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特表2024-545376マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531701
(86)(22)【出願日】2022-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2022144415
(87)【国際公開番号】W WO2024113463
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202223200823.8
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522237667
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ (ナンジン) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Technologies (Nanjing) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】8th Floor, R&D Building, Emerging Industry Incubation Base, Nanda Science Park, Yuanhua road, Xianlin University Town, Qixia district, Nanjing City, Jiangsu Province, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】郭順
(72)【発明者】
【氏名】史衛領
(72)【発明者】
【氏名】銭林
(72)【発明者】
【氏名】朱学園
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641BB19
5H641GG02
5H641GG26
5H641HH03
5H641JA02
5H641JA09
5H641JA12
(57)【要約】
【課題】本発明には、マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムが提供される。
【解決手段】固定子ユニット、ガイドレール、可動子ユニット及びコントローラを含み、固定子ユニットは、固定子、巻線、光電スイッチ、リードヘッド及びドライバを含み、可動子ユニットは、可動子、磁石鋼、2つのストッパー及びスケールを含み、可動子はガイドレールと摺動可能に接続され、ストッパーは光電スイッチに対向して設置され、2つのストッパーが可動子内に位置する箇所は、前記スケールの対応する両端にそれぞれ対応し、前記光電スイッチが零点信号を発生させて、前記零点信号を前記ドライバに送信するように、ストッパーは光電スイッチを通過かつ遮蔽し、スケールは、前記リードヘッドに対向して設置され、これによって、リードヘッドはスケールの情報をリアルタイムで読み取り、かつ目盛り信号を生成してドライバに送信し、コントローラは、ドライバによって目盛り信号と2つの零点信号を取得し、可動子ユニットの移動中の位置をリアルタイムで位置決めする。従来技術と比べて、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは、その構造が簡単で、位置決めが正確でかつ使用しやすい。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメントが順次接続されて一体化されている固定子ユニットと、前記固定子ユニットに貼り付けられるように設けられるガイドレールと、前記ガイドレールに摺動可能に接続され、かつ前記固定子ユニットと互いに駆動力を形成する複数の可動子ユニットと、前記可動子ユニットの移動を制御することに用いられるコントローラと、を含むマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムであって、
各前記固定子ユニットは、固定子と、それぞれ前記固定子に固定される巻線、光電スイッチ及びリードヘッドと、前記コントローラに電気的に接続されるドライバと、を含み、前記ガイドレールは、前記固定子に固定され、前記ドライバは、前記巻線、前記光電スイッチ及び前記リードヘッドにそれぞれ電気的に接続され、
各前記可動子ユニットは、可動子と、それぞれ前記可動子に固定される磁石鋼、ストッパー及びスケールを含み、前記スケールは前記可動子ユニットの移動方向に沿って延在しており、前記可動子は、前記ガイドレールと摺動可能に接続され、前記磁石鋼は、前記巻線に対向しかつ間隔をあけて設置されており、前記巻線は、前記磁石鋼を駆動することで前記可動子ユニットを前記ガイドレールに沿って移動させ、
前記ストッパーは、前記光電スイッチに対向して設置され、前記ストッパーは2つあり、2つの前記ストッパーが前記可動子内に位置する箇所は、前記スケールの前記可動子ユニットの移動方向に沿った両端にそれぞれ対応し、前記光電スイッチが零点信号を発生させて、前記零点信号を前記ドライバに送信するように、各前記ストッパーは、前記光電スイッチを通過かつ遮蔽することに用いられ、
前記スケールは、前記リードヘッドに対向して設置され、前記リードヘッドは、さらに、前記スケールの情報をリアルタイムで読み取り、前記情報に基づいて目盛り信号を生成して前記ドライバに送信することに用いられ、
前記コントローラは、前記ドライバによって前記目盛り信号と2つの前記零点信号を取得し、前記可動子ユニットの移動中の位置をリアルタイムで位置決めする、
ことを特徴とするマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項2】
前記ストッパーは、第1ストッパーと第2ストッパーとを含み、前記第1ストッパーが前記光電スイッチを通過かつ遮蔽する時に、前記光電スイッチが最初の前記零点信号を発生させるように、前記第1ストッパーは、前記スケールが前記可動子ユニットに沿って移動する開始位置に対向して設置され、前記第2ストッパーが前記光電スイッチを通過かつ遮蔽する時に、前記ドライバが第2の前記零点信号を発生させるように、前記第2ストッパーは、前記スケールが前記可動子ユニットに沿って移動する終了位置に対向して設置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項3】
前記開始位置と前記終了位置は、前記スケールの前記可動子ユニットの移動方向における両端にそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項4】
前記スケールはラスタスケールまたは磁気スケールである、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項5】
前記ガイドレール2は2つあり、2つの前記ガイドレールは、前記固定子ユニットの延在方向において平行でありかつ間隔をあけて設置されており、2つの前記ガイドレールは同じ水平面に位置し、前記巻線、前記光電スイッチ、前記リードヘッド、前記磁石鋼、前記ストッパー及び前記スケールは、いずれも2つの前記ガイドレールの間に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項6】
前記光電スイッチと前記リードヘッドはいずれも前記巻線の同じ側に位置し、前記ストッパーと前記スケールはいずれも前記磁石鋼の同じ側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項7】
前記光電スイッチは、前記巻線と前記リードヘッドとの間に間隔をあけて設置され、前記ストッパーは、前記磁石鋼と前記スケールとの間に間隔をあけて設置される、
ことを特徴とする請求項6に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項8】
前記固定子は、透磁体で製造され、前記可動子は、透磁体で製造される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項9】
前記磁石鋼は複数あり、複数の前記磁石鋼が前記可動子ユニットの移動方向に沿って順次積層して配列され、前記巻線は複数あり、複数の前記巻線は前記可動子ユニットの移動方向に沿って順次積層して配列される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。
【請求項10】
前記ドライバは、ケーブルを介して前記巻線、前記光電スイッチ及び前記リードヘッドにそれぞれ電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換の分野に関し、特に携帯型電子製品に適用されるマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産組立ラインでの流れ作業の応用がますます重要になってきたにつれて、マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは生産組立ラインで重要な生産設備となっている。
【0003】
従来技術のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは、複数のセグメントが順次接続されて一体化された固定子と、前記固定子に取り付けられた複数の可動子と、複数のドライバと、を含み、前記固定子がコイル巻線を含み、前記可動子が磁石鋼を含み、前記磁石鋼が前記コイル巻線に対向しかつ間隔をあけて設置され、前記コイル巻線が前記磁石鋼を駆動して前記可動子を移動させ、前記ドライバが前記コイル巻線に電気的に接続されることで前記コイル巻線が前記磁石鋼を駆動するように制御する。フィードバック制御では、従来技術に記載されたマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは、一般的にアブソリュートフィードバック方式を採用しており、フィードバックユニットは一般的に2つに分けられ、1つはアブソリュートラスタスケールまたは磁気スケールであり、もう1つはリニアホール素子とスケールセンサである。
【0004】
しかしながら、従来技術では、アブソリュートラスタスケールまたは磁気スケールのフィードバック制御方式は位置決め精度が高いが、コストが高い。リニアホール素子とスケールセンサのフィードバック制御方式はコストが低いが、位置検出精度が低い。そのため、フィードバック制御方式の高い位置決め精度を保つと同時に、フィードバック制御方式の構造が簡単で、コストが低く、使用しやすいことは解決すべき技術的課題である。
【0005】
したがって、上記の技術的問題を解決するために、新しいマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の技術的課題を克服するために、構造が簡単で、位置決めが正確であり、かつ使用しやすいマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の実施例には、マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムが提供され、当該マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは、複数のセグメントが順次接続されて一体化されている固定子ユニットと、前記固定子ユニットに貼り付けられるように設けられるガイドレールと、前記ガイドレールに摺動可能に接続され、かつ前記固定子ユニットと互いに駆動力を形成する複数の可動子ユニットと、前記可動子ユニットの移動を制御することに用いられるコントローラと、を含み、各前記固定子ユニットは、固定子と、それぞれ前記固定子に固定される巻線、光電スイッチ及びリードヘッドと、前記コントローラに電気的に接続されるドライバと、を含み、前記ガイドレールは、前記固定子に固定され、前記ドライバは、前記巻線、前記光電スイッチ及び前記リードヘッドにそれぞれ電気的に接続され、各前記可動子ユニットは、可動子と、それぞれ前記可動子に固定される磁石鋼、ストッパー及びスケールを含み、前記スケールは前記可動子ユニットの移動方向に沿って延在しており、前記可動子は、前記ガイドレールと摺動可能に接続され、前記磁石鋼は、前記巻線に対向しかつ間隔をあけて設置されており、前記巻線は、前記磁石鋼を駆動することで前記可動子ユニットを前記ガイドレールに沿って移動させ、前記ストッパーは、前記光電スイッチに対向して設置され、前記ストッパーは2つあり、2つの前記ストッパーが前記可動子内に位置する箇所は、前記スケールの前記可動子ユニットの移動方向に沿った両端にそれぞれ対応し、前記光電スイッチが零点信号を発生させて、前記零点信号を前記ドライバに送信するように、各前記ストッパーは、前記光電スイッチを通過かつ遮蔽することに用いられ、前記スケールは、前記リードヘッドに対向して設置され、前記リードヘッドは、さらに、前記スケールの情報をリアルタイムで読み取り、前記情報に基づいて目盛り信号を生成して前記ドライバに送信することに用いられ、前記コントローラは、前記ドライバによって前記目盛り信号と2つの前記零点信号を取得し、前記可動子ユニットの移動中の位置をリアルタイムで位置決めする。
【0008】
より好ましくは、前記ストッパーは、第1ストッパーと第2ストッパーとを含み、前記第1ストッパーが前記光電スイッチを通過かつ遮蔽する時に、前記光電スイッチが最初の前記零点信号を発生させるように、前記第1ストッパーは、前記スケールが前記可動子ユニットに沿って移動する開始位置に対向して設置され、前記第2ストッパーが前記光電スイッチを通過かつ遮蔽する時に、前記ドライバが第2の前記零点信号を発生させるように、前記第2ストッパーは、前記スケールが前記可動子ユニットに沿って移動する終了位置に対向して設置される。
【0009】
より好ましくは、前記開始位置と前記終了位置は、前記スケールの前記可動子ユニットの移動方向における両端にそれぞれ設けられている。
【0010】
より好ましくは、前記スケールはラスタスケールまたは磁気スケールである。
【0011】
より好ましくは、前記ガイドレール2は2つあり、2つの前記ガイドレールは、前記固定子ユニットの延在方向において平行でありかつ間隔をあけて設置されおり、2つの前記ガイドレールは同じ水平面に位置し、前記巻線、前記光電スイッチ、前記リードヘッド、前記磁石鋼、前記ストッパー及び前記スケールは、いずれも2つの前記ガイドレールの間に位置する。
【0012】
より好ましくは、前記光電スイッチと前記リードヘッドはいずれも前記巻線の同じ側に位置し、前記ストッパーと前記スケールはいずれも前記磁石鋼の同じ側に位置する。
【0013】
より好ましくは、前記光電スイッチは、前記巻線と前記リードヘッドとの間に間隔をあけて設置され、前記ストッパーは、前記磁石鋼と前記スケールとの間に間隔をあけて設置される。
【0014】
より好ましくは、前記固定子は、透磁体で製造され、前記可動子は、透磁体で製造される。
【0015】
より好ましくは、前記磁石鋼は複数あり、複数の前記磁石鋼が前記可動子ユニットの移動方向に沿って順次積層して配列され、前記巻線は複数あり、複数の前記巻線は前記可動子ユニットの移動方向に沿って順次積層して配列される。
【0016】
より好ましくは、前記ドライバは、ケーブルを介して前記巻線、前記光電スイッチ及び前記リードヘッドにそれぞれ電気的に接続される。
【発明の効果】
【0017】
従来技術と比べて、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムでは、固定子ユニットに光電スイッチとリードヘッドを設け、可動子ユニットに2つのストッパー及び前記可動子ユニットの移動方向に沿って延在しているスケールを設け、前記スケールが前記リードヘッドに対向して設置され、前記ストッパーが前記光電スイッチに対向して設置され、2つの前記ストッパーは前記スケールの両端に対応する。このような構造によって、各前記ストッパーは前記光電スイッチを通過かつ遮蔽することに用いられ、前記光電スイッチが零点信号を発生させて前記零点信号を前記ドライバに送信するようになり、前記リードヘッドは、前記スケールの情報をリアルタイムで読み取り、前記情報によって目盛り信号を発生させて前記ドライバに送信し、これにより、前記コントローラは、前記ドライバを介して前記目盛り信号と2つの前記零点信号を取得し、前記可動子ユニットの移動中の位置をリアルタイムで位置決めする。この構造は、前記スケールと前記リードヘッドをインクリメンタルフィードバック装置としかつ位置フィードバックユニットとして利用し、さらに2つの前記ストッパーと前記光電スイッチを利用してインクリメンタル位置方式にアブソリュート位置方式のフィードバック位置効果を達成させることで、認識された前記可動子ユニットの位置精度が高いことを確保するとともに、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは、その構造が簡単で、使用しやすくなり、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明される図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。ここで、
図1図1は、本発明の実施例に係るマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムの斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムの一部の分解斜視図である。
図3図3は、本発明の実施例に係るマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムの別の視点からの構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施例に係るマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムの可動子ユニットの斜視図である。
図5図5は、本発明の実施例に係るマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムの適用関係構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における添付図面と組み合わせて本発明の実施例における技術考案を明確かつ完全に説明する。明らかに、記載された実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働を行わずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護の範囲に含まれる。
【0020】
本考案の実施例には、マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100が提供される。
【0021】
図1~5を同時に参照すると、具体的には、前記マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100は、固定子ユニット1と、ガイドレール2と、可動子ユニット3と、コントローラ4と、を含む。
【0022】
前記固定子ユニット1は、複数のセグメントが順次接続されて一体化されている。
【0023】
各前記固定子ユニット1は、固定子11と、巻線12と、光電スイッチ13と、リードヘッド14と、ドライバ15と、を含む。
【0024】
前記固定子11は、透磁体で製造される。
【0025】
前記巻線12は前記固定子11に固定される。前記巻線12は前記固定子11の前記可動子ユニット3に近い側に位置し、即ち前記巻線12と前記ガイドレール2とが前記固定子11の同じ側に位置する。
【0026】
本実施例では、前記巻線12は複数あり、複数の前記巻線12は前記可動子ユニット3の移動方向に沿って順次積層して配列される。複数の前記巻線12が配列された構造は、組み立て、製造に役立ち、かつコストを節約することができる。
【0027】
前記光電スイッチ13は前記固定子11に固定される。前記光電スイッチ13は、前記巻線12と前記リードヘッド14との間に間隔をあけて設置される。
【0028】
前記リードヘッド14は、前記固定子11に固定される。
【0029】
前記光電スイッチ13と前記リードヘッド14はいずれも前記巻線12の同じ側に位置する。
【0030】
前記ドライバ15は、前記コントローラ4に電気的に接続される。本実施例では、前記ドライバ15は、前記コントローラ4とデータ接続されることに用いられる。
【0031】
前記ドライバ15は、前記巻線12、前記光電スイッチ13及び前記リードヘッド14にそれぞれ電気的に接続される。本実施例では、前記ドライバ15は、ケーブルを介して前記巻線12、前記光電スイッチ13及び前記リードヘッド14にそれぞれ電気的に接続される。ケーブルによる電気的接続は、PCB基板の配線と比べて、コストを節約できる。
【0032】
前記ガイドレール2は、前記固定子ユニット1に固定される。本実施例では、前記ガイドレール2は、前記固定子ユニット1に貼り付けられるように設けられる。具体的には、前記ガイドレール2は前記固定子11に貼り付けられるように設けられる。
【0033】
本実施例では、前記ガイドレール2は2つある。2つの前記ガイドレール2は、前記固定子ユニット1の延在方向において平行でありかつ間隔をあけて設置されている。2つの前記ガイドレール2は同じ水平面に位置し、2つの前記ガイドレール2は前記可動子ユニット3の安定した移動に役立つ。
【0034】
前記可動子ユニット3は、前記ガイドレール2に摺動可能に接続される。
【0035】
前記可動子ユニット3は複数ある。複数の前記可動子ユニット3は、前記マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100の使用効率を向上させることに有利である。もちろん、これに限らず、前記可動子ユニット3は1つだけ設けられてもよい。
【0036】
具体的には、各前記可動子ユニット3は、可動子31と、磁石鋼32と、ストッパー33と、スケール34と、を含む。
【0037】
前記可動子31は、前記ガイドレール2と摺動可能に接続される。
【0038】
前記可動子31は、透磁体で製造される。
【0039】
前記磁石鋼32は前記可動子31に固定される。前記磁石鋼32は、前記巻線12に対向しかつ間隔をあけて設置されている。
【0040】
前記可動子ユニット3と前記固定子ユニット1とは互いに駆動力を形成する。具体的には、前記巻線12は、前記磁石鋼32を駆動することで前記可動子ユニット3を前記ガイドレール2に沿って移動させる。
【0041】
本実施例では、前記磁石鋼32は複数あり、複数の前記磁石鋼32が前記可動子ユニット3の移動方向に沿って順次積層して配列される。複数の前記磁石鋼32が配列された構造は、組み立て、製造に役立ち、かつコストを節約することができる。
【0042】
前記ストッパー33は前記可動子31に固定される。前記ストッパー33と前記スケール34はいずれも前記磁石鋼32の同じ側に位置する。具体的には、前記ストッパー33は、前記磁石鋼32と前記スケール34との間に間隔をあけて設置される。
【0043】
前記ストッパー33は、前記光電スイッチ13に対向して設置される。前記ストッパー33は、前記光電スイッチ13をトリガして、前記光電スイッチ13に零点信号を発生させることに用いられ、これによって、前記可動子ユニット3の異なる移動方向における運動零点を認識する要求を満たすことができる。つまり、前記ストッパー33が光電スイッチ13をトリガして、前記可動子ユニット3の正方向または逆方向に移動する運動零点を認識することができる。
【0044】
前記ストッパー33は2つあり、2つの前記ストッパー33が前記可動子31内に位置する箇所は、前記スケール34の前記可動子ユニット3の移動方向に沿った両端にそれぞれ対応する。前記光電スイッチ13が零点信号を発生させて、前記零点信号をドライバ15に送信するように、各前記ストッパー33は、光電スイッチ13を通過かつ遮蔽することに用いられる。この構造によって、前記ストッパー33が前記光電スイッチ13を通過かつ遮蔽するときに、前記ドライバ15が前記零点信号を迅速で高精度に読み取ることができ、前記可動子ユニット3を迅速で高精度に位置決めすることができる。
【0045】
本実施例では、前記ストッパー33は、第1ストッパー331と第2ストッパー332とを含む。前記第1ストッパー331が前記光電スイッチ13を通過かつ遮蔽する時に、前記光電スイッチ13が最初の前記零点信号を発生させるように、前記第1ストッパー331は、前記スケール34が前記可動子ユニット3に沿って移動する開始位置に対向して設置される。前記第2ストッパー332が前記光電スイッチ13を通過かつ遮蔽する時に、前記ドライバ15が第2の前記零点信号を発生させるように、前記第2ストッパー332は、前記スケール34が前記可動子ユニット3に沿って移動する終了位置に対向して設置される。
【0046】
ここで、前記開始位置と前記終了位置は、前記スケール34の前記可動子ユニット3の移動方向における両端にそれぞれ設けられている。
【0047】
前記スケール34は前記可動子31に固定される。前記スケール34は、前記可動子ユニット3の移動方向に沿って延在している。
【0048】
前記巻線12、前記光電スイッチ13、前記リードヘッド14、前記磁石鋼32、前記ストッパー33及び前記スケール34は、いずれも2つの前記ガイドレール2の間に位置する。
【0049】
前記スケール34は、インクリメンタルスケールである。具体的には、前記スケール34はラスタスケールまたは磁気スケールである。本実施例では、前記スケール34はラスタスケールである。
【0050】
前記スケール34は、前記リードヘッド14に対向して設置される。前記リードヘッド14は、さらに、前記スケール34の情報をリアルタイムで読み取り、前記情報に基づいて目盛り信号を生成して前記ドライバ15に送信することに用いられる。この構造では、前記スケール34と前記リードヘッド14をインクリメンタルフィードバック装置としかつ位置フィードバックユニットとして、さらに2つの前記ストッパー33と前記光電スイッチ13を利用してインクリメンタル位置にアブソリュート位置方法によるフィードバック位置効果を達成させることで、高い位置精度を保つとともに、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100は構造が簡単で、使用しやすくなり、コストを削減する。
【0051】
前記コントローラ4は、前記可動子ユニット3の移動を制御することに用いられる。ここで、複数の前記固定子ユニット1の前記ドライバ15は、同じ前記コントローラ4によって系統的な運動制御を行う。具体的には、前記コントローラ4は、前記ドライバ15によって前記目盛り信号と2つの前記零点信号を取得し、前記可動子ユニット3の移動中の位置をリアルタイムで位置決めする。
【0052】
本実施例では、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100の作動過程は下記の通りである。
【0053】
前記マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100は、システムリセットを起動する。即ち、システムが運行する前に全体的にリセットされる必要がある。リセットが起動された後に、全ての前記可動子ユニット3は一定の方向へ移動し、前記リードヘッド14は前記スケール34の情報をリアルタイムに読み取る。前記可動子ユニット3の前記スケール34に対応する一方の前記ストッパー33が前記光電スイッチ13を遮蔽すると、前記ドライバ15はレベル信号を受信し、1つの前記零点信号を記録する。ある前記ドライバ15が2つの前記零点信号を認識し、かつ2つの前記零点信号間のフィードバック距離がある設定値になった時に、前記コントローラ4は当該可動子ユニット3のリセットが完了したと判定し、この時、次の固定子ユニット1の前記リードヘッド14のフィードバック位置は当該可動子ユニット3の精確な位置となる。
【0054】
そして、可動子ユニット3の位置フィードバックによって全体位置座標系を構築する。具体的には、前記ドライバ15が認識した零点によって、各固定子ユニット1に取り付けられた前記リードヘッド14は、対応する前記可動子ユニット3の位置情報をリアルタイムにフィードバックし、運行中の位置情報を前記コントローラ4に伝送して前記可動子ユニット3の駆動制御を行う。
【0055】
なお、前記コントローラ4による前記可動子ユニット3の駆動制御は、当分野でよく使われた駆動方式とアルゴリズムを採用することができ、具体的な駆動方式とアルゴリズムの選択は、実際の設計ニーズに応じて選択することができる。ここでは、詳しく説明する必要がない。
【0056】
したがって、本考案のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100の作動過程によれば、マルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステム100は位置決め精度が高く、構造が簡単で、使用しやすく、コストが低いことがわかった。
【0057】
従来技術と比べて、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムでは、固定子ユニットに光電スイッチとリードヘッドを設け、可動子ユニットに2つのストッパー及び前記可動子ユニットの移動方向に沿って延在しているスケールを設け、前記スケールが前記リードヘッドに対向して設置され、前記ストッパーが前記光電スイッチに対向して設置され、2つの前記ストッパーは前記スケールの両端に対応する。このような構造によって、各前記ストッパーは前記光電スイッチを通過かつ遮蔽することに用いられ、前記光電スイッチが零点信号を発生させて前記零点信号を前記ドライバに送信するようになり、前記リードヘッドは、前記スケールの情報をリアルタイムで読み取り、前記情報によって目盛り信号を発生させて前記ドライバに送信し、これにより、前記コントローラは、前記ドライバを介して前記目盛り信号と2つの前記零点信号を取得し、前記可動子ユニットの移動中の位置をリアルタイムで位置決めする。この構造は、前記スケールと前記リードヘッドをインクリメンタルフィードバック装置としかつ位置フィードバックユニットとして利用し、さらに2つの前記ストッパーと前記光電スイッチを利用してインクリメンタル位置方式にアブソリュート位置方式のフィードバック位置効果を達成させることで、認識された前記可動子ユニットの位置精度が高いことを確保するとともに、本発明のマルチ可動子ダイレクトドライブトランスミッションシステムは、その構造が簡単で、使用しやすくなり、コストを削減することができる。
【0058】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、ここで、当業者にとって、本発明の発明構想から逸脱しないかぎり、改良を行うことができるが、これらはいずれも本発明の保護の範囲に含まれるものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】