(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】リニア振動モータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20241129BHJP
H02K 33/16 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B06B1/04 S
H02K33/16 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531080
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 CN2022136723
(87)【国際公開番号】W WO2024119346
(87)【国際公開日】2024-06-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 杰
(72)【発明者】
【氏名】王 俊生
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲愛▼▲潔▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】支 ▲艶▼雪
【テーマコード(参考)】
5D107
5H633
【Fターム(参考)】
5D107AA03
5D107BB08
5D107CC09
5D107CC10
5H633BB08
5H633BB10
5H633GG02
5H633GG09
5H633GG17
5H633HH03
5H633HH05
5H633HH16
5H633JA03
(57)【要約】
【課題】本発明はリニア振動モータを提供する。
【解決手段】リニア振動モータは、ハウジングと、ハウジング内に懸架される質量ブロック、質量ブロックの振動を駆動する駆動アセンブリ及び質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、質量ブロックは貫通孔を取り囲む内壁を含み、駆動アセンブリは少なくとも2組あり、各駆動アセンブリは、いずれもハウジングに固定されるソレノイドと、質量ブロックの内壁に固定される磁性鋼アセンブリとを含み、磁性鋼アセンブリは、質量ブロックの振動方向に沿ってソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼を含み、第1磁性鋼は質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、第1磁性鋼は、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通磁性鋼を含む。本発明はリニア振動モータの駆動力を大幅に向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア振動モータであって、
前記リニア振動モータは、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、
前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、
前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、
各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼を含み、
前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、
前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1磁性鋼は、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通磁性鋼を含む、ことを特徴とするリニア振動モータ。
【請求項2】
前記質量ブロックの内壁は、前記質量ブロックの振動方向に沿って延在する第1内壁と、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って延在する第2内壁とを含み、前記第2内壁には、前記共通磁性鋼の両端を固定する収容溝が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のリニア振動モータ。
【請求項3】
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの第1内壁と前記第1磁性鋼との間に設置される第1ポールプレートをさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載のリニア振動モータ。
【請求項4】
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って前記ソレノイドの両端に設置される第2磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両端における第2磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のリニア振動モータ。
【請求項5】
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの第2内壁と前記第2磁性鋼との間に設置される第2ポールプレートをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載のリニア振動モータ。
【請求項6】
リニア振動モータであって、
前記リニア振動モータは、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、
前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、
前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、
各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼の外側に貼設される第1ポールプレートとを含み、
各組の前記駆動アセンブリは、いずれも2つの前記第1磁性鋼を含み、
前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、
前記第1ポールプレートは、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通ポールプレートを含み、
前記隣接する2組の駆動アセンブリにおいて、互いに近接する2つの第1磁性鋼は、前記共通ポールプレートの2つの対向する面に貼設されている、ことを特徴とするリニア振動モータ。
【請求項7】
前記質量ブロックの内壁は、前記質量ブロックの振動方向に沿って延在する第1内壁と、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って延在する第2内壁とを含み、前記共通ポールプレートの両端は、前記第2内壁に固定されている、ことを特徴とする請求項6に記載のリニア振動モータ。
【請求項8】
前記第1ポールプレートは、前記質量ブロックの第1内壁と前記第1磁性鋼との間に設置される副ポールプレートをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載のリニア振動モータ。
【請求項9】
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って前記ソレノイドの両端に設置される第2磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両端における第2磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載のリニア振動モータ。
【請求項10】
前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの第2内壁と前記第2磁性鋼との間に設置される第2ポールプレートをさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載のリニア振動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動モータの分野に関し、特にリニア振動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
リニアモータは、任意の中間変換機構を必要とせずに電気エネルギーを直接直線運動機械的エネルギーに変換する伝動装置である。
【0003】
従来のリニア振動モータは、ハウジング、振動子及び固定子を含み、振動子は、V型又はC型スプリングブラケットによってハウジング内に固定されて弾性支持され、振動子は、質量ブロック、磁性鋼及びポールプレートを含み、製品の高さが制限されている場合、振動子が受ける駆動力が制限され、駆動力を高めるために磁性鋼又はポールプレートを厚くする手段を採用すれば、効果が顕著ではなく、設計要求を満たすことが困難である。
【0004】
したがって、新たなリニア振動モータを提供して上記技術課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、駆動力を顕著に向上させるリニア振動モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の技術案は以下のとおりであり、
リニア振動モータであって、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1磁性鋼は、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通磁性鋼を含む。
【0007】
好ましくは、前記質量ブロックの内壁は、前記質量ブロックの振動方向に沿って延在する第1内壁と、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って延在する第2内壁とを含み、前記第2内壁には、前記共通磁性鋼の両端を固定する収容溝が設けられている。
【0008】
好ましくは、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの第1内壁と前記第1磁性鋼との間に設置される第1ポールプレートをさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って前記ソレノイドの両端に設置される第2磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両端における第2磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられている。
【0010】
好ましくは、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの第2内壁と前記第2磁性鋼との間に設置される第2ポールプレートをさらに含む。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の技術案は以下のとおりであり、
リニア振動モータであって、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼の外側に貼設される第1ポールプレートとを含み、各組の前記駆動アセンブリは、いずれも2つの前記第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1ポールプレートは、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通ポールプレートを含み、前記隣接する2組の駆動アセンブリにおいて、互いに近接する2つの第1磁性鋼は、前記共通ポールプレートの2つの対向する面に貼設されている。
【0012】
好ましくは、前記質量ブロックの内壁は、前記質量ブロックの振動方向に沿って延在する第1内壁と、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って延在する第2内壁とを含み、前記共通ポールプレートの両端は、前記第2内壁に固定される。
【0013】
好ましくは、前記第1ポールプレートは、前記質量ブロックの第1内壁と前記第1磁性鋼との間に設けられる副ポールプレートをさらに含む。
【0014】
好ましくは、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って前記ソレノイドの両端に設置される第2磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両端における第2磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられている。
【0015】
好ましくは、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの第2内壁と前記第2磁性鋼との間に設置される第2ポールプレートをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
関連技術に比べて、本発明が提供するリニア振動モータは、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1磁性鋼は、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通磁性鋼を含む。本発明が提供する別のリニア振動モータは、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼の外側に貼設される第1ポールプレートとを含み、各組の前記駆動アセンブリは、いずれも2つの前記第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1ポールプレートは、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通ポールプレートを含み、前記隣接する2組の駆動アセンブリにおいて、互いに近接する2つの第1磁性鋼は、前記共通ポールプレートの2つの対向する面に貼設されている。
【0017】
本発明のリニア振動モータは、マルチ磁気回路の解決手段を採用し、質量ブロックが受ける駆動力を顕著に向上させることができ、総抵抗及び全体寸法が一定である場合、少なくとも1.8倍程度向上させることができ、また、駆動アセンブリは、一部の磁性鋼又はポールプレートを共用し、構造を簡略化し、製造コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施例に係るリニア振動モータの斜視図である。
【
図2】
図1に示すリニア振動モータの一部の部材の斜視図である。
【
図3】
図1のリニア振動モータにおける磁性鋼の極性を示す模式図である。
【
図4】
図1に示すリニア振動モータの分解図である。
【
図5】本発明の第2実施例に係るリニア振動モータの一部の部材の斜視図である。
【
図6】本発明の第3実施例に係るリニア振動モータの一部の部材の斜視図である。
【
図7】本発明の第4実施例に係るリニア振動モータの一部の部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術案を明確かつ完全に説明するが、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、全ての実施形態ではないことは明らかである。本発明の実施形態に基づいて、当該分野の当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0020】
図1~4に示すように、本発明の第1実施例は、リニア振動モータ100を提供し、このリニア振動モータ100は、ハウジング1と、前記ハウジング1内に取り付けられる固定子2、振動子3、前記振動子3を前記ハウジング1内に懸架する弾性接続部材4と、前記ハウジング1の両側に固定される仕切り片5と、回路板6とを含む。
【0021】
ハウジング1は、上カバー11、前記上カバー11と対向して設置される下カバー12、及び前記上カバー11と前記下カバーを接続する囲壁13を含み、前記上カバー11、下カバー12及び囲壁13は、取り囲んで固定子2及び振動子3を収容する空間を形成する。前記固定子2は、前記下カバー12に固定取付られ、前記回路板6の一部は、前記ハウジング1の外に延在する。
【0022】
前記固定子2は、前記下カバー12に固定されるソレノイド21を含み、前記ソレノイド21は、少なくとも2つあり、かつ前記振動子3の振動方向に垂直な方向に沿って平行に設置され、すなわち各前記ソレノイド21の軸線は、前記振動子3の振動方向と平行である。各前記ソレノイド21は、鉄芯211と、前記鉄芯211に巻回されるコイル212とを含む。コイル212は、前記回路板6に電気的に接続され、かつコイル212は、交流電流が導入される。本実施例において、前記ソレノイド21の数は2つである。
【0023】
前記振動子3は、前記弾性接続部材4を介して前記ハウジング1内に懸架され、前記振動子は、水平方向に沿って左右に振動することにより、前記リニア振動モータ100は、振動感を提供する。前記振動子3は、貫通孔311が設置される質量ブロック31と、前記質量ブロック31の貫通孔311内に固定されて質量ブロック31と共に振動する磁性鋼アセンブリ32とを含み、質量ブロック31は、前記貫通孔311を取り囲む内壁312を含み、前記磁性鋼アセンブリ32は、前記内壁312に貼設されている。前記質量ブロック31の内壁312は、前記質量ブロック31の振動方向に沿って延在する第1内壁3121と、前記質量ブロック31の振動方向に垂直な方向に沿って延在する第2内壁3122とを含む。1つの前記磁性鋼アセンブリ32は、対応する1つの前記ソレノイド21を取り囲んで設置され、かつ該前記ソレノイド21と1組の駆動アセンブリを構成し、前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、本実施例において、前記駆動アセンブリの数は2つである。
【0024】
前記磁性鋼アセンブリ32は、前記振動子3の振動方向に沿って前記ソレノイド21の両側に設置される第1磁性鋼321、前記振動子3の振動方向に垂直な方向に沿って前記ソレノイド21の両端に設置される第2磁性鋼322、前記質量ブロック31の第1内壁3121と前記第1磁性鋼321との間に設置される第1ポールプレート323、及び前記質量ブロック31の第2内壁3122と前記第2磁性鋼322との間に設置される第2ポールプレート324を含む。前記第1磁性鋼321は、隣接する2つのソレノイド21の間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通磁性鋼3210を含み、前記第2内壁3122には、前記共通磁性鋼の両端を固定する収容溝3123が設けられている。各組の前記駆動アセンブリにおける前記第2磁性鋼322は2つあり、前記ソレノイド21の両端にそれぞれ1つの前記第2磁性鋼322が設置される。前記第1磁性鋼321は、前記質量ブロック31の振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイド21の両側における第1磁性鋼321は、同じ極が対向するように設けられ、前記第2磁性鋼322は、前記質量ブロック31の振動方向に沿って着磁され、前記ソレノイド21の両端における第2磁性鋼322は、同じ極が対向するように設けられている。
【0025】
本実施例において、隣接する駆動アセンブリは、1つの第1磁性鋼を共用し、すなわち2組ごとの駆動アセンブリにおける前記第1磁性鋼321は3つであり、前記第1磁性鋼321は、単段着磁であってもよく、多段着磁であってもよい。本実施例では、3段を例として、
図3に示すように、第1磁性鋼321の隣接するセグメントの着磁方向は、逆である。本実施例において、第1磁性鋼321と第2磁性鋼322は、接着剤によって第1ポールプレート323と第2ポールプレート324に接着固定されている。
【0026】
前記質量ブロック31には、前記振動子3の振動方向に沿って延在して形成される突出部313が設けられ、前記突出部313は、前記質量ブロック31の対角線の位置から突出して延在して形成され、前記弾性接続部材4は、前記突出部313に固定されている。
【0027】
コイル212は、交流電流が導入され、磁性鋼アセンブリ32の磁気感応線を切断して誘導起電力を生成することにより、磁性鋼アセンブリ32及びそれに固定される質量ブロック31は、左右に往復振動し、モータ振動感を提供する。
【0028】
前記弾性接続部材4は、前記振動子3を弾性的に支持し、前記弾性接続部材4は、一端が前記質量ブロック31に接続され、他端が溶接シート7を介して前記ハウジング1に接続され、振動子3に弾性復元力を提供する。前記弾性接続部材4は、平行に設置される少なくとも2つの板状弾性片41と、隣接する前記弾性片41の両端に設置されて隣接する2つの弾性片41を離間させるためのスペーサ42とを含む。
【0029】
前記仕切り片5は、前記下カバー12に固定され、振動子3の振動経路上に位置して前記振動子3の変位を制限する。
【0030】
本発明の第2実施例において、
図5に示すように、他の構造はいずれも第1実施例と同じであり、異なるところは、本実施例における駆動アセンブリの数が3組であり、隣接する2組の駆動アセンブリは、1つの共通磁性鋼3210aを共用することにあり、そのため、本実施例において、2つの共通磁性鋼3210aがある。
【0031】
図6に示すように、本発明の第3実施例が提供するリニア振動モータは、他の構造がいずれも第1実施例と同じであり、異なるところは、磁性鋼アセンブリ32bにある。前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイド21bと、前記質量ブロック31bの内壁312bに固定されかつ前記質量ブロック31bと共に振動する磁性鋼アセンブリ32bとを含み、前記磁性鋼アセンブリ32bは、前記質量ブロック31bの振動方向に沿って前記ソレノイド21bの両側に設置される第1磁性鋼321bと、前記質量ブロック31bの振動方向に垂直な方向に沿って前記ソレノイド21bの両端に設置される第2磁性鋼322bと、前記質量ブロック31bの第1内壁3121bと前記第1磁性鋼321bとの間に貼設される第1ポールプレート323bと、前記質量ブロック31bの第2内壁3122bと前記第2磁性鋼との間に設置される第2ポールプレート324bとを含む。前記第1磁性鋼321bは、前記質量ブロック31bの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイド21bの両側における第1磁性鋼321bは、同じ極が対向するように設けられている。
【0032】
前記第1ポールプレート323bは、隣接する2つのソレノイド21bの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通ポールプレート3230bを含み、前記共通ポールプレート3230bの両端は、前記第2内壁3122bに固定されている。各組の前記駆動アセンブリは、いずれも2つの前記第1磁性鋼321bを含み、前記隣接する2組の駆動アセンブリにおいて、互いに近接する2つの第1磁性鋼321bが前記共通ポールプレート3230bの2つの対向する面に貼設され、かつ該2つの第1磁性鋼321bの着磁方向が同じである。前記第1ポールプレート323bは、前記質量ブロック31bの第1内壁3121bと前記第1磁性鋼321bとの間に設置される副ポールプレート3231bをさらに含む。
【0033】
本実施例において、各組の駆動アセンブリにおける前記第1磁性鋼321bは、2つあり、第1ポールプレート323bも2つあり、かつ隣接する駆動アセンブリは、1つの第1ポールプレート323bを共用し、前記第1磁性鋼321bは、単段着磁であってもよく、多段着磁であってもよい。
【0034】
本発明の第4実施例において、
図7に示すように、他の構造は、いずれも第3実施例と同じであり、異なるところは、本実施例における駆動アセンブリの数が3組であり、隣接する2組の駆動アセンブリが1つの共通ポールプレート3230cを共用することにある。そのため、本実施例において、2つの共通ポールプレート3230cがある。
【0035】
本発明では、駆動アセンブリの数に制限はなく、実際の需要に応じて対応する数を設定することができる。
【0036】
関連技術に比べて、本発明が提供するリニア振動モータは、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、前記駆動アセンブリは、少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1磁性鋼は、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通磁性鋼を含む。本発明が提供する別のリニア振動モータは、ハウジングと、前記ハウジング内に懸架される質量ブロック、前記質量ブロックの水平振動を駆動する駆動アセンブリ、及び前記質量ブロックを弾性的に支持する弾性接続部材とを含み、前記質量ブロックは、貫通孔を取り囲む内壁を含み、前記駆動アセンブリは少なくとも2組あり、各前記駆動アセンブリは、いずれも前記ハウジングに固定されるソレノイドと、前記質量ブロックの内壁に固定されかつ前記質量ブロックと共に振動する磁性鋼アセンブリとを含み、前記磁性鋼アセンブリは、前記質量ブロックの振動方向に沿って前記ソレノイドの両側に設置される第1磁性鋼と、前記第1磁性鋼の外側に貼設される第1ポールプレートとを含み、各組の前記駆動アセンブリは、いずれも2つの前記第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼は、前記質量ブロックの振動方向に垂直な方向に沿って着磁され、前記ソレノイドの両側における第1磁性鋼は、同じ極が対向するように設けられ、前記第1ポールプレートは、隣接する2つのソレノイドの間に位置しかつ隣接する2組の駆動アセンブリによって共用される共通ポールプレートを含み、前記隣接する2組の駆動アセンブリにおいて、互いに近接するする2つの第1磁性鋼は、前記共通ポールプレートの2つの対向する面に貼設されている。
【0037】
本発明のリニア振動モータは、マルチ磁気回路解決手段を採用し、質量ブロックが受ける駆動力を顕著に向上させることができ、総抵抗及び全体寸法が一定である場合、少なくとも1.8倍程度向上させることができ、また、駆動アセンブリは、一部の磁性鋼又はポールプレートを共用し、構造を簡略化し、製造コストを低減する。
【0038】
上記したのは、本発明の実施形態だけであり、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の創造的構想から逸脱しない範囲において種々変更可能であるが、これらはいずれも本発明の保護範囲内に属するものと理解されるべきである。
【国際調査報告】