(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ハイブリッドコーティング硬化システム(Hybrid Coating and Curing System)
(51)【国際特許分類】
B05C 9/08 20060101AFI20241203BHJP
B05D 7/00 20060101ALI20241203BHJP
B05D 3/06 20060101ALI20241203BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20241203BHJP
B05D 3/12 20060101ALI20241203BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B05C9/08
B05D7/00 G
B05D3/06 102Z
B05D3/00 D
B05D3/12 C
B05D3/12 A
B05D3/12 D
B05C5/00 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514158
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 KR2022020320
(87)【国際公開番号】W WO2024075901
(87)【国際公開日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0128670
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0167778
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523070481
【氏名又は名称】ネイチャー グリーン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウ ソク
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4D075BB05Z
4D075BB08Z
4D075BB26Z
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4D075BB46X
4D075BB46Z
4D075BB56Z
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4D075BB65X
4D075BB93Z
4D075DA04
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4D075EB12
4D075EB38
4F041AA12
4F041AB01
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4F042AA22
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4F042BA03
4F042BA04
4F042BA06
4F042BA19
4F042BA22
4F042CA01
4F042CB02
4F042DA01
4F042DA03
4F042DB02
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4F042DB42
4F042DB43
4F042DC00
4F042DD07
4F042DD09
4F042DF19
4F042DF28
4F042DH09
(57)【要約】
本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、製織された生地ウェブの異物を除去する洗浄機、異物が除去された生地ウェブにUVを照射するUV照射器、UVが照射された生地ウェブにコーティング液を塗布するコーティング部、コーティング液が噴射された生地ウェブを圧延し、硬化させる圧延硬化部、硬化された生地ウェブを既設定された速度で移動させるテンター、移動させた生地ウェブに多数の排水孔を形成する穿孔機、多数の排水孔を形成する過程で発生した生地ウェブの異物を集塵する集塵機、異物が除去された生地ウェブをフォールディングするフォールディング機及び、フォールディングされた生地ウェブの折曲方向を固定して包装するローラ部を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製織された生地ウェブ(w)の異物を除去する洗浄機(110);
異物が除去された前記生地ウェブ(w)にUVを照射するUV照射器(120);
UVが照射された生地ウェブ(w)にコーティング液を塗布するコーティング部(130);
コーティング液が噴射された生地ウェブ(w)を圧延して、硬化させる圧延硬化部(140);
硬化した前記生地ウェブ(w)を既設定された速度で移動させるテンター(150);
移動させた前記生地ウェブ(w)に多数の排水孔(h)を形成する穿孔器(160);
多数の排水孔(h)を形成する過程で発生した前記生地ウェブ(w)の異物を集塵する集塵機(170);
異物が除去された前記生地ウェブ(w)をフォールディングするフォールディング機(180);及び
フォールディングされた前記生地ウェブ(w)の折曲方向を固定して包装するローラ部(190);
を含むハイブリッドコーティング硬化システム。
【請求項2】
前記圧延硬化部(140)は、
コーティングされた前記生地ウェブ(w)に圧縮空気を噴射する非接触圧延機(141);
圧縮空気が噴射された生地ウェブ(w)を圧延する圧延ローラ(142);及び
圧延された前記生地ウェブ(w)に赤外線及び紫外線を照射するハイブリッド硬化器(143):
を含む、請求項1に記載のハイブリッドコーティング硬化システム。
【請求項3】
前記ハイブリッド硬化器(143)は、
一面が開口された箱状に設けられたハウス(1431);
前記ハウス(1431)の内部に結合されて前記生地ウェブ(w)に赤外線を照射する赤外線ランプ(1432);
前記ハウス(1431)の内部に結合されて前記生地ウェブ(w)に紫外線を照射する紫外線ランプ(1433);及び
前記ハウス(1431)の内部に結合され他方向に照射された赤外線及び紫外線を前記生地ウェブ(w)で反射する反射笠(1434);
を含む、請求項2に記載のハイブリッドコーティング硬化システム。
【請求項4】
前記ローラ部(190)は、
フォールディングされた前記生地ウェブ(w)の折曲方向を固定するテンションローラ;及び
前記テンションローラーを経た前記生地ウェブ(w)をワインディングするワインディングローラー;
を含む、請求項1に記載のハイブリッドコーティング硬化システム。
【請求項5】
前記ハイブリッド硬化器(143)は、
前記ハウス(1431)の支点に設けられ、前記生地ウェブ(w)の温度をセンシングする温度センサ(図示せず);
前記ハウス(1431)一支点に設けられ、下記[数1]により算出される前記温度センサの平均誤差(A
err)が既設定された限界誤差(S
err)より大きい場合、前記温度センサが故障したものと判断するセンサモニタリング部(図示せず);
をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載のハイブリッドコーティング硬化システム。
【数1】
(ここで、A
errは平均誤差、T
averは前記温度センサのセンサ値の全体平均、P
averは前記温度センサのセンサ値n個に対する一部平均、T
σは前記温度センサのセンサ値の全体標準偏差を意味する。)
【請求項6】
スライディングアセンブリを使用して前記生地ウェブ(w)の幅全体を移動するように設けられ、モータによって回転する回転式円形刃を使用して前記生地ウェブ(w)を切断し、安全カバーが設けられる幅切断機(185);
をさらに含む、請求項1に記載のハイブリッドコーティング硬化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドコーティング硬化システムに関するものであり、より詳細には、高分子樹脂によるコーティング剤とハイブリッドコーティング硬化システムを適用して、工程を単純化しながらも完成品の物理的性能を最適化することができるハイブリッドコーティング硬化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の塗布されたコーティング層が厚い繊維型生地ウェブ(生地ウェブ(w))の中で、特にカーペットと人工芝は、主に液状SBRラテックス、又はポリウレタン(PU)を用いて材料をコーティング後、高温熱風に硬化させた。そのため、LPG又はLNGなどの燃料エネルギーと電気エネルギーが大量に消費されるという問題が発生した。
【0003】
したがって、高分子樹脂によるコーティング剤とハイブリッドコーティング硬化システムを適用して、工程を単純化しながらも完成品の物理的性能を最適化することができるハイブリッドコーティング硬化システムに関する研究が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1676843号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高分子樹脂によるコーティング剤とハイブリッドコーティング硬化システムを適用して、工程を単純化しながらも完成品の物理的性能を最適化することができるハイブリッドコーティング硬化システムを提供することである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、ハイブリッド硬化機が設けられることにより、コーティング剤を硬化させて高分子樹脂又はコンパウンドコーティング剤の内部組織状態を緻密に結合させることができるハイブリッドコーティング硬化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、製織された生地ウェブの異物を除去する洗浄機、異物が除去された生地ウェブにUVを照射するUV照射器、UVが照射された生地ウェブにコーティング液を塗布するコーティング部、コーティング液が噴射された生地ウェブを圧延し、硬化させる圧延硬化部、硬化された生地ウェブを既設定された速度で移動させるテンター、移動させた生地ウェブに多数の排水孔を形成する穿孔機、多数の排水孔を形成する過程において発生した生地ウェブの異物を集塵する集塵機、異物が除去された生地ウェブをフォールディングするフォールディング機及び、ホールディンバされた生地ウェブの折曲方向を固定して包装するローラ部を含むことができる。
【0008】
また、本発明の一実施例による圧延硬化部は、コーティングされた生地ウェブに圧縮空気を噴射する非接触圧延機、圧縮空気が噴射された生地ウェブを圧延させる圧延ローラ及び圧延された生地ウェブに赤外線及び紫外線を照射するハイブリッド硬化機を含むことができる。
【0009】
また、本発明の一実施例によるハイブリッド硬化機は、一面が開口した箱状に設けられるハウス、ハウス内部に結合されて生地ウェブに赤外線を照射する赤外線ランプ、ハウス内部に結合されて生地ウェブに紫外線を照射する紫外線ランプ及び、ハウス内部に結合され、他方向に照射される赤外線及び紫外線を生地ウェブに反射する反射笠を含むことができる。
【0010】
また、本発明の一実施例によるローラ部は、フォールディングされた生地ウェブの折曲方向を固定するテンションローラ及び、テンションローラを経た生地ウェブをワインディングするワインディングローラーとを含むことができる。
【0011】
また、本発明の一実施例によるハイブリッド硬化機は、ハウス一支点に設けられ、生地ウェブの温度をセンシングする温度センサ、ハウス一支点に設けられ、下記[数1]により算出される温度センサの平均誤差が既設定された限界誤差より大きい場合、温度センサが故障したと判断するセンサモニタリング部をさらに含むことができる。
【0012】
【0013】
(ここで、Aerrは平均誤差、Taverは前記温度センサのセンサ値の全体平均、Paverは前記温度センサのセンサ値n個に対する一部平均、Tσは前記温度センサのセンサ値の全体標準偏差を意味する。)
【0014】
また、本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、スライディングアセンブリを用いて生地ウェブ(w)の幅全体を移動するように設けられ、モータにより回転する回転式円形刃を使用して生地ウェブ(w)を切断し、安全カバーが設けられる幅切断機をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、高分子樹脂によるコーティング剤とハイブリッドコーティング硬化システムを適用し、工程を単純化しながらも完成品の物理的性能を最適化することができる効果を有する。
【0016】
また、本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、ハイブリッド硬化機が設けられることにより、コーティング剤を硬化させて高分子樹脂又はコンパウンドコーティング剤の内部組織状態を緻密に結合させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施例による洗浄機を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例によるUV照射器を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例による非接触圧延機を示す図である。
【
図5】本発明の一実施例による圧延ローラを示す図である。
【
図6】本発明の一実施例によるハイブリッド硬化機を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例による穿孔器及び集塵機を示す図である。
【
図8】本発明の一実施例による一次ブラシ及び二次ブラシを示す図である。
【
図9】本発明の一実施例による上部コーティングノズルを示す図である。
【
図10】本発明の一実施例によるLineコーティングモールドを示す図である。
【
図11】本発明の一実施例によるLineコーティングモールドでコーティングされた生地ウェブを示す図である。
【
図12】本発明の一実施例による上部コーティングタイプを示す図である。
【
図13】本発明の一実施例による下部コーティングタイプを示す図である。
【
図14】本発明の一実施例による紫外線ランプの波長別配置を示す図である。
【
図15】本発明の一実施例による穿孔器を示す図である。
【
図16】本発明の一実施例による集塵機のフィルタを示す図である。
【
図17】本発明の一実施例による幅カッティング機を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。ただし、本発明思想は提示される実施例に制限されず、本発明思想を理解する当業者は、同一思想の範囲内において他の構成要素を追加、変更、削除等を通じて、退歩的な他の発明や本発明思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができるだろうが、これも本願発明思想の範囲内に含まれるということができるだろう。
【0019】
以下、本発明であるハイブリッドコーティング硬化システム(100)は、添付の
図1乃至
図7を参考にして詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システム(100)を示す図である。
【0021】
図1を参考にすれば、本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システム(100)は、洗浄器(110)、UV照射器(120)、コーティング部(130)、圧延硬化部(140)、テンター(150)、穿孔器(160)、集塵機(170)、フォールディング機(180)及び、ローラ部(190)を含むことができる。
【0022】
洗浄機(110)は、製織された生地ウェブ(w)の異物を除去することができる。前記洗浄機(110)に投入される前の生地ウェブ(w)は、J Boxを経て投入されることができる。前記洗浄機(110)は、
図2を参考にして、より詳細に検討する。
【0023】
図2は、本発明の一実施例による洗浄器(110)を示す図である。
【0024】
図2を参考にすれば、本発明の一実施例による洗浄機(110)は、既設定された距離離隔して設けられる2つのブラシ(111)を含むことができる。まず、前記2つのブラシ(111)が前記生地ウェブ(w)に残っている異物、埃等を掃き集めると、前記2つのブラシ(111)の間に配置される吸入口(112)を通して空気を吸入して異物、埃などを取り除くことができる。また、前記2つのブラシ(111)は、
図8に図示するように、それぞれ異なる種類で設けることができる。例えば、前記2つのブラシ(111)は、原糸パイルのかけらや破片などの粒子が大きい異物を分離するために強力な毛で製作された一次ブラシ(A)とpm2.5を分離するための繊維型二次ブラシ(B)の組み合わせとし、生地ウェブ(w)の異物付着状態に応じて一、二次とも、又は二次ブラシのみを選択して使用することができ、強い毛の一次ブラシの形状はChannel spiral type、Punched roller type、Punched roller spiral type、 Strip channel type、 Twist brush single type、またはTwist brush double typeの中から選択して使用し、二次繊維型ローラーブラシはフック型ブラシ、Sponge type、embo type、Channel spiral type、Punched roller type、Punched roller spiral type、Strip channel type、の中から選択して使用することができる。前記一次ブラシの材料は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、動物の豚毛で作られた豚毛、馬の毛で作られた馬毛、羊の毛で作られた羊毛、ナイロンと炭素繊維が混合された静電気防止除電毛、又はナイロンとステンレスが混合された静電気防止除電毛、又はナイロンパイル毛に静電気防止剤でコーティングした除電毛の中から選択して使用し、二次ブラシの材料はポリエステル、PVA( Poly Vinyl Alcohol)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンと炭素繊維が混合された静電気防止除電毛又は、ナイロンとステンレスが混合された静電気防止除電毛、又はナイロンパイル毛に静電気防止剤でコーティングした除電毛の中から選択して使用することができる。また、前記一次ブラシのパイル毛直径はφ0.05~0.5mm程度を使用し、パイル毛の高さは10~60mm程度であり、二次ブラシのパイル毛繊度は単糸繊度基準で20~250Denier程度に達し、繊維パイルの高さは5乃至45mm程度に設けることができる。
【0025】
再び
図1を参考にすれば、UV照射器(120)は、異物が除去された前記生地ウェブ(w)にUVを照射することができる。前記UV照射器(120)は、
図3を参考にして、より詳細に検討する。
【0026】
図3は、本発明の一実施例によるUV照射器(120)を示す図である。
【0027】
図3を参考にすれば、本発明の一実施例によるUV照射器(120)は、前進する前記生地ウェブ(w)の上部にランプ形態で設けられてUVを照射することができる。前記ランプの波長は150~260nm、好ましくは175~200nm程度のものを使用し、前記生地ウェブ(w)からランプまでの高さは70~370mm程度とし、前記生地ウェブ(w)の材料、厚さ、又は工程速度に応じてその高さを調節し、前記生地ウェブ(w)の幅1.0~5.0m全体にわたって照射することができる。前記UV照射器(120)が設けられることにより、生地ウェブ(w)のコーティング面とコーティング剤との接合力を強化することができる。また、前記ランプの種類は、水銀、オゾン(O3)、又はLEDランプを使用することができる。
【0028】
再び
図1を参考にすれば、コーティング部(130)は、UVが照射された前記生地ウェブ(w)にコーティング液(コーティング剤)を塗布することができる。前記コーティング部(130)は、コーティング剤タンクからポンプによって移送されたコーティング剤が、前記生地ウェブ(w)より上部に位置する上部コーティングノズル(131)を通して噴出されて、前記生地ウェブ(w)に塗布する方式で設けられることができ、このとき前記生地ウェブ(w)の縦方向パイル製織間隔が7~13mm程度のパイル間隔幅が比較的広い生地である場合、製織されたパイル列のみをコーティングする機能を発揮するためにLineコーティングモールド(132)を使用することができる。前記上部コーティングノズル(131)は、
図9を参考にして、より詳細に検討する。
【0029】
図9は、本発明の一実施例による上部コーティングノズルを示す図である。
【0030】
図9を参考にすれば、本発明の一実施例による前記上部コーティングノズル(131)は、コーティング液が生地ウェブ(w)全幅に十分一定量で均等に塗布されるように一端にコーティング液ノズル(1311)が設けられているコーティング液ホース(1312)をリニア駆動部(1313)とプラスチックチェーン(1314)を利用して左右に移動し、精密なコーティング量はドクターブレードと生地ウェブ(w)との高さ差を調節して設定したコーティング量だけ塗布できるように調整することができる。
【0031】
前記ドクターブレードの材料は、耐摩耗性、耐化学性、耐酸化性、耐溶剤性、PH成分影響、耐久性、生地ウェブ(w)の損傷等を考慮して、ステンレス、タングステン、バナジウム、モリブデン合金鋼、ブロンズ、セラミック、又はポリエチレンの一つを選択することができる。前記ドクターブレードの材料に生地ウェブ(w)の損傷を低減し、コーティング剤塗布状態のさらに均一な分散性を達成するために、ナイロン、ポリエステル、又はポリエチレン等のパイル毛高さが5mm以上露出された繊維材料をドクターブレードに被せて使用することができる。上部コーティングの際に、塗布方法とコーティング量を調整する方式は、
図12に示されるように、Knife on roller type、Knife on air tyoe、又はSlot die typeであることができる。また、前記Lineコーティングモールド(132)は、
図10に示されたように、長方形ホール(1321)が既設定された距離離隔され直列に配置されることができる。前記Lineコーティングモールド(132)の材料は、耐摩耗性、耐化学性、耐酸化性、耐溶剤性、PH成分の影響、生地ウェブ(w)の損傷等を考慮して、ステンレス、タングステン、バナジウム、モリブデン合金鋼、ブロンズ、セラミック、又はポリエチレン、ポリプロピレンのいずれか一つを選択することができる。また、
図11では、前記Lineコーティングモールド(132)でコーティングされた生地ウェブ(w)が図示されている。
【0032】
また、状況に応じて、下部コーティング方式を使用することができるが、下部コーティング方式で使用するローラーコーティング機は、コーティング液が入っているコーティング液槽とコーティングRollerから構成されており、ローラーの配置方式に応じて
図13に図示されたように、 Gravure type、Kiss roller type、又はReverse roller typeを使用することができる。また、前記コーティング液の高分子樹脂の材料は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、ポリエステル(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)、又はこれらを混合したブレンド樹脂、又はこれらの高分子樹脂と機能性添加剤で有・無機化合物を混合したコンパウンドを含むことができる。また、前記生地ウェブ(w)のコーティング剤塗布量は、完成品の用途と製品を使用しようとする外部環境に応じて選択し、コーティング液塗布当時、重量基準で350~1,200g/m
2で設定することができる。
【0033】
圧延硬化部(140)は、コーティング液が噴射された前記生地ウェブ(w)を圧延して、硬化させることができる。前記圧延硬化部(140)は、非接触圧延機(141)、圧延ローラ(142)及び、ハイブリッド硬化機(143)を含むことができる。
【0034】
非接触圧延機(141)は、コーティングされた生地ウェブ(w)に圧縮空気を噴射することができる。前記非接触圧延機(141)は、
図4を参考にして、より詳細に検討する。
【0035】
図4は、本発明の一実施例による非接触圧延機(141)を示す図である。
【0036】
図4を参考にすれば、本発明の一実施例による非接触圧延機(141)は、前進する前記生地ウェブ(W)上部にマニホールド(1411)が設けられて圧縮空気(1412)を噴射することができる。前記圧縮空気(1412)は乾燥して設けられ、マニホールドに付着した複数の空気噴射ノズルで生地ウェブ(w)の幅全体にわたって均一に噴射されるようにし、圧縮空気の温度は3~40℃程度とし、その風速は10~50m/sec程度に設定することができる。また、生地ウェブ(w)から空気噴射ノズルまでの高さは80~430mm程度とし、コーティングを終えた生地ウェブ(w)のコーティング剤の種類、温度、コーティング量、又は工程速度に応じてその高さを調節し、空気噴射ノズルの材料はステンレス、銅、アルミニウム、ABS、ナイロン、PPなどを使用し、ノズルの形状は円形、又は平衡を用いることができるが、空気圧の集中よりも均一な分散がより効果的であるため、好ましくはフラットタイプの低騒音型のノズル中から選択して使用することができる。前記非接触圧延機(141)が設けられることにより、前記コーティング液を固化させると同時に圧力を形成することができる。
【0037】
圧延ローラ(142)は、圧縮空気が噴射された前記生地ウェブ(w)をより強く圧延させることができる。前記圧延ローラ(142)は、
図5を参考にしてより詳細に検討する。
【0038】
図5は、本発明の一実施例による圧延ローラ(142)を示す図である。
【0039】
図5を参考にすれば、本発明の一実施例による圧延ローラ(142)は、一般無地型、直線パターン型、エンボパターン型、波状パターン型などで設けられることができる。前記圧延ローラ(142)が設けられることにより、コーティング剤が前記生地ウェブ(w)にさらに強く接合されることができる。前記圧延ローラー(142)は、コーティング剤と生地ウェブ(w)との接合圧力を接触式に達成するための目的で、材料はフッ化ビニリデン(PVDF)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料を使用し、圧延ローラに加わる圧力の範囲は0.07~0.7MPaであることができる。
【0040】
ハイブリッド硬化器(143)は、圧延された前記生地ウェブ(w)に赤外線及び紫外線を照射することができる。前記ハイブリッド硬化器(143)は、
図6を参考にしてより詳細に検討する。
【0041】
図6は、本発明の一実施例によるハイブリッド硬化器(143)を示す図である。
【0042】
図6を参考にすれば、本発明の一実施例によるハイブリッド硬化器(143)は、ハウス(1431)、赤外線ランプ(1432)、紫外線ランプ(1433)及び、反射笠(1434)を含むことができる。
【0043】
ハウス(1431)は、一面が開口した箱状に設けられることができる。
【0044】
赤外線ランプ(1432)は、前記ハウス(1431)の内部に結合され、前記生地ウェブ(w)に赤外線を照射することができる。前記赤外線ランプ(1432)の波長は、遠赤外線(FIR)50~900μm領域はコーティング剤の色が明るいパターンで効果的であり、色の区別なく汎用で使用することができる照射器は中赤外線(MIR)領域である2-15μmとし、生地ウェブ(w)からランプまでの高さは70~370mm程度とし、コーティングを終えた生地ウェブ(w)のコーティング剤の種類、温度、コーティング量、又は工程速度に応じてその高さを調節し、ランプの種類は、LED、水銀、メタルハライド、又はキセノンランプ(Xenon Lamp)から選択されることができる。
【0045】
紫外線ランプ(1433)は、前記ハウス(1431)の内部に結合され、前記生地ウェブ(w)に紫外線を照射することができる。前記紫外線ランプ(1433)の波長は、
図14を参考にしてより詳細に検討する。
【0046】
図14は、本発明の一実施例による紫外線ランプの波長別配置を示す図である。
【0047】
図14を参考にすれば、前記紫外線ランプ(1433)の波長は短波長帯(UVA)領域である340~460nmとし、生地ウェブ(w)から紫外線ランプ(1433)までの高さは70~370mm程度とし、コーティングを終えた生地ウェブ(w)のコーティング剤の種類、温度、コーティング量、又は工程速度に応じてその高さを調節し、ランプの種類はLED、水銀、メタルハライド、ガリウム、又はキセノンランプ(Xenon Lamp)から選択されることができる。前記紫外線ランプ(1433)の配置は波長帯別に区分して組み合わせることができ、その細部形式は波長A1 340~370nm、波長A2 371~400nm、波長A3 401~430nm、波長A4 431~460nm区分で波長A1一つだけを使用することもでき、二つ、三つ、又は四つを同時に使用することができる。
【0048】
再び
図6を参考にすれば、反射笠(1434)は、前記ハウス(1431)の内部に結合され、他方向に照射される赤外線及び紫外線を前記生地ウェブ(w)で反射することができる。
【0049】
前記ハイブリッド硬化器(143)が設けられることにより、コーティング剤を硬化させて高分子樹脂又はコンパウンドコーティング剤の内部組織状態を緻密に結合させることができる。
【0050】
また、前記ハイブリッド硬化器(143)は温度センサ(図示せず)をさらに含むことができる。
【0051】
温度センサは、前記ハウス(1431)の一支点に設けられ、前記生地ウェブ(w)の温度をセンシングすることができる。
【0052】
一方、温度センサの信頼度を維持するために、前記ハイブリッド硬化器(143)は、前記温度センサの故障如何を判断するセンサモニタリング部(図示せず)をさらに含むことができる。
【0053】
前記センサモニタリング部(図示せず)は、下記[数2]により算出される前記温度センサの平均誤差(Aerr)が既設定された限界誤差(Serr)より大きい場合、前記温度センサが故障したと判断することができる。
【0054】
【0055】
ここで、Aerrは平均誤差、Taverは前記温度センサのセンサ値の全体平均、Paverは前記温度センサのセンサ値n個に対する一部平均、Tσは前記温度センサのセンサ値の全体標準偏差を意味する。より詳細には、Taverは前記温度センサのセンサ値の全体平均であり、温度センサが正常に動作する既設定された期間中(ex.1ヶ月)多数のデータを収集してセンシングされる温度値の全体平均を算出した値を意味し、Tσは、前記既設定された期間中(ex.1ヶ月)多数のデータを収集してセンシングされる温度値の全体標準偏差を算出した値を意味する。
【0056】
また、Paverは前記温度センサのセンサ値n個に対する一部平均であり、温度センサが現場設置されて使用される過程において既設定された数(n個)の温度値をリアルタイムで入力され、前記既設定された数(n個)の温度値に対する平均を算出したものであり、一部温度値の平均に該当するため、一部平均と称することができる。
【0057】
このとき、一部平均を利用して95%の信頼度で推定平均値を算出すると、推定平均値(μ)は
の範囲を有することになる。
【0058】
したがって、推定平均値(μ)の上限又は下限と全体平均(Taver)との差値である平均誤差(Aerr)は、前記[数1]のように算出されることができる。
【0059】
したがって、前記[数1]により算出される平均誤差(Aerr)が既設定された限界誤差(Serr)より大きいことは、リアルタイムで入力された既設定された数(n個)の温度値が温度センサの故障により正しく入力されていない可能性が非常に高いことを意味するので、センサモニタリング部(図示せず)は、前記条件が満たされると温度センサが故障したと判断することができる。
【0060】
再び
図1を参考にすれば、テンター(150)は、硬化した生地ウェブ(w)を既設定された速度で移動させることができる。
【0061】
次に、
図7を参考にして穿孔器(160)及び集塵機(170)をより詳細に検討する。
【0062】
図7は、本発明の一実施例による穿孔器(160)及び集塵機(170)を示す図である。
【0063】
穿孔器(160)は、移動させた前記生地ウェブ(w)に多数の排水孔(h)を形成することができる。前記穿孔機(160)は、電気焼きごてを用いる方法、電気ドリルを用いる方法、又はアイレットを用いて打ち抜く方法の中から選択して使用し、前記生地ウェブ(w)の排水孔直径はφ1.5~3.0mm程度になるように穴ビットツール規格を設定することができる。前記穿孔器(160)は、
図15を参考にしてより詳細に検討する。
【0064】
図15は、本発明の一実施例による穿孔器を示す図である。
【0065】
図15を参考にすれば、穿孔器(160)は、多数の穿孔unitを含むマウントを含むことができる。
【0066】
再び
図1を参考にすれば、集塵機(170)は、多数の排水孔(h)を形成する過程で発生した生地ウェブ(w)の異物を集塵することができる。前記集塵機(170)は、前記穿孔器(160)を通じて発生した微細粒子と臭いを集塵フードを介して集塵機で捕集し、様々な材料と粒子組織構造を有する多段階フィルタを介して清浄に浄化されて排出することができる。より詳細には、空気吸引モータを用いて真空方式で異物を捕集装置に吸入し、フィルタを介して浄化して清浄な空気で排出することができる。ここで使用されるフィルタは、
図16に示すように、ポリエステル繊維、ガラス繊維、微細ガラス繊維又は活性炭繊維等の組み合わせで構成され、フィルタ網の組織はフィルタから通過させる粒子の大きさを考慮して3~100μmと2.5μm以下用途で区分して使用し、フィルタの構造は、洗浄及び清掃のために脱着可能な構造にすることができる。
【0067】
フォールディング機(180)は、異物が除去された前記生地ウェブ(w)をフォールディングすることができる。また、前記フォールディング機(180)の一側には幅カッティング機(185)を設けられることができる。前記幅カッティング機(185)は、
図17を参考にしてより詳細に検討する。
【0068】
図17は、本発明の一実施例による幅カッティング機を示す図である。
【0069】
前記幅カッティング機(185)は、スライディングアセンブリを用いて前記生地ウェブ(w)の幅全体にわたって自由自在に調整することができ、モーターによって回転する回転式円形刃(切断刃)を使用し、切断中に発生する粒子の破片から作業者の安全を考慮して安全カバーを被せることができる。
【0070】
再び
図1を参考にすれば、ローラ部(190)は、フォールディングされた前記生地ウェブ(w)の折曲方向を一定に維持して包装することができる。
【0071】
前記ローラ部(190)は、テンションローラ(図示せず)及び、ワインディングローラー(図示せず)とを含むことができる。
【0072】
テンションローラは、フォールディングされた前記生地ウェブ(w)の折曲方向をいずれか一つの(工程進行)方向に維持することができる。
【0073】
ワインディングローラーは、前記テンションローラを通過した前記生地ウェブ(w)をワインディングすることができる。
【0074】
参考として、前記生地ウェブ(w)をコーティング、硬化、乾燥させる全体工程完成のための生地ウェブ(w)の移送速度は1.5~4.5メートル meter/minutes程度に達し、生地ウェブ(w)の幅は1.0~5.0meterに設定されることができる。
【0075】
前記にて詳細に検討したように、本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、高分子樹脂によるコーティング剤とハイブリッドコーティング硬化システムを適用し、工程を単純化しながらも完成品の物理的性能を最適化できる効果を有する。また、本発明の一実施例によるハイブリッドコーティング硬化システムは、ハイブリッド硬化機が設けられることにより、コーティング剤を硬化させて高分子樹脂又はコンパウンドコーティング剤の内部組織状態を緻密に結合させることができる効果を有する。
【0076】
以上のように、本発明の一実施例は限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明の一実施例は前記説明された実施例に限定されるわけではなく、これは本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これらの機材から様々な修正及び変形が可能である。したがって、本発明の一実施例は、以下に記載された特許請求の範囲によってのみ把握されるべきであり、その均等又は等価的な変形双方は本発明の思想の範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0077】
100 ハイブリッドコーティング硬化システム
110 洗浄機
120 UV照射器
130 コーティング部
140 圧延硬化部
141 非接触圧延機
142 圧延ローラ
143 ハイブリッド硬化機
1431 ハウス
1432 赤外線ランプ
1433 紫外線ランプ
1434 反射笠
150 テンター
160 穿孔機
170 集塵機
180 フォールディング機
190 ローラ部
【国際調査報告】