(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】脳機能関連疾患のための光治療装置及び光治療機器
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20241129BHJP
【FI】
A61N5/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539401
(86)(22)【出願日】2022-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-27
(86)【国際出願番号】 CN2022142916
(87)【国際公開番号】W WO2023125693
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111624718.4
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210886242.X
(32)【優先日】2022-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524141038
【氏名又は名称】ダンヤン フイチュアン メディカル エクイップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ダイファ
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PC10
4C082PJ12
(57)【要約】
本開示の実施例は、脳機能関連疾患のための光治療装置及び光治療機器を提供し、光治療装置は、ヘッドキャップと、発光コンポーネントと、冷気供給機構とを含む。ヘッドキャップは、ハウジングコンポーネントを含み、ハウジングコンポーネントの内側と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、且つハウジングコンポーネントの内側には第一の吸気口が設けられており、仕切室は、第一の吸気口と使用者の頭皮との間のガス通路を形成するように構成される。発光コンポーネントは、ハウジングコンポーネントに装着され、且つその発光側がハウジングコンポーネントの内側に位置している。冷気供給機構は、ハウジングコンポーネントを貫通して第一の吸気口まで連通し、且つ冷気が第一の吸気口と仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、冷気を供給する。上記光治療装置は、比較的に長い時間の治療を受けさせるように、治療中に使用者の頭部を冷やして使用者の体験を改善することができ、光治療効果及び機器の安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳機能関連疾患のための光治療装置であって、
ハウジングコンポーネントを含むヘッドキャップであって、前記ハウジングコンポーネントの内側と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、且つ前記ハウジングコンポーネントの内側には第一の吸気口が設けられており、前記仕切室は前記第一の吸気口と使用者の頭皮との間のガス通路を形成するように構成されるヘッドキャップと、
前記ハウジングコンポーネントに装着され、且つその発光側が前記ハウジングコンポーネントの内側に位置している発光コンポーネントと、
前記ハウジングコンポーネントを貫通して前記第一の吸気口まで連通し、且つ冷気が前記第一の吸気口と前記仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように前記冷気を供給する冷気供給機構と、を含む、
ことを特徴とする光治療装置。
【請求項2】
前記冷気は、圧縮機により冷却されることにより得られた温度調整可能なガスである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項3】
前記ヘッドキャップは、前記ハウジングコンポーネントの内側に設けられる支持コンポーネントをさらに含み、前記支持コンポーネントは、前記ハウジングコンポーネントと使用者の頭皮との間の前記仕切室を保持するためのものとして構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項4】
前記ハウジングコンポーネントは、アウターハウジングと、透明なインナーハウジングと、スペーサーカバーとを含み、前記アウターハウジングとインナーハウジングとの間にチャンバが形成されており、前記スペーサーカバーは、前記チャンバを外層である第一のチャンバと内層である第二のチャンバに仕切るために用いられ、前記発光コンポーネントは、前記第一のチャンバ内に設けられ、前記第一の吸気口は、前記インナーハウジングに設けられ、前記冷気供給機構は、冷気が前記第二のチャンバと第一の吸気口を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、前記第二のチャンバを経由して前記第一の吸気口まで連通する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光治療装置。
【請求項5】
前記光治療装置は、熱気吸込排出機構をさらに含み、前記熱気吸込排出機構は、前記第一のチャンバに連通し、前記発光コンポーネントで発生した熱による熱気を抽出し、前記ハウジングコンポーネントの外に排気するために用いられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項6】
前記ヘッドキャップは、
前記ハウジングコンポーネントの内側に設置され、前記第一の吸気口に連通する分岐管路コンポーネントをさらに含み、
前記分岐管路コンポーネントには、第一の吹出口が設けられており、且つ前記分岐管路コンポーネントは、前記仕切室内に敷設される複数の分岐路管を含む、
ことを特徴とする請求項1又は4に記載の光治療装置。
【請求項7】
前記支持コンポーネントは、前記インナーハウジングに設けられる複数の支持体を含み、前記支持体には、第二の吹出口が設けられており、前記支持体は、前記分岐路管内のガスが前記第二の吹出口を経由して前記仕切室へ排出するように、前記分岐路管に連通する、
ことを特徴とする請求項6に記載の光治療装置。
【請求項8】
前記第一の吹出口の開口向き方向は、頭皮に向かう方向に対して傾斜している、
ことを特徴とする請求項6に記載の光治療装置。
【請求項9】
前記第一のチャンバと第二のチャンバは、互いに独立している、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項10】
前記スペーサーカバーの頂部には、前記冷気供給機構から冷気を引き込むための第二の吸気口が開設されており、前記第二の吸気口を経由して入った冷気が周囲へ導かれるように、前記インナーハウジングの外頂面には、前記第二の吸気口に対応して設置される導風面が形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項11】
前記インナーハウジングの頂部は、アーチ形状を呈し、且つこのアーチ形状の曲率は、引き込まれた冷気が前記インナーハウジングのアーチ形状の頂部の作用で周囲へなだらかに発散するように、予め設定される曲率よりも小さくなる、
ことを特徴とする請求項10に記載の光治療装置。
【請求項12】
前記インナーハウジングの頂部の少なくとも中央部分には、平面が形成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の光治療装置。
【請求項13】
前記ハウジングには、前記熱気吸込排出機構に連通する吸込口が設けられており、前記吸込口部にはストッパー構造が設けられており、前記ストッパー構造は、ストッパープレートと、前記第一のチャンバに連通する複数のエア抜き孔とを含み、前記ストッパープレートは、前記吸込口と上下に対応して設置される、
ことを特徴とする請求項5に記載の光治療装置。
【請求項14】
複数の前記エア抜き孔は、前記ストッパープレートの周りに環状に配布される、
ことを特徴とする請求項13に記載の光治療装置。
【請求項15】
複数の前記発光コンポーネントは、アレイ状に設置され、且つ前記発光コンポーネントのアレイは、前記スペーサーカバーの外側に設けられ、複数の前記第一の吸気口は、各グループの第一の吸気口をそれぞれ各発光コンポーネントに対応するように、グループに分けて開設される、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項16】
前記発光コンポーネントは、ランププレートと、その第一のプレート面に設けられる複数の発光体とを含み、前記複数の発光体は、それが位置するランププレートに対応する一グループの第一の吸気口の少なくとも一部とがずれて設置される、
ことを特徴とする請求項15に記載の光治療装置。
【請求項17】
前記インナーハウジングにおける各グループの第一の吸気口を開設するための領域は、対応する各ランププレートを覆う第一の領域と、前記第一の領域を囲む第二の領域とを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の光治療装置。
【請求項18】
前記光治療装置は、接続座をさらに含み、前記冷気供給機構は、一端が前記接続座に接続する送風ダクトを含み、前記熱気吸込排出機構は、一端が前記接続座に接続する吸込ダクトを含み、前記接続座は、前記ハウジングに着脱可能に装着される、
ことを特徴とする請求項5に記載の光治療装置。
【請求項19】
前記仕切室で形成される前記ガス通路により、使用者の頭皮付近の風速が0.5m/sから3.5m/sに達する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項20】
前記冷気の温度は、使用者の頭皮付近の風速が0.5m/sから3.5m/に達した場合に使用者の頭皮付近の温度が23度から40度になるように設定される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光治療装置。
【請求項21】
アルツハイマー病を治療するための光治療機器であって、請求項1から20のいずれか1項に記載の光治療装置を含む、
ことを特徴とする光治療機器。
【請求項22】
うつ病を含む心理的疾患を治療するための光治療機器であって、請求項1から20のいずれか1項に記載の光治療装置を含む、
ことを特徴とする光治療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器技術分野に関し、特に脳機能関連疾患のための光治療装置及び光治療機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、科学研究により、光コントロール、特に近赤外光を利用して脳機能を改善し、神経と心理的疾患の研究、治療を行うことができることが発見された。例えば、近赤外光でアルツハイマー病、うつ病、孤独症などの脳機能関連疾患を治療することができる。光治療機器は、光源を採用して頭皮へ経頭蓋光を発射する必要があり、これにより光コントロールによる脳機能の改善を実現する。しかし、従来の技術では、光治療機器は、比較的に低い光平均電力密度を採用しており、治療効果が望ましくなく、一方、比較的に高い光平均電力密度を採用すると、比較的に多くの他の問題が発生し、例えば、光治療機器が作動時にその光源から大量の熱が発生することにより、使用者が光治療中に頭皮の温度が比較的に高くなり、使用者に強い不快感を与えることで、比較的に長い治療時間を受けることが困難になる。既存の光治療機器は、使用者の頭部を冷やすデザインを備えていないため、温度が高すぎると、火傷まで引き起こす恐れがあり、光治療効果に影響を与えるだけでなく、機器の安全性の低減を招き、使用者の体験が悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術に存在する上記技術課題に対して、本開示は、脳機能関連疾患のための光治療装置及び光治療機器を提供し、それらは、脳機能関連疾患の治療中に使用者の頭部を冷やして使用者の体験を改善することができ、比較的に長い時間の治療を受けることを可能にさせ、光治療効果及び機器の安全性を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様によれば、本開示の実施例は、ヘッドキャップと、発光コンポーネントと、冷気供給機構とを含む、脳機能関連疾患のための光治療装置を提供した。ヘッドキャップは、ハウジングコンポーネントを含み、前記ハウジングコンポーネントの内側と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、且つ前記ハウジングコンポーネントの内側には、第一の吸気口が設けられており、前記仕切室は、前記第一の吸気口と使用者の頭皮との間のガス通路を形成するように構成される。発光コンポーネントは、前記ハウジングコンポーネントに装着され、且つその発光側は、前記ハウジングコンポーネントの内側に位置している。冷気供給機構は、前記ハウジングコンポーネントを貫通して前記第一の吸気口に連通し、且つ冷気が前記第一の吸気口と前記仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、冷気を供給する。
【0005】
第二の態様によれば、本開示の実施例は、上記の光治療装置を含む、アルツハイマー病を治療するための光治療機器を提供した。
【0006】
第三の態様によれば、本開示の実施例は、上記の光治療装置を含む、うつ病を含む心理的疾患を治療するための光治療機器を提供した。
【発明の効果】
【0007】
従来の技術と比べて、本開示の実施例の有益な効果は、以下のことにある。本開示の光治療装置は、ハウジングコンポーネントと使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構による第一の吸気口を経由した上記仕切室への冷気供給によって、仕切室内へ供給された冷気により使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネントで発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善しただけでなく、機器の安全性を向上させて、使用者に火傷を与えることが避けられた。
【図面の簡単な説明】
【0008】
必ずしも比例して描かれていない添付図面では、同じ符号は、異なる図面で類似した部品を記述することができる。アルファベット接尾辞又は異なるアルファベット接尾辞を有する同じ符号は、類似した部品の異なる実例を表すことができる。添付図面は、基本的には、制限ではなく例を挙げることによって様々な実施例を示すものであり、且つ明細書及び請求項と一緒に、開示された実施例を説明するために使用されるものである。必要に応じて、全ての添付図面において同一の符号を使用して同一又は類似の部分を指すことになる。このような実施例は、例示的なものであり、本装置又は方法の網羅的又は排他的な実施例として意図されるわけではない。
【
図1】本発明の実施例一の光治療装置の断面図である。
【
図2】本発明の実施例一の光治療装置の立体構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例一の光治療装置の別の視点の立体構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例の患者が上記光治療装置を装着した模式図である。
【
図5】本発明の実施例一の光治療装置の螺旋導風構造の構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例一の光治療装置のストッパー構造の構造模式図である。
【
図8】本開示の実施例二の光治療装置の立体構造模式図である。
【
図9】本開示の実施例三の光治療装置の立体構造模式図である。
【
図10】本開示の実施例三の光治療装置の平面図である。
【
図11】本開示の実施例の光治療装置のヘッドキャップがブラケットに吊り下げられている構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、添付図面を参照しながら本開示の様々な方案及び特徴を記述する。
【0010】
ここでの発明の実施例に様々な修正を加えることができると理解されるべきである。そのため、上記明細書は、制限的なものとみなされるべきではなく、単に実施例としての例に過ぎない。当業者は、本開示の範囲と思想以内の他の修正を想起するであろう。
【0011】
明細書に含まれ明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の実施例を示し、そして上記に与えられた本開示に対する概略的な記述及び以下与えられる実施例に対する詳細な記述と共に本開示の原理を解釈するために用いられる。
【0012】
以下の添付図面を参照しながら非制限的な例として与えられた実施例の好ましい形式に対する記述により、本開示のこれらと他の特性は明らかになるであろう。
【0013】
なお、いくつかの具体的な実例を参照しながら本開示を記述したが、当業者が本開示の多くの他の等価形式を確実に実現することができると理解されるべきである。
【0014】
添付図面と合わせると、以下の詳細な説明に鑑みて、本開示の上記と他の態様、特徴と優位性はより明らかになるであろう。
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本開示の具体的な実施例を記述する。しかしながら、発明される実施例が本開示の実例に過ぎず、複数の方式で実施されることができると理解されるべきである。不要又は余分な詳細が本開示を曖昧にすることを回避するように、よく知られている、及び/又は重複した機能と構造は詳細に記述されていない。そのため、本明細書で発明される具体的な構造と機能的な詳細は、限定されることを意図するものではなく、請求項の基礎と代表的な基礎のみとして、実質的に任意の適切な詳細な構造で多様に本開示を使用するよう当業者に教示するためのものである。
【0016】
本明細書には「一実施例では」、「別の実施例では」、「また別の実施例では」又は「他の実施例では」というフレーズを使用でき、それらは、いずれも本開示に基づく同じ又は異なる実施例における一つ又は複数を指すことができる。
【0017】
本開示の実施例は、脳機能関連疾患のための光治療装置を提供し、この光治療装置はいかなる高平均電力密度の光治療機器に適用され、アルツハイマー病、うつ病などの治療に用いられることを含むが、それらに限らず、経頭蓋光の波長、パルス周波数などの照射パラメータにも限らない。本明細書における「脳機能関連疾患」は、脳部のマクロ又はミクロな構造、生化学的状况と代謝的状況など、少なくとも一つの面で異常がある疾患を含むことを意図しており、例えば、アルツハイマー病、うつ病などであるが、これらに限らない。
【0018】
図1から
図3に示すように、光治療装置は、ヘッドキャップ100と、発光コンポーネント4と、冷気供給機構2とを含む。ヘッドキャップ100は、ハウジングコンポーネント1を含み、前記ハウジングコンポーネント1の内側と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、且つ前記ハウジングコンポーネント1の内側には、第一の吸気口16が設けられており、前記仕切室は、前記第一の吸気口16と使用者の頭皮との間のガス通路を形成するように構成される。発光コンポーネント4は、前記ハウジングコンポーネント1に装着され、且つその発光側は、前記ハウジングコンポーネント1の内側に位置している。冷気供給機構2は、前記ハウジングコンポーネント1を貫通して前記第一の吸気口16に連通し、且つ冷気が前記第一の吸気口16と前記仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、冷気を供給する。
【0019】
具体的には、この仕切室は、使用者の頭頂及び/又は頭周側などの任意の部位に対応することができ、好ましくは、仕切室は、使用者の頭頂と頭周側に対応して設置され、使用者の頭部の各部位で仕切室内に入るガスを感じることによって、快適性を向上させることができる。ただし、説明すべくのは、本開示における内側とは、各部品の、使用者の頭部に近い側を指す。さらに言えば、この仕切室は、十分な容積空間を有し、この容積空間により、頭部の大きな部分が密にフィットするのではなく緩やかにその中に収容されることによって、そのうちの冷気に頭皮との熱交換と対流を提供するのに十分になることで、快適な気流速度で頭皮付近の熱を素早く奪うことができる。
【0020】
具体的には、上記仕切室は、ハウジングコンポーネント1の内側に支持役割を果たすことができる部品を設けることで形成されてもよく、ハウジングコンポーネント1自体の形状により形成されてもよい。
【0021】
具体的には、発光コンポーネント4は、複数であってもよく、各発光コンポーネント4は、使用者の頭部へ経頭蓋光を発射するために用いられ、より多くの経頭蓋光が大脳皮層に入るようにすることにより、脳部疾患に対する治療効果を向上させる。いくつかの実施例では、上記経頭蓋光は、近赤外光であってもよい。
【0022】
具体的には、第一の吸気口16は、冷気供給機構2により調製された冷気を仕切室内に導入して冷やしを実現するために用いられ、この冷気供給機構2は、ヘッドキャップ100の外部に独立して設置されてもよく、ヘッドキャップ100のハウジングコンポーネント1に設けられてもよく、第一の吸気口16に冷やしを実現できるガスを提供できればよく、このガスの温度は、実際の状況、例えば仕切室内の温度、頭皮の温度、頭皮上の汗の量などに応じて調節することができ、仕切室内の温度の低下を実現して使用者の頭部に快適な環境を提供できればよい。
【0023】
いくつかの代替的な実施例では、上記冷気供給機構2は、冷気を製造できるマシンに接続することができ、例えば、冷凍機に接続することができ、この冷凍機は、圧縮機として理解することができ、冷凍機は、冷気を製造した後に冷気を冷気供給機構2内まで伝送してから、冷気供給機構2によって冷気を仕切室内に伝送し、その後に、仕切室に連通する第一の吸気口16を経由して頭皮へ排出し、頭皮を冷やす効果を達成し、使用者がヘッドキャップ100を装着して光治療を受ける時の快適性を向上させることで、使用者の頭皮付近の温度を18度~43度の範囲にすることができる。好ましくは、使用者の頭皮付近の温度を40度以下になるようにし、この温度が体温に近いため、温度に非常に敏感で且つ寛容度が比較的に厳しい使用者にとっても比較的に快適であり、熱損傷を与えることなく、継続的に治療を受けることができるようにする。このような冷気供給機構2とこの前に記述した緩やかなデザインのハウジングコンポーネント1を組み合わせることで、使用者が継続的な光照射治療を受けたくなり、一回の照射でも、より長い時間(例えば20分間、ひいては30分間まで長く続けることができ、時間が長いほど、頭皮付近の発熱も高くなる)を維持できることにより、治療効果をさらに向上させる。
【0024】
いくつかの代替的な実施例では、
図1と
図2に示すように、上記冷気供給機構2は、ハウジングコンポーネント1の頂部に接続するとともに、ハウジングコンポーネント1を貫通して第一の吸気口16まで接続することができる。ここで、冷気供給機構2がハウジングコンポーネント1を貫通するのは、ダクト又は接続具などの構造によって貫通することができる。
【0025】
本開示は、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構2による第一の吸気口16を経由した上記仕切室への冷気供給により、仕切室内へ供給された冷気によって使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネント4で発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善したことだけでなく、機器の安全性を向上させて使用者に火傷を与えることが避けられた。
【0026】
いくつかの実施例では、前記冷気は、圧縮機で冷却することにより得られた温度調整可能なガスである。このように、圧縮機の作動状態を制御することで作られた冷気の温度と体積を調節して、使用者の頭部をよりよく冷やすことができる。
【0027】
いくつかの実施例では、
図8から
図10に示すように、前記ヘッドキャップ100は、前記ハウジングコンポーネント1の内側に設けられる支持コンポーネント8をさらに含み、前記支持コンポーネント8は、前記ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間の前記仕切室を保持するためのものとして構成される。
【0028】
具体的には、上記仕切室とは、使用者が上記ヘッドキャップ100を装着した後に、ヘッドキャップ100と使用者の頭皮との間に間隔があると理解することができ、ただし、説明が必要なのは、支持コンポーネント8の支持機能によってハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に間隔を有させてもよく、他の方式でこの間隔を発生させてもよい。例えば、
図11に示すようにヘッドキャップ100にサスペンションコンポーネントを設置してもよく、使用時に、サスペンションコンポーネントを利用してヘッドキャップ100をブラケット9に吊り下げることで、ヘッドキャップ100が頭皮と接触してこの間隔を発生することにならないようにし、つまり、この間隔は、支持コンポーネント8の支持機能によるものではなく、支持コンポーネント8は、使用者の頭皮に当接しなくてもよく、又は使用者の頭皮に完全に当接しなくてもよく、それは、ヘッドキャップ100と頭皮との間の間隔が変化した時に、ハウジングコンポーネント1と頭皮との間に常に仕切室が形成されるために用いられ、例えば、使用者の頭部が動くことによりハウジングコンポーネント1と頭皮との間の距離が小さくなると、支持コンポーネント8は、頭皮に当接し、ハウジングコンポーネント1と頭皮との間に常に仕切室が形成されるように保持する。
【0029】
理解できるように、支持コンポーネント8は、ハウジングコンポーネント1の内側の任意の位置、例えば、対応する頭頂、頭周側などに設置されてもよく、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されるように保持できればよい。
【0030】
具体的には、上記支持コンポーネント8は、エアバッグなどの部材を含んでもよく、エアポンプによってエアバッグへ媒体を充填することができ、エアバッグは、使用者の頭の形状にフィットすることによって、装着の快適性を向上させることができる。上記エアポンプは、ヘッドキャップ100外に独立して設けられてもよく、ハウジングコンポーネント1に設けられてもよく、本出願は、これを具体的に限定しない。
【0031】
具体的には、上記支持コンポーネント8は、頭皮に当接する時に使用者の使用感をさらに改善できるように、その頭皮に向かう側には、フレキシブル層が設置されてもよい。
【0032】
具体的には、上記支持コンポーネント8は、使用者頭部の周りに設置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、前記ハウジングコンポーネント1は、アウターハウジング11と、透明なインナーハウジング12と、スペーサーカバー13とを含み、前記アウターハウジング11とインナーハウジング12との間にチャンバが形成されており、前記スペーサーカバー13は、前記チャンバを外層である第一のチャンバ14と内層である第二のチャンバ15とに仕切るために用いられ、前記発光コンポーネント4は、前記第一のチャンバ14内に設けられ、前記第一の吸気口16は、前記インナーハウジング12に設けられ、前記冷気供給機構2は、前記第二のチャンバ15を経由して前記第一の吸気口16まで連通することで、冷気が前記第二のチャンバ15と第一の吸気口16を順次経由して使用者の頭皮へ吹くようにする。
【0034】
具体的には、上記インナーハウジング12は、経頭蓋光が透過できる光透過材料で製造されてもよい。
【0035】
具体的には、上記アウターハウジング11は、このヘッドキャップ100を装着する時に外層が頭部から離れた位置にあるケースとして理解することができ、インナーハウジング12は、このヘッドキャップ100を装着する時に内層が頭部に近い位置にあるケースとして理解することができ、アウターハウジング11とインナーハウジング12の形状は、いずれも略ハット型であってもよい。スペーサーカバー13は、アウターハウジング11とインナーハウジング12との間に位置し、且つスペーサーカバー13の形状は、アウターハウジング11とインナーハウジング12の形状に対応してもよく、例えば、スペーサーカバー13の形状もハット型であってもよい。
【0036】
具体的には、アウターハウジング11とスペーサーカバー13は、上記第一のチャンバ14を囲むように形成し、インナーハウジング12とスペーサーカバー13は、上記第二のチャンバ15を囲むように形成し、発光コンポーネント4を第一のチャンバ14内に設置することで、ある程度で発光コンポーネント4を頭部から遠ざけることによって、発光コンポーネント4の作動による熱の頭部温度への影響を低減し、一定の安全性を確保することができる。発光コンポーネント4から発せられた経頭蓋光が頭皮に直接照射できることを確保するために、上記インナーハウジング12とスペーサーカバー13は、いずれも透明な材料で作られ、経頭蓋光の損失を減らし、経頭蓋光ができるだけ頭皮へ導かれるようにする。
【0037】
いくつかの代替的な実施例では、上記インナーハウジング12に開設された第一の吸気口16は、第二のチャンバ15内の冷気を頭皮に吹かせるために使用されてもよいし、光透過に用いられてもよく、すなわち、発光コンポーネント4から発せられた光が第一の吸気口16を経由して頭皮に向かうようにする。そして、上記第一の吸気口16のサイズは、頭皮へ吹く風量及び風速に基づいて決定されてもよく、適切な第一の吸気口16のサイズで、第一の吸気口16から排出される冷気が頭皮へ吹く快適性を増やし、使用者の感じを改善し、特に一部の耐性が比較的に悪い使用者に対して、この一部の使用者がより良く光治療を受けるようにすることができる。
【0038】
いくつかの代替的な実施例では、
図4に示すように、使用者は、上記光治療装置を装着した後に、ヘッドキャップ100のインナーハウジング12と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、つまり、使用者の頭部は、インナーハウジング12の内面に密着しておらず、第一の吸気口16から排出される冷気がこの仕切室内に入ることで、使用者に比較的に快適な光治療環境を提供し、第一の吸気口16が使用者の頭部で塞がれることにより冷気が効果的に排出されないことを回避する。具体的には、上記ハウジングコンポーネント1は、固定された構造とサイズを有し、それは、緩やかな方式で使用者の頭部を収容する。具体的には、ハウジングコンポーネント1の構造は、ある程度の余裕を残すことで、使用者が予め設定される角度範囲内で回動する又は予め設定される距離範囲内で上下に移動する時に、ハウジングコンポーネント1は、依然として目標脳領域をカバーすることができ、それにより必要に応じて発光コンポーネント4を利用して各目標脳領域に照射することができる。さらに、ハウジングコンポーネント1の緩やかで開放的なデザインは、頭部の形状とサイズにある程度で個人差がある使用者に対して、変わらない構造とサイズを採用することができ、使用者にその頭部の形状とサイズに厳しくフィットするハウジングコンポーネント1をカスタマイズする必要がなく、それによってハウジングコンポーネント1を正規化製造でき、製造コストがさらに低くなることで、ヘッドキャップ100が適応できる使用者グループがより広がり、例えば病院、コミュニティの、光治療装置を使用する医療場所の施設の購入とメンテナンスのコストを低減した。具体的には、いわゆる固定された構造とサイズとは、ハウジングコンポーネント1に可動コンポーネントが設置されなくてもよく、ひいてはモールドで一体成型してもよいことを意味し、それによってハウジングコンポーネント1の使用寿命を増やし、且つハウジングコンポーネント1の構造を簡素化した。
【0039】
いくつかの実施例では、前記光治療装置は、熱気吸込排出機構3をさらに含み、前記熱気吸込排出機構3は、前記第一のチャンバ14に連通し、前記発光コンポーネント4で発生した熱による熱気を抽出して前記ハウジングコンポーネント1の外に排気するために用いられる。
【0040】
いくつかの代替的な実施例では、上記熱気吸込排出機構3は、ガスをポンピング可能なマシンに接続されてもよく、例えば、吸込扇風機に接続され、吸込扇風機は、熱気吸込排出機構3によって第一のチャンバ14内の熱気を吸い出し、無論、第一のチャンバ14内の気圧を安定させることを確保するために、上記第一のチャンバ14は、外部に連通してもよく、ガス抽出時に外部ガスを適時に第一のチャンバ14に入らせることによって、第一のチャンバ14内の気圧を大気圧に維持することができる。
【0041】
いくつかの代替的な実施例では、上記第一のチャンバ14内には、作動で熱を発生する他のデバイス、例えばセンサ、マザーボードなどがさらに設けられてもよく、熱気吸込排出機構3は、発光コンポーネント4で発生した熱による熱気を抽出することができるだけでなく、第一のチャンバ14内の他のデバイスの作動で発生した熱による熱気を抽出することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、前記ヘッドキャップ100は、分岐管路コンポーネント10をさらに含み、分岐管路コンポーネント10は、前記ハウジングコンポーネント1の内側に設置され前記第一の吸気口16に連通し、前記分岐管路コンポーネント10には、第一の吹出口が設けられており、且つ前記分岐管路コンポーネント10は、前記仕切室内に敷設される複数の分岐路管101を含む。
【0043】
具体的には、上記第一の吸気口16から供給されたガスは、分岐管路コンポーネント10内に入り、第一の吹出口を介して仕切室へ排出され、分岐管路コンポーネント10は、その内部に入るガスの圧力を下げることができ、ガスを均一に分散させて仕切室へ排出し、ガスの流速が速すぎて使用者の不快感を引き起こすことを防止するために用いられる。
【0044】
具体的には、上記第一の吹出口は、分岐路管101に設けられて、分岐路管101を経由してガスを直接排出してもよい。
【0045】
具体的には、上記分岐路管101の頭皮に向かう側には、頭部を支持するための支持面が形成されることによって、支持コンポーネント8がより安定した支持機能を果たすように補助することができる。
【0046】
具体的には、上記分岐管路コンポーネント10と支持コンポーネント8は、インナーハウジング12の内側に設けられてもよい。光路を遮ることを回避するために、分岐管路コンポーネント10と支持コンポーネント8は、いずれも光透過材質で作られてもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、前記支持コンポーネント8は、前記インナーハウジング12に設けられる複数の支持体81を含み、前記支持体81には、第二の吹出口82が設けられており、前記分岐路管101内のガスが前記第二の吹出口82を経由して前記仕切室へ排出するように、前記支持体81が前記分岐路管101に連通する。
【0048】
いくつかの代替的な実施例では、支持体81は、分岐管路コンポーネント10の分岐路管101とはそれぞれ独立して設置される。
【0049】
具体的には、上記第二の吹出口82は、一部又は全ての上記第一の吹出口を形成してもよく、つまり、分岐管路コンポーネント10の第一の吹出口は、支持体81の第二の吹出口82として構成されてもよく、この場合、各分岐路管101には、通気口を開設する必要がなく、ガスは、支持体81上の第二の吹出口82を経由して排出すればよい。
【0050】
具体的には、上記支持体81は、分岐路管101に分布してもよく、支持体81は、分岐路管101に着脱可能に接続され、又は支持体81が分岐路管101に一体成形されることで、上記ヘッドキャップ100の構造デザインをよりコンパクトにして、レイアウトをより合理的にすることができる。
【0051】
具体的には、支持体81に位置している第二の吹出口82の開口向きの方向は、頭皮に向かう方向に対して傾斜していてもよく、それによって頭頂に位置している温度が比較的に低いガスを、自然に上から下に向かって仕切室全体内に徐々に拡散させ、使用者の快適性を向上させる目的を達成することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、冷気が頭皮に直接吹かれて使用者に不快感を与えることを回避するように、前記第一の吹出口の開口向きの方向は、頭皮に向かう方向に対して傾斜する。
【0053】
いくつかの実施例では、
図1に示すように、前記第一のチャンバ14と第二のチャンバ15は、互いに独立し、つまり、第一のチャンバ14と第二のチャンバ15との間にガスが流通しない。このように、第一のチャンバ14内の熱気が第二のチャンバ15内に回り込むことでより多くの熱が使用者の頭部まで拡散して不快感を引き起こすことを回避することができ、使用者の頭部を冷やすための冷風が第一のチャンバ14に入り、使用者頭部を冷やす効果に影響を及ぼすことを回避することもできる。
【0054】
具体的には、上記スペーサーカバー13の下端は、スペーサーカバー13の対向する両側に位置する第一のチャンバ14と第二のチャンバ1が相互独立可能にするように、アウターハウジング11及び/又はインナーハウジング12に密封接続してもよい。
【0055】
具体的には、上記スペーサーカバー13は、第一のチャンバ14内の熱がより多くスペーサーカバー13まで伝導されることで第二のチャンバ15の温度がそれに応じて上昇することを回避するように、熱伝導性が悪い材料で製造されてもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、
図8と
図9に示すように、第一のチャンバ14のチャンバーには、気流孔19が開設されている。
【0057】
具体的には、上記第一のチャンバ14内には、ヘッドキャップ100の各機能をサポートするための複数の部品、例えば、回路基板、渡り線などが設けられてもよく、いくつかのこの部品が作動時に熱を発生し、上記気流孔19によって第一のチャンバ14内の一部の熱を奪うことができ、これにより、第一のチャンバ14を冷やす目的が達成される。一実施例では、第一のチャンバ14に冷やしコンポーネント、例えばファンを設置してもよく、ファンの回動で第一のチャンバ14内のガスが流れるようにすることにより、第一のチャンバ14内の熱を奪うことで、第一のチャンバ14内の各部品を冷やすことを実現する。
【0058】
具体的には、ガスは、気流孔19を経由して第一のチャンバ14内へ吸気されてもよく、気流孔19を介して第一のチャンバ14内のガスを排出してもよい。上記気流孔19は、アウターハウジング11の底部又は側部に設けられてもよく、インナーハウジング12の底部に設けられてもよく、例えば、
図8に示す気流孔19がアウターハウジング11の側壁に位置し、
図9に示す気流孔19がアウターハウジング11の底部に設けられ、上記はいずれも例示的なものであり、本出願は、気流孔19の具体的な設置位置を限定しなく、第一のチャンバ14と外部環境とを連通させることができればよい。
【0059】
具体的には、上記インナーハウジング12とスペーサーカバー13との間の気流孔19に近い位置には、発光コンポーネント4から発した光が上記気流孔19を経由して出射されて人間の目にダメージを与えることを回避するように、遮光層が設置されてもよく、上記遮光層は、黒い遮光板、光反射板などの構造であってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、スペーサーカバー13の頂部には、冷気供給機構2から冷気を引き込むための第二の吸気口17が開設され、第二の吸気口17を経由して入った冷気が周囲へ導かれるように、インナーハウジング12の外頂面には、第二の吸気口17に対応して設置される導風面が形成される、これにより、頭部全体の放熱が実現される。
【0061】
いくつかの実施例では、導風面は、凹状、アーチ形状などの、冷気を周囲へ発散させることができる任意の構造に構成されてもよい。そのうち、インナーハウジング12の頂部は、アーチ形状を呈し、且つこのアーチ形状の曲率は、引き込まれた冷気がインナーハウジング12のアーチ形状の頂部の作用で周囲へなだらかに発散するように、予め設定された曲率よりも小さくなる。
【0062】
いくつかの代替的な実施例では、上記アーチ形状の曲率をできるだけ小さくすることで、第二の吸気口17に入った大量の冷気がインナーハウジング12の頂部へ直接吹くことができ、インナーハウジング12頂部の作用で冷気の流速を低減し、及び冷気をインナーハウジング12の頂部の周囲へ四散させることができ、冷気を各第一の吸気口16からなだらか且つ均一に排出し、使用者の快適性を向上させることができる。
【0063】
具体的には、アウターハウジング11には、第二の吸気口17に対応して取付口が開設されてもよく、冷気供給機構2は、この取付口を貫通して第二の吸気口17まで接続される。
【0064】
具体的には、上記予め設定された曲率は、経験、冷風風速などに基づいて設定されてもよく、本出願は、これを具体的に限定しない。
【0065】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、前記インナーハウジング12の頂部の少なくとも中央部分には、平面が形成されている。
【0066】
いくつかの代替的な実施例では、インナーハウジング12の頂部の平面は、第二の吸気口17から入った冷気が平面が位置する方向へ直接流れるように、第二の吸気口17と上下に対応して設置される。
【0067】
いくつかの実施例では、
図1と
図5に示すように、第二の吸気口17には、供給された冷気の流れを導くことで、冷気が周囲へ吹いてさらに均一な冷やし効果を向上させるための螺旋導風構造5が設置される。
【0068】
いくつかの代替的な実施例では、上記螺旋導風構造5は、第二の吸気口17に着脱可能に装着される。具体的には、螺旋導風構造5は、基板と、基板に設けられる螺旋導風羽根を含んでもよく、この基板は、第二の吸気口17にオーバーラッピングしてもよく、且つこの基板の螺旋導風羽根に対応する箇所には、貫通溝が設けられることで、冷気がこの貫通溝から螺旋導風羽根へ吹出され、螺旋導風羽根の螺旋導風を経た後に第二のチャンバ15内へ排出される。
【0069】
いくつかの実施例では、
図1と
図6に示すように、アウターハウジング11には、熱気吸込排出機構3に連通する吸込口18が設けられ、吸込口18には、ストッパー構造6が設けられ、ストッパー構造6は、ストッパープレート61と、第一のチャンバ14に連通する複数のエア抜き孔62とを含み、ストッパープレート61は、吸込口18と上下に対応して設置される。
【0070】
このように、第一のチャンバ14と吸込口18に対して遮蔽機能を果たし、異物が吸込口18から第一のチャンバ14内へ落ちることを回避することができ、作業者が吸込口18から手を第一のチャンバ14内に入れるような誤った操作を回避することができ、機器の安全性を向上させることができる。
【0071】
いくつかの代替的な実施例では、上記ストッパー構造6は、円筒状本体を有してもよく、ストッパープレート61は、円筒状本体の筒底として構成され、各エア抜き孔62は、円筒状本体の筒壁に位置し、第一のチャンバ14内のガスは、筒壁にあるエア抜き孔62を経由して抽出される。
【0072】
いくつかの代替的な実施例では、上記ストッパー構造6の向き合う両側は、接続部が延出形成されてもよく、この接続部を介してストッパー構造6を吸込口18に装着する。
【0073】
いくつかの代替的な実施例では、上記吸込口18は、アウターハウジング11の頂部に設けられ、且つこの吸込口18は、上記ヘッドキャップ100の構造デザインがよりコンパクトになりレイアウトがより合理的になるように、第二の吸気口17に近接して設置されてもよい。
【0074】
いくつかの実施例では、
図6に示すように、複数の前記エア抜き孔62は、第一のチャンバ14内のガスが環状に配布されるエア抜き孔62を介して熱気吸込排出機構3内へ均一に吸引されることができるように、ストッパープレート61の周りに環状に配布される。
【0075】
具体的には、上記エア抜き孔62は、ストッパープレート61の周りに均一に配布されてもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、複数の発光コンポーネント4は、アレイ状に設置され、且つ発光コンポーネント4のアレイは、スペーサーカバー13の外側に設けられ、複数の第一の吸気口16は、各グループの第一の吸気口16がそれぞれ各発光コンポーネント4に対応するように、グループに分けて開設される。
【0077】
いくつかの代替的な実施例では、上記発光コンポーネント4のアレイ方式は、治療案に応じて設置されてもよく、例えば、上記光治療装置がうつ病の治療に用いられる際に、人脳の前頭部と左右側頭葉を治療することができるため、第一のチャンバ14内において頭部の前頭部と左右側頭葉に対応する箇所に発光コンポーネント4を設置して、使用者の前頭部と左右側頭葉を光治療することができるようにしてもよく、また、例えば、上記光治療装置がアルツハイマー病の治療に用いられる際に、人間の全脳を治療することができるため、第一のチャンバ14内において全脳に対応する位置に発光コンポーネント4を増設することで、使用者の全脳を光治療することができるようにしてもよい。このように、異なる病態に基づいて発光コンポーネント4のアレイ方式を適応的に選択して、目的に応じて治療することができる。
【0078】
さらに、発光コンポーネント4のアレイ方式を決定した後に、発光コンポーネント4のアレイ方式に応じて各グループの第一の吸気口16の配列方式を決定し、即ち冷気の送風位置を調整することで、第一の吸気口16から排出される冷風風量と風速が使用者により適すことができる。
【0079】
いくつかの代替的な実施例では、上記発光コンポーネント4は、グループになった第一の吸気口16に一対一で対応して設置され、即ち一つの発光コンポーネント4は、一グループの第一の吸気口16に対応する。
【0080】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、発光コンポーネント4は、ランププレートと、その第一のプレート面に設けられる複数の発光体41とを含み、経頭蓋光が使用者の頭皮に直射した後に使用者の頭皮の温度が高すぎることを回避するように、複数の発光体41と、それが位置するランププレートに対応する一グループの第一の吸気口16の少なくとも一部とがずれて設置され、、且つずれて設置されることで、風速を使用者が快適になる速度に制御することができ、頭皮付近の風速が速すぎることを回避して、使用者の使用体験を改善することができる。
【0081】
具体的には、発光体41とずれて設置される第一の吸気口16のほか、このグループの他の第一の吸気口16は、発光体41に対応して設置されてもよく、それによって発光体41から発せられた経頭蓋光が頭皮に直射することができ、好適な光治療効果をもたらす。
【0082】
具体的には、この発光体41は、近赤外発光ダイオードとして構成されてもよい。
【0083】
いくつかの実施例では、各グループの第一の吸気口16の数は、いずれもそれに対応する発光コンポーネント4上の発光体41の数よりも大きくなる。このように、第一の吸気口16の数を増やすことで冷気の均一排気効果を向上させることによって、好適な頭皮の冷やし効果を達することができる。
【0084】
例示的に、一グループの第一の吸気口16に含まれる第一の吸気口16の数は、11個から15個であってもよく、それに対応する一つの発光コンポーネント4上の発光体41の数は、8個から10個であってもよい。
【0085】
いくつかの実施例では、インナーハウジング12における各グループの第一の吸気口16を開設するための領域は、対応する各ランププレートを覆う第一の領域と、第一の領域を囲む第二の領域とを含む。具体的には、第一の領域は、対応する各発光コンポーネント4を覆い、第二の領域は、第一の領域の外を囲み、これにより、第一の吸気口16の冷気の吹き出し面積を増やし、頭皮の光治療時の快適性を改善する。
【0086】
いくつかの実施例では、下方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径は、その上方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径よりも大きくなる。そのうち、下方に位置するグループになった第一の吸気口16は、インナーハウジング12上の頭頂に対応する領域から離れた第一の吸気口16として理解されてもよく、上方に位置するグループになった第一の吸気口16は、インナーハウジング12上の頭頂に対応する領域に近づく第一の吸気口16として理解されてもよい。このように、冷風をより均一に第一の吸気口16を経由して排出し、冷やし効果を向上させ、冷風が頂部から多く拡散して他の位置の冷やし効果に影響することを回避することができる。
【0087】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、各グループの第一の吸気口16は、中心から周囲に向けて発射する放射状を呈する。このように、冷気が頭皮へ四散するように流し、均一に頭皮を放熱することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、
図1と
図7に示すように、発光コンポーネント4の第二のプレート面には、放熱フィン42が設けられており、放熱フィン42は、スペーサーカバー13から離れる方向に向かって延びている。
【0089】
具体的には、上記放熱フィン42は、間隔をあけて設置される複数のシートを含み、発光コンポーネント4の作動で発生した熱は、放熱フィン42へ導かれて各シート間の間隔を経由して第一のチャンバ14へ排出することができる。
【0090】
具体的には、上記放熱フィン42は、熱伝導性が良い材料、例えばアルミニウム、銅などで作られてもよい。
【0091】
いくつかの実施例では、
図1と
図2に示すように、光治療装置は、接続座7をさらに含み、冷気供給機構2は、一端が接続座7に接続される送風ダクト21を含み、熱気吸込排出機構3は、一端が接続座7に接続される吸込ダクト31を含み、接続座7は、アウターハウジング11に着脱可能に装着される。このように、接続座7をアウターハウジング11に抜き差しする操作により、送風ダクト21と吸込ダクト31をアウターハウジング11に同時に接続又は切り離すことができ、操作方式が比較的に簡単であり、使用しやすい。
【0092】
いくつかの代替的な実施例では、上記アウターハウジング11には、第二の吸気口17と吸込口18に対応する取付座が設けられてもよく、接続座7は、この取付座に着脱可能に接続されてもよく、接続座7が取付座に装着された後に、送風ダクト21は、第二の吸気口17に突合可能になり、吸込ダクト31は、吸込口18に突合可能になる。
【0093】
いくつかの実施例では、複数の第一の吸気口16の断面積の和は、第二の吸気口17の断面積の2倍から4倍であり、好ましくは、3倍から4倍である。このように、第二の吸気口17から入った冷気を第一の吸気口16を経由して頭皮へ均一且つなだらかに放出させることができる。
【0094】
好ましくは、複数の第一の吸気口16の断面積の和は、第二の吸気口17の断面積の3倍から4倍である。
【0095】
いくつかの実施例では、第一の吸気口16の直径範囲は、1.5mmから3mmである。
【0096】
好ましくは、第一の吸気口16の直径は、2mm又は2.5mmである。
【0097】
例示的に、下方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径は、いずれも2.5mmであってもよく、上方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径は、いずれも2mmであってもよく、このように均一に冷やす効果をより良く実現することができる。
【0098】
いくつかの実施例では、発光コンポーネント4は、使用者の頭部へ平均電力密度が40mW/cm2よりも大きい近赤外光を発射するように構成され、冷気供給機構2と熱気吸込排出機構3の作用により、使用者の頭皮付近の温度は、23度から40度である。理解できるように、本出願で使用する用語である「平均電力密度」は、単位時間当たりに単位面積当たりに放射されるエネルギーの大きさを示す。
【0099】
いくつかの実施例では、前記発光コンポーネント4のアレイは、冷気供給機構2と熱気吸込排出機構3の作用により、使用者の頭皮付近の温度が23度から40度になるように、使用者の頭部へ平均電力密度が50mW/cm2から150mW/cm2の近赤外光を発射するように構成される。
【0100】
いくつかの実施例では、仕切室で形成される前記ガス通路により、使用者の頭皮付近の風速は、0.5m/sから3.5m/sに達する。このように、冷気は、冷やしと同時に使用者に不快感を与えることを回避するように、頭部に直接に吹くことなく、使用者の頭部へなだらかに吹くことができる。
【0101】
いくつかの実施例では、前記冷気の温度は、使用者の頭皮付近の風速が0.5m/sから3.5m/に達した場合に使用者の頭皮付近の温度が23度から40度になるように設定される。
【0102】
いくつかの実施例では、ハウジングコンポーネント1の底部内側の周方向には、発光コンポーネント4から発せられた光がヘッドキャップ100の下方から出射することをストッパーするための遮光部が設けられてもよい。上記遮光部は、経頭蓋光がハウジングコンポーネント1の底部から出射し、人間の目にダメージを与えることを防止するために用いられる。
【0103】
いくつかの実施例では、遮光部は通気構造として構成され、仕切室内のガスがこの通気構造を介して外部環境に拡散できるようにする。
【0104】
具体的には、遮光部は、空気穴を有する黒いスポンジ、通気可能な黒いフレキシブルな生地などとして構成されてもよく、それによって、遮光部は、一定の快適性を保つことができるし、遮光、放熱の効果を果たすことができる。代替的には、遮蔽構造は、黒い軟質ラバーパッド、遮光板などとして構成されてもよく、その上には、比較的に小さい空気穴が開設され、この空気穴の真上には、反射構造、例えばレンズ、反射膜などが設置されてもよく、仕切室内の気流は、反射構造側面のチャンネルを介して空気穴から外部環境に拡散される。
【0105】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、発光コンポーネント4には、発光コンポーネント4が外部環境に直接に晒されることを回避して製品の安全性を向上させるための光透過カバー110が設置されてもよい。
【0106】
本開示の実施例は、アルツハイマー病を治療するための、上記の光治療装置を含む光治療機器をさらに提供した。
【0107】
アルツハイマー病(AD)は、65歳以上の高齢者に多く見られ、発病が緩慢又は隠匿であり、時間が経つにつれて悪化し続け、主に認知機能の低下、言語機能の障害、情緒の不安定、精神症状と行動の障害、日常生活能力が徐々に低下し、最終的に身体機能を失い、死亡に至ることとして現れる。なお、AD患者は、温度と痛みに対するより低い感度を有し、つまり、AD患者は、損傷を発見し報告する前に、より大きな痛みと潜在的なより大きな程度の組織又は器官の損傷を経験する可能性があり、そして、AD患者のうち、65歳以上の高齢者は、比較的な大きい割合を占めるが、高齢者は、若者よりも寒さに弱くなる。そのため、比較的に高い平均電力密度ひいては総電力でAD患者を治療する場合に、特にAD患者グループの温度と痛みに対する感度の特徴を十分に考慮し、比較的に快適で、痛みひいては熱損傷を起こさない治療環境を提供することが必要であり、治療時間の延長に役に立つことによって、より良い治療効果を実現することができる。
【0108】
上記光治療機器によって近赤外光を利用してADを治療することができるとともに、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構2による第一の吸気口16を経由した上記仕切室への冷気供給により、仕切室内へ供給された冷気によって使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネント4で発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善しただけでなく、機器の安全性を向上させて使用者に火傷を与えることが避けられた。
【0109】
上記アルツハイマー病に対して、発明者は、シミュレーション実験と臨床実験によって、本出願の発光コンポーネント4のアレイを、使用者の頭部へ平均電力密度が40mW/cm2よりも大きい近赤外光を発射するように構成し、高齢者のAD患者にとって、十分な光エネルギーが脳組織に入ることを確保して良好な治療効果を確保することができることを発見した。好ましくは、採用される平均電力密度は、40mW/cm2-150mW/cm2であってもよく、発射される近赤外光の中心波長は、800-820nm、例えば、810nmであってもよい。いくつかの特定の脳領域、例えば前頭葉と側頭葉に対して、近赤外光の平均電力密度は、50mW/cm2以上から150mW/cm2までであってもよく、好ましくは70mW/cm2以上である。
【0110】
アルツハイマー病を治療するためのこの光治療機器のハウジングコンポーネント1は、緩やかな方式で患者の頭部を収容することで、治療中に、頭部は、予め設定される角度範囲内で回動することができ、且つ予め設定される距離範囲内で上下に移動することができる。患者の頭部形状にフィットする構造と異なり、ハウジングコンポーネント1と患者の頭部との間にいくつかの数cmレベルの隙間が事前に確保しておき、好ましくは、隙間が1-2mであり、それによって、患者は、自分の意思で予め設定される角度範囲内と予め設定される距離範囲内で自分の頭部を動かすことができ、このような開放的なハウジングコンポーネント1デザインは、患者の頭部に束縛感がなく、気分が落ち着かず、いらいらして不安になり、密閉又は混雑した空間に反発ひいては恐れる高齢者にとって特に友好的であり、それによって、AD患者の治療順応度を著しく向上させることができる。具体的には、前記光治療機器は、AD患者、且つ密閉又は混雑した空間に心理的障害がある患者を治療するために用いられてもよい。このような密閉又は混雑した空間に対する心理的障害は、患者自身が年齢又はAD以外の心理的疾患に起因するものであってもよく、AD疾患に起因するものであってもよい。ハウジングコンポーネント1のこのようなデザインは、ADの異なる疾患経過にある患者の行動特徴にも広く適用できる。例をあげると、早期のAD患者にとって、判断能力が低下し、疑いが深く、且つ刺激されることが多く、このような十分な自由度と開放度があるハウジングコンポーネント1の装着は、患者に受け入れられやすく、刺激を受けにくくなり、それによって、患者は、光治療の継続的な進行に協力することができる。また、例えば、中期のAD患者にとって、気分の乱高下が激しく、いらいらして不安になり、常に動き回っており、頭部が頻繁に無意識に小刻みに揺れる患者もいるが、このような開放的なハウジングコンポーネント1は、患者の頭部にこのような無意識な小刻みな揺れが生じることを許容してハウジングコンポーネント1自体にそれに応じてチャタリングを生じさせない。そのため、このような小刻みを強制的に停止する必要がなく、患者の快適性を増やし医療スタッフの作業負荷も低減するとともに、患者頭部のこのような揺れがハウジングコンポーネント1に伝達することにより光治療効果へ影響することを回避することができる。そのため、前記光治療機器は、気分が落ち着かず、いらいらして不安になるアルツハイマー病患者の治療に用いられてもよい。
【0111】
この開放的な緩やかなデザインのハウジングコンポーネント1により、様々な疾患経過にあるAD患者が治療を受けやすくなり、一回の照射でもより長い時間持続することができ、例えば、毎回20分間、30分間、ひいてはより長い時間を照射することによって、治療効果をさらに向上させることができる。
【0112】
本開示の実施例はうつ病を含む心理的疾患を治療するための、上記の光治療装置を含む光治療機器をさらに提供した。うつ病を含む心理的疾患を治療するための上記光治療機器により、近赤外光を利用して心理的疾患を治療することができ、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構2による第一の吸気口16を経由した上記仕切室への冷気供給により、仕切室内へ供給された冷気によって使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネント4で発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善したことだけでなく、機器の安全性を向上させて使用者に火傷を与えることが避けられた。
【0113】
いくつかの代替的な実施例では、光治療機器が採用した近赤外光に必要な平均電力密度は、使用者の属性に応じて決定し調整されてもよい。例えば、上記光治療機器が、うつ病を少なくとも含む疾患を治療するために用いられると、平均電力密度は、脳外組織の光透過性が低い使用者の平均電力密度が脳外組織の光透過性が高い使用者の平均電力密度よりも高くなるように、前記使用者の脳外組織の光透過性に基づいて決定される。
【0114】
いくつかの実施例では、前記光治療機器はさらに、孤独症、双極性感情障害症などの高い平均電力密度を必要とする脳機能関連疾患の治療に用いられてもよい。具体的には、疾患タイプ又は使用者の年齢層に応じて、冷気供給機構2を利用して各使用者の頭部がいずれもより快適な環境にあるようにすることができ、例えば、温度と痛みに対する感度が比較的に低く、且つ寒さに弱い高齢者のうつ病患者となる使用者に対し、光治療を実施する際に、冷気供給機構2を利用してこのような使用者の頭皮付近の温度を25摂氏度から40摂氏度にすることができ、温度と痛みに対する感度がそれほど高くない青少年のうつ病患者となる使用者、又は成人のうつ病患者となる使用者に対して、光治療を実施する際に、冷気供給機構2を利用してこのような使用者の頭皮付近の温度を18摂氏度から37摂氏度にすることができ、温度と痛みに対する感度が比較的に高い子供孤独症患者となる使用者に対して、光治療を実施する際に、冷気供給機構2を利用してこのような使用者の頭皮付近の温度を18摂氏度から35摂氏度にすることができる。
【0115】
注意すべくこととして、本出願の各実施例における各制御処理、例えば、発光コンポーネント4の近赤外光の平均電力密度に関する制御、冷気供給機構2の冷気流量率に対する制御、圧縮機の冷凍機能(冷気温度)に対する制御などに基づき、メモリに記憶されたコンピュータによる実行可能な命令として実現されてもよく、プロセッサによって実行される時に該当するステップを実現することができ、対応する論理計算能力を有するハードウェアとして実現されてもよく、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせ(ファームウェア)として実現されてもよい。いくつかの実施例では、プロセッサは、FPGA、ASIC、DSPチップ、SOC(システムオンチップ)、MPU(例えばCortexであるが、これに限らない)、などのいずれか一つとして実現されてもよい。プロセッサは、メモリに通信可能に接合され、且つそのうちに記憶されるコンピュータによる実行可能な命令を実行するように配置されてもよい。メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、例えば同期DRAM(SDRAM)又はRambus DRAMのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックメモリ(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ)などを含んでもよく、その中には、任意のフォーマットでコンピュータによる実行可能な命令を記憶する。コンピュータによる実行可能な命令は、プロセッサによりアクセスされ、ROM又は任意の他の適切な記憶位置から読み取り、プロセッサが実行するためにRAMにロードされて、本出願の各実施例による無線通信方法を実現することができる。
【0116】
注意すべくこととして、本出願のシステムの各部品では、実現されるべき機能に基づいてそのうちの部品を論理的に分割するが、本出願は、これに限定されず、必要に応じて各部品を再分割又は組み合わせてもよく、例えば、いくつかの部品を単一の部品として組み合わせてもよく、又はいくつかの部品をより多くのサブ子部品にさらに分解してもよい。
【0117】
本出願の各部品の実施例は、ハードウェアで実現され、又は一つ又は複数のプロセッサ上でランニングしているソフトウェアモジュールで実現され、又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。当業者は、実践でマイクロプロセッサ又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を使用して本出願の実施例に基づくシステムにおけるいくつか又はすべての部品のいくつか又はすべての機能を実現してもよいことを理解すべきである。本出願は、さらに、ここで記述された方法を実行するための一部又は全ての機器又は装置プログラム(例えば、コンピュータプログラムとコンピュータプログラム製品)として実現されてもよい。このような本出願を実現するプログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、又は一つ又は複数の信号の形式を有してもよい。このような信号は、インターネットのウェブサイトからダウンロードして入手してもよく、又はキャリア信号で提供され、又は任意の他の形式で提供されてもよい。また、本出願は、若干異なる素子が含まれるハードウェア、及び適切にプログラウされたコンピュータによって実現されてもよい。若干の装置が列挙されたユニット請求項において、これらの装置のうちの若干は、同一のハードウェアアイテムによって具体的に表現されてもよい。単語の第一、第二、及び第三などの使用は、如何なる順序も表していない。これらの単語を名称として解釈してもよい。
【0118】
なお、本明細書では例示的な実施例を記述したが、その範囲は、任意とすべての本出願に基づく、均等な素子、修正、省略、組み合わせ(例えば、様々な実施例が交差する方案)、改編又は変更を有する実施例を含む。請求項における素子は、請求項で採用される言語に基づいて広く解釈され、本明細書又は本出願の実施期間に記述された例に限定されるものではなく、その例は、排他性でないと解釈される。そのため、本明細書と例は、単なる例として認識されることを意図しており、真の範囲と精神は、以下の請求項及びその均等物の全範囲によって示される。
【0119】
以上の記述は、制限性ではなく、説明的であることを意図している。例えば、上記例(又はそれらの一つ又はより多くの方案)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。例えば、普通の当業者は、上記記述を読む時に他の実施例を使用することができる。また、上記具体的な実施の形態では、様々な特徴は、グループ化されて本出願を簡素化してもよい。これは、保護を要求しない開示の特徴がいずれの請求項にも必要な意図であると解釈すべきではない。逆に、本出願のテーマは、特定の開示された実施例のすべての特徴よりも少なくてもよい。それによって、以下の請求の範囲は、例又は実施例としてここに具体的な実施の形態に組み入れられ、そのうち、各請求項は、独立して個別の実施例となり、そしてこれらの実施例が様々な組み合わせ又は配列で互いに組み合わせてもよいことが考えられる。本出願の範囲は、添付される請求項及びこれらの請求項の権利付与の均等の形の全ての範囲を参照して決定されるべきである。
【0120】
上記実施例は、本出願の例示的な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、本出願の保護範囲は、請求項によって限定される。当業者は、本出願の本質と保護範囲内で、本出願に様々な修正又は均等な置き換えを加えることができ、このような修正又は均等な置き換えは、本出願の保護範囲内にあるとみなすべきである。
【符号の説明】
【0121】
100-ヘッドキャップ;1-ハウジングコンポーネント;11-アウターハウジング;12-インナーハウジング;13-スペーサーカバー;14-第一のチャンバ;15-第二のチャンバ;16-第一の吸気口;17-第二の吸気口;18-吸込口;19-気流孔;110-光透過カバー;2-冷気供給機構;21-送風ダクト;3-熱気吸込排出機構;31-吸込ダクト;4-発光コンポーネント;41-発光体;42-放熱フィン;5-螺旋導風構造;6-ストッパー構造;61-ストッパープレート;62-エア抜き孔;7-接続座;8-支持コンポーネント;81-支持体;82-第二の吹出口;9-ブラケット;10-分岐管路コンポーネント;101-分岐路管。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療機器技術分野に関し、特に脳機能関連疾患のための光治療装置及び光治療機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、科学研究により、光コントロール、特に近赤外光を利用して脳機能を改善し、神経と心理的疾患の研究、治療を行うことができることが発見された。例えば、近赤外光でアルツハイマー病、うつ病、孤独症などの脳機能関連疾患を治療することができる。光治療機器は、光源を採用して頭皮へ経頭蓋光を発射する必要があり、これにより光コントロールによる脳機能の改善を実現する。しかし、従来の技術では、光治療機器は、比較的に低い光平均電力密度を採用しており、治療効果が望ましくなく、一方、比較的に高い光平均電力密度を採用すると、比較的に多くの他の問題が発生し、例えば、光治療機器が作動時にその光源から大量の熱が発生することにより、使用者が光治療中に頭皮の温度が比較的に高くなり、使用者に強い不快感を与えることで、比較的に長い治療時間を受けることが困難になる。既存の光治療機器は、使用者の頭部を冷やすデザインを備えていないため、温度が高すぎると、火傷まで引き起こす恐れがあり、光治療効果に影響を与えるだけでなく、機器の安全性の低減を招き、使用者の体験が悪くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術に存在する上記技術課題に対して、本開示は、脳機能関連疾患のための光治療装置及び光治療機器を提供し、それらは、脳機能関連疾患の治療中に使用者の頭部を冷やして使用者の体験を改善することができ、比較的に長い時間の治療を受けることを可能にさせ、光治療効果及び機器の安全性を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様によれば、本開示の実施例は、ヘッドキャップと、発光コンポーネントと、冷気供給機構とを含む、脳機能関連疾患のための光治療装置を提供した。ヘッドキャップは、ハウジングコンポーネントを含み、前記ハウジングコンポーネントの内側と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、且つ前記ハウジングコンポーネントの内側には、第一の吸気口が設けられており、前記仕切室は、前記第一の吸気口と使用者の頭皮との間のガス通路を形成するように構成される。発光コンポーネントは、前記ハウジングコンポーネントに装着され、且つその発光側は、前記ハウジングコンポーネントの内側に位置している。冷気供給機構は、前記ハウジングコンポーネントを貫通して前記第一の吸気口に連通し、且つ冷気が前記第一の吸気口と前記仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、冷気を供給する。
【0005】
第二の態様によれば、本開示の実施例は、上記の光治療装置を含む、アルツハイマー病を治療するための光治療機器を提供した。
【0006】
第三の態様によれば、本開示の実施例は、上記の光治療装置を含む、うつ病を含む心理的疾患を治療するための光治療機器を提供した。
【発明の効果】
【0007】
従来の技術と比べて、本開示の実施例の有益な効果は、以下のことにある。本開示の光治療装置は、ハウジングコンポーネントと使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構による第一の吸気口を経由した上記仕切室への冷気供給によって、仕切室内へ供給された冷気により使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネントで発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善しただけでなく、機器の安全性を向上させて、使用者に火傷を与えることが避けられた。
【図面の簡単な説明】
【0008】
必ずしも比例して描かれていない添付図面では、同じ符号は、異なる図面で類似した部品を記述することができる。アルファベット接尾辞又は異なるアルファベット接尾辞を有する同じ符号は、類似した部品の異なる実例を表すことができる。添付図面は、基本的には、制限ではなく例を挙げることによって様々な実施例を示すものであり、且つ明細書及び請求項と一緒に、開示された実施例を説明するために使用されるものである。必要に応じて、全ての添付図面において同一の符号を使用して同一又は類似の部分を指すことになる。このような実施例は、例示的なものであり、本装置又は方法の網羅的又は排他的な実施例として意図されるわけではない。
【
図1】本発明の実施例一の光治療装置の断面図である。
【
図2】本発明の実施例一の光治療装置の立体構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例一の光治療装置の別の視点の立体構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例の患者が上記光治療装置を装着した模式図である。
【
図5】本発明の実施例一の光治療装置の螺旋導風構造の構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例一の光治療装置のストッパー構造の構造模式図である。
【
図8】本開示の実施例二の光治療装置の立体構造模式図である。
【
図9】本開示の実施例三の光治療装置の立体構造模式図である。
【
図10】本開示の実施例三の光治療装置の平面図である。
【
図11】本開示の実施例の光治療装置のヘッドキャップがブラケットに吊り下げられている構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、添付図面を参照しながら本開示の様々な方案及び特徴を記述する。
【0010】
ここでの発明の実施例に様々な修正を加えることができると理解されるべきである。そのため、上記明細書は、制限的なものとみなされるべきではなく、単に実施例としての例に過ぎない。当業者は、本開示の範囲と思想以内の他の修正を想起するであろう。
【0011】
明細書に含まれ明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の実施例を示し、そして上記に与えられた本開示に対する概略的な記述及び以下与えられる実施例に対する詳細な記述と共に本開示の原理を解釈するために用いられる。
【0012】
以下の添付図面を参照しながら非制限的な例として与えられた実施例の好ましい形式に対する記述により、本開示のこれらと他の特性は明らかになるであろう。
【0013】
なお、いくつかの具体的な実例を参照しながら本開示を記述したが、当業者が本開示の多くの他の等価形式を確実に実現することができると理解されるべきである。
【0014】
添付図面と合わせると、以下の詳細な説明に鑑みて、本開示の上記と他の態様、特徴と優位性はより明らかになるであろう。
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本開示の具体的な実施例を記述する。しかしながら、発明される実施例が本開示の実例に過ぎず、複数の方式で実施されることができると理解されるべきである。不要又は余分な詳細が本開示を曖昧にすることを回避するように、よく知られている、及び/又は重複した機能と構造は詳細に記述されていない。そのため、本明細書で発明される具体的な構造と機能的な詳細は、限定されることを意図するものではなく、請求項の基礎と代表的な基礎のみとして、実質的に任意の適切な詳細な構造で多様に本開示を使用するよう当業者に教示するためのものである。
【0016】
本明細書には「一実施例では」、「別の実施例では」、「また別の実施例では」又は「他の実施例では」というフレーズを使用でき、それらは、いずれも本開示に基づく同じ又は異なる実施例における一つ又は複数を指すことができる。
【0017】
本開示の実施例は、脳機能関連疾患のための光治療装置を提供し、この光治療装置はいかなる高平均電力密度の光治療機器に適用され、アルツハイマー病、うつ病などの治療に用いられることを含むが、それらに限らず、経頭蓋光の波長、パルス周波数などの照射パラメータにも限らない。本明細書における「脳機能関連疾患」は、脳部のマクロ又はミクロな構造、生化学的状况と代謝的状況など、少なくとも一つの面で異常がある疾患を含むことを意図しており、例えば、アルツハイマー病、うつ病などであるが、これらに限らない。
【0018】
図1から
図3に示すように、光治療装置は、ヘッドキャップ100と、発光コンポーネント4と、冷気供給機構2とを含む。ヘッドキャップ100は、ハウジングコンポーネント1を含み、前記ハウジングコンポーネント1の内側と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、且つ前記ハウジングコンポーネント1の内側には、第一の吸気口16が設けられており、前記仕切室は、前記第一の吸気口16と使用者の頭皮との間のガス通路を形成するように構成される。発光コンポーネント4は、前記ハウジングコンポーネント1に装着され、且つその発光側は、前記ハウジングコンポーネント1の内側に位置している。冷気供給機構2は、前記ハウジングコンポーネント1を貫通して前記第一の吸気口16に連通し、且つ冷気が前記第一の吸気口16と前記仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、冷気を供給する。
【0019】
具体的には、この仕切室は、使用者の頭頂及び/又は頭周側などの任意の部位に対応することができ、好ましくは、仕切室は、使用者の頭頂と頭周側に対応して設置され、使用者の頭部の各部位で仕切室内に入るガスを感じることによって、快適性を向上させることができる。ただし、説明すべくのは、本開示における内側とは、各部品の、使用者の頭部に近い側を指す。さらに言えば、この仕切室は、十分な容積空間を有し、この容積空間により、頭部の大きな部分が密にフィットするのではなく緩やかにその中に収容されることによって、そのうちの冷気に頭皮との熱交換と対流を提供するのに十分になることで、快適な気流速度で頭皮付近の熱を素早く奪うことができる。
【0020】
具体的には、上記仕切室は、ハウジングコンポーネント1の内側に支持役割を果たすことができる部品を設けることで形成されてもよく、ハウジングコンポーネント1自体の形状により形成されてもよい。
【0021】
具体的には、発光コンポーネント4は、複数であってもよく、各発光コンポーネント4は、使用者の頭部へ経頭蓋光を発射するために用いられ、より多くの経頭蓋光が大脳皮層に入るようにすることにより、脳部疾患に対する治療効果を向上させる。いくつかの実施例では、上記経頭蓋光は、近赤外光であってもよい。
【0022】
具体的には、第一の吸気口16は、冷気供給機構2により取り込まれた冷気を仕切室内に導入して冷やしを実現するために用いられ、この冷気供給機構2は、ヘッドキャップ100の外部に独立して設置されてもよく、ヘッドキャップ100のハウジングコンポーネント1に設けられてもよく、第一の吸気口16に冷やしを実現できるガスを提供できればよく、このガスの温度は、実際の状況、例えば仕切室内の温度、頭皮の温度、頭皮上の汗の量などに応じて調節することができ、仕切室内の温度の低下を実現して使用者の頭部に快適な環境を提供できればよい。
【0023】
いくつかの代替的な実施例では、上記冷気供給機構2は、冷気を製造できるマシンに接続することができ、例えば、冷凍機に接続することができ、この冷凍機は、圧縮機として理解することができ、冷凍機は、冷気を製造した後に冷気を冷気供給機構2内まで伝送してから、冷気供給機構2によって冷気を仕切室内に伝送し、その後に、仕切室に連通する第一の吸気口16を経由して頭皮へ排出し、頭皮を冷やす効果を達成し、使用者がヘッドキャップ100を装着して光治療を受ける時の快適性を向上させることで、使用者の頭皮付近の温度を18度~43度の範囲にすることができる。好ましくは、使用者の頭皮付近の温度を40度以下になるようにし、この温度が体温に近いため、温度に非常に敏感で且つ寛容度が比較的に厳しい使用者にとっても比較的に快適であり、熱損傷を与えることなく、継続的に治療を受けることができるようにする。このような冷気供給機構2とこの前に記述した緩やかなデザインのハウジングコンポーネント1を組み合わせることで、使用者が継続的な光照射治療を受けたくなり、一回の照射でも、より長い時間(例えば20分間、ひいては30分間まで長く続けることができ、時間が長いほど、頭皮付近の発熱も高くなる)を維持できることにより、治療効果をさらに向上させる。
【0024】
いくつかの代替的な実施例では、
図1と
図2に示すように、上記冷気供給機構2は、ハウジングコンポーネント1の頂部に接続するとともに、ハウジングコンポーネント1を貫通して第一の吸気口16まで接続することができる。ここで、冷気供給機構2がハウジングコンポーネント1を貫通するのは、ダクト又は接続具などの構造によって貫通することができる。
【0025】
本開示は、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構2による第一の吸気口16を経由した上記仕切室への冷気供給により、仕切室内へ供給された冷気によって使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネント4で発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善したことだけでなく、機器の安全性を向上させて使用者に火傷を与えることが避けられた。
【0026】
いくつかの実施例では、前記冷気は、圧縮機で冷却することにより得られた温度調整可能なガスである。このように、圧縮機の作動状態を制御することで作られた冷気の温度と体積を調節して、使用者の頭部をよりよく冷やすことができる。
【0027】
いくつかの実施例では、
図8から
図10に示すように、前記ヘッドキャップ100は、前記ハウジングコンポーネント1の内側に設けられる支持コンポーネント8をさらに含み、前記支持コンポーネント8は、前記ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間の前記仕切室を保持するためのものとして構成される。
【0028】
具体的には、上記仕切室とは、使用者が上記ヘッドキャップ100を装着した後に、ヘッドキャップ100と使用者の頭皮との間に間隔があると理解することができ、ただし、説明が必要なのは、支持コンポーネント8の支持機能によってハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に間隔を有させてもよく、他の方式でこの間隔を発生させてもよい。例えば、
図11に示すようにヘッドキャップ100にサスペンションコンポーネントを設置してもよく、使用時に、サスペンションコンポーネントを利用してヘッドキャップ100をブラケット9に吊り下げることで、ヘッドキャップ100が頭皮と接触してこの間隔を発生することにならないようにし、つまり、この間隔は、支持コンポーネント8の支持機能によるものではなく、支持コンポーネント8は、使用者の頭皮に当接しなくてもよく、又は使用者の頭皮に完全に当接しなくてもよく、それは、ヘッドキャップ100と頭皮との間の間隔が変化した時に、ハウジングコンポーネント1と頭皮との間に常に仕切室が形成されるために用いられ、例えば、使用者の頭部が動くことによりハウジングコンポーネント1と頭皮との間の距離が小さくなると、支持コンポーネント8は、頭皮に当接し、ハウジングコンポーネント1と頭皮との間に常に仕切室が形成されるように保持する。
【0029】
理解できるように、支持コンポーネント8は、ハウジングコンポーネント1の内側の任意の位置、例えば、対応する頭頂、頭周側などに設置されてもよく、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されるように保持できればよい。
【0030】
具体的には、上記支持コンポーネント8は、エアバッグなどの部材を含んでもよく、エアポンプによってエアバッグへ媒体を充填することができ、エアバッグは、使用者の頭の形状にフィットすることによって、装着の快適性を向上させることができる。上記エアポンプは、ヘッドキャップ100外に独立して設けられてもよく、ハウジングコンポーネント1に設けられてもよく、本出願は、これを具体的に限定しない。
【0031】
具体的には、上記支持コンポーネント8は、頭皮に当接する時に使用者の使用感をさらに改善できるように、その頭皮に向かう側には、フレキシブル層が設置されてもよい。
【0032】
具体的には、上記支持コンポーネント8は、使用者頭部の周りに設置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、前記ハウジングコンポーネント1は、アウターハウジング11と、光を透過するインナーハウジング12と、スペーサーカバー13とを含み、前記アウターハウジング11とインナーハウジング12との間にチャンバが形成されており、前記スペーサーカバー13は、前記チャンバを外層である第一のチャンバ14と内層である第二のチャンバ15とに仕切るために用いられ、前記発光コンポーネント4は、前記第一のチャンバ14内に設けられ、前記第一の吸気口16は、前記インナーハウジング12に設けられ、前記冷気供給機構2は、前記第二のチャンバ15を経由して前記第一の吸気口16まで連通することで、冷気が前記第二のチャンバ15と第一の吸気口16を順次経由して使用者の頭皮へ吹くようにする。
【0034】
具体的には、上記インナーハウジング12は、経頭蓋光が透過できる光透過材料で製造されてもよい。
【0035】
具体的には、上記アウターハウジング11は、このヘッドキャップ100を装着する時に外層が頭部から離れた位置にあるケースとして理解することができ、インナーハウジング12は、このヘッドキャップ100を装着する時に内層が頭部に近い位置にあるケースとして理解することができ、アウターハウジング11とインナーハウジング12の形状は、いずれも略ハット型であってもよい。スペーサーカバー13は、アウターハウジング11とインナーハウジング12との間に位置し、且つスペーサーカバー13の形状は、アウターハウジング11とインナーハウジング12の形状に対応してもよく、例えば、スペーサーカバー13の形状もハット型であってもよい。
【0036】
具体的には、アウターハウジング11とスペーサーカバー13は、上記第一のチャンバ14を囲むように形成し、インナーハウジング12とスペーサーカバー13は、上記第二のチャンバ15を囲むように形成し、発光コンポーネント4を第一のチャンバ14内に設置することで、ある程度で発光コンポーネント4を頭部から遠ざけることによって、発光コンポーネント4の作動による熱の頭部温度への影響を低減し、一定の安全性を確保することができる。発光コンポーネント4から発せられた経頭蓋光が頭皮に直接照射できることを確保するために、上記インナーハウジング12とスペーサーカバー13は、いずれも光を透過する材料で作られ、経頭蓋光の損失を減らし、経頭蓋光ができるだけ頭皮へ導かれるようにする。
【0037】
いくつかの代替的な実施例では、上記インナーハウジング12に開設された第一の吸気口16は、第二のチャンバ15内の冷気を頭皮に吹かせるために使用されてもよいし、光透過に用いられてもよく、すなわち、発光コンポーネント4から発せられた光が第一の吸気口16を経由して頭皮に向かうようにする。そして、上記第一の吸気口16のサイズは、頭皮へ吹く風量及び風速に基づいて決定されてもよく、適切な第一の吸気口16のサイズで、第一の吸気口16から排出される冷気が頭皮へ吹く快適性を増やし、使用者の感じを改善し、特に一部の耐性が比較的に悪い使用者に対して、この一部の使用者がより良く光治療を受けるようにすることができる。
【0038】
いくつかの代替的な実施例では、
図4に示すように、使用者は、上記光治療装置を装着した後に、ヘッドキャップ100のインナーハウジング12と使用者の頭皮との間に仕切室が形成されており、つまり、使用者の頭部は、インナーハウジング12の内面に密着しておらず、第一の吸気口16から排出される冷気がこの仕切室内に入ることで、使用者に比較的に快適な光治療環境を提供し、第一の吸気口16が使用者の頭部で塞がれることにより冷気が効果的に排出されないことを回避する。具体的には、上記ハウジングコンポーネント1は、固定された構造とサイズを有し、それは、緩やかな方式で使用者の頭部を収容する。具体的には、ハウジングコンポーネント1の構造は、ある程度の余裕を残すことで、使用者が予め設定される角度範囲内で回動する又は予め設定される距離範囲内で上下に移動する時に、ハウジングコンポーネント1は、依然として目標脳領域をカバーすることができ、それにより必要に応じて発光コンポーネント4を利用して各目標脳領域に照射することができる。さらに、ハウジングコンポーネント1の緩やかで開放的なデザインは、頭部の形状とサイズにある程度で個人差がある使用者に対して、変わらない構造とサイズを採用することができ、使用者にその頭部の形状とサイズに厳しくフィットするハウジングコンポーネント1をカスタマイズする必要がなく、それによってハウジングコンポーネント1を正規化製造でき、製造コストがさらに低くなることで、ヘッドキャップ100が適応できる使用者グループがより広がり、例えば病院、コミュニティの、光治療装置を使用する医療場所の施設の購入とメンテナンスのコストを低減した。具体的には、いわゆる固定された構造とサイズとは、ハウジングコンポーネント1に可動コンポーネントが設置されなくてもよく、ひいてはモールドで一体成型してもよいことを意味し、それによってハウジングコンポーネント1の使用寿命を増やし、且つハウジングコンポーネント1の構造を簡素化した。
【0039】
いくつかの実施例では、前記光治療装置は、熱気吸込排出機構3をさらに含み、前記熱気吸込排出機構3は、前記第一のチャンバ14に連通し、前記発光コンポーネント4で発生した熱による熱気を抽出して前記ハウジングコンポーネント1の外に排気するために用いられる。
【0040】
いくつかの代替的な実施例では、上記熱気吸込排出機構3は、ガスをポンピング可能なマシンに接続されてもよく、例えば、吸込扇風機に接続され、吸込扇風機は、熱気吸込排出機構3によって第一のチャンバ14内の熱気を吸い出し、無論、第一のチャンバ14内の気圧を安定させることを確保するために、上記第一のチャンバ14は、外部に連通してもよく、ガス抽出時に外部ガスを適時に第一のチャンバ14に入らせることによって、第一のチャンバ14内の気圧を大気圧に維持することができる。
【0041】
いくつかの代替的な実施例では、上記第一のチャンバ14内には、作動で熱を発生する他のデバイス、例えばセンサ、マザーボードなどがさらに設けられてもよく、熱気吸込排出機構3は、発光コンポーネント4で発生した熱による熱気を抽出することができるだけでなく、第一のチャンバ14内の他のデバイスの作動で発生した熱による熱気を抽出することができる。
【0042】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、前記ヘッドキャップ100は、分岐管路コンポーネント10をさらに含み、分岐管路コンポーネント10は、前記ハウジングコンポーネント1の内側に設置され前記第一の吸気口16に連通し、前記分岐管路コンポーネント10には、第一の吹出口が設けられており、且つ前記分岐管路コンポーネント10は、前記仕切室内に敷設される複数の分岐路管101を含む。
【0043】
具体的には、上記第一の吸気口16から供給されたガスは、分岐管路コンポーネント10内に入り、第一の吹出口を介して仕切室へ排出され、分岐管路コンポーネント10は、その内部に入るガスの圧力を下げることができ、ガスを均一に分散させて仕切室へ排出し、ガスの流速が速すぎて使用者の不快感を引き起こすことを防止するために用いられる。
【0044】
具体的には、上記第一の吹出口は、分岐路管101に設けられて、分岐路管101を経由してガスを直接排出してもよい。
【0045】
具体的には、上記分岐路管101の頭皮に向かう側には、頭部を支持するための支持面が形成されることによって、支持コンポーネント8がより安定した支持機能を果たすように補助することができる。
【0046】
具体的には、上記分岐管路コンポーネント10と支持コンポーネント8は、インナーハウジング12の内側に設けられてもよい。光路を遮ることを回避するために、分岐管路コンポーネント10と支持コンポーネント8は、いずれも光透過材質で作られてもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、前記支持コンポーネント8は、前記インナーハウジング12に設けられる複数の支持体81を含み、前記支持体81には、第二の吹出口82が設けられており、前記分岐路管101内のガスが前記第二の吹出口82を経由して前記仕切室へ排出するように、前記支持体81が前記分岐路管101に連通する。
【0048】
いくつかの代替的な実施例では、支持体81は、分岐管路コンポーネント10の分岐路管101とはそれぞれ独立して設置される。
【0049】
具体的には、上記第二の吹出口82は、一部又は全ての上記第一の吹出口を形成してもよく、つまり、分岐管路コンポーネント10の第一の吹出口は、支持体81の第二の吹出口82として構成されてもよく、この場合、各分岐路管101には、通気口を開設する必要がなく、ガスは、支持体81上の第二の吹出口82を経由して排出すればよい。
【0050】
具体的には、上記支持体81は、分岐路管101に分布してもよく、支持体81は、分岐路管101に着脱可能に接続され、又は支持体81が分岐路管101に一体成形されることで、上記ヘッドキャップ100の構造デザインをよりコンパクトにして、レイアウトをより合理的にすることができる。
【0051】
具体的には、支持体81に位置している第二の吹出口82の開口向きの方向は、頭皮に向かう方向に対して傾斜していてもよく、それによって頭頂に位置している温度が比較的に低いガスを、自然に上から下に向かって仕切室全体内に徐々に拡散させ、使用者の快適性を向上させる目的を達成することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、冷気が頭皮に直接吹かれて使用者に不快感を与えることを回避するように、前記第一の吹出口の開口向きの方向は、頭皮に向かう方向に対して傾斜する。
【0053】
いくつかの実施例では、
図1に示すように、前記第一のチャンバ14と第二のチャンバ15は、互いに独立し、つまり、第一のチャンバ14と第二のチャンバ15との間にガスが流通しない。このように、第一のチャンバ14内の熱気が第二のチャンバ15内に回り込むことでより多くの熱が使用者の頭部まで拡散して不快感を引き起こすことを回避することができ、使用者の頭部を冷やすための冷風が第一のチャンバ14に入り、使用者頭部を冷やす効果に影響を及ぼすことを回避することもできる。
【0054】
具体的には、上記スペーサーカバー13の下端は、スペーサーカバー13の対向する両側に位置する第一のチャンバ14と第二のチャンバ1が相互独立可能にするように、アウターハウジング11及び/又はインナーハウジング12に密封接続してもよい。
【0055】
具体的には、上記スペーサーカバー13は、第一のチャンバ14内の熱がより多くスペーサーカバー13まで伝導されることで第二のチャンバ15の温度がそれに応じて上昇することを回避するように、熱伝導性が悪い材料で製造されてもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、第一のチャンバ14と第二のチャンバ15は、互いに完全に独立しているわけではない。具体的には、第一のチャンバ14と第二のチャンバ15は、非常に微小な管室によって連通されてもよい。この場合に、第二のチャンバ15内の小部分の冷気が微小な管室を通じて第一のチャンバ14内に入ることができ、これにより、第一のチャンバ14内の部品を冷やすことに寄与している。
【0057】
いくつかの実施例では、
図8と
図9に示すように、第一のチャンバ14のチャンバーには、気流孔19が開設されている。
【0058】
具体的には、上記第一のチャンバ14内には、ヘッドキャップ100の各機能をサポートするための複数の部品、例えば、回路基板、渡り線などが設けられてもよく、いくつかのこの部品が作動時に熱を発生し、上記気流孔19によって第一のチャンバ14内の一部の熱を奪うことができ、これにより、第一のチャンバ14を冷やす目的が達成される。一実施例では、第一のチャンバ14に冷やしコンポーネント、例えばファンを設置してもよく、ファンの回動で第一のチャンバ14内のガスが流れるようにすることにより、第一のチャンバ14内の熱を奪うことで、第一のチャンバ14内の各部品を冷やすことを実現する。
【0059】
具体的には、ガスは、気流孔19を経由して第一のチャンバ14内へ吸気されてもよく、気流孔19を介して第一のチャンバ14内のガスを排出してもよい。上記気流孔19は、アウターハウジング11の底部又は側部に設けられてもよく
、例えば、
図8に示す気流孔19がアウターハウジング11の側壁に位置し、
図9に示す気流孔19がアウターハウジング11の底部に設けられ、上記はいずれも例示的なものであり、本出願は、気流孔19の具体的な設置位置を限定しなく、第一のチャンバ14と外部環境とを連通させることができればよい。
【0060】
具体的には、上記インナーハウジング12とスペーサーカバー13との間の気流孔19に近い位置には、発光コンポーネント4から発した光が上記気流孔19を経由して出射されて人間の目にダメージを与えることを回避するように、遮光層が設置されてもよく、上記遮光層は、黒い遮光板、光反射板などの構造であってもよい。
【0061】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、スペーサーカバー13の頂部には、冷気供給機構2から冷気を引き込むための第二の吸気口17が開設され、第二の吸気口17を経由して入った冷気が周囲へ導かれるように、インナーハウジング12の外頂面には、第二の吸気口17に対応して設置される導風面が形成される、これにより、頭部全体の放熱が実現される。
【0062】
いくつかの実施例では、導風面は、凹状、アーチ形状などの、冷気を周囲へ発散させることができる任意の構造に構成されてもよい。そのうち、インナーハウジング12の頂部は、アーチ形状を呈し、且つこのアーチ形状の曲率は、引き込まれた冷気がインナーハウジング12のアーチ形状の頂部の作用で周囲へなだらかに発散するように、予め設定された曲率よりも小さくなる。
【0063】
いくつかの代替的な実施例では、上記アーチ形状の曲率をできるだけ小さくすることで、第二の吸気口17に入った大量の冷気がインナーハウジング12の頂部へ直接吹くことができ、インナーハウジング12頂部の作用で冷気の流速を低減し、及び冷気をインナーハウジング12の頂部の周囲へ四散させることができ、冷気を各第一の吸気口16からなだらか且つ均一に排出し、使用者の快適性を向上させることができる。
【0064】
具体的には、アウターハウジング11には、第二の吸気口17に対応して取付口が開設されてもよく、冷気供給機構2は、この取付口を貫通して第二の吸気口17まで接続される。
【0065】
具体的には、上記予め設定された曲率は、経験、冷風風速などに基づいて設定されてもよく、本出願は、これを具体的に限定しない。
【0066】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、前記インナーハウジング12の頂部の少なくとも中央部分には、平面が形成されている。
【0067】
いくつかの代替的な実施例では、インナーハウジング12の頂部の平面は、第二の吸気口17から入った冷気が平面が位置する方向へ直接流れるように、第二の吸気口17と上下に対応して設置される。
【0068】
いくつかの実施例では、
図1と
図5に示すように、第二の吸気口17には、供給された冷気の流れを導くことで、冷気が周囲へ吹いてさらに均一な冷やし効果を向上させるための螺旋導風構造5が設置される。
【0069】
いくつかの代替的な実施例では、上記螺旋導風構造5は、第二の吸気口17に着脱可能に装着される。具体的には、螺旋導風構造5は、基板と、基板に設けられる螺旋導風羽根を含んでもよく、この基板は、第二の吸気口17にオーバーラッピングしてもよく、且つこの基板の螺旋導風羽根に対応する箇所には、貫通溝が設けられることで、冷気がこの貫通溝から螺旋導風羽根へ吹出され、螺旋導風羽根の螺旋導風を経た後に第二のチャンバ15内へ排出される。
【0070】
いくつかの実施例では、
図1と
図6に示すように、アウターハウジング11には、熱気吸込排出機構3に連通する吸込口18が設けられ、吸込口18には、ストッパー構造6が設けられ、ストッパー構造6は、ストッパープレート61と、第一のチャンバ14に連通する複数のエア抜き孔62とを含み、ストッパープレート61は、吸込口18と上下に対応して設置される。
【0071】
このように、第一のチャンバ14と吸込口18に対して遮蔽機能を果たし、異物が吸込口18から第一のチャンバ14内へ落ちることを回避することができ、作業者が吸込口18から手を第一のチャンバ14内に入れるような誤った操作を回避することができ、機器の安全性を向上させることができる。
【0072】
いくつかの代替的な実施例では、上記ストッパー構造6は、円筒状本体を有してもよく、ストッパープレート61は、円筒状本体の筒底として構成され、各エア抜き孔62は、円筒状本体の筒壁に位置し、第一のチャンバ14内のガスは、筒壁にあるエア抜き孔62を経由して抽出される。
【0073】
いくつかの代替的な実施例では、上記ストッパー構造6の向き合う両側は、接続部が延出形成されてもよく、この接続部を介してストッパー構造6を吸込口18に装着する。
【0074】
いくつかの代替的な実施例では、上記吸込口18は、アウターハウジング11の頂部に設けられ、且つこの吸込口18は、上記ヘッドキャップ100の構造デザインがよりコンパクトになりレイアウトがより合理的になるように、第二の吸気口17に近接して設置されてもよい。
【0075】
いくつかの実施例では、
図6に示すように、複数の前記エア抜き孔62は、第一のチャンバ14内のガスが環状に配布されるエア抜き孔62を介して熱気吸込排出機構3内へ均一に吸引されることができるように、ストッパープレート61の周りに環状に配布される。
【0076】
具体的には、上記エア抜き孔62は、ストッパープレート61の周りに均一に配布されてもよい。
【0077】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、複数の発光コンポーネント4は、アレイ状に設置され、且つ発光コンポーネント4のアレイは、スペーサーカバー13の外側に設けられ、複数の第一の吸気口16は、各グループの第一の吸気口16がそれぞれ各発光コンポーネント4に対応するように、グループに分けて開設される。
いくつかの実施例では、発光コンポーネント4のアレイは、必ずしもスペーサーカバーに設置されるとは限らない。
【0078】
いくつかの代替的な実施例では、上記発光コンポーネント4のアレイ方式は、治療案に応じて設置されてもよく、例えば、上記光治療装置がうつ病の治療に用いられる際に、人脳の前頭部と左右側頭葉を治療することができるため、第一のチャンバ14内において頭部の前頭部と左右側頭葉に対応する箇所に発光コンポーネント4を設置して、使用者の前頭部と左右側頭葉を光治療することができるようにしてもよく、また、例えば、上記光治療装置がアルツハイマー病の治療に用いられる際に、人間の全脳を治療することができるため、第一のチャンバ14内において全脳に対応する位置に発光コンポーネント4を増設することで、使用者の全脳を光治療することができるようにしてもよい。このように、異なる病態に基づいて発光コンポーネント4のアレイ方式を適応的に選択して、目的に応じて治療することができる。
【0079】
さらに、発光コンポーネント4のアレイ方式を決定した後に、発光コンポーネント4のアレイ方式に応じて各グループの第一の吸気口16の配列方式を決定し、即ち冷気の送風位置を調整することで、第一の吸気口16から排出される冷風風量と風速が使用者により適すことができる。
【0080】
いくつかの代替的な実施例では、上記発光コンポーネント4は、グループになった第一の吸気口16に一対一で対応して設置され、即ち一つの発光コンポーネント4は、一グループの第一の吸気口16に対応する。
【0081】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、発光コンポーネント4は、ランププレートと、その第一のプレート面に設けられる複数の発光体41とを含み、経頭蓋光が使用者の頭皮に直射した後に使用者の頭皮の温度が高すぎることを回避するように、複数の発光体41と、それが位置するランププレートに対応する一グループの第一の吸気口16の少なくとも一部とがずれて設置され、、且つずれて設置されることで、風速を使用者が快適になる速度に制御することができ、頭皮付近の風速が速すぎることを回避して、使用者の使用体験を改善することができる。
【0082】
具体的には、発光体41とずれて設置される第一の吸気口16のほか、このグループの他の第一の吸気口16は、発光体41に対応して設置されてもよく、それによって発光体41から発せられた経頭蓋光が頭皮に直射することができ、好適な光治療効果をもたらす。
【0083】
具体的には、この発光体41は、近赤外発光ダイオードとして構成されてもよい。
【0084】
いくつかの実施例では、各グループの第一の吸気口16の数は、いずれもそれに対応する発光コンポーネント4上の発光体41の数よりも大きくなる。このように、第一の吸気口16の数を増やすことで冷気の均一排気効果を向上させることによって、好適な頭皮の冷やし効果を達することができる。
【0085】
例示的に、一グループの第一の吸気口16に含まれる第一の吸気口16の数は、11個から15個であってもよく、それに対応する一つの発光コンポーネント4上の発光体41の数は、8個から10個であってもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、インナーハウジング12における各グループの第一の吸気口16を開設するための領域は、対応する各ランププレートを覆う第一の領域と、第一の領域を囲む第二の領域とを含む。具体的には、第一の領域は、対応する各発光コンポーネント4を覆い、第二の領域は、第一の領域の外を囲み、これにより、第一の吸気口16の冷気の吹き出し面積を増やし、頭皮の光治療時の快適性を改善する。
【0087】
いくつかの実施例では、下方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径は、その上方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径よりも大きくなる。そのうち、下方に位置するグループになった第一の吸気口16は、インナーハウジング12上の頭頂に対応する領域から離れた第一の吸気口16として理解されてもよく、上方に位置するグループになった第一の吸気口16は、インナーハウジング12上の頭頂に対応する領域に近づく第一の吸気口16として理解されてもよい。このように、冷風をより均一に第一の吸気口16を経由して排出し、冷やし効果を向上させ、冷風が頂部から多く拡散して他の位置の冷やし効果に影響することを回避することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、
図1と
図3に示すように、各グループの第一の吸気口16は、中心から周囲に向けて発射する放射状を呈する。このように、冷気が頭皮へ四散するように流し、均一に頭皮を放熱することができる。
【0089】
いくつかの実施例では、
図1と
図7に示すように、発光コンポーネント4の第二のプレート面には、放熱フィン42が設けられており、放熱フィン42は、スペーサーカバー13から離れる方向に向かって延びている。
【0090】
具体的には、上記放熱フィン42は、間隔をあけて設置される複数のシートを含み、発光コンポーネント4の作動で発生した熱は、放熱フィン42へ導かれて各シート間の間隔を経由して第一のチャンバ14へ排出することができる。
【0091】
具体的には、上記放熱フィン42は、熱伝導性が良い材料、例えばアルミニウム、銅などで作られてもよい。
【0092】
いくつかの実施例では、
図1と
図2に示すように、光治療装置は、接続座7をさらに含み、冷気供給機構2は、一端が接続座7に接続される送風ダクト21を含み、熱気吸込排出機構3は、一端が接続座7に接続される吸込ダクト31を含み、接続座7は、アウターハウジング11に着脱可能に装着される。このように、接続座7をアウターハウジング11に抜き差しする操作により、送風ダクト21と吸込ダクト31をアウターハウジング11に同時に接続又は切り離すことができ、操作方式が比較的に簡単であり、使用しやすい。
【0093】
いくつかの代替的な実施例では、上記アウターハウジング11には、第二の吸気口17と吸込口18に対応する取付座が設けられてもよく、接続座7は、この取付座に着脱可能に接続されてもよく、接続座7が取付座に装着された後に、送風ダクト21は、第二の吸気口17に突合可能になり、吸込ダクト31は、吸込口18に突合可能になる。
【0094】
いくつかの実施例では、複数の第一の吸気口16の断面積の和は、第二の吸気口17の断面積の2倍から4倍であり、好ましくは、3倍から4倍である。このように、第二の吸気口17から入った冷気を第一の吸気口16を経由して頭皮へ均一且つなだらかに放出させることができる。
【0095】
好ましくは、複数の第一の吸気口16の断面積の和は、第二の吸気口17の断面積の3倍から4倍である。
【0096】
いくつかの実施例では、第一の吸気口16の直径範囲は、1.5mmから3mmである。
【0097】
好ましくは、第一の吸気口16の直径は、2mm又は2.5mmである。
【0098】
例示的に、下方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径は、いずれも2.5mmであってもよく、上方に位置するグループになった第一の吸気口16の孔径は、いずれも2mmであってもよく、このように均一に冷やす効果をより良く実現することができる。
【0099】
いくつかの実施例では、発光コンポーネント4は、使用者の頭部へ平均電力密度が40mW/cm2よりも大きい近赤外光を発射するように構成され、冷気供給機構2の作用により、使用者の頭皮付近の温度は、23度から40度である。理解できるように、本出願で使用する用語である「平均電力密度」は、単位時間当たりに単位面積当たりに放射されるエネルギーの大きさを示す。
【0100】
いくつかの実施例では、前記発光コンポーネント4のアレイは、冷気供給機構2と熱気吸込排出機構3の作用により、使用者の頭皮付近の温度が23度から40度になるように、使用者の頭部へ平均電力密度が50mW/cm2から150mW/cm2の近赤外光を発射するように構成される。
【0101】
いくつかの実施例では、仕切室で形成される前記ガス通路により、使用者の頭皮付近の風速は、0.5m/sから3.5m/sに達する。このように、冷気は、冷やしと同時に使用者に不快感を与えることを回避するように、頭部に直接に吹くことなく、使用者の頭部へなだらかに吹くことができる。
【0102】
いくつかの実施例では、前記冷気の温度は、使用者の頭皮付近の風速が0.5m/sから3.5m/に達した場合に使用者の頭皮付近の温度が23度から40度になるように設定される。
【0103】
いくつかの実施例では、ハウジングコンポーネント1の底部内側の周方向には、発光コンポーネント4から発せられた光がヘッドキャップ100の下方から出射することをストッパーするための遮光部が設けられてもよい。上記遮光部は、経頭蓋光がハウジングコンポーネント1の底部から出射し、人間の目にダメージを与えることを防止するために用いられる。
【0104】
いくつかの実施例では、遮光部は通気構造として構成され、仕切室内のガスがこの通気構造を介して外部環境に拡散できるようにする。
【0105】
具体的には、遮光部は、空気穴を有する黒いスポンジ、通気可能な黒いフレキシブルな生地などとして構成されてもよく、それによって、遮光部は、一定の快適性を保つことができるし、遮光、放熱の効果を果たすことができる。代替的には、遮蔽構造は、黒い軟質ラバーパッド、遮光板などとして構成されてもよく、その上には、比較的に小さい空気穴が開設され、この空気穴の真上には、反射構造、例えばレンズ、反射膜などが設置されてもよく、仕切室内の気流は、反射構造側面のチャンネルを介して空気穴から外部環境に拡散される。
【0106】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、発光コンポーネント4には、発光コンポーネント4が外部環境に直接に晒されることを回避して製品の安全性を向上させるための光透過カバー110が設置されてもよい。
【0107】
本開示の実施例は、アルツハイマー病を治療するための、上記の光治療装置を含む光治療機器をさらに提供した。
【0108】
アルツハイマー病(AD)は、65歳以上の高齢者に多く見られ、発病が緩慢又は隠匿であり、時間が経つにつれて悪化し続け、主に認知機能の低下、言語機能の障害、情緒の不安定、精神症状と行動の障害、日常生活能力が徐々に低下し、最終的に身体機能を失い、死亡に至ることとして現れる。なお、AD患者は、温度と痛みに対するより低い感度を有し、つまり、AD患者は、損傷を発見し報告する前に、より大きな痛みと潜在的なより大きな程度の組織又は器官の損傷を経験する可能性があり、そして、AD患者のうち、65歳以上の高齢者は、比較的な大きい割合を占めるが、高齢者は、若者よりも寒さに弱くなる。そのため、比較的に高い平均電力密度ひいては総電力でAD患者を治療する場合に、特にAD患者グループの温度と痛みに対する感度の特徴を十分に考慮し、比較的に快適で、痛みひいては熱損傷を起こさない治療環境を提供することが必要であり、治療時間の延長に役に立つことによって、より良い治療効果を実現することができる。
【0109】
上記光治療機器によって近赤外光を利用してADを治療することができるとともに、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構2による第一の吸気口16を経由した上記仕切室への冷気供給により、仕切室内へ供給された冷気によって使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネント4で発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善しただけでなく、機器の安全性を向上させて使用者に火傷を与えることが避けられた。
【0110】
上記アルツハイマー病に対して、発明者は、シミュレーション実験と臨床実験によって、本出願の発光コンポーネント4のアレイを、使用者の頭部へ平均電力密度が40mW/cm2よりも大きい近赤外光を発射するように構成し、高齢者のAD患者にとって、十分な光エネルギーが脳組織に入ることを確保して良好な治療効果を確保することができることを発見した。好ましくは、採用される平均電力密度は、40mW/cm2-150mW/cm2であってもよく、発射される近赤外光の中心波長は、800-820nm、例えば、810nmであってもよい。いくつかの特定の脳領域、例えば前頭葉と側頭葉に対して、近赤外光の平均電力密度は、50mW/cm2以上から150mW/cm2までであってもよく、好ましくは70mW/cm2以上である。
【0111】
アルツハイマー病を治療するためのこの光治療機器のハウジングコンポーネント1は、緩やかな方式で患者の頭部を収容することで、治療中に、頭部は、予め設定される角度範囲内で回動することができ、且つ予め設定される距離範囲内で上下に移動することができる。患者の頭部形状にフィットする構造と異なり、ハウジングコンポーネント1と患者の頭部との間にいくつかの数cmレベルの隙間が事前に確保しておき、好ましくは、隙間が1-2mであり、それによって、患者は、自分の意思で予め設定される角度範囲内と予め設定される距離範囲内で自分の頭部を動かすことができ、このような開放的なハウジングコンポーネント1デザインは、患者の頭部に束縛感がなく、気分が落ち着かず、いらいらして不安になり、密閉又は混雑した空間に反発ひいては恐れる高齢者にとって特に友好的であり、それによって、AD患者の治療順応度を著しく向上させることができる。具体的には、前記光治療機器は、AD患者、且つ密閉又は混雑した空間に心理的障害がある患者を治療するために用いられてもよい。このような密閉又は混雑した空間に対する心理的障害は、患者自身が年齢又はAD以外の心理的疾患に起因するものであってもよく、AD疾患に起因するものであってもよい。ハウジングコンポーネント1のこのようなデザインは、ADの異なる疾患経過にある患者の行動特徴にも広く適用できる。例をあげると、早期のAD患者にとって、判断能力が低下し、疑いが深く、且つ刺激されることが多く、このような十分な自由度と開放度があるハウジングコンポーネント1の装着は、患者に受け入れられやすく、刺激を受けにくくなり、それによって、患者は、光治療の継続的な進行に協力することができる。また、例えば、中期のAD患者にとって、気分の乱高下が激しく、いらいらして不安になり、常に動き回っており、頭部が頻繁に無意識に小刻みに揺れる患者もいるが、このような開放的なハウジングコンポーネント1は、患者の頭部にこのような無意識な小刻みな揺れが生じることを許容してハウジングコンポーネント1自体にそれに応じてチャタリングを生じさせない。そのため、このような小刻みを強制的に停止する必要がなく、患者の快適性を増やし医療スタッフの作業負荷も低減するとともに、患者頭部のこのような揺れがハウジングコンポーネント1に伝達することにより光治療効果へ影響することを回避することができる。そのため、前記光治療機器は、気分が落ち着かず、いらいらして不安になるアルツハイマー病患者の治療に用いられてもよい。
【0112】
この開放的な緩やかなデザインのハウジングコンポーネント1により、様々な疾患経過にあるAD患者が治療を受けやすくなり、一回の照射でもより長い時間持続することができ、例えば、毎回20分間、30分間、ひいてはより長い時間を照射することによって、治療効果をさらに向上させることができる。
【0113】
本開示の実施例はうつ病を含む心理的疾患を治療するための、上記の光治療装置を含む光治療機器をさらに提供した。うつ病を含む心理的疾患を治療するための上記光治療機器により、近赤外光を利用して心理的疾患を治療することができ、ハウジングコンポーネント1と使用者の頭皮との間に形成された仕切室と、冷気供給機構2による第一の吸気口16を経由した上記仕切室への冷気供給により、仕切室内へ供給された冷気によって使用者の頭部を冷やすことを実現し、発光コンポーネント4で発生した熱が使用者の頭部に不快感を引き起こすという従来の技術における問題を解決し、使用者の快適性を効果的に向上させて光治療効果を改善したことだけでなく、機器の安全性を向上させて使用者に火傷を与えることが避けられた。
【0114】
いくつかの代替的な実施例では、光治療機器が採用した近赤外光に必要な平均電力密度は、使用者の属性に応じて決定し調整されてもよい。例えば、上記光治療機器が、うつ病を少なくとも含む疾患を治療するために用いられると、平均電力密度は、脳外組織の光透過性が低い使用者の平均電力密度が脳外組織の光透過性が高い使用者の平均電力密度よりも高くなるように、前記使用者の脳外組織の光透過性に基づいて決定される。
【0115】
いくつかの実施例では、前記光治療機器はさらに、孤独症、双極性感情障害症などの高い平均電力密度を必要とする脳機能関連疾患の治療に用いられてもよい。具体的には、疾患タイプ又は使用者の年齢層に応じて、冷気供給機構2を利用して各使用者の頭部がいずれもより快適な環境にあるようにすることができ、例えば、温度と痛みに対する感度が比較的に低く、且つ寒さに弱い高齢者のうつ病患者となる使用者に対し、光治療を実施する際に、冷気供給機構2を利用してこのような使用者の頭皮付近の温度を25摂氏度から40摂氏度にすることができ、温度と痛みに対する感度がそれほど高くない青少年のうつ病患者となる使用者、又は成人のうつ病患者となる使用者に対して、光治療を実施する際に、冷気供給機構2を利用してこのような使用者の頭皮付近の温度を18摂氏度から37摂氏度にすることができ、温度と痛みに対する感度が比較的に高い子供孤独症患者となる使用者に対して、光治療を実施する際に、冷気供給機構2を利用してこのような使用者の頭皮付近の温度を18摂氏度から35摂氏度にすることができる。
【0116】
注意すべくこととして、本出願の各実施例における各制御処理、例えば、発光コンポーネント4の近赤外光の平均電力密度に関する制御、冷気供給機構2の冷気流量率に対する制御、圧縮機の冷凍機能(冷気温度)に対する制御などに基づき、メモリに記憶されたコンピュータによる実行可能な命令として実現されてもよく、プロセッサによって実行される時に該当するステップを実現することができ、対応する論理計算能力を有するハードウェアとして実現されてもよく、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせ(ファームウェア)として実現されてもよい。いくつかの実施例では、プロセッサは、FPGA、ASIC、DSPチップ、SOC(システムオンチップ)、MPU(例えばCortexであるが、これに限らない)、などのいずれか一つとして実現されてもよい。プロセッサは、メモリに通信可能に接合され、且つそのうちに記憶されるコンピュータによる実行可能な命令を実行するように配置されてもよい。メモリは、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、例えば同期DRAM(SDRAM)又はRambus DRAMのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックメモリ(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ)などを含んでもよく、その中には、任意のフォーマットでコンピュータによる実行可能な命令を記憶する。コンピュータによる実行可能な命令は、プロセッサによりアクセスされ、ROM又は任意の他の適切な記憶位置から読み取り、プロセッサが実行するためにRAMにロードされて、本出願の各実施例による無線通信方法を実現することができる。
【0117】
注意すべくこととして、本出願のシステムの各部品では、実現されるべき機能に基づいてそのうちの部品を論理的に分割するが、本出願は、これに限定されず、必要に応じて各部品を再分割又は組み合わせてもよく、例えば、いくつかの部品を単一の部品として組み合わせてもよく、又はいくつかの部品をより多くのサブ子部品にさらに分解してもよい。
【0118】
本出願の各部品の実施例は、ハードウェアで実現され、又は一つ又は複数のプロセッサ上でランニングしているソフトウェアモジュールで実現され、又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。当業者は、実践でマイクロプロセッサ又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を使用して本出願の実施例に基づくシステムにおけるいくつか又はすべての部品のいくつか又はすべての機能を実現してもよいことを理解すべきである。本出願は、さらに、ここで記述された方法を実行するための一部又は全ての機器又は装置プログラム(例えば、コンピュータプログラムとコンピュータプログラム製品)として実現されてもよい。このような本出願を実現するプログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよく、又は一つ又は複数の信号の形式を有してもよい。このような信号は、インターネットのウェブサイトからダウンロードして入手してもよく、又はキャリア信号で提供され、又は任意の他の形式で提供されてもよい。また、本出願は、若干異なる素子が含まれるハードウェア、及び適切にプログラウされたコンピュータによって実現されてもよい。若干の装置が列挙されたユニット請求項において、これらの装置のうちの若干は、同一のハードウェアアイテムによって具体的に表現されてもよい。単語の第一、第二、及び第三などの使用は、如何なる順序も表していない。これらの単語を名称として解釈してもよい。
【0119】
なお、本明細書では例示的な実施例を記述したが、その範囲は、任意とすべての本出願に基づく、均等な素子、修正、省略、組み合わせ(例えば、様々な実施例が交差する方案)、改編又は変更を有する実施例を含む。請求項における素子は、請求項で採用される言語に基づいて広く解釈され、本明細書又は本出願の実施期間に記述された例に限定されるものではなく、その例は、排他性でないと解釈される。そのため、本明細書と例は、単なる例として認識されることを意図しており、真の範囲と精神は、以下の請求項及びその均等物の全範囲によって示される。
【0120】
以上の記述は、制限性ではなく、説明的であることを意図している。例えば、上記例(又はそれらの一つ又はより多くの方案)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。例えば、普通の当業者は、上記記述を読む時に他の実施例を使用することができる。また、上記具体的な実施の形態では、様々な特徴は、グループ化されて本出願を簡素化してもよい。これは、保護を要求しない開示の特徴がいずれの請求項にも必要な意図であると解釈すべきではない。逆に、本出願のテーマは、特定の開示された実施例のすべての特徴よりも少なくてもよい。それによって、以下の請求の範囲は、例又は実施例としてここに具体的な実施の形態に組み入れられ、そのうち、各請求項は、独立して個別の実施例となり、そしてこれらの実施例が様々な組み合わせ又は配列で互いに組み合わせてもよいことが考えられる。本出願の範囲は、添付される請求項及びこれらの請求項の権利付与の均等の形の全ての範囲を参照して決定されるべきである。
【0121】
上記実施例は、本出願の例示的な実施例に過ぎず、本出願を制限するためのものではなく、本出願の保護範囲は、請求項によって限定される。当業者は、本出願の本質と保護範囲内で、本出願に様々な修正又は均等な置き換えを加えることができ、このような修正又は均等な置き換えは、本出願の保護範囲内にあるとみなすべきである。
【符号の説明】
【0122】
100-ヘッドキャップ;1-ハウジングコンポーネント;11-アウターハウジング;12-インナーハウジング;13-スペーサーカバー;14-第一のチャンバ;15-第二のチャンバ;16-第一の吸気口;17-第二の吸気口;18-吸込口;19-気流孔;110-光透過カバー;2-冷気供給機構;21-送風ダクト;3-熱気吸込排出機構;31-吸込ダクト;4-発光コンポーネント;41-発光体;42-放熱フィン;5-螺旋導風構造;6-ストッパー構造;61-ストッパープレート;62-エア抜き孔;7-接続座;8-支持コンポーネント;81-支持体;82-第二の吹出口;9-ブラケット;10-分岐管路コンポーネント;101-分岐路管。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳機能関連疾患のための光治療装置であって、
ハウジングコンポーネントを含むヘッドキャップであって、前記ハウジングコンポーネントの内側
には収容室が形成されており、前記収容室は、光治療時に使用者の頭皮との間に仕切室が形成されるように使用者の頭部を収容し、且つ前記ハウジングコンポーネントの内側には第一の吸気口が設けられており、前記仕切室は
、光治療時に前記第一の吸気口と使用者の頭皮との間のガス通路を形成す
るヘッドキャップと、
前記ハウジングコンポーネントに装着され、且
つ前記ハウジングコンポーネントの内側
へ経頭蓋光を伝送する発光コンポーネントと、
前記ハウジングコンポーネント
の外部から冷気を導入し、且つ光治療時に冷気を前記第一の吸気口と前記仕切室を順次経由して使用者の頭皮へ吹くように、前記第一の吸気口まで
流体連通
する冷気供給機構と、を含む、
ことを特徴とする光治療装置。
【請求項2】
前記ヘッドキャップは、前記ハウジングコンポーネントの内側に設けられる支持コンポーネントをさらに含み、前記支持コンポーネントは、
光治療時に前記ハウジングコンポーネントと使用者の頭皮との間の前記仕切室を保持するための
構造として構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項3】
前記ハウジングコンポーネントには、前記第一の吸気口に流体連通する冷気伝送インナーチャンバーが形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項4】
前記ハウジングコンポーネントは、アウターハウジングと、
光を透過するインナーハウジングと、スペーサ
ーとを含み、前記アウターハウジングとインナーハウジングとの間にチャンバが形成されており、前記スペーサ
ーは、前記チャンバ
を第一のチャンバ
と第二のチャンバに仕切るために用いられ、前記発光コンポーネントは、前記第一のチャンバ内に設けられ、前記第一の吸気口は、前記インナーハウジングに設けられ、前記冷気供給機構は
、前記第二のチャンバを経由して前記第一の吸気口まで連通する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の光治療装置。
【請求項5】
前記光治療装置は、熱気吸込排出機構をさらに含み、前記熱気吸込排出機構は、前記第一のチャンバに連通し、前記発光コンポーネントで発生した熱による熱気を抽出し、前記ハウジングコンポーネントの外に排気するために用いられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項6】
前記第一のチャンバーは、第二のチャンバーに対して外側にある、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項7】
前記ヘッドキャップは、
前記ハウジングコンポーネントの内側に設置され、前記第一の吸気口に
流体連通する分岐
通路機構をさらに含み、
前記分岐
通路機構には、第一の吹出口が設けられており、且つ前記分岐
通路機構は、前記仕切室内に
設けられる分岐
路を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の光治療装置。
【請求項8】
前記ヘッドキャップは、前記ハウジングコンポーネントの内側に設ける支持コンポーネントをさらに含み、前記支持コンポーネントは、
一つ以上の支持体を含み、
各支持体には、
対応する分岐路に流体連通するように第二の吹出口が設けられており、
光治療時に前記第一の吸気口から入った冷気が前記分岐
路と前記第二の吹出口
から前記仕切室へ排出
される
ことを特徴とする請求項
7に記載の光治療装置。
【請求項9】
前記第一のチャンバと第二のチャンバは、互いに独立している、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項10】
前記冷気供給機構は、前記ハウジングコンポーネントの上方から前記冷気伝送インナーチャンバに冷気を導入し、前記冷気伝送インナーチャンバには、冷気を周囲に導いてから下方に伝送するように導風面が形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の光治療装置。
【請求項11】
前記スペーサ
ーの頂部には
、冷気を引き込むための第二の吸気口が開設されており、前記第二の吸気口を経由して入った冷気が周囲へ導かれるように、前記インナーハウジングの外頂面には、前記第二の吸気口に対応して設置される導風面が形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の光治療装置。
【請求項12】
前記インナーハウジングの頂部は、アーチ形状を呈し、且つこのアーチ形状の曲率は、引き込まれた冷気が前記インナーハウジングのアーチ形状の頂部の作用で周囲へなだらかに発散するように、予め設定される曲率よりも小さくなる、
ことを特徴とする請求項
11に記載の光治療装置。
【請求項13】
前記ハウジングには、前記熱気吸込排出機構に連通する吸込口が設けられており、前記吸込口部にはストッパー構造が設けられており、前記ストッパー構造は、ストッパープレートと、前記第一のチャンバに連通する複数のエア抜き孔とを含み、前記ストッパープレートは、前記吸込口と上下に対応して設置される、
ことを特徴とする請求項5に記載の光治療装置。
【請求項14】
前記発光コンポーネントは複数であり、且つ複数
の発光コンポーネント
はアレイ状に設置され
、前記第一の吸気口は
複数であり、且つ複数の第一の吸気口は、各グループの第一の吸気口をそれぞれ各発光コンポーネントに対応するように、グループに分けて開設される、
ことを特徴とする請求項
1に記載の光治療装置。
【請求項15】
前記インナーハウジングにおける各グループの第一の吸気口を開設するための領域は、対応する各
発光コンポーネントを覆う第一の領域と、前記第一の領域を囲む第二の領域とを含む、
ことを特徴とする請求項
14に記載の光治療装置。
【請求項16】
光治療時に前記仕切室で形成される前記ガス通路により、使用者の頭皮付近の風速が0.5m/sから3.5m/sに達する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項17】
前記冷気の温度は、光治療時に、使用者の頭皮付近の風速が0.5m/sから3.5m/に達した場合に使用者の頭皮付近の温度が23度から40度になるように設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項18】
前記光治療装置は、アルツハイマー症、うつ病、孤独症、及び二相感情障害症の少なくとも一つを治療するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項19】
前記光治療装置がアルツハイマー症の治療に用られる場合、前記ハウジングコンポーネントは、治療中に前記頭部が予め設定される角度範囲内で回転でき、かつ予め設定される距離範囲内で上下に移動できるように、使用者の頭部を緩やかに収容する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【請求項20】
前記発光コンポーネントは、平均電力密度が40mW/cm
2
より大きい近赤外光を患者の頭部へ放射するように構成され、光治療時に、前記使用者の頭皮付近の温度は18度から43度である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光治療装置。
【国際調査報告】