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特表2024-545457バックアップパッド、システム、及びその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】バックアップパッド、システム、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 27/00 20060101AFI20241129BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20241129BHJP
   B24B 19/26 20060101ALI20241129BHJP
   B24D 9/08 20060101ALI20241129BHJP
   B24D 11/00 20060101ALI20241129BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
B24B27/00 A
B24B55/02 Z
B24B19/26 Z
B24D9/08 C
B24D11/00 P
B24D9/08 B
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533800
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-06-05
(86)【国際出願番号】 IB2022061609
(87)【国際公開番号】W WO2023105355
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/264,988
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ニーナバー,アーロン ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】オーランド,マーク ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘムス,ブレット アール.
(72)【発明者】
【氏名】ドン,シン
(72)【発明者】
【氏名】アーサー,ジョナサン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーブスト,ネイサン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】サンダーズ ジュニア,ルーファス シー.
【テーマコード(参考)】
3C047
3C049
3C063
3C158
3C707
【Fターム(参考)】
3C047FF09
3C049AA04
3C049AA06
3C049AA11
3C049AA14
3C049AA16
3C049AC01
3C049AC02
3C049AC04
3C049BA06
3C049BB02
3C049BC02
3C049CB03
3C063AA02
3C063AA06
3C063AB05
3C063AB07
3C063BA02
3C063BE04
3C063BH12
3C063FF17
3C158AA04
3C158AA06
3C158AA11
3C158AA14
3C158AA16
3C158AC01
3C158AC02
3C158AC04
3C158BA06
3C158BB02
3C158BC02
3C158CB03
3C707AS12
3C707AS23
3C707BS10
3C707LU06
(57)【要約】
ロボットアームに結合されたロボットツールを含むロボット研磨システム。ロボットアームは、ロボットツールをワークピースに関して研磨位置に移動させるように構成されている。システムはまた、ロボットツールに結合されたバックアップパッドを含む。システムはまた、バックアップツールに結合された研磨パッドを含む。バックアップパッド又は研磨パッドは、連続的な研磨作業中にバックアップパッド内の蓄熱を受動的に低減する蓄熱低減機構を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット研磨システムのためのバックアップパッドであって、
前記ロボット研磨システムのロボットツールと相互作用するように構成されたツールインタフェース部と、
前記ツールインタフェース部の反対側の、研磨物接触側と、
ロボット研磨作業中に前記研磨物接触側に結合された研磨物品内の蓄熱を低減するように構成された受動的熱放散機構と、
を備える、バックアップパッド。
【請求項2】
前記受動的熱放散機構が、前記研磨パッドと接触する熱伝導性材料である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記受動的熱放散機構が空気流特徴を備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記空気流特徴が開口を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記空気流特徴が、前記バックアップパッドの一部を通って延びるチャネルを備える、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記受動的熱放散機構が、前記研磨物接触側に結合された複数のフィンを備える、請求項3~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記空気流特徴が、ロボット研磨作業中に前記研磨物接触側の上をわたって空気を流すように構成された湾曲部分を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記空気流特徴がタービンを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記空気流特徴が、前記バックアップパッド内の、空気が流れることのできる空洞を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ツールインタフェース部が開口を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記研磨物接触側が開口を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記研磨パッドが直径3インチ未満である、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記研磨パッドが直径2.5インチ未満である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記バックアップパッドが、前記ツールに取り外し可能に結合される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記バックアップパッドが追従性材料を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記バックアップパッドが剛性材料を備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記バックアップパッドが可撓性材料を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
ロボット研磨システムのための研磨パッドであって、
第1の側でワーク表面に接触し、第2の側でバックアップパッドに結合するように構成された圧縮性材料を備え、
前記圧縮性材料が前記研磨パッドの直径に関して非対称な形状である、研磨パッド。
【請求項19】
前記研磨パッドが蓄熱低減機構を備える、請求項18に記載の研磨パッド。
【請求項20】
前記研磨パッドが、前記第1の側に関する第1の曲率半径と、前記第2の側に関する第2の曲率半径とを有する、請求項18又は19に記載の研磨パッド。
【請求項21】
前記研磨パッドが、第1の材料を備えるワークピース接触層と、第2の材料を備えるバックアップパッド接触層と、を備え、前記第2の材料が前記第1の材料よりも低密度である、請求項18~20のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項22】
前記研磨パッドが熱伝導性材料を備える、請求項18~21のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項23】
前記熱伝導性材料がアルミニウム又は銅を含む、請求項22に記載の研磨パッド。
【請求項24】
前記研磨パッドが、前記研磨パッドの中心における第1の厚さと、前記バックアップパッドとの境界部の縁部における第2の厚さとを備え、前記第1の厚さが前記第2の厚さの少なくとも2倍である、請求項18~23のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項25】
前記研磨パッドが直径3インチ未満である、請求項18~24のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項26】
前記研磨パッドが直径2.5インチ未満である、請求項25に記載の研磨パッド。
【請求項27】
前記圧縮性材料が開口を備える、請求項18~26のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項28】
前記圧縮性材料が空洞を備える、請求項18~27のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項29】
前記圧縮性材料が、前記研磨パッドの一部を通って延びるチャネルを備える、請求項18~28のいずれか一項に記載の研磨パッド。
【請求項30】
研磨作業中の蓄熱を低減する方法であって、
ワーク表面を、研磨物品であって、バックアップパッドに結合された研磨物品と接触させることと、
前記ワーク表面に当てた前記研磨物品の回転を駆動することであって、前記回転を駆動することによって前記バックアップパッドを通る空気流が誘発される、ことと、を含み、
前記バックアップパッドが、一連の研磨作業を自動的に行うロボットツールに結合されており、前記誘発された空気流が前記研磨物品から熱を放散する、
方法。
【請求項31】
前記研磨物品が研磨パッドである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記バックアップパッドが複数のフィンを備える、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記バックアップパッドが複数のチャネルを備える、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記バックアップパッドが研磨物品接触面上に開口を備える、請求項30~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記バックアップパッドがタービンを備える、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記バックアップパッドが、前記誘発された空気流が通過する内部空洞を備える、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記バックアップパッドが、第1の側でロボットツールに結合し、第2の側で前記研磨物品に結合する、請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
複数の突出部の各々が前記第1の側から前記第2の側まで延びる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記突出部が曲率を有する、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
クリアコート補修は、自動車の相手先商標製品製造(original equipment manufacturing;OEM)部門で自動化されるべき、最終作業のうちの1つである。このプロセスのみならず、研磨材並びに/又はロボット検査及びロボット補修の使用に適している、他の塗装適用(例えば、プライマーサンディング、クリアコート欠陥除去、クリアコート研磨など)を、自動化するための技術が所望されている。
【0002】
塗装欠陥の検出及び補修を自動化するための従来の取り組みとしては、乗物本体上の塗装欠陥を検出及び補修するための、電子撮像の使用を開示している、米国特許出願公開第2003/0139836号で説明されているシステムが挙げられる。このシステムは、乗物の撮像データを、乗物のCADデータと比較照合することにより、各塗装欠陥に関する三次元塗装欠陥座標を作成する。これらの塗装欠陥データ及び塗装欠陥座標は、塗装欠陥のサンディング及び研磨を含めた様々なタスクを実行する、複数の自動ロボットを使用する自動補修に関する補修計画を策定するために使用される。
【発明の概要】
【0003】
ロボットアームに結合されたロボットツールを含むロボット研磨システム。ロボットアームは、ロボットツールをワークピースに関して研磨位置に移動させるように構成されている。システムはまた、ロボットツールに結合されたバックアップパッドを含む。システムはまた、バックアップツールに結合された研磨パッドを含む。バックアップパッド又は研磨パッドは、連続的な研磨作業中にバックアップパッド内の蓄熱を受動的に低減する蓄熱低減機構を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面では、必ずしも正確な縮尺では描かれておらず、異なる図において、同様の数字は同様の構成要素を説明し得る。図面は、本文書で論じられる様々な実施形態を、例示的にではあるが、限定することなく、全般的に示す。
【0005】
図1】本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修システムの概略図である。
【0006】
図2】本発明の実施形態において有用であり得る、塗装補修ロボットの概略図である。
【0007】
図3】手動作業及びロボット駆動作業の後の摩擦研磨パッドを示す。
【0008】
図4A】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システムのための摩擦研磨パッドシステムを示す図である。
図4B】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システムのための摩擦研磨パッドシステムを示す図である。
図4C】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システムのための摩擦研磨パッドシステムを示す図である。
図4D】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システムのための摩擦研磨パッドシステムを示す図である。
図4E】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システムのための摩擦研磨パッドシステムを示す図である。
【0009】
図5A】本明細書の実施形態による、熱放散が改善されたロボット研磨ツールを示す。
図5B】本明細書の実施形態による、熱放散が改善されたロボット研磨ツールを示す。
図5C】本明細書の実施形態による、熱放散が改善されたロボット研磨ツールを示す。
図5D】本明細書の実施形態による、熱放散が改善されたロボット研磨ツールを示す。
図5E】本明細書の実施形態による、熱放散が改善されたロボット研磨ツールを示す。
【0010】
図6A】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システム用の摩擦研磨パッドを示す。
図6B】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システム用の摩擦研磨パッドを示す。
図6C】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システム用の摩擦研磨パッドを示す。
図6D】本明細書の実施形態による、ロボット研磨システム用の摩擦研磨パッドを示す。
【0011】
図7】本明細書に記載の実施形態による、ロボット研磨システムを示す。
【0012】
図8】本発明の一実施形態における、表面を研磨する方法を示す。
【0013】
図9A】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図9B】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図9C】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図9D】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図10A】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図10B】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図10C】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図10D】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
図10E】複数の実施形態においてより詳細に説明される、バックアップパッドシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
撮像技術及び計算システムの近年の進歩によって、生産速度でのクリアコート検査のプロセスが可能になった。具体的には、ステレオ偏向計測は、後続の自動スポット補修を可能にするべく、塗装欠陥及びクリアコート欠陥の画像と位置とを、(座標位置情報及び欠陥分類を提供する)空間情報と共に適切な解像度で提供することが可能である点が、近年示されている。しかしながら、ロボットシステムが人間の補修技術者に取って代わり始めるにつれて、新たな問題が生じている。
【0015】
本明細書で使用する場合、用語「乗物」とは、塗料による塗装又はクリアコートを製造時に少なくとも1回施される、広範囲の移動構造体を包含することを意図している。本明細書における多くの例は自動車に関するものであるが、本明細書において説明される方法及びシステムは、トラック、電車、ボート(モータの有無にかかわらず)、飛行機、ヘリコプターなどにも適用可能であることが明示的に企図される。
【0016】
用語「塗装」とは、本明細書では、仕上げプロセスにおいて適用された、乗物のeコート、フィラー、プライマー、塗料、クリアコートなどの、様々な層のいずれをも広範に指すために使用される。加えて、用語「塗装補修」とは、いずれかの塗装層上又は塗装層内の、あらゆる視覚的アーチファクト(欠陥)の位置を特定して補修することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるシステム及び方法は、標的の塗装補修層としてクリアコートを使用する。しかしながら、提示されるシステム及び方法は、殆ど又は全く変更されることなく、任意の特定の塗装層(eコート、フィラー、プライマー、塗料、クリアコートなど)に適用される。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「欠陥」とは、視覚的審美性の妨げとなる、ワーク表面上の領域を指す。例えば、多くの乗物は、塗装が完了した後、光沢があるか又は金属的な外観となる。「欠陥」は、ワーク表面上の様々な塗装層のうちの1つ以上の内部に閉じ込められた、破片を含み得る。欠陥はまた、塗装内の汚れ、染み又は垂れを含めた余分な塗装、並びに凹みも含み得る。
【0018】
塗装補修は、乗物製造プロセスにおける、最後に残された依然として大部分が手作業であるステップのうちの1つである。歴史的に見て、このことは、十分な自動検査が欠如していることと、補修プロセス自体の自動化が困難であることとの、2つの主要因によるものである。塗装及びクリアコートの補修基準は、その乗物を受託する販売代理店、及び、購入前にその乗物を検査することになる最終的な顧客である、人間の眼によって判断される審美性を巡るものである。
【0019】
図1は、本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修システムの概略図である。システム100は概して、目視検査システム110と、欠陥補修システム120との、2つのユニットを含む。両方のシステムは、モーションコントローラ112、122によってそれぞれ制御することができ、これらのモーションコントローラは、1つ以上のアプリケーションコントローラ150から命令を受信することができる。アプリケーションコントローラは、ユーザインタフェース160から入力を受信する、又はユーザインタフェース160に出力を提供することができる。補修ユニット120は、エンドエフェクタ126と位置合わせすることが可能な、力制御ユニット124を含む。図1に示すように、エンドエフェクタ126は2つのツール128を含み、これらのツールは、共に2021年6月3日に公開された同時係属中の国際公開第2021/105867号及び国際公開第2021/105876号に更に記載されているように、同じツールであっても異なるツールであってもよい。しかしながら、他の配置構成もまた明示的に企図される。
【0020】
図1は、本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修システムの概略図である。システム100は概して、目視検査システム110と、欠陥補修システム120との、2つのユニットを含む。両方のシステムは、モーションコントローラ112、122によってそれぞれ制御することができ、これらのモーションコントローラは、1つ以上のアプリケーションコントローラ150から命令を受信することができる。アプリケーションコントローラは、ユーザインタフェース160から入力を受信する、又はユーザインタフェース160に出力を提供することができる。補修ユニット120は、エンドエフェクタ126と位置合わせすることが可能な、力制御ユニット124を含む。図1に示すように、エンドエフェクタ126は、2つの処理ツール128を含む。しかしながら、他の配置構成もまた明示的に企図される。
【0021】
乗物塗装補修における現行の最新技術は、(例えば、クリアコートにおける鏡面性に匹敵する)望ましい仕上げを維持しつつ、目の細かい研磨材及び/又は研磨システムを使用して、電動ツールの支援の有無にかかわらず、最後まで手作業で欠陥をサンディング/研磨することである。そのような補修を実行する熟練者は、長時間の訓練を活用すると同時に、自身の感覚を利用して、補修の進捗を監視し、適宜に変更を加える。そのような高度な技術は、感知が制限されているロボットによる解決策においては、取得することが困難である。
【0022】
加えて、研磨材料の除去は、圧力駆動プロセスである一方で、多くの工業用マニピュレータは、一般に、位置追跡/制御レジームにおいてネイティブに動作するものであり、位置精度を念頭に置いて最適化されている。その結果、力制御(すなわち、関節トルク及び/又は直交力)が本質的に不得手な、極めて硬直した誤り応答曲線(すなわち、小さい位置ずれが、極めて大きい補正力をもたらすもの)を有する、極度に厳密なシステムがもたらされる。閉ループ力制御手法が、敏感な力/圧力駆動処理にはるかに適している柔軟な(すなわち、硬直していない)変位曲線を提供する、より最近の(かつ、より成功した)力制御式フランジと共に、後者に対処するために(限られた有用性を伴って)使用されてきた。しかしながら、堅牢なプロセス計画/制御の問題が残されており、この研究の焦点となっている。
【0023】
図2は、本発明の実施形態が有用であり得る、ロボット欠陥補修方法を示す。方法200は、ロボット補修システムが、本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態に従って、どのように欠陥を補修するかの概要である。
【0024】
ブロック210において、例えば、図1のアプリケーションコントローラ150などのロボットコントローラから、命令を受信する。コントローラ、ロボット、力制御ユニット、ツール(マウント、モータ、エンドエフェクタ)、運動パターンなどを含む、ロボット補修の様々な構成要素は、その全てがロボットコントローラから命令を受信する。
【0025】
ブロック220において、ロボットモーションコントローラが、ツールに取り付けられた研磨物品を定位置に移動させて、欠陥に係合するように準備する。欠陥位置は、検査システムから知ることができ、そうでなければ、例えばワーク表面のCADファイルに基づいて識別することができる。
【0026】
ブロック230において、研磨物品が欠陥に係合する。欠陥に係合することは、ブロック222に示すように欠陥領域をサンディングすること、又はブロック224に示すように欠陥領域を研磨することを含み得る。
【0027】
ブロック240において、欠陥領域を洗浄する。洗浄は、サンディング又は研磨で使用されたあらゆる流体を拭き取ること、並びに破片を拭き取ることを含み得る。ブロック342に示すように、洗浄ステップの後、ツールは、欠陥に再係合することができる。
【0028】
ブロック250において、補修が十分であるかどうかを判定するために、欠陥領域を検査する。追加の補修が必要とされる場合には、方法200は、矢印260によって示すように、ロボット補修ユニットが新たな命令を受信することを含むことができ、本方法を繰り返すことができる。欠陥補修を検査することは、補修後の画像を取得すること252を含むことができ、その画像は、必要に応じて補修オペレータに提示しても、又は保存してもよい。検査することはまた、ブロック254に示すように、補修を検証することも含むことができ、これは、補修前の画像と補修後の画像とを比較すること、欠陥が人間の眼に視認可能/目立つかどうかを検出すること、又は別の好適な検証技術を含み得る。
【0029】
欠陥補修プロセスを自動化することによって、人間のオペレータによって経験されることのなかった新しい問題がもたらされる。研磨の文脈(方法200のステップ224)は、一例は、ロボット補修ユニットが欠陥を研磨することができる速度に起因する。人間のオペレータは、例えば1日に3つの異なる研磨パッドを使用することがある。しかしながら、補修プロセスが自動化され、1つの研磨パッドを使用して連続して欠陥を研磨した場合、わずか5~10回の欠陥補修作業後に、発泡体が急速な劣化を経験することが分かった。
【0030】
図3は、手動作業及びロボット駆動作業の後の摩擦研磨パッドを示す。3は、人間のオペレータによる使用後の研磨パッド300と、ロボット補修ユニットによる使用後の研磨パッド350と、を示す。研磨パッド350の窪みをより明瞭に示すために、各々の上にボールベアリングが置かれている。研磨パッド300、350は、研磨材料を含浸させた、ロフティ(lofty:かさが高く、弾力がある)な発泡体を含む。人間のオペレータは研磨作業と研磨作業の間に休止するが、これとは対照的に、自動化システムは1つの補修から別の補修への中断を最小限にして継続する。自動化設定では、はるかに速いサイクルタイムで研磨が発生し得るので、人間のオペレータが加えるのと同じ力であってもパッド内に熱が蓄積する。パッドの自動化された急速な使用では、塗装されたパネル表面の標準的な研磨による通常の研磨状況中に研磨パッドが過熱して、パッドの中心が溶融する点にまで熱が蓄積し続けた。そのような変形が存在する場合、パッド350を取り替える必要がある。熱は、パッドの中心において、パッドとバックアップパッドとの境界部に蓄積する。
【0031】
研磨パッド耐用寿命が同様であるか、より良好であるロボット補修ユニットが所望される、迅速な研磨を促進できる研磨システムが所望される。本明細書では、自動研磨補修中に発生した熱を放散するためのシステム及び方法が開示される。図4及び図5は、使用時に研磨パッドの周りの空気を移動させることを容易にする境界部システムを示す。図6A図6Cは、従来の研磨パッドよりも良好に熱を放散する研磨パッド設計を示す。これらの実施形態は、本明細書に記載されるように、組み合わせて使用されても、又は別々に使用されてもよい。
【0032】
図4A図4Eは、本明細書の実施形態による、ロボット研磨システムのための摩擦研磨システムを示す。従来のバックアップパッドの代わりに、図4Aに示される境界部400が、スピンドルアタッチメント402と取り付け面404上の研磨パッドとを使用してツールに結合する。
【0033】
境界部400は、図4Aにフィンとして示される、複数の空気流構成要素410を含む。図4Aには6フィン構成を示すが、これよりも多い、又はこれよりも少ないフィンが存在してもよいことが明確に企図される。システム100などのロボット補修システムは、ワーク表面に当てて研磨パッドを回転させるなど、作業表面に当てた研磨物品を回転させるサーボ制御動力ツールを含み、その境界部400は、アタッチメント402においてツールに結合されているとき、回転するように同様に構成される。境界部400が回転すると、フィン410の中へ、及び周囲に強制的に空気が流される。中心孔420によって、研磨パッドの、以前は熱が蓄積していた表面が露出する。ただし、図には単一の比較的大きな中心孔420が示されているが、複数の小さな孔、スロット、又は他の開口の配置構成を使用して、境界部400を通して研磨パッドに空気流を提供してもよいことが明確に企図される。
【0034】
回転速度又は力などの動作設定に応じて、比較的高い又は比較的低い空気流レベルを提供することが必要になり得る。例えば、液体研磨剤が乾燥するほどに多くの空気流を提供することは望ましくない。したがって、フィン410は、比較的高い空気流を必要とする動作のために設計されたいくつかの実施形態では、曲率、孔、又は空洞などの追加の空気流誘発特徴を有してもよい。図4Aは、7つのフィン410を有する実施形態を示すが、これよりも多い、又はこれよりも少ないフィンを使用してもよいことが企図される。加えて、実施例に示すタービンのような、他の空気流誘発形状も明確に企図される。
【0035】
平坦な構造体430は、研磨パッド又は他の研磨物品に結合するための取り付け面を提供する。ただし、構造体430は、研磨物取り付け側404及びフィン取り付け側(研磨物取り付け側の反対側)の両方で平坦であるように示されているが、特徴又は曲率が存在してもよいことが明確に企図される。例えば、取り付け側404上の溝又は他の非平坦な表面特徴によって、研磨パッドへの空気流が増加し得る。そのような特徴は、中心孔420の代わりに、又はそれに加えて存在してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、図4Bに示すように、境界部400は、中心孔を有する研磨パッド440と組み合わされる。ただし、図4Cの研磨システム450に示すように、中心孔のない従来の研磨パッドを境界部400と共に使用してもよいことが明確に企図される。実際には、ロボットシステムは、従来の研磨パッドを使用しない場合でも中心孔の領域が研磨されないことがないように、ワーク表面を十分に研磨するようにプログラムされる必要があるので、従来の研磨パッドを使用することが好ましい場合もある。
【0037】
境界部400は、熱が蓄積する研磨パッドの露出表面領域に、ロボットツールの回転を使用して空気流を送り込むことによって、研磨パッドの受動的冷却を可能にする。追加の空気導管又は熱交換装置は不要である。標準的な動作設定では、過熱を防止するのに十分な空気流が存在することが分かった。
【0038】
別の境界部設計を、図4D及び図4Eに示す。図4D及び図4Eは、境界部460に結合された研磨パッド440を示す。境界部460は、tooドライブシャフトを受容する開口462を含む。いくつかの実施形態では、カバープレート(図4D又は図4Eには図示せず)が、境界部460とツールとの間に配置される。ツールが回転すると、湾曲部分464、466の周りに空気が強制的に流され、研磨パッド440内に閉じ込められた熱によって暖められた空気を除去することによって熱を放散する。図4D及び図4Eは、複数の湾曲部分464、及び任意選択で第2の複数の湾曲部分466が中心孔462の周りに対称に配置されている実施形態を示す。ただし、他の配置構成もまた明示的に企図される。加えて、図4D及び図4Eは、5つの湾曲部分464が開口462の周囲に等間隔に離間した実施形態を示す。ただし、他の実施形態では、3つ又は4つだけ、あるいは6つ、7つ、8つ、9つ、10個、又はそれ以上など、5つより多くの湾曲部分が存在する。図4D及び図4Eはまた、湾曲部分464、466が半円形である実施形態を示す。ただし、弧、半楕円、直線部分、角をなす部分、又は他の部分などの他の形状も好適であり得ることが明確に企図される。
【0039】
図5A図5Eは、本明細書の実施形態による、熱放散が改善されたロボット研磨ツールを示す。ロボットシステムの人間に優る利点のひとつは、ロボットの方が正確であり得ることであり、これにより、補修面積の最小化が可能になる。従来の研磨パッドは直径が3インチに近いが、図5A図5Bに示す研磨パッドは、それよりも小さくすることができる。直径2.25インチの研磨パッドで試験を行った。
【0040】
図5Aは、ロボットアームで使用されるように設計された研磨システム500を示す。ロボットツール510は、研磨パッド540に結合されたバックアップパッド520に結合する。図4A図4Cに示す実施形態と同様に、システム500のバックアップパッド520と研磨パッド540との間に境界部530が存在する。図5A図5Cは、境界部530をバックアップパッド520とは別個の構成要素として示しているが、いくつかの実施形態では、それらが1つの統合されたユニットであることが明示的に企図される。境界部530は、研磨パッドの内側表面の又はその近くの空気流の供給源を提供する役割を果たす。
【0041】
境界部530は、空気流促進システムの1つの考えられ得る実施形態を示す。境界部530はバックアップパッド520と研磨パッド540との間に間隙をもたらし、それにより空気が研磨パッド540の上をわたって流れることができ、過熱を防止する。境界部530は、任意の好適な形状をとることができるが、動作中に研磨パッド540がシステム500から分離しないように、バックアップパッド520及び研磨パッド540の両方への十分な接着が必要である。例えば、一実施形態では、バックアップパッド520は、研磨パッド540と相互作用する表面上に一連の溝を有し、それが境界部530として機能する。
【0042】
図5Bは、アセンブリ500の分解図を示す。図5Cは、境界部530の単離切断図を示す。図示した実施形態では、境界部530は、複数の開口532から延びる複数のチャネル534を有する円筒である。ただし、境界部530及びチャネル534の他の形状も考えられ得る。図示した実施形態では、チャネル534は境界部530の中心539で収束し、研磨パッド540の熱が蓄積する表面に、すなわち、研磨パッド540のバックアップパッド520に接続する側で研磨パッド540の中心に、空気流が流れるためのチャンバを形成する。図5Cに示す実施形態では、上面536及び下面538は両方とも平坦であり、空洞又は開口を有さない。ただし、例えば、熱が蓄積する領域への空気流を増加させるために、研磨パッド540に結合する下面538上に1つ以上の開口が存在することは、明確に企図される。
【0043】
図5D及び図5Eは、境界部550の別の実施形態を示す。境界部550は、ツール接続側552と研磨物品接続側556とを有する。側552、556は、いくつかの実施形態では、平坦面である。図5Dに示すように、側552又は側556のいずれか又は両方は、動作中に空気流及び熱放散を増加させるために開口554、556を含んでもよい。空気流部材570は、いくつかの実施形態では、表面552から表面558まで延びている。空気流部材570は、直角以外の角度で表面552に結合している。いくつかの実施形態では、空気流部材570は回転対称性を有するが、側552、556に平行な軸に関しては非対称である。
【0044】
図5Eに、境界部550の動作を示す。図5Eに示すように、境界部550を研磨パッドに結合して矢印560で示すように回転させると、空気は経路580に沿って、境界部550を通り、翼型部570の曲率に沿って、研磨パッドの表面に向かって下方に強制的に流される。図5D図5Eに示す実施形態では、側552、556を接続する円筒形表面が、その表面の大部分をなす大きな開口を有する。そのような実施形態では、少なくともいくらかの空気は、円筒形表面内の1つ以上の開口を通るように方向付けられ得る。空気は、研磨パッド表面をわたって通過し、円筒形表面から出るときに、研磨パッドからいくらかの熱を吸収し、研磨パッドにおける蓄熱を低減又は排除する。
【0045】
ただし、いくつかの実施形態では、円筒形表面の開口は、図5D図5Eに示したものよりも小さく、例えば、円筒形表面積の約50%のみ、円筒形表面の約40%のみ、円筒形表面の約30%のみ、円筒形表面の約20%のみ、円筒形表面の約10%のみ、又は更にそれ未満をなすことが明確に企図される。いくつかの実施形態では、円筒形表面は開口を有さない。そのような実施形態では、空気は経路580に沿って強制的に流される。開口は、境界部550を通る空気流を増加させ得る。
【0046】
空気流部材570は、いくつかの実施形態では、境界部550に進入する空気が強制的に経路580に沿って流されるように、中心シャフトから境界部550の縁までの距離と同様の幅を有する。
【0047】
図6A図6Cは、本明細書の実施形態による、ロボット研磨システム用の摩擦研磨パッドを示す。図6A図6Cは、蓄熱を低減するように研磨パッドをどのように設計できるかの、いくつかの例を示す。従来の研磨パッドは多くの場合、図6Aに示すように中心軸に関して対称になるように設計されるが、研磨パッド600は軸610に関して非対称であってもよい。図示するように、曲率半径620は曲率半径630とは異なる。
【0048】
図6B及び図6Cは、以下の実施例で更に詳細に記載するとおりに構築された研磨パッドを示す。研磨パッド650を、研磨作業中の蓄熱を低減するように形成した。バックアップパッド取り付け側670に平行に走る軸652が、最大直径の点で研磨パッドを通過して延びる。研磨パッドの中心に、軸652に垂直に、パッド材料の最も厚い点662がある。取り付け面670の縁部には、パッド材料660の薄い点664がある。例えば、図6B図6Cに示す構築された実施形態では、材料660は、点662で厚さ1インチ、取り付け面670の縁部の点664で厚さ1/4インチである。ただし、研磨領域にわたる厚さの変化は4倍として示されているが、他の変化、例えば、厚さの変化は2倍だけ、又は厚さの変化は3倍だけで十分であり得ることが企図される。
【0049】
図6Dは、複数のチャネル682が部分的又は完全に貫通して延びる研磨パッド680を示す。チャネル682は、物品680の表面の一部として示されているが、それらは、その代わりに、又はそれに加えて、パッド680の内部を通って延びていてもよいことが明確に企図される。
【0050】
図6Dは、開口684で交差するいくつかのチャネル682を示す。ただし、いくつかの実施形態では、チャネル682のいくつかは同一平面上になくてもよく、交差しなくてもよいことが明確に企図される。加えて、チャネルは、チャネル686によって示されるように、研磨パッドを部分的に通って延びていてもよいが、チャネル690によって示されるように、貫通して延びていてもよい。
【0051】
また、蓄熱を低減するために研磨パッドの組成を変更してもよいことも明確に企図されている。例えば、研磨パッドの1つの表面から別の表面への連続した発泡体層660の代わりに、本明細書のいくつかの実施形態では、ロボット工学用途のために、境界部又はバックアップパッドへの取り付け面には低密度発泡体側を使用し、研磨目的には高密度層を使用して、二層の発泡体が使用される。低密度発泡体層は研磨目的には好適でないことがあるが、研磨パッド650の外部から高密度発泡体層の内部に気流を提供するために存在する。
【0052】
同様に、熱が蓄積しやすい領域、例えば軸662と研磨パッド600に結合された境界部又はバックアップパッドとの間の領域を通る、アルミニウム、銅又は別の熱伝導性材料のストランドなどの熱放散材料を研磨パッドに組み込んでもよい。ヒートシンク材料が表面に引っ掻き傷を誘発し得る実施形態では、ヒートシンク材料を、研磨パッド650の、ワーク表面に接触しない体積部までに制限することが好ましい場合がある。熱放散材料は、いくつかの実施形態では、特定の区域に限られなくてもよいが、研磨パッド650の当該体積部を通って延びていてもよい。
【0053】
図7は、本明細書に記載の実施形態による、ロボット研磨システムを示す。ロボット研磨システム700は、固定式若しくは可動式であってもよく、又は固定式若しくは可動式の構成要素を有してもよい。図1図2に関して上述したように、ロボット研磨システムは、研磨すべきワーク表面上の領域に移動するために、視覚システムから入力を受信してもよく、あるいは、例えば、システムコントローラ720の運動コントローラ構成要素722からの命令を受信してもよい。
【0054】
ロボット研磨システム700は、研磨されるワーク表面の近傍内でツール710を移動させるロボットアーム702を含む。ロボットアーム702に結合されているのは力制御ユニット704であり、これは力コントローラ724によって制御されてもよい。
【0055】
ツール710は、スピンドル712、ドライブシャフト、又は他の接続機構を含む。ツール710はまた、他の構成要素714を有してもよい。ツール710は、研磨パッド740にも結合され得るバックアップパッド730に結合する。
【0056】
いくつかの実施形態では、バックアップパッド730は、研磨パッド740に結合する境界特徴732を含む。バックアップパッド730は、力制御ユニットからスピンドルを通して提供される力を境界特徴732を使用して分散させ、研磨パッド740の表面領域にわたって一様な力が加わるようにする。バックアップパッド730はまた、いくつかの実施形態では、バックアップパッド730内で、境界特徴732の上をわたって、又はそれを通して空気を循環させる、空気流特徴734を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、境界特徴は、空気流が研磨パッド740に直接接触できるようにする1つ以上の開口を含む。他の実施形態では、空気流特徴734は、空気が研磨パッド740に直接接触することなく、境界特徴732を通って流れられるようにする。空気流特徴734は、境界特徴732を通るチャネル、境界特徴732内の開口、境界特徴732から延びる、若しくはそれを通って延びるフィン、又は実施例で説明するタービン構造体などの他の空気流誘発構造体を含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、研磨パッド740はロボット研磨のために修正される。ただし、バックアップパッド730が従来のバックアップパッドと共に使用されてもよいことが明確に企図される。また、研磨パッド740が従来のバックアップパッドと共に使用されてもよいことも企図される。研磨パッド740は、ロボット研磨システム700のために選択された形状750を有する。研磨パッド740は、スピンドル712から下方に延びる中心軸に関して対称性752を有してもよいが、研磨パッド740の最大直径に沿った軸に関しては非対称であってもよい。例えば、高さの差が存在してもよく、例えば、研磨パッド740の中心は、バックアップパッド730における研磨パッド740の縁部の厚さの少なくとも2倍の厚さ、又は少なくとも3倍の厚さ、又は更には少なくとも4倍の厚さである。加えて、従来のバックアップパッドでは、研磨パッド側がワーク表面と接するところの曲率半径は研磨パッド側がバックアップパッド境界特徴730と接するところの曲率半径と同じであるが、いくつかの実施形態では、曲率754が変化し得ることが明確に企図される。例えば、第1の曲率半径がバックアップパッド境界部に存在してもよく、第2の曲率半径がワーク表面境界部に存在してもよい。ワーク表面境界部における曲率半径は、境界部730における曲率半径よりも大きくてもよい。形状750はまた、従来の研磨パッドと比較して他の修正758を含んでもよい。
【0058】
研磨パッド740はまた、一実施形態では、従来のバックアップパッドよりも小さいサイズ744を有してもよく、これにより、ワークピースの湾曲した領域、例えば、自動車のボンネット又はトランク上、バックミラー内及びその周囲などの輪郭にわたるより高い操作性が可能になる。研磨パッド740は、直径2.25インチ、又は直径2インチ程度の小ささ、又は直径1.5インチ程度の小ささであってもよい。小さい研磨パッドでは研磨作業を完了するのにかかる時間が長くなり、この理由から手動作業では伝統的に大きい研磨パッドが使用されるが、小さい研磨パッドでは蓄熱が低減され、また、ロボット研磨システム700の操縦性が向上する。
【0059】
いくつかの実施形態では、研磨パッド740は、熱伝達特徴742を含む。熱伝達特徴742は、多層パッド構築物などの、研磨パッド740の材料構築物の一部であってもよい。バックアップパッド730に低密度発泡体層が結合されていてもよく、一方、研磨作業中にワーク表面に高密度発泡体層が接触してもよい。低密度発泡体層は研磨作業に適した密度ではないことがあるが、空気流を提供するのに十分にロフティであり得る。
【0060】
あるいは、又は加えて、熱伝達特徴742は、研磨パッド740の一部を通って延びるアルミニウム又は銅のストランドなどの熱放散構成要素を含んでもよい。例えば、アルミニウム又は銅のストランドは、従来は蓄熱が生じていた体積部を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、熱放散構成要素はワーク表面に接触しないように、研磨パッドの厚さ全体にわたっては延びていない。
【0061】
研磨パッド740は、他の特徴748を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、研磨パッド740は、使用前に研磨材料に含浸される。
【0062】
図8は、本発明の一実施形態における、表面を研磨する方法を示す。方法800は、本明細書に記載の実施形態のいずれか、又は他の好適な実施形態と共に使用されてもよい。
【0063】
ブロック810で、研磨パッドがワーク表面に係合する。研磨パッドは、ロボット研磨システムを使用してワーク表面に方向付けられる。研磨パッドはロボット研磨システムにおける使用に特化して、例えば、比較的小さいサイズと、直径にわたって増加する幅の変化とを有して設計されてもよい。
【0064】
ブロック820で、研磨パッド内から熱が放散される。介入なしでは、ロボット研磨ユニットに結合された従来のバックアップパッドは、バックアップパッドとインターフェイスする側でパッド内に熱の蓄積を経験する。ワーク表面で発生した熱がパッドを透過するため、ワーク表面との接触領域ではなく、そこに熱が蓄積すると考えられる。パッドの外部は、周囲空気への露出によって研磨作業の間に冷却される。しかしながら、熱は、ロボット研磨ユニットが連続研磨作業を円滑に進めることができる速度に追従できるほど十分に速く、内部の体積部から抜け出すことはできない。熱は一般に2つの様式、すなわちブロック822に示すように空気流を誘発することによって、又はブロック824に示すように蓄積ゾーンから熱を伝達することによって放散することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、空気流は、片側でロボットツールに結合され、もう片側で研磨パッドに結合されたバックアップパッドを修正することによって誘発することができる。従来のバックアップパッドは、研磨パッドのバックアップパッド取り付け側の実質的に全領域がバックアップパッドに結合されるように、例えば接着剤を使用して研磨パッドに結合する。これにより、研磨パッドのバックアップパッド側に熱が閉じ込められる。空気流が研磨パッドの上をわたって、又はそれを通って流れることができるようにバックアップパッドを修正することにより、熱を低減することができる。バックアップパッドは、例えば、研磨物取り付け側に、周囲空気が研磨パッドに接触できるようにする1つ以上の開口を有してもよい。バックアップパッドはまた、ツールの回転によってバックアップパッドを通して空気を流動させるように設計された、チャネル、フィン、又は他の特徴などの空気流誘発特徴を含んでもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、空気流を誘発するように研磨パッドを修正することによって、空気流を誘発することもできる。例えば、ほとんどの研磨パッドは両側が実質的に平坦であるが、ロボット研磨システム用の研磨パッドは、ワーク表面接触側が湾曲していてもよく、これにより、湾曲した表面を研磨するための柔軟性が向上し、研磨パッドの全体積が減少し、蓄積し得る熱の量が減少する。同様に、バックアップパッド取り付け側の研磨パッドのロフティ性を増加させることによって空気流を誘発することができる。例えば、多層発泡体研磨パッドは、バックアップパッド取り付け側に低密度発泡体を有し、ワーク表面接触側に高密度発泡体を有してもよい。低密度発泡体は空気流を改善し、密度の高い発泡体はワーク表面に研磨を提供する。
【0067】
熱は、研磨パッドに熱伝達性材料を含めることによっても放散することができる。例えば、アルミニウム、銅又は別の熱伝導性材料が、研磨パッドの発泡材料に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、熱伝導性材料は、熱が蓄積する研磨パッドを通って延びるストランドを含む。
【0068】
方法800は蓄積された熱を低減するためのいくつかの選択肢を提供し、これらは、本明細書に開示される他の選択肢とは独立して、又はそれと併せて使用されてもよい。研磨作業中に研磨剤を乾燥させるほどの空気流又は熱伝達を提供することなく、熱の低減のバランスをとることが重要である。したがって、異なった研磨作業には、研磨パッドとワーク表面との接触時間の長さ、研磨パッドの回転速度、及び加えられる力に応じて、熱放散の選択肢の異なる組み合わせが必要になり得る。
【0069】
研磨作業は、ステップ830で、ワーク表面と接触した研磨パッドをツールが回転させるときに進行する。ブロック832に示すように、研磨剤に含浸され得る研磨パッド自体から、又は研磨剤供給源から、研磨剤が供給されてもよい。ブロック834に示すように、力制御ユニットによって力が提供される。ワーク表面に沿った運動経路、運動経路に沿った迎え角、運動経路に沿った運動速度、並びに研磨中の研磨パッドの回転速度を含め、他のパラメータ838がロボットコントローラによって制御されてもよい。
【0070】
上記で提示された説明及び図は、単なる例として意図されているものであり、添付の請求項に記載されている場合を除き、いかなる方式でも例示的実施形態を限定することを意図するものではない。上述されている様々な例示的実施形態の、様々な要素の様々な技術的態様は、数多くの他の方式で組み合わせることができ、それらの組み合わせの全てが、本開示の範囲内にあると見なされる点に留意されたい。
【0071】
したがって、例示目的のために例示的実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、様々な修正、追加、及び置換が可能である点が理解されるであろう。それゆえ、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、それらの等価物の全範囲と共に、添付の請求項の範囲内で修正することができる。
【0072】
ロボットアームに結合されたロボットツールを含むロボット研磨システム。ロボットアームは、ロボットツールをワークピースに関して研磨位置に移動させるように構成されている。システムはまた、ロボットツールに結合されたバックアップパッドを含む。システムはまた、バックアップツールに結合された研磨パッドを含む。バックアップパッド又は研磨パッドは、連続的な研磨作業中にバックアップパッド内の蓄熱を受動的に低減する蓄熱低減機構を含む。
【0073】
システムは、バックアップパッドが蓄熱低減機構を含むように実施されてもよい。
【0074】
システムは、蓄熱低減機構が、研磨パッドと接触する熱伝導性材料であるように実装されてもよい。
【0075】
システムは、蓄熱低減機構が空気流特徴であるように実施されてもよい。
【0076】
システムは、空気流特徴が開口を含むように実施されてもよい。
【0077】
システムは、空気流特徴が、バックアップパッドの一部を通って延びるチャネルを含むように実施されてもよい。
【0078】
システムは、空気流特徴が湾曲部分を含むように実施されてもよい。
【0079】
システムは、空気流特徴がタービンを含むように実施されてもよい。
【0080】
システムは、空気流特徴が、バックアップパッドの、空気が流れることのできる部分を含むように実施されてもよい。
【0081】
システムは、バックアップパッドが、研磨パッドと接触する表面に開口を含むように実施されてもよい。
【0082】
システムは、研磨パッドが蓄熱低減機構を含むように実施されてもよい。
【0083】
システムは、研磨パッドが、研磨パッドの直径を通って延びる軸に関して非対称であるように実施されてもよい。
【0084】
システムは、研磨パッドがバックアップパッド接触側に関する第1の曲率半径と、ワークピース接触側に関する第2の曲率半径とを有するように実施されてもよい。
【0085】
システムは、研磨パッドが、第1の材料を含むワークピース接触層と、第2の材料を含むバックアップパッド接触層と、を含むように実施されてもよい。第2の材料は第1の材料よりも低密度である。
【0086】
システムは、研磨パッドが熱伝導性材料を含むように実施されてもよい。
【0087】
システムは、熱伝導性材料がアルミニウム又は銅を含むように実施されてもよい。
【0088】
システムは、研磨パッドが、研磨パッドの中心における第1の厚さと、バックアップパッドとの境界部の縁部における第2の厚さとを含むように実施されてもよい。第1の厚さは、第2の厚さの少なくとも2倍である。
【0089】
システムは、研磨パッドが直径3インチ未満であるように実施されてもよい。
【0090】
システムは、研磨パッドが直径2.5インチ未満であるように実施されてもよい。
【0091】
システムは、バックアップパッドがツールに取り外し可能に結合されるように実施されてもよい。
【0092】
システムは、力コントローラを含むように実施されてもよい。
【0093】
システムは、研磨作業中に運動速度、回転ツール速度、迎え角、又は力を調整するコントローラを含むように実施されてもよい。
【0094】
ロボット研磨システムのロボットツールと相互作用するように構成されたツールインタフェース部を含む、ロボット研磨システム用のバックアップパッドが提示される。システムはまた、ツールインタフェース部の反対側に、研磨物接触側を含む。システムはまた、ロボット研磨作業中に研磨物接触側に結合された研磨物品内の蓄熱を低減するように構成された受動的熱放散機構を含む。
【0095】
システムは、受動的熱放散機構が、研磨パッドと接触する熱伝導性材料であるように実施されてもよい。
【0096】
システムは、受動的熱放散機構が空気流特徴を含むように実施されてもよい。
【0097】
システムは、空気流特徴が開口を含むように実施されてもよい。
【0098】
システムは、空気流特徴が、バックアップパッドの一部を通って延びるチャネルを含むように実施されてもよい。
【0099】
システムは、受動的熱放散機構が、研磨物接触側に結合された複数のフィンを含むように実施されてもよい。
【0100】
システムは、空気流特徴が、ロボット研磨作業中に研磨物接触側の上をわたって空気を流すように構成された湾曲部分を含むように実施されてもよい。
【0101】
システムは、空気流特徴がタービンを含むように実施されてもよい。
【0102】
システムは、空気流特徴が、バックアップパッド内の、空気が流れることのできる空洞を含むように実施されてもよい。
【0103】
システムは、ツールインタフェース部が開口を含むように実施されてもよい。
【0104】
システムは、研磨物接触側が開口を含むように実施されてもよい。
【0105】
システムは、研磨パッドが直径3インチ未満であるように実施されてもよい。
【0106】
システムは、研磨パッドが直径2.5インチ未満であるように実施されてもよい。
【0107】
システムは、バックアップパッドがツールに取り外し可能に結合されるように実施されてもよい。
【0108】
システムは、バックアップパッドが追従性(compliant)材料を含むように実施されてもよい。
【0109】
システムは、バックアップパッドが剛性材料を含むように実施されてもよい。
【0110】
システムは、バックアップパッドが可撓性材料を含むように実施されてもよい。
【0111】
第1の側でワーク表面に接触し、第2の側でバックアップパッドに結合するように構成された圧縮性材料を含む、ロボット研磨システムのための研磨パッドが提示される。圧縮性材料は、研磨パッドの直径に関して非対称な形状である。
【0112】
研磨パッドは、蓄熱低減機構を含んでもよい。
【0113】
研磨パッドは、第1の側に関する第1の曲率半径と、第2の側に関する第2の曲率半径とを有してもよい。
【0114】
研磨パッドは、第1の材料を含むワークピース接触層と、第2の材料を含むバックアップパッド接触層と、を含んでもよい。第2の材料は第1の材料よりも低密度である。
【0115】
研磨パッドは、熱伝導性材料を含んでもよい。
【0116】
研磨パッドは、熱伝導性材料がアルミニウム又は銅を含むように実施されてもよい。
【0117】
研磨パッドは、研磨パッドの中心に置ける第1の厚さと、バックアップパッドとの境界部の縁部における第2の厚さとを含んでもよい。第1の厚さは、第2の厚さの少なくとも2倍である。
【0118】
研磨パッドは、直径が3インチ未満であってもよい。
【0119】
研磨パッドは、直径が2.5インチ未満であってもよい。
【0120】
パッドの中心に垂直な軸に関して対称
【0121】
研磨パッドは、圧縮性材料が開口を含むように実施されてもよい。
【0122】
研磨パッドは、圧縮性材料が空洞を含むように実施されてもよい。
【0123】
研磨パッドは、圧縮性材料が、研磨パッドの一部を通って延びるチャネルを含むように実施されてもよい。
【0124】
ワーク表面を研磨物品と接触させることを含む、研磨作業中の蓄熱を低減する方法が提示される。研磨物品は、バックアップパッドに結合されている。方法はまた、ワーク表面に当てた研磨物品の回転を駆動することを含んでもよい。回転を駆動することによってバックアップパッドを通る空気流が誘発される。バックアップパッドは、一連の研磨作業を自動的に行うロボットツールに結合されている。誘発された空気流は、研磨物品から熱を放散する。
【0125】
方法は、研磨物品が研磨パッドであるように実施されてもよい。
【0126】
方法は、バックアップパッドが複数のフィンを含むように実施されてもよい。
【0127】
方法は、バックアップパッドが複数のチャネルを含むように実施されてもよい。
【0128】
方法は、バックアップパッドが研磨物品接触面上に開口を含むように実施されてもよい。
【0129】
方法は、バックアップパッドがタービンを含むように実施されてもよい。
【0130】
方法は、バックアップパッドが、誘発された空気流が通過する内部空洞を含むように実施されてもよい。
【0131】
方法は、バックアップパッドが、第1の側でツールに結合し、第2の側で研磨物品に結合するように実施されてもよい。
【0132】
方法は、複数の突出部の各々が第1の側から第2の側まで延びるように実施されてもよい。
【0133】
方法は、突出部が曲率を有するように実施されてもよい。
【実施例
【0134】
図9図10は、ロボット研磨システムで使用するために構築された、修正されたバックアップパッド及び研磨パッドの例を示す。
実施例1:ロボットシステム用の修正バックアップパッド
【0135】
図9A図9Bは、従来の研磨パッドの表面に空気流を提供するように設計された内部タービンを有するバックアップパッドのSolidWork設計モデルを示す。バックアップパッドを、空気流を考慮してカットした3M製のCommand(商標)Adhesive Stripを使用して、研磨パッドに取り付けた。3Dプリントされたバックアップパッドを示す図9C図9Dに示すように、Command(商標)ストリップの面ファスナーシステムは、試験ツールを研磨パッドに接合するために良好に機能した。
【0136】
図9A図9Dのバックアップパッドは、回転中に空気がバックアップパッドを通って自由に流れることを可能にする開口を、ツール係合側及び研磨パッド係合側の両方に含む。
実施例2:ロボットシステム用の修正研磨パッド
【0137】
図10A図10Bは、図10C図10Eに示す修正研磨パッドを作製するプロセスを示す。図6B図6Cに示す研磨パッドを同様の方法で作製した。研磨ベルトを使用して従来の研磨パッドを研削して、ワーク表面接触側の曲率を増加させた。ワーク表面接触側の直径は、バックアップパッド接触側よりも小さく、それにより、熱を蓄積し得る研磨パッド材料の全体積が低減する。
【0138】
図10Cは、修正研磨パッドの側面図を示す。図示するように、バックアップパッド接触境界部の中心から縁部までにパッドの高さが約1/4に減少する。
【0139】
図10D図10Eは、ロボットアームに取り付けられた修正研磨パッドを示す。修正された研磨パッド設計では、著しく多くの力を加える必要なく迎え角を変化させることができるので、ワーク表面の曲率に対処するための柔軟性が向上する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
【国際調査報告】