(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】血行動態サポート機器用のスマートマシン及び機械学習
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0215 20060101AFI20241129BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20241129BHJP
A61M 60/411 20210101ALI20241129BHJP
A61M 60/515 20210101ALI20241129BHJP
A61M 60/538 20210101ALI20241129BHJP
A61M 60/816 20210101ALI20241129BHJP
A61M 60/174 20210101ALN20241129BHJP
【FI】
A61B5/0215 C
A61M60/216
A61M60/411
A61M60/515
A61M60/538
A61M60/816
A61M60/174
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532387
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 US2022051614
(87)【国際公開番号】W WO2023102161
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】モイアー,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョルトバーグ,エリーゼ
(72)【発明者】
【氏名】バルドー,ドーン
(72)【発明者】
【氏名】バーラ,ゴービンド
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】チェイス,エリック
(72)【発明者】
【氏名】グリースハマー,クリストフ
【テーマコード(参考)】
4C017
4C077
【Fターム(参考)】
4C017AA01
4C017AA02
4C017AA12
4C017AB04
4C017AC03
4C017AC16
4C017AC28
4C017BC11
4C077AA04
4C077DD10
4C077HH03
4C077HH09
4C077HH18
4C077HH19
4C077JJ03
4C077JJ08
4C077JJ19
4C077JJ20
4C077JJ24
(57)【要約】
体の1つの領域に位置決めされるスマート血行動態サポート機器を、血流によって動作可能に接続される、体の他の領域の状態を推測及び/又は検出するための機械学習と組み合わせて、用いる方法及びシステムが提供される。1つの訓練された機械学習(ML)アルゴリズム、受信データに基づく、第1の領域とは異なる、対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態を検出及び/又は推測するためのシステムであって、
対象者の体の第1の領域に位置決めされるように構成される血行動態サポート機器と、
前記血行動態サポート機器に動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサーであって、
前記血行動態サポート機器からデータを受信し、且つ
少なくとも1つの訓練された機械学習(ML)アルゴリズムを用いて、受信した前記データに基づいて、前記第1の領域とは異なる、前記対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定する
ように構成される、少なくとも1つのプロセッサーと
を含む、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、
第1のプロセッサーであって、
前記血行動態サポート機器からデータを受信し、且つ
ネットワーク上で第2のプロセッサーへ前記データを送る
ように構成される第1のプロセッサーと、
第2のプロセッサーであって、
前記第1のプロセッサーからデータを受信し、且つ
前記訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、受信した前記データに基づいて、前記対象者の体の前記第2の領域に存在する前記状態の前記第1の確率を決定する
ように構成される第2のプロセッサーと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のプロセッサーは、さらに、前記第1のプロセッサーへ前記第1の確率を送るように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
さらにリモートデバイスを含み、
前記第2のプロセッサーは、さらに、前記リモートデバイスへ前記第1の確率を送るように構成され、且つ
前記リモートデバイスは、前記第1の確率、又は前記第1の確率を表すテキストや画像を表示するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、複数の医療機器製品ラインから集められた履歴データで訓練された第1のMLアルゴリズムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、単一の医療機器製品ラインから集められたデータで訓練された第2のMLアルゴリズムを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、前記血行動態サポート機器からの前記データの受信後、第2のデータを受信するように構成され、前記第2のデータは、前記第1の領域及び前記第2の領域とは異なる、前記対象者の体の第3の領域に関し、及び
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、前記血行動態サポート機器からの前記データ及び前記第2のデータに基づいて、前記状態の第2の確率を決定するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のデータは、中心静脈圧(CVP)に関する値を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、ユーザからの前記第2のデータの受信後、第3のデータを受信するように構成され、前記第3のデータは、前記第1の領域、第2の領域、及び第3の領域とは異なる、前記対象者の体の第4の領域に関し、及び
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、血行動態サポート機器からの前記データ、第2のデータ、及び第3のデータに基づいて、前記状態の第3の確率を決定するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のデータは、肺動脈拍動性(PAP)に関する値を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、少なくとも1つのパラメータを導き出すように構成され、前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記第2の確率及び/又は前記第3の確率を決定するように構成され、ここで、前記少なくとも1つのパラメータは、中心静脈圧(CVP)、右心房圧(RAP)、RAPの最小値、最大値、及び/又は平均値、右心室拡張末期圧(RVEDP)、肺動脈圧(PAP)、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、肺動脈圧指数(PAPI)、及び/又は右心機能のエコーベースのパラメータである、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
PAPIは、収縮期肺動脈値(PAsys)から拡張期肺動脈値(PAdia)を引いて、その後、その差をRAP又はCVPで割ることによって、計算される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
右心機能の前記エコーベースのパラメータは、右心室(RV)直径、RV容積、RV1回拍出量指数(RVSVI)値、RV1回仕事量指数(RVSWI)値、及び/又は三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)値である、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
さらにリモートデバイスを含み、前記リモートデバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサーへ前記第2のデータ及び第3のデータを送信し、且つ前記少なくとも1つのプロセッサーから前記第1の確率、第2の確率、及び第3の確率を受信するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
非ユーザ特定可能データが前記リモートデバイスへ又はそこから送られる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記リモートデバイスは、携帯電話、タブレット、又はラップトップである、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
さらに、前記少なくとも1つのプロセッサーに動作可能に結合された追加的な機器を含み、前記追加的な機器はセンサーを含み、前記センサーは、患者の体の第3の領域内又はその領域上に位置決めされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記追加的な機器は腕時計である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記追加的な機器はパッチである、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに前記追加的な機器の前記センサーから受信したデータに基づいて、前記第1の確率を決定するように構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記追加的な機器の前記センサーから受信した前記データは、心拍数、血液酸素に関する値、心電図(ECG)に関する値、皮膚温、又は加速度を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記患者の体の前記第1の領域は左心であり、前記患者の体の前記第2の領域は右心である、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記血行動態サポート機器からの前記データは、左心収縮機能に関する第1の情報と、前記左心内での吸引又はポンプ流に関する第2の情報とを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の情報は、左心室(LV)収縮性、大動脈(AO)脈圧及び/又は拍動性、又はそれらの組み合わせを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記血行動態サポート機器からの前記データは、大動脈(AO)圧、左心室(LV)圧、ポンプモータ速度、ポンプモータ電流、LV-AO圧較差、ポンプ流、心拍出量、自己心拍出量、LV拍動数、AO脈拍数、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記血行動態サポート機器からの前記データはまた、コンダクタンスによるLV容積、心拍数、心拍リズム、動脈圧、血液酸素化、又はそれらの組み合わせを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、少なくとも1つのパラメータを導き出すように構成され、前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、前記血行動態サポート機器からの前記データ及び前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記第1の確率を決定するように構成され、ここで、前記少なくとも1つのパラメータは、LV拡張末期圧(LVEDP)、ポンプ吸引、ポンプアラームレート及び/又はタイプ、心拍出力、LV収縮性、LV弛緩性、脈波伝播速度、駆出率、前記血行動態サポート機器からの前記データに含まれるパラメータの統計的測定基準、及び/又は前記血行動態サポート機器からの前記データに含まれるパラメータの収縮期値、拡張期値、平均値、中央値、最小値、最大値、デルタ、若しくはパルスである、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、
前記第1の確率が第1の閾値を上回る及び/又は第2の閾値を下回るかどうかを決定する、
前記対象者の前記状態の確率の経時的な傾向、並びに任意選択的に前記傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るかどうか、及び/又は前記傾向が続く場合、予め決められた期間内に、前記確率が前記第1の閾値を上回る若しくは前記第2の閾値を下回るかどうかを決定する、
前記第1の予め決められた閾値を上回る及び/又は前記第2の予め決められた閾値を下回る前記確率を生じる1つ以上の主な要因を特定する、
特定された主な要因の経時的な傾向を決定する、又は
それらの組み合わせを行う
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、前記第1の確率が、前記第1の予め決められた閾値を上回る若しくは前記第2の予め決められた閾値を下回ると決定される時点、前記傾向によって説明される前記変化率が前記閾値率を上回る時点、及び/又は前記傾向が続く場合、前記予め決められた期間内に、前記確率が前記第1の閾値を上回る若しくは前記第2の閾値を下回るであろうことが決定される時点を、ユーザに警告するように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、前記警告に応答する前記ユーザからの入力を受信するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記警告に応答する前記入力は、特定の治療が行われたこと、又は既存の治療が中止されたことを示すデータを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記警告は、前記ユーザが選択するためのオプションを含み、前記オプションは、前記状態に関する検査及び/又は治療を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、前記状態の前記確率を経時的に追跡して、行われた治療が前記状態のリスクを下げて効果的であるかどうかを決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
状態を検出及び/又は推測するための方法であって、
対象者の体の第1の領域に位置決めされた血行動態サポート機器からデータを受信することと、
訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、受信した前記データに基づいて、前記第1の領域とは異なる、前記対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定することと
を含む、方法。
【請求項35】
前記データは、第1の機器によって前記血行動態サポート機器から受信され、前記第1の確率は第2の機器によって決定され、及び前記方法は、さらに、ネットワーク上で前記第2の機器へ前記データを送ることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
さらに、前記第1の機器へ前記第1の確率を送ることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、第3の機器へ前記第1の確率を送ることを含み、前記第3の機器は、前記第1の確率、又は前記第1の確率を表すテキストや画像を表示するように構成される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
さらに、複数の医療機器製品ラインから集められた履歴データで訓練された第1のMLアルゴリズムを提供することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
さらに、単一の医療機器製品ラインから集められたデータで訓練された第2のMLアルゴリズムを提供することを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
さらに、前記血行動態サポート機器からの前記データの受信後、第2のデータを受信することを含み、前記第2のデータは、前記第1の領域及び前記第2の領域とは異なる、前記対象者の体の第3の領域に関する、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
さらに、前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを使用して、前記血行動態サポート機器からの前記データ及び前記第2のデータに基づいて、前記状態の第2の確率を決定することを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2のデータは、中心静脈圧(CVP)に関する値を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
さらに、ユーザからの前記第2のデータの受信後、第3のデータを受信することを含み、前記第3のデータは、前記第1の領域、第2の領域、及び第3の領域とは異なる、前記対象者の体の第4の領域に関する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
さらに、前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを使用して、血行動態サポート機器からの前記データ、第2のデータ、及び第3のデータに基づいて、前記状態の第3の確率を決定することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第3のデータは、肺動脈拍動性(PAP)に関する値を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
さらに、少なくとも1つのパラメータを導き出すことを含み、ここで、前記少なくとも1つのパラメータは、中心静脈圧(CVP)、右心房圧(RAP)、RAPの最小値、最大値、及び/又は平均値、右心室拡張末期圧(RVEDP)、肺動脈圧(PAP)、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、肺動脈圧指数(PAPI)、及び/又は右心機能のエコーベースのパラメータである、請求項34に記載の方法。
【請求項47】
PAPIは、収縮期肺動脈値(PAsys)から拡張期肺動脈値(PAdia)を引いて、その後、その差をRAP又はCVPで割ることによって、計算される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
右心機能の前記エコーベースのパラメータは、右心室(RV)直径、RV容積、RV1回拍出量指数(RVSVI)値、RV1回仕事量指数(RVSWI)値、及び/又は三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)値である、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
さらに、前記第1の確率、第2の確率、及び第3の確率をユーザ制御機器へ送信することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
非ユーザ特定可能データは、前記ユーザ制御機器へ又はそこから送られる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ユーザ制御機器は、携帯電話、タブレット、又はラップトップである、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
さらに、センサーを含む追加的な機器からデータを受信することを含み、前記センサーは、患者の体の第3の領域内又はその領域上に位置決めされている、請求項34に記載の方法。
【請求項53】
前記追加的な機器は腕時計である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記追加的な機器はパッチである、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに前記追加的な機器の前記センサーから受信したデータに基づいて、前記第1の確率を決定する、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記追加的な機器の前記センサーから受信した前記データは、心拍数、血液酸素に関する値、心電図(ECG)に関する値、皮膚温、又は加速度を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
患者の体の前記第1の領域は左心であり、前記患者の体の前記第2の領域は右心である、請求項34に記載の方法。
【請求項58】
前記血行動態サポート機器からの前記データは、左心機能に関する第1の情報と、前記左心内での吸引又はポンプ流に関する第2の情報とを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の情報は、左心室(LV)収縮性、大動脈(AO)脈圧及び/又は拍動性、又はそれらの組み合わせを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記血行動態サポート機器からの前記データは、大動脈(AO)圧、左心室(LV)圧、ポンプモータ速度、ポンプモータ電流、LV-AO圧較差、ポンプ流、心拍出量、自己心拍出量、LV拍動数、AO脈拍数、又はそれらの組み合わせを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項61】
前記血行動態サポート機器からの前記データはまた、コンダクタンスによるLV容積、心拍数、心拍リズム、動脈圧、血液酸素化、又はそれらの組み合わせを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
さらに、少なくとも1つのパラメータを導き出すことを含み、
前記少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに前記少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記第1の確率を決定し、及び
前記少なくとも1つのパラメータは、LV拡張末期圧(LVEDP)、ポンプ吸引、ポンプアラームレート及び/又はタイプ、心拍出力、LV収縮性、LV弛緩性、脈波伝播速度、駆出率、前記血行動態サポート機器からの前記データに含まれるパラメータの統計的測定基準、及び/又は前記血行動態サポート機器からの前記データに含まれるパラメータの収縮期値、拡張期値、平均値、中央値、最小値、最大値、デルタ、若しくはパルスである、請求項34に記載の方法。
【請求項63】
さらに、
前記第1の確率が第1の閾値を上回る及び/又は第2の閾値を下回るかどうかを決定すること、
前記対象者の前記状態の確率の経時的な傾向を決定すること、並びに任意選択的に、前記傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るかどうか、及び/又は前記傾向が続く場合、予め決められた期間内に、前記確率が前記第1の閾値を上回る若しくは前記第2の閾値を下回るかどうかを決定すること、
前記第1の予め決められた閾値を上回る及び/又は前記第2の予め決められた閾値を下回る前記確率を生じる1つ以上の主な要因を特定すること、
特定された主な要因の経時的な傾向を決定すること、又は
それらの組み合わせを行うこと
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項64】
さらに、前記第1の確率が、前記第1の予め決められた閾値を上回る若しくは前記第2の予め決められた閾値を下回ると決定される時点、前記傾向によって説明される前記変化率が前記閾値率を上回る時点、及び/又は前記傾向が続く場合、前記確率が、前記予め決められた期間内に、前記第1の閾値を上回る若しくは前記第2の閾値を下回るであろうことが決定される時点を、ユーザに警告することを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
さらに、前記警告に応答する前記ユーザからの入力を受信することを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記警告に応答する前記入力は、特定の治療が行われたこと、又は既存の治療が中止されたことを示すデータを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記警告は、前記ユーザが選択するためのオプションを含み、前記オプションは、前記状態に関する検査及び/又は治療を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
さらに、前記状態の前記確率を経時的に追跡することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項69】
さらに、行われた治療が前記状態のリスクを下げて効果的であるかどうかを決定することを含む、請求項68に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年12月2日出願の米国仮特許出願第63/285,302号の優先権を主張し、その全体を本明細書に参照により援用する。
【0002】
技術分野
本開示は、血行動態サポート機器、具体的には、対象者の体の1つの領域における問題を、体の他の領域において検出した状態に基づいて、推測する機器に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
患者の体の特定の位置中へ又はその位置上へ挿入されるように設計された従来の医療機器は、日常的にセンサーを組み込んでいる。そのようなセンサーは、医療機器がどこへ位置決めされたとしても、その場所の状態を反映する。センサーから受信した情報が表示され、正常な動作のための範囲が決定され得るが、そのような手法には多数の不都合な点がある。例えば、センサーからの情報が正常な範囲外に入っていると決定されるとき、そのような手法は、実際の問題があるかどうか及び/又は問題の最も可能性のある原因を決定できないかもしれない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
いくつかの実施形態において、状態を検出及び/又は推測するためのシステムが提供され得る。システムは、対象者の体の第1の領域に位置決めされるように構成される血行動態サポート機器と、血行動態サポート機器に動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサーとを含み得る。少なくとも1つのプロセッサーは、血行動態サポート機器からデータを受信するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサーはまた、少なくとも1つの訓練された機械学習(ML)アルゴリズムを用いて、受信データに基づいて、対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定するように構成され得、第2の領域は第1の領域とは異なる。
【0005】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、第1のプロセッサー及び第2のプロセッサーを含み得る。第1のプロセッサーは、血行動態サポート機器からデータを受信し、且つネットワーク上で第2のプロセッサーへデータを送るように構成され得る。第2のプロセッサーは、第1のプロセッサーからデータを受信し、且つ訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、受信データに基づいて、対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、第2のプロセッサーは、さらに、第1のプロセッサーへ第1の確率を送るように構成され得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、システムはリモートデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、第2のプロセッサーは、さらに、リモートデバイスへ第1の確率を送るように構成され得る。リモートデバイスは、第1の確率、又は第1の確率を表すテキストや画像を表示するように構成され得る。いくつかの実施形態において、リモートデバイスは、少なくとも1つのプロセッサーへ第2のデータ及び第3のデータを送信するように構成され得、且つ少なくとも1つのプロセッサーから第1の確率、第2の確率、及び第3の確率を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、非ユーザ特定可能データが、リモートデバイスへ又はそこから送られる。いくつかの実施形態において、リモートデバイスは、携帯電話、タブレット、又はラップトップである。ユーザ、例えば看護師、臨床医、医療関係者などが、リモートデバイスのユーザとし得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、複数の医療機器モデル(例えば、AbiomedのImpella(登録商標)血液ポンプモデルの一部又は全て)から集められた履歴データで訓練された第1のMLアルゴリズムを含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、単一の医療機器モデル(例えば、Smart Assist付きのAbiomedのImpella(登録商標)5.5のみ)から集められたデータで訓練された第2のMLアルゴリズムを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、システムは、第1の確率の決定を行った後、1つ又は複数のプロセッサーへ送信された新しい情報に基づいて、確率推定値を精緻化し続けるように構成され得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、血行動態サポート機器からのデータの受信後、第2のデータ(例えば、リモートデバイスでユーザによって入力されたか、又は医療機器から1つ又は複数のプロセッサーへ送られたなど)を受信するように構成され得る。第2のデータは、第1の領域及び第2の領域とは異なる、対象者の体の第3の領域に関し得る。例えば、第1の領域が患者の左心であり、第2の領域が患者の右心である場合、第3の領域は患者の大静脈とし得る。いくつかの実施形態において、第2のデータは、中心静脈圧(CVP)に関する値を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、血行動態サポート機器からのデータ及び第2のデータに基づいて、状態の第2の確率を決定するように構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、第2のデータの受信後、第3のデータを受信するように構成され得、第3のデータは、第1の領域、第2の領域、及び第3の領域とは異なる、対象者の体の第4の領域に関する。例えば、第1、第2、及び第3の領域が左心、右心、及び大静脈である場合、第4の領域は、例えば、肺動脈とし得る。いくつかの実施形態において、第3のデータは、肺動脈拍動性(PAP)に関する値を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、血行動態サポート機器からのデータ、第2のデータ、及び第3のデータに基づいて、状態の第3の確率を決定するように構成され得る。
【0011】
少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムはまた、導き出されたデータを考慮するように訓練され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、少なくとも1つのパラメータを導き出すように構成され得、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに少なくとも1つのパラメータに基づいて、確率(例えば、本明細書で開示するような第1、第2、又は第3の確率)を決定するように構成され得、ここで、少なくとも1つのパラメータは、中心静脈圧(CVP)、右心房圧(RAP)、RAPの最小値、最大値、及び/又は平均値、右心室拡張末期圧(RVEDP)、肺動脈圧(PAP)、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、肺動脈圧指数(PAPI)、及び/又は右心機能のエコーベースのパラメータとし得る。いくつかの実施形態において、PAPIは、収縮期肺動脈値(PAsys)から拡張期肺動脈値(PAdia)を引いて、その後、その差をRAP又はCVPで割ることによって、計算され得る。いくつかの実施形態において、右心機能のエコーベースのパラメータは、右心室(RV)直径、RV容積、RV1回拍出量指数(RVSVI)値、RV1回仕事量指数(RVSWI)値、及び/又は三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)値とし得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、少なくとも1つのパラメータを導き出すように構成され得、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに少なくとも1つのパラメータに基づいて、確率(例えば、本明細書で開示するような第1、第2、又は第3の確率)を決定するように構成され得、ここで、少なくとも1つのパラメータは、LV拡張末期圧(LVEDP)、ポンプ吸引、ポンプアラームレート及び/又はタイプ、心拍出力、LV収縮性、LV弛緩性、脈波伝播速度、駆出率、血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの統計的測定基準、及び/又は血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの収縮期値、拡張期値、平均値、中央値、最小値、最大値、デルタ、若しくはパルスとし得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、システムは、他のデータ収集機器を含み得る。例えば、一実施形態において、システムは、少なくとも1つのプロセッサーに動作可能に結合された追加的な機器(又は複数の機器)を含み得る。1つ又は複数の追加的な機器はセンサーを含み得、ここで、センサーは、患者の体の第3の領域内又はその領域上に位置決めされ得る。例えば、センサーを備える腕時計が対象者の手首の周りに配置されても、又はセンサーを備えるパッチが対象者の胸の周りに配置されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに追加的な機器のセンサーから受信したデータに基づいて、確率(例えば、本明細書で開示するような第1の確率、第2の確率、又は第3の確率)を決定するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、追加的な機器のセンサーから受信したデータは、心拍数、血液酸素に関する値、心電図(ECG)に関する値、皮膚温、又は加速度を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、血行動態サポート機器からのデータは、左心収縮機能に関する第1の情報と、左心内での吸引又はポンプ流に関する第2の情報とを含み得る。いくつかの実施形態において、第1の情報は、左心室(LV)収縮性の値、大動脈(AO)脈圧及び/又は拍動性値、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、血行動態サポート機器からのデータは、大動脈(AO)圧、左心室(LV)圧、ポンプモータ速度、ポンプモータ電流、LV-AO圧較差、ポンプ流、心拍出量、自己心拍出量(native cardiac output)、LV拍動数、AO脈拍数、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、血行動態サポート機器からのデータはまた、LV容積(例えば、コンダクタンスによる)、心拍数、心拍リズム、動脈圧、血液酸素化、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、様々な方法で決定された確率を分析するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、第1の確率が第1の閾値を上回る及び/又は第2の閾値を下回るかどうかを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、対象者の状態の確率の経時的な傾向を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るかどうか、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るかどうかを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、第1の予め決められた閾値を上回る及び/又は第2の予め決められた閾値を下回る確率を生じる1つ以上の主な要因を特定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、特定された主な要因の経時的な傾向を決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、これらの様々な組み合わせが用いられる。
【0018】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、第1の確率が、第1の予め決められた閾値を上回る若しくは第2の予め決められた閾値を下回ると決定される時点、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回る時点、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るであろうことが決定される時点を、ユーザに警告するように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、警告に応答するユーザからの入力を受信するように構成され得る。例えば、警告に応答する入力は、特定の治療が行われた、又は既存の治療が中止されたことを示すデータを含み得る。いくつかの実施形態において、警告は、ユーザが選択するためのオプションを含み得る。いくつかの実施形態において、オプションは、状態に関する検査及び/又は治療を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、状態の確率を経時的に追跡して、行われた治療が状態のリスクを下げて効果的であるかどうかを決定するように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、状態を検出及び/又は推測するための方法が提供され得る。方法は、対象者の体の第1の領域に位置決めされた血行動態サポート機器からデータを受信することを含み得る。いくつかの実施形態において、データは、例えば、大動脈(AO)圧、左心室(LV)圧、ポンプモータ速度、ポンプモータ電流、LV-AO圧較差、ポンプ流、心拍出量、自己心拍出量、LV拍動数、AO脈拍数、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、データはまた、コンダクタンスによるLV容積、心拍数、心拍リズム、動脈圧、血液酸素化、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0022】
方法は、訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、受信データに基づいて、対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定することを含み得、第2の領域は第1の領域とは異なる。
【0023】
いくつかの実施形態において、データは、第1の機器(例えば、第1のプロセッサーを備えるローカルコントローラ)によって、血行動態サポート機器から受信され得、第1の確率は、第2の機器(例えば、第2のプロセッサーを備えるリモートサーバ)によって決定され得る。いくつかの実施形態において、方法は、ネットワーク上で第2の機器へデータを送ることを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、第1の機器へ第1の確率を送ることを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、第3の機器へ第1の確率を送ることを含み得、第3の機器は、第1の確率、又は第1の確率を表すテキストや画像を表示するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態において、方法は、複数の医療機器モデルから集められた履歴データで訓練された第1のMLアルゴリズムを提供することを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、単一の医療機器モデルから集められたデータで訓練された第2のMLアルゴリズムを提供することを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、方法は、血行動態サポート機器からのデータの受信後、第2のデータを受信することを含み得(例えば、ユーザ制御機器、例えば携帯電話から、又はユーザによって制御される医療機器から)、第2のデータは、第1の領域及び第2の領域とは異なる、対象者の体の第3の領域に関する。いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを使用して、血行動態サポート機器からのデータ及び第2のデータに基づいて、状態の第2の確率を決定することを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、ユーザからの第2のデータの受信後、第3のデータを受信することを含み得(例えば、ユーザ制御機器などから)、第3のデータは、第1の領域、第2の領域、及び第3の領域とは異なる、対象者の体の第4の領域に関する。いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを使用して、血行動態サポート機器からのデータ、第2のデータ、及び第3のデータに基づいて、状態の第3の確率を決定することを含み得る。
【0026】
本明細書で開示するように、方法はまた、1つ以上の確率を決定するために使用されてもよい少なくとも1つのパラメータを導き出すことを含み得る。そのようなパラメータは、中心静脈圧(CVP)、右心房圧(RAP)、RAPの最小値、最大値、及び/又は平均値、右心室拡張末期圧(RVEDP)、肺動脈圧(PAP)、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、肺動脈圧指数(PAPI)、右心機能のエコーベースのパラメータ、LV拡張末期圧(LVEDP)、ポンプ吸引、ポンプアラームレート及び/又はタイプ、心拍出力、LV収縮性、LV弛緩性、脈波伝播速度、駆出率、血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの統計的測定基準、及び/又は血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの収縮期値、拡張期値、平均値、中央値、最小値、最大値、デルタ、若しくはパルス、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の確率、第2の確率、及び第3の確率をユーザ制御機器(例えば携帯電話、タブレット、ラップトップなど)へ送信することを含み得る。方法は、ユーザ特定可能データがユーザ制御機器へ又はそこから送られるのを防ぐことを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、方法は、センサーを含む追加的な機器(例えば腕時計又はパッチ)からデータを受信することを含み得、センサーは、患者の体の第3の領域内又はその領域上に位置決めされている。追加的な機器から受信したデータは、例えば、心拍数、血液酸素に関する値、心電図(ECG)に関する値、皮膚温、又は加速度を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに追加的な機器のセンサーから受信したデータに基づいて、第1の確率を決定し得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の確率が第1の閾値を上回る及び/又は第2の閾値を下回るかどうかを決定することを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、対象者の状態の確率の経時的な傾向を決定すること、並びに任意選択的に、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るかどうか、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るかどうかを決定することを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、第1の予め決められた閾値を上回る及び/又は第2の予め決められた閾値を下回る確率を生じる1つ以上の主な要因を特定することを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、特定された主な要因の経時的な傾向を決定することを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、方法は、いくつかの状態に適合する時点を、ユーザに警告することを含み得る。いくつかの実施形態において、ユーザは、第1の確率が、第1の予め決められた閾値を上回る若しくは第2の予め決められた閾値を下回ると決定される時点、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回る時点、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るであろうことが決定される時点を警告され得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法は、警告に応答するユーザからの入力を受信することを含み得る。いくつかの実施形態において、警告に応答する入力は、特定の治療が行われた、又は既存の治療が中止されたことを示すデータを含み得る。いくつかの実施形態において、警告は、ユーザが選択するためのオプションを含み得、オプションは、状態に関する検査及び/又は治療を含む。いくつかの実施形態において、方法は、状態の確率を経時的に追跡することを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、行われた治療が状態のリスクを下げて効果である(又は効果的であった)かどうかを決定することを含み得る。
【0032】
図面の簡単な説明
本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、上記の本発明の概要、及び下記の実施形態の詳細な説明と一緒に、本発明の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示の一実施形態によるシステムの一実施形態の概略図である。
【
図2】ユーザインターフェースの一実施形態の表現である。
【
図3A】機械学習モデル構成の実施形態を説明するブロック図である。
【
図3B】機械学習モデル構成の実施形態を説明するブロック図である。
【
図3C】機械学習モデル構成の実施形態を説明するブロック図である。
【
図4】検証及び訓練プロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図5】データを集めて確率を更新するサイクルの一実施形態を示すフローチャートである。
【
図6】状態を検出及び/又は推測するための一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
以下の説明及び図面は本開示の原理を説明する。それゆえ、当業者が、本明細書では明白に説明又は図示されないものの、本発明の原理を具体化でき且つその範囲内に含まれる様々な配置構成を考案することができることが理解される。さらに、本明細書に列挙する全ての例は、主に、当分野を前進させるための本発明人らによる本開示の原理及び概念の読者の理解を支援するための説明のためにすぎないこと、並びにそのように具体的に列挙された例及び条件に限定されるものではないとみなされることを明白に意図している。さらに、本明細書で使用されるような用語「又は、若しくは」は、非排他的、すなわち、別段の指示がない限り(例えば、「或いは(or else)」又は「又は代替例において」)であることを指す。また、本明細書で説明する様々な実施形態は、新しい実施形態を形成するためにいくつかの実施形態が1つ以上の他の実施形態と組み合わせられ得るため、必ずしも相互排他的ではない。
【0035】
本出願の多数の革新的な教示について、現在好ましい例示的な実施形態を特に参照して説明する。しかしながら、この類の実施形態は、本明細書で開示する教示の多くの好都合な使用例のうちの数例を提供するにすぎないことを理解されるべきである。概して、本出願の明細書で出されるステートメントは、必ずしも、様々な特許請求される開示のいずれかを限定するものではない。さらに、いくつかのステートメントは、いくつかの開示した特徴に応用されてもよいが、他には応用されなくてもよい。
【0036】
本明細書には、対象者の体の1つの領域に位置決めされたスマート血行動態サポート機器と、血流を介して動作可能に接続されるものなどの対象者の体の他の領域の状態を推測及び/又は検出するための機械学習とを用いる方法及びシステムが開示される。例えば、本発明人らは、左心に位置決めされたポンプから受信した信号から右心不全(RHF)の検出を可能にし得るという、本開示の方法及びシステムの恩恵を理解してきた。
【0037】
いくつかの実施形態において、状態を検出及び/又は推測するためのシステムが提供され得る。
図1を参照して説明すると、システム100は、対象者101の体の第1の領域103に位置決めされるように構成された血行動態サポート機器110を含み得る。血行動態サポート機器は、例えば、カテーテル113の遠位端部に結合され得る血液ポンプ112を含み得る。
図1において、血液ポンプは、心臓102、具体的には左心に配置されているとして示されている。
【0038】
システムは、少なくとも1つのプロセッサー、例えばプロセッサー120を含み得る。プロセッサーは、有線接続又は無線接続のいずれかによって、血行動態サポート機器に動作可能に結合され得る。いくつかの実施形態において、血行動態サポート機器は、1本以上のワイヤ126によってコントローラ121に取り外し自在に結合され得る。コントローラは、メモリ122、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体123、ディスプレイ124、及び/又は1つ以上の制御部125、例えば機械的な制御部(例えば、ボタンやノブ)若しくは非機械的な制御部(例えば、タッチスクリーン)に動作可能に結合されたプロセッサー120を含み得る。理解されるように、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサーによる実行時に、いくつかのステップを実行するプロセッサーを構成する命令を含み得る。
【0039】
血行動態サポート機器は1つ以上のセンサー111を含み得る。そのようなセンサーは、本明細書で説明するように、意図したデータを収集するための任意の適切なセンサーとし得、例えば、電極、光学センサー及び/又は圧力センサーを含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、血行動態サポート機器からデータを受信するように構成され得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、血行動態サポート機器からのデータは、例えば、大動脈(AO)圧、左心室(LV)圧、ポンプモータ速度、ポンプモータ電流、LV-AO圧較差、ポンプ流、心拍出量、自己心拍出量、LV拍動数、AO脈拍数、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、データはまた、LV容積(例えば、コンダクタンスによる)、心拍数、心拍リズム、動脈圧、血液酸素化、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、血行動態サポート機器から受信したデータに基づいてパラメータを決定するか又は導き出すように構成され得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのパラメータは:LV拡張末期圧(LVEDP);ポンプ吸引;ポンプアラームレート及び/又はタイプ;心拍出力(CPO);LV収縮性;LV弛緩性;脈波伝播速度;駆出率;血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの統計的測定基準;及び/又は血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの収縮期値、拡張期値、平均値、中央値、最小値、最大値、デルタ、若しくはパルスとし得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、心拍出力(CPO)は、平均値動脈圧(MAP)×CO(心拍出量)/451(式中、平均値動脈圧(MAP)=[(収縮期血圧-拡張期血圧)/3]+拡張期血圧である)によって計算され得る。
【0044】
1つ以上のプロセッサーは、少なくとも1つの訓練された機械学習(ML)アルゴリズムを用いて、受信データに基づいて、対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定するように構成され得、第2の領域は第1の領域とは異なる。
【0045】
いくつかの実施形態において、状態は右心不全(RHF)とし得るが、血行動態サポート機器が配置される場所に基づいて、追加的な、又は代替的な状態も組み込まれてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、血行動態サポート機器からのデータは、血行動態サポート機器が配置される領域の機能に関する第1の情報と、血行動態サポート機器の機能に関する第2の情報とを含み得る。いくつかの実施形態において、第1の情報は、左心収縮機能(例えば、左心室(LV)収縮性、大動脈(AO)脈圧及び/又は拍動性、又はそれらの組み合わせ)に関する情報を含み得、第2の情報は、左心内の吸引又はポンプ流に関する。
【0047】
いくつかの実施形態において、コントローラにあるプロセッサーは、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを含み得るため、そのような決定をローカルで行うように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサー120は、血行動態サポート機器から受信したデータの一部又は全てをディスプレイ124上に表示するように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサー120は、1つ又は複数のMLアルゴリズムからの(例えば、1つ以上の確率の)決定の一部又は全てを表示するように構成され得る。これらの値は、任意の適切な方法で表示され得る;例えば、いくつかの実施形態において、ある数字若しくは他のテキストが表示されても、グラフ若しくは傾向が表示されても、又は双方としてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、ローカルコントローラは、決定を行うように構成されなくてもよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、第1のプロセッサー(例えばプロセッサー120)と、例えばクラウドベースのサーバなどに遠隔設置され得る第2のプロセッサー(例えばプロセッサー130)とを含み得る。理解されるように、第2のプロセッサーは、第1のプロセッサーのように、メモリ132及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体133に結合され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、第1のプロセッサーは、血行動態サポート機器からデータを受信し且つネットワーク上でそのデータを第2のプロセッサーへ送るように構成され得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、第2のプロセッサーは、第1のプロセッサーからデータを受信し、且つ訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、受信データに基づいて、対象者の体の異なる領域に存在する状態の第1の確率を決定するように構成され得る。すなわち、第2のプロセッサーは、例えば、ローカルコントローラではなく、1つ以上の訓練されたMLアルゴリズムを組み込み得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、第2のプロセッサー(例えば、プロセッサー130)は、決定された確率を第1のプロセッサー(例えば、プロセッサー120)へ送るように構成され得る。その後、第1のプロセッサーは、ディスプレイ上に、確率、又は確率の表現を表示し得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、システムは、ユーザ145に関連付けられ得るリモートデバイス140を含み得る。例えば、ユーザは、ヘルスケア提供者、研究者、対象者、又は助手を含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、リモートデバイスは、携帯電話、ラップトップ、タブレット、又は他のコンピュータ若しくはコンピュータ計算機器とし得る。リモートデバイスは、タッチセンサー式ディスプレイとし得るディスプレイ141を含み得る。リモートデバイスは、ユーザのためのユーザインターフェースを提供するように、例えばユーザがリモートデバイスとやり取りを行うことを可能にするように構成され得る。ユーザインターフェースは、ユーザに表示されるべき1つ以上の画面を含み得る。リモートデバイスは、ユーザが選択を行ったり、データを入力したり、及び/又はユーザインターフェースとやり取りを行ったりすることを可能にするために、入力機器(図示せず)を含み得、これは、タッチセンサー式ディスプレイ、マウス、キーボードなどを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、確率を決定する1つ又は複数のプロセッサー(例えばプロセッサー120又はプロセッサー130)は、さらに、第1の確率をリモートデバイスへ送るように構成され得る。これは、1つ以上のネットワーク上で、例えばインターネット上で送られ得る。いくつかの実施形態において、リモートデバイスは、第1の確率、又は第1の確率の第1の確率を表すテキストや画像を表示するように構成され得る。
【0055】
ユーザインターフェースが
図2に示され得、これは、例えば、リモートデバイス及び/又はコントローラ上に示され得る。ユーザインターフェースは、1つ以上のディスプレイ画面200を含み得、それらそれぞれが、1つ以上のセクション、例えば第1のセクション210、第2のセクション220、及び第3のセクション230に分割され得る。各セクションは、異なる情報を表示するように構成され得る。
【0056】
いくつかの実施形態において、第1のセクションは、第1のセクション210に、最新の決定された確率を表示し得る。ここでは「62%」の特定値として示されているが、いくつかの実施形態において、値の範囲(例えば「>95%」又は「70~80%」など)が表示され得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態において、この表示は、第1の確率を表すテキストや画像として提供され得る。例えば、インターフェースは、確率の説明であるテキストを表示し得る(例えば、「低」、「中」、「高」リスク若しくは確率の状態、又は格付け、例えば1~5の段階の格付け、又は確率の範囲を定義する用語、例えば「可能性が低い」、「可能性がある」、「起こり得る」、「非常に起こり得る」など)。これらの値やテキストの表現は、色分けされてもよく、例えば、緑色は50%未満の確率、黄色は50%超~75%未満の確率、赤色は75%超の確率である。その代わりに、又はそれに加えて、インターフェースは、格付け、例えば1~5個の星による星での格付け、経時的な確率データを示すグラフ、アイコン、例えば上及び下向き矢印、又は色分けされた表現(例えば、決定された確率を示すための赤色、黄色、又は緑色のタイル表示)とし得る画像を表示し得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、第2のセクション220は、例えば、1つ以上のプロセッサーによって受信した、導き出された、又は決定されたデータの一部若しくは全てを説明する語又は数字を含み得る、1つ以上のグラフ221及び1つ以上のテキストフィールド222を含み得る追加的なデータを表示し得る。いくつかの実施形態において、これは、例えば、データの傾向を示す1つ以上のグラフ、又はポンプ速度設定によって分類されたデータを示す棒グラフを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、説明を表示する1つ以上のテキストフィールド及び/又はユーザにとって興味深いとし得るパラメータの値(ここで、「37.8」のみが表示される)を含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、第3のセクション230は、例えば、治療オプションを説明するテキストフィールド231、ユーザが必要な値(例えばCVP値)を入力できるようにするデータ入力フィールド232、及び/又は取り組まれる特定の代替的な治療などにユーザが情報を入力できるようにする追加的なデータためのフィールド233を含み得る1つ以上のテキストフィールドを含み得る。第3第2はまた、ユーザが特定のテキストフィールドを読み、ユーザがフィールドにデータを入力し、フィールドに入力されたデータをもう1つのプロセッサーに提出し、及び/又はアシスタンスを求め得ることを示し得る1つ以上の選択可能なボタン235を含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、より多くの情報が、単一の画面に出現できずに提供される場合、ディスプレイ全体が、適切に見るために上下にスクロールされ得る。いくつかの実施形態において、各セクション内の情報は、独立してスクロールされ得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、システムは、血行動態サポート機器から受信した信号及び/又は信号から決定された情報を表示するためのグラフィカルインターフェースを含み得る。理解されるように、グラフィカルインターフェースは、例えば、患者用コンソール、コンピュータ、及び/又はモバイル機器などを含む1つ以上の機器上にあるとし得る。グラフィカルユーザインターフェースは、各ディスプレイ上で同じでも又は異なってもよい。
【0061】
理解されるように、いくつかの実施形態において、画面は、ユーザによって構成可能としてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザは、どの情報(例えば、どのセクション)が画面上で見えるか(例えば、所望の情報を見るために上下にスクロールする必要を回避するために)を決定し得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、1つ以上の訓練されたMLアルゴリズムは、血行動態サポート機器以外の機器から集められたデータを含み得る、及び/又は1つ以上の血行動態サポート機器モデルから集められたデータを含み得る履歴データに基づき得る。例えば、いくつかの実施形態において、Abiomed Inc.によって提供されるImpella(登録商標)血液ポンプの一部又は全てから集められたデータを使用して訓練し得る。いくつかの実施形態において、単一の血行動態サポートモデルのみからのデータ;例えば、Abiomed Inc.によって提供されるImpella(登録商標)CP血液ポンプなどの特定の血液ポンプのみから集められたデータを使用して訓練し得る。
【0063】
図3Aを参照して説明すると、いくつかの実施形態において、システムは、訓練及び検証目的に使用される全てのデータを含むデータベース310を含み得る。そのようなデータは、複数のデータベースから集められ得、例えば、Abiomed Inc.のGlobal cVAD studyからの結果などのデータ、及び血液ポンプコントローラからのデータログを含み得る。訓練データセットは、MLアルゴリズム(プロセッサーで実行する)に、様々なパラメータ321(例えば、測定された若しくは導き出されたパラメータ、限定されるものではないが、CVP、RAP、最小値、最大値、及び/又は平均値のRAP、RVEDP、PAP、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、PAPI、右心機能のエコーベースのパラメータ、LVEDP、ポンプ吸引、ポンプアラームレート及び/又はタイプ、心拍出力、LV収縮性、LV弛緩性、脈波伝播速度、駆出率、血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの統計的測定基準、及び/又は血行動態サポート機器からのデータに含まれるパラメータの収縮期値、拡張期値、平均値、中央値、最小値、最大値、デルタ、若しくはパルス、又はそれらの組み合わせを含む)と一緒に供給され得、訓練されたモデル330を生じ、これが次に、当業界で理解されているように、本開示の確率などを作成するために検証されて、使用され得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、大きいデータベースから単一モデルが生み出されるのではなく、2つ以上のモデルが生み出されてもよい。例えば、一実施形態において、
図3Bに示すように、第1のデータベース311は第1のモデル330を訓練するために使用され、第2のデータベース312は第2のモデル350を訓練するために使用される。そのような実施形態において、第1のデータベースは、複数のソースからの履歴データを含み得る一方で、第2のデータベースは、対象者に導入されている特定のモデルに関するデータのみを含み得る(例えば、Impella(登録商標)CP血液ポンプが対象者の心臓に位置決めされる場合、第2のモデルは、Impella(登録商標)CP血液ポンプからのみ集められたデータを使用して訓練される)。ここで、第1のデータベースからの訓練データセットは、MLアルゴリズム(プロセッサーで実行する)に、様々なパラメータ321と一緒に供給され得、第1の訓練されたモデル330を生じ、これが次に、当業界で理解されているように、検証され、本開示の確率などを作成するために使用され得る。いくつかの実施形態において、第2のデータセットからのデータは、第2のMLアルゴリズム(プロセッサーで実行する)に、様々なパラメータ341と一緒に供給され得、第2の訓練されたモデル350を生じる。いくつかの実施形態において、第1の訓練されたモデルは、第2のMLアルゴリズムに、第2のデータセット及び様々なパラメータからのデータと一緒に供給され得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、これらのMLモデルは、発生する状態の確率を出力するように構成され得る。場合によっては、各モデルは、発生する状態の確率を独立して決定し得、これらの独立した決定が組み合わせられて、最終的な確率を決定し得る。いくつかの実施形態において、第3のMLアルゴリズムは、訓練されたモデル330、350を第3のMLアルゴリズム(プロセッサーで実行する)に、様々なパラメータ361と一緒に提供することによって、訓練され得、第3の訓練されたモデル370を生じる。
【0066】
いくつかの実施形態において、データは、システムアーキテクチャ、例えばCygnus-Xシステムアーキテクチャに供給され、機械学習アルゴリズムを訓練して、規定の状態、例えば右心不全(RHF)を特定し得る。いくつかの実施形態において、
図4に示すように、プロセス400は、例えば全国心原性ショックイニシアチブ(National CSI:national cardiogenic shock initiative)からのデータなどのデータベースを提供すること410を含み得る。プロセスは、データベースからのデータをポンプデータに適合させること420を含み得る。プロセスはまた、そのようなデータが標的状態(例えばRHF)に関連付けられたか否かを示すためにデータにラベル付けすること430を含み得る。プロセスは、状態に関連付けられたキー信号を特定すること440、その後、当業界で理解されているようにモデルを設計及び訓練すること450、その後、モデルを検証すること460を含み得る。いくつかの実施形態において、プロセスは、プロセスを反復することを含み得、且つ例えば、異なるデータベース又は異なる研究などからの二次データセットを使用して検証すること470によって、プロセスを補強する(enriching)ことを含み得る。
【0067】
モデルは、例えば、ニューラルネットワークとし得る。いくつかの実施形態において、ニューラルネットワークは、フィードフォワードニューラルネットワーク、放射基底関数(RBF:Radial Basis Function)ニューラルネットワーク、多層パーセプトロン、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、又は回帰ニューラルネットワーク(RNN)とし得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、システムは、データを集め、確率を更新し、及びより多くのデータを集めるサイクルを受信するように構成され得る。場合によっては、これは、ユーザ制御機器からの情報を送受信すること、及び情報を集めるためにユーザに1つ以上のタスクを実行させることを含み得る。
【0069】
このフローチャートは
図5に示されている。プロセス500のいくつかの実施形態において、血行動態サポート機器は、最初に、対象者の第1の領域中へ導入され得る510。
【0070】
その後、第1のサイクル520が示され、そこでは、データが、血行動態サポート機器から受信され得521、1つ又は複数のプロセッサーは、存在する及び/又は発生する状態の確率を決定し得る522。その後、1つ又は複数のプロセッサーは、決定された確率をユーザに通知又は表示し得523、任意選択的に、本明細書で開示するような他のデータを表示し得る。
【0071】
この通知や表示の結果として、その後、ユーザ(又は自動機器)が、タスク、例えば対象者のパラメータの測定、例えばCVPの測定を実行し得る550。
【0072】
その後、第2のサイクル540が示されており、ここでは、データ、例えばCVP値、任意選択的に血行動態サポート機器からのより多くのデータが受信され得る541。その後、1つ又は複数のプロセッサーが、入手可能なデータ、例えばCVP値に基づいて、存在及び/又は発生している状態の更新された確率を決定し得542、その後、更新された確率、及び任意選択的に、本明細書で開示するような他のデータをユーザに通知又は表示し得る543。
【0073】
この第2の通知や表示の結果として、その後、ユーザ(又は自動機器)は、別のタスク、例えば対象者のパラメータの測定、例えばPAPの測定を実行し得る570。
【0074】
次に、第3のサイクル560が示されており、ここでは、データ、例えばPAP値、及び任意選択的に血行動態サポート機器からのより多くのデータが受信され得る561。1つ又は複数のプロセッサーは、例えば、PAPI値を導き出し得、及び入手可能なデータ、例えばPAP及び/又はPAPI値に基づいて、存在及び/又は発生している状態のさらなる更新された確率を決定し得562、その後、ユーザにさらなる更新された確率、及び任意選択的に本明細書で開示するような他のデータを通知又は表示し得る563。
【0075】
この第3の通知の結果として、ユーザは、例えば、処理方法(treatment pathway)に携わり得る570。これは、1つ以上のプロセッサーによって提案されてユーザに表示された処理方法とし得る。
【0076】
異なる配置構成が使用されてもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態において、ユーザは、第1又は第2の通知を受信後、処理方法に携わる570と決めてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザアクションが必要とされない複数のサイクルが発生してもよい。
【0077】
それゆえ、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、血行動態サポート機器からのデータの受信後、第2のデータを受信するように構成され得、ここで、第2のデータは、第1の領域及び第2の領域とは異なる、対象者の体の第3の領域に関する。例えば、第1の領域(血行動態サポート機器が位置する場所)が左心であり、第2の領域(状態が存在し得る場所)が右心である場合、第3の領域は、例えば、大静脈又は肺動脈とし得る。それゆえ、第2のデータは、例えば、CVP又はPAP値を含み得る。いくつかの実施形態において、第2のデータを集めるために使用される医療器具又は機器はまた、システムの少なくとも1つのプロセッサーへデータを送る。他の実施形態において、ユーザは、ユーザのリモートデバイス(例えばユーザの電話、タブレット、ラップトップなど)へデータを入力し得、少なくとも1つのプロセッサーへデータを送るようにする。
【0078】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、血行動態サポート機器からのデータ及び第2のデータに基づいて、状態の第2の確率を決定するように構成され得る。
【0079】
同様に、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、ユーザからの第2のデータの受信後、第3のデータを受信するように構成され得、第3のデータは、第1の領域、第2の領域、及び第3の領域とは異なる、対象者の体の第4の領域に関する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに、血行動態サポート機器からのデータ、第2のデータ、及び第3のデータに基づいて、状態の第3の確率を決定するように構成され得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、受信データの少なくとも一部から少なくとも1つのパラメータを導き出すように構成され得、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに少なくとも1つのパラメータに基づいて、確率(例えば第1、第2、及び/又は第3の確率)を決定するように構成される。そのような導き出されたパラメータの非限定的な例は、中心静脈圧(CVP)、右心房圧(RAP)、RAPの最小値、最大値、及び/又は平均値、右心室拡張末期圧(RVEDP)、肺動脈圧(PAP)、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、肺動脈圧指数(PAPI)、及び/又は右心機能のエコーベースのパラメータを含む。いくつかの実施形態において、PAPIは、収縮期肺動脈値(PAsys)から拡張期肺動脈値(PAdia)を引いて、その後、その差が、RAP又はCVPで割られることによって、計算され得る。いくつかの実施形態において、右心機能のエコーベースのパラメータは、右心室(RV)直径、RV容積、RV1回拍出量指数(RVSVI)値、RV1回仕事量指数(RVSWI)値、及び/又は三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)値である。
【0081】
いくつかの実施形態において、システムは、少なくとも1つのプロセッサーへ第2のデータ及び第3のデータを送信し且つ少なくとも1つのプロセッサーから第1の確率、第2の確率、及び第3の確率を受信するように構成され得るリモートデバイスを含み得る。いくつかの実施形態において、リモートデバイスに対して非ユーザ特定可能データが送られる。
【0082】
再度
図1を参照して説明すると、いくつかの実施形態において、システムは、センサーを含む追加的な機器(又は機器)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、システムは、センサー155を備える第1の機器150(ここでは、パッチ)を含み得る。いくつかの実施形態において、各追加的な機器は、対象者の体内で又はその上で、他の追加的な機器とは異なる、並びに体の第1、第2、第3、及び第4の領域とは異なる、体の領域に、用いられる(ここで、パッチは、対象者の胸部に用いられる一方で、第1~第4の領域は、心臓内及びその周辺であった)。
【0083】
いくつかの実施形態において、システムは単一の追加的な機器を含み得る。いくつかの実施形態において、システムは、2つ以上の追加的な機器を含み得る。
図1に示すように、センサー156を備える第2の追加的な機器151(ここでは、腕時計又はブレスレット)が示されている。
【0084】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに追加的な機器のセンサーから受信したデータに基づいて、状態の確率(例えば第1、第2、又は第3の確率)を決定するように構成され得る。
【0085】
追加的な機器及び関連付けられたセンサーは、任意の適切なパラメータに関するデータを提供し得る。例えば、いくつかの実施形態において、追加的な機器のセンサーから受信したデータは、心拍数、血液酸素に関する値、心電図(ECG)に関する値、皮膚温、加速度、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、データにヒトの解釈を提供するのを支援しようと努力して決定を行うように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、確率(例えば第1、第2、及び/又は第3の確率)が第1の閾値を上回る及び/又は第2の閾値を下回るかどうかを決定するように構成され得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、対象者の状態の確率の経時的な傾向を決定し得、任意選択的に、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るかどうか、及び/又はその傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るかどうかを決定し得る。例えば、第1の閾値率が80%であり、第2の閾値率が20%であり、及び最新の確率が70%であった場合、最新の確率の決定は、第1の閾値上回ったり又は第2の閾値を下回ったりしないため、この例では、アラームをトリガしない。しかしながら、確率が過去5分間45%から70%へ着実に上昇する傾向であった場合(例えば、傾向は、1分当たり+5%の変化率を定める)、確率は、わずか2分間余りで80%の閾値を上回ると推定され得る。予め決められた期間が5分である場合(例えば、システムが、5分以内に高閾値を上回り得ると決定する場合、理想的ではないもので構成される)、この決定は有用かもしれない。
【0088】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、第1の予め決められた閾値を上回る及び/又は第2の予め決められた閾値を下回る確率を生じる主な要因を1つ以上特定するように構成され得る。例えば、訓練されたMLモデルを見ると、何の特徴に何の重み付けが与えられ得るかが明白かもしれない。例えば、そのような各特徴は、異なる生体成分、生物学的機能、及び/又はパラメータ(例えば、CVP、PAPIなど)に割り当てられることができる。そのような要素を用いて、決定された確率に最も高い全体的影響を及ぼすものは何の1つ以上の成分、機能、及び/又はパラメータであるかを決定することが比較的簡単とし得る。いくつかの実施形態において、単一の成分、機能、及び/又はパラメータが特定されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の成分、機能、及び/又はパラメータが特定されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のプロセッサーは、特定された主な要因における経時的な傾向を決定し得る。例えば、1つ又は複数のプロセッサーは、確率が閾値値を上回っていると決定される度に、少なくとも1つの要因を特定するように構成され得る。5分後、特定された要因がいくつかあるかもしれず、それらは、例えば、ディスプレイ上に、パレート図で示されて、リストされ得る。理解されるように、他の実施形態において、他のディスプレイが使用されてもよい。いくつかの実施形態において、複数の要因の影響が、それらが「主な」要因であるとみなされない場合でも、経時的に追跡されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、いくつかのこれらの組み合わせが含まれてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、第1の確率が第1の予め決められた閾値を上回る若しくは第2の予め決められた閾値を下回ると決定されるとき、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るとき、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るであろうことが決定されるとき、警告を発生するように構成され得る。いくつかの実施形態において、警告は、ユーザへの視覚信号を含む。いくつかの実施形態において、警告は、ユーザへの聴覚又は触覚信号を含み得る。いくつかの実施形態において、テキストメッセージ又は電子メールがユーザへ送信される。いくつかの実施形態において、警告は、コントローラのディスプレイ上に出現してもよい。いくつかの実施形態において、警告は、ユーザのリモートデバイス(例えば、ラップトップ、携帯電話など)上に出現してもよい。いくつかの実施形態において、警告は、ユーザが選択するための1つ以上のオプションを含み得る。いくつかの実施形態において、警告は、状態に関する検査及び/又は治療を示すテキストを含み得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、警告に応答するユーザからの入力を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、これは、特定の治療が行われたこと、又は既存の治療が中止されたことを示すデータを受信することを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、警告が選択されたことからのオプションを示すデータを受信することを含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサーは、さらに、状態の確率を経時的に追跡して、行われた治療が状態のリスクを下げて効果的であるかどうかを決定するように構成され得る。例えば、警告に応答するユーザからの入力が、ユーザが特定の治療を行い始めたことを示す場合、システムは、経時的に確率を監視し続けて、状態を軽減させるか又は取り除くのに治療が効果的であるか又は効果的であったかどうかを示すフィードバックをユーザに提供してもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、状態を検出及び/又は推測するための方法が提供され得る。
図6を参照して説明すると、方法600は、対象者の体の第1の領域に位置決めされた血行動態サポート機器からのデータを受信すること610を含み得る。方法は、訓練された機械学習アルゴリズムを用いて、受信データに基づいて、対象者の体の第2の領域に存在する状態の第1の確率を決定すること620を含み得、第2の領域は第1の領域とは異なる。
【0095】
本明細書で開示するように、いくつかの実施形態において、方法は、ネットワーク上で、第1のプロセッサー(血行動態サポート機器からデータを受信した)からのデータを、訓練された機械学習アルゴリズムを使用して確率を決定するように構成される第2のプロセッサーへ送ること615を含み得る。
【0096】
本明細書で開示するように、いくつかの実施形態において、方法は、ネットワーク上で、第1の確率を少なくとも1つのプロセッサー(例えば第1のプロセッサー、又は異なるリモートデバイス内にあるプロセッサー)へ送ること628を含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、その後、方法は、第1の確率、又は第1の確率を表すテキストや画像を表示すること629を含み得る。他のデータ、グラフなどはまた、本明細書で開示するように、動かされてもよい。例えば、これは、血行動態サポート機器を制御するコンソール上、モバイル機器上などに表示され得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを提供すること605を含み得る。いくつかの実施形態において、これは、複数の医療機器製品ラインから集められた履歴データで訓練された第1のMLアルゴリズムを提供することを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、単一の医療機器製品ラインから集められたデータで訓練された第2のMLアルゴリズムを提供することを含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、方法は、血行動態サポート機器からのデータの受信後、第2のデータ、本明細書で開示するように、例えばユーザ制御機器からのデータを受信すること630を含み得、第2のデータは、第1の領域及び第2の領域とは異なる、対象者の体の第3の領域に関する。いくつかの実施形態において、ユーザは、機器にデータを入力したとし得る。いくつかの実施形態において、機器は、データを測定して送信したとし得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを使用して、血行動態サポート機器からのデータ及び第2のデータに基づいて、状態の第2の確率を決定すること640を含み得る。
【0101】
本明細書で開示するように、いくつかの実施形態において、方法は、ネットワーク上で、少なくとも1つのプロセッサー(例えば第1のプロセッサー、又は異なるリモートデバイス内にあるプロセッサー)へ第2の確率を送ること648を含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、その後、方法は、第2の確率、又は第2の確率を表すテキストや画像を表示すること649を含み得る。他のデータ、グラフなどはまた、本明細書で開示するように、動かされてもよい。これは、例えば、血行動態サポート機器を制御するコンソール上、モバイル機器上などに表示され得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、方法は、ユーザからの第2のデータの受信後、本明細書で開示するように、例えばユーザ制御機器からの第3のデータを受信すること650を含み得、第3のデータは、第1の領域、第2の領域、及び第3の領域とは異なる、対象者の体の第4の領域に関する。
【0104】
いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムを使用して、血行動態サポート機器からのデータ、第2のデータ、及び第3のデータに基づいて、状態の第3の確率を決定すること660を含み得る。
【0105】
本明細書で開示するように、いくつかの実施形態において、方法は、ネットワーク上で、少なくとも1つのプロセッサー(例えば第1のプロセッサー、又は異なるリモートデバイス内にあるプロセッサー)へ第3の確率を送ること668を含み得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、その後、方法は、第3の確率、又は第3の確率を表すテキストや画像を表示すること669を含み得る。他のデータ、グラフなどはまた、本明細書で開示するように、動かされてもよい。これは、例えば、血行動態サポート機器を制御するコンソール上、モバイル機器上などに表示され得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの確率を決定する前に、方法は、少なくとも1つのパラメータを導き出すこと625、645、665を含み得る。本明細書で開示するように、少なくとも1つのパラメータは、例えば、中心静脈圧(CVP)、右心房圧(RAP)、RAPの最小値、最大値、及び/又は平均値、右心室拡張末期圧(RVEDP)、肺動脈圧(PAP)、平均値、収縮期、及び/又は拡張期のPAP、肺動脈圧指数(PAPI)、及び/又は右心機能のエコーベースのパラメータとし得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、方法は、センサーを含む追加的な機器(例えばウェアラブルデバイス又はパッチ)からのデータを受信することを含み得、本明細書で開示するように、センサーは、患者の体の第3の領域内又はその領域上に位置決めされる。本明細書で開示するように、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの訓練されたMLアルゴリズムは、さらに追加的な機器のセンサーから受信したデータに基づいて、第1の確率を決定し得る。本明細書で開示するように、追加的な機器は、広範囲の関連データのいずれかを提供し得る。例えば、いくつかの実施形態において、追加的な機器内又は機器上にある1つ又は複数のセンサーは、心拍数、血液酸素に関する値、心電図(ECG)に関する値、皮膚温、加速度、又はそれらの組み合わせを含むデータを収集し得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、方法は、決定された確率に関する追加的な決定を行うこと626、646、666を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、これは、本明細書で開示するように、確率が第1の閾値を上回る及び/又は第2の閾値を下回るかどうかを決定することを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、対象者の状態の確率の経時的な傾向を決定すること、並びに任意選択的に、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回るかどうか、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るかどうかを決定することを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、第1の予め決められた閾値を上回る及び/又は第2の予め決められた閾値を下回る確率を生じる1つ以上の主な要因を特定することを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、特定された主な要因における経時的な傾向を決定することを含み得る。いくつかの実施形態において、これは、これらの組み合わせを含み得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の確率が、第1の予め決められた閾値を上回る若しくは第2の予め決められた閾値を下回ると決定される時点、傾向によって説明される変化率が閾値率を上回る時点、及び/又は傾向が続く場合、予め決められた期間内に、確率が第1の閾値を上回る若しくは第2の閾値を下回るであろうことが決定される時点を、ユーザに警告すること670を含み得る。いくつかの実施形態において、警告は、例えば、ユーザが選択するためのオプションを含み得、オプションは、状態に関する検査及び/又は治療を含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、方法は、警告に応答するユーザからの入力を受信すること675を含み得る。いくつかの実施形態において、警告に応答する入力は、特定の治療が行われたこと、又は既存の治療が中止されたことを示すデータを含み得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、方法は、状態の確率を経時的に追跡すること680を含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、行われた治療が状態のリスクを下げて効果的あるかどうかを決定すること685を含み得る(例えば、追跡された確率に基づいて)。
【0113】
当業者は、日常の実験だけを使用して、本明細書で説明する本開示の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか又は解明することができるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲に含まれることを意図する。
【国際調査報告】