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特表2024-545481IABノード装置、IABドナー装置及び経路移行方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-06
(54)【発明の名称】IABノード装置、IABドナー装置及び経路移行方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/28 20090101AFI20241129BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20241129BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20241129BHJP
   H04W 40/22 20090101ALI20241129BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20241129BHJP
【FI】
H04W40/28
H04W92/20 110
H04W36/08
H04W40/22
H04W48/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539884
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2022070175
(87)【国際公開番号】W WO2023130232
(87)【国際公開日】2023-07-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ・ヤン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD17
5K067EE06
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
本発明の実施例は、IABノード装置、IABドナー装置及び経路移行方法を提供する。IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用する。該方法は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、該IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信するステップと、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用するステップと、を含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスバックホール統合(IAB)ノード装置であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、
IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信する受信部と、
前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記経路移行構成を適用する処理部と、を含む、装置。
【請求項2】
前記第1のドナー分散ユニットと前記第2のドナー分散ユニットとは、同一のドナー集約ユニットに属し、
前記経路移行構成は、前記ドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又は無線リソース制御メッセージを介して前記IABノード又は子ノードに送信される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記経路移行構成は、
第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー分散ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、
前記第2のルーティング識別子と前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及び
前記IABノードの直前ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御チャネル識別子と、前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスと、エグレスリンク無線リンク制御チャネル識別子との間のマッピング関係を示すための無線リンク制御チャネルマッピング構成を追加することを含み、
前記第1のルーティング識別子の宛先バックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第1のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスであり、
前記第2のルーティング識別子の宛先バックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第2のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記処理部は、アップリンクデータのバックホールアダプテーションプロトコルヘッダで搬送されている前記第1のルーティング識別子を前記第2のルーティング識別子に書き換える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記ドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信し、
前記第1の構成情報は、前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記IPアドレスは、前記IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用され、
前記処理部は、前記IABノードがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスで置き換える、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記IABノードの前記第1の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御メッセージ又は無線リソース制御再構成メッセージを介して送信され、
前記子ノードの前記第1の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の構成情報は、前記第1のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスについてのIPアドレス構成情報であり、
前記第1の構成情報は、前記第1のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスについての前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスに変更するために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記経路移行構成は、
第2のルーティング識別子と前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及び
前記IABノードの直前ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御チャネル識別子と、前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスと、エグレスリンク無線リンク制御チャネル識別子との間のマッピング関係を示すための無線リンク制御チャネルマッピング構成を追加することを含み、
前記第2のルーティング識別子の宛先バックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第2のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスである、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記受信部は、前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記ドナー集約ユニットにより送信された、第2のルーティング識別子を構成するための第2の構成情報を受信し、
前記第2のルーティング識別子は、前記IABノード又は子ノードのアップリンクF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用され、
前記処理部は、前記IABノードがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記第2のルーティング識別子を適用する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記受信部は、前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記ドナー集約ユニットにより送信された第3の構成情報を受信し、
前記第3の構成情報は、前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを構成するために使用される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記IABノードの前記第3の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御メッセージ又は無線リソース制御再構成メッセージを介して送信され、
前記子ノードの前記第3の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第3の構成情報は、前記第2のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスについての前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを追加するための構成情報を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のドナー分散ユニットは、第1のドナー集約ユニットに属し、
前記第2のドナー分散ユニットは、第2のドナー集約ユニットに属し、
前記経路移行構成は、前記第1のドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又は無線リソース制御メッセージを介して前記IABノード又は子ノードに送信され、
前記IABノードのIAB-DUは、前記第1のドナー集約ユニットとのF1接続を維持する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記経路移行構成は、
第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー集約ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、
前記第2のルーティング識別子と前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及び
前記IABノードの直前ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御チャネル識別子と、前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスと、エグレスリンク無線リンク制御チャネル識別子との間のマッピング関係を示すための無線リンク制御チャネルマッピング構成を追加することを含み、
前記第1のルーティング識別子及び前記IABノードの直前ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第1のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、
前記第1のルーティング識別子の宛先バックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第1のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスであり、
前記第2のルーティング識別子及び前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第2のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、
前記第2のルーティング識別子の宛先バックホールアダプテーションプロトコルアドレスは、前記第2のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスである、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記処理部は、アップリンクデータのバックホールアダプテーションプロトコルヘッダで搬送されている前記第1のルーティング識別子を前記第2のルーティング識別子に書き換える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記受信部は、前記IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記第1のドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信し、
前記第1の構成情報は、前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記IPアドレスは、前記IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用され、
前記処理部は、前記IABノードの前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスで置き換える、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
IABドナー装置であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記第1のドナー分散ユニットが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のドナー分散ユニットが第2のドナー集約ユニットに属し、
前記IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、前記第2のドナー集約ユニットに経路移行要求メッセージを送信する送信部と、
前記第2のドナー集約ユニットにより送信された経路移行応答メッセージを受信する受信部と、を含む、装置。
【請求項18】
前記経路移行要求メッセージ及び前記経路移行応答メッセージは、Xnインターフェースを介して送信され、
前記経路移行要求メッセージ及び前記経路移行応答メッセージは、前記IABノードのXnAP識別子を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記経路移行要求メッセージは、前記第1のドナー分散ユニットのバックホールアダプテーションプロトコルアドレスについての前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされたIPアドレスを含み、
前記IPアドレスは、前記IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
アクセスバックホール統合(IAB)システムであって、IABドナー装置と、IABノード装置とを含み、
前記IABノード装置の移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノード装置の移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、
前記IABノード装置は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記経路移行構成を適用する、IABシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、通信分野に関する。
【背景技術】
【0002】
将来のシームレスなセルラーネットワークの展開には、非常に柔軟で超高密度の新しい無線(NR:new radio)セルの展開が必要である。超高密度ネットワークは、5Gの目標の1つであり、有線バックホールを必要としないNRネットワークの展開は、5G超高密度ネットワークを実現するために重要である。5Gミリ波はセルのカバレッジを狭めるため、無線自己バックホールシステムは展開のニーズを満たすためにマルチホップを必要とする。5Gの高帯域幅、大規模なMIMO及びビームシステムは、LTEよりも5Gの方が超高密度NRセルの無線自己バックホールシステムを容易に開発することができる。このような無線自己バックホールを備えたマルチホップシステムを開発するために、3GPP(登録商標)はR16においてアクセスバックホール統合(IAB:Integrated access and backhaul)プロジェクトの研究と標準化を開始した。
【0003】
図1は、IABシステムの一例の概略図である。図1に示すように、IABシステムでは、アクセスとバックホールは、NRのUuエアーインターフェース無線伝送を採用し、中継ノードは、アクセス(access)及びバックホール(backhaul)の両方の機能をサポートし、中継ノードの無線伝送リンクは、時間領域、周波数領域又は空間領域においてアクセスリンク(access link)及びバックホールリンク(backhaul link)を多重化し、アクセスリンク及びバックホールリンクは、同一の周波数帯域又は異なる周波数帯域を利用することができる。
【0004】
IABのネットワークアーキテクチャでは、中継ノードは、IAB-node(IABノード)を意味し、アクセスとバックホールの両方の機能をサポートする。ネットワーク側の最後のホップのアクセスノードは、IAB-donnor(IABドナー)と称され、gNB機能をサポートし、且つIAB-nodeアクセスをサポートする。全てのUEデータは、1つホップ又は複数のホップにより、IAB-nodeを介してIAB-Donorにバックホールすることができる。
【0005】
IAB-node機能は、IAB-DU(分散ユニット)と称されるgNB-DU機能と、IAB-MT(移動端末)と称されるUE機能の2つの部分に分けられる。IAB-DUは、ネットワーク側装置の機能を実現し、ダウンストリームのchild IAB-node(子IABノードであり、子ノードと略称される)に接続され、UE及びダウンストリームのchild IAB-nodeに対してNRエアーインターフェースアクセスを提供し、IAB Donor-CU(ドナー集約ユニット)との間にF1接続を確立する。IAB-MTは、終端装置の機能の一部を実現し、アップストリームのparent IAB-node(親IABノードであり、親ノードと略称される)又はIAB-Donor DUに接続される。IAB-MTは、物理層、レイヤ2、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)、NAS(Non-Access Stratum:非アクセス層)の層の機能を含み、IAB Donor-CU及びコアネットワーク(Core Network:CN)に間接的に接続される。
【0006】
IABシステムでは、IAB-nodeは、独立型(SA:Standalone)モード又は非独立型(EN-DC、E-UTRA-NRDualConnectivity)モードでネットワークにアクセスすることができる。図2は、SAモードのIABアーキテクチャの概略図である。図3は、EN-DCモードのIABアーキテクチャの概略図である。
【0007】
図4は、IABノード(IAB-node)と親ノード(parent IAB-node)及び子ノード(child IAB-node)の概略図である。図4に示すように、IABノードのIAB-DUは、ネットワーク側として子ノードのIAB-MTに接続され、IABノードのIAB-MTは、端末側として親ノードのIAB-DUに接続される。
【0008】
図5は、IAB-DUとIAB-Donor CUとの間のF1ユーザプレーン(F1-U)プロトコルスタックの概略図である。図6は、IAB-DUとIAB-Donor CUとの間のF1コントロールプレーン(F1-C)プロトコルスタックの概略図である。図5及び図6に示すように、F1-U及びF1-Cは、IAB-DUとIAB-Donor-CUとの間の伝送(IP)層上に確立され、図5及び図6は、2ホップの無線バックホール及び1ホップの有線バックホールを示す。
【0009】
バックホールリンクでは、伝送(IP)層がバックホール適応プロトコル(BAP)サブ層で搬送され、IAB-nodeにおけるBAPエンティティがIABシステムのルーティング機能を実現し、IAB-Donor CUによりルーティングテーブルを提供する。BAP PDU(プロトコルデータユニット)は、バックホールリンクのRLC(無線リンク制御)チャネルで伝送され、バックホールリンクの複数のRLCチャネルは、異なる優先度及びQoS(サービス品質)のサービスを搬送するようにIAB-Donorにより構成されてもよく、BAPエンティティによりBAP PDUを異なるバックホールRLCチャネルにマッピングする。
【0010】
なお、背景技術に関する上記の説明は、単なる本発明の構成をより明確、完全に説明するためのものであり、当業者を理解させるために説明するものである。これらの構成が本発明の背景技術の部分に説明されているから当業者にとって周知の技術であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の発明者の発見によると、ネットワークトポロジが変化した場合、移行ノード(migrating node)が移行後の伝送経路においてdonor-DUを変更すると、移行ノードのアップリンクデータがdonor-CUに送信できず、また、ターゲットdonor-DU(target donor-DU)がIPアドレスフィルタリング機能を有する場合、ソースdonor-DU(source donor-DU)により割り当てられたIPアドレスを含むアップリンクデータが破棄されるため、長い伝送遅延及びサービスの中断時間が生じてしまう。
【0012】
上記の問題点の少なくとも1つを解決するために、本発明の実施例は、IABノード装置、IABドナー装置及び経路移行方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施例の1つの態様では、経路移行方法であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信するステップと、前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記IABノード又は子ノードが前記経路移行構成を適用するステップと、を含む、方法を提供する。
【0014】
本発明の実施例のもう1つの態様では、IABノード装置であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信する受信部と、前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記経路移行構成を適用する処理部と、を含む、装置を提供する。
【0015】
本発明の実施例のもう1つの態様では、経路移行方法であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記第1のdonor-DUが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のdonor-DUが第2のドナー集約ユニットに属し、前記第1のドナー集約ユニット(donor-CU)が、前記IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、前記第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信するステップと、前記第1のdonor-CUが前記第2のdonor-CUにより送信された経路移行応答メッセージを受信するステップと、を含む、方法を提供する。
【0016】
本発明の実施例のもう1つの態様では、IABドナー装置であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記第1のドナー分散ユニットが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のドナー分散ユニットが第2のドナー集約ユニットに属し、
前記IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、前記第2のドナー集約ユニットに経路移行要求メッセージを送信する送信部と、前記第2のドナー集約ユニットにより送信された経路移行応答メッセージを受信する受信部と、を含む、装置を提供する。
【0017】
本発明の実施例のもう1つの態様では、IABシステムであって、IABドナー装置と、IABノード装置とを含み、前記IABノード装置の移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノード装置の移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノード装置は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記経路移行構成を適用する、IABシステムを提供する。
【0018】
本発明の実施例の有利な効果の1つは以下の通りである。IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用する。これによって、アップリンクデータが破棄される問題を低減又は回避し、伝送遅延及びサービスの中断時間を低減させることができる。
【0019】
下記の説明及び図面に示すように、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる方式が示される。なお、本発明の実施形態の範囲はこれらに限定されない。本発明の実施形態は、添付される特許請求の範囲の要旨及び項目の範囲内において、変更されたもの、修正されたもの及び均等的なものを含む。
【0020】
1つの実施形態に記載された特徴及び/又は示された特徴は、同一又は類似の方式で1つ又はさらに多くの他の実施形態で用いられてもよいし、他の実施形態における特徴と組み合わせてもよいし、他の実施形態における特徴に代わってもよい。
【0021】
なお、本文では、用語「含む/有する」は、特徴、部材、ステップ又は構成要件が存在することを意味し、1つ又は複数の他の特徴、部材、ステップ又は構成要件の存在又は付加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例の1つの図面及び1つの実施形態に記載された要素及び特徴は、1つ又はさらに多くの図面又は実施形態に示された要素及び特徴と組み合わせてもよい。また、図面において、類似の符号は複数の図面における対応する素子を示し、1つ以上の実施形態に用いられる対応素子を示してもよい。
【0023】
含まれる図面は、本発明の実施例をさらに理解するために用いられ、明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示するために用いられ、文言の記載と共に本発明の原理を説明する。なお、以下に説明される図面は、単なる本発明の一部の実施例であり、当業者にとっては、これらの図面に基づいて他の図面を容易に想到できる。
図1】IABシステムの一例の概略図である。
図2】SAモードのIABアーキテクチャの一例の概略図である。
図3】EN-DCモードのIABアーキテクチャの一例の概略図である。
図4】親ノード(parent IAB-node)及び子ノード(child IAB-node)の一例の概略図である。
図5】IABシステムのF1-Uプロトコルスタックの一例の概略図である。
図6】IABシステムのF1-Cプロトコルスタックの一例の概略図である。
図7】システムルーティングの一例の概略図である。
図8】経路移行の一例の概略図である。
図9】本発明の実施例に係る経路移行の一例の概略図である。
図10】本発明の実施例に係る経路移行方法の一例の概略図である。
図11】本発明の実施例に係る経路移行の一例の概略図である。
図12】本発明の実施例に係る経路移行のシグナリングの流れの一例の図である。
図13】本発明の実施例に係る経路移行の他の例の概略図である。
図14】本発明の実施例に係る経路移行の他の例の概略図である。
図15】本発明の実施例に係る経路移行のシグナリングの流れの他の例の図である。
図16】本発明の実施例に係るIABノード装置の一例の概略図である。
図17】本発明の実施例に係るIABドナー装置の一例の概略図である。
図18】本発明の実施例に係るIAB装置の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の上記及び他の特徴は以下の説明により明らかになる。明細書及び図面において、本発明の特定の実施形態が詳細に開示され、本発明の原理を採用できる実施形態の一部が示される。なお、本発明は説明される実施形態に限定されない。本発明は、添付される特許請求の範囲内の全ての変更されたもの、変形されたもの及び均等的なものを含む。
【0025】
本発明の実施例では、用語「第1」、「第2」などは、タイトルで異なる要素を区別するために用いられるが、これらの要素の空間的配列又は時間的順序などを表すものではなく、これらの要素はこれらの用語に制限されない。用語「及び/又は」は、関連するリストに列挙された用語の1つ又は複数のうち何れか1つ及び全ての組み合わせを含む。用語「含む」、「包括する」、「有する」などは、列挙された特徴、要素、素子又は構成部材の存在を意味するが、1つ又は複数の他の特徴、要素、素子又は構成部材の存在又は追加を排除するものではない。
【0026】
本発明の実施例では、単数形の「1つ」、「該」などは複数形を含み、「1種類」又は「1類」と広義的に理解されるべきであり、「1個」に限定されない。また、用語「前記」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、単数形及び複数形両方を含むと理解されるべきである。また、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、用語「に応じて」は「少なくとも一部に応じて」と理解されるべきであり、用語「に基づいて」は「少なくとも一部に基づいて」と理解されるべきである。
【0027】
本発明の実施例では、用語「通信ネットワーク」又は「無線通信ネットワーク」は、例えば、新しい無線(new radio:NR)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、進化したロングタームエボリューション(LTE-A、LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、高速パケットアクセス(HSPA:High-Speed Packet Access)などの任意の通信規格に適合するネットワークを意味してもよい。
【0028】
また、通信システムにおける装置間の通信は、任意の段階の通信プロトコルに従って行われてもよく、該通信プロトコルは、例えば1G(generation)、2G、2.5G、2.75G、3G、4G、4.5G、及び将来の5G、6G等、並びに/又は現在の既知の他の通信プロトコル若しくは将来開発される他の通信プロトコルを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0029】
本発明の実施例では、用語「ネットワーク装置」は、例えば通信システムに端末装置をアクセスさせて該端末装置にサービスを提供する通信システム内の装置を意味する。ネットワーク装置は、基地局(BS:Base Station)、アクセスポイント(AP:Access Point)、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、ブロードキャスト送信機、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobile Management Entity)、ゲートウェイ、サーバ、無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)、基地局コントローラ(BSC:Base Station Controller)などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0030】
ここで、基地局は、ノードB(NodeB又はNB)、進化ノードB(eNodeB又はeNB)、及び5G基地局(gNB)など、並びにリモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、中継装置(relay)又は低電力ノード(例えばfemto、picoなど)を含んでもよいが、これらに限定されない。また、用語「基地局」はそれらの機能の一部又は全てを含んでもよく、各基地局は特定の地理的エリアに対して通信カバレッジを提供してもよい。用語「セル」は、該用語が使用されるコンテキストに応じて、基地局及び/又はそのカバレッジエリアを意味してもよい。
【0031】
本発明の実施例では、用語「ユーザ装置」(UE:User Equipment)又は用語「端末装置」(TE:Terminal Equipment又はTerminal Device)は、例えばネットワーク装置を介して通信ネットワークにアクセスし、ネットワークサービスを受ける装置を意味する。端末装置は、固定的なもの又は移動的なものであってもよく、移動局(MS:Mobile Station)、端末、加入者ステーション(SS:Subscriber Station)、アクセス端末(AT:Access Terminal)、ステーションなどと称されてもよい。
【0032】
こここで、端末装置は、携帯電話(Cellular Phone)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、無線変復調装置、無線通信装置、ハンドヘルドデバイス、マシンタイプ通信装置、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0033】
例えば、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)などのシナリオでは、ユーザ装置は、監視又は測定を行う機器又は装置であってもよく、例えばマシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)端末、車載通信端末、デバイスツーデバイス(D2D:Device to Device)端末、マシンツーマシン(M2M:Machine to Machine)端末などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0034】
IABシステムのルーティング機能は、BAP層により実現され、各IAB-nodeは、ルーティング構成(BH routing configuration)及びRLCチャネルマッピング構成(BH RLC Channel Mapping Configuration)を保存する。BAPエンティティは、ルーティング構成、RLCチャネルマッピング構成及びBAP層のパケットヘッダにおけるルーティング識別子(Routing ID)に基づいてルーティングを行う。Routing IDは、宛先BAPアドレス及び経路識別子を含む。
【0035】
ルーティング構成は、Routing IDと直後ホップ(next-hop)ノードのBAPアドレスとのマッピング関係を含む。RLCチャネルマップ構成は、直前ホップ(next-hop)ノードのBAPアドレスと、イングレスRLCチャネルIDと、直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスRLCチャネルIDとのマッピング関係を含む。
【0036】
図7は、システムルーティングの一例の概略図である。図7に示すように、各パケットについて、パケットヘッダのRouting IDを使用してルーティング構成から直後ホップノードBAPアドレスを検索することができる。直前ホップノードのBAPアドレス、イングレスリンクRLCチャネルIDは既知である。このように、直後ホップノードのBAPアドレスが決定されると、RLCチャネルマッピング構成を使用して、直前ホップノードのBAPアドレス+イングレスリンクRLCチャネルID+直後ホップノードのBAPアドレスに基づいてエグレスリンクRLCチャネルIDをすることが検索できる。
【0037】
IAB-donor DUには、ルーティング構成(BH routing configuration)及びダウンリンクRLCチャネルマッピング構成(Downlink Traffic to BH RLC Channel Mapping Configuration)が保存されている。IAB-donor DUは、ルーティング構成、RLCチャネルマッピング構成及びBAP層のパケットヘッダにおけるRouting IDに基づいてルーティングを行う。ルーティング構成には、Routing IDと直後ホップノードのアドレスとのマッピング関係が含まれる。ダウンリンクRLCチャネルマッピング構成には、ターゲットIPアドレスと、DSCP(Differentiated Services Code Point:差別化サービスコードポイント)と、直後ホップノードのアドレスと、エグレスリンクRLCチャネルIDとのマッピング関係が含まれる。
【0038】
IAB-donor DUに到達した各ダウンリンクストリームパケットについて、IAB-donor DUは、パケットヘッダにおけるRouting IDに基づいてルーティング構成から直後ホップノードのアドレスを検索することができる。このように、直後ホップノードのアドレスが決定されると、パケットのIPアドレス及びDSCPに基づいて、ダウンリンクRLCチャネルマッピング構成からエグレスリンクRLCチャネルIDを検索する。
【0039】
以上はIABシステムのルーティングについて例示的に説明したが、以下はIABシステムのネットワークトポロジの更新について説明する。Rel-16 NRでは、IAB-nodeが同一のdonor-CUの下を移動する場合のネットワークトポロジの更新(topology adaptation)プロセスを標準化している。
【0040】
図8は、CU内(intra-CU)の経路移行(トポロジ適応(topology adaptation)とも称される)の一例の概略図である。IAB-nodeが親ノードを変更する(IAB-node 1からIAB-node 2に変更する)際に、donor-CUは、IAB-nodeにF1伝送経路を移行させるように、RRC再構成メッセージを介してIAB-nodeのために経路移行に関する構成を構成する。
【0041】
ネットワークトポロジ更新に関する構成は、アップリンクF1-C、F1-U及び非F1データのデフォルトバックホールRLCチャネル(default BH RLC channel)の更新、デフォルトBAPルーティング識別子(default BAP routing ID)の更新、及びDonor-DUにルーティングされるIPアドレスの更新を含む。IAB-nodeが新しい親ノードにアクセスする際に、上記の経路移行に関する構成を適用し始め、IAB-nodeの子ノードについても、同様な方法でネットワークトポロジ更新に関する構成を行う。
【0042】
本発明の発明者の発見によると、移行ノードのアップリンクサービスの経路移行及び子ノードのアップリンクサービスの経路移行は、移行ノードがターゲット親ノードへのランダムアクセスを完了した後に行われるため、長い伝送遅延及びサービスの中断時間が生じてしまう。
【0043】
図9は、本発明の実施例に係る経路移行の一例の概略図である。図9に示すように、IABノードのハンドオーバ後の伝送経路がdonor-DUが変更される(donor-DU 1からdonor-DU 2に変更される)と、IABノードのF1-U及び子ノードにより元の経路構成に基づいて生成されたアップリンクデータは、CUに送信することができなくなる。これは、元の経路構成に基づいて生成されたアップリンクデータにより搬送されたものは、ソースdonor-DUのBAPアドレスであり、ターゲットdonor-DUのBAPアドレスとは異なり、これらのアップリンクデータはターゲットdonor-DUにより破棄されてしまうためである。また、ターゲットdonor-DUがIPアドレスフィルタリング機能を有する場合、ソースdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含むアップリンクデータも破棄される。破棄されたアップリンクデータはUEにより再送されるため、長い伝送遅延及びサービスの中断時間が生じてしまう。
【0044】
上記の問題点又は同様な問題点の少なくとも1つを鑑み、本発明の実施例では、IABノードがハンドオーバを実行する前に、該IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信する。以下は、詳細に説明する。本発明の実施例では、特に記載のない限り、移行ノードはIABノードであり、IABノード装置はIABノード又は子ノードを含む。
【0045】
<実施例1>
本発明の実施例は、経路移行方法を提供し、IABノード又は子ノード側から説明する。ここで、IABノードの移行前の親ノードは、第1のドナー分散ユニット(source donor-DU)を使用し、移行後の親ノードは、第2のドナー分散ユニット(target donor-DU)を使用し、IABノードが第1のdonor-DUから第2のdonor-DUに移行すると略称されてもよい。幾つかのシナリオでは、IABノードは、移行前に第1のdonor-DUを使用し、移行後に第2のdonor-DUを使用する、即ち、該IABノードの親ノードは、該第1のdonor-DU又は該第2のdonor-DUである。
【0046】
図10は、本発明の実施例に係る経路移行方法の一例の概略図である。図10に示すように、該方法は、以下のステップを含む。
【0047】
ステップ1001:IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、該IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信する。
【0048】
ステップ1002:該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用する。
【0049】
なお、上記の図10は、本発明の実施例を概略的に示しているに過ぎないが、本発明はこれに限定されない。例えば、様々なステップ間の実行順序を適切に調整したり、他の幾つかのステップを追加したり、幾つかのステップを減らしたりしてもよい。当業者は、上記の内容に基づいて適切な変形を行うことができ、上記の図10の記載に限定されない。
【0050】
例えば、donor-CUは、移行ノード(migrating node)のIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、移行ノードのアップリンクF1及びnon-F1サービス、並びに子ノードのアップリンクF1及びnon-F1サービスの経路移行パラメータを構成する。IAB-MTがハンドオーバを完了すると、移行ノード又は子ノードはこれらの経路移行パラメータを直ちに適用する。これによって、アップリンクのデータの欠落及びサービスの中断を回避することができる。
【0051】
以下は、様々なシナリオにおけるアップリンクデータの伝送を参照しながら、本発明の実施例をさらに説明する。
【0052】
幾つかの実施例では、第1のドナー分散ユニット(donor-DU)と第2のドナー分散ユニットとは、同一のドナー集約ユニット(donor-CU)に属する。経路移行構成は、donor-CUによりF1APメッセージ又は無線リソース制御(RRC)メッセージを介してIABノード又は子ノードに送信される。
【0053】
幾つかの実施例では、移行ノードは、ルーティング識別子(routing ID)書き換え(rewrite)機能を有する。
【0054】
経路移行構成は、第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー分散ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御(RLC)チャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含む。ここで、第1のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第1のdonor-DUのBAPアドレスであり、第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第2のdonor-DUのBAPアドレスである。
【0055】
例えば、経路移行構成を送信するネットワーク装置は、donor-CUである。第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー分散ユニット間ルーティング識別子書き換え構成は、具体的に、書き換え前routing IDと書き換え後routing IDとのマッピング関係情報(inter-donor-DU rewriting information)である。第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を示すためのルーティング構成は、具体的に、ルーティング情報(routing information)である。IABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御(RLC)チャネルIDと、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネルIDとの間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成は、具体的に、RLCチャネルマッピング情報(RLC channel mapping information)である。
【0056】
例えば、donor-CUは、書き換え前routing IDと書き換え後routing IDとのマッピング関係情報(inter-donor-DU rewriting information)、ルーティング情報(routing information)及びRLCチャネルマッピング情報(RLC channel mapping information)の3つの情報を、移行ノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、移行ノードに構成する。これら3つの情報は、同一のメッセージを介してIABノードに一括して構成されてもよいし、2つ以上のメッセージを介してそれぞれIABノードに構成されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0057】
図11は、本発明の実施例に係る経路移行の一例の概略図である。図11に示すように、IABノード3(IAB-MT 3及びIAB-DU 3を含む)は移行ノードであり、その伝送経路は、donor-DU 1からdonor-DU 2へ移行する。IABノード3のIAB-MT 3のハンドオーバが完了した後、右部分の実線で示すように、サービスは、IABノード3及び子ノード(例えば、図に示すIABノード4及びIABノード5など)におけるrouting IDは、変更しないまま維持されてもよい。
【0058】
幾つかの実施例では、IABノードがネットワーク装置により送信されたドナー分散ユニット間ルーティング識別子書き換え構成(例えば、inter-donor-DU rewriting information)を受信したため、IABノードは、アップリンクデータのBAPヘッダで搬送されている第1のルーティング識別子を第2のルーティング識別子に書き換えてもよい(rewrite)。
【0059】
例えば、図11の右部分の破線で示すように、IABノード3は、そのアップリンクサービス及び子ノード(例えば、図に示すIABノード4及びIABノード5など)のアップリンクサービスの元のrouting IDを新しいrouting IDに置き換える必要がある。ここで、元のrouting IDの宛先BAPアドレスは、ソースdonor-DUであり、置き換え後の新しいrouting IDの宛先BAPアドレスは、ターゲットdonor-DUである。
【0060】
また、例えば、元のrouting IDが新しいrouting IDに置き換えられた後、新しいrouting IDに従ってルーティング及びBH RLCチャネル選択を行い、donor-CUは、移行ノードにおけるルーティング構成(元のルーティングテーブルには、新しいrouting IDに利用可能なルーティングが含まれていないため)及びRLCチャネルマッピングテーブルを更新してもよい。
【0061】
本発明の実施例では、新しいrouting IDは、ターゲットrouting ID、又は置き換え後(書き換え後)のrouting IDと称されてもよく、これらの用語は互いに置き換えられてもよい。元のrouting IDは、ソースrouting ID又は古いrouting ID、又は置き換え前(書き換え前)のrouting IDと称されてもよく、これらの用語は互いに置き換えられてもよい。
【0062】
移行ノードは、ハンドオーバが完了し、或いは構成を受信した際に、inter-donor-DU rewriting information、新しいルーティングテーブル及びRLCチャネルマッピングテーブルを適用してもよい。donor-CUは、移行ノードがまず上記の経路移行構成をバッファリングし、IAB-MTがハンドオーバを完了した際に上記の経路移行構成を適用するように指示してもよい。
【0063】
以上はrouting IDの場合について説明したが、以下はIPアドレスの場合について説明する。
【0064】
幾つかの実施例では、IABノードは、ハンドオーバを実行する前に、donor-CUにより送信された第1の構成情報を受信する。第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに置き換えるように構成するために使用される。ここで、IPアドレスは、IABノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0065】
例えば、ターゲットdonor-DUがソースIPアドレスのフィルタリング機能を有し、即ち、他のdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含むアップリンクデータを破棄する場合、移行ノードは、アップリンクサービスにより搬送されるIPアドレスをターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスに変更する必要がある。従って、donor-CUは、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを移行ノードに構成する。
【0066】
本発明の実施例では、「donor-DUにアンカーされたIPアドレス(IP address anchored to IAB donor-DU)」は、「donor-DUにより割り当てられたIPアドレス」又は「donor-DUを介してルーティング可能な伝送ネットワーク層(TNL)アドレス(TNL address(es) that is(are) routable via the IAB-donor-DU)」と理解されてもよく、上記の用語は互いに置き換えられてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0067】
移行ノードがルーティング識別子書き換え機能を有する場合、サービス(アップリンクサービスとダウンリンクサービスを含む)のrouting IDは、移行ノード及び子ノードにおいて変更しまいまま指示されてもよいが、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスは、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに置き換えられる必要がある。一方、IABノードは、第1のdonor-DUに従って使用するIPアドレスを選択するため、サービスのIPアドレスの構成は、第1のdonor-DUのBAPアドレスに対応する必要があり、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加すること、及び第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを解放することを含む。
【0068】
幾つかの実施例では、第1の構成情報は、第1のdonor-DUのBAPアドレスに対応するIPアドレス構成情報である。例えば、第1の構成情報は、第1のdonor-DUのBAPアドレスに対応する第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに変更するために使用される。
【0069】
幾つかの実施例では、IABノードは、ハンドオーバのランダムアクセスが完了する際に、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換える。
【0070】
例えば、移行ノードは、ハンドオーバが完了すると、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを直ちに適用する必要がある。また、例えば、上記の「置き換え」は、「第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加すること及び第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを解放すること」と理解されてもよい。
【0071】
幾つかの実施例では、子ノード又は子ノードの親ノードは、IABノードがハンドオーバを実行する前に、donor-CUにより送信された第1の構成情報を受信する。第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。ここで、IPアドレスは、子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0072】
例えば、子ノードは、アップリンクF1及び非F1データ(例えば、OAMデータ)により搬送されるIPアドレスを、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスに変更する必要がある。従って、donor-CUは、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、F1及び非F1データのターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを子ノード又は子ノードの親ノードに構成する必要がある。
【0073】
幾つかの実施例では、子ノードは、IABノードがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換える。
【0074】
例えば、移行ノードがハンドオーバを完了すると、子ノードは、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを直ちに適用する必要がある。また、例えば、上記の「置き換え」は、「第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加すること及び第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを解放すること」と解釈されてもよい。
【0075】
幾つかの実施例では、第1の構成情報は、ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介してIABノードに送信される。例えば、第1の構成情報は、ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して子ノード又は子ノードの親ノードに送信される。
【0076】
幾つかの実施例では、移行ノードがハンドオーバを完了する際に子ノードに上記のIPアドレスを直ちに適用させるために、ハンドオーバが完了すると、移行ノードは、子ノードに上記のIPアドレス構成を適用させるように、子ノードに指示を送信してもよい。或いは、子ノードのため構成された上記のIPアドレスは、移行ノードがハンドオーバを完了した際に子ノードに送信されるまで、ハンドオーバが完了する前に子ノードの親ノードによりバッファリングされる。
【0077】
図12は、本発明の実施例に係る経路移行のシグナリングの流れの一例の図であり、IABノードが同一のdonor-CUの異なるdonor-DUの間で経路移行を行う場合のシグナリングの流れの一例を示す。
【0078】
図12に示すように、ハンドオーバ準備の前に、donor-CUは、移行ノードについての経路移行を開始する。
【0079】
・移行ノードは、donor-CUに測定レポートを送信し、donor-CUによる経路移行の開始をトリガする。
【0080】
・donor-CUは、移行ノード及び子ノードのアップリンクサービスのために、元のrouting IDの宛先BAPアドレスをターゲットdonor-DUの新しいrouting IDに置き換えるように構成する。donor-CUは、宛先donor-DUへ移行ノードのF1サービス又は非F1サービスのために使用されるIPアドレス、及び子ノードのF1サービス又は非F1サービスのために使用されるIPアドレスを要求する。
【0081】
・donor-CUは、元のrouting ID及び置き換え後の新しいrouting IDに基づいてinter-donor-DU rewriting informationを生成し、置き換え後の新しいrouting IDについてのルーティング情報を生成し、アップリンクサービスのQoSに基づいて、移行ノードからターゲット親ノードへのエグレスリンク(egress link) BH RLCチャネル識別子を構成する。
【0082】
・donor CUは、F1AP メッセージ(例えば、BAP MAPPING CONFIGURATION)を使用して、移行ノードに構成情報、即ち、inter-donor-DU rewriting information、置き換え後の新しいrouting IDについてのルーティング情報、移行ノードからターゲット親ノードへのエグレスリンク(egress link) BH RLCチャネル識別子を送信する。
【0083】
・donor-CUは、移行ノードにRRC再構成メッセージ(F1サービス又は非F1サービスのためのターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含む)を送信し、或いは、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスをハンドオーバ命令RRCメッセージを介して移行ノードに構成する。
【0084】
・donor-CUは、子ノードにRRC再構成メッセージ(F1及び非F1のサービスのためのターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含む)を送信する。
【0085】
・donor-CUは、ターゲット経路でのノードについてルーティング情報及びRLCチャネルマッピング情報を更新する。
【0086】
・donor-CUは、移行ノードについてのハンドオーバを開始する。
【0087】
・移行ノードがハンドオーバを完了すると、移行ノードは、上記の構成されたF1サービス又は非F1サービスのためのIPアドレスを適用する。
【0088】
・移行ノードがハンドオーバを完了すると、子ノードは、上記の構成されたF1サービス又は非F1サービスのためのIPアドレスを適用する。
【0089】
以上のシグナリングのプロセスは、単に本発明の実施例を概略的に説明するものであり、本発明はこれに限定されず、シグナリングの具体的な内容について、関連技術を参照してもよい。
【0090】
以上は、移行ノードがルーティング識別子(routing ID)書き換え(rewrite)機能を有する場合について概略的に説明したが、以下は、移行ノードがルーティング識別子(routing ID)書き換え(rewrite)機能を有しない場合について説明する。
【0091】
幾つかの実施例では、移行ノードがrouting ID書き換え機能を有しておらず、或いは、移行ノードにinter-donor-DU rewriting informationが構成されていない。
【0092】
経路移行構成は、第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンクRLCチャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すための無線リンク制御チャネルマッピング構成を追加することを含む。ここで、第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第2のdonor-DUのBAPアドレスである。
【0093】
例えば、経路移行構成を送信するネットワーク装置は、donor-CUである。第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成は、具体的に、ルーティング情報(routing infromation)である。IABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御(RLC)チャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成は、具体的に、RLCチャネルマッピング情報(RLC channel mapping Information)である。
【0094】
例えば、donor-CUは、移行ノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ルーティング情報(routing information)及びRLCチャネルマッピング情報(RLC channel mapping information)の2つの情報を移行ノードに対して構成する。この2つの情報は、同一のメッセージを介してまとめてIABノードに構成されてもよいし、2つ以上のメッセージを介してそれぞれIABノードに構成されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0095】
幾つかの実施例では、IABノードは、ハンドオーバを実行する前に、donor-CUにより送信された、第2のルーティング識別子を構成するための第2の構成情報を受信する。ここで、第2のルーティング識別子は、IABノードのアップリンクF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0096】
幾つかの実施例では、子ノード又は子ノードの親ノードは、IABノードがハンドオーバを実行する前に、donor-CUにより送信された、第2のルーティング識別子を構成するための第2の構成情報を受信する。ここで、第2のルーティング識別子は、子ノードのアップリンクF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0097】
図13は、本発明の実施例に係る経路移行の他の例の概略図である。図13に示すように、IABノード3(IAB-MT 3及びIAB-DU 3を含む)は、移行ノードであり、その伝送経路がdonor-DU 1からdonor-DU 2に移行する。右部分の破線で示すように、IABノード3のIAB-MT 3がハンドオーバを完了すると、サービスのIABノード3及び子ノード(例えば、図に示すIABノード4やIABノード5など)におけるrouting IDの両方は更新される必要がある。
【0098】
例えば、IABノード3は、アップリンクのF1及び非F1サービスのrouting IDを更新する必要があり、子ノード(図13に示すIABノード4及びIABノード5など)は、アップリンクのF1及び非F1サービスのrouting IDを更新する必要がある。従って、donor-CUは、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、移行ノードのアップリンクF1及び非F1サービスのターゲットrouting ID、及び子ノードのアップリンクF1及び非F1のターゲットrouting IDを移行ノード及び子ノードにそれぞれ構成する必要がある。
【0099】
幾つかの実施例では、IABノードは、ハンドオーバのランダムアクセスを完了する際に、第2のルーティング識別子を適用する。IABノードは、ハンドオーバのためのランダムアクセスを完了する際に、第2のルーティング識別子を適用する。例えば、移行ノード及び子ノードは、移行ノードがハンドオーバを完了する際に、構成されたターゲットrouting IDを直ちに適用する必要がある。
【0100】
また、例えば、IABノードは、アップリンクデータのrouting IDを更新した後、ターゲットrouting IDに従ってルーティング選択及びbackhaul RLCチャネル選択を行う。donor-CUは、移行ノード及び子ノードにおけるルーティング情報及びRLCチャネルマッピング情報を更新し、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、移行ノード及び子ノードに構成する(元のルーティング情報には、ターゲットrouting IDに利用可能なルーティングが含まれていないため)。
【0101】
移行ノード及び子ノードは、ハンドオーバの完了時又は構成の受信時に、新しいルーティング情報及び/又はRLCチャネルマッピング情報を直ちに適用してもよい。Donor-CUは、移行ノード及び子ノードが上記の経路移行構成をバッファリングし、ハンドオーバの完了時に適用するように指示してもよい。
【0102】
以上はrouting IDの場合について説明したが、以下はIPアドレスの場合について説明する。
【0103】
幾つかの実施例では、IABノードは、IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、donor-CUにより送信された第3の構成情報を受信する。第3の構成情報は、第2のDonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを構成するために使用される。
【0104】
例えば、ターゲットdonor-DUがソースIPアドレスフィルタリング機能を有する場合、移行ノードは、アップリンクサービスにより搬送されるIPアドレスを、ターゲットDonor-DUにより割り当てられたIPアドレスに変更する必要がある。従って、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、donor-CUは、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを移行ノードに構成する必要がある。移行ノードは、ハンドオーバの完了時又は構成メッセージの受信時に、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを適用する必要がある。
【0105】
幾つかの実施例では、第3の構成情報は、第2のdonor-DUのBAPアドレスについての第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加するための構成情報を含む。
【0106】
幾つかの実施例では、子ノードは、IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、donor-CUにより送信された第3の構成情報を受信する。第3の構成情報は、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを構成するために使用される。
【0107】
例えば、子ノードは、アップリンクF1及び非F1データ(例えばOAMデータ)により搬送されるIPアドレスを、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスに変更する必要がある。従って、donor-CUは、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを子ノードに構成する必要がある。子ノードは、移行ノードがハンドオーバを完了し、或いは構成メッセージを受信した際に、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを適用する必要がある。
【0108】
幾つかの実施例では、IABノードの第3の構成情報は、ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介して送信される。IABノードの第3の構成情報は、ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される。
【0109】
以上は同一のCUの場合について例示的に説明したが、以下は異なるCUの場合について説明する。
【0110】
幾つかの実施例では、第1のdonor-DUは、第1のドナー集約ユニットに属し、第2のdonor-DUは、第2のドナー集約ユニットに属する。経路移行構成は、第1のドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又はRRCメッセージを介してIABノード又は子ノードに送信される。ここで、IABノードのIAB-DUは、第1のドナー集約ユニットとのF1接続を維持する。
【0111】
幾つかの実施例では、経路移行構成は、第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー集約ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンクRLCチャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含む。
【0112】
ここで、第1のルーティング識別子及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスは、第1のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、第1のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第1のdonor-DUのBAPアドレスである。第2のルーティング識別子及びIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスは、第2のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第2のdonor-DUのBAPアドレスである。
【0113】
例えば、移行ノードがソースdonor-CUの下の親ノードから宛先donor-CUの下の親ノードに切り替えた後、RRC接続のみがターゲットdonor-CUに切り替えられ、F1インターフェースは依然としてソースdonor-CUに属し、そのサービングしている子ノード及びUEのRRC接続は依然としてソースdonor-CUに属し、この場合、移行ノードはboundary nodeとも称される。
【0114】
boundary nodeのF1又は非F1データのrouting ID及び子ノードのF1又は非F1データのrouting IDは、変更しないまま維持されてもよいが、boundary nodeは、アップリンクサービスの元のrouting IDをターゲットrouting IDに置き換える必要がある。
【0115】
ここで、元のrouting IDは、ソースdonor-CUのトポロジドメインに属し、その宛先BAPアドレスはソースdonor-DUであり、置き換え後の新しいrouting IDは、ターゲットdonor-CUのトポロジドメインに属し、その宛先BAPアドレスはターゲットdonor-DUである。従って、ネットワーク装置は、boundary nodeがハンドオーバを実行する前に、元のrouting IDと新しいrouting IDとのマッピング関係情報(BAP Header Rewriting information)をboundary nodeに構成する必要がある。
【0116】
また、例えば、boundary nodeがアップリンクデータを転送する場合、元のrouting IDを新しいrouting IDに置き換え、新しいrouting IDはターゲットdonor-CUのトポロジドメインに属するため、boundary nodeは、新しいrouting ID及びターゲットdonor-CUのトポロジドメインのルーティング情報に基づいてルーティング選択を行う必要がある。従って、ネットワーク装置は、egress linkの直後ホップのBAPアドレスがターゲットdonor-CUのトポロジドメインに属するルーティング情報(元のルーティング情報のegress linkの直後ホップのBAPアドレスは、元のdonor-CUトポロジドメインに属する)をboundary nodeに構成する必要がある。
【0117】
また、例えば、boundary nodeの直前ホップノードのBAPアドレスはソースdonor-CUのトポロジドメインに属し、直後ホップノードのBAPアドレスはターゲットdonor-CUのトポロジドメインに属するため、ネットワーク装置は、boundary nodeにおけるRLCチャネルマッピング情報を更新する必要がある(元のRLCチャネルマッピング情報の直前ホップノードのアドレスと直後ホップノードのアドレスの両方は、元のdonor-CUのトポロジドメインに属する)。
【0118】
図14は、本発明の実施例に係る経路移行の他の例の概略図である。図14に示すように、IABノード3(IAB-MT 3及びIAB-DU 3を含む)は、移行ノードであり、その伝送経路がソースdonor-CUのdonor-DU 1からターゲットdonor-CUのdonor-DU 2へ移行する。右部分の実線で示すように、IABノード3のIAB-MT 3がハンドオーバを完了すると、IABノード3のアップリンクサービス及び子ノード(例えば、図に示すIABノード4及びIABノード5など)のアップリンクサービスのrouting IDは、変更しないまま維持されてもよい。
【0119】
幾つかの実施例では、IABノードがネットワーク装置により送信されたマッピング関係情報(inter-donor-CU rewriting information)を受信したため、IABノードは、アップリンクデータのBAPヘッダで搬送されている第1のルーティング識別子を第2のルーティング識別子に書き換えてもよい(rewrite)。
【0120】
例えば、図14の右部分の破線で示すように、IABノード3は、アップリンクサービス及び子ノード(例えば、図に示すIABノード4及びIABノード5など)のアップリンクサービスの元のrouting IDを新しいrouting IDに置き換える必要がある。ここで、元のrouting IDの宛先BAPアドレスは、ソースdonor-CUのdonor-DU 1であり、置き換え後の新しいrouting IDの宛先BAPアドレスは、ターゲットdonor-CUのdonor-DU 2である。
【0121】
また、例えば、元のrouting IDが新しいrouting IDに置き換えられた後、新しいrouting IDに従ってルーティング選択及びbackhaul RLCチャネル選択を行ってもよい。donor-CUは、移行ノードにおけるルーティング情報(元のルーティング情報には、ターゲットrouting IDに利用可能なルーティングが含まれていないため)及びRLCチャネルマッピング情報を更新する必要がある。
【0122】
移行ノードは、ハンドオーバの完了時又は構成の受信時に、inter-donor-CU rewriting information、新しいルーティング情報及びRLCチャネルマッピング情報を適用してもよい。donor-CUは、移行ノードがまず上記の経路移行構成をバッファリングして、IAB-MTがハンドオーバを完了した際に上記の経路移行構成を適用するように指示してもよい。
【0123】
以上はrouting IDの場合について説明したが、以下はIPアドレスの場合について説明する。
【0124】
幾つかの実施例では、IABノードは、ハンドオーバを実行する前に、第1のdonor-CUにより送信された第1の構成情報を受信する。第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを、第2のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。ここで、IPアドレスは、IABノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0125】
例えば、ターゲットdonor-DUがソースIPアドレスフィルタリング機能を有し、即ち、他のdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含むアップリンクデータを破棄する場合、移行ノードは、アップリンクデータにより搬送されるIPアドレスを、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスに変更する必要がある。従って、donor-CUは、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを移行ノードに構成する。
【0126】
本発明の実施例では、「donor-DUにアンカーされたIPアドレス(IP address anchored to IAB donor-DU)」は、「donor-DUにより割り当てられたIPアドレス」又は「donor-DUを介してルーティング可能な伝送ネットワーク層(TNL)アドレス(TNL address(es) that is(are) routable via the IAB-donor-DU)」として理解されてもよく、上記の用語は互いに置き換えられてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0127】
サービス(アップリンクサービスとダウンリンクサービスを含む)のrouting IDは、移行ノード及び子ノードにおいて変更しないまま維持されてもよいが、第1のDonor-DUにアンカーされたIPアドレスは、第2のDonor-DUにアンカーされたIPアドレスに置き換えられる必要がある。IABノードは、第1のDonor-DUに従って使用するIPアドレスを選択するため、サービスのIPアドレスの構成は、第1のDonor-DUのBAPアドレスについてのものである必要があり、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加すること及び第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを解放することを含む。
【0128】
幾つかの実施例では、第1の構成情報は、第1のdonor-DUのBAPアドレスについてのIPアドレス構成情報である。例えば、第1の構成情報は、第1のdonor-DUのBAPアドレスについての第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに変更するために使用される。
【0129】
幾つかの実施例では、IABノードは、ハンドオーバのランダムアクセスを完了すると、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換える。
【0130】
例えば、移行ノードは、ハンドオーバを完了すると、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを直ちに適用する必要がある。また、例えば、上記の「置き換え」は、「第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加すること及び第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを解放すること」として理解されてもよい。
【0131】
幾つかの実施例では、子ノード又は子ノードの親ノードは、IABノードがハンドオーバを実行する前に、第1のdonor-CUにより送信された第1の構成情報を受信する。第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。ここで、IPアドレスは、子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0132】
例えば、子ノードは、アップリンクのF1及び非F1データ(例えばOAMデータ)により搬送されるIPアドレスを、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスに変更する必要がある。従って、donor-CUは、移行ノードがハンドオーバを実行する前に、F1及び非F1データのターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを、子ノード又は子ノードの親ノードに構成する必要がある。
【0133】
幾つかの実施例では、子ノードは、IABノードがハンドオーバのランダムアクセスを完了すると、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換える。
【0134】
例えば、移行ノードがハンドオーバを完了すると、子ノードは、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを直ちに適用する必要がある。また、例えば、上記の「置き換え」は、「第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加すること及び第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを解放すること」として理解されてもよい。
【0135】
幾つかの実施例では、第1の構成情報は、ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介してIABノードに送信される。第1の構成情報は、ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して子ノード又は子ノードの親ノードに送信される。
【0136】
幾つかの実施例では、移行ノードがハンドオーバを完了する際に子ノードに上記のIPアドレスを直ちに適用させるために、ハンドオーバが完了すると、移行ノードは、子ノードに上記のIPアドレス構成を適用させるように子ノードに指示を送信してもよい。或いは、
子ノードのために構成されたIPアドレスは、移行ノードがハンドオーバを完了した際に子ノードに送信されるまで、ハンドオーバが完了する前に子ノードの親ノードによりバッファリングされる。
【0137】
なお、他の幾つかの実施例では、IABノード又は子ノードは、IAB-MTがハンドオーバを実行した後に上記の第1の構成情報を受信してもよく、本発明の実施例は、第1の構成情報がIABノードのハンドオーバの前又は後に受信されることに限定されない。
【0138】
また、IABノード又は子ノードが上記の第1の構成情報を受信する方法は、IABノードのIAB-MTが第1のdonor-CU及び第1のdonor-CUと二重接続を維持する場合にサービスの一部の伝送経路を第2のdonor-CUのネットワークトポロジドメインに移行するシナリオ、及びIABノードのIAB-MTが第2のdonor-CUに再確立された場合にサービスの全ての伝送経路を第2のdonor-CUのネットワークトポロジドメインに移行するシナリオに適用されてもよい。ここで、サービス経路の移行前の親ノードは第1のdonor-DUを使用し、移行後の親ノードは第2のdonor-DUを使用し、第1の構成情報は、移行のサービスのために、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。
【0139】
図15は、本発明の実施例に係る経路移行のシグナリングの流れの他の例の図であり、IABノードが異なるdonor-CUの間で経路移行を行う場合のシグナリングの流れの一例を示す。
【0140】
図15に示すように、ハンドオーバ準備の前に、ソースdonor-CUは、移行ノードについての経路移行を開始する。
【0141】
・移行ノードは、ソースdonor-CUに測定レポートを送信し、ソースdonor-CUが経路移行を開始するようにトリガする。
【0142】
・ソースdonor-CUは、宛先donor-CUに経路移行要求Xnメッセージを送信する。
【0143】
経路移行要求は、以下のものを含む。
【0144】
・・移行ノードの移行を必要とする各アップリンクサービスフローは、QoS情報、ソースdonor-CUのトポロジドメインで使用されるrouting ID(移行ノードにより置き換えられる前のrouting ID)、使用される移行ノードのイングレスリンク(ingress link)BH RLCチャネルIDを含む。
【0145】
・・各子ノードの移行を必要とする各アップリンクサービスフローは、QoS情報、ソースdonor-CUのトポロジドメインで使用されるrouting ID(移行ノードにより置き換えられる前のrouting ID)、使用される移行ノードのイングレスリンク(ingress)BH RLCチャネルIDを含む。
【0146】
・・移行ノードについて、F1及び非F1サービスのためのIPアドレスの割り当てを要求し、ソースdonor-CUは、移行ノードのハンドオーバ命令RRCメッセージに移行ノードのサービスのために割り当てられるIPアドレスを含めるようにターゲットdonor-CUに指示してもよい。
【0147】
・・子ノードについて、F1及び非F1サービスのためのIPアドレスの割り当てを要求する。
【0148】
・宛先donor-CUは、移行ノード及び子ノードのアップリンクサービスに、ターゲットdonor-CUのトポロジドメインにおけるターゲットrouting ID及び移行ノードからターゲット親ノードへのエグレスリンク(egress link)BH RLCチャネルIDを構成する。ターゲットdonor-CUは、ターゲットdonor-DUが移行ノードのサービスに使用するIPアドレス、及び子ノードのサービスに使用するIPアドレスを要求する。
【0149】
ターゲットdonor-CUは、ソースdonor-CUに経路移行応答Xnメッセージを送信する。以下のものを含む。
【0150】
・・移行ノードの各アップリンクサービスフローは、ターゲットdonor-CUのトポロジドメインで使用されるターゲットrouting ID(置き換え後のrouting ID)、使用される移行ノードのエグレスリンク(egress link)BH RLCチャネル識別子を含む。
【0151】
・・子ノードの各アップリンクサービスフローは、ターゲットdonor-CUのトポロジドメインで使用されるターゲットrouting ID(置き換え後のrouting ID)、使用される移行ノードのエグレスリンク(egress link)BH RLCチャネル識別子を含む。
【0152】
・・ターゲットdonor-CUドメインのルーティング情報は、置き換え後のターゲットrouting IDに対応する直後ホップのBAPアドレスを含む。
【0153】
・・移行ノードについて、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレス(RRC再構成メッセージに含まれる)を含む。ここで、migrating nodeサービスに使用されるIPアドレスは、経路移行応答Xnメッセージに含まれず、後続のHandover Request Ackメッセージに含まれてもよい。
【0154】
・・子ノードについて、ターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレス(RRCメッセージに含まれる)を含む。
【0155】
・ソースdonor-CUは、経路移行応答メッセージに基づいて、BAP Header Rewriting information、ターゲットdonor-CUドメインのルーティング情報、及びソースdonor-CUトポロジに属する直前ホップノードアドレスとターゲットdonor-CUトポロジに属する直後ホップノードアドレスとのRLCチャネルマッピング情報を生成する。
【0156】
・F1APメッセージ(例えば、BAP MAPPING CONFIGURATION)で移行ノードに、BAP Header Rewriting Information、ターゲットdonor-CUドメインのルーティング情報、及びソースdonor-CUトポロジに属する直前ホップノードアドレスと宛先donor-CUトポロジに属する直後ホップノードアドレスとのRLCチャネルマッピング情報を送信する。
【0157】
・ソースdonor-CUは、移行ノードにRRC再構成メッセージを送信する(F1及び非F1のサービスのターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含む)。
【0158】
・ソースdonor-CUは、子ノードにRRC再構成メッセージを送信する(F1及び非F1のサービスのターゲットdonor-DUにより割り当てられたIPアドレスを含む)。
【0159】
・ターゲットdonor-CUは、ターゲット経路上のノードについてルーティング情報及びRLCチャネルマッピング情報を更新する。
【0160】
・ソースdonor-CUは、移行ノードのためのハンドオーバ準備を開始する。
【0161】
・移行ノードがハンドオーバを完了すると、移行ノードは、上記の構成されたF1及び非F1サービスのためのIPアドレスを適用する。
【0162】
・移行ノードがハンドオーバを完了すると、子ノードは、上記の構成されたF1及び非F1サービスのためのIPアドレスを適用する。
【0163】
・宛先donor-CUは、ソースdonor-CUに移行ノードのIAB-MTについてのコンテキスト解放要求を送信する。
【0164】
上記のシグナリングのプロセスは、単に本発明の実施例を概略的に説明するためのものあり、本発明はこれに限定されず、シグナリングの具体的な内容について、関連技術を参照してもよい。
【0165】
上記の各実施例は、本発明の実施例を例示するだけであり、本発明はこれに限定されず、上記の各実施例に基づいて適切な変形を行ってもよい。例えば、上記の各実施例のそれぞれを単独で使用してもよいし、上記の各実施例の1つ又は複数を組み合わせて使用してもよい。
【0166】
本実施例によれば、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用する。これによって、アップリンクデータが破棄される問題を低減又は回避し、伝送遅延及びサービスの中断時間を低減させることができる。
【0167】
<実施例2>
本発明の実施例は、経路移行方法を提供し、ドナー集約ユニット側から説明する。実施例1と同様な内容について、その説明を省略する。
【0168】
幾つかの実施例では、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、第1のdonor-DUが第1のドナー集約ユニットに属し、第2のdonor-DUが第2のドナー集約ユニットに属する。
【0169】
第1のドナー集約ユニット(donor-CU)は、IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信する。
【0170】
第1のdonor-CUは、第2のdonor-CUにより送信された経路移行応答メッセージを受信する。
【0171】
幾つかの実施例では、経路移行要求メッセージ及び経路移行応答メッセージは、Xnインターフェースを介して送信され、経路移行要求メッセージ及び経路移行応答メッセージは、IABノードのXnAP識別子を含む。
【0172】
幾つかの実施例では、第1のdonor-CUがIABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信するため、幾つかの実施例では、経路移行要求メッセージは、IABノードのIAB-MTのハンドオーバのターゲットセル識別子又はターゲット親ノード識別子を含む。
【0173】
幾つかの実施例では、経路移行要求メッセージは、第1のdonor-DUのBAPアドレスについての第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを含む。IPアドレスは、IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0174】
幾つかの実施例では、経路移行応答メッセージは、第1の構成情報を含み、第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。
【0175】
幾つかの実施例では、第1の構成情報は、経路移行応答メッセージに含まれる、IABノード又は子ノードについてのRRC再構成メッセージに含まれる。
【0176】
幾つかの実施例では、第1のドナー集約ユニットは、IABノードにハンドオーバ命令RRCメッセージを送信する前に、IABノードに前記第1の構成情報を送信し、或いは子ノード又は前記子ノードの親ノードに第1の構成情報を送信する。
【0177】
幾つかの実施例では、第1のドナー集約ユニット(donor-CU)は、IABノードにハンドオーバ命令RRCメッセージを送信する前に、IABノードにアップリンクデータの経路移行構成を送信し、或いは子ノード又は子ノードの親ノードにアップリンクデータの経路移行構成を送信する。
【0178】
上記の各実施例は、本発明の実施例を例示するだけであり、本発明はこれに限定されず、上記の各実施例に基づいて適切な変形を行ってもよい。例えば、上記の各実施例のそれぞれを単独で使用してもよいし、上記の各実施例の1つ又は複数を組み合わせて使用してもよい。
【0179】
本実施例によれば、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用する。これによって、アップリンクデータが破棄される問題を低減又は回避し、伝送遅延及びサービスの中断時間を低減させることができる。
【0180】
なお、他の幾つかの実施例では、第1のドナー集約ユニット(donor-CU)は、IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信した後、第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信し、IABノードにハンドオーバ命令RRCメッセージを送信する前に、IABノード又は子ノードに第1の構成情報を送信してもよいが、本発明の実施例は限定されない。
【0181】
また、上記第1の構成情報を送信する方法は、IABノードが第1のdonor-CU及び第1のdonor-CUと二重接続を維持している場合に一部のサービスの伝送経路を第2のdonor-CUのネットワークトポロジドメインに移行するシナリオ、及びIABノードのIAB-MTが第2のdonor-CUに再確立された場合に全てのサービスの伝送経路を第2のdonor-CUのネットワークトポロジドメインに移行するシナリオに使用されてもよい。ここで、サービス経路移行前の親ノードが第1のdonor-DUを使用し、移行後の親ノードが第2のdonor-DUを使用する。第1の構成情報は、
移行されたサービスのために、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。
【0182】
<実施例3>
本発明の実施例は、IABノード装置を提供し、実施例1、2と同様な内容についてその説明を省略する。該装置は、例えば、IABシステムにおけるIABノード又は子ノードであってもよいし、該IABノード又は子ノードに構成された構成要素又はコンポーネントであってもよい。該IABノード装置の移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、IABノード装置の移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用する。
【0183】
図16は、本発明の実施例に係るIABノード装置の一例の概略図である。図16に示すように、IABノード装置1600は、受信部1601及び処理部1602を含む。
【0184】
幾つかの実施例では、受信部1601は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信する。処理部1602は、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該経路移行構成を適用する。
【0185】
幾つかの実施例では、第1のドナー分散ユニット(donor-DU)と第2のドナー分散ユニットとは、同一のドナー集約ユニット(donor-CU)に属する。経路移行構成は、ドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又はRRCメッセージを介してIABノード又は子ノードに送信される。
【0186】
幾つかの実施例では、経路移行構成は、第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー分散ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御(RLC)チャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLC無線リンク制御チャネルマッピング構成を追加することを含む。第1のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第1のdonor-DUのBAPアドレスであり、第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第2のdonor-DUのBAPアドレスである。
【0187】
幾つかの実施例では、処理部1602は、アップリンクデータのBAPヘッダで搬送されている第1のルーティング識別子を第2のルーティング識別子に書き換える(rewrite)。
【0188】
幾つかの実施例では、受信部1601は、IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信する。第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。IPアドレスは、IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0189】
幾つかの実施例では、処理部1602は、IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換える。
【0190】
幾つかの実施例では、IABノードの第1の構成情報は、ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介して送信され、子ノードの第1の構成情報は、ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される。
【0191】
幾つかの実施例では、第1の構成情報は、第1のdonor-DUのBAPアドレスについてのIPアドレス構成情報である。例えば、第1の構成情報は、第1のdonor-DUのBAPアドレスについての第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに変更するために使用される。
【0192】
幾つかの実施例では、経路移行構成は、第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンクRLCチャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含む。第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第2のdonor-DUのBAPアドレスである。
【0193】
幾つかの実施例では、受信部1601は、IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ドナー集約ユニットにより送信された、第2のルーティング識別子を構成するための第2の構成情報を受信する。ここで、第2のルーティング識別子は、IABノード又は子ノードのアップリンクF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0194】
処理部1602は、IABノードがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、第2のルーティング識別子を適用する。
【0195】
幾つかの実施例では、受信部1601は、IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ドナー集約ユニットにより送信された第3の構成情報を受信する。第3の構成情報は、第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを構成するために使用される。
【0196】
幾つかの実施例では、IABノードの第3の構成情報は、ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介して送信され、子ノードの第3の構成情報は、ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される。
【0197】
幾つかの実施例では、第3の構成情報は、第2のdonor-DUのBAPアドレスについての第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加するための構成情報を含む。
【0198】
幾つかの実施例では、第1のdonor-DUは、第1のドナー集約ユニットに属し、第2のdonor-DUは、第2のドナー集約ユニットに属する。経路移行構成は、第1のドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又はRRCメッセージを介してIABノード又は子ノードに送信される。ここで、IABノードのIAB-DUは、第1のドナー集約ユニットとのF1接続を維持する。
【0199】
幾つかの実施例では、経路移行構成は、第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー集約ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、第2のルーティング識別子とIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンクRLCチャネル識別子と、IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含む。
【0200】
ここで、第1のルーティング識別子及びIABノードの直前ホップノードのBAPアドレスは、第1のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、第1のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第1のdonor-DUのBAPアドレスである。第2のルーティング識別子及びIABノードの直後ホップノードのBAPアドレスは、第2のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、第2のdonor-DUのBAPアドレスである。
【0201】
幾つかの実施例では、処理部1602は、アップリンクデータのBAPヘッダで搬送されている第1のルーティング識別子を第2のルーティング識別子に書き換える(rewrite)。
【0202】
幾つかの実施例では、受信部1601は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、第1のドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信する。第1の構成情報は、第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用される。ここで、IPアドレスは、IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0203】
ここで、処理部1602は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換える。
【0204】
上記の各実施例は、本発明の実施例を例示するだけであり、本発明はこれに限定されず、上記の各実施例に基づいて適切な変形を行ってもよい。例えば、上記の各実施例のそれぞれを単独で使用してもよいし、上記の各実施例の1つ又は複数を組み合わせて使用してもよい。
【0205】
なお、以上は本発明に関連する構成要素又はモジュールについてのみ説明しているが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施例に係るIABノード装置1600は、他の構成要素又はモジュールをさらに含んでもよい。これらの構成要素又はモジュールの具体的な内容について、関連技術を参照してもよい。
【0206】
さらに、説明の便宜上、図16は、様々な構成要素又はモジュール間の接続関係又は信号方向を例示的に示すだけであるが、バス接続などの様々な関連技術を使用できることは当業者には明らかである。上記の様々な構成要素又はモジュールは、プロセッサ、メモリ、送信機、及び受信機などのハードウェアデバイスによって実装されてもよく、本発明はこれに限定されない。
【0207】
本実施例によれば、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用する。これによって、アップリンクデータが破棄される問題を低減又は回避し、伝送遅延及びサービスの中断時間を低減させることができる。
【0208】
<実施例4>
本発明の実施例は、IABドナー装置を提供し、実施例1~3と同様な内容についてその説明を省略する。該装置は、例えば、IABシステムにおけるIAB donor-CUであってもよいし、該IAB donor-CUに構成された構成要素又はコンポーネントであってもよい。
【0209】
該IABシステムは、IAB-donor装置及びIABノード装置を含む。IABノード装置の移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、IABノード装置の移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、第1のdonor-DUが第1のドナー集約ユニットに属し、第2のdonor-DUが第2のドナー集約ユニットに属する。
【0210】
図17は、本発明の実施例に係るIABドナー装置の一例の概略図である。図17に示すように、IABドナー装置1700は、送信部1701及び受信部1702を含む。送信部1701は、IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信する。受信部1702は、第2のdonor-CUにより送信された経路移行応答メッセージを受信する。
【0211】
幾つかの実施例では、経路移行要求メッセージ及び経路移行応答メッセージは、Xnインターフェースを介して送信され、経路移行要求メッセージ及び経路移行応答メッセージは、IABノードのXnAP識別子を含む。
【0212】
幾つかの実施例では、経路移行要求メッセージは、IABノードのIAB-MTのハンドオーバのターゲットセル識別子又はターゲット親ノード識別子を含む。
【0213】
幾つかの実施例では、経路移行要求メッセージは、第1のdonor-DUのBAPアドレスについての第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを含む。IPアドレスは、IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される。
【0214】
上記の各実施例は、本発明の実施例を例示するだけであり、本発明はこれに限定されず、上記の各実施例に基づいて適切な変形を行ってもよい。例えば、上記の各実施例のそれぞれを単独で使用してもよいし、上記の各実施例の1つ又は複数を組み合わせて使用してもよい。
【0215】
なお、以上は本発明に関連する構成要素又はモジュールについてのみ説明しているが、本発明はこれに限定されない。本発明の実施例に係るIABドナー装置1700は、他の構成要素又はモジュールをさらに含んでもよい。これらの構成要素又はモジュールの具体的な内容について、関連技術を参照してもよい。
【0216】
さらに、説明の便宜上、図17は、様々な構成要素又はモジュール間の接続関係又は信号方向を例示的に示すだけであるが、バス接続などの様々な関連技術を使用できることは当業者には明らかである。上記の様々な構成要素又はモジュールは、プロセッサ、メモリ、送信機、及び受信機などのハードウェアデバイスによって実装されてもよく、本発明はこれに限定されない。
【0217】
本実施例によれば、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該IABノード又は子ノードが該経路移行構成を適用する。これによって、アップリンクデータが破棄される問題を低減又は回避し、伝送遅延及びサービスの中断時間を低減させることができる。
【0218】
<実施例5>
本発明の実施例は、ドナー(donor)装置とIABノード(IAB-node)とを含む通信システムを提供する。ドナー(donor)装置、IABノードのネットワークアーキテクチャについて、関連技術を参照してもよく、ここでその説明を省略する。
【0219】
本発明の実施例は、IAB装置をさらに提供する。該IAB装置は、IABドナー装置であってもよいし、IABノード装置(IABノード又は子ノード)であってもよい。
【0220】
図18は、本発明の実施例に係るIAB装置の一例の概略図である。図18に示すように、IAB装置1800は、プロセッサ1801(例えば中央処理装置(CPU))及びメモリ1802を含んでもよく、メモリ1802は、プロセッサ1801に接続される。メモリ1802は、各種のデータを記憶してもよいし、情報処理のプログラム1805をさらに記憶し、プロセッサ1801の制御で該プログラム1805を実行する。
【0221】
例えば、プロセッサ1801は、実施例1に係る経路移行方法を実現するように、プログラムを実行するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ1801は、IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、ネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信し、該IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、該経路移行構成を適用するように構成されてもよい。
【0222】
例えば、プロセッサ1801は、実施例2に係る経路移行方法を実現するように、プログラムを実行するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ1801は、IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信し、該第2のdonor-CUにより送信された経路移行応答メッセージを受信するように構成されてもよい。
【0223】
また、図18に示すように、IAB装置1800は、送受信機1803及びアンテナ1804などをさらに含んでもよい。上記部材の機能は従来技術と類似し、ここでその説明を省略する。なお、IAB装置1800は、図18に示す全てのユニットを含む必要がない。また、IAB装置1800は、図18に示されていないユニットをさらに含んでもよく、従来技術を参照してもよい。
【0224】
本発明の実施例では、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、IABノード装置において該プログラムを実行する際に、コンピュータに該IABノード装置において実施例1における経路移行方法を実行させる、プログラムをさらに提供する。
【0225】
本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記憶されている記憶媒体であって、該プログラムを実行する際に、コンピュータにIABノード装置において実施例1における経路移行方法を実行させる、記憶媒体をさらに提供する。
【0226】
本発明の実施例では、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、IABドナー装置において該プログラムを実行する際に、コンピュータに該IABドナー装置において実施例2における経路移行方法を実行させる、プログラムをさらに提供する。
【0227】
本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能なプログラムが記憶されている記憶媒体であって、該プログラムを実行する際に、コンピュータにIABドナー装置において実施例2における経路移行方法を実行させる、記憶媒体をさらに提供する。
【0228】
本発明の以上の装置及び方法は、ハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアを結合して実現されてもよい。本発明はコンピュータが読み取り可能なプログラムに関し、該プログラムはロジック部により実行される際に、該ロジック部に上述した装置又は構成要件を実現させる、或いは該ロジック部に上述した各種の方法又はステップを実現させることができる。本発明は上記のプログラムを記憶するための記憶媒体、例えばハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリ等に関する。
【0229】
本発明の実施例を参照しながら説明した各装置における各処理方法は、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール、又は両者の組み合わせで実施されてもよい。例えば、図面に示す機能的ブロック図における1つ若しくは複数、又は機能的ブロック図の1つ若しくは複数の組み合わせは、コンピュータプログラムフローの各ソフトウェアモジュールに対応してもよいし、各ハードウェアモジュールに対応してもよい。これらのソフトウェアモジュールは、図面に示す各ステップにそれぞれ対応してもよい。これらのハードウェアモジュールは、例えばフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)を用いてこれらのソフトウェアモジュールをハードウェア化して実現されてもよい。
【0230】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、モバイルハードディスク、CD-ROM又は当業者にとって既知の任意の他の形の記憶媒体に位置してもよい。プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、或いは記憶媒体に情報を書き込むように該記憶媒体をプロセッサに接続してもよいし、記憶媒体がプロセッサの構成部であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASICに位置してもよい。該ソフトウェアモジュールは移動端末のメモリに記憶されてもよいし、移動端末に挿入されたメモリカードに記憶されてもよい。例えば、機器(例えば移動端末)が比較的に大きい容量のMEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュメモリ装置を用いる場合、該ソフトウェアモジュールは該MEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュメモリ装置に記憶されてもよい。
【0231】
図面に記載されている機能的ブロック図における1つ以上の機能ブロック及び/又は機能ブロックの1つ以上の組合せは、本願に記載されている機能を実行するための汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理装置、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の適切な組み合わせで実現されてもよい。図面に記載されている機能的ブロック図における1つ以上の機能ブロック及び/又は機能ブロックの1つ以上の組合せは、例えば、コンピューティング機器の組み合わせ、例えばDSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSP通信と組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ又は他の任意の構成で実現されてもよい。
【0232】
以上、具体的な実施形態を参照しながら本発明を説明しているが、上記の説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の保護の範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び原理を離脱しない限り、本発明に対して各種の変形及び変更を行ってもよく、これらの変形及び変更も本発明の範囲内のものである。
【0233】
上記の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
経路移行方法であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、
IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記IABノード又は子ノードがネットワーク装置により送信されたアップリンクデータの経路移行構成を受信するステップと、
前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記IABノード又は子ノードが前記経路移行構成を適用するステップと、を含む、方法。
(付記2)
前記第1のドナー分散ユニット(donor-DU)と前記第2のドナー分散ユニットとは、同一のドナー集約ユニット(donor-CU)に属し、
前記経路移行構成は、前記ドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又は無線リソース制御(RRC)メッセージを介して前記IABノード又は子ノードに送信される、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記経路移行構成は、
第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー分散ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、
前記第2のルーティング識別子と前記IABノードの直後ホップノードのバックホールアダプテーションプロトコル(BAP)アドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及び
前記IABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンク無線リンク制御(RLC)チャネル識別子と、前記IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含み、
前記第1のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスであり、
前記第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、前記第2のdonor-DUのBAPアドレスである、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記IABノードがアップリンクデータのBAPヘッダで搬送されている前記第1のルーティング識別子を前記第2のルーティング識別子に書き換える(rewrite)ステップ、をさらに含む、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記IABノードが前記ドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信するステップ、を含み、
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記IPアドレスは、前記IABノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記3又は4に記載の方法。
(付記6)
前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記IABノードが前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるステップ、をさらに含む、付記5に記載の方法。
(付記7)
前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記子ノード又は前記子ノードの親ノードが前記ドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信するステップ、を含み、
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記IPアドレスは、前記子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記3又は4に記載の方法。
(付記8)
前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記子ノードが前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるステップ、をさらに含む、付記7に記載の方法。
(付記9)
前記IABノードの前記第1の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介して送信される、付記5乃至8の何れかに記載の方法。
(付記10)
前記子ノードの前記第1の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される、付記5乃至8の何れかに記載の方法。
(付記11)
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスについてのIPアドレス構成情報である、付記5乃至10に記載の方法。
(付記12)
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスについての前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに変更するために使用される、付記11に記載の方法。
(付記13)
前記経路移行構成は、
第2のルーティング識別子と前記IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及び
前記IABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンクRLCチャネル識別子と、前記IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含み、
前記第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、前記第2のdonor-DUのBAPアドレスである、付記2に記載の方法。
(付記14)
前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記IABノードが前記ドナー集約ユニットにより送信された、第2のルーティング識別子を構成するための第2の構成情報を受信するステップ、をさらに含み、
前記第2のルーティング識別子は、前記IABノードのアップリンクF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記IABノードが前記第2のルーティング識別子を適用する、付記14に記載の方法。
(付記16)
前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記子ノード又は前記子ノードの親ノードが前記ドナー集約ユニットにより送信された、第2のルーティング識別子を構成するための第2の構成情報を受信するステップ、をさらに含み、
前記第2のルーティング識別子は、前記子ノードのアップリンクF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記13に記載の方法。
(付記17)
前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記子ノードが前記第2のルーティング識別子を適用する、付記16に記載の方法。
(付記18)
前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記IABノードが前記ドナー集約ユニットにより送信された第3の構成情報を受信するステップ、をさらに含み、
前記第3の構成情報は、前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを構成するために使用される、付記14乃至17の何れかに記載の方法。
(付記19)
前記IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記子ノードが前記ドナー集約ユニットにより送信された第3の構成情報を受信し、
前記第3の構成情報は、前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを構成するために使用される、付記14乃至17の何れかに記載の方法。
(付記20)
前記IABノードの前記第3の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介して送信される、付記18に記載の方法。
(付記21)
前記子ノードの前記第3の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して送信される、付記19に記載の方法。
(付記22)
前記第3の構成情報は、前記第2のdonor-DUのBAPアドレスについての前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを追加するための構成情報を含む、付記18乃至21の何れかに記載の方法。
(付記23)
前記第1のdonor-DUは、第1のドナー集約ユニットに属し、
前記第2のdonor-DUは、第2のドナー集約ユニットに属し、
前記経路移行構成は、前記第1のドナー集約ユニットによりF1APメッセージ又はRRCメッセージを介して前記IABノード又は子ノードに送信され、
前記IABノードのIAB-DUは、前記第1のドナー集約ユニットとのF1接続を維持する、付記1に記載の方法。
(付記24)
前記経路移行構成は、
第1のルーティング識別子と第2のルーティング識別子との間のマッピング関係を示すためのドナー集約ユニット間ルーティング識別子書き換え構成を追加すること、
前記第2のルーティング識別子と前記IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスとの間のマッピング関係を含むルーティング構成を追加すること、及び
前記IABノードの直前ホップノードのBAPアドレスと、イングレスリンクRLCチャネル識別子と、前記IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスと、エグレスリンクRLCチャネル識別子との間のマッピング関係を示すためのRLCチャネルマッピング構成を追加することを含み、
前記第1のルーティング識別子及び前記IABノードの直前ホップノードのBAPアドレスは、前記第1のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、
前記第1のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスであり、
前記第2のルーティング識別子及び前記IABノードの直後ホップノードのBAPアドレスは、前記第2のドナー集約ユニットのネットワークトポロジドメインに属し、
前記第2のルーティング識別子の宛先BAPアドレスは、前記第2のdonor-DUのBAPアドレスである、付記23に記載の方法。
(付記25)
前記IABノードがアップリンクデータのBAPヘッダで搬送されている前記第1のルーティング識別子を前記第2のルーティング識別子に書き換える(rewrite)、付記24に記載の方法。
(付記26)
IAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記IABノードが前記第1のドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信するステップ、を含み、
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記IPアドレスは、前記IABノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記24又は25に記載の方法。
(付記27)
前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記IABノードが前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるステップ、をさらに含む、付記26に記載の方法。
(付記28)
前記IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記子ノード又は前記子ノードの親ノードが前記第1のドナー集約ユニットにより送信された第1の構成情報を受信するステップ、を含み、
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUにアンカーされた(anchored to)IPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記IPアドレスは、前記子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記24又は25に記載の方法。
(付記29)
前記IAB-MTがハンドオーバのランダムアクセスを完了した際に、前記子ノードが前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるステップ、をさらに含む、付記28に記載の方法。
(付記30)
前記第1の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりハンドオーバ命令無線リソース制御(RRC)メッセージ又はRRC再構成メッセージを介して前記IABノードに送信される、付記26乃至29の何れかに記載の方法。
(付記31)
前記第1の構成情報は、前記ドナー集約ユニットによりRRC再構成メッセージを介して前記子ノード又は前記子ノードの親ノードに送信される、付記26乃至29の何れかに記載の方法。
(付記32)
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスについてのIPアドレス構成情報である、付記26乃至31に記載の方法。
(付記33)
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスについての前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスに変更するために使用される、付記32に記載の方法。
(付記34)
経路移行方法であって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニット(donor-DU)を使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記第1のdonor-DUが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のdonor-DUが第2のドナー集約ユニットに属し、
前記第1のドナー集約ユニット(donor-CU)が、前記IABノードのIAB-MTについてのハンドオーバ要求を送信する前に、前記第2のdonor-CUに経路移行要求メッセージを送信するステップと、
前記第1のdonor-CUが前記第2のdonor-CUにより送信された経路移行応答メッセージを受信するステップと、を含む、方法。
(付記35)
前記経路移行要求メッセージ及び前記経路移行応答メッセージは、Xnインターフェースを介して送信され、
前記経路移行要求メッセージ及び前記経路移行応答メッセージは、前記IABノードのXnAP識別子を含む、付記34に記載の方法。
(付記36)
前記経路移行要求メッセージは、前記第1のdonor-DUのBAPアドレスについての前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを含み、
前記IPアドレスは、前記IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのために使用される、付記34又は35に記載の方法。
(付記37)
前記経路移行要求メッセージは、前記IABノードのIAB-MTのハンドオーバのターゲットセル識別子又はターゲット親ノード識別子を含む、付記34又は35に記載の方法。
(付記38)
前記経路移行応答メッセージは、第1の構成情報を含み、
前記第1の構成情報は、前記第1のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスを前記第2のdonor-DUにアンカーされたIPアドレスで置き換えるように構成するために使用される、付記34乃至37の何れかに記載の方法。
(付記39)
前記第1の構成情報は、前記経路移行応答メッセージに含まれる、前記IABノード又は前記子ノードについてのRRC再構成メッセージに含まれる、付記38に記載の方法。
(付記40)
前記第1のドナー集約ユニットが、前記IABノードにハンドオーバ命令RRCメッセージを送信する前に、前記IABノードに前記第1の構成情報を送信し、或いは前記子ノード又は前記子ノードの親ノードに前記第1の構成情報を送信するステップ、をさらに含む、付記38に記載の方法。
(付記41)
前記第1のドナー集約ユニット(donor-CU)が、前記IABノードにハンドオーバ命令RRCメッセージを送信する前に、前記IABノードにアップリンクデータの経路移行構成を送信し、或いは前記子ノード又は前記子ノードの親ノードにアップリンクデータの経路移行構成を送信するステップ、をさらに含む、付記34乃至40の何れかに記載の方法。
(付記42)
コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、プロセッサと、を含むIABノード装置であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することで、付記1乃至33の何れかに記載の経路移行方法を実現するように構成される、IABノード装置。
(付記43)
コンピュータプログラムが記憶されたメモリと、プロセッサと、を含むIABドナー(donor)装置であって、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することで、付記34乃至41の何れかに記載の経路移行方法を実現するように構成される、IABドナー装置。
(付記44)
IABドナー(donor)装置と、IABノード(IAB-node)装置と、を含む通信システムであって、前記IABノード装置は、付記1乃至33の何れかに記載の経路移行方法を実行するように構成され、前記IABドナー装置は、付記34乃至41の何れかに記載の経路移行方法を実行するように構成される、通信システム。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図11
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図14
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図16
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図18
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスバックホール統合(IAB)ノードであって、IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記第1のドナー分散ユニットが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のドナー分散ユニットが第2のドナー集約ユニットに属する、IABノードであって、
前記IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記第1のドナー集約ユニットにより送信された構成情報を受信する受信部であって、前記構成情報は、少なくとも、前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされた第1の伝送ネットワーク層アドレスを含む、受信部と、
前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記構成情報を適用する処理部と、を含む、IABノード
【請求項2】
受信部、無線リソース制御メッセージを介して前記構成情報を受信する、請求項1に記載のIABノード
【請求項3】
前記IABノードの子IABノードは、無線リソース制御メッセージを介して前記第1のドナー集約ユニットにより送信された構成情報を受信し、
前記構成情報は、少なくとも、前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされた前記子IABノードの第1の伝送ネットワーク層アドレスを含む、請求項1に記載のIABノード。
【請求項4】
前記構成情報は、少なくとも、ターゲット経路でのBH RLCチャネル、ターゲット経路でのサービスのBAPルーティング識別子構成をさらに含む、請求項1に記載のIABノード。
【請求項5】
前記構成情報は、前記第2のドナー集約ユニットによりハンドオーバ要求肯定応答を使用して前記第1のドナー集約ユニットに送信され、前記第1のドナー集約ユニットによりUEコンテキスト変更要求を使用して前記IAB-MTの親ノードに送信され、前記親ノードにより無線リソース制御構成を使用して前記IAB-MTに送信される、請求項1に記載のIABノード。
【請求項6】
前記受信部は、前記IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記第1のドナー集約ユニットにより送信された前記構成情報を受信し、
記構成情報は、前記第1のドナー分散ユニットにアンカーされた第2の伝送ネットワーク層アドレスを前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされた前記第1の伝送ネットワーク層アドレスで置き換えるように構成するために使用され、
前記第1の伝送ネットワーク層アドレス及び前記第2の伝送ネットワーク層アドレスのそれぞれは、前記IABノード又は子ノードのF1ユーザプレーンデータ、F1コントロールプレーンデータ又は非F1データのうちの少なくとも1つのために使用される、請求項に記載のIABノード
【請求項7】
前記IABノードのIAB-DUは、前記第1のドナー集約ユニットとのF1接続を維持する、請求項1に記載のIABノード。
【請求項8】
通信システムに含まれるIABノードの処理方法であって、前記通信システムは、移行前第1のドナー分散ユニットを使用する第1の親ノードと、移行後第2のドナー分散ユニットを使用する第2の親ノードと、を含み、前記第1のドナー分散ユニットが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のドナー分散ユニットが第2のドナー集約ユニットに属する、方法であって
前記IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記第1のドナー集約ユニットにより送信された構成情報を受信するステップであって、前記構成情報は、少なくとも、前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされた伝送ネットワーク層アドレスを含む、ステップと、
前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記伝送ネットワーク層アドレスを適用するステップと、を含む、方法
【請求項9】
アクセスバックホール統合(IAB)システムであって、IABドナーと、IABノードとを含み、
前記IABノードの移行前の親ノードが第1のドナー分散ユニットを使用し、前記IABノードの移行後の親ノードが第2のドナー分散ユニットを使用し、前記第1のドナー分散ユニットが第1のドナー集約ユニットに属し、前記第2のドナー分散ユニットが第2のドナー集約ユニットに属し、
前記IABノードは前記IABノードのIAB-MTがハンドオーバを実行する前に、前記第1のドナー集約ユニットにより送信された構成情報を受信し、前記構成情報は、少なくとも、前記第2のドナー分散ユニットにアンカーされた伝送ネットワーク層アドレスを含み、前記IAB-MTがハンドオーバを完了した際に、前記伝送ネットワーク層アドレスを適用する、IABシステム。
【国際調査報告】