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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】医療用安全針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/158 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
A61M5/158 500T
A61M5/158 500F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533275
(86)(22)【出願日】2022-12-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2022000678
(87)【国際公開番号】W WO2023099955
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】2112968
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524211249
【氏名又は名称】デザイン 33 インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DESIGN 33 INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100190414
【弁理士】
【氏名又は名称】芹澤 友之
(72)【発明者】
【氏名】フォーバー、サイモン、ジョン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF04
4C066KK04
4C066LL17
(57)【要約】
医療用針(14)と、ベースプレート(10)と、を備える医療用安全針アセンブリ(1)であって、前記医療用針(14)は、遠位端と、近位端と、前記遠位端と前記近位端との間に延びる軸と、を有し、前記針は、その遠位端に先端を有し、前記針の近位端は、接続ハブを備えたチューブ(15)に接続され、前記接続ハブは、前記チューブ(15)を注射器に接続するためのものであって、当該接続は、引張荷重に耐えることが可能であり、前記針(14)は、前記ベースプレート(10)を貫通して摺動可能に延び、前記針(14)は、前記針先端が前記ベースプレート(10)から遠位方向に延びる挿入位置と、前記針先端が前記ベースプレートの空洞内の位置にある格納位置と、を有し、前記針は、前記ベースプレート(10)の近位側において第1の取付要素を備え、前記接続ハブは、第2の取付要素(31)を備え、前記第2の取付要素(31)は、前記ベースプレート(10)を通して前記針(14)を前記格納位置に引き込むために、前記第1の取付要素と係合可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用針(14)と、
ベースプレート(10)と、
を備える医療用安全針アセンブリ(1)であって、
前記医療用針(14)は、遠位端と、近位端と、前記遠位端と前記近位端との間に延びる軸と、を有し、
前記針は、その遠位端に先端を有し、
前記針の近位端は、接続ハブ(17)を備えたチューブ(15)に接続され、
前記接続ハブは、前記チューブ(15)を注射器に接続するためのものであって、
当該接続は、引張荷重に耐えることが可能であり、
前記針(14)は、前記ベースプレート(10)を貫通して摺動可能に延び、
前記針(14)は、前記針先が前記ベースプレート(10)から遠位方向に延びる挿入位置と、前記針先が前記ベースプレートの空洞内の位置にある格納位置と、を有し、
前記針は、前記ベースプレート(10)の近位側において第1の取付要素(32)を備え、
前記接続ハブ(17)は、第2の取付要素(31)を備え、
前記第2の取付要素(31)は、前記ベースプレート(10)を通して前記針(14)を前記格納位置に引き込むために、前記第1の取付要素(32)と係合可能である、
医療用安全針アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記第1の取付要素は、穴(32)である、
請求項1に記載の安全針アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の取付要素は、フック(31)である、
請求項1または2に記載の安全針アセンブリ。
【請求項4】
ハンドル(13)が、前記ベースプレート(10)の近位側において前記針軸に取り付けられている、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項5】
前記ハンドル(13)は、前記第1の取付要素、特にアイとしての開口部(32)を備える、
請求項4に記載の安全針アセンブリ。
【請求項6】
前記針軸は、前記ベースプレートの近位部で80°~90°の屈曲部を有する、
請求項1から5のうちいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項7】
前記ハンドル(13)は、前記屈曲部の近くに取り付けられている、
請求項4から6のうちいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項8】
前記ハンドル(13)又はその一部は、前記ベースプレート(10)に対して平行な位置と、前記ベースプレートに対して垂直な位置との間で移動可能である、
請求項4から7のうちいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項9】
前記ハンドル(13)は、独立して可動する2つの部品から構成されている、
請求項4から8のうちいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【請求項10】
前記ハンドル(13)の2つの部品は、前記ベースプレート(10)に平行な位置において反対方向に延びている、
請求項9に記載の安全針アセンブリ。
【請求項11】
前記2つの部品は、前記垂直位置にあるときに単一のハンドルを形成する、
請求項9または10に記載の安全針アセンブリ。
【請求項12】
前記ハンドルの2つの部品は、前記垂直位置において互いに係合する、
請求項9から11のうちいずれか一項に記載の安全針アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用安全針アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み型血管アクセスシステムは、患者の体内への治療薬の反復注射を容易にするために、医療分野で広く使用されている。血管アクセスシステムは一般に、カテーテルに取り付けられる血管アクセスポートで構成される。血管アクセスポートは一般に、上面にエラストマーセプタム(septum)が露出したハウジングから構成される。エラストマーセプタムの下には、針の先端がエラストマーセプタムを通過する際にアクセス可能なリザーバが存在する。血管アクセスポートは、リザーバから延びる管状の細長い部材を有し、カテーテルの装着を可能にしている。
【0003】
血管アクセスシステムは患者の体内に留置される。カテーテルの遠位先端は、治療薬が届けられる所定の位置、一般的には上大静脈のすぐ先の右心房の入り口に配置される。血管アクセスシステムが埋め込まれると、医療従事者は、皮膚及びエラストマーセプタムを通じて、リザーバ空間に針の先端を挿入し、治療薬を投与することができる。皮膚から伸びる針の高さを最小限にするため、針は患者の皮膚から最小限の高さになるように約90°曲げられている。針の先端には、針の原理的な斜面に近い曲がりがある。この曲がりは、一旦形成されると、カニューレの曲がっていない部分の軸とほぼ平行になるようになっている。このタイプの針先に対して一般的に受け入れられている用語は、ヒューバー(Huber)針先である。このコンセプトの針をエラストマーセプタムに押し通すと、セプタムにちょうどスリットが形成される。針が抜去されるとき、スリット面が接触して復元し、セプタムの半径方向の圧縮とエラストマー材料の固有特性とにより密封が維持される。通常の皮下注射針をエラストマーセプタムに刺入した場合、針がセプタムから小片を抜き取る危険性が高まる。これにより、セプタムを損傷させ、及び/又はカテーテルを閉塞させ又は患者の血管系に放出され得る小片を放出する可能性がある。
【0004】
どのような針型器具でもそうであるように、不注意による針刺しというリスクが存在し、それは一般的に、針を廃棄する前に患者から針を抜いたときに発生する。このリスクは、血管アクセスシステムから抜去されるヒューバー針の場合に特に重大である。理由としては、血管アクセスポートのエラストマーセプタムによって針が半径方向に圧縮されているため、ポートからヒューバー針を取り外す力が大きいためである。また、医療従事者は、一般的に針の出口に近い位置で、反対側の手の指で血管アクセスポートを安定させる必要がある。
【0005】
不注意による針刺しという問題に対処するために、様々な安全装置が設計されている。一つの安全装置は、特許文献1に記載されている。特許文献1は、その近位端で針のセグメント上に配置された針基部を開示している。当該針基部は、可撓性プラスチック材料で作られた2つの略平坦な翼を有し、1つのヒンジが各翼を針基部に連結している。患者から針を抜去する際に、針が患者の皮膚から完全に抜去されるまで、翼を針に隣接した状態に保つ可動部材に抗して翼が撓む。その後、翼が針を取り囲むことで針先が針基部の外側に接触することが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5755694号明細書
【特許文献2】米国特許第7927317号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
血管アクセスポートで使用する針器具は、針刺しリスクを軽減するために、多くの進歩がなされてきた。さらに、もう一つの潜在的な問題がある。針がセプタムに挿入されるとき、針は、エラストマーセプタムの下に広がる針とその中の液体の体積に相当する体積を占める。針が血管アクセスポートから抜去されると、この針とその中の液体の体積は交換されることなく除去されるため、同等の体積の静脈血がカテーテルの遠位端に引き込まれる。この血液の浸入は、カテーテル先端部での血栓形成を引き起こすか、またはその一因となる可能性があり、カテーテル内を流れる液体の流れを阻害する可能性がある。このリスクは、カテーテルの内径に依存しており、カテーテルの内径が大きいと、引き戻される血液の等価量が短い血柱に相当するのに対し、カテーテルの内径が小さいと、等価量がかなり長くなり、血栓形成の可能性が高まる。このようなことが起こると、血管アクセスポートとカテーテルを早期に抜去することになりかねない。このような早期の抜去は、費用、侵襲性、時間がかかるため全く望ましくない。
【0008】
この問題の解決策の一つが、積極的なフラッシング技術の導入である。この技術は、医師がヒューバー針のハブに注射器を挿入し、ヘパリン化生理食塩水をポートに注入すると同時に、針を引き抜くというものである。その効果は、注入された液量が、リザーバとポートから抜去される針の体積を補うことである。しかし、この技術は非常に面倒で複雑であり、多くの場合、多くの安全装置では両手で操作する必要があるため、一人の医療従事者では行うことができない。一人の医療従事者による積極的な洗浄を可能にするそのような装置の1つが、特許文献2に記載されている。特許文献2では、2つの部分からなる折り畳み可能な針カバーを備えた針が開示されている。針が患者内にあるとき、2つの部分のカバーは折り畳まれている。針を抜去するには、医療従事者はカバーを垂直位置に持ち上げ、親指をカバーの固定部分の上部に置く。次に、人差し指と中指をカバーの可動部に延びるフランジに置く。この位置で、医療従事者はカバーの可動部分を引き上げ、それによって針を引き上げ、カバーの固定部分に引き込む。この操作に必要なのは片手だけなので、1本目の手が針を抜去するときに、2本目の手で注射器を通して液体をゆっくりと注入することができる。
【0009】
本技術は効果的であるものの、この装置は面倒で、いくつかの重大な欠点がある。まず、カバーと機構のサイズが非常に大きい。装置が皮膚より上に大きくなるに連れて、針が不注意に当たって患者から外れる危険性が高くなる。また、装置が患者の皮膚よりかなり上まで伸びていることは、外観上好ましくない。さらに、器具を取り外す際、器具の接触パッドの大きさが限られていることや針を取り外すのに必要な力が非常に不快となり得る。
【0010】
従って、本発明の目的は、取り外しが容易であると共に、針の抜去中に一人で積極的なフラッシングを行う可能性を提供する医療用針アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、遠位端と、近位端と、遠位端と近位端との間に延びる軸(stem)とを有する医療用針を備えた医療用安全針アセンブリによって達成される。針は、その遠位端に先端を有し、針の近位端は、チューブを注射器に接続するための接続ハブを備えたチューブに接続される。当該接続は、引張荷重に耐えることが可能となる。アセンブリは、ベースプレートをさらに備える。針は、ベースプレートを貫通して摺動可能に延び、針先端がベースプレートから遠位方向に延びる挿入位置と、針先端がベースプレートの空洞内の位置にある格納位置とを有する。
【0012】
本発明の医療用針アセンブリでは、針がベースプレートの近位側において第1の取付要素を備え、接続ハブは、第2の取付要素を備え、第2の取付要素は、ベースプレートを通して針をその格納位置に引き込むために、第1の取付要素と係合可能である。
【0013】
針の第1の取付要素は特に穴であり、接続ハブの第2の取付要素は針の穴と係合するフックであってもよい。このように、針は挿入位置から格納位置内に引き戻されてもよい。しかし、第1および第2の取付要素は、接続ハブに加えられた力が針に伝達されて針を挿入位置から格納位置に戻すような方法で互いに係合するものであればどのようなものでもよい。特に、所定のフォームロック接続又はフォースロック接続が用いられてもよい。
【0014】
針が挿入位置にあるとき、ベースプレートの遠位側は患者の皮膚と接触し、針先端は例えば血管アクセスシステムに挿入される。輸液ポンプのような他の適切な装置又は注射器がアセンブリの接続ハブに接続されると、液体が血管アクセスシステムに注入されてもよい。
【0015】
チューブ、特に可撓性チューブは、針の近位端と接続ハブとの間に取り付けられ、針の先端から接続ハブまでの連続的な流体経路を形成する。
【0016】
接続ハブは、剛体部の長さを貫通して延びる中央内腔を有する剛体部であってもよい。
【0017】
接続ハブが提供する接続可能性は、引張荷重に耐えるものでなければならない。この目的のために、コネクタの内腔の一端において、内部形状、外部形状および寸法は、例えば、ルアー(Luer)コネクタのISO規格(ISO80369-7)に適合してもよい。このような場合、対応するルアーコネクタを備えた標準的な注射器は接続ハブに接続されてもよく、当該接続はコネクタの内腔方向の引張荷重に耐える。
【0018】
他端は、チューブを接着できるような寸法になっている。
【0019】
接続ハブは、好ましくは、部品本体からの1以上の半径方向突出部を有してもよい。当該突出部は、接続ハブを別のコネクタ、好ましくはルアーコネクタに取り付けるのに必要なトルクを加えるのに役立つ。
【0020】
接続ハブの第2の取付要素、例えばフックは、針の第1の取付要素、例えば穴(eye)と係合可能でなければならず、両部品は医療従事者によって接続され得る。注射針を抜去するために、注射器が接続ハブに接続され、第2の取付要素が注射器とともに第1の取付要素に取り付けられてもよい。次に、医療従事者は、一方の手でベースプレートを患者の皮膚に押さえつけ、他方の手で注射器を上方に引っ張ることで、患者から注射針を抜去することができる。同時に、医療従事者は注射器に軽く圧力をかけることで、注射針から血管アクセスポートまたは他の装置に液体が挿入されるようにしてもよい。本手法による針の抜去では、埋め込み装置への血液の逆流が発生せず、細い血管アクセスシステムのチューブに血液が引き込まれないように、積極的にフラッシングされる。
【0021】
好ましくは、ハンドルが、ベースプレートの近位側で針軸に取り付けられてもよい。このようなハンドルは、医療従事者が針を患者の体内に導入するのに役立つ。特に、ハンドルは、フック用の穴を形成する開口部等の第1の取付要素を備えてもよい。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、針軸は、ベースプレート上方の近位部で80°~90°の屈曲部を有してもよい。当該屈曲部は、針が挿入位置にあるときにベースプレートに近接するように配置されるため、アセンブリが低背化し、患者の皮膚の上方に大きく延びない。
【0023】
針を垂直に挿入且つ抜去することを確実にするため、ハンドルは有利には針の屈曲部の近くに取り付けることができる。
【0024】
ハンドルは、ベースプレートと平行な位置とベースプレートに対して垂直な位置との間で移動可能であってもよい。これにより、針を挿入する際には針の遠位方向に圧力を加えることができ、注射器を引っ張って針を抜去する際には針軸に近い張力を加えることができる。
【0025】
本発明の一実施形態において、ハンドルは、例えば2つの翼の形で、独立して可動する2つの部品から構成されてもよい。ハンドルの2つの部品は、ベースプレートと平行な位置で反対方向に延びてもよい。両部品は、垂直位置にあるときに単一のハンドルを形成してもよい。好ましくは、両部品は、例えば相互連結および解放可能なクリップ等の適切な連結要素によって垂直位置において互いに係合してもよい。
【0026】
本アセンブリは、好ましくは、針先がベースプレート内部の空洞から出るのを防止する安全機構を備えてもよい。このような機構は、当該技術分野において周知であり、本発明の対象ではない。
【0027】
以下、添付の図を用いて、本発明の様々な実施形態に関して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】針挿入位置における本発明の一実施形態の等角図である。
図2】チューブと接続ハブを取り除いた状態で針を挿入した後の図1の実施形態のベースプレートと針の等角図である。
図3】低背化を実現するためにハンドルを折り畳んだ状態で、針挿入位置での図2の実施形態を示す。
図4】針格納位置における図3のベースプレートと針の等角図である。
図5】積極的なフラッシングによる針の取り外しに備えた、針挿入位置における前図の本発明の実施形態の等角図である。
図6】針格納位置における図5のアセンブリの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
用語「備えた(comprises)」および/または「備える(comprising)」が本明細書で使用される場合において、当該用語は、記載された特徴、ステップ、操作、要素および/または構成要素の存在を特定するものであるが、1以上の他の特徴、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことを更に理解されたい。
【0030】
図1は、針挿入位置における本発明に係る医療用安全針アセンブリ1の一実施形態の等角図である。本アセンブリは、ベースプレート10と、2つの部分からなるハンドル13と、針14と、チューブ15と、接続ハブ17とを備える。また、クランプ16がチューブ15上に配置されてもよい。ハンドル13は、図示のベースプレート10に平行な位置と、ベースプレートに対して垂直な位置との間で移動可能な2つの部分を備える。ハンドル13の2つの部品はそれぞれ開口部32を有する。開口部32は、ハンドル部品の垂直位置において穴(eye)を形成する。このように、接続ハブ17のフック31が開口部32に係合可能となる。
【0031】
図2は、針14が針挿入位置に位置した状態でのベースプレート10の近接等角図である。患者に針14を挿入するために、ハンドル13の2つの翼状部分は、ベースプレート10に対して実質的に垂直な位置に折り畳まれており、皮膚を通して血管アクセスシステムのリザーバ内に針を下に押し込むための安定性を医療従事者に与える。
【0032】
針の挿入後では、図3に示すように、翼が折り畳まれることで低背化することができる。
【0033】
図4は、図3に示した要素の等角図であって、針格納位置における等角図である。この位置を達成するために、医療従事者は片手の2本の指を使ってベースプレート10のカバーを押し、ベースプレートを患者の皮膚に接触させた状態に維持する。ハンドル13の2つの翼状部分は、ベースプレート10に対して実質的に垂直な位置に折り畳まれ、医療従事者は、針の先端がベースプレート内の空洞に収まるまで、反対の手の2本の指を使ってハンドル13を垂直に引き上げる。安全機構は、針がベースプレート内の空洞から、さらに上方若しくは下方のいずれかの方向に出るのを防止する。本機構は、本発明の一部ではなく、適切な解決手段は本技術分野で周知のものである。
【0034】
図5は、針を取り外す際の積極的なフラッシングを可能にする針挿入位置での前図に係る医療用安全針アセンブリの等角図である。図示の構成では、接続ハブ17は、一般にヘパリン化生理食塩水などの流体を含む注射器30に最初に取り付けられる。医療従事者は、ハンドル13の2つの可動部分をベースプレート10に対して垂直な位置に折り畳む。このように、2つの開口部32に穴(eye)が形成される。
【0035】
次に、医療従事者は、接続ハブ17のフック31をハンドル13の穴に挿入する。医療従事者は、一方の手の2本の指を使ってベースプレートアセンブリ10を患者の皮膚に接触させた状態に維持する。医療従事者は、反対側の手で標準的な方法で注射器30を持ち、親指をピストン35に置きつつ、人差し指と中指を注射器のフランジ33の下に置く。次に、医療従事者は、フランジ33の下にある2本の指で注射器30を引き上げることができ、これによりハンドル13と針14が引き上げられる。同時に、針14が抜去される際にピストン35にわずかな圧力を加えることができ、抜去の際に積極的なフラッシングを行うことが可能となる。医療従事者によっては、この積極的なフラッシング技術を使用することも、積極的なフラッシングを使用せず、反対側の手でハンドル13の針を直接引き上げることもできることは明らかである。
【0036】
図6は、図4に対応する等角図であるが、針14の格納後に針先端がベースプレート10内の空洞に封入された針除去位置における等角図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】