(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】振動モータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529990
(86)(22)【出願日】2023-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2023084842
(87)【国際公開番号】W WO2024113565
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202223200843.5
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 杰
(72)【発明者】
【氏名】王 俊生
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 杰
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲愛▼▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】▲華▼ 子旭
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA16
5D107BB08
5D107CC09
5D107DD12
5D107FF10
(57)【要約】
【課題】本発明は振動モータを提供する。
【解決手段】振動モータは、収容空間を有するハウジング、ハウジング内に固定される固定子アセンブリ、ハウジング内に収容され固定子アセンブリによって駆動されて振動する振動子アセンブリ、及びハウジングと振動子アセンブリとを接続する板ばねを含み、板ばねは、ハウジングに固定されるアウター固定部、振動子アセンブリに固定されるインナー固定部、及びアウター固定部とインナー固定部とを接続する弾性アームを含み、弾性アームは、インナー固定部からインナー固定部の周りに回転するようにアウター固定部まで延在し、振動モータは、隣接する2つの弾性アームの間に設置され、振動子アセンブリの振動ダンピングを調整するためのダンピングゴムをさらに含む。本発明の振動モータは材料コストを低減し、製品の信頼性及び一致性を向上させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動モータであって、
前記振動モータは、収容空間を有するハウジングと、前記ハウジング内に固定される固定子アセンブリと、前記ハウジング内に収容され前記固定子アセンブリによって駆動されて振動する振動子アセンブリと、前記ハウジングと前記振動子アセンブリとを接続する板ばねとを含み、
前記板ばねは、前記ハウジングに固定されるアウター固定部と、前記振動子アセンブリに固定されるインナー固定部と、前記アウター固定部と前記インナー固定部とを接続する弾性アームとを含み、
前記弾性アームは、前記インナー固定部から前記インナー固定部の周りに回転するように前記アウター固定部まで延在し、
前記振動モータは、隣接する2つの前記弾性アームの間に設置され且つ前記振動子アセンブリの振動ダンピングを調整するためのダンピングゴムをさらに含む、ことを特徴とする振動モータ。
【請求項2】
前記弾性アームは、3つ設けられ、3つの前記弾性アームは、前記インナー固定部の周りに120°で等間隔に分布する、ことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項3】
前記板ばねは、2つ設けられ、それぞれ前記ハウジングと前記振動子アセンブリの一方側の端部とを接続する第1板ばね、及び前記ハウジングと前記振動子アセンブリの他方側の端部とを接続する第2板ばねであり、
前記第1板ばねの弾性アームの回転方向は、前記第2板ばねの弾性アームの回転方向と逆である、ことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項4】
前記板ばねは、ステンレス鋼板で一体にプレス成形される、ことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項5】
前記振動子アセンブリは、ブラケット、前記ブラケットに巻回されるコイル及び前記ブラケットに固定されるカウンタウェイトを含み、
前記ブラケット内に金属部材が嵌設され、
前記金属部材は、第1金属板と、前記第1金属板と平行に間隔を隔てて設置される第2金属板と、前記第1金属板と前記第2金属板とを接続する金属柱とを含み、
前記金属柱は、前記第1金属板に垂直でありかつ前記振動子アセンブリの振動方向に沿って延在し、
前記コイルは、前記金属柱に外嵌されかつ前記第1金属板と前記第2金属板との間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の振動モータ。
【請求項6】
前記固定子アセンブリは、前記ハウジングに固定されるポールプレートと、前記ポールプレートの前記振動子アセンブリに近接する表面に固定される磁性鋼とを含み、
前記磁性鋼と前記コイルは、対向して間隔を隔てて設置されている、ことを特徴とする請求項5に記載の振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータの技術分野に関し、特に振動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の振動モータは、収容空間を有するハウジングハウジング、ハウジング内に固定される固定子アセンブリ、ハウジング内に収容され固定子アセンブリによって駆動されて振動する振動子アセンブリ、ハウジングと振動子アセンブリとを接続する板ばね、及び固定子アセンブリと振動子アセンブリとの間に設けられ、振動子アセンブリの振動ダンピングを調整するための磁気液を備える。しかしながら、磁気液の材料コストが高く、また、磁気液の位置が磁界の影響を受けて効果的に制御できず、製品の信頼性及び一致性が低い。
【0003】
したがって、新たな振動モータを提供して上記技術課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記技術課題を解決し、材料コストを低減し、製品の信頼性及び一致性を向上させる振動モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は振動モータを提供し、当該振動モータは、収容空間を有するハウジングと、前記ハウジング内に固定される固定子アセンブリと、前記ハウジング内に収容され前記固定子アセンブリによって駆動されて振動する振動子アセンブリと、前記ハウジングと前記振動子アセンブリとを接続する板ばねとを含み、前記板ばねは、前記ハウジングに固定されるアウター固定部と、前記振動子アセンブリに固定されるインナー固定部と、前記アウター固定部と前記インナー固定部とを接続する弾性アームとを含み、前記弾性アームは、前記インナー固定部から前記インナー固定部の周りに回転するように前記アウター固定部まで延在し、前記振動モータは、隣接する2つの前記弾性アームの間に設置され且つ前記振動子アセンブリの振動ダンピングを調整するためのダンピングゴムをさらに含む。
【0006】
好ましくは、前記弾性アームは、3つ設けられ、3つの前記弾性アームは、前記インナー固定部の周りに120°で等間隔に分布する。
【0007】
好ましくは、前記板ばねは、2つ設けられ、それぞれ前記ハウジングと前記振動子アセンブリの一方側の端部とを接続する第1板ばね、及び前記ハウジングと前記振動子アセンブリの他方側の端部とを接続する第2板ばねであり、前記第1板ばねの弾性アームの回転方向は、前記第2板ばねの弾性アームの回転方向と逆である。
【0008】
好ましくは、前記板ばねは、ステンレス鋼板で一体にプレス成形される。
【0009】
好ましくは、前記振動子アセンブリは、ブラケット、前記ブラケットに巻回されるコイル及び前記ブラケットに固定されるカウンタウェイトを含み、前記ブラケット内に金属部材が嵌設され、前記金属部材は、第1金属板、前記第1金属板と平行に間隔を隔てて設置される第2金属板、及び前記第1金属板と前記第2金属板とを接続する金属柱とを含み、前記金属柱は、前記第1金属板に垂直でありかつ前記振動子アセンブリの振動方向に沿って延在し、前記コイルは、前記金属柱に外嵌されかつ前記第1金属板と前記第2金属板との間に位置する。
【0010】
好ましくは、前記固定子アセンブリは、前記ハウジングに固定されるポールプレートと、前記ポールプレートの前記振動子アセンブリに近接する表面に固定される磁性鋼とを含み、前記磁性鋼と前記コイルは、対向して間隔を隔てて設置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の振動モータは、隣接する2つの弾性アームの間にダンピングゴムが設置され、振動子アセンブリが振動する時、隣接する2つの弾性アームの間に変位差が存在し、それによって、それらの間のダンピングゴムに引っ張りと圧縮を生じ、振動子アセンブリの振動ダンピングを調整するする役割を果たし、磁気液に代えて、ダンピングゴムを利用することにより、材料コストを低減し、製品の信頼性及び一致性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施形態における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明するが、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施形態だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができることは明らかである。
【
図3】
図1におけるA-A線に沿った断面図である。
【
図4】
図1に示す振動モータの板バネとダンピングゴムの組み合わせ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当該分野の当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0014】
図1~4に示すように、本発明は、振動モータ100を提供し、前記振動モータ100は、収容空間を有するハウジング1、前記ハウジング1内に固定される固定子アセンブリ2、前記ハウジング1内に収容され前記固定子アセンブリ2によって駆動されて振動する振動子アセンブリ3、及び前記ハウジング1と前記振動子アセンブリ3とを接続する板ばね4を含む。
【0015】
前記板ばね4は、前記ハウジング1に固定されるアウター固定部41、前記振動子アセンブリ3に固定されるインナー固定部42、及び前記アウター固定部41と前記インナー固定部42とを接続する弾性アーム43を含み、前記弾性アーム43は、前記インナー固定部42から前記インナー固定部42の周りに回転するように前記アウター固定部41まで延在する。
【0016】
前記振動モータ100は、隣接する2つの前記弾性アーム43の間に設置され、前記振動子アセンブリ3の振動ダンピングを調整するためのダンピングゴム5をさらに含む。
【0017】
本実施形態では、前記弾性アーム43は3つ設けられ、3つの前記弾性アーム43は前記インナー固定部42の周りに120°で等間隔に分布する。
【0018】
前記ハウジング1は、フレーム体11と、前記フレーム体11の上端に蓋着される上カバー12と、前記フレーム体11の下端に蓋着される下カバー13とを備える。
【0019】
前記板ばね4は、2つ設置され、それぞれ前記ハウジング1と前記振動子アセンブリ3の前記上カバー12に近接する一方側の端部とを接続する第1板ばね401、及び前記ハウジング1と前記振動子アセンブリ3の前記下カバー13に近接する他方側の端部を接続する第2板ばね402である。前記第1板ばね401のアウター固定部41は、前記上カバー12と前記フレーム体11との間に固定され、前記第2板ばね402のアウター固定部41は、前記下カバー13と前記フレーム体11との間に固定されている。
【0020】
好ましくは、前記第1板ばね401の弾性アーム43の回転方向は、前記第2板ばね402の弾性アーム43の回転方向と逆であり、このようにして前記振動子アセンブリ3の振動バランスを保持することができる。
【0021】
前記板ばね4は、ステンレス鋼板で一体にプレス成形される。
【0022】
前記振動子アセンブリ3は、ブラケット31、前記ブラケット31に巻回されるコイル32、及び前記ブラケット31に固定されるカウンタウェイト33を含み、前記ブラケット31内に金属部材34が嵌設され、前記金属部材34は、第1金属板341、前記第1金属板341と平行に間隔を隔てて設置される第2金属板342、及び前記第1金属板341と前記第2金属板342とを接続する金属柱343を含み、前記金属柱343は、前記第1金属板341に垂直でありかつ前記振動子アセンブリ3の振動方向に沿って延在し、前記コイル32は、前記金属柱343に外嵌されかつ前記第1金属板341と前記第2金属板342との間に位置する。前記第1板ばね401及び前記第2板ばね402のインナー固定部42は、それぞれボルト6により前記ブラケット31に固定されている。
【0023】
前記固定子アセンブリ2は、前記フレーム体11に固定されるポールプレート21と、前記ポールプレート21の前記振動子アセンブリに近接する表面に固定される磁性鋼22とを含み、前記磁性鋼22と前記コイル32は、対向して間隔を隔てて設置されている。
【0024】
本発明の振動モータは、隣接する2つの弾性アームの間にダンピングゴムが設置され、振動子アセンブリが振動する時、隣接する2つの弾性アームの間に変位差が存在し、それによって、それらの間のダンピングゴムに延伸と圧縮を生じ、振動子アセンブリの振動ダンピングを調整するする役割を果たし、磁気液に代えてダンピングゴムを利用することにより、材料コストを低減し、製品の信頼性及び一致性を向上させる。
【0025】
上述したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱することなく、更に改善することができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属するものと理解されるべきである。
【国際調査報告】