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特表2024-545377周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法
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  • 特表-周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法 図1
  • 特表-周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法 図2
  • 特表-周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法 図3
  • 特表-周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/80 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
E02D5/80 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563272
(86)(22)【出願日】2023-09-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 CN2023121293
(87)【国際公開番号】W WO2024114064
(87)【国際公開日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202211510820.6
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523389051
【氏名又は名称】華能瀾滄江水電股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523389062
【氏名又は名称】中国電建集団中南勘測設計研究院有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】523389073
【氏名又は名称】中国科学院武漢岩土力学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】楊凡傑
(72)【発明者】
【氏名】遅福東
(72)【発明者】
【氏名】楊利
(72)【発明者】
【氏名】周輝
(72)【発明者】
【氏名】陸書文
(72)【発明者】
【氏名】童恩飛
(72)【発明者】
【氏名】張金海
(72)【発明者】
【氏名】陳治
(72)【発明者】
【氏名】孫博文
(72)【発明者】
【氏名】陳鴻傑
【テーマコード(参考)】
2D041
【Fターム(参考)】
2D041GA03
2D041GC03
2D041GD00
(57)【要約】
本出願は、周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド及びその使用方法を開示し、
アンカーロッド本体と注水袋とを含み、前記アンカーロッド本体の一端は掘削孔の周りの
周囲破砕岩体に伸ばして固定し、アンカー固定セグメントを形成し、前記アンカーロッド
本体の他端は自由端であり、かつ、周囲破砕岩体から伸び出し、引張応力を加えることに
よって周囲破砕岩体を固定する。前記注水袋は、前記アンカーロッド本体に装着され、か
つ、前記アンカーロッド本体と密接する。そのうち、前記注水袋は注水後、それぞれ前記
アンカーロッド本体の軸方向と径方向に沿って拡張し、かつ、それぞれ前記アンカー固定
セグメントと前記自由端に対して軸方向の押付力を加え、前記注水袋周りの周囲破砕岩体
に対して径方向の押付力を加えて十分に接触し、掘削孔周りの周囲破砕岩体に3方向応力
を提供する。本出願は、水を注入することで注水袋を広げ、周りの周囲破砕岩体を圧密し
て周囲破砕岩体の全体性及びアンカーロッド構造と周囲破砕岩体間の摩擦力を増加させる

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドであって、
アンカーロッド本体と、
を含み、前記アンカーロッド本体の一端は掘削孔の周りの周囲破砕岩体に伸ばして固定し
、かつ、
アンカー固定セグメントを形成し、
前記アンカーロッド本体の他端は自由端であり、かつ、
周囲破砕岩体から伸び出し、
引張応力を加えることによって周囲破砕岩体をアンカーで固定し、
注水袋は、前記アンカーロッド本体に装着され、かつ、前記アンカーロッド本体と密接し
、かつ、
前記注水袋は、前記アンカー固定セグメントと前記自由端との間にあり、
そのうち、前記注水袋は注水後、それぞれ前記アンカーロッド本体の軸方向と径方向に沿
って拡張し、かつ、
それぞれ前記アンカー固定セグメントと前記自由端に対して軸方向の押付力を加え、
前記注水袋周りの周囲破砕岩体に対して径方向の押付力を加えて十分に接触し、
掘削孔周りの周囲破砕岩体に3方向応力を提供する、前記周囲破砕岩体に適する水力膨張
アンカーロッド。
【請求項2】
前記注水袋には前記アンカーロッド本体の軸方向に沿って伸縮褶曲帯が設けられ、かつ

前記伸縮褶曲帯を介して前記注水袋の注水後に前記アンカーロッド本体の軸方向に沿って
拡張する、請求項1に記載の周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド。
【請求項3】
前記注水袋の自由端に向ける端部に注水管が設けられ、かつ、
前記注水管は周囲破砕岩体から伸び出す、請求項2に記載の周囲破砕岩体に適する水力膨
張アンカーロッド。
【請求項4】
前記アンカーロッド本体の前記自由端に外側アンカートレイが設けられ、かつ、
前記外部アンカートレイを介してアンカーロッド本体に引張応力を加える、請求項3に記
載の周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド。
【請求項5】
前記注水管は前記外部アンカートレイを貫通して前記外部アンカートレイから伸び出し、
それにより、前記外部アンカートレイは前記アンカーロッド本体に引張応力を加えた後に
前記注水管を介して前記注水袋に水を注入する、請求項4に記載の周囲破砕岩体に適する
水力膨張アンカーロッド。
【請求項6】
前記アンカーロッド本体と前記注水袋とが接触する外壁面に防錆層が塗布される、請求項
4に記載の周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド。
【請求項7】
前記注水袋には、前記アンカーロッド本体の軸方向に沿って間隔を置いて2つの伸縮褶曲
帯が設けられ、
前記伸縮褶曲帯の1つは、注水後に前記自由端に向かって拡張し、もう一つの前記伸縮褶
曲帯は注水後に前記アンカー固定セグメントに向かって拡張する、請求項4に記載の周囲
破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド。
【請求項8】
前記注水袋は注水後に2つの前記伸縮褶曲帯を介して前記アンカーロッド本体の軸方向に
拡張し、かつ、
前記注水袋の両端はそれぞれ前記アンカー固定セグメントと前記外部アンカートレイに当
接し、かつ、
前記アンカー固定セグメントと前記外部アンカートレイに軸方向の押付力を加える、請求
項7に記載の周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド。
【請求項9】
請求項1-8のいずれか一項に記載の周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドの使用
方法であって、以下のステップを含む:
S1アンカーロッド本体のアンカー固定セグメントの頭部を掘削孔に挿入して固定する、
S2外部アンカートレイによる引張によりアンカーロッド体に応力を加える、
S3注水管を通じて注水袋に水を注入し、
褶曲ありの注水袋を広げて注水袋をアンカーロッド本体の径方向に拡張させ、
前記注水袋周りの周囲破砕岩体に十分に接触して径方向の押付力を加え、
そして、注水袋上の伸縮褶曲帯を広げて前記アンカーロッド本体の軸方向に拡張させ、
前記アンカー固定セグメントと前記外部アンカートレイに軸方向の押付力を加える、前記
周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、岩土体アンカー固定技術分野に関し、具体的には周囲破砕岩体に適する水力
膨張アンカー及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
岩体工事の建設において、周囲破砕岩体での施工安全事故がよく発生する。現場実践経験
によると、工事施工の安全を保障するために、適切な支持と保護措置は周囲破砕帯の岩体
安定性を確保する最も有効な手段である。アンカーロッドによる支持と保護措置は、施工
が便利で、経済かつ有効な手段として岩体工事の建設に広く応用されている。しかし、既
存のアンカーロッド構造は、周囲破砕帯の岩体における支持効果は非常に理想的ではなく
、破砕岩体に亀裂や大きな隙間が発生し、アンカースラリーの損傷も大きいので、アンカ
ー側と周囲破砕岩体のアンカー固定効果が悪く、アンカー固定領域内の岩体とアンカー自
体の摩擦力が非常に小さく、アンカーロッドは破砕岩体において期待される効果を達成し
にくいことである。したがって、既存のアンカーロッド構造は岩体工事における周囲破砕
帯の支持と保護要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願の実施例は、岩土工事における周囲破砕岩体の既存のアンカーロッド構造が工事の
支持と保護要求を満たすことができない課題を解決するために、周囲破砕岩体に適する水
力膨張アンカーロッド及びその使用方法を提供し、前記技術的解決手段は以下の通りであ
る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の第1の態様は、周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドを提供し、ア
ンカーロッド本体と注水袋とを含み、前記アンカーロッド本体の一端は掘削孔の周りの周
囲破砕岩体に伸ばして固定し、アンカー固定セグメントを形成し、前記アンカーロッド本
体の他端は自由端であり、かつ、周囲破砕岩体から伸び出し、引張応力を加えることによ
って周囲破砕岩体を固定する。前記注水袋は、前記アンカーロッド本体に装着され、かつ
、前記アンカーロッド本体と密接し、かつ、前記注水袋は、前記アンカー固定セグメント
と前記自由端との間にある。そのうち、前記注水袋は注水後、それぞれ前記アンカーロッ
ド本体の軸方向と径方向に沿って拡張し、かつ、それぞれ前記アンカー固定セグメントと
前記自由端に対して軸方向の押付力を加え、前記注水袋周りの周囲破砕岩体に対して径方
向の押付力を加えて十分に接触し、掘削孔周りの周囲破砕岩体に3方向応力を提供する。
【0005】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド
において、前記注水袋には前記アンカーロッド本体の軸方向に沿って伸縮褶曲帯が設けら
れ、かつ、前記伸縮褶曲帯を介して前記注水袋の注水後に前記アンカーロッド本体の軸方
向に沿って拡張する。
【0006】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッド
において、前記注水袋の自由端に向ける端部に注水管が設けられ、かつ、前記注水管は周
囲破砕岩体から伸び出す。
【0007】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、前記アンカーロッド本体の前記自由端に外側アンカートレイが設けられ、かつ、前
記外部アンカートレイを介してアンカーロッド本体に引張応力を加える。
【0008】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、前記注水管は前記外部アンカートレイを貫通して前記外部アンカートレイから伸び
出し、それにより、前記外部アンカートレイは前記アンカーロッド本体に引張応力を加え
た後に前記注水管を介して前記注水袋に水を注入する。
【0009】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、前記アンカーロッド本体と前記注水袋とが接触する外壁面に防錆層が塗布される。
【0010】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、前記注水袋には、前記アンカーロッド本体の軸方向に沿って間隔を置いて2つの伸
縮褶曲帯が設けられ、前記伸縮褶曲帯の1つは、注水後に前記自由端に向かって拡張し、
もう一つの前記伸縮褶曲帯は注水後に前記アンカー固定セグメントに向かって拡張する。
【0011】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、前記注水袋は注水後に2つの前記伸縮褶曲帯を介して前記アンカーロッド本体の軸
方向に拡張し、かつ、前記注水袋の両端はそれぞれ前記アンカー固定セグメントと前記外
部アンカートレイに当接し、かつ、前記アンカー固定セグメントと前記外部アンカートレ
イに軸方向の押付力を加える。
【0012】
本出願の第2の態様は、周囲破砕岩体に適する前記水力膨張アンカーロッドの使用方法を
提供し、以下のステップを含む:S1アンカーロッド本体のアンカー固定セグメントの頭部
を掘削孔に挿入して固定する、S2外部アンカートレイによる引張によりアンカーロッド体
に応力を加える、S3注水管を通じて注水袋に水を注入し、褶曲ありの注水袋を広げて注水
袋をアンカーロッド本体の径方向に拡張させ、前記注水袋周りの周囲破砕岩体に十分に接
触して径方向の押付力を加え、そして、注水袋上の伸縮褶曲帯を広げて前記アンカーロッ
ド本体の軸方向に拡張させ、前記アンカー固定セグメントと前記外部アンカートレイに軸
方向の押付力を加える。
【発明の効果】
【0013】
本出願のいくつかの実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロ
ッドの有益な効果は以下の通りである:本出願はアンカーロッド本体にフレキシブルな材
質の注水袋を設置することにより、水を注入することで褶曲ありの注水袋を広げ、注水袋
を膨張させて径方向で大きく変形させ、周りの周囲破砕岩体を圧密して周囲破砕岩体の全
体性及びアンカーロッド構造と周囲破砕岩体間の摩擦力を増大させ、アンカーロッド構造
の周囲破砕岩体における支持と保護効果を保証する。本出願は操作しやすく、コストが低
く、周囲破砕岩体におけるアンカーロッド構造の支持効果を大幅に高め、周囲破砕岩体に
おける岩体工事の施工安全を効果的に保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書の実施例又は背景技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、
以下では実施例において使用する必要がある図面を簡単に説明する。もちろん、以下の説
明における図面は本出願のいくつかの実施例にすぎず、当業者は、創造的な努力なしに、
これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0015】
図1は本出願の水力膨張アンカーロッドの未注水状態の構造概略図である。
【0016】
図2は本出願の水力膨張アンカーロッドの未注水状態の断面概略図である。
【0017】
図3は本出願の水力膨張アンカーロッドの注水状態の構造概略図である。
【0018】
図4は本出願の水力膨張アンカーロッドの注水状態の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願の実施例の図面を併せて本出願の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全
に説明する。もちろん、ここで記載された実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、す
べての実施例ではない。本出願の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られ
た他のすべての実施例は、本出願の保護対象とする。
【0020】
別途定義されいない限り、本出願で使用される技術用語又は科学用語は、本出願が属す
る分野の一般的な技能を有する者が理解している通常の意味がある。本出願で使用される
「第1」、「第2」および類似の用語は、順序、数、又は重要性を表すものではなく、異な
る構成要素を区別するために使用されるものである。「含まれる」又は「含む」などの類
似用語は、その語の前に記載する要素又は物体が、他の要素又は物体を排除することなく
、その語の後に列挙された要素又は物体及びそれらと同等するものをカバーすることを意
味する。「接続」又は「連通」などの類似用語は、物理的又は機械的接続に限定されるも
のではなく、直接的か間接的かを問わず、電気的接続を含むことができる。「上」、「下
」、「左」、「右」などは相対位置関係を表すためにのみ使用され、記述する対象の絶対
位置が変わると、その相対位置関係もそれに応じて変化することがある。
【0021】
図1‐4に示すように、本出願の第1の態様は周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッ
ドを提供し、アンカーロッド本体10と注水袋20とを含み、前記アンカーロッド本体10の一
端は掘削孔の周りの周囲破砕岩体30に伸ばして固定し、アンカー固定セグメント11を形成
し、前記アンカーロッド本体10の他端は自由端12であり、かつ、周囲破砕岩体30から伸び
出し、引張応力を加えることによって周囲破砕岩体30をアンカーで固定する。前記注水袋
20は、前記アンカーロッド本体10に装着され、かつ、前記アンカーロッド本体10と密接し
、かつ、前記注水20袋は、前記アンカー固定セグメント11と前記自由端12との間にある。
そのうち、前記注水袋20は注水後、それぞれ前記アンカーロッド本体10の軸方向と径方向
に沿って拡張し、かつ、それぞれ前記アンカー固定セグメント11と前記自由端12に対して
軸方向の押付力を加え、前記注水袋20周りの周囲破砕岩体30に対して径方向の押付力を加
えて十分に接触し、掘削孔周りの周囲破砕岩体30に3方向応力を提供する。
【0022】
上記の実施例によれば、本出願はアンカーロッド本体10にフレキシブルな材質の注水袋20
を設置することにより、水を注入することで褶曲ありの注水袋20を広げ、注水袋20を膨張
させて径方向で大きく変形させ、周りの周囲破砕岩体を圧密して周囲破砕岩体の全体性及
びアンカーロッド構造と周囲破砕岩体間の摩擦力を増大させ、アンカーロッド構造の周囲
破砕岩体における支持と保護効果を保証する。本出願は操作しやすく、コストが低く、周
囲破砕岩体におけるアンカーロッド構造の支持効果を大幅に高め、周囲破砕岩体における
岩体工事の施工安全を効果的に保障することができる。
【0023】
従来の水力膨張アンカーロッドが硬質膨張筐体を用い、限定された径方向の力しか提供で
きず、掘削孔周りの周囲破砕岩体に対して十分な押付力を提供できず、周囲破砕岩体を圧
密する目的を達成できないことに対して、本出願のフレキシブルな材質を用いた注水袋20
は径方向と軸方向の大きい二重変形を実現でき、それにより、注水袋20の外表面は周囲破
砕岩体と十分に接触でき、掘削孔周りの周囲破砕岩体を圧密し、アンカーロッド本体10の
自由端12から加えられる引張応力と合わせて掘削孔周囲周囲破砕岩体に対して3方向応力
を与えることができる。
【0024】
また、本出願は注水袋20をアンカーロッド本体10の中段に固定することにより、注水袋20
は注水膨張時にアンカーロッド全体を中心として均一に周囲に拡張し、アンカーロッドの
応力集中を効果的に回避することができ、従来の硬質膨張筐体を用いた水力膨張アンカー
ロッドに比べて、水力膨張筐体とアンカーロッドが分離し、筐体膨張してアンカーロッド
を押し付けてアンカーロッドを周囲破砕岩体に密接させ、掘削壁周囲の岩石の異なる凹凸
による影響を受けて、アンカーロッドは応力集中が起こりやすく、アンカーロッドが破損
したり破壊したりしやすい。
【0025】
本出願の注水袋20を有する水力膨張アンカーロッドは、周囲破砕岩体の支持と保護に用い
ることができ、従来のアンカーロッドは周囲破砕岩体の支持と保護に適応できず、かつ、
本願はアンカー固定剤を必要とせず、注水袋20の外表面と掘削壁との摩擦により支持抵抗
を提供する。
【0026】
そのうち、注水袋20は、アンカーロッド本体10と密接し、注水袋20の注水後に水漏れが発
生しないことを実現する。
【0027】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、図1に示すように、前記注水袋20上にアンカーロッド本体10の軸方向に沿って伸縮
褶曲帯21が設けられ、前記伸縮褶曲帯21は前記注水袋20の注水後に前記アンカーロッド本
体10の軸方向に沿って拡張する。
【0028】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、図1図3に示すように、前記注水袋20の自由端12に向ける端部に注水管22が設けら
れ、かつ、前記注水管22は周囲破砕岩体30から伸び出す。
【0029】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、図1図3に示すように、前記アンカーロッド本体10の前記自由端12に外部アンカー
トレイ13が設けられ、かつ、前記外部アンカートレイ13を介して前記アンカーロッド本体
10に引張応力を加える。
【0030】
上記の実施例によれば、アンカーロッド本体10の自由端12に外部アンカートレイ13を設置
することにより、外部アンカートレイ13による引張によりアンカーロッド本体10に応力を
加え、周囲破砕岩体30にアンカー固定作用を与える。
【0031】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、図1図3に示すように、前記注水管22は外部アンカートレイ13を貫通して外部アン
カートレイ13から伸び出し、前記外部アンカートレイ13がアンカーロッド本体10に引張応
力を加えた後、前記注水管22を介して前記注水袋20に水を注入する。
【0032】
上記実施例によれば、注水袋20の注水管22を外部に設置し、外部アンカートレイ13から伸
び出すことにより、外部アンカートレイ13の引張後、注水袋20に水を簡単に注入すること
ができる。
【0033】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、図2図4に示すように、前記アンカーロッド本体10と前記注水袋20とが接触する外
壁面に防錆層14が塗布される。
【0034】
上記実施例によれば、アンカーロッド体10と注水袋20との接触領域に防錆層14を塗布する
ことにより、長期使用中にアンカーロッド本体10が水と腐食反応してアンカーロッド本体
10の強度に影響を与えることを防止する。
【0035】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、図1に示すように、前記注水袋20には、前記アンカーロッド本体10の軸方向に沿っ
て間隔を置いて2つの伸縮褶曲帯21が設けられ、前記伸縮褶曲帯21の1つは、注水後に前記
自由端12に向かって拡張し、もう一つの前記伸縮褶曲帯21は注水後に前記アンカー固定セ
グメント11に向かって拡張する。
【0036】
例えば、一実施例によって提供される周囲破砕岩体に適する水力膨張アンカーロッドにお
いて、前記注水袋20は注水後に2つの前記伸縮褶曲帯21を介して前記アンカーロッド本体1
0の軸方向に拡張し、かつ、前記注水袋20の両端はそれぞれ前記アンカー固定セグメント1
1と前記外部アンカートレイ13に当接し、かつ、前記アンカー固定セグメント11と前記外
部アンカートレイ13に軸方向の押付力を加える。
【0037】
注水管22を介して注水袋20に水を注入した後に拡張された注水袋の形態を形成し、図3
示すように、このとき注水袋20は注水拡張作用により注水袋20の周囲破砕岩体13に密接し
、かつ、注水袋20も伸縮褶曲帯21を介して軸方向に拡張し、アンカー固定セグメント11と
外部アンカートレイ13に接触する。注水袋20の拡張作用により、注水袋20の周囲破砕岩体
30に対する押付力と周囲破砕岩体30との摩擦力はアンカー固定力となり、さらにアンカー
ロッド本体10の長期使用中の引張応力の緩めによるアンカー固定作用の低下を防止するこ
とができる。また、注水袋20の両端のアンカー固定セグメント11と外部アンカートレイ13
に対する押付力と注水袋20の周囲破砕岩体30に対する径方向の押付力は3方向応力状態を
有効的に形成することができ、岩体の固定と安定に役立つ。
【0038】
本出願の第2の態様は、周囲破砕岩体に適する前記水力膨張アンカーロッドの使用方法を
提供し、以下のステップを含む:
【0039】
S1アンカーロッド本体10のアンカー固定セグメント11の頭部を掘削孔に挿入して固定する
【0040】
S2外部アンカートレイ13による引張によりアンカーロッド本体10に応力を加える。
【0041】
S3注水管22を通じて注水袋20に水を注入し、褶曲ありの注水袋20を広げて注水袋20をアン
カーロッド本体10の径方向に拡張させ、前記注水袋20周りの周囲破砕岩体30に十分に接触
して径方向の押付力を加え、そして、注水袋20上の伸縮褶曲帯21を広げて前記アンカーロ
ッド本体10の軸方向に拡張させ、前記アンカー固定セグメント11と前記外部アンカートレ
イ13に軸方向の押付力を加える。
【0042】
上記のように本出願の実施形態を開示したが、明細書及び実施形態に記載された運用に限
定されるものではなく、本出願に適した様々な分野に完全に適用することができる。当業
者は、これを簡単に修正することができるので、特許請求の範囲及び同等の範囲に規定さ
れた一般的な概念から逸脱することなく、本出願は特定の詳細及びここに記載された図面
に限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】