(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】膀胱内デバイスのための泌尿器配置カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/088 20060101AFI20241129BHJP
A61M 25/01 20060101ALI20241129BHJP
A61M 25/08 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
A61M25/088
A61M25/01 510
A61M25/08 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024537114
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-08-16
(86)【国際出願番号】 US2022053460
(87)【国際公開番号】W WO2023122058
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514274409
【氏名又は名称】タリス バイオメディカル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135943
【氏名又は名称】三橋 規樹
(72)【発明者】
【氏名】デュバルディ,アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】フレミング,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ホー ドゥック,ホン リン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,マーク
(72)【発明者】
【氏名】メロ,ジェイソン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA15
4C267AA16
4C267AA17
4C267BB11
4C267BB12
4C267CC26
4C267GG02
4C267HH08
4C267HH14
(57)【要約】
膀胱内デバイスを患者の膀胱内に配設するための挿入器アセンブリ(200)は、配置カテーテル(210)と、受容漏斗(220)と、スタイレット(230)と、を含む。配置カテーテルは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在するルーメンを画定する。受容漏斗は配置カテーテルに固定されている。スタイレットは、ルーメン内に受容漏斗を通して取り外し可能に受容される。スタイレットは、スタイレット本体及びパドル(238)を含む。スタイレット本体は、ルーメン及び出口開口部を通して膀胱内に膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされている。パドルは、近位スタイレット端部の周りでスタイレット本体に取り付けられ、受容漏斗と係合可能である。パドルは、任意選択的に、スタイレットを配置カテーテルに取り外し可能に固定するために、受容漏斗とロック可能に係合可能な取付具(242)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膀胱内デバイスを患者の膀胱内に配設するための挿入器アセンブリであって、前記挿入器アセンブリは、
ルーメンを画定する配置カテーテルであって、前記ルーメンは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在する、配置カテーテルと、
前記近位カテーテル端部において前記配置カテーテルに固定された受容漏斗と、
前記配置カテーテルの前記ルーメン内に前記受容漏斗を通して取り外し可能に受容されるスタイレットであって、前記スタイレットは、(i)近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体であって、前記スタイレット本体は、前記ルーメン及び前記出口開口部を通して前記膀胱内に前記膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされている、スタイレット本体と、(ii)前記近位スタイレット端部の周りで前記スタイレット本体に取り付けられたパドルであって、前記パドルは、前記受容漏斗と係合可能である、パドルと、を備える、スタイレットと、
を備える、挿入器アセンブリ。
【請求項2】
前記パドルは、前記近位スタイレット端部において前記スタイレット本体の周りにオーバーモールドされているか、又は前記スタイレット本体と一体である、請求項1に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項3】
前記パドルは、近位端部に湾曲した親指当てを画定し、任意選択的に、前記湾曲した親指当ての反対側にある湾曲した指当てを更に画定する、請求項1又は2に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項4】
前記パドルは把持表面を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項5】
前記パドルは、前記受容漏斗内に受容されるように寸法決めされている、請求項1~4のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項6】
前記パドルは、前記スタイレットを前記配置カテーテルに取り外し可能に固定するために、前記受容漏斗とロック可能に係合可能な取付具を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項7】
前記取付具は、前記受容漏斗の内面と係合可能である、請求項6に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項8】
前記取付具及び前記受容漏斗の一方又は両方は、前記取付具及び前記受容漏斗の他方に固定可能な少なくとも1つのクリップを備える、請求項6又は7に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項9】
前記取付具は、周囲リッジを画定し、前記受容漏斗は、前記周囲リッジと噛合係合するように寸法決めされている周囲チャネルを画定する、請求項6~8のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項10】
前記取付具は、前記受容漏斗との係合中に可聴及び/又は触覚フィードバックを生成するように構成されている、請求項6~9のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項11】
前記受容漏斗は、前記近位カテーテル端部の周りにオーバーモールドされているか、又は前記近位カテーテル端部において前記配置カテーテルと一体である、請求項1~10のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項12】
前記受容漏斗は、楕円形外形及び楕円形周囲のうちの一方又は両方を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項13】
前記受容漏斗は、前記スタイレット本体を横断する方向に非対称に延在する、請求項1~12のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項14】
前記受容漏斗は、前記受容漏斗から前記配置カテーテルの前記ルーメンに潤滑剤を移送するように構成された漏斗ルーメンを画定し、任意選択的に、前記受容漏斗は、少なくとも1mLの前記潤滑剤を受容するように寸法決めされている、請求項1~13のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項15】
前記受容漏斗は、袋から前記配置カテーテルの前記ルーメン内への前記潤滑剤の移送を容易にするように成形されている、請求項14に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項16】
前記スタイレット本体は、前記スタイレット本体の全体に亘って中実断面を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項17】
前記配置カテーテルは、前記ルーメン内の前記膀胱内デバイス又は前記スタイレットの位置を視覚的に決定するために透明又は半透明である、請求項1~16のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項18】
前記配置カテーテルの遠位カテーテル端部は、(i)丸みを帯びた非外傷性先端、及び/又は(ii)くの字屈曲部を備え、前記くの字屈曲部は、回収漏斗の向きが前記くの字屈曲部の向きを示すように、任意選択的に、前記回収漏斗の長軸と整合されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項19】
前記配置カテーテルは、挿入深さ及び出口開口部の向きを示す深さマーキングを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項20】
前記配置カテーテルは、(i)10cm~40cmの長さ、及び/又は(ii)5Fr(1.67mm外径)~30Fr(10mm外径)の外径を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項21】
前記配置カテーテル及び前記スタイレットの一方又は両方は、ラジオマーカを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項22】
前記配置カテーテル、前記パドル、前記受容漏斗、及び前記スタイレットのうちの1つ又は2つ以上は、同一又は異なるポリマー材料から形成されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項23】
前記パドルは、
前記近位スタイレット端部を取り囲む中央本体部分と、
近位パドル端部に画定された親指当てと、
前記親指当てと遠位パドル端部との間で前記中央本体部分から横方向に延在する1対のウィング部分と、
を備える、請求項1~22のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項24】
前記親指当ては、前記中央本体から離れる方向に向いた凹面、楕円形の外縁、又は前記中央本体から離れる方向に向いた凹面及び楕円形の外縁の両方を有する、請求項23に記載の挿入器アセンブリ。
【請求項25】
部品のキットであって、
請求項1~24のいずれか一項に記載の挿入器アセンブリと、
前記挿入器アセンブリを使用して患者の膀胱内に導入するのに適した膀胱内デバイスと、
を備える、部品のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月21日出願の米国特許仮出願第63/292,063号の優先権及び利益を主張するものであり、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、患者の身体内に導入するための医療デバイスの分野にあり、より具体的には、尿道を通して膀胱内に膀胱内デバイスを配設するための挿入器デバイス及び方法の分野にある。
【背景技術】
【0003】
膀胱内デバイスは、膀胱内に薬物を送達するか、又は膀胱内の状態を検知するために使用され得る。患者の膀胱内にそのようなデバイスを配置するためのデバイス及びシステムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,721,621号に記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、膀胱内デバイスを患者の膀胱内に配設するための挿入器アセンブリが提供され、挿入器アセンブリは、ルーメンを画定する配置カテーテルであって、ルーメンは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在する、配置カテーテルと、近位カテーテル端部において配置カテーテルに固定された受容漏斗と、配置カテーテルのルーメン内に受容漏斗を通して取り外し可能に受容されるスタイレットであって、スタイレットは、(i)近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体であって、スタイレット本体は、ルーメン及び出口開口部を通して膀胱内に膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされている、スタイレット本体と、(ii)近位スタイレット端部の周りでスタイレット本体に取り付けられたパドルであって、パドルは、受容漏斗と係合可能である、パドルと、を備える、スタイレットと、を備える。
【0005】
別の態様では、膀胱内デバイスを患者の膀胱内に配設するための挿入器アセンブリが提供され、挿入器アセンブリは、ルーメンを画定する配置カテーテルであって、ルーメンは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在する、配置カテーテルと、配置カテーテルのルーメンを通して取り外し可能に受容されるスタイレットと、を備え、スタイレットは、近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体であって、スタイレット本体は、ルーメン及び出口開口部を通して膀胱内に膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされている、スタイレット本体と、近位スタイレット端部の周りでスタイレット本体に取り付けられたパドルであって、パドルは、近位スタイレット端部を取り囲む中央本体部分と、近位パドル端部に画定された親指当てと、親指当てと遠位パドル端部との間で中央本体から横方向に延在する1対のウィング部分と、を備える、パドルと、を備える。
【0006】
更に別の態様において、配置カテーテル及びスタイレットを含む挿入器アセンブリを使用して、膀胱内に膀胱内デバイスを配設するための方法が提供され、方法は、(i)挿入器アセンブリの受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に膀胱内デバイスを導入することであって、配設本体の出口開口部は、膀胱の内部容積内に存在する、導入することと、(ii)スタイレットの遠位スタイレット端部を受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に導入して、ルーメン内で膀胱内デバイスに接触させることと、(iii)受容漏斗を通してスタイレットを遠位に前進させて、ルーメンに沿って出口開口部に向かって膀胱内デバイスを誘導し、出口開口部を通して膀胱内デバイスを膀胱内に解放することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
様々な実施形態は、図面に例解されるもの以外の要素及び/又は構成要素を利用することができ、いくつかの要素及び/又は構成要素は、様々な実施形態において存在しなくてもよい。図面に示される要素及び/又は構成要素は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。本開示全体を通して、文脈に応じて、単数形及び複数形の用語が互換的に使用され得る。
【
図1A】配置カテーテル、受容漏斗、及びスタイレットを含む挿入器アセンブリの一実施形態の平面図である。
【
図1B】線A-Aに沿ってとった
図1Aの配置カテーテルの断面図である。
【
図2A】本開示の一実施形態による、挿入器アセンブリの配置カテーテルの正面図である。
【
図3A】本開示の一実施形態による、配置カテーテルの近位端部部分と、受容漏斗と、スタイレットとを含む、挿入器アセンブリのハブ部分の斜視図である。
【
図3C】
図3Aの挿入器アセンブリの近位部分の平面図である。
【
図4A】本開示の別の実施形態による、非対称受容漏斗を有するハブを有する配置カテーテルの近位端部部分と、スタイレットとを含む、挿入器アセンブリの近位部分の斜視図である。
【
図4B】スタイレットが配置カテーテル内に部分的に挿入されている、第1の構成における
図4Aの挿入器アセンブリの近位部分の平面図である。
【
図4C】スタイレットが配置カテーテル内に完全に挿入されている、第2の構成における
図4Aの挿入器アセンブリの近位部分の平面図である。
【
図4D】ハブ/漏斗とスタイレットのパドル上の取付具との間のスナップ嵌合係合を示す、
図4Cの挿入器アセンブリの近位部分の部分断面図である。
【
図5A】
図4A~
図4Dに示される挿入器アセンブリの近位部分の手動操作を例解する図である。
【
図5B】
図4A~
図4Dに示される挿入器アセンブリの近位部分の手動操作を例解する図である。
【
図6A】それぞれ、本開示の一実施形態による、非対称受容漏斗を有するハブと、その端部に湾曲した親指当てを有するパドルを有するスタイレットとを含む、挿入器アセンブリの近位部分の側面図及び上面図である。
【
図6B】それぞれ、本開示の一実施形態による、非対称受容漏斗を有するハブと、その端部に湾曲した親指当てを有するパドルを有するスタイレットとを含む、挿入器アセンブリの近位部分の側面図及び上面図である。
【
図7A】それぞれ、対称受容漏斗を有するハブと、平坦端部を有するパドルを有するスタイレットとを含む、挿入器アセンブリの近位部分の側面図及び上面図である。
【
図7B】それぞれ、対称受容漏斗を有するハブと、平坦端部を有するパドルを有するスタイレットとを含む、挿入器アセンブリの近位部分の側面図及び上面図である。
【
図8】取付具を有さず、受容漏斗を有さない、配置カテーテル及びスタイレットを含む挿入器アセンブリの一実施形態の部分側面図である。
【
図9】患者の膀胱内に膀胱内デバイスを配設する方法の実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
挿入器デバイス構成要素のより良好でより確実なユーザ取り扱いを提供し、挿入器デバイスとともに使用される潤滑剤の取り扱いを容易にし、ルーメン本体とスタイレットとの間のより良好な協働を提供し、膀胱内デバイス配設の確実性を含む、向上した動作フィードバックを提供し、又はそれらの組み合わせを提供する、改良された挿入器デバイスを提供することが望ましい。
【0009】
改良された挿入器デバイスは、患者の膀胱内に膀胱内デバイスを配置するために開発されている。デバイスは、配置カテーテルのルーメン内の収容位置から配置カテーテルの外側の配設位置へ、膀胱内デバイスを解放するように協働する配置カテーテル構成要素及びスタイレット構成要素のアセンブリである。
【0010】
本開示の挿入器デバイスとともに使用される膀胱内デバイスは、患者の膀胱内での配設に好適な任意の医療デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、膀胱内デバイスは薬物送達デバイスである。そのような薬物送達デバイスの例は、米国特許第10,543,166号、米国特許第9,283,361号、米国特許第10,729,823号、米国特許第10,315,019号、米国特許第10,737,078号、及び米国特許第11,020,575号に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、膀胱内デバイスは、カメラ及びセンサ等の診断構成要素を含む。そのようなデバイスの例は、米国特許第11,065,426号及び米国特許公開第2021/0196124号に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
「遠位」又は「遠位に」という用語は、概して、患者に向かう方向を指し、一方、「近位」又は「近位に」という用語は、概して、患者から離れて臨床医に向かう方向を指す。患者は、医学的診断、治療又は予防を必要とするヒトであり得る。
【0012】
本発明の挿入器アセンブリは、配置カテーテルと、受容漏斗と、スタイレットとを含む。配置カテーテルは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在するルーメンを画定する。出口開口部は、配置カテーテルの遠位端部又はその近くにある。膀胱内デバイスは、スタイレットによって誘導されて、ルーメンを通して出口開口部へ、及び膀胱内へ前進させられてもよい。
【0013】
スタイレットは、配置カテーテルのルーメンを通して膀胱内に1つ又は2つ以上の膀胱内デバイスを誘導するように構成される。例えば、膀胱内デバイスは、ルーメン内に存在するか、又は導入されてもよく、スタイレットは、ルーメンに沿って膀胱内デバイスを誘導するためにルーメン内に導入されてもよい。特に、スタイレットの遠位端部は、膀胱内デバイスの端部などの表面を押して、膀胱内デバイスをルーメン内で配置カテーテルの出口開口部に向かって、かつ出口開口部を通って変位させる。
【0014】
受容漏斗は、近位カテーテル端部で配置カテーテルに固定されるハブを含む。受容漏斗は、例えば、カテーテルとスタイレットとの間の精密な整合を必要とせずに、スタイレットをカテーテルの近位端部の中に導入することを容易にし得る。例えば、スタイレットの先端又は端部は、漏斗の内部に沿って近位開口部に向かって、カテーテルのルーメンの中に導かれてもよい。同様に、受容漏斗はまた、例えば、スタイレットの導入前に、膀胱内デバイスをカテーテルのルーメン内に導入することも容易にし得る。更に、受容漏斗は、有益には、潤滑剤をカテーテルルーメン内に向けるための注射器の使用を必要とせずに、臨床医が潤滑剤をルーメン内に導入することを補助し得る。例えば、漏斗の内部及び表面が潤滑剤を開口部に導くため、ルーメンの微細又は狭い開口部を正確に配置することは、潤滑剤を導入するために必要とされない場合がある。
【0015】
スタイレットは、受容漏斗を通して、配置カテーテルのルーメン内に取り外し可能に受容される。スタイレットは、近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体を含む。スタイレット本体は、ルーメン及び出口開口部を通して膀胱内に膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされる。
【0016】
スタイレットは更に有利には、スタイレットの安全な取り扱い及び操作を補助するために、近位スタイレット端部にパドルを含み、これは、臨床医の手袋をはめた指がそれらの上に潤滑剤を有し得る場合に特に必要とされ得る。パドルは、パドル端部の間に延在する2つの反対面、例えば、把持、挟持、又は保持され得る面を画定する。パドルの表面は、ユーザがそれを把持することを容易にするために、隆起又はテクスチャを含んでもよい。パドルは、スタイレットの「ハブ」と称されることもある。
【0017】
いくつかの実施形態では、パドルは、スタイレットを配置カテーテルに取り外し可能に固定するために受容漏斗とロック係合するように構成された取付具を含む。取付具は、スタイレットがカテーテル内に完全に挿入されたときに、臨床医に明確な(触覚及び/又は可聴)フィードバックを提供することができる。例えば、ロック可能に係合可能な取付具は、受容漏斗上の相補的機械的特徴とのスナップロック係合のための1つ又は2つ以上の機械的特徴を含んでもよい。好ましい実施形態では、ロック可能係合特徴は、スタイレット(例えば、取付具)を配置カテーテル(例えば、受容漏斗)からロック解除及び係合解除するように操作されることができる。
【0018】
いくつかの他の実施形態では、パドルは、ロック特徴を含まない。配置カテーテル及びスタイレットは、スタイレットの挿入中に、スタイレットの取付具が受容漏斗と係合可能であるように構成されてもよい。例えば、取付具は、ロックすることなく、受容漏斗内の内面と停止接触させられてもよく、その後、スタイレットは、配置カテーテルから自由に引き抜かれることができる。
【0019】
スタイレットは、スタイレットが完全に挿入されたときに、膀胱内デバイスを出口開口部を通して完全に外へ誘導するのに十分な長さを有する。したがって、明確なフィードバックはまた、膀胱内デバイスが膀胱内に配設されているという明確な指示を提供する。パドルと漏斗との係合、又は取付具と漏斗との任意選択的なロック可能な係合はまた、カテーテルに対するスタイレットの過剰挿入を防止することができ、これは、カテーテルの端部を越えて膀胱内部へのスタイレットの意図しない導入、又はスタイレットと膀胱壁との意図しない接触を防止することができる。パドルと漏斗との係合は、スタイレットを取り囲むパドルの遠位面端部が配置カテーテルの近位端部面と界面接触する形態をとることができ、これにより挿入が完了/停止する。
【0020】
膀胱内デバイスは、本明細書に説明される挿入器アセンブリのうちの1つを使用して、患者の膀胱内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に細長い配設構成で膀胱内デバイスを導入することを含む。出口開口部は、膀胱の内部容積内に存在する。本方法は、遠位スタイレット端部を受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に導入し、ルーメン内の膀胱内デバイスに接触させることを更に含む。本方法は、受容漏斗を通してスタイレットを遠位に前進させて、ルーメンに沿って出口開口部に向かって膀胱内デバイスを誘導し、出口開口部を通して膀胱内デバイスを膀胱内に解放することを更に含む。本方法は、任意選択的に、スタイレットのパドルを受容漏斗と係合させることを更に含み、これは、スタイレットの遠位端部が出口開口部/その近くの位置に到達したことを示し、それによって膀胱内デバイスが膀胱内に必然的に解放されたことを示す役割を果たし得る。いくつかの他の実施形態では、パドルは、膀胱内デバイスが配置カテーテルから解放されるために漏斗と係合する必要はない。
【0021】
挿入器アセンブリの実施形態は、
図1A~
図8に示される。一般に、挿入器アセンブリは、患者の尿道を通過するように設計される配置カテーテルと、配置カテーテルに導入可能なスタイレットとを含む。
【0022】
図1Aは、配置カテーテル10、受容漏斗20、及びスタイレット30を含む、挿入器アセンブリ1を示す。
図1Bは、
図1Aに示される配置カテーテル10の線A-Aに沿ってとった断面を示す。挿入器アセンブリ1は、膀胱内デバイス40を配設するために使用されてもよい。膀胱内デバイス40は、配置カテーテル10のルーメン内に配置されて示される。膀胱内デバイス40は、挿入器アセンブリ1内に最初に存在してもしなくてもよい。例えば、臨床医は、配設中又は配設直前に、膀胱内デバイス40を挿入器アセンブリ1の配置カテーテル10に導入してもよい。いくつかの実施形態では、膀胱内デバイス40は、臨床医による膀胱内デバイス40の挿入器アセンブリ1への導入を必要とせずに、挿入器アセンブリ1の一部として、例えば、配置カテーテル10内に提供されてもよい。ルーメン12の断面形状は、膀胱内デバイス40の断面形状に一致してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、挿入器アセンブリ1は、配置カテーテル10と、受容漏斗20と、スタイレット30とを含む。配置カテーテル10は、近位カテーテル端部14から出口開口部16まで延在するルーメン12を画定する。いくつかの実施形態では、出口開口部16は、遠位カテーテル端部18に隣接してもよい。出口開口部16は、ルーメン12から出口開口部16を通る膀胱内デバイス40の円滑な通過を容易にする様式で、ルーメン12と連通している。
【0024】
いくつかの他の実施形態では、出口開口部は、配置カテーテルの遠位端部にあってもよく、ルーメンと整合してもよい。
【0025】
配置カテーテル10の壁11は、ルーメン12を全体的に画定する。壁11は、生体適合性ポリマー材料から形成され、配置カテーテルが尿道を通して挿入されている間、壁の座屈を防止するのに適した柱強度を提供する厚さを有する。この材料は、好ましくは、例えば、ガンマ線照射又はエチレンオキシド滅菌などの従来の滅菌プロセスに適したものである。特定の実施形態では、配置カテーテル10は、ルーメン12内のスタイレット30及び/又は膀胱内デバイス40の位置を視覚的に決定するために透明又は半透明である。
【0026】
ルーメン12は、円形、長円形、若しくは楕円形の断面外形、又は任意の他の好適な外形を有してもよい。膀胱内デバイス40は、ルーメン12内に位置付けられ、配設の準備ができていてもよい。したがって、特定の実施形態では、膀胱内デバイス40は、配置カテーテル10のルーメン12内に予め装填されてもよい。例えば、膀胱内デバイス40は、出口開口部16を通して、又は受容漏斗20を通してルーメン12の近位開口部を通して、又は代替実施形態(図示せず)では壁11に沿ったスリットを通して、ルーメン12の中へ、使用前に臨床医又は装置によって事前装填又は装填されてもよい。
【0027】
概して、遠位カテーテル端部18及び配置カテーテル10の遠位部分は、尿道組織への外傷を伴わずに、又は尿道組織への最小限の外傷を伴って、尿道を横断するように構成される。近位カテーテル端部部分14及び配置カテーテル10の近位部分は、身体外に留まり、医療専門家等のユーザにアクセスを提供する。
【0028】
配置カテーテル10の寸法は、挿入器アセンブリ1がナビゲートするように設計される解剖学的構造の寸法に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。配置カテーテル10は、任意の好適な長さを有することができる。特定の実施形態では、配置カテーテル10は、少なくとも10cm、又は少なくとも20cm、又は少なくとも30cm、又は少なくとも40cm、かつ60cm未満、又は80cm未満の長さを有する。特定の実施形態において、配置カテーテルは、10cm~40cmの長さを有する。
【0029】
配置カテーテル10は、任意の好適な外径を有することができる。特定の実施形態では、配置カテーテルは、5Fr(外径1.67mm)~18Fr(外径6mm)の外径を有する。いくつかの他の実施形態では、配置カテーテルは、5~18Frの範囲外、例えば、20Fr、22Fr、24Fr、26Fr、28Fr、又は30Frである外径を有してもよい。
【0030】
スタイレット30及び膀胱内デバイス40の一方又は両方は、受容漏斗20を介して、又はそれを通して、配置カテーテル10のルーメン12の中に導入されてもよい。受容漏斗20は、狭い端部から広い端部に拡張する形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、受容漏斗20は、配置カテーテルのルーメン12に流体的に結合される狭い端部に隣接する開口を画定してもよい。受容漏斗20は、漏斗の長さ又は幅の一方又は両方よりも浅い高さを有してもよい。いくつかの実施形態では、受容漏斗は、0.25~0.5の幅に対する比を有する高さを有してもよい。
【0031】
受容漏斗20は、任意の好適な結合機構によって、例えば、1つ又は2つ以上のクリップ、摩擦嵌合、又は感圧接着剤によって、配置カテーテル10に取り外し可能に固定可能であってもよい。特定の実施形態では、受容漏斗20は、配置カテーテル10の材料よりも柔らかい材料で形成され、それにより、受容漏斗は、配置カテーテル10の周りに弾性的又は塑性的に押され、変形され、又は配置され得る。特定の実施形態は、受容漏斗20は、例えば、成形、オーバーモールド、若しくは永久接着剤、又は非破壊的には取り外すことができない様式で受容漏斗20を配置カテーテル10に固定する任意の好適な機構によって、配置カテーテル10に永久的に固定される。
【0032】
特定の実施形態では、受容漏斗20は、近位カテーテル端部14において配置カテーテル10の周りにオーバーモールドされる。特定の実施形態では、受容漏斗20は、近位カテーテル端部14において配置カテーテル10と一体である。本明細書で使用される場合、用語「一体」及び「一体的に形成された」は、漏斗及び配置カテーテルが、同じモノリシック構造/材料の一部である、例えば、共成形されたことを指す。受容漏斗20は、近位カテーテル端部14で、近位カテーテル端部に隣接して、又は近位カテーテル端部の周囲で、配置カテーテル10に固定されてもよい。特定の実施形態では、受容漏斗20は、配置カテーテル10と一体的に形成される。例えば、配置カテーテルの後部又は近位部分は、受容漏斗20として形成されてもよい。
【0033】
受容漏斗20は、近位漏斗端部22と遠位漏斗端部24との間に延在する。受容漏斗20は、近位漏斗端部22と遠位漏斗端部24との間に延在する、単一又は一体ユニットからなってもよい。特定の実施形態では、2つ以上のユニットが別々に形成され、固定されて受容漏斗20を形成してもよい。例えば、受容漏斗20は、単一のユニットとして一体的に形成され得る漏斗部分26及びハブ28を含んでもよく、又は別個に形成され、互いに固定されてもよい。ハブ28は、配置カテーテル10の近位カテーテル端部14に、又はその周囲に固定されるように寸法決めされてもよい。漏斗部分26は、配置カテーテル10のルーメン12内にスタイレット30、膀胱内デバイス40、又は潤滑剤等の流体を受容することを容易にするために、近位カテーテル端部14から離れて近位方向に広がるように寸法決めされてもよい。
【0034】
図1Aに示される実施形態では、漏斗部分26の最も狭い幅は、ハブ28の幅よりも広い。特定の実施形態では、ハブ28の幅は、漏斗部分26の幅に滑らかに移行するように増加してもよい。したがって、漏斗部分26の外面は、ハブ28の外面内に滑らかに延びることができる。
【0035】
受容漏斗20は、任意の好適な外形、例えば、曲線、輪郭、多角形、線形若しくは区分線形経路、又はそれらの組み合わせによって画定される外形を有してもよい。特定の実施形態において、受容漏斗20は、円形又は楕円形の外形を有する。特定の実施形態において、受容漏斗20は、受容漏斗20が受容漏斗20を横断する方向においてより短い短軸及びより広い長軸を有するように、平坦化される。特定の実施形態では、受容漏斗は、少なくとも0.1mL、又は少なくとも0.5mL、又は少なくとも1mLの液体又はゲル、例えば、潤滑剤を受容するように寸法決めされる。
【0036】
漏斗部分26は、配置カテーテル10のルーメン12に流体的に結合された漏斗容積を画定する。したがって、受容漏斗20は、ルーメン12の近位開口部の位置又は整合の正確な判定を必要とせずに、構成要素又は流体をルーメン12の中に導くために使用されてもよい。近位カテーテル端部14は、
図1Aに示されるように、漏斗部分26及びハブ28の界面まで延在し、それと整合してもよい。したがって、ルーメン12の近位開口部は、その界面と整合してもよい。特定の実施形態は、近位カテーテル端部14は、その界面まで延在しなくてもよく、代わりに、ハブ28に沿った位置で終端してもよい。
【0037】
特定の実施形態では、受容漏斗20は、柔軟であり、例えば、臨床医によって加えられる力に応じて弾性的に変形可能である。他の実施形態では、受容漏斗20は剛性であり、臨床医によって加えられる力に応答してその形状を実質的に保持する。
【0038】
近位スタイレット端部34に隣接するスタイレット30の近位部分は、患者の身体外に留まり、臨床医又は装置から誘導力を受けるように構成される。遠位スタイレット端部36に隣接する遠位部分は、出口開口部16から膀胱内デバイス40を誘導するように構成される。
【0039】
スタイレット30は、受容漏斗20を通して配置カテーテル10のルーメン12内に取り外し可能に受容される。スタイレット30は、近位スタイレット端部34と遠位スタイレット端部36との間に延在するスタイレット本体32を含む。スタイレット本体32は、ルーメン12及び出口開口部16を通して膀胱内デバイス40を患者の膀胱内に誘導するように寸法決めされる。
【0040】
スタイレット30の全体的な形状及び構成は、配置カテーテル10とスタイレット30との間の実質的な摩擦なしに、かつスタイレット30が配置カテーテル10又は膀胱内デバイス40に外傷を引き起こすことなく、膀胱内デバイス40に誘導力を加えることを可能にする。
【0041】
スタイレット30の寸法は、配置カテーテル10ルーメンの寸法及び膀胱内デバイスのサイズに少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。スタイレット30は、配置カテーテル10よりもわずかに長くてもよい。配設器具に挿入されると、スタイレット近位端部34は、配置カテーテル10の近位カテーテル端部14の外側に留まり、遠位スタイレット端部36は、配置カテーテル10の遠位カテーテル端部18に到達する。このような構成は、配置カテーテル10の全長に沿ってスタイレット30を挿入して、出口開口部16から膀胱内デバイス40を誘導することを可能にする。
【0042】
スタイレット30の外径は、配置カテーテル10の内径よりも小さく、その結果、スタイレット30は、配置カテーテル10全体の長さに沿って摩擦の力を克服する必要なく、配設器具内に挿入され得る。いくつかの実施形態では、スタイレット本体は、配置カテーテルのルーメンの内径よりも約1mm小さい外径を有する。
【0043】
スタイレット30は、配置カテーテルルーメンへの挿入中及び膀胱内デバイスの誘導中の座屈に抵抗するのに適した柱強度を有する好適な材料から形成される。この材料は、生体適合性ポリマー、例えば、シリコーン、ポリエチレン、又はポリウレタンであり得、好ましくは、従来の滅菌処置に適したものである。スタイレット30は、例えば、当技術分野で既知の押出又は成形プロセスによって形成することができる。
【0044】
図解の実施形態では、スタイレット30は、実質的に円筒形の外面を有するが、他の構成も可能である。
【0045】
特定の実施形態では、スタイレット本体32は、スタイレット本体32の全体に亘って中実断面を有する。他の実施形態では、スタイレット本体32は中空であってもよい。例えば、スタイレット本体32は、近位スタイレット端部34から遠位スタイレット端部36まで延在するルーメンを画定してもよい。いくつかのそのような実施形態では、スタイレット本体32のルーメンは、配置カテーテルルーメン及び/又は膀胱の内外への流体の通過を可能にするために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ルーメンは、パドルを通して延在してもよい。
【0046】
スタイレット30は、近位スタイレット端部34に、それに隣接して、又はその周りにパドル38を更に含む。パドル38は、例えばパドル38の表面と受容漏斗20の表面との間の接触によって、受容漏斗20と係合可能である。任意選択的に、パドル38は、スタイレット30を受容漏斗30に、最終的には配置カテーテル10に取り外し可能に固定するために、受容漏斗20とロック可能に係合可能である。
【0047】
パドル38は、漏斗20へのパドル38のロック可能な係合を促進するための少なくとも1つの取付具42を任意選択的に含む。取付具42は、少なくとも1つのクリップ、例えば、1つ、2つ以上のクリップを含んでもよい。特定の実施形態において、取付具42は、受容漏斗30に取り外し可能に固定可能な少なくとも1つのクリップを含む。例えば、少なくとも1つのクリップは、受容漏斗30の表面又は特徴、例えば、リップ、リム、輪郭、突出部、チャネル、隆起、開口部、又は少なくとも1つのクリップに対して(又は概して取付具42に対して)相補的な任意の好適な特徴に固定可能であってもよい。特定の実施形態は、取付具42は、例えば、近位カテーテル端部14に隣接して、受容漏斗20の内面に、又はそこにおいて取り外し可能に固定可能である。取付具42は、少なくとも最小閾値取り外し力が配置カテーテル10から離れる近位方向にスタイレット30に加えられるまで、スタイレット30が受容漏斗20に(したがって配置カテーテル10に)完全に係合及び固定され、スタイレット30が受容漏斗20に固定されたままであるように付勢力又は固定力を加えてもよい。
【0048】
特定の実施形態では、取付具42は、係合すると、触覚又は可聴フィードバックを生成する。特定の実施形態では、スタイレット30自体は、受容漏斗20との係合中に、例えば、受容漏斗20に対してスナッピング又はタッピングすることによって、可聴又は触覚フィードバックを生成するように構成される。したがって、取付具42は、臨床医によって意図的に解放されるまで、配置カテーテル10へのスタイレット30の完全な係合及び固定を容易にすることができる。
【0049】
クリップを含む取付具42の代わりに、又はそれに加えて、挿入器アセンブリ1は、スタイレット30を配置カテーテル10に固定するための他の機構を含んでもよい。例えば、取付具42又は受容漏斗20の一方は、周囲リッジを画定してもよく、取付具42又は受容漏斗20の他方は、周囲リッジに噛合係合するように寸法決めされる周囲チャネルを画定してもよい。嵌合隆起及びチャネルは、好適に弾性であり得、「スナップ嵌め」ロック係合を提供するように寸法決めされてもよい。
【0050】
いくつかの他の実施形態では、取付具42及び受容漏斗20は、ルアーロック又はツイストロックによって固定可能であってもよい。
【0051】
図1Aの実施形態では、取付具42はスタイレット30と関連付けられているが、他の実施形態では、取付具は、スタイレット30(又はパドル38)及び受容漏斗20の他方に固定可能である、スタイレット30の一方又は両方上に(例えば、パドル38において)、及び受容漏斗20に設けられてもよい。特定の実施形態では、取付具42は、遠位パドル端部から遠位に延在し、内部漏斗リップに固定可能な2つのクリップを含む。取付具及び漏斗係合の更なる説明は、
図3A~
図7Bを参照して以下に記載される。
【0052】
特定の他の実施形態では、挿入器アセンブリは、
図8を参照して以下に説明されるように、取付具を含んでいなくてもよい。
【0053】
パドル38は、例えば、摩擦嵌め若しくは締まり嵌め、成形、オーバーモールド、又は永久接着剤、あるいは例えば、臨床医によって取り外すことができない様式で、パドル38をスタイレット本体32に固定する任意の好適な機構によって、スタイレット本体32に固定されてもよい。近位スタイレット端部34は、パドル38の端部まで延在し、それと整合してもよい。したがって、スタイレット本体32及びパドル38の近位端部は、面一であってもよく、又は整合されてもよい。特定の実施形態では、近位スタイレット端部34は、そのような様式で延在しなくてもよく、代わりに、
図1Aに示されるように、パドル38の内部内の位置で終端してもよい。特定の実施形態では、パドル38は、近位スタイレット端部34においてスタイレット本体32の周りにオーバーモールドされる。特定の実施形態では、パドル38は、アダプタによってスタイレット本体に結合されてもよい。特定の実施形態では、パドル38は、スタイレット本体32と一体的に形成されている。例えば、スタイレット本体32及びパドル38は、一緒に、又は単一のユニット若しくは部品として成形されてもよい。
【0054】
パドル38は、受容漏斗20と係合するように寸法決めされる。例えば、パドル38は、パドル38が受容漏斗20の外面、リム、又はリップに、又はその周囲に固定され得るように、少なくとも1つの寸法において受容漏斗20よりも幅広又は大きくてもよい。特定の実施形態では、パドル38は、パドル38が漏斗部分26の内面内に少なくとも部分的に受容され、それに対して係合されるように、少なくとも1つの寸法において受容漏斗20よりも狭いか又は小さい。特定のこのような実施形態では、臨床医が延在部分を把持、挟持、又はつかみ、パドル38に引っ張り力を加えて、パドル38(したがってスタイレット30)を受容漏斗20から係合解除又は取り外すことができるように、パドル38の一部分が漏斗部分26の外側に近位に延在してもよい。特定の実施形態では、パドル38のいかなる部分も受容漏斗20から外に延在せず、その結果、臨床医は、例えば、鉗子などのツールを使用することなく、パドル38(したがってスタイレット30)を容易に手動で取り外すか又は係合解除することができない。そのような構成は、配置カテーテル10からのスタイレット30の意図しない係合解除又は取り外しを防止又は回避するために使用されてもよい。
【0055】
特定の実施形態では、配置カテーテル10は、例えば
図1Aに示すように、遠位カテーテル端部18に丸みを帯びた非外傷性先端を画定する。他の実施形態では、配置カテーテル10の遠位端部は、尿道内への/尿道を通した挿入を可能にするように好適に構成される限り、比較的平坦又はテーパ状の先端を有してもよい。
【0056】
配置カテーテル10、パドル38、受容漏斗20、及びスタイレット1のうちの1つ又は2つ以上は、同一又は異なるポリマー材料から形成されてもよい。特定の実施形態では、挿入器アセンブリ1は、ラジオマーカを含む。例えば、配置カテーテル10又はスタイレット本体32は、放射線不透過性材料又はマーカを含んでもよい。
【0057】
挿入器アセンブリ1は、膀胱内デバイス40を誘導及び配設するために使用されてもよい。挿入器アセンブリ又はその構成要素の更なる実施形態は、
図2A~
図8を参照して説明され、同様に番号付けされた参照番号は、同様の要素を示す。挿入器アセンブリ1は、そのような及び他の実施形態に従って修正された構成要素を含んでもよいことが理解されるであろう。
【0058】
図2A~
図2Bは、挿入器アセンブリ100の配置カテーテル110の一実施形態を例解する。配置カテーテル110は、くの字屈曲部(coude bend)を含む丸みを帯びた非外傷性先端を有する。くの字屈曲部が存在する場合、回収漏斗の向きがくの字屈曲部の向きを示すように、くの字屈曲部は、回収漏斗の長軸に対して所定の角度で整合されてもよい(例えば、整合されているか、又は垂直であってもよい)。特定の実施形態では、配置カテーテル110は、
図2Bに示されるように、挿入深さ及び出口開口部の向きを示す、深さマーキングを含んでもよい。
【0059】
挿入器アセンブリ200の1つの好ましい実施形態が、
図3A~
図3Cに示される。配置カテーテル210は、
図1A~1Bを参照して説明される配置カテーテル10、又は
図2A~
図2Bを参照して説明される配置カテーテル110と概して同様であってもよい。受容漏斗220の漏斗部分226は、
図3B及び
図3Cに見られるように、楕円形外形を有する。リム229は、漏斗部分226及びハブ228の外部界面に存在してもよい。
【0060】
スタイレット230は、取付具242を含むパドル238を含む。取付具242は、取付具238から遠位に延在する、2つのクリップを含む。取付具242の2つのクリップは、受容漏斗220の内部に受容され、そこに取り外し可能に固定可能である。
【0061】
パドル238は、近位スタイレット端部を取り囲む中央本体部分231と、近位パドル端部237に画定された親指当て244と、親指当て244と遠位パドル端部233との間で中央本体部分231から横方向に延在する1対のウィング部分235a、235bとを有する。親指当て244は、中央本体部分231から離れる方向に向いた凹面239と、楕円形の外縁とを有し、その長軸は、ウィング部分が中央本体部分から延在するのと同じ方向に延在する。ウィング部分235a、235bの各々は、遠位パドル端部237につながるテーパ241を含む。パドル238はまた、各テーパ241に近接する湾曲した指当て246を含む。ウィング部分235a、235bの表面領域は、任意選択的に、近位パドル端部と遠位パドル端部との間に延在する把持表面248を含む。例えば、把持表面は、当技術分野で既知の滑り止めコーティング材料又はテクスチャ領域(例えば、複数の隆起、溝、隆起バンプ、又は他の表面粗化特徴)を含んでもよい。親指当て244、湾曲した指当て246、及び把持表面248のうちの1つ又は2つ以上は、配置カテーテル210及び受容漏斗220に対するスタイレット230の保持、把持、つかみ、引っ張り、及び押し込みを容易にし得る。
【0062】
挿入器アセンブリ300の別の好ましい実施形態が、
図4A~
図4Dに示される。挿入器アセンブリ300は、
図3A~
図3Cを参照して説明した挿入器アセンブリ200と実質的に同様であるが、受容漏斗320がスタイレット本体330を横断する方向に非対称に延在している。
【0063】
図4Aに示されるように、挿入器アセンブリ300は、配置カテーテル310と、非対称受容漏斗320と、スタイレット330とを含む。第1の例解された構成では、スタイレット330は、
図4A~
図4Bに例解されるように、配置カテーテル310に部分的に挿入される。第2の例解された構成では、スタイレット330は、
図4C~
図4Dに示されるように、配置カテーテル310のルーメン内に完全に挿入される。
【0064】
配置カテーテル310は、
図2A~
図2Bに示される配置カテーテル110と同様に、深さマーキングを含む。受容漏斗320の漏斗部分326の第1の漏斗縁部350は、
図4Cに示されるように、第2の漏斗縁部352に対して近位にオフセットされ、更に近位に延在する。パドル338は、
図4Bに示すように、親指当て344と把持表面348とを含む。
【0065】
パドル338は、
図4Dに示されるように、漏斗部分326の内部において内側リム327に固定可能であり、内側リム327に隣接するチャネル329内に受容される2つのクリップを含む取付具342を含む。
【0066】
挿入器アセンブリ300の受容漏斗320の非対称構成は、
図5A~
図5Bに示されるように、挿入器アセンブリ300の人間工学的手動操作を容易にし得る。
図5Aは、スタイレット330が配置カテーテル310を通して部分的に挿入された状態の
図4Aの挿入器アセンブリ300の使用を例解する図である。
図5Bは、スタイレット330が完全に挿入された状態の
図4Aの挿入器アセンブリ300の使用を例解する図である。
図5Aに示されるように、ユーザの一方の手の親指は、受容漏斗320の非対称部分に対して静置することができ、ユーザの他方の手の親指及び指は、パドル338の把持表面348を把持する。この構成は、スタイレット330を漏斗320に対して遠位又は近位に前進又は後退させるために使用することができる。スタイレット330を完全に挿入するために、一方の手の親指は、
図5Bに示されるように、受容漏斗320に対して指を置いた状態で、スタイレット330の湾曲した親指当て344を最後に押すことができる。
【0067】
挿入器アセンブリ400の別の好ましい実施形態が、
図6A~
図6Bに示される。挿入器アセンブリ400は、配置カテーテル410と、非対称受容漏斗420と、スタイレット430とを含む。挿入器アセンブリ400は、
図4A~
図4Dを参照して説明される挿入器アセンブリ300と実質的に同様であるが、受容漏斗420は、スタイレット本体430を横断する方向に梨状非対称外形を有する。受容漏斗420の形状は、例えば、指の間又は指と親指との間で非対称漏斗420を保持することを容易にし得る。
【0068】
挿入器アセンブリ500の別の好ましい実施形態が、
図7A~
図7Bに示される。挿入器アセンブリ500は、配置カテーテル510と、対称受容漏斗520と、スタイレット530とを含む。挿入器アセンブリ500は、
図3A~
図3Cを参照して説明した挿入器アセンブリ200と実質的に同様であるが、挿入器アセンブリ500のパドル538は、挿入器アセンブリ200のパドル238とは異なる形状を有する。パドル538は、ギターピックと同様のテーパ形状を有し、受容漏斗520の内部内に固定可能なツイストロック543(例えば、ルアーロック)も含む。
【0069】
図8は、配置カテーテル610と、取付具も受容漏斗も有さないスタイレット630とを含む、挿入器アセンブリ600の代替実施形態を例解する。取付具又は受容漏斗がないことを除いて、挿入器アセンブリ600は、
図3A~
図3Cを参照して説明される挿入器アセンブリ200と実質的に同様である。スタイレット630は、近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体632を含む。スタイレット630は、近位スタイレット端部の周りでスタイレット本体632に取り付けられたパドル638を含む。パドル638は、近位パドル端部に湾曲した親指当て644を画定し、遠位パドル端部に湾曲した指当て646を画定する。湾曲した親指当て644は、スタイレット本体632を横断する方向に沿って、例えば、スタイレット本体632に垂直に、又はスタイレット本体632に垂直な方向の±10°以内に延在してもよい。実施形態では、
図8に示されるように、湾曲した指当て646は、第1の湾曲した指当てであり、パドル638は、遠位パドル端部において第2の湾曲した指当てを更に画定する。
【0070】
パドル638は、スタイレット本体632に取り付けられる。例えば、パドル638は、近位スタイレット端部においてスタイレット本体632の周りにオーバーモールドされてもよい。そのような実施形態では、パドル638は、スタイレット本体632の近位端部部分が延在するパドルルーメンを画定する中央本体部分639を有する。代替的な実施形態では、パドル638は、射出成形プロセスなどでスタイレット本体632と一体的に形成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、挿入器アセンブリ600は、例えば、
図8に示されるように、受容漏斗を含まなくてもよい。そのような実施形態では、パドル638は、配置カテーテル610と係合してもよい。例えば、パドル638の遠位部分は、配置カテーテル610の近位部分と接触又は係合してもよい。したがって、臨床医は、パドル638と配置カテーテル610との係合によって生成される音声又は触覚フィードバックを受信すると、スタイレット本体632の誘導又は押圧を停止してもよい。他の実施形態では、挿入器アセンブリ600は、本開示の実施形態による受容漏斗を含んでもよく、パドル638は、受容漏斗と係合してもよい。
【0072】
受容漏斗、パドル、及びロック特徴又は取付具を含む挿入アセンブリの実施形態が説明されてきたが、他の実施形態では、挿入アセンブリは、受容漏斗、パドル、及びロック特徴又は取付具のうちの1つ又は2つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、受容漏斗及び取付具の一方又は両方は、挿入器アセンブリに存在しなくてもよい。受容漏斗が存在しない実施形態では、パドルは、配置カテーテルを通してスタイレットを前進させた後、配置カテーテルの近位端部と係合するか、又はそれに対して静置してもよい。
【0073】
本開示による種々の挿入アセンブリは、それぞれのキットとして提供されてもよい。例えば、キットは、配置カテーテル及びスタイレットを保持するパッケージを含んでもよい。キットは、使用前に配置カテーテルに固定可能な一体型受容漏斗を有する別個のハブを含んでもよく、又は受容漏斗は、配置カテーテルに接着又は固定されてもよい。キットは、配置カテーテル内に導入される膀胱内デバイスを含んでもよく、又は配置カテーテル内に予め装填された膀胱内デバイスを含んでもよい。
【0074】
特定の実施形態では、配設アセンブリは、配置カテーテル、受容漏斗、スタイレット、及び膀胱内デバイスのうちの1つ又は2つ以上を格納する、少なくとも1つのパッケージ又はキット内に収納されてもよい。パッケージは、挿入処置の前にパッケージ化された構成要素を保護し得る。例えば、構成要素は、パッケージ内で一緒に滅菌され、一緒に輸送されてもよい。スタイレット又は受容漏斗の一方又は両方は、配置カテーテルとともにパッケージ化されるか、別個にパッケージ化されるか、又は完全に省略されるかのいずれかであり得る。どの構成要素が一緒にパッケージ化されるかに関わらず、パッケージは、ガンマ線照射又はエチレンオキシド滅菌などを使用して滅菌される。
【0075】
図9は、膀胱内デバイスを膀胱内に挿入する方法の実施形態のブロック図である。
図9の方法は、本開示による任意の挿入アセンブリ、例えば、配置カテーテル、受容漏斗、及びスタイレットを含む挿入アセンブリを使用して実践されてもよい。
【0076】
ブロック702では、配置カテーテルが身体内に挿入される。配置カテーテルを挿入することは、一般に、配置カテーテルを尿道に挿入することと、遠位端部が膀胱内に配置されるまで配置カテーテルを前方に誘導することとを含み、一方、近位端部は身体の外側に留まる。例えば、遠位スタイレット端部は、受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に導入され、ルーメン内の膀胱内デバイスに接触してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、ブロック702において、任意の追加のデバイスを使用することなく配置カテーテルが身体内に挿入される。いくつかの他の実施形態では、配置カテーテルは、挿入手順を視覚化することを可能にする膀胱鏡と関連してブロック702において身体内に挿入される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ブロック702において身体内に配置カテーテルを挿入することは、配置カテーテルの遠位端部が膀胱内に位置決めされたことを確認することを更に含む。例えば、遠位端部の場所は、膀胱内に位置付けられた遠位端部から配置カテーテルを通して尿を伝達することによって、及び/又は配置カテーテル上の深度インジケータマーキング(例えば、数字)を使用することによって、検証されることができる。遠位端部の位置は、配置カテーテルの遠位端部を膀胱鏡、超音波又はX線で可視化することによって検証され得る。
【0079】
配置カテーテルがくの字屈曲部又は先端を含む実施形態では、臨床医は、膀胱内デバイスが配置カテーテルから出る向きを制御するために、配置カテーテルを回転させ、次にくの字屈曲部を回転させ得る。例えば、くの字屈曲部は、配置カテーテルを回転させることによって制御され得る方向に向かって出口開口部を配向し得る。したがって、いくつかの実施形態では、臨床医は、配置カテーテルからの膀胱内デバイスの解放を妨げ得る膀胱内の任意の解剖学的特徴から離れるように、膀胱内デバイスを配向、操縦、又は誘導し得る。
【0080】
ブロック704では、膀胱内デバイスが配置カテーテルに挿入される。場合によっては、膀胱内デバイスを配置カテーテルに挿入することは、膀胱内デバイスを非線形膀胱保持形状(例えば、コイル形状又はS字形状)から実質的に線形配設形状に弾性的に変形させることを含むことができる。例えば、ブロック704は、受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に細長い配設構成で膀胱内デバイスを導入することを含んでもよく、出口開口部は、膀胱の内部容積内に存在する。
【0081】
膀胱内デバイスを配置カテーテルに挿入することは、膀胱内デバイスを遠位カテーテル端部に、近位カテーテル端部に、又は配置カテーテルの壁に沿った開口部若しくはスリットに挿入することを含み得る。場合によっては、膀胱内デバイスを配置カテーテルに挿入することは、配置カテーテルが身体内に挿入される前に、膀胱内デバイスを配置カテーテルに事前装填することを含む。そのような場合、ブロック702と704の順序は逆になる。膀胱内デバイスは、典型的には、デバイスが遠位端部又はスリットを通して配置カテーテル内に留置される場合、事前装填されるが、膀胱内デバイスは、便宜上、いずれの場合も事前装填されることができる。膀胱内デバイスは、ブロック706において配置カテーテルを通して膀胱内デバイスを誘導することに関連付けられる摩擦を低減するために、膀胱内デバイスが配置カテーテルに挿入されるとき、又はその前に潤滑されてもよい。
【0082】
ブロック706では、膀胱内デバイスが膀胱内に誘導される。膀胱内デバイスが、ブロック704において受容漏斗を通して近位カテーテル端部へと配置カテーテルに挿入される実施形態では、膀胱内デバイスを膀胱内に誘導することは、膀胱内デバイスが配置カテーテルから出て膀胱内に入るまで、膀胱内デバイスを近位カテーテル端部から、ルーメンに沿って、遠位カテーテル端部を通して誘導することを含む。膀胱内デバイスがブロック704において遠位カテーテル端部に挿入される実施形態では、膀胱内デバイスを膀胱内に誘導することは、膀胱内デバイスが配置カテーテルから出て膀胱内に入るまで、遠位カテーテル端部を通して膀胱内デバイスを誘導することを含み、これは膀胱内デバイスがブロック702において配置カテーテルの挿入時に尿道を通して先に誘導されたためである。
【0083】
ブロック706において膀胱内に膀胱内デバイスを誘導することは、スタイレットを用いて膀胱内デバイスを誘導することを含む。スタイレットは、上述のスタイレットの一実施形態であってもよい。そのような場合、ブロック706において膀胱内に膀胱内デバイスを誘導することは、受容漏斗を通して近位カテーテル端部部分内に遠位スタイレット端部を挿入することと、遠位スタイレット端部が遠位カテーテル端部に到達するまで配置カテーテルを通してスタイレットを前進させることとを含む。ブロック706において膀胱内に膀胱内デバイスを誘導することは、膀胱内デバイスをスタイレットと接触させることと、スタイレットを使用して配置カテーテルを通して膀胱内デバイスを前進させることと、スタイレットを用いて配置カテーテルから膀胱内デバイスを誘導することとを含む。例えば、スタイレットは、受容漏斗を通して遠位に前進させられ、膀胱内デバイスをルーメンに沿って出口開口部に向かって誘導してもよく、スタイレット又はパドルの一部の取付具は、任意選択的に、膀胱内への出口開口部を通した膀胱内デバイスの完全なスタイレット挿入及び解放の指示として、受容漏斗と係合されてもよい。
【0084】
配設形状(例えば、線形形状)と保持形状(例えば、非線形形状)との間で構成可能である膀胱内デバイスを配置するために方法が使用されるいくつかの実施形態では、ブロック706における配置カテーテルから膀胱内デバイスを誘導する行為は、配置カテーテル壁の力を膀胱内デバイスから除去する。この負荷を取り除くことは、膀胱内デバイスが、医学的に指示された(例えば、治療又は診断)期間中に膀胱内デバイスを膀胱内に保持するために、その保持形状に弾性的に戻ることを可能にし得る。換言すれば、誘導は、配置カテーテル壁によって膀胱内デバイスに課される拘束又は閉じ込めを除去し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、受容漏斗への取付具のスナップロック係合は、スタイレットが完全に挿入されたという触覚及び/又は可聴フィードバックを提供し、それによって、膀胱内デバイスが必然的に配設されたことを確実にする。いくつかの実施形態では、取付具以外のパドルの別の部分が、漏斗に接触し、スタイレット挿入の触覚及び/又は可聴フィードバックを提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ブロック706において膀胱内デバイスを膀胱内に誘導することは、デバイスが適切に配設されたことを確実にするために膀胱内の膀胱内デバイスを観察することを更に含み得る。例えば、デバイスは、膀胱鏡、超音波、又はX線を使用して観察することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、ブロック706において膀胱内デバイスを膀胱内に誘導することは、デバイスが膀胱内に誘導される前に、ある体積の流体を膀胱内に導入することを更に含む。流体は、例えば、水又は生理食塩水であってもよい。流体は、膀胱内でクッションとして機能することができ、配設時に膀胱内デバイスが膀胱の後部に接触する可能性を低減し、これにより膀胱の不快感を低減することができる。
【0087】
ブロック708では、配置カテーテル及びスタイレットが身体から取り出される。スタイレットは、配置カテーテルの前又は同時のいずれかで取り出され得る。例えば、パドルは、受容漏斗から解放されてもよく、スタイレットは、ルーメンを通してカテーテルから近位に引き抜かれてもよい。他の実施形態では、パドルは、膀胱からカテーテルを引き抜く間、ルーメン内で受容漏斗及びスタイレットと係合したままであってもよい。その後、ブロック710において、膀胱内デバイスは、医学的に指示される期間にわたって膀胱内に配設されたままである。膀胱内デバイスが薬物送達デバイスである実施形態では、デバイスは、ブロック710において身体内に保持されて、薬物を身体内に放出し、例えば、薬物をデバイスから膀胱内に、並びに尿路上皮組織及び他の局所又は領域組織に放出する。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法は、ブロック712において、膀胱内デバイスを身体から取り出すことを含む。膀胱内デバイスを身体から取り出すことは、取り出し器具を身体内に挿入することと、配設された膀胱内デバイスを身体内に位置付けることと、膀胱内デバイスを把持又は別様に固定することと、取り出し器具を使用して膀胱内デバイスを身体から引き出すこととを含んでもよい。取り出し器具は、その遠位端部が膀胱に到達するまで尿道を通して挿入される膀胱鏡又はカテーテルの使用を含んでもよく、鉗子又は他の手段が、膀胱内デバイスの把持又は固定を促進するために使用されてもよい。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態は、以下の1つ又は2つ以上を考慮して説明することができる。
【0090】
実施形態1.膀胱内デバイスを患者の膀胱内に配設するための挿入器アセンブリであって、挿入器アセンブリは、(i)ルーメンを画定する配置カテーテルであって、ルーメンは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在する、配置カテーテルと、(ii)近位カテーテル端部において配置カテーテルに固定された受容漏斗と、(iii)配置カテーテルのルーメン内に受容漏斗を通して取り外し可能に受容されるスタイレットであって、スタイレットは、(a)近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体であって、スタイレット本体は、ルーメン及び出口開口部を通して膀胱内に膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされている、スタイレット本体と、(b)近位スタイレット端部の周りでスタイレット本体に取り付けられたパドルであって、パドルは、受容漏斗と係合可能である、パドルと、を備える、スタイレットと、を備える、挿入器アセンブリ。
【0091】
実施形態2.パドルは、近位スタイレット端部においてスタイレット本体の周りにオーバーモールドされる、実施形態1に記載の挿入器アセンブリ。
【0092】
実施形態3.パドルはスタイレット本体と一体である、実施形態1又は2に記載の挿入器アセンブリ。
【0093】
実施形態4.パドルは、近位端部に湾曲した親指当てを画定する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0094】
実施形態5.パドルは、湾曲した親指当ての反対側にある湾曲した指当てを更に画定する、実施形態4に記載の挿入器アセンブリ。
【0095】
実施形態6.パドルは把持表面を備える、実施形態1~5のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0096】
実施形態7.パドルは、受容漏斗内に受容されるように寸法決めされている、実施形態1~6のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0097】
実施形態8.パドルは、スタイレットを配置カテーテルに取り外し可能に固定するために、受容漏斗とロック可能に係合可能な取付具を備える、実施形態1~7のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0098】
実施形態9.取付具は、受容漏斗の内面と係合可能である、実施形態8に記載の挿入器アセンブリ。
【0099】
実施形態10.取付具及び受容漏斗の一方又は両方は、取付具及び受容漏斗の他方に固定可能な少なくとも1つのクリップを備える、実施形態8又は9に記載の挿入器アセンブリ。
【0100】
実施形態11.取付具は、遠位パドル端部から遠位に延在し、内部漏斗リップに固定可能な2つのクリップを備える、実施形態10に記載の挿入器アセンブリ。
【0101】
実施形態12.取付具は、周囲リッジを画定し、受容漏斗は、周囲リッジと噛合係合するように寸法決めされている周囲チャネルを画定する、実施形態8~11のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0102】
実施形態13.取付具は、受容漏斗との係合中に可聴及び/又は触覚フィードバックを生成するように構成されている、実施形態8~12のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0103】
実施形態14.受容漏斗は、近位カテーテル端部の周りにオーバーモールドされる、実施形態1~13のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0104】
実施形態15.受容漏斗は、近位カテーテル端部において配置カテーテルと一体である、実施形態1~14のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0105】
実施形態16.受容漏斗は、楕円形外形及び楕円形周囲のうちの一方又は両方を有する、実施形態1~15のいずれかに1つ記載の挿入器アセンブリ。
【0106】
実施形態17.受容漏斗は、スタイレット本体を横断する方向に非対称に延在する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0107】
実施形態18.受容漏斗は、受容漏斗から配置カテーテルのルーメンに潤滑剤を移送するように構成された漏斗ルーメンを画定する、実施形態1~17のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0108】
実施形態19.受容漏斗は、少なくとも1mLの潤滑剤を受容するように寸法決めされている、実施形態18に記載の挿入器アセンブリ。
【0109】
実施形態20.受容漏斗は、袋から配置カテーテルのルーメン内への潤滑剤の移送を容易にするように成形されている、実施形態18又は19に記載の挿入器アセンブリ。
【0110】
実施形態21.スタイレット本体は、スタイレット本体の全体に亘って中実断面を有する、実施形態1~20のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0111】
実施形態22.配置カテーテルは、ルーメン内の膀胱内デバイス又はスタイレットの位置を視覚的に決定するために透明又は半透明である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0112】
実施形態23.配置カテーテルの遠位カテーテル端部は、丸みを帯びた非外傷性先端を備える、実施形態1~22のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0113】
実施形態24.配置カテーテルの遠位カテーテル端部は、くの字屈曲部を備える、実施形態1~23のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0114】
実施形態25.回収漏斗の向きがくの字屈曲部の向きを示すように、くの字屈曲部は、回収漏斗の長軸と整合されている、実施形態24に記載の挿入器アセンブリ。
【0115】
実施形態26.配置カテーテルは、挿入深さ及び出口開口部の向きを示す深さマーキングを含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0116】
実施形態27.配置カテーテルは、10cm~40cmの長さを有する、実施形態1~26のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0117】
実施形態28.配置カテーテルは、5Fr(1.67mm外径)~30Fr(10mm外径)の外径を有する、実施形態1~27のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0118】
実施形態29.配置カテーテル及びスタイレットの一方又は両方は、ラジオマーカを含む、実施形態1~28のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0119】
実施形態30.配置カテーテル、パドル、受容漏斗、及びスタイレットのうちの1つ又は2つ以上は、同一又は異なるポリマー材料から形成されている、実施形態1~29のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0120】
実施形態31.配置カテーテルのルーメン内に装填された膀胱内デバイスを更に備える、実施形態1~30のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0121】
実施形態32.パドルは、近位スタイレット端部を取り囲む中央本体部分と、近位パドル端部に画定された親指当てと、親指当てと遠位パドル端部との間で中央本体部分から横方向に延在する1対のウィング部分と、を備える、実施形態1~31のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0122】
実施形態33.親指当ては、中央本体から離れる方向に向いた凹面、楕円形の外縁、又は中央本体から離れる方向に向いた凹面及び楕円形の外縁の両方を有する、実施形態32に記載の挿入器アセンブリ。
【0123】
実施形態34.ウィング部分の各々は、遠位パドル端部につながるテーパを備える、実施形態32又は33に記載の挿入器アセンブリ。
【0124】
実施形態35.パドルは、各テーパに近接する湾曲した指当てを更に備える、実施形態34に記載の挿入器アセンブリ。
【0125】
実施形態36.パドルは、近位スタイレット端部においてスタイレット本体の周りにオーバーモールドされる、実施形態32~35のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0126】
実施形態37.パドルはスタイレット本体と一体である、実施形態32~35のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0127】
実施形態38.膀胱内デバイスを患者の膀胱内に配設するための挿入器アセンブリであって、挿入器アセンブリは、ルーメンを画定する配置カテーテルであって、ルーメンは、近位カテーテル端部から出口開口部まで延在する、配置カテーテルと、配置カテーテルのルーメン内を通して取り外し可能に受容されるスタイレットであって、スタイレットは、近位スタイレット端部と遠位スタイレット端部との間に延在するスタイレット本体であって、スタイレット本体は、ルーメン及び出口開口部を通して膀胱内に膀胱内デバイスを誘導するように寸法決めされている、スタイレット本体と、近位スタイレット端部の周りでスタイレット本体に取り付けられたパドルであって、パドルは、近位スタイレット端部を取り囲む中央本体部分と、近位パドル端部に画定された親指当てと、親指当てと遠位パドル端部との間で中央本体から横方向に延在する1対のウィング部分と、を備える、パドルと、を備える、挿入器アセンブリ。
【0128】
実施形態39.親指当ては、中央本体から離れる方向に向いた凹面、楕円形の外縁、又は中央本体から離れる方向に向いた凹面及び楕円形の外縁の両方を有する、実施形態38に記載の挿入器アセンブリ。
【0129】
実施形態40.ウィング部分の各々は、遠位パドル端部につながるテーパを備える、実施形態38又は39に記載の挿入器アセンブリ。
【0130】
実施形態41.パドルは、各テーパに近接する湾曲した指当てを更に備える、実施形態40に記載の挿入器アセンブリ。
【0131】
実施形態42.パドルは、近位スタイレット端部においてスタイレット本体の周りにオーバーモールドされる、実施形態38~41のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0132】
実施形態43.パドルはスタイレット本体と一体である、実施形態38~41のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0133】
実施形態44.近位カテーテル端部において配置カテーテルに固定された受容漏斗を更に備え、スタイレットは、受容漏斗を通して取り外し可能に受容される、実施形態38~43のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリ。
【0134】
実施形態45.配置カテーテル及びスタイレットを含む挿入器アセンブリを使用して、患者の膀胱内に膀胱内デバイスを配設するための方法であって、(i)挿入器アセンブリの受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に膀胱内デバイスを導入することであって、配設本体の出口開口部は、膀胱の内部容積内に存在する、導入することと、(ii)スタイレットの遠位スタイレット端部を受容漏斗を通して配置カテーテルのルーメン内に導入して、ルーメン内で膀胱内デバイスに接触させることと、(iii)受容漏斗を通してスタイレットを遠位に前進させて、ルーメンに沿って出口開口部に向かって膀胱内デバイスを誘導し、出口開口部を通して膀胱内デバイスを膀胱内に解放することと、を含む、方法。
【0135】
実施形態46.スタイレットのパドルが受容漏斗と係合するとき、遠位に前進することを停止することを更に含む、実施形態45に記載の方法。
【0136】
実施形態47.スタイレットの取付具が受容漏斗と係合するとき、遠位に前進することを停止することを更に含む、実施形態45に記載の方法。
【0137】
実施形態48.取付具はスタイレットのパドルの一部である、実施形態47に記載の方法。
【0138】
実施形態49.停止することは、スタイレットと受容漏斗との間のロック係合を含む、実施形態46~48のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
実施形態50.膀胱内デバイスをルーメン内に導入する前に、配置カテーテルの遠位部分を膀胱内に経尿道的に前進させることを更に含む、実施形態45~49のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態51.膀胱から配置カテーテルを引き抜くことを更に含む、実施形態45~50のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
実施形態52.スタイレットは、膀胱から配置カテーテルを引き抜く間、配置カテーテルのルーメン内に留まる、実施形態51に記載の方法。
【0142】
実施形態53.(i)実施形態1~44のいずれか1つに記載の挿入器アセンブリと、(ii)挿入器アセンブリを使用して患者の膀胱内に導入するのに適した膀胱内デバイスと、を備える、部品のキット。
【0143】
本明細書に記載される方法及びデバイスの修正及び変形は、前述の詳細な説明から当業者には明らかであろう。そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【国際調査報告】