特表 2024-545502 抽出飲料を調製するための機械および方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-12-09

(54)【発明の名称】抽出飲料を調製するための機械および方法

(51)【国際特許分類】

   A47J 31/44 20060101AFI20241202BHJP

   A47J 31/057 20060101ALI20241202BHJP

【ＦＩ】

A47J31/44 510

A47J31/057

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2024534002

(86)(22)【出願日】2022-11-15

(85)【翻訳文提出日】2024-06-27

(86)【国際出願番号】 EP2022081913

(87)【国際公開番号】W WO2023104444

(87)【国際公開日】2023-06-15

(31)【優先権主張番号】102021132206.5

(32)【優先日】2021-12-07

(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】517010507

【氏名又は名称】メリッタ シングル ポーションズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト

【氏名又は名称原語表記】Ｍｅｌｉｔｔａ Ｓｉｎｇｌｅ Ｐｏｒｔｉｏｎｓ ＧｍｂＨ ＆ Ｃｏ． ＫＧ

【住所又は居所原語表記】Ｍａｒｉｅｎｓｔｒａｓｓｅ ８８， Ｄ－３２４２５ Ｍｉｎｄｅｎ， Ｇｅｒｍａｎｙ

(74)【代理人】

【識別番号】100114890

【弁理士】

【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス＝ラインハルト

(74)【代理人】

【識別番号】100098501

【弁理士】

【氏名又は名称】森田 拓

(74)【代理人】

【識別番号】100116403

【弁理士】

【氏名又は名称】前川 純一

(74)【代理人】

【識別番号】100134315

【弁理士】

【氏名又は名称】永島 秀郎

(74)【代理人】

【識別番号】100162880

【弁理士】

【氏名又は名称】上島 類

(72)【発明者】

【氏名】ヤン パーンケ

(72)【発明者】

【氏名】クリストファー ツム ブルッフ

【テーマコード（参考）】

4B104

【Ｆターム（参考）】

4B104AA12

4B104AA20

4B104CA01

4B104CA06

4B104CA08

4B104DA09

4B104EA06

4B104EA09

4B104EA11

(57)【要約】

抽出飲料を調製するための機械（１）には、制御部を介して作動可能である、熱湯を生成するための装置と、抽出材料を有するポーションパッケージ（６，１６，２６）用の、熱湯用の給水部（２）の下に配置されたホルダ（４）と、近接センサ（１０）を含む識別ユニットと、が含まれており、近接センサ（１０）を介して、ポーションパッケージ（６，１６，２６）の第１形状と、第１形状から変化した、ポーションパッケージ（６，１６，２６）の第２形状とが非接触で検出可能である。本発明はさらに、抽出飲料を調製する方法に関する。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

抽出飲料を調製するための機械（１）であって、制御部を介して作動可能である、熱湯を生成するための装置と、抽出材料を有するポーションパッケージ（６，１６，２６）用の、前記熱湯用の給水部（２）の下に配置されたホルダ（４）と、識別ユニットと、を含む機械（１）において、
前記識別ユニットには近接センサ（１０）が含まれており、前記近接センサ（１０）を介して、前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の第１形状と、前記第１形状から変化した、前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の第２形状とが非接触で検出可能であることを特徴とする、機械（１）。

【請求項2】

前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の前記第１形状は、前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の閉鎖状態に対応することを特徴とする、請求項１記載の機械。

【請求項3】

前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の前記第２形状は、抽出過程の前の前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の開放状態に対応することを特徴とする、請求項１または２記載の機械。

【請求項4】

前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の第３形状は、前記抽出過程の後の前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の開放状態に対応することを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載の機械。

【請求項5】

前記近接センサ（１０）を用いて、前記抽出過程の前後のコーヒー粉末の体積変化を検出可能であることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか１項記載の機械。

【請求項6】

前記近接センサ（１０）には静電容量近接センサが含まれることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項記載の機械。

【請求項7】

前記近接センサ（１０）には光バリアが含まれることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか１項記載の機械。

【請求項8】

前記近接センサ（１０）は、超音波近接センサを有することを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載の機械。

【請求項9】

前記近接センサ（１０）は、前記機械の可動部分に取り付けられており、したがって様々な領域を検出可能であることを特徴とする、請求項１から８までのいずれか１項記載の機械。

【請求項10】

抽出飲料を調製する方法であって、次のステップ、すなわち、
抽出飲料を調製するための機械（１）のホルダ（４）に、抽出材料（７，１７）を有するポーションパッケージ（６，１６，２６）をはめ込むステップと、
前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）内の前記抽出材料（７，１７）に、給水部（２）を介して熱湯を注ぎ込んで、抽出飲料を調製するステップと、
を含む方法において、
前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の外形に応じて前記抽出飲料の前記調製を制御するために、近接センサ（１０）を介して前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の外形を検出するステップを含むことを特徴とする、方法。

【請求項11】

前記近接センサ（１０）を介して、前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の閉鎖形状と、前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の開放形状とを検出することを特徴とする、請求項１０記載の方法。

【請求項12】

前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の閉鎖形状が検出された場合にのみ、調製過程の開始時に前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）に熱湯を注ぎ込むことを特徴とする、請求項１１記載の方法。

【請求項13】

調製過程中、特定の時点までに閉鎖位置から開放位置への前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）の移行が検出される場合のみ、熱湯をさらに注ぎ込むことを特徴とする、請求項１２記載の方法。

【請求項14】

開放位置が検出されかつ抽出材料がまだ抽出されていない場合にのみ、抽出過程のための前記ポーションパッケージ（６，１６，２６）に熱湯を注ぎ込むことを特徴とする、請求項１１記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、抽出飲料を調製するための機械であって、制御部を介して作動可能である、熱湯を生成するための装置と、抽出材料を有するポーションパッケージのための、熱湯用の給水部の下に配置されたホルダと、識別ユニットと、を含む機械に関する。本発明はさらに、抽出飲料を調製する方法であって、次のステップ、すなわち、抽出飲料を調製するための機械のホルダに、抽出材料を有するポーションパッケージをはめ込むステップと、ポーションパッケージ内の抽出材料に、給水部を介して熱湯を注ぎ込んで、抽出飲料を調製するステップと、を含む方法に関する。

【背景技術】

【0002】

国際公開第２０１９／１４１８７１号は、フィルタ材料から成る容器から構成され、内部に抽出材料が配置されたポーションパッケージを開示している。このポーションパッケージは、抽出飲料を調製するための機械において自動で開放可能であり、次いでポーションパッケージ内の抽出材料に熱湯を供給することができる。このようなポーションパッケージについて知られているのは、識別ユニットを設け、これをもって、例えば、飲料調製の際に抽出量または抽出温度または別のパラメータを設定できるようにするために、特定のタイプのポーションパッケージを識別することである。このようなポーションパッケージを用いて抽出飲料を調製する際に不都合なのは、調製の際に、個々のステップの経過が不十分にしか検出されないことである。例えば、開放が不完全である場合、熱湯で抽出材料が完全に濡らされることなく、熱湯が流れ込んでしまうことがある。さらに、識別時のエラーによって望ましくないプログラム経過が生じてしまう可能性があり、このことにより、熱湯による負傷の危険性が高まってしまう可能性がある。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0003】

したがって、本発明の課題は、抽出飲料を作製する際の信頼性を高めた、抽出飲料を調製するための機械と方法とを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0004】

この課題は、請求項１の特徴を有する機械と、請求項１０の特徴を有する方法とによって解決される。

【0005】

本発明による機械では、識別ユニットに近接センサが含まれており、この近接センサを介して、ポーションパッケージの第１形状と、第１形状とは異なる、ポーションパッケージの第２形状とが検出可能であるので、ポーションパッケージの異なる形状を、機械を制御するために使用可能である。これにより、カプセルタイプの検出が可能になるだけでなく、抽出過程中の特定の状態に対応する、ポーションパッケージの外形の少なくとも１つの領域を非接触で検出することも可能になる。これにより、抽出過程をより正確に監視して、誤操作をより良好に阻止することができる。

【0006】

ここで、ポーションパッケージの第１形状および第２形状は、調製時の方法フロー中のポーションパッケージの特定の状態に対応しかつ近接センサを介して検出可能な外形に対応する。例えば、ポーションパッケージの第１形状は、実際の抽出過程前のポーションパッケージの閉鎖状態に対応していてよい。閉鎖されたポーションパッケージの形状は、例えば、開放されたポーションパッケージとは異なる。というのは、開放された位置において、１つまたは複数の閉鎖要素は、閉鎖位置から開放位置に移動しているからである。特に、ポーションパッケージの上面において、はめ込まれた位置では、開放過程時に開放位置に、例えば少なくとも９０°だけ旋回する、１つまたは複数の閉鎖要素、特にフラップが設けられていてよい。この旋回過程は好ましくは、閉鎖要素が十分に旋回されひいては開放されているか否かを識別することができるようにするために、近接センサを介して、少なくとも一部の領域において検出することができる。それゆえ、開放方向における閉鎖要素の不十分な旋回を検出することができる。

【0007】

好適には、ポーションパッケージの第３形状は、抽出過程後の開放状態に対応する。抽出過程では、抽出材料、特にコーヒーまたは茶葉に水が供給されるため、抽出材料は膨張し、抽出過程の前とは体積が異なる。この体積変化は、近接センサを介して検出可能であり、これにより、機械のホルダに配置されたポーションパッケージが既に使用されているか否かを検出することができる。

【0008】

近接センサとして、ポーションパッケージの外部の成形を非接触で検出できるようにする様々なセンサを使用することができる。例えば、近接センサとして、静電容量の変化を介して形状変化を検出する少なくとも１つの静電容量センサを使用することができる。選択的には、ポーションパッケージの周りに、複数の静電容量センサが分散されて配置されていてもよい。静電容量センサにより、例えば、閉鎖要素のフラップ状態または抽出材料の体積変化を検出することができる。代替的または付加的に、近接センサには、非接触で形状変化を検出することができる光バリアが含まれていてよい。付加的または代替的にはさらに、ポーションパッケージの形状変化を検出するために、超音波センサまたは別のセンサが使用されてよい。

【0009】

近接センサは好ましくは、本機械の可動部分、例えば熱湯用の可動の給水部に取り付けられている。これにより、この部分の移動によって、様々な領域の検出または監視を行うことができる。

【0010】

本発明による、抽出飲料を調製する方法では、ポーションパッケージの外形が、抽出飲料の調製を制御するための近接センサを介して検出され、この近接センサは、ポーションパッケージの外形に応じて構成可能である。近接センサを介して、必要に応じて飲料調製時のプログラムフローに影響を及ぼす、抽出過程中のポーションパッケージの様々な状態を検出することができる。したがって、固定のプログラミングが可能ではない場合であっても、システム全体を同期させることができ、これにより、手動ステップを含めることを可能にするか、または時間的な最適化を可能にすることができる。というのは、まさに無条件に必要な長さ分だけ常に待機すればよいからである。

【0011】

好適には、熱湯を供給する際に、ポーションパッケージが調製過程のために十分に開放されていることを保証するために、近接センサを介して、ポーションパッケージの閉鎖形状および開放形状を検出する。次いで、調製過程の開始時における、制御部を介する、ポーションパッケージへの熱湯の注ぎ込みは、ポーションパッケージの閉鎖形状が検出された場合にのみ許可することができる。熱湯を加えることによって、例えば、膨張過程により、またはこの場合に旋回される閉鎖要素のアンロックにより、ポーションパッケージを開放位置に移行させることができる。調製過程中、特定の時点までに、閉鎖位置から開放位置へのポーションパッケージの移行が検出される場合のみ、制御部によって熱湯をさらに注ぎ込むことができる。

【0012】

開放位置が検出されかつ抽出材料がまだ抽出されていない場合にのみ、抽出過程のためのポーションパッケージに熱湯を注ぎ込むことができる。このことは選択的に、開放されたポーションパッケージが、調製後に、より小さなまたはより大きな体積および／または別の形状、例えばクレータ形状を有するか否かによって検出可能である。また、これにより、例えば、既に抽出されたポーションパッケージがホルダに配置されている場合、熱湯の供給を阻止することもできる。

【0013】

以下では、添付の図面を参照して、複数の実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1A】調製過程の際の、抽出飲料を調製するための機械を示す概略図である。

【図1B】調製過程の際の、抽出飲料を調製するための機械を示す別の概略図である。

【図1C】調製過程の際の、抽出飲料を調製するための機械を示すさらに別の概略図である。

【図1D】調製過程の際の、抽出飲料を調製するための機械を示すさらに別の概略図である。

【図1E】変更された１つの変形形態における、図１Ａ～図１Ｄの機械を示す図である。

【図1F】変更された１つの変形形態における、図１Ａ～図１Ｄの機械を示す別の図である。

【図2A】ポーションパッケージの外形の、変更された検出を示す図である。

【図2B】ポーションパッケージの外形の、変更された検出を示す別の図である。

【図2C】ポーションパッケージの外形の、変更された検出を示すさらに別の図である。

【図3A】別のポーションパッケージの外形を検出するための概略図である。

【図3B】別のポーションパッケージの外形を検出するための別の概略図である。

【図4】抽出過程のためのフローチャートを示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

略示した、抽出飲料を調製するための機械１には、熱湯用の供給部２が含まれており、供給部２は、水を圧送しかつ加熱するための装置であって、制御装置を介して作動させることができる装置に接続されている。熱湯用の供給部２には排出部３が設けられており、排出部３は、ポーションパッケージ６を挿入するための収容部を有するホルダ４の上に配置されている。それゆえ、排出部３から、内部に抽出材料７、特にコーヒーまたは茶葉が配置されているポーションパッケージ６の上面８に熱湯９が流れることができる。ホルダ４には、抽出した飲料を容器に受け止めて集めることができるように、排出通路５が設けられている。

【0016】

ポーションパッケージ６は、上面８において複数の閉鎖要素を介して閉鎖されており、閉鎖状態でホルダ４にはめ込むことができる。ポーションパッケージは、独国特許出願第１０２０１８１０１３３７号明細書に開示されるように構成されてよく、ここではこの明細書を参照する。特に、熱湯９を加えることを介して、例えば、閉鎖手段が水で濡れて溶解し、かつ／または、熱湯が折畳み縁部に供給され、次いでこの折り畳み縁部が膨張過程に起因して閉鎖手段を旋回させて閉鎖手段を開放することにより、ポーションパッケージ６を自動的に開放することができる。

【0017】

ホルダ４に隣接して近接センサ１０が設けられており、近接センサ１０は、ポーションパッケージ６およびホルダ４の外側輪郭を非接触で検出する。近接センサ１０は、例えば、略示した電磁場１１を評価する静電容量センサとして構成されていてよい。

【0018】

供給部２を介してポーションパッケージ６に熱湯が供給されると、これにより、図１Ｂに示すように、フラップの形状の閉鎖要素を自動的に旋回させることができる。これにより、ポーションパッケージ６が開放され、抽出材料７には上からアプローチすることができる。この開放過程は、近接センサ１０を介して検出可能である。なぜならば、少なくとも１つの閉鎖要素が電磁場１１の領域に移動し、これにより、閉鎖状態（図１Ａ）と開放位置（図１Ｂ）とを区別できるようにするための検出が可能になるからである。近接センサ１０には、ポーションパッケージ６の開放状態を表示する表示部１２が設けられていてよく、センサは、抽出飲料を調製するための機械用の制御部にこの情報を転送することができる。

【0019】

ポーションパッケージ６を開放させることができた後、供給部２および排出部３を介して抽出材料７に熱湯９を供給し、次いで排出通路５を介して抽出飲料を容器に集めることにより、抽出飲料を調製することができる。

【0020】

図１Ｃには、抽出過程後のポーションパッケージ６が示されている。ポーションパッケージ６は、開放位置にある。というのは、閉鎖要素が上に向かって旋回されて配置されているからである。さらに、水で濡れていることによって膨張過程が生じているため、抽出材料７’は体積が増大しており、したがって、抽出材料７’は、抽出過程前の体積よりも体積が大きい。この体積変化は近接センサ１０を介して検出可能であるため、表示部１２は、ポーションパッケージ６が開放位置にあり、さらに抽出過程が既に行われたことを示すことができる。これは、例えば熱湯の供給を阻止するために、制御部に転送可能である。

【0021】

図１Ｄには、ポーションパッケージ６のない、抽出飲料を調製するための機械１が示されており、ここでは、ポーションパッケージ６用の収容部１３がホルダ４に形成されていることが見て取れる。この位置では、近接センサ１０を介して、収容部１３にポーションパッケージ６が配置されていないことを検出することができる。

【0022】

図１Ｅおよび図１Ｆには、前の実施例と比べて変更された実施が示されており、ここでは近接センサ１０は、熱湯用の供給部２に保持されている。ここでは、供給部２は駆動部を介して移動可能であるため、ポーションパッケージ６の上面の異なる領域の上に熱湯を供給することができる。これに対応して、近接センサ１０は、供給部の移動を介して、様々な領域を検出することもできる。図１Ｅでは、開放位置におけるポーションパッケージ６が示されている。というのは、閉鎖要素が上に向かって旋回して配置されているからである。ポーションパッケージ６内の抽出材料７’は、抽出過程前の体積よりも大きな体積を有している。この体積変化は近接センサ１０を介して検出され、このことは表示部１２上に視覚化される。

【0023】

図１Ｆには、ポーションパッケージ６のない空のホルダ４が示されている。近接センサ１０は、収容部１３内にポーションパッケージ６がないことを上から検出することができる。ポーションパッケージ６の上方に近接センサ１０を配置することにより、ポーションパッケージ６の開放時に、好ましくは周りを取り巻くように配置された全ての閉鎖要素の開放をより良好に監視することができる。

【0024】

さらに、抽出過程後には、ホルダ４のまさに上の位置から供給部２を取り除くことができるため、ポーションパッケージ６を有する収容部１３に上からアクセスすることができ、ポーションパッケージ６をより容易に取り出し、また挿入することができる。

【0025】

図２Ａには、皿形に構成されている、変更されたポーションパッケージ１６が示されており、このポーションパッケージ１６は特に、上面１８が閉鎖されている円錐台状の容器を備えている。ポーションパッケージ１６内には抽出材料１７が位置している。図２Ａによると、閉鎖されたポーションパッケージ１６は、上面１８に隣接して配置された近接センサ１０を介して検出可能である。ポーションパッケージ１６が、例えば、機械的な影響により、または熱湯を加えることにより、または別の開放手法によって開放されると、図２Ｂに示すように、上面１８は形状が変化する。この形状変化は近接センサ１０を介して検出可能であり、それゆえ、本機械の制御部は、ポーションパッケージ１６が開放状態にあるという信号を受け取ることができる。図２Ｃには、ポーションパッケージ１６が完全開放状態で示されており、この開放状態は近接センサによって識別される。付加的には、抽出過程後に、近接センサ１０を介して抽出材料１７の体積増大を確認して本機械の制御部に転送する別の測定が選択的に行われてもよい。ポーションパッケージ１６の上面１８における閉鎖要素は、薄紙から形成されていてもよいし、フィルム、例えば水溶性フィルムから形成されていてもよい。上面１８は、切断もしくは破壊されてもよいし、または他の仕方で開放されてもよい。上面１８のカバーはこの際、完全に、例えば蓋を介して形成されていてもよいし、または一部が、例えば幅の狭い帯封止を介して形成されていてもよい。

【0026】

図３Ａおよび図３Ｂには、抽出材料が少なくとも部分的に満たされており、かつ図３Ａに示した圧縮位置と、図３Ｂに示した伸張位置との間で形状を変化させることができる、ポーションパッケージ２６の別の実施形態が示されている。例えば、調製過程のために、ポーションパッケージ２６，２６’を押し潰すかまたは拡げることができる。外側の幾何学形状のこの変化は、前に説明したように、近接センサ１０を介して検出可能である。

【0027】

図４には、抽出飲料を調製するための機械の抽出過程についてのフローチャートが示されている。第１ステップ３０では、機械を作動させて、ホルダ４にポーションパッケージ６を挿入することができる。引き続いて測定３１を行い、特に、抽出過程の後の時点に比較値が得られるようにするために、はめ込んだポーションパッケージの状態を記憶することができる。測定３１の後、次に抽出ステップ３３、例えばポーションパッケージの開放を行い、これにより、ポーションパッケージの形状が変化する。このステップは、本機械によって自動的に行われてもよいし、またはユーザによって手動で行われてもよい。次のステップ３４では、別の測定を行い、ポーションパッケージが最初の測定３１時と別の形状を有するか否かを検査する。別の形状を有していない場合、制御部は測定を繰り返すことができ、または開放過程さえも繰り返すことができる。ポーションパッケージの形状が変化しており、またポーションパッケージが開放位置にあることが確認されると、ステップ３５では、供給部２を介して熱湯を注ぎ込んで、抽出過程を開始することができる。

【0028】

近接センサ１０として、ポーションパッケージ６，１６または２６の形状変化を非接触で検出することができる様々なセンサを使用することができる。対応する情報を制御部に提供する、同じタイプの複数のセンサ、または異なるタイプの複数のセンサを使用することも可能である。

【符号の説明】

【0029】

１ 機械
２ 供給部
３ 排出部
４ ホルダ
５ 排出通路
６ ポーションパッケージ
７，７’ 抽出材料
８ 上面
９ 熱湯
１０ 近接センサ
１１ 電磁場
１２ 表示部
１３ 収容部
１６ ポーションパッケージ
１７ 抽出材料
１８ 上面
２６，２６’ ポーションパッケージ
３０ 第１ステップ
３１ 測定
３３ 抽出ステップ
３４ ステップ
３５ ステップ

【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図1F】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図3A】

【図3B】

【図4】

【国際調査報告】