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特表2024-545495ペットの摂食パターンを検出するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ペットの摂食パターンを検出するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20241202BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533822
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-01
(86)【国際出願番号】 US2022080981
(87)【国際公開番号】W WO2023107918
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/286,721
(32)【優先日】2021-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390037914
【氏名又は名称】マース インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,アリーサ
(72)【発明者】
【氏名】アレン,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】プレスコット,ローラ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA15
(57)【要約】
ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータで実装される方法を開示する。本方法は、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップと、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに基づいて、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含む予想分布を求めるステップと、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、食事イベント合計値が上側閾値または下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータで実装される方法であって、
1つ以上のプロセッサにより、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップであって、前記複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録が、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含む、ステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて、予想分布を求めるステップであって、前記予想分布が、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、該上側閾値と該下側閾値は、前記ベースラインに対応するものである、ステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記食事イベント合計値が前記上側閾値または前記下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ベースラインが、1つ以上の外れ値を含まない、前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて決定される、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項3】
前記上側閾値と前記下側閾値は、前記ベースラインからの少なくとも1つの標準偏差に基づいて決定される、請求項2に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項4】
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項5】
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項6】
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録と、前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録とを除外するステップと、
を含む、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項7】
前記現在のペットデータが、ペット識別子と、対応する日付と、前記対応する日付においてコンパニオンペットが前記ペットセンサを装着していた時間比率を示すセンサ装着率とを含む、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項8】
前記食事イベント合計値が、前記対応する日付に発生したすべての食事イベントの継続時間の総和を含む、請求項7に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項9】
前記食事イベント合計値が、秒数、分数、または時間数で測定される、請求項8に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項10】
前記通知が、摂食が平均を上回っている旨の通知、平均的な摂食である旨の通知、摂食が平均を下回っている旨の通知のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項11】
前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットが、所定の時間範囲内の過去の食事イベント日付に関連付けられたペット摂食履歴データ記録を所定数含んでいる場合に、前記ベースラインが有効であると判定される、請求項1に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項12】
前記所定数のペット摂食履歴データ記録のそれぞれが、ベースラインセンサ装着閾値を満足ないし超過した過去のセンサ装着率とさらに関連付けられている、請求項11に記載のコンピュータで実装される方法。
【請求項13】
命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行することにより動作を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、コンパニオンペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータシステムであって、
前記動作が、
データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップであって、前記複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録が、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含むものである、ステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて、予想分布を求めるステップであって、前記予想分布が、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、該上側閾値と該下側閾値は、前記ベースラインに対応するものである、ステップと、
食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、
前記食事イベント合計値が前記上側閾値または前記下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、
前記分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、
を含む、コンピュータシステム。
【請求項14】
前記ベースラインが、1つ以上の外れ値を含まない、前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて決定される、請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記上側閾値と前記下側閾値は、前記ベースラインからの少なくとも1つの標準偏差に基づいて決定される、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録と、前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録とを除外するステップと、
を含む、請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
命令を収容した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、該命令をプロセッサによって実行した場合に、前記プロセッサに、コンパニオンペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するための動作を実行させるものであり、
該動作が、
データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップであって、前記複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録が、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含むものである、ステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて、予想分布を求めるステップであって、前記予想分布が、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、該上側閾値と該下側閾値は、前記ベースラインに対応するものである、ステップと、
食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、
前記食事イベント合計値が前記上側閾値または前記下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、
前記分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記現在のペットデータが、ペット識別子と、対応する日付と、前記対応する日付においてコンパニオンペットが前記ペットセンサを装着していた時間比率を示すセンサ装着率とを含む、請求項19に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の種々の実施形態は、概して、ペットの摂食パターンの検出に関する。また、いくつかの実施形態では、本開示は、ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットの食欲とこれに対応する食餌習慣は、ペットの体調を示す重要な指標である。例えば、ペットが摂食にかける時間が平均より長くなったり短くなったりした場合、歯の問題など健康上の問題があることを示している可能性がある。摂食行動の検出と分析は、ペットの潜在的な問題を大きな問題になる前に発見するための非常に有用なツールとなり得るものである。
【0003】
従来の方法には、ペットがいつ食事をしたかについての追跡と記録をペットの飼い主が行う工程が含まれる場合があった。しかし、ペットの飼い主は、ペットが食べたものや食べなかったものを常にすべて見ているわけではないため、微妙な摂食傾向を把握するのは難しいと考えられる。例えば、従来の方法では、ペットが他のペットの餌を横取りしている可能性や、他のペットにペットの餌を横取りされている可能性を加味することができない場合があった。さらに、従来の技術では、ペットの飼い主の不在時に発生する摂食イベントなどの想定外の摂食イベントを、摂食検出プロセス時に考慮に入れることができない場合もあった。
【0004】
さらに、従来の方法では、個々のペットの摂食行動に動的に適応できない場合があった。摂食検出は、画一的に適用できる方法ではない。例えば、ペットの品種や個体によって、摂食スタイルは異なっている。そして、小型のペット品種の場合、しっかりした食事を2~3回行うのではなく、少量の食べ物をちょこちょこ摂る傾向があるため、摂食検出がさらに難しくなる可能性があった。
【0005】
本開示は、上記の課題に対処するためのものである。なお、本項に示した背景技術の説明は、本開示の背景を概略的に示すためのものである。本明細書において特に断りのない限り、本項に記載した内容は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではない。よって、本項に記載することによって先行技術であると認めるものでも、または先行技術を示唆するものと認めるものでもない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の特定の態様によれば、ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するための方法およびシステムが開示される。
【0007】
一態様では、ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータで実装される方法の例示的な実施形態は、1つ以上のプロセッサにより、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップを含む。複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録は、過去の食事イベント値と食事イベント日付を含む。本方法は、1つ以上のプロセッサにより、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップをさらに含むことができる。また、本方法は、1つ以上のプロセッサにより、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに基づいて、予想分布を求めるステップをさらに含むことができる。予想分布は、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、上側閾値と下側閾値は、ベースラインに対応するものである。また、本方法は、1つ以上のプロセッサにより、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップをさらに含むことができる。本方法は、1つ以上のプロセッサにより、食事イベント合計値が上側閾値または下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、1つ以上のプロセッサにより、分析に応じた結果を示す通知を出力するステップとをさらに含むことができる。
【0008】
さらなる態様では、コンパニオンペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータシステムの例示的な実施形態が開示される。本コンピュータシステムは、命令を格納する少なくとも1つのメモリと、命令を実行することにより動作を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を備える。かかる動作は、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップを含むことができる。複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録は、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含む。また、本動作は、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップをさらに含むことができる。また、本動作は、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに基づいて、予想分布を求めるステップをさらに含むことができる。予想分布は、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、上側閾値と下側閾値は、ベースラインに対応するものである。また、本動作は、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、食事イベント合計値が上側閾値または下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、分析に応じた結果を示す通知を出力するステップとをさらに含むことができる。
【0009】
さらなる態様では、プロセッサによって実行した場合に、プロセッサに、コンパニオンペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するための動作を実行させる命令を収容した非一時的なコンピュータ可読媒体の例示的な実施形態が開示される。かかる動作は、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップを含むことができる。複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録は、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含む。また、本動作は、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップをさらに含むことができる。また、本動作は、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに基づいて、予想分布を求めるステップをさらに含むことができる。予想分布は、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、上側閾値と下側閾値は、ベースラインに対応するものである。また、本動作は、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、食事イベント合計値が上側閾値または下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、分析に応じた結果を示す通知を出力するステップとをさらに含むことができる。
【0010】
上述の概略的説明および以下の詳細な説明は、特許請求の範囲に記載した本開示の実施形態を例示的に説明するものに過ぎず、特許請求の範囲に記載した本開示の実施形態の開示内容を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成するものであり、種々の例示的な実施形態を例示して、以下の説明と併せて本開示の実施形態の原理を説明するためのものである。
図1A】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1B-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1B-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1C-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1C-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1D-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1D-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1E-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1E-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1F-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1F-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1G-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1G-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1H-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1H-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1I-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1I-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1J-1】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図1J-2】1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図2A】1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図2B】1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図2C】1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図
図3】1つ以上の実施形態に係る、ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するための例示的な方法を示すフローチャート
図4】1つ以上の実施形態に係る、複数のペット摂食履歴データ記録から、予想分布を求めるためのサブセットを決定するための例示的な方法をさらに示すフローチャート
図5】1つ以上の実施形態に係る、予想分布のベースラインが有効であるか否かを判定する例示的な方法をさらに示すフローチャート
図6】1つ以上の実施形態に係る、本明細書で提示する技術を利用することができる例示的な環境を示す図
図7】1つ以上の実施形態に係る、本明細書で提示する技術を実行することができるコンピューティングデバイスの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の特定の態様によれば、ペットの摂食パターンの検出と分析を行うための方法およびシステムが開示される。従来の技術では、ペットの飼い主にペットの摂食イベントの追跡と記録を行ってもらい、これに頼る場合があったため、この目的には適していないと考えられる。さらに、従来の技術では、ペットの個々の食餌習慣に動的に適応できない場合があった。したがって、ペットの摂食パターンの検出と分析に関する技術の改良が求められている。
【0013】
ペットが摂食にかける時間には、非常に重要な意味がある。例えば、ペットが摂食にかける時間が平均より長くなったり短くなったりすると、ペットの飼い主は潜在的な健康上の問題がないかどうかを調べたいと思うかもしれない。摂食にかける時間が長い場合には、ペットがより慎重に摂食するようになったことを示しているか、空腹を感じていないことを示している可能性がある。摂食行動の変化を伴う潜在的な健康上の問題としては、歯の問題、胃腸の問題、ペットの偏食を挙げることができる。また、餌入れや餌の種類、餌の形状を変えたというようなちょっとした変化も、ペットの食餌習慣に影響を与える可能性がある。
【0014】
したがって、ペットの摂食イベントを検出し、検出した摂食イベントを分析することにより摂食イベントのパターンを特定する摂食検出技術が必要とされている。本明細書に開示される摂食検出技術は、ペットの飼い主に対して、ペットの摂食行動が変化しているかどうかを客観的に示すことができる。このようなペットの摂食行動の変化は、潜在的な健康上の問題を示す指標や、ペットに与える餌の量を増やすべきか減らすべきかを示す指標となり得るものである。さらに、ペットの摂食イベントに関する情報をペットの主治獣医と共有することにより、ペットの日常生活で何が起こっているかという背景状況をペットの飼い主が主治獣医に説明する際に役立てることもできる。
【0015】
以下に詳述するように、種々の実施形態において、ペット摂食履歴データを利用することによりペットの摂食行動の変化を特定するためのシステムおよび方法を説明する。本システムおよび方法は、ペット摂食履歴データの収集と分析を行うことにより、ペットの今後の摂食イベントの予想分布を計算することができる。この予想分布には、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含めることができる。そして、本システムおよび方法は、ペットの現在の摂食データを受信するとともに、このペットの現在の摂食データを予想分布と比較することができる。そして、本システムおよび方法は、この比較の結果を示す通知を出力することにより、ペットの摂食データに変化があった場合にそれをペットの飼い主に通知することができる。
【0016】
例示的なウェルネスデータ・プラットフォーム
図1A図1J-2は、1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図である。
【0017】
図1Aは、1つ以上の実施形態に係る、ペットのデータの収集、分析、表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「ダッシュボード(Dashboard)」ページを示している。プラットフォームは、ペットの総合ウェルネススコアと、「掻き行動(Scratching)」、「舐め行動(Licking)」、「睡眠(Sleeping)」、「摂食(Eating)」、「水分摂取(Drinking)」の行動項目うちの1つ以上の項目とを表示することができる。また、プラットフォームは、獣医師に連絡を取るオプション(例えば、「獣医とチャットする(Chat with a vet)」)、概要データを受信者に送信するオプション(例えば、「健康レポートを共有する(Share health report)」)、研究プログラムに参加するオプション(例えば、「研究に貢献する(Contribute to research)」)、またはこれらのオプションのいずれかの組み合わせを表示することもできる。
【0018】
また、ペットからのデータを収集中の段階である初期段階においても、プラットフォームは「ダッシュボード」ページを表示することができる。例えば、ペットからデータを収集している段階では、データの分析や表示を行うのに必要なデータが十分揃っていない可能性がある。したがって、プラットフォームは、「掻き行動」データ、「舐め行動」データ、「睡眠」データ、「摂食」データ、「水分摂取」データといった表示中のウェルネススコアのうちの1つまたはすべてについて、「データを収集しています(Gathering Data)」と表示することができる。
【0019】
図1B-1および図1B-2は、1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの収集、分析、表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「ダッシュボード」ページをさらに示している。
【0020】
プラットフォームは、ペットの総合ウェルネススコアと、「掻き行動」、「舐め行動」、「睡眠」、「摂食」、「水分摂取」という行動項目うちの1つ以上の項とを表示することができる。プラットフォームがベースラインの設定に向けてデータを収集している段階では、プラットフォームは、表示中の行動項目のうちの任意の項目に、「ベースラインを設定中です(Establishing Baseline)」と表示することができる。いくつかの実施形態では、プラットフォームがベースラインの設定に向けたプロセスを進めている間は、プラットフォームは、各行動項目にその行動の継続時間の値を表示する(例えば、「舐め行動」の項目に「28分」と表示する、「掻き行動」の項目に「235秒」と表示する、「睡眠」の項目に「睡眠時間8.4(時間)」ただし「中断2回」であると表示する、「摂食」の項目に「13分」と表示する、「水分摂取」の項目に「2分」と表示する)ことができる。継続時間は、例えば、秒数、分数、時間数、またはこれらのいずれかの組み合わせで表すことができる。また、プラットフォームは、獣医師に連絡を取るオプション(例えば、「獣医とチャットする」)、概要データを受信者に送信するオプション(例えば、「健康レポートを共有する」)、研究プログラムに参加するオプション(例えば、「研究に貢献する」)、またはこれらのオプションのいずれかの組み合わせを表示することもできる。
【0021】
図1C-1および図1C-2は、1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの収集、分析、表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「健康に関するインサイト(Health Insights)」ページをさらに示している。
【0022】
プラットフォームは、ペットの総合ウェルネススコアと、「掻き行動」、「舐め行動」、「睡眠」、「摂食」、「水分摂取」という行動項目うちの1つ以上の項とを表示することができる。ペットの総合ウェルネススコアは、すべて(または一部)の行動の総合的な分析に基づいたスコア(例えば、「88」点)とすることができる。また、プラットフォームは、このウェルネススコアが評価尺度上のどの位置に当たるかを示す画像や、このウェルネススコアが前回のウェルネススコアと比べてどうであるかを示す比較結果(例えば、図1C-1では、「8」という値と下向きの矢印で、前回のスコアから「8」点減少したことを示している)を表示することもできる。また、プラットフォームは、ウェルネススコアに基づいたペットの現在の健康状態の説明(例えば、「オットーの状態は良好です(Otto’s Doing Well)」)をさらに表示することもできる。いくつかの実施形態では、プラットフォームが総合ウェルネススコアの表示を行うのに必要なデータを十分持っていない場合には、図1D-1に示しているように、プラットフォームが「データを収集しています」の状態にあることを示す表示をプラットフォームが表示することもできる。
【0023】
プラットフォームが特定の行動項目のベースラインの設定を完了すると、プラットフォームは、当該行動ベースラインとペットの現在の行動との比較を示す画像を表示することができる。例えば、「掻き行動」の項目においては、ペットの掻き行動ベースラインと比べてペットの現在の行動を、「非常に少ない(Infrequent)」、「少ない(Occasional)」、「多い(Elevated)」、および/または「非常に多い(Severe)」とすることができる。また、「舐め行動」の項目において、ペットの舐め行動ベースラインと比べて、ペットの現在の行動を、「非常に少ない」、「少ない」、「多い」、および/または「非常に多い」とすることができる。「睡眠」の項目では、ペットの睡眠ベースラインと比べて、ペットの現在の行動を、「安らか(Restful)」、「少し中断あり(Slightly disrupted)」、および/または「中断あり(Disrupted)」とすることができる。「摂食」の項目では、ペットの摂食ベースラインと比べて、ペットの現在の摂食行動を、「平均より下(Below average)」、「平均的(Average)」、および/または「平均より上(Above average)」とすることができる。「水分摂取」の項目では、ペットの水分摂取ベースラインと比べて、ペットの現在の水分摂取行動を、「平均より下」、「平均的」、および/または「平均より上」とすることができる。
【0024】
プラットフォームはまた、行動の継続時間、当該行動の平均継続時間、当該行動の前回の継続時間、および/または当該行動についての以前の期間(例えば、前日)との比較を表示することができる。例えば、「掻き行動」の項目では、プラットフォームは、「1日当たり235秒」という平均継続時間と「前日比-5秒」という行動比較を表示することができる。また、「舐め行動」の項目では、プラットフォームは、「1日当たり28分」という平均継続時間と「前日比-3分」という行動比較を表示することができる。「睡眠」の項目では、プラットフォームは、「睡眠時間8.4(時間)」と「ベースライン比+10秒」という行動比較を表示することができる。また、中断回数(例えば、「中断2回」)や「中断」ベースラインとの比較(たとえば「ベースライン比-1回」)を表示することもできる。「摂食」の項目では、プラットフォームは、「13分」という前回の継続時間と「ベースライン比+10秒」という行動比較を表示することができる。「水分摂取」の項目では、プラットフォームは、「2分」という前回の継続時間と「ベースライン比+10秒」という行動比較を表示することができる。
【0025】
また、プラットフォームは、過去や現在のデータを閲覧するオプションを表示することもできる。このオプションをユーザが選択すると、プラットフォームは過去に収集したデータの詳細を表示することができる。例えば、プラットフォームは、「掻き行動」の項目に、「過去7日間の平均(Last 7 day average)」を閲覧するオプションを表示することができる。また、プラットフォームは、「舐め行動」の項目に、「過去7日間の平均」を閲覧するオプションを表示することができる。また、プラットフォームは、「睡眠」の項目に、「昨夜(Last night)」の詳細情報を閲覧するオプションを表示することができる。また、プラットフォームは、「摂食」の項目に、「昨日(Yesterday)」の詳細情報を閲覧するオプションを表示することができる。また、プラットフォームは、「水分摂取」の項目に、「昨日」の詳細情報を閲覧するオプションを表示することができる。また、プラットフォームは、獣医師に連絡を取るオプション(例えば、「獣医とチャットする」)、概要データを受信者に送信するオプション(例えば、「健康レポートを共有する」)、研究プログラムに参加するオプション(例えば、「研究に貢献する」)、またはこれらのオプションのいずれかの組み合わせを表示することもできる。
【0026】
図1E-1および図1E-2は、1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの収集、分析、表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「ウェルネススコア(Wellness Score)」ページをさらに示している。
【0027】
プラットフォームは、ウェルネススコア(例えば、「88」点)、このウェルネススコアがスペクトル上のどの位置にあるかを示す半円弧の環または円弧、またはその両方を表示することができる。ウェルネススコアは、ペットの健康状態に対応したスコアとすることができる。例えば、ウェルネススコアは、1つまたはすべてのペットの行動の分析に基づいたスコアとすることができる。プラットフォームは、ウェルネススコアのラベル(例えば、「低い(Low)」、「まあまあ(Okay)」、「非常に良い(Excellent)」というラベル)に応じた表示を表示することもできる。0~59点に「低い」というラベル、60~79点に「まあまあ」というラベル、80~100点に「非常に良い」というラベルを対応付けることができる。いくつかの実施形態では、各ラベルに色を対応付けることもできる。例えば、「低い」というラベルに赤色、「まあまあ」というラベルに黄色、「非常に良い」というラベルに緑色を対応付けることができる。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、過去1日または数日間のウェルネススコアや、過去1カ月間または数カ月間のウェルネススコアを示す棒グラフを表示することができる。また、或る日のウェルネススコアラベルの色に対応した色がその日のグラフの色となるように、グラフを色分けすることもできる。
【0028】
いくつかの実施形態では、図1F-1に示しているように、ウェルネススコアを生成するのに必要なデータが十分揃っていない場合に、プラットフォームは「十分なデータがありません(Not Enough Data)」というラベルを表示することもできる。さらに、「十分なデータがありません」ラベルに対して、グレーなどの色を対応付けることもできる。例えば、表示中のグラフに、「十分なデータがありません」ラベルが付いた日が1日以上ある場合に、この「十分なデータがありません」ラベルが付いた1日以上の日を、グラフではグレーの色で表示することができる。
【0029】
また、プラットフォームは、摂食メトリックについてさらに詳しく知る(例えば、「摂食レベルについて知る(Learn about eating levels)」)オプションや、獣医師からアドバイスを受ける(例えば、「獣医とチャットする」)オプションを表示することができる。
【0030】
図1G-1および図1G-2は、1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの収集、分析、表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「摂食(Eating)」ページをさらに示している。
【0031】
プラットフォームは、ペットの摂食ベースラインと比べて、ペットの現在の摂食行動が、「平均より下」、「平均的」、「平均より上」のいずれであるかを表示することができる。また、プラットフォームは、ペットが摂食にかける平均的な時間の長さ(例えば、「1日当たり平均13分」)をさらに表示することもできる。
【0032】
また、プラットフォームは、ペットが食べていた時間を示すグラフを表示することもでき、このグラフで、ペットのすべての食事イベントを追跡することができる。いくつかの実施形態では、ペットに装着したセンサや電子デバイスで、食べていた時間のデータを捕捉しておくことができる。食べていた時間の表示は、y軸に日付、x軸に時間帯をとったグラフ形式で行うことができる。グラフには、ペットが食べていた時間の始点と終点を示した区間を含めることができる。この区間の始点が、ペットが食べ始める時点であり、区間の終点は、ペットが食べるのをやめる時点である。また、プラットフォームは、直近の食事イベントがいつ行われたか(例えば、「最後に食事をしたのは、午後4時42分(3時間前)です(Last meal event at 4:42pm (3 hours ago))」)を表示することもできる。
【0033】
また、プラットフォームは、(図1G-1に示すような)週単位または(図1H-1に示すような)月単位で、ペットが摂食にかける1日当たりの分数を視覚的に表す棒グラフを表示することもできる。プラットフォームは、ペットの摂食ベースラインと比べて、特定の日のペットの摂食行動が、「平均より下」、「平均的」、「平均より上」のいずれであるかに対応する色で、その日の棒グラフを表示することができる。いくつかの実施形態では、プラットフォームがペットの摂食データの収集を進めている過程では、(図1I-1に示しているように)グラフにデータを表示しない構成とすることもできる。
【0034】
また、プラットフォームは、摂食メトリックについてさらに詳しく知る(例えば、「摂食レベルについて知る」)オプションや、獣医師に相談する(例えば、「獣医とチャットする」)オプションを表示することができる。
【0035】
図1J-1および図1J-2は、1つ以上の実施形態に係る、ペットのウェルネスデータの収集、分析、表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「水分摂取(Drinking)」ページをさらに示している。
【0036】
プラットフォームは、ペットの水分摂取ベースラインと比べて、ペットの現在の水分摂取行動が、「平均より下」、「平均的」、「平均より上」のいずれであるかを表示することができる。また、プラットフォームは、ペットが水分摂取にかける平均的な時間の長さ(例えば、「1日当たり平均3分」)をさらに表示することもできる。
【0037】
また、プラットフォームは、週単位または月単位で、ペットが水分摂取にかける1日当たりの分数を視覚的に表す棒グラフを表示することもできる。プラットフォームは、ペットの水分摂取ベースラインと比べて、特定の日のペットの水分摂取行動が、「平均より下」、「平均的」、「平均より上」のいずれであるかに対応する色で、その日の棒グラフを表示することもできる。いくつかの実施形態では、プラットフォームがペットの水分摂取データの収集を進めている過程では、グラフにデータを表示しない構成とすることもできる。
【0038】
例示的な摂食データ・プラットフォーム
図2A図2Cは、1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの分析と表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境を示す図である。
【0039】
図2Aは、1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「摂食イベント(Eating Events)」インタフェースを示している。プラットフォームは、特定の期間に発生した摂食イベント数(例えば、「昨日は2回でした(2 events yesterday)」)を表示することができる。摂食イベントの数は、ペットが餌やおやつなどを食べる回数に相当する。いくつかの実施形態では、ペットに装着したセンサや電子デバイスで摂食イベントを捕捉することができる。また、プラットフォームは、ペットが摂食にかけた時間の長さ(例えば、「120秒」)を表示することもできる。ペットが摂食にかけた時間の長さは、複数の摂食イベントの長さの総和に相当する。また、ペットが摂食にかけた時間の長さは、例えば、秒数、分数、時間数、またはこれらのいずれかの組み合わせで記述することができる。
【0040】
図2Bは、1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「摂食(Eating)」インタフェースを示している。プラットフォームは、1日、1カ月、1年などの特定の期間に発生した摂食イベントを表示することができる。プラットフォームは、特定の期間(例えば、「2月9日」)に発生した摂食イベントの一覧を表示することができる。いくつかの実施形態では、表示中の各摂食イベントに、長さ(例えば、「長さ:120秒」)、信頼度(例えば「信頼度:58%」)、またはその両方を含めることができる。「長さ」は、特定の摂食イベントの継続時間に相当するものとすることができる。「信頼度」は、摂食イベントの判定に関してプラットフォームがどの程度の確信を有しているかに対応するものとすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、各摂食イベントに、信頼度に対応する特定の色の濃淡をつけることもできる。例えば、摂食イベントの色の濃淡は、信頼度が高いほど濃い色(例えば、信頼度が99%の場合は濃い緑)とし、信頼度が低いほど薄い色(例えば、信頼度が25%の場合は薄い緑)とすることができる。
【0041】
図2Cは、1つ以上の実施形態に係る、ペットの摂食データの表示を行うためのプラットフォームの例示的な環境における「摂食」インタフェースを示している。プラットフォームは、1日、1カ月、1年などの特定の期間に対応するタイムラインを表示することができる。いくつかの実施形態では、プラットフォームは、摂食イベントの発生時点の位置に線を引いて表示することができる。また、この線には、例えば、摂食イベントの信頼度に対応する特定の色の濃淡をつけることもできる。「信頼度」は、摂食イベントの判定に関してプラットフォームがどの程度の確信を有しているかに対応するものとすることができる。
【0042】
ペットの摂食行動の変化を特定する例示的方法
図3は、1つ以上の実施形態に係る、ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するための例示的なプロセス300を示している。
【0043】
本方法は、1つ以上のプロセッサにより、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップ(ステップ302)を含むことができる。各ペット摂食履歴データ記録は、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含むものである。データベースは、各ペット摂食履歴データ記録をリアルタイムで格納することができる。またこれに代えて、データベースは、各ペット摂食履歴データ記録を、所定の時間経過後(例えば、1日の終わり)に格納することもできる。また、ペットに装着したペットセンサ、電子デバイス、またはその両方により、摂食イベントをリアルタイムで捕捉し、データベースは、このペットセンサ、電子デバイス、またはその両方からペット摂食履歴データを受信することができる。ペットセンサ、電子デバイス、またはその両方は、ペット摂食履歴データをデータベースに伝達し続けることができ、かかる伝達は、リアルタイムに行うことができるほか、所定期間経過後に行うこともできる。例えば、ペットセンサ、電子デバイス、またはその両方は、1分毎、1時間毎、1日毎、1週間毎などで、最新のペット摂食履歴データをデータベースに送信することができる。ペット摂食履歴データを受信したデータベースは、このペット摂食履歴データをペット摂食履歴データ記録に格納することができる。また、データベースがもう既に、特定の食事イベント日付のペット摂食履歴データを受信して、これをペット摂食履歴データ記録に格納済である場合には、データベースは、かかる格納済のペット摂食履歴データ記録を、当該食事イベント日付について最後に受信したペット摂食履歴データで上書き(更新)することができる。
【0044】
複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録は、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含むことができる。過去の食事イベント値は、かかる食事イベント日付に発生したすべての摂食イベントの継続時間の総和を含むことができる。例えば、過去の食事イベント値を、ペットが摂食にかけた時間の長さの合計「120秒」とし、対応する日付を「2021年2月1日」とすることができる。過去の食事イベント値は、秒数、分数、時間数、またはこれらのいずれかの組み合わせで表すことができる。
【0045】
さらに、各ペット摂食履歴データ記録に、過去のペット識別子、過去のセンサ装着率、またはその両方を含めることもできる。過去のペット識別子は、ペットが装着するセンサおよび/または電子デバイスに対応する一意の識別子を含むことができる。過去のセンサ装着率は、食事イベント日付においてペットがペットセンサを装着していた時間比率に対応するものとすることができる。例えば、過去のセンサ装着率は0.5である場合があり、これは当該食事イベント日付の1日のうちの50%の時間、ペットがセンサを装着していたことを意味し得る。
【0046】
また、本方法は、1つ以上のプロセッサにより、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップ(ステップ304)をさらに含むことができる。複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットは、少なくとも1つのペット摂食データ記録を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットは、複数のペット摂食履歴データ記録のすべてのペット摂食データ記録を含むことができる。いくつかの実施形態では、このサブセットがデータベースに格納される。なお、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するプロセスの詳細については、図4のステップ402~408で説明する。
【0047】
本方法は、1つ以上のプロセッサにより、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに基づいて、ベースラインと上側閾値と下側閾値を含む予想分布を求めるステップ(ステップ306)をさらに含むことができる。上側閾値と下側閾値は、ベースラインに対応するものである。ベースラインは、食事イベントの予想合計長とすることができる。食事イベントの予想合計長は、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに対応する過去の食事イベント値の平均に基づくものとすることができる。ベースラインは、過去の食事イベント値の最新の平均値に基づいて、一定の期間ごとに(例えば、毎日)更新することができる。いくつかの実施形態では、ベースラインは、存在する1つ以上の外れ値(詳細はステップ402~408で説明する)を含まない複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットの平均とすることができる。なお、ベースラインの有効性を判定するステップについては、図5のステップ502~508で詳細に説明する。
【0048】
上側閾値と下側閾値はベースラインに対応するものとすることができ、上側閾値、下側閾値、またはその両方により、食事イベントの合計長の範囲を規定することができる。例えば、上側閾値と下側閾値を、ベースラインから±0.84×標準偏差に設定することができる。この場合、ペットが過ごす日の約40%が平均より上または下とみなされ(上側閾値による判定が20%、下側閾値による判定が20%)、ペットが過ごす日の60%が平均的とみなされることになる。上側閾値、下側閾値、またはその両方により、柔軟な対応を行うことができる。例えば、ペットが食事を1食増やすと、この行動を、上側閾値を超過する行動(「平均より上」)とみなすことができる。また、例えば、ペットが食事を1食抜くと、この行動を、下側閾値を超過する行動(「平均より下」)とみなすことができる。
【0049】
本方法は、1つ以上のプロセッサにより、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップ(ステップ308)をさらに含むことができる。ペットセンサは、ペットに装着したペットセンサ、電子デバイス、またはその両方とすることができる。また、現在のペットデータは、ペット識別子、対応する日付、センサ装着率、またはこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。ペット識別子は、ペットセンサに対応する一意の識別子を含むことができる。対応する日付は、食事イベント合計値が発生したときに対応する日付を含むことができる。ペットセンサ装着率は、対応する日付においてペットがペットセンサを装着していた時間比率に対応するものとすることができる。食事イベント合計値は、対応する日付に発生したすべての食事イベントの継続時間の総和を含むことができる。例えば、食事イベント合計値を、ペットが摂食にかけた時間の長さの合計「50秒」とし、対応する日付を「2021年12月21日」とすることができる。また、例えば、食事イベント合計値は、秒数、分数、時間数、またはこれらのいずれかの組み合わせで測定することができる。
【0050】
また、本方法は、1つ以上のプロセッサにより、食事イベント合計値が上側閾値または下側閾値を超過しているか否かを分析するステップ(ステップ310)も含むことができる。食事イベント合計値は、上側閾値および下側閾値と比較することができる。本開示の目的上、食事イベント合計値が上側閾値を上回っている場合に、食事イベント合計値が上側閾値を超過しているとし、食事イベント合計値が下側閾値を下回っている場合に、食事イベント合計値が下側閾値を超過しているとすることができる。
【0051】
また、本方法は、1つ以上のプロセッサにより、分析に応じた結果を示す通知を出力するステップ(ステップ312)も含むことができる。この出力の結果、携帯電話などの電子デバイスのユーザインタフェースに通知が表示される。通知は、アラート通知、グラフィック画像(例えば、グラフ)、またはその両方の形態とすることができる。例示的なユーザインタフェースを、図1F-1~図1H-2に示す。
【0052】
通知は、摂食が平均を上回っている旨の通知、平均的な摂食である旨の通知、摂食が平均を下回っている旨の通知のうちの少なくとも1つを含むことができる。摂食が平均を上回っている旨の通知は、ペットがいつもより食べていることを示すものとすることができる。例えば、摂食が平均を上回っている旨の通知は、食事イベントの合計値が上側閾値を満足ないし超過した場合に対応させることができる。また、摂食が平均を上回っている旨の通知は、ペットがおやつを余分に食べた場合、食事時に大盛りだった場合、食事イベントが通常より長かった場合に関連させることができる。一方、平均的な摂食である旨の通知は、ペットがいつもどおり食べていることを示すものとすることができる。例えば、平均的な摂食である旨の通知は、食事イベントの合計値が上側閾値以下かつ下側閾値以上である場合に対応させることができる。また、摂食が平均を下回っている旨の通知は、ペットがいつもより食べていないことを示すものとすることができる。例えば、摂食が平均を下回っている旨の通知は、食事イベントの合計値が下側閾値を満足ないし超過した場合に対応させることができる。また、摂食が平均を下回っている旨の通知は、ペットがおやつを(1回または2回)食べなかった場合、食事時に少量盛りだった場合、食事イベントが通常より短かった場合に関連させることができる。
【0053】
なお、図3には、例示的な方法300の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施態様では、図3に示すブロックに、ブロックの追加、ブロックの削減、ブロックの変更、またはブロックの順序変更を施した例示的な方法300とすることもできる。また、これに加えてまたは代えて、例示的な方法300の2つ以上のブロックを同時に実行することもできる。
【0054】
図4は、1つ以上の実施形態に係る、複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定する例示的な方法400を示している。なお、図4に示す方法400は、図3のステップ304に対応する。
【0055】
本方法は、1つ以上のプロセッサにより、複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップ(ステップ402)を含むことができる。例えば、或るペット摂食履歴データ記録が外れ値を示すか否かを判定するステップは、当該ペット摂食履歴データ記録が外れ値閾値を満足ないし超過している否かを判定することを含むことができる。かかる判定には、食事イベント合計値からペット摂食履歴データ記録のベースライン値を引き、この結果を予想分布の分散の平方根で割るステップを含めることができる。例えば、かかる結果が、所定の外れ値閾値を満足ないし超過している場合、本方法は、このペット摂食履歴データ記録をスキップ(除外)し(ステップ404)、複数のペット摂食履歴データ記録における次のペット摂食履歴データ記録の分析に進むことができる。
【0056】
本方法は、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップ(ステップ404)をさらに含むことができる。ステップ402でも説明したように、本方法は、ペット摂食履歴データ記録の分析結果が、外れ値閾値を満足ないし超過するという結果であった場合に、このペット摂食履歴データ記録を除外するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップは、当該1件以上のペット摂食履歴データ記録をスキップして、スキップした記録を複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに含めないようにするステップを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップが、データベースから当該1件以上のペット摂食履歴データ記録を削除するステップを含むことができる。
【0057】
本方法は、複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップ(ステップ406)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ装着閾値は、少なくとも下限時間長にわたりペットセンサを装着していたことを保証するために設けることができ、ペットセンサ装着閾値は、ペットがペットセンサを装着していた時間比率に対応するものとすることができる。例えば、過去のセンサ装着率の値は0.5である場合があり、これはセンサが連続数日間における各日のうちの少なくとも50%の時間、センサが装着されていたことを意味し得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、ステップ404で除外されなかった1件以上のペット摂食履歴データ記録の過去のセンサ装着率を、センサ装着閾値と比較することができる。そして、センサ装着閾値を満足ないし超過した過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1つ以上のペット摂食履歴データ記録を、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに追加することができる。さらに、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1つ以上のペット摂食履歴データ記録を、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットから除外することができる(詳細はステップ408で説明する)。
【0059】
本方法は、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップ(ステップ408)をさらに含むことができる。上述のステップ406において述べたように、1件以上のペット摂食履歴データ記録のそれぞれが、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率を有している場合に、当該1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外することができる。いくつかの実施形態では、1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップは、当該1件以上のペット摂食履歴データ記録をスキップして、スキップした記録を複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに含めないようにするステップを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップが、データベースから当該1件以上のペット摂食履歴データ記録を削除するステップを含むことができる。
【0060】
なお、図4には、例示的な方法400の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施態様では、図4に示すブロックに、ブロックの追加、ブロックの削減、ブロックの変更、またはブロックの順序変更を施した例示的な方法400とすることもできる。また、これに加えてまたは代えて、例示的な方法400の2つ以上のブロックを同時に実行することもできる。
【0061】
図5は、1つ以上の実施形態に係る、ベースラインが有効であるか否かを判定する例示的な方法500を示している。なお、図5に示す方法500は、図3のステップ306に対応または関連し得る。
【0062】
本方法は、ベースラインが有効であるか否かを判定するステップ(ステップ502)を含むことができる。なお、本ステップの詳細については、以下のステップ504およびステップ506で説明する。ステップ402~408で説明したように、ベースラインは、1つ以上の外れ値を含まない、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットに基づいて決定することができる。
【0063】
本方法は、複数のペット摂食履歴データ記録からのサブセットが、所定の時間範囲内の食事イベント日付に関連付けられたペット摂食履歴データ記録を所定数含んでいるか否かを判定するステップ(ステップ504)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベースラインを設定するために、ベースラインを設定するのに必要なデータの十分な取得を確実に行うため、サブセットは、所定の時間範囲内の食事イベント日付に関連付けられたペット摂食履歴データ記録を所定数含んでいる必要がある。この所定の時間範囲は、数日間、数週間、数カ月間、数年間、またはこれらのいずれかの組み合わせとすることができる。例えば、ペット摂食履歴データ記録の所定数の値を7とすることができ、所定の時間範囲を30日間とすることができる。この例では、サブセットが、過去30日以内の食事イベント日付を有するペット摂食履歴データ記録を少なくとも7件含んでいるか否かを判定することになる。
【0064】
本方法は、所定数のペット摂食履歴データ記録のそれぞれが、ベースラインセンサ装着閾値を満足ないし超過した過去のセンサ装着率とさらに関連付けられている否かを判定するステップ(ステップ506)を含むことができる。いくつかの実施形態では、1件以上のペット摂食履歴データ記録の過去のセンサ装着率を、ベースラインセンサ装着閾値と比較することができる。そして、1件以上のペット摂食履歴データ記録が、ベースラインセンサ装着閾値を満足ないし超過する過去のセンサ装着率を有している場合に、ベースラインは有効であると判定することができる。
【0065】
また、本方法は、ベースラインが有効であるとの判定に応答して、ユーザインタフェースを介してベースラインを表示するステップ(ステップ508)をさらに含むことができる。例えば、モバイルデバイスのユーザインタフェースに、ベースラインを表示することができる。ベースラインは、チャート、グラフなどで表示することができる。また、図1A図1J-2に示す例示的な環境に従って、ベースラインを表示することができる。
【0066】
なお、図5には、例示的な方法500の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施態様では、図5に示すブロックに、ブロックの追加、ブロックの削減、ブロックの変更、またはブロックの順序変更を施した例示的な方法500とすることもできる。また、これに加えてまたは代えて、例示的な方法500の2つ以上のブロックを同時に実行することもできる。
【0067】
例示的な環境と例示的なデバイス
図6は、本明細書で提示する技術を利用することができる例示的な環境600を示している。1つ以上のユーザデバイス605と、1つ以上の外部システム610と、1つ以上のサーバシステム615とは、ネットワーク601を介して通信することができる。詳細は後述するが、1つ以上のサーバシステム615は、ネットワーク601を介して環境600の他の1つ以上のコンポーネントと通信することができる。1つ以上のユーザデバイス605は、ユーザと関連付けることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、環境600のコンポーネントは、例えば獣医師、診療所、動物の専門家、研究センターなどの公の主体に関連付けられている。いくつかの実施形態では、環境600のコンポーネントの1つ以上が、他のコンポーネントとは異なる主体に関連付けられる。環境600のシステムおよびデバイスは、任意の構成で通信することができる。
【0069】
ユーザデバイス605は、ユーザが、ユーザデバイス605により環境600内の他のシステムへのアクセスや相互作用が行えるように構成することができる。例えば、ユーザデバイス605は、デスクトップコンピュータ、モバイルデバイス、タブレット端末などのコンピュータシステムとすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザデバイス605は、ユーザデバイス605のメモリ上にインストールされた1つ以上の電子アプリケーション(例えば、プログラム、プラグイン、ブラウザ拡張機能など)を含むことができる。
【0070】
ユーザデバイス605は、ディスプレイ/ユーザインタフェース(UI)605A、プロセッサ605B、メモリ605C、ネットワークインタフェース605D、またはそのいずれかの組み合わせを備えることができる。ユーザデバイス605は、プロセッサ605Bにより、オペレーティングシステム(O/S)および少なくとも1つの電子アプリケーション(これらはいずれもメモリ605Cに格納される)を実行することができる。電子アプリケーションは、デスクトッププログラム、ブラウザプログラム、ウェブクライアント、またはモバイルアプリケーションプログラム(モバイルO/Sにおけるブラウザプログラムでもよい)、アプリカント専用プログラム、システム制御ソフトウェア、システム監視ソフトウェア、ソフトウェア開発ツールなどとすることができる。例えば、環境600により、ウェブブラウザを通じてアクセスできるウェブクライアントの情報を拡張することができる。いくつかの実施形態では、電子アプリケーションを、環境600内の他のコンポーネントのうちの1つ以上に関連付けることができる。アプリケーションは、データベースなどのメモリ605Cを管理して、ストリーミングデータをネットワーク601に送信することができる。ディスプレイ/UI 605Aは、タッチパネル、または他の入力システム(例えば、マウス、キーボードなど)を備えたディスプレイとすることができ、これにより、ユーザはアプリケーションやO/Sと相互作用することができる。ネットワークインタフェース605Dは、(例えば、ネットワーク601とのイーサネットまたは無線通信を行うための)TCP/IPネットワークインタフェースとすることができる。プロセッサ605Bは、アプリケーションの実行と並行して、データの生成、ディスプレイ/UI 605Aからのユーザ入力の受信、サーバシステム615とのメッセージの送受信、またはそのいずれかの組み合わせを行うことができ、また1つ以上の工程をさらに実行してから、ネットワーク601に出力を行うことができる。
【0071】
外部システム610は、例えば、サーバシステム615への組込みやサーバシステム615との通信により様々な摂食検出タスクを実行することができる1つ以上のサードパーティおよび/または補助システムとすることができる。外部システム610は、1つ以上のネットワーク601を介して、環境600内の他のデバイスまたはシステムと通信することができる。例えば、外部システム610は、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)アクセスを介して1つ以上のネットワーク601上のサーバシステム615と通信することができ、かつ、ウェブブラウザアクセスを介して1つ以上のネットワーク601上のユーザデバイス605と通信することができる。
【0072】
種々の実施形態において、ネットワーク601は、広域ネットワーク(「WAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、パーソナルエリアネットワーク(「PAN」)などとすることができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク601はインターネットを含み、様々なシステム間での情報およびデータの提供はオンラインで行われる。「オンライン(online)」という用語は、インターネットに接続された他のデバイスまたはネットワークからは離れた場所から、ソースデータまたはソース情報への接続またはアクセスを行うことを意味することができる。また、これに代えて、「オンライン」という用語が、移動体通信ネットワークやデバイスを介してネットワークに(有線または無線で)接続またはアクセスを行うことを指している場合もある。インターネットは、全世界的なコンピュータネットワークシステムであり、ネットワークに接続されたコンピュータなどのデバイスの前にいる関係者が、他のコンピュータから情報を入手したり、他のコンピュータまたはデバイスを持つ関係者と通信したりすることが可能になるようなネットワークが複数繋がったネットワーク網である。インターネットの中で最も広く使われているのが、ワールドワイドウェブ(「WWW」と略されたり、単に「ウェブ」と呼ばれたりすることも多い)である。「ウェブサイトページ(website page)」という用語は、例えば、コンピュータシステムがホストや動作を担うことにより、オンラインでアクセスできるようになっている場所やデータストアなど、およびデータの送受信や、処理、視覚的表示、対話型インタフェースの生成などの工程をウェブブラウザなどのプログラムに実行させるように構成されたデータを含み得る場所やデータストアなど、を広く包含する用語である。
【0073】
サーバシステム615は、電子データシステムを備えることができ、例えば、ハードドライブ、フラッシュドライブ、ディスクなどのコンピュータ可読メモリを備えることができる。いくつかの実施形態では、サーバシステム615は、他のシステム(例えば、環境内の他のコンポーネントのうちの1つ以上)とデータ交換を行うためのアプリケーションプログラミングインタフェースの具備、かかるアプリケーションプログラミングインタフェースとの相互作用、またはその両方を行う。
【0074】
サーバシステム615は、データベース615Aと、少なくとも1つのサーバ615Bとを備えることができる。サーバシステム615は、コンピュータ、コンピュータのシステム(例えば、ラックサーバ)、クラウドサービスのコンピュータシステム、またはそのいずれかの組み合わせとすることができる。サーバシステムは、データベース615A(例えば、サードパーティのサーバまたはメモリ615Eにホストされている)を格納するか、またはデータベース615Aにアクセスすることができる。サーバは、ディスプレイ/UI 615C、プロセッサ615D、メモリ615E、ネットワークインタフェース615F、またはそのいずれかの組み合わせを備えることができる。ディスプレイ/UI 615Cは、タッチパネル、または他の入力システム(例えば、マウス、キーボードなど)を備えたディスプレイとすることができ、これにより、サーバ615Bを操作する人はサーバ615Bの機能を制御することができる。サーバシステム615は、プロセッサ615Dにより、オペレーティングシステム(O/S)およびサーブレットプログラムの少なくとも1つのインスタンス(これらはいずれもメモリ615Eに格納される)を実行することができる。
【0075】
なお、図6では、環境600のコンポーネントを別体のコンポーネントとして図示しているが、いくつかの実施形態では、環境600のコンポーネントまたはコンポーネントの一部を他の1つ以上のコンポーネントと一体化したり、他の1つ以上のコンポーネントに組み込んだりすることができることを理解されたい。例えば、ディスプレイ615Cの一部を、ユーザデバイス605などに一体化することができる。いくつかの実施形態では、上記にて説明した1つ以上のコンポーネントの動作または側面を、他の1つ以上のコンポーネントに分散させることもできる。環境600の種々のシステムおよびデバイスについて、任意の適切な配置や一体化を行うことができる。
【0076】
なお、上述および後述の方法に関する説明では、図6に示すコンポーネント(サーバシステム615、ユーザデバイス605、またはそれらの中のコンポーネントなど)が様々な動作を実行するものして説明している場合がある。しかしながら、種々の実施形態において、上述した環境600の各種コンポーネントが、命令を実行したり、上述の動作を含む動作を実行したりする場合があることを理解されたい。デバイスが或る動作を実行する場合、そのデバイスに関連付けられたプロセッサ、アクチュエータなどが当該動作を実行するものとみなすことができる。さらに、種々の実施形態において、任意の適切なやり方で各種ステップの追加、省略、並べ替えを行うことができることも理解されたい。
【0077】
一般に、図1A図5に示すプロセスなどの、コンピュータで実装可能であると理解される本開示に記載の任意のプロセスまたは工程(operation)を、上述したように、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサ(例えば、図6に示す環境600のシステムまたはデバイスのいずれか)によって実行することができる。1つ以上のプロセッサにより実行される処理(プロセス)または処理ステップを、工程(operation)と呼ぶこともできる。1つ以上のプロセッサによって実行した場合に、当該1つ以上のプロセッサに処理を実行させる命令(例えば、ソフトウェアまたはコンピュータ可読コード)にアクセスすることによって、1つ以上のプロセッサがかかる処理を実行するように構成することができる。これらの命令は、コンピュータシステムのメモリに格納することができる。プロセッサは、中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)、または任意の適切な種類の処理装置とすることができる。
【0078】
コンピュータシステム(例えば、上記の例に示したプロセスまたは工程を実施するシステムまたはデバイス)は、1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、図6に示すシステムまたはデバイスのうちの1つ以上)を備えることができる。コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサは、1つのコンピューティングデバイスで備えることができるほか、複数のコンピューティングデバイスに分散させることもできる。また、コンピュータシステムのメモリは、複数のコンピューティングデバイスそれぞれのメモリを含むことができる。
【0079】
図7は、本開示の例示的な実施形態に係る、図1A図5に示す環境および/または方法を実行するためのデバイスとして構成することが可能なコンピュータ700の簡略機能ブロック図である。例えば、デバイス700は中央処理装置(CPU)720を備えることができる。CPU720は、任意の種類のプロセッサ装置とすることができ、例えば、任意の種類の専用または汎用のマイクロプロセッサ装置とすることができる。当業者であれば理解するであろうが、CPU720はまた、単独で動作するか、またはクラスタもしくはサーバファームとして動作する複数のコンピューティングデバイスのクラスタとして動作するマルチコア/マルチプロセッサシステムにおける1つのプロセッサとすることもできる。また、CPU720は、データ通信インフラ710(例えば、バス(BUS)、メッセージキュー、ネットワーク、またはマルチコアメッセージパッシングスキーム)に接続することができる。
【0080】
デバイス700はまた、メインメモリ740(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))を備えることができ、また補助メモリ730をさらに備えることもできる。補助メモリ730(例えば、読み取り専用メモリ(ROM))は、例えば、ハードディスクドライブまたはリムーバブルストレージドライブとすることができる。かかるリムーバブルストレージドライブは、例えば、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、またはフラッシュメモリなどで構成することができる。本例のリムーバブルストレージドライブは、周知のやり方でリムーバブルストレージユニットへの読み書きを行うものである。リムーバブルストレージユニットは、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスクなどで構成することができ、その読み書きをリムーバブルストレージドライブで行うことができる。当業者であれば理解するであろうが、一般に、かかるリムーバブルストレージユニットが、コンピュータソフトウェア、データ、またはその両方を格納したコンピュータ使用可能な記憶媒体を備えている。
【0081】
代替的な実施態様では、補助メモリ730は、コンピュータプログラムまたは他の命令をデバイス700にロード可能とする他の同様の手段を備えることもできる。このような手段の例としては、プログラムカートリッジとカートリッジインタフェース(例えば、ビデオゲームデバイスに見られるようもの)や、リムーバブルメモリチップとその対応ソケット(例えば、EPROMまたはPROM)などの、リムーバブルストレージユニットからデバイス700へのソフトウェアおよびデータの転送を可能とするリムーバブルストレージユニットとインタフェースの組み合わせが挙げられる。
【0082】
デバイス700は、通信インタフェース(communications interface:「COM」)760を備えることもできる。通信インタフェース760は、デバイス700と外部デバイスの間でのソフトウェアおよびデータの転送を可能にするものである。通信インタフェース760は、モデム、ネットワークインタフェース(例えば、イーサネットカード)、通信ポート、PCMCIAスロットとPCMCIAカードなどを含むことができる。通信インタフェース760を介して転送するソフトウェアおよびデータの形態は、電子信号、電磁信号、光信号などの、通信インタフェース760により受信可能な信号の形態とすることができる。これらの信号は、デバイス700の通信路を介して通信インタフェース760に供給することができる。かかる通信路は、例えば、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンクなどの通信チャネルを用いて実装することができる。
【0083】
かかる機器のハードウェア要素、オペレーティングシステム、およびプログラミング言語は、本質的に従来からあるものであるため、当業者であればこれらに十分に精通しているものと推定される。また、デバイス700は、キーボード、マウス、タッチパネル、モニター、ディスプレイなどの入出力デバイスと接続するための入出力ポート750を備えることができる。なお、当然ながら、処理負荷を分散させるため、各種サーバ機能を複数の同様のプラットフォームに分散して実装することもできる。また、これに代えて、1つのコンピュータハードウェアプラットフォームの適切なプログラミングにより、サーバを実装することもできる。
【0084】
本技術のプログラムとしての側面は、何らかの種類の機械可読媒体により担持または具現化される、実行可能なコードおよび/または関連データの形態を代表的な形態とする「製品(products)」または「製造物品(articles of manufacture)」であると考えることができる。「記憶(storage)」媒体の種類の媒体には、ソフトウェアプログラミング用の非一時的な記憶場所をいつでも提供することが可能な、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリまたはその関連モジュール(例えば、各種半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなど)のいずれかまたはすべてが含まれる。本ソフトウェアのすべてまたは一部は、インターネットなどの各種通信ネットワークを介して伝送することもできる。かかる通信により、例えば、或るコンピュータまたはプロセッサから他のコンピュータまたはプロセッサにソフトウェアをロードすることが可能となり、例えば、移動体通信ネットワークの管理サーバまたはホストコンピュータからサーバのコンピュータプラットフォームにソフトウェアをロードしたり、サーバからモバイルデバイスにソフトウェアをロードしたりすることが可能となる。したがって、ソフトウェア要素を搭載することができる他の種類の媒体として、光波、電波、電磁波(例えば、ローカルデバイス間の物理的インタフェース、有線および光固定回線ネットワーク、各種エアリンクで用いられる光波、電波、電磁波)を挙げることができる。また、かかる波を運ぶ物理的要素(例えば、有線または無線リンク、光リンクなど)も、ソフトウェアを搭載した媒体とみなすことができる。本明細書において、非一時的な有形の「記憶」媒体に限定している場合を除き、コンピュータ「可読媒体」やマシン「可読媒体」などの用語は、命令を実行させるためにプロセッサに対して命令を与えることに関与する任意の媒体を指す。
【0085】
本開示において特定の活動(activity)に言及している場合、かかる説明はあくまでも便宜上のものであり、本開示を限定することを意図するものではない。当業者であれば、開示しているデバイスおよび方法の根底にある概念を、これに適した任意の活動に利用できることを認識するであろう。また、本開示は、上記の説明および添付の図面を参照することにより理解することができるであろう。なお、添付の図面において、同様の要素には同一の参照数字を付して示す。
【0086】
上述の説明で使用している用語は、妥当な範囲内で最も広い意味で解釈することができ、たとえその用語を、本開示の特定の具体例を詳細に説明する際に用いていたとしてもそのように解釈することができる。実際には、一部の用語について、上述の説明の中でもこの点を強調している場合があるが、或る用語を限定的に解釈することが意図されている場合には、上述の『発明の詳細な説明』の項において、その用語をそのように定義することを明白かつ具体的に示している。概略的説明も詳細な説明も、本開示を例示的に説明するものに過ぎず、特許請求の範囲に記載された特徴を限定するものではない。
【0087】
本開示において、「~に基づいて(based on)」いるという表現は、「~に少なくとも一部基づいて(based at least in part on)」いることを意味している。「a」、「an」、および「the(その/前記)」で示す単数形は、文脈上複数形を含まないことが明らかである場合を除き、対応する複数形に対する言及も包含するものとする。また、「例示的(exemplary)」という言葉は、「理想的(ideal)」という意味ではなく「例としての(example)」という意味で用いている。「備える」「含む」「有する」(comprise、comprising、include、including)という用語またはこれらの他の変化形は、非限定的(non-exclusive)に含むという意味を意味範囲に含むことが意図されている。よって、プロセス、方法、または製品が、列挙された要素を「備える」(「含む」「有する」)場合、必ずしも列挙された要素のみを含むわけではなく、明示的には列挙されていない他の要素や、かかるプロセス、方法、物品、または装置に固有の要素も含むことができる。また、「または(or)」という用語は、選言的に用いられる用語であり、「AまたはBの少なくとも一方(at least one of A or B)」という表現は、(A)、(B)、(AおよびA)、(AおよびB)などを包含する。「実質的に(substantially)」や「一般的に(generally)」などの相対的な用語は、記載されている値または暗黙的に示されている値に±10%の変動があり得ることを示すために使用されている。
【0088】
本明細書において、「ユーザ(user)」などの用語は、1人以上のペットの飼い主(pet parent)を広く包含する用語である。また、「ペット(pet)」などの用語は、ユーザのペットを広く包含する用語であり、「ペット」という用語で複数のペットを包含することもできる。「供給業者(provider)」などの用語は、ペットケア事業を広く包含する用語である。
【0089】
本発明の例示的な実施形態に関する上述の説明において、本発明の種々の特徴を、1つの実施形態、1つの図、またはそれに対する説明にまとめて示している場合があるが、これは、本開示を効率的に行い、本発明の種々の態様の1つ以上の理解を助ける目的で行ったものであることを理解されたい。ただし、このような開示方法が、本願発明が、各請求項に明示的に記載している範囲を上回る特徴を必須としているという意図を反映したものであると解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲に示しているように、本発明に進歩性を与える特徴の数は、上記にて開示した1つの実施形態に示すすべての特徴に比べて少ない。したがって、この『発明の詳細な説明』の後に記載する特許請求の範囲は、『発明の詳細な説明』に明示的に組み込まれるものであり、特許請求の範囲に記載の各請求項は、それぞれ単独で本発明の一実施形態として成立するものである。
【0090】
さらに、本明細書に記載の実施形態の中には、他の実施形態に含まれる特徴のうち一部を含み、他の一部を含まないものもあるが、当業者であれば理解するように、互いに異なる実施形態に含まれる特徴の組み合わせも、本発明の範囲内にあり、かかる組み合わせにより様々に異なる実施形態が形成されることが意図されている。例えば、以下の特許請求の範囲において、請求項により規定される複数の実施形態のうち任意の実施形態を任意の組み合わせで使用することができる。
【0091】
したがって、特定の実施形態について説明してきたが、当業者であれば、特許請求の趣旨から逸脱しない範囲で、他にもさらに変更を加えることができること、さらにこのような変更および変形もすべて、本発明の範囲に含まれると主張する意図があることを認識するであろう。例えば、ブロック図に記載の機能の追加または削除、機能ブロック間での工程の入れ替えなどを行うことができる。また、本発明の範囲内で記載された方法に、ステップの追加または削除を行うこともできる。
【0092】
以上、本開示の主題について記載してきたが、これは例示的なものであり、限定を意図したものではないと考えるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲に含まれる変形例、拡張例などの実施態様をすべてその範囲に含むことが意図されている。従って、本開示の範囲は、法律で許容される最大限の範囲において、以下の特許請求の範囲およびその均等物を許容される最も広い意味で解釈することにより特定されるべきものであり、上述の発明の詳細な説明によって制限または限定されるべきものではない。以上、本開示の種々の実施態様について説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲内でさらに多くの実施態様が可能であることは明らかであろう。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物に基づく制限以外には制限を受けるものではない。
【符号の説明】
【0093】
600 環境
601 ネットワーク
605 ユーザデバイス
605A ユーザデバイスのディスプレイ/ユーザインタフェース
605B ユーザデバイスのプロセッサ
605C ユーザデバイスのメモリ
605D ユーザデバイスのネットワークインタフェース
610 外部システム
615 サーバシステム
615A データベース
615B サーバ
615C サーバシステムのディスプレイ/ユーザインタフェース
615D サーバシステムのプロセッサ
615E サーバシステムのメモリ
615F サーバシステムのネットワークインタフェース
700 デバイス(コンピュータ)
710 データ通信インフラ
720 中央処理装置
730 補助メモリ
740 メインメモリ
750 入出力ポート
760 通信インタフェース
図1A
図1B-1】
図1B-2】
図1C-1】
図1C-2】
図1D-1】
図1D-2】
図1E-1】
図1E-2】
図1F-1】
図1F-2】
図1G-1】
図1G-2】
図1H-1】
図1H-2】
図1I-1】
図1I-2】
図1J-1】
図1J-2】
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0092】
以上、本開示の主題について記載してきたが、これは例示的なものであり、限定を意図したものではないと考えるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲に含まれる変形例、拡張例などの実施態様をすべてその範囲に含むことが意図されている。従って、本開示の範囲は、法律で許容される最大限の範囲において、以下の特許請求の範囲およびその均等物を許容される最も広い意味で解釈することにより特定されるべきものであり、上述の発明の詳細な説明によって制限または限定されるべきものではない。以上、本開示の種々の実施態様について説明してきたが、当業者であれば、本開示の範囲内でさらに多くの実施態様が可能であることは明らかであろう。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物に基づく制限以外には制限を受けるものではない。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータで実装される方法であって、
1つ以上のプロセッサにより、データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップであって、前記複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録が、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含む、ステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて、予想分布を求めるステップであって、前記予想分布が、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、該上側閾値と該下側閾値は、前記ベースラインに対応するものである、ステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記食事イベント合計値が前記上側閾値または前記下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、
を含む方法。
実施形態2
前記ベースラインが、1つ以上の外れ値を含まない、前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて決定される、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態3
前記上側閾値と前記下側閾値は、前記ベースラインからの少なくとも1つの標準偏差に基づいて決定される、実施形態2に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態4
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態5
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態6
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記1つ以上のプロセッサにより、外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録と、前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録とを除外するステップと、
を含む、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態7
前記現在のペットデータが、ペット識別子と、対応する日付と、前記対応する日付においてコンパニオンペットが前記ペットセンサを装着していた時間比率を示すセンサ装着率とを含む、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態8
前記食事イベント合計値が、前記対応する日付に発生したすべての食事イベントの継続時間の総和を含む、実施形態7に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態9
前記食事イベント合計値が、秒数、分数、または時間数で測定される、実施形態8に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態10
前記通知が、摂食が平均を上回っている旨の通知、平均的な摂食である旨の通知、摂食が平均を下回っている旨の通知のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態11
前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットが、所定の時間範囲内の過去の食事イベント日付に関連付けられたペット摂食履歴データ記録を所定数含んでいる場合に、前記ベースラインが有効であると判定される、実施形態1に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態12
前記所定数のペット摂食履歴データ記録のそれぞれが、ベースラインセンサ装着閾値を満足ないし超過した過去のセンサ装着率とさらに関連付けられている、実施形態11に記載のコンピュータで実装される方法。
実施形態13
命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
前記命令を実行することにより動作を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、コンパニオンペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するためのコンピュータシステムであって、
前記動作が、
データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップであって、前記複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録が、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含むものである、ステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて、予想分布を求めるステップであって、前記予想分布が、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、該上側閾値と該下側閾値は、前記ベースラインに対応するものである、ステップと、
食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、
前記食事イベント合計値が前記上側閾値または前記下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、
前記分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、
を含む、コンピュータシステム。
実施形態14
前記ベースラインが、1つ以上の外れ値を含まない、前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて決定される、実施形態13に記載のコンピュータシステム。
実施形態15
前記上側閾値と前記下側閾値は、前記ベースラインからの少なくとも1つの標準偏差に基づいて決定される、実施形態14に記載のコンピュータシステム。
実施形態16
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、実施形態13に記載のコンピュータシステム。
実施形態17
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録を除外するステップと、
を含む、実施形態13に記載のコンピュータシステム。
実施形態18
前記複数のペット摂食履歴データ記録から前記サブセットを決定する前記ステップが、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、外れ値を示す1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録のうち、センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する1件以上のペット摂食履歴データ記録を特定するステップと、
外れ値を示す前記1件以上のペット摂食履歴データ記録と、前記センサ装着閾値を下回る過去のセンサ装着率をそれぞれ有する前記1件以上のペット摂食履歴データ記録とを除外するステップと、
を含む、実施形態13に記載のコンピュータシステム。
実施形態19
命令を収容した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、該命令をプロセッサによって実行した場合に、前記プロセッサに、コンパニオンペット摂食履歴データを利用してペットの摂食行動の変化を特定するための動作を実行させるものであり、
該動作が、
データベースから複数のペット摂食履歴データ記録を受信するステップであって、前記複数のペット摂食履歴データ記録に含まれる各記録が、過去の食事イベント値と、食事イベント日付を含むものである、ステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からサブセットを決定するステップと、
前記複数のペット摂食履歴データ記録からの前記サブセットに基づいて、予想分布を求めるステップであって、前記予想分布が、ベースラインと、上側閾値と、下側閾値とを含み、該上側閾値と該下側閾値は、前記ベースラインに対応するものである、ステップと、
食事イベント合計値を含む現在のペットデータをペットセンサから受信するステップと、
前記食事イベント合計値が前記上側閾値または前記下側閾値を超過しているか否かを分析するステップと、
前記分析に応じた結果を示す通知を出力するステップと、
を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
実施形態20
前記現在のペットデータが、ペット識別子と、対応する日付と、前記対応する日付においてコンパニオンペットが前記ペットセンサを装着していた時間比率を示すセンサ装着率とを含む、実施形態19に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】