IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プロトエン カンパニー, リミテッドの特許一覧

特表2024-545383プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法
<>
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図1
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図2
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図3
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図4
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図5
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図6
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図7
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図8
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図9
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図10
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図11
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図12
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図13
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図14
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図15
  • 特表-プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 23/142 20060101AFI20241129BHJP
   B23B 31/117 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B25B23/142
B23B31/117 601A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506176
(86)(22)【出願日】2023-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-02-15
(86)【国際出願番号】 KR2023008111
(87)【国際公開番号】W WO2024106659
(87)【国際公開日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0154833
(32)【優先日】2022-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524040465
【氏名又は名称】プロトエン カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PROTOENG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Rm. 404, 298, 3・15-daero, Masanhappo-gu, Changwon-si, Gyeongsangnam-do 51734 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジュン ヨプ
【テーマコード(参考)】
3C032
3C038
【Fターム(参考)】
3C032BB00
3C038AA06
3C038BB03
3C038BC01
(57)【要約】
本発明は、マシーニングセンターのような工作機械に使用されるツールホルダーに、プルスタッドボルト(pull stud bolt(リテンションノブ(retentionk nob)とも称される))を設けたり除去したりするためのプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に係り、多様な種類と規格とのプルスタッドボルトを、共用の製品においてぴったり合うように拘束することができ、トルクレンチと結合し、規定された一定のトルクでもってプルスタッドボルトを、ツールホルダー及びジグのような所望するところに正確であって安全に締結することができる特徴を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械に使用されるツールホルダー700に、プルスタッドボルト800,900,1000を設けたり除去したりするための工具であるトルクレンチ2000と結合され、前記プルスタッドボルト800,900,1000が挿入され、前記トルクレンチ2000の回転力を前記プルスタッドボルト800,900,1000に伝達する工具において、
前記プルスタッドボルト800,900,1000のノブ810,910,1010とノブ下部連結ロッド820,920,1020とが挿入される内部円筒110と、前記内部円筒110の側面を貫通して放射状に配される複数のロッキングボールリテーナーソケット150と、を含み、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、内側に行くほど下向きに傾くように形成された管状体100と、
前記ロッキングボールリテーナーソケット150に移動自在に挿入され、前記内部円筒110の内側に向けて移動し、前記プルスタッドボルト800,900,1000と接触し、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されないように拘束し、前記内部円筒110の外側に向けて移動し、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されることを許容するロッキングボール200と、
前記管状体100の外側に結合され、前記管状体100の長手方向に沿って移動自在であり、上方への移動時、前記管状体100の内側に移動する前記ロッキングボール200と接触し、前記ロッキングボール200が、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されないようにするロックキングポジションを維持するようにし、下方への移動時、前記ロッキングボール200が、前記貫通動体100の外側方向に移動自在になるように許容するロックキングスリーブ300と、
前記ロックキングスリーブ200を上方に弾性加圧する弾性体500と、
前記管状体100の下端部と結合され、前記弾性体500の一端部が、前記ロックキングスリーブ200を加圧するように、前記弾性体500の他端部を支持する支持カバー400と、を含むことを特徴とするプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具。
【請求項2】
前記管状体100は、第1円筒部、前記第1円筒部と離隔される第2円筒部、及び前記第1円筒部と前記第2円筒部とを連結する連結部を含むことを特徴とする請求項1に記載のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具。
【請求項3】
前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、円周方向に放射状に離隔されて配されたことを特徴とする請求項1に記載のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具。
【請求項4】
前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、前記内部円筒110と隣接する内側ロッキングボールリテーナーソケット部152と、前記内側ロッキングボールリテーナーソケット部152と連結される外側ロッキングボールリテーナーソケット部151と、を含み、
前記ロッキングボール200は、前記内側ロッキングボールリテーナーソケット部152に掛かり、前記内部円筒110から抜けないことを特徴とする請求項1に記載のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具。
【請求項5】
前記ロックキングスリーブ300の内周面には、前記ロックキングスリーブの中心側に近くなるように傾いた傾斜内周面310が形成され、
前記傾斜内周面310は、前記管状体100の外周面と干渉されない角度に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具。
【請求項6】
前記ロックキングスリーブ300の上部には、前記ロッキングボール200が収容されるロッキングボールリルリスポケッ320が形成され、
前記ロッキングボール200が、前記管状体100の外側に移動し、前記ロッキングボールリルリスポケッ320に位置すれば、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱可能になることを特徴とする請求項1に記載のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具。
【請求項7】
請求項1に記載のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に具備される管状体100を製造する方法において、
前記プルスタッドボルト800,900,1000が載置される前記管状体100の上端部は、放電加工(EDM:electrical discharge machining)及び単調加工によって形成されることを特徴とするプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具の管状体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マシーニングセンターのような工作機械に使用されるツールホルダーに、プルスタッドボルト(pull stud bolt(リテンションノブ(retention knob)とも称される))を設けたり除去したりするためのプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具、並びにその管状体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、工作機械は、多様な素材を活用し、多様な部品を加工するとき、広く使用される装備であり、ドリル、タップ、リーマー、フェイスカッターのような多様な切削工具を活用し、素材を所望する形状に加工することができる機械である。
【0003】
図1は、工作機械の一種であるマシーニングセンターに、切削工具であるエンドミルが装着されている状態を例示した図面である。このような工作機械は、標準化された規格のツールホルダーと共に結合されて加工することになるが、このとき、図2でのように、工作機械の主軸回転スピンドルとツールホルダーとを結合するために必要な部品がバーであり、プルスタッドボルト(pull stud bolt(リテンションノブ(retention knob)とも称される)でもある。そのようなツールホルダーとプルスタッドボルトは、各国の多様な国際標準規格により、さまざまな種類にさらに細分化されて分けられる。
【0004】
該プルスタッドボルトは、図2でのように、ツールホルダーの端に設けられ、前記プルスタッドボルトのノブ(knob)の傾斜(テーパー)した後方傾斜面(以下、ノブ後方傾斜面とする)を、主軸回転スピン内部に設けられたコレット(collet)とドローバー(draw bar)とがすぼみながら、該プルスタッドボルトを引っ張ることになり、その力により、ツールホルダーの傾斜面と、主軸回転スピンドル内部傾斜面とが密着され、しっかりと結合することになる。また、該プルスタッドボルトの雄ネジ部と、ツールホルダーの雌ネジ部とを組み込むとき、規定された一定トルクで締結しなければならないが、その理由は、第一に、該規定トルク以下で締結すれば、加工中に発生する振動と遠心力とにより、プルスタッドボルトが自然に緩み、ツールホルダーが離脱する事故が生じ、第二に、該規定トルク以上の力で締結する場合、該ツールホルダーの傾斜(テーパー)面が収縮することになる。
【0005】
すなわち、図3でのように、規定されたトルクによる完璧な傾斜面L1と対比し、過度なトルクによって収縮された傾斜面L2を形成することになる。これにより、接触する主軸回転スピンドルの内部傾斜面と密着されえないので、接触率が落ちることになるが、工作機械の特性上、工具が高速で回転しながら加工するので、工具が揺れることにより、直角度、真位置度のような問題が生じ、併せて、加工面の高さ、加工寸法、加工面粗度などに係わる不良も生じることになり、加工上、大きい問題が生じてしまう。さらには、ツールホルダーが主軸回転スピンドルから離脱される事故が生じうる。
【0006】
一般的に、前述の、プルスタッドボルトとツールホルダーとを組み込むとき、これまで、スパナのような一般的な汎用工具を使用してきたが、前記スパナは、プルスタッドボルトを締結するために専用に作られた工具ではないので、該スパナの内側平面と、該プルスタッドボルトの円形フランジ側面に形成されたボルト平面部とが、狭い接触面によって不安定に結合されるので、該スパナが該プルスタッドボルトから容易に離脱されながら、該プルスタッドボルトのボルト平面部を損傷させたり、作業員の手を負傷させる安全事故が生じたりするのである。
【0007】
また、工作機械を使用して加工するとき、加工される素材を拘束するためにジグを使用することになるが、そのようなジグを、工作機械の加工テーブルに固定するときにも、プルスタッドボルトが使用される。ま、た一般的に、該プルスタッドボルトを製作するとき、スパナという工具を使用して締結することができるように、スパナに挿入されうる2つの平面(ボルト平面部)を作ることになるが、この2つの平面は、プルスタッドボルトの円形フランジの側面に対称になるように形成され、2つの平面と、下の加工断面とが当接した直角の断面に形成される。問題は、そのように断面を加工するとき、精密ではない一般加工公差を適用して加工するので、前記断面から、ツールホルダーに載置される円形フランジ下面までの厚みと、ツールホルダーに載置される研磨面から、円形フランジ上面までの厚みとが一定ではないという問題が生じる。従って、前述の、プルスタッドボルトのボルト平面部直角断面、円形フランジ下面及び円形フランジ上面から、ノブ下部傾斜面までの距離と、ノブ下部連結ロッドの長さとも、同一標準規格内においても、製品別に寸法が異なっており、甚だしくは、製造メーカーによっても、寸法が異なるという問題が生じる。従って、さまざまの多様な標準規格と、製品ごとに寸法がいずれも異なるプルスタッドボルトを完璧に拘束することができる工具とがという問題がある。
【0008】
なお、ツールホルダーに、プルスタッドボルトを設けたり除去したりするための工具であるトルクレンチと結合され、該プルスタッドボルトが挿入され、該トルクレンチの回転力を、該プルスタッドボルトに伝達する工具と係わる技術としては、特許文献1「Tool for installation and removal of retention knobs」、特許文献2「Pull stud removal device」などが存在する。
【0009】
しかしながら、前記従来技術によって製造された工具は、根本的に、プルスタッドボルトを完全に固定することができない。すなわち、前記特許文献1による工具は、管状体、ロッキングボール、管状スリーブ、管状エンドストップによって構成され、ボルト平面部直角断面が、管状体の上面に載置され、4個のロッキングボールが、プルスタッドボルトのノブ後方傾斜面に接触することになりながら、該プルスタッドボルトを拘束する構成を提供しているが、先に記述されているように、ボルト平面部直角断面、円形フランジ下面及び円形フランジ上面から、ノブ後方傾斜面までの距離と、ノブ下部連結ロッドの長さとが製品ごとに全部異なるので、それぞれ異なる距離により、ノブ後方傾斜面と接触するロッキングボールの位相が、管状体の中心軸から低くなるか、あるいは高くなることになり、高くなったロッキングボールは、管状スリーブの内周面に位置した「厚い」部分52の縁と衝突し、該管状スリーブの「厚い」部分52の内径面が、ロッキングボールの円周上に位置することができなくなる。すなわち、該管状スリーブが、ロックキングポジションに位置することができなくなり、プルスタッドボルトを拘束することができないという根本的な問題が生じる。
【0010】
また、ロックキングポジションを維持するために、管状スリーブの内側面と、管状エンドストップ(tubular end stop)の外側面とが摩擦されるように製造する方法を記述しているが、前記内側面と外側面との継続的な摩擦による摩耗により、何回かの使用後には、摩擦部が緩みを帯び、ロックキングポジションを持続的に維持することができなくなるので、使用中、プルスタッドボルトが自然に離脱される問題点も生じる。
【0011】
なお、プルスタッドボルトは、ノブ後方傾斜面の角度が、同一標準規格内において、さらに45°、60°、75°、90°の標準規格で分けられて製作されるが、前記特許文献1の工具を使用する場合、同一標準規格内においても、ノブ後方傾斜面の角度ごとに専用工具を製作しなければならず、ユーザは、数十種の工具を購入して使用しなければならない煩わしさと不合理性とが予想される。しかも、ノブ後方傾斜面の角度ごとに、専用工具を購入して使用することになっても、同一規格のプルスタッドボルトごとに、ボルト平面部直角断面、円形フランジ下面及び円形フランジ上面から、ノブ後方傾斜面までの距離と、ノブ下部連結ロッドの長さとが一定ではないので、本来の機能を発揮する工具使用を保証することができない。また、同一規格内において、ノブ後方傾斜面の角度だけ異なるのみ、外見上、同一に見える製品であるので、作業者が容易に見誤って入れ込んでもしまい、また互いに異なるノブ後方角度のプルスタッドボルトによって専用に製造された工具であるとしても、異種間の混入及び結合がなされうるので、そのように結合して混用することになれば、プルスタッドボルトが破損されるか、工作機械の回転軸が破損されるか、あるいは組み立て時に、作業員の手が負傷しうるという問題もある。
【0012】
そして、前記特許文献2「Pull stud removal device」は、内部に、プルスタッドボルトの軸方向の断面と類似した形状を有する開放型管状体を活用し、プルスタッドボルトの設置作業や除去作業が遂行されるようにしたものであり、管状体の一部分が開放され、プルスタッドボルトの設置作業時や除去作業時、プルスタッドボルトがソケットから離脱されうる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国登録特許第11219987号
【特許文献2】米国登録特許第06360634号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を改善し、プルスタッドボルトが挿入される管状体の外周面、及び該管状体の外径に沿って挿入され、ロッキングボールを拘束するロックキングスリーブの内周面に、傾斜面がそれぞれ形成され、ロッキングボールリテーナーソケットが軸方向に対して傾くように形成され、意図的な握力によるスリーブの後退動作がない状態においては、持続的にロックキングスリーブを押すことになる、ロックキングポジション維持用弾性体が具備されることで、プルスタッドボルトの製造公差やプルスタッドボルトのノブ後方傾斜面の角度に従って、ロッキングボールと接触するプルスタッドボルトの接触位置が変わっても、ロッキングボールがプルスタッドボルトのノブ後方傾斜面やノブ下部連結ロッドの外径に接触して持続的な拘束力を伝達して維持することができるようにする新たな形態のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具を提供することを目的とする。
【0015】
すなわち、本発明は、プルスタッドボルトのボルト平面部が形成された直角断面、該プルスタッドボルトの円形フランジ下面及び円形フランジ上面から、ノブ後方傾斜面までの距離と、ノブ下部連結ロッドとの長さが製造公差によって若干異なっても、プルスタッドボルトを完璧に拘束させることができ、同一標準規格内において、プルスタッドボルトのノブ後方傾斜面の標準角度が、45°、60°、75°、90°に分けられていても、1つの工具だけでもって、製造公差により、寸法が異なる製品と、異なる角度とのノブ後方傾斜面を有するプルスタッドボルトに共用して使用することができ、ロックキングポジション維持用弾性体を使用し、ロッキングボールを拘束するロックキングスリーブを持続的に押すことにより、意図的な握力で後退させなければ、自然に後退されなくなり、プルスタッドボルトの持続的拘束時、及び工具使用時、安全が保証されうる新たな形態のプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述の目的を達成するための本発明の一態様によるプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具は、工作機械に使用されるツールホルダー700に、プルスタッドボルト800,900,1000を設けたり除去したりするための工具であるトルクレンチ2000と結合され、前記プルスタッドボルト800,900,1000が挿入され、前記トルクレンチ2000の回転力を前記プルスタッドボルト800,900,1000に伝達する工具において、前記プルスタッドボルト800,900,1000のノブ810,910,1010とノブ下部連結ロッド820,920,1020とが挿入される内部円筒110と、前記内部円筒110の側面を貫通して放射状に配される複数のロッキングボールリテーナーソケット150と、を含み、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、内側に行くほど下向きに傾くように形成された管状体100;前記ロッキングボールリテーナーソケット150に移動自在に挿入され、前記内部円筒110の内側に向けて移動し、前記プルスタッドボルト800,900,1000と接触し、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されないように拘束し、前記内部円筒110の外側に向けて移動し、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されることを許容するロッキングボール200;前記管状体100の外側に結合され、前記管状体100の長手方向に沿って移動自在であり、上方への移動時、前記管状体100の内側に移動する前記ロッキングボール200と接触し、前記ロッキングボール200が、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されないようにするロックキングポジションを維持するようにし、下方への移動時、前記ロッキングボール200が、前記貫通動体100の外側方向に移動自在になるように許容するロックキングスリーブ300;前記ロックキングスリーブ200を上方に弾性加圧する弾性体500;及び前記管状体100の下端部と結合され、前記弾性体500の一端部が、前記ロックキングスリーブ200を加圧するように、前記弾性体500の他端部を支持する支持カバー400;を含むことを特徴とする。
【0017】
また、前記管状体100は、第1円筒部、前記第1円筒部と離隔される第2円筒部、及び前記第1円筒部と前記第2円筒部とを連結する連結部を含むことが望ましい。
また、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、円周方向に放射状に離隔されて配されたことが望ましい。
【0018】
また、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、前記内部円筒110と隣接する内側ロッキングボールリテーナーソケット部152と、前記内側ロッキングボールリテーナーソケット部152と連結される外側ロッキングボールリテーナーソケット部151と、を含み、前記ロッキングボール200は、前記内側ロッキングボールリテーナーソケット部152に掛かり、前記内部円筒110から抜けないことが望ましい。
【0019】
また、前記ロックキングスリーブ300の内周面には、前記ロックキングスリーブの中心側に近くなるように傾いた傾斜内周面310が形成され、前記傾斜内周面310は、前記管状体100の外周面と干渉されない角度に形成されたことが望ましい。
【0020】
なお、本発明の他の態様によれば、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に具備される管状体100を製造する方法において、前記プルスタッドボルト800,900,1000が載置される前記管状体100の上端部は、放電加工(EDM:electrical discharge machining)及び単調加工によって形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、多様な種類のプルスタッドボルトにぴったり合うように拘束し、共用の製品で活用しうる効果を提供する。また本発明は、トルクレンチによって規定された一定のトルクをプルスタッドボルトに伝達することにより、該プルスタッドボルトを、ツールホルダー及びジグのような、所望するところに正確であって安全に締結することができる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】切削工具(エンドミル)が装着されているマシーニングセンターを示すための図である。
図2】マシーニングセンターの主軸回転スピンドルとツールホルダーとが、プルスタッドボルトを媒介に結合された構成を示すための図である。
図3】プルスタッドボルトの締結強度によるツールホルダーの傾斜面が収縮される程度を示すための図である。
図4】(a)ないし(c)は、本発明の実施形態による国際規格別プルスタッドボルトの具体的な断面図である。
図5】本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具の分解斜視図である。
図6】本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具の作動状態を示すための断面図である。
図7】本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に、プルスタッドボルト(BT-MAS規格)が拘束された状態を示すための断面図である。
図8】本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に、プルスタッドボルト(ANSI規格)が拘束された状態を示すための断面図である。
図9】本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に、プルスタッドボルト(DIN規格)が拘束された状態を示すための断面図である。
図10】(a)ないし(d)は、本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具の主要構成要素断面図である。
図11】(a)ないし(c)は、異形状フランジ挿入溝を有する本発明の実施形態による管状体の形状構造例示図である。
図12】傾斜フランジ挿入溝を有する本発明の実施形態による管状体の形状構造例示図である。
図13】(a)ないし(c)は、本発明の実施形態による管状体と支持カバーとの結合構造例示図である。
図14】(a)ないし(d)は、1つの共用製品により、プルスタッドボルトの異なるノブ後方傾斜面角度を拘束する状態を示すための図である。
図15】(a)ないし(c)は、プルスタッドボルトの製品別に異なる製造公差に対応するロッキングボールの接触位置、及び拘束する状態を示すための図である。
図16】トルクレンチの主要部構成を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面と、詳細な説明とにより、本分野の従事者が容易に知ることができる構成及び作用に係わる図示及び言及は、簡略にするか、あるいは省略した。特に、図面の図示、及び詳細な説明において、本発明の技術的特徴と直接関連のない要素の具体的な技術的な構成及び作用に係わる詳細な説明及び図示は、省略し、本発明と係わる技術的構成のみを簡略に図示するか、あるいは説明した。
【0024】
本発明は、工作機械に使用されるツールホルダー700に、プルスタッドボルト800,900,1000を設けたり除去したりするために回転力を伝達する締結工具と結合され、プルスタッドボルト800,900,1000が挿入された状態で、前記締結工具の回転力をプルスタッドボルト800,900,1000に伝達する工具に係わるものである。ここで、前記締結工具は、望ましくは、トルクレンチ2000でもある。ここで、前記締結工具は、レンチ、ラチェットレンチ、電動工具のような回転力を発生させる工具一般を含むものでもあるということは、言うまでもない。
【0025】
本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具は、図5図6とにおけるように、管状体100、ロッキングボール200、ロックキングスリーブ300、弾性体500、支持カバー400を含む構成によってなる。
【0026】
まず、本発明によるプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に締結されるプルスタッドボルトは、図4(a)に図示されているように、国際標準規格のうち一つであり、代表的に韓国で広く使用されているBT-MAS規格(日本規格)でもある。
【0027】
図4(a)のプルスタッドボルト800に対応する管状体100は、図7に図示されているように、内部円筒110と、前記内部円筒110の上端部に形成されたボルト平面部挿入溝120と、を具備する。
【0028】
前記内部円筒110には、プルスタッドボルト800のノブ810と、ノブ下部連結ロッド820とが挿入される。前記内部円筒110は、プルスタッドボルト800のノブ810と、ノブ下部連結ロッド820とが安定感あるように位置しうるように、緩みがあったり、きつかったりしない大きさに形成される。
【0029】
前記ボルト平面部挿入溝120は、ボルト平面部830の形状に対応する形状の溝によってなり、一部分が平面をなる角をなした形状を取り、前記プルスタッドボルト800のボルト平面部830が挿入される。前記ボルト平面部830は、前記ノブ下部連結ロッド820の上部に設けられる円形フランジ850の側面の一部分に、平坦に形成される部分である。
【0030】
前記ボルト平面部挿入溝120の上部には、前記ボルト平面部830の上端に位置したフランジ曲面部840に対応して曲面に形成されるフランジ曲面部挿入溝121が形成される。前記フランジ曲面部挿入溝121は、プルスタッドボルト800の円形フランジ850の直径に対応する直径を有する円形の溝によってなり、前記円形フランジ850の一部分をなす前記フランジ曲面部840が挿入される。
【0031】
また、本発明によるプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に締結されるプルスタッドボルトは、図4(b)に図示されているように、国際標準規格のうち一つであり、代表的に米国で広く使用されているANSI規格でもある。
【0032】
図4(b)のプルスタッドボルト900に対応する管状体100は、図8に図示されているように、内部円筒110と、前記内部円筒110の上端部に形成された異形状フランジ挿入溝122と、を具備する。
【0033】
前記内部円筒110には、プルスタッドボルト900のノブ910とノブ下部連結ロッド920とが挿入される。前記内部円筒110は、プルスタッドボルト900のノブ910とノブ下部連結ロッド920とが安定感あるように位置しうるように、緩みがあったり、きつかったりしない大きさに形成される。
【0034】
前記異形状フランジ挿入溝122は、ボルト平面部930の形状に対応する形状の溝によってなり、一部分が平面をなる角をなした異形状に形成され、前記プルスタッドボルト900の異形状フランジ940が挿入される。前記異形状フランジ940は、前記ノブ下部連結ロッド920の上部に設けられる円形フランジ950の側面の一部分に、平坦に形成される部分である。前記異形状フランジ挿入溝122は、前記プルスタッドボルト900の異形状フランジ940の形状に対応する形状の溝によってなり、前記異形状フランジ940は、前記異形状フランジ挿入溝122に挿入されて載置される。
【0035】
前記プルスタッドボルト900は、前記BT-MAS規格(日本規格)のプルスタッドボルト800のフランジ曲面部840のように、完全な円形のフランジに形成されず、円形フランジ950の側面に対称になる平面を加工し、異形状フランジ940を形成する。
【0036】
また、本発明によるプルスタッドボルトの設置工具及び除去工具に締結されるプルスタッドボルトは、図4(c)に図示されているように、国際標準規格のうち一つであり、代表的にドイツで広く使用されているDIN規格でもある。
【0037】
図4(c)のプルスタッドボルト1000に対応する管状体100は、図9に図示されているように、内部円筒110と、前記内部円筒110の上端部に形成された傾斜フランジ挿入溝123と、を具備する。
【0038】
前記内部円筒110には、プルスタッドボルト1000のノブ1010とノブ下部連結ロッド1020とが挿入される。前記内部円筒110は、プルスタッドボルト1000のノブ1010とノブ下部連結ロッド1020とが安定感あるように位置しうるように、緩みがあったり、きつかったりしない大きさに形成される。
【0039】
前記傾斜フランジ挿入溝123は、ボルト平面部1030の形状に対応する形状の溝によってなり、一部分が傾いた平面を含む異形状に形成され、前記プルスタッドボルト1000の傾斜フランジ1040が挿入される。前記傾斜フランジ1040は、前記ノブ下部連結ロッド1020の上部に設けられる円形フランジ1050の側面一部分に、平坦で傾くように形成された部分である。前記傾斜フランジ挿入溝123は、前記プルスタッドボルト1000の傾斜フランジ1040の形状に対応する形状の溝によってなり、前記傾斜フランジ1040は、前記傾斜フランジ挿入溝123に挿入されて載置される。
【0040】
前記プルスタッドボルト1000は、前記BT-MAS規格(日本規格)のプルスタッドボルト800のフランジ曲面部840のように完全な円形のフランジを形成せず、円形フランジ1050の側面に対称になる平面を加工し、傾斜フランジ1040を形成する。
【0041】
このように、図7の実施形態による管状体100は、その上端に、ボルト平面部挿入溝120とフランジ曲面部挿入溝121とを二重に形成し、プルスタッドボルト800のボルト平面部830とフランジ曲面部840との全体が合わせによって挿入される。また、図8の実施形態による管状体100は、その上端に、異形フランジ挿入溝122を形成し、プルスタッドボルト900の異形フランジ940全体が合わせによって挿入される。また、図9の実施形態による管状体100は、その上端に形成された傾斜フランジ挿入溝123を形成し、プルスタッドボルト1000の傾斜フランジ1040全体が合わせによって挿入されることにより、トルクレンチ2000の回転力が、正確でって安定してプルスタッドボルト800,900,1000に伝達されうる。
【0042】
ここで、前記管状体100は、国際標準規格によって製作され、前記管状体100の上端に位置するボルト平面部挿入溝120と、フランジ曲面部挿入溝121、異形状フランジ挿入溝122または傾斜フランジ挿入溝123とを形成する場合、放電加工(EDM:electrical discharge machining)及び単調加工によって形成することができる。
【0043】
管状体100の下端部には、レンチ結合部130が形成される。前記レンチ結合部130は、内部円筒110と連通されるか、あるいは連通されないように、一端部が支えているのである。そのようなレンチ結合部130には、トルクレンチ2000のヘッド2100が結合される。
【0044】
前記管状体100の下端部中央には、支持カバー結合部140が形成される。前記支持カバー結合部140には、支持カバー400が結合される。ここで、トルクレンチ2000のヘッド2100は、多角断面形状の突起(凸)部形状によってもなり、多角断面形状の溝(凹)部形状によってもなるが、それに対応し、レンチ結合部130の形状も、溝(凹)部形状と突起(凸)部形状とのうちいずれか一つに決定される。トルクレンチ2000のヘッド2100は、多角断面形状の突起(凸)部形状によってなる場合、管状体100のレンチ結合部130は、溝(凹)部形状によってもなる。
【0045】
図7図8及び図9でのように、前記管状体100の下部には、レンチ結合部130下部を取り囲むレンチ干渉防止溝132が形成される。前記レンチ干渉防止溝132は、前記レンチ結合部130より大きい直径に形成される。前記レンチ結合部130の内周面には、上下方向中央部位に、離脱防止ボール係止溝131が凹設される。前記レンチ干渉防止溝132には、図16でのように、トルクレンチ2000の底面から微細に突出されるヘッドフランジ2200が位置し、離脱防止ボール係止溝131は、トルクレンチ2000のヘッド2100の側面に突設される離脱防止ボール2300が位置する。これにより、管状体100のレンチ結合部130に挿入されるトルクレンチ2000が、干渉なしに堅固に管状体100との結合を維持することができることになる。
【0046】
前記管状体100は、円周方向(周り方向)に沿って放射形に配される複数のロッキングボールリテーナーソケット150を具備する。前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、前記管状体100の側面を貫通して形成される。すなわち、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、管状体100の内部円筒110と連通される。本実施形態によれば、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、軸方向に対して傾くように形成される。すなわち、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、内側に行くほど傾くように形成される。本実施形態によれば、前記複数のロッキングボールリテーナーソケット150と、複数のロッキングボール200は、放射形で均一な離隔角度に配され、プルスタッドボルト800,900,1000のロックキング時、固定力が均一に作用されるようにする。
【0047】
なお、ロッキングボールリテーナーソケット150は、図10(a)でのように、円周方向外側に配される外側ロッキングボールリテーナーソケット部151と、円周方向内側に配される内側ロッキングボールリテーナーソケット部152との2段構造によってなる。前記外側ロッキングボールリテーナーソケット部151は、ロッキングボール200より若干大きい直径の円筒に形成され、前記内側ロッキングボールリテーナーソケット部152は、円周方向内側に行くほど直径が小さくなる傾いた形状構造によってなる。前記内側ロッキングボールリテーナーソケット部152により、前記ロッキングボール200が、管状体100の内部円筒110から抜け出ることが防止される。
【0048】
管状体100は、国際標準規格であるBT-MAS規格(日本規格)、ANSI規格、DIN規格のプルスタッドボルト800,900,1000に対応し、図10(a)でのようなボルト平面部挿入溝120とフランジ曲面部挿入溝121とを有する形状構造によってもなるか、図11の(a)ないし(c)でのように、異形状フランジ挿入溝122を有する形状構造によってもなるか、あるいは図12でのように、傾斜フランジ挿入溝123を有する形状構造によってもなる。
【0049】
ここで、管状体100は、内部円筒110が形成された第1円筒部170、レンチ結合部130が形成される第2円筒部180、及び第1円筒部170と第2円筒部180とを連結する連結部によって構成されうる。前記第2円筒部180の直径は、前記第1円筒部170の直径より小さいか、あるいはそれと同一でもある。前記連結部の外周面は、図10(a)、及び図12でのように、傾いた傾斜外周面160の形態を取ることができる。または、図11(a)でのように、段付き形態に形成される連結断面161として提供されるか、あるいは図11(b)でのように、段付きが傾いた形態に形成される傾斜連結断面162に形成されうる。前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、連結部の前記傾斜外周面160、連結断面161、または傾斜連結断面162に形成されうる。ここで、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、前記第1円筒部170または第2円筒部180にも配され、第1円筒部170と連結部とにわたっても配され、あるいは第2円筒部180と連結部とにわたっても配されるということは、言うまでもない。
【0050】
また、特定規格の工具において、前記管状体100は、前記第1円筒部170と第2円筒部180とによって構成され、前記第1円筒部170及び第2円筒部180は、同一直径に形成されうる。また、他の実施形態による管状体100は、同一直径の第1円筒部170と前記第2円筒部180とを含み、前記第1円筒部170と前記第2円筒部180とを連結する連結断面161または傾斜連結断面162を含んで形成されうる。前記連結断面161または傾斜連結断面162は、ロックキングスリーブ300の傾斜内周面310と衝突されないように形成される。
【0051】
また、特定規格の工具において、前記管状体100は、内部円筒110が形成された第1円筒部170、レンチ結合部130が形成される第2円筒部180、第1円筒部170と第2円筒部180とを連結する連結断面161または傾斜連結断面162によって構成されうるが、第1円筒部170より第2円筒部180が小さいか、あるいはそれと同径を有しうる。前記第1円筒部170より第2円筒部180が小さい場合、前記連結断面161は、段付きの形態でもって、その断面が直角に形成され、前記傾斜連結断面162は、段付きの形態でもって、その断面が一部が傾いた断面に形成され、あるいは図11(c)でのように、前記第1円筒部170及び前記第2円筒部180は、平行な連結円筒163に連結されて形成されうる。前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、連結断面161または傾斜連結断面162と、一定角度を有して配されうる。ここで、前記ロッキングボールリテーナーソケット150は、前記第1円筒部170や前記第2円筒部180にも配され、第1円筒部170と連結される部位にかけても配され、第2円筒部180と連結される部位にかけても配されるということは、言うまでもない。
【0052】
ロッキングボール200は、図6及び図7でのように、管状体100のロッキングボールリテーナーソケット150に移動自在に配されるものであり、ロッキング位置(locking position)である円周方向の内側に移動し、プルスタッドボルト800,900,1000のノブ後方傾斜面811,911,1011やノブ下部連結ロッド820,920,1020と接触し、プルスタッドボルト800,900,1000が離脱されないように拘束し、リリース位置(release position)である円周方向の外側に移動し、プルスタッドボルト800,900,1000が自由に離脱されるように解除する。すなわち、前記ロッキングボール200は、前記管状体100の内側に向けて移動し、前記プルスタッドボルト800,900,1000と接触し、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されないように拘束し、前記管状体100の外側に向けて移動し、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されることを許容する。
【0053】
前記ロックキングスリーブ300は、貫通される中空状の円筒によってなり、前記貫通動体100の外側に結合され、前記管状体100の長手方向に沿って移動自在に結合される。前記ロックキングスリーブ300の移動時、管状体100がガイド役割を遂行することになる。前記ロックキングスリーブ300は、上方への移動時、前記管状体100の内側に移動する前記ロッキングボール200と接触し、前記ロッキングボール200が、前記プルスタッドボルト800,900,1000が、前記管状体100から離脱されないようにするロックキングポジションを維持するようにし、下方への移動時、前記ロッキングボール200が、前記貫通動体100の外側方向に移動自在になるように許容する。
【0054】
前記ロックキングスリーブ300は、図10(c)でのように、上部円筒340と下部円筒350とを含むものでもある。上部円筒内周面341と下部円筒内周面351は、所定の設定角度で傾くように形成される傾斜内周面310に連結されうる。前記傾斜内周面310は、前記上部円筒内周面341と下部円筒内周面351との間に形成されうる。他の実施形態において、上部円筒内周面341と前記傾斜内周面310は、互いに連結されて傾くようにも形成され、または下部円筒内周面351と前記傾斜内周面310は、互いに連結されて傾くようにも形成される。
【0055】
なお、管状体100の第2円筒部180外周面と傾斜外周面160との間、及びロックキングスリーブ300の下部円筒内周面351と傾斜内周面310との間には、段差面が形成されうるが、前記段差面は、管状体100とロックキングスリーブ300との接触面積を広くし、管状体100に沿って移動するロックキングスリーブ300を止めるストッパの役割を遂行することになる。
【0056】
そのようなロックキングスリーブ300の上向き移動時、傾斜内周面310は、ロッキングボール200と接触し、ロッキングボール200を円周方向の内側に拘束し、ロックキングスリーブ300の下向き移動時、傾斜内周面310に沿って内部空間が拡張されながら、ロッキングボール200をして、円周方向の外側に移動自在にさせる。ここで、ロックキングスリーブ300は、傾斜内周面310の上部に、ロッキングボールリリースポケット320を凹状に形成するが、それにより、ロッキングボール200が円周方向外側に移動するとき、ロッキングボールリリースポケット320に位置しながら、プルスタッドボルト800,900,1000の自由な離脱を可能にする。
【0057】
前記ロックキングスリーブ300の下面に、弾性体載置溝330が形成され、ロックキングポジションを維持するための弾性体500の一端が一定深さに挿入されて載置される。これを介し、前記弾性体載置溝330は、収縮膨脹する弾性体500を支持して保護することになる。また、前記弾性体500の頻繁な収縮膨脹動作にも、前記弾性体500の形状変形が防止されながら、前記弾性体500が定位置に維持されうることになる。ここで、ロックキングスリーブ300は、弾性体載置溝330を形成させず、弾性体500の一端が、ロックキングスリーブ300の下面に接触される状態において、弾性体500を支持することもできるということは、言うまでもない。また、ロックキングスリーブ300の外周面には、突起360が形成され、ロックキングスリーブ300に対する作業者の後退動作時、滑ることが防止されるようにする。また、他の実施形態において、突起360なしに、平行な外周面に形成され、外周面に、粗加工面、ローレット(knurled)加工面、溝加工面などを追加して形成することもできる。
【0058】
支持カバー400は、前記管状体100の下部に形成される支持カバー結合部140に結合される。前記支持カバー400の中央部位には、管状体結合部410が形成され、管状体100の支持カバー結合部140に、レンチ結合部130との干渉なしに結合される。
【0059】
また、支持カバー400の底面端には、図10(d)でのように、弾性体載置溝420が形成され、前記弾性体500の他端が、一定深さ挿入されて載置される。これを介し、弾性体500の頻繁な収縮膨脹動作にも、弾性体500の形状変形が防止されながら、弾性体500が定位置に維持されうることになる。ここで、支持カバー400は、弾性体載置溝420を形成させず、弾性体500の他端が、支持カバー400の底面に接触される状態でもって、弾性体500を支持することもできるということは、言うまでもない。また、支持カバー400の外周面に、粗加工面、ローレット加工面、溝加工面などを追加して形成し、支持カバー400と管状体100とを結合させるために、支持カバー400を作業者が手にするとき、滑ることが防止されるようにする。
【0060】
なお、支持カバー400と管状体100は、図13の(a)ないし(c)でのように、多様な方式に結合されうる。すなわち、図13(a)でのように、支持カバー400の管状体結合部410と、管状体100の支持カバー結合部140とが、雌ネジ加工部411と雄ネジ加工部141とによってなり、ボルト・ナット結合構造でもって、完璧に結合される結合方式が採択されうる。また、図13(b)でのように、支持カバー400の管状体結合部410と、管状体100の支持カバー結合部140とが、円筒内周面押入部412と円筒外周面押入部142とによってなり、互いに押し入れられ、摩擦力によって結合される結合方式が採択されうる。そして、図13(c)でのように、支持カバー400の管状体結合部410と、管状体100の支持カバー結合部140とが溝部143を形成し、溝部413に、ロックタイト(Loctite)のような接着物質600を入れ込むか、あるいは離脱を防止することができるリング601を挿入して結合される結合方式が採択されうる。
【0061】
前記弾性体500は、支持カバー400の底面と、ロックキングスリーブ300の下面との間に位置することになるものであり、多様な形状と素材との弾性体を使用することができる。そのような弾性体500は、意図的な握力によるロックキングスリーブ300の後退動作がない状態においては、ロックキングスリーブ300を持続的に加圧することになる。これにより、ロックキングスリーブ300の傾斜内周面310と接触したロッキングボール200が、円周方向の内側において、持続的な拘束力を受けることになる。具体的には、図14の(a)ないし(d)でのように、プルスタッドボルト800,900,1000のノブ後方傾斜面811,911,1011の角度(45°,60°,75°,90°標準規格角度)が異なるか、あるいは図15の(a)ないし(c)でのように、プルスタッドボルト800,900,1000の製造公差により、円形フランジ850,950,1050の厚み、ノブ後方傾斜面811,911,1011までの距離、ノブ下部連結ロッド820,920,1020の長さが異なり、ロッキングボール200と接触するプルスタッドボルト800,900,1000の接触位置が異なっても、ロッキングボール200が、図14の(a)ないし(d)、及び図15の(a)ないし(c)でのように、プルスタッドボルト800,900,1000のノブ後方傾斜面811,911,1011や、ノブ下部連結ロッド820,920,1020の外径に接触し、持続的な拘束力を伝達して維持することができるようにする。
【0062】
前述のような、本発明の実施形態による、プルスタッドボルトの設置工具及び除去工具を、前述の説明及び図面によって図示したが、それらは、例を挙げて説明したものに過ぎず、本発明の技術的思想を外れない範囲内において、多様な変化及び変更が可能であるということは、当該分野の一般的な技術者であるならば、十分に理解することができるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】