(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ノード保護方法、装置、電子機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 45/24 20220101AFI20241202BHJP
H04L 45/28 20220101ALI20241202BHJP
【FI】
H04L45/24
H04L45/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536035
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022130582
(87)【国際公開番号】W WO2024098244
(87)【国際公開日】2024-05-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518056748
【氏名又は名称】新華三技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】NEW H3C TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】邱元香
(72)【発明者】
【氏名】林長望
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030LB08
5K030MD02
(57)【要約】
本願の実施例は、第1のノードに適用されるノード保護方法、装置、電子機器及び媒体を提供する。第1のサービスパケットを取得し、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは、第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されることと、第1のサービスパケットを転送することと、を含む。プライマリ末尾ノードに到達不可になった後、ルーティングが再び収束するまでに、CE機器に接続されるユーザのトラフィックが中断しないため、末尾ノードの信頼性を確保し、ネットワークの信頼性を向上させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のノードに適用されるノード保護方法であって、
第1のサービスパケットを取得するステップであって、前記第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、前記第1のSIDリストは前記第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、前記プリセットフラグビットは前記第1のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記第1のサービスパケットを転送するステップと、
を含む、ことを特徴とするノード保護方法。
【請求項2】
請求項1に記載のノード保護方法であって、
前記第1のノードが前記プライマリパスにおけるソースノードである場合、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信するステップと、
前記プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、前記オリジナルパケットを前記第1のサービスパケットとしてカプセル化するステップと、
を含む、ことを特徴とするノード保護方法。
【請求項3】
請求項1に記載のノード保護方法であって、
前記第1のノードが前記プライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信するステップであって、前記第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、前記第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストと前記プリセットフラグビットとを含み、前記プリセットフラグビットは、前記第2のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を含むことを特徴とするノード保護方法。
【請求項4】
請求項3に記載のノード保護方法であって、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を含むことを特徴とするノード保護方法。
【請求項5】
請求項3に記載のノード保護方法であって、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され且つ前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を含むことを特徴とするノード保護方法。
【請求項6】
請求項1に記載のノード保護方法であって、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノード又は前記バックアップ末尾ノードである場合、前記第1のサービスパケットを転送するステップは、
前記第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得するステップと、
前記オリジナルパケットを転送するステップと、
を含むことを特徴とするノード保護方法。
【請求項7】
請求項1-6のいずれか1項に記載のノード保護方法であって、
前記プリセットフラグビットは第1の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDが前記バックアップSIDであり、
前記プリセットフラグビットは第2の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDである、
ことを特徴とするノード保護方法。
【請求項8】
請求項1-6のいずれか1項に記載のノード保護方法であって、
前記第1の値が1または0である、
ことを特徴とするノード保護方法。
【請求項9】
請求項1-6のいずれか1項に記載のノード保護方法であって、
前記第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、前記フラグフィールドにおける1つのフラグビットが前記プリセットフラグビットである、
ことを特徴とするノード保護方法。
【請求項10】
第1のノードに適用されるノード保護装置であって、
前記ノード保護装置は、
第1のサービスパケットを取得するための取得モジュールであって、前記第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、前記第1のSIDリストは前記第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、前記プリセットフラグビットは前記第1のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される取得モジュールと、
前記第1のサービスパケットを転送するための転送モジュールと、
を含むことを特徴とするノード保護装置。
【請求項11】
請求項10に記載のノード保護装置であって、
前記第1のノードが前記プライマリパスにおけるソースノードである場合、前記取得モジュールは、具体的に、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信することと、
前記プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、前記オリジナルパケットを前記第1のサービスパケットとしてカプセル化することと、
に用いられることを特徴とするノード保護装置。
【請求項12】
請求項10に記載のノード保護装置であって、
前記第1のノードが前記プライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、前記取得モジュールは、具体的に、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信し、前記第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、前記第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストと前記プリセットフラグビットとを含み、前記プリセットフラグビットは、前記第2のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されることと、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられることを特徴とするノード保護装置。
【請求項13】
請求項12に記載のノード保護装置であって、
前記取得モジュールは、具体的に、
前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられることを特徴とするノード保護装置。
【請求項14】
請求項13に記載のノード保護装置であって、
前記取得モジュールは、具体的に、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、且つ前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられることを特徴とするノード保護装置。
【請求項15】
請求項10に記載のノード保護装置であって、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノード又は前記バックアップ末尾ノードである場合、前記転送モジュールは、具体的に、
前記第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得することと、
前記オリジナルパケットを転送することと、
に用いられることを特徴とするノード保護装置。
【請求項16】
請求項10-15のいずれか1項に記載のノード保護装置であって、
前記プリセットフラグビットは第1の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDが前記バックアップSIDであり、
前記プリセットフラグビットは第2の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDである、
ことを特徴とするノード保護装置。
【請求項17】
請求項10-15のいずれか1項に記載のノード保護装置であって、
前記第1の値が1または0である、
ことを特徴とするノード保護装置。
【請求項18】
請求項10-15のいずれか1項に記載のノード保護装置であって、
前記第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、前記フラグフィールドにおける1つのフラグビットが前記プリセットフラグビットである、
ことを特徴とするノード保護装置。
【請求項19】
電子機器であって、
プロセッサと、
送受信機と、
前記プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドを記憶しているための機械可読記憶媒体と、を含み、
前記機械実行可能なコマンドは、前記プロセッサに、
第1のサービスパケットを取得するステップであって、前記第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、前記第1のSIDリストは前記第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、前記プリセットフラグビットは前記第1のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記第1のサービスパケットを転送するステップと、
を実行させることを特徴とする電子機器。
【請求項20】
請求項19に記載の電子機器であって、
前記電子機器が前記プライマリパスにおけるソースノードである場合、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信するステップと、
前記プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、前記オリジナルパケットを前記第1のサービスパケットとしてカプセル化するステップとを、
実行させることを特徴とする電子機器。
【請求項21】
請求項19に記載の電子機器であって、
前記電子機器が前記プライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信するステップであって、前記第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、前記第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストと前記プリセットフラグビットとを含み、前記プリセットフラグビットは、前記第2のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させることを特徴とする電子機器。
【請求項22】
請求項21に記載の電子機器であって、
前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記電子機器がエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させることを特徴とする電子機器。
【請求項23】
請求項22に記載の電子機器であって、
前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
前記電子機器が前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記電子機器が前記プライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、前記電子機器が前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、且つ前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記電子機器がエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させることを特徴とする電子機器。
【請求項24】
請求項19に記載の電子機器であって、
前記電子機器が前記プライマリ末尾ノード又は前記バックアップ末尾ノードである場合、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
前記第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得するステップと、
前記オリジナルパケットを転送するステップと、
を実行させることを特徴とする電子機器。
【請求項25】
請求項19-24のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記プリセットフラグビットは第1の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDが前記バックアップSIDであり、
前記プリセットフラグビットは第2の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDである、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項26】
請求項19-24のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記第1の値が1または0である、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項27】
請求項19-24のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、前記フラグフィールドにおける1つのフラグビットが前記プリセットフラグビットである、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項28】
機械可読記憶媒体であって、
機械実行可能なコマンドを記憶しており、プロセッサによって呼び出されて実行されると、前記機械実行可能なコマンドは、前記プロセッサに請求項1-6のいずれか1項に記載のノード保護方法のステップを実現させる、
ことを特徴とする機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信技術分野に関し、特にノード保護方法、装置、電子機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイスオーバーインターネットプロトコル(Voice over Internet Protocol、VoIP)アプリケーション等の対話型マルチメディアサービスアプリケーションは、ネットワークのパケットロスに対して非常に敏感であり、一般的に、数十ミリ秒のネットワークのパケットロスしか許容できない。ネットワーク内のリンク又はノードに障害が発生する場合、サービス伝送の再開に必要な時間は通常、数百ミリ秒であり、ひいては数秒であり、サービスの要求を満足できない。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施例は、SRv6末尾ノードの信頼性を高め、ネットワークの信頼性を向上させるためのノード保護方法、装置、電子機器及び媒体を提供することを目的とする。具体的な技術案は、以下の通りである。
【0004】
第1の形態において、本願は、第1のノードに適用されるノード保護方法を提供する。
前記ノード保護方法は、
第1のサービスパケットを取得するステップであって、前記第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、前記第1のSIDリストは前記第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、前記プリセットフラグビットは前記第1のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記第1のサービスパケットを転送するステップと、
を含む。
【0005】
いくつかの実施例において、前記第1のノードが前記プライマリパスにおけるソースノードである場合、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信するステップと、
前記プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、前記オリジナルパケットを前記第1のサービスパケットとしてカプセル化するステップと、
を含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記第1のノードが前記プライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信するステップであって、前記第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、前記第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストと前記プリセットフラグビットとを含み、前記プリセットフラグビットは、前記第2のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を含む。
【0007】
いくつかの実施例において、前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップは、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、且つ前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を含む。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノード又は前記バックアップ末尾ノードである場合、前記第1のサービスパケットを転送するステップは、
前記第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得するステップと、
前記オリジナルパケットを転送するステップと、
を含む。
【0010】
いくつかの実施例において、前記プリセットフラグビットは第1の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDが前記バックアップSIDであり、
前記プリセットフラグビットは第2の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDである。
【0011】
いくつかの実施例において、前記第1の値が1または0である。
【0012】
いくつかの実施例において、前記第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、前記フラグフィールドにおける1つのフラグビットが前記プリセットフラグビットである。
【0013】
第2の形態において、本願は、第1のノードに適用されるノード保護装置を提供する。前記ノード保護装置は、
第1のサービスパケットを取得するための取得モジュールであって、前記第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、前記第1のSIDリストは前記第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、前記プリセットフラグビットは前記第1のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される取得モジュールと、
前記第1のサービスパケットを転送するための転送モジュールと、
を含む。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第1のノードが前記プライマリパスにおけるソースノードである場合、前記取得モジュールは、具体的に、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信することと、
前記プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、前記オリジナルパケットを前記第1のサービスパケットとしてカプセル化することと、
に用いられる。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第1のノードが前記プライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、前記取得モジュールは、具体的に、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信し、前記第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、前記第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストと前記プリセットフラグビットとを含み、前記プリセットフラグビットは、前記第2のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されることと、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記取得モジュールは、具体的に、
前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記取得モジュールは、具体的に、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、且つ前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のノードがエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第1のノードが前記プライマリ末尾ノード又は前記バックアップ末尾ノードである場合、前記転送モジュールは、具体的に、
前記第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得することと、
前記オリジナルパケットを転送することと、
に用いられる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記プリセットフラグビットは第1の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDが前記バックアップSIDであり、
前記プリセットフラグビットは第2の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDである。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第1の値が1または0である。
【0021】
いくつかの実施例において、前記第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、前記フラグフィールドにおける1つのフラグビットが前記プリセットフラグビットである。
【0022】
第3の形態において、本願は電子機器を提供する。前記電子機器は、
プロセッサと、
送受信機と、
前記プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドを記憶している機械可読記憶媒体と、を含み、
前記機械実行可能なコマンドは、前記プロセッサに、
第1のサービスパケットを取得するステップであって、前記第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、前記第1のSIDリストは前記第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、前記プリセットフラグビットは前記第1のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記第1のサービスパケットを転送するステップと、
を実行させる。
【0023】
いくつかの実施例において、前記電子機器が前記プライマリパスにおけるソースノードである場合、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信するステップと、
前記プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、前記オリジナルパケットを前記第1のサービスパケットとしてカプセル化するステップと、
を実行させる。
【0024】
いくつかの実施例において、前記電子機器が前記プライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信するステップであって、前記第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、前記第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストと前記プリセットフラグビットとを含み、前記プリセットフラグビットは、前記第2のSRH拡張ヘッダに前記バックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
前記プライマリ末尾ノードのノード状態と、前記バックアップ末尾ノードのノード状態と、前記第2のSIDリストとに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させる。
【0025】
いくつかの実施例において、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記電子機器がエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させる。
【0026】
いくつかの実施例において、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
前記電子機器が前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、前記プライマリ末尾ノードに到達不可であり、前記バックアップ末尾ノードに到達可能であると、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを前記バックアップSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
前記電子機器が前記プライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、前記電子機器が前記プライマリ末尾ノードに直接接続され、且つ前記プライマリ末尾ノードに到達可能であると、前記電子機器がエンドポイントノードである場合、前記第2のSIDリストに基づいて、前記第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、前記第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させる。
【0027】
いくつかの実施例において、前記電子機器が前記プライマリ末尾ノード又は前記バックアップ末尾ノードである場合、前記機械実行可能なコマンドは、具体的に、前記プロセッサに、
前記第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得するステップと、
前記オリジナルパケットを転送するステップと、
を実行させる。
【0028】
いくつかの実施例において、前記プリセットフラグビットは第1の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDが前記バックアップSIDであり、
前記プリセットフラグビットは第2の値に設定され、前記第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDである。
【0029】
いくつかの実施例において、前記第1の値が1または0である。
【0030】
いくつかの実施例において、前記SRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、前記フラグフィールドにおける1つのフラグビットが前記プリセットフラグビットである。
【0031】
第4の形態において、本願は、機械実行可能なコマンドを記憶している機械可読記憶媒体であって、プロセッサによって呼び出されて実行されると、前記機械実行可能なコマンドは前記プロセッサに上記いずれかのノード保護方法のステップを実現させる機械可読記憶媒体を提供する。
【0032】
本願の実施例に係る技術案において、SRH拡張ヘッダにプリセットフラグビットを追加し、プリセットフラグビットによりSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示し、SRH拡張ヘッダに含まれるSIDリストにバックアップ末尾ノードのSIDを追加する。プリセットフラグビットとSIDリストに含まれるバックアップ末尾ノードのSIDとに基づいて、プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードは第1のサービスパケットをバックアップ末尾ノードに送信し、バックアップ末尾ノードは第1のサービスパケットをオリジナルパケットに対応する宛先機器に送信することができる。これで分かるように、本願の実施例に係る技術案において、CEが複数の末尾ノードにマルチホーミングされると、プライマリ末尾ノードに到達不可になった後、ルーティングが再び収束するまでに、CE機器に接続されるユーザのトラフィックが中断しないため、末尾ノードの信頼性を確保し、ネットワークの信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下、本願の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、実施例及び従来技術で使用される図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は単に本願の実施例の一部によるものに過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】
図1はSRv6 SIDのフォーマットの模式図である。
【
図2】
図2はSRv6パケットのフォーマットの模式図である。
【
図3】
図3はSRv6パケット転送過程の例示的な模式図である。
【
図4】
図4はマルチホーミングネットワーキングの模式図である。
【
図5】
図5は本願の実施例に係るノード保護方法の第1の概略フローチャートである。
【
図6a】
図6aは本願の実施例に係るSRHフォーマットの第1の模式図である。
【
図6b】
図6bは本願の実施例に係るSRHフォーマットの第2の模式図である。
【
図7】
図7は本願の実施例に係るフラグフィールドにおけるプリセットフラグビットの模式図である。
【
図8】
図8は本願の実施例に係るノード保護方法の第2の概略フローチャートである。
【
図9】
図9は本願の実施例に係るノード保護方法の第3の概略フローチャートである。
【
図10】
図10は本願の実施例に係るノード保護方法の第4の概略フローチャートである。
【
図11】
図11は本願の実施例に係るノード保護方法の第5の概略フローチャートである。
【
図12】
図12は
図4に示すマルチホーミングネットワーキングに基づくSRv6パケット転送過程の例示的な模式図である。
【
図13】
図13は本願の実施例に係るノード保護装置の概略構造図である。
【
図14】
図14は本願の実施例に係る電子デバイスの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、図面を参照しながら例を挙げて本願をさらに詳しく説明する。明らかに、説明される実施例は単に本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要とせずに得られる全ての他の実施例は何れも本願の保護範囲に該当する。
【0035】
理解を容易にするために、本願の実施例に係る関連概念について説明する。
【0036】
1、SRv6の概要。
セグメントルーティング(Segment Routing、SR)は、ソースノードにおけるパス選択のメカニズムを利用して、転送パスにおける経由するセグメント(Segment)のセグメント識別子(Segment Identifier、SID)をソースノードで予めカプセル化する。パケットがSRノードを通過すると、SRノードは、パケットのSIDに基づいてパケットを転送する。ソースノード以外の他のノードは、パスの状態を維持する必要がない。
【0037】
IPv6セグメントルーティング(Segment Routing IPv6、SRv6)とは、IPv6転送プレーンに基づいてSRを実現することを指す。SRv6は、IPv6パケットに1つのルーティング拡張ヘッダ、即ちセグメントルーティングヘッダ(Segment Routing Header、SRH)を挿入し、転送パスにおける経由する全てのセグメントのSID、即ちSIDリストをSRHに追加することで、当該IPv6パケットの転送パスを明示的に指定する。SRv6はソフトウェア定義型広域ネットワーク(Software Defined Wide Area Network、SD-WAN)に対して柔軟で効率的な制御手段を提供し、配置が簡単で、拡張しやすい特徴があり、トラフィックのスケジューリング及びパスの最適化をより良好に実現し、キーサービスの品質を確保し、トラフィックの分散のバランスを取り、専用線の利用率を向上させ、回線のコストを削減することができる。
【0038】
SRv6ネットワーク内のノードは、異なる機能に応じて、以下のいくつかの役割に分類される。
【0039】
ソースノードである場合、IPv6パケットのIPv6基本ヘッダにSRHを挿入するか、或いはパケットの外層にIPv6基本ヘッダをカプセル化してSRHを挿入することを担う。ソースノードは、パケットフローをSRHにおけるセグメントリスト(Segment List)によって定義されたSRv6パスに導入するために用いられる。
【0040】
中継ノードである場合、パケットのSRv6パスに位置し、SRv6処理には関与せず、一般的なIPv6パケット転送のみを実行する。中継ノードは、SRv6をサポートするノードでもよく、SRv6をサポートしないノードでもよい。
【0041】
エンドポイントノード(Endpointノード)である場合、受信したSRv6パケットのIPv6宛先アドレスがEndpointノードに配置されたSRv6 SIDであると、SRv6 SIDのコマンドに従って処理を実行し、SRHを更新する。
【0042】
末尾ノードである場合、SRv6転送パスにおける最後のEndpointノードである。
【0043】
同じノードは異なるSRv6パスにおいて異なる役割を果たしてよい。例えば、1つのノードは、1つのSRv6パスにおいてソースノードであり、他のSRv6パスにおいて中継ノード又はEndpointノードであってよい。
【0044】
SRv6において、SIDは、あるネットワーク機能を定義しており、あるネットワークコマンドを示すためのものである。SRv6 SIDのフォーマットはIPv6アドレスの形式であり、
図1に示すように、SRv6 SIDはLocator(ロケータ)フィールド、Function(機能)フィールド、Arguments(パラメータ)フィールド及びMBZ(Must be zero、ゼロでなければならない)フィールドという4つの部分から構成される。
【0045】
ここで、Locatorは、SIDが属するネットワークセグメントを識別するためのものである。LocatorはSRドメインにおいて一意である。
【0046】
Functionは、SIDにバインドされたローカル操作コマンドを識別するためのものである。SRドメインにおける指定されたノードはトラフィックを受信した後、SRv6 SIDのFunctionフィールドに従って関連する操作を実行する。
【0047】
Argumentsは、パケットのフロー及びサービス等の情報を定義するためのものである。
【0048】
MBZ(Must be zero)は、Locator、Function及びArgumentsのビット数の合計が128bitsより小さいと、他のビットを0で埋める。
【0049】
2、SRv6パケットのフォーマット。
SRv6パケットのカプセル化フォーマットは、オリジナルの3層のデータパケットの場合に新しいIPv6基本ヘッダとSRHとを運ぶものである。SRHはルーティングタイプの値が4であるルーティング拡張ヘッダである。SRv6パケットのフォーマットは
図2に示される。SRv6パケットにIPv6基本ヘッダと、SRHと、オリジナルパケットとを含む。
【0050】
ここで、IPv6基本ヘッダに、バージョン番号(Version、Ver)と、トラフィッククラス(Traffic class)と、フローラベル(Flow Label)と、ペイロード長さ(Payload Length)と、次ヘッダ(Next header)と、ホップ制限(Hop limit)と、ソースアドレス(Source Address,SA)と、宛先アドレス(Destination Address,DA)とを含む。ここで、Next headerの値は43であり、次ヘッダがルーティング拡張ヘッダであることを示す。
【0051】
SRHに次のものを含む。
次ヘッダ(Next Header)は、長さが8bitsであり、次のパケットヘッダのタイプを識別するために用いられる。
SRH長さ(Hdr Ext Len)は、長さが8bitsであり、8バイトを単位とするSRHヘッダの長さを表し、1番目の8バイトを含まない。
ルーティングタイプ(Routing Type)は、長さが8bitsであり、値が4であり、SRHを運ぶことを表す。
セグメントインデックス(Segments Left、SL)は、長さが8bitsであり、検索する次のSIDの番号を表し、初期値がn-1であり、nはSRHにカプセル化されたSIDの数を表し、1つのendpointノードを経由するたびに、SLの値を1減らす。
最後のホップ(Last Entry)は、長さが8bitsであり、値がSRHにおけるパケットの実際の転送パスの1番目のSIDの番号である。
フラグビット(Flags)は、長さが8bitsであり、フラグビット情報である。
タグ(Tag)は、長さが16bitsであり、同じ特性を持つパケットのグループをマークするために用いられる。
セグメントリスト(Segment List)は、SIDリストであり、パケット転送パスにおけるノードが遠い順に配列する。即ち、Segment List [0]が転送パスの最後のSIDを表し、Segment List [1]が転送パスの最後から2番目のSIDを表し、このように類推される。
Optional Type Length Value objects(variable)は、オプションのタイプ長値オブジェクト変数である。
【0052】
3、SRv6パケットの転送過程。
図3に示すように、
図3における機器Aはソースノードであり、機器C及び機器EはEndpointノードであり、機器B及び機器Dは中継ノードである。
【0053】
ステップ1において、機器Aはソースノードとしてオリジナルパケットを受信した後、オリジナルパケットに対してSRHとIPv6基本ヘッダとをカプセル化し、そして、カプセル化されたIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスに基づいてルーティングテーブルを検索することで、カプセル化されたパケットを機器Bに転送する。
【0054】
機器Aから機器Dへのパスは機器C及び機器Eという2つのEndpointノードを経由する必要があるため、SRHにおけるセグメントインデックスフィールドにおいて、SL=1であり、SRHにおけるSIDリストに、Segment List [0]=EおよびSegment List [1]=Cを含む。
【0055】
IPv6基本ヘッダにおいて、ソースアドレスは機器Aのアドレスであり、宛先アドレスはSLで示されるアドレスであり、即ちSL=1で示されるSegment List [1]のアドレスであり、つまり機器Cのアドレスである。
【0056】
ステップ2において、機器Bはパケットを受信した後、IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスに基づいてルーティングテーブルを検索し、パケットを機器Cに転送する。
【0057】
ステップ3において、機器CはSRHにおけるSLをチェックし、SL>0である場合、SLの値を1減らし、IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをSLで示されるアドレス、即ちSL=0に対応するSegment List [0]に更新し、つまり機器Eのアドレスに更新する。その後、機器Cはパケットを機器Dに転送する。
【0058】
ステップ4において、機器Dはパケットを受信した後、IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスに基づいてルーティングテーブルを検索し、パケットを機器Eに転送する。
【0059】
ステップ5において、機器Eは、末尾ノードとして、パケットを受信した後、SRHヘッダにおけるSL値をチェックした結果、SL=0を見つけると、パケットに対してデカプセル化を行い、カプセル化されたIPv6基本ヘッダとSRHとを削除し、オリジナルパケットを取得し、オリジナルパケットにおける宛先アドレスに基づいてパケット転送を行う。
【0060】
マルチホーミングシナリオでは、CEは複数の末尾ノードにマルチホーミングされる。ソースノードは、ルーティングプロトコルによりCEのマルチホーミングルーティングを学習した後、ルーティング最適化ポリシーによって最適パスと準最適パスとを確定する。最適パスにおける出口機器はプライマリ末尾ノードであり、プライマリ末尾ノードのSIDはプライマリSIDとし、準最適パスにおける出口機器はバックアップ末尾ノードであり、バックアップ末尾ノードのSIDはバックアップSIDとする。ここで、最適パスはプライマリパスであり、準最適パスはバックアップパスである。
【0061】
図4にマルチホーミングネットワーキングを示す。
図4において、カスタマエッジ(Customer Edge、CE)機器はCE1-CE2を含み、プロバイダエッジ(Provider Edge、PE)機器はPE1-PE4を含み、非プロバイダエッジ(Non-Provider Edge、P)機器はP1-P4を含む。
図4において、CE1からCE2への方向では、PE1はソースノードである。PE1はルーティングプロトコルとルーティング最適化ポリシーによって、最適パスPE1→P1→P2→PE3と、準最適パスPE1→P1→P2→P4→PE4とを確定する。CE2は末尾ノードPE3及びPE4にマルチホーミングされる。PE3はプライマリ末尾ノードであり、PE3のSIDはプライマリSIDとし、PE4はバックアップ末尾ノードであり、PE4のSIDはバックアップSIDとする。
【0062】
対話型マルチメディアサービスアプリケーションは、ネットワークのパケットロスに対して非常に敏感し、一般的に、数十ミリ秒のネットワークのパケットロスしか許容できない。ネットワーク内のリンク又はノードに障害が発生すると、サービス伝送の再開に必要な時間は通常数百ミリ秒であり、ひいては数秒であり、サービスの要求を満足できない。トラフィックの損失を最大限に低減するために、本願の実施例はSRv6マルチホーミング末尾ノードの信頼性を高め、ネットワークの信頼性を向上させるためのノード保護方法を提供する。
【0063】
図5に示すように、
図5は本願の実施例に係るノード保護方法の第1の概略フローチャートであり、当該ノード保護方法はSRv6ネットワーク内の何れかのノードに適用され、例えば
図4におけるPE1-PE4及びP1-P4における何れかの機器に適用される。以下、区別及び理解を容易にするために、第1のノードを例として説明するが、これに限定しない。上記ノード保護方法は以下のステップを含む。
【0064】
ステップS51において、第1のサービスパケットを取得し、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは、第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される。
【0065】
ステップS52において、第1のサービスパケットを転送する。
【0066】
本願の実施例に係る技術案において、SRH拡張ヘッダにプリセットフラグビットを追加し、プリセットフラグビットにより、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示し、SRH拡張ヘッダに含まれるSIDリストにバックアップ末尾ノードのSIDを追加する。プリセットフラグビットとSIDリストに含まれるバックアップ末尾ノードのSIDとに基づいて、プライマリ末尾ノードに到達できないが、バックアップ末尾ノードに到達できる場合、第1のノードは第1のサービスパケットをバックアップ末尾ノードに送信し、バックアップ末尾ノードは、第1のサービスパケットをオリジナルパケットに対応する宛先機器に送信する。これで分かるように、本願の実施例に係る技術案において、CEが複数の末尾ノードにマルチホーミングされると、プライマリ末尾ノードに到達不可になった後、ルーティングが再び収束するまでに、CE機器に接続されるユーザのトラフィックが中断しないため、末尾ノードの信頼性を確保し、ネットワークの信頼性を向上させる。
【0067】
上記ステップS51において、第1のサービスパケットはネットワークにおいて伝送される何れかのSRv6パケットであってよい。第1のサービスパケットはIPv6基本ヘッダとSRH拡張ヘッダとを含み、当該SRH拡張ヘッダはSIDリストとプリセットフラグビットとを含む。以下、区別及び理解を容易にするために、第1のサービスパケットに含まれるSRH拡張ヘッダを第1のSRH拡張ヘッダと称し、第1のSRH拡張ヘッダに含まれるSIDリストを第1のSIDリストと称する。本願の実施例において、第1のSRH拡張ヘッダに含まれるプリセットフラグビットは、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定され、当該バックアップSIDはバックアップ末尾ノードのSIDである。第1の値が1または0であってよい。プライマリSIDはプライマリ末尾ノードのSIDである。
【0068】
第1のサービスパケットは第1のノードによって受信されたサービスパケットであってよく、第1のノードが受信されたサービスパケットに対して宛先アドレスの更新又はSRv6カプセル化処理を行った後に得られたサービスパケットであってよいが、これらに限定されない。
【0069】
第1のノードは、第1のサービスパケットを取得した後、ステップS52を実行し、第1のサービスパケットを転送する。
【0070】
いくつかの実施例において、プリセットフラグビットは、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示すために用いられてよく、プリセットフラグビットは、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ばないことを示してよい。
【0071】
プリセットフラグビットが第1の値に設定されると、SIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDはプライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDはバックアップSIDである。
図6aにSRH拡張ヘッダを示す。当該SRH拡張ヘッダにおいて、Segment List[0]はバックアップSIDであり、即ち最後の要素にカプセル化されたSIDはバックアップ末尾ノードのSIDであり、Segment List[1]- Segment List[n]はプライマリパスにおける遠い順に配列するノードである。つまり、Segment List[1]はプライマリSIDであり、即ち最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDはプライマリ末尾ノードのSIDである。この際に、SRH拡張ヘッダにおけるSLの初期値はnであり、Last Entryの値はnである。
【0072】
プリセットフラグビットが第2の値に設定されると、SIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDがプライマリSIDである。
図6bにSRH拡張ヘッダを示す。当該SRH拡張ヘッダにおいて、Segment List[0]-Segment List[n-1]はプライマリパスにおける遠い順に配列するノードである。つまり、Segment List[0]はプライマリSIDであり、即ち最後の要素にカプセル化されたSIDはプライマリ末尾ノードのSIDである。この際に、SRH拡張ヘッダにおけるSLの初期値はn-1であり、Last Entryの値はn-1である。プリセットフラグビットが第2の値に設定される場合、SIDリストにはバックアップSIDを含まない。
【0073】
本願の実施例において、バックアップ末尾ノードのSIDが最後の元素にカプセル化されるため、制御プレーンのルーティングプロトコルを拡張する必要はない。SRv6転送プレーンの処理に対して僅かな一部の変更を行うだけで、例えば最後から2番目のホップでポップアップするように設定する等という変更を行うだけで、末尾ノードに障害が発生した場合の迅速なパス切り替えを実現し、ネットワークの信頼性を向上させることができる。
【0074】
いくつかの実施例において、ノード保護の操作を簡略化するために、第1のノードは、プリセットフラグビットがセットされるかどうかによって、プリセットフラグビットがSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示すか、それともSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ばないことを示すかを確定してよい。
【0075】
例えば、プリセットフラグビットがセットされる場合、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示し、
図6aに示すように、B-flagはプリセットフラグビットを表し、B-flag=1はSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを表す。これに対して、プリセットフラグビットがセットされない場合、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ばないことを示し、
図6bに示すように、B-flagはプリセットフラグビットを表し、B-flag=0である。
【0076】
本願の実施例において、プリセットフラグビットは1ビット(bit)を占めるだけで、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶかどうかを示すことを実現でき、ネットワークリソースの消費が削減される。
【0077】
ネットワークリソースの消費をさらに削減するために、プリセットフラグビットはSRH拡張ヘッダに含まれるFlagsフィールドにおける1つのフラグビットを占めてよい。即ち、Flagsフィールドにおける1つのフラグビットがプリセットフラグビットである。
図7に示すように、
図7におけるBはプリセットフラグビットを表し、
図7におけるプリセットフラグビットはFlagsフィールドに含まれる8bitにおいてbit[4]を占めるが、これに限定されない。即ち、プリセットフラグビットは、Flagsフィールドに含まれるbit[0]-bit[7]における占められていない何れかのフラグビットを占めてよい。本願の実施例において、サービスパケットにプリセットフラグビットを追加することなく、Flagsフィールドにおける1つの予約ビットを占めることで、ネットワークリソースの消費をさらに削減する。
【0078】
本願の実施例において、第1のノードはプライマリパスにおけるソースノード、エンドポイントノード或いは中継ノードであってよい。
【0079】
第1のノードがプライマリパスにおけるソースノードである場合、
図8に示すように、本願の実施例はノード保護方法を更に提供し、当該方法は以下のステップを含んでよい。
【0080】
ステップS81において、CE機器から送信されたオリジナルパケットを受信する。
【0081】
ステップS82において、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、オリジナルパケットを第1のサービスパケットとしてカプセル化し、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される。
【0082】
ステップS83において、第1のサービスパケットを転送する。
【0083】
本願の実施例に係る技術案において、ソースノードは、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有することを検出すると、オリジナルパケットを第1のサービスパケットとしてカプセル化することで、第1のサービスパケットに含まれるSIDリストにプライマリSIDとバックアップSIDとを有させ、且つプリセットフラグビットがSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定され、これによりその後に第1のサービスパケットを正確に処理することを確保する。
【0084】
上記ステップS81において、オリジナルパケットは、ネットワークにおいて伝送される何れかのパケットであってよい。当該オリジナルパケットはSRv6パケット、IPv4パケット又はIPv6パケット等であってよいが、これらに限定されない。
【0085】
ソースノードは、CE機器から送信されたオリジナルパケットを受信した後、オリジナルパケットのパケット特徴を抽出してよい。当該パケット特徴は、5タプル、入力インタフェース及びサービスタイプ等の情報を含むが、これらに限定されない。ソースノードは、抽出されたパケット特徴を予め格納されたSRパスで転送するパケットの特徴とマッチングする。マッチングしている場合、当該オリジナルパケットがSRパスで転送する必要があるサービスパケットであること、即ち当該オリジナルパケットがプライマリパスで転送する必要があるサービスパケットであることを確定することができる。
【0086】
オリジナルパケットがプライマリパスで転送する必要があることを確定する場合、ソースノードはステップS82を実行する。
【0087】
上記ステップS82において、ソースノードは、学習されたルーティング情報によって、プライマリ末尾ノードのプライマリSIDがバックアップSIDを有するかどうかを判断する。つまり、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有するかどうかを判断する。プライマリSIDがバックアップSIDを有する場合、即ちプライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有する場合、ソースノードはオリジナルパケットの外層にIPv6基本ヘッダとSRH拡張ヘッダとをカプセル化して、第1のサービスパケットを取得する。第1のサービスパケットの構造について、ステップS51、
図6a及び
図7に関連する説明を参照してよい。
【0088】
上記ステップS83において、第1のサービスパケットはIPv6基本ヘッダをさらに含む。ソースノードは、当該IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプによって、第1のサービスパケットを転送する。
【0089】
例えば、IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプがEnd.Xタイプである場合、ソースノードはIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスに対応する出力インタフェイスを確定し、確定された出力インタフェイスにより、第1のサービスパケットを次ホップのノードに送信する。IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプがEndタイプである場合、ソースノードはIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、第1のサービスパケットを次ホップのノードに送信する。
【0090】
いくつかの実施例において、
図9に示すように、
図9は本願の実施例に係るノード保護の第3の概略フローチャートであり、当該ノード保護方法は第1のノードに適用され、以下のステップを含んでよい。
【0091】
ステップS91において、CE機器から送信されたオリジナルパケットを受信する。
ステップS92において、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、オリジナルパケットを第1のサービスパケットとしてカプセル化し、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは、第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される。
ステップS93において、第1のサービスパケットを転送する。
上記ステップS91-S93は上記ステップS81-S83と同じである。
ステップS94において、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有しないと、オリジナルパケットを共通サービスパケットとしてカプセル化し、共通サービスパケットのSRH拡張ヘッダはSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、当該SIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDを含み、プリセットフラグビットはSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ばないことを示す第2の値に設定される。
ステップS95において、共通サービスパケットを転送する。
【0092】
本願の実施例に係る技術案において、ソースノードは、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有しないことを検出すると、オリジナルパケットを共通サービスパケットとしてカプセル化し、共通サービスパケットに含まれるSIDリストにプライマリSIDを有させるが、バックアップSIDを含まなく、プリセットフラグビットは、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ばないことを示す第2の値に設定され、これによりその後に共通サービスパケットを正確に処理することを確保する。本願の実施例において、プリセットフラグビットと、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有するかどうかを検出することとによって、ソースノードに非マルチホーミングシナリオ及びマルチホーミングシナリオでのパケット転送を同時にサポートさせ、本願の実施例に係る技術案の適用範囲を拡大する。
【0093】
ソースノードは、学習されたルーティング情報によって、プライマリ末尾ノードのプライマリSIDがバックアップSIDを有するかどうかを判断する。つまり、プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有するかどうかを判断する。プライマリSIDがバックアップSIDを有しない場合、即ちプライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有しない場合、ソースノードはステップS94を実行し、オリジナルパケットの外層にIPv6基本ヘッダとSRH拡張ヘッダとをカプセル化して、共通サービスパケットを取得する。共通サービスパケットの構造について、
図6b及び
図7に関連する説明を参照してよい。本願の実施例において、共通サービスパケットは、プリセットフラグビットが第2の値に設定されるサービスパケットである。
【0094】
上記ステップS95において、共通サービスパケットは、IPv6基本ヘッダをさらに含む。ソースノードは、当該IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプによって、共通サービスパケットを転送する。
【0095】
例えば、Pv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプがEnd.Xタイプである場合、ソースノードはIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスに対応する出力インタフェイスを確定し、確定された出力インタフェイスにより、共通サービスパケットを次ホップのノードに送信する。IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプがEndタイプである場合、ソースノードはIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、共通サービスパケットを次ホップのノードに送信する。
【0096】
第1のノードがプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、
図10に示すように、本願の実施例はノード保護方法を更に提供し、当該方法は以下のステップを含んでよい。
【0097】
ステップS101において、第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信し、第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、プリセットフラグビットは、第2のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される。
ステップS102において、プライマリ末尾ノードのノード状態とバックアップ末尾ノードのノード状態と、第2のSIDリストとに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、第1のサービスパケットを取得する。
ステップS103において、第1のサービスパケットを転送する。上記ステップS52と同じである。
【0098】
本願の実施例に係る技術案において、プライマリ末尾ノードのノード状態と、バックアップ末尾ノードのノード状態とに基づいて、第1のサービスパケットを、到達可能なプライマリ末尾ノード又はバックアップ末尾ノードに送信することを実現でき、ネットワークの信頼性をさらに向上させる。
【0099】
上記ステップS101において、第2のノードはソースノードであってよく、エンドポイントノード又は中継ノードであってもよい。第1のノードは、SRv6トラフィックエンジニアリング(Traffic Engineering、TE)パスにおけるエンドポイントノード又は中継ノードであってよく、SRv6ベストエフォート(Best-effort、BE)パスにおける中継ノードであってもよい。第2のサービスパケットは第2のノードから送信された第1のサービスパケットである。第1のノードは第2のノードから送信されたサービスパケット、即ち第2のサービスパケットを受信する。第2のサービスパケットの構造は、第1のサービスパケットの構造に関する説明を参照してよい。
【0100】
区別及び理解を容易にするために、本願の実施例において、第2のサービスパケットに含まれるSRH拡張ヘッダを第2のSRH拡張ヘッダと称し、第2のサービスパケットに含まれるIPv6基本ヘッダを第1のIPv6基本ヘッダと称し、第2のSRH拡張ヘッダに含まれるSIDリストを第2のSIDリストと称する。
【0101】
上記ステップS102において、ノード状態は、到達可能又は到達不可である。第1のノードは、プライマリ末尾ノードのノード状態とバックアップ末尾ノードのノード状態とに基づいて、パケットを転送する末尾ノードがプライマリ末尾ノードであるか、それともバックアップ末尾ノードであるかを確定できる。ここで、転送テーブル又はルーティングテーブルにプライマリ末尾ノードのノード状態とバックアップ末尾ノードのノード状態とを記録することができる。第1のノードは、転送テーブル又はルーティングテーブルから、プライマリ末尾ノードのノード状態とバックアップ末尾ノードのノード状態とを取得することができる。
【0102】
これに基づいて、第1のノードは、プライマリ末尾ノードのノード状態とバックアップ末尾ノードのノード状態とに基づいて、IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを、到達可能な末尾ノードのSIDに正確に更新でき、第1のサービスパケットを宛先CE機器に転送できることを確保し、ネットワークの信頼性を向上させる。
【0103】
本願の実施例において、第1のノードは、プライマリパスでの自身の役割に基づいて、以下の何れかの方式により、上記ステップS102を実行してよい。
【0104】
プライマリ末尾ノードのノード状態が到達不可であり、バックアップ末尾ノードのノード状態が到達可能であると、即ちプライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをバックアップSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0105】
プライマリ末尾ノードのノード状態が到達可能であると、即ちプライマリ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第2のSIDリストに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0106】
プライマリ末尾ノードのノード状態が到達可能であると、即ちプライマリ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードが中継ノードである場合、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新することなく、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して転送テーブルを直接に検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、第2のサービスパケットを転送することができる。
【0107】
いくつかの実施例において、第1のノードは、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態を検出し、さらに第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態と、プライマリ末尾ノードのノード状態と、バックアップ末尾ノードのノード状態と、第2のSIDリストとに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、第1のサービスパケットを取得する。ただし、接続形態は直接接続又は間接接続であってよい。第1のノードは第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態によって、第1のノードがプライマリパスにおける最後から2番目のホップのノードであるかどうかを確定でき、当該最後から2番目のホップのノードはエンドポイントノードであってよく、中継ノードであってもよい。ここで、転送テーブル又はルーティングテーブルに第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態を記録してよい。第1のノードは、転送テーブル又はルーティングテーブルから、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態を取得してよい。
【0108】
本願の実施例において、第1のノードは、プライマリパスでの自身の役割に基づいて、以下の何れかの方式により上記ステップS102を実行してよい。
【0109】
形態1として、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態は直接接続であり、プライマリ末尾ノードのノード状態は到達不可であり、バックアップ末尾ノードのノード状態は到達可能であると、即ち第1のノードがプライマリ末尾ノードに直接接続され、プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをバックアップSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0110】
本願の実施例において、第1のノードがプライマリ末尾ノードに直接接続されることは、第1のノードがプライマリパスにおける最後から2番目のホップのノードであることを示す。最後から2番目のホップのノードはエンドポイントノードであってよく、例えば第2のサービスパケットの第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスは第1のノードのSIDである。最後から2番目のホップのノードは転送ノードであってもよく、例えば第2のサービスパケットの第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスは第1のノードのSIDではない。
【0111】
【0112】
この場合、最後から2番目のホップのノードがエンドポイントノードである場合、第2のSRH拡張ヘッダにおいてSL=2である。第1のノードは第2のサービスパケットを受信した後、第2のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、即ちSL=1である。第1のノードは第2のSIDリストからSegment List[1]にカプセル化されたSIDを取得し、即ちプライマリ末尾ノードのSIDを取得する。プライマリ末尾ノードのSIDにアクセスできないと、即ちプライマリ末尾ノードに到達不可であると、第2のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし続け、即ちSL=0であり、第1のノードは第2のSIDリストからSegment List[0]にカプセル化されたSIDを取得し、即ちバックアップ末尾ノードのSIDを取得する。バックアップ末尾ノードのSIDにアクセスできると、即ちバックアップ末尾ノードに到達可能であると、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを第2のSIDリストにおけるSegment List[0]にカプセル化されたSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0113】
最後から2番目のホップのノードが転送ノードである場合、第2のSRH拡張ヘッダにおいてSL=1である。第1のノードは第2のサービスパケットを受信した後、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスにアクセスできないと、即ちプライマリ末尾ノードに到達不可であると、第2のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、即ちSL=0であり、第1のノードは第2のSIDリストからSegment List[0]にカプセル化されたSIDを取得し、即ちバックアップ末尾ノードのSIDを取得する。バックアップ末尾ノードのSIDにアクセスできると、即ちバックアップ末尾ノードに到達可能であると、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを第2のSIDリストにおけるSegment List[0]にカプセル化されたSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0114】
形態2として、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態は直接接続であり、且つプライマリ末尾ノードのノード状態は到達可能であると、即ち第1のノードがプライマリ末尾ノードに直接接続され、且つプライマリ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをプライマリSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得し、第1のノードが中継ノードである場合、第2のサービスパケットを直接に転送する。
【0115】
本願の実施例において、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態が直接接続であることは、第1のノードがプライマリパスにおける最後から2番目のホップのノードであることを示す。最後から2番目のホップのノードはエンドポイントノードであってよく、転送ノードであってもよい。
【0116】
例えば、SRH拡張ヘッダの構造を
図6aに示す。最後から2番目のホップのノードがエンドポイントノードである場合、第2のSRH拡張ヘッダにおいてSL=2であり、第1のノードは第2のサービスパケットを受信した後、第2のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、即ちSL=1である。第1のノードは第2のSIDリストからSegment List[1]にカプセル化されたSIDを取得し、即ちプライマリ末尾ノードのSIDを取得する。プライマリ末尾ノードのSIDにアクセスできると、即ちプライマリ末尾ノードに到達可能であると、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを第2のSIDリストにおけるSegment List[1]にカプセル化されたSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0117】
最後から2番目のホップのノードが転送ノードである場合、第2のSRH拡張ヘッダにおいてSL=1である。第1のノードは第2のサービスパケットを受信した後、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスにアクセスできると、即ちプライマリ末尾ノードに到達可能であると、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、次ホップのノードに第2のサービスパケットを転送し、即ちプライマリ末尾ノードに第2のサービスパケットを転送する。
【0118】
形態3として、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態は間接接続であると、即ち第1のノードがプライマリ末尾ノードに間接接続されると、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第2のSIDリストに基づいて第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得し、第1のノードが中継ノードである場合、第2のサービスパケットを直接転送する。
【0119】
本願の実施例において、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態は間接接続であることは、第1のノードがプライマリパスにおけるソースノード及び末尾ノードを除く最後から2番目のホップのノードではないノードである。最後から2番目のホップのノードではないノードはエンドポイントノードであってよく、転送ノードであってもよい。
【0120】
第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態が間接接続であると、第1のノードは
図3における機器Bまたは機器Cの方式により、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、第1のサービスパケットを取得してよい。
【0121】
例えば、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第2のSRH拡張ヘッダにおいてSL=4である。第1のノードは第2のサービスパケットを受信した後、第2のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、即ちSL=3である。第1のノードは第2のSIDリストからSegment List[3]にカプセル化されたSIDを取得し、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを第2のSIDリストにおけるSegment List[3]にカプセル化されたSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得する。
【0122】
第1のノードが転送ノードである場合、第2のSRH拡張ヘッダにおいてSL=4である。第1のノードは第2のサービスパケットを受信した後、第2のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、次ホップのノードに第2のサービスパケットを転送する。
【0123】
本願の実施例において、第1のノードとプライマリ末尾ノードとの接続形態により、プライマリパスにおける最後から2番目のホップのノードでプライマリ末尾ノードとバックアップ末尾ノードとを切り替えることを実現する。このように、制御プレーンのルーティングプロトコルを拡張し、データ転送プレーンの処理に対して僅かな一部の変更を行うだけで、例えばプライマリパスにおける最後から2番目のホップのノードは従来のSRv6転送方式に従ってSLを1減らすという変更を行うだげで、プライマリ末尾ノードとバックアップ末尾ノードとの切り替えを実現し、迅速なパス切り替えを実現し、ネットワークの信頼性を向上させることができる。
【0124】
上記ステップS103において、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第1のノードはIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスの動作タイプによって、第1のサービスパケットを転送する。第1のノードが中継ノードである場合、第1のノードはIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して、転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、次ホップのノードに第1のサービスパケットを転送する。
【0125】
いくつかの実施例において、第1のノードは第2のノードから送信された共通サービスパケットを受信してよい。共通サービスパケットはIPv6基本ヘッダとSRH拡張ヘッダとを含み、当該SRH拡張ヘッダはプリセットフラグビットを含み、プリセットフラグビットは、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ばないことを示す第2の値に設定される。共通サービスパケットに含まれるSIDリストに基づいて、共通サービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、宛先アドレスが更新された共通サービスパケットを転送する。
【0126】
共通サービスパケットは第2のノードから送信されたサービスパケットである。第1のノードは第2のノードから送信された共通サービスパケットを受信する。共通サービスパケットの構造について、上記関連説明を参照してよい。
【0127】
第1のノードは共通サービスパケットを受信した後、その自身の役割に基づいて、共通サービスパケットに含まれるSIDリストと組み合わせて、共通サービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、更新後の共通サービスパケットを転送する。
【0128】
例えば、第1のノードがエンドポイントノードである場合、共通サービスパケットのSRH拡張ヘッダにおいてSL=4である。第1のノードは共通サービスパケットを受信した後、共通サービスパケットのSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、即ちSL=3である。第1のノードは共通サービスパケットに含まれるSIDリストにおけるからSegment List[3]にカプセル化されたSIDを取得し、共通サービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを第4のSIDリストにおけるSegment List[3]にカプセル化されたSIDに更新する。
【0129】
第1のノードが転送ノードである場合、共通サービスパケットのSRH拡張ヘッダにおいてSL=4である。第1のノードは共通サービスパケットを受信した後、共通サービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを使用して転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、次ホップのノードに共通サービスパケットを転送する。
【0130】
第1のノードがプライマリ末尾ノード又はバックアップ末尾ノードである場合、
図11に示すように、本願の実施例はノード保護方法をさらに提供し、当該方法は以下のステップを含んでよい。
【0131】
ステップS111において、第1のサービスパケットを取得し、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは、第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される。上記ステップS51と同じである。
【0132】
ステップS112において、第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得する。
【0133】
ステップS113において、オリジナルパケットを転送する。
【0134】
本願の実施例に係る技術案において、プライマリ末尾ノード又はバックアップ末尾ノードによる第1のサービスパケットに対するデカプセル化処理をサポートし、第1のサービスパケットの外層にカプセル化されたIPv6基本ヘッダとSRH拡張ヘッダとを解除し、これによりプライマリ末尾ノードに到達可能であると、プライマリ末尾ノードがオリジナルパケットを宛先CE機器に転送することを担うが、プライマリ末尾ノードに到達不可であると、バックアップ末尾ノードがオリジナルパケットを宛先CE機器に転送することを担うため、末尾ノードの信頼性を確保し、ネットワークの信頼性を向上させると同時に、ノード保護方法の柔軟性を向上させる。
【0135】
第1のノードは、自身がプライマリ末尾ノード又はバックアップ末尾ノードであることを確定すると、第1のサービスパケットに対してデカプセル化処理を行い、オリジナルパケットを取得し、さらにオリジナルパケットにおける宛先アドレスに基づいて転送テーブルを検索し、転送テーブルの検索結果に基づいて、オリジナルパケットを宛先CE機器に転送する。
【0136】
一例において、SRH拡張ヘッダの構造を
図6aに示す。この場合、第1のSRH拡張ヘッダにおいてSL=1であり、且つ第1のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスが第1のノードのSIDであると、第1のノードは、自身がプライマリ末尾ノードであることを確定でき、さらに第1のサービスパケットに対してデカプセル化処理を行い、オリジナルパケットを取得し、オリジナルパケットを転送する。
【0137】
第1のSRH拡張ヘッダにおいてSL=0であり、且つ第1のサービスパケットのIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスが第1のノードのSIDであると、第1のノードは、自身がバックアップ末尾ノードであることを確定でき、さらに第1のサービスパケットに対してデカプセル化処理を行い、オリジナルパケットを取得し、オリジナルパケットを転送する。
【0138】
以下、
図12に示すマルチホーミングネットワーキングと組み合わせて、本願の実施例に係るノード保護方法について詳しく説明する。
図12においてCE1-CE2、PE1-PE4及びP1-P4を含む。B-flagはプリセットフラグビットを示し、B-flag=1は、SRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す。
【0139】
PE1のLocatorプレフィクスはA0::/64であり、P1のLocatorプレフィクスはA1::/64であり、P2はLocatorプレフィクスA2::/64と、END.XタイプのSID A2::1とを有し、PE3はLocatorプレフィクスA3::/64と、VPN SID A3::100とを有する。PE4はLocatorプレフィクスA4::/64と、VPN SID A4::100とを有する。
【0140】
PE3が通常の場合、CE1からCE2へのトラフィックはプライマリパスPE1→P1→P2→PE3に沿って転送される。配置が完成した後、PE1はルーティング最適化ポリシーによりバックアップパスPE1→P1→P2→P4→PE4を確定し、PE3のバックアップSIDはPE4のVPN SID A4::100である。
【0141】
上記配置において、パケット転送フローは以下の通りである。
【0142】
1)PE1はCE1からCE2に送信されたパケット1を受信すると、PE1とPE3との間のIPv6ベアラネットワークで指定されたパスPE1→P1→P2→PE3を介して転送する必要があることを確定する。PE1はパケット1の外層にIPv6基本ヘッダとSRH拡張ヘッダとをカプセル化して、パケット2を取得する。
図12に示すように、パケット2のSRH拡張ヘッダにおいて、SL=3、Last Entry=3、B-flag=1であり、SIDリストは{Segment List[0]=A4::100、Segment List[1]=A3::100、Segment List[2]=A2::1、Segment List[3]=A1::}である。IPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスはSegment List[SL]にカプセル化されたSIDであり、即ちIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスはSegment List[3]にカプセル化されたA1::である。
【0143】
2)PE1はIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスA1::に基づいて、パケット2をP1に送信する。
【0144】
3)P1はパケット2のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、SL=2を取得し、パケット2のPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをSegment List[SL]にカプセル化されたSIDに変更し、即ちIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスはSegment List[2]にカプセル化されたA2::1であり、パケット3を取得する。
【0145】
4)P1はIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスA2::1に基づいて、パケット3をP2に送信する。
【0146】
5)P2はパケット3のSRH拡張ヘッダにおけるB-flag=1であることを見つけて、パケット3のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、SL=1を取得する。Segment List[1]にカプセル化されたSIDが示すノードに到達可能であると、即ちプライマリ末尾ノードPE3に到達可能であると、パケット3のPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをSegment List[SL]にカプセル化されたSIDに変更し、即ちIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスはSegment List[1]にカプセル化されたA3::100であり、パケット4を取得し、さらにステップ6)を実行する。
【0147】
Segment List[1]にカプセル化されたSIDが示すノードに到達不可であると、即ちプライマリ末尾ノードPE3に到達不可であると、パケット3のSRH拡張ヘッダにおけるSLを1減らし、SL=0を取得する。Segment List[0]にカプセル化されたSIDが示すノードに到達可能であると、即ちバックアップ末尾ノードPE4に到達可能であると、パケット3のPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをSegment List[SL]にカプセル化されたSIDに変更し、即ちIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスはSegment List[0]にカプセル化されたA4::100であり、パケット5を取得し、さらにステップ8)を実行する。
【0148】
6)P2はIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスA3::100に基づいて、パケット4をPE3に送信する。
【0149】
7)PE3はパケット4のSRH拡張ヘッダにおけるB-flag=1であり、現在のノードがIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスであり、Segment List[1]にカプセル化されたA3::100であることを見つけると、パケット4の外層カプセル化を解除し、パケット1を取得し、CE2にパケット1を送信する。
【0150】
8)P2はIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスA4::100に基づいて、パケット5をPE4に送信する。
【0151】
9)PE4は現在のノードがIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスであり、Segment List[0]にカプセル化されたA3::100であることを見つけると、パケット5の外層カプセル化を解除し、パケット1を取得して、CE2にパケット1を送信する。
【0152】
上記ノード保護方法に対応して、本願の実施例は、第1のノードに適用されるノード保護装置を提供する。
図13に示すように、上記ノード保護装置は、
第1のサービスパケットを取得するための取得モジュール131であって、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは、第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定される取得モジュール131と、
第1のサービスパケットを転送するための転送モジュール132と、
を含む。
【0153】
いくつかの実施例において、第1のノードがプライマリパスにおけるソースノードである場合、取得モジュール131は、具体的に、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信することと、
プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、オリジナルパケットを第1のサービスパケットとしてカプセル化することと、
に用いられてよい。
【0154】
いくつかの実施例において、第1のノードがプライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、取得モジュール131は、具体的に、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信し、第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、プリセットフラグビットは、第2のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されることと、
プライマリ末尾ノードのノード状態と、バックアップ末尾ノードのノード状態と、第2のSIDリストとに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられてよい。
【0155】
いくつかの実施例において、取得モジュール131は、具体的に、
プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをバックアップSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得することと、
プライマリ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第2のSIDリストに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられてよい。
【0156】
いくつかの実施例において、取得モジュール131は、具体的に、
第1のノードがプライマリ末尾ノードに直接接続され、プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをバックアップSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得することと、
第1のノードがプライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、第1のノードがプライマリ末尾ノードに直接接続され、且つプライマリ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードがエンドポイントノードである場合、第2のSIDリストに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得することと、
に用いられる。
【0157】
いくつかの実施例において、第1のノードがプライマリ末尾ノード又はバックアップ末尾ノードである場合、転送モジュール132は、具体的に、
第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得することと、
オリジナルパケットを転送することと、
に用いられてよい。
【0158】
いくつかの実施例において、プリセットフラグビットは第1の値に設定され、第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDがバックアップSIDであり、
プリセットフラグビットは第2の値に設定され、第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDがプライマリSIDである。
【0159】
いくつかの実施例において、第1の値が1または0である。
【0160】
いくつかの実施例において、第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、フラグフィールドにおける1つのフラグビットがプリセットフラグビットである。
【0161】
本願の実施例に係る技術案において、SRH拡張ヘッダにプリセットフラグビットを追加し、プリセットフラグビットによりSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示し、SRH拡張ヘッダに含まれるSIDリストにバックアップ末尾ノードのSIDを追加する。プリセットフラグビットと、SIDリストに含まれるバックアップ末尾ノードのSIDとに基づいて、プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードは第1のサービスパケットをバックアップ末尾ノードに送信し、バックアップ末尾ノードは第1のサービスパケットをオリジナルパケットに対応する宛先機器に送信することができる。これで分かるように、本願の実施例に係る技術案において、CEが複数の末尾ノードにマルチホーミングされると、プライマリ末尾ノードに到達不可になった後、ルーティングが再び収束するまでに、CE機器に接続されるユーザのトラフィックが中断しないため、末尾ノードの信頼性を確保し、ネットワークの信頼性を向上させる。
【0162】
上記ノード保護方法に対応して、本願の実施例は電子機器をさらに提供する。当該電子機器は第1のノードであってよく、
図14に示すように、当該電子機器は、プロセッサ141と、機械可読記憶媒体142と、送受信機144とを含む。
機械可読記憶媒体142はプロセッサ141によって実行可能な機械実行可能なコマンドを記憶しており、機械実行可能なコマンドは、プロセッサ141に、
第1のサービスパケットを取得するステップであって、第1のサービスパケットの第1のSRH拡張ヘッダは第1のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、第1のSIDリストは第1のサービスパケットを転送するためのプライマリパスにおけるプライマリ末尾ノードのプライマリSIDとバックアップ末尾ノードのバックアップSIDとを含み、プリセットフラグビットは、第1のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
第1のサービスパケットを転送するステップと、
を実現させる。
【0163】
いくつかの実施例において、電子機器がプライマリパスにおけるソースノードである場合、機械実行可能なコマンドは、具体的に、プロセッサ141に、
カスタマエッジ機器から送信されたオリジナルパケットを受信するステップと、
プライマリ末尾ノードがバックアップ末尾ノードを有すると、オリジナルパケットを第1のサービスパケットとしてカプセル化するステップと、
を実行させてよい。
【0164】
いくつかの実施例において、電子機器がプライマリパスにおける前記プライマリ末尾ノード以外のエンドポイントノード又は中継ノードである場合、機械実行可能なコマンドは、具体的に、プロセッサに、
第2のノードから送信された第2のサービスパケットを受信するステップであって、第2のサービスパケットは第1のIPv6基本ヘッダと第2のSRH拡張ヘッダとを含み、第2のSRH拡張ヘッダは第2のSIDリストとプリセットフラグビットとを含み、プリセットフラグビットは、第2のSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示す第1の値に設定されるステップと、
プライマリ末尾ノードのノード状態と、バックアップ末尾ノードのノード状態と、第2のSIDリストとに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを更新し、第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させてよい。
【0165】
いくつかの実施例において、機械実行可能なコマンドは、具体的に、プロセッサに、
プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをバックアップSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得するステップと、
プライマリ末尾ノードに到達可能であると、電子機器がエンドポイントノードである場合、第2のSIDリストに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させてよい。
【0166】
いくつかの実施例において、機械実行可能なコマンドは、具体的に、プロセッサに、
電子機器がプライマリ末尾ノードに直接接続され、プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスをバックアップSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得するステップと、
電子機器がプライマリ末尾ノードに間接接続され、或いは、電子機器がプライマリ末尾ノードに直接接続され、且つプライマリ末尾ノードに到達可能であると、電子機器がエンドポイントノードである場合、第2のSIDリストに基づいて、第1のIPv6基本ヘッダにおける宛先アドレスを次ホップのエンドポイントノードのSIDに更新し、第1のサービスパケットを取得するステップと、
を実行させる。
【0167】
いくつかの実施例において、電子機器がプライマリ末尾ノード又はバックアップ末尾ノードである場合、機械実行可能なコマンドは、具体的に、プロセッサに、
第1のサービスパケットの外層カプセル化を解除し、オリジナルパケットを取得するステップと、
オリジナルパケットを転送するステップと、
を実行させる。
【0168】
いくつかの実施例において、プリセットフラグビットは第1の値に設定され、第1のSIDリストに含まれる最後から2番目の要素にカプセル化されたSIDが前記プライマリSIDであり、最後の要素にカプセル化されたSIDがバックアップSIDであり、
プリセットフラグビットは第2の値に設定され、第1のSIDリストに含まれる最後の要素にカプセル化されたSIDがプライマリSIDである。
【0169】
いくつかの実施例において、第1の値が1または0である。
【0170】
いくつかの実施例において、第1のSRH拡張ヘッダはフラグフィールドをさらに含み、フラグフィールドにおける1つのフラグビットがプリセットフラグビットである。
【0171】
本願の実施例に係る技術案において、SRH拡張ヘッダにプリセットフラグビットを追加し、プリセットフラグビットによりSRH拡張ヘッダにバックアップSIDを運ぶことを示し、SRH拡張ヘッダに含まれるSIDリストにバックアップ末尾ノードのSIDを追加する。プリセットフラグビットとSIDリストに含まれるバックアップ末尾ノードのSIDとに基づいて、プライマリ末尾ノードに到達不可であり、バックアップ末尾ノードに到達可能であると、第1のノードは第1のサービスパケットをバックアップ末尾ノードに送信し、バックアップ末尾ノードは第1のサービスパケットをオリジナルパケットに対応する宛先機器に送信することができる。これで分かるように、本願の実施例に係る技術案において、CEが複数の末尾ノードにマルチホーミングされると、プライマリ末尾ノードに到達不可になった後、ルーティングが再び収束するまでに、CE機器に接続されるユーザのトラフィックが中断しないため、末尾ノードの信頼性を確保し、ネットワークの信頼性を向上させる。
【0172】
図14に示すように、当該電子機器は、通信バス143をさらに含んでよい。プロセッサ141と、機械可読記憶媒体142と、送受信機144との間は通信バス143を介して互いに通信し、通信バス143は周辺構成要素相互接続(英語:Peripheral Component Interconnect、PCI)バスまたは拡張業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バス等であってもよい。当該通信バス1003は、アドレスバス、データバス、制御バス等に分けられてよい。
【0173】
送受信機144は無線通信モジュールであってよく、送受信機144はプロセッサ141の制御によって他の機器とのデータインタラクションを行う。
【0174】
機械可読記憶媒体142はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)を含んでよく、不揮発性メモリ(Non-Volatile Memory、NVM)を含んでもよく、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリを含んでよい。なお、機械可読記憶媒体142はさらに、前述プロセッサから離れた少なくとも1つの記憶装置であってもよい。
【0175】
プロセッサ141は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(Network Processor、NP)等を含む汎用プロセッサであってよく、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processing、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、現場プログラム可能ゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート或いはトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。
【0176】
本願に係る別の実施例において、プロセッサによって実行可能な機械実行可能なコマンドを記憶している機械可読記憶媒体であって、プロセッサによって呼び出されて実行されると、前記機械実行可能なコマンドは前記プロセッサに上記いずれかのノード保護方法のステップを実現させる、機械可読記憶媒体を提供する。
【0177】
本願に係る別の実施例において、コマンドを含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ上で実行されると、コンピュータに上記実施例における何れかのノード保護方法のステップを実現させる、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【0178】
なお、本文において、「第1」と「第2」等のような関係用語は1つのエンティティまたは操作を他のエンティティまたは操作を区別するためのもの過ぎず、必ずしもこれらのエンティティまたは操作の間にこのような実際な関係または順序があることを要求または示唆するものではない。また、用語「備える」、「含む」または他のいずれかの変形は非排他的な含むことをカバーすることで、一連の要素を含むプロセス、方法、製品或いはデバイスは、それらの要素を含むだけでなく、さらに明示的に挙げていない他の要素も含み、または、さらにこのような流れ、方法、製品或いはデバイスに固有する要素も含むことを意図する。特に制限がない限り、「1つの……を含む」という文によって限定される要素は、上記要素を含むプロセス、方法、製品、またはデバイスにさらに他の同一の要素を有することを排除しない。
【0179】
なお、本明細書の各実施例は、相互に関連するように記載されているが、各実施例間の同一または類似する部分については相互参照すればよく、各実施例において重要な説明は、他の実施例との相違点である。特に、ノード保護装置、電子機器、機械可読記憶媒体及びコンピュータプログラム製品の実施例に対して、基本的にノード保護方法の実施例に類似しているため、簡単に説明した。関連する部分はノード保護方法の部分の説明を参照すればよい。
【0180】
以上の記載は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を制限することを意図するものではない。本願の主旨及び原則内で行われる如何なる修正、同等の置換、改良等は何れも本願の保護範囲内に含まれる。
【国際調査報告】