(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】ポーションおよびパッケージの形態での消耗品を払い出すための方法およびピッキング装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20241129BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B65G1/00 531
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532781
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022080235
(87)【国際公開番号】W WO2023099096
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516389064
【氏名又は名称】ベクトン・ディッキンソン・ロワ・ジャーマニー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ヘレンブランド
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022CC00
3F022CC10
3F022KK18
3F022LL38
3F022MM19
3F022MM36
3F522CC01
3F522CC20
(57)【要約】
本発明は、ポーションおよびパッケージの形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器内に払い出すための方法およびピッキング装置に関する。既知の方法およびピッキング装置では、ポーションおよびパッケージを含む払出依頼をピッキングすることはできない。a)払出依頼を分析し、b)保管エリアでパッケージを把持してターゲット容器に送給することが企図される。ステップc1)で、保管容器が操作デバイスによって把持されて準備エリアに送給され、グリッパによって所定量のポーションが保管容器から取り出される。その後、グリッパがターゲット容器に移動され、ポーションがターゲット容器に送給される。次いで、保管容器は、操作デバイスによって再び保管エリアに送給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法であって、
a)払出依頼(ZA)が分析され、ピッキング装置(1)の保管ユニット(100)内での前記パッケージ(116)およびポーション(117)の種類および数量ならびに保管エリア(112)が決定され、
b)パッケージ(116)に割り当てられた保管エリア(112)において、前記パッケージが操作デバイス(120)によって把持され、前記ピッキング装置(1)のピッキングユニット(200)のピッキングエリア(232)にあるターゲット容器(115)に送給され、
c1)ポーション(117)に割り当てられた保管エリア(112)において、保管容器(113)が前記操作デバイスによって把持され、前記ピッキングユニット(200)の準備エリア(222)に送給され、
c2)把持機構(260)のグリッパ(261)によって、前記準備エリアにある前記保管容器内のポーションが把持され、
c3)前記グリッパ(261)が前記ターゲット容器(115)に移動され、前記ポーションが前記ターゲット容器に送給され、
c4)前記準備エリアにある前記保管容器が、前記操作デバイスによって保管エリアに送給され、
ステップまたはステップの組合せb)および[c1)、{c2)+c3)}、c4)]の順序は任意であり、繰り返しの回数は払出依頼に依存する、
方法。
【請求項2】
前記グリッパが所定の位置に変位されることによってポーションが把持され、前記位置が、前記保管容器(113)内のポーション(117)に割り当てられることを特徴とする
請求項1に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項3】
カメラ(263)によって、前記保管容器(113)内に整頓せずに配置されたポーションの写真が作成され、画像処理ソフトウェアによって、前記ポーションの少なくとも一部の正確な配置が特定され、それに基づいて、把持対象のポーション(117)が決定されて把持されることによって、ポーションが把持されることを特徴とする
請求項1に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項4】
前記払出依頼またはその一部の前記処理後に、前記ターゲット容器は前記操作デバイス(120)によって前記保管ユニット(100)の保管エリアに移動され、前記ターゲット容器が入庫されることを特徴とする
請求項1から3のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項5】
前記ターゲット容器は、すべてのパッケージおよびポーションの払出後に、排出エリア(242)に移動されることを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項6】
前記ターゲット容器(115)は、前記操作デバイス(120)によって保管エリア(112)から把持され、前記ピッキングエリア(232)に送給されることを特徴とする
請求項1から5のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項7】
前記保管容器は、入庫機構(130)によって入庫のために準備され、前記操作デバイスによって保管エリアに移動されることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項8】
最初および/または最後のポーションまたはパッケージの送給前に、空のおよび/または充填されたターゲット容器の写真が作成されて保存されることを特徴とする
請求項1から7のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項9】
各ポーションおよび各パッケージの送給後、前記ターゲット容器の写真が作成されて保存されることを特徴とする
請求項8に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項10】
各ポーションおよび各パッケージの送給前または送給後、前記ポーションまたは前記パッケージのコードが検出され、目標コードと比較されることを特徴とする
請求項1から9のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すための方法。
【請求項11】
保管ユニット(100)jnであって、
パッケージ(116)、および複数のポーション(117)用の保管容器(113)のための複数の保管エリア(112)をそれぞれ有する複数の水平な棚板(111)を有する少なくとも1つの棚列と、
載置テーブル(121)、ならびにパッケージおよび保管容器を移動させるための輸送機構(122)を有する、前記棚列の前で水平および垂直に変位可能な少なくとも1つの操作デバイス(120)と、
パッケージ(116)および保管容器(113)が前記保管ユニット(100)内に移動され、前記保管ユニット(100)から、前記操作デバイス(120)がパッケージ(116)および保管容器(113)を取り出すことができるようにする、少なくとも1つの入庫機構(130)と、
パッケージ(116)および保管容器(113)を識別するための識別機構(140)と、
を備える保管ユニット(100)と、
少なくとも1つのピッキングユニット(200)であって、
保管容器用の準備エリア(222)を有する準備ステーション(220)であって、前記保管容器は、前記操作デバイス(120)の前記載置テーブル(121)から前記準備エリアに、および前記準備エリアから前記載置テーブル(121)に可動であるように構成された、準備ステーション(220)と、
ターゲット容器用のピッキングエリア(232)を有するピッキングステーション(230)であって、パッケージが前記操作デバイスによって前記ピッキングエリアにある前記ターゲット容器に可動であるように構成された、ピッキングステーション(230)と、
前記準備エリア(222)および前記ピッキングエリア(232)の上方に配置され、垂直および水平に変位可能なグリッパ(261)を有する把持機構(260)と、
を備え、前記把持機構によって、ポーションを、前記準備エリアにある前記保管容器から前記ターゲット容器に輸送することができる、
少なくとも1つのピッキングユニット(200)と
を備える、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すためのピッキング装置。
【請求項12】
前記ピッキングユニット(200)は、少なくとも1つのカメラ(263)を含み、前記カメラ(263)によって、前記準備エリアにある前記保管容器、および/または前記ピッキングエリアにある前記ターゲット容器の内容物の写真を作成可能であることを特徴とする
請求項11に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すためのピッキング装置(1)。
【請求項13】
前記ピッキングユニット(200)は、保管容器送給および返却機構(270)を含み、前記保管容器送給および返却機構(270)によって、保管容器を前記操作デバイスのアクセス領域から前記準備ステーション(220)に、および前記準備ステーションから前記操作デバイスの前記アクセス領域に可動であることを特徴とする
請求項11または12に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すためのピッキング装置(1)。
【請求項14】
前記準備ステーション(220)は保管容器輸送機構(221)を含み、前記保管容器輸送機構(221)によって、保管容器が前記準備エリア(222)に送給され、前記保管容器輸送機構(221)は、保管容器用の少なくとも1つの待機エリア(223)が設けられるように構成され、
前記保管容器送給および返却機構(270)は、送給手段(272)と返却手段(273)とを含む
ことを特徴とする請求項13に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すためのピッキング装置(1)。
【請求項15】
前記ピッキングユニット(200)はターゲット容器返却機構(250)を含み、前記ターゲット容器返却機構(250)によって、ターゲット容器は前記ピッキングエリア(232)から前記操作デバイスの前記アクセス領域に可動であることを特徴とする
請求項13または14に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すためのピッキング装置(1)。
【請求項16】
前記ピッキングユニット(200)はパッケージ送給機構(280)を含み、前記パッケージ送給機構(280)によって、パッケージは前記操作デバイスから前記ターゲット容器に可動であることを特徴とする
請求項13から15のいずれか一項に記載の、ポーション(117)およびパッケージ(116)の形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器(115)内に払い出すためのピッキング装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポーションおよびパッケージの形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器内に払い出すための方法およびピッキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から知られている近年のピッキング装置では、多数の異なる種類の小さい物品が、細長い水平の保管面に無秩序に、かつスペースを最適化して保管されている。これらの保管面は、複数の棚板によって提供され、各棚板ごとに、多数の小さい物品がそれぞれ1つの保管エリアに保管される。無秩序の、スペースを最適化した保管では、小さい物品、例えば薬剤パッケージ、栄養補助食品パッケージ、および好ましくは直方体形状のパッケージに入った他の消耗品(包帯など)が、薬局または病院で使用されるピッキング装置では、保管面の単位面積当たりにできるだけ多数の小さい物品を保管することができるように保管面に保管される。無秩序の保管において、保管面または棚板での保管エリアは、固定の寸法を有するこの保管面の永続的な定められた区域ではなく、保管エリアは、面区域に保管されるパッケージによって定義される。さらに、自由な面区域の寸法は、どのパッケージがそこに保管されるかを主として決定する。
【0003】
上記のピッキング装置では、通常、直方体形状のパッケージ、または直方体形状のキャリア内に配置されたポーションのみが保管エリアに入庫される。既知のピッキング装置では、直方体形状から逸脱した物品は、その物品が平らな底面と平行な垂直側面を備えている場合にのみ保管可能である。
【0004】
しかし、これらのピッキング装置では、例えば小さい瓶や注射器の形での直方体形状以外のポーションを入庫し、「普通の」パッケージと組み合わせて払い出すために準備することはできない。
【0005】
病院では、例えば病棟で必要となるすべての消耗品を、パッケージ形状であれ非パッケージ形状(本明細書では以後、ポーションと呼ぶ)であれ、まとめて払出セットとして提供するのが一般的である。次いで、病棟において、払出セットに含まれるパッケージおよびポーションが患者別に処理される。通常はパッケージとポーションとが必要とされるため、払出セットがポーションおよびパッケージを含む、少なくとも一般的な場合は、上述したピッキング装置では、払出セットを病棟用に全自動でピッキングすることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3854730号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3431421号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、パッケージおよびポーションの形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器内に払い出すことができる方法およびピッキング装置を提供することである。消耗品は、薬剤パッケージおよび薬剤ポーション、ならびにポーションおよびパッケージの形態で病院で必要とされる他の物質、例えば包装された包帯材や栄養補助食品などを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の方法によって解決される。ポーションおよびパッケージの形態での消耗品を払出依頼に基づいてターゲット容器内に払い出すための本発明による方法において、ステップa)で、払出依頼(ZA)が分析され、ピッキング装置の保管ユニット内でのパッケージおよびポーションの種類および数量ならびに保管エリアが決定される。
【0009】
ステップb)で、パッケージに割り当てられた保管エリアにおいて、パッケージが操作デバイスによって把持され、ピッキング装置のピッキングユニットのピッキングエリアにあるターゲット容器に送給される。ピッキングエリアは、ターゲット容器のための停止エリアであり、このエリアでパッケージおよびポーションがターゲット容器に送給される。
【0010】
ステップc1)で、ポーションに割り当てられた保管エリアにおいて、保管容器が操作デバイスによって把持され、ピッキングユニットの準備エリアに送給される。準備エリアは、払出依頼によって定義された量のポーションが保管容器から取り出される、(独立して入庫可能および取扱い可能でない)ポーション用の保管容器のための停止エリアである。
【0011】
次いで、ステップc2)で、把持機構のグリッパによって、準備エリアにある保管容器内のポーションが把持され、ステップc3)で、グリッパがターゲット容器に移動され、ポーションがターゲット容器に送給される。
【0012】
ステップc4)で、準備エリアにある保管容器は、操作デバイスによって保管エリアに送給され、ここで、この保管エリアは、保管容器が以前に配置されていた保管エリア、または新たに割り当てられた保管エリアであり得る。
【0013】
ステップまたはステップ組合せb)および[c1)、{c2)+c3)}、c4)]の順序は任意であり、ステップまたはステップ組合せの繰り返しの回数は払出依頼に依存し、ステップ組合せの概念では、ステップ[c1)~c4)]および{c2+c3)}が理解されるべきであり、ステップc2)+c3)は、ステップ組合せc1)~c4)において任意の回数実行することができ、ステップ組合せc1)~c4)は、(それぞれ払出依頼に応じて)任意の回数実行することができ、場合によりステップb)の実行によって「中断」される。
【0014】
2つの異なるパッケージと同じタイプの3つのポーションとを含む例示的な払出依頼では、例えば、まず、適切なポーションを含む保管容器が準備エリアに送給され(ステップc1)、次いでグリッパによって3つのポーションがターゲット容器に送給され(ステップc2)およびc3))、準備エリアへの保管容器の送給後に、操作デバイスによってパッケージがターゲット容器に送給され(ステップb))、ここで、パッケージとポーションとの送給は、それらの作業ステップに関して異なる取扱い機構が使用されるので、少なくとも部分的に並列に行うことができる。しかし、取出し作業の前述の順序は必須ではなく、これは、例えば要求されたパッケージおよびポーションに対する操作デバイスの位置決めに応じて変わることもある。さらに、例えば、払出依頼の最初の処理の時点でパッケージまたはポーションの入庫がまだ完了していない場合、順序が異なることもある。したがって、取出し作業の順序に関して、本発明による方法は非常に柔軟であり、(パッケージおよびポーションに関して)特定の順序に固定されない。
【0015】
本発明によれば、ピッキング装置内で、保管エリアに、パッケージと、ポーション用の保管容器とが保管されることが企図される。本発明によれば、ステップc2)で、ポーションが把持機構のグリッパによって把持される。本発明による方法の一実施形態では、グリッパが所定の位置に変位されることによって保持容器内のポーションが把持され、その位置が、保管容器内のポーションに割り当てられることが企図される。したがって、本方法のこの実施形態では、保管容器内のポーションは、既知の予め定められた固定位置に配置され、保管容器内でのこれらの位置は既知であり、準備エリアでの保管容器の既知の配置により、個々のポーションの位置は既知であり、したがって直接近寄ることができる。
【0016】
しかし、例えば単に「バルク品」として、ポーションが所定の位置なしに保管容器内に配置されることも考えられ、これにより、一方では、保管容器内でのポーションの配置が簡略化され、他方では、ある種のポーションのための保管容器の受入れ容量が増加する。そのような場合、本発明によれば、カメラによって、保管容器内に整頓せずに配置されたポーションの写真が作成され、画像処理ソフトウェアによって、ポーションの少なくとも一部の正確な配置が特定され、それに基づいて、把持対象のポーションが決定されてグリッパによって把持されることによって、保持容器からのポーションが把持されることが企図される。ポーションの正確な配置を決定するための画像処理ソフトウェアの使用は、従来技術から知られており、より詳細に開示されており(例えば、特許文献1参照)、上記特許出願の内容を本出願に組み込む。グリッパは、例えば吸引グリッパでよく、これも前述の出願に開示されている。
【0017】
払出依頼の規模によっては、所定の時点X1で、払出依頼に必要なすべてのパッケージおよびポーションが利用可能であるわけではないことがある。さらに、異なる時点で利用可能な複数の払出依頼を1つのターゲット容器に払い出すべきであることも考えられる。前者の場合に、払出依頼を少なくとも部分的に処理できるようにするために、および後者の場合に、ターゲット容器内で複数の払出依頼をまとめ合わせることを可能にするために、本発明による方法の好ましい実施形態では、払出依頼または払出依頼の一部の取出し作業後に、ターゲット容器は操作デバイスによって保管エリアに移動され、ターゲット容器が入庫されることが企図される。
【0018】
ターゲット容器内へのすべてのパッケージおよびポーションの払出後、ピッキングエリアで「新たな」ターゲット容器が必要とされる次の払出依頼の処理が遅延されることを避けるために、方法の好ましい実施形態では、ターゲット容器は、すべてのポーションの払出後に排出エリアに移動され、排出エリアから例えば操作者がターゲット容器を取り出すことができることが企図される。
【0019】
「新たな」ターゲット容器は、例えば操作者がピッキングエリアに送給することができる。ピッキングエリアの手動の装荷が回避され、したがって複数の払出依頼の全自動の処理が可能である本方法の好ましい実施形態では、ターゲット容器は、操作デバイスによって保管エリアから把持され、ピッキングエリアに送給されることが企図される。したがって、本発明による方法のこの実施形態では、空のターゲット容器は、ピッキング装置の保管ユニットに入庫される。
【0020】
保管容器は、例えば操作者がピッキング装置に送給することができる。しかし、好ましい実施形態では、保管容器は、入庫機構によって入庫のために準備され、操作デバイスによって入庫機構から保管エリアに移動されることが企図される。
【0021】
払出依頼を文書化し、パッケージおよびポーションの払出に関する確実性を高めるために、好ましい実施形態では、最初および/または最後のポーションまたはパッケージの送給前に、空のおよび/または完全に充填されたターゲット容器の写真を作成して保存することが企図される。空のターゲット容器の写真に基づいて、払出の開始時にもそのターゲット容器が実際に空であったこと、および払出依頼に対応していないパッケージまたはポーションがターゲット容器内に配置されていなかったことを文書化することができる。パッケージおよびポーションの量に応じて、充填されたターゲット容器の画像に基づいて、場合によっては払出依頼の適正な実施を検証して文書化することができる。
【0022】
さらなる実施形態では、各ポーションおよび各パッケージの送給後、ターゲット容器の写真が作成されて保存されることがさらに企図される。
【0023】
さらなる実施形態では、各ポーションおよび各パッケージの送給前または送給後、ポーションまたはパッケージのコードが検出され、目標コードと比較されることがさらに(追加として)企図される。比較の結果、誤ったパッケージまたは誤ったポーションがターゲット容器に移動されたことが分かった場合、プロセスを停止することができる。コードが「正しい」場合には、例えばこれを保存することができ、払出の終了時に、払出の各パッケージおよび/またはポーションが払出依頼に従ってターゲット容器に移動されたことを確実に示すことができる。コードは、例えばバーコード、RFIDトランスポンダからのコード、またはデータマトリクスコードでよい。
【0024】
実際の「送給」の前、すなわちターゲット容器にポーションが置かれる前の検出は、把持機構によってポーションが把持されている状態で行うことができる。
【0025】
上記の課題は、請求項10に記載のピッキング装置によってさらに解決される。本発明による、ポーションおよびパッケージを払出依頼に基づいてターゲット容器内に払い出すためのピッキング装置は、パッケージ、および複数のポーション用の保管容器のための複数の保管エリアをそれぞれ有する複数の水平な棚板を有する少なくとも1つの棚列と、パッケージおよび保管容器用の配置面、ならびにパッケージおよび保管容器を移動させるための輸送機構を有する、棚列の前で水平および垂直に変位可能な少なくとも1つの操作デバイスと、パッケージおよび保管容器が保管ユニット内に移動され、保管ユニットから、操作デバイスがパッケージおよび保管容器を取り出すことができるようにする、少なくとも1つの入庫機構と、パッケージおよび保管容器を識別するための識別機構と、を備える保管ユニットを含む。
【0026】
さらに、本発明によるピッキング装置は、少なくとも1つのピッキングユニットであって、保管容器用の準備エリアを有する準備ステーションであり、保管容器が操作デバイスの配置面から準備エリアに、および準備エリアから操作デバイスの配置面に可動であるように構成された、準備ステーションと、ターゲット容器用のピッキングエリアを有するピッキングステーションであり、パッケージが操作デバイスによってピッキングエリアにあるターゲット容器に可動であるように構成された、ピッキングステーションと、準備エリアおよびピッキングエリアの上方に配置され、垂直および水平に変位可能なグリッパまたはロボットを有する把持機構と、を備え、把持機構によって、ポーションを、準備エリアにある保管容器からターゲット容器に輸送することができる、少なくとも1つのピッキングユニットを含む。
【0027】
本発明による装置では、ターゲット容器内にパッケージおよびポーションを払い出すために、2種類の「物品」、すなわち一方として「普通の」パッケージ、および他方として、複数のポーションが配置された保管容器とが保管される。パッケージと保管容器とは、通常は直方体形状で構成されており、同じ操作デバイスによって把持して運搬することができるという点で共通している。本発明によるピッキング装置は、例えば上述した従来技術から知られている装置によって本質的に実現することができる保管ユニットに加えて、ポーションがターゲット容器に送給される少なくとも1つのピッキングユニットを含む。このピッキングユニットは、特別に構成された準備ステーションおよびピッキングステーションを含み、準備ステーションは、保管容器が、配置面から準備エリアに、および準備エリアから載置面に可動であるように構成され、ピッキングステーションは、パッケージが操作デバイスによってターゲット容器内に可動であるように構成される。準備ステーションおよびピッキングステーションの設計のこのような特別な様式により、少なくとも1つのピッキングユニットが保管ユニットに統合される、または保管ユニットの外部に配置されることが考えられる。さらに、保管ユニットを内部のピッキングユニットおよび少なくとも1つの外部のピッキングユニットまたは複数の外部のピッキングユニットと組み合わせて、本発明によるピッキング装置とすることも考えられる。
【0028】
保管ユニットがピッキングユニットと組み合わされ、ポーションを含む保管容器が保管ユニットに保管されることによって、パッケージとポーションとをどちらもターゲット容器に払出可能であるピッキング装置を提供することが可能である。
【0029】
既に上述したように、ポーションは、保管容器内の規定の位置に配置することも、保管容器内で整頓せずに(いわばバルク品として)配置することもできる。保管容器内で無秩序の配置でのポーションの把持を可能にするために、本発明によるピッキング装置の好ましい実施形態では、ピッキングユニットは少なくとも1つのカメラを含み、カメラによって、準備エリアにある保管容器の内容物の写真を作成可能であることが企図される。さらにターゲット容器の内容物の写真を任意の時点で作成することができるようにするために、カメラは、カメラによってピッキングエリアにあるターゲット容器の内容物の写真も作成可能であるように配置されるまたは可動であることがさらに企図される。
【0030】
ピッキングユニットが保管ユニット内に配置されるピッキング装置の一実施形態では、通常、保管容器用の準備エリアが水平な棚板の1つによって提供される。そのような場合、操作デバイスを用いて保管容器を棚板または準備エリアに直接置くだけでよい。あるいは、準備エリアを、ピッキング装置内のコンベアベルトまたはローラコンベアの一区域によって提供することもできる。しかし、ピッキングユニットが保管ユニットの外部に配置されている場合、ピッキングユニットが保管容器送給および返却機構を含み、保管容器送給および返却機構によって、保管容器を操作デバイスのアクセス領域から準備ステーションに、および準備ステーションから操作デバイスのアクセス領域に可動であることが企図される。このために、保管容器は、操作デバイスによって保管容器送給および返却機構に置かれ、そこから準備ステーションに移動される。保管容器送給および返却機構は、例えば単純なコンベアベルトとして構成することができる。
【0031】
ピッキングユニットの外部配置の最も単純なケースでは、準備ステーションは、1つの保管容器のみのために設計され、この保管容器のための1つの準備エリアのみを含む。このとき、保管容器は、保管容器送給および返却機構によって準備エリアに直接送給され、そこから(操作デバイスのアクセス領域に)戻される。しかし、これは、取出し作業後すぐに保管容器を保管エリアに戻さなければならないことを必要とし、そうでなければさらなる保管容器を処理することができない。
【0032】
ピッキングユニットが保管ユニットの外部に配置されている場合、本発明によるピッキング装置の好ましい実施形態では、準備ステーションは保管容器輸送機構を含み、保管容器輸送機構によって、保管容器が準備エリアに送給され、保管容器輸送機構は、保管容器用の少なくとも1つの待機エリアが設けられるように構成されることが企図される。そのような場合、送給と返却とは異なる場所で行われるので、保管容器送給および返却機構が送給手段と返却手段とを含むことがさらに企図される。
【0033】
そのような場合、ピッキングユニットは、少なくとも1つの待機エリアおよび準備エリアを含み、ポーションを含む2つの保管容器をピッキングユニットに送給することができる。ポーションを含む保管容器はまず待機エリアに送給され、次いで保管容器が待機エリアから準備エリアに移動される。
【0034】
ピッキングユニットが外部に配置されている場合、上記の理由により、払出依頼の一部または完全な払出依頼の払出後、ターゲット容器を保管ユニットに再び送給して、後で払出依頼を完了すること、またはさらなる払出依頼をターゲット容器に送給することが有利になり得る。これを可能にするために、好ましい実施形態では、ピッキングユニットがターゲット容器返却機構を含み、ターゲット容器返却機構によって、ターゲット容器はピッキングエリアから操作デバイスのアクセス領域に可動であることが企図される。次いで、操作デバイスによってターゲット容器が受け取られ、保管エリアに送給される。
【0035】
ピッキングユニットが外部に配置されている場合、ピッキングユニットはパッケージ送給機構を含み、パッケージ送給機構によって、パッケージが操作デバイスの把持領域からターゲット容器に可動であることがさらに企図される。そのような送給機構は、例えば、単純な傾斜部として構成することができ、傾斜部に操作デバイスがパッケージを送給することができ、傾斜部は、ピッキングエリアにあるターゲット容器の上方で終端する。
【0036】
以下、本発明によるピッキング装置の好ましい実施形態、および本発明による方法の好ましい実施形態を、図面を参照してより詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明によるピッキング装置の第1の実施形態の概略上面図である。
【
図2】本発明によるピッキング装置の第2の実施形態の概略図である。
【
図3】本発明によるピッキング装置の第3の実施形態の概略上面図である。
【
図5】本発明による方法の好ましい実施形態の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明によるピッキング装置1の第1の実施形態を示し、このピッキング装置1は、複数の水平な棚板111をそれぞれ有する2つの平行な棚列を有する保管ユニット100を備え、棚板111は、薬剤パッケージ116および保管容器113用の複数の保管エリア112をそれぞれ有する。2つの棚列の間に通路101が配置されており、通路101内で、水平ガイド102上で操作デバイス120が垂直および水平に可動であり、
図1による概略図では、操作デバイス120用の垂直ガイドは省かれている。
【0039】
左の棚列で見ることができるように、上側の棚板111には、2つの保管容器113、ターゲット容器115、および複数のパッケージ116が、それぞれ保管エリア112に配置されており、保管エリア自体は、棚板に置かれた入れ物に従って決まるか、またはパッケージおよび保管容器が、収容に十分な寸法を有する棚板111上の面に載置される。したがって、棚板ごとの保管エリアの配置、数、およびサイズは固定されておらず、保管される入れ物のタイプ、すなわちパッケージまたは保管容器によって異なる。
【0040】
2つの保管容器113に示されているように、保管容器に収納されるポーション117は、無秩序に(上側の保管容器113)、もしくは整頓せずに配置することができ、または保管容器に設けられた収納部に配置することができ(下側の保管容器に示されるように)、
図1による単に概略的な図では、ポーション用の収納部は省かれている。
【0041】
棚列の前で水平および垂直に変位可能な操作デバイス120は、保管容器およびパッケージ用の載置テーブル121と、把持機構122とを含み、把持機構122によって、パッケージおよび保管容器を保管エリアから載置テーブルに、および載置テーブルから例えば保管エリアに移動させることができる。操作デバイスは、例えばジョーグリッパでよく(例えば、特許文献2参照)、上記特許出願の開示内容は、操作デバイス120の詳細な説明を省くために本出願に組み込まれる。
【0042】
明示的には示されていないが、図示される実施形態では、操作デバイス120は、垂直軸の周りで回転可能でもある。代替実施形態では、操作デバイスは、パッケージおよび保管容器が、棚列に面する一方の端面を越えて載置テーブル上に可動であり、他方の端面を越えて載置テーブルから例えば保管エリアに可動であるように広く構成することができる。
【0043】
本発明によるピッキング装置1は、保管ユニット100に加えて、ピッキングユニット200を含み、ピッキングユニット200は、図示される実施形態では、保管ユニット100に一体化されており、そのために、棚板の正確な配置に応じて、ピッキングユニットの領域内で棚板の省略が必要となり得る。図示される実施形態では、ピッキングユニット200は、保管ユニット100の「右」半分に配置されており、ピッキングユニット200の深さは棚板111の深さに対応している。それにより、ピッキングユニット200の特定の要素は、以下でより詳細に述べるように、棚板の一区域によって実現することができる。
【0044】
図1による実施形態では、ピッキングユニット200は、準備エリア222を有する準備ステーション220を含み、準備エリア222は、図示される実施形態では、棚板111の一区域として実現されている。準備エリア222には、複数のポーション(図示せず)を含む保管容器113’が配置されている。準備ステーション220に加えて、ピッキングエリア232を有するピッキングステーション230が配置され、ピッキングエリア232も、図示される実施形態では、棚板111の一部または一区域として実現される。ピッキングエリア232にはターゲット容器115’が配置されており、ターゲット容器115’にパッケージおよびポーションを払い出すことができる。
【0045】
ポーションを保管容器113’からターゲット容器115’に移送するために、準備エリアおよびピッキングエリアの上方に把持機構260が配置されており、把持機構260は、水平および垂直に変位可能なグリッパ261を含み、グリッパ261によって、ポーションを保管容器113’から取り出してターゲット容器115’に移送することができる。グリッパは、例えば吸引グリッパでよく(例えば、特許文献1参照)、グリッパ261の詳細な説明を省くために上記特許出願の内容を本出願に組み込む。
【0046】
ピッキングユニット200は、図示される実施形態では、排出エリア242を有する排出ステーション240をさらに含み、排出エリア242にターゲット容器115’’が配置されており、その中に、複数のポーション117および複数のパッケージ116が配置されている。保管ユニット100の外壁の破線領域によって示されるように、排出エリア242から、例えば操作者がターゲット容器115’’を取り出すことができる。
【0047】
右の棚列の下側の領域には、保管エリア112’’’にあるターゲット容器115’’’もさらに示されている。ターゲット容器115’’’は、例えば後の時点でさらなるパッケージおよび/またはポーションをターゲット容器115’’’にピッキングするために、操作デバイス120によってピッキングエリアから保管エリア112’’’に移動されている。
【0048】
図2は、本発明によるピッキング装置1の第2の実施形態を示す。この実施形態では、ピッキングユニット200は、保管ユニットの「外部」に配置されている。ピッキングユニット200を外部に配置することにより、準備ステーション220およびピッキングステーション230が操作デバイス120のアクセス領域の外部に配置されるので、操作デバイス120は、保管容器(および場合によってはターゲット容器)を準備ステーション220およびピッキングステーション230の対応するエリアに直接移動させることができなくなる。
【0049】
したがって、この実施形態では、ピッキングユニット200は、保管容器送給および返却機構270を含み、保管容器送給および返却機構270によって、保管容器は、矢印P1で示されるように、操作デバイスのアクセス領域274から準備ステーション220の準備エリア222に、および準備エリアから操作デバイスのアクセス領域274に可動である。この保管容器送給および返却機構270は、図示される実施形態では、例えば単純なコンベアベルトでよい。このとき、準備エリア222は、保管容器送給および返却機構270の一区域によって実現または形成される。
【0050】
図示される実施形態では、ピッキング装置は、ターゲット容器返却機構250をさらに含み、ターゲット容器返却機構250により、ターゲット容器115’は、ピッキングエリア232から操作デバイスのアクセス領域254に可動である。代替実施形態(ターゲット容器115’の入庫または一時保管が必要ない)では、ターゲット容器返却機構250を省くことができ、例えば操作者が、完全に満たされたターゲット容器115’を取り出すことができる。
【0051】
図示される実施形態では、ピッキングユニット200は、パッケージ送給機構280をさらに含み、パッケージ送給機構280により、矢印P2で示されるように、操作デバイスによってパッケージ116’をターゲット容器115’に可動である。最も単純な場合には、パッケージ送給機構280は、ターゲット容器115’の上方で終端する傾斜部でよい。
【0052】
図3は、第3の好ましい実施形態を示し、この実施形態では、ピッキングユニット200は、同様に保管ユニット100の外部に示されている。以下では、繰り返しを避けるため、第2の実施形態との相違点のみを述べる。この実施形態では、準備ステーション220は保管容器輸送機構221(
図4も参照)を含み、保管容器輸送機構221によって、保管容器が準備エリア222に送給され、保管容器輸送機構221は、保管容器用の少なくとも1つの待機エリア223が設けられるように構成される。したがって、保管容器輸送機構は、現在の払出依頼のパッケージの処理を中断する必要なく、ピッキングユニットでの処理のために複数の保管容器を準備することが可能である。代替実施形態では、複数の待機エリア223を設けることもできる。保管容器輸送機構221は、例えばコンベアベルトとして設計することができ、保管容器送給および返却機構270と協働して、保管容器の受取りおよび転送を行う。
【0053】
少なくとも1つの待機エリア223の提供により、待機エリアにある保管容器が、保管容器輸送機構によるターゲット容器の返却輸送を少なくとも潜在的に妨げるので、保管容器の送給と返却とが別々の場所で行われなければならない。したがって、この実施形態では、保管容器送給および返却機構270は、送給手段272と返却手段273とを含む。送給手段272により、保管容器は、準備ステーションの操作デバイスのアクセス領域(すなわち準備ステーションの保管容器輸送機構221の一区域)から送給され(矢印P1’参照)、返却手段273により、保管容器は、ポーションの取出し後に操作デバイスのアクセス領域に移動される(矢印P1’’参照)。
【0054】
図4は、
図3による実施形態の概略側面図を示し、保管ユニット100の左側の区域では、保管ユニットのハウジング3の一部が省かれている。この左側の区域では、2つの棚板111の下に、パッケージ116および保管容器113を保管ユニット100に移動させるための入庫機構130と、操作デバイス120のアクセス領域とを見ることができ、操作デバイス120は、保管容器およびパッケージを、例えばコンベアベルトとして構成することができるコンベア機構から取り出して、保管エリアに移動させる。入庫機構130の上方に、パッケージ116および場合によっては保管容器113を識別するための識別機構140が配置されている。保管ユニット100の底部には制御機構2もさらに示されており、保管ユニットおよびピッキングユニットの制御対象の部品が制御機構2と結合されている。制御ユニットを使用して、払出依頼を分析し、保管エリアを決定することもできる。
【0055】
図4による実施形態では、把持機構260のグリッパ261にカメラ263が配置されており、カメラ263によって、ターゲット容器の写真を作成することができ、写真は、その後、例えば制御ユニットに保存され、場合によっては評価される(例えば、把持対象のポーションおよびその正確な位置を決定するために)。
【0056】
図4では、ピッキング装置のハウジング3が、保管容器送給および返却機構の送給手段および返却手段用の2つの開口部271と、ターゲット容器返却機構用の開口部251とを含むことをさらに見ることができる。ターゲット容器115’の上方には、ハウジングに、パッケージ送給機構用の開口部281もさらに設けられている。
【0057】
図4では、保管容器輸送機構221も見ることができ、保管容器輸送機構221によって、保管容器が準備エリア222に送給され、保管容器輸送機構221は、この実施形態では保管容器用の待機エリアを含む。保管容器輸送機構221を備えた準備ステーション220に加えて、ピッキングステーション230および排出ステーション240もさらに見ることができる。これらも、ピッキングユニット200の正確な構成に応じて輸送機構231および241を含むことができ、ターゲット容器をピッキングエリアから排出エリアにアクティブに移動させる。
【0058】
図5に基づいて、「内部にある」ピッキングユニット200を備える
図1による実施形態を参照して、本発明による方法の好ましい実施形態を述べる。ステップ300で、制御機構2によって、まず払出依頼ZAが受信されて分析され、ピッキングユニット1の保管ユニット100内のパッケージ116およびポーション117の種類および数量ならびに保管エリア112が決定される。通常、まずステップ500に従って、払出依頼のポーションに割り当てられた保管容器113が操作デバイスによって把持され、準備エリア222に送給され、すなわちこの場合には操作デバイスによって準備エリア222に降ろされる。その後、操作デバイスを使用して、必要な回数だけステップ400を実行することができ、すなわち、払出依頼のパッケージを把持し、ターゲット容器に送給することができる。それと並行して、ステップ510で、保管容器内のポーション117がグリッパ261によって把持され、ステップ520で、グリッパがターゲット容器の上方に移動され(使用者または操作デバイスによって事前にピッキングエリアに移動されている)、ポーションがターゲット容器に載置される、または落とされる。「処理中」状態のポーション(すなわち準備エリアに配置されているポーション)の数に応じて、前述した2つのステップが必要な回数だけ繰り返される(これは、520と510の間の矢印によって示されている)。すべてのポーションが移送されると、ステップ530で、保管容器が準備エリアで操作デバイスによって把持され(準備エリアは操作デバイスのアクセス領域内にある)、保管エリアに送給される。すべてのポーションがターゲット容器115’内に載置されるまで前述のステップ500~530が繰り返される。その後、ステップ600で、操作デバイスによって、ターゲット容器115’が排出エリア242に移動される。あるいは、これは、コンベアベルトなどのコンベア機構を用いて行うこともできる。
【国際調査報告】