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特表2024-545431水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/56 20060101AFI20241129BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20241129BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20241129BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241129BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241129BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
C08F220/56
A61K8/81
A61Q1/00
A61Q5/00
A61Q19/00
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532780
(86)(22)【出願日】2022-12-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2022084103
(87)【国際公開番号】W WO2023099681
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21212411.9
(32)【優先日】2021-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ペトロッツィエロ・レナ
(72)【発明者】
【氏名】カイザー・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】プファールス・マルガレーテ
(72)【発明者】
【氏名】ルコヴィッチ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー・ディルク
【テーマコード(参考)】
4C083
4J100
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC481
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC642
4C083AC662
4C083AC682
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC852
4C083AC902
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD282
4C083AD332
4C083AD351
4C083AD432
4C083AD642
4C083AD662
4C083CC01
4C083CC02
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC23
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD21
4C083DD31
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE13
4J100AM15P
4J100AS21Q
4J100BA56P
4J100CA04
4J100CA05
4J100FA03
4J100FA21
4J100GC26
4J100JA61
(57)【要約】
本発明は、水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー、該ハイブリッドポリマーを含む組成物、ならびに増粘剤、構造化剤、および/またはレオロジー改質剤としての該ハイブリッドポリマーの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(i)、(ii)を含む水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーであって、前記成分(i)および成分(ii)が極性溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合されている、前記水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー:
(i)30重量%~99重量%の水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマー、ここで、前記多糖ポリマーは非荷電多糖ポリマーである、
(ii)1重量%~70重量%の、下記(a)、(b)を含む合成ポリマー
(a)90mol%~99.9mol%、好ましくは95mol%~99.5mol%の式(1)
【化1】
[式中、
およびRは、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
Aは直鎖または分岐C~C12-アルキル基であり、
は、H、NH 、有機アンモニウムイオン[NHR(式中、R、R、およびRは互いに独立して、水素、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、2~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニル基、C~C22アルキルアミドプロピル基、2~10個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキル基または3~15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキル基であり、前記R、R、およびR基のうちの少なくとも1つは水素ではない)であるか、またはQは、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、1/3Al+++、もしくはこれらの組み合わせである]
による繰り返し単位、
(b)0.01mol%~10mol%、好ましくは~5mol%、より好ましくは~3mol%の架橋単位または分岐単位であって、少なくとも2つのオレフィン性不飽和二重結合を含むモノマーの組み込みから生じている、架橋単位または分岐単位。
【請求項2】
脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、10nm~80nm、好ましくは10nm~50nm、より好ましくは15nm~50nm、さらにより好ましくは20nm~50nm、特に好ましくは30nm~40nmのメッシュサイズを有する、請求項1に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項3】
脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、0.2~0.9、好ましくは0.3~0.7、特に好ましくは0.3~0.6のtanδを有する、請求項1または2に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項4】
脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、1Pa~15Pa、好ましくは2Pa~12Pa、より好ましくは2Pa~9Pa、さらにより好ましくは2Pa~8Pa、特に好ましくは3Pa~7Paの降伏点を有する、請求項1~3のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項5】
OECD法301Bに従って決定される、少なくとも30%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも80%の生分解度を有する、請求項1~4のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項6】
(i)40重量%~95重量%、好ましくは50重量%~90重量%、より好ましくは60重量%~85重量%、より好ましくは60重量%~80重量%、さらにより好ましくは60重量%~75重量%の多糖ポリマー、
(ii)5重量%~60重量%、好ましくは10重量%~50重量%、より好ましくは15重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~40重量%、さらにより好ましくは25重量%~40重量%の合成ポリマー、
を含む、請求項1~5のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項7】
前記多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、タマリンドシードガム、スクレロチウムガム、デキストラン、デキストリンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、特に好ましくはタラガム、グアーガムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項8】
単位(a)および/または(b)をもたらす前記モノマーが前記重合前に塩基で中和されており、ならびに/あるいは重合後のハイブリッドポリマーが塩基で中和されている、請求項1~7のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項9】
前記塩基が、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む塩基から選択され;好ましくは、前記塩基が、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩から選択される、請求項8に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項10】
前記式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレート、アクリロイル-1,1-ジメチル-2-メチルタウレート、アクリロイルタウレート、アクリロイル-N-メチルタウレートおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じており、好ましくは前記式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレートの組み込みから生じている、請求項1~9のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項11】
前記架橋単位または分岐単位が、式(2)
【化2】
[式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
は、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニレン基である]
によるモノマーの組み込みから生じている、請求項1~10のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項12】
前記架橋単位または分岐単位が、式(3)
【化3】
[式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
はHであるか、または1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルキレン基であり、
D、EおよびFは独立して、メチレンオキシ(-CHO-)、エチレンオキシ(-CH-CH-O-)、プロピレンオキシ(-CH(CH)-CH-O-)、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、一価もしくは多価不飽和アルケニレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキレン基または3~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキレン基であり、
o、pおよびqはそれぞれ独立して、1~50の整数である]
によるモノマーの組み込みから生じている、請求項1~11のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項13】
前記架橋単位または分岐単位が、メチレンビスアクリルアミド;メチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノカルボン酸およびポリカルボン酸とポリオールのエステル、好ましくはジ-アクリレートおよびトリ-アクリレートならびに-メタクリレート(例えば、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート[GPTA])、より好ましくはブタンジオールおよびエチレングリコールジアクリレートならびに-メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA);アリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン;リン酸のアリルエステル;ならびにビニルホスホン酸誘導体からなる群から選択される架橋剤の組み込みから生じている、請求項1~12のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項14】
ハイブリッドポリマーの構造が、前記多糖ポリマーが、当該多糖ポリマー上に前記合成ポリマーがグラフトされている骨格であるようなものである、請求項1~13のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項15】
前記ラジカル沈殿重合が、I)水およびII)さらに別の化合物を含む極性溶媒混合物中で行われる、請求項1~14のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
【請求項16】
(i)請求項1~15のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマーと、
(ii)担体と
を含む、組成物。
【請求項17】
シャンプー、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、フェイスマスク、バブルバス、インティメイトウォッシュ、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、ヘアマスク、香料、液体石鹸、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、スキンホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、アイライナー、ナイトクリーム、アイブロウジェル、ハイライター、リップステイン、手指消毒剤、ヘアオイル、除光液、コンディショナー、ヘアスタイリングジェル、ヘアスタイリングクリーム、アンチフリッズ(anti-frizz)セラム、頭皮トリートメント、毛髪着色剤、スプリットエンド液、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、インセクトリペラント、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター(角質除去剤)、ボディスクラブ、セルライトトリートメント、固形石鹸、キューティクルクリーム、リップバーム、ヘアトリートメント、アイシャドウ、浴用添加剤、ボディミスト、オードトワレ、洗口液、練り歯磨き、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、トナー、アクアシャーベット(aqua sorbet)、クリームジェル、スタイリングムース、ドライシャンプー、リップスティック、リップグロス、水性アルコールジェル、ボディオイル、シャワーミルク、イルミネーター、リップクレヨン、ヘアスプレー、コーミングクリームおよびサンブロックからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
増粘剤、構造化剤および/またはレオロジー改質剤としての、請求項1~15のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー、該ハイブリッドポリマーを含む組成物、ならびに増粘剤、構造化剤(structurant)、および/またはレオロジー改質剤としての該ハイブリッドポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚、頭皮、および毛髪の洗浄およびケアは、一般衛生のため、例えば皮脂、油、汚れ、化粧などの不要な物質を除去するため、または保湿、着色もしくは保護のために非常に重要である。多くの化粧品は、基質への施用の容易さおよび/または処置される基質上の保持を達成するために、ある特定の最小粘度を必要とする。多くの化粧品は、粘度増加剤またはレオロジー影響剤を含む。これらは、しばしば増粘剤、シックナーまたはゲル化剤と呼ばれる。化粧品またはパーソナル衛生製品に使用される増粘剤には、ポリエチレングリコールなどの粘性液体、ポリアクリル酸などの合成ポリマーおよび植物ガムが含まれる。1990年代には、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS)およびその塩をベースとする革新的なシックナーが市場に導入された(EP0816403(特許文献1)および国際公開第98/00094号(特許文献2))。ホモポリマー形態とコポリマー形態(例えば、Clariant製のAristoflex(登録商標)AVC)の両方において、このようなシックナーは、多くの点で対応するポリカルボキシレート(Carbopol)よりも優れている。
【0003】
化粧品に使用される多くの材料は、伝統的に原油に由来している。環境、経済および持続可能性の問題が、この限られた資源に由来する製品の使用を制限している:例えば、合成界面活性剤は、特に川および湖の水生問題に対して、環境事故の原因とされている。したがって、より持続可能で生分解性でありながら、穏やかで有効な材料を特定したいという願望がある。実際、消費者は、「天然」化合物および/または再生可能な材料に由来する化合物の割合が高い製品を含む「天然」製品に非常に関心がある。消費者は、天然材料由来の化合物がより穏やかでより環境に優しいと認識している。
【0004】
天然材料に由来する化合物は、増加した生分解性と、また、限られた資源をベースとしていないためにより持続可能な利用可能性とを含む、様々な他の利益を有する。ソース化合物を単純に再成長させることができるため、植物ベースの資源に由来する化合物は特に有用である。消費者はまた、周知の植物、特に主要物産と見なされるものに由来する化合物を使用することに特に心地良さを感じる。
【0005】
例えば、米国特許出願公開第20040228809号(特許文献3)は、毛髪を処置するためのエアロゾルまたはポンプ泡製品であって、泡製造用の組成物を含み、前記組成物が、とりわけ、少なくとも1つのカチオン性セルロース誘導体と少なくとも1つのキトサンとを含む、製品を開示している。セルロースおよびキトサンは共に天然ポリマー(またはその誘導体)であり、これらは共に多糖でもある。実際、キトサンは、甲殻類の殻が作られているキチンに由来している。
【0006】
しかしながら、ある天然ポリマーまたはその誘導体は、残留物を残すことおよび/または水性配合環境における溶解性が悪いことなど、ある性能上の欠点を有する。2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸モノマーを多糖と組み合わせる試みが行われている-例えば:Srivastavaら、Modification of natural polymer via free radical graft copolymerisation of 2 acrylamido-2-methyl-1-propane sulfonic acid in aqueous media and study of swelling and metal ion sorption behaviour、Journal of Applied Polymer Science (2009)、114(3)、1426~1434頁(非特許文献1);Srivastavaら、Graft copolymerisation of 2-acrylamido-2-methyl-1-propane sulphonic acid onto xanthan gum by ascorbic/ bromate redox pair、PMSE Preprints (2004)、90、698~699頁(非特許文献2);Adhikaryら、Synthesis, characterization, and application of amylopectin-graft-poly(AM-co-AMPS)、Journal of Applied Polymer Science (2012)、126(S1)頁(非特許文献3)。しかしながら、これらの開示は、許容可能な性能を有する最終ポリマーを提供しない。さらに、提供されるポリマーは、十分に有用な形態ではない。
【0007】
国際公開第2018/108663号(特許文献4)、国際公開第2018/108664号(特許文献5)、国際公開第2018/108665号(特許文献6)、および国際公開第2018/108667号(特許文献7)は、多糖ポリマーと合成ポリマーとを含む水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP0816403
【特許文献2】国際公開第98/00094号
【特許文献3】米国特許出願公開第20040228809号
【特許文献4】国際公開第2018/108663号
【特許文献5】国際公開第2018/108664号
【特許文献6】国際公開第2018/108665号
【特許文献7】国際公開第2018/108667号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Srivastavaら、Modification of natural polymer via free radical graft copolymerisation of 2 acrylamido-2-methyl-1-propane sulfonic acid in aqueous media and study of swelling and metal ion sorption behaviour、Journal of Applied Polymer Science (2009)、114(3)、1426~1434頁
【非特許文献2】Srivastavaら、Graft copolymerisation of 2-acrylamido-2-methyl-1-propane sulphonic acid onto xanthan gum by ascorbic/ bromate redox pair、PMSE Preprints (2004)、90、698~699頁
【非特許文献3】Adhikaryら、Synthesis, characterization, and application of amylopectin-graft-poly(AM-co-AMPS)、Journal of Applied Polymer Science (2012)、126(S1)頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
増加した生分解性を有する現代のポリマーの優れた性能および天然ベースのポリマーのより持続可能な利用可能性を提供することができるポリマー増粘剤が継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーであって、
(i)30重量%~99重量%の水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマーであり、多糖ポリマーが非荷電多糖ポリマーである、水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマーと、
(ii)
(a)90mol%~99.9mol%、好ましくは95mol%~99.5mol%の式(1)
【0012】
【化1】
(式中、
およびRは、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
Aは直鎖または分岐C~C12-アルキル基であり、
は、H、NH 、有機アンモニウムイオン[NHR(式中、R、R、およびRは互いに独立して、水素、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、2~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニル基、C~C22アルキルアミドプロピル基、2~10個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキル基または3~15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキル基であり、R、R、およびR基のうちの少なくとも1つは水素ではない)であるか、またはQは、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、1/3Al+++、もしくはこれらの組み合わせである)
による繰り返し単位と、
(b)0.01mol%~10mol%、好ましくは~5mol%、より好ましくは~3mol%の架橋単位または分岐単位であり、少なくとも2つのオレフィン性不飽和二重結合を含むモノマーの組み込みから生じている、架橋単位または分岐単位と
を含む、1重量%~70重量%の合成ポリマーと
を含み、
成分(i)と成分(ii)が極性溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合されている、ハイブリッドポリマーに関する。
【0013】
本発明のハイブリッドポリマーは、増粘剤として優れた性能を示す。有利には、これらは生分解性および持続可能である。本発明のハイブリッドポリマーは、多糖ポリマーをベースとするため、増加した再生可能炭素指数(renewable carbon index)(RCI)を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義および一般原則
本発明の全ての態様の全ての実施形態を含むこの文書では、特に明記しない限り、以下の定義が適用される。全てのパーセンテージは、全組成物の重量による(w/w)。「重量%」は重量によるパーセンテージを意味する。全ての比は重量比である。「部」への言及は、重量による比である。「QS」または「QSP」は、100%または100gに十分な量を意味する。+/-は標準偏差を示す。全ての範囲は両端値を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、示される量の制限を伝えるものでも、測定の精度の制限を伝えるものでもない。全ての測定は、23℃および周囲条件で行われると理解され、「周囲条件」とは、1気圧(atm)の圧力および50%の相対湿度を意味する。「相対湿度」とは、同じ温度および圧力での飽和水分レベルと比較した空気の水分含量の比(パーセントとして示される)を指す。相対湿度は、湿度計、特にVWR(登録商標)International製のプローブ湿度計で測定することができる。本明細書に記載される実施形態および態様は、矛盾が明記されていない限り、組み合わせて明示的に例示されていないにもかかわらず、他の実施形態および/もしくは態様の要素、特徴もしくは成分を含んでもよく、またはそれらと組み合わせることが可能であり得る。
【0015】
「分子量」または「M.Wt.」または「MW」および文法的等価物は、明示的に別段の指定がない限り、重量平均分子量を意味する。
【0016】
数平均分子量:M
数平均分子量は、試料中の全てのポリマー鎖の統計的平均分子量であり、
【0017】
【数1】
(式中、Mは鎖の分子量であり、Nはその分子量の鎖の数である)
によって定義される。Mは、重合機序によって予測することができ、所与の重量の試料中の分子の数を決定する方法、例えば、末端基アッセイなどの束一的方法によって測定される。Mが分子量分布のために見積もられる場合、分布内のMの両側に等しい数の分子が存在する。
【0018】
重量平均分子量:M
重量平均分子量は、
【0019】
【数2】
によって定義される。Mと比較して、Mは、分子量平均への寄与を決定する際に鎖の分子量を考慮に入れる。鎖が大きいほど、鎖がMに寄与する。
【0020】
多分散指数PDIは、ポリマーの分子量分布の広さの尺度として使用され、
【0021】
【数3】
によって定義される。PDIが大きいほど、分子量分布が広くなる。全ての鎖長が等しい単分散ポリマーは、M/M=1を有する。
【0022】
「粘度」は、特に明記しない限り、20rpmで10~90%のトルクを有するRV Brookfield粘度計を使用して、センチポアズ(cP)で25℃において測定される。
【0023】
「水溶性」とは、25℃の水中0.1重量%の材料の濃度で肉眼に透明な溶液を形成するのに十分に水に可溶性である任意の材料を指す。「水不溶性」という用語は、「水溶性」ではない任意の材料を指す。
【0024】
「~を実質的に含まない(substantially free from)」または「~を実質的に含まない(substantially free of)」とは、組成物または配合物/調製物の全重量に対して、1%未満、または0.8%未満、または0.5%未満、または0.3%未満、または約0%を意味する。
【0025】
「毛髪」とは、頭髪、顔の毛および体毛を含む哺乳動物ケラチン繊維を意味する。これは、生きている対象にまだ付着しているそのような毛髪ならびにまた毛髪見本および人形/マネキンの毛髪などの、そこから取り除かれた毛髪を含む。少なくとも1つの実施形態では、「毛髪」がヒト毛髪を意味する。「毛幹」または「毛髪繊維」は、個々の一本の毛を意味し、「毛髪」という用語と互換的に使用され得る。
【0026】
「化粧用に許容可能な」とは、記載される組成物、配合物/調製物または成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などなしにヒト角質組織と接触して使用するのに適していることを意味する。角質組織に直接施用される目的を有する、本明細書に記載される全ての組成物および配合物/調製物は、化粧用に許容可能なものに限定される。
【0027】
「誘導体」には、それだけに限らないが、所与の化合物のアミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩および/またはアルコール誘導体が含まれる。少なくとも1つの実施形態では、「その(それらの)誘導体」が、その(それらの)アミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩および/またはアルコール誘導体を意味する。
【0028】
「モノマー」とは、例えば、ラジカル重合、重縮合、重付加、アニオンもしくはカチオン重合、開環重合または配位挿入重合などの、高分子を生成する開始剤または任意の適切な反応の存在下で重合を受けることができる、別個の未重合の化学部分を意味する。「単位」とは、既に重合されている、すなわちポリマーの一部であるモノマーを意味する。
【0029】
「ポリマー」とは、2つ以上のモノマーの重合から形成される化学物質を意味する。「ポリマー」という用語は、モノマーおよび天然ポリマーの重合によって作られた全ての材料を含むものとする。1つのタイプのモノマーのみから作られたポリマーは、ホモポリマーと呼ばれる。本明細書において、ポリマーは、少なくとも2つのモノマーを含む。2つ以上の異なるタイプのモノマーから作られたポリマーは、コポリマーと呼ばれる。異なるモノマーの分布は、ランダム、交互またはブロック状(すなわち、ブロックコポリマー)であり得る。本明細書で使用される「ポリマー」という用語は、ホモポリマーおよびコポリマーを含む任意のタイプのポリマーを含む。
【0030】
「キット」とは、複数の成分を含むパッケージを意味する。「キット」は、「キットオブパーツ」(kit-of-parts)と呼ばれ得る。キットの例は、例えば、第1の組成物および別個にパッケージングされた第2の組成物および任意に施用説明書である。
【0031】
本発明の説明および本発明によって提供される利益
現代の合成ポリマーの利点と天然または天然由来のポリマーの利点を組み合わせたハイブリッドポリマーを合成することができることが見出された。さらに、そのようなハイブリッドポリマーは、複数の合成および/または精製ステップを必要とするプロセスではなく、ワンステッププロセスで合成することができる。実際、本明細書に記載されるハイブリッドポリマーは、極性溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合される。この重合方法は、便利な形態である粉末形態のハイブリッドポリマーの製造をもたらす。そのような固体形態は、低重量および高濃度の活性材料(ハイブリッドポリマー)ならびに溶媒の欠如を考慮して出荷するのに経済的であるという利点を有する。さらに、粉末形態であることは、移動し、容器壁などの他の分子と反応することができる分子ならびに/または液体中で生存し、製品を消費、製品中で増殖および/もしくは製品を汚染することができる微生物を考慮して製品分解の観点から-製品を液体形態で出荷および/または貯蔵することに関連するリスクを低減する。
【0032】
粉末形態を提供する本明細書に記載のワンステッププロセスは、沈殿重合が使用される、すなわち、反応の生成物が不溶性沈殿物として生成される-生成物が反応混合物から沈殿するという事実を考慮して達成される。したがって、沈殿物は、反応混合物にもはや可溶性ではなく、したがって、反応混合物のレオロジーおよび粘度に影響を及ぼさない。
【0033】
従来のラジカルグラフト重合は、高度に粘性のゲルをもたらす。これは、いったんある特定の粘度レベルに達すると、反応物質および温度の均一な分布を確保するために反応混合物を攪拌することがもはや不可能であるという欠点を有する。ほとんどの場合、反応を比較的早期に停止しなければならず、したがって、ごく低収率のハイブリッドポリマーしか製造することができない。さらに、反応生成物は可溶性であり、したがって溶媒と溶液中にある。例えば、最終用途でハイブリッドポリマーを使用する配合者が、ハイブリッドポリマーの50%溶液を供給することは許容されない。結果として、従来のラジカルグラフト重合では、溶媒を生成物から除去し、したがって、溶媒に対するハイブリッドポリマーの濃度レベルを増加させるために、さらなる処理ステップが必要である-実際、可能な限り多くの溶媒を除去することが好ましい。高度に粘性のゲルの乾燥プロセス中に、高い残留水分含量を有する不溶性の表面/フィルム形成コーティングおよび/または不均質な塊が形成され得る。このように製造されたそのようなハイブリッドポリマーから水を完全に排除および/または除去することは不可能である。
【0034】
本発明は、水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーに関する。
【0035】
ハイブリッドポリマー
水溶性および/または水膨潤性ポリマーは、簡潔にするために、本明細書では単に「ハイブリッドポリマー」と呼ばれ得る。ハイブリッドポリマーは、(i)30重量%~99重量%の多糖ポリマーと、(ii)1重量%~70重量%の合成ポリマーとを含む。好ましくは、ハイブリッドポリマーは、(i)30重量%~95重量%の多糖ポリマーと、(ii)5重量%~70重量%の合成ポリマーとを含む。
【0036】
少なくとも1つの実施形態では、ハイブリッドポリマーが、
(i)ハイブリッドポリマーの全重量に対して、30重量%~90重量%、または30重量%~85重量%、または30重量%~80重量%、または30重量%~75重量%、または30重量%~70重量%、または35重量%~65重量%、または40重量%~60重量%、または45重量%~55重量%の多糖ポリマーと、
(ii)ハイブリッドポリマーの全重量に対して、10重量%~70重量%、または15重量%~70重量%、または20重量%~70重量%、または25重量%~70重量%、または30重量%~70重量%、または35重量%~65重量%、または40重量%~60重量%、または45重量%~55重量%の合成ポリマーと
を含む。
【0037】
好ましい実施形態では、ハイブリッドポリマーが、ハイブリッドポリマーの全重量に対して、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、さらにより好ましくは少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%の多糖ポリマーを含む。
【0038】
好ましい実施形態では、ハイブリッドポリマーが、ハイブリッドポリマーの全重量に対して、最大で60重量%、好ましくは最大で50重量%、より好ましくは最大で40重量%、より好ましくは最大で30重量%、より好ましくは最大で25重量%、さらにより好ましくは最大で20重量%、さらにより好ましくは最大で15重量%、特に好ましくは最大で10重量%の合成ポリマーを含む。
【0039】
好ましい実施形態では、ハイブリッドポリマーが、
(i)ハイブリッドポリマーの全重量に対して、40重量%~95重量%、好ましくは50重量%~90重量%、より好ましくは60重量%~85重量%、より好ましくは60重量%~80重量%、さらにより好ましくは60重量%~75重量%、特に好ましくは60重量%~70重量%、または65重量%~75重量%の多糖ポリマーと、
(ii)ハイブリッドポリマーの全重量に対して、5重量%~60重量%、好ましくは10重量%~50重量%、より好ましくは15重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~40重量%、さらにより好ましくは25重量%~40重量%、特に好ましくは30重量%~40重量%、または25重量%~35重量%の合成ポリマーと
を含む。
【0040】
別の好ましい実施形態では、ハイブリッドポリマーが、
(i)ハイブリッドポリマーの全重量に対して、50重量%~95重量%、好ましくは60重量%~95重量%、より好ましくは70重量%~95重量%、さらにより好ましくは80重量%~95重量%の多糖ポリマーと、
(ii)ハイブリッドポリマーの全重量に対して、5重量%~50重量%、好ましくは5重量%~40重量%、より好ましくは5重量%~30重量%、さらにより好ましくは5重量%~20重量%の合成ポリマーと
を含む。
【0041】
例えば、ハイブリッドポリマーは、30:70;または40:60;または50:50;または60:40;または70:30;または80:20;または90:10;または95:5;または99:1;または30:70~99:1の間の任意の他の比の多糖ポリマーと合成ポリマーの重量比を有する。
【0042】
少なくとも1つの実施形態では、ハイブリッドポリマーが、ハイブリッドポリマーが使用された場合、例えば、アルカリ性化粧用組成物に使用された場合に、アンモニアを放出する種を実質的に含まない。
【0043】
少なくとも1つの実施形態では、ハイブリッドポリマーの構造が、多糖ポリマーが、その上に合成ポリマーがグラフトされている骨格であるようなものである。
【0044】
合成ポリマー
ハイブリッドポリマーは合成ポリマーを含む。本明細書における「合成ポリマー」とは、天然に存在するポリマーでも天然に存在するポリマーの誘導体でもない任意のポリマーを意味する。
【0045】
合成ポリマーは、90mol%~99.9mol%の単位(a)と、0.01mol%~10mol%の単位(b)とを含む。好ましくは、合成ポリマーは、95mol%~99.9mol%の単位(a)を含む。好ましくは、合成ポリマーは、0.01mol%~5mol%の単位(b)、より好ましくは0.01mol%~3mol%の単位(b)を含む。少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが単位(a)と単位(b)とを、それらの合計が少なくとも99mol%となるように含む。少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、単位(a)と単位(b)とからなる。
【0046】
単位(a)
合成ポリマーは、式(1)
【0047】
【化2】
(式中、
およびRは、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
Aは直鎖または分岐C~C12-アルキル基であり、
は、H、NH 、[NHRに適合する有機アンモニウムイオン(式中、R、R、およびRは互いに独立して、水素、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、2~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニル基、C~C22アルキルアミドプロピル基、2~10個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキル基または3~15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキル基であり、R、R、およびR基のうちの少なくとも1つは水素ではない)であるか、またはQは、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、1/3Al+++、もしくはこれらの組み合わせである)
による繰り返し単位を含む。
【0048】
好ましくは、QはH、NH 、Na、またはKである。より好ましくは、Qは、H、NH 、Naである。特に好ましくは、QはNH またはNaである。
【0049】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、少なくとも1つの式(1)による繰り返し単位(a)(式中、RおよびRはH、メチルまたはエチルから独立して選択され;Aは直鎖または分岐C~C12-アルキル基であり;QはH、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、1/3Al+++、またはこれらの組み合わせであり、好ましくはQはNaである)を含む。
【0050】
少なくとも1つの実施形態では、QがNH である。少なくとも1つの実施形態では、Qが、モノアルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩および/またはテトラアルキルアンモニウム塩の群から選択され、アミンのアルキル置換基が互いに独立して、(C~C22)-アルキル基または(C~C10)-ヒドロキシアルキル基であり得る。
【0051】
NH は、ポリマー合成に使用される好ましい溶媒により可溶性であるため、好ましい。Naは、合成中に好ましくないガスが生成される可能性が低いため、およびまた経済的利点のために好ましい。
【0052】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、少なくとも1つの式(1)による繰り返し単位を含む。少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、2つ以上の異なる式(1)による繰り返し単位、例えば異なるQ対イオンを有する式(1)による繰り返し単位を含む。
【0053】
少なくとも1つの実施形態では、式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレート類、アクリロイル-1,1-ジメチル-2-メチルタウレート類、アクリロイルタウレート類、アクリロイル-N-メチルタウレート類、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じる。好ましくは、式(1)による繰り返し単位は、アクリロイルジメチルタウレートの組み込みから生じる。
【0054】
少なくとも1つの実施形態では、式(1)による繰り返し単位が、0mol%~100mol%の間の中和度を有する。少なくとも1つの実施形態では、式(1)による繰り返し単位が、50.0~100mol%、好ましくは80mol%~100mol%、より好ましくは90.0~100mol%、さらにより好ましくは95.0~100mol%の中和度を有する。80mol%超、より好ましくは90mol%超、さらにより好ましくは95mol%超の中和度が特に好ましい。
【0055】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、95mol%~99.9mol%、または少なくとも95.5mol%、または少なくとも96mol%、または少なくとも96.5mol%、または少なくとも97mol%、または少なくとも97.5mol%、または少なくとも98mol%、または少なくとも98.5mol%、または少なくとも99mol%、または少なくとも99.5mol%の式(1)による繰り返し単位を含む。
【0056】
単位(b)
合成ポリマーは架橋単位または分岐単位を含み、架橋単位または分岐単位は、少なくとも2つのオレフィン性不飽和二重結合を含むモノマーの組み込みから生じる。合成ポリマーは、0.01mol%~10mol%、好ましくは0.01mol%~5mol%、より好ましくは0.01mol%~3mol%の架橋単位または分岐単位を含む。
【0057】
少なくとも1つの実施形態では、架橋単位または分岐単位が、少なくとも1個の酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子を含む。少なくとも1つの実施形態では、架橋単位または分岐単位が、500g/mol未満の分子量を有するモノマーから生じる。少なくとも1つの実施形態では、単位(b)が二官能性または三官能性架橋剤である。
【0058】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが少なくとも1つの架橋単位または分岐単位を含む。少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが2つ以上の異なる架橋単位または分岐単位を含む。
【0059】
少なくとも1つの実施形態では、架橋単位または分岐単位が、式(2):
【0060】
【化3】
(式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
は、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニレン基である)
によるモノマーの組み込みから生じる。
【0061】
少なくとも1つの実施形態では、架橋単位または分岐単位が、式(3)
【0062】
【化4】
(式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
はHであるか、または1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルキレン基であり、
D、E、およびFは独立して、メチレンオキシ(-CHO-)、エチレンオキシ(-CH-CH-O-)、プロピレンオキシ(-CH(CH)-CH-O-)、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、一価もしくは多価不飽和アルケニレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキレン基または3~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキレン基であり、
o、p、およびqはそれぞれ独立して、1~50の整数である)
によるモノマーの組み込みから生じる。
【0063】
少なくとも1つの実施形態では、架橋単位または分岐単位が、メチレンビスアクリルアミド;メチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノカルボン酸およびポリカルボン酸とポリオールのエステル、好ましくはジ-アクリレートおよびトリ-アクリレートならびに-メタクリレート(例えば、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート[GPTA])、より好ましくはブタンジオールおよびエチレングリコールジアクリレートならびに-メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA);アリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン;リン酸のアリルエステル;ならびに/またはビニルホスホン酸誘導体からなる群から選択される架橋剤の組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、架橋単位または分岐単位が、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)の組み込みから生じる。
【0064】
本発明の合成ポリマーのための架橋剤として特に好ましいのは、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート(PEAS)、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、およびヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)である。特に好ましいのは、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート(GPTA)である。
【0065】
単位(c)
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、少なくとも1つの中性繰り返し構造単位(c)を含む。
【0066】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、(c)1.0mol%~9.99mol%、好ましくは2.0mol%~9.99mol%の中性繰り返し構造単位を含む。少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、ビニルアセテート、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メチルアクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(25)-メタクリレート、ラウリルポリ-エトキシ-(7)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(10)-メタクリレート、ステアリルポリ-エトキシ-(8)-メタクリレート、メトキシポリ-エトキシ-(12)-メタクリレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの中性繰り返し構造単位を含む。
【0067】
単位(d)
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、少なくとも1つのアニオン性繰り返し構造単位(d)を含む。
【0068】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、1.0mol%~9.99mol%、好ましくは2.0mol%~9.99mol%のアニオン性繰り返し構造単位を含み、アニオン性繰り返し構造単位が、少なくとも1つのカルボキシレートアニオンを含むモノマーの組み込みから生じ、アニオン性繰り返し構造単位が単位(a)とは異なる。
【0069】
少なくとも1つの実施形態では、アニオン性繰り返し構造単位が、式(A):
【0070】
【化5】
(式中、
およびRは、H、メチルまたはエチル、またはC(O)Oであり、
X、Yは、共有結合、O、CH、C(O)O、OC(O)、C(O)NRまたはNRC(O)から選択され、
Mは、共有結合、-[C(O)O-CH-CH-、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖モノ-ヒドロキシアルキレン基または3~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジ-ヒドロキシアルキレン基から選択され、
nは1~5の整数であり、
は、H、NH 、有機アンモニウムイオン[NHR(式中、R、R、およびRは独立して、水素、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、2~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニル基、C~C22アルキルアミドプロピル基、2~10個の炭素原子を有する直鎖モノ-ヒドロキシアルキル基または3~10個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジ-ヒドロキシアルキル基であり、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは水素ではない)であるか、またはZは、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、1/3Al+++、もしくはこれらの組み合わせである)
によるモノマーの組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、ZはH、NH 、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、または1/3Al+++、好ましくはH、NH 、Li、NaまたはKである。
【0071】
少なくとも1つの実施形態では、アニオン性繰り返し構造単位が、Xが共有結合であるか、またはCHである、式(A)によるモノマーの組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性繰り返し構造単位が、Yが共有結合、CH、C(O)O、またはC(O)NRである、式(A)によるモノマーの組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性繰り返し構造単位が、Mが共有結合、-[C(O)O-CH-CH-、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキレン基である、式(A)によるモノマーの組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性繰り返し構造単位が、RがH、メチルまたはエチルであり;Xが共有結合であるかまたはCHであり;Yが共有結合、CH、C(O)O、またはC(O)NRであり;RがH、メチルまたはエチルであり;Mが共有結合、-[C(O)O-CH-CH-、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキレン基であり;Zが、H、NH 、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、もしくは1/3Al+++、またはこれらの組み合わせである、式(A)によるモノマーの組み込みから生じる。
【0072】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシエチルアクリレートオリゴマー、2-プロピルアクリル酸2-エチルアクリル酸、およびそれらのそれぞれのアルカリまたはアルカリ土類金属塩からなる群から選択される少なくとも1つのアニオン性繰り返し構造単位を含む。
【0073】
任意の単位(e)
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマーが、少なくとも1つの任意の単位(e)を含む。少なくとも1つの実施形態では、任意の単位が、不飽和カルボン酸およびそれらの無水物および塩、ならびにまた1~22個の炭素数を有する脂肪族、オレフィン、脂環式、アリール脂肪族または芳香族アルコールとのそれらのエステルからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、任意の単位が、官能化(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸もしくはメタクリル酸アミド、ポリグリコールアクリル酸もしくはメタクリル酸エステル、ポリグリコールアクリル酸もしくはメタクリル酸アミド、ジプロピレングリコールアクリル酸もしくはメタクリル酸エステル、ジプロピレングリコールアクリル酸もしくはメタクリル酸アミド、エトキシ化脂肪アルコールアクリレートもしくは-メタクリレート、プロポキシ化脂肪アルコールアクリレートまたは直鎖もしくは環状N-ビニルアミドもしくはN-メチルビニルアミドからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーの組み込みから生じる。
【0074】
少なくとも1つの実施形態では、任意の単位が、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N-ビニルカプロラクタム、ビニルアセテート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルメタリルエーテル、スチロール、アセトキシスチロール、メチルメタリルエーテル、エチルアリルエーテル、tert-ブチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジプロピルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-プロピルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリレート、メチメチルアクリレート(methymethylacrylate)、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ポリエトキシ-(5)-メタクリレート、ポリエトキシ-(5)-アクリレート、ポリエトキシ-(10)-メタクリレート、ポリエトキシ-(10)-アクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(7)-メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(7)-アクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(8)-メタクリレート、ベヘニルポリ-エトキシ-(8)-アクリレート、ベヘニルポリ-エトキシ-(12)-メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(12)-アクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(16)-メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(16)-アクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(25)-メタクリレート、ベヘニルポリエトキシ-(25)-アクリレート、ラウリルポリエトキシ-(7)-メタクリレート、ラウリルポリエトキシ-(7)-アクリレート、ラウリルポリエトキシ-(8)-メタクリレート、ラウリルポリエトキシ-(8)-アクリレート、ラウリルポリエトキシ-(12)-メタクリレート、ラウリルポリエトキシ-(12)-アクリレート、ラウリルポリエトキシ-(16)-メタクリレート、ラウリルポリエトキシ-(16)-アクリレート、ラウリルポリエトキシ-(22)-メタクリレート、ラウリルポリエトキシ-(22)-アクリレート、ラウリルポリエトキシ-(23)-メタクリレート、ラウリルポリエトキシ-(23)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(2)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(2)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(7)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(7)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(10)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(10)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(12)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(12)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(16)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(16)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(20)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(20)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(25)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(25)-アクリレート、セチルポリエトキシ-(25)-メタクリレート、セチルポリエトキシ-(25)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(7)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(7)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(8)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(8)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(12)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(12)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(16)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(16)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(22)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(22)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(23)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(23)-アクリレート、ステアリルポリエトキシ-(25)-メタクリレート、ステアリルポリエトキシ-(25)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(7)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(7)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(10)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(10)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(12)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(12)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(16)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(16)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(22)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(22)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(23)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(23)-アクリレート、トリデシルポリエトキシ-(25)-メタクリレート、トリデシルポリエトキシ-(25)-アクリレート、メトキシポリエトキシ-(7)-メタクリレート、メトキシポリエトキシ-(7)-アクリレート、メトキシポリエトキシ-(12)-メタクリレート、メトキシポリエトキシ-(12)-アクリレート、メトキシポリエトキシ-(16)-メタクリレート、メトキシポリエトキシ-(16)-アクリレート、メトキシポリエトキシ-(25)-メタクリレート、メトキシポリエトキシ-(25)-アクリレート、アクリル酸、アンモニウムアクリレート、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、亜鉛アクリレート、カルシウムアクリレート、マグネシウムアクリレート、ジルコニウムアクリレート、メタクリル酸、アンモニウムメタクリレート、ナトリウムメタクリレート、カリウムメタクリレート、リチウムメタクリレート、カルシウムメタクリレート、マグネシウムメタクリレート、ジルコニウムメタクリレート、亜鉛メタクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート、アンモニウム2-カルボキシエチルアクリレート、ナトリウム2-カルボキシエチルアクリレート、カリウム2-カルボキシエチルアクリレート、リチウム2-カルボキシエチルアクリレート、亜鉛2-カルボキシエチルアクリレート、カルシウム2-カルボキシエチルアクリレート、マグネシウム2-カルボキシエチルアクリレート、ジルコニウム2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、アンモニウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、ナトリウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、カリウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、リチウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、亜鉛2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、カルシウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、マグネシウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、ジルコニウム2-カルボキシエチルアクリレート-オリゴマー、イタコン酸、ナトリウムイタコネート、カリウムイタコネート、リチウムイタコネート、カルシウムイタコネート、マグネシウムイタコネート、ジルコニウムイタコネート、亜鉛イタコネート、2-エチルアクリル酸、アンモニウム2-エチルアクリレート、ナトリウム2-エチルアクリレート、カリウム2-エチルアクリレート、リチウム2-エチルアクリレート、カルシウム2-エチルアクリレート、マグネシウム2-エチルアクリレート、ジルコニウム2-エチルアクリレート、亜鉛2-エチルアクリレート、2-プロピルアクリル酸、アンモニウム2-プロピルアクリレート、ナトリウム2-プロピルアクリレート、カリウム2-プロピルアクリレート、リチウム2-プロピルアクリレート、カルシウム2-プロピルアクリレート、マグネシウム2-プロピルアクリレート、マグネシウム2-プロピルアクリレート、ジルコニウム2-プロピルアクリレート、亜鉛2-プロピルアクリレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じる。
【0075】
好ましい実施形態では、任意の単位が、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)、N,N-ジエチルアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリレート、メチルメチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルアクリレートオリゴマー、イタコン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じる。
【0076】
少なくとも1つの実施形態では、任意の単位が、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、およびセネシン酸(senecic acid)からなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じる。少なくとも1つの実施形態では、任意の単位が、開鎖N-ビニルアミド、好ましくはN-ビニルホルムアミド(VIFA)、N-ビニルメチルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミド(VIMA)およびN-ビニルアセトアミド類;3~9の環サイズを有する環状N-ビニルアミド(N-ビニルラクタム)、好ましくはN-ビニルピロリドン(NVP)およびN-ビニルカプロラクタム;アクリル酸およびメタクリル酸のアミド、好ましくはアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、およびN,N-ジイソプロピルアクリルアミド;アルコキシ化アクリルアミドおよびメタクリルアミド、好ましくはヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシメチルメタクリルアミド;ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、およびモノ[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]スクシネート;N,N-ジメチルアミノメタクリレート;ジエチルアミノメチルメタクリレート;アクリルアミド-およびメタクリルアミドグリコール酸;2-および4-ビニルピリジン;ビニルアセテート;グリシジルメタクリレート;スチレン;アクリロニトリル;塩化ビニル;ステアリルアクリレート;ラウリルメタクリレート;塩化ビニリデン;テトラフルオロエチレン;ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーから生じる。
【0077】
多糖ポリマー
ハイブリッドポリマーは多糖ポリマーを含む。多糖ポリマーは水溶性および/または水膨潤性である。少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、水に浸漬されると、水を吸収する、および/またはゲルもしくはガムを形成する。少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが天然ガムまたは粘液である。天然ガムは、水分子と水素結合を形成する過剰な数の-OH部分の存在により、一般に水に可溶性であるため、有用である。少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、植物に由来する天然ガムである。
【0078】
多糖ポリマーは非荷電多糖ポリマーである。「非荷電多糖ポリマー」という用語は、当業者に周知である。
【0079】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム(cassia tora gum)、フェヌグリークガム、セルロース、デンプン、グルコマンナン、タマリンド(Tamarindus Indica)シードガム、スクレロチウムガム、デキストラン、デキストリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0080】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、セルロース、デンプン、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0081】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、セルロース、デンプン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0082】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーがマンノースおよび/またはガラクトース単位を含み、好ましくは多糖ポリマーがガラクトマンナンである。ガラクトマンナンは、ガラクトース側基を有するマンノース骨格(より具体的には、アルファ-D-ガラクトースに結合した6位からの分岐点、すなわち、1-6結合アルファ-D-ガラクトピラノースを有する(1-4)結合ベータ-D-マンノピラノース骨格)からなる多糖である。
【0083】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、タマリンドシードガム、スクレロチウムガム、デキストラン、デキストリン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0084】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0085】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0086】
特に好ましい実施形態では、多糖ポリマーがタラガムを含み、好ましくはタラガムである。
【0087】
特に好ましい実施形態では、多糖ポリマーがグアーガムを含み、好ましくはグアーガムである。
【0088】
特に好ましい実施形態では、多糖ポリマーがグルコマンナンを含み、好ましくはグルコマンナンである。
【0089】
上記多糖の精製されたバージョンも使用され得る。
【0090】
上記多糖の化学的に修飾されたバージョンも使用され得る。
【0091】
「修飾多糖(修飾された多糖)」とは、多糖ポリマーが1つまたは複数の適切な物理的、酵素的または化学的プロセスに供されて、多糖ポリマーの修飾形態に変換されたことを意味する。このようなプロセスの例としては、
- 酸(例えば、塩酸、リン酸、または硫酸)との反応による多糖ポリマーの酸処理
- 塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)との反応による多糖ポリマーのアルカリ処理
- 過酢酸、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化硫黄、亜硫酸塩、過マンガン酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムとの反応による漂白多糖ポリマー
- 酵素による処理による多糖ポリマーの酵素修飾形態
- 酸化(例えば、次亜塩素酸ナトリウムによる)による酸化多糖ポリマー
- 例えば、無水物によるエステル化によるアセチル化多糖ポリマー
- プロピレンオキシドとの反応によるヒドロキシプロピル多糖
- エチレンオキシドとの反応によるヒドロキシエチル多糖
が挙げられる。
【0092】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーがグアーガムまたはグアーガム誘導体である。少なくとも1つの実施形態では、グアーガム誘導体が、ヒドロキシプロピルグアーガム、カルボキシメチルグアーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム、および第四級アンモニウムグアーガムからなる群から選択される。
【0093】
フェヌグリークガムは、その名前が示唆するように、フェヌグリークに由来し、マンノース:ガラクトースの比がおよそ1:1であるガラクトマンナンである。タラガムはガラクトマンナンであり、ラテン名カエサルピニア・スピノサ(Caesalpinia spinosa)を有する小高木またはとげのある低木に由来する。タラガム中のマンノース:ガラクトースの比はおよそ3:1である。ローカストビーンガムは、イナゴマメの木の種子から抽出されたガラクトマンナン植物ガムである。ローカストビーンガムは、グリコシド結合を介して結合されたガラクトース単位およびマンノース単位から構成される高分子量ヒドロコロイド多糖から主になる。グアーガムは、糖ガラクトースおよびマンノースから構成される多糖であり、骨格は、β1,4-結合マンノース残基の直鎖であって、それらにガラクトース残基が2マンノースごとに1,6-結合して短い側枝を形成している。グアーガムは主にグアー豆の粉砕胚乳である。グルコマンナンは、糖グルコースおよびマンノースから構成される多糖である。
【0094】
少なくとも1つの実施形態では、多糖ポリマーが、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、およびそれらの誘導体を実質的に含まない。セルロース誘導体には、例えば、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースが含まれる。このような多糖は、水溶性でも水膨潤性でもなく、かつ/または性能の観点から望ましくないハイブリッドポリマーをもたらす。
【0095】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、10nm~80nm、好ましくは10nm~50nm、より好ましくは15nm~50nm、さらにより好ましくは20nm~50nm、特に好ましくは30nm~40nmのメッシュサイズを有する。好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、10nm~40nm、好ましくは15nm~40nmのメッシュサイズを有する。この文脈で使用される%は重量%を指す。
【0096】
これらの範囲内のメッシュサイズは、安定なポリマーゲルを形成するため、有利である。
【0097】
本明細書で使用されるメッシュサイズは以下のように計算される:
【0098】
【数4】
(式中、
G’初期はネットワーク安定性G’初期であり、
kはボルツマン定数であり、
Tは測定温度である:
【0099】
【表1】
)。
ここで使用されるネットワーク安定性G’初期は、ハイブリッドレオメータを使用して決定される。より具体的には、TA InstrumentsのDHR-3を使用する。DHRはDiscovery Hybrid Rheometerを指す。
【0100】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、0.2~0.9、好ましくは0.3~0.7、より好ましくは0.3~0.6、特に好ましくは0.4~0.6のtanδ(弾性損失係数:elasticity loss factor)を有する。この文脈で使用される%は重量%を指す。
【0101】
これらの範囲内のtanδは、粘弾性挙動を示すため、有利である。
【0102】
本明細書で使用されるtanδは、ハイブリッドレオメータを使用して決定される。より具体的には、TA InstrumentsのDHR-3を使用する。DHRはDiscovery Hybrid Rheometerを指す。
【0103】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、1Pa~15Pa、好ましくは2Pa~12Pa、より好ましくは2Pa~9Pa、さらにより好ましくは2Pa~8Pa、さらにより好ましくは3Pa~7Pa、特に好ましくは3Pa~6Paの降伏点を有する。この文脈で使用される%は重量%を指す。
【0104】
これらの範囲内の降伏点は、所望のレオロジー改質特性に適合するため、有利である。
【0105】
本明細書で使用される降伏点は、ハイブリッドレオメータを使用して決定される。より具体的には、TA InstrumentsのDHR-3を使用する。DHRはDiscovery Hybrid Rheometerを指す。
【0106】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のメッシュサイズまたは上記のtanδまたは上記の降伏点を有する。
【0107】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のメッシュサイズまたは上記のtanδを有する。
【0108】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のメッシュサイズまたは上記の降伏点を有する。
【0109】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のtanδまたは上記の降伏点を有する。
【0110】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のメッシュサイズおよび上記のtanδを有する。
【0111】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のメッシュサイズおよび上記の降伏点を有する。
【0112】
好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のtanδおよび上記の降伏点を有する。
【0113】
特に好ましい実施形態では、脱イオン水中の本発明のハイブリッドポリマーの1%ゲルが、上記のメッシュサイズおよび上記のtanδおよび上記の降伏点を有する。
【0114】
好ましい実施形態では、本発明のハイブリッドポリマーが、OECD法301Bに従って決定される、少なくとも30%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも80%の生分解度を有する。
【0115】
好ましい実施形態では、本発明のハイブリッドポリマーが容易に生分解性であり、これは、ハイブリッドポリマーが、OECD法301Bに従って決定される、少なくとも60%の生分解度を有することを意味する。
【0116】
別の実施形態では、本発明のハイブリッドポリマーが本質的に生分解性である(OECD 302)。
【0117】
多糖ポリマーがグルコマンナンであるハイブリッドポリマーの例示的な実施形態を以下の表に示す:
【0118】
【表2】
【0119】
このようなハイブリッドポリマーは、例えば、例のセクションに記載される方法に従って調製することができる。
【0120】
重合
ハイブリッドポリマー成分(i)と(ii)は、溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合される。ラジカル沈殿重合は、より有用なレベルのポリマー分岐をもたらすという点で、他の合成方法よりも利点を有する。少なくとも1つの実施形態では、重合がグラフトラジカル沈殿重合である。
【0121】
少なくとも1つの実施形態では、ラジカル沈殿重合が、
I)水および
II)さらに別の化合物
を含む極性溶媒混合物中で行われる。
【0122】
少なくとも1つの実施形態では、化合物II)が極性および有機である。少なくとも1つの実施形態では、化合物II)が極性アルコールおよびケトンから選択される。少なくとも1つの実施形態では、化合物II)が、1つまたは複数の極性アルコールおよび1つまたは複数のケトンである。
【0123】
好ましい実施形態では、化合物II)が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルケトン、ジエチルケトン、ペンタン-2-オン、ブタノン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、好ましくは2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、ジメチルケトン、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、より好ましくは2-メチル-2-プロパノールおよびジメチルケトンからなる群から選択される。特に好ましい実施形態では、化合物II)が2-メチル-2-プロパノールである。
【0124】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が、0.5~10重量%、好ましくは1~8重量%、より好ましくは2~5重量%の水を含有する。
【0125】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が、90~99.5重量%、好ましくは92~99重量%、より好ましくは95~98重量%の2-メチル-2-プロパノールを含有する。
【0126】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が水および2-メチル-2-プロパノールを含有する。好ましい実施形態では、溶媒混合物が、0.5~10重量%、好ましくは1~8重量%、より好ましくは2~5重量%の水、および90~99.5重量%、好ましくは92~99重量%、より好ましくは95~98重量%の2-メチル-2-プロパノールを含有する。
【0127】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が、0.5~10重量%の水、1~98.5重量%の2-メチル-2-プロパノールおよび1~98.5重量%のジメチルケトン、好ましくは0.5~7.5重量%の水、5~94.5重量%の2-メチル-2-プロパノールおよび5~94.5重量%のジメチルケトンを含有する。
【0128】
少なくとも1つの実施形態では、単位(a)および/もしくは(b)をもたらすモノマーが重合前に塩基で中和される、ならびに/または重合後のハイブリッドポリマーが塩基で中和される。少なくとも1つの実施形態では、塩基が、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む塩基から選択され;好ましくは塩基が、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩から選択される。
【0129】
本発明はまた組成物に関する。組成物は、
(i)本発明によるハイブリッドポリマーと、
(ii)担体と
を含む。
【0130】
好ましい実施形態では、組成物が、組成物の全重量に対して、0.1~10重量%、好ましくは0.1~2.5重量%、より好ましくは0.1~1.0重量%、同様により好ましくは0.5~2.5重量%、さらにより好ましくは0.5~1.0重量%の本発明によるハイブリッドポリマーを含む。
【0131】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が化粧用組成物である。少なくとも1つの実施形態では、化粧用組成物が、シャンプー、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、クレンジングマスク、バブルバス、インティメイトウォッシュ(intimate wash)、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、香料、液体石鹸、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、ナイトクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンスプレー、サンケアミルク、サンケアクリーム、サンケアジェル、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、美白クリーム、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、bbクリーム、アイライナー、ハイライター、リップステイン、手指消毒剤、除光液(nail varnish remover)、コンディショナー、ヘアスタイリングジェル、ヘアスタイリングクリーム、ヘアシャインセラム、頭皮トリートメント、毛髪着色剤、スプリットエンド液(split end fluid)、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、インセクトリペラントスプレー、ハンドクリーム、フットクリーム、エクスフォリエーター/角質除去剤、スクラブ、およびセルライトトリートメントからなる群から選択される。
【0132】
担体
担体は、本発明で使用される化合物を液体形態で提供するのに有用である。少なくとも1つの実施形態では、担体が化粧用に許容可能な担体である。少なくとも1つの実施形態では、組成物が少なくとも10重量%の水を含む。水は経済的な理由から有用であるが、極めて化粧用に許容可能なためでもある。任意選択的に、組成物は、低級アルキルアルコールなどの水混和性または水溶性溶媒を含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、C~Cアルキル一価アルコール、好ましくはC~Cアルキルアルコールを含む。存在し得るアルコールは、特に、好ましくはエタノールおよびイソプロパノールなどの、化粧用目的に通常使用される1~4個の炭素原子を有する低級一価または多価アルコールである。
【0133】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が水溶性多価アルコールを含む。少なくとも1つの実施形態では、水溶性多価アルコールが、分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールである。少なくとも1つの実施形態では、水溶性多価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコールなどの二価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオールなどの三価アルコール;ペンタエリトリトールなどの四価アルコール;キシリトールなどの五価アルコール;ソルビトール、マンニトールなどの六価アルコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコールポリマー;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどの二価アルコールアルキルエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテルなどの二価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジペート、エチレングリコールジスクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテートなどの二価アルコールエーテルエステル;キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコールなどのグリセリンモノアルキルエーテル;ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、スクロース、エリスリトール、グルコース、フルクトース、デンプン糖、マルトース、キシリトース、デンプン糖還元アルコール、グリソリッド(glysolid)、テトラヒドロフルフリルアルコール、POEテトラヒドロフルフリルアルコール、POPブチルエーテル、POP POEブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POPグリセリンエーテル、POPグリセリンエーテルリン酸、POP POEペンタエリトリトールエーテルなどの糖アルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0134】
好ましい実施形態では、組成物が、水、グリコール、エタノール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される化粧用に許容可能な担体を含む。
【0135】
好ましい実施形態では、組成物が、水性、アルコール性または水性-アルコール性担体を含み、水性、アルコール性または水性-アルコール性担体が、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、イソブタノール、ブタノール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、グリセロール、またはこれらの混合物を含み;好ましくは水性、アルコール性または水性-アルコール性溶媒が、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、グリセロール、またはこれらの混合物を含み;より好ましくは水性、アルコール性または水性-アルコール性担体が、水、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、またはこれらの混合物を含み;さらにより好ましくは水性、アルコール性または水性-アルコール性担体が水からなるか、または水とアルコールの混合物からなり、アルコールがイソプロパノール、1,2-プロピレングリコールおよび1,3-プロピレングリコールからなる群から選択される。
【0136】
天然担体を使用することもできる。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、植物油、蜂蜜、植物由来の糖組成物、およびこれらの混合物からなる群から選択される担体を含む。
【0137】
粘度
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0mPas~200,000mPas、または1mPas~200,000mPas、または50,000mPas~200,000mPas、または50,000mPas~100,000mPasの粘度を有する。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.1mPas~50,000mPas、または1mPas~20,000mPas、または1mPas~10,000mPas、または1mPas~5,000mPas、または5mPas~3,500mPasの粘度を有する。粘度測定条件は上の定義のセクションで定義されている。粘度は、滴下防止の理由のために重要となり得る。滴下は、使用者にとって不便になり得る。さらに、より粘性の組成物は、測定された分注に有用となり得る。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0mPas~1,000mPas、または1mPas~1,000mPasの粘度を有する。この粘度範囲は、皮膚への分配およびすすぎ落とす能力の必要性を考慮して、組成物がフェイシャルクレンザー(洗顔料)の形態である場合に有利である。
【0138】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が粘度調整物質をさらに含む。粘度調整物質は、好ましくは増粘ポリマーである。少なくとも1つの実施形態では、増粘ポリマーが、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1のモノマー型と、アクリル酸とエトキシ化脂肪アルコールのエステルから選択される少なくとも1つの第2のモノマー型のコポリマー;架橋ポリアクリル酸;アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1のモノマー型と、アクリル酸とC10~C30-アルコールのエステルから選択される少なくとも1つの第2のモノマー型の架橋コポリマー;アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1のモノマー型と、イタコン酸とエトキシ化脂肪アルコールのエステルから選択される少なくとも1つの第2のモノマー型のコポリマー;アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1のモノマー型と、イタコン酸とエトキシ化C10~C30-アルコールのエステルから選択される少なくとも1つの第2のモノマー型と、C~C-アミノアルキルアクリレートから選択される第3のモノマー型のコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される2つ以上のモノマーのコポリマー;アクリロイルジメチルタウレートのホモポリマー;アクリロイルジメチルタウレートの架橋ホモポリマー;ビニルピロリドンとアクリロイルジメチルタウレートの塩のコポリマー;アクリロイルジメチルタウレートの塩と、メタクリル酸とエトキシ化脂肪アルコールのエステルから選択されるモノマーのコポリマー;アクリロイルジメチルタウレートの塩と、メタクリル酸と、アルキル化アクリルアミドから選択されるモノマーのコポリマー;アクリロイルジメチルタウレートの塩とN-ビニルピロリドン;アクリロイルジメチルタウレートの塩と、メタクリル酸と、メタクリル酸のエステルから選択されるモノマー;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルグアー;グリセリルポリアクリレート;グリセリルポリメタクリレート;少なくとも1つのC-、C-またはC-アルキレンとスチレンのコポリマー;ポリウレタン;ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート;ポリアクリルアミド;デカジエンで架橋された無水マレイン酸とメチルビニルエーテルのコポリマー;イナゴマメ種子粉;グアーガム;キサンタン;デヒドロキサンタン;カラギーナン;カラヤガム;加水分解コーンスターチ;ポリエチレンオキシドと、脂肪アルコールと、飽和メチレンジフェニルジイソシアネートのコポリマー(例えば、PEG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー);ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0139】
pH
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、2.0~12.0、好ましくは3.0~9.0、より好ましくは4.5~8のpH値を有する。pH値を変化させることによって、様々な用途に適した組成物を利用可能にすることができる。
【0140】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、アルカリ化剤またはpH調整剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、アンモニアまたは苛性ソーダが適切であるが、有機塩基および無機塩基の水溶性の生理学的に許容可能な塩も考慮され得る。少なくとも1つの実施形態では、pH調整剤が、炭酸水素アンモニウム、アンモニア、モノエタノールアミン、炭酸アンモニウムから選択される。少なくとも1つの実施形態では、アルカリ化剤が、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシル-メチル)-アミノメタン、2-アミノ-1-ブタノール、トリス-(2-ヒドロキシプロピル)-アミン、2,2-イミノビスエタノール、リジン、イミノ尿素(炭酸グアニジン)、テトラヒドロ-1,4-オキサジン、2-アミノ-5-グアニジン-吉草酸、2-アミノエタンスルホン酸、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、グルカミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムおよび酸化マグネシウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0141】
酸性pH値を確立するために、酸を含めることができる。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、塩酸、リン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、塩酸、クエン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される酸を含む。クエン酸は、消費者受容が高いという点で最も好ましい。少なくとも1つの実施形態では、酸性pHが、ホスフェート緩衝液、TRIS緩衝液またはクエン酸緩衝液などの緩衝液で調整される。緩衝液は、単独でまたは酸と組み合わせて使用され得る。
【0142】
形態
少なくとも1つの実施形態では、組成物が液体形態である。代替実施形態では、組成物が固体形態である。任意選択的に、組成物は、粉末状形態または顆粒状形態である。これは、典型的には長距離にわたって重い液体を出荷する必要がなく、したがって、経済的および環境的利益を有するという点で有利である。固体形態は、組成物を噴霧乾燥させること、ロータリーエバポレーターを使用すること、真空中で、溶媒の沸点より上の温度においてトレイ上で乾燥させること、反応器、垂直または水平粉末乾燥機で乾燥させること、大気圧、圧力、または真空濾過とその後の湿潤濾液の乾燥によって達成することができる。組成物は、例えば、水を添加することによって、出荷された後に液体形態に変換することができる。
【0143】
界面活性剤
少なくとも1つの実施形態では、組成物が界面活性剤または界面活性剤系を含む。少なくとも1つの実施形態では、界面活性剤または界面活性剤系が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤を含む。
【0144】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01重量%~70重量%、0.1重量%~40重量%、1重量%~30重量%、2重量%~20重量%の総量の界面活性剤を含む。
【0145】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がアニオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤が、(C10~C20)-アルキルおよびアルキレンカルボキシレート、アルキルエーテルカルボキシレート、脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、アルキルアミドスルフェートおよびスルホネート、脂肪酸アルキルアミドポリグリコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネートおよびヒドロキシアルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、イセチオネートのアシルエステル、α-スルホ脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルフェノールグリコールエーテルスルホネート、スルホスクシネート、スルホコハク酸モノエステルおよびジエステル、脂肪アルコールエーテルホスフェート、タンパク質/脂肪酸縮合生成物、アルキルモノグリセリドスルフェートおよびスルホネート、アルキルグリセリドエーテルスルホネート、脂肪酸メチルタウリド、脂肪酸サルコシネート、スルホリシノレート、アシルグルタメート、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。アニオン性界面活性剤(およびそれらの混合物)は、それらの水溶性または水分散性塩の形態で使用することができ、例はナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノ-、ジ-、およびトリエタノールアンモニウム、ならびに類似のアルキルアンモニウム塩である。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤が、12~14個の炭素原子を含むアニオン性界面活性剤の塩である。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0146】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がアシルグリシネート界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、アシルグリシネート界面活性剤が、式(Y):
【0147】
【化6】
(式中、
1aは、6~30個、好ましくは8~22個、特に好ましくは8~18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、飽和アルカノイル基であるか、または6~30個、好ましくは8~22個、特に好ましくは12~18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケノイル基であり、
はカチオンである)
に適合する。少なくとも1つの実施形態では、Q が、Li、Na、K、Mg++、Ca++、Al+++、NH 、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオンおよびテトラアルキルアンモニウムイオン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。任意選択的に、R1aは互いに独立して、(C~C22)-アルキル基または(C~C10)-ヒドロキシアルキル基から選択される。少なくとも1つの実施形態では、アシルグリシネート界面活性剤が、ココイルグリシンナトリウムおよびココイルグリシンカリウムから選択される。少なくとも1つの実施形態では、アシルグリシネート界面活性剤が、RがC12アルキルまたはC14アルキルである、式(Y)に適合する界面活性剤から選択される。少なくとも1つの実施形態では、アシルグリシネート界面活性剤が、RがC16アルキルまたはC18アルキルである、式(Y)に適合する界面活性剤から選択される。
【0148】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、式(Z)またはその塩:
【0149】
【化7】
(式中、
R’はHOOC-CH-CH-またはM-OOC-CH-CH-(式中、Mはカチオンである)であり;Rは、6~30個、好ましくは8~22個、より好ましくは8~18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、飽和アルカノイル基であるか、または6~30個、好ましくは8~22個、より好ましくは12~18個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケノイル基である)
に対応するグルタメート界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、Mが金属カチオンである。少なくとも1つの実施形態では、Mが、Li、Na、K、Mg++、Ca++、Al+++、NH 、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオンおよびテトラアルキルアンモニウムイオン、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、グルタメート界面活性剤が、ココイルグルタミン酸ナトリウムおよびココイルグルタミン酸カリウムから選択される。少なくとも1つの実施形態では、グルタメート界面活性剤が、RがC12アルキルまたはC14アルキルである、式(Z)に適合する界面活性剤から選択される。少なくとも1つの実施形態では、グルタメート界面活性剤が、RがC16アルキルまたはC18アルキルである、式(Z)に適合する界面活性剤から選択される。
【0150】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01重量%~30重量%、または1重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは12重量%~18重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0151】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が非イオン性界面活性剤を含む。
【0152】
少なくとも1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤が、12超のHLB(親水性親油性バランス)を有する。任意選択的に、非イオン性界面活性剤は、12~22個の炭素原子を含む脂肪鎖を有するエトキシ化またはエトキシ化/プロポキシ化脂肪アルコール、ステアリル-もしくはラウリルアルコール(EO-7)、PEG-16大豆ステロールまたはPEG-10大豆ステロールなどのエトキシ化ステロール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(ポロキサマー)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0153】
少なくとも1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤が、エトキシ化脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸グリセリドまたはアルキルフェノール、特に、2~30molのエチレンオキシドおよび/または1~5molのプロピレンオキシドのC~C22-脂肪アルコール、C12~C22-脂肪酸またはアルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの付加生成物、1~30molのエチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC12~C22-脂肪酸モノ-およびジエステル、5~60molのエチレンオキシドのヒマシ油または水添ヒマシ油への付加生成物、脂肪酸糖エステル、特にスクロースと1つまたは2つのC~C22-脂肪酸のエステル、INCI:スクロースココエート、スクロースジラウレート、スクロースジステアレート、スクロースラウレート、スクロースミリステート、スクロースオレエート、スクロースパルミテート、スクロースリシノレエート、スクロースステアレート、ソルビタンと1つ、2つまたは3つのC~C22-脂肪酸のエステルであって、4~20のエトキシ化度を有するエステル、特に1つ、2つまたはそれを超えるC~C22-脂肪酸と好ましくは2~20個のグリセリル単位を有するポリグリセロールのエステル、C~C22-アルキル基を有するアルキルグルコシド、アルキルオリゴグルコシドおよびアルキルポリグルコシド、例えばデシルグルコシドまたはラウリルグルコシド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0154】
少なくとも1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤が、脂肪アルコールエトキシレート(アルキルポリエチレングリコール)、アルキルフェノールポリエチレングリコール、アルキルメルカプタンポリエチレングリコール、脂肪アミンエトキシレート(アルキルアミノポリエチレングリコール)、脂肪酸エトキシレート(アシルポリエチレングリコール)、ポリプロピレングリコールエトキシレート(Pluronics(登録商標))、脂肪酸アルキロールアミド(脂肪酸アミドポリエチレングリコール)、N-アルキル-、N-アルコキシポリヒドロキシ-脂肪酸アミド、スクロースエステル、ソルビトールエステル、ポリグリコールエーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0155】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、脂肪N-メチル-N-グルカミド界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、脂肪N-メチル-N-グルカミド界面活性剤が、式(X):
【0156】
【化8】
(式中、
Rは3~30個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキルまたはアルケニル基である)
に適合する。少なくとも1つの実施形態では、Rが3~30個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0157】
少なくとも1つの実施形態では、Rが、直鎖または分岐であり得、好ましくは直鎖または分岐の炭化水素鎖中に3~20個の炭素原子を有し得る、飽和脂肪族炭化水素基である。分岐とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの低級アルキル基が、直鎖アルキル鎖上に置換基として存在することを意味する。少なくとも1つの実施形態では、Rが、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル(イソブチル)、2-メチル-2-プロピル(tert-ブチル)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2-メチル-3-ペンチル、3-メチル-3-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、2,3-ジメチル-2-ブチル、3,3-ジメチル-2-ブチル、1-ヘプチル、1-オクチル、1-ノニル、1-デシル、1-ウンデシル、1-ドデシル、1-テトラデシル、1-ヘキサデシルおよび1-オクタデシルからなる群から選択される。適切な脂肪N-メチル-N-グルカミド界面活性剤は、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2013/178700号およびEP0550637に記載されている。少なくとも1つの実施形態では、N-メチル-N-グルカミド界面活性剤が、RがC12アルキルまたはC14アルキルである、式(X)に適合する界面活性剤から選択される。少なくとも1つの実施形態では、N-メチル-N-グルカミド界面活性剤が、RがC16アルキルまたはC18アルキルである、式(X)に適合する界面活性剤から選択される。N-メチル-N-グルカミド界面活性剤は、ClariantからそれらのGlucoTain(登録商標)ブランドで入手可能である。
【0158】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、1重量%~20重量%、より好ましくは2重量%~10重量%、さらにより好ましくは3重量%~7重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0159】
少なくとも1つの実施形態では、両性界面活性剤が、アルカリ金属塩ならびにモノ-、ジ-、およびトリアルキルアンモニウム塩としてのN-(C12~C18)-アルキル-β-アミノプロピオネートおよびN-(C12~C18)-アルキル-β-イミノジプロピオネート;N-アシルアミノアルキル-N,N-ジメチルアセトベタイン、好ましくはN-(C~C18)-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアセトベタイン、(C12~C18)-アルキル-ジメチルスルホプロピルベタイン、イミダゾリンをベースとする両性界面活性剤(商品名:Miranol(登録商標)、Steinapon(登録商標))、好ましくは1-(β-カルボキシメチルオキシエチル)-1-(カルボキシメチル)-2-ラウリルイミダゾリニウムのナトリウム塩;アミドオキシド、例えば、(C12~C18)-アルキル-ジメチルアミンオキシド、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0160】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がベタイン界面活性剤を含む。任意選択的に、ベタイン界面活性剤はC~C18-アルキルベタインから選択される。少なくとも1つの実施形態では、ベタイン界面活性剤が、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタインおよびラウリルビス(2-ヒドロキシプロピル)アルファカルボキシエチルベタインならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される。任意選択的に、ベタイン界面活性剤はC~C18-スルホベタインから選択される。少なくとも1つの実施形態では、ベタイン界面活性剤が、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。任意選択的に、ベタイン界面活性剤は、イミダゾールのカルボキシル誘導体、C~C18-アルキルジメチルアンモニウムアセテート、C~C18-アルキルジメチルカルボニルメチルアンモニウム塩、およびC~C18-脂肪酸アルキルアミドベタイン、ならびにこれらの混合物から選択される。任意選択的に、C~C18-脂肪酸アルキルアミドベタインは、ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン、N-ヤシ脂肪酸アミドエチル-N-[2-(カルボキシメトキシ)エチル]グリセロール(CTFA名:ココアンホカルボキシグリシネート)、およびこれらの混合物から選択される。
【0161】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.5重量%~20重量%、好ましくは1重量%~10重量%の両性界面活性剤を含む。
【0162】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が界面活性剤系を含む。少なくとも1つの実施形態では、界面活性剤系が、ラウリル硫酸塩、ラウレス硫酸塩、ココアミド-プロピルベタイン、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、界面活性剤系が、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、および任意選択的にコカミドプロピルベタインを含む。少なくとも1つの実施形態では、界面活性剤系が、ラウレス硫酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、およびコカミドプロピルベタインを含む。
【0163】
コンディショニング剤
少なくとも1つの実施形態では、組成物がコンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、コンディショニング剤が、乳化した、液体粒子を形成する水不溶性、水分散性、不揮発性の液体である。少なくとも1つの実施形態では、コンディショニング剤が、シリコーン(例えば、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、およびシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、および脂肪エステル)、またはこれらの組み合わせである。
【0164】
少なくとも1つの実施形態では、コンディショニング剤がシリコーンであり、組成物が、組成物の全重量に対して、0.01重量%~10重量%、または0.1重量%~5重量%のシリコーンコンディショニング剤を含む。適切なシリコーンコンディショニング剤、およびシリコーン用の任意の懸濁化剤は、米国特許第5,104,646号に記載されている。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択されるシリコーンガムを含む。
【0165】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が末端アミノシリコーンを含む。本明細書で定義される「末端アミノシリコーン」とは、シリコーン骨格の一端または両端に1つまたは複数のアミノ基を含むシリコーンを意味する。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、ペンダントアミノ基を含むいずれのシリコーン化合物も実質的に含まない。ある実施形態では、組成物が、末端アミノシリコーン以外のいずれのシリコーン化合物も実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態では、末端アミノシリコーンのシリコーン骨格の少なくとも1つの末端のアミノ基が、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミンからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、式(S):
(R3-a-Si-(-OSiG-O-SiG3-a(R (S)
(式中、
Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、またはC~Cアルキル、好ましくはメチルであり、
aは、1~3、好ましくは1の値を有する整数であり、
bは、0、1または2、好ましくは1であり、
nは、0~1,999の数であり、
は、一般式C2qL(式中、qは2~8の値を有する整数である)に適合する一価基であり、
Lは、以下の群:-N(R)CH-CH-N(R;-N(R;-N(R;-N(R)CH-CH-NR(式中、Rは、水素、フェニル、ベンジル、または飽和炭化水素基、好ましくは1~20個の炭素原子を有するアルキル基であり;Aはハロゲン化物イオンである)から選択される)
に適合する末端アミノシリコーンを含む。
【0166】
少なくとも1つの実施形態では、式(S)に対応する末端アミノシリコーンが、a=1、q=3、G=メチルを有し、nが1000~2500、あるいは1500~1700であり;Lが-N(CHである。式(S)に対応する適切な末端アミノシリコーンは、a=0、G=メチルを有し、nが100~1500、または200~800であり、Lが、以下の群:-N(R)CH-CH-N(R;-N(R;-N(R;-N(R)CH-CH-NR(式中、Rは、水素、フェニル、ベンジル、または飽和炭化水素基、好ましくは1~20個の炭素原子を有するアルキル基であり;Aはハロゲン化物イオンである)から選択され、あるいはLが-NHである。少なくとも1つの実施形態では、末端アミノシリコーンが、ビス-アミノメチルジメチコン、ビスアミノエチルジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ビス-アミノブチルジメチコン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、末端アミノシリコーンの粘度が、25℃で測定される1,000~30,000mPas、または5,000~20,000mPasである。
【0167】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、組成物の全重量に対して、0.1重量%~20重量%、または0.5重量%~10重量%、または1重量%~6重量%の末端アミノシリコーンを含む。
【0168】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が高融点脂肪化合物を含む。高融点脂肪化合物は25℃以上の融点を有する。少なくとも1つの実施形態では、高融点脂肪化合物が、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、およびこれらの混合物からなる群から選択される。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary、第5版、1993およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第2版、1992に見出される。組成物は、組成物の全重量に対して、0.1重量%~40重量%、または1重量%~30重量%、または1.5重量%~16重量%、または1.5重量%~8重量%の高融点脂肪化合物を含み得る。これは、湿潤毛髪への施用中の滑らかな感触、乾燥毛髪での柔らかさおよびしっとりとした感触などの改善されたコンディショニング利益を提供することを考慮すると有利である。少なくとも1つの実施形態では、脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が直鎖脂肪アルコールを含み、直鎖脂肪アルコールはまたラメラゲルマトリックスに含まれる。ラメラゲルマトリックスは、湿潤毛髪への施用中の滑らかな感触ならびに乾燥毛髪での柔らかさおよびしっとりとした感触などの様々なコンディショニングの利益を提供するのに適している。直鎖脂肪アルコールは8~24個の炭素原子を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、直鎖脂肪アルコールが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態では、全直鎖脂肪アルコールと末端アミノシリコーンの重量比が、0.5:1~10:1、または1:1~5:1、または2.4:1~2.7:1である。少なくとも1つの実施形態では、ラメラゲルマトリックスがカチオン性界面活性剤および高融点脂肪化合物を含む。ラメラゲルマトリックスを提供する観点から、カチオン性界面活性剤および高融点脂肪化合物は、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪化合物の重量比が1:1~1:10、または1:1~1:6の範囲になるようなレベルで含有される。
【0169】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がカチオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、組成物の全重量に対して、0.05重量%~3.0重量%、または0.075重量%~2.0重量%、または0.1重量%~1.0重量%のカチオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性界面活性剤がラメラゲルマトリックスに含まれる。換言すれば、組成物はラメラゲルマトリックスを含み、ラメラゲルマトリックスはカチオン性界面活性剤を含む。ある実施形態では、カチオン性界面活性剤が、式(C):
【0170】
【化9】
(式中、
71、R72、R73およびR74のうちの少なくとも1つは、8~30個の炭素原子の脂肪族基、最大22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、またはアルキルアリール基から選択され、
71、R72、R73およびR74の残りは、1~22個の炭素原子からなる脂肪族基、および最大22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基からなる群から独立して選択され、
Xは、ハロゲン、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルホネート、スルフェート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート基、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される)
によるものである。
【0171】
少なくとも1つの実施形態では、カチオン性界面活性剤が、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルスルフェートまたはエチルスルフェート、およびステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルスルフェートまたはエチルスルフェートからなる群から選択される。より長いアルキル基は、より短いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、湿潤および乾燥毛髪に改善された滑らかさおよび柔らかい感触を提供すると考えられる。また、このようなカチオン性界面活性剤は、より短いアルキル基を有するものと比較して、刺激を低減することができると考えられる。
【0172】
少なくとも1つの実施形態では、カチオン性界面活性剤が、ジアルキル(14~18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、二水素化タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、およびこれらの混合物からなる群から選択されるジ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩である。
【0173】
少なくとも1つの実施形態では、カチオン性界面活性剤が、12~22個の炭素のアルキル基を有する第三級アミドアミンである。第三級アミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチル-、ステアラミドプロピルジエチル-、ステアラミドエチルジエチル-、ステアラミドエチルジメチル-、パルミタミドプロピルジメチル-、パルミタミドプロピルジエチル-、パルミタミドエチルジエチル-、パルミタミドエチルジメチル-、ベヘンアミドプロピルジメチル-、ベヘンアミドプロピルジエチル-、ベヘンアミドエチルジエチル-、ベヘンアミドエチルジメチル-、アラキドアミドプロピルジメチル-、アラキドアミドプロピルジエチル-、アラキドアミドエチルジエチル-、およびアラキドアミドエチルジメチル-アミン、ジエチルアミノエチルステアラミド、およびこれらの混合物からなる群から選択され得る。第三級アミドアミンは酸と組み合わせて使用され得る。酸は、典型的には塩形成アニオンとして使用される。ある実施形態では、酸が、乳酸、リンゴ酸、塩酸、1-グルマチン酸(1-glumatic acid)、酢酸、クエン酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0174】
少なくとも1つの実施形態では、カチオン性界面活性剤が、セチルトリモニウムクロリド(CTAC)、ステアリルトリモニウムクロリド(STAC)、ベヘントリモニウムメトスルフェート、ステアロイルアミドプロピルジメチルアミン(SAPDMA)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0175】
ヘアスタイリングポリマー
少なくとも1つの実施形態では、組成物がヘアスタイリングポリマーをさらに含む。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、両性ヘアスタイリングポリマー、双性イオン性ヘアスタイリングポリマー、アニオン性ヘアスタイリングポリマー、非イオン性ヘアスタイリングポリマー、カチオン性ヘアスタイリングポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01重量%~20重量%、または0.01重量%~16重量%、または0.01重量%~10重量%、または1重量%~8重量%、または2重量%~6重量%のヘアスタイリングポリマーを含む。
【0176】
少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、水適合性ヘアスタイリングポリマー、あるいは水溶性ヘアスタイリングポリマーである。少なくとも1つの実施形態では、組成物が水不適合性ヘアスタイリングポリマーを実質的に含まない。水不適合性ヘアスタイリングポリマーの例としては、tert-ブチルアクリルアミドと、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの単純エステルのうちの1つの1つまたは複数のモノマーのコポリマーであるアクリレート/t-ブチルアクリルアミドコポリマー(例えば、BASF製のUltrahold(登録商標)8)が挙げられる。(メタ)アクリル酸またはそれらの単純エステルのうちの1つの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマーであるAkzo Nobel製のBalance(登録商標)CRは水適合性である。オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーAmphomer(登録商標)も水適合性である。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーがラテックスヘアスタイリングポリマーである。
【0177】
組成物はカチオン性ヘアスタイリングポリマーを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーが、第一級、第二級、第三級または第四級アミノ基を有するものからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーがカチオン性電荷密度を有し、カチオン性電荷密度が1~7meq/gである。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーが第四級アミノ基を含む。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーが、第四級窒素基がポリマー鎖に含有されるか、または1つもしくは複数のモノマー上の置換基として含有されるホモ-またはコポリマーである。アンモニウム基含有モノマーは、非カチオン性モノマーと共重合することができる。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーがカチオン性モノマーを含み、カチオン性モノマーが、ラジカル重合を受けることができ、少なくとも1つのカチオン性基を有する不飽和化合物である。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性モノマーは、アンモニウム置換ビニルモノマー、例えばトリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウム、ならびに環状のカチオン性窒素含有基、例えばピリジニウム、イミダゾリウムまたは第四級ピロリドンを有する第四級ビニルアンモニウムモノマー、例えばアルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウムまたはアルキルビニルピロリドン塩からなる群から選択される。これらのモノマーのアルキル基は、例えば、C~C-アルキル基などの低級アルキル基であり得、C~C-アルキル基であってもよい。
【0178】
少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーが、非カチオン性モノマーと共重合されたアンモニウム基含有モノマーを含む。非カチオン性モノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル-およびジアルキルアクリルアミド、アルキル-およびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルアルコール、プロピレングリコールまたはエチレングリコール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択され得る。これらのモノマーのアルキル基はC~C-アルキル基であり得、C~C-アルキル基であり得る。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーが少なくとも1つの第四級アミノ基を含む。少なくとも1つの第四級アミノ基を有する適切なポリマーには、例えば、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム-16)または四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-11;ISP製のGafquat(登録商標)755N-PW)などの「ポリクオタニウム」の名称でCTFA化粧品用語辞書に記載されているポリマー、ならびに例えば、第四級末端基を有するシリコーンポリマー(クオタニウム-80)などの第四級シリコーンポリマーまたはシリコーンオリゴマーが含まれる。
【0179】
少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが合成起源のカチオン性ヘアスタイリングポリマーである。少なくとも1つの実施形態では、合成起源のカチオン性ヘアスタイリングポリマーが、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド);アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドからのコポリマー;硫酸ジエチルと、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートからのコポリマーとの反応によって形成される第四級アンモニウムポリマー、特にビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートメトスルフェートコポリマー(例えば、Gafquat(登録商標)755N;Gafquat(登録商標)734);メチルビニルイミダゾリウムクロリドとビニルピロリドンからの第四級アンモニウムポリマー(例えば、BASF製のLuviquat(登録商標)HM550;BASF製のLuviquat(登録商標)Hold;BASF製のポリクオタニウム-46[ビニルカプロラクタム{VCap}、ビニルピロリドン{VP}および四級化ビニルイミダゾール{QVI}];BASF製のLuviquat(登録商標)FC905[ポリクオタニウム-16]);BASF製のLuviquat Supreme(登録商標)(ポリクオタニウム-68、ビニルピロリドン、メタクリルアミド、ビニルイミダゾールおよび四級化ビニルイミダゾールの四級化コポリマー);ポリクオタニウム-35;ポリクオタニウム-57;トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリドからのポリマー;ジメチルジルアリルアンモニウムクロリド、ナトリウムアクリレートおよびアクリルアミドからのターポリマー(例えば、Merquat(登録商標)Plus 3300);ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、およびメタクリロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリドからのコポリマー;ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、およびビニルカプロラクタムからのターポリマー(例えば、Gaffix(登録商標)VC713);ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(例えば、Gafquat(登録商標)HS100);ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートからのコポリマー;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、およびジメチルアミノプロピルアクリルアミドからのコポリマー;少なくとも1つの第四級アンモニウム基で置換されたヒドロキシ酸から選択される少なくとも1つの第1のタイプのモノマーから形成されたポリ-またはオリゴエステル;末端位において第四級アンモニウム基で置換されたジメチルポリシロキサン;ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0180】
少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが天然起源のカチオン性ヘアスタイリングポリマーである。少なくとも1つの実施形態では、天然起源のカチオン性ヘアスタイリングポリマーが、多糖のカチオン性誘導体、例えば、カチオン性セルロース誘導体、デンプン、グアー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。多糖のカチオン性誘導体は、一般式(D):
G-O-B-N-R-R-R (D)
(式中、
Gは、アンヒドログルコース残基、例えば、デンプンまたはセルロースアンヒドログルコースであり、
Bは、二価結合基、例えば、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレンであり、
、RおよびRは互いに独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリールであり、これらのいずれも最大22個の炭素原子を有することができ、R、RおよびR中の炭素原子の総数は最大20個であり得る)
によって表され得る。
【0181】
少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、少なくとも1つの第四級アンモニウム基を有するもの、例えば、ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチルアンモニウムクロリドで作られたコポリマー(ポリクオタニウム-4)、またはヒドロキシエチルセルロースとトリアルキルアンモニウム基(アルキル基は1~20個の炭素原子を有することができるか、またはアルキル基はメチルである)で置換されたエポキシドから作られた反応生成物(ポリクオタニウム-10)からなる群から選択されるカチオン性セルロース誘導体である。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、100,000Da~600,000Da、または200,000Da~400,000Daの分子量を有するカチオン性セルロース誘導体である。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性セルロース誘導体が、0.5重量%~4重量%、または約1.5重量%~3重量%の窒素含有量を有する。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、ポリクオタニウム-4であるカチオン性セルロース誘導体である。ポリクオタニウム-4は、商品名Celquat(登録商標)HlOOおよびCelquat(登録商標)L200で販売されており、そのうちCelquat(登録商標)L200が特に好ましい。
【0182】
少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーがカチオン性ラテックスヘアスタイリングポリマーである。少なくとも1つの実施形態では、カチオン性ヘアスタイリングポリマーが、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-68、これらの混合物、およびポリクオタニウム-68と非イオン性ヘアスタイリングポリマーの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-68、およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、キトサン、キトサン塩またはキトサン誘導体を含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.1重量%未満のキトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体を含む。別の実施形態では、組成物が、キトサン、キトサン塩およびキトサン誘導体を実質的に含まない。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-68、これらの混合物からなる群;またはポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-68、およびこれらの混合物からなる群から選択されるヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-68、これらの混合物からなる群;またはポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-68、およびこれらの混合物からなる群から選択されるヘアスタイリングポリマーを含む。
【0183】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、組成物の全重量に対して0.5重量%未満のカチオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。
【0184】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が両性または双性イオン性ヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態では、両性または双性イオン性ヘアスタイリングポリマーが、アルキルアクリルアミド、アルキルアミノアルキルメタクリレート、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸および必要に応じて、それらのエステルからの2つ以上のモノマーから形成されるコポリマー、特にオクチルアクリルアミド、アクリル酸、ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルメタクリレートおよびヒドロキシプロピルメタクリレートからのコポリマー(オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、例えばAkzo Nobel製のAmphomer(登録商標));第四級アミノ基を有する少なくとも1つの第1のタイプのモノマーと酸基を有する少なくとも1つの第2のタイプのモノマーから形成されるコポリマー;脂肪アルコールアクリレート、アルキルアミンオキシドメタクリレートならびにアクリル酸およびメタクリル酸および必要に応じて、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマーからのコポリマー、特にラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチルアミンオキシドメタクリレートならびにアクリル酸およびメタクリル酸ならびに必要に応じて、それらのエステルから選択される少なくとも1つのモノマーからのコポリマー;メタクリロイルエチルベタインとメタクリル酸およびメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマーからのコポリマー;アクリル酸、メチルアクリレートおよびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドからのコポリマー(ポリクオタニウム-47);アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリレートからのコポリマーまたはアクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2-アミドプロピルアクリルアミドスルホネートおよびジメチルアミノプロピルアミンからのコポリマー(ポリクオタニウム-43);第四級クロトノイルベタインまたは第四級クロトノイルベタインエステルから製造可能なオリゴマーまたはポリマーからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が両性または双性イオン性ラテックスヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーが、ポリクオタニウム-47、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0185】
ヘアスタイリング組成物はアニオン性ヘアスタイリングポリマーを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーが、(メタ)アクリル酸またはそれらの単純エステルのうちの1つの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー(例えば、Akzo Nobel製のBalance(登録商標)CR);ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、メタクリル酸、エチルアクリレートおよびヒドロキシエチルメタクリレートのコポリマーであるものを含むアクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー(例えば、Dow Personal Care製のAcudyne(商標)1000);アクリル酸、エチルアクリレート、およびN-tert-ブチルアクリルアミドのターポリマー;架橋または非架橋ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー;tert-ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよびメタクリル酸のターポリマー;ナトリウムポリスチレンスルホネート;ビニルアセテート、クロトン酸およびビニルプロピオネートのコポリマー;ビニルアセテート、クロトン酸およびビニルネオデカノエートのコポリマー;アミノメチルプロパノール/アクリレートコポリマー;ビニルピロリドンとアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのさらなるモノマーのコポリマー;メチルビニルエーテルとマレイン酸モノアルキルエステルのコポリマー;アリルメタクリレートとアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのさらなるモノマーのコポリマーのアミノメチルプロパノール塩;エチルアクリレートとメタクリル酸の架橋コポリマー;ビニルアセテート、モノ-n-ブチルマレエートおよびイソボルニルアクリレートのコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される2つ以上のモノマーのコポリマー、オクチルアクリルアミドとアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマーのコポリマー;ジグリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸およびスルホイソフタル酸のポリエステル;ポリウレタン;ならびにポリウレタンとアクリレートのコポリマー、例えばポリウレタン-14/AMP-アクリレートポリマーブレンド(例えば、Akzo Nobel製のDynamX(登録商標))からなる群から選択される。適切なポリエステルポリマーには、ポリエステル-5ポリマー、例えば全てEastman Chemical Company製のAQ(登録商標)48 Ultra Polymer、(ジグリコール/CHDM/イソフタレート/SIPコポリマー[ジエチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノールならびにイソフタル酸およびスルホイソフタル酸の単純エステルのコポリマー])、AQ(登録商標)55S、およびAQ(登録商標)38Sが含まれる。ポリビニルメタクリル酸/マレイン酸コポリマー(ISP製のOmnirez(登録商標)2000)も適している。アニオン性ラテックスヘアスタイリングポリマーも適している。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーが、ポリウレタン-1(例えば、BASF製のLuviset(登録商標)P.U.R.)、ポリウレタン-14/AMP-アクリレートコポリマーブレンド(例えば、Akzo Nobel製のDynamX(登録商標))、(メタ)アクリル酸またはそれらの単純エステルのうちの1つの2つ以上のモノマーのアクリレートコポリマー(例えば、Akzo Nobel製のBalance(登録商標)CR)、およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーがポリウレタン-1である。
【0186】
組成物は非イオン性ヘアスタイリングポリマーを含み得る。少なくとも1つの実施形態では、組成物が非イオン性ヘアスタイリングポリマーを含み、非イオン性ヘアスタイリングポリマーが、以下のモノマー:ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル-およびジアルキルアクリルアミド、アルキル-およびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、プロピレングリコールまたはエチレングリコールのうちの少なくとも1つから形成されるホモ-またはコポリマーであり、これらのモノマー中のアルキル基がC~C-アルキル基またはC~C-アルキル基であり得る。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミドおよびこれらの混合物からなる群から選択されるホモポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーが、ビニルピロリドンとビニルアセテートのコポリマー、ビニルピロリドン、ビニルアセテートおよびビニルプロピオネートのターポリマー、ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコールならびにポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマー;ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーが、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルアミノアクリレートコポリマー(ISP製のAquaflex(登録商標)SF40);イソブチレンエチルマレインイミド/ヒドロキシエチルマレインイミドコポリマー(ISP製のAquaflex(登録商標)FX64);ビニルカプロラクタム/ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ISP製のAdvantage(登録商標));およびこれらの混合物からなる群から選択される。非イオン性ラテックスヘアスタイリングポリマーも適している。少なくとも1つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーが、ポリビニルピロリドン(K90、85、80、60、30)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー(PVP/VA64)、ビニルピロリドン、メタクリルアミドおよびビニルイミダゾールのターポリマー(例えば、BASF製のLuviset(登録商標)Clear)、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーが、PVP K60、30、およびPVP/VA 37/64からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、非イオン性ヘアスタイリングポリマーが、PVP K60およびPVP/VA 37/64からなる群から選択される。
【0187】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がアニオン性ラテックスヘアスタイリングポリマーを含む。少なくとも1つの実施形態では、アニオン性ラテックスヘアスタイリングポリマーが、ウレタン系ポリマー、例えばポリウレタン-34(Bayer製のBaycusan(登録商標))である。ポリウレタン-34は、EP2105127A1に記載されている。少なくとも1つの実施形態では、ヘアスタイリングポリマーがラテックスヘアスタイリングポリマーポリウレタン-34である。
【0188】
少なくとも1つの実施形態では、アニオン性ヘアスタイリングポリマーおよび/またはカチオン性ヘアスタイリングポリマーが、中和された形態または部分的に中和された形態で存在する。少なくとも1つの実施形態では、組成物が中和剤を含み、中和剤が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリイソプロパノールアミン(TIPA)、2-アミノブタノール、2-アミノメチルプロパノール(AMP)、アミノエチルプロパンジオール、ジメチルステアラミン(Armeen 18D)、ケイ酸ナトリウム、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン(Neutrol(登録商標)TE)、アンモニア(NH)、トリエタノールアミン、トリメチルアミン(Tris Amino Ultra)、アミノメチルプロパンジオール(AMPD)およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、中和剤が2-アミノメチルプロパノールである。
【0189】
補助剤
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、化粧品学、薬学、および皮膚科学で一般的な添加剤を含み、これらは以下で補助剤と呼ばれる。少なくとも1つの実施形態では、補助剤が、油性物質、乳化剤、共乳化剤(coemulsifier)、カチオン性ポリマー、皮膜形成剤、過脂剤(superfatting agent)、安定剤、活性な生物起源物質、グリセロール、防腐剤、真珠光沢剤(pearlizing agent)、染料および芳香剤、溶媒、乳白剤、機能性酸、ならびにまたゼラチン、コラーゲン加水分解物、天然もしくは合成ベースのポリペプチド、卵黄、レシチン、ラノリンおよびラノリン誘導体などのタンパク質誘導体、脂肪アルコール、シリコーン、デオドラント、角質溶解および角質形成作用を有する物質、酵素、ならびに/または担体/溶媒からなる群から選択される。
【0190】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、水溶性ビタミンおよびそれらの誘導体、水溶性アミノ酸およびそれらの塩および/または誘導体、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒または希釈剤(水溶性および水不溶性)、真珠光沢助剤、増粘剤、泡増強剤、追加の界面活性剤または非イオン性共界面活性剤、殺シラミ薬、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、サンスクリーン、UV吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、ミノキシジル、ならびにこれらの組み合わせを含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、組成物の全重量に対して、0重量%~5重量%のビタミンおよびアミノ酸を含む。組成物はまた、C.I.名を有する成分などの水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロテノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物性、天然色素などの顔料材料を含み得る。組成物は、0重量%~5重量%の顔料材料を含み得る。組成物は、0重量%~5重量%の抗微生物剤を含み得る。
【0191】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、室温(25℃)で液体である任意の脂肪物質である油性物質を含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、揮発性または不揮発性の、直鎖、分岐または環状の、任意選択的に有機修飾を有するシリコーン油;フェニルシリコーン;シリコーン樹脂およびシリコーンガム;パラフィン油またはワセリン油などの鉱油;ペルヒドロスクアレン、ラノリンなどの動物起源の油;液体トリグリセリド、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、米油、ホホバ油、ババス油、カボチャ油、ブドウ種子油、ゴマ油、クルミ油、アプリコット油、マカダミア油、アボカド油、スイートアーモンドオイル、ハナタネツケバナ油、ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、オリーブ油、落花生油、菜種油、アルガンオイル、アビシニアンオイル、およびヤシ油などの植物起源の油;パーセリンオイル、イソパラフィン、直鎖および/または分岐の脂肪アルコールおよび脂肪酸エステル、好ましくは6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有するゲルベアルコールなどの合成油;直鎖(C~C13)脂肪酸と直鎖(C~C20)脂肪アルコールのエステル;分岐(C~C13)カルボン酸と直鎖(C~C20)脂肪アルコールのエステル、直鎖(C~C18)脂肪酸と分岐アルコール、特に2-エチルヘキサノールのエステル;直鎖および/または分岐脂肪酸と多価アルコール(例えばダイマージオールまたはトリマージオールなど)および/またはゲルベアルコールのエステル;(C~C10)脂肪酸をベースとするトリグリセリド;ジオクチルアジペート、ジイソプロピルダイマージリノレエートなどのエステル;プロピレングリコール/ジカプリレートまたは単独のもしくはセチルステアリルアルコールなどの親水性ワックスと組み合わせた蜜蝋、例えばパラフィンワックスもしくはマイクロワックスなどのワックス;フッ素化および過フッ素化油;フッ素化シリコーン油;上記化合物の混合物からなる群から選択される油性物質を含む。
【0192】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が非イオン性共乳化剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、非イオン性共乳化剤が、8~22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノール、およびソルビタンまたはソルビトールエステルによる0~30molのエチレンオキシドおよび/または0~5molのプロピレンオキシドの付加物;グリセロールによる0~30molのエチレンオキシドの付加物の(C12~C18)脂肪酸モノエステルおよびジエステル;6~22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノエステルおよびジエステルならびにソルビタンモノエステルおよびジエステル、ならびに適切な場合にはそれらのエチレンオキシド付加物;ヒマシ油および/または水添ヒマシ油による15~60molのエチレンオキシドの付加物;ポリオールエステルならびに特に例えばポリグリセリルポリリシノレエートおよびポリグリセリルポリ-12-ヒドロキシステアレートなどのポリグリセロールエステルから選択される。これらの物質のクラスのうちの1つまたは複数からの化合物の混合物も同様に適している。適切なイオン生成性(ionogenic)共乳化剤の例としては、モノ-、ジ-またはトリ-リン酸エステルなどのアニオン性乳化剤が挙げられるが、モノ-、ジ-およびトリ-アルキルクワットなどのカチオン性乳化剤ならびにそれらのポリマー誘導体も挙げられる。
【0193】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がカチオン性ポリマーを含む。適切なカチオン性ポリマーには、INCI名「ポリクオタニウム」で知られているもの、特にポリクオタニウム-31、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、およびまたポリクオタニウム37&鉱油&PPGトリデセス(Salcare SC95)、PVP-ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、グアー-ヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド、およびまたアルギン酸カルシウムおよびアルギン酸アンモニウムが含まれる。カチオン性セルロース誘導体;カチオン性デンプン;ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー;四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー;ポリグリコールとアミンの縮合生成物;四級化コラーゲンポリペプチド;四級化小麦ポリペプチド;ポリエチレンイミン;例えばアミドメチコンなどのカチオン性シリコーンポリマー;アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー;ポリアミノポリアミドならびに例えばキトサンなどのカチオン性キチン誘導体を使用することがさらに可能である。
【0194】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が過脂剤を含む。過脂剤として、例えば、ポリエトキシ化ラノリン誘導体、レシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドなどの物質を使用することが可能であり、後者は同時に泡安定剤として機能する。利用可能な保湿剤には、例えば、イソプロピルパルミテート、グリセロールおよび/またはソルビトールが含まれる。
【0195】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が安定剤を含む。安定剤として、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムおよび/またはステアリン酸亜鉛などの脂肪酸の金属塩を使用することが可能である。
【0196】
少なくとも1つの実施形態では、組成物がケア添加剤を含む。組成物は、ケア添加剤としての従来のセラミド、擬似セラミド(pseudoceramide)、脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミド、コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル、脂肪酸、トリグリセリド、セレブロシド、リン脂質、パンテノールおよび同様の物質とブレンドすることができる。
【0197】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が防腐剤または防腐剤系を含む。適切な防腐剤の例としては、ベンジルアルコール、ピロクトンオラミン、フェノキシエタノール、パラベン、ペンタンジオール、安息香酸/安息香酸ナトリウム、ソルビン酸/ソルビン酸カリウム、および抗微生物保護を提供するために使用される他の有機酸が挙げられる。防腐促進成分には、アニス酸、乳酸、ソルビタンカプリレート、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、オクタンジオール、および同様の物質が含まれる。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01~5重量%、特に好ましくは0.05重量%~1重量%の少なくとも1種の防腐剤を含む。適切な防腐剤は、「防腐剤」の機能を有するInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第9版に列挙されている物質である。少なくとも1つの実施形態では、防腐剤が、フェノキシエタノール、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルジブロモグルタロニトリル、DMDMヒダントインおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、塩化ベンゼトニウム、ジイソブチルエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ナトリウムN-ラウリルサルコシネート、ナトリウム-N-パルメチルサルコシネート、ラウロイルサルコシン、N-ミリストイルグリシン、カリウム-N-ラウリルサルコシン、トリメチルアンモニウムクロリド、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、トリエチルシトレート、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、フェノキシエタノール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、L-リジンヘキサデシルアミド、重金属クエン酸塩、サリチレート、ピロクトース、亜鉛塩、ピリチオンおよびその重金属塩、ジンクピリチオン、フェノール硫酸亜鉛、ファルネソール、ケトコナゾール、オキシコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィン、テルビナフィン、二硫化セレン、Octopirox(登録商標)、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、メチルジブロモグルタロニトリル、AgCl、クロロキシレノール、ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、フェノキシイソプロパノール、パラベン、例えばブチル-、エチル-、メチル-およびプロピルパラベン、およびそれらの塩、ペンタンジオール、1,2-オクタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ベンジルアルコール、ソルビン酸、安息香酸、乳酸、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ジメチロールジメチルヒダントイン(DMDMH)、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム塩、ソルビン酸のヒドロキシエチルグリシンならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される防腐剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、防腐剤が、フェノキシエタノール、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルジブロモグルタロニトリル、DMDMヒダントインおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物がパラベンを実質的に含まない。
【0198】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が抗真菌物質を含む。少なくとも1つの実施形態では、抗真菌物質が、ケトコナゾール、オキシコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィンおよびテルビナフィン、ジンクピリチオン、オクトピロックス、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.1重量%~1重量%の組成物中の抗真菌物質の総量を含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物がピリジンチオン抗フケ粒子を含み、例えば1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩が極めて好ましい粒子状抗フケ剤である。ピリジンチオン抗フケ粒子の濃度は、組成物の0.1重量%~4重量%、好ましくは0.1重量%~3重量%、より好ましくは0.3重量%~2重量%の範囲であり得る。好ましいピリジンチオン塩には、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウムおよびジルコニウムなどの重金属、好ましくは亜鉛から形成されるもの、より好ましくは1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「ピリジンチオン亜鉛」または「ZPT」として知られる)、より好ましくは小板粒子形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩が含まれる。ナトリウムなどの他のカチオンから形成される塩も適切であり得る。ピリジンチオン抗フケ剤は、例えば、米国特許第2809971号;米国特許第3236733号;米国特許第3753196号;米国特許第3761418号;米国特許第4345080号;米国特許第4323683号;米国特許第4379753号;および米国特許第4470982号に記載されている。本明細書において組成物中でZPTが抗フケ粒子として使用される場合、毛髪の成長または再成長が刺激もしくは調節され得るか、またはその両方であり得るか、または脱毛が低減もしくは阻害され得るか、または毛髪がより太くもしくはより十分に見え得ることが企図される。
【0199】
機能性酸は、施用時に皮膚または毛髪に臨床機能性を付与するために使用される酸性物質である。適切な機能性酸には、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、乳酸、レチノイン酸、および類似の物質が含まれる。
【0200】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が収斂剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、収斂剤が、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化物水和物、酸化アルミニウム水和物(ベーマイト)および水酸化物、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウムまたは亜鉛のクロロハイドレートからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.001重量%~10重量%、または0.01重量%~9重量%、または0.05重量%~8重量%、または0.1重量%~5重量%の収斂剤を含む。
【0201】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が脱臭剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、脱臭剤が、アラントイン、ビサボロール、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.001重量%~10重量%、または0.01重量%~9重量%、または0.05重量%~8重量%、または0.1重量%~5重量%の脱臭剤を含む。
【0202】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が日焼け防止剤および/またはUVフィルタを含む。適切な日焼け防止剤およびUVフィルタは、国際公開第2013017262号(2013年2月7日に公開)の32ページ11行目~33ページの最後に開示されている。少なくとも1つの実施形態では、日焼け防止剤および/またはUVフィルタが、4-アミノ安息香酸、3-(4’-トリメチルアンモニウム)-ベンジリド-ボラン-2-オン-メチルスルフェート、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、3,3,5-トリメチル-シクロヘキシルサリチレート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸ならびにそれらのカリウム-、ナトリウム-およびトリエタノールアミン塩、3,3’-(1,4-フェニレンジメチン)-ビス-(7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-1-メタンスルホン酸)およびその塩、1-(4-tert.-ブチルフェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、3-(4’-スルホ)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンおよびその塩、2-シアン-3,3-ジフェニル-アクリル酸-(2-エチルヘキシルエステル)、N-[2(および4)-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)ベンジル]-アクリルアミドのポリマー、4-メトキシ-ケイヒ酸-2-エチル-ヘキシルエステル、エトキシ化エチル-4-アミノ-ベンゾエート、4-メトキシ-ケイヒ酸-イソアミルエステル、2,4,6-トリス-[p-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリルオキシ)-ジシロキサニル)-プロピル)フェノール、4,4’-[(6-[4-((1,1-ジメチルエチル)-アミノ-カルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-イル)ジイミノ]ビス-(安息香酸-2-エチルヘキシルエステル)、3-ベンゾフェノン、4-ベンゾフェノン(acic)、3(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー、3-ベンジリデン-カンファー、サリチル酸-2-エチルヘキシルエステル、4-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシルエステル、ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン-5-スルホン酸およびそのナトリウム塩、4-イソプロピルベンジルサリチレート、N,N,N-トリメチル-4-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)アニリウムメチルスルフェート、ホモサレート(INN)、オキシベンゾン(INN)、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸ならびにそのナトリウム、カリウムおよびトリエタノールアミン塩、オクチルメトキシケイヒ酸、イソペンチル-4-メトキシケイヒ酸、イソアミル-p-メトキシケイヒ酸、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン)フェノール、2,2(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)-ジシロキサニル)プロピル(ドロメトリゾールトリシロキサン)安息香酸、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2-エチルヘキシル)エステル)安息香酸、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)-カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2-エチルヘキシル)エステル)、3-(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー(4-メチルベンジリデンカンファー)、ベンジリデン-カンファー-スルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチル-ベンジリデン-カンファー、2-エチルヘキシルサリチレート(オクチルサリチレート)、4-ジメチル-アミノ安息香酸エチル-2-ヘキシルエステル(オクチルジメチルPABA)、PEG-25 PABA、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸(5-ベンゾフェノン)およびそのナトリウム塩、2,2’-メチレン-ビス-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(テトラメチル-ブチル)-1,1,3,3-フェノール、2-2’-ビス-(1,4-フェニレン)1H-ベンゾイミダゾール-4,6-ジスルホン酸のナトリウム塩、(1,3,5)-トリアジン-2,4-ビス((4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ)-フェニル)-6-(4-メトキシフェニル),2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、グリセリルオクタノエート、ジ-p-メトキシケイヒ酸、p-アミノ-安息香酸およびそのエステル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4-(2-β-グルコピラノキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、オクチルサリチレート、メチル-2,5-ジイソプロピルケイヒ酸、シノキセート、ジヒドロキシ-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5,5’-ジスルホベンゾフェノンの二ナトリウム塩、ジヒドロキシベンゾフェノン、1,3,4-ジメトキシフェニル-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、2-エチルヘキシル-ジメトキシベンジリデン-ジオキソイミダゾリジンプロピオネート、メチレン-ビス-ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾルテトラスルホネート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール-メトキシフェノール-トリアジン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンファー-スルホン酸、2,4,6-トリス[4,2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、メチル-ビス(トリメチルシロキシ)シリル-イソペンチルトリメトキシケイヒ酸、アミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、アミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ジメチルアミノベンゾエート、イソプロピル-p-メトキシケイヒ酸/ジイソプロピルケイヒ酸エステル、2-エチルヘキシル-p-メトキシケイヒ酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸および三水和物、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム塩、フェニル-ベンゾイミダゾールスルホン酸、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.001重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%、さらにより好ましくは0.1重量%~3重量%、最も好ましくは0.05重量%~1重量%の日焼け防止剤および/またはUVフィルタを含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01~10重量%、または0.1~5重量%、特に好ましくは0.2~2重量%の量の光保護物質を含む。光保護物質には、特に、参照により本明細書に組み込まれるEP1084696に指定される光保護物質の全てが含まれる。好ましい実施形態では、光保護物質が、2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、メチルメトキシシンナメート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、ポリエトキシ化p-アミノベンゾエート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0203】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が抗酸化剤を含む。少なくとも1つの実施形態では、抗酸化剤が、アミノ酸、ペプチド、糖、イミダゾール、カロチノイド、カロテン、クロロゲン酸、リポ酸、チオール、チオールグリコシルエステル、チオールN-アセチルエステル、チオールメチルエステル、チオールエチルエステル、チオールプロピルエステル、チオールアミルエステル、チオールブチルエステル、チオールラウリルエステル、チオールパルミトイルエステル、チオールオレイルエステル、チオールリノレイルエステル、チオールコレステリルエステル、チオールグリセリルエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸、金属キレート剤、ヒドロキシ酸、脂肪酸、葉酸、ビタミンC、トコフェロール、ビタミンA、スチルベン、それらの誘導体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、抗酸化剤が、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、ウロカニン酸、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン、ベータ-カロテン、アルファ-カロテン、リコピン、ジヒドロリポ酸、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシイミン、ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、フミン酸、胆汁酸、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、ユビキノール、アスコルビルパルミテート、Mg-アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート、酢酸ビタミンE、パルミチン酸ビタミンA、カルノシン、マンノース、ZnO、ZnSO、セレンメチオニン、スチルベン、スーパーオキシドジスムターゼ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、抗酸化剤が、ビタミンA、ビタミンA誘導体、ビタミンE、ビタミンE誘導体、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.001重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%、さらにより好ましくは0.1重量%~3重量%、最も好ましくは0.05重量%~1重量%の抗酸化剤を含む。
【0204】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が染料または顔料を含む。少なくとも1つの実施形態では、組成物が少なくとも1種の顔料を含む。適切な染料および顔料は、国際公開第2013017262号の36~43ページに及ぶ表に開示されている。これらは、製品全体もしくは毛髪に色彩効果を付与する着色顔料であり得るか、または製品全体もしくは毛髪に光沢効果を付与する光沢効果顔料であり得る。毛髪への色彩または光沢効果は、好ましくは一時的である、すなわち、次の毛髪洗浄まで持続し、慣用的なシャンプーで毛髪を洗浄することによって再び除去することができる。少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01重量%~25重量%、好ましくは5重量%~15重量%の総量の顔料を含む。少なくとも1つの実施形態では、顔料の粒径が、1ミクロン~200ミクロン、好ましくは3ミクロン~150ミクロン、より好ましくは10ミクロン~100ミクロンである。顔料は、適用媒体に実質的に不溶である着色剤であり、無機であっても有機であってもよい。無機-有機混合顔料も可能である。無機顔料が好ましい。無機顔料の利点は、光、天候および温度に対する優れた耐性である。無機顔料は天然起源のものであり得る。少なくとも1つの実施形態では、無機顔料が、白亜、黄土、アンバー、緑土、バーントシェンナ、グラファイト、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。顔料は、例えば、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの白色顔料、例えば、酸化鉄黒などの黒色顔料、例えば、ウルトラマリンまたは酸化鉄赤などの着色顔料、光沢顔料、メタルエフェクト顔料、真珠光沢顔料、および蛍光もしくは燐光顔料であり得、好ましくは少なくとも1種の顔料が着色非白色顔料である。少なくとも1つの実施形態では、顔料が、金属酸化物、水酸化物および酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩およびモリブデン酸塩、ならびに金属自体(青銅顔料)、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、顔料が、二酸化チタン(CI77891)、黒酸化鉄(CI77499)、黄酸化鉄(CI77492)、赤褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI77289)、プルシアンブルー(フェロシアン化鉄、CI77510)、カーマイン(コチニール)、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、顔料が、二酸化チタンまたはオキシ塩化ビスマスなどの金属酸化物または金属オキシ塩化物でコーティングされたマイカをベースとする真珠光沢顔料および着色顔料、ならびに任意選択的に、酸化鉄、プルシアンブルー、ウルトラマリン、カーマインなどのさらなる色彩付与物質からなる群から選択され、層厚を変えることによって色を決定することができる。このような顔料は、例えば、ドイツ所在のMerckによって商品名Rona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)で販売されている。少なくとも1つの実施形態では、顔料が、セピア、ガンボージ、骨炭、カッセルブラウン、インディゴ、クロロフィルおよび他の植物顔料などの有機顔料からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、顔料が、アゾ顔料、アントラキノイド、インジゴイド、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレンおよびペリノン、金属錯体、アルカリブルーならびにジケトピロロピロール顔料などの合成有機顔料からなる群から選択される。
【0205】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が、0.01重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%の少なくとも1種の粒子状物質を含む。適切な物質は、例えば、室温(25℃)で固体であり、粒子の形態である物質である。少なくとも1つの実施形態では、粒子状物質が、シリカ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、粘土、マイカ、不溶性塩、特に不溶性無機金属塩、金属酸化物、例えば二酸化チタン、鉱物および不溶性ポリマー粒子からなる群から選択される。粒子は、組成物中に未溶解の、好ましくは安定して分散した形態で存在し、ケラチン基質への施用および溶媒の蒸発後、固体形態で基質上に堆積することができる。安定した分散は、固体粒子が沈下するのを防ぐのに十分大きな降伏点を組成物に提供することによって達成することができる。十分な降伏点は、適切な量の適切なゲル形成剤を使用して確立することができる。少なくとも1つの実施形態では、粒子状物質が、シリカ(シリカゲル、二酸化ケイ素)および金属塩、特に無機金属塩からなる群から選択され、シリカが特に好ましい。金属塩は、例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属ハロゲン化物;硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属硫酸塩である。
【0206】
少なくとも1つの実施形態では、組成物が直接染料を含む。直接染料の中で好ましいのは、単独のまたは互いに組み合わせた以下の化合物である:ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、4-ニトロフェニルアミノ尿素、トリ(4-アミノ-3-メチルフェニル)カルベニウムクロリド(ベーシックバイオレット2)、1,4-ジ-アミノ-9,10-アントラセンジオン(ディスパースバイオレット1)、1-(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ-2-ニトロ-4-[ジ(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゼン(HC青2)、4-[エチル-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン塩酸塩(HC青12)、1-アミノ-4-[ジ(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン塩酸塩(HC赤13)、4-アミノ-1-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤3)、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロフェノール、1-アミノ-5-クロロ-4-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤10)、5-クロロ-1,4-[ジ(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤11)、2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-トリフルオロメチルベンゼン(HC黄13)、8-アミノ-2-ブロモ-5-ヒドロキシ-4-イミノ-6-{[3-(トリメチルアンモニオ)-フェニル]アミノ}-1(4H)-ナフタレノンクロリド(C.I.56059;ベーシックブルー99)、1-[(4-アミノフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトールクロリド(C.I.12250;ベーシックブラウン16)、1-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトールクロリド(ベーシックブラウン17)、2-ヒドロキシ-1-[(2-メトキシフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)ナフタレンクロリド(C.I.12245;ベーシックレッド76)、3-メチル-1-フェニル-4-{[3-(トリメチルアンモニオ)フェニル]アゾ}ピラゾール-5-オンクロリド(C.I.12719;ベーシックイエロー57)および2,6-ジアミノ-3-[(ピリジン-3-イル)アゾ]ピリジンならびにこれらの塩。上記直接染料の中で特に好ましいのは、単独のまたは互いに組み合わせた以下の化合物である:ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、4-ニトロフェニルアミノ尿素、トリ(4-アミノ-3-メチルフェニル)カルベニウムクロリド(ベーシックバイオレット2)、1,4-ジ-アミノ-9,10-アントラセンジオン(ディスパースバイオレット1)、1-(2-ヒドロキシ-エチル)アミノ-2-ニトロ-4-[ジ(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゼン(HC青2)、4-[エチル-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン塩酸塩(HC青12)、1-アミノ-4-[ジ(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン塩酸塩(HC赤13)、4-アミノ-1-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤3)、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロフェノール、1-アミノ-5-クロロ-4-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤10)、5-クロロ-1,4-[ジ(2,3-ジヒドロキシプロピル)-アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤11)、2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-トリフルオロメチルベンゼン(HC黄13)、8-アミノ-2-ブロモ-5-ヒドロキシ-4-イミノ-6-{[3-(トリメチルアンモニオ)-フェニル]アミノ}-1(4H)-ナフタレノンクロリド(C.I.56059;ベーシックブルー99)、1-[(4-アミノフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトールクロリド(C.I.12250;ベーシックブラウン16)、1-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトールクロリド(ベーシックブラウン17)、2-ヒドロキシ-1-[(2-メトキシフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)ナフタレンクロリド(C.I.12245;ベーシックレッド76)、3-メチル-1-フェニル-4-{[3-(トリメチルアンモニオ)フェニル]アゾ}ピラゾール-5-オンクロリド(C.I.12719;ベーシックイエロー57)および2,6-ジアミノ-3-[(ピリジン-3-イル)アゾ]ピリジンならびにこれらの塩。少なくとも1つの実施形態では、組成物中の直接染料の総量が、0.01~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、最も好ましくは0.5~8重量%に達する。
【0207】
本発明はまた、増粘剤、構造化剤、および/またはレオロジー改質剤としての本発明によるハイブリッドポリマーの使用に関する。少なくとも1つの実施形態では、ハイブリッドポリマーが化粧用組成物に使用される。
【0208】
本発明はまた、本発明による組成物と、ヘアコンディショニング配合物/調製物、ヘアスタイリング配合物/調製物、インテンシブコンディショニング配合物/調製物、皮膚保湿配合物/調製物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される配合物/調製物とを含むキットに関する。
【0209】
本発明はまた、本発明による組成物を含む入れ物を含むパッケージを含む容器に関し、パッケージは、入れ物に組成物を含有するためのクロージャを含む。
【0210】
本発明はまた、毛髪および/または皮膚を洗浄する方法であって、本発明による組成物を毛髪および/または皮膚に施用するステップを含む方法に関する。
【0211】
本発明はまた、化粧用剤としての本発明による組成物の使用に関する。
【0212】
本発明はまた、
(i)30重量%~99重量%の本明細書に定義される水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマーと、
(ii)1重量%~70重量%の本明細書に定義される合成ポリマーと
を含む水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーを合成するための重合方法であって、
成分(i)と成分(ii)が溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合されることを特徴とする、重合方法に関する。好ましくは、重合はグラフトラジカル沈殿重合である。
【0213】
少なくとも1つの実施形態では、合成ポリマー中の単位をもたらすモノマーが重合前に塩基で中和される、および/または重合後のハイブリッドポリマーが塩基で中和される。
【0214】
少なくとも1つの実施形態では、単位(a)および/または(b)をもたらすモノマーが重合前に塩基で中和される、および/または重合後のハイブリッドポリマーが塩基で中和される。
【0215】
少なくとも1つの実施形態では、塩基が、NH 、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++、Zr++++およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオンを含む塩基から選択され;好ましくは、塩基が、NH 、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++およびこれらの混合物からなる群から選択されるカチオンを含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩から選択される。少なくとも1つの実施形態では、塩基が、気体アンモニア、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、さらにより好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、最も好ましくは炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択される。
【0216】
少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、フリーラジカル重合反応において極めて不活性な挙動を有し、有利には中もしくは高分子量の形成を可能にする有機もしくは無機溶媒、またはこのような溶媒の混合物である。化学的性質および溶媒のレベルの選択は、反応混合物中のハイブリッドポリマーを構成する単位の分散および溶解を確実にする観点から重要である。さらに、ハイブリッドポリマーは、合成される場合、反応混合物中または装置上で塊および/または接着の蓄積をもたらすべきではない。損傷および延長洗浄要求のリスクのために、攪拌装置内に有意な凝集も接着も蓄積されないことが有利である。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、20℃~110℃、または40℃~95℃、または50℃~90℃の沸点を有する。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が極性溶媒である。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、水、低級アルコール、および水と低級アルコールの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、イソ-、sec-およびt-ブタノール、1~30個の炭素原子を有する炭化水素、ならびにこれらの混合物およびエマルションからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、水とメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、イソ-、sec-およびt-ブタノール、1~30個の炭素原子を有する炭化水素からなる群から選択される溶媒の混合物である。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルケトン、ジエチルケトン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、好ましくはエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチルプロパン-2-オール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルケトン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、さらにより好ましくは2-プロパノール、2-メチルプロパン-2-オール、ジメチルケトン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、最も好ましくは2-メチルプロパン-2-オールおよびジメチルケトンからなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、溶媒が、水とメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルケトン、ジエチルケトン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、好ましくはエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチルプロパン-2-オール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルケトン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、さらにより好ましくは2-プロパノール、2-メチルプロパン-2-オール、ジメチルケトン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、最も好ましくは2-メチルプロパン-2-オールおよびジメチルケトンからなる群から選択される溶媒の混合物である。少なくとも1つの実施形態では、溶媒混合物が、0.1重量%~30重量%の水、または0.5重量%~25重量%の水、または1重量%~20重量%の水、好ましくは0.5重量%~15重量%の水を含む。重合方法の間の集塊の可能性の低下を考慮して、溶媒中の水のレベルが30重量%以下であることを確保することが有利である。このような塊の蓄積は、攪拌機序を望ましくないひずみの下に置き得る。少なくとも1つの実施形態では、溶媒混合物が、1重量%~99.5重量%、好ましくは5重量%~95重量%、より好ましくは10重量%~90重量%の2-メチルプロパン-2-オールを含む。少なくとも1つの実施形態では、溶媒混合物が2-メチルプロパン-2-オールおよびジメチルケトンである。少なくとも1つの実施形態では、溶媒混合物が、0.5~10重量%の水、1重量%~98.5重量%の2-メチルプロパン-2-オールおよび1重量%~98.5重量%のジメチルケトン、好ましくは0.5重量%~7.5重量%の水、5重量%~94.5重量%の2-メチルプロパン-2-オールおよび5重量%~94.5重量%のジメチルケトン、最も好ましくは1重量%~5重量%の水、7.5重量%~91.5重量%の2-メチルプロパン-2-オールおよび7.5重量%~91.5重量%のジメチルケトンを含む。
【0217】
少なくとも1つの実施形態では、ラジカル沈殿重合が、
I)水および
II)さらに別の化合物
を含む極性溶媒混合物中で行われる。
【0218】
少なくとも1つの実施形態では、化合物II)が極性および有機である。少なくとも1つの実施形態では、化合物II)が、極性アルコールおよびケトンから選択される。少なくとも1つの実施形態では、化合物II)が、1種または複数の極性アルコールおよび1種または複数のケトンである。
【0219】
好ましい実施形態では、化合物II)が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルケトン、ジエチルケトン、ペンタン-2-オン、ブタノン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、好ましくは2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、ジメチルケトン、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、より好ましくは2-メチル-2-プロパノールおよびジメチルケトンからなる群から選択される。特に好ましい実施形態では、化合物II)が2-メチル-2-プロパノールである。
【0220】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が、0.5~10重量%、好ましくは1~8重量%、より好ましくは2~5重量%の水を含有する。
【0221】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が、90~99.5重量%、好ましくは92~99重量%、より好ましくは95~98重量%の2-メチル-2-プロパノールを含有する。
【0222】
好ましい実施形態では、溶媒混合物が、0.5~10重量%の水、1~98.5重量%の2-メチル-2-プロパノールおよび1~98.5重量%のジメチルケトン、好ましくは0.5~7.5重量%の水、5~94.5重量%の2-メチル-2-プロパノールおよび5~94.5重量%のジメチルケトンを含有する。
【0223】
少なくとも1つの実施形態では、重合が、0℃~150℃、または10℃~100℃、または20℃~90℃、または30℃~80℃、または30℃~70℃、または40℃~60℃、または50℃~70℃の温度で行われる。
【0224】
少なくとも1つの実施形態では、重合が、大気圧または高められた圧力下もしくは減圧下のいずれかで行われる。少なくとも1つの実施形態では、重合が、不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス下でも実施され得る。
【0225】
少なくとも1つの実施形態では、重合が開始剤の存在下で行われる。開始剤は、重合を開始するために使用される。少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、高エネルギー電磁波、機械的エネルギー、化学開始剤、またはこれらの組み合わせから選択される。少なくとも1つの実施形態では、開始剤がラジカル生成開始剤である。少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、有機過酸化物、過硫酸塩、アゾ開始剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、過酸化ベンゾイル、tert-ブチルヒドロペルオキシド、ジ-tert-ブチルヒドロペルオキシド、トリフェニルメチルヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド(DLP)、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機過酸化物である。
【0226】
特に好ましい実施形態では、重合が、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)またはジラウロイルペルオキシド(DLP)の存在下で行われる。特に好ましい実施形態では、重合が、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)または2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)の存在下で行われる。特に好ましい実施形態では、重合がジラウロイルペルオキシド(DLP)の存在下で行われる。
【0227】
少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス[n-(2-プロペニル)-2-メチル-プロピオンアミド]、アゾビスアミドプロピル塩酸塩(ABAH)、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアゾ開始剤である。少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)およびアゾビスアミドプロピル塩酸塩(ABAH)からなる群から選択されるアゾ開始剤である。
【0228】
少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸カリウム、ペルオキソ一硫酸ナトリウム、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される過硫酸塩である。有機過硫酸塩も有用である。
【0229】
少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、適切な場合、還元剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、硫酸鉄(II))または還元成分として脂肪族もしくは芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等)を含むレドックス系と組み合わせた、例えば(NH、KまたはHなどの無機ペルオキシ化合物からなる群から選択される。
【0230】
少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、レドックス開始剤とアゾ開始剤の混合物である。これは、レドックス開始剤系が多糖骨格上に有意な量の-O*ラジカルを生成し、アゾ開始剤が十分な活性合成ポリマー鎖を送達するという利点を有する。レドックス開始剤とアゾ開始剤の組み合わせは、多糖骨格上のグラフト合成ポリマー鎖の量を増加させる。
【0231】
少なくとも1つの実施形態では、開始剤が、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウムの混合物、ペルオキソ二硫酸カリウムと亜硫酸ナトリウムの混合物、ペルオキソ二硫酸アンモニウムとアスコルビン酸の混合物、ペルオキソ二硫酸ナトリウムとアスコルビン酸の混合物、ペルオキソ二硫酸アンモニウムとN,N,N’,N’-テトラメチレンジアミンの混合物、ペルオキソ二硫酸カリウムとN,N,N’,N’-テトラメチレンジアミンの混合物、ペルオキソ一硫酸アンモニウムとN,N,N’,N’-テトラメチレンジアミンの混合物、ペルオキソ一硫酸アンモニウムとアスコルビン酸の混合物、ペルオキソ一硫酸アンモニウムとチオ尿素の混合物、ペルオキソ一硫酸アンモニウムとマロン酸の混合物、ペルオキソ一硫酸アンモニウムとグリコール酸の混合物、ペルオキソ一硫酸アンモニウムとリンゴ酸の混合物、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸と亜硫酸ナトリウムの混合物、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸とペルオキソ一硫酸アンモニウムの混合物、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸とN,N,N’,N’-テトラメチレンジアミンの混合物、tert.-ブチルヒドロペルオキシドとN,N,N’,N’-テトラメチレンジアミンの混合物、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸とtert.-ブチルヒドロペルオキシドの混合物、亜硫酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸二ナトリウム塩、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸二ナトリウム塩とtert.-ブチルヒドロペルオキシドのブレンド、Broggolite(登録商標)E28、TP1651、NHS、FF6MまたはFF7と有機過酸化物、例えばtert.-ブチルヒドロキシペルオキシドまたはラウロイルペルオキシドのブレンドである。
【0232】
少なくとも1つの実施形態では、重合が、重合前に水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマーを水で処理するステップを含む。この水処理ステップは、好ましくは、多糖ポリマー中の水分子の均質な分布をもたらす。
【0233】
少なくとも1つの実施形態では、重合が、重合後にハイブリッドポリマーを回収するステップを含む。
【0234】

一般的合成例
水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーは、(i)水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマーと;(ii)合成ポリマーとを含む。成分(i)と成分(ii)は、溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合される。好ましくは、重合はグラフトラジカル沈殿重合である。
【0235】
最初に、水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマー(成分[i])に、規定量の水を添加し、次いで、溶媒中に分散または溶解された合成ポリマー(成分[ii])に使用されるモノマーと合わせる。
【0236】
溶媒は、好ましくは2-メチルプロパン-2-オールと水の溶媒混合物であり、溶媒混合物中の水のレベルは、溶媒混合物の全重量に対して30重量%未満である。重合反応は、例えば、レドックス開始剤系と組み合わせたラジカル放出開始剤によって開始される。
【0237】
よって、合成ポリマーは、好ましくは、ハイブリッドポリマーが合成されるのと同時に重合される。重合反応は、好ましくは30℃~70℃の間で、少なくとも30分間の時間枠にわたって行われる。ハイブリッドポリマーは、白色の、わずかに黄色がかった沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、蒸発もしくは乾燥手段(例えば、真空乾燥)ならびに/または真空もしくは加圧濾過およびその後の乾燥を介して溶媒から回収される。気化された溶媒を、凝縮し、回収することができ、さらなる重合に使用することができる。
【0238】
場合によっては、合成ポリマーの構造単位をもたらすモノマー(複数可)は、合成の開始前に中和される。この場合、モノマーの酸性基は、その対応する塩の塩基によって少なくとも部分的に移動される。しかしながら、合成ポリマー上の酸性基の中和を、ラジカル沈殿重合後に行うこともできる。
【0239】
例1(方法1)
還流冷却器、表面下ガス注入管、内部温度センサーおよびpHプローブおよびオーバーヘッド攪拌器を備えた1リットルガラス実験室反応器に、脱水2-メチルプロパン-2-オール243.7gおよび脱イオン水6.2gを計量添加した。ATBS 27.4gを添加し、気体アンモニアの注入によってpH6.5~7.5に中和した。温度を40℃未満に保った。次いで、タラガム62.6gおよびトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.5gを反応混合物に添加した。200rpmの攪拌で、窒素を1.7標準リットル毎分(SLM)の速度で0.5時間表面下に注入した。この間、反応混合物の温度を上昇させ、水浴の助けを借りて65℃に安定させた。65℃で、pHをpH6.5~7.5に再調整した。次いで、tert.-ブチルヒドロペルオキシド0.15gを添加し、Brueggolit(登録商標)FF6M 0.52g(水中8%)を含有する混合物を連続的に計量添加することによって反応を開始した。30分後、反応物を70℃まで加熱し、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(V601)0.78gを添加し、およそ120分間にわたって攪拌した。
【0240】
ハイブリッドポリマーは、白色の大量の沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、真空濾過および真空オーブン中での乾燥(50mbar、80℃)を介して溶媒から回収される。
【0241】
例2(方法2)
還流冷却器、表面下ガス注入管、内部温度センサーおよびpHプローブおよびオーバーヘッド攪拌器を備えた1リットルガラス実験室反応器に、脱水2-メチルプロパン-2-オール243.7gおよび脱イオン水6.2gを計量添加した。ATBS 18gを添加し、表面上への気体アンモニアの注入によってpH6.5~7.5に中和した。温度を40℃未満に保った。次いで、タラガム72gおよびトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.75gを反応混合物に溶解/分散した。200rpmの攪拌で、窒素を2SLMの速度で0.5時間表面下に注入した。この間、反応混合物の温度を上昇させ、水浴の助けを借りて65℃に安定させた。65℃で、pHをpH6.5~7.5に再調整した。次いで、tert.-ブチルヒドロペルオキシド0.15gを添加し、Brueggolit(登録商標)FF6M 0.52g(水中8%)を含有する混合物を連続的に計量添加することによって反応を開始した。30分後、反応物を70℃まで加熱し、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65)0.82gを添加し、およそ120分間にわたって攪拌した。
【0242】
ハイブリッドポリマーは、白色の大量の沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、加圧濾過および真空オーブン中での乾燥(50mbar、80℃)を介して溶媒から回収される。
【0243】
例3(方法3)
還流冷却器、表面下ガス注入管、内部温度センサーおよびpHプローブおよびオーバーヘッド攪拌器を備えた1リットルガラス実験室反応器に、脱水2-メチルプロパン-2-オール243.3gおよび脱イオン水7.0gを計量添加した。ATBS 18gを添加し、表面上への気体アンモニアの注入によってpH6.5~7.5に中和した。温度を40℃未満に保った。次いで、タラガム72gおよびプロポキシ化グリセロールトリアクリレート(GPTA)0.5gを反応混合物に溶解/分散した。200rpmの攪拌で、窒素を1.8SLMの速度で0.5時間表面下に注入した。この間、反応混合物の温度を上昇させ、水浴の助けを借りて55℃に安定させた。55℃で、pHをpH6.5~7.5に再調整した。次いで、tert-ブチルヒドロペルオキシド0.15gを添加し、Brueggolit(登録商標)FF7 0.52g(水中8%)を含有する混合物を連続的に計量添加することによって反応を開始した。30分後、反応物を80℃まで加熱し、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65)0.82gを添加し、およそ240分間にわたって攪拌した。
【0244】
ハイブリッドポリマーは、白色の大量の沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、濾過および真空オーブン中での乾燥(50mbar、80℃)を介して溶媒から回収される。
【0245】
例4(方法4)
還流冷却器、表面下ガス注入管、内部温度センサーおよびpHプローブおよびオーバーヘッド攪拌器を備えた1リットルガラス実験室反応器に、脱水2-メチルプロパン-2-オール388.4gおよび脱イオン水11.6gを計量添加した。ATBS 28.7gを添加し、表面上への気体アンモニアの注入によってpH6.5~7.5に中和した。温度を40℃未満に保った。次いで、グアーガム115gおよびプロポキシ化グリセロールトリアクリレート(GPTA)0.8gを反応混合物に溶解/分散した。200rpmの攪拌で、窒素を2SLMの速度で0.5時間表面下に注入した。この間、反応混合物の温度を上昇させ、水浴の助けを借りて55℃に安定させた。55℃で、pHをpH6.5~7.5に再調整した。次いで、tert-ブチルヒドロペルオキシド0.25gを添加し、Brueggolit(登録商標)FF7 0.83g(水中8%)を含有する混合物を連続的に計量添加することによって反応を開始した。30分後、反応物を80℃まで加熱し、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65)1.3gを添加し、およそ240分間にわたって攪拌した。
【0246】
ハイブリッドポリマーは、白色の大量の沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、真空オーブン中での乾燥(50mbar、80℃)によって溶媒から回収される。
【0247】
例5(方法5)
還流冷却器、表面下ガス注入管、内部温度センサーおよびpHプローブおよびオーバーヘッド攪拌器を備えた1リットルガラス実験室反応器に、脱水2-メチルプロパン-2-オール388.8gおよび脱イオン水11.2gを計量添加した。NaHCOをtert-ブタノールに等モル装入し、AMPS 18gをゆっくり計量添加して最終pH6.5~7.5を達成した。温度を40℃未満に保った。次いで、タラガム72gおよびプロポキシ化グリセロールトリアクリレート(GPTA)0.5gを反応混合物に溶解/分散した。200rpmの攪拌で、窒素を1.5SLMの速度で0.5時間表面下に注入した。この間、反応混合物の温度を上昇させ、水浴の助けを借りて55℃に安定させた。55℃で、pHをpH6.5~7.5に再調整した。次いで、tert-ブチルヒドロペルオキシド0.15gを添加し、Brueggolit(登録商標)FF7 0.52g(水中8%)を含有する混合物を連続的に計量添加することによって反応を開始した。30分後、反応物を80℃まで加熱し、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65)0.82gを添加し、およそ240分間にわたって攪拌した。
【0248】
ハイブリッドポリマーは、白色の大量の沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、真空濾過および真空オーブン中での乾燥(50mbar、80℃)を介して溶媒から回収される。
【0249】
例6(方法6)
還流冷却器、表面下ガス注入管、内部温度センサーおよびpHプローブおよびオーバーヘッド攪拌器を備えたガラス実験室反応器に、脱水2-メチルプロパン-2-オール390gおよび脱イオン水10gを計量添加した。ATBS 43.1gを添加し、表面上への気体アンモニアの注入によってpH6.5~7.5に中和した。温度を40℃未満に保った。次いで、タラガム100.5g、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.8gを反応混合物に添加した。200rpmの攪拌で、窒素を1.7SLMの速度で0.5時間表面下に注入した。この間、反応混合物の温度を、水浴の助けを借りて40℃に安定させた。40℃で、pHをpH6.5~7.5に再調整した。次いで、tert-ブチルヒドロペルオキシド0.25g、DLP 2.16gを添加し、Brueggolit(登録商標)FF7 0.83g(水中8%)を含有する混合物を2.5時間連続的に計量添加することによって反応を開始した。次いで、反応混合物を1時間60℃まで加熱し、攪拌下でさらに4時間還流させた。
【0250】
ハイブリッドポリマーは、白色の大量の沈殿として溶媒混合物中に生成される。ハイブリッドポリマーは、真空中での乾燥(150mbar、80℃、10時間)によって溶媒から回収される。
【0251】
一般的手順(上記の一般的合成例)および上記方法1~6に従って、溶媒、水、多糖ポリマー、モノマー、架橋剤および/または開始剤系の組成および/または量を対応して調整することによって、表1および表1aの他の全てのハイブリッドポリマー例を合成した。
【0252】
【表3】
【0253】
【表4】
【0254】
ハイブリッドポリマーのレオロジー特性評価
ハイブリッドポリマーが水中で示すレオロジー特性を決定するために、脱イオン水中のハイブリッドポリマーの1%ゲルを調製した。この文脈で使用される%は重量%を指す。
【0255】
装置および手順
コーン・プレートジオメトリならびに適切な温度制御を備えた振動レオメータを使用して、バイオハイブリッドポリマーから形成された水性ゲルのレオロジー特性評価を実施した。コーン角は小さく(4°以下)、直径は、結果として生じるトルクが機器の範囲内で合理的であるように選択すべきである。同じ直径の下部プレートを有するAPS(Advanced Peltier System)上の40/1コーンジオメトリ(直径40mm、コーン角1°)を有するTA Instruments DHR-3を使用した。試料と接触する全ての材料はステンレス鋼製である。
【0256】
機器を測定温度(20℃)に設定し、試料を充填する前にジオメトリギャップをゼロにした。
【0257】
測定手順は、以下の表に示されるいくつかのステップからなる。
【0258】
十分な試料体積をスプーンまたはスパチュラで下部プレートに充填する。ジオメトリを、典型的には測定位置よりも数十マイクロメートル高いトリミング位置にする。試料をスパチュラでトリミングし、過剰な体積は除去される。これで機器の手順が開始され、以下の全ての手順が自動的に処理される。これにより、正しいタイミングならびに再現性があり比較可能な反復が保証される。
【0259】
【表5】
【0260】
ステップ1:以下の全てのステップの温度を設定する。時間的影響はない。
【0261】
ステップ2:時間掃引は、設定されたひずみおよび周波数での振動実験である。貯蔵弾性率および損失弾性率のプロットはネットワークの強度を示す。増加する値は、構造構築、例えば、試料充填および測定位置への押し込み(squeezing)からの回復を示す。値が最初から一定である場合、回復が起こっていないか、または既に終了している。
【0262】
ステップ3:振幅掃引は、ネットワーク強度G’初期およびG’’初期およびtanδ初期(tan delta初期またはtan deltaとも呼ばれる;これは、特許請求の範囲で言及されるtanδでもある)を検出する。G’初期は振幅掃引のプラトー値として決定される。LVR(線形粘弾性領域)を超えてはならない。さもなければ、以下のクリープ試験が影響を受けるであろう。
【0263】
ステップ4:反復クリープ、すなわちクリープと回復の3回の繰り返し。典型的には、回復時間はクリープ時間の2倍の長さである。クリープ応力は降伏点を超えてはならない。さもなければ、変形が大きすぎて、せん断流が発生し、回復が起こらない。
【0264】
ステップ5:振幅掃引は、クリープ後のネットワーク強度およびtanδ(tan deltaとも呼ばれる)を検出する。その完全な範囲を検出するために、LVR(線形粘弾性領域)を超えなければならない。
【0265】
ステップ6:フロー勾配、すなわち降伏点を検出する応力勾配。開始値はゼロで、終了値は降伏点よりも高くなければならない。分析のために、粘度対応力がプロットされ、粘度のピーク最大値が降伏応力を与える。
【0266】
メッシュサイズは以下のように計算される:
【0267】
【数5】
(式中、
G’初期は、上記のように決定されるネットワーク安定性G’初期であり、
kはボルツマン定数であり、
Tは測定温度である:
【0268】
【表6】
)。
【0269】
tanδは、ネットワーク安定性G’に対するネットワーク安定性G’’の比である:
tanδ=G’’/G’
【0270】
tanδ初期は、ネットワーク安定性G’初期に対するネットワーク安定性G’’初期の比である:
tanδ初期=G’’初期/G’初期
【0271】
ハイブリッドポリマーのレオロジー特性評価の結果を表2に示す。
【0272】
【表7】
【0273】
表2に示されるように、ハイブリッドポリマーは優れたレオロジー特性を有する。
【0274】
ハイブリッドポリマーの生分解度の決定
ハイブリッドポリマーの生分解度は、OECD法301Bに従って決定した。結果を表3に示す。
【0275】
【表8】
【0276】
表3に示されるように、ハイブリッドポリマーは、OECD法301Bによると容易に生分解可能である。
【0277】
例の組成物
以下の例の組成物は、本発明のハイブリッドポリマー、特に例7~32のハイブリッドポリマーのいずれかであるハイブリッドHを含む。
【0278】
例の組成物1:アフターサンクリームジェル
【0279】
【表9】
【0280】
手順:
I Aを混合し、次いで、Bを添加する。
II Cを混合する。
III IIをI中に攪拌する。
IV DをIIIに添加する。
V 最後にエマルションを均質化する。
【0281】
例の組成物2:サンミルクSPF15
【0282】
【表10】
【0283】
手順:
I Aの成分を混合し、およそ80℃で融解する。
II Bの成分を混合し、均質になるまで攪拌し、80℃まで加熱する。
III CをIに添加する。
IV IIIをIIに添加し、高せん断ミキサーにより19000rpmで2分間均質化する。
V 攪拌(200rpm)しながら、室温まで冷却する。
VI DをVに添加し、均質になるまで200rpmで攪拌する。
VII 最後にEでpHを6.5に調整する。
【0284】
例の組成物3:液体石鹸
【0285】
【表11】
【0286】
手順:
I A相の成分を混合する。
II B相を混合し、Iに添加する。
III 所与の順序でC相を添加する。
IV 均質になるまで攪拌する。
V pHを5.5に調整する。
【0287】
例の組成物4:エフェクトシャワージェル
【0288】
【表12】
【0289】
手順:
I Aの成分とBの成分を完全に溶解するまで混合する。
II Cを添加し、溶液が塊を含まなくなるまで攪拌する。
III DをIIに添加する。
IV 最後に、必要に応じてpHを調整する。
【0290】
例の組成物5:フェイシャルクレンザー
【0291】
【表13】
【0292】
手順:
I ポリマーを水に添加し、均質になるまで攪拌する。
II 所与の順序でB相の成分をIに添加する。
III C相でpHを4.0に調整する。
IV Dを添加する。
【0293】
例の組成物6:マスカラ
【0294】
【表14】
【0295】
手順:
I A相の成分を混合する。次いで、攪拌しながら、80℃に加熱する。
II B相の成分を混合し、80℃に加熱する。
III CをBに添加し、均質化する。
IV 均質化(4分、20000rpm)しながら、AをIIIに添加し、35~40℃まで激しく攪拌する。
V Dを添加し、均質になるまで攪拌する。
VI Eを添加し、均質になるまで攪拌し、次いで、室温まで攪拌する。
【0296】
例の組成物7:BBクリームSPF15
【0297】
【表15】
【0298】
手順:
I A相の成分を溶解するまで混合する。次いで、80℃に加熱する。
II B相の成分を混合し、80℃に加熱する。
III C相を予混合し、次いで、Bに添加し、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化する。
IV IIIをIに注ぎ入れ、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化する。次いで、35℃まで攪拌する。
V 所与の順序でD相を添加し、均質になるまで攪拌する。
VI E相でpHを5.5~6.0に調整する。
【0299】
例の組成物8:O/Wファンデーション
【0300】
【表16】
【0301】
手順:
I A相の成分を混合し、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化し、次いで、攪拌し、70℃に加熱する。
II B相の成分を混合し、70℃に加熱する。
III C相を予混合し、次いで、Bに添加し、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化する。
IV IIIをIに注ぎ入れ、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化する。次いで、35℃まで攪拌する。
V D相を添加し、均質になるまで攪拌する。
VI E相でpHを5.5~6.0に調整する。
【0302】
例の組成物9:リキッドハイライター
【0303】
【表17】
【0304】
手順:
I A相:ベントナイトを水に分散する。
II BをIに添加し、溶解するまで混合し、次いで、80℃に加熱する。
III 80℃でCを融解する。
IV 均質化(2分、20000rpm)しながら、IIIをIIに添加する。
V Dを予混合し、IVに添加し、均質になるまで攪拌する。
VI EをVに添加し、冷却するまで(35℃)攪拌する。
V Fを添加し、室温まで攪拌する。
【0305】
例の組成物10:リップステイン
【0306】
【表18】
【0307】
手順:
I Aの成分を混合し、溶解するまで攪拌する。
II Bを添加し、溶液が均質になるまで攪拌する。
III Cを添加し、溶解するまで攪拌する。
IV 最後に、必要に応じて、pHを6.5~7.0に調整する。
【0308】
例の組成物11:アイライナージェル
【0309】
【表19】
【0310】
手順:
I Aの成分を混合し、溶解するまで攪拌する。
II Bを添加し、溶液が均質になるまで攪拌する。
III 別にCを予混合し、次いで、IIに添加し、溶解するまで攪拌する。
IV 攪拌しながら、Dを添加する。
V 最後に、pHを7.5に調整する。
【0311】
例の組成物12:アフターシェーブバーム
【0312】
【表20】
【0313】
手順:
I Aの成分を混合し、溶解する。
II BをIに添加する。
III Cの成分を混合し、溶解する。
IV DをIIに添加する。
V IIIをIVに添加し、約200rpmで1時間攪拌する。
VI EをVに添加し、30分間攪拌する。
VII FでpHを5.5に調整する。
VIII GをVIに添加し、攪拌する。
IX 最後に、均質化する。
【0314】
例の組成物13:噴霧可能なボディミルク
【0315】
【表21】
【0316】
手順:
I 60℃でAを融解し、次いで、Bを添加する。
II Cを60℃に加熱する。
III IIをI中に攪拌し、冷却するまで攪拌する。
IV 35℃でDの成分を次々にIIIに添加する。
V Eを添加し、次いで、最後に、エマルションを均質化する。
【0317】
例の組成物14:男性用ボディローション
【0318】
【表22】
【0319】
手順:
I およそ70℃でAの成分を融解する。
II Cの成分を混合し、およそ70℃に加熱する。
III 完全に融解したら、BをIに添加する。
IV CをIIIに添加する。
V 35℃で、Dの成分をIVに添加する。
VI EでpHを6.0~6.5に調整する。
【0320】
例の組成物15:アンチエイジングクリームジェル
【0321】
【表23】
【0322】
手順:
I Aの成分を混合し、60℃で融解する。
II Bを添加し、軽く振盪しながら溶解する。
III Cを添加する。
IV DをEに溶解し、IIIに添加する。
V 35℃でFをIVに添加する。
【0323】
例の組成物16:ライトデイクリーム
【0324】
【表24】
【0325】
手順:
I A相の成分を混合し、5分間攪拌し、Ultra-Turraxを使用して1分間均質化する。
II Bを添加し、75℃に加熱する。
III 温度で、Ultra-Turraxを使用して1分間穏やかに均質化する。
IV 攪拌下で冷却する。
V 40℃未満で、Cを添加し、攪拌する。
VI DでpHを5.5に調整する。
【0326】
例の組成物17:ケア用ナイトクリーム
【0327】
【表25】
【0328】
手順:
I A相の成分を混合し、75℃に加熱する。
II B相の成分を混合し、75℃に加熱する。
III 温度で、B相をA相に注ぎ入れ、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化する。
IV 攪拌下で冷却する。
V 40℃未満で、Cを添加し、攪拌する。
VI DでpHを5.5に調整する。
【0329】
例の組成物18:噴霧可能なヘアスタイリングジェル
【0330】
【表26】
【0331】
手順:
I 攪拌しながら、AをBに添加する。滑らかなゲルが形成されるまで、攪拌する。
II Cの成分を次々にIに添加し、溶解するまで攪拌する。
III Dの成分を混合し、攪拌しながら、IIに添加する。
【0332】
例の組成物19:コンディショニングシャンプー
【0333】
【表27】
【0334】
手順:
I A相の成分を混合し、溶解するまで攪拌する。
II B相を添加し、均質になるまで攪拌する。
III C相を予混合し、攪拌しながら、IIに添加する。
IV D相を予混合し、攪拌しながら、IIに添加する。
V EでpHを5.5~6.0に調整する。
VI F相を予混合し、Vに添加し、溶解するまで攪拌する。
VII G相を添加し、溶解するまで攪拌する。
【0335】
使用方法:
例の組成物19を湿潤毛髪に施用する。水道水を使用して泡を作り出し、組成物を毛髪および頭皮全体に広げる。組成物を毛髪から直ちにすすぐ。毛髪をさらにコンディショニングしてもよい。
【0336】
例の組成物20:除光液ジェル
【0337】
【表28】
【0338】
手順:
I Aの成分を次々に添加し、均質になるまで攪拌する。
II BをAに添加し、完全に溶解するまで攪拌する。
III CをIIに添加する。
【0339】
例の組成物21:ホワイトニングジェル
【0340】
【表29】
【0341】
手順:
I 攪拌し、60℃に加熱しながら、A相の成分とB相の成分を合わせる。
II 室温に冷却し、Cを添加する。
III DでpHを6.0に調整する。
IV 攪拌しながらEを添加し、均質になるまで攪拌し続ける。
【0342】
例の組成物22:O/Wセルフタンニングクリーム
【0343】
【表30】
【0344】
手順:
I 85℃でAを融解する。
II BをA中に攪拌する。
III C相を予混合し、IIに添加し、次いで、30~35℃まで攪拌する。
IV DをIIIに添加する。
V ジヒドロキシアセトンを水に溶解し、EをIVに添加する。
VI 必要に応じて、pHを4.0に調整する。
【0345】
例の組成物23:メイクアップリムーバー
【0346】
【表31】
【0347】
手順:
I A相を混合し、溶解するまで攪拌し、次いで、80℃に加熱する。
II 別にB相の成分を合わせ、80℃まで加熱する。
III IIをIに注ぎ入れ、Ultra-Turraxを使用することによって穏やかに均質化する。次いで、攪拌しながら、室温に冷却する。
IV CでpHを5.5に調整する。
V Dを添加し、均質になるまで攪拌する。
【0348】
例の組成物24:インセクトリペラントローション
【0349】
【表32】
【0350】
手順:
I Aの成分を混合する。
II Bの成分をI中に攪拌する。
III 次いで、Cを添加し、よく攪拌する。
IV 最後に、Dを添加し、エマルションを均質化する。
【0351】
例の組成物25:乳化剤を含まないクリームジェル
【0352】
【表33】
【0353】
手順:
I Aの成分を混合する。
II Bの成分を混合する。
III CをAに添加する。
IV IIをIIIに添加し、均質になるまで攪拌する。
V DをIVに添加し、10分間攪拌する。
VI EでpHを5.5~6.0に調整する。
【0354】
例の組成物26:スルフェートを含まないシャンプー
【0355】
【表34】
【0356】
手順:
I Aの成分を混合する。
II 攪拌下で、Bの成分をIに添加する。
III IIのpHを6.5に調整する。
IV 攪拌下で、Dの成分をIIIに添加する。
V 攪拌下で、Eの成分を一つずつIVに添加する。
【0357】
例の組成物27:ヘアコンディショナー
【0358】
【表35】
【0359】
手順:
I Aの成分を混合する。
II 攪拌下で、BをIに添加し、65℃に加熱する。
III 攪拌下65℃で、Cの成分をIIに添加する。
IV 攪拌下で、Dの成分を一つずつIIIに添加し、65℃で15分間攪拌する。
V 30℃に冷却し、攪拌下で、Eの成分を一つずつIVに添加する。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0233
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0233】
少なくとも1つの実施形態では、重合が、重合後にハイブリッドポリマーを回収するステップを含む。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.下記成分(i)、(ii)を含む水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーであって、前記成分(i)および成分(ii)が極性溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合されている、前記水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー:
(i)30重量%~99重量%の水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマー、ここで、前記多糖ポリマーは非荷電多糖ポリマーである、
(ii)1重量%~70重量%の、下記(a)、(b)を含む合成ポリマー
(a)90mol%~99.9mol%、好ましくは95mol%~99.5mol%の式(1)
【化10】

[式中、
およびR は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
Aは直鎖または分岐C ~C 12 -アルキル基であり、
は、H 、NH 、有機アンモニウムイオン[NHR (式中、R 、R 、およびR は互いに独立して、水素、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、2~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニル基、C ~C 22 アルキルアミドプロピル基、2~10個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキル基または3~15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキル基であり、前記R 、R 、およびR 基のうちの少なくとも1つは水素ではない)であるか、またはQ は、Li 、Na 、K 、1/2Ca ++ 、1/2Mg ++ 、1/2Zn ++ 、1/3Al +++ 、もしくはこれらの組み合わせである]
による繰り返し単位、
(b)0.01mol%~10mol%、好ましくは~5mol%、より好ましくは~3mol%の架橋単位または分岐単位であって、少なくとも2つのオレフィン性不飽和二重結合を含むモノマーの組み込みから生じている、架橋単位または分岐単位。
2.脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、10nm~80nm、好ましくは10nm~50nm、より好ましくは15nm~50nm、さらにより好ましくは20nm~50nm、特に好ましくは30nm~40nmのメッシュサイズを有する、上記1に記載のハイブリッドポリマー。
3.脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、0.2~0.9、好ましくは0.3~0.7、特に好ましくは0.3~0.6のtanδを有する、上記1または2に記載のハイブリッドポリマー。
4.脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、1Pa~15Pa、好ましくは2Pa~12Pa、より好ましくは2Pa~9Pa、さらにより好ましくは2Pa~8Pa、特に好ましくは3Pa~7Paの降伏点を有する、上記1~3のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
5.OECD法301Bに従って決定される、少なくとも30%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも80%の生分解度を有する、上記1~4のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
6.(i)40重量%~95重量%、好ましくは50重量%~90重量%、より好ましくは60重量%~85重量%、より好ましくは60重量%~80重量%、さらにより好ましくは60重量%~75重量%の多糖ポリマー、
(ii)5重量%~60重量%、好ましくは10重量%~50重量%、より好ましくは15重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~40重量%、さらにより好ましくは25重量%~40重量%の合成ポリマー、
を含む、上記1~5のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
7.前記多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、タマリンドシードガム、スクレロチウムガム、デキストラン、デキストリンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、特に好ましくはタラガム、グアーガムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、上記1~6のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
8.単位(a)および/または(b)をもたらす前記モノマーが前記重合前に塩基で中和されており、ならびに/あるいは重合後のハイブリッドポリマーが塩基で中和されている、上記1~7のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
9.前記塩基が、Li 、Na 、K 、Ca ++ 、Mg ++ 、Zn ++ 、Al +++ およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む塩基から選択され;好ましくは、前記塩基が、Li 、Na 、K 、Ca ++ 、Mg ++ 、Zn ++ 、Al +++ およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩から選択される、上記8に記載のハイブリッドポリマー。
10.前記式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレート、アクリロイル-1,1-ジメチル-2-メチルタウレート、アクリロイルタウレート、アクリロイル-N-メチルタウレートおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じており、好ましくは前記式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレートの組み込みから生じている、上記1~9のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
11.前記架橋単位または分岐単位が、式(2)
【化11】

[式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
は、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニレン基である]
によるモノマーの組み込みから生じている、上記1~10のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
12.前記架橋単位または分岐単位が、式(3)
【化12】

[式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
はHであるか、または1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルキレン基であり、
D、EおよびFは独立して、メチレンオキシ(-CH O-)、エチレンオキシ(-CH -CH -O-)、プロピレンオキシ(-CH(CH )-CH -O-)、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、一価もしくは多価不飽和アルケニレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキレン基または3~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキレン基であり、
o、pおよびqはそれぞれ独立して、1~50の整数である]
によるモノマーの組み込みから生じている、上記1~11のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
13.前記架橋単位または分岐単位が、メチレンビスアクリルアミド;メチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノカルボン酸およびポリカルボン酸とポリオールのエステル、好ましくはジ-アクリレートおよびトリ-アクリレートならびに-メタクリレート(例えば、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート[GPTA])、より好ましくはブタンジオールおよびエチレングリコールジアクリレートならびに-メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA);アリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン;リン酸のアリルエステル;ならびにビニルホスホン酸誘導体からなる群から選択される架橋剤の組み込みから生じている、上記1~12のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
14.ハイブリッドポリマーの構造が、前記多糖ポリマーが、当該多糖ポリマー上に前記合成ポリマーがグラフトされている骨格であるようなものである、上記1~13のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
15.前記ラジカル沈殿重合が、I)水およびII)さらに別の化合物を含む極性溶媒混合物中で行われる、上記1~14のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマー。
16.(i)上記1~15のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマーと、
(ii)担体と
を含む、組成物。
17.シャンプー、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、フェイスマスク、バブルバス、インティメイトウォッシュ、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、ヘアマスク、香料、液体石鹸、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、スキンホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、アイライナー、ナイトクリーム、アイブロウジェル、ハイライター、リップステイン、手指消毒剤、ヘアオイル、除光液、コンディショナー、ヘアスタイリングジェル、ヘアスタイリングクリーム、アンチフリッズ(anti-frizz)セラム、頭皮トリートメント、毛髪着色剤、スプリットエンド液、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、インセクトリペラント、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター(角質除去剤)、ボディスクラブ、セルライトトリートメント、固形石鹸、キューティクルクリーム、リップバーム、ヘアトリートメント、アイシャドウ、浴用添加剤、ボディミスト、オードトワレ、洗口液、練り歯磨き、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、トナー、アクアシャーベット(aqua sorbet)、クリームジェル、スタイリングムース、ドライシャンプー、リップスティック、リップグロス、水性アルコールジェル、ボディオイル、シャワーミルク、イルミネーター、リップクレヨン、ヘアスプレー、コーミングクリームおよびサンブロックからなる群から選択される、上記16に記載の組成物。
18.増粘剤、構造化剤および/またはレオロジー改質剤としての、上記1~15のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマーの使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(i)、(ii)を含む水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマーであって、前記成分(i)および成分(ii)が極性溶媒中でのラジカル沈殿重合によって重合されている、前記水溶性および/または水膨潤性ハイブリッドポリマー:
(i)30重量%~99重量%の水溶性および/または水膨潤性多糖ポリマー、ここで、前記多糖ポリマーは非荷電多糖ポリマーである、
(ii)1重量%~70重量%の、下記(a)、(b)を含む合成ポリマー
(a)90mol%~99.9mol%、好ましくは95mol%~99.5mol%の式(1)
【化1】

[式中、
およびRは、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
Aは直鎖または分岐C~C12-アルキル基であり、
は、H、NH 、有機アンモニウムイオン[NHR(式中、R、R、およびRは互いに独立して、水素、1~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基、2~22個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニル基、C~C22アルキルアミドプロピル基、2~10個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキル基または3~15個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキル基であり、前記R、R、およびR基のうちの少なくとも1つは水素ではない)であるか、またはQは、Li、Na、K、1/2Ca++、1/2Mg++、1/2Zn++、1/3Al+++、もしくはこれらの組み合わせである]
による繰り返し単位、
(b)0.01mol%~10mol%、好ましくは~5mol%、より好ましくは~3mol%の架橋単位または分岐単位であって、少なくとも2つのオレフィン性不飽和二重結合を含むモノマーの組み込みから生じている、架橋単位または分岐単位。
【請求項2】
脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、10nm~80nm、好ましくは10nm~50nm、より好ましくは15nm~50nm、さらにより好ましくは20nm~50nm、特に好ましくは30nm~40nmのメッシュサイズを有する、請求項1に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項3】
脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、0.2~0.9、好ましくは0.3~0.7、特に好ましくは0.3~0.6のtanδを有する、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項4】
脱イオン水中の前記ハイブリッドポリマーの1%ゲルが、1Pa~15Pa、好ましくは2Pa~12Pa、より好ましくは2Pa~9Pa、さらにより好ましくは2Pa~8Pa、特に好ましくは3Pa~7Paの降伏点を有する、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項5】
OECD法301Bに従って決定される、少なくとも30%、好ましくは少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも80%の生分解度を有する、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項6】
(i)40重量%~95重量%、好ましくは50重量%~90重量%、より好ましくは60重量%~85重量%、より好ましくは60重量%~80重量%、さらにより好ましくは60重量%~75重量%の多糖ポリマー、
(ii)5重量%~60重量%、好ましくは10重量%~50重量%、より好ましくは15重量%~40重量%、より好ましくは20重量%~40重量%、さらにより好ましくは25重量%~40重量%の合成ポリマー、
を含む、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項7】
前記多糖ポリマーが、タラガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カシアトラガム、フェヌグリークガム、グルコマンナン、タマリンドシードガム、スクレロチウムガム、デキストラン、デキストリンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくはタラガム、グアーガム、グルコマンナン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、特に好ましくはタラガム、グアーガムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項8】
単位(a)および/または(b)をもたらす前記モノマーが前記重合前に塩基で中和されており、ならびに/あるいは重合後のハイブリッドポリマーが塩基で中和されている、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項9】
前記塩基が、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む塩基から選択され;好ましくは、前記塩基が、Li、Na、K、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるイオンを含む水酸化物、炭酸塩および炭酸水素塩から選択される、請求項8に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項10】
前記式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレート、アクリロイル-1,1-ジメチル-2-メチルタウレート、アクリロイルタウレート、アクリロイル-N-メチルタウレートおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるモノマーの組み込みから生じており、好ましくは前記式(1)による繰り返し単位が、アクリロイルジメチルタウレートの組み込みから生じている、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項11】
前記架橋単位または分岐単位が、式(2)
【化2】

[式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
は、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルケニレン基である]
によるモノマーの組み込みから生じている、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項12】
前記架橋単位または分岐単位が、式(3)
【化3】

[式中、
は、H、メチルまたはエチルから独立して選択され、
はHであるか、または1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル基であるか、または2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、モノもしくはポリ不飽和アルキレン基であり、
D、EおよびFは独立して、メチレンオキシ(-CHO-)、エチレンオキシ(-CH-CH-O-)、プロピレンオキシ(-CH(CH)-CH-O-)、1~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐の、一価もしくは多価不飽和アルケニレン基、2~6個の炭素原子を有する直鎖モノヒドロキシアルキレン基または3~6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐ジヒドロキシアルキレン基であり、
o、pおよびqはそれぞれ独立して、1~50の整数である]
によるモノマーの組み込みから生じている、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項13】
前記架橋単位または分岐単位が、メチレンビスアクリルアミド;メチレンビスメタクリルアミド;不飽和モノカルボン酸およびポリカルボン酸とポリオールのエステル、好ましくはジ-アクリレートおよびトリ-アクリレートならびに-メタクリレート(例えば、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート[GPTA])、より好ましくはブタンジオールおよびエチレングリコールジアクリレートならびに-メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA);アリル化合物、好ましくはアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン;リン酸のアリルエステル;ならびにビニルホスホン酸誘導体からなる群から選択される架橋剤の組み込みから生じている、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項14】
ハイブリッドポリマーの構造が、前記多糖ポリマーが、当該多糖ポリマー上に前記合成ポリマーがグラフトされている骨格であるようなものである、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項15】
前記ラジカル沈殿重合が、I)水およびII)さらに別の化合物を含む極性溶媒混合物中で行われる、請求項に記載のハイブリッドポリマー。
【請求項16】
(i)請求項1~15のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマーと、
(ii)担体と
を含む、組成物。
【請求項17】
シャンプー、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、フェイスマスク、バブルバス、インティメイトウォッシュ、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、ヘアマスク、香料、液体石鹸、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、スキンホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、アイライナー、ナイトクリーム、アイブロウジェル、ハイライター、リップステイン、手指消毒剤、ヘアオイル、除光液、コンディショナー、ヘアスタイリングジェル、ヘアスタイリングクリーム、アンチフリッズ(anti-frizz)セラム、頭皮トリートメント、毛髪着色剤、スプリットエンド液、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、インセクトリペラント、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター(角質除去剤)、ボディスクラブ、セルライトトリートメント、固形石鹸、キューティクルクリーム、リップバーム、ヘアトリートメント、アイシャドウ、浴用添加剤、ボディミスト、オードトワレ、洗口液、練り歯磨き、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、トナー、アクアシャーベット(aqua sorbet)、クリームジェル、スタイリングムース、ドライシャンプー、リップスティック、リップグロス、水性アルコールジェル、ボディオイル、シャワーミルク、イルミネーター、リップクレヨン、ヘアスプレー、コーミングクリームおよびサンブロックからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
増粘剤、構造化剤および/またはレオロジー改質剤としての、請求項1~15のいずれか一つに記載のハイブリッドポリマーの使用。
【国際調査報告】