(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】医療用チューブおよびそのための配合物
(51)【国際特許分類】
A61L 31/04 20060101AFI20241129BHJP
A61L 31/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
A61L31/04 110
A61L31/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024525370
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022047913
(87)【国際公開番号】W WO2023076408
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリストリ - イェア、ミルドレッド
(72)【発明者】
【氏名】セヴィンチ、ゼフラ
(72)【発明者】
【氏名】ストランド、セス
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AC07
4C081AC08
4C081BA15
4C081BB04
4C081BB07
4C081BC02
4C081CA022
4C081CA031
4C081CB011
4C081CF112
4C081CF132
4C081CF162
4C081CF21
4C081CF22
4C081EA03
4C081EA12
(57)【要約】
医療用チューブは、(i)熱可塑性材料、(ii)充填剤、および(iii)熱反応性カップリング剤の溶融ブレンドから調製された組成物を有する少なくとも1つの層を有する。医療用チューブは、同じチューブ壁寸法を有するポリ塩化ビニルで構成された医療用チューブと同程度の耐キンク性を有することができる。医療用チューブは、多層であることができ、単管腔チューブおよび多管腔チューブを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用チューブであって、
(i)熱可塑性材料、(ii)非シラン反応性充填剤、および(iii)熱反応性カップリング剤の溶融ブレンドから調製された組成物を有するもう1つの層を含み、
同じチューブ壁寸法を有するポリ塩化ビニルで構成された医療用チューブに匹敵する耐キンク性を有する、医療用チューブ。
【請求項2】
前記層がポリ塩化ビニルを実質的に含まない、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項3】
前記熱可塑性材料が、1つ以上の熱可塑性エラストマーを含む、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項4】
前記熱可塑性材料が、医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して1重量%~約99重量%を構成する、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項5】
前記充填剤が、シリカ、ガラスビーズ、金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、金属酸化物、カーボンブラック、マイカ、または霞石閃長岩のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項6】
前記充填剤が、医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.1重量%~約5重量%を構成する、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項7】
前記熱反応性カップリング剤が、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファトジルコナート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファートチタナートのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項8】
前記熱反応性カップリング剤が、医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.5重量%~約20重量%を構成する、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項9】
約0.01~約0.025インチの壁厚、および約0.70インチ~約1.1インチの範囲の耐キンク性を有する、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項10】
溶剤接着を施すことができる、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項11】
医療用コネクタに結合された請求項10に記載の医療用チューブを含む輸液セット。
【請求項12】
2つ以上の管腔を含む、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項13】
多層チューブであり、その少なくとも1つの層が前記溶融ブレンドから調製された前記組成物を含む、請求項1に記載の医療用チューブ。
【請求項14】
請求項1のいずれか一項に記載の医療用チューブを調製する方法であって、
(i)熱可塑性材料、(ii)充填剤、および(iii)熱反応性カップリング剤を十分な熱を伴って混ぜ合わせて溶融ブレンド組成物を形成すること、および
前記溶融ブレンド組成物を押出成形して前記医療用チューブとすること
を含む、方法。
【請求項15】
前記熱可塑性材料が、実質的に、可塑剤を含まないか、またはポリ塩化ビニルを含まない、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記熱可塑性材料が、1つ以上の熱可塑性エラストマーを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記充填剤が、シリカ、ガラスビーズ、金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、金属酸化物、カーボンブラック、マイカ、または霞石閃長岩のうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記充填剤が、医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.1重量%~約5重量%を構成する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記熱反応性カップリング剤が、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファトジルコナート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファートチタナートのうちの1つ以上を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記熱反応性カップリング剤が、医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.5重量%~約20重量%を構成する、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記医療用チューブが、約0.01~約0.025インチの壁厚、および約0.70インチ~約1.1インチの範囲の耐キンク性を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
多層医療用チューブを形成することをさらに含み、前記多層医療用チューブにおいて、ポリオレフィンを含む内層が内層を形成し、前記溶融ブレンド組成物が外層を形成する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月28日に出願された米国仮出願第63/273,019号明細書の優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に医療用チューブに関し、特に、熱可塑性材料、充填剤、および反応性カップリング剤から、好ましくはポリ塩化ビニルまたは可塑剤なしで調製することができる、耐キンク性を有する可撓性医療用チューブに関する。このようなチューブは、複数の管腔を有する複雑なチューブ構成を有するものを含めて、拡張セット、カテーテルなどのためのチューブとして、医療用デバイス、例えば輸液による医療用流体の投与のためのチューブに使用することができる。
【背景技術】
【0003】
プラスチックチューブは、医療分野において、特に患者の分析および治療手順のために広く使用されている。このような使用には、チューブが可撓性であり、つまみやすく迅速に反発することが必要となる。軟質チューブ、例えば可塑剤を含むポリ塩化ビニルが、長年にわたって輸液セットに使用されてきた。残念なことに、可塑化ポリマー材料、例えば可塑化ポリ塩化ビニルは粘着性であり得、チューブの閉塞および引き裂きをもたらし得る。さらに、可塑剤を用いて作られたチューブは、チューブを通って輸送される流体に移行し、該流体を汚染する可能性がある。
【0004】
しかしながら、医療用流体の送達などのために、医療用チューブを調製する必要性が引き続き存在する。
【発明の概要】
【0005】
本技術の諸態様は、医療用チューブに関し、特に、輸液によって医療用流体を投与するための医療用チューブ、また拡張セットおよびカテーテルとして使用するための医療用チューブに関する。特定の態様によれば、医療用チューブは、(i)熱可塑性材料、(ii)充填剤(例えば、無機充填剤および/または非シラン反応性充填剤)、ならびに熱反応性カップリング剤の溶融ブレンドから調製された組成物を有する1つ以上の層を含むことができる。チューブの他の層としては、医療用流体と接触する内層、例えばポリエチレンなどのポリオレフィンを挙げることができ、溶融ブレンド組成物は外層を形成する。さらに、本開示の医療用チューブとしては、単管腔チューブおよび2つ以上の管腔を有するチューブ、すなわち多管腔医療用チューブを挙げることができる。
【0006】
有利なことに、本開示の医療用チューブまたはその層は、実質的に、可塑剤を含まないか、またはポリ塩化ビニルを含まないことが可能であるが、依然として耐キンク性を有する。いくつかの態様では、医療用チューブは、ポンプで実施するのに十分であるとともに、好ましくは同じ壁寸法を有するポリ塩化ビニルで構成された医療用チューブに匹敵する耐キンク性を有する。
【0007】
本技術はまた、医療用チューブを含む輸液セットに関する。本技術はまた、医療用チューブまたはその層を形成するために使用することができる組成物の溶融ブレンドを調製することに関する。一態様では、医療用チューブは、熱可塑性材料、非シラン反応性充填剤、および熱反応性カップリング剤を十分な熱を伴って混ぜ合わせて溶融ブレンド組成物を形成することによって調製することができる。形成された溶融ブレンド組成物は、貯蔵または輸送のための適切な形態にペレット化または押出成形することができ、あるいは形成された溶融ブレンド組成物は、直接またはその後の工程で押出成形して医療用チューブとすることができる。
【0008】
本技術のさらなる利点は、以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかであるが、本技術の特定の態様のみが、単に例示のために示され説明される。認識されるであろうように、本技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて本技術から逸脱することなく、他の様々な点で変更が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定であると見なされるべきではない。
【0009】
さらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付の図面は、開示された実施形態を例示し、説明と一緒になって開示された実施形態の原理を説明する役割を果たす。図中、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】熱可塑性エラストマー(SEBS/PP)、充填剤、およびカップリング剤を混合することによって調製されたいくつかの配合物の表である。表には対照配合物も含まれる。
【0011】
【
図2】典型的なPVCチューブの補正されたキンクの結果のプロットである。
【0012】
【
図3】本開示の諸態様による配合済みの熱可塑性材料のキンクおよび寸法データを、充填剤およびカップリング剤を含まない熱可塑性材料と比較して示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に記載される詳細な説明は、本技術の様々な構成を説明するものであり、本技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。この詳細な説明は、本技術の十分な理解を与えることを目的とした具体的詳細を含む。したがって、寸法は、特定の態様に関して非限定的な例として与えられる。しかしながら、本技術がこれらの具体的詳細なしで実施され得ることは当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造および構成要素がブロック図形式で示されている。
【0014】
本開示は、本技術の例を含むものであり、添付の請求項の範囲を限定しないことを理解されたい。本技術の様々な態様を、具体的ではあるが非限定的な例に従って以下に開示する。本開示に記載された様々な実施形態は、様々な様式および変形において、所望の用途または実装形態に従って実施され得る。
【0015】
本技術の諸態様は、医療用チューブに関し、特に、輸液によって医療用流体を投与するための医療用チューブ、また単管腔または多管腔の延長チューブおよびカテーテルとして使用するための医療用チューブに関する。特定の態様によれば、医療用チューブは、(i)熱可塑性材料、(ii)非シラン反応性充填剤、および熱反応性カップリングの溶融ブレンドから調製された組成物を有する少なくとも1つの層を含むことができる。さらに、本開示の医療用チューブとしては、単管腔チューブおよび2つ以上の管腔を有するチューブ、すなわち多管腔医療用チューブを挙げることができる。有利なことに、本開示の医療用チューブは、輸液ポンプと共に使用するのに十分な耐キンク性を有する。チューブの他の層としては、医療用流体と接触する内層、例えばポリエチレンなどのポリオレフィンを挙げることができ、溶融ブレンド組成物は外層を形成する。いくつかの態様では、医療用チューブは、ポンプで実施するのに十分であるとともに、好ましくは同じ壁寸法を有するポリ塩化ビニルで構成された医療用チューブに匹敵する耐キンク性を有する。いくつかの態様では、本開示の医療用チューブは、約0.0075インチ~約0.03インチの範囲の壁厚、例えば約0.01~約0.025インチの壁厚と、約0.70インチ~約1.1インチ、例えば約0.89インチ~約0.95インチの範囲の耐キンク性とを有することができる。
【0016】
無機充填剤は、熱反応性カップリング剤によって熱可塑性ポリマー鎖に結合し、架橋材料のように作用する概ね均一なポリマー系を形成するすると考えられる。このような構造は、熱可塑性ポリマー材料の反発性を向上させて、繰り返し変形下での耐キンク性やポンプ力を高めるものと期待される。
【0017】
典型的なポンピング期間を通じて所望の耐キンク性を実現し流量精度を維持することは、いかなる材料によっても達成することが困難である。材料は、ポンプ使用中のサイクルを通して、弾性特性、耐キンク性などを良好に保持することが期待される。耐キンク性はまた、ポリマーの粘性と弾性特性との良好なバランスを必要とする。PVCを含まない熱可塑性ポリオレフィン(TPO)または熱可塑性エラストマー(TPE)は、このような熱可塑性物質がしばしば可塑剤を含まないか、または含むにしてもポンプ用途で使用されるチューブに必要な典型的なPVC配合物よりも著しく少ない量であるという意味で、PVCよりも環境に優しい。その結果、このような熱可塑性物質からの浸出性成分を最小限にするか、または排除することができる。しかしながら、PVCチューブの他の望ましい特性、例えば溶剤接着、滅菌性などを依然として満たしながら、PVCの粘弾性特性またはその調整性を代替材料と調和させることは困難であった。
【0018】
本開示の医療用チューブのための組成物のPVCと比較した利点のいくつかとしては、相対的なコストの比較可能性もしくはそれ未満、環境に優しい材料、浸出性物質の低減、ポンピング時における同等もしくはより良好な流量および精度、ポンプおよびクランプの適合性、同等もしくはより良好な耐キンク性、優れた耐引裂性および流体圧力下で膨れにくいこと、圧縮永久歪みに優れ、したがってクランプの適合性に必要な反発をすること、より単純な処理工程およびサイクル時間の短縮、充填剤の遮光性により光感受性のある薬剤送達用途に有用であること、ならびに/または耐熱性の増加のうちの1つ以上が挙げられる。
【0019】
特定の態様によれば、静脈内投与のためのチューブは、ポリ塩化ビニル(PVC)を含まない熱可塑性ポリマー材料を含むことができる。このような熱可塑性ポリマー材料としては、例えば、熱可塑性オレフィン(TPO)、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー(TPE)、例えばスチレン含有熱可塑性エラストマー(S-TPE)、例えばスチレンブロックコポリマー(SBC)、例えばスチレン-ブタジエン-スチレンコポリマー(SBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン-スチレンブロックコポリマー(SBSS)、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)、ポリオレフィンエラストマー(POE)のうちの1つ以上、またはそれらを含むブレンドが挙げられる。熱酸化安定性およびUV安定性を改善するために、S-TPEエラストマーの不飽和ゴムブロック(例えば、SBS、SBSS、またはSISポリマーのポリブタジエンまたはポリイソプレンゴムブロック)を水素化して水素化スチレン系熱可塑性エラストマーを形成することができ、これらとしては、限定されないが、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン熱可塑性エラストマー(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン(SEPS)が挙げられる。高性能熱可塑性エラストマー(TPE)は、医療用チューブおよびフィルム用の可撓性PVCの持続可能な代替物として設計されてきた。さらに、チューブは、水素化スチレン系熱可塑性エラストマーと、ポリプロピレンなどの水素化または飽和ポリオレフィン、例えばランダムコポリマーポリプロピレン(RCPP)などのホモ、ブロック、および/またはランダムポリプロピレンとのブレンドを含むことができる。
【0020】
熱可塑性材料は、医療用チューブの組成物の総重量またはチューブの層の組成物の総重量に対して、少なくとも約1重量%~約99重量%の量で、チューブ組成物の一部として、または層組成物に含めることができる。
【0021】
医療用チューブまたはその層に含めることができる有用な充填剤としては、無機充填剤および/または非シラン反応性充填剤、例えばシリカ、ガラスビーズ、金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、金属酸化物、カーボンブラック、マイカ、霞石閃長岩などが挙げられる。このような充填剤は、熱反応性カップリング剤と相互作用することができる。熱反応性カップリング剤は、非シラン反応性充填剤、例えばCaCO3、カーボンブラックおよびシリカ、金属酸化物などをポリマーと化学的に架橋する。より具体的には、白マイカ、霞石閃長岩、炭酸カルシウム、およびガラスビーズも、本配合物における充填剤として使用することができる。一例として、約5~約26マイクロメートルの範囲の粒径を有するマイカおよびガラスビーズを使用することができる。充填剤は、医療用チューブの組成物の総重量またはチューブの層の組成物の総重量に対して、少なくとも約0.1重量%~約20重量%の量で、チューブ組成物の一部として、または層組成物に含めることができる。例えば、組成物は、組成物全体の約0.1重量%以上、例えば少なくとも約0.5重量%、0.75%重量%、1重量%であるが、約20重量%以下、例えば約15重量%、10重量%、5重量%、3重量%、2重量%以下、例えば約1重量%~約10重量%の充填剤を含むことができる。
【0022】
本開示の医療用チューブと共に使用することができる熱反応性カップリング剤としては、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファトジルコナート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファートチタナート(Kenrich Petrochemicals,Inc.から入手可能)、KA(登録商標)301 ジ-イソブチル(オレイル)アセトアセチルアルミナート、KA 322 ジ-イソプロピル(オレイル)アセトアセチルアルミナート、KR(登録商標)OPPR チタンIV ビスオクタノラート,シクロ(ジオクチル)ピロホスファト-O,O、KR OPP2 チタンIV ビスシクロ(ジオクチル)ピロホスファト-O,O、KZ(登録商標)TPP ジルコニウムIV 2-エチル,2-プロペノラトメチル 1,3-プロパンジオラト,シクロジ2,2-(ビス2-プロペノラトメチル)ブタノラトピロホスファト-O,O、KZ(登録商標)OPPR ジルコニウムIV ビス2-エチルヘキサノラト,シクロ(ジ2-エチルヘキシル)ピロホスファート、イソプロピルトリイソステアロイルチタナートなどが挙げられる。このような熱反応性カップリング剤は、靭性、伸び、低温でのポリマーの流れを改善することができ、したがって、外観、耐薬品性、耐衝撃性によって測定されるように、より速い押出成形、ブロー成形、および射出成形のサイクル時間、ならびにより高品質の部品をもたらす。対照的に、有機シランは、炭酸カルシウム、バリウム、およびホウ素などとの表面相互作用がほとんどまたは全く報告されていないので、結合剤として機能しない。これとは異なり、本明細書に開示されるような熱反応性カップリング剤は、シランよりも反応性が高い。さらに、シランは水と反応し、したがって、湿った環境での取り扱いや、貯蔵による品質管理が困難である。
【0023】
熱反応性カップリング剤は、医療用チューブの組成物全体またはチューブの層の組成物に対して、少なくとも約0.5重量%~約20重量%の量で、チューブ組成物の一部として、または層組成物に含めることができる。例えば、チューブ組成物は、チューブの組成物全体またはチューブの層の組成物の約0.5重量%以上、例えば少なくとも約0.75%重量%、1重量%であるが、約20重量%以下、例えば約15重量%、10重量%、5重量%、3重量%、2重量%以下、例えば約1重量%~約10重量%のカップリング剤を含むことができる。
【0024】
充填剤および熱反応性カップリング剤は、材料の剛性、加工性、透明性と性能とのバランスを取るように調整することができる。充填剤濃度がチューブ組成物またはその層において増加するにつれて、組成物は透明性を失って1つ以上の特定の充填剤の色を帯びる傾向がある。
【0025】
本開示の医療用チューブは、添加剤、例えば、他の添加剤の中でも着色剤、UV遮断剤、放射線不透過性ストライプをその1つ以上の層に含むことができる。このような添加剤は、チューブの主層または外層に存在することができる。
【0026】
本技術の特定の態様では、本開示の医療用チューブは、実質的に、可塑剤を含まないか、またはポリ塩化ビニルを含まないことが可能であるが、依然として耐キンク性を有する。医療用チューブまたはその層がPVCを実質的に含まないとは、PVCが層またはチューブの組成物の約0.1重量%未満であることを意味する。
【0027】
可塑剤は、材料、例えばポリマー材料の可塑性を高めるか、または粘度を低下させる添加剤である。本明細書で使用される場合、可塑剤は、ポリマー材料の可撓性を高め、ハーネスを減らすためにポリマー材料に含めることができる添加剤である。このような可塑剤としては、限定されないが、低分子量エステル、例えば脂肪族エステルおよび芳香族エステル、シトラート、ジベンゾアート、グルテラート、アゼラート、テレフタラート、トリメリット酸トリアルキルが挙げられる。脂肪族エステルとしては、例えば、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、例えばアジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHA)、アゼライン酸ジ(2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル(DOS)、クエン酸エステル、例えばクエン酸アセチルトリ-n-ブチル(ATBC)およびクエン酸n-ブチリル-トリ-n-ヘキシル(BTHC)、クエン酸アセチルトリ-n-ヘキシル(ATHC)、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル(DINCH)などが挙げられる。芳香族エステルとしては、例えば、テレフタル酸エステル、例えばテレフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHT)、フタル酸エステル、例えばフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ビス(2-プロピルヘプチル(DPHP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(TOTM)が挙げられる。このような可塑剤は、本開示の医療用チューブまたはその層から、完全に除かれないにしても、好ましくは実質的に除かれる。医療用チューブまたはその層から実質的に除かれるとは、層またはチューブの組成物の約0.1重量%未満であることを意味する。
【0028】
本開示の医療用チューブは、良好な溶剤接着性を有することができる。このような接着性の指標は、チューブを部品または他のチューブに溶剤接着するのに使用することができる所与の溶剤中で、チューブが膨潤することである。
【0029】
本開示のチューブは、患者に静脈内流体を輸送するための静脈内アセンブリ、重力式容器、および/または輸液ポンプと共に特に有用である。流体容器を患者に静脈内接続するチューブ、バルブ、フィッティング、および針のアセンブリは、「IVセット」とも呼ばれることがある。
【0030】
輸液ポンプは、静脈内(IV)流体の投与に使用され得る医療用デバイスである。輸液ポンプは、このようなIV流体の送達のための容積および速度を制御しながら、IV流体の送達を容易にすることができる。一部の輸液ポンプは、可撓性チューブを圧縮し解放してチューブ内で強制的に流体を移動させる蠕動ポンプ機構を使用して、チューブ内で流体を移動させる。IVセットおよび/または輸液ポンプを含む用途で使用するために、本開示のチューブは、流体の流れのための内径が約1.5mm~約6mm、例えば約2mm~4mmの範囲であることができ、側壁の全厚が0.2mm~0.8mm、例えば0.4mm~0.6mmの範囲であることができる。
【0031】
本技術はまた、医療用チューブまたはその層を形成するために使用することができる組成物の溶融ブレンドを調製することに関する。一態様では、医療用チューブは、(i)熱可塑性材料、(ii)非シラン反応性充填剤、および(iii)熱反応性カップリングを十分な熱を伴って混ぜ合わせて溶融ブレンド組成物を形成することによって調製することができる。このような溶融ブレンド組成物は、押出機、例えば二軸押出機によって調製することができる。形成された溶融ブレンド組成物は、直接押出成形して医療用チューブとすることができる。あるいは、形成された溶融ブレンド組成物は、貯蔵または輸送のために適切な形態にペレット化または押出成形することができる。その後、押出成形されたペレットまたは他の形態を押出成形して医療用チューブとすることができる。
【0032】
例えば、熱可塑性ポリマー材料、充填剤、および熱反応性カップリング剤を二軸押出機で混合して、混ぜ合わせられたチューブ組成物を形成することができ、次いで、これを直接押出成形してチューブとするか、ペレット化した後に単軸押出機などでチューブに加工することができる。
例
【0033】
以下の例は、本発明の特定の好ましい実施形態をさらに例示することを意図しており、本質的に限定するものではない。当業者であれば、日常的な実験のみを用いて、本明細書に記載される具体的な物質および手順に対する多くの等価物を認識するか、または確認することができるであろう。
【0034】
以下の成分:熱可塑性エラストマー(SEBS/PP)、充填剤、およびカップリング剤を混合することによって、いくつかの配合物を調製した。充填剤およびカップリング剤を有する熱可塑性材料、例えば配合物を
図1の表に示す。表には対照配合物も含まれる。次いで、配合物を二軸押出機で混ぜ合わせることによって溶融ブレンドしてペレットの形態とし、続いてペレットを単軸押出機によって押出成形して、約0.145インチの外径および約0.107インチの内径を有する医療用チューブとした。次いで、押出成形された医療用チューブを溶剤で試験して、それらの膨潤性を測定した。膨潤研究により、押出チューブがジブロモメタン、シクロヘキサノン、エチレンジクロリド中で膨潤したことが示された。医療用デバイスに適した溶剤中で膨潤することは、溶剤接着適合性のために望ましい。膨潤しない材料は、代替の接着技術を必要とする。
【0035】
加えて、充填剤を含む押出チューブ配合物の膨潤は、充填剤を含まない対照と比べて増大した。このことは、熱可塑性材料への溶剤の拡散が増加したことや、材料の溶剤接着が潜在的に増大したことを示唆している。充填剤を含む押出チューブ配合物の膨潤が、充填剤を含まない対照と比べて増大したことは、予想されなかった。
【0036】
選択された有機溶剤との接着性または相互作用を充填剤が増大させることは予想されなかったので、このことは予想外であった。充填剤は不活性であり、耐薬品性であることが知られている。例えば、炭酸カルシウム(CaCO3)は強酸で溶解させることができる、マイカは、すべてのケイ酸塩と同様に、高温濃縮アルカリによってゆっくりと溶解させることができる。それ以外は、このような充填剤がエタノールなどの有機溶剤と相互作用することは知られていない。したがって、選択された有機溶剤中で加熱せずに膨潤することや、その変化が、ポリマー中に存在する充填剤の%が小さかったにもかかわらず検出されたことは、すべて驚くべきことであった。
【0037】
押出チューブをキンク分析に供した。キンク分析はEN13868の規格で行った。(Test methods for kinking of single lumen catheters and medical tubing(単管腔カテーテルおよび医療用チューブのキンクの試験方法)-キンク特性は臨床使用の準備ができたデバイスに関するものであるため、この規格は、単管腔カテーテルおよび医療用チューブのキンク特性の試験方法を規定している。この規格の目的は、チューブのキンク特性の評価における均一性を保証することである。)補正されたキンクの結果を、図に示すような典型的なPVCチューブについて
図2に与える。
図3は、
図1の表の配合物を用いたいくつかの押出成形された医療用チューブの、壁厚の計算値に対するインチ単位の補正キンク距離のプロットを示す。
図3には、充填剤およびカップリング剤を含まない対照熱可塑性材料のキンク距離値についての三角形も示されている。
【0038】
結果は、チューブの設計がチューブの補正キンク距離に影響を及ぼすことを示しているが、充填剤およびカップリング剤と共にTPEを有する配合物は、PVCと同様の補正キンク距離の結果を示す。
【0039】
外径0.145インチ×壁厚(WT)0.019インチのチューブの寸法について、本発明者らの測定によると、TPEの耐キンク性は0.86インチ~0.97インチであるが、競合するPVCチューブの結果は0.79~0.93インチである(
図2)。
図3は壁厚の影響を示しており、したがって、0.0190+/-0.002インチの目標壁厚のTPEチューブは、0.89インチ~0.95インチの範囲の耐キンク性を与え、これは、測定誤差内でPVCチューブ配合物と同様のキンク特性となる。
【0040】
押出チューブをさらに電子線照射に供したところ、暫定的な結果では、押出チューブの良好な電子線照射安定性が示された。
【0041】
PVCに匹敵する溶剤接着が可能であると同時にPVCに匹敵する耐キンク性を与えることができる熱可塑性材料を特定することは、大きな課題である。
図3に共有されるデータは、本明細書に開示されるTPE配合物が、耐キンク特性に関して、試験方法の予想される測定誤差内でPVCに匹敵することを示している。膨潤データは、特定の配合物の属性が、使用時にこのような添加剤を含まないTPEと比べて、TPEの改善された接着特性を与えることを示した。
【0042】
開示されたプロセスの方法において、ブロックのあらゆる具体的な順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。設計または実装の選好に基づいて、プロセスにおけるブロックの具体的な順序または階層が並べ替えられ得ること、あるいはすべての図示されたブロックが実施され得ることが理解される。いくつかの実装形態では、ブロックのいずれかが同時に実施され得る。
【0043】
本開示は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施することを可能にするために提供される。本開示は、本技術の様々な例を与えるが、本技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様にも適用され得る。
【0044】
単数形の要素への言及は、特に明記しない限り「唯一の」を意味するものではなく、「1つ以上の」を意味するものである。特に明記しない限り、「いくつかの」という用語は、1つ以上を指す。男性の代名詞(例えば、his)には、女性および中性の性別(例えば、herおよびits)が含まれ、逆もまた同様である。見出しおよび小見出しがある場合、それらは便宜上使用されているにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0045】
「例示的」という用語は、本明細書では「例または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として記載される態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈すべきではない。一態様では、本明細書に記載の様々な代替の構成および動作は、少なくとも同等であると見なされ得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、一連の項目の前の「の少なくとも1つ」という語句は、項目のうちいずれかを分離するための「または」という用語と共に、列挙された各項目ではなく列挙全体を修飾する。「の少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を必要とするのではない。そうではなく、この語句は、項目のうちいずれか1つのうち少なくとも1つ、および/または項目の任意の組み合わせのうち少なくとも1つ、および/または項目の各々のうち少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、またはCのみを指し得るか、あるいはA、B、およびCの任意の組み合わせを指し得る。
【0047】
「態様」などの語句は、このような態様が本技術に必須であること、またはこのような態様が本技術のすべての構成に適用されることを意味しない。1つの態様に関する開示は、すべての構成に適用され得るか、または1つ以上の構成に適用され得る。1つの態様は、1つ以上の例を与え得る。1つの態様などの語句は、1つ以上の態様を指し得るが、逆もまた同様である。「実施形態」などの語句は、このような実施形態が本技術に必須であること、またはこのような実施形態が本技術のすべての構成に適用されることを意味しない。1つの実施形態に関する開示は、すべての実施形態に適用され得るか、または1つ以上の実施形態に適用され得る。1つの実施形態は、1つ以上の例を与え得る。1つの実施形態などの語句は、1つ以上の実施形態を指し得るが、逆もまた同様である。「構成」などの語句は、このような構成が本技術に必須であること、またはこのような構成が本技術のすべての構成に適用されることを意味しない。1つの構成に関する開示は、すべての構成に適用され得るか、または1つ以上の構成に適用され得る。1つの構成は、1つ以上の例を与え得る。構成という語句は、1つ以上の構成を指し得るが、逆もまた同様である。
【0048】
一態様では、特に明記しない限り、以下の請求項を含めて本明細書に記載されるすべての測定値、値、格付け、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、近似的であり厳密なものではない。一態様では、それらの仕様は、該仕様が関連する機能、および該仕様が関連する技術分野で慣用的なものと調和した合理的な範囲を有することが意図される。
【0049】
開示された工程、動作、またはプロセスの具体的な順序または階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。設計の選好に基づいて、工程、動作、またはプロセスの具体的な順序または階層が並べ替えられ得ることが理解される。工程、動作、またはプロセスのいくつかは、同時に実施され得る。工程、動作、またはプロセスの一部またはすべては、ユーザの介入なしに自動的に実施され得る。添付の方法クレームは、もしあれば、様々な工程、動作、またはプロセスの要素を見本としての順序で提示しており、提示された具体的な順序または階層に限定されることを意図するものではない。
【0050】
当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して記載される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、請求項に包含されることが意図される。さらに、本明細書に開示される内容はいずれも、このような開示が請求項に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供されたものであることを意図していない。請求項のいかなる要素も、その要素が「のための手段」という語句を用いて明示的に記載されていない限り、または方法クレームの場合、その要素が「する工程」という語句を用いて記載されていない限り、35 U.S.C.§112(f)の規定に基づいて解釈すべきではない。さらに、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が使用される限りにおいて、このような用語は、「含む(comprise)」が請求項において移行句として使用される場合に解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0051】
本開示の表題、背景技術、概要、図面の簡単な説明、および要約は、本開示に組み込まれ、限定的な説明としてではなく、本開示の例示的な例として与えられる。これらは、請求項の範囲または意味を限定するために使用されないという理解で提出される。さらに、詳細な説明では、説明が例示的な例を与え、また、様々な特徴が、本開示を簡素化する目的で様々な実施形態において群にまとめられていることが分かる。この開示方法は、特許請求される主題が、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものであると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された構成または動作のすべての特徴よりも少ない特徴に存する。以下の請求項は、詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個に特許請求される主題として独立している。
【0052】
請求項は、本明細書に記載された態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言に合致する全範囲が与えられ、すべての法的等価物を包含するものとする。それにもかかわらず、請求項のいずれも、35 U.S.C.§101、102、または103の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、そのように解釈されるべきでもない。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層医療用チューブであって、
ポリオレフィンを含む内層と、
(i)熱可塑性材料、(ii)非シラン反応性充填剤、および(iii)熱反応性カップリング剤の溶融ブレンドから調製された組成物を有する少なくとも1つの外層と
を含み、
同じチューブ壁寸法を有するポリ塩化ビニルで構成された医療用チューブに匹敵する耐キンク性を有する、多層医療用チューブ。
【請求項2】
前記層がポリ塩化ビニルを実質的に含まない、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項3】
前記熱可塑性材料が、1つ以上の熱可塑性エラストマーを含む、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項4】
前記熱可塑性材料が、医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して1重量%~約99重量%を構成する、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項5】
前記充填剤が、シリカ、ガラスビーズ、金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、金属酸化物、カーボンブラック、マイカ、または霞石閃長岩のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項6】
前記充填剤が、多層医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.1重量%~約5重量%を構成する、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項7】
前記熱反応性カップリング剤が、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファトジルコナート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファートチタナートのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項8】
前記熱反応性カップリング剤が、多層医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.5重量%~約20重量%を構成する、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項9】
約0.01~約0.025インチの壁厚、および約0.70インチ~約1.1インチの範囲の耐キンク性を有する、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項10】
溶剤接着を施すことができる、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項11】
医療用コネクタに結合された請求項10に記載の多層医療用チューブを含む輸液セット。
【請求項12】
2つ以上の管腔を含む、請求項1に記載の多層医療用チューブ。
【請求項13】
請求項1のいずれか一項に記載の多層医療用チューブを調製する方法であって、
(i)熱可塑性材料、(ii)充填剤、および(iii)熱反応性カップリング剤を十分な熱を伴って混ぜ合わせて溶融ブレンド組成物を形成すること、および
前記溶融ブレンド組成物を押出成形して前記多層医療用チューブとすること
を含む、方法。
【請求項14】
前記熱可塑性材料が、実質的に、可塑剤を含まないか、またはポリ塩化ビニルを含まない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記熱可塑性材料が、1つ以上の熱可塑性エラストマーを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記充填剤が、シリカ、ガラスビーズ、金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、金属酸化物、カーボンブラック、マイカ、または霞石閃長岩のうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記充填剤が、多層医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.1重量%~約5重量%を構成する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記熱反応性カップリング剤が、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファトジルコナート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリ(ジオクチル)ホスファートチタナートのうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記熱反応性カップリング剤が、多層医療用チューブ組成物のうち、前記組成物の総重量に対して0.5重量%~約20重量%を構成する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記多層医療用チューブが、約0.01~約0.025インチの壁厚、および約0.70インチ~約1.1インチの範囲の耐キンク性を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
多層医療用チューブを形成することをさらに含み、前記多層医療用チューブにおいて、ポリオレフィンを含む内層が最内層を形成する、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】