(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】三相LLC回路に用いられる電力拡張装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
H02M3/28 W
H02M3/28 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527190
(86)(22)【出願日】2023-12-04
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2023136218
(87)【国際公開番号】W WO2024120349
(87)【国際公開日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】202211557940.1
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524171389
【氏名又は名称】深▲せん▼市優優緑能股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】郭暁亮
(72)【発明者】
【氏名】柏建国
(72)【発明者】
【氏名】万正海
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼礼寛
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA15
5H730BB27
5H730BB66
5H730BB82
5H730BB85
5H730DD03
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE04
5H730EE07
(57)【要約】
本発明は、第1~第2フルブリッジスイッチネットワーク、第1~第2共振ネットワーク、第1~第2変圧器ネットワーク及び第1~第2整流ネットワークを含む、三相LLC回路に用いられる電力拡張装置に関する。該第1変圧器ネットワークの1次側は順番に該第1共振ネットワーク及び該第1フルブリッジスイッチネットワークを介して入力電圧と接続され、2次側は該第1整流ネットワークを介して負荷と接続される。該第2変圧器ネットワークの1次側は順番に該第2共振ネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークを介して入力電圧と接続され、2次側は該第2整流ネットワークを介して負荷と接続される。該第1~第2変圧器ネットワークは、それぞれ3つの変圧器ユニットを含む。該第1変圧器ネットワークにおける任意の2つの変圧器ユニットの2次側は、該第2変圧器ネットワークにおける任意の1つの変圧器ユニットの2次側とスター接続される。本発明は低コストでの製造実施に都合がよく、出力電力を高め、広範囲出力を実現することができ、電圧バランス及び/又は電流バランスの問題を解決する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フルブリッジスイッチネットワーク、第2フルブリッジスイッチネットワーク、第1共振ネットワーク、第2共振ネットワーク、第1変圧器ネットワーク、第2変圧器ネットワーク、第1整流ネットワーク及び第2整流ネットワークを含み;
前記第1変圧器ネットワークの1次側が順番に前記第1共振ネットワーク及び前記第1フルブリッジスイッチネットワークを介して入力電圧と接続され、2次側が前記第1整流ネットワークを介して負荷と接続され;前記第2変圧器ネットワークの1次側が順番に前記第2共振ネットワーク及び前記第2フルブリッジスイッチネットワークを介して前記入力電圧と接続され、2次側が前記第2整流ネットワークを介して前記負荷と接続され;
前記第1変圧器ネットワークが第1変圧器ユニット、第2変圧器ユニット及び第3変圧器ユニットを含み、前記第2変圧器ネットワークが第4変圧器ユニット、第5変圧器ユニット及び第6変圧器ユニットを含み;
前記第1変圧器ネットワークにおける任意の2つの変圧器ユニットの2次側が、前記第2変圧器ネットワークにおける任意の1つの変圧器ユニットの2次側とスター接続され;
前記第1フルブリッジスイッチネットワークが第1フルブリッジスイッチユニット、第2フルブリッジスイッチユニット及び第3フルブリッジスイッチユニットを含み、前記第1共振ネットワークが第1共振ユニット、第2共振ユニット及び第3共振ユニットを含み、前記第1整流ネットワークが第1整流ユニット、第2整流ユニット及び第3整流ユニットを含み;前記第2フルブリッジスイッチネットワークが第4フルブリッジスイッチユニット、第5フルブリッジスイッチユニット及び第6フルブリッジスイッチユニットを含み、前記第2共振ネットワークが第4共振ユニット、第5共振ユニット及び第6共振ユニットを含み、前記第2整流ネットワークが第4整流ユニット、第5整流ユニット及び第6整流ユニットを含み;前記第1変圧器ユニットが第1変圧器及び第2変圧器を含み、前記第2変圧器ユニットが第3変圧器及び第4変圧器を含み、前記第3変圧器ユニットが第5変圧器及び第6変圧器を含み、前記第4変圧器ユニットが第7変圧器及び第8変圧器を含み、第5変圧器ユニットが第9変圧器及び第10変圧器を含み、第6変圧器ユニットが第11変圧器及び第12変圧器を含み;
前記第1変圧器の1次側の第1端が前記第1共振ユニットを介して前記第1フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端が前記第2変圧器の1次側の第1端と接続され、前記第2変圧器の1次側の第2端が前記第1フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続され、前記第3変圧器の1次側の第1端が前記第2共振ユニットを介して前記第2フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端が前記第4変圧器の1次側の第1端と接続され、前記第4変圧器の1次側の第2端が前記第2フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続され、前記第5変圧器の1次側の第1端が前記第3共振ユニットを介して前記第3フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端が前記第6変圧器の1次側の第1端と接続され、前記第6変圧器の1次側の第2端が前記第3フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続され;前記第7変圧器の1次側の第1端が前記第4共振ユニットを介して前記第4フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端が前記第8変圧器の1次側の第1端と接続され、前記第8変圧器の1次側の第2端が前記第4フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続され、前記第9変圧器の1次側の第1端が前記第5共振ユニットを介して前記第5フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端が前記第10変圧器の1次側の第1端と接続され、前記第10変圧器の1次側の第2端が前記第5フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続され、前記第11変圧器の1次側の第1端が前記第6共振ユニットを介して前記第6フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端が前記第12変圧器の1次側の第1端と接続され、前記第12変圧器の1次側の第2端が前記第6フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続され;
前記第1変圧器の2次側の第1端が前記第1整流ユニットの第1端と接続され、前記第2変圧器の2次側の第1端が前記第1整流ユニットの第2端と接続され、前記第3変圧器の2次側の第1端が前記第2整流ユニットの第1端と接続され、前記第4変圧器の2次側の第1端が前記第2整流ユニットの第2端と接続され、前記第5変圧器の2次側の第1端が前記第4整流ユニットの第1端と接続され、前記第6変圧器の2次側の第1端が前記第4整流ユニットの第2端と接続され、前記第7変圧器の2次側の第1端が前記第3整流ユニットの第1端と接続され、前記第8変圧器の2次側の第1端が前記第3整流ユニットの第2端と接続され、前記第9変圧器の2次側の第1端が前記第5整流ユニットの第1端と接続され、前記第10変圧器の2次側の第1端が前記第5整流ユニットの第2端と接続され、前記第11変圧器の2次側の第1端が前記第6整流ユニットの第1端と接続され、前記第12変圧器の2次側の第1端が前記第6整流ユニットの第2端と接続され;
前記第1変圧器の2次側の第2端が前記第3変圧器の2次側の第2端及び前記第7変圧器の2次側の第2端と接続され、前記第2変圧器の2次側の第2端が前記第4変圧器の2次側の第2端及び前記第8変圧器の2次側の第2端と接続され、前記第5変圧器の2次側の第2端が前記第9変圧器の2次側の第2端及び前記第11変圧器の2次側の第2端と接続され、前記第6変圧器の2次側の第2端が前記第10変圧器の2次側の第2端及び前記第12変圧器の2次側の第2端と接続されることを特徴とする、三相LLC回路に用いられる電力拡張装置。
【請求項2】
前記第1フルブリッジスイッチネットワーク及び前記第2フルブリッジスイッチネットワークが第1入力端子及び第2入力端子の間に直列接続され;前記第1整流ネットワーク及び前記第2整流ネットワークが第1出力端子及び第2出力端子の間に並列接続されることを特徴とする、請求項1に記載の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置。
【請求項3】
前記第1フルブリッジスイッチネットワーク及び前記第2フルブリッジスイッチネットワークが第1入力端子及び第2入力端子の間に並列接続され;前記第1整流ネットワーク及び前記第2整流ネットワークが第1出力端子及び第2出力端子の間に並列接続されることを特徴とする、請求項1に記載の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置。
【請求項4】
前記第1フルブリッジスイッチネットワーク及び前記第2フルブリッジスイッチネットワークが第1入力端子及び第2入力端子の間に並列接続され;前記第1整流ネットワーク及び前記第2整流ネットワークが第1出力端子及び第2出力端子の間に直列接続されることを特徴とする、請求項1に記載の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置。
【請求項5】
前記第1フルブリッジスイッチネットワーク及び前記第2フルブリッジスイッチネットワークが第1入力端子及び第2入力端子の間に直列接続され;前記第1整流ネットワーク及び前記第2整流ネットワークが第1出力端子及び第2出力端子の間に直列接続されることを特徴とする、請求項1に記載の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新エネルギの分野に関し、より具体的に、三相LLC回路に用いられる電力拡張装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新エネルギ自動車、特に電気自動車は、最近空前の発展をしている。電気自動車の充電の需要を満たすために、充電スタンドにおける充電モジュールの電力及び信頼性に対する要求は日ごとに増加している。既存の充電モジュールは通常LLCトポロジー回路を採用している。しかしながら、高電力アプリケーションの条件では、複数のLLC回路をインターリーブする必要があり、これにより出力電力を高め、出力リップルを減らす。しかしながらLLC回路は共振パラメータのばらつきの影響により、異なるLLC回路の間に一定の電流アンバランス又は電圧アンバランスの問題が存在する。
【0003】
従って、LLCトポロジー回路に対して変更が少なく、低コストでの製造及び実施に都合がよく、同時に出力電力を高め、広範囲出力を実現することができ、電圧バランス及び/又は電流バランスの問題を解決することもできる、三相LLC回路に用いられる電力拡張装置が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、既存技術の上記欠点に対し、LLCトポロジー回路に対して変更が少なく、低コストでの製造及び実施に都合がよく、同時に出力電力を高め、広範囲出力を実現することができ、電圧バランス及び/又は電流バランスの問題を解決することもできる、三相LCC回路に用いられる電力拡張装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明がその技術的課題を解決するために採用した技術案は以下の通りである。三相LLC回路に用いられる電力拡張装置の構成は、第1フルブリッジスイッチネットワーク、第2フルブリッジスイッチネットワーク、第1共振ネットワーク、第2共振ネットワーク、第1変圧器ネットワーク、第2変圧器ネットワーク、第1整流ネットワーク及び第2整流ネットワークを含む。該第1変圧器ネットワークの1次側は順番に該第1共振ネットワーク及び該第1フルブリッジスイッチネットワークを介して入力電圧と接続され、2次側は該第1整流ネットワークを介して負荷と接続される。該第2変圧器ネットワークの1次側は順番に該第2共振ネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークを介して該入力電圧と接続され、2次側は該第2整流ネットワークを介して該負荷と接続される。
【0006】
該第1変圧器ネットワークは第1変圧器ユニット、第2変圧器ユニット及び第3変圧器ユニットを含み、該第2変圧器ネットワークは第4変圧器ユニット、第5変圧器ユニット及び第6変圧器ユニットを含む。該第1変圧器ネットワークにおける任意の2つの変圧器ユニットの2次側は、該第2変圧器ネットワークにおける任意の1つの変圧器ユニットの2次側とスター接続される。該第1フルブリッジスイッチネットワークは第1フルブリッジスイッチユニット、第2フルブリッジスイッチユニット及び第3フルブリッジスイッチユニットを含み、該第1共振ネットワークは第1共振ユニット、第2共振ユニット及び第3共振ユニットを含み、該第1整流ネットワークは第1整流ユニット、第2整流ユニット及び第3整流ユニットを含む。該第2フルブリッジスイッチネットワークは第4フルブリッジスイッチユニット、第5フルブリッジスイッチユニット及び第6フルブリッジスイッチユニットを含み、該第2共振ネットワークは第4共振ユニット、第5共振ユニット及び第6共振ユニットを含み、該第2整流ネットワークは第4整流ユニット、第5整流ユニット及び第6整流ユニットを含む。該第1変圧器ユニットは第1変圧器及び第2変圧器を含み、該第2変圧器ユニットは第3変圧器及び第4変圧器を含み、該第3変圧器ユニットは第5変圧器及び第6変圧器を含み、該第4変圧器ユニットは第7変圧器及び第8変圧器を含み、第5変圧器ユニットは第9変圧器及び第10変圧器を含み、第6変圧器ユニットは第11変圧器及び第12変圧器を含む。
【0007】
該第1変圧器の1次側の第1端は該第1共振ユニットを介して該第1フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該第2変圧器の1次側の第1端と接続され、該第2変圧器の1次側の第2端は該第1フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該第3変圧器の1次側の第1端は該第2共振ユニットを介して該第2フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該第4変圧器の1次側の第1端と接続され、該第4変圧器の1次側の第2端は該第2フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該第5変圧器の1次側の第1端は該第3共振ユニットを介して該第3フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該第6変圧器の1次側の第1端と接続され、該第6変圧器の1次側の第2端は該第3フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該第7変圧器の1次側の第1端は該第4共振ユニットを介して該第4フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該第8変圧器の1次側の第1端と接続され、該第8変圧器の1次側の第2端は該第4フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該第9変圧器の1次側の第1端は該第5共振ユニットを介して該第5フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該第10変圧器の1次側の第1端と接続され、該第10変圧器の1次側の第2端は該第5フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該第11変圧器の1次側の第1端は該第6共振ユニットを介して該第6フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該第12変圧器の1次側の第1端と接続され、該第12変圧器の1次側の第2端は該第6フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。
【0008】
該第1変圧器の2次側の第1端は該第1整流ユニットの第1端と接続され、該第2変圧器の2次側の第1端は該第1整流ユニットの第2端と接続される。該第3変圧器の2次側の第1端は該第2整流ユニットの第1端と接続され、該第4変圧器の2次側の第1端は該第2整流ユニットの第2端と接続される。該第5変圧器の2次側の第1端は該第4整流ユニットの第1端と接続され、該第6変圧器の2次側の第1端は該第4整流ユニットの第2端と接続される。該第7変圧器の2次側の第1端は該第3整流ユニットの第1端と接続され、該第8変圧器の2次側の第1端は該第3整流ユニットの第2端と接続される。該第9変圧器の2次側の第1端は該第5整流ユニットの第1端と接続され、該第10変圧器の2次側の第1端は該第5整流ユニットの第2端と接続される。該第11変圧器の2次側の第1端は該第6整流ユニットの第1端と接続され、該第12変圧器の2次側の第1端は該第6整流ユニットの第2端と接続される。
【0009】
該第1変圧器の2次側の第2端は該第3変圧器の2次側の第2端及び該第7変圧器の2次側の第2端と接続され、該第2変圧器の2次側の第2端は該第4変圧器の2次側の第2端及び該第8変圧器の2次側の第2端と接続される。該第5変圧器の2次側の第2端は該第9変圧器の2次側の第2端及び該第11変圧器の2次側の第2端と接続され、該第6変圧器の2次側の第2端は該第10変圧器の2次側の第2端及び該第12変圧器の2次側の第2端と接続される。
【0010】
好ましくは、該第1フルブリッジスイッチネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークは、第1入力端子及び第2入力端子の間に直列接続される。該第1整流ネットワーク及び該第2整流ネットワークは、第1出力端子及び第2出力端子の間に並列接続される。
【0011】
好ましくは、該第1フルブリッジスイッチネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークは、第1入力端子及び第2入力端子の間に並列接続される。該第1整流ネットワーク及び該第2整流ネットワークは、第1出力端子及び第2出力端子の間に並列接続される。
【0012】
好ましくは、該第1フルブリッジスイッチネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークは、第1入力端子及び第2入力端子の間に並列接続される。該第1整流ネットワーク及び該第2整流ネットワークは、第1出力端子及び第2出力端子の間に直列接続される。
【0013】
好ましくは、該第1フルブリッジスイッチネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークは、第1入力端子及び第2入力端子の間に直列接続される。該第1整流ネットワーク及び該第2整流ネットワークは、第1出力端子及び第2出力端子の間に直列接続される。
【発明の効果】
【0014】
該三相LLC回路の電力拡張装置は、一方では常用されるLLCハーフブリッジインターリーブトポロジー構造に対して過度な調整又は変更を行うことはないため、低コストでの製造及び実施に都合がよく、同時に出力電力を拡張することもでき、出力電力を高めて、広範囲出力を実現するのに適している。他方では6つの共振タンクが直列接続のときの自己電圧バランス、並列接続のときの自己電流バランスの効果を達成することができ、信頼性を高めた。
【0015】
以下、図及び実施例を組み合わせて、本発明についてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、常用されるLLCハーフブリッジインターリーブトポロジー構造を示している。
【
図2】
図2は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第1の好ましい実施例の原理ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第2の好ましい実施例の回路図である。
【
図4】
図4は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第3の好ましい実施例の回路図である。
【
図5】
図5は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第4の好ましい実施例の回路図である。
【
図6】
図6は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第5の好ましい実施例の回路図である。
【
図7】
図7は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第6の好ましい実施例の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確に理解できるようにするため、以下、図及び実施例を組み合わせて、本発明についてさらに詳細に説明する。ここで記載する具体的な実施例は本発明を説明するのに用いたに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解するべきである。
【0018】
図1は、常用されるLLCハーフブリッジインターリーブトポロジー構造を示している。
図1に示すように、該トポロジー構造において、変圧器の1次側及び2次側の巻線はそれぞれスター接続法(Y接続法とも呼ばれる)が採用される。該構造は比較的好ましい電流バランス、電圧バランス効果を得ることもできるが、直接これを超高電力に拡張する場合、変圧器の巻線の配線は非常に複雑になり、実現が難しい。さらにハーフブリッジ構造を広出力電圧範囲で実際に利用するのは、設計上の困難をもたらす。
【0019】
本発明は、これを基に三相LLC回路に用いられる電力拡張装置を示す。
図1に示すLLCハーフブリッジインターリーブトポロジー構造を基に、第1フルブリッジスイッチネットワーク、第2フルブリッジスイッチネットワーク、第1共振ネットワーク、第2共振ネットワーク、第1変圧器ネットワーク、第2変圧器ネットワーク、第1整流ネットワーク及び第2整流ネットワークを含む、三相フルブリッジインターリーブの構造を示している。該第1変圧器ネットワークの1次側は順番に該第1共振ネットワーク及び該第1フルブリッジスイッチネットワークを介して入力電圧と接続され、2次側は該第1整流ネットワークを介して負荷と接続される。該第2変圧器ネットワークの1次側は順番に該第2共振ネットワーク及び該第2フルブリッジスイッチネットワークを介して該入力電圧と接続され、2次側は該第2整流ネットワークを介して該負荷と接続される。該第1変圧器ネットワークは第1変圧器ユニット、第2変圧器ユニット及び第3変圧器ユニットを含み、該第2変圧器ネットワークは第4変圧器ユニット、第5変圧器ユニット及び第6変圧器ユニットを含む。該第1変圧器ネットワークにおける任意の2つの変圧器ユニットの2次側は、該第2変圧器ネットワークにおける任意の1つの変圧器ユニットの2次側とスター接続される。
【0020】
該三相LLC回路の電力拡張装置は、一方では常用されるLLCハーフブリッジインターリーブトポロジー構造に対して過度な調整又は変更を行うことはないため、低コストでの製造及び実施に都合がよく、同時に出力電力を拡張することもでき、出力電力を高めて、広範囲出力を実現するのに適している。他方では6つの共振タンクが直列接続するときの自己電圧バランス、並列接続するときの自己電流バランスの効果を達成することができ、信頼性を高めた。
【0021】
図2は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第1の好ましい実施例の原理ブロック図である。
図2に示すように、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置は、フルブリッジスイッチネットワーク101、フルブリッジスイッチネットワーク201、共振ネットワーク102、共振ネットワーク202、変圧器ネットワーク103、変圧器ネットワーク203、整流ネットワーク104及び整流ネットワーク204を含む。該変圧器ネットワーク103の1次側は順番に該共振ネットワーク102及び該フルブリッジスイッチネットワーク101を介して入力電圧Uinと接続され、2次側は該整流ネットワーク104を介して負荷500と接続される。該変圧器ネットワーク203の1次側は順番に該共振ネットワーク202及び該フルブリッジスイッチネットワーク201を介して該入力電圧Uinと接続され、2次側は該整流ネットワーク204を介して該負荷500と接続される。
図2に示す好ましい実施例において、該入力電圧Uinは入力キャパシタC1の両端の電圧でよく、該入力キャパシタC1の両端は第1入力端子及び第2入力端子であり、該負荷500の両端は第1出力端子及び第2出力端子である。
【0022】
該変圧器ネットワーク103は第1変圧器ユニット、第2変圧器ユニット及び第3変圧器ユニットを含み、該変圧器ネットワーク203は第4変圧器ユニット、第5変圧器ユニット及び第6変圧器ユニットを含む。各変圧器ユニットは1つの変圧器、又は1次側の巻線が直列接続された2つの変圧器、又は1次側の巻線が直列接続された複数の変圧器を含むことができる。該変圧器ネットワーク103における任意の2つの変圧器ユニットの2次側は、該変圧器ネットワーク203における任意の1つの変圧器ユニットの2次側とスター接続される。例えば、該第1変圧器ユニット、第2変圧器ユニットの2次側が該第4変圧器ユニットの2次側とスター接続され、及び/又は該第3変圧器ユニット、第5変圧器ユニットの2次側が該第6変圧器ユニットの2次側とスター接続される。当然、その他の適した接続方式を採用することもでき、該変圧器ネットワーク103における任意の2つの変圧器ユニットの2次側が、該変圧器ネットワーク203における任意の1つの変圧器ユニットの2次側とスター接続されることを満たすことができればよい。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は、第1入力端子及び第2入力端子の間に直列接続されることができ;該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は第1出力端子及び第2出力端子の間に並列接続される。本発明のもう1つの好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は第1入力端子及び第2入力端子の間に並列接続され;該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は第1出力端子及び第2出力端子の間に並列接続される。本発明の別の好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は第1入力端子及び第2入力端子の間に並列接続され;該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は第1出力端子及び第2出力端子の間に直列接続される。本発明の別の好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は第1入力端子及び第2入力端子の間に直列接続され;該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は第1出力端子及び第2出力端子の間に直列接続される。
【0024】
本発明の好ましい実施例において、該第1変圧器ユニット~該第6変圧器ユニットはそれぞれ第1変圧器~第6変圧器を含む。すなわち、該変圧器ネットワーク103及び203はそれぞれ3つの変圧器を含む。従って、対応して、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び102はそれぞれ三相フルブリッジスイッチユニット、すなわち3つのフルブリッジスイッチユニットを含むことができる。該共振ネットワーク102及び202はそれぞれ三相共振ユニット、すなわち3つの共振ユニットを含むことができる。該整流ネットワーク104及び204はそれぞれ三相整流ユニット、すなわち3つの整流ユニットを含み、各整流ユニットは2つの整流ダイオードを含む。本発明のもう1つの好ましい実施例において、該第1変圧器ユニット~該第6変圧器ユニットはそれぞれ1次側が直列接続された2つの変圧器を含む。すなわち、該変圧器ネットワーク103及び203はそれぞれ6つの変圧器を含む。従って、対応して、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び102はそれぞれ三相フルブリッジスイッチユニット、すなわち3つのフルブリッジスイッチユニットを含むことができる。該共振ネットワーク102及び202はそれぞれ三相共振ユニット、すなわち3つの共振ユニットを含むことができる。該整流ネットワーク104及び204はそれぞれ三相整流ユニット、すなわち3つの整流ユニットを含み、各整流ユニットは4つの整流ダイオードを含む。
【0025】
既存の変圧器ユニットの2次側は同一の共振ネットワーク上でスター接続されるが、本発明はこれを創造的に最適化して、1つの三相共振ネットワークにおける任意の2つの変圧器ユニットの2次側が、もう1つの三相共振ネットワークにおける任意の1つの変圧器の2次側とスター接続されるようにした。これにより2つの共振ネットワーク間の相互接続を形成し、このように入力及び出力がそれぞれ直列並列接続されたとき、ハードウェアの電圧バランス及び電流バランスを達成することができる。ここで言及したスター接続方法は業界で一般的な呼び名であり、Y接続とも呼ばれ、変圧器の2次側の巻線及び整流回路間の接続方式であり、電線を延ばした後に現れる1つの形状である。さらに、本発明が提供する構想は、変圧器の数量に基づいて拡張することができ、変圧器を拡張すると、変圧器の設計はより容易になり、レイアウトは便利であり、整流ネットワークのスイッチ素子の選択もより容易である。
【0026】
図3は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第2の好ましい実施例の回路図である。
図3が示すのは、2つの共振ネットワークの入力が直列接続され、2つの整流ネットワークの出力が並列接続される実施例である。
図3に示すように、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置は、フルブリッジスイッチネットワーク101、フルブリッジスイッチネットワーク201、共振ネットワーク102、共振ネットワーク202、変圧器ネットワーク103、変圧器ネットワーク203、整流ネットワーク104及び整流ネットワーク204を含む。該変圧器ネットワーク103の1次側は順番に該共振ネットワーク102及び該フルブリッジスイッチネットワーク101を介して正極バスバーBUS+及び中性線と接続され、2次側は該整流ネットワーク104を介して出力正極Vo+及び出力負極Vo-と接続される。該変圧器ネットワーク203の1次側は順番に該共振ネットワーク202及び該フルブリッジスイッチネットワーク201を介して中性線及び負極バスバーBUS-と接続され、2次側は該整流ネットワーク204を介して出力正極Vo+及び出力負極Vo-と接続される。すなわち本実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に並列接続される。負荷Roは出力正極Vo+及び出力負極Vo-に接続される。
【0027】
本好ましい実施例において、フルブリッジスイッチネットワーク101は第1フルブリッジスイッチユニット、第2フルブリッジスイッチユニット及び第3フルブリッジスイッチユニットを含み、すなわち第1フルブリッジスイッチユニットはスイッチ管S11、S21、S31、S41を含み、第2フルブリッジスイッチユニットはスイッチ管S51、S61、S71、S81を含み、第3フルブリッジスイッチユニットはスイッチ管S91、S101、S111、S121を含む。該共振ネットワーク102は第1共振ユニット、第2共振ユニット及び第3共振ユニットを含み、すなわち各共振ユニットはそれぞれ直列接続するキャパシタCr1及びインダクタLr1を含む。該共振ネットワーク202は第4共振ユニット、第5共振ユニット及び第6共振ユニットを含み、すなわち各共振ユニットはそれぞれ直列接続するキャパシタCr2及びインダクタLr2を含む。該第1変圧器ユニット~該第6変圧器ユニットはそれぞれ第1変圧器~第6変圧器、すなわち変圧器T11、T21、T31、T12、T22、T32を含む。該整流ネットワーク104は第1整流ユニット、第2整流ユニット及び第3整流ユニットを含み、すなわち第1整流ユニットはダイオードD11及びD41を含み、第2整流ユニットはダイオードD21及びD51を含み、第3整流ユニットはダイオードD31及びD61を含む。該整流ネットワーク204は第4整流ユニット、第5整流ユニット及び第6整流ユニットを含み、すなわち第4整流ユニットはダイオードD12及びD42を含み、第2整流ユニットはダイオードD22及びD52を含み、第3整流ユニットはダイオードD32及びD62を含む。
図3に示す好ましい実施例において、入力キャパシタC1、C2、出力キャパシタCo1及びCo2をさらに含む。共振ネットワーク102及び202の主な作用はLLC直列共振であり、スイッチ素子のソフトスイッチングを実現する。変圧器ネットワーク103及び203は絶縁及び電圧の変換調節を担う。整流ネットワーク104及び204は電力整流作用を担う。
【0028】
図3に示すように、該変圧器T11の1次側の第1端は該第1共振ユニットを介して該第1フルブリッジスイッチユニットの第1端(すなわちスイッチ管S11のソース端子及びスイッチ管S31のドレイン端子)と接続され、1次側の第2端は該第1フルブリッジスイッチユニットの第2端(すなわちスイッチ管S21のソース端子及びスイッチ管S21のドレイン端子)と接続される。該変圧器T21の1次側の第1端は該第2共振ユニットを介して該第2フルブリッジスイッチユニットの第1端(すなわちスイッチ管S51のソース端子及びスイッチ管S71のドレイン端子)と接続され、1次側の第2端は該第2フルブリッジスイッチユニットの第2端(すなわちスイッチ管S61のソース端子及びスイッチ管S81のドレイン端子)と接続される。該変圧器T31の1次側の第1端は該第3共振ユニットを介して該第3フルブリッジスイッチユニットの第1端(すなわちスイッチ管S91のソース端子及びスイッチ管S111のドレイン端子)と接続され、1次側の第2端は該第3フルブリッジスイッチユニットの第2端(すなわちスイッチ管S101のソース端子及びスイッチ管S121のドレイン端子)と接続される。該変圧器T12の1次側の第1端は該第4共振ユニットを介して該第4フルブリッジスイッチユニットの第1端(すなわちスイッチ管S12のソース端子及びスイッチ管S32のドレイン端子)と接続され、1次側の第2端は該第4フルブリッジスイッチユニットの第2端(すなわちスイッチ管S22のソース端子及びスイッチ管S42のドレイン端子)と接続される。該変圧器T22の1次側の第1端は該第5共振ユニットを介して該第5フルブリッジスイッチユニットの第1端(すなわちスイッチ管S52のソース端子及びスイッチ管S72のドレイン端子)と接続され、1次側の第2端は該第5フルブリッジスイッチユニットの第2端(すなわちスイッチ管S62のソース端子及びスイッチ管S82のドレイン端子)と接続される。該変圧器T32の1次側の第1端は該第6共振ユニットを介して該第6フルブリッジスイッチユニットの第1端(すなわちスイッチ管S92のソース端子及びスイッチ管S112のドレイン端子)と接続され、1次側の第2端は該第6フルブリッジスイッチユニットの第2端(すなわちスイッチ管S102のソース端子及びスイッチ管S122のドレイン端子)と接続される。すべての該スイッチ管のゲート端子は制御信号と接続され、スイッチ管S11、S21、S51、S61、S91、S101のドレイン端子は正極バスバーBUS+と接続され、スイッチ管S31、S41、S71、S81、S111及びS121のソース端子は中性線と接続され、スイッチ管S12、S22、S52、S62、S92、S102のドレイン端子は中性線と接続され、スイッチ管S32、S42、S72、S82、S112及びS222のソース端子は負極バスバーBUS-と接続される。入力キャパシタC1は正極バスバーBUS+及び中性線の間に接続され、入力キャパシタC2は中性線及び負極バスバーBUS-の間に接続される。本出願において、用いるスイッチ管は限定されないがSi MOS、IGBT、GaN MOS、SiC MOSなどを含む。
【0029】
該変圧器T11の2次側の第1端は該第1整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD11のアノード及びダイオードD41のカソード)と接続され、該変圧器T21の2次側の第1端は該第2整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD21及びアノード及びダイオードD51のカソード)と接続され、該変圧器T31の2次側の第1端は該第4整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD12のアノード及びダイオードD42のカソード)と接続される。該変圧器T12の2次側の第1端は該第3整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD31のアノード及びダイオードD61のカソード)と接続され、該変圧器T22の2次側の第1端は該第5整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD22のアノード及びダイオードD52のカソード)と接続され、該変圧器T32の2次側の第1端は該第6整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD32のアノード及びダイオードD62のカソード)と接続される。該変圧器T11の2次側の第2端は該変圧器T21の2次側の第2端及び該変圧器T12の2次側の第2端と接続され、該変圧器T31の2次側の第2端は該変圧器T22の2次側の第2端及び該変圧器T32の2次側の第2端と接続される。ダイオードD11、D21及びD31のカソード及びダイオードD12、D22及びD32のカソードは出力正極Vo+と接続され、ダイオードD41、D51及びD61のアノード及びダイオードD42、D52及びD62のアノードは出力負極Vo-と接続される。出力キャパシタCo1及びCo2はそれぞれ出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に接続される。
【0030】
本発明のもう1つの好ましい実施例において、ダイオードの整流ネットワークの代わりにスイッチ管の整流ネットワークを使用することもできる。ここで、整流ネットワーク104及び204は、Si MOS、IGBT、GaN MOS、SiC MOS、ショットキーダイオード、SICダイオードなどを採用することができる。
【0031】
本好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に並列接続される。変圧器ネットワーク103及び203における該変圧器T11の2次側の第2端は、該変圧器T21の2次側の第2端及び該変圧器T12の2次側の第2端と接続され、該変圧器T31の2次側の第2端は該変圧器T22の2次側の第2端及び該変圧器T32の2次側の第2端と接続される。変圧器ネットワーク103における任意の2つの変圧器の2次側を、変圧器ネットワーク203における任意の1つの変圧器の2次側とスター接続することにより、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の直列接続が電圧バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の並列接続が電流バランスを達成することができることを保証している。
【0032】
本発明は、三相LLC回路に用いられる電力拡張装置を提供している。既存の三相ハーフブリッジインターリーブLLCを基にして、三相フルブリッジインターリーブLLCのトポロジー改善の構想を創造的に示し、三相フルブリッジインターリーブの構造を示している。一方では電力を拡張し、広範囲出力にさらに適しており、他方では変圧器の2次側におけるスター接続の変更により、本トポロジーの各相は比較的高い自己電圧バランス電流バランスの能力を有し、ハードウェアの設計を簡略化し、信頼性を高めることもできる。6つの共振タンクは直列接続のときの自己電圧バランス、並列接続のときの自己電流バランスの効果を達成することができ、信頼性を高め、ハードウェアの設計が容易である。
【0033】
該三相LLC回路の電力拡張装置は、一方では常用されるLLCハーフブリッジインターリーブトポロジー構造に対して過度な調整又は変更を行うことはないため、低コストでの製造及び実施に都合がよく、同時に出力電力を拡張することもでき、出力電力を高めて、広範囲出力を実現するのに適している。他方では6つの共振タンクは直列接続のときの自己圧力バランス、並列接続のときの自己電流バランスの効果を達成することができ、信頼性を高めた。
【0034】
図4は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第3の好ましい実施例の回路図である。
図4に示すのは2つの共振ネットワークの入力が並列接続され、2つの整流ネットワークの出力が並列接続される実施例である。従って、
図4に示す好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に並列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に並列接続される。
【0035】
図4に示す実施例の接続関係は
図3と類似しており、異なるのは以下のみである。スイッチ管S11、S21、S51、S61、S91、S101のドレイン端子が正極バスバーBUS+と接続され、スイッチ管S31、S41、S71、S81、S111及びS121のソース端子が負極バスバーBUS-と接続される。スイッチ管S12、S22、S52、S62、S92、S102のドレイン端子は正極バスバーBUS+と接続され、スイッチ管S32、S42、S72、S82、S112及びS222のソース端子は負極バスバーBUS-と接続される。入力キャパシタC1及びC2は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続される。
【0036】
本好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に並列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に並列接続される。変圧器ネットワーク103及び203における該変圧器T11の2次側の第2端は、該変圧器T21の2次側の第2端及び該変圧器T12の2次側の第2端と接続され、該変圧器T31の2次側の第2端は該変圧器T22の2次側の第2端及び該変圧器T32の2次側の第2端と接続される。変圧器ネットワーク103における任意の2つの変圧器の2次側を、変圧器ネットワーク203における任意の1つの変圧器の2次側とスター接続することにより、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の並列接続が電流バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の並列接続が電流バランスを達成することができることを保証している。
【0037】
図5は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第4の好ましい実施例の回路図である。
図5に示すのは、2つの共振ネットワークの入力が並列接続され、2つの整流ネットワークの出力が直列接続される実施例である。従って、
図5に示す好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に並列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に直列接続される。その入力の具体的な接続関係は
図4を参考にすることができ、ここでは繰り返し述べない。その出力部分の接続関係は
図3と類似しており、ダイオードD11、D21、D31のカソードが出力正極Vo+の出力キャパシタCo1の第1端と接続されることのみが異なる。出力キャパシタCo1の第2端は出力キャパシタCo2の第1端、ダイオードD41、D51及びD61のアノード、並びにダイオードD12、D22及びD32のカソードと接続される。ダイオードD42、D52及びD62のアノードは出力負極Vo-、並びに出力キャパシタCo2の第2端と接続される。
【0038】
本好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に並列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に直列接続される。変圧器ネットワーク103及び203における該変圧器T11の2次側の第2端は該変圧器T21の2次側の第2端及び該変圧器T12の2次側の第2端と接続され、該変圧器T31の2次側の第2端は該変圧器T22の2次側の第2端及び該変圧器T32の2次側の第2端と接続される。変圧器ネットワーク103における任意の2つの変圧器の2次側を、変圧器ネットワーク203における任意の1つの変圧器の2次側とスター接続することにより、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の並列接続が電流バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の直列接続が電圧バランスを達成することができることを保証している。
【0039】
図6は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第5の好ましい実施例の回路図である。
図6に示すのは、2つの共振ネットワークの入力が直列接続され、2つの整流ネットワークの出力が直列接続される実施例である。従って、
図6に示す好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に直列接続される。その入力及び出力の具体的な接続関係はそれぞれ
図3及び
図5を参考にすることができ、ここでは繰り返し述べない。
【0040】
本好ましい実施例において、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201は正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204は出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に直列接続される。変圧器ネットワーク103及び203における該変圧器T11の2次側の第2端は、該変圧器T21の2次側の第2端及び該変圧器T12の2次側の第2端と接続され、該変圧器T31の2次側の第2端は該変圧器T22の2次側の第2端及び該変圧器T32の2次側の第2端と接続される。変圧器ネットワーク103における任意の2つの変圧器の2次側を、変圧器ネットワーク203における任意の1つの変圧器の2次側とスター接続することにより、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の直列接続が電圧バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の直列接続が電圧バランスを達成することができることを保証している。
【0041】
図7は、本発明の三相LLC回路に用いられる電力拡張装置における第6の好ましい実施例の回路図である。
図7に示す好ましい実施例において、
図6に類似する該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201が正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204が出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に直列接続される設計方式を採用する。この設計は、各変圧器ユニットが1次側が直列接続した2つの変圧器を含み、すなわち変圧器の数量を元の6個から12個に拡張したことを除いて
図6に示す実施例と同じである。従って対応する整流ユニットはそれぞれ4つの整流管を含み、すなわち整流ネットワーク104及び204はそれぞれ2つの三相ブリッジ整流回路が並列接続してなる。すなわち第1整流ユニットはダイオードD11、D41、D71及びD101を含み、第2整流ユニットはダイオードD21、D51、D81及びD111を含み、第3整流ユニットはダイオードD31、D61、D91及びD121を含む。該整流ネットワーク204は第4整流ユニット、第5整流ユニット及び第6整流ユニットを含み、すなわち第4整流ユニットはダイオードD12、D42、D72及びD102を含み、第2整流ユニットはダイオードD22、D52、D82及びD112を含み、第3整流ユニットはダイオードD32、D62、D92及びD122を含む。
【0042】
図7に示すように、変圧器ネットワーク103は変圧器T11、T21、T31、T41、T51、T61、T12、T22、T32、T42、T52、T62を含む。
図6に示す実施例と類似しており、該変圧器T11の1次側の第1端は該第1共振ユニットを介して該第1フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該変圧器T21の1次側の第1端と接続され、該変圧器T21の1次側の第2端は該第1フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該変圧器T31の1次側の第1端は該第2共振ユニットを介して該第2フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該変圧器T41の1次側の第1端と接続され、該変圧器T41の1次側の第2端は該第2フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該変圧器T51の1次側の第1端は該第3共振ユニットを介して該第3フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該変圧器T61の1次側の第1端と接続され、該変圧器T61の1次側の第2端は該第3フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該変圧器T12の1次側の第1端は該第4共振ユニットを介して該第4フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該変圧器T22の1次側の第1端と接続され、該変圧器T22の1次側の第2端は該第4フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該変圧器T32の1次側の第1端は該第5共振ユニットを介して該第5フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該変圧器T42の1次側の第1端と接続され、該変圧器T42の1次側の第2端は該第5フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。該変圧器T52の1次側の第1端は該第6共振ユニットを介して該第6フルブリッジスイッチユニットの第1端と接続され、1次側の第2端は該変圧器T62の1次側の第1端と接続され、該変圧器T62の1次側の第2端は該第6フルブリッジスイッチユニットの第2端と接続される。第1から第6フルブリッジスイッチユニットの構造は
図6に示す実施例を参照することができ、ここでは繰り返し述べない。
【0043】
該変圧器T11の2次側の第1端は該第1整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD11のアノード及びダイオードD41のカソード)と接続され、該変圧器T21の2次側の第1端は該第1整流ユニットの第2端(すなわちダイオードD71のアノード及びダイオードD101のカソード)と接続される。該変圧器T31の2次側の第1端は該第2整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD21のアノード及びダイオードD51のカソード)と接続され、該変圧器T41の2次側の第1端は該第2整流ユニットの第2端(すなわちダイオードD81のアノード及びダイオードD111のカソード)と接続される。該変圧器T51の2次側の第1端は該第4整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD12のアノード及びダイオードD42のカソード)と接続され、該変圧器T61の2次側の第1端は該第4整流ユニットの第2端(すなわちダイオードD7のアノード及びダイオードD102のカソード)と接続される。該変圧器T12の2次側の第1端は該第3整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD31のアノード及びダイオードD61のカソード)と接続され、該変圧器T22の2次側の第1端は該第3整流ユニットの第2端(すなわちダイオードD91のアノード及びダイオードD121のカソード)と接続される。該変圧器T32の2次側の第1端は該第5整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD22のアノード及びダイオードD52のカソード)と接続され、該変圧器T42の2次側の第1端は該第5整流ユニットの第2端(すなわちダイオードD82のアノード及びダイオードD112のカソード)と接続される。該変圧器T52の2次側の第1端は該第6整流ユニットの第1端(すなわちダイオードD32のアノード及びダイオードD62のカソード)と接続され、該変圧器T62の2次側の第1端は該第6整流ユニットの第2端(すなわちダイオードD92のアノード及びダイオードD122のカソード)と接続される。
【0044】
該変圧器T11の2次側の第2端は該変圧器T31の2次側の第2端及び該変圧器T12の2次側の第2端と接続され、該変圧器T21の2次側の第2端は該変圧器T41の2次側の第2端及び該変圧器T22の2次側の第2端と接続される。該変圧器T51の2次側の第2端は該変圧器T32の2次側の第2端及び該変圧器T52の2次側の第2端と接続され、該変圧器T61の2次側の第2端は該変圧器T42の2次側の第2端及び該変圧器T62の2次側の第2端と接続される。
【0045】
図6の好ましい実施例と類似しており、変圧器ネットワーク103における1次側が直列接続された任意の2組の変圧器の2次側を、変圧器ネットワーク203における1次側が直列接続された任意の1組の変圧器の2次側とスター接続し、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の直列接続が電圧バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の直列接続が電圧バランスを達成することができることを保証している。
【0046】
本発明のさらに好ましい実施例において、
図3に示すように、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201が正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に直列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204が出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に並列接続されるように回路を設計することもでき、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の直列接続が電圧バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の並列接続が電流バランスを達成することができることを保証する。本発明のさらに好ましい実施例において、
図4に示すように、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201が正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に並列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204が出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に並列接続されるように回路を設計することもでき、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の並列接続が電流バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の並列接続が電流バランスを達成することができることを保証する。本発明のさらに好ましい実施例において、
図5に示すように、該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201が正極バスバーBUS+及び負極バスバーBUS-の間に並列接続され、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204が出力正極Vo+及び出力負極Vo-の間に直列接続されるように回路を設計することもでき;該フルブリッジスイッチネットワーク101及び該フルブリッジスイッチネットワーク201の並列接続が電流バランスを実現することができ、該整流ネットワーク104及び該整流ネットワーク204の直列接続が電圧バランスを達成することができることを保証する。
【0047】
本発明の教示に基づいて、当業者はこれらの構造を実施することができ、ここでは繰り返し述べない。さらに、この一組の実施例は変圧器の数量を拡張することができ、これによりさらに出力電力を拡張し、出力電力を高め、さらに広範囲出力を実現するのに適している。
【0048】
本発明について具体的な実施例により説明を行ったが、当業者は本発明の範囲から逸脱しない状況で、本発明に対して各種変換及び同等の置換を行うこともできることを理解するべきである。他に、特定の状態又は材料に対して、本発明に各種修正を行うことができるが、本発明の範囲を逸脱しない。従って、本発明は開示した具体的な実施例に制限されず、本発明の特許請求の範囲内のすべての実施方式を含むべきである。
【0049】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の主旨及び原則内で行う修正、同等の置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】