(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-09
(54)【発明の名称】車両用ドアガラススライダ及び車両用ドアガラスアセンブリ、並びに無段差車両用ドアシステム
(51)【国際特許分類】
B60J 10/79 20160101AFI20241202BHJP
B60J 10/76 20160101ALI20241202BHJP
【FI】
B60J10/79
B60J10/76
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536066
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2022077376
(87)【国際公開番号】W WO2023108888
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111543494.4
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522096802
【氏名又は名称】寧波信泰機械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】郭 良輝
(72)【発明者】
【氏名】杜 麗偉
(72)【発明者】
【氏名】孟 建友
(72)【発明者】
【氏名】李 勇
(72)【発明者】
【氏名】陳 建国
(72)【発明者】
【氏名】于 長征
(72)【発明者】
【氏名】邱 智学
【テーマコード(参考)】
3D201
【Fターム(参考)】
3D201AA18
3D201AA26
3D201BA01
3D201CA19
3D201CA23
3D201DA16
3D201DA17
3D201DA31
(57)【要約】
本発明は、車両用ドアガラスアセンブリ、ガラスガイドレール、ドア板金及びドアピラーを有し、ガイドレールがドア板金に固定され、ドアピラーがドア板金の一方側に取り付けられるとともに押下リップに押圧され、車両用ドアガラスアセンブリが取付キャビティに取り付けられてX方向及びY方向の制限を行い、車両用ドアガラススライダが、車両用ドアガラスを動作させるように駆動し、車両用ドアガラスの表面とドアピラーの表面が同じレベルになるようにする、無段差車両用ドアシステムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドアガラスに接続して固定され、ガラスランシーリングストリップと協働するための車両用ドアガラススライダであって、延長した第1部材と第2部材を含み、前記第1部材又は第2部材の下面には、ガラスランシーリングストリップと嵌合する下開口嵌合構造が少なくとも1か所形成され、前記第2部材の上面は、車両用ドアガラスに接続して固定され、前記ドアガラススライダは、下開口嵌合構造により制限位置に保持され、且つ摺動して、車両用ドアガラスを動作させるように駆動した後、車両用ドアガラスの表面とドアピラーの表面が同じレベルになるようにすることを特徴とする、車両用ドアガラススライダ。
【請求項2】
前記第1部材の下面には、ガラスランシーリングストリップと嵌合する下開口嵌合構造が少なくとも1か所形成され、下開口嵌合構造はU字状溝であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ドアガラススライダ。
【請求項3】
前記第2部材の上面には接着剤溝を有し、接着剤溝の両側縁において、位置決め突起縁が間隔をおいて設けられることを特徴とする、請求項2に記載の車両用ドアガラススライダ。
【請求項4】
前記第1部材の裏面においてY方向制限突起が形成されることを特徴とする、請求項3に記載の車両用ドアガラススライダ。
【請求項5】
前記第2部材の下面の前端と後端には、それぞれU字状溝が形成され、U字状溝の両端部に案内用弧形口を有することを特徴とする、請求項1又は3又は4に記載の車両用ドアガラススライダ。
【請求項6】
車両用ドアガラス、少なくとも1つの車両用ドアガラススライダ及び少なくとも1つのガラスランシーリングストリップを含み、ガラスランシーリングストリップは、車両用ドアガラススライダが組み込まれる可動キャビティを有し、車両用ドアガラスは、接着剤によって車両用ドアガラススライダに粘着され、車両用ドアガラススライダは可動キャビティに組み込まれることを特徴とする、車両用ドアガラスアセンブリ。
【請求項7】
前記ガラスランシーリングストリップには、U字状溝とマッチングする几字状アーチ部が形成され、前記几字状アーチ部の両側に側方向制限突起を有し、前記側方向制限突起は、U字状溝の2つの内側に突き当てられて、車両用ドアガラススライダのX方向位置を制限することを特徴とする、請求項6に記載の車両用ドアガラスアセンブリ。
【請求項8】
前記ガラスランシーリングストリップには、Y方向制限突起と協働する下ボスが形成され、アーチ部の上側には、U字状溝の底部に当接する上ボスが形成され、前記Y方向制限突起と下ボスとの協働、及び上ボスとU字状溝の底部との嵌合は、共同して車両用ドアガラススライダのY方向位置を制限することを特徴とする、請求項7に記載の車両用ドアガラスアセンブリ。
【請求項9】
前記ガラスランシーリングストリップには、押下リップが形成され、前記押下リップは、車両用ドアガラスの下縁、ドアピラー及び車両用ドアガラススライダの間に位置することを特徴とする、請求項8に記載の車両用ドアガラスアセンブリ。
【請求項10】
車両用ドアガラスアセンブリ、ガラスガイドレール、ドア板金及びドアピラーを含み、前記ガラスガイドレールはドア板金に固定され、ガイドレールには、取付キャビティが形成されており、且つアーチ部の下開口に入り込んで、それと嵌合可能な挿入部が形成され、ドアピラーは、ドア板金の一方側に取り付けられるとともに押下リップに押圧され、車両用ドアガラスアセンブリは、取付キャビティに取り付けられてX方向及びY方向の制限を行い、車両用ドアガラススライダは、車両用ドアガラスを動作させるように駆動し、車両用ドアガラスの表面とドアピラーの表面が同じレベルになるようにすることを特徴とする、無段差車両用ドアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のドアフレームの技術分野に属し、車両用ドアガラススライダ及び車両用ドアガラス、並びに無段差車両用ドアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、従来のドアフレームの断面において、外観仕様、材料の厚さ等の要件により制限され、車両用ドアガラスは、ドアピラー(Bピラーとも呼ばれる)の左側に位置し、車両用ドアガラスとドアピラーとの間に段差があり、この段差により、車両の見栄えにある程度影響を与え、また、車両は、高速に走行する時に大きな空気抵抗が受けられ、スピードに影響を与えるとともに、風騒音も発生し、それに対して車両の燃料消費量が増加し、また、複雑なガラス昇降装置の使用がコストアップにつながり、従来技術にも無段差の対応する設計がなされているが、外観仕様、ドアフレームの構造により制限され、車両用ドアガラスの動作を駆動するスライダと他の相手部材との協働が複雑になり、位置を正確に制限することができず、車両用ドアガラスの正常の使用にも影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の現状に対し、車両が走行する時の空気抵抗を低減し、車両の快適さを向上させ、完成車の見栄えをよくし、車両用ドアガラスとドアピラーとの段差を低減する、車両用ドアガラススライダ及び車両用ドアガラス、並びに無段差車両用ドアシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明における上記技術的課題を解決するための技術的解決手段は、車両用ドアガラスに接続して固定され、ガラスランシーリングストリップと協働するための車両用ドアガラススライダであって、延長した第1部材と第2部材を含み、前記第1部材又は第2部材の下面には、ガラスランシーリングストリップと嵌合する下開口嵌合構造が少なくとも1か所形成され、前記第2部材の上面は、車両用ドアガラスに接続して固定され、前記ドアガラススライダは、下開口嵌合構造により制限位置に保持され、且つ摺動して、車両用ドアガラスを動作させるように駆動した後、車両用ドアガラスの表面とドアピラーの表面が同じレベルになるようにすることを特徴とする、車両用ドアガラススライダである。
【0005】
一形態として、上記車両用ドアガラススライダは、前記第1部材の下面において、ガラスランシーリングストリップと嵌合する下開口嵌合構造が少なくとも1か所形成され、ここで、下開口嵌合構造はU字状溝である。
【0006】
上記車両用ドアガラススライダは、前記第2部材の上面に接着剤溝を有し、接着剤溝の両側縁において、位置決め突起縁が間隔をおいて設けられる。
【0007】
上記車両用ドアガラススライダは、前記第1部材の裏面においてY方向制限突起が形成される。
【0008】
別の実施形態として、上記車両用ドアガラスアセンブリは、前記第2部材の下面の前端と後端にそれぞれU字状溝が形成され、U字状溝の両端部に案内用弧形口を有する。
【0009】
本発明はさらに車両用ドアガラスアセンブリを提供し、車両用ドアガラススライダにより、車両用ドアガラスを動作させるように駆動した後、安定的昇降を行い、具体的には以下のとおりである。
【0010】
車両用ドアガラス、少なくとも1つの上記車両用ドアガラススライダ及び少なくとも1つのガラスランシーリングストリップを含み、ガラスランシーリングストリップは、車両用ドアガラススライダが組み込まれる可動キャビティを有し、車両用ドアガラスは、接着剤によって車両用ドアガラススライダに粘着され、車両用ドアガラススライダは可動キャビティに組み込まれることを特徴とする、車両用ドアガラスアセンブリである。
【0011】
上記車両用ドアガラスアセンブリは、前記ガラスランシーリングストリップにおいて、U字状溝とマッチングする几字状アーチ部が形成され、前記アーチ部の両側に側方向制限突起を有し、前記の側方向制限突起は、U字状溝の2つの内側に突き当てられて、車両用ドアガラススライダのX方向位置を制限する。
【0012】
上記車両用ドアガラスアセンブリは、前記ガラスランシーリングストリップにおいて、Y方向制限突起と協働する下ボスが形成され、アーチ部の上側において、U字状溝の底部に当接する上ボスが形成され、前記Y方向制限突起と下ボスとの協働、及び上ボスとU字状溝の底部との嵌合は、共同して車両用ドアガラススライダのY方向位置を制限する。
【0013】
上記車両用ドアガラスアセンブリは、前記ガラスランシーリングストリップにおいて、押下リップが形成され、前記押下リップは、車両用ドアガラスの下縁、ドアピラー及び車両用ドアガラススライダの間に位置する。
【0014】
本発明はさらに車両用ドアガラスの車両ドアでの昇降を実現するための無段差車両用ドアシステムを提供する。具体的には以下のとおりである。
【0015】
上記車両用ドアガラスアセンブリ、ガラスガイドレール、ドア板金及びドアピラーを含み、前記ガイドレールはドア板金に固定され、ガイドレールには、取付キャビティが形成されており、且つアーチ部の下開口に入り込んで、それと嵌合可能な挿入部が形成され、ドアピラーは、ドア板金の一方側に取り付けられるとともに押下リップに押圧され、車両用ドアガラスアセンブリは、取付キャビティに取り付けられてX方向及びY方向の制限を行い、車両用ドアガラススライダは、車両用ドアガラスを動作させるように駆動し、車両用ドアガラスの表面とドアピラーの表面が同じレベルになるようにすることを特徴とする、無段差車両用ドアシステムである。
【0016】
従来技術と比較して、本発明は、車両用ドアガラスとドアピラーとの無段差効果を達成し、ドアピラーと車両用ドアガラスとの間に小さな分け目を有し、車両用ドアガラスの境界のX方向ずれ、及びY方向変動を抑えることができ、且つ車両用ドアガラスが昇降する時に安定的に動作可能であり、自動車の外観品質を高め、空気抵抗係数を低減し、省エネルギーで排出を削減し、完成車の見栄えをよくし、車両が走行する時の空気抵抗を低減し、車両の快適さを向上させ、材料使用量を低減し、コストを低減し、製品競争力を高めるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術の車両用ドアガラス付きドアフレームの構成模式図である。
【
図2】本実施例1における無段差車両用ドアシステムの構成模式図である。
【
図4】実施例1における車両用ドアガラススライダの斜視構成模式図である。
【
図5】実施例1における車両用ドアガラススライダの別の方向の立体構成模式図である。
【
図6】車両用ドアガラススライダ、車両用ドアガラス及びガラスガイドレールを組み立てた構成模式図である。
【
図7】実施例2における無段差車両用ドアシステムの構成模式図である。
【
図8】実施例2における車両用ドアガラススライダの斜視構成模式図である。
【
図9】実施例2における車両用ドアガラススライダの別の方向の立体構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施例における図面を参照しながら、実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明の記述では、理解すべきこととして、用語「中心」、「横方向」、「縦方向」、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等で示す方位又は位置関係は図面に基づくものであり、本発明を容易に説明し記述を簡略化するためのものに過ぎず、記載される装置又は素子は必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを明示又は暗示することがないので、本発明の保護範囲を制限するものと理解してはならない。
【0020】
<実施例1>
この無段差車両用ドアシステムは、
図2に示すように、主に車両用ドアガラスアセンブリ、ガラスガイドレール100、ドア板金200、及びドアピラー300を含み、車両用ドアガラスアセンブリは、車両用ドアガラス400、車両用ドアガラススライダ500及びガラスランシーリングストリップ600をさらに含み、ドアピラー300は、金属締結具700によってドア板金200とリベットで固定され、ドアピラーはX方向からドア板金200に直接組み込まれ、ガイドレールは、固定部品800によってドア板金200に固定されるが、リベット固定に限らず、代わりにボルト、締結具、タッピングねじ、スナップ等により固定されてもよい。また、ガラスガイドレール100には、取付キャビティ101が形成されており、且つアーチ部601の下開口に入り込んで、それと嵌合可能な挿入部102が形成され、ドアピラー300は、ドア板金200の一方側に取り付けられるとともに押下リップ602に押圧され、押下リップ602は車両用ドアガラススライダ500に覆われるため、良好な外観効果を維持することができ、リップエッジは、圧縮後、車両用ドアガラススライダ500と接触するようになり、良好なシール及び圧縮荷重を保証することができ、ガラスランシーリングストリップ600の左側には、側方向制限溝603を有し、ドア板金200は該側方向制限溝603内に挿入され、ガラスランシーリングストリップ600の右には、ガラスガイドレール100に貼り付けられた右側リップ604を有し、ガラスランシーリングストリップ600には、押下リップ602が形成され、押下リップ602は、車両用ドアガラス400の下縁、ドアピラー及び車両用ドアガラススライダ500の間に位置し、上部から車両用ドアガラススライダ500に押圧されることで、ドアスライダの動作位置をさらに保証し、ガラスランシーリングストリップ600には、第1当接リップエッジ605及び第2当接リップエッジ606が形成され、第1当接リップエッジ605が車両用ドアガラス400の底部に貼り合わせられ、第2当接リップエッジ606が車両用ドアガラススライダ500に貼り合わせられ、これにより、車両用ドアガラススライダ500のスムーズな摺動を保証し、ここで、右側リップ604は、変形可能なリップエッジであり、ガラスガイドレール100及びガラスランシーリングストリップ600の公差を吸収し、締付力を付与し、ガラスランシーリングストリップ600を組み立てた後の安定性を保持することができ、押下リップ602、第1当接リップエッジ605及び第2当接リップエッジ606は主要なシール作用を発揮し、押下リップ602には、「7」字状リップエッジが設計され、圧縮後、引き返しリップエッジは、車両用ドアガラススライダ500と接触し、車両用ドアガラス400と良好なシール力を保持するようになり、第1当接リップエッジ605及び第2当接リップエッジ606は、シール作用を発揮することに加え、車両用ドアガラス500との反力によっても、車両用ドアガラス500を合理的な位置に保持して安定的に動作させる。ドアピラー下のガラスランシーリングストリップには、第3貼付リップエッジ608が形成され、第3貼付リップエッジ608は、ドアピラー300のシールを保証し、ガラスガイドレール100におけるシーリングプラスチック発泡体900は、水が運転室に入る可能性を避けるため、ガラスガイドレール100の車両用ドアシステムにおける取付位置を保証することができる。
図3に示すように、ガラスガイドレール100は、一体型ガイドレール又は分離式ガイドレールを採用することができ、ガラスガイドレール100はウエストライン以上がスライス加工され、ドアピラー300と共に、車両用ドアガラスアセンブリを取り付ける取付キャビティ101を形成する。本実施例では、一体型ガイドレールを採用し、これは、一体型ガイドレールが、上下ガイドレールの別体取り付けによる相対位置のずれを回避し、車両用ドアガラス400の上下ガイドレールの端部への溝挿入問題を回避し、部品の構造を簡略化し、数を少なくし、ガラスをより安定的に動作させるからであり、ガイドレールの材料はアルミニウム合金を選択することで、全体的な剛性を保証する。
【0021】
使用時、車両用ドアガラスアセンブリは、取付キャビティ101に取り付けられてX方向及びY方向の制限を行い、車両用ドアガラススライダ500は、車両用ドアガラス400を動作させるように駆動し、車両用ドアガラス400の表面とドアピラー300の表面が同じレベルになるようにし、つまり、車両用ドアガラス400の表面がドアピラー300と同一平面にあり、これにより、完成車の見栄えをよくし、車両が走行する時の空気抵抗を低減し、車両の快適さを向上させ、車両用ドアガラスの安定的な昇降を実現するとともに、取付位置を保証することができる。
【0022】
本特許は、主に車両用ドアガラススライダ500、ガラスランシーリングストリップ600及びガラスガイドレール100の相互協働により実現され、具体的には、該車両用ドアガラススライダ500は、
図4及び
図5に示すように、車両用ドアガラス400に接続して固定され、ガラスランシーリングストリップ600と協働するためのものであり、車両用ドアガラススライダ500は、延長した第1部材501と第2部材502を含み、第1部材501の下面には、ガラスランシーリングストリップ600と嵌合する下開口嵌合構造が2か所形成される。ここで、下開口嵌合構造はU字状溝5011であり、具体的には、第1部材501の下面の前端と後端には、それぞれU字状溝5011が形成され、且つU字状溝5011の付近に補強構造を有し、他の位置とガラスランシーリングストリップ600とは一定の隙間が保持され、これにより、車両用ドアガラス400の位置が制限され、車両用ドアガラス400の動作時のロック又は車両用ドアガラス400の昇降速度への影響も回避され、U字状溝5011の両端部には案内用弧形口5012を有するため、案内用弧形口5012により、車両用ドアガラス400を組み立てる時に、車両用ドアガラススライダ500がスムーズに溝内に入ることを保証することができ、車両用ドアガラス400の昇降中に車両用ドアガラススライダ500の縁部によるガラスランシーリングストリップ600の接触摩損も回避され、第2部材502の上面は、車両用ドアガラス400に接続して固定され、車両用ドアガラススライダ400は、下開口嵌合構造により制限位置に保持され、且つ摺動して、車両用ドアガラス400を動作させるように駆動し、車両用ドアガラス400の表面とゲートピラーの表面が同じレベルになるようにする。
【0023】
車両用ドアガラス400の取り付けを実現するために、第2部材502の上面には、接着剤溝5021を有し、接着剤溝5021の両側縁には、位置決め突起縁5022が間隔をおいて設けられ、接着剤溝5021により、接着剤が溢出し、外観に影響を与えることを防止することができ、また、位置決め突起縁5022は、車両用ドアガラス400と車両用ドアガラススライダ500の基準位置を保証し、他の位置も公差を吸収することができ、車両用ドアガラススライダ500の位置を保証することができ、また、粘着位置は案内用の斜角遷移を有し、車両用ドアガラス400の動作時における粘着位置の局所的な受け力を分散させることができる。
【0024】
車両用ドアガラス400は、車両用ドアガラススライダ500の駆動により昇降するものであるため、車両用ドアガラススライダ500のX方向とY方向の取付位置を保証する必要があり、車両用ドアガラススライダ500が特定のX方向とY方向の取付位置に制限された場合、車両用ドアガラス400とドアピラー300が同じレベルにあるのを保証したことに相当し、即ち、隙間と面差を保証する。
図6に示すように、第1部材501の裏面においてY方向制限突起5013が形成され、また、車両用ドアガラスアセンブリは、車両用ドアガラス400、車両用ドアガラススライダ500及びガラスランシーリングストリップ600を含み、ガラスランシーリングストリップ600は、車両用ドアガラススライダ500が組み込まれる可動キャビティ607を有し、車両用ドアガラス400は、接着剤によって車両用ドアガラススライダ500に粘着され、車両用ドアガラススライダ500は可動キャビティ607に組み込まれる。
【0025】
ガラスランシーリングストリップ600には、U字状溝5011とマッチングする几字状アーチ部601が形成され、アーチ部601の両側には側方向制限突起6011を有し、側方向制限突起6011は、U字状溝5011の2つの内側に突き当てられて車両用ドアガラススライダ500のX方向の位置を制限するため、車両用ドアガラス400のX方向の境界位置を効果的に保証することができ、ガラスランシーリングストリップ600には、Y方向制限突起5013と協働する下ボス6012が形成され、アーチ部601の上側には、U字状溝5011の底部に当接する上ボス5011aが形成され、Y方向制限突起5013と下ボス6012との協働、及び上ボス5011aとU字状溝5011の底部との嵌合は、共同して車両用ドアガラススライダ500のY方向位置を制限するため、ガラスのY方向位置を効果的に保証する。
【0026】
<実施例2>
本実施例2は、実施例1と大部分の内容が同じであり、車両用ドアガラススライダ500の構造の点で異なり、具体的には、U字状溝5011の形成位置が異なり、車両用ドアガラススライダ500は、
図7、
図8及び
図9に示すように、延長した第1部材501と第2部材502を含み、第2部材502の下面の前端と後端には、それぞれU字状溝5011が形成され、即ち、車両用ドアガラス400の取付位置がU字状溝5011と同一部品にあり、U字状溝5011の両端部には案内用弧形口5012を有し、第2部材502の上面には接着剤溝5021を有し、接着剤溝5021の両側縁には、位置決め突起縁5022が間隔をおいて設けられ、接着剤溝5021により、接着剤が溢出し、外観に影響を与えることを防止することができる。また、位置決め突起縁5022は、車両用ドアガラス400と車両用ドアガラススライダ500の基準位置を保証し、他の位置も公差を吸収することができ、これにより、車両用ドアガラススライダ500の位置を保証することができる。また、粘着位置には案内用の斜角遷移を有し、車両用ドアガラス400の動作時における粘着位置の局所的な受け力を分散させることができ、U字状溝5011の位置は第1当接リップエッジ605と第2当接リップエッジ606の間にある。
【0027】
本明細書に記載の具体的な実施例は、本発明の精神を例を挙げて説明するものに過ぎない。当業者であれば、本発明の精神により定義される範囲から逸脱せずに、記載の具体的な実施例に対して様々な修正又は補充を行い、又は同様の形態で取り替えることができる。
【符号の説明】
【0028】
100 ガラスガイドレール
101 取付キャビティ
102 挿入部
200 ドア板金
300 ドアピラー
400 車両用ドアガラス
500 車両用ドアガラススライダ
501 第1部材
5011 U字状溝
5011a 上ボス
5012 案内用弧形口
5013 Y方向制限突起
502 第2部材
5021 接着剤溝
5022 位置決め突起縁
600 ガラスランシーリングストリップ
601 アーチ部
6011 側方向制限突起
6012 下ボス
602 押下リップ
603 側方向制限溝
604 右側リップ
605 第1当接リップエッジ
606 第2当接リップエッジ
607 可動キャビティ
608 第3貼付リップエッジ
700 金属締結具
800 固定部品
900 シーリングプラスチック発泡体
【国際調査報告】