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特表2024-545396エアロゾル発生システム用の保護部材
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  • 特表-エアロゾル発生システム用の保護部材 図1
  • 特表-エアロゾル発生システム用の保護部材 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム用の保護部材
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20241129BHJP
   A24F 40/95 20200101ALI20241129BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/95
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527600
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022083666
(87)【国際公開番号】W WO2023099473
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21211726.1
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ブーチュイギュア,レイス・スリマン
(72)【発明者】
【氏名】モンティコネ,ピエール・パオロ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC04
4B162AC10
4B162AC33
4B162AC44
4B162AD20
(57)【要約】
ベイピング機能を有する電子タバコ(2)と、電子タバコ(2)に着脱可能に装着される保護部材(3)とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記電子タバコ(2)は、第1の電気コネクタ(26)を備える、エアロゾル発生システム。保護部材(3)は、第1の電気コネクタ(26)と相補的であり、保護要素(3)が電子タバコ(2)に装着されたときに第1の電気コネクタ(26)に結合されるように適合された、第2の電気コネクタ(38)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイピング機能を有する電子タバコ(2)と、前記電子タバコ(2)に着脱可能に装着されるカバータイプの保護部材(3)とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記電子タバコ(2)は、第1の電気コネクタ(26)を備え、前記エアロゾル発生システムは、前記保護部材(3)の第2の電気コネクタ(38)が前記第1の電気コネクタ(26)と相補的であり、前記保護部材(3)が前記電子タバコ(2)に装着されたときに前記第1の電気コネクタ(26)に機械的係合によって電気的に結合されるように構成されていることを特徴とする、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記保護部材(3)は、前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続された集積回路(35)を備え、前記電子タバコ(2)は、前記第1の電気コネクタ(26)に電気的に接続されたコントローラ(25)を備え、前記集積回路(35)は、前記第1の電気コネクタ(26)が前記第2の電気コネクタ(38)に結合されたときに前記コントローラ(25)に信号を送るように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記コントローラ(25)は、前記信号を受信するまで前記電子タバコ(2)の前記ベイピング機能を無効にするように構成されている、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記信号は第2の固有コードを含み、前記コントローラ(25)は、前記第2の固有コードを前記電子タバコ(2)のメモリ(29)に記憶された第1の固有コードと比較するように構成されている、請求項2又は3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記電子タバコ(2)は、前記第1の電気コネクタ(26)に隣接する第1の表面(22)を有し、前記第1の表面(22)には、少なくとも1つの突出部は凹部(23)が設けられており、前記保護部材(3)は、前記第2の電気コネクタ(38)に隣接する第2の表面(32)を有し、前記第2の表面(32)には、前記保護部材(3)が前記電子タバコ(2)に装着されたときに前記少なくとも1つの突出部又は凹部(23)との機械的係合を提供するように、少なくとも1つの相補的部分(33)が設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記第1の電気コネクタ(26)及び前記第2の電気コネクタ(38)は、USBタイプCコネクタである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記保護部材(3)は、前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続されるバッテリ(34)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記保護部材(3)は、電磁界の作用下で電流を発生させるように構成された充電コイル(36)をさらに備え、前記充電コイル(36)は、前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続される、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記保護部材(3)は、前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続される通信モジュール(37)をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム用の保護部材(3)であって、前記保護部材(3)は、電子タバコ(2)の第1の電気コネクタ(26)に結合されるように構成された第2の電気コネクタ(38)を備えることを特徴とする、保護部材(3)。
【請求項11】
前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続される集積回路(35)を備える、請求項10に記載の保護部材(3)。
【請求項12】
前記第2の電気コネクタ(38)に隣接する第2の表面(32)を有し、前記第2の表面(32)には、少なくとも1つの突出部又は凹部(23)が設けられている、請求項10又は11に記載の保護部材(3)。
【請求項13】
前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続されるバッテリ(34)を備える、請求項10~12のいずれか一項に記載の保護部材(3)。
【請求項14】
電磁界の作用下で電流を発生させるように構成された充電コイル(36)を備える、請求項10~13のいずれか一項に記載の保護部材(3)。
【請求項15】
前記第2の電気コネクタ(38)に電気的に接続される通信モジュール(37)を備える、請求項10~14のいずれか一項に記載の保護部材(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システム用の保護部材及びかかる保護部材を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムは、一般に加熱によって製品の気化を可能にする。
【0003】
既知のエアロゾル発生システムは、通常断熱性を有する、カバータイプの保護部材が装着された電子タバコを含む。電子タバコ及び保護部材は、使用中にユーザを火傷から保護するための携帯型システムを形成する。
【0004】
この目的で、電子タバコ及び保護部材に磁石を設けて、磁石の吸引力によって保護部材が電子タバコ上の所定の位置に保持されるようにする。場合によっては、電子タバコは、保護部材の存在を検出するためにホール効果センサを含む。
【0005】
特にユーザが使用する際に、このようなエアロゾル発生システムの安全性を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、ベイピング機能を有する電子タバコと、電子タバコに着脱可能に装着されるカバータイプの保護部材とを備えるエアロゾル発生システムであって、前記電子タバコは第1の電気コネクタを備え、前記エアロゾル発生システムは、前記保護部材が、第1の電気コネクタと相補的であり、保護部材が電子タバコに装着されたときに第1の電気コネクタに機械的係合によって電気的に結合されるように構成された、第2の電気コネクタを備えることを特徴とする、エアロゾル発生システムに関する。
【0007】
電子タバコ上に保護部材を維持することは、エアロゾル発生システムの安全性を向上させるので、非常に重量である。これは、電子タバコはその使用中又は充電中に熱くなることがあり、保護部材が熱保護機能を提供するからである。とりわけカバータイプの保護部材により、使用中、すなわちエアロゾル発生システムの取り扱い中にユーザが火傷するのを回避することが可能になる。換言すれば、カバータイプの保護部材は、特に電子タバコの使用時に、電子タバコ上の断熱材として機能する。
【0008】
したがって、第1の電気コネクタと第2の電気コネクタとの協働により、着脱性を維持しつつ、電子タバコ上の保護部材の保持力を向上させることによって、より安全なエアロゾル発生システムを提供することが可能になる。第1の電気コネクタと第2の電気コネクタとの間の協働は、機械的係合による機械的結合と電気的接触による電気的結合の両方から生じる。機械的係合は、保護要素を電子タバコ上の所定の位置に保持するように構成される。換言すれば、この協働は、電子タバコと保護部材との間の電気的接続と機械的保持の両方を提供する。
【0009】
機械的係合とは、2つの部品が組み立てられるときに機械的インターロックを実施する2つの部品のアセンブリを意味する。本発明の文脈において、第1の電気コネクタと第2の電気コネクタとの機械的係合は、それらを機械的にロック解除するのに十分な力が加えられるならば、取り外し可能である。加えて、保護部材と電子タバコとの間の保持力を確保するために磁石などの付加的な部材を追加することは、もはや必要ではない。実際に、すべてではないとしてもほとんどの電子タバコは、一般に充電を意図した電気コネクタを含む。したがって、本発明によるエアロゾル発生システムにより、電子タバコを改造することなく保護部材を装着することが可能になる。これは、このようなシステムの重量を低減するか、又はシステム若しくはその環境を乱すおそれのある部材の導入を回避するのに特に有利である。
【0010】
さらにまた、電子タバコが保管される場所、例えばズボンのポケットの中に起因して、通常、埃が第1の電気コネクタに侵入する。従来技術の保護部材は、特に埃が保護部材と電子タバコとの間に捕捉されているとき、入り込みから埃を掃除しない。本発明による保護部材により、第2の電気コネクタとの結合、とりわけ機械的結合によって、第1の電気コネクタの詰まりを防止することが可能になる。
【0011】
好ましくは、保護部材は、第2の電気コネクタに電気的に接続された集積回路を備え、前記電子タバコは、第1の電気コネクタに電気的に接続されたコントローラを備え、前記集積回路は、第1の電気コネクタが第2の電気コネクタに結合されたときにコントローラに信号を送るように構成されている。
【0012】
第1の電気コネクタと第2の電気コネクタとの間の電気的結合により、保護部材の集積回路によって発せられる信号を電子タバコのコントローラに転送することが可能になる。それゆえ、コントローラが保護部材の存在を検出することが可能である。そのとき保護部材の検出は、磁石が保護部材の検出を可能にする従来技術のシステムとは反対に、電気コネクタが結合されている場合、とりわけ電気的に結合されている場合にのみ可能である。電気コネクタの電気的結合には、電気コネクタ間の十分な機械的係合が必要であるため、保護部材の検出には、電子タバコ上の保護部材の正しい位置決め及び装着が必要である。したがって、保護部材の存在を検出することが可能であり、したがって保護部材が電子タバコ上に正しく位置決めされているかどうかを検出することが可能である。
【0013】
好ましい一実施形態では、コントローラは、前記信号を受信するまで電子タバコのベイピング機能を無効にするように構成されている。
【0014】
換言すれば、コントローラは、集積回路からの信号を受信したときに、ベイピング機能を許可する。それゆえ、保護部材が検出されることなく、すなわち正しく位置決めされることなく、電子タバコをベイピングに使用することは不可能である。したがって、充電信号が集積回路によって発せられる信号と異なるならば、充電時に電子タバコを使用することも不可能である。したがって、コントローラは、集積回路によって発せられる信号を充電信号と区別するように構成することができる。
【0015】
好ましくは、信号は第2の固有コードを含み、前記コントローラは、前記第2の固有コードを前記電子タバコのメモリに記憶された第1の固有コードと比較するように構成されている。
【0016】
例えば製造中に、各電子タバコを固有コードによって保護部材と関連付けてもよい。第1の電気コネクタが第2の電気コネクタに結合されるとき、第2の固有コードを含む信号がコントローラに送られ、コントローラはそれを第1の固有コードと比較する。このように、保護部材の真正性を検証することが可能である。これは、エアロゾル発生システムの製造業者によって承認されていない、カスタマイズ可能な場合もある保護部材が市販されているとき、特に有用であり得る。このような保護部材は、通常、十分な保護レベルを有していないため、ユーザを危険にさらすことがある。
【0017】
保護部材の紛失、盗難又は破損の場合には、好ましくは製造業者又は有資格者によって、電子タバコを修理して新しい保護部材と関連付けることができる。
【0018】
有利には、電子タバコは、前記第1の電気コネクタに隣接する第1の表面を有し、前記第1の表面には、少なくとも1つの突出部は凹部が設けられており、前記保護部材は、前記第2の電気コネクタに隣接する第2の表面を有し、前記第2の表面には、保護部材が前記電子タバコに装着されたときに前記少なくとも1つの突出部又は凹部との機械的係合を提供するように、少なくとも1つの相補的部分が設けられている。
【0019】
少なくとも1つの突出部又は凹部と少なくとも1つの相補的部分との間の機械的係合により、電子タバコ上の保護部材の嵌合がさらに向上する。したがって、保護部材を落として紛失する危険性が低減される。
【0020】
さらにまた、電気コネクタの結合によって得られる機械的係合及び突出部又は凹部によって得られる機械的係合は、電子タバコと保護部材との間に少なくとも2つの別個の締結点を形成する。これは、保護部材が電子タバコに装着されるときに電気コネクタに加えられることがあるねじり力を低減し、又はさらに排除する効果を有する。
【0021】
加えて、これらの部分により、第1の電気コネクタ又は第2の電気コネクタの一方を他方と位置合わせし、保護部材を電子タバコに装着するときに保護部材を並進移動で案内することができる。したがって、少なくとも1つの突出部又は凹部と少なくとも1つの相補的部分との間の協働により、電気コネクタ、より具体的にはそれらが備える電気接点を保護することが可能になる。これらの部分は、フールプルーフ装置として機能することもでき、これは、保護部材の装着が明らかでない場合、及び/又は電気コネクタが特定の組み立て方向を必要とする場合に特に有用である。
【0022】
好ましくは、第1の電気コネクタ及び第2の電気コネクタは、USBタイプCコネクタである。
【0023】
USBタイプCコネクタには、それらがリバーシブルである、すなわちいずれの方向にも接続することができるという利点がある。これは、保護部材もいずれの方向にも装着することができる場合に特に有利である。これは、ユーザが保護部材を電子タバコに簡単且つ迅速に装着することができるからである。
【0024】
加えて、オーディオ信号及びビデオ信号の転送又は転送速度の増加など、USBタイプCコネクタの既知の性能及び能力により、保護部材の新しい機能が可能になる。
【0025】
有利には、保護部材は、第2の電気コネクタに電気的に接続されるバッテリを備える。
【0026】
保護部材のバッテリにより、電気コネクタが結合されているときに、電子タバコを電気エネルギーで充電することが可能になる。したがって、電気エネルギーは、第1及び第2の電気コネクタを通って保護部材から電子タバコに流れる。保護部材のバッテリは、電子タバコを充電又は再充電するための付加的なエネルギー源として機能する。このおかげで、保護部材を取り外す必要なく電子タバコを充電することが可能である。これは、電子タバコが保護部材の存在下でのみベイピング機能を有効にするとき、特に有利である。
【0027】
好ましくは、保護部材は、電磁界の作用下で電流を発生させる充電コイルを備え、前記充電コイルは、第2の電気コネクタに電気的に接続される。
【0028】
充電コイルによって発生した電流は、第2の電気コネクタに伝送される。第2の電気コネクタが第1の電気コネクタに結合されているとき、電流により、電子タバコを充電することができ、より具体的には電子タバコのバッテリを充電することができる。したがって、保護部材を分解することなく、電子タバコを充電又は再充電することが可能である。
【0029】
保護部材がバッテリを備える場合、電流がバッテリを直接充電するように、充電コイルをバッテリに接続することができる。
【0030】
有利には、保護部材は、第2の電気コネクタに電気的に接続される通信モジュールをさらに備える。
【0031】
第2の電気コネクタが第1の電気コネクタに結合されているとき、通信モジュールは、電子タバコとデータを交換することができる。加えて、通信モジュールは、第1及び第2の電気コネクタが結合されているとき、電子タバコによって電力を供給され得る。通信モジュールのおかげで、スマートフォン又は他のエアロゾル発生システムなどの、エアロゾル発生システムの外部の装置と、好ましくはワイヤレスで接続を確立することが可能である。これにより、例えば、バッテリ充電レベル、エアロゾル発生基材レベル、使用に関する統計量、又は場所などの、電子タバコに関連する情報を外部装置に表示することが可能になる。通信モジュールは、任意の適当な技術、例えばWi-Fi、Bluetooth、GSM、3G、4G、5Gなどを使用して実装することができる。
【0032】
別の態様によれば、本発明は、電子タバコの第1の電気コネクタに結合されるように構成された第2の電気コネクタを備えることを特徴とする、上述のエアロゾル発生システム用の保護部材に関する。
【0033】
保護部材は、エアロゾル発生システムに関連して説明したものと同じ利点を提示する。
【0034】
好ましくは、保護部材は、第2の電気コネクタに電気的に接続される集積回路を備える。
【0035】
再び好ましくは、保護部材は、前記第2の電気コネクタに隣接する第2の表面を有し、前記第2の表面には、少なくとも1つの突出部又は凹部が設けられている。
【0036】
有利には、保護部材は、第2の電気コネクタに電気的に接続されるバッテリを備える。
【0037】
好ましくは、保護部材は、電磁界の作用下で電流を発生させるように構成された充電コイルを備える。
【0038】
最後に、好ましくは、保護部材は、第2の電気コネクタに電気的に接続される通信モジュールを備える。
【0039】
本発明の他の特徴及び利点も、以下の説明から明らかになるであろう。
【0040】
非限定的な例として与えられる添付の図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の一実施形態による、電子タバコと保護要素とを備えるエアロゾル発生システムを概略図で表し、保護要素は電子タバコから分離されている。
図2】保護要素が電子タバコに装着されている、図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、一実施形態によるエアロゾル発生システム1を表す。エアロゾル発生システム1は、電子タバコ2と、電子タバコに着脱可能に装着可能な保護要素3と備える。
【0043】
電子タバコ2は、略直方体形状を有するハウジング21を備える。例示されるように、ハウジング21は、略直方体の形状を有する。しかしながら、ハウジング21の縁及び角は、ユーザにとってより快適であるように丸みを帯びていてもよい。図1及び図2に例示した実施形態では、電子タバコ2は加熱非燃焼タイプである。そのため、ハウジング21は、エアロゾル形成基材を受け入れるように適合されたキャビティ29を画定する。しかしながら、本発明は、このタイプの電子タバコに限定されるものではなく、任意のタイプの電子タバコで実施することができる。
【0044】
電子タバコ2は、キャビティ29の周りに配置された図示していないヒータを含む。ヒータは、キャビティ内に挿入されるエアロゾル形成基材を加熱するためにキャビティ29の内部を加熱するために使用される。キャビティ29、したがってヒータは、ハウジング21の第1の表面22の近くに位置している。そのため、第1の表面22は、ハウジング21の他の表面よりも熱くなる可能性が高い。第1の表面22は、ここでは比較的平坦であり、キャビティ29が開口している上面と、上面に対向する底面との間に延びている。
【0045】
ハウジング21は、第1の表面22からハウジングの内側に凹んだ第1の部分23を有する。ここでの第1の凹部23は、丸みを帯びた形状を有する。
【0046】
電子タバコ2は、ハウジング21の内部に設けられたバッテリ24とコントローラ25とを備える。バッテリ24は、導線によってヒータ及びコントローラ25に電気的に接続される。コントローラ25はまた、ヒータを制御するためにヒータに接続される。コントローラ25は、第1の固有コードが記憶されるメモリ29を有する。
【0047】
電子タバコ2はまた、導線によってバッテリ24に電気的に接続された第1の電気コネクタ26を含む。本実施形態では、第1の電気コネクタ26は雌型である。第1の電気コネクタ26は、ハウジング21の内部に延びており、第1の表面22において開口している。とりわけ、第1の電気コネクタ26により、相補的な電気コネクタを装備した充電ケーブルを接続してバッテリ24を充電することが可能になる。
【0048】
保護部材3はカバータイプである。それは、電子タバコ2とともに、ユーザが取り扱うことができる、すなわち取り扱い可能な携帯型アセンブリを形成する。保護部材3は、特に電子タバコがユーザによって使用されるときに、電子タバコ2に装着されることを意図している。当然のことながら、それは、その他の時に装着することもできる。
【0049】
保護部材3は、その寸法が電子タバコ2のハウジング21の寸法よりも実質的に小さいハウジング31を備える。保護部材3のハウジング31は、断熱性を有する。とりわけ、このハウジング31は、熱可塑性プラスチック及びエンジニアリングプラスチックなどの熱伝導率の低い材料から作ることができる。
【0050】
保護部材3のハウジング31は、第1の表面22と相補的な形状の第2の表面32を有する。このハウジング31は、ハウジングから第2の表面32の外側に突出する第2の部分33を有する。ここでの第2の突出部33は、丸みを帯びた形状を有する。第2の突出部33は、第2の電気コネクタ38が第2の表面32から突き出る長さよりも大きい長さまで延びている。このようにして、第2の突出部33は、後述するように、保護部材3を電子タバコに装着する際に、第2の電気コネクタ38よりも先に電子タバコ2のハウジング21に接触する。
【0051】
ここで、保護部材3は、バッテリ34、集積回路35、充電コイル36、通信モジュール37及び第2の電気コネクタ38を含む。
【0052】
第2の電気コネクタ38は、図示しない導線を介して、バッテリ34、集積回路35、充電コイル36、及び通信モジュール37に電気的に接続される。
【0053】
第2の電気コネクタ38は雄型である。第2の電気コネクタ38は、第2の表面32からハウジング31から外側に延びている。第2の電気コネクタ38は、第1の電気コネクタ26と相補的である。
【0054】
例示した実施形態では、保護部材3のバッテリ34は、集積回路35及び通信モジュール37に電気的に接続されて、それらに電力を提供する。集積回路35は、電気コネクタ26及び38の結合を介して電子タバコ2のバッテリ24によってエネルギーを供給され得る。この場合、集積回路35は、エネルギーが供給されるとすぐに信号を発するように構成することができる。
【0055】
通信モジュール37は、Wi-Fi、Bluetooth、GSM、3G、4G、5G、又は他のワイヤレスモジュールであってもよい。
【0056】
バッテリ34は充電コイル36に電気的に接続されているため、充電コイルが電界を受けるとき、充電コイルはバッテリを再充電する電流を発生させる。
【0057】
集積回路35は、第2の固有コードが記憶されているメモリ39を含むか、又はメモリ39に接続することができる。集積回路35は、第2の固有コードを含む信号を第2の電気コネクタ38に送るように構成されている。
【0058】
図2に示すように、保護部材3は、電子タバコ2に装着される。この装着を達成するために、第1の凹部23は第2の突出部33に嵌合して、第1及び第2の電気コネクタ26及び38を位置合わせする。次いで、第2の電気コネクタ38が第1の電気コネクタ26に嵌合することによって、それらは機械的にも電気的にも結合される。とりわけ、第2の電気コネクタ38が第1の電気コネクタ26に挿入されることによって、保護部材3が電子タバコ2上の所定の位置に保持される。
【0059】
アセンブリは取り外し可能である。保護部材3は、例えば、有線充電器又は固定充電ステーションで電子タバコ2を再充電するために、電子タバコ2の第1の電気コネクタ26を解放するために取り外すことができる。
【0060】
保護要素3を電子タバコ2から分離するには、好ましくは電子タバコ2の重量よりも大きな力が必要とされる。これにより、ユーザがエアロゾル発生システム1を保護部材3のみで保持することによって取り扱うときに、電子タバコ2が保護部材3から外れることが防止され、逆もまた同様である。組み立てられた時点で、電子タバコ2のハウジング21及び保護部材3のハウジング31は、実質的に均質な形状、すなわち不連続性のない形状を画定する。
【0061】
電気コネクタ26及び38が電気的に結合されたとき、集積回路35は、そのメモリ39に記憶された第2の固有コードを含む信号をコントローラ25に送る。次いで、コントローラ25は、そのメモリ29に記憶された第1の固有コードが第2の固有コードと一致するかどうかを検査する。
【0062】
第1の固有コードが第2の固有コードと一致する場合、コントローラ25は、電子タバコ2のベイピング機能を有効にし、ヒータは、例えばユーザによって作動させることができる。第1の固有コードが第2の固有コードと一致しない場合、コントローラ25は、電子タバコ2のベイピング機能を無効にし、ヒータは、ユーザの行動にもかかわらず作動させることができない。換言すれば、コントローラ25は、保護部材3の真正性が認識されない場合、すなわち第2の固有コードが第1の固有コードと一致しない場合、ベイピング機能を無効にするように構成することができる。逆に、コントローラ25は、保護部材3の真正性が認識された場合、すなわち第2の固有コードが第1の固有コードと一致した場合、ベイピング機能を有効にすることができることを有効にするように構成することができる。
【0063】
保護部材3のさまざまな構成要素に電気エネルギーを供給するその機能に加えて、バッテリ34は、第1及び第2の電気コネクタ26及び38を通して電気エネルギーを伝送することによって、電子タバコ2のバッテリ24を再充電することもできる。同じことが充電コイル36にも当てはまり、充電コイル36は、保護部材3のバッテリ34に電流を送ることに加えて、この電流を電子タバコ2のバッテリ24に送ることもできる。
【0064】
通信モジュール37は、エアロゾル発生システム1の外部の装置から及び/又は装置に信号又は情報を受信及び/又は送信することができるようにする。電子タバコ2に関連する情報は、例えばコントローラ25によって発せられ、第1及び第2の電気コネクタ26及び38を介して通信モジュール37に送信されてもよい。この情報は、その後、外部装置に送信されてもよい。
【0065】
図示していない代替例について以下に説明する。
【0066】
ハウジングの他の形態を考慮することができ、例えば、電子タバコのハウジング及び/又は保護要素のハウジングは、ペンのような細長い円筒の形状を有し得る。
【0067】
電子タバコのハウジング及び保護要素のハウジングは、それぞれいくつかの突出部又は凹部を備え得る。細長い、多角形、又はこれらの形状の組み合わせなど、突出部又は凹部の他の形状を想定することができる。とりわけ、電子タバコの凹部は、その代わりに突出してもよく、すなわち、第1の表面からハウジングから外側に突き出てもよく、一方、保護要素の突出部材は、その代わりに凹んでいてもよい。
【0068】
第1の電気コネクタは雄型であってもよく、第2の電気コネクタは雌型であってもよい。
【0069】
電子タバコがキャビティ及び/又はヒータ及び/又はバッテリ及び/又はコントローラを備えないことは可能である。
【0070】
保護要素がバッテリ及び/又は集積回路及び/又は充電コイル及び/又は通信モジュールを備えないことも可能である。
【0071】
最後に、本発明は、特定のタイプの電気コネクタに限定されるものではなく、例えばタイプA、B又はCのUSBコネクタなど、任意のタイプの電気コネクタを考えることができる。
図1
図2
【国際調査報告】