IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニアの特許一覧 ▶ タイラー アール.クライツの特許一覧 ▶ ネルソン スーフーの特許一覧 ▶ ジョナサン ビー.ホプキンスの特許一覧 ▶ ブランドン ピーターソンの特許一覧

特表2024-545505整形外科的関節置換術および移植されたプロテーゼのためのコンプライアントメカニズム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-09
(54)【発明の名称】整形外科的関節置換術および移植されたプロテーゼのためのコンプライアントメカニズム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/30 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
A61F2/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534502
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 US2022081221
(87)【国際公開番号】W WO2023108094
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/287,375
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(71)【出願人】
【識別番号】524217779
【氏名又は名称】タイラー アール.クライツ
(71)【出願人】
【識別番号】524217780
【氏名又は名称】ネルソン スーフー
(71)【出願人】
【識別番号】524217791
【氏名又は名称】ジョナサン ビー.ホプキンス
(71)【出願人】
【識別番号】524217805
【氏名又は名称】ブランドン ピーターソン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】タイラー アール.クライツ
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン スーフー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン ビー.ホプキンス
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー アップフィル-ブラウン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA03
4C097BB01
4C097CC16
4C097SC10
(57)【要約】
開示されている発明は、内側表面と外側表面を有する第1の関節部材と、内側表面と外側表面を有する第2の関節部材と、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第1の関節部材の内側表面に連結され、第2の端部が第2の関節部材の内側表面に連結されている屈曲要素と、を有する整形外科用デバイスにおいて、第1および第2の関節部材が、第1の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている整形外科用デバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側表面と外側表面を有する第1の関節部材と;
内側表面と外側表面を有する第2の関節部材と;
第f1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、前記第1の端部が前記第1の関節部材の前記内側表面に連結され、前記第2の端部が前記第2の関節部材の前記内側表面に連結されている屈曲要素と;
を含む整形外科用デバイスにおいて、
前記第1および第2の関節部材が、第1の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている整形外科用デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの屈曲要素が少なくとも第1の屈曲要素と第2の屈曲要素を含む、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの屈曲要素が少なくとも第1の屈曲要素、第2の屈曲要素および第3の屈曲要素を含む、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項4】
前記第1および第3の屈曲要素が、前記第1および第2の関節部材の前記内側表面の間で互いとの関係において同じ角度で配向されている、
請求項3に記載の整形外科用デバイス。
【請求項5】
前記第2の屈曲要素が、前記第1および第3の屈曲要素の間に位置付けされており、前記第2の屈曲要素が、前記第1および第2の関節部材の前記内側表面の間で前記第1および第3の屈曲要素との関係において異なる角度で配向されている、請求項4に記載の整形外科用デバイス。
【請求項6】
前記第1の関節部材が、頂部領域、底部領域および前記頂部領域と前記底部領域の間の中央領域をその長さに沿って含み;
前記第2の関節部材が、頂部領域、底部領域および前記頂部領域と前記底部領域の間の中央領域をその長さに沿って含み;
前記第1の屈曲要素が、その第1の端部で前記第1の関節部材の前記底部領域の前記内側表面に連結され、その第2の端部で前記第2の関節部材の前記頂部領域の前記内側表面に連結されており;
前記第2の屈曲要素が、その第1の端部で前記第1の関節部材の前記中央領域の前記内側表面に連結され、その第2の端部で前記第2の関節部材の前記中央領域の前記内側表面に連結されており;かつ
前記第3の屈曲要素が、その第1の端部で前記第1の関節部材の前記底部領域の前記内側表面に連結され、その第2の端部で前記第2の関節部材の前記頂部領域の前記内側表面に連結されている、
請求項5に記載の整形外科用デバイス。
【請求項7】
前記第1の関節部材の前記外側表面から延在する第1の組織アンカー、および前記第2の関節部材の前記外側表面から延在する第2の組織アンカーをさらに含む、請求項6に記載の整形外科用デバイス。
【請求項8】
前記第1および第2の組織アンカーが各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている、請求項7に記載の整形外科用デバイス。
【請求項9】
前記第1および第2の関節部材が各々、前記頂部領域、中央領域および底部領域を含むその長さに沿って湾曲を有する、請求項6に記載の整形外科用デバイス。
【請求項10】
前記第1および第2の関節部材は、前記第2の関節部材の前記頂部領域が前記第1の関節部材の前記底部領域と重複するような形で互いとの関係において配向されている、請求項9に記載の整形外科用デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの屈曲要素は、前記第1の関節部材が前記第1の自由度内で前記第2の関節部材との関係において移動した時点で変形するように構成されている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項12】
前記第1の自由度が並進自由度である請求項1から11のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの屈曲要素が複数の屈曲要素を含む、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項14】
前記複数の屈曲要素が、前記第1および第2の関節部材の前記内側表面の間で互いとの関係において同じ角度で配向されている、請求項13に記載の整形外科用デバイス。
【請求項15】
前記複数の屈曲要素が、前記第1および第2の関節部材を通過する中央軸を中心として半径方向に等距離で位置付けされている、請求項14に記載の整形外科用デバイス。
【請求項16】
前記第1の関節部材がリングを形成することになるような、前記第1の関節部材内の中央開口部と;
第2の関節部材の内側表面に固定されているかまたはこれと近接する第1の端部および、前記第1の関節部材が支柱の周りを回転可能となるような、前記第1の関節部材の前記開口部を通って延在する第2の端部を有する中央支柱と;
をさらに含む、請求項15に記載の整形外科用デバイス。
【請求項17】
少なくとも前記第1の関節部材、前記第2の関節部材および前記複数の屈曲要素を取り囲むハウジングをさらに含み、前記第1の関節部材が前記ハウジングに固定されている、請求項16に記載の整形外科用デバイス。
【請求項18】
前記中央支柱の前記第2の端部に連結された第1の組織アンカーおよび、前記第2の関節部材の前記外側表面に連結された第2の組織アンカーをさらに含む、請求項16に記載の整形外科用デバイス。
【請求項19】
前記中央支柱の前記第2の端部に連結された第1の組織アンカーおよび、前記ハウジングに連結された第2の組織アンカーをさらに含む、請求項17に記載の整形外科用デバイス。
【請求項20】
前記ハウジングがさらに少なくとも1つの陥凹を含み;
前記第2の関節部材がさらに、前記第2の関節部材の前記外側表面から延在し前記ハウジングの前記少なくとも1つの陥凹内に位置付けされた少なくとも1つのタブを含み;
前記少なくとも1つの陥凹は、前記第2の関節部材が第1の関節部材との関係において回転させられた時点で前記少なくとも1つの陥凹内の前記少なくとも1つのタブの範囲制限移動を可能にするようにサイズ決定されている、
請求項17に記載の整形外科用デバイス。
【請求項21】
前記複数の屈曲要素は、前記第1の関節部材が、前記第2の関節部材との関係において前記第1の自由度内で移動した時点で変形するように構成されている、請求項13から20のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項22】
前記第1の自由度が回転自由度である、請求項13から21のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項23】
前記第2の関節部材との関係における前記第1の関節部材の移動を前記第1の自由度に限定するように構成された少なくとも1つの範囲制限要素をさらに含む、請求項1から22のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項24】
前記第1の関節部材との関係における前記第2の関節部材の移動を前記第1の自由度内に限定するように構成少なくとも1つの範囲制限要素をさらに含む、請求項1から22のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項25】
前記第1および第2の関節部材に連結された少なくとも1つのばねをさらに含み、前記ばねは、前記第1および第2の関節部材が互いとの関係において移動した時点で変形するように構成されている、請求項1から22のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項26】
前記少なくとも1つのばねが第1のばねと第2のばねを含み、前記第1のばねは、前記整形外科用デバイスに対して復元トルクを提供するように構成されており、第2のばねは、前記整形外科用デバイスに対してエネルギを貯蔵して戻すように構成されている、請求項25に記載の整形外科用デバイス。
【請求項27】
内側表面と外側表面を有する第3の関節部材と;
内側表面と外側表面を有する第4の関節部材と;
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、前記第1の端部が前記第3の関節部材の前記内側表面に連結され、前記第2の端部が前記第4の関節部材の前記内側表面に連結されている屈曲要素と;
をさらに含み、
前記第3および第4の関節部材が、前記第1及び第2の関節部材の間の前記第1の移動自由度とは異なる第2の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されており;かつ
前記第3の関節部材の前記外側表面が前記第2の関節部材の前記外側表面に連結されている、
請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項28】
前記第1および第2の自由度が各々並進自由度である、請求項27に記載の整形外科用デバイス。
【請求項29】
前記第1の自由度が、並進自由度であり、前記第2の自由度が回転自由度である、請求項27に記載の整形外科用デバイス。
【請求項30】
前記第1および第2の自由度が各々回転自由度である、請求項27に記載の整形外科用デバイス。
【請求項31】
前記第1の関節部材の前記外側表面に連結された第1の組織アンカー、および前記第4の関節部材の前記外側表面に連結された第2の組織アンカーをさらに含む、請求項27から30のいずれか1項に記載の整形外科用デバイス。
【請求項32】
前記第1および第2の組織アンカーが各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている、請求項31に記載の整形外科用デバイス。
【請求項33】
内側表面と外側表面を有する第3の関節部材と;
内側表面と外側表面を有する第4の関節部材と;
内側表面と外側表面を有する第5の関節部材と;
内側表面と外側表面を有する第6の関節部材と;
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、前記第1の端部が前記第3の関節部材の前記内側表面に連結され、前記第2の端部が前記第4の関節部材の前記内側表面に連結されている屈曲要素と;
第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、前記第1の端部が前記第5の関節部材の前記内側表面に連結され、前記第2の端部が前記第6の関節部材の前記内側表面に連結されている屈曲要素と;
をさらに含み、
前記第2の関節部材の前記内側表面が前記第3の関節部材の前記外側表面に連結されており、
前記第4の関節部材の前記外側表面が前記第5の関節部材の前記内側表面に連結されており、
前記第3および第4の関節部材は、前記第1および第2の関節部材の間の前記第1の移動自由度とは異なる第2の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されており;かつ
前記第5および第6の関節部材は、前記第3および第4の関節部材の間の前記第2の移動自由度とは異なる第3の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている、
請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項34】
前記第1の自由度が並進自由度であり、前記第2の自由度が回転自由度であり、前記第3の自由度が並進自由度である、請求項33に記載の整形外科用デバイス。
【請求項35】
前記第1の自由度が回転自由度であり、前記第2の自由度が並進自由度であり、前記第3の自由度が回転自由度である、請求項33に記載の整形外科用デバイス。
【請求項36】
前記第1、第2および第3の自由度が各々並進自由度である、請求項33に記載の整形外科用デバイス。
【請求項37】
前記第1、第2および第3の自由度が各々回転自由度である、請求項33に記載の整形外科用デバイス。
【請求項38】
前記第1の関節部材の前記外側表面から延在する第1の組織アンカー、および前記第6の関節部材の前記外側表面から延在する第2の組織アンカーをさらに含む、請求項33に記載の整形外科用デバイス。
【請求項39】
前記第1および第2の組織アンカーが各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている、請求項38に記載の整形外科用デバイス。
【請求項40】
コンプライアントで移植可能なプロテーゼを設計する方法において:
解剖学的制約およびインプラントについて所望される自由度のコンプライアンスを識別するべく対象に対する筋神経骨格(NMS)モデリングを行なうステップと;
自由と制約トポロジ(FACT)を使用することによって、前記所望されるコンプライアンス空間を生み出すのに必要とされるメカニズム幾何形状の概略近似を生成するステップと;
歩行中に遭遇するものを代表する負荷の下でインプラントの準静的力学モデルから、汎用メカニズムのパラメータ化された有限要素モデル(FEM)を創出するステップと;
前記インプラントの形状を調整することによって、メカニズム幾何形状を精緻化するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に組込まれている2021年12月8日出願の米国仮特許出願第63/287,375号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
従来の整形外科的関節置換術は、損傷を受けた関節の関節面置換を構成する。従来のインプラントは、関節が移動するにつれて互いを横断して連接する明確に異なる人工関節表面で構成されていることから、関節安定性は、再建物を取り囲む骨の構造および天然の靭帯に左右され、このことが、補正可能な変形の量を制限している。連接する表面は同様に、溶骨型応答および無菌性弛緩を引き起こす合成微粒子を生成し、これが、全ての関節置換にとっての一次故障モードである。回転ヒンジプロテーゼも同様に、連接する負荷表面に対するそれらの依存性に起因して微粒子を生成し、したがって同様に無菌性弛緩を介した最終的故障にさらされる。さらに、回転ヒンジプロテーゼは、過剰制約を受けており、これはすなわち単一の回転DOF以外の全ての方向において過度の剛性を示すことを意味する。従来の関節置換は同様に、インプラントを取り囲む天然骨とのロバストな統合によっても左右され、これは内在する疾病の結果として損なわれることが多く、沈下およびインプラントの故障がもたらされる。
【0003】
生体組織のコンプライアンスは、人間の運動を調節する上で不可欠な役割を果たす。機械的コンプライアンスは、外部撹乱に対する身体の応答を決定付け、欠陥に対応し、衝撃を減衰させ、機械的エネルギを貯蔵して戻すことを可能にする。このコンプライアンスは、骨が互いとの関係においてどのように移動するかを支配する関節において特に重要である。生来の関節のコンプライアンスの破壊は、運動の生体力学を劇的に改変し、四肢の機能および生活の質に破壊的影響を及ぼす。いくつかの事例では、これらの破壊は、傷害または疾病の結果として発生する。例えば、関節リウマチは、関節を過剰に堅くし、激しい疼痛をひき起こし、移動するのに必要とされ筋力を増大させる。換言すると、いくつかの結合組織の障害、例えばエーラー・ダンロス症候群は、組織を過度に柔軟にし、これによって関節は不安定になり、反復性脱臼をもたらす。疾病または傷害に加えて、より重症の骨および関節の病変を補正するために時として使用される再建処置の副作用として、生物学的コンプライアンスに対する破壊が発生することが多い(図1A図1B図1C)。例えば、既存のシステムにおいては、関節全置換術(図1A)および制約型体内プロテーゼ(図1B)で使用されるチタン構造は、それらが置換する海綿状の海綿骨よりもはるかに剛性が高い。このコンプライアンス欠如は、微粒子が駆動する溶骨(骨吸収)および無菌性弛緩(図2)を導き得る生体力学的欠陥に対応する関節の能力を削減する。極端な事例では、より良い選択肢が欠如しているために生物学的コンプライアンスの破壊が必要になる。例えば、技術的現状のインプラントが不充分なものであるかまたはすでに失敗している事例における最後の救済措置手技として、関節固定術(関節の癒合)が続行されることが多い。関節固定術には、骨が共に癒合するように骨を機械的に固定することが関与し、実際上、罹患した関節内の全てのコンプライアンスが除去される。脚に広範な癒合を有する患者は、基本的歩行においてさえ重大な制限に直面し、走ることも運動活動に参加することもできず、隣接する非癒合関節内で関節炎を発生させる確率がより高くなる。これらの再建手技は、極端な事例を救済することを意図したものである。しかしながら、これらの手技は、生きて身体に付いた(生存可能な)四肢を患者に残すことができるものの、基本的可動性さえ支えることができない(非機能的)。上肢の癒合を有する患者は、腕を位置付けすることまたは手で把持することを必要とする機能的タスクにおいて重大な制限に直面する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、当該技術分野においては、関節の機能を回復させ、高レベルの活動を可能にし、かつ不要な四肢喪失を防止する治療選択肢に対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの態様において、本発明は、内側表面と外側表面を有する第1の関節部材と;内側表面と外側表面を有する第2の関節部材と;第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第1の関節部材の内側表面に連結され、第2の端部が第2の関節部材の内側表面に連結されている屈曲要素と;を(有する)整形外科用デバイスにおいて、
第1および第2の関節部材が、第1の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている整形外科用デバイスに関する。
【0006】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は少なくとも第1の屈曲要素と第2の屈曲要素を有する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は少なくとも第1の屈曲要素、第2の屈曲要素および第3の屈曲要素を有する。いくつかの実施形態において、第1および第3の屈曲要素は、第1および第2の関節部材の内側表面の間で互いとの関係において同じ角度で配向されている。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素は、第1および第3の屈曲要素の間に位置付けされており、第2の屈曲要素が、第1および第2の関節部材の内側表面の間で第1および第3の屈曲要素との関係において異なる角度で配向されている。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1の関節部材は、頂部領域、底部領域および頂部領域と底部領域の間の中央領域をその長さに沿って有し、第2の関節部材は、頂部領域、底部領域および頂部領域と底部領域の間の中央領域をその長さに沿って有し、第1の屈曲要素は、その第1の端部で第1の関節部材の底部領域の内側表面に連結され、その第2の端部で第2の関節部材の頂部領域の内側表面に連結されており、第2の屈曲要素は、その第1の端部で第1の関節部材の中央領域の内側表面に連結され、その第2の端部で第2の関節部材の中央領域の内側表面に連結されており、かつ第3の屈曲要素は、その第1の端部で第1の関節部材の底部領域の内側表面に連結され、その第2の端部で第2の関節部材の頂部領域の内側表面に連結されている。
【0008】
いくつかの実施形態において、デバイスは、第1の関節部材の外側表面から延在する第1の組織アンカー、および第2の関節部材の外側表面から延在する第2の組織アンカーをさらに有する。いくつかの実施形態において、第1および第2の組織アンカーは各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材は各々、頂部領域、中央領域および底部領域を含むその長さに沿って湾曲を有する。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材は、第2の関節部材の頂部領域が第1の関節部材の底部領域と重複するような形で互いとの関係において配向されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は、第1の関節部材が第1の自由度内で第2の関節部材との関係において移動した時点で変形するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の自由度は並進自由度である。
【0010】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は複数の屈曲要素を有する。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素は、第1および第2の関節部材の内側表面の間で互いとの関係において同じ角度で配向されている。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素は、第1および第2の関節部材を通過する中央軸を中心として半径方向に等距離で位置付けされている。
【0011】
いくつかの実施形態において、デバイスは、第1の関節部材がリングを形成することになるような、第1の関節部材内の中央開口部と、第2の関節部材の内側表面に固定されているかまたはこれに近接する第1の端部および、第1の関節部材が支柱の周りを回転可能となるような、第1の関節部材の開口部を通って延在する第2の端部を有する中央支柱と、をさらに有する。いくつかの実施形態において、デバイスは、少なくとも第1の関節部材、第2の関節部材および複数の屈曲要素を取り囲むハウジングをさらに有し、、1の関節部材はハウジングに固定されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、デバイスは中央支柱の第2の端部に連結された第1の組織アンカーおよび、第2の関節部材の外側表面に連結された第2の組織アンカーをさらに有する。いくつかの実施形態において、デバイスは中央支柱の第2の端部に連結された第1の組織アンカーおよび、ハウジングに連結された第2の組織アンカーをさらに有する。いくつかの実施形態において、ハウジングはさらに少なくとも1つの陥凹を有し、第2の関節部材はさらに、第2の関節部材の外側表面から延在しハウジングの少なくとも1つの陥凹内に位置付けされた少なくとも1つのタブを有し、少なくとも1つの陥凹は、第2の関節部材が第1の関節部材との関係において回転させられた時点で少なくとも1つの陥凹内の少なくとも1つのタブの範囲制限移動を可能にするようにサイズ決定されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素は、第1の関節部材が第2の関節部材との関係において、第1の自由度内で移動した時点で変形するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の自由度は回転自由度である。いくつかの実施形態において、デバイスは、第2の関節部材との関係における第1の関節部材の移動を第1の自由度内に限定するように構成された少なくとも1つの範囲制限要素をさらに有する。いくつかの実施形態において、デバイスは、第1の関節部材との関係における第2の関節部材の移動を第1の自由度内に限定するように構成少なくとも1つの範囲制限要素をさら有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、デバイスは、第1および第2の関節部材に連結された少なくとも1つのばねをさらに有し、ばねは、第1および第2の関節部材が互いとの関係において移動した時点で変形するように構成されている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのばねは第1のばねと第2のばねを有し、第1のばねは、整形外科用デバイスに対して復元トルクを提供するように構成されており、第2のばねは、整形外科用デバイスに対してエネルギを貯蔵して戻すように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態において、デバイスは、内側表面と外側表面を有する第3の関節部材と;内側表面と外側表面を有する第4の関節部材と;第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第3の関節部材の内側表面に連結され、第2の端部が第4の関節部材の内側表面に連結されている屈曲要素と;をさらに有し、第3および第4の関節部材は、第1及び第2の関節部材の間の第1の移動自由度とは異なる第2の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されており;かつ第3の関節部材の外側表面は第2の関節部材の外側表面に連結されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1および第2の自由度は各々並進自由度である。いくつかの実施形態において、第1の自由度は、並進自由度であり、第2の自由度は回転自由度である。いくつかの実施形態において、第1および第2の自由度は各々回転自由度である。いくつかの実施形態において、デバイスは、第1の関節部材の外側表面に連結された第1の組織アンカー、および第4の関節部材の外側表面に連結された第2の組織アンカーをさら有する。いくつかの実施形態において、第1および第2の組織アンカーは各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、デバイスは、内側表面と外側表面を有する第3の関節部材と、内側表面と外側表面を有する第4の関節部材と、内側表面と外側表面を有する第5の関節部材と、内側表面と外側表面を有する第6の関節部材と、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第3の関節部材の内側表面に連結され、第2の端部が第4の関節部材の内側表面に連結されている屈曲要素と、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第5の関節部材の内側表面に連結され、第2の端部が第6の関節部材の内側表面に連結されている屈曲要素と、をさらに有し、第2の関節部材の内側表面は第3の関節部材の外側表面に連結されており、第4の関節部材の外側表面が第5の関節部材の内側表面に連結されており、第3および第4の関節部材は、第1および第2の関節部材の間の第1の移動自由度とは異なる第2の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されており;かつ第5および第6の関節部材は、第3および第4の関節部材の間の第2の移動自由度とは異なる第3の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1の自由度は並進自由度であり、第2の自由度は回転自由度であり、第3の自由度が並進自由度である。いくつかの実施形態において、第1の自由度は回転自由度であり、第2の自由度は並進自由度であり、第3の自由度は回転自由度である。いくつかの実施形態において、第1、第2および第3の自由度は各々並進自由度である。第1、第2および第3の自由度は各々回転自由度である。
【0019】
いくつかの実施形態において、デバイスは、第1の関節部材の外側表面から延在する第1の組織アンカー、および第6の関節部材の外側表面から延在する第2の組織アンカーをさらに有する。いくつかの実施形態において、第1および第2の組織アンカーは各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている。
【0020】
いくつかの態様において、本発明は、コンプライアントで移植可能なプロテーゼを設計する方法において:解剖学的制約およびインプラントについて所望される自由度のコンプライアンスを識別するべく対象に対する筋神経骨格(NMS)モデリングを行なうステップと、自由と制約トポロジ(FACT)を使用することによって、所望されるコンプライアンス空間を生み出すのに必要とされるメカニズム幾何形状の概略近似を生成するステップと、歩行中に遭遇する負荷に代表される負荷の下でインプラントの準静的力学モデルから、汎用メカニズムのパラメータ化された有限要素モデル(FEM)を創出するステップと、インプラントの形状を調整することによって、メカニズム幾何形状を精緻化するステップとを有する方法に関する。
【0021】
本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読んだ場合、より良く理解されるものである。しかしながら、本発明は、図面に示されている実施形態の精確な配設および器具に限定されないということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A-1C】図1A図1Cは肢の病変のための現行の治療を描いている。図1Aは、安定性のために靭帯に依存し、摺擦/摺動摩耗を受けやすい関節置換を描いている。図1Bは、本質的に安定しており、摺擦/摺動摩耗および過剰制約を受けやすい拘束型体内プロテーゼを描いている。図1Cは、安定して生存能力があるものの非機能的である癒合療法を描いている。これらの治療選択肢は全て、不自然な肢のコンプライアンスを生み出す。
図2図2は、回転ヒンジ全膝プロテーゼを描いている。
図3A図3A図3Bは、本発明の例示的インプラントデバイスの1自由度実装を描いている。図3Aは、本発明の例示的無変形インプラントデバイスを描いている。
図3B図3Bは、本発明の例示的変形インプラントデバイスを描いている。
図3C図3C図3Lは、本発明のインプラントデバイスのためのコンプライアントメカニズムのさまざまな実施形態を描いている。図3Cは、本発明のインプラントデバイスのためのコンプライアントメカニズムの側面図を描いている。
図3D図3Dは、本発明のインプラントデバイスのためのコンプライアントメカニズムの斜視図を描いている。
図3E図3Eは、本発明のインプラントデバイスのための例示的3ピースコンプライアントメカニズムの側面図を描いている。
図3F図3Fは、本発明のインプラントデバイスのための例示的3ピースコンプライアントメカニズムの斜視図を描いている。
図3G図3Gは、本発明のインプラントデバイスのための例示的3ピースコンプライアントメカニズムの展開斜視図を描いている。
図3H-3I】図3Hは、本発明のインプラントデバイスのための例示的無変形コンプライアントメカニズムの足首負荷検証用有限要素解析を描いている。図3Iは、本発明のインプラントデバイスのための例示的変形コンプライアントメカニズムの足首負荷検証用有限要素解析を描いている。
図3J-3K】図3Jは、本発明のインプラントデバイスのためのコンプライアントメカニズムの斜視図を描いている。図3Kは、本発明のインプラントデバイスのためのコンプライアントメカニズムの側面図を描いている。
図3L図3Lは、本発明のインプラントデバイスのための例示的変形コンプライアントメカニズムの足首負荷検証用有限要素解析を描いている。
図4A-4F】図4A~4Fは、足首関節に適用された本発明の例示的インプラントデバイスを描いている。図4Aは、足首関節に適用された本発明の例示的無変形インプラントデバイスの側面図を描いている。図4Bは、足首関節に適用された本発明の例示的無変形インプラントデバイスの斜視図を描いている。図4Cは、足首関節に適用された本発明の例示的無変形インプラントデバイスの斜視図を描いている。図4Dは、足首関節の周辺組織を保護するためのカバーを伴う本発明の例示的無変形インプラントデバイスの斜視図を描いている。図4Eは、足首関節に適用された本発明の例示的無変形インプラントデバイスの斜視図を描いている。図4Fは、足首関節に適用された本発明の例示的無変形インプラントデバイスの側面図を描いている。
図5A図5A図5Dは、本発明の例示的インプラントデバイスを描いている。図5Aは、本発明の例示的無変形インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図5B図5Bは、本発明の例示的無変形インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図5C図5Cは、本発明の例示的無変形インプラントデバイスの側面図を描いている。
図5D図5Dは、本発明の例示的インプラントデバイスのISO規格足首負荷の有限要素解析を描いている。
図6A-6B】図6A図6Bは、本発明の例示的なモジュール式インプラントデバイスを描いている。図6Aは、足首関節に適用された本発明の例示的なモジュール式インプラントデバイスの展開斜視図を描いている。図6Bは、足首関節に適用された本発明の組立て済みの例示的モジュール式インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図7図7は、本発明の例示的インプラントデバイスのISO規格の足首負荷の有限要素解析を描いている。
図8A-8B】図8A図8Bは、本発明の例示的インプラントデバイスを描いている。図8Aは、足首および距骨下関節に適用された本発明の例示的な2自由度のインプラントデバイスを描いている。図8Bは、負荷の下で変形する足首および距骨下関節に対して適用された本発明の例示的な2自由度のインプラントデバイスを描いている。
図9図9は、本発明の例示的な2自由度のインプラントデバイスの斜視図を描いている。
図10A-10D】図10A図10Dは、足首および距骨下関節に適用された本発明の例示的な2自由度のインプラントデバイスを描いている。図10Aは、本発明の例示的無変形デバイスの側方図を描いている。図10Bは、本発明の例示的無変形デバイスの前面図を描いている。図10Cは、本発明の例示的無変形デバイスの後面図を描いている。図10Dは、本発明の例示的無変形デバイスの内側図を描いている。
図11A-11D】図11A図11Dは、足首および距骨下関節に適用された本発明の例示的な2自由度のインプラントデバイスを描いている。図11Aは、本発明の例示的変形デバイスの側方図を描いている(背屈)。図11Bは、本発明の例示的変形デバイスの前面図を描いている(外反)。図11Cは、本発明の例示的変形デバイスの後面図を描いている(内反)。図11Dは、本発明の例示的変形デバイスの内側図を描いている(足底屈)。
図12図12は、中庸な圧縮負荷および高い可動域のために設計された本発明の例示的な1自由度のインプラントデバイスを描いている。
図13図13は、エネルギ貯蔵能力を増大させるために本発明のインプラントデバイスと並行して使用可能である例示的コイルばねを描いている。
図14A-14D】図14A図14Dは、インプラントアーキテクチャの例示的な2自由度の実装を描いている。図14Aは、交差軸ピボットアーキテクチャを描いている。図14Bは、ケーブル懸架式アーキテクチャを描いている。図14Cは、平行板ばねおよび交差軸ピボットアーキテクチャを描いている。図14Dは、交差軸ピボットアーキテクチャを描いている。
図15A図15Aは、本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図である。
図15B図15Bは、本発明の例示的インプラントデバイスの回転負荷の有限要素解析を描いている。
図15C図15Cは、本発明の例示的インプラントデバイスの回転負荷の有限要素解析を描いている。
図16図16は、本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図である。
図17A図17Aは、本発明の例示的インプラントデバイスの展開斜視図および切断図を描いている。
図17B図17Bは、本発明の例示的インプラントデバイスのための例示的コンプライアントメカニズムの切断図および斜視図を描いている。
図17C図17Cは、本発明の例示的インプラントデバイスの切断図および斜視図を描いている。
図17D図17Dは、本発明の例示的インプラントデバイスの例示的コンプライアントメカニズムの切断図および斜視図を描いている。
図17E図17Eは、本発明の例示的インプラントデバイスの俯瞰図を描いている。
図18A図18Aは、本発明の例示的インプラントデバイスの展開側面図を描いている。
図18B図18Bは、本発明の例示的インプラントデバイスの回転負荷の有限要素解析を描いている。
図19A-19D】図19A図19Dは、本発明の例示的インプラントデバイスを描いている。図19Aは、本発明の例示的インプラントデバイスの側面図を描いている。図19Bは、本発明の例示的インプラントデバイスの底面斜視図を描いている。図19Cは、本発明の例示的インプラントデバイスの上面斜視図を描いている。図19Dは、本発明の例示的インプラントデバイスの底面斜視図を描いている。
図19E-19H】図19E図19Hは、本発明の例示的インプラントデバイスを描いている。図19Eは、本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図を描いている。図19Fは、本発明の例示的インプラントデバイスの断面の斜視図を描いている。図19Gは、本発明の例示的インプラントデバイスの断面の側面図を描いている。図19Hは、外側シェルの無い本発明の例示的インプラントデバイスの斜視切断図を描いている。
図20A図20A図20Hは、本発明の例示的な2自由度のインプラントデバイスを描いている。図20Aは、本発明の例示的インプラントデバイスの側面図を描いている。
図20B図20Bは、本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図20C図20Cは、本発明の例示的インプラントデバイスの側方図を描いている。
図20D図20Dは、本発明の例示的インプラントデバイスの前面図を描いている。
図20E図20Eは、本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図20F図20Fは、本発明の例示的インプラントデバイスの側方図を描いている。
図20G図20Gは、本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図20H図20Hは、本発明の例示的インプラントデバイスの後面図を描いている。
図21A図21A図21Dは、本発明の例示的インプラントデバイスの負荷の有限要素解析を描いている。図21Aは、本発明の例示的無変形インプラントデバイスの負荷の有限要素解析を描いている。
図21B図21Bは、本発明の例示的インプラントデバイスの負荷の有限要素解析を描いている。
図21C図21Cは、本発明の例示的変形インプラントデバイスの負荷の有限要素解析を描いている。
図21D図21Dは、本発明の例示的変形インプラントデバイスの負荷の有限要素解析を描いている。
図22A図22A図22Gは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスを描いている。図22Aは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図22B図22Bは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの側方図を描いている。
図22C図22Cは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図22D図22Dは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの側面切断図を描いている。
図22E図22Eは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの斜視切断図を描いている。
図22F図22Fは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの俯瞰図を描いている。
図22G図22Gは、本発明の例示的な3自由度インプラントデバイスの側面図を描いている。
図23A図23A図23Lは、動物モデルのための本発明の例示的インプラントデバイスを描いている。図23Aは、動物モデルのための本発明の例示的インプラントデバイスの展開斜視図を描いている。
図23B図23Bは、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの側面図を描いている。
図23C図23Cは、関節の周辺組織を保護するためのカバーを伴う、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの側面図を描いている。
図23D図23Dは、カバー無しの動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの側面図を描いている。
図23E図23Eは、関節の周辺組織を保護するためのカバーを伴う、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの拡大側面図を描いている。
図23F図23Fは、カバー無しの動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの拡大側面図を描いている。
図23G図23Gは、カバー無しの動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図23H図23Hは、関節の周辺組織を保護するためのカバーを伴う、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの斜視図を描いている。
図23I図23Iは、カバー無しの動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの拡大斜視図を描いている。
図23J図23Jは、関節の周辺組織を保護するためのカバーを伴う、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの拡大斜視図を描いている。
図23K図23Kは、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの拡大斜視図を描いている。
図23L図23Lは、動物モデル用の本発明の例示的インプラントデバイスの拡大側面図を描いている。
図24図24は、外部外骨格を伴う使用中の本発明の例示的デバイスの概略図を描いている。
図25図25は、肢の復元のためのコンプライアントインプラントの設計を容易にするための例示的方法を描いた流れ図である。
図26A図26A図26Bは、本発明の少なくとも1つのアンカーまたはロッドの移植用の例示的ドリルガイドを描いている。図26Aは、踵骨ドリルガイドを示している。
図26B図26Bは、中足部のドリルガイドを示している。
図27A-27F】図27A図27Fは、本発明の例示的インプラントデバイスの予備モデリングおよび実験研究を描いている。図27Aは、足首-後足部インプラン設計を描いている。図27Bは、ISO規格の足首負荷の有限要素解析を描いている。図27Cは、予備メカニズムのベンチトップ評価を描いている。図27Dは、予備メカニズムのベンチトップ評価を描いている。図27Eは、予備メカニズムのベンチトップ評価を描いている。図27Fは、潜在的遠位固定部位を査定するための死体解剖を描いている。
図28図28は、本発明の例示的インプラントデバイスの死体解剖および設置を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の図および明細書は、明確さを期して整形外科用関節置換および移植型プロテーゼの分野において見られる多くの他の要素を削除しながら、本発明の明確な理解に関連する要素を例示する目的で簡略化されている、ということを理解すべきである。当業者であれば、本発明を実装する上で他の要素および/またはステップが望ましいかつ/または求められることを認識するかもしれない。しかしながら、このような要素およびステップは、当該技術分野において周知であることそしてそれらが本発明のより良い理解を促すものではないことを理由として、このような要素およびステップの論述は、本明細書中で提供されない。本明細書中の開示は、当業者にとって公知であるこのような要素および方法に対する全てのこのような変形形態および修正に向けられている。
【0024】
定義
別段の定義付けがなされているのでないかぎり、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が関連する技術分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本明細書中で説明されているものと類似のまたは等価のあらゆる方法および材料を、本発明の試験の実践において使用することができるものの、本明細書中では、例示的な材料および方法が説明されている。本発明の説明および請求においては、以下の用語が使用されるものとする。
【0025】
同様に、本発明で使用される用語は単に特定の実施形態を記述する目的のためのものであり、限定的となるよう意図されたものではないということも理解すべきである。
【0026】
本明細書においては、冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法的目的語の1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)を意味するために使用される。一例として、「an element」とは1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0027】
量、時間的長さなどの測定可能な値に言及するときに本明細書中で使用される「約(about)」は、規定された値から±20%、±10%、±5%、±1%または±0.1%の変動が適切であることから、このような変動を包含するように意図されている。
【0028】
「患者(patients)」、「対象(subject)」、「個体(individual)」などの用語は、本明細書において互換的に使用され、本明細書中に記載のシステム、デバイスおよび方法に適しているあらゆる動物を意味する。患者、対象または個体は、哺乳動物であってよく、いくつかの事例においてはヒトであってよい。
【0029】
範囲(range):本開示全体を通して、本発明のさまざまな態様を、範囲の書式で提示することができる。範囲書式での記述は、単に便宜性そして簡潔性のためのものにすぎず、本発明の範囲に対する融通性の無い制限とみなされるべきではないということを理解すべきである。したがって、範囲の記述は、その範囲内の可能な部分範囲ならびに個別の数値を全て具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記述は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびに例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3および6などの、その範囲内の個別の数を具体的に開示したものとみなされるべきである。このことは、範囲の広さに関わりなくあてはまる。
【0030】
本明細書中で使用される「~に連結された(connected to)」なる用語は、直接的接触によって連結されているか、または1つ以上の中間構成要素を介して機械的に連結されていることを意味してよい。
【0031】
整形外科用関節置換術用インプラントおよび移植型プロテーゼ
本発明は、一部には、1つ以上のコンプライアントメカニズムを含む整形外科用インプラントを提供する。本明細書中で企図されているように、コンプライアントメカニズムは、可撓性構造の屈曲および/または弾性体変形を通して動きを伝達する、本明細書中で屈曲要素としても記述されている可撓性構造を利用する。いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、剛体関節単独からではなくむしろ構造部材の相対的可撓性から、その動きを達成する。いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、いくつかの方向で動き(線形および回転の両方)を可能にし、かつ他の方向では機能的に剛性であるように設計可能である。いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、単一の部品、または共に連結された多くの部品で構成され得る。例えば、コンプライアントメカニズムは、少なくとも1つの可撓性構造を含んでいてよい。しかしながら、コンプライアントメカニズムには任意の数の可撓性構造が含まれていてよいということを認識すべきである。例えば、コンプライアントメカニズムには、少なくとも2つの可撓性構造、少なくとも3つの可撓性構造、少なくとも4つの可撓性構造、少なくとも5つの可撓性構造、少なくとも6つの可撓性構造、少なくとも7つの可撓性構造、少なくとも8つの可撓性構造、少なくとも9つの可撓性構造、少なくとも10の可撓性構造、少なくとも20の可撓性構造、少なくとも50の可撓性構造、または少なくとも100の可撓性構造が含まれていてよい。いくつかの実施形態において、本発明の整形外科用インプラントデバイスは、生体関節機能を置換または増強するように構成されている。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、1つ以上の工学的自由度での可撓性移動(並進(例えば線形)および回転の両方)を可能にし、残りの全ての自由度での剛性を可能にするように構成されている。この構成は、寿命および関節の安定性の増大を可能にし得る。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、四肢のコンプライアンスを再設計するように構成されている。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、病理学的コンプライアンスを補正するように構成されている。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、痛みを緩和する。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、切断手術を防止するように構成されている。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、生来の生物学的コンプライアンスを模倣または増大させ、これにより、関節の機能を回復させ痛みを消失させる。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、負荷の下で変形して所望される動きを生み出す可撓性要素で構成されている。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、軸受およびリンク機構の機械的複雑性無く動きを精確に誘導する。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、本質的に摩擦が無いかまたは無視できる程度の摩擦しか発生させず、したがって、無視できる程度の摩耗しか生成しない。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、固有の安定性を有し、このことは、関節を不安定にすることなく易感染性の骨を切除することを可能にするため、重要である。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、エネルギを貯え、復元トルクを生成して、プロテーゼとして機能する移植型デバイスに対し扉を開き、失なわれた肢節または装具の機能を回復させ、無傷の生体四肢内の機能を増強または補正する。このメカニズムは、歩行を支えるのに必要な代償筋機能を低下させることによって、局所的筋病理に恩恵をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、周期的歩行負荷に耐えるように構成されている。
【0032】
ここで図3A図3Bを参照すると、交差軸屈曲ピボットを有する例示的インプラントデバイスが示されている。いくつかの実施形態において、デバイス100は第1の関節部材102、第2の関節部材104、少なくとも1つの屈曲要素(例えば第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108)、近位アンカー118および遠位アンカー120を含む。
【0033】
いくつかの態様において、本発明は、内側表面と外側表面を有する第1の関節部材102と、内側表面と外側表面を有する第2の関節部材104と、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第1の関節部材102の内側表面に連結され、第2の端部が第1の関節部材104の内側表面に連結されている屈曲要素と、を含む整形外科用デバイスにおいて、第1および第2の関節部材が、第1の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている整形外科用デバイス100に関する。
【0034】
いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、第1の関節部材102および第2の関節部材104が回転中心の周りを滑らかに回転できるようにするために、円形または丸味の付いた外側幾何形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102は、第2の関節部材104よりも大きい内径を有する。いくつかの実施形態において、この構成は、少なくとも1つの屈曲要素(例えば第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107、第3の屈曲要素108)に過剰な応力をかけることがないと思われる範囲に動きを制限するためのハードストッパを有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、およそ0.05~10mmの範囲の任意の厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、関節に応じて、およそ0.5~20cmの範囲内の任意の幅または直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104の厚み、幅および/または直径は、可動域、負荷担持能力、剛性、回転中心軌道などを非限定的に含む全体的挙動を変更するように修正してよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、その長さに沿って変動する厚み、幅および/または直径を有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、その長さに沿って均一の厚み、幅および/または直径を有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および/または第2の関節部材104は、関節圧縮において特定の剛性を提供するため、実質的にC字形になっている。
【0035】
いくつかの実施形態において、デバイス100はさらに、デバイス100が過度の応力または過度の伸長を受けないように、動きを限定するように構成された少なくとも1つの範囲制限要素103を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの範囲制限要素103は、第2の関節部材104の長さに沿って隆起したまたは伸長した部分を含み、こうして、第1の関節部材102の前縁102aなどの可動要素のさらなる移動を遮断するように構成されたハードストッパを形成する。ハードストッパは、当業者にとっては公知の任意の形状を有していてよい。例えば、範囲制限要素103は、可動要素のそれぞれの平担な表面または面が可動域の端部で押圧する1つ以上の平担な表面または面を有していてよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの範囲制限要素103は、可動要素のそれぞれのフックまたはオーバーハングが可動域の終りで捕捉する1つ以上のフックまたはオーバーハングを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの範囲制限要素103は、ばねまたはコンプライアントメカニズムなどの1つ以上の線形または非線形補剛屈曲要素を含み、ここでこの屈曲要素は、範囲の終端において、例えば全体的または部分的圧縮および/または張力が限定されている可動域を含む。他の実施形態において、範囲制限要素は、対応する開口部または陥凹の内部に嵌合するタブまたは他の延在部分を含んでいてよく、こうして、タブまたは他の延在部分が開口部または陥凹の壁と接触した時点で、移動が限定されるようになっている。
【0036】
第1の関節部材102および第2の関節部材104は、交差軸ピボット屈曲を形成するように構成されており、ここで第1の関節部材102および第2の関節部材104は、それぞれ、その移動が同じ平面に沿っていて、1つの自由度を可能にするような形で配向されている。第1の関節部材102は、頂部領域110、中央領域111、および底部領域112を含む。頂部領域110は、近位アンカー118に連結され、第2の関節部材104との関係において同じ平面内を移動するように構成されている。第2の関節部材104は、頂部領域114、中央領域115および底部領域116を含む。底部領域116は、遠位アンカー120に連結され、第1の関節部材102との関係において同じ平面内を移動するように構成されている。デバイス100は、第2の関節部材104の底部領域116が第1の関節部材102の底部領域112内で入れ子になるように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102の頂部領域110は、第2の関節部材104の頂部領域114に重ね合わさっている。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102は、第2の関節部材104の内部で回転する。
【0037】
本明細書においては、他のハードストッパまたは範囲制限要素が企図されている。いくつかの実施形態においては、平面外負荷(例えば遠位アンカー120上のページ内への力)からメカニズム上への過大な応力を防ぐために底部領域116の側面に対し押圧するように第2の関節部材104を設計することができる。いくつかの実施形態においては、頂部領域110と頂部領域114の間にハードストッパを設置して、大きな圧縮負荷の間、部分同士が干渉し、屈曲要素への過剰な引張応力を防止することができると思われる。このようなハードストッパは、インプラントの残りの部分とは異なる材料、例えば超高分子量ポリエチレンを含んでいてよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、第1の関節部材102は、頂部領域110、底部領域112および頂部領域と底部領域の間の中央領域111をその長さに沿って含み、第2の関節部材104は、頂部領域114、底部領域116および頂部領域と底部領域の間の中央領域115をその長さに沿って含み、第1の屈曲要素106は、その第1の端部で第1の関節部材102の底部領域の内側表面に連結され、その第2の端部で第2の関節部材104の頂部領域の内側表面に連結されており、第2の屈曲要素107は、その第1の端部で第1の関節部材102の中央領域の内側表面に連結され、その第2の端部で第2の関節部材104の中央領域の内側表面に連結されており、かつ第3の屈曲要素108は、その第1の端部で第1の関節部材102の底部領域の内側表面に連結され、その第2の端部で第2の関節部材104の頂部領域の内側表面に連結されている。
【0039】
いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、各々、頂部領域、中央領域および底部領域を含むその長さに沿って湾曲を有する。いくつかの実施形態において、第1関節部材102および第2の関節部材104は、第2の関節部材104の頂部領域が第1の関節部材102の底部領域と重複するような形で互いとの関係において配向されている。
【0040】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つ屈曲要素は、第1の関節部材に連結された屈曲要素の第1の端部、および第2の関節部材に連結された屈曲要素の第2の端部を含む。いくつかの実施形態において、デバイス100は、任意の数の屈曲要素を有していてよく、ここで、各々の屈曲要素は、第1および第2の関節部材間の連結を形成する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つ屈曲要素は、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108を含み、ここで各屈曲要素106、107および108は、第1の関節部材に連結されたそれぞれの第1の端部および第2の関節部材に連結されたそれぞれの第2の端部を有する。例えば、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、第1の関節部材102の底部領域112を第2の関節部材104の頂部領域114に連結する。いくつかの実施形態において、第1および第2の屈曲要素106および108の連結点は、図3Eに示されているように、第1および第2の関節部材102および104の前縁にあってよい。第2の屈曲要素107は、第1の関節部材102を第2の関節部材104に、それらのそれぞれの円弧長に沿った点において連結する。第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、同じ構造および角度的配向を有していてよく、第2の屈曲要素107は、第1の屈曲要素106と第3の屈曲要素108の間に配置され、第1および第2の屈曲要素106および108とは異なる角度で位置付けされている。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は、第1の関節部材102および/または第2の関節部材104と一つのユニットとして形成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は、第1の関節部材102および/または第2の関節部材104とは別個に形成され、後に第1の関節部材102および/または第2の関節部材104に連結される。
【0041】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は、第1の関節部材102が第1の自由度内で第2の関節部材104との関係において移動した時点で変形するように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の自由度は並進自由度である。いくつかの実施形態において、第1の自由度は回転自由度である。
【0042】
いくつかの実施形態において、デバイス100はさらに、第1の関節部材102の外側表面から延在する第1の組織アンカー(例えば近位アンカー118)、および第2の関節部材104の外側表面から延在する第2の組織アンカー(例えば遠位アンカー120)をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1および第2の組織アンカーは各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている。
【0043】
図3C図3D図3Jおよび図3Kは、図3Aおよび3Bに示されているものに類似するコンプライアントメカニズムのクローズアップを例示しており、説明を平易なものにするため同じ付番がなされた部品を使用する。いくつかの実施形態において、デバイス100は、幅130および厚み132を有する第1の関節部材102および第2の関節部材104を含む。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、およそ0.05~10mmの範囲内の任意の厚み132を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、関節に応じておよそ0.5~20cmの範囲内の任意の幅130または直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104の幅、厚みおよび直径は、置換対象の関節のタイプに応じて、可動域、負荷担持能力、剛性、回転の中心軌道などを非限定的に含む全体的挙動を変更するために修正されてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、その長さに沿って、可変的な幅、厚みおよび/または直径を有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材102および第2の関節部材104は、その長さに沿って、均一の幅、厚みおよび/または直径を有する。
【0044】
本明細書中に記載の通り、1つ以上の屈曲要素は、同様にブレードとも呼ばれる。いくつかの実施形態において、デバイス100は、少なくとも1つの屈曲要素またはブレードを含み、ここで要素またはブレードは厚み138、幅140、長さ142、相対角度144、関節部材角度145、隅肉長146および隅肉幅141を有する。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、同じ厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、第2の屈曲要素107に比べて厚みが大きくてよい。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素107は、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108に比べて厚みが大きくてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、およそ0.005~50mmの範囲内の任意の厚み138を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、その長さに沿って変動する厚みを有していてよい。例えば、ブレードには、その長さに沿って隅肉またはより厚みの大きい領域146が含まれていてよく、こうしてブレードは、第1または第2の関節部材102または104に対する連結点で、増大した厚み138を有するようになっている。このような実施形態において、ブレードは、その長さのより薄い中央領域147を利用して、屈曲中に所望の変形を促進する。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、同じ幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、第2の屈曲要素107に比べて幅広であってよい。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素107は、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108に比べて幅広であってよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、その長さに沿って変動する幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、およそ0.1~10cmの範囲内の任意の幅140を有していてよい。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素107は、およそ0.1~10cmの範囲内の任意の幅140を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、同じ長さを有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、第2の屈曲要素107に比べて長くてよい。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素107は、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108に比べて長くてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108は、およそ0.2~20cmの範囲内の任意の長さ142を有していてよい。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素107は、およそ0.2~20cmの範囲内の任意の長さ142を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108の厚み138、幅140、および長さ142は、可動域、負荷担持能力、剛性、回転中心軌道などを非限定的に含む全体的挙動を変更するために修正されてよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108の厚み138、幅140および長さ142は、屈曲要素の少なくとも1つの領域において変動してよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、いずれか2つの屈曲要素は、互いとの関係において任意の角度144の配向を有していてよい。例えば、角度144は、0°~180°、0°~90°、0°~60°、0°~45°、0°~30°、0°~15°、または0°~10°であってよい。いくつかの実施形態において、角度144は、180°以下、170°以下、160°以下、150°以下、140°以下、130°以下、120°以下、110°以下、100°以下、90°以下、80°以下、70°以下、60°以下、50°以下、40°以下、30°以下、20°以下、10°以下、5°以下、1°以下または約0°であってよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、第1および第3の屈曲要素は、第1の関節部材102と第2の関節部材104の内側表面の間で互いとの関係において同じ関節部材角度145で配向されている。いくつかの実施形態において、第2の屈曲要素107は、第1の屈曲要素106と第3の屈曲要素108の間に位置付けされ、ここで第2の屈曲要素107は、第1の関節部材102および第2の関節部材104の内側表面の間で第1の屈曲要素106および第3の屈曲要素108との関係において異なる角度で配向されている。
【0047】
いくつかの実施形態において、いずれの屈曲要素も、いずれの関節部材との関係においても任意の関節部材角度145を有していてよい。例えば、角度145は、0°~180°、0°~90°、0°~60°、0°~45°、0°~30°、0°~15°、または0°~10°であってよい。いくつかの実施形態において、角度144は、180°以下、170°以下、160°以下、150°以下、140°以下、130°以下、120°以下、110°以下、100°以下、90°以下、80°以下、70°以下、60°以下、50°以下、40°以下、30°以下、20°以下、10°以下、5°以下、1°以下または約0°であってよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、屈曲要素は、およそ0.1~50mmの範囲内の任意の隅肉長146を有する少なくとも1つの隅肉を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、およそ0.1~50mmの範囲内の任意の隅肉幅141を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、およそ0.1~50mmの範囲内の任意の隅肉厚み138を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、およそ0.1mm~10cmの範囲内の任意の隅肉半径を有していてよい。
【0049】
本発明の態様は、本発明のインプラントデバイスのマルチピースアセンブリを伴うコンプライアントメカニズムに関する。図3E図3Gは、図3Aおよび図3Bに示されているものに類似するコンプライアントメカニズムのクローズアップを例示し、説明を平易なものにするため、同じ付番がなされた部品を使用する。図3Eおよび図3Fに示されているのは、組立てられたコンプライアントメカニズムである。図3Gに示されているのは、コンプライアントメカニズムの展開分解図である。いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、少なくとも1つの主要構成要素を含む。例えば、いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、第1の構成要素101、第2の構成要素103および第3の構成要素105を含む。いくつかの実施形態において、第1の構成要素101は、第1の屈曲要素106によって連結された第1の関節部材102aおよび第2の関節部材104aを含む。いくつかの実施形態において、第2の構成要素103は、第2の屈曲要素107によって連結された第1の関節部材102bおよび第2の関節部材104bを含む。いくつかの実施形態において、第3の構成要素105は、第3の屈曲要素108によって連結された第1の関節部材102cおよび第2の関節部材104cを含む。いくつかの実施形態において、第1の構成要素101、第2の構成要素103および第3の構成要素105は、組立てられた場合に構成要素の摩擦嵌合を可能にする噛合表面を有する。いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、例えば非限定的にスロット、溝、孔、チャネル、ノッチ、舌状部、ピン、ペグ、シャンク、くさび、ブレードおよび/またはスタブなどの摩擦嵌合で構成要素を共にしっかり固定するための特徴部を有する。例えば、いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、ペグ150および孔152を有し、こうして複数のペグが複数の孔と噛合して、構成要素を共にしっかりと固定するようになっている。ペグ150および孔152は、第1の関節部材102(102a、102b、102c)および第2の関節部材104(104a、104b、104C)を含む構成要素が、固定的に取付けられるものの、なお少なくとも1つの屈曲要素が曲がるのを可能にするように構成されていてよい。いくつかの実施形態において、ペグ150および/または孔152の形状は、丸形、方形、楕円形、多角形および当業者にとって公知の他の任意の形状である。いくつかの実施形態において、第1関節部材102および第2の関節部材104を含む構成要素は、(電子ビームまたはレーザー溶接を含め)共に溶接されてよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、ばねとして機能し、互いに独立して交差して、第1の関節部材102および第2の関節部材104のための回転軸を提供してよい。いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108は、その長さに沿った任意の点で交差してよい。いくつかの実施形態において、回転中心は交差点によって近似され得るが、屈曲要素が変形するにつれて移動する。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、異なる長さを有していてよく、任意の角度で配向され得るが、ここで、これらの特性のいずれかを変更すると、メカニズムの機械的挙動が影響を受ける。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107、および第3の屈曲要素108が交差パターンを形成するような形で配向されてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108が実質的に平行になるような形で配向されてよい。
【0051】
本明細書中に記載の実施形態のいずれかにおいて、関節部材は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはその組合せを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の金属から作製されてよい。いくつかの実施形態において、関節部材は、生体適合性材料から作製されてよい。いくつかの実施形態において、関節部材は生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、関節部材は、Ti6-Al4vを非限定的に含めた、チタン合金を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、関節部材は、Cr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、関節部材は、SS316を非限定的に含めたステンレス鋼を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、関節部材はポリエテンまたは超高分子量ポリエチレンを含んでいてよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、メカニズムが圧縮状態にある場合に第1の屈曲要素106、第2の屈曲要素107および第3の屈曲要素108が引張状態にあるような形で構成されている。
【0053】
本明細書中に記載のいずれの実施形態において、屈曲要素は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはその組合せを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の金属から作製されてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、生体適合性材料含んでいてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、Ti6-Al4vを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、Cr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、SS316を含んでいてよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、高い圧縮負荷を許容するように構成されている。いくつかの実施形態において、デバイス100は、およそ10~30000Nの範囲内の負荷を受けるように構成されている。
【0055】
近位アンカーまたは組織アンカー118が、一方の端部で第1の関節部材102に取付けられており、反対側の端部で骨にデバイス100を取付けるように構成されている。遠位アンカーまたは組織アンカー120が、一方の端部で第2の関節部材104に取付けられており、反対側の端部で骨にデバイス100を取付けるように構成されている。いくつかの実施形態においては、骨髄内固定、骨髄外固定、表面オッセオインテグレーションなどを非限定的に含めた、当業者にとって公知のあらゆる方法を介して、近位アンカー118および遠位アンカー120を通して、周囲の骨に対しデバイス100を固着させてよい。いくつかの実施形態において、長ステム、短ステム、ネジ山付き骨髄内スクリュー、圧入またはセメント固定ステム、くぎ、ネジ切りされたまたはネジ山付きインプラント、圧縮型インプラント、骨内部成長のために多孔質コーティングされたインプラントなどの骨髄内固定のための多数の戦略のうちのいずれかを使用して周囲の骨にデバイスを固着させてよい。いくつかの実施形態において、網状骨への固定のために骨内ロッドまたはピンを使用してよい。
【0056】
ここで図4A図4Fを参照すると、デバイス100が、骨髄内固定によって近位アンカー118および遠位アンカー120を通って周囲の骨に固着されている。いくつかの実施形態において、デバイス100は、第1の関節部材102、第2の関節部材104、少なくとも1つの屈曲要素、近位アンカー118、少なくとも1つの遠位アンカー120そしてカバー122を含む。カバー122は、少なくとも部分的に第1の関節部材102および第2の関節部材104を包み込むように構成され、周辺軟組織を保護するように構成されている。いくつかの実施形態において、カバー122は、流体が内部を通過できるようにする小さい間隙を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、カバー122は、流体が第1の関節部材102および第2の関節部材104まで内部を通過できるようにする複数の細孔を有していてよい。いくつかの実施形態において、カバー122は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはその組合せを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の金属から作製されてよい。いくつかの実施形態において、カバー122は、生体適合性材料含んでいてよい。いくつかの実施形態において、カバー122は生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、カバー122は、Ti6-Al4vを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、カバー122は、Cr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、両方のデバイス共、SS316を含んでいてよい。
【0057】
図5A図5Bは、図3Aおよび3Bに示されているものに類似する本発明の例示的無変形インプラントデバイス100を描いており、説明を平易なものにするため、同じ付番がなされた部品を使用している。
【0058】
いくつかの実施形態において、デバイス100はさらに第1の遠位アンカー120aおよび第2の遠位アンカー120bを含む。いくつかの実施形態において、第1の遠位アンカー120aは、その遠位端部上で突出する3つのペグまたはロッドを有する。いくつかの実施形態において、第1の遠位アンカー120aの3つのロッドは、足の楔状骨のうちの3つの中に移植するように意図されている。いくつかの実施形態において、第1の遠位アンカー120aおよび第2の遠位アンカー120bは、相対的角度149を有する。いくつかの実施形態において、角度149は少なくとも5度である。いくつかの実施形態において、角度149は少なくとも10度である。いくつかの実施形態において、角度149は少なくとも15度である。いくつかの実施形態において、角度149は少なくとも20度である。いくつかの実施形態において、角度149は少なくとも25度である。いくつかの実施形態において、角度149は5度~40度の範囲内にある。いくつかの実施形態において、角度149は少なくとも10度および30度である。いくつかの実施形態において、第1の遠位アンカー120aおよび第2の遠位アンカー120bは、多数の平面内で発散している。いくつかの実施形態において、第1の遠位アンカー120aおよび/または第2の遠位アンカー120bは、デバイス100の遠位端部に対して固定的に取付けられてよいネジ山付きスクリューである。いくつかの実施形態において、第1の遠位アンカー120aは、中足部の骨(楔状骨、舟状骨)内に設置されたペグまたはロッドを含む。いくつかの実施形態において、これらのペグまたはロッドは、セメント固定、多孔質コーティング、圧入、ネジ込みなどされ得る。
【0059】
いくつかの実施形態においては、少なくとも1つコイルばね210をデバイス100と並行して使用してよい(図5Bおよび図5C)。いくつかの実施形態において、コイルばね210は、第1の関節部材212、第2の関節部材204および、第1および第2の関節部材を連結する少なくとも1つの屈曲要素を有する。いくつかの実施形態において、コイルばね220は、少なくとも+/-10度の動きでの回転屈曲を有する。いくつかの実施形態において、コイルばね220は、5~10度の可動域を有する。いくつかの実施形態において、コイルばね220は、10~15度の可動域を有する。いくつかの実施形態において、コイルばね220は、20~25度の可動域を有する。いくつかの実施形態において、コイルばね220は、25~30度の可動域を有する。いくつかの実施形態において、コイルばね220は、30~45度の可動域を有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材212は第2の関節部材104に取付けられてよく、第2の関節部材214は第1の関節部材102に取付けられてよく、こうして、部材の並進移動がコイルばね210の回転変形をひき起こすようになっている。いくつかの実施形態において、第1の関節部材212は、第1の関節部材102に取付けられてよく、第2の関節部材214は第2の関節部材104に取付けられてよい。さらなる実施形態において、これは、メカニズムと各ハードストッパの間に設置された線形ばねを用いても達成可能と考えられ、ここで1つのばねは動きを誘導するためのものであり、第2のばねは、エネルギを貯蔵して戻すためのものである。いくつかの実施形態において、第2のばねは、コイルばね、複数の線形ばね、交差軸ピボットなどを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。
【0060】
本発明の態様は、デバイスを患者に合わせて適切にサイズ決定しフィットさせるためのモジュール式インプラントデバイスに関する。インプラントデバイスのモジュール性は、同様に、デバイスの移植を助け、周囲の骨を妨害することなく、考えられる修復または修正手技を可能にする。図6A図6Bは、本発明の例示的モジュール式インプラントデバイス100を描いている。図6Aは、近位アンカー、屈曲要素および遠位アンカーが外科的手技の間固定的に取付けられるかまたは共に連結される別個の構成要素である、例示的モジュール式インプラントデバイス100の展開斜視図を描いている。図6Bは、足首関節に適用された本発明の組立てられたモジュール式インプラントデバイス100の斜視図を描いている。いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は、別個の構成要素であるが、それぞれ第1の関節部材102および第2の関節部材104に対し固定的に取付けられるかまたは連結されてよい。別個の構成要素は、接着剤、セメント、にかわ、摩擦嵌合、スクリュー、ボルト、ネジ山、スロット、さね継ぎ、ペグ、孔などを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の方法によって、固定的に取付けられるかまたは連結されてよい。
【0061】
各アンカーは、少なくとも1つの関節部材と係合する近位領域および骨または組織と係合する遠位領域を有する。いくつかの実施形態において、近位アンカー118は、第1の関節部材102と係合するための近位係合領域118aおよび骨または他の組織と係合するための遠位係合領域118bを含む。いくつかの実施形態において、遠位アンカー120は、第2の関節部材104と係合するための近位係合領域120a、および骨または他の組織と係合するための遠位係合領域120bを含む。
【0062】
1つの例示的実施形態において、遠位アンカー120は、デバイス100が足首-後足部関節内で使用される場合、踵骨、舟状骨および楔状骨に取付けられてよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、骨髄外固定により近位アンカー118および遠位アンカー120を通して周囲の骨に固着されてよい。いくつかの実施形態において、プレートアンドスクリューを非限定的に含めた多くの骨髄内固定向け戦略のうちのいずれかを用いて、デバイスを周囲の骨に固着してよい。いくつかの実施形態においては、カスタマイズされたプレートアンドスクリュー、規格化されたプレートアンドスクリューなどを非限定的に含めた骨外固定のために、従来の整形外科用ハードウェアを使用してよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、多孔質表面上の内部成長により周囲の骨に固着されてよい。いくつかの実施形態において、多孔質表面上への内部成長のために術中に骨表面を前処理してよい(例えば人工股関節置換用寛骨臼カップにおけるような骨内部成長用の多孔質コーティング)。いくつかの実施形態においては、初期安定性を、他の任意の固定戦術との組合せによって補助してもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は、円筒形、立方体形などを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の形状/幾何形状を有していてよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は、チタン、Ti6-Al4v、Cr-Co、SS316を非限定的に含めた任意の材料から作製されてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は多孔質であってよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはそれらの組合せを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の材料でさらにコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は、チタンを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー118および遠位アンカー120は、生体適合性材料を含んでいてよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、股関節全置換術、膝関節全置換術、手根骨全置換術、足首全置換術、肩関節全置換術などを非限定的に含めた一般的な整形外科手技のために使用されてよい。いくつかの実施形態において、固定を容易にするために、関節(例えば足)を外科的に改変することが可能である。1つの例示的実施形態においては、関節を癒合して、骨内部成長およびオッセオインテグレーションにとって有害となり得る動きを排除してもよい。いくつかの実施形態においては、骨を共に癒合して、インプラントを固定できると思われるより大きい骨表面を創出してもよい。いくつかの実施形態においては、骨を除去または再配置して、インプラントのためのより多くの空間を創出してもよい。
【0067】
ここで図8Aを参照すると、インプラントは、少なくとも2自由度システムを創出するために、第2のコンプライアントメカニズムと直列になった第1のコンプライアントメカニズムを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、足首および距骨下関節内に2自由度を創出するために、第2のコンプライアントメカニズムと直列に組合わされてよい(図8B)。いくつかの実施形態において、第2の自由度は、引張で第2の交差軸ピボットであってよい。いくつかの実施形態において、第2の自由度は、当業者にとって公知の他の任意のメカニズムであってよい。いくつかの実施形態において、インプラントは、説明された通りのデバイス100に類似するものであり得かつ説明を平易なものとするために同じ付番の部品を使用している第1のコンプライアントデバイス100aを含む。しかしながら、遠位アンカーと係合させられる代りにデバイス100aは、説明された通りのデバイス100に類似するものであり得かつ説明を平易なものにするために同じ付番の部品を使用している第2のコンプライアントデバイス100bと係合する。デバイス100bは、100aと同様にして、1自由度を可能にするが、この自由度は、異なる可動域または移動範囲を許容する別の平面上のものである。いくつかの実施形態において、デバイス100bは、デバイス100aの遠位アンカー118を置換する。いくつかの実施形態において、デバイス100aの底部領域116は、デバイス100bの頂部領域110と連結している。
【0068】
いくつかの実施形態において、デバイス100はさらに、内側表面と外側表面を有する第3の関節部材124、内側表面と外側表面を有する第4の関節部材126、第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素を含み、ここでこの第1の端部は第3の関節部材124の内側表面に連結され、第2の端部は第4の関節部材126の内側表面に連結され、第3の関節部材124および第4の関節部材126は、第1の関節部材102と第2の関節部材104の間の移動の第1の自由度とは異なるものである第2の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されており、第3の関節部材124の外側表面は、第2の関節部材104の外側表面に連結されている。いくつかの実施形態において、第1および第2の自由度は各々、並進自由度である。いくつかの実施形態において、第1の自由度は並進自由度であり、第2の自由度は回転自由度である。いくつかの実施形態において、第1および第2の自由度は各々回転自由度である。
【0069】
いくつかの実施形態において、デバイスはさらに、第1の関節部材102の外側表面から延在する近位組織アンカー(例えば近位アンカー118)、および、第4の関節部材126の外側表面から延在する少なくとも1つの遠位組織アンカー(例えば第1の遠位アンカー120a、第2の遠位アンカー120b)を含む。いくつかの実施形態において、組織アンカーは各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨と係合するように構成されている。
【0070】
ここで図11Aおよび図11Dを参照すると、足首関節に適用されたコンプライアントデバイス100aについての運動が示されている。図11Cおよび11Bを参照すると、足首関節に適用されたコンプライアントメカニズム100bについての運動が示されている。
【0071】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、足首関節において使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、指、親指、手、手首、肘、肩、つま先、足、足首/距骨下、膝、股関節などの関節を非限定的に含めた、体内の任意の関節を置換するために使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、背中または首内で脊椎骨を置換するために使用されてよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、リハビリの利用分野において使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、いかなる病理も診断されておらず、ベースライン機能を改善するかまたは将来の病理を予防することを目的とする予防/増強の利用分野において使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、診断の下された病理を有する対象を治療するために使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、予防的外傷予防を求める対象のために使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100は、対象が自らのベースライン能力を超えて運動能力を増強させるために使用されてよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、既存の関節の機械的特性を操作しかつエネルギを貯蔵して戻すために既存の関節と並行して使用されてよい。1つの例示的実施形態において、デバイス100は、関節が虚弱な対象の関節と並行して移植されて、関節の周りに復元トルクを生成し、エネルギ貯蔵を提供し、改善した機能を可能にすることができる。
【0074】
ここで図12を参照すると、別の例示的インプラントデバイス200が示されている。いくつかの実施形態において、デバイス200は、1つの第1段要素201、2つの第2段要素203および1つの第3段要素205を含む。第1段要素201は、本明細書中の別の場所で説明されたデバイス100と構造的におよび機能的に類似したものである。
【0075】
第2段要素203は、第1の関節部材202、第2の関節部材204、および一対の交差する屈曲要素206を含む。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、円形または丸みを帯びた外側幾何形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはその組合せを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の金属から作製されてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、生体適合性材料を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、Ti6-Al4vを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、Cr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材202および第2の関節部材204は、SS316を含んでいてよい。
【0076】
一対の屈曲要素206が、第1の関節部材202を第2の関節部材204に連結し、こうして屈曲要素対206の一方の端部は第1の関節部材202に取付けられ、他方の端部は第2の関節部材204に連結されるようになっている。
【0077】
屈曲要素対206は、当業者にとって公知の任意の厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は同じ厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、異なる厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、0.005~5mmの範囲内の厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、その長さに沿って変動する厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、当業者にとって公知の任意の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、同じ幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、異なる幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、0.1~10cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、その長さに沿って変動する幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、当業者にとって公知の任意の長さを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は同じ長さを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、異なる長さを有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素対206は、0.2~20cmの範囲内の長さを有していてよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、屈曲要素対206の厚み、幅および長さは、可動域、負荷担持能力、剛性、回転中心軌道などを非限定的に含めた全体的挙動を変更するために修正されてよい。
【0079】
第1段要素201および2つの第2段要素203は、2つの第2段要素203が第1段要素201の両側に1つずつ位置付けされるような形で、直列に入れ子にされている。いくつかの実施形態において、第1段要素201および2つの第2段要素203は、メカニズムが圧縮状態にあるとき、全ての屈曲要素が引張状態にあるような形で構成されている。
【0080】
第3段要素205はシェル208を含み、第1段要素201および2つの第2段要素205の外周の周りに位置付けされている。シェル208は、およそ0.5cm~15cmの範囲内の直径を有する。
【0081】
いくつかの実施形態において、デバイス200は、デバイス100に比べてより多くの可動域を提供するように構成されている。いくつかの実施形態において、デバイス200は、少なくとも1つの自由度を提供する。いくつかの実施形態においてデバイス200は、より多くの自由度を追加するため、他のメカニズムと直列で使用されてよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、デバイス200は、膝関節内で使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス200は、肘関節内で使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイスは、指、親指、手、手首、肩、つま先、足、足首/距骨下、股関節などを非限定的に含めた、体内の任意の関節を置換するために使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイスは、背中および首内の脊椎骨を置換するために使用されてよい。
【0083】
1つの例示的実施形態において、デバイス100およびデバイス200の両方と並行に、コイルばね210を使用してよい(図13)。コイルばね210は、外側縁部212と内側点214を含む。いくつかの実施形態において、外側縁部212は第1段要素201に取付けられてよく、内側点214は第2段要素203に取付けられてよく、こうして、コンプライアント関節の回転によいコイルばね210の変形が引起されるようになっている。いくつかの実施形態において、これは、メカニズムと各ハードストッパの間に設置された線形ばねを用いても達成でき、ここで1つのばねは、動きを誘導するためのものであり、第2のばねはエネルギを貯蔵して戻すためのものである。いくつかの実施形態において、第2のばねは、コイルばね、複数の線形ばね、交差軸ピボットなどを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、外側縁部212は、第1の関節部材102に取付けられてよく、内側点214は、第2の関節部材104に取付けられてよい。
【0084】
ここで図14A図14Dを参照すると、追加の例示的なコンプライアントメカニズムアーキテクチャが示されている。いくつかの実施形態において、交差軸ピボット(図14A図14C図14D)、懸垂ワイヤ屈曲(図14B)、交差板ばね(図14A図14C)などを非限定的に含めた任意のコンプライアントアーキテクチャを、生体関節に置換するために使用してよい。2つの平行な関節を直列に積重ねることによって、2つのスキュー直交回転自由度(DOF)を達成する他の実施形態(図14A図14C図14D)とは異なり、懸垂ワイヤ屈曲実施形態(図14B)は、複数のワイヤ屈曲を用いて単一の平行な関節内に2つの剛体を共に直接接合することによって、2つの所望のDOFを達成する。図14Bに描かれている実施形態は、4つのワイヤ屈曲を含み、ここで両方の回転DOFの軸は、所望のスキュー直交回転を達成するため、4つのワイヤ屈曲の軸と交差する。単一の回転DOFは同様に、回転軸に沿って交差する平面内に存在する2つ以上のブレード屈曲または板ばねを用いても達成可能であり、このことは、Ankle DOFとラベル付けされたDOFの回転可動域を増強するために、距骨下DOFとラベル付けされた図14Aの下部部分中および図14Cの上半分中に描かれている。いくつかの実施形態においては、1つの関節を置換するにあたり、少なくとも1つのコンプライアントメカニズムを使用してよい。いくつかの実施形態においては、1つの関節を置換するにあたり、異なるアーキテクチャを有するコンプライアントメカニズムを使用してよい。いくつかの実施形態において、コンプライアントメカニズムは、少なくとも1つの自由度を提供してよい。
【0085】
ここで図15Aを参照すると、例示的インプラントデバイス500が示されている。いくつかの実施形態において、デバイス500は、第1の関節部材502、少なくとも1つの屈曲要素によって連結された第2の関節部材504を含む。いくつかの実施形態において、第1の関節部材502および第2の関節部材504は、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材502および第2の関節部材504は、第1の関節部材502および第2の関節部材504が回転中心の周りを滑らかに回転できるようにするため、円形または丸みを帯びた外側幾何形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材502は、第2の関節部材504よりも大きい直径を有する。
【0086】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つ屈曲要素は、少なくとも1つの要素またはブレード、または複数のブレード514を含み、ここで要素またはブレードは、厚み538、幅540、長さ542およびブレード中心までの距離550を有する。いくつかの実施形態において、デバイス500は、引張負荷560および回転負荷570を受ける可能性がある。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、約0.3cm~約20cmの範囲内の長さ542を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅540を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、最高約0.3cmの厚み538を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、0.1cm~20cmの範囲内のブレード中心までの距離550を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、1~10000Nの範囲内の圧縮負荷用に構成されていてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、1~10000Nの範囲内の引張負荷用に構成されていてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、1~10000N*mの範囲内の回転負荷用に構成されていてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、実質的に平行に配設されている。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、同心的に配設されている。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、中心軸から半径方向に配設されている。いくつかの実施形態において、複数のブレード514は、中心軸の周りで等距離にある。
【0087】
ここで図16および17A~17Eを参照すると、図15Aの実施形態に比べて倒置された本発明の例示的インプラントデバイス600が示されている。デバイス500と同様、デバイス600は、第1の関節部材602、第2の関節部材604そして、第1および第2の関節部材602および604に連結された複数のブレード612を含む。
【0088】
いくつかの実施形態において、第1の関節部材602および第2の関節部材604は、当業者にとって公知であると思われる、任意の所望の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材602および第2の関節部材604は、例えばおよそ0.05~10mmの範囲内の任意の所望の厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材602および第2の関節部材604は、関節に応じて、例えばおよそ0.5~20cmの範囲内の任意の所望の幅または直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材602および第2の関節部材604の幅、厚みおよび直径は、置換される関節のタイプに応じて、可動域、負荷担持能力、剛性、回転中心軌道などを非限定的に含めた全体的挙動を変更するために修正されてよい。いくつかの実施形態において、第1の関節部材602および第2の関節部材604は、その長さに沿って、可変的幅、厚みおよび/または直径を有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材602および第2の関節部材604は、その長さに沿って均一の幅、厚みおよび/または直径を有する。
【0089】
図15Aの実施形態と同様、複数のブレード612は、約0.3cm~約20cmの範囲内の長さを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、最高約0.3cmの厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、0.1cm~20cmの範囲内のブレード中心までの距離を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、1~10000Nの範囲内の圧縮負荷用に構成されていてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、1~10000N*mの範囲内の回転負荷用に構成されていてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、実質的に平行に配設されている。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、同心的に配設されている。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、中心軸から半径方向に配設されている。いくつかの実施形態において、複数のブレード612は、中心軸の周りで等距離にある。
【0090】
さらに、デバイス600は、中央ステムまたは支柱619を含む。支柱619は、第2の関節部材604に固定されているかまたは他の形で近接している。第1の関節部材602は開口部を有し、リング状であり、これにより、支柱619は第1の関節部材602の開口部を通って延在することができる。したがって、ブレード612は、支柱619とは別個である。一実施形態において、ブレード612は支柱619から間隙617によって分離されている。いくつかの実施形態においては、1つ以上のブレードの少なくとも一部分が、支柱619と接触していてよい。重要なことは、第1の関節部材602が、支柱619に固定されておらず、第1の関節部材602が支柱619の周りを自由に回転できることである。
【0091】
デバイス600は同様に、第1および第2の関節部材および複数のブレードを取囲むハウジングまたは外側シェル616を含んでいてよい。ハウジング616は同様に、遠位アンカー620に連結されているかまたはそれと一体化されていてもよい。いくつかの実施形態において、デバイス600は、遠位アンカー620および外側シェル616が単一のユニットとして形成されるような形で構成される。いくつかの実施形態において、遠位アンカー620はハウジングと別個であるかまたはハウジング616の一部分を形成することができる。いくつかの実施形態において、外側シェル616は、少なくとも1つの屈曲要素を有するコンプライアントメカニズムを収容するためのキャビティを内部に伴って、近位リムとカップを形成する。
【0092】
本明細書中に記載のいずれの実施形態においても、第1および第2の関節部材、中央支柱、ハウジング、アンカー構成要素および複数のブレードは、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスおよび多孔質コーティングを含めた任意のコーティングまたはそれらの組合せを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の材料から作製されてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材、中央支柱、ハウジング、アンカー構成要素および複数のブレードは、生体適合性材料を含んでいてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材、中央支柱、ハウジング、アンカー構成要素および複数のブレードは、生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材、中央支柱、ハウジング、アンカー構成要素および複数のブレードは、Ti6-Al4vを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素はCr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材、中央支柱、ハウジング、アンカー構成要素および複数のブレードはSS316を含んでいてよい。
【0093】
図17Aを再び参照すると、インプラントデバイスの展開側面図が示されている。いくつかの実施形態において、デバイス600は、遠位アンカー620および外側シェル616が単一のユニットとして形成されるような形で配設されている。いくつかの実施形態において、外側シェル616は、第1および第2の関節部材602および604そして複数のブレード612などの少なくとも1つのコンプライアントメカニズムを収容するためのキャビティを伴って、近位リムと円筒形またはカップ形状を形成する。したがって、少なくとも1つのコンプライアントメカニズムは、周辺リムを伴う内側表面と外側表面を有する第1の関節部材602および少なくとも1つの屈曲要素612そして内側表面および外側表面を有する第2の関節部材604を含み、単一のユニットを形成している。いくつかの実施形態において、デバイス600は、ハウジングまたは外側シェル616の近位リムの周りで円周方向に配設されたシェルセットスクリュ孔634を含む。いくつかの実施形態において、デバイス600は、第1の関節部材602の周辺リム上に円周方向に配設された頂部プレートセットスクリュ孔636を含む。いくつかの実施形態において、頂部プレートセットスクリュ孔636は、少なくとも1つのセットスクリュと係合するためのネジ山を有する。この実施例において、少なくとも1つの屈曲要素は、外側シェル616のカップ内に挿入され、カップの近位リムに対し固定的に取付けられている。移動を防ぐため、ハウジングは、シェルセットスクリュ孔634および頂部プレートセットスクリュ孔636内に位置付けされたセットスクリュを用いて、第1の関節部材602に固定されている。本明細書中に記載のデバイス300と同様に、デバイス600の屈曲要素は、デバイスが圧縮状態にあるとき、引張状態にある。
【0094】
先に説明した通り、デバイス600は、第1の関節部材がリングを形成するような第1の関節部材内の中央開口部、そして第2の関節部材の内側表面に固定されているかそれと近接している第1の端部と第1の関節部材が支柱の周りを回転できるように第1の関節部材の開口部を通って延在する第2の端部とを有する中央支柱をさらに含む。
【0095】
いくつかの実施形態において、デバイス600は、少なくとも第1の関節部材、第2の関節部材および複数の屈曲要素を取り囲むハウジング616をさらに含み、ここで第1の関節部材はハウジングに固定されている。いくつかの実施形態において、デバイス600はさらに、中央支柱の第2の端部に連結された第1の組織アンカーおよび、第2の関節部材の外側表面に連結された第2の組織アンカーを含む。いくつかの実施形態において、デバイス600はさらに、中央支柱の第2の端部に連結された第1の組織アンカー、およびハウジングに連結された第2の組織アンカーを含む。
【0096】
いくつかの実施形態において、ハウジングはさらに、少なくとも1つの陥凹を含み、第2の関節部材はさらに、第2の関節部材の外側表面から延在しハウジングの少なくとも1つの陥凹内に位置付けされた少なくとも1つのタブを含み、ここで少なくとも1つの陥凹は、第2の関節部材が第1の関節部材との関係において回転させられた場合に少なくとも1つの陥凹内の少なくとも1つのタブの範囲制限運動を可能にするようにサイズ決定されている。
【0097】
いくつかの実施形態において、外側シェル616は、外側シェル616の内部と外部の間の流体連通を可能にする複数のスリット624を含む。いくつかの実施形態において、複数のスリット624は、外側シェル616の本体内の孔である。いくつかの実施形態において、複数のスリット624は、約0.1mm~約2cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のスリット624は、約0.1mm~約15cmの範囲内の高さを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のスリット624は、当業者にとって公知の任意の形状であってよい。
【0098】
いくつかの実施形態において、回転運動にさらに抵抗するため、デバイス600のハウジング616は、インプラントデバイスが組立てられた時点で遠位タブ640を収容するための外側シェル616のカップ内部に遠位陥凹またはスロット614をさらに含んでいる。いくつかの実施形態において、遠位スロット614は、第2の関節部材604のための拘束型回転経路を可能にする範囲制限特徴部である。例えば、タブ640は、移動が制限された状態でスロット614の内部に嵌合するようにサイズ決定されていてよい。このとき、第2の関節部材604がハウジング616の内部で回転した場合、タブ640は、それがスロット614の壁と接触してこの点で第2の関節部材604のさらなる回転運動が限定されるまで、スロット614内を同様に回転する。
【0099】
いくつかの実施形態において、デバイス600は、頂部表面を有する近位アンカー618および底部表面を有する遠位アンカー620を含む。いくつかの実施形態においては、近位アンカー618の頂部表面上に近位組付け用孔642が形成される。いくつかの実施形態においては、遠位アンカー620の底部表面上に遠位組付け用孔644が形成される。これらの孔は、例えば、スクリュー、ボルト、摩擦嵌合などでデバイス600を他の構成要素に固定するにあたって使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス600はさらに、少なくとも1つのハードストッパまたは範囲制限要素を含んでいてよい。例えば、近位アンカー618は、圧縮力以外の何らかの力による損傷を防ぐため、第1の関節部材602と接触する範囲制限された特徴部を含んでいてよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、デバイス600は、骨内に部分的にまたは完全に挿入されてよい。いくつかの実施形態においては、近位アンカー618の少なくとも一部分が骨から突出するような形で、デバイス600の少なくとも一部分が骨内に挿入される。
【0101】
いくつかの実施形態において、図18Aに示されているように、少なくとも1つの屈曲要素は、周辺リムと少なくとも1つの屈曲要素612を伴う第1の関節部材または頂部プレート606および第2の関節部材または底部プレート610を含む。図17Aの実施形態と同様、中央ステムまたは支柱622が底部プレート610に固定されるかまたはそれと近接しており、頂部プレート606内の開口部を通って延在する。屈曲要素612は、頂部プレート606および底部プレート610に連結され、支柱622から分離されている。頂部プレート606は支柱622に固定されておらず、したがって頂部プレート606は支柱622を中心にして自由に回転してよい。図17Aの実施形態と同様に、デバイス600は、ハウジングまたは外側シェル616および、外側シェル616の近位リムの周りで円周方向に配設されているシェルセットスクリュ孔634を含む。いくつかの実施形態において、デバイス600は、頂部プレートまたは第1の関節部材606の周辺リム上に円周方向に配設されたネジ山を有する頂部プレートセットスクリュ孔636を含む。この実施例において、少なくとも1つの屈曲要素は、外側シェル616のカップ内に挿入され、カップの近位リムに対し固定的に取付けされている。移動を防ぐため、コンプライアントメカニズムは、ハウジング616を頂部プレート606に固定するための頂部プレートセットスクリュ孔636およびシェルセットスクリュ孔634の中に位置付けされたセットスクリュを用いて所定の場所にセットされる。
【0102】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素612は、第1および第2の関節部材を通過する中心軸の周りで半径方向にかつ等距離で位置付けされる。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材は、少なくとも1つの動作度で回転してよい。いくつかの実施形態において、第1および第2の関節部材は、同じ平面内で屈曲してよい。
【0103】
デバイス300、400、500および600は、ステムを有するあらゆる整形外科用インプラント(例えば膝、股関節、肩、肘、手首、足首など)のために使用可能な、コンプライアントステムが形成されるインプラントを表現している。コンプライアンスは、骨-インプラント界面において大きなせん断応力を創出することなく回転動作を可能にする。
【0104】
ここで図19A図19Dを参照すると、別の例示的インプラントデバイス400が示されている。デバイス400は、近位端部402、遠位端部404、頂部プレート406、中央支柱、底部プレート410、複数の屈曲要素412、および複数のブレード414を含む。
【0105】
頂部プレート406は、頂部表面407および底部表面409を含む。底部表面409は、複数の尾根部411を含む。いくつかの実施形態において、複数の尾根部411は、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の尾根部411は、約0.1cm~約10cmの範囲内の高さを有する。いくつかの実施形態において、複数の尾根部411は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅を有する。いくつかの実施形態において、2つの尾根部411の間の距離は、約0.1cm~約3cmの範囲内にあってよい。
【0106】
頂部プレート406は、頂部表面407で近位アンカーに連結され、底部表面409で複数の尾根部411を通して複数のブレード414に連結されている。いくつかの実施形態において、頂部プレート406は、円形、楕円形などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、頂部プレート406は、およそ0.5cm~約5cmの範囲内の任意の直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカーは、骨髄内固定、骨髄外固定、表面オッセオインテグレーションなどを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の方法を介してデバイス400を周囲の骨に取付けるように構成されている。
【0107】
遠位端部404において、複数のブレード414が底部プレート410に連結される。いくつかの実施形態において、複数のブレード414は、矩形、台形などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、複数のブレード414は、約0.3cm~約20cmの範囲内の高さを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード414は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード414は、最大約0.3cmの厚みを有していてよい。
【0109】
中央支柱は、支柱本体413ならびに支柱本体413の近位端部402から側方に延在する複数の突起415を含む。複数の突起415は、近位端部402で複数の屈曲要素412に連結されている。複数の突起415は、2つの尾根部411の間に位置付けされており、ここで2つの尾根部411の間の距離は、複数の屈曲要素412の各方向における回転度を規定するように構成されている。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素412は、各方向に1~90度の動作の自由を有していてよい。いくつかの実施形態において、支柱本体413は、円形を非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の断面形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、支柱本体413は、約0.5cm~約5cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、支柱本体413は、約1cm~約30cmの範囲内の高さを有していてよい。
【0110】
中央支柱は、中央支柱の近位端部と底部プレート410の間の屈曲要素の曲げにより、底部プレート410との関係において回転する。底部プレート410は、頂部プレート406との関係において同時に回転し、この頂部プレートは、頂部プレートと底部プレートの間の屈曲要素の曲げを介して骨に固着されることになる。デバイス300においては、デバイスが圧縮状態にあるとき、全ての屈曲要素が引張状態にあるという点に留意されたい。デバイス400において、屈曲要素の半分は、他の半分が圧縮状態にある間、引張状態にある。
【0111】
複数の屈曲要素412が、近位端部402で複数の尾根部412に連結され、遠位端部404で底部プレート410に連結されている。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素412は、支柱本体413に連結されてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素412は、矩形、台形などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素412は、約0.3cm~約20cmの範囲内の高さを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素412は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素412は、最大約0.3cmの厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、各屈曲要素412の高さは、各ブレード414よりも短くてよい。いくつかの実施形態において、各屈曲要素412の高さは、各ブレード414の高さに類似している。
【0112】
複数の屈曲要素412および複数のブレード414は、近位および遠位方向で回転コンプライアンスならびに圧縮コンプライアンスを提供するように構成されている。
【0113】
いくつかの実施形態において、頂部プレート406は、底部プレート410よりも大きい直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、頂部プレート406は、底部プレート410と同じ直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、頂部プレート406は、底部プレート410よりも小さい直径を有していてよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、デバイス400はさらに、周辺組織を保護するための外側シェルを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、複数のブレード414は、外側シェルに連結されてよい。いくつかの実施形態において、外側シェルは、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはそれらの組合せを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の材料から作製されてよい。いくつかの実施形態において、外側シェルは、生体適合性材料で作製されていてよい。いくつかの実施形態において、外側シェルは、生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、外側シェルは、Ti6-Al4vを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、外側シェルはCr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、外側シェルはSS316を含んでいてよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、外側シェルは、遠位端部404で、遠位アンカーに連結されていてよい。いくつかの実施形態において、遠位アンカーは、骨髄内固定、骨髄外固定、表面オッセオインテグレーション、骨セメント固定などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の方法を介して周囲の骨にデバイス400を取付けるように構成されている。
【0116】
ここで図19E図19Hを参照すると、別の例示的インプラントデバイスが示されている。デバイス300は、近位端部302、遠位端部304、頂部プレート306、中央支柱、底部リング310、複数の屈曲要素312、複数のブレード314および外側シェル316を含む。
【0117】
頂部プレート306は、頂部プレート306の中心に位置付けされた開口部318を含む。いくつかの実施形態において、頂部プレート306は、円形、楕円形などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、頂部プレート306は、およそ0.5cm~5cmの範囲内の任意の直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、開口部318は、円形、楕円形など非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。頂部プレート306は、近位端部302で近位アンカーに連結され、遠位端部304で複数の屈曲要素312に連結されている。いくつかの実施形態において、近位アンカーは、骨髄内固定、骨髄外固定、表面オッセオインテグレーションなどを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の方法を介してデバイス300を周囲の骨に取付けるように構成されている。
【0118】
中央支柱は、開口部318の内部に位置付けされ、頂部プレート306、中央シャフト322および複数の屈曲要素312を含む。中央シャフト322は、近位端部302で頂部プレート306に連結され、頂部プレート306から底部リング310に向かって遠位方向に延在するが、底部リング310に接触することはない。いくつかの実施形態において、中央シャフト322は、円形を非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の断面形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、中央シャフト322は、約0.2cm~4cmの範囲内の直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、中央シャフト322は約0.3cm~約20cmの範囲内の高さを有していてよい。
【0119】
複数の屈曲要素312は、近位端部302で頂部プレート306に連結され、遠位端部304で底部リング310に連結されている。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素312は、矩形を非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。
【0120】
複数の屈曲要素312は、近位端部302で頂部プレート306に連結され、遠位端部304で底部リング310に連結されている。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素312は、矩形、台形などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素312は、約0.3cm~約20cmの範囲内の高さを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素312は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素312は、最高約0.3cmの厚みを有していてよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、頂部プレート306は底部リング310よりも大きい直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、頂部プレート306は、底部リング310と同じ直径を有していてよい。いくつかの実施形態において、頂部プレート306は、底部リング310より小さい直径を有していてよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素314は、矩形、台形などを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素314は、約0.3cm~約20cmの範囲内の高さを有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素314は、約0.1cm~約3cmの範囲内の幅を有していてよい。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素314は、最大約0.3cmの厚みを有していてよい。いくつかの実施形態において、各ブレード314の高さは、各屈曲要素312よりも短くてよい。
【0123】
複数のブレード314は、2つの屈曲要素312の間に位置付けされており、複数の屈曲要素312の各方向における回転度を制限するように構成されている。いくつかの実施形態において、複数の屈曲要素312は、各方向に1~90度の動作の自由を有していてよい。
【0124】
複数の屈曲要素312および複数のブレード314は、近位および遠位方向で回転コンプライアンスならびに圧縮コンプライアンスを提供するように構成されている。
【0125】
外側シェル316は、周辺組織を保護し、複数の屈曲要素312を少なくとも部分的に包み込むように構成されている。いくつかの実施形態において、外側シェル316は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはそれらの組合せを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の材料から作製されてよい。いくつかの実施形態において、外側シェル316は、生体適合性材料で作製されていてよい。いくつかの実施形態において、外側シェル316は、生体適合性材料中でコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、外側シェル316は、Ti6-Al4vを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、外側シェル316は、Cr-Coを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、外側シェル316は、SS316を含んでいてよい。
【0126】
外側シェル316は、遠位端部304で、遠位アンカー320に連結されていてよい。遠位アンカー320は、骨髄内固定、骨髄外固定、表面オッセオインテグレーションなどを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の方法を介して周囲の骨にデバイス300を取付けるように構成されている。
【0127】
ここで図20A図20Hを参照すると、本発明の例示的2自由度インプラントデバイス700が示されている。いくつかの実施形態において、本発明の少なくとも1つのインプラントデバイスは、少なくとも1つの移動自由度を可能にするため直列で取付けられている。一実施例において、第1のインプラントデバイスは、第1の移動自由度を可能にし、第2のインプラントデバイスは、第2の移動自由度を可能にする。図20A図20Hの実施例において、本発明のインプラントデバイス100は、2つの自由度を可能にするため本発明のインプラントデバイス600に対して直列で固定的に取付けられる。
【0128】
ここで図22A図22Gを参照すると、本発明の例示的3自由度インプラントデバイス800が示されている。いくつかの実施形態において、本発明の少なくとも1つのインプラントデバイスは、少なくとも1つの移動自由度を可能にするため直列で取付けられている。この実施例において、第1のインプラントデバイスは、第1の移動自由度を可能にし、第2のインプラントデバイスは、第2の移動自由度を可能にし、第3のインプラントデバイスは第3の移動自由度を可能にする。いくつかの実施形態において、デバイス800は、第1のコンプライアントデバイス800a、第2のコンプライアントデバイス800b、および第3のコンプライアントデバイス800cを含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、デバイス800は、第1の関節部材802、第2の関節部材804、第3の関節部材824、第4の関節部材826、第5の関節部材828、第6の関節部材830、少なくとも1つの屈曲要素(例えば第1の屈曲要素806および第2の屈曲要素808)、近位アンカー818および遠位アンカー820を含む。いくつかの実施形態において、第1の関節部材802、第2の関節部材804、第3の関節部材824、第4の関節部材826、第5の関節部材828、および第6の関節部材830は、当業者にとって公知の任意の形状を有していてよい。
【0130】
ここで図22Bを参照すると、いくつかの実施形態において、第1のコンプライアントデバイス800aは、ブリッジ部材802aを有する第1の関節部材802を含み、このブリッジ部材のいずれかの端部から第1のアーム802bおよび第2のアーム802cが延在している。いくつかの実施形態において、第3のコンプライアントデバイス800cは、ブリッジ部材830aを有する第6の関節部材830を含み、ブリッジ部材のいずれかの端部から第1のアーム830bおよび第2のアーム830cが延在している。各ブリッジ部材のいずれかの端部から延在する第1のアームおよび第2のアームは、少なくとも1つの屈曲要素のための連結点である。いくつかの実施形態において、第2のコンプライアントデバイス800bは第3の関節部材824および第4の関節部材826を含み、各関節部材は、ブリッジ部材(それぞれ824Aおよび826A)を有する。いくつかの実施形態において、第1の関節部材802は、近位アンカー818に連結するための頂部端部領域および少なくとも1つ屈曲要素に連結するための底部端部領域を有する。いくつかの実施形態において、第6の関節部材830は、遠位アンカー820に連結するための底部端部領域および少なくとも1つの屈曲要素に連結するための頂部端部領域を有する。
【0131】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの屈曲要素は、当業者にとって公知の適用可能な任意の数の屈曲要素を有していてよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの可撓性構造は、第1の屈曲要素806、第2の屈曲要素806を含む。
【0132】
いくつかの実施形態において、インプラントデバイスは、内側表面および外側表面を有する第3の関節部材824;内側表面および外側表面を有する第4の関節部材826;内側表面および外側表面を有する第5の関節部材828;内側表面および外側表面を有する第6の関節部材830;第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が、第3の関節部材824の内側表面に連結され、第2の端部が第4の関節部材826の内側表面に連結されている少なくとも1つの屈曲要素;第1および第2の端部を有する少なくとも1つの屈曲要素であって、第1の端部が第5の関節部材828の内側表面に連結され、第2の端部が第6の関節部材830の内側表面に連結されている少なくとも1つの屈曲要素;を含んでおり、第2の関節部材804の内側表面は、第3の関節部材824の外側表面に連結されており、第4の関節部材826の外側表面は、第5の関節部材826の内側表面に連結されており、第3の関節部材824および第4の関節部材826は、第1の関節部材802と第2の関節部材804の間の第1の移動自由度とは異なる第2の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されており;かつ第5の関節部材828および第6の関節部材830は、第3の関節部材824と第4の関節部材826の間の第2の移動自由度とは異なる第3の自由度内で互いとの関係において移動するように構成されている。
【0133】
いくつかの実施形態において、第1の自由度は並進自由度であり、第2の自由度は回転自由度であり、第3の自由度は並進自由度である。いくつかの実施形態において、第1の自由度は回転自由度であり、第2の自由度は並進自由度であり、第3の自由度は回転自由度である。いくつかの実施形態において、第1、第2および第3の自由度は、各々並進自由度である。いくつかの実施形態において第1、第2および第3の自由度は各々回転自由度である。
【0134】
いくつかの実施形態において、デバイスは、第1の関節部材802の外側表面から延在する第1の組織アンカー(近位アンカー818)、および第6の関節部材830の外側表面から延在する第2の組織アンカー(遠位アンカー820)をさらに含む。いくつかの実施形態において,第1および第2の組織アンカーは各々、骨髄内固定、骨髄外固定、オッセオインテグレーションおよびそれらの組合せからなる群の中から選択された少なくとも1つを介して骨を係合するように構成されている。
【0135】
第1の関節部材802および第4の関節部材808は、第2の関節部材804および第3の関節部材806が第1の関節部材802と第4の関節部材808の間に配置された状態で、反転した直交配向で同じ構造を有する。
【0136】
いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素810および第2の屈曲要素812は、ばねとして機能し、互いに独立して交差して、関節部材802、第2の関節部材804、第3の関節部材806および第4の関節部材808のための少なくとも1つの回転軸を提供することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、第1の屈曲要素810、第2の屈曲要素812はその長さに沿った任意の点で交差してよい。いくつかの実施形態において、回転中心は、交差点によって近似され得るが、屈曲要素が変形するにつれて移動する。いくつかの実施形態において、屈曲要素は異なる長さを有していてよく、任意の角度で配向され得、ここでこれらの特性を変更することでメカニズムの機械的挙動が影響を受ける。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、第1の屈曲要素810と第2の屈曲要素812が交差パターンを形成するような形で配向されてよい。いくつかの実施形態において、屈曲要素は、第1の屈曲要素910および第2の屈曲要素812が実質的に平行となるような形で配向されてよい。
【0138】
近位アンカー818は、一方の端部で第1の関節部材802に取付けられ、反対側の端部でデバイス800を骨に取付けるように構成されている。遠位アンカー820は、一方の端部で第4の関節部材808に取付けられ、反対側の端部でデバイス800を骨に取付けるように構成されている。
【0139】
いくつかの実施形態において、デバイス800は、骨髄内固定、骨髄外固定、表面オッセオインテグレーションなどを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の方法を介して、近位アンカー818および遠位アンカー820を通して周囲の骨に固着されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス800は、骨髄内固定により近位アンカー818および遠位アンカー820を通して周囲の骨に固着されてよい。いくつかの実施形態において、長ステム、短ステム、ネジ山付き骨髄内スクリュー、圧入またはセメント固定ステム、くぎ、ネジ切りされたまたはネジ山付きインプラント、圧縮型インプラント、骨内部成長のために多孔質コーティングされたインプラントなどの骨髄内固定のための多数の戦略のうちのいずれかを使用して周囲の骨にデバイスを固着させてよい。いくつかの実施形態において、網状骨への固定のために骨内ロッドまたはピンを使用してよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、デバイス800は、骨髄外固定により近位アンカー818および遠位アンカー820を通して周囲の骨に固着されてよい。いくつかの実施形態において、プレートアンドスクリューを非限定的に含めた多くの骨髄内固定向け戦略のうちのいずれかを用いて、デバイスを周囲の骨に固着してよい。いくつかの実施形態においては、カスタマイズされたプレートアンドスクリュー、規格化されたプレートアンドスクリューなどを非限定的に含めた骨外固定のために、従来の整形外科用ハードウェアを使用してよい。いくつかの実施形態において、デバイス800は、多孔質表面上の内部成長により周囲の骨に固着されてよい。いくつかの実施形態において、多孔質表面上への内部成長のために術中に骨表面を前処理してよい(例えば人工股関節置換用寛骨臼カップにおけるような骨内部成長用の多孔質コーティング)。いくつかの実施形態においては、初期安定性を、他の任意の固定戦術との組合せによって補助してもよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、近位アンカー818および遠位アンカー820は、円筒形、立方体形などを非限定的に含めた、当業者にとって公知の任意の形状/幾何形状を有していてよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、近位アンカー818および遠位アンカー820は、チタン、Ti6-Al4v、Cr-Co、SS316を非限定的に含めた任意の材料から作製されてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー818および遠位アンカー820は多孔質であってよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー818および遠位アンカー820は、純金属、金属合金、ポリマ、セラミクス、金属ガラスまたはそれらの組合せを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の材料でさらにコーティングされてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー818および遠位アンカー820は、チタンを含んでいてよい。いくつかの実施形態において、近位アンカー818および遠位アンカー820は、生体適合性材料を含んでいてよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、デバイス800は、股関節全置換術、膝関節全置換術、肩関節全置換術などを非限定的に含めた一般的な整形外科手技のために使用されてよい。いくつかの実施形態において、固定を容易にするために、関節(例えば足)を外科的に改変することが可能である。1つの例示的実施形態においては、関節を癒合して、骨内部成長およびオッセオインテグレーションにとって有害となり得る動きを排除してもよい。いくつかの実施形態においては、骨を共に癒合して、インプラントを固定できると思われるより大きい骨表面を創出してもよい。いくつかの実施形態においては、骨を除去または再配置して、インプラントのためのより多くの空間を創出してもよい。
【0144】
図23A図23Jは、動物モデルのための本発明の例示的インプラントデバイス900を描いている。いくつかの実施形態において、デバイス900は、脛骨ステム980、ステムアダプタ982、屈曲要素984、中足骨ステム986、インプラントカバー988およびモールステーパ990を含む。脛骨ステム980および中足骨ステム986は、当業者にとって公知の任意の方法によって屈曲要素984に対して固定的に取付けされている。
【0145】
いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、対象に対し動力または追加の受動的援助を提供するため、外部外骨格と並行して実装されてよい(図24)。いくつかの実施形態において、外部外骨格は、対象の神経系と一方向にインタフェースしていてよい。いくつかの実施形態において、外部外骨格は、対象の神経系と双方向でインタフェースしていてよい。いくつかの実施形態において、この構成は、完全に感覚的な生物学的四肢を含む。いくつかの実施形態において、この構成は、神経制御された機械的関節を含む。いくつかの実施形態において、この構成は、感染に対するロバスト性を有する閉鎖した皮膚外皮を含む。いくつかの実施形態において、この構成は、修理またはアップグレードのためにアクセス可能である外部メカトロニクスを含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、関節のエネルギ貯蔵能力を増大させるために、コイルばね、第2のコンプライアントメカニズムなどを非限定的に含めた別個のばね/コンプライアントメカニズムと並行して使用されてよい。いくつかの実施形態において、これは、コンプライアントメカニズム内に統合される固定型構成要素であるか、または患者の生体構造または病理の詳細に応じて交換可能なモジュール式構成要素である可能性があると考えられる。
【0147】
いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、リハビリの利用分野において使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、予防/増強の利用分野において使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、診断の下された病理を有する対象を治療するために使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、予防的外傷予防を求める対象のために使用されてよい。いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、対象が自らのベースライン能力を超えて運動能力を増強させるために使用されてよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、デバイス100~デバイス900は、既存の関節の機械的特性を操作しかつエネルギを貯蔵して戻すために既存の関節と並行して使用されてよい。1つの例示的実施形態において、デバイス100~デバイス900は、関節が虚弱な対象の関節と並行して移植されて、関節を補剛し、改善した機能を可能にすることができる。
【0149】
いくつかの実施形態においては、組立てを全く伴わない伝統的サブトラクティブ製造、組立てを伴う伝統的サブトラクティブ製造、アディティブ製造およびそれらの組合せを使用して、デバイス100~デバイス900を製造してよい。いくつかの実施形態においては、伝統的サブトラクティブ製造を使用してよい。いくつかの実施形態においては、伝統的サブトラクティブ製造法を用いて、単一の部品としてデバイス100~デバイス900を製造してよい。いくつかの実施形態においては、両方のデバイス共、組立てを全く伴わない伝統的サブトラクティブ製造を使用して製造してよい。いくつかの実施形態においては、両方のデバイス共、組立てを伴う伝統的サブトラクティブ製造を用いて製造してよい。いくつかの実施形態においては、両方のデバイス共、少なくとも2つの明確に異なる部品で製造されてよい。いくつかの実施形態においては、殺菌および移植に先立ち、少なくとも2つの明確に異なる部品を組立ててよい。いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの明確に異なる部品の間の継手は、溶接、ボルト留め、接着剤、締まり嵌め、熱変調型締まり嵌めなどを非限定的に含めた当業者にとって公知の任意の方法を用いて固定されてよい。いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの明確に異なる部品の各々の個別の構成要素を低温で組立て、体温に曝露されたときに部品が締まり嵌めに至るまで膨張するようにしてよい。いくつかの実施形態においては、デバイスは、3Dプリンティングを非限定的に含めたアディティブ製造技術を用いて製造されてよい。いくつかの実施形態においては、両方のデバイス共、単一の部品として3Dプリンティングされてよい。いくつかの実施形態においては、両方のデバイス共、組立て可能な少なくとも2つの部品として3Dプリンティングされてよい。
【0150】
いくつかの実施形態において、製造のための潜在的選択肢は、バルク材料からシムとして屈曲ブレードを精密機械加工することである。これらのシムブレードは次に、従来通りに機械加工、3dプリンティング、射出成形またはインベストメント鋳造されるハウジング内に挿入することができると考えられる。シムは、圧入、熱膨張嵌合、溶接、ボルトまたはこれらの選択肢の任意の組合せを介して、ハウジングに取付けることができると考えられる。
【0151】
代替的には、別の実施形態において、シムブレードを、ハウジングのインベストメント鋳造のために使用されるべきインプラントの金型の中に嵌め込むことができると思われる。これにより、シムブレードとハウジングの間のバルク溶接が可能となり、溶融材料を小さいブレードプロファイル内に流れ込ませる必要がなくなる。シムブレードの全てまたは一部を能動的または受動的に冷却して、ブレードが溶融ハウジング材料による影響を受けない状能に保つことができると考えられる。
【0152】
本発明の方法
本発明は、四肢修復のためのコンプライアントメカニズムを有する整形外科用インプラントの設計を容易にするための方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、(予め定義された標的生体力学セットから)コンプライアントメカニズム内の屈曲要素の最適化された幾何形状および設置を生成するため、生体力学的、分析的そして有限要素モデリングを統合するように構成されている。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、身体の全関節のためのコンプライアントで移植可能なプロテーゼを設計するために使用されてよい。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、関節炎、外傷、腫瘍、先天的奇形、感染、糖尿症性関節症などを非限定的に含めたさまざまな病理を補正するために使用されてよい。いくつかの実施形態において本発明の方法は、四肢の生体力学を復元するように最適化された関節および病理に特異的なコンプライアントインプラントを結果としてもたらすことができる。
【0153】
ここで図25を参照すると、コンプライアント移植可能プロテーゼを設計する例示的方法1000が描かれている。方法1000は、ステップ1002で始まり、ここで、インプラントについての所望の自由度コンプライアンスおよび解剖学的制約を識別するために対象に対して筋神経骨格(NMS)モデリングまたは任意の生体力学的モデリングが行なわれる。
【0154】
ステップ1004では、自由と制約トポロジ(FACT)を使用して、所望されるコンプライアンス空間を生み出すのに必要とされるメカニズム幾何形状の概略近似を生成する。いくつかの実施形態において、FACTを使用して、任意の幾何形状の全体的コンプライアントシステムを体系化することができる。いくつかの実施形態において、FACTは、微小的に小さい動きを達成するコンプライアントソリューションの完全な設計空間に対して自由度または「DOF」を非限定的に含めたこれらの小さい動きをリンクさせる。いくつかの実施形態において、FACTは、特定用途向けのコンプライアント幾何形状の迅速な識別のための扉を開くように構成されている。いくつかの実施形態においては、FACTを近年のコンピュータの進歩と組合わせて、これらの幾何形状の最適化を可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、FACTは、規定された機械的挙動を伴うコンプライアントメカニズムの設計を可能にするように構成されてよい。
【0155】
ステップ1006では、歩行中に遭遇する負荷に代表される負荷の下でインプラントの準静的力学モデルから、汎用メカニズムのパラメータ化された有限要素モデル(FEM)が生成される。いくつかの実施形態においては、モデルは、メカニズムの幾何形状および材料に基づいて構築される。いくつかの実施形態においては、モデルは、シミュレートされた適用負荷に応答して変形、応力、剛性などを出力する。
【0156】
ステップ1008では、インプラントの形状を調整することによってメカニズム幾何形状が精緻化される。いくつかの実施形態において、インプラントの形状は、その力学および疲労寿命に基づいて調整されてよい。
【0157】
いくつかの態様において、本発明は、コンプライアントで移植可能なプロテーゼを設計する方法において、解剖学的制約およびインプラントについて所望される自由度のコンプライアンスを識別するべく対象に対する筋神経骨格(NMS)モデリングを行なうステップと、自由と制約トポロジ(FACT)を使用することによって、所望されるコンプライアンス空間を生み出すのに必要とされるメカニズム幾何形状の概略近似を生成するステップと、歩行中に遭遇する負荷に代表される負荷の下でインプラントの準静的力学モデルから、汎用メカニズムのパラメータ化された有限要素モデル(FEM)を創出するステップと、インプラントの形状を調整することによって、メカニズム幾何形状を精緻化するステップと、を含む方法に関する。
【0158】
いくつかの態様において、本発明は、本発明の少なくとも1つのインプラントデバイスの移植のためのドリルガイドに関する。ここで図26Aおよび図26Bを参照すると、本発明の少なくとも1つのインプラントデバイスの移植のための例示的ドリルガイドが示されている。図26Aに示されているのは、踵骨ドリルガイドである。図26Bに示されているのは、中足部のドリルガイドである。青色および赤色のラインが、ガイドを所定の場所に保持しドリルを誘導するために所定の場所に置かれるk-ワイヤを表わすという点に留意されたい。
【実施例
【0159】
本発明は、以下の実験例を参照しながらさらに詳述される。これらの実施例は、単に例示を目的として提供されているにすぎず、別段の規定のないかぎり限定的であるように意図されたものではない。したがって、本発明は、以下の実施例に限定されるものとみなされるべきではなく、むしろ本明細書中に提供されている教示の結果として明白になるあらゆる変形形態を包含するものとみなされるべきである。
【0160】
さらなる説明無く、当業者であれば、先行する記述そして以下の例示的実施例を使用して、本発明の合成物を作製し利用し、請求対象の方法を実践することができると考えられている。したがって、以下の実施例は、本発明の例示的実施形態を具体的に指摘しており、本開示の残りの部分をいかなる形であれ限定するものとみなされるべきものではない。
【0161】
実施例1:
重症の足首および後足部の病態の治療のためのコンプライアントインプラント設計の実現可能性を示すために、予備的モデリングおよび実験作業を実施した。このパイロット作業は、i)足首にとって適切なサイズおよび拘束空間の移植型コンプライアントメカニズムが、周期的歩行負荷に耐えることのできるものであること;ii)これらのメカニズムの挙動が、屈曲幾何形状に対して僅かな変更を加えることで予測可能な形で調整可能であること;そしてiii)標的部位には、ロバストな固定のために適切な骨が存在することを立証している。汎用足首メカニズム設計(図27A)は、1本の軸を中心として高いコンプライアンス、そして軸外回転および垂直圧縮における調節可能なコンプライアンスを有する。該設計は同様に、メカニズム用のカバーを含んでおり、これは人工関節空間内のデッドスペースおよび衝突を防止する上で重要である。予備的有限要素モデル(FEM)は、チタン(Ti6-Al4v)製のメカニズム設計が、10回サイクルでの材料の疲労限界より低くとどまりながら、足首置換のためのISO規格負荷に耐えることができる、ということを示しており(図27B);これは、疲労により機能しなくなるまで91年間にわたり一日5000歩という控えめな歩数に対応している。同一のサイズの、ただし明確に異なる屈曲幾何形状の2つのプロトタイプメカニズム(図27C)も同様に3Dプリンティングされ、FEMがそれらの根本的に異なる剛性を正確に予測できることを実証した(図27D図27E)。
【0162】
損傷を受けた距骨を除去し、足首-後足部インプラントの遠位端部を直接踵骨、舟状骨および楔状骨に固着させることが意図されている;これらの骨は多くの場合、癒合または他の再建アプローチにおいて使用されるものの、特定の固定アプローチには、新規のハードウェアが必要とされる。この目的で、潜在的な固定部位としてこれらの骨を査定し(図27Fおよび図28)、多孔質チタンを活用して標的の骨とのオッセオインテグレーションを促進する固定戦略を設計するために、いくつかの切開が行なわれた。
【0163】
本明細書中で引用された各々全ての特許、特許出願および出版物の開示は、その全体が参照により本明細書に各々組込まれている。本発明は、特定の実施形態を参考にして開示されてきたが、本発明の他の実施形態および変形形態が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく当業者により考案されてよい、ということは明白である。添付のクレームは、このような実施形態および等価の変形形態を全て含むものとみなされるよう意図されている。
図1A-1C】
図2
図3A
図3B
図3C-3D】
図3E-3F】
図3G
図3H-3I】
図3J-3K】
図3L
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8A-8B】
図9
図10A-10D】
図11A-11D】
図12
図13
図14A-14D】
図15A
図15B
図15C
図16
【図
図17B
図17C
【図
図17E
図18A
図18B
図19A-19D】
図19E-19H】
図20A-20C】
図20D-20H】
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
図23A
図23B
図23C-23F】
図23G-23J】
図23K
図23L
図24
図25
図26A
図26B
図27A-27F】
図28
【国際調査報告】