(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、当該方法の封止するステップを実行するための封止ステーション、及び当該方法によって得られる容器
(51)【国際特許分類】
B65B 1/04 20060101AFI20241129BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20241129BHJP
B65D 85/804 20060101ALI20241129BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20241129BHJP
B65B 29/02 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B65B1/04
A47J31/06 323
B65D85/804 200
B65B51/10 A
B65B29/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527699
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-10
(86)【国際出願番号】 EP2022083113
(87)【国際公開番号】W WO2023094515
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ミッソーム, カリム
(72)【発明者】
【氏名】ガルフ, ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ニーダーライター, ゲルハルト
【テーマコード(参考)】
3E094
3E118
4B104
【Fターム(参考)】
3E094AA04
3E094BA02
3E094BA06
3E094CA06
3E094DA10
3E094HA20
3E118AA02
3E118AB03
3E118AB15
3E118AB18
3E118BB01
3E118BB30
3E118EA10
4B104AA19
4B104AA20
4B104EA08
(57)【要約】
本発明は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、得られる最終容器において、その中に収容される成形された飲料原材料本体(2)の表面の少なくとも70%が容器壁(3、4)と接触している方法に関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、
a.前記容器の注入壁(3)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(3A)と、前記容器内で水を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分(3B)とを備える、注入壁(3)を設けるステップと、
b.前記容器の飲料送出壁(4)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(4A)と、内側部分(4B)とを備え、前記内側部分(4B)は、前記容器内の前記圧力によって前記飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、前記開口部材によって開口されて前記飲料を流出させることが可能である、飲料送出壁(4)を設けるステップであって、前記注入壁(3)の前記内側部分(3B)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(4B)の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、ステップと、
c.成形された飲料原材料本体(2)を前記注入壁(3)又は前記送出壁(4)のカップ形状の前記内側部分(3B)に配置するステップと、
d.前記原材料本体(2)を収容し、かつ前記成形された原材料本体(2)によって充填されていない事前ヘッドスペース(6’)を含む事前容器チャンバを形成するために、前記注入壁(3)の前記封止縁部(3A)と前記送出壁(4)の前記封止縁部(4A)とが重ね合わされるように、前記注入壁(3)と前記送出壁(4)を互いに上下に配置するステップと、
e.前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)を収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素(8、9)を備える封止ステーション(7)であって、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)は、前記縁部(3A、4A)を封止するために互いに向かって移動され、前記封止チャンバの表面が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)の外面と接触するように構成されている、封止ステーション(7)を用意するステップと、
を含む方法において、
前記方法が、
f.前記事前ヘッドスペース(6’)に対して少なくとも10%低減されたヘッドスペース(6)を有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた前記最終容器において、前記成形された飲料原材料本体(2)の表面の少なくとも70%が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)と接触するように、前記ハウジング要素(8、9)を前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)に対して押圧するステップと、
g.前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)が依然として押圧されている間に、前記注入壁(3)の前記縁部(3A)と前記送出壁(4)の前記縁部(4A)とを封止するステップと、
を更に含むこと特徴とする、方法。
【請求項2】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)は、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の2つの内面の少なくとも第1の対向部分(8A、9A)間の距離(D1)が、完成容器の対応する第1の対向部分(3D、4D)の最終厚さ(D2)よりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるまで、前記ハウジング要素(8、9)によって少なくとも部分的に押圧され、好ましくは、前記第1の対向部分(8A、9A、3D、4D)は、前記ハウジング要素(8、9)並びに前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の中央部分である、かつ/又は、前記ハウジング要素(8、9)が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)に対して押圧されるとき、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記重ね合わされた縁部(3A、4A)は、少なくとも部分的に互いに対して摺動することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)は、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の前記2つの内面の前記第1の対向部分(8A、9A)間の最大距離(D1)が、完成容器の対応する第1の対向部分(3D、4D)の最終最大厚さ(D2)よりも少なくとも0.1%小さくなるまで、前記ハウジング要素(8、9)によって押圧される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)は、前記最終容器チャンバの前記ヘッドスペース(6)が前記最終チャンバの全容積の5%未満、好ましくは3%未満になるまで、前記ハウジング要素(8、9)によって少なくとも部分的に押圧される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法の前記封止するステップを実行するための封止ステーションであって、前記容器は、
注入壁(3)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(3A)と、前記容器内で水を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分(3B)とを備える、注入壁(3)と、
飲料送出壁(4)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(4A)と、内側部分(4B)とを備え、前記内側部分(4B)は、前記容器内の前記圧力によって前記飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、前記開口部材によって開口されて前記飲料を流出させることが可能であり、前記注入壁(3)の前記内側部分(3B)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(4B)の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、飲料送出壁(4)と、
前記注入壁(3)の前記封止縁部(3A)と前記送出壁(4)の前記封止縁部(4A)とが重ね合わされるように、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)を上下に配置することによって形成された容器チャンバ内に収容された、成形された飲料原材料本体(2)であって、前記封止縁部(3A、4A)を封止する前の前記容器チャンバが、前記成形された原材料本体(2)によって充填されていない事前ヘッドスペース(6’)を含む、成形された飲料原材料本体(2)と、を備え、
前記封止ステーションは、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(4B)を収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素(8、9)であって、前記縁部(3A、4A)を封止するために互いに向かって移動され、前記封止チャンバの前記表面が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)の前記外面を押圧するように構成されている、第1及び第2のハウジング要素(8、9)を備える、封止ステーションにおいて、
前記第1及び/又は第2のハウジング要素(8、9)の内面のうちの少なくとも1つが、前記事前ヘッドスペース(6’)に対して少なくとも10%減少したヘッドスペース(6)を有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた前記最終容器において、前記成形された飲料原材料本体(2)の前記表面の少なくとも70%が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)と接触するように、前記ハウジング要素(8、9)によって画定される前記封止チャンバの内側に向かって突出し、かつ前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の表面によって、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)の前記外面に及ぼされる前記圧力を増加させる部分(8A)を備えることを特徴とする、封止ステーション。
【請求項6】
前記突出する部分(8A)は、
前記送出壁(4)を収容する前記第1のハウジング要素(8)の前記内面にのみ設けられている、かつ/又は、
一方又は両方の前記ハウジング要素(8、9)の前記表面の中央部分にのみ設けられている、かつ/又は、
前記ハウジング要素(8、9)の直径(G2)の10%~80%の範囲、より好ましくは約65%の直径(G1)を有するディスク形状を有する、かつ/又は、
0.5mm~2mmの範囲、より好ましくは約1mmの高さ(D3)を有する、かつ/又は、
5mm~30mmの範囲、より好ましくは約25mmの直径(G1)を有する、請求項5に記載の封止ステーション。
【請求項7】
前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)は、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記縁部(3A、4A)の前記封止中に、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の前記2つの内面の少なくとも第1の対向部分(8A、9A)間の距離(D1)が、完成容器の対応する第1の対向部分(3D、4D)の最終厚さ(D2)よりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるように寸法決めされ、好ましくは、前記距離は、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の前記2つの内面間の最大距離(D1)であり、前記最終厚さは、前記容器の最終最大厚さである、請求項5又は6に記載の封止ステーション。
【請求項8】
請求項1~4に記載の方法及び/又は請求項5~7に記載の封止ステーションによって得られる、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器であって、飲料原材料(2)が貯蔵されるチャンバ(1)を備え、前記チャンバ(1)は、
前記容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁(3)であって、前記チャンバ(1)内で前記流体を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁(3)によって、及び
前記容器から注出される前記飲料が通される飲料送出壁(4)であって、前記チャンバ(1)に注入される前記流体の圧力上昇の影響下で前記飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁(4)によって、画定されており、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)は、前記注入壁(3)と前記送出壁(4)を封止接続するための封止部分(3A、4A)を備え、
前記飲料原材料(2)は、成形された原材料によって作られた本体であり、前記本体は、少なくともヘッドスペース(6)が前記チャンバ(1)内で前記本体(2)と前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の内部表面との間に設けられるように寸法決めされており、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)は紙層を含む、容器において、
少なくとも前記送出壁(4)の内面、及び好ましくは前記注入壁(3)の内面も、前記封止部分(3A、4A)に位置する前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の終端部分(4F、3F)を除いて、前記飲料原材料本体(2)の外面と連続的に接触していることを特徴とする、
容器。
【請求項9】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記紙層が、以下の特徴:
i.固有の酸素バリア特性を有する硫化紙で作られている、
ii.成形可能な紙層であり、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)のための要求された形状、好ましくはカップ形状を得るために伸張及び変形させることができる、
iii.50g/m2~200g/m2の範囲、より好ましくは70g/m2~150g/m2の範囲の重量を有する、
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)は、前記チャンバ(1)内に貯蔵された前記飲料原材料(2)のための酸素バリアを形成することを特徴とする、請求項8又は9に記載の容器。
【請求項11】
前記容器が使い捨てコーヒーポッドであることを特徴とする、請求項8~10のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器の製造方法、当該方法の封止するステップを実行するための封止ステーション、及び当該方法によって得られる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料調製デバイスにおいて、原材料、特に挽いたコーヒーを収容するポッドを使用することによって飲料を調製することが知られている。既知のポッドはチャンバを有し、チャンバは、通常、互いに対して逆さまに配置された2つのカップ形状の本体を重ね合わせ、それぞれの周縁部に沿って溶接することによって作製される(
図1及び
図3に示すように)。カップ形状の本体は、一般的に同一であるが、必ずしも同一である必要はない。既知のポッドは、通常、ポッドチャンバ内に導入される水が通される注入壁であって、当該チャンバ内で流体を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁と、注出される飲料が通される飲料送出壁であって、飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁とを備える。
【0003】
2つのカップ形状の本体の周縁部を封止する前に、飲料原材料がカップ形状の送出壁内に配置される。飲料原材料は、通常、成形された原材料によって作られた本体であり、三次元形状を有し、注入壁及び送出壁によって画定されるチャンバを完全には充填しないような(それらが重ね合わされた場合)、かなり大きなヘッドスペースがチャンバ内で当該本体と注入壁及び送出壁の内部表面との間に設けられるような寸法である(
図3に示すように)。既知のポッドでは、飲料原材料本体は、注入壁及び送出壁の本体の内部表面全体と接触しておらず、通常、送出壁の限定された中央部分のみと接触している。注入壁及び送出壁によって画定されるチャンバ内の、成形された原材料本体によって充填されていない空のスペースは、通常、「ヘッドスペース」と呼ばれる。この用語は、この意味で本明細書において使用される。
【0004】
環境に配慮した取り組みに従い、既存のポッドの一部は紙製である。このような紙のポッドでは、抽出中に、送出壁と飲料調製デバイスとの相互作用による開口に加えて、飲料の流出のための所望の開口に加えて亀裂が形成されることがある。これらの亀裂は、正しく飲料を調製するのに悪影響を及ぼすため、また、これらの亀裂から飲料原材料、例えば挽いたコーヒーがポッドから流出し、ユーザカップの内側に流入するため、望ましくない。
【0005】
本発明の目的は、既存の容器の前述の欠点を除去する、飲料を調製するための容器の製造方法、当該方法の封止するステップを実行するための封止ステーション、及び当該方法によって得られる容器を提供することである。特に、本発明の目的は、飲料を調製するための容器の製造方法、及び容器の送出壁の開口を改善し、当該壁における望ましくない亀裂の形成を回避する、当該方法によって得られる容器を提供することである。
【発明の概要】
【0006】
請求項1に記載の発明は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、
a.当該容器の注入壁であって、紙層を含み、周囲封止縁部と、当該容器内で水を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分とを備える、注入壁を設けるステップと、
b.当該容器の飲料送出壁であって、紙層を含み、周囲封止縁部と、内側部分とを備え、内側部分は、当該容器内の圧力によって飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、当該開口部材によって開口されて飲料を流出させることが可能である、飲料送出壁を設けるステップであって、当該注入壁の当該内側部分及び当該送出壁の当該内側部分の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、ステップと、
c.成形された飲料原材料本体を注入壁又は送出壁のカップ形状の内側部分に配置するステップと、
d.当該原材料本体を収容し、かつ当該成形された原材料本体によって充填されていない事前ヘッドスペースを含む事前容器チャンバを形成するために、注入壁の封止縁部と送出壁の封止縁部とが重ね合わされるように、当該注入壁と当該送出壁を互いに上下に配置するステップと、
e.当該注入壁及び当該送出壁の内側部分を収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素を備える封止ステーションであって、当該第1及び第2のハウジング要素は、当該縁部を封止するために互いに向かって移動され、当該封止チャンバの表面が注入壁及び送出壁の当該内側部分の外面と接触するように構成されている、封止ステーションを用意するステップと、を含む方法である。
【0007】
本発明によれば、本方法は、
f.当該事前ヘッドスペースに対して少なくとも10%低減されたヘッドスペースを有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた最終容器において、成形された飲料原材料本体の表面の少なくとも70%が注入壁及び送出壁と接触するように、当該ハウジング要素を当該注入壁及び当該送出壁の当該内側部分に対して押圧するステップと、
g.注入壁及び送出壁の内側部分が依然として押圧されている間に、当該注入壁の縁部と当該送出壁の縁部とを封止するステップと
を更に含む。
【0008】
好ましくは、本方法は、注入壁及び送出壁の内側部分が、第1及び第2のハウジング要素の2つの内面の少なくとも第1の対向部分間の距離が、完成容器の対応する第1の対向部分の最終厚さよりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるまで、当該ハウジング要素によって少なくとも部分的に押圧されることを提供し、好ましくは、当該第1の対向部分は、当該ハウジング要素並びに注入壁及び送出壁の中央部分である。
【0009】
好ましくは、本方法は、ハウジング要素が注入壁及び送出壁の当該内側部分に対して押圧されるとき、当該注入壁と当該送出壁の重ね合わされた縁部が少なくとも部分的に互いに対して摺動することができることを提供する。
【0010】
より好ましくは、本方法は、第1及び第2のハウジング要素の2つの内面の第1の対向部分間の最大距離が、完成容器の対応する第1の対向部分の最終最大厚さよりも少なくとも0.1%小さくなるまで、注入壁及び送出壁の内側部分が当該ハウジング要素によって押圧されることを提供する。
【0011】
好ましくは、本方法は、注入壁及び送出壁の内側部分が、最終容器チャンバのヘッドスペースが当該最終チャンバの全容積の5%未満、好ましくは3%未満になるまで、当該ハウジング要素によって少なくとも部分的に押圧されることを更に提供する。
【0012】
本発明はまた、前述したように、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法の封止するステップを実行するための封止ステーションに関し、容器は、
注入壁であって、紙層を含み、周囲封止縁部と、当該容器内で水を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分とを備える、注入壁と、
飲料送出壁であって、紙層を含み、周囲封止縁部と、内側部分とを備え、内側部分は、当該容器内の圧力によって飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、当該開口部材によって開口されて飲料を流出させることが可能であり、当該注入壁の当該内側部分及び当該送出壁の当該内側部分の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、飲料送出壁と、
注入壁の封止縁部と送出壁の封止縁部とが重ね合わされるように、当該注入壁及び当該送出壁を上下に配置することによって形成された容器チャンバ内に収容された、成形された飲料原材料本体であって、当該封止縁部を封止する前の当該容器チャンバが、当該成形された原材料本体によって充填されていない事前ヘッドスペースを含む、成形された飲料原材料本体と、を備える。
【0013】
本発明によれば、封止ステーションは、
当該注入壁及び当該送出壁の内側部分を収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素であって、当該縁部を封止するために互いに向かって移動され、この封止チャンバの表面が注入壁及び送出壁の内側部分の外面を押圧するように構成されている、第1及び第2のハウジング要素を備え、
第1及び/又は第2のハウジング要素の内面のうちの少なくとも1つは、当該事前ヘッドスペースに対して少なくとも10%減少したヘッドスペースを有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた最終容器において、成形された飲料原材料本体の表面の少なくとも70%が注入壁及び送出壁と接触するように、ハウジング要素によって画定される封止チャンバの内側に向かって突出し、かつ当該第1及び第2のハウジング要素の表面によって、当該注入壁及び当該送出壁の内側部分の外面に及ぼされる圧力を増加させる部分を備える。
【0014】
好ましくは、封止ステーションの突出する部分は、送出壁を収容する第1のハウジング要素の内面にのみ設けられる。
【0015】
好ましくは、封止ステーションの突出する部分は、一方又は両方のハウジング要素の表面の中央部分にのみ設けられる。
【0016】
好ましくは、封止ステーションの突出する部分は、ハウジング要素の直径の10%~80%の範囲、より好ましくは約65%の直径を有するディスク形状を有する。
【0017】
好ましくは、封止ステーションの突出する部分は、0.5mm~2mmの範囲、より好ましくは約1mmの高さを有する。
【0018】
好ましくは、封止ステーションの突出する部分は、5mm~30mmの範囲、より好ましくは約25mmの直径を有する。
【0019】
好ましくは、封止ステーションの第1及び第2のハウジング要素は、注入壁及び送出壁の縁部の封止中に、第1及び第2のハウジング要素の2つの内面の少なくとも第1の対向部分間の距離が、完成容器の対応する第1の対向部分の最終厚さよりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるように寸法決めされ、好ましくは、第1及び第2のハウジング要素の2つの内面の少なくとも第1の対向部分間の距離は、第1及び第2のハウジング要素の2つの内面間の最大距離であり、容器の当該最終厚さは、容器の最終最大厚さである。
【0020】
本発明はまた、前述したような方法、及び/又は前述したような封止ステーションによって得られる、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器であって、飲料原材料が貯蔵されるチャンバを備える容器に関し、当該チャンバは、
容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁であって、当該チャンバ内で当該流体を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁によって、及び、
容器から注出される飲料が通される飲料送出壁であって、当該チャンバに注入される当該流体の圧力上昇の影響下で飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁によって、画定されており、
注入壁及び送出壁は、当該注入壁と当該送出壁を封止接続するための封止部分を備え、
飲料原材料は、成形された原材料によって作られた本体であり、本体は、少なくともヘッドスペースがチャンバ内で本体と注入壁及び送出壁の内部表面との間に設けられるように寸法決めされ、
注入壁及び送出壁は紙層を含む。
【0021】
本発明によれば、少なくとも当該送出壁の内面、好ましくは注入壁の内面も、封止部分に位置する当該注入壁及び当該送出壁の終端部分を除いて、飲料原材料本体の外面と連続的に接触している。
【0022】
好ましくは、容器の注入壁及び送出壁の紙層は、固有の酸素バリア特性を有する硫化紙で作られる。
【0023】
好ましくは、容器の注入壁及び送出壁の紙層は、注入壁及び送出壁に要求される形状、好ましくはカップ形状を得るために伸張及び変形させることができる、成形可能な紙層である。
【0024】
好ましくは、容器の注入壁及び送出壁の紙層は、50g/m2~200g/m2の範囲、より好ましくは70g/m2~150g/m2の範囲の重量を有する。
【0025】
好ましくは、容器の注入壁及び送出壁は、当該チャンバ内に貯蔵された飲料原材料のための酸素バリアを形成する。
【0026】
好ましくは、容器は使い捨てコーヒーポッドである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の追加の特徴及び利点は、図面を参照して以下に記載の現在好ましい実施形態の説明において記載されており、この説明から明らかになる。
【
図1】当業者にとって一般的な容器の概略斜視図である。
【
図2】
図1に示す容器の2つの同一の壁のうちの1つの概略斜視図である。
【
図5】本発明による
図4に示すような容器を含む、封止するステップの終了時の、本発明による封止ステーションの概略切断図である。
【
図6】矢印Wで示される
図6の一部分であって、図面をより理解しやすくするために容器は示されていない、一部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図は、飲料原材料2が貯蔵されるチャンバ1を備える、飲料調製デバイス(図示されていないが、当業者にとって一般的である)で使用するための容器を示す。チャンバ1は、注入壁3であって、周囲封止縁部3Aと、容器内に導入される流体、好ましくは水が通され、当該チャンバ内で当該流体を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成された内側部分3Bとを備える、注入壁3によって、及び、容器の飲料送出壁4であって、周囲封止縁部4Aと、注出される飲料が通され、当該チャンバに注入される当該流体の圧力上昇の影響下で飲料調製デバイスの開口要素との相互作用(例えば、穿孔又は引き裂き相互作用)時に開口するように構成された内側部分4Cとを備える、容器の飲料送出壁4によって、画定される。
【0029】
周囲封止縁部3A、4Aは、注入壁3と送出壁4を封止接続するように構成される。
【0030】
注入壁3及び送出壁4は、チャンバ1内に貯蔵された飲料原材料2のための酸素バリアを形成する。
【0031】
飲料原材料は、成形された原材料によって作られた本体2であり、三次元形状を有し、チャンバ1を完全には充填しないような形状及び寸法である。したがって、チャンバ1内には、成形された原材料の本体2と注入壁3及び送出壁4の内部表面との間に少なくとも1つのヘッドスペース6(
図4)がある。
【0032】
本発明によれば、注入壁3及び送出壁4は紙層を含む。
【0033】
本発明によれば、少なくとも送出壁4の内面、及び好ましくは注入壁3の内面もまた、封止縁部3A、4Aに位置する当該壁3、4の短い終端部分4F、3Fを除いて、飲料原材料本体2の外面と連続的に接触している。
【0034】
送出壁4及び注入壁3のこの短い終端部分4F、3Fは、好ましくは、1mm~10mmの寸法を有する。
【0035】
チャンバ1内のヘッドスペース6が非常に制限されてり、このヘッドスペース6が好ましくは実質的に縁部3A、4Aのみに設けられており、かつ送出壁4が飲料原材料とほぼ完全に接触している(一種の「クッション」を形成する)という事実のおかげで、飲料流出中に送出壁4に亀裂が形成されず、送出壁4と飲料調製デバイスの開口要素との相互作用によって形成される開口部のみを通って飲料が流出することが確認された。
【0036】
図3に示すように、前述のタイプの既知の容器(
図4に示す、本発明による容器の壁及び本体と同じ寸法の注入壁3及び送出壁4並びに本体2を有する)では、注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバ内の本体2によって充填されていないヘッドスペース6’は、本発明による容器内に存在するもの(
図4に示す)よりもはるかに大きいことに留意されたい。更に、既知の容器では、送出壁4は、成形された原材料の本体2と接触しない大きな縁部4Eを有する。
図3に示すように、空の縁部6’は、(本発明による容器において、
図4に示すように)封止縁部4A、3Aに位置するだけでなく、送出壁4の最も湾曲した部分4Cに、すなわち、飲料の流出中に望ましくない亀裂が形成される送出壁4の領域にまさに位置する。
【0037】
本発明の文脈において、「ヘッドスペース」という用語は、注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバ内の本体2によって充填されていない空のスペースを指す。
【0038】
好ましくは、チャンバ1内のヘッドスペース6は、当該チャンバ1の全容積の5%未満、好ましくは3%未満である。
【0039】
好ましくは、送出壁3、4の内側部分3B、4Bはカップ形状を有し、封止縁部3A、4Aが当該内側カップ部分3B、4Bの周りに平坦で環状の縁部を形成する。
【0040】
好ましくは、このカップ形状は、回転対称である。
【0041】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4は、封止縁部3A、4Aに向かって増大する円形断面を有する。
【0042】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4は、同じ形状及び寸法を有する。
【0043】
好ましくは、成形された原材料2は、チャンバ1の形状と実質的に同一の三次元形状を有する。例えば、
図3及び
図4に示すように、成形された原材料2は、中心から外縁に向かって厚さが減少するディスクの形状を有する。既に上述したように、この成形された原材料2は、チャンバ1を完全には充填しない。
【0044】
成形された原材料の本体2が注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバと正確に同じ形状及び寸法を有していないという事実により、成形された原材料2を容器内に挿入し、注入壁と送出壁とを封止することによって容器のチャンバを形成するのに必要な動作が極めて単純化されるので、容器の製造のための自動運転を迅速化することができる。
【0045】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の紙層は、成形可能な紙層である。当業者にとって一般的であるように、注入壁3及び送出壁4は、好ましくは、紙のブランクから始めて形成され、紙のブランクは、伸張され、
図2に示すように、要求された形状、好ましくはカップ形状が与えられる。
【0046】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の紙層は、硫化紙、すなわち、固有の酸素バリア特性を有する紙である。追加の酸素バリアライナを取り付ける必要がないので、このタイプの紙が好ましい。
【0047】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の成形可能な紙層は、50g/m2~200g/m2の範囲、より好ましくは70g/m2~150g/m2の範囲の重量を有する。
【0048】
注入壁3及び送出壁4の紙層が固有の酸素バリア特性を有していない場合、通常の酸素バリアライナがこの紙層に取り付けられる。
【0049】
この酸素バリアライナは、例えば、化石若しくは非化石資源のポリマー、又はBioSourceポリマーを含む、既知の単層又は多層ポリマーライナで作られており、好ましくは、注入壁3及び送出壁4の内面に取り付けられる。
【0050】
好ましい多層バリアライナは、酸素及び/又は水分バリア特性を有するコア層を含み、コア層は、当該バリアライナを注入壁3及び送出壁4に封止するための封止層に取り囲まれている。
【0051】
酸素バリアライナは、非限定的な例として、以下の層のうちの1つ以上を含む。
ポリブチレンサクシネート(PBSA/bioPBS)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最外ポリマー層、
生分解性の変性又は官能化ポリオレフィンを含む第1の結合層、
ブテンジオールビニルアルコールコポリマー(BVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択されるポリマーを含むバリア層、
生分解性の変性又は官能化ポリオレフィンを含む第2の結合層、
ポリブチレンサクシネート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、デンプン、セルロース誘導体、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、又はこれらの組み合わせのリスト内で選択される生分解性ポリマーを含む最内ポリマー層。
【0052】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4のための酸素に対するバリアは、飲料原材料の性質に応じて十分な貯蔵寿命を提供するように選択される。例えばコーヒーの場合、予想される貯蔵寿命は12ヶ月であり得る。
【0053】
好ましくは、容器の注入壁3及び送出壁4は、家庭で堆肥化可能な材料で作られる。本発明による容器は、通常、国家規制に従って公式のリサイクル施設で組織化されたリサイクルプロセスにおいて(例えば、紙リサイクルストリームにおいて、又は一般的なごみリサイクル若しくは処理ストリームにおいて)リサイクルされることが意図される。しかしながら、容器が自然界、家庭で堆肥化可能な廃棄物又は埋立地に置かれる場合、当該容器は、自然界に自然に存在する温度及び湿度の条件下で細菌によって自然に分解される準備ができている材料で設計される。このようにして、そのような容器が自然に留まらず、家庭での堆肥化可能性基準によって規定される条件内で短期間(原則として数週間)内に自然に消滅することが保証される。より正確には、家庭での堆肥化可能性は、現在、国家レベルで十分に定義されており、主に国際標準EN13432に基づいている。したがって、それらは、本明細書において更に詳細に定義する必要はない。これらの規格に準拠する材料又は製品は、それらの家庭での堆肥化可能性を示す適合マークによって認識することができる。国家レベルでの家庭堆肥化可能認定のいくつかの例は、以下を含むが、これらに限定されない。認証機関TUV AUSTRIA BELGIUMは、そのような家庭堆肥化可能性認定スキームを提供し、DIN CERTCOは、オーストラリア規格AS5810による家庭堆肥化可能性の認定を提供する。イタリアは、周囲温度での堆肥化に関する国家基準、UNI11183:2006を有する。2015年11月に、フランス規格「NF T51-800プラスチック-家庭での堆肥化に適したプラスチックの仕様」が導入された。この規格は、DIN CERTCOスキームで扱われている。
【0054】
飲料の調製は、流体物質を容器に収容された原材料と混合することによって得られる。好ましくは、原材料は、焙煎して挽いたコーヒー、成形された又は成形されていない可溶性粉末コーヒー、又は葉茶のリストから選択される。乳製品原材料(例えば、牛乳又はクリーマー)も提供することができ、チョコレート、果汁、スープ、野菜ジュース、ブイヨン、スムージー、ピュレー、クーリ、クリーム、チコリ、オオムギ、調理補助食品、スープ原材料、乳児用フォーミュラ、又はそれらの組み合わせも、粉末可溶性形態、種々の粘度を有する液体濃縮形態、又はゲル形態で提供することができる。
【0055】
最も好ましくは、飲料原材料は焙煎して挽いたコーヒーである。
【0056】
本発明の容器は、典型的には、容器内に希釈液(例えば、熱水、冷水、又は周囲温度水)が供給されるなどによって、飲料及び/又は食品調製デバイスと相互作用することができ、そのような希釈液は、飲料原材料と混合するか、又は他の方法で相互作用する。「希釈液と飲料原材料との混合」という表現により、容器に収容された全ての原材料が、飲料製品を得るために希釈液との一般的な混合動作(溶解、抽出、又は浸出)に適合する形態であることが意図される。このタイプのデバイスは、例えば、「Nespresso Pro」(登録商標)プロフェッショナルカプセルに対して抽出を行うことに使用されるものである。
【0057】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバは、本質的に無酸素であり、容器内のヘッドスペースは、窒素、酸化炭素、及びそれらの組み合わせなどの不活性ガスで満たされる。好ましくは、容器は、コーヒーに含まれ、封止後にキャビティ内に放出されるガス、例えば酸化炭素及び二酸化炭素により、大気圧を超えるガスの内圧を有する。
【0058】
本発明の更なる態様は、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するため容器を製造するための方法に関する。この方法は、以下のステップを含む。
a)当該容器の注入壁3であって、紙層を含み、周囲封止縁部3Aと、当該容器内で水を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分3Bとを備える、注入壁3を設けるステップと、
b)当該容器の飲料送出壁4であって、紙層を含み、周囲封止縁部4Aと、内側部分4Bとを備え、内側部分4Bは、当該容器内の圧力によって飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、当該開口部材によって開口されて飲料を流出させることが可能である、飲料送出壁4を設けるステップであって、当該注入壁3の当該内側部分3B及び当該送出壁4の当該内側部分4Bの少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、ステップと、
c)成形された飲料原材料本体2を注入壁3又は送出壁4のカップ形状の内側部分3Bに配置する(
図5では、原材料本体2は注入壁4内に配置される)ステップと、
d)当該原材料本体2を収容し、かつ当該成形された原材料本体2によって充填されていない事前ヘッドスペース6’を含む事前容器チャンバを形成するために、注入壁3の封止縁部3Aと送出壁4の封止縁部4Aとが重ね合わされるように、当該注入壁3と当該送出壁4を互いに上下に配置するステップと、
e)当該注入壁3及び当該送出壁4の内側部分3B、4Bを収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素8、9を備える封止ステーション7であって、当該第1及び第2のハウジング要素8、9は、当該縁部3A、4Aを封止するために互いに向かって移動され、当該封止チャンバの表面が注入壁3及び送出壁4の当該内側部分3B、4Bの外面と接触するように構成されている、封止ステーション7を用意するステップと、
を含む。
【0059】
本発明によれば、本方法は、
f)当該事前ヘッドスペース6’に対して少なくとも10%低減されたヘッドスペース6を有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた最終容器において、成形された飲料原材料本体2の表面の少なくとも70%が注入壁3及び送出壁4と接触するように、当該ハウジング要素8、9を当該注入壁3及び当該送出壁4の当該内側部分3B、4Bに対して押圧するステップと、
g)注入壁3及び送出壁4の内側部分3B、4Bが依然として押圧されている間に、当該注入壁3の縁部3Aと当該送出壁4の縁部4Aとを封止するステップと、
を更に含む。
【0060】
最初に注入壁3及び送出壁4の内側部分3B、4Bを押圧するステップを適用し、続いてこれらの壁3の縁部3Aと壁4の縁部4Aとを封止することによって、これらの壁3、4が依然として押圧されている間に、ヘッドスペース6(すなわち、チャンバ1内の本体2によって充填されていないスペース)を減少させ、成形された飲料原材料本体2と接触している少なくとも送出壁4(及び好ましくは注入壁3も)の内部表面の面積を増加させることが可能であることが実験的に確認された。
【0061】
図3は、封止するステップの後に通常の製造方法によって得られた容器を示し、
図4は、封止するステップの後に本発明による製造方法によって得られた同じ容器を示す。これらの2つの図を比較することによって分かるように、封止するステップの後の「通常の」容器のヘッドスペース6’(
図3に示す)は、本発明によって得られる容器に存在するヘッドスペース6(
図4)よりもはるかに大きい。封止するステップの後の「通常の」容器(
図3)では、送出壁4は、成形された原材料の本体2と接触していないその最も湾曲した部分4Cの大部分4Eを有する。封止するステップの後の「通常の」容器のヘッドスペース6’(
図3)は、送出壁4及び注入壁3の封止縁部4A、3Aに位置するだけでなく、送出壁4の最も湾曲した部分4Bにも位置する。
【0062】
図4から分かるように、本発明によって得られる容器では、注入壁3及び送出壁4は、実質的に注入壁3及び送出壁4の封止縁部3A、4Aのみに位置するヘッドスペース6を除いて、成形された原材料の本体2の外面とほぼ連続的に接触している(ヘッドスペースが存在しない)。
【0063】
既に上述したように、チャンバ1内のヘッドスペース6が非常に制限されており、このヘッドスペース6が好ましくは実質的に封止縁部3A、4Aのみに設けられており、かつ送出壁4が飲料原材料とほぼ完全に接触している(一種の「クッション」を形成する)という事実のおかげで、飲料流出中に送出壁4に亀裂が形成されず、送出壁4と飲料調製デバイスの開口要素との相互作用によって形成される開口部のみを通って飲料が流出することが確認された。
【0064】
好ましくは、注入壁3及び送出壁4の内側部分3B、4Bは、第1及び第2のハウジング要素8、9の2つの内面の少なくとも第1の対向部分8A、9A間の距離D1が、完成容器の対応する第1の対向部分3D、4Dの最終厚さD2よりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるまで、当該ハウジング要素8、9によって少なくとも部分的に押圧される。このようにして、注入壁3及び送出壁4と成形された飲料原材料本体2とのより良好な接触を得ることが可能である。
【0065】
好ましくは、第1及び第2のハウジング要素8、9並びに完成容器の2つの内面の第1の対向部分8A、9A、3D、4Dは、当該ハウジング要素8、9並びに注入壁3及び送出壁4の中央部分である。このようにして、注入壁3及び送出壁4と成形された飲料原材料本体2とのより良好な接触を得ることが可能である。
【0066】
好ましくは、第1の対向部分8A、9A、3D、4Dは、当該ハウジング要素8、9並びに注入壁3及び送出壁4の中央部分であり、注入壁3及び送出壁4の当該内側部分3B、4Bは、第1及び第2のハウジング要素8、9の2つの内面の第1の対向部分8A、9A間の最大距離D1が、完成容器の対応する第1の対向部分3D、4Dの最終最大厚さD2よりも少なくとも0.1%小さくなるまで、当該ハウジング要素8、9によって押圧される。
【0067】
好ましくは、当該ハウジング要素8、9が注入壁3及び送出壁4の当該内側部分3B、4Bに対して押圧されるとき、当該注入壁3と当該送出壁4の重ね合わされた縁部3A、4Aは、少なくとも部分的に互いに対して摺動することができる。このようにして、注入壁3及び送出壁4と成形された飲料原材料本体2とのより良好な接触を得ることが可能である。
【0068】
好ましくは、本発明によって得られる容器において、注入壁3及び送出壁4によって画定されるチャンバ内のヘッドスペース6は、当該チャンバの全容積の5%未満、好ましくは3%未満であり、少なくとも送出壁4の内面、好ましくは注入壁3の内面も、当該壁3、4の封止部分3A、4Aに位置する当該壁3、4の終端部分4F、3Fを除いて、飲料原材料本体2の外面と連続的に接触している。
【0069】
前述したように、注入壁3及び送出壁4は、好ましくは同じカップ形状及び寸法を有し、紙層を形成することによって作製される。当業者にとって一般的であるように、注入壁3及び送出壁4は、紙のブランクから始めて形成され、紙のブランクは、伸張され、
図2に示すように、要求された形状、好ましくはカップ形状が与えられる。
【0070】
前述したように、好ましくは、注入壁3及び送出壁4の紙層は、硫化紙、すなわち、固有の酸素バリア特性を有する紙である。追加の酸素バリアライナを取り付ける必要がないので、このタイプの紙が好ましい。
【0071】
前述したように、好ましくは、注入壁3及び送出壁4の成形可能な紙層は、50g/m2~200g/m2の範囲の重量、より好ましくは70g/m2~150g/m2の範囲の重量を有する。
【0072】
前述したように、注入壁3及び送出壁4の紙層が固有の酸素バリア特性を有していない場合、通常の酸素バリアライナがこの紙層に取り付けられる。
【0073】
送出壁3及び注入壁4、並びに成形された原材料本体2を形成するために必要なステップ及びデバイスは、当業者によく知られており、詳細には説明しない。
【0074】
注入壁3及び送出壁4を形成した後、これらの壁3、4は、本発明による封止ステーション7に配置される。
【0075】
本発明はまた、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための封止ステーション7に関する。
【0076】
本発明による封止ステーション7は、
注入壁3であって、紙層を含み、周囲封止縁部3Aと、当該記容器内で水を圧力下で流通させるために飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分3Bとを備える、注入壁3と、
飲料送出壁4であって、紙層を含み、周囲封止縁部4Aと、内側部分4Bとを備え、内側部分4Bは、当該容器内の圧力によって飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、当該開口部材によって開口されて飲料を流出させることが可能であり、当該注入壁3の当該内側部分3B及び当該送出壁4の当該内側部分4Bの少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、飲料送出壁4と、
注入壁3の封止縁部3Aと送出壁4の封止縁部4Aとが重ね合わされるように、当該注入壁3及び当該送出壁4を上下に配置することによって形成された容器チャンバ内に収容された、成形された飲料原材料本体2であって、当該封止縁部3A、4Aを共に封止する前の当該容器チャンバが、当該成形された原材料本体2によって充填されていない事前ヘッドスペース6’を含む、成形された飲料原材料本体2と、
を備える。
【0077】
封止ステーションは、
当該注入壁3及び当該送出壁4の内側部分4Bを収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素8、9であって、当該縁部3A、4Aを封止するために互いに向かって移動され、この封止チャンバの表面が注入壁3及び送出壁4の内側部分3B、4Bの外面を押圧するように構成されている、第1及び第2のハウジング要素8、9を備える。
【0078】
本発明によれば、封止ステーションの第1及び/又は第2のハウジング要素8、9の内面のうちの少なくとも1つは、当該事前ヘッドスペース6’に対して少なくとも10%減少したヘッドスペース6を有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた最終容器において、成形された飲料原材料本体2の表面の少なくとも70%が注入壁3及び送出壁4と接触するように、ハウジング要素8、9によって画定される封止チャンバの内側に向かって突出し、かつ当該第1及び第2のハウジング要素8、9の表面によって、当該注入壁3及び当該送出壁4の内側部分3B、4Bの外面に及ぼされる圧力を増加させる部分8Aを備える。
【0079】
上述した特徴を有する突出する部分をハウジング要素8、9に設けることによって、注入壁3及び送出壁4は、成形された原材料本体2に対してしっかりと押圧され、これらの壁の縁部3A、4Aが互いに封止された後も、その本体と接触したままであることが実験的に確認された。
【0080】
好ましくは、突出する部分8Aは、送出壁4を収容する第1のハウジング要素8の内面にのみ設けられる。
【0081】
好ましくは、突出する部分8Aは、一方又は両方のハウジング要素8、9の表面の中央部分にのみ設けられる。
【0082】
好ましくは、突出する部分8Aは、ハウジング要素8、9の直径G2の10%~80%の範囲、より好ましくは約65%の直径G1を有するディスク形状を有する。
【0083】
好ましくは、突出する部分8Aは、0.5mm~2mmの範囲、より好ましくは約1mmの高さD3を有する。
【0084】
好ましくは、突出する部分8Aは、5mm~30mmの範囲、より好ましくは約25mmの直径G1を有する。
【0085】
好ましくは、第1及び第2のハウジング要素8、9は、注入壁3及び送出壁4の縁部3A、4Aの封止中に、第1及び第2のハウジング要素8、9の2つの内面の少なくとも第1の対向部分8A、9A間の距離D1が、完成容器の対応する第1の対向部分3D、4Dの最終厚さD2よりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるように寸法決めされる。
【0086】
好ましくは、第1及び第2のハウジング要素8、9の2つの内面の少なくとも第1の対向部分8A、9A間の距離は、第1及び第2のハウジング要素8、9の2つの内面間の最大距離D1であり、当該最終厚さは、容器の最終最大厚さである。
【0087】
注入壁3及び送出壁4の縁部3A、4Aは、当業者にとって一般的な方法で封止される。したがって、この封止するステップについては詳細には説明しない。
【0088】
本明細書に記載した、容器の現在の好ましい実施形態及び容器を製造するための方法に対する様々な変更及び変形が、当業者には明白であることを理解されたい。そのような変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施することができる。例えば、注入壁3及び/若しくは送出壁4、並びに/又は成形された原材料によって作られる本体2は、異なる形状を有してもよい。別の変形によれば、封止ステーションの第1及び第2のハウジング要素は、上述したものとは異なる方法で互いに対して移動させることができ、いずれの場合も当業者にとって一般的な方法である。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための方法であって、
a.前記容器の注入壁(3)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(3A)と、前記容器内で水を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分(3B)とを備える、注入壁(3)を設けるステップと、
b.前記容器の飲料送出壁(4)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(4A)と、内側部分(4B)とを備え、前記内側部分(4B)は、前記容器内の前記圧力によって前記飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、前記開口部材によって開口されて前記飲料を流出させることが可能である、飲料送出壁(4)を設けるステップであって、前記注入壁(3)の前記内側部分(3B)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(4B)の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、ステップと、
c.成形された飲料原材料本体(2)を前記注入壁(3)又は前記送出壁(4)のカップ形状の前記内側部分(3B)に配置するステップと、
d.前記原材料本体(2)を収容し、かつ前記成形された原材料本体(2)によって充填されていない事前ヘッドスペース(6’)を含む事前容器チャンバを形成するために、前記注入壁(3)の前記封止縁部(3A)と前記送出壁(4)の前記封止縁部(4A)とが重ね合わされるように、前記注入壁(3)と前記送出壁(4)を互いに上下に配置するステップと、
e.前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)を収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素(8、9)を備える封止ステーション(7)であって、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)は、前記縁部(3A、4A)を封止するために互いに向かって移動され、前記封止チャンバの表面が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)の外面と接触するように構成されている、封止ステーション(7)を用意するステップと、
を含む方法において、
前記方法が、
f.前記事前ヘッドスペース(6’)に対して少なくとも10%低減されたヘッドスペース(6)を有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた前記最終容器において、前記成形された飲料原材料本体(2)の表面の少なくとも70%が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)と接触するように、前記ハウジング要素(8、9)を前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)に対して押圧するステップと、
g.前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)が依然として押圧されている間に、前記注入壁(3)の前記縁部(3A)と前記送出壁(4)の前記縁部(4A)とを封止するステップと、
を更に含むこと特徴とする、方法。
【請求項2】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)は、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の2つの内面の少なくとも第1の対向部分(8A、9A)間の距離(D1)が、完成容器の対応する第1の対向部分(3D、4D)の最終厚さ(D2)よりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるまで、前記ハウジング要素(8、9)によって少なくとも部分的に押圧され、好ましくは、前記第1の対向部分(8A、9A、3D、4D)は、前記ハウジング要素(8、9)並びに前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の中央部分である、かつ/又は、前記ハウジング要素(8、9)が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)に対して押圧されるとき、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記重ね合わされた縁部(3A、4A)は、少なくとも部分的に互いに対して摺動することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)は、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の前記2つの内面の前記第1の対向部分(8A、9A)間の最大距離(D1)が、完成容器の対応する第1の対向部分(3D、4D)の最終最大厚さ(D2)よりも少なくとも0.1%小さくなるまで、前記ハウジング要素(8、9)によって押圧される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)は、前記最終容器チャンバの前記ヘッドスペース(6)が前記最終
容器チャンバの全容積の5%未満、好ましくは3%未満になるまで、前記ハウジング要素(8、9)によって少なくとも部分的に押圧される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器を製造するための、請求項
1に記載の方法の前記封止するステップを実行するための封止ステーションであって、前記容器は、
注入壁(3)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(3A)と、前記容器内で水を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔可能な内側部分(3B)とを備える、注入壁(3)と、
飲料送出壁(4)であって、紙層を含み、周囲封止縁部(4A)と、内側部分(4B)とを備え、前記内側部分(4B)は、前記容器内の前記圧力によって前記飲料調製デバイスの開口部材に対して押圧されたときに、前記開口部材によって開口されて前記飲料を流出させることが可能であり、前記注入壁(3)の前記内側部分(3B)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(4B)の少なくとも一方、好ましくは両方がカップ形状を有する、飲料送出壁(4)と、
前記注入壁(3)の前記封止縁部(3A)と前記送出壁(4)の前記封止縁部(4A)とが重ね合わされるように、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)を上下に配置することによって形成された容器チャンバ内に収容された、成形された飲料原材料本体(2)であって、前記封止縁部(3A、4A)を封止する前の前記容器チャンバが、前記成形された原材料本体(2)によって充填されていない事前ヘッドスペース(6’)を含む、成形された飲料原材料本体(2)と、を備え、
前記封止ステーションは、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(4B)を収容するための封止チャンバを形成する第1及び第2のハウジング要素(8、9)であって、前記縁部(3A、4A)を封止するために互いに向かって移動され、前記封止チャンバの前記表面が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)の前記外面を押圧するように構成されている、第1及び第2のハウジング要素(8、9)を備える、封止ステーションにおいて、
前記第1及び/又は第2のハウジング要素(8、9)の内面のうちの少なくとも1つが、前記事前ヘッドスペース(6’)に対して少なくとも10%減少したヘッドスペース(6)を有する最終容器チャンバを形成するように、かつこうして得られた前記最終容器において、前記成形された飲料原材料本体(2)の前記表面の少なくとも70%が前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)と接触するように、前記ハウジング要素(8、9)によって画定される前記封止チャンバの内側に向かって突出し、かつ前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の表面によって、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記内側部分(3B、4B)の前記外面に及ぼされる前記圧力を増加させる部分(8A)を備えることを特徴とする、封止ステーション。
【請求項6】
前記突出する部分(8A)は、
前記送出壁(4)を収容する前記第1のハウジング要素(8)の前記内面にのみ設けられている、かつ/又は、
一方又は両方の前記ハウジング要素(8、9)の前記表面の中央部分にのみ設けられている、かつ/又は、
前記ハウジング要素(8、9)の直径(G2)の10%~80%の範囲、より好ましくは約65%の直径(G1)を有するディスク形状を有する、かつ/又は、
0.5mm~2mmの範囲、より好ましくは約1mmの高さ(D3)を有する、かつ/又は、
5mm~30mmの範囲、より好ましくは約25mmの直径(G1)を有する、請求項5に記載の封止ステーション。
【請求項7】
前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)は、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記縁部(3A、4A)の前記封止中に、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の前記2つの内面の少なくとも第1の対向部分(8A、9A)間の距離(D1)が、完成容器の対応する第1の対向部分(3D、4D)の最終厚さ(D2)よりも少なくとも0.1%小さく、好ましくは少なくとも1%小さくなるように寸法決めされ、好ましくは、前記距離は、前記第1及び第2のハウジング要素(8、9)の前記2つの内面間の最大距離(D1)であり、前記最終厚さは、前記容器の最終最大厚さである、請求項
5に記載の封止ステーション。
【請求項8】
請求項1~4
のいずれか一項に記載の方法及び/又は請求項5~7
のいずれか一項に記載の封止ステーションによって得られる、飲料調製デバイスにおいて飲料を調製するための容器であって、飲料原材料(2)が貯蔵されるチャンバ(1)を備え、前記チャンバ(1)は、
前記容器内に導入される流体、好ましくは水が通される注入壁(3)であって、前記チャンバ(1)内で前記流体を圧力下で流通させるために前記飲料調製デバイスの注入部材によって穿孔されるように構成されている、注入壁(3)によって、及び
前記容器から注出される前記飲料が通される飲料送出壁(4)であって、前記チャンバ(1)に注入される前記流体の圧力上昇の影響下で前記飲料調製デバイスの開口要素との相互作用時に開口されるように構成されている、飲料送出壁(4)によって、画定されており、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)は、前記注入壁(3)と前記送出壁(4)を封止接続するための封止部分(3A、4A)を備え、
前記飲料原材料(2)は、成形された原材料によって作られた本体であり、前記本体は、少なくともヘッドスペース(6)が前記チャンバ(1)内で前記本体(2)と前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の内部表面との間に設けられるように寸法決めされており、
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)は紙層を含む、容器において、
少なくとも前記送出壁(4)の内面、及び好ましくは前記注入壁(3)の内面も、前記封止部分(3A、4A)に位置する前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の終端部分(4F、3F)を除いて、前記飲料原材料本体(2)の外面と連続的に接触していることを特徴とする、
容器。
【請求項9】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)の前記紙層が、以下の特徴:
i.固有の酸素バリア特性を有する硫化紙で作られている、
ii.成形可能な紙層であり、前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)のための要求された形状、好ましくはカップ形状を得るために伸張及び変形させることができる、
iii.50g/m2~200g/m2の範囲、より好ましくは70g/m2~150g/m2の範囲の重量を有する、
のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記注入壁(3)及び前記送出壁(4)は、前記チャンバ(1)内に貯蔵された前記飲料原材料(2)のための酸素バリアを形成することを特徴とする、請求項
8に記載の容器。
【請求項11】
前記容器が使い捨てコーヒーポッドであることを特徴とする、請求項
8に記載の容器。
【国際調査報告】