(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-09
(54)【発明の名称】多段真空ポンプ及び一体型特定ガス用ガスセンサを備えた真空リークディテクタならびに真空リークディテクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/20 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
G01M3/20 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532697
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2022084572
(87)【国際公開番号】W WO2023104781
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】102021132252.9
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
【住所又は居所原語表記】Bonner Strasse 498, D-50968 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】シュトリーツェル・カーステン
(72)【発明者】
【氏名】ボカノビック・イワン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーンス・ヤルマル
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067CC11
2G067DD02
(57)【要約】
【課題】より経済的で技術的にシンプルな特定ガス用真空リークディテクタの改良品、および対応する特定ガス用真空リークディテクタの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の特定ガス用真空リークディテクタは、多段真空ポンプ12と特定ガス用センサ34とを備え、ガスセンサ34が、真空ポンプ12の一体部であることによって真空ポンプ12内の特定ガスを検出するように構成されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段真空ポンプ(12)と特定ガス用センサ(34)とを備える特定ガス用真空リークディテクタにおいて、
前記ガスセンサ(34)が、前記真空ポンプ(12)の一体部であることによって前記真空ポンプ(12)内の特定ガスを検出するように構成されていることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の真空リークティデクタにおいて、前記真空ポンプ(12)の複数のポンプ段(26,28)が、前記ガスセンサ(34)も内部に設けられている共通の筐体(22)に覆われていることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の真空リークディテクタにおいて、前記真空ポンプ(12)が、試験室(16)又は試験体に対するポート(20)を有することを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の真空リークディテクタにおいて、前記ガスセンサ(34)と接続した分岐部(32)が、前記真空ポンプ(12)の運搬方向にみて、前記ポンプ段のうちの少なくとも1つに対する上流側に設けられていることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項5】
請求項4に記載の真空リークディテクタにおいて、前記分岐部(32)に、選択的に作動可能なストップバルブ(36)が設けられていることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項6】
請求項5に記載の真空リークディテクタにおいて、前記バルブに対し、前記真空ポンプの速度又は消費電力に応じて該バルブを作動するように構成されたバルブコントローラが設けられていることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の真空リークディテクタにおいて、前記センサが、薄膜型のセンサ、半導体式または金属酸化物式のセンサ、質量分析計、CO
2センサ、赤外線吸光式のセンサ、または発光分光分析式の特定ガス用センサであることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の真空リークディテクタにおいて、前記真空ポンプが、多段スクロールポンプ、ロータリーベーンポンプ、ルーツポンプ、スクリューステージポンプ、またはターボ分子ポンプであることを特徴とする、真空リークディテクタ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の特定ガス用真空リークディテクタの製造方法において、
特定ガス用ガスセンサ(34)を、多段真空ポンプ(12)に対し、該真空ポンプ(12)の一体部となることで該真空ポンプ(12)内の特定ガスを検出する構成となるように一体化させることを特徴とする、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段真空ポンプ及び特定ガス用センサを備えた特定ガス用真空リークディテクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な真空リークディテクタでは、試験室が、該試験室からガスを吸引する真空ポンプに接続されている。試験室内に試験体が配置されるか、あるいは、室自体が試験体とされる。試験体にリークがある場合、試験体から試験室へとガスが漏出し、試験室と接続されたガスセンサへとこれが供給される。一般的に、ガスセンサは真空ポンプとは別体の装置であり、例えば、全圧真空計の形態や、ガス種依存型のセンサ、すなわち、質量分析計、光学式のセンサ、赤外線吸光式のユニット、金属酸化物式のセンサなどの特定ガス用センサの形態等の装置である。
【0003】
多段真空ポンプを備えたリーク検知システムでは、真空ポンプの例えばガス入口、隣合う2つのポンプ段間の中間にあるガス入口等のポートに、別体のガス検出器を連結することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、より経済的で技術的にシンプルな特定ガス用真空リークディテクタの改良品、および対応する特定ガス用真空リークディテクタの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、特定ガス用ガスセンサ、すなわち、特定のガス種に対して選択的な且つ場合によっては調節可能な応答を示すセンサが、真空ポンプの一体部であることによって該真空ポンプ内の特定ガスを検出するように構成されている。つまり、前記ガスセンサは、試験室内のガスや、前記真空ポンプへの又は前記真空ポンプのうちのあるポンプ段までのライン経路内のガスを検出するだけでなく、前記真空ポンプ内のガスも直接検出する。
【0006】
本発明の特定ガス用真空リークディテクタの製造方法では、特定ガス用ガスセンサを、多段真空ポンプに対し、該真空ポンプの一体部となることで該真空ポンプ内の特定ガスを検出する構成となるように一体化させる。
【0007】
有利には、前記真空ポンプの複数のポンプ段が、前記ガスセンサも内部に設けられている共通の筐体に覆われている。前記真空ポンプの筐体は、前記試験室の筐体及び/又は別のガス検出器がある場合には該別のガス検出器の筐体と異なる。
【0008】
前記真空ポンプは、試験室又は試験体に対するポートを有し得る。好ましくは、該ポートが前記筐体に設けられている。
【0009】
これに代えて又はこれに加えて、前記真空ポンプの前記筐体は、別のガス検出器に対する別のポートを有し得る。
【0010】
前記真空ポンプの運搬方向で、前記ポンプ段のうちの少なくとも1つに対する上流側に、前記ガスセンサと接続した分岐部が設けられ得る。該分岐部には、選択的に作動可能なストップバルブが設けられ得る。該バルブに対しては、前記真空ポンプ又は前記真空ポンプの少なくとも1つのポンプ段の速度又は消費電力に応じて該バルブを作動するように構成されたバルブコントローラが設けられ得る。
【0011】
前記センサは、薄膜型のセンサ、半導体式または金属酸化物式のセンサ、質量分析計、CO2センサ、赤外線吸光式のセンサ、または発光分光分析式の特定ガス用センサであり得る。好ましくは、各センサは、リーク検知に典型的に使用される例えば水素及び/又はヘリウム及び/又はCO2及び/又は炭化水素等の少なくとも1種の試験ガスを十分な感度で検出可能なものであるのが望ましい。
【0012】
前記真空ポンプは、多段スクロールポンプ、ロータリーベーンポンプ、ルーツポンプ、またはスクリューステージポンプであり得る。
【0013】
以下では、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
多段真空ポンプ12は、連結ライン14で試験室16と接続されており、試験室16を排気する。試験室16は密封性試験の対象を収容するものであるか、あるいは、それ自体が密封性試験の対象とされる。連結ライン14には、独立して閉止可能な分岐部18が設けられている。分岐部18は、ガス検出器を連結することが可能なポート20を有している。
【0016】
真空ポンプ12は、筐体22を有する。筐体22は、試験室16の筐体24及び例えばポート20に別のガス検出器が連結されている場合には該別のガス検出器の筐体と異なる。真空ポンプ12は、それぞれ共通の筐体22内に設けられた2つのポンプ段26,28を有する多段真空ポンプである。2つのポンプ段26,28は、特定ガス用ガスセンサ34が接続された分岐部32を含む流路30によって連結している。分岐部32には、図示しないバルブコントローラによって閉止することが可能なストップバルブ36が設けられている。バルブ36は、2つのポンプ段26,28とガスセンサ34との間に設けられており、ガスセンサ34を2つのポンプ段26,28からガス技術的に切り離す。
【0017】
ガスセンサ34は、薄膜型のセンサ(例えば、WISE Technology Sensor等)である。ストップバルブ36は、通常状態で閉じており、2つのポンプ段26,28が所定の速度又は消費電力を超えると自動的に開く。センサ34、ストップバルブ36、分岐部32および2つのポンプ段26,28は、いずれも真空ポンプ12の一体部であるため、これらの部品を覆う共通の筐体22内に設けられている。
【国際調査報告】