(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】固体酸アルキル化触媒及びその製造方法と使用
(51)【国際特許分類】
B01J 29/06 20060101AFI20241129BHJP
C01B 39/04 20060101ALI20241129BHJP
C07C 2/70 20060101ALI20241129BHJP
C07C 15/073 20060101ALI20241129BHJP
C07C 15/085 20060101ALI20241129BHJP
C07C 15/107 20060101ALI20241129BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241129BHJP
【FI】
B01J29/06 Z
C01B39/04
C07C2/70
C07C15/073
C07C15/085
C07C15/107
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534763
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 CN2022138664
(87)【国際公開番号】W WO2024098502
(87)【国際公開日】2024-05-16
(31)【優先権主張番号】202211390303.X
(32)【優先日】2022-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512172224
【氏名又は名称】ペトロチャイナ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PETROCHINA COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.9 Dongzhimen North Street, Dongcheng District, Beijing 100007, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツイ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シン、シーヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ミンハン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シアオホア
(72)【発明者】
【氏名】クオ、チェンユー
(72)【発明者】
【氏名】シエ、イン
(72)【発明者】
【氏名】ユー、ホンユエ
(72)【発明者】
【氏名】チアオ、リャン
(72)【発明者】
【氏名】チー、コーピン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シャン
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G073BA04
4G073BD06
4G073CZ50
4G073FA11
4G073FA17
4G073FB11
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4G073FD08
4G073FD23
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4G073UB38
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4G169ZF01B
4H006AA02
4H006AC23
4H006BA71
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4H006BC10
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4H006BC31
4H006DA15
4H006DA30
4H006DA40
4H006DA50
4H039CA10
4H039CA12
4H039CF10
(57)【要約】
本発明は、固体酸アルキル化触媒及びその製造方法と使用を提供し、該調製方法は、S1:アルミニウム源、水、アルカリ源、テンプレート剤、ケイ素源及び種結晶を混合してゲルを形成し、結晶化反応を行い、MWW構造分子篩を得るステップ(ここで、前記テンプレート剤はモル比が0.5-20:1である主テンプレート剤とサブテンプレート剤からなる)、S2:S1で得られたMWW構造分子篩を焼成してテンプレート剤を除去した後、アンモニウム交換を行い、再度焼成して、H型分子篩を得るステップ、S3:S2で得られたH型分子篩を無機酸化物、硝酸溶液と混合し、混練して成形し、固体酸アルキル化触媒を得るステップ、を含む。本発明は、種結晶と2種のテンプレート剤とを協同して結晶化を補助する方法により、ヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ホモピペラジンを使用せずに直接MWW構造分子篩を合成し、さらに固体酸アルキル化触媒を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1:アルミニウム源、水、アルカリ源、テンプレート剤、ケイ素源及び種結晶を混合してゲルを形成し、結晶化反応を行い、MWW構造分子篩を得るステップ、
S2:S1で得られたMWW構造分子篩を焼成してテンプレート剤を除去した後、アンモニウム交換を行い、再度焼成して、H型分子篩を得るステップ、
S3:S2で得られたH型分子篩を無機酸化物、無機酸溶液と混合し、混練して成形し、乾燥後に焼成し、固体酸アルキル化触媒を得るステップ、
を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法であって、
前記テンプレート剤はモル比が0.5-20:1である主テンプレート剤とサブテンプレート剤からなり、前記主テンプレート剤はシクロヘキシルアミンであり、前記サブテンプレート剤はジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N,N-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミンの少なくとも1種を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項2】
S1のゲルにおいて、SiO
2としてのケイ素源と、Al
2O
3としてのアルミニウム源と、アルカリ金属酸化物としてのアルカリ源と、テンプレート剤とのモル比が、1:0.005-0.05:0.03-0.50:0.1-0.75であり、
乾量基準での種結晶と、SiO
2としてのケイ素源との質量比が0.01-0.25:1である、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項3】
S1において、前記種結晶は、MWWトポロジ構造を有する分子篩である、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項4】
S1において、前記種結晶は、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩又はMCM-49分子篩を含み、好ましくは、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項5】
S1において、前記ケイ素源は、シリカゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、水ガラスの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の調製方法。
【請求項6】
S1において、前記アルカリ源は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項7】
S1において、アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、擬ベーマイトの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項8】
S1において、結晶化反応は、温度が120-170℃であり、反応時間が12-120hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項9】
S2において、2回の焼成はそれぞれ空気雰囲気下で行われ、焼成温度はそれぞれ独立に490-590℃であり、焼成時間はそれぞれ独立に0.5-72hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項10】
S2において、前記アンモニウム交換は硝酸アンモニウム溶液中で行われ、前記硝酸アンモニウム溶液の濃度は0.1-10mol/Lであり、アンモニウム交換温度は30-120℃であり、アンモニウム交換時間は0.5-72hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項11】
S3において、前記H型分子篩と前記無機酸化物との質量比が10-95:5-90である、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項12】
S3において、無機酸化物は、酸化アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイト、水酸化アルミニウムの少なくとも1種を含み、
好ましくは、前記無機酸溶液は、硝酸溶液、リン酸溶液、塩酸、硫酸溶液の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項13】
S3において、焼成が空気雰囲気下で行われ、焼成温度が490-590℃であり、焼成時間が0.5-72hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られる固体酸アルキル化触媒。
【請求項15】
芳香族炭化水素とオレフィンとのアルキル化反応における請求項1から13のいずれか一項に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られる固体酸アルキル化触媒の使用。
【請求項16】
前記芳香族炭化水素はベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アルキルナフタレン、アントラセン、アルキルアントラセンから選択される少なくとも1種であり、好ましくはベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アントラセンの少なくとも1種である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記オレフィンは、炭素数2-20のオレフィンから選択され、好ましくは、炭素数2-15のオレフィンから選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
アルキル化反応条件は、反応温度が100-385℃であり、反応圧力が0.5-7MPaであり、質量空間速度が0.1-12h
-1であることを含む、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
アルキル化反応条件は、反応温度が120-350℃であり、反応圧力が0.5-5MPaであり、質量空間速度0.5-10h
-1であることを含む、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
芳香族炭化水素とオレフィンとの仕込みモル比が0.05-200である、請求項15に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸触媒に関し、特に、固体酸アルキル化触媒及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルキル化は石油化学工業において非常に重要な反応であり、中では、芳香族炭化水素とオレフィンとのアルキル化反応によりアルキル置換芳香族炭化水素を製造することが極めて重要な一種類であり、通常の触媒はL酸触媒及びB酸触媒に分けることができる。L酸触媒は、無水AlCl3を主な代表とし、安価で、触媒活性が高く、技術が成熟するなどの利点を有するが、生産過程において大量のアルミニウム含有廃液の発生が伴ってしまい、副反応が多すぎるため、現在、当該触媒はほとんど市場から淘汰される。B酸触媒は、HF、H2SO4及びH3PO4に代表されるが、長炭素鎖オレフィンの反応が触媒に炭素蓄積による失活を招きやすいため、現在、液体酸の使用は主に長鎖オレフィンのアルキル化反応に集中している(炭素数>8)。一方で、HF、H2SO4の強い腐食性により、設備の材質に対する要求が非常に高く、且つ生産過程においても各種類の廃棄物の排出も伴い、環境コストが非常に高いため、固体酸触媒の開発は十分に必要である。
【0003】
マクロ孔の12員環分子篩は、強いチャンネル内部拡散性能を有し、チャンネルの目詰まりによる触媒の急激な失活の問題を緩和するには突出した効果はあるが、従来の12員環マクロ孔分子篩、例えば、八面体ゼオライト、ベータゼオライトなどは、いずれも大分子によって結晶内部のチャンネルを塞いで失活しやすい。従来技術ではいずれも、異なる種類の12員環マクロ孔分子篩を触媒の主要活性成分として採用し、分子篩を改質することによってその拡散性能をさらに向上させるが、依然として製造コストが煩雑で、腐食性の強いハロゲンを含有する、分子篩の安定性が低下するなどの問題がある。
【0004】
MWW構造分子篩は、非常に典型的な二次元シート状形態を有し、そのシート状構造はいくつかの基礎単層が積み重ねられてなり、主にab軸平面の二次元正弦10員環チャンネルとc軸方向に沿った12員環スーパーケージ構造とセミスーパーケージ構造を含む独特なチャンネル構造も形成される。その10員環のチャンネルの開口サイズは0.41nm×0.51nmであり、スーパーケージ構造の外に分布する。12員環のスーパーケージのサイズは0.71nm×0.71nm×1.82nmであり、10員環を介して周囲のab軸平面の6つの同じスーパーケージに連通する。シート層の表面に分布するセミスーパーケージのサイズは0.71nm×0.71nm×0.8nmであり、その開放された12員開口は、反応物の拡散に非常に有利であり、大分子反応に対して優れた触媒反応性能を有し、アルキル化などの反応過程に広く適用されている。
【0005】
MWW構造分子篩は、基礎単層の積層方式に応じて、複数の品種に細分化されてもよく、中には、主に単層の間が水素結合であるMCM-22(P)分子篩、単層の間が酸素架橋結合であるMCM-49分子篩、層間にコラム支持構造を形成するMCM-36分子篩、層間にランダムに積層されるMCM-56分子篩、単層構造のITQ-2分子篩等が含まれる。中でも、MCM-22(P)分子篩は比較的に特殊であり、層間のシラノール基を焼成し脱水させて酸素架橋結合を形成した後に、MCM-22分子篩(結晶構造がMCM-49分子篩と同じである)を得て、膨潤・コラム支持を経てMCM-36分子篩を製造することができ、膨潤・層剥離を経てITQ-2分子篩を製造することができるため、MCM-22(P)分子篩は良好な改質ポテンシャルを有する。
【0006】
MWW構造分子篩を直接誘導合成するためのテンプレート剤は、一般に、ヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ホモピペラジンを含む。こ中、ヘキサメチレンイミンは最も多く使用されているが、揮発しやすく燃えやすい、毒性が高いという欠点がある。ピペリジンは毒性物質を作りやすい化学品であり入手しにくい。ホモピペラジンは、高価であり、応用が困難である。したがって、安価でグリーンなMWW構造分子篩の合成方法を開発することは非常に重要である。
【0007】
[MCM-22分子篩の合成と応用研究[D].大連.中国科学院大連化学物理研究所.2006.]では、ヘキサメチレンイミンとシクロヘキシルアミンをダブルテンプレート剤としてMCM-22分子篩を合成することを実現し、ヘキサメチレンイミンの使用量を効果的に低減した。CN02145233.4ではペンタメチレンイミン、ヘキサメチレンイミンまたはヘプタメチレンイミンをテンプレート剤とし、母液を循環利用してMCM-22分子篩を合成する方法を開示し、テンプレート剤の使用量を効果的に低減した。CN201310538868.2は、ヘキサメチレンイミン及びシクロヘキシルアミンをダブルテンプレート剤としてMCM-22分子篩を合成する方法を開示している。CN201110216909.7は、酸性化したヘキサメチレンイミンテンプレート剤を利用し、テンプレート剤を還流して利用し、MCM-22族分子篩を合成する方法を開示している。[Microporous and Mesoporous Materials.2019、276:192-200.]では、種結晶とシクロヘキシルアミンと共同でMCM-49分子篩を誘導合成することを実現したが、MWW構造分子篩の特殊性により、種結晶を用いて直接に合成を実現することができず、種結晶を加えた上でさらにシクロヘキシルアミンを加えることにより、10員環チャンネルを支持して完全なMCM-49分子篩を構築することができるが、基礎層間の水素結合間隔を実現できないことを分かった。これまで、ヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ホモピペラジンを使用せずにMCM-22分子篩を合成する先行例がなかったため、MCM-22の調製には必然的にテンプレート剤による問題があった。
【発明の概要】
【0008】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の目的は、固体酸アルキル化触媒及びその製造方法と使用を提供し、種結晶と2種のテンプレート剤とを協同して結晶化を補助する方法により、ヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ホモピペラジンを用いることなく、直接MWW構造分子篩を合成し、さらに固体酸アルキル化触媒を得る。上記目的を達成するために、本発明は、
S1:アルミニウム源、水、アルカリ源、テンプレート剤、ケイ素源及び種結晶を混合してゲルを形成し、結晶化反応を行い、MWW構造分子篩を得るステップ、
S2:S1で得られたMWW構造分子篩を焼成してテンプレート剤を除去した後、アンモニウム交換を行い、再度焼成して、H型分子篩を得るステップ、
S3:S2で得られたH型分子篩を無機酸化物、無機酸溶液と混合し、混練して成形し、乾燥後に焼成し、固体酸アルキル化触媒を得るステップ、
を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法であって、
前記テンプレート剤はモル比が0.5-20:1である主テンプレート剤とサブテンプレート剤からなり、前記主テンプレート剤はシクロヘキシルアミンであり、前記サブテンプレート剤はジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N,N-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン(CAS No.111-18-2、分子式C10H24N2)の少なくとも1種を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法を提供する。
【0009】
本発明の製造方法において、主テンプレート剤、サブテンプレート剤はいずれも低毒性で安価な有機アミンを用いる。ここで、主テンプレート剤は、種結晶と協働して分子篩基礎層構造の構築を実現することができ、サブテンプレート剤は、N原子がsp3混成された脂肪族アミンを採用し、窒素原子sp3混成軌道において空いている軌道正孔を介して単層構造表面のシラノール基とで層間水素結合を形成し、水素結合を形成する過程が分子篩の全体の結晶化効果に影響を与えない。したがって、いくつかの実施形態では、上記製造方法によって得られたMWW構造分子篩は、シラノール基とサブテンプレート剤とが形成する層間水素結合を有する。
【0010】
本発明の製造方法は、主テンプレート剤、サブテンプレート剤と種結晶との相乗作用により、ヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ホモピペラジンを省いて、層間に水素結合を有するMWW構造の分子篩を合成することができる。
【0011】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1のゲルにおいて、SiO2としてのケイ素源と、Al2O3としてのアルミニウム源と、アルカリ金属酸化物としてのアルカリ源と、テンプレート剤とのモル比が、1:0.005-0.05:0.03-0.50:0.1-0.75であり、
乾量基準での種結晶と、SiO2としてのケイ素源との質量比が0.01-0.25:1である。
【0012】
上記の固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1において、前記種結晶は、MWWトポロジ構造を有する分子篩である。
【0013】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1において、前記種結晶は、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩又はMCM-49分子篩を含む。前記種結晶は、好ましくは、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩を含み、当該分子篩中に層間水素結合を有し、種結晶として上記製造過程に使用することは、層間水素結合を有し、MCM-22分子篩構造と類似するMWW構造分子篩を得ることに有利である。
【0014】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1において、前記ケイ素源は、シリカゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、水ガラスの少なくとも1種を含む。
【0015】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1において、前記アルカリ源は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む。
【0016】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1において、アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、擬ベーマイトの少なくとも1種を含む。
【0017】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1において、結晶化反応は、温度が120-170℃であり、反応時間が12-120hである。
【0018】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S1は、具体的に、アルミニウム源、水、アルカリ源、主テンプレート剤、サブテンプレート剤を混合して中間溶液を得、前記中間溶液にケイ素源をゆっくり加えて均一に混合し、さらに種結晶を加え、混合してゲルを形成し、結晶化反応を行い、前記MWW構造分子篩を得るステップを含む。上記の順で合成することにより、各原料の均一な分散、結晶化反応の促進に有利である。主テンプレート剤、サブテンプレート剤は、アルミニウム源の後に添加され、アルミニウム源が溶液中で完全に溶解して均一に分散することに寄与する。ケイ素源をゆっくり添加した後に種結晶を添加することにより、反応系の均一性及び安定性を向上させ、ケイ素源を急速に添加した後にアルミニウム源とでコロイドを形成し、反応系の分散が不均一になる問題を回避することができる。
【0019】
本発明S1で得られたMWW構造分子篩は、層間水素結合を有し、MCM-22分子篩が焼成されていない(テンプレート剤が除去されていない)場合の構造と類似しているため、MCM-22分子篩の前駆体(MCM-22(P)分子篩と記すことができる)と見なすことができる。本発明のMWW構造分子篩は、良好な改質ポテンシャルを有し、例えば膨潤・コラム支持を経てMCM-36分子篩を製造することができ、膨潤・層剥離を経てITQ-2分子篩を製造することができる。本発明の研究により、MCM-49分子篩は層間水素結合を有しておらず、膨潤・層剥離できず、通常のテンプレート剤(ヘキサメチレンイミン)を用いて製造されたMCM-22分子篩、及び本発明によって提供されたMWW構造分子篩は、いずれも層間水素結合を有するため、これら2種類の分子篩はいずれも膨潤・層剥離の能力を有することを見出した。従来のテンプレート剤(ヘキサメチレンイミン)によって製造されたMCM-22分子篩に対して、本発明の提供するMWW構造分子篩の層剥離の難易度がより小さく、具体的には、層剥離に必要なアルカリ性環境のpHがより中性に近いことに表されるように、本発明の提供するMWW構造分子篩の層間水素結合強度がMCM-22分子篩の層間水素結合強度よりも適切であることを示し、分子篩に対してコラム支持又は層剥離改質を行う場合、分子篩シート状結晶構造の完全性の保留、分子篩の安定性の向上、触媒活性サイトの損失の低減にはより有利であるため、分子篩をアルキル化反応、異性化反応又は分解反応等の反応に適用する際の触媒活性及び安定性を向上させることに有利である。
【0020】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S2において、2回の焼成はそれぞれ空気雰囲気下で行われ、焼成温度はそれぞれ独立に490-590℃であり、焼成時間はそれぞれ独立に0.5-72hである。
【0021】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S2において、前記アンモニウム交換は硝酸アンモニウム溶液中で行われ、前記硝酸アンモニウム溶液の濃度は0.1-10mol/Lであり、アンモニウム交換温度は30-120℃であり、アンモニウム交換時間は0.5-72hである。
【0022】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S3において、前記H型分子篩と前記無機酸化物との質量比が10-95:5-90である。
【0023】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S3において、無機酸化物は、酸化アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイト、水酸化アルミニウムの少なくとも1種を含む。
【0024】
上記の固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S3において、前記無機酸溶液は、硝酸溶液、リン酸溶液、塩酸、硫酸溶液の少なくとも1種を含む。本発明において、無機酸溶液は、無機酸化物の乳化に用いられ、バインダーを形成する。
【0025】
上記固体酸アルキル化触媒の製造方法において、好ましくは、S3において、焼成は空気雰囲気下で行われ、焼成温度が490-590℃であり、焼成時間が0.5-72hである。
【0026】
本発明は、また、上記固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られた固体酸アルキル化触媒を提供する。
【0027】
本発明は、また、芳香族炭化水素とオレフィンとのアルキル化反応における前記固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られた固体酸アルキル化触媒の使用を提供する。
【0028】
上記使用において、好ましくは、前記芳香族炭化水素はベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アルキルナフタレン、アントラセン、アルキルアントラセンから選択される少なくとも1種であり、より好ましくは、ベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アントラセンから選択される少なくとも1種である。
【0029】
上記使用において、好ましくは、前記オレフィンは、炭素数2-20のオレフィンから選択され、より好ましくは、炭素数2-15のオレフィンから選択される。
【0030】
上記使用において、好ましくは、アルキル化反応条件は、反応温度が100-385℃であり、反応圧力が0.5-7MPaであり、質量空間速度が0.1-12h-1であることを含み、より好ましくは、アルキル化反応条件は、反応温度が120-350℃であり、反応圧力が0.5-5MPaであり、質量空間速度0.5-10h-1であることを含む。
【0031】
上記使用において、好ましくは、芳香族炭化水素とオレフィンとの仕込みモル比は0.05-200である。
【0032】
本発明に提供の技術案は、以下の有益な効果を有する。
【0033】
(1)本発明によって提供される固体酸アルキル化触媒において、触媒活性成分H型分子篩はMWW構造分子篩からアンモニウム交換によって製造され、MWW構造分子篩は、種結晶と主テンプレート剤によって基礎層構造の構築を実現し、サブテンプレート剤によって層間水素結合の構築を実現し、MCM-22(P)分子篩に類似する特性を有する、
(2)本発明に用いられる主テンプレート剤及びサブテンプレート剤は、いずれも低毒性で入手しやすい有機アミンであり、コストが低く、高毒性で、毒性物質を作りやすいヘキサメチレンイミン、ピペリジン、ホモピペラジン等のテンプレート剤を使用せず、且つコストが低く、固体酸アルキル化触媒の製造方法の汚染性及びコストを低減し、また、得られた固体酸アルキル化触媒は高いアルキル化触媒活性及び生成物選択性を有する。MWW構造分子篩の生産の操作性を大幅に向上させることができ、実用的な意義が強い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図3】実施例1で合成したMWW構造分子篩のXRDパターンである。
【
図4】実施例1で合成したMWW構造分子篩のSEM像である。
【
図5】実施例2で合成したMWW構造分子篩のXRDパターンである。
【
図6】実施例2で合成したMWW構造分子篩のSEM像である。
【
図7】比較例1で合成した分子篩のXRDパターンである。
【
図8】比較例1で合成した分子篩のSEM像である。
【
図9】比較例3で合成した分子篩のXRDパターンである。
【
図10】比較例3で合成した分子篩のSEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の技術要件、目的及び有益な効果をより明瞭に理解するために、本発明の技術案について以下に詳細に説明するが、本発明の実施可能な範囲を限定するものと理解すべきではない。
【0036】
本発明の実施例に用いられる原料は以下の通りである。
【0037】
ケイ素源:シリカゾル(SiO
2含有量40%)、固体シリカゲル(SiO
2含有量95%)、ホワイトカーボンブラック(SiO
2含有量93%)、オルトケイ酸エチル(純度98%)、
アルミニウム源:メタアルミン酸ナトリウム(Al
2O
3含有量41%)、硫酸アルミニウム(Al
2O
3含有量15%)、酸化アルミニウム(95%)、擬ベーマイト(Al
2O
3含有量70%)、
アルカリ源:水酸化ナトリウム(純度99%)、水酸化カリウム(純度99%)、
主テンプレート剤:シクロヘキシルアミン(純度99%)、
サブテンプレート剤:ジイソプロピルアミン(純度99%)、ジ-n-ブチルアミン(純度99%)、ジイソブチルアミン(純度99%)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(純度99%)、1,6-ヘキサンジアミン(純度99%)、N,N,N,N-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミン(純度99%)、
種結晶:Mobil社製のMCM-22分子篩。当該分子篩は、焼成してテンプレート剤を除去する過程を経ず、表征の結果として、XRDパターン図及びSEM像はそれぞれ
図1及び
図2に示す。
【0038】
その他:脱イオン水。
【0039】
以下、具体的な実施例及び図面を参照して本発明を説明する。
【0040】
実施例1
本実施例は、MWW構造分子篩を提供する。該分子篩の製造方法は以下の通りである。
【0041】
1.87gの水酸化ナトリウムを120gの脱イオン水に加え、撹拌して溶解させた。2.15gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。9.50gのシクロヘキシルアミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続けた。6.50gのジイソプロピルアミンをゆっくり加え、0.5h強く撹拌し続けた。80gのシリカゾルをゆっくり添加し、3h強く撹拌し続けた。シリカゾルにおける有効なSiO2質量の3%である量で種結晶を添加し、1時間強く撹拌し続け、結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを140℃で60h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、120℃で4h乾燥させ、MWW構造分子篩を得た。
【0042】
本実施例で得られたMWW構造分子篩に対してX線回折(XRD)及び走査型電子顕微鏡(SEM)解析評価を行ったところ、XRDパターン及びSEM像はそれぞれ
図3、
図4に示すように、該MWW構造分子篩は典型的なMWW構造特徴ピークを有し、分子篩形態はナノシートが堆積した花クラスター状であった。
【0043】
本実施例で得られたMWW構造分子篩を540℃の空気雰囲気で焼成した後、比表面積及び孔径(BET)解析評価を行い、BETテスト結果を表1に示す。表1において、SBETは比表面積、Smicはミクロ孔表面積、Sextはメソ孔表面積、Vporeは孔容積、Vmicはミクロ孔容積である。
【0044】
実施例2
本実施例は、MWW構造分子篩を提供する。該分子篩の製造方法は以下の通りである。
【0045】
1.87gの水酸化ナトリウムを120gの脱イオン水に加え、撹拌して溶解させた。2.50gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。9.00gのシクロヘキシルアミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続けた。8.00gの1,6-ヘキサジアミンをゆっくり加え、0.5h強く撹拌し続けた。80gのシリカゾルをゆっくり添加し、3h強く撹拌し続けた。シリカゾルにおける有効なSiO2質量の5%である量で種結晶を添加し、1時間強く撹拌し続け、結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを145℃で72h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、120℃で4h乾燥させ、MWW構造分子篩を得た。
【0046】
本実施例で得られたMWW構造分子篩に対してXRD及びSEM解析評価を行い、XRDパターン及びSEM像はそれぞれ
図5、
図6に示すように、該MWW構造分子篩は典型的なMWW構造特徴ピークを有し、分子篩形態はナノシートが堆積した花クラスター状であった。
【0047】
本実施例で得られたMWW構造分子篩を540℃の空気雰囲気下で焼成した後、BET解析評価を行い、BETテスト結果を表1に示す。
【0048】
実施例3
本実施例は、MWW構造分子篩を提供する。該分子篩の製造方法は以下の通りである。
【0049】
1.95gの水酸化ナトリウムを130gの脱イオン水に添加し、撹拌して溶解させた。2.33gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。9.00gのシクロヘキシルアミンをゆっくり加え続け、0.5h強く撹拌し続けた。9.00gの1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンをゆっくり加え続け、0.5h強く撹拌し続けた。80gのシリカゾルをゆっくり加え、3h強く撹拌し続けた。シリカゾルにおける有効なSiO2質量の5%である量で種結晶を添加し、1時間強く撹拌し続け、結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを140℃で72h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、48h自然に陰干し、MWW構造分子篩を得た。
【0050】
本実施例で得られた製品に対してXRD、SEM解析評価及びBET(540℃で空気雰囲気下で焼成後)解析評価を行い、典型的なMWW構造特徴ピークを有し、分子篩形態がナノシートで堆積した花クラスター状であることが分かった。BETテスト結果を表1に示す。
【0051】
実施例4
本実施例は、MWW構造分子篩を提供する。該分子篩の製造方法は以下の通りである。
【0052】
1.93gの水酸化ナトリウムを150gの脱イオン水に添加し、撹拌して溶解させた。1.50gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。12.25gのシクロヘキシルアミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続けた。8.50gのN,N,N,N-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミンをゆっくり加え、0.5h強く撹拌し続けた。80gのシリカゾルをゆっくり加え、3h強く撹拌し続けた。シリカゾルにおける有効なSiO2質量の10%である量で種結晶を添加し、1時間強く撹拌し続け、結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを140℃で100h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、120℃で4h乾燥させ、MWW構造分子篩を得た。
【0053】
本実施例で得られた製品はXRD、SEM、BET(540℃で空気雰囲気下で焼成後)による解析評価を経たところ、典型的なMWW構造特徴ピークを有し、分子篩形態はナノシートが堆積した花クラスター状であることが分かった。
【0054】
実施例5
本実施例は、MWW構造分子篩を提供する。該分子篩の製造方法は以下の通りである。
【0055】
2.21gの水酸化ナトリウムを175gの脱イオン水に添加し、撹拌して溶解させた。1.25gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。7.55gのシクロヘキシルアミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続けた。10.50gのジイソブチルアミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続けた。80gのシリカゾルをゆっくり添加し、3h強く撹拌し続けた。シリカゾルにおける有効なSiO2質量の15%である量で種結晶を添加し、1時間強く撹拌し続け、結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを140℃で120h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、48h自然に陰干し、MWW構造分子篩を得た。
【0056】
本実施例で得られた製品に対してXRD、SEM解析評価及びBET(540℃で空気雰囲気下で焼成後)解析評価を行い、典型的なMWW構造特徴ピークを有し、分子篩形態がナノシートで堆積した花クラスター状であることが分かった。BETテスト結果を表1に示す。
【0057】
実施例6
本実施例は、固体酸アルキル化触媒を提供する。該触媒の製造方法は以下の通りである。
【0058】
実施例1のMWW構造分子篩製品を取り、空気雰囲気下で540℃で5h焼成してテンプレート剤を除去した後、1mol/L硝酸アンモニウム溶液中で80℃で2hアンモニウム交換し、再び空気雰囲気下で540℃で4h焼成し、H型分子篩を得た。
90gの上記H型分子篩と15gの擬ベーマイトとを均一に混合し、混練しながら55gの硝酸溶液をゆっくり加え、φ2.0mm円柱形触媒にバンド押出成形(band extrusion)し、さらに長さ2.5mmの円柱形触媒に切断した。触媒を24h常温陰干した後、550℃で6h焼成し、固体酸アルキル化触媒の完成品を得た。
【0059】
本実施例で得られた固体酸アルキル化触媒を芳香族炭化水素とオレフィンのアルキル化反応の触媒作用に適用し、具体的には以下の通りである。
【0060】
上記固体酸アルキル化触媒の完成品2gを取り、固定床反応器に入れ、ベンゼンとエチレンの混合物を導入した。アルキル化反応条件は、ベンゼンとエチレンのモル比が5であり、反応温度が330℃であり、反応圧力が1.4MPaであり、質量空間速度が2.0h-1であった。
【0061】
反応結果としては、500h反応後、エチレン転化率が99.99%であり、エチルベンゼン選択性が96.21%であった。
【0062】
実施例7
本実施例は、固体酸アルキル化触媒を提供する。該触媒の製造方法は以下の通りである。
【0063】
実施例2のMWW構造分子篩製品を取り、空気雰囲気下で540℃で5h焼成してテンプレート剤を除去した後、1mol/L硝酸アンモニウム溶液中で80℃で2hアンモニウム交換し、再び空気雰囲気下で540℃で4h焼成し、H型分子篩を得た。
【0064】
90gの上記H型分子篩と15gの擬ベーマイトとを均一に混合し、混練しながら55gの硝酸溶液をゆっくり加え、φ2.0mm円柱形触媒にバンド押出成形(band extrusion)し、さらに長さ2.5mmの円柱形触媒に切断した。触媒を24h常温陰干した後、550℃で6h焼成し、固体酸アルキル化触媒の完成品を得た。
【0065】
本実施例で得られた固体酸アルキル化触媒を芳香族炭化水素とオレフィンのアルキル化反応の触媒作用に適用し、具体的には以下の通りである。
【0066】
上記固体酸アルキル化触媒の完成品2gを取り、固定床反応器に入れ、ベンゼンとプロピレンの混合物を導入した。反応条件は、ベンゼンとプロピレンのモル比が4であり、反応温度が150℃であり、反応圧力が2.5MPaであり、質量空間速度3.0h-1であった。
【0067】
反応結果としては、300h反応後、プロピレンの転化率が99.97%であり、イソプロピルベンゼン選択性が99.20%であった。
【0068】
実施例8
本実施例は、固体酸アルキル化触媒を提供する。該触媒の製造方法は以下の通りである。
【0069】
実施例3のMWW構造分子篩製品を取り、空気雰囲気下で540℃で5h焼成してテンプレート剤を除去した後、1mol/L硝酸アンモニウム溶液中で80℃で2hアンモニウム交換し、再び空気雰囲気下で540℃で4h焼成し、H型分子篩を得た。
【0070】
90gの上記H型分子篩と15gの擬ベーマイトとを均一に混合し、混練しながら55gの硝酸溶液をゆっくり加え、φ2.0mm円柱形触媒にバンド押出成形(band extrusion)し、長さ2.5mmの円柱形触媒に切断した。円柱形触媒を24h常温陰干した後、550℃で6h焼成し、固体酸アルキル化触媒の完成品を得た。
【0071】
本実施例で得られた固体酸アルキル化触媒を芳香族炭化水素とオレフィンのアルキル化反応の触媒作用に適用し、具体的には以下の通りである。
【0072】
上記固体酸アルキル化触媒の完成品2gを取り、固定床反応器に入れ、ベンゼンとn-ドデセンの混合物を導入した。反応条件は、ベンゼンとn-ドデセンのモル比が15であり、反応温度が150℃であり、反応圧力が3.0MPaであり、質量空間速度が2.0h-1であった。
【0073】
反応結果としては、300h反応後、n-ドデセン転化率は99.97%であり、2-アルキルベンゼン選択性が42.01%であった。
【0074】
比較例1
本比較例は分子篩を提供し、その製造方法は以下の通りである。
【0075】
1.95gの水酸化ナトリウムを130gの脱イオン水に添加し、撹拌して溶解させた。2.33gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。9.00gのシクロヘキシルアミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続けた。80gのシリカゾルをゆっくり添加し、3h強く撹拌し続けた。シリカゾルにおける有効なSiO2質量の5%である量で種結晶を添加しの使用量は、シリカゾルにおける有効SiO2質量の5%であり、1時間強く撹拌し続けた。結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを140℃で72h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、48h自然に陰干し、分子篩を得た。
【0076】
本比較例で得られた分子篩に対してXRD及びSEM解析評価を行ったところ、XRDパターン及びSEM像はそれぞれ
図7、
図8に示すように、該分子篩が典型的なMWW構造の特徴ピークを有し、且つMCM-49分子篩に細分化でき、分子篩の形態がナノシートの規則的な堆積状であった。
【0077】
本比較例で得られた分子篩を540℃の空気雰囲気下で焼成した後、BET解析評価を行い、BETテスト結果を表1に示す。
【0078】
試験結果に基づいて、該比較例1と実施例3とを比較すると、テンプレート剤として種結晶とシクロヘキシルアミンを用いた場合、結晶化度が高く、純相のMWW構造分子篩を直接合成することができ、かつMCM-49分子篩に細分化できるが、シクロヘキシルアミンは層間水素結合を構築できないため、該方法はMAM-49分子篩の合成しかに適用されず、他の種類のMWW構造分子篩を合成することができない。
【表1】
【0079】
一方、実施例1はジイソプロピルアミンを添加したため、窒素原子sp3混成後の電子正孔と層間シラノール基中の水素とが水素結合を形成し、これにより分子篩製品はMCM-22(P)分子篩の特性により類似し、基礎層の堆積数が低減し、分子篩シート層の厚さが低減し、総表面積及び外表面積が増加し、分子篩の堆積形態が変化した。
【0080】
比較例2
本比較例は、比較例1の分子篩から作られる触媒を提供し、その製造方法は以下の通りである。
【0081】
比較例1の分子篩を空気雰囲気下で540℃で5h焼成してテンプレート剤を除去した後、1mol/L硝酸アンモニウム溶液中で80℃で2hアンモニウム交換し、再び空気雰囲気下で540℃で4h焼成し、H型分子篩を得た。
【0082】
90gの上記H型分子篩と15gの擬ベーマイトとを均一に混合し、混練しながら55gの硝酸溶液をゆっくり加え、φ2.0mm円柱形触媒にバンド押出成形(band extrusion)し、長さ2.5mmの円柱形触媒に切断した。円柱形触媒を24h常温陰干し後、550℃で6h焼成し、触媒完成品を得た。
【0083】
本比較例で得られた固体酸アルキル化触媒を芳香族炭化水素とオレフィンのアルキル化反応の触媒に適用し、具体的には以下の通りである。
【0084】
上記触媒の完成品2gを取り、固定床反応器に入れ、ベンゼンとn-ドデセン混合物を導入した。反応条件は、ベンゼンとn-ドデセンのモル比が15であり、反応温度が150℃であり、反応圧力が3.0MPaであり、質量空間速度2.0h-1であった。反応の結果としては、100h反応後、オレフィン転化率が76.32%であり、2-アルキルベンゼン選択性が45.03%であった。
【0085】
該比較例2と実施例8とを比較すると、MCM-49分子篩は、アルキル化触媒を調製してベンゼンとn-ドデカンとの反応に適用した場合、分子篩の厚さがMCM-22分子篩よりも大きいため、単位質量の触媒には露出した表面触媒活性サイトの数が低減し、反応中に、より速く閉塞されて不活化され、触媒の寿命が短縮された。
【0086】
比較例3
本比較例は、分子篩を提供し、その製造方法は以下の通りである。
【0087】
1.87gの水酸化ナトリウムを120gの脱イオン水に加え、撹拌して溶解させた。2.15gのメタアルミン酸ナトリウムを添加し、撹拌して溶解させた。1h強く撹拌し続けた。19.0gのヘキサメチレンイミンをゆっくり添加し、0.5h強く撹拌し続け、中間溶液を得た。
【0088】
中間溶液に80gのシリカゾルをゆっくり加え、3h強く撹拌し続け、結晶化ゲルを調製した。結晶化ゲルを155℃で60h結晶化させた。結晶化が終了したら、常温まで降温した。生成物を脱イオン水で洗浄し、ろ過、120℃で4h乾燥させ、分子篩生成物を得た。
【0089】
本比較例で得られた分子篩に対してXRD及びSEM解析評価を行ったところ、XRDパターン及びSEM像はそれぞれ
図9、
図10に示すように、該分子篩生成物は典型的なMWW構造特徴ピークを有し、且つMCM-22分子篩に細分化でき、分子篩形態はナノシート堆積状であった。
【0090】
本比較例で採用したヘキサメチレンイミンは、MCM-22分子篩を製造する典型的なテンプレート剤であり、当該方法は、純相のMCM-22分子篩を得られるが、テンプレート剤の使用量が多く、且つテンプレート剤の価格が高く、毒性が大きい。
【0091】
実施例1-5の分子篩生成物のXRD結果と比較例3のXRD結果とを比較すると、実施例1-5の分子篩はMCM-22分子篩と類似する構造を有することが分かり、本発明S1で製造された分子篩は層間水素結合を有することがさらに証明された。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1:アルミニウム源、水、アルカリ源、テンプレート剤、ケイ素源及び種結晶を混合してゲルを形成し、結晶化反応を行い、MWW構造分子篩を得るステップ、
S2:S1で得られたMWW構造分子篩を焼成してテンプレート剤を除去した後、アンモニウム交換を行い、再度焼成して、H型分子篩を得るステップ、
S3:S2で得られたH型分子篩を無機酸化物、無機酸溶液と混合し、混練して成形し、乾燥後に焼成し、固体酸アルキル化触媒を得るステップ、
を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法であって、
前記テンプレート剤はモル比が0.5-20:1である主テンプレート剤とサブテンプレート剤からなり、前記主テンプレート剤はシクロヘキシルアミンであり、前記サブテンプレート剤はジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N,N-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミンの少なくとも1種を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項2】
S1のゲルにおいて、SiO
2としてのケイ素源と、Al
2O
3としてのアルミニウム源と、アルカリ金属酸化物としてのアルカリ源と、テンプレート剤とのモル比が、1:0.005-0.05:0.03-0.50:0.1-0.75であり、
乾量基準での種結晶と、SiO
2としてのケイ素源との質量比が0.01-0.25:1である、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項3】
S1において、前記種結晶は、MWWトポロジ構造を有する分子篩である、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項4】
S1において、前記種結晶は、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩又はMCM-49分子篩を含み、好ましくは、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項5】
S1において、前記ケイ素源は、シリカゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、水ガラスの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の調製方法。
【請求項6】
S1において、前記アルカリ源は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項7】
S1において、アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、擬ベーマイトの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項8】
S1において、結晶化反応は、温度が120-170℃であり、反応時間が12-120hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項9】
S2において、2回の焼成はそれぞれ空気雰囲気下で行われ、焼成温度はそれぞれ独立に490-590℃であり、焼成時間はそれぞれ独立に0.5-72hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項10】
S2において、前記アンモニウム交換は硝酸アンモニウム溶液中で行われ、前記硝酸アンモニウム溶液の濃度は0.1-10mol/Lであり、アンモニウム交換温度は30-120℃であり、アンモニウム交換時間は0.5-72hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項11】
S3において、前記H型分子篩と前記無機酸化物との質量比が10-95:5-90である、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項12】
S3において、無機酸化物は、酸化アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイト、水酸化アルミニウムの少なくとも1種を含
む、
請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項13】
S3において、前記無機酸溶液は、硝酸溶液、リン酸溶液、塩酸、硫酸溶液の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項14】
S3において、焼成が空気雰囲気下で行われ、焼成温度が490-590℃であり、焼成時間が0.5-72hである、請求項1に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
【請求項15】
請求項1
に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られる固体酸アルキル化触媒。
【請求項16】
芳香族炭化水素とオレフィンとのアルキル化反応における請求項1
に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られる固体酸アルキル化触媒の使用。
【請求項17】
前記芳香族炭化水素はベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アルキルナフタレン、アントラセン、アルキルアントラセンから選択される少なくとも1種であ
る、請求項
16に記載の使用。
【請求項18】
前記オレフィンは、炭素数2-20のオレフィンから選択され
る、請求項
16に記載の使用。
【請求項19】
前記オレフィンは、炭素数2-15のオレフィンから選択される、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
アルキル化反応条件は、反応温度が100-385℃であり、反応圧力が0.5-7MPaであり、質量空間速度が0.1-12h
-1であることを含む、請求項
16に記載の使用。
【請求項21】
アルキル化反応条件は、反応温度が120-350℃であり、反応圧力が0.5-5MPaであり、質量空間速度0.5-10h
-1であることを含む、請求項
20に記載の使用。
【請求項22】
芳香族炭化水素とオレフィンとの仕込みモル比が0.05-200である、請求項
16に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
実施例1-5の分子篩生成物のXRD結果と比較例3のXRD結果とを比較すると、実施例1-5の分子篩はMCM-22分子篩と類似する構造を有することが分かり、本発明S1で製造された分子篩は層間水素結合を有することがさらに証明された。
<付記>
本開示は以下の態様を含む。
<項1>
S1:アルミニウム源、水、アルカリ源、テンプレート剤、ケイ素源及び種結晶を混合してゲルを形成し、結晶化反応を行い、MWW構造分子篩を得るステップ、
S2:S1で得られたMWW構造分子篩を焼成してテンプレート剤を除去した後、アンモニウム交換を行い、再度焼成して、H型分子篩を得るステップ、
S3:S2で得られたH型分子篩を無機酸化物、無機酸溶液と混合し、混練して成形し、乾燥後に焼成し、固体酸アルキル化触媒を得るステップ、
を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法であって、
前記テンプレート剤はモル比が0.5-20:1である主テンプレート剤とサブテンプレート剤からなり、前記主テンプレート剤はシクロヘキシルアミンであり、前記サブテンプレート剤はジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,6-ヘキサンジアミン、N,N,N,N-テトラメチル-1,6-ヘキサンジアミンの少なくとも1種を含む、固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項2>
S1のゲルにおいて、SiO
2
としてのケイ素源と、Al
2
O
3
としてのアルミニウム源と、アルカリ金属酸化物としてのアルカリ源と、テンプレート剤とのモル比が、1:0.005-0.05:0.03-0.50:0.1-0.75であり、
乾量基準での種結晶と、SiO
2
としてのケイ素源との質量比が0.01-0.25:1である、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項3>
S1において、前記種結晶は、MWWトポロジ構造を有する分子篩である、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項4>
S1において、前記種結晶は、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩又はMCM-49分子篩を含み、好ましくは、テンプレート剤未除去のMCM-22分子篩を含む、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項5>
S1において、前記ケイ素源は、シリカゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、水ガラスの少なくとも1種を含む、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の調製方法。
<項6>
S1において、前記アルカリ源は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを含む、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項7>
S1において、アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、擬ベーマイトの少なくとも1種を含む、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項8>
S1において、結晶化反応は、温度が120-170℃であり、反応時間が12-120hである、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項9>
S2において、2回の焼成はそれぞれ空気雰囲気下で行われ、焼成温度はそれぞれ独立に490-590℃であり、焼成時間はそれぞれ独立に0.5-72hである、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項10>
S2において、前記アンモニウム交換は硝酸アンモニウム溶液中で行われ、前記硝酸アンモニウム溶液の濃度は0.1-10mol/Lであり、アンモニウム交換温度は30-120℃であり、アンモニウム交換時間は0.5-72hである、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項11>
S3において、前記H型分子篩と前記無機酸化物との質量比が10-95:5-90である、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項12>
S3において、無機酸化物は、酸化アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイト、水酸化アルミニウムの少なくとも1種を含み、
好ましくは、前記無機酸溶液は、硝酸溶液、リン酸溶液、塩酸、硫酸溶液の少なくとも1種を含む、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項13>
S3において、焼成が空気雰囲気下で行われ、焼成温度が490-590℃であり、焼成時間が0.5-72hである、<項1>に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法。
<項14>
<項1>から<項13>のいずれか一項に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られる固体酸アルキル化触媒。
<項15>
芳香族炭化水素とオレフィンとのアルキル化反応における<項1>から<項13>のいずれか一項に記載の固体酸アルキル化触媒の製造方法により得られる固体酸アルキル化触媒の使用。
<項16>
前記芳香族炭化水素はベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アルキルナフタレン、アントラセン、アルキルアントラセンから選択される少なくとも1種であり、好ましくはベンゼン、アルキルベンゼン、ナフタレン、アントラセンの少なくとも1種である、<項15>に記載の使用。
<項17>
前記オレフィンは、炭素数2-20のオレフィンから選択され、好ましくは、炭素数2-15のオレフィンから選択される、<項15>に記載の使用。
<項18>
アルキル化反応条件は、反応温度が100-385℃であり、反応圧力が0.5-7MPaであり、質量空間速度が0.1-12h
-1
であることを含む、<項15>に記載の使用。
<項19>
アルキル化反応条件は、反応温度が120-350℃であり、反応圧力が0.5-5MPaであり、質量空間速度0.5-10h
-1
であることを含む、<項18>に記載の使用。
<項20>
芳香族炭化水素とオレフィンとの仕込みモル比が0.05-200である、<項15>に記載の使用。
【国際調査報告】