水(60ml)との間で分配した。有機相をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて化合物45(831mg)を得た。MS(ESI) m/z:831[M+H]+.
【0152】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物46)
化合物45(831mg、1.00mmol)を乾燥ピリジン(20ml)に溶かした溶液にDMTrCl(507mg、1.50mmol)を加え、得られた混合物を室温で夜通し撹拌した。その後、混合物をジクロロメタン(50ml)で希釈し、ブライン(30ml×3)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、15:1~5:1)で更に精製して、化合物46(660mg)を得た。MS(ESI) m/z:1133[M+H]+.
【0153】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物47)
化合物46(660mg、0.58mmol)をTHF(10ml)に溶かした溶液にTBAF(2.5ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で3時間撹拌した。蒸発後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、3:1)で精製して、化合物47(190mg)を得た。MS(ESI) m/z:895[M+H]+.
【0154】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-((ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)-2-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物48)
化合物47(145mg、0.16mmol)、MeI(350mg、2.46mmol)及びAg2O(600mg、4.84mmol)をアセトニトリル(6ml)に混合した混合物を夜通し撹拌した。濾過後、濾過ケーキを酢酸エチル(30ml)で洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させて、化合物48(100mg)を得た。MS(ESI) m/z:909[M+H]+.
【0155】
((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(メトキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物49)
化合物48(100mg、0.11mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした溶液にTFA(2ml)を加え、反応溶液を1時間撹拌した。その後、反応を飽和NaHCO3水溶液(30ml)で停止させ、DCM(30ml)で抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、1:2)で精製して、化合物49(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:507[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.20-6.95(3H,m),6.68(1H,s),5.46-5.40(1H,q),4.67-4.64(1H,m),4.50-4.47(1H,m),3.90-3.86(1H,dd),3.81-3.72(2H,m),3.63-3.60(1H,dd),3.52-3.48(1H,m),3.39(3H,s),3.07(3H,m),2.81-2.75(1H,m),2.67-2.60(1H,m),2.16-2.14(1H,m),1.68-1.66(2H,m),1.42-1.38(2H,m),0.99-0.96(3H,t).
【0156】
(実施例10)
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール(化合物54)の調製
【0157】
【0158】
((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(化合物50)
化合物40(1.50g、2.06mmol)をメタノール(30ml)に撹拌した溶液に0℃でNaBH4(273mg、7.21mmol)を加え、反応混合物を4時間撹拌した。その後、反応を2%HCl水溶液でPH=7に停止させ、濃縮し、ジクロロメタン(100ml×3)で抽出した。有機層をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、5:1~3:1)で精製して、化合物50(900mg)を得た。MS(ESI) m/z:731[M+H]+.
【0159】
tert-ブチル(3-((2R,3R,5R)-5-(ブロモメチル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-3-イル)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-7-イル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)カルバメート(化合物51)
PPh3(197mg、0.75mmol)及びCBr4(259mg、0.75mmol)をトルエン(20ml)に溶かした溶液を0℃で15分間撹拌した。化合物50(500mg、0.68mmol)を加え、次いで得られた溶液を室温で更に2時間撹拌した。蒸発後、残渣をゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、5:1~3:1)で精製して、化合物51(300mg)を得た。MS(ESI) m/z:793[M+H]+.
【0160】
2-((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)アセトアルデヒド(化合物52)
化合物51(200mg、0.25mmol)をTHF(20ml)に溶かした溶液に、N2雰囲気下、-78℃でn-BuLi(0.9ml、THF中1.6M)を加え、混合物をこの温度で15分間撹拌した。DMF(4.5ml)を加え、次いで、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(10ml)で停止させ、酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を更にn-ヘキサン(5ml×2)で洗浄し、固体を収集して化合物52(180mg)を得た。MS(ESI) m/z:743[M+H]+.
【0161】
2-((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール(化合物53)
化合物52(180mg、0.24mmol)をメタノール(10ml)に撹拌した溶液に0℃でNaBH4(90mg、2.37mmol)を加え、反応混合物を夜通し撹拌した。その後、混合物を酢酸エチル(40ml)とブライン(40ml)との間で分配した。水層を酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、2:1)で精製して、化合物53(80mg)を得た。MS(ESI) m/z:745[M+H]+.
【0162】
2-((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)エタン-1-オール(化合物54)
化合物53(80mg、0.11mmol)をTHF(10ml)に溶かした溶液にTBAF(1ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で夜通し撹拌した。その後、それを濃縮し、残渣をジクロロメタン(30ml)と水(10ml)との間で分配した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、20:1)で精製して、化合物54(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:507[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.33(1H,m),7.20(1H,d),7.10-7.00(1H,m),5.55-5.65(1H,m),4.99-4.80(3H,m),4.18-4.17(1H,m),3.68-3.61(1H,m),3.50-3.48(1H,m),3.10-3.01(4H,m),2.93-2.85(1H,m),2.19-2.17(1H,t),1.73-1.68(2H,m),1.51-1.29(4H,m),1.01-0.97(1H,t).
【0163】
(実施例11)
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール(化合物56)の調製
【0164】
【0165】
2-(((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール(化合物55)
化合物50(200mg、0.27mmol)をTHF(3ml)に溶かした溶液に、N2雰囲気下、-78℃でn-BuLi(1ml、THF中1.6M)を加え、混合物をこの温度で15分間撹拌した。エチレンオキシド(2.7ml、THF中1M)を加え、次いで混合物を室温で夜通し撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(10ml)で停止させ、酢酸エチル(50ml)と水(20ml)との間で分配した。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(30ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物55(207mg)を得た。MS(ESI) m/z:775[M+H]+.
【0166】
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)エタン-1-オール(化合物56)
化合物55(207mg、0.27mmol)をTHF(6ml)に溶かした溶液にTBAF(2ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で夜通し撹拌した。その後、それを濃縮し、残渣をジクロロメタン(50ml)と水(10ml)との間で分配した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水、20:1)で精製して、化合物56(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:537[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.10-6.99(2H,m),6.82-6.73(1H,m),4.48-4,37(1H,m),4.33-4.22(1H,m),4.09-4.06(1H,m),4.00-3.86(2H,m),3.82-3.73(2H,m),3.56-3.53(2H,m),3.53-3.40(2H,m),3.30-2.89(4H,m),2.80-2.60(1H,m),2.28-2.18(1H,m),1.70-1.60(2H,m),1.59-1.43(2H,m),0.92-0.89(3H,t).
【0167】
(実施例12)
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸(化合物60)の調製
【0168】
【0169】
(E)-3-((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)アクリル酸エチル(化合物57)
(カルベトキシメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(1.71g、4mmol)をTHF(5ml)に溶かした溶液にN2雰囲気下、-78℃でn-BuLi(1ml、THF中4M)を滴下し、得られた混合物をこの温度で15分間撹拌した。化合物40(200mg、0.27mmol)をTHF(1.5ml)に溶かした溶液を加え、次いで反応混合物を室温で更に夜通し撹拌した。反応を飽和NH4Cl水溶液(5ml)で停止させ、酢酸エチル(30ml)と水(30ml)との間で分配した。有機相をブライン(10ml×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、15:1~5:1)で精製して、化合物57(100mg)を得た。MS(ESI) m/z:799[M+H].
【0170】
3-((2S,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸エチル(化合物58)
化合物57(95mg、0.12mmol)及びPd/C(20mg)をメタノール(10ml)及び酢酸エチル(10ml)に混合した混合物をH2雰囲気下で夜通し撹拌した。その後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、化合物58(90mg)を得た。MS(ESI) m/z:801[M+H]+.
【0171】
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸エチル(化合物59)
化合物58(90mg、0.11mmol)をTHF(3ml)に溶かした溶液にTBAF(0.5ml、THF中1M)を加え、反応溶液を室温で夜通し撹拌した。その後、溶液を濃縮し、酢酸エチル(20ml)と水(20ml)との間で分配した。有機相をブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、5:1~1:1)で精製して、化合物59(53mg)を得た。MS(ESI) m/z:563[M+H]+.
【0172】
3-((2S,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)プロパン酸(化合物60)
化合物59(50mg、0.09mmol)をTHF(3ml)及び水(3ml)に溶かした溶液にLiOH(10mg、0.42mmol)を加え、得られた反応混合物を室温で夜通し撹拌した。その後、PH=4に調整し、酢酸エチル(20ml)と水(20ml)との間で分配した。水相を酢酸エチル(10ml×2)で更に抽出した。有機相を合わせ、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(メタノール/水、1:5)で精製して、化合物60(30mg)を得た。MS(ESI) m/z:535[M+H]+.1H-NMR(400MHz,CDCl3):7.17-7.00(3H,m),6.49(1H,s),5.36-5.34(1H,q),4.45-4.43(1H,q),4.40-4.34(1H,m),3.85-3.81(1H,dd),3.66-3.63((1H,dd),3.10-3.07(3H,m),2.77-2.71(1H,m),2.52-2.48(1H,m),2.15-2.05((3H,m),1.73-1.68(2H,m),1.40-1.37(2H,m),1.00-0.97(3H,t).
【0173】
(実施例13)
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物63)の調製
【0174】
【0175】
tert-ブチル2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-((((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物61)
化合物45(125mg、0.15mmol)を乾燥THF(15ml)に溶かした溶液に、鉱油中の60%NaH(60mg、1.5mmol)をN2雰囲気下、0℃で加え、得られた混合物を30分間撹拌した。その後、2-(ブロモメチル)安息香酸tert-ブチル(200mg、0.74mmol)を加え、混合物を室温まで夜通し温めた。反応を飽和NH4Cl水溶液(20ml)で停止させ、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。有機相をブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(n-ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で更に精製して、化合物61(110mg)を得た。MS(ESI) m/z:1021[M+H]+.
【0176】
2-(((((2R,4R,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物62)
化合物61(110mg、0.11mmol)をジクロロメタン(6ml)に溶かした溶液にTFA(2ml)を加え、得られた溶液を3時間撹拌した。その後、飽和NaHCO3水溶液を加えてPH=7に調整し、混合物をジクロロメタン(30ml×2)で抽出した。有機相をブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、6:1)で精製して、化合物62(60mg)を得た。MS(ESI) m/z:865[M+H]+.
【0177】
2-(((((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)メチル)安息香酸(化合物63)
化合物62(60mg、0.07mmol)を乾燥THF(6ml)に溶かした溶液にTBAF(THF中1M、0.5ml)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物を酢酸エチル(60ml)と水(30ml)の間で分配した。有機相をブライン(30ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/H2O、9:1~1:1)で精製して、化合物63(25mg)を得た。MS(ESI) m/z:627[M+H]+.1H-NMR(400MHz,MeOD)8.03-8.01(1H,dd),7.44-7.40(1H,t),7.35-7.31(1H,t),7.23-7.18(1H,d),7.15-6.78(3H,m),6.22-6.10(0.5H,m),5.83-5.59(1H,m),5.50-5.44(0.5H,m),5.41-5.35(1H,q),4.53(1H,s),4.41-4.32(1H,s),3.81-3.78(3H.m),3.65-3.59(1H,m),3.18-3.11(1H,m),2.98-2.79(2H,m),2.66-2.62(2H,t),2.46-2.25(1H,m),1.72-1.63(2H,m),1.43-1.26(2H,m),1.03-0.89(3H,t)
【0178】
(実施例14)
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1S,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸(化合物65)の調製
【0179】
【0180】
tert-ブチル2-(((2R,4R,5R)-4-(7-((tert-ブトキシカルボニル)((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)アセテート(化合物64)
化合物45(200mg、0.24mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶かした溶液に、2-ヨード酢酸エチル(513mg、2.4mmol)及びAg2O(557mg、2.4mmol)を加え、得られた混合物を60℃で3日間撹拌した。その後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で精製して、化合物64(120mg)を得た。MS(ESI) m/z:945[M+H]+.
【0181】
2-(((2R,4R,5R)-4-(7-(((1R,2S)-2-(3,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル)アミノ)-5-(プロピルチオ)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ)酢酸(化合物65)
化合物64(120mg、0.13mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶かした溶液にTFA(3ml)を加え、得られた溶液を室温で夜通し撹拌した。次いで、それをジクロロメタン(50ml)と飽和NaHCO3水溶液(30ml)との間で分配した。有機相をブライン(20ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をTHF(5ml)に溶解し、続いてTBAF(1ml、THF中1M)を加えた。混合物を室温で夜通し撹拌し、酢酸エチル(50ml)と飽和NH4Cl水溶液(30ml)との間で分配した。有機相をブライン(10ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をC18カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水、1:10)で精製して、化合物64(50mg)を得た。MS(ESI) m/z:551[M+H]+.1H-NMR(400MHz,DMSO):,7.36-7.31(2H,m),7.10-7.03(1H,m),5.34-5.28(1H,q),4.44-4.35(2H,m),3.78-3.72(1.5H,m),3.61-3.53(2.5H,m),3.48-3.43(2H,m),3.12-3.07(2H,m),2.97-2.85(2H,m),2.64-2.58(1H,m),2.15-2.11(1H,m),1.57-1.48(3H,m),1.41-1.34(1H,m),1.01-0.98(0.4m,t),0.85-0.81(2.6H,t)
【0182】
生物学的アッセイ
ヒトP2Y12受容体をトランスフェクトしたCHO細胞における阻害研究:
ヒトP2Y12受容体を安定して発現するCHO細胞株を、本発明の化合物の阻害効果の研究に使用した(細胞株は、Beijing Ion Channel Explorer Co.によって構築された)。hP2Y12-CHO細胞をHam’s F-12培地(Ham’s F-12培地:+10%FBS+200μg/mlハイグロマイシンB)で培養し、37℃、5%CO2でインキュベートした。貧弱な培地を除去し、細胞をPBSで洗浄した。次に、1mLのトリプシン溶液を加えて細胞を消化/剥離した。培養皿を37℃で2分間インキュベートした。細胞が剥離されるとすぐに、37℃に予熱した完全培地5mLを加えた。細胞懸濁液を滅菌ピペットに移し、穏やかな均質化によって細胞凝集体を解離させた。細胞懸濁液を滅菌チューブに移し、1000rpmで5分間遠心分離した。細胞の生理的活性を維持するため、細胞融合度を約80%に制御した。
【0183】
細胞計数後、細胞を384ウェルプレートで培養した。試験化合物を、10000nMから10個の濃度で5倍に連続希釈し、3個反復とした。チカグレロルを参照化合物として使用し、2-MeSADPを誘導剤として使用しました。37℃で15分間インキュベートした後、フォルスコリン緩衝液をすべてのウェルに加えてcAMPの産生を誘導した。プレートを1000pmで1分間遠心分離し、続いて37℃で30分間インキュベートした。溶解後に、PerkinElmerのLANCE(登録商標)Ultra cAMP Kit方法を使用してcAMP発現を定量した。試験化合物の阻害効果を、アンタゴニストの非存在下での2-MeSADPに対する応答パーセントとして計算し、GraphPad 7.0を用いて%阻害値及び化合物濃度の対数を非線形回帰に当てはめることによってIC50を計算した。
【0184】
アッセイからの本発明のいくつかの例示的な化合物の代表的な結果を表1に示す。
【0185】
ヒトP2Y12受容体をトランスフェクトしたCHO細胞におけるP2Y12に対する阻害効果
カテゴリA:<0.05μM、カテゴリB:0.05~0.25μM、カテゴリC:0.25~1.25μM、カテゴリD:>1.25μM。
【0186】
【国際調査報告】