(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20241203BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20241203BHJP
H02K 33/16 20060101ALI20241203BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241203BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G03B5/00 J
H02K33/16 A
G03B30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530553
(86)(22)【出願日】2023-04-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2023086004
(87)【国際公開番号】W WO2024108853
(87)【国際公開日】2024-05-30
(31)【優先権主張番号】202223125233.3
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ エーエーシー レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 同明
(72)【発明者】
【氏名】▲韋▼ ▲鎖▼和
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲麗▼梅
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5H633
【Fターム(参考)】
2H044BE02
2H044BE06
2H044BE10
2H044BE17
2K005CA02
2K005CA23
2K005CA45
2K005CA53
5H633BB08
5H633BB11
5H633GG02
5H633GG08
5H633HH03
5H633JA04
5H633JB05
(57)【要約】
【課題】本願はレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置は、台座と、ハウジングと、支持スタンドと、鏡筒と、防振駆動アセンブリと、磁気回路アセンブリと、フォーカス駆動アセンブリとを含み、支持スタンドは、互いに対向して平行な2つの第1囲い壁と、互いに対向して平行な2つの第2囲い壁とを含み、第1囲い壁と第2囲い壁との延在方向は、互いに垂直であり、磁気回路アセンブリは、一方の第1囲い壁に固定された第1磁気セットと、他方の第1囲い壁に固定されたカウンタウェイトと、2つの第2囲い壁にそれぞれ固定された2つの第2磁気セットとを含み、防振駆動アセンブリは、台座に固定され且つそれぞれ第1磁気セット及び2つの第2磁気セットと間隔を隔てる3つの防振コイルを含み、フォーカス駆動アセンブリは、鏡筒の外側に固定され且つそれぞれ2つの第2磁気セットの内側と間隔を隔てる2つの駆動コイルを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ駆動装置であって、
前記レンズ駆動装置は、台座と、前記台座に固定されて収容キャビティを形成するハウジングと、前記台座の頂側に支持され且つ前記収容キャビティ内に収容された支持スタンドと、前記支持スタンド内に弾性的に接続された鏡筒と、前記台座に設置された防振駆動アセンブリと、前記支持スタンドに設置された磁気回路アセンブリと、前記鏡筒に設置されたフォーカス駆動アセンブリとを含み、
前記支持スタンドは、互いに対向して平行な2つの第1囲い壁と、互いに対向して平行な2つの第2囲い壁とを含み、前記第1囲い壁と前記第2囲い壁との延在方向は、互いに垂直であり、前記磁気回路アセンブリは、一方の前記第1囲い壁に固定された第1磁気セットと、他方の前記第1囲い壁に固定されたカウンタウェイトと、2つの前記第2囲い壁にそれぞれ固定された2つの第2磁気セットとを含み、
前記防振駆動アセンブリは、前記台座に固定され且つそれぞれ前記第1磁気セット及び2つの前記第2磁気セットと間隔を隔てる3つの防振コイルを含み、
前記フォーカス駆動アセンブリは、前記鏡筒の外側に固定され且つそれぞれ2つの前記第2磁気セットの内側と間隔を隔てる2つの駆動コイルを含むことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記第1磁気セットは、第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼のN極は、前記支持スタンドの内側に向かい、
前記第2磁気セットは、光軸方向に積み重ねて固定された第2磁性鋼及び第3磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼のN極は、前記支持スタンドの内側に向かい、前記第3磁性鋼のS極は、前記支持スタンドの内側に向かうことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記磁気回路アセンブリは、前記支持スタンドの内部に嵌設され且つ前記鏡筒の外側を周回する磁気伝導リングをさらに含み、前記第1磁性鋼と前記第2磁性鋼と前記第3磁性鋼とはいずれも、径方向に前記磁気伝導リングと少なくとも部分的に重なることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
同一の前記第2磁気セットにおける第2磁性鋼及び第3磁性鋼は、一体に接着固定されることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記第1囲い壁の内側には、第1嵌合溝が開設され、前記第2囲い壁の内側には、第2嵌合溝が開設され、前記第1嵌合溝及び前記第2嵌合溝はいずれも、前記支持スタンドの前記台座に近接する側を貫通し、前記第1磁気セット及び前記カウンタウェイトは、対応する前記第1嵌合溝内にそれぞれ嵌設され、前記第2磁気セットは、対応する前記第2嵌合溝内に嵌設されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記台座の頂側の角部位置にはいずれも、角部位置規制ブロックが設置され、隣接する前記角部位置規制ブロックの間には切り欠きが形成され、前記防振コイルに対応する切り欠き内には第1巻線ブロックが設置され、前記防振コイルは、中空コイルであり且つ対応する第1巻線ブロックの外に外嵌され、光軸方向において、前記角部位置規制ブロックと前記第1巻線ブロックとの高さはいずれも、前記防振コイルの高さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記レンズ駆動装置は、前記台座内に嵌設されたインサートをさらに含み、前記防振コイルは、前記インサートにスポット溶接接続されることを特徴とする請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記レンズ駆動装置は、両端が前記支持スタンド及び前記鏡筒にそれぞれ固定された弾性接続片と、前記鏡筒の外側の角部位置と前記支持スタンドの内側の対応する角部位置との間に設置された第1ダンピング部材と、前記台座の頂側の角部位置と前記支持スタンドの底側の対応する角部位置との間に設置された第2ダンピング部材とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
前記鏡筒の外側には第1接着剤溝が開設され、前記支持スタンドの内側には延在方向が光軸に平行である第2接着剤溝が開設され、前記第1ダンピング部材は、前記第1接着剤溝に固定的に装着され且つ前記第2接着剤溝にスライド装着されることを特徴とする請求項8に記載のレンズ駆動装置。
【請求項10】
前記鏡筒の2つの前記第2磁気セットに向かう外側にはいずれも、突出した第2巻線ブロックが設置され、前記駆動コイルは、対応する前記第2巻線ブロックに外嵌され、前記鏡筒の前記第1磁気セットに向かう側には配線溝が開設され、2つ前記駆動コイルの間にはリードが接続され、前記リードは前記配線溝内に嵌設されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、レンズ技術分野に属し、特にレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像技術の発展に伴い、レンズ駆動装置は、様々な撮像装置において広く応用されている。レンズ駆動装置と例えば携帯電話、ビデオカメラ、コンピュータ等の様々な携帯型電子機器との組み合わせは、さらに消費者に好まれる。
【0003】
従来技術のレンズ駆動装置の駆動機構は、一般的にコイルと磁性鋼とを組み合わせて構成され、オートフォーカス(AF:auto focusing)及び/又は光学防振(OIS:optical image stabilization)を実現するために用いられる。駆動コイル、防振コイル及び磁性鋼は、それぞれ台座、ハウジング及び鏡筒に固定され、鏡筒は、弾性片によりハウジングに支持され、駆動コイル又は防振コイルに電流を印加する際に、コイルは、電磁界を生成し、磁性鋼の移動を駆動し、それにより鏡筒を、対応する移動を行わせるように駆動して、オートフォーカス又は光学防振を図る。
【0004】
しかしながら、従来技術における駆動コイル、防振コイル及び磁性鋼はいずれも、光軸の周りに4箇所設置する必要があり、部品が多くかつ複雑であり、コストが過大となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、駆動及び防振性能を保証しつつ、構成部品を簡略化し、コストを低減することができるレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、レンズ駆動装置を提供し、当該レンズ駆動装置は、台座と、前記台座に固定されて収容キャビティを形成するハウジングと、前記台座の頂側に支持され且つ前記収容キャビティ内に収容された支持スタンドと、前記支持スタンド内に弾性的に接続された鏡筒と、前記台座に設置された防振駆動アセンブリと、前記支持スタンドに設置された磁気回路アセンブリと、前記鏡筒に設置されたフォーカス駆動アセンブリとを含み、前記支持スタンドは、互いに対向して平行な2つの第1囲い壁と、互いに対向して平行な2つの第2囲い壁とを含み、前記第1囲い壁と前記第2囲い壁との延在方向は、互いに垂直であり、前記磁気回路アセンブリは、一方の前記第1囲い壁に固定された第1磁気セットと、他方の前記第1囲い壁に固定されたカウンタウェイトと、2つの前記第2囲い壁にそれぞれ固定された2つの第2磁気セットとを含み、前記防振駆動アセンブリは、前記台座に固定され且つ前記第1磁気セット及び2つの前記第2磁気セットとそれぞれ間隔を隔てる3つの防振コイルを含み、前記フォーカス駆動アセンブリは、前記鏡筒の外側に固定され且つそれぞれ2つの前記第2磁気セットの内側と間隔を隔てる2つの駆動コイルを含む。
【0007】
さらに、前記第1磁気セットは、第1磁性鋼を含み、前記第1磁性鋼のN極は、前記支持スタンドの内側に向かい、前記第2磁気セットは、光軸方向に積み重ねて固定された第2磁性鋼及び第3磁性鋼を含み、前記第2磁性鋼のN極は、前記支持スタンドの内側に向かい、前記第3磁性鋼のS極は、前記支持スタンドの内側に向かう。
【0008】
さらに、前記磁気回路アセンブリは、前記支持スタンドの内部に嵌設され且つ前記鏡筒の外側を周回する磁気伝導リングをさらに含み、前記第1磁性鋼と、前記第2磁性鋼と、前記第3磁性鋼とはいずれも、径方向に前記磁気伝導リングと少なくとも部分的に重なる。
【0009】
さらに、同一の前記第2磁気セットにおける第2磁性鋼及び第3磁性鋼は、一体に接着固定される。
【0010】
さらに、前記第1囲い壁の内側には、第1嵌合溝が開設され、前記第2囲い壁の内側には、第2嵌合溝が開設され、前記第1嵌合溝及び前記第2嵌合溝はいずれも、前記支持スタンドの前記台座に近接する側を貫通し、前記第1磁気セット及び前記カウンタウェイトは、対応する前記第1嵌合溝内にそれぞれ嵌設され、前記第2磁気セットは、対応する前記第2嵌合溝内に嵌設される。
【0011】
さらに、前記台座の頂側の角部位置にはいずれも、角部位置規制ブロックが設置され、隣接する前記角部位置規制ブロックの間には切り欠きが形成され、前記防振コイルに対応する切り欠き内には第1巻線ブロックが設置され、前記防振コイルは、中空コイルであり且つ対応する第1巻線ブロックの外に外嵌され、光軸方向において、前記角部位置規制ブロックと前記第1巻線ブロックとの高さはいずれも、前記防振コイルの高さよりも大きい。
【0012】
さらに、前記レンズ駆動装置は、前記台座内に嵌設されたインサートをさらに含み、前記防振コイルは、前記インサートにスポット溶接接続される。
【0013】
さらに、前記レンズ駆動装置は、両端が前記支持スタンド及び前記鏡筒にそれぞれ固定された弾性接続片と、前記鏡筒の外側の角部位置と前記支持スタンドの内側の対応する角部位置との間に設置された第1ダンピング部材と、前記台座の頂側の角部位置と前記支持スタンドの底側の対応する角部位置との間に設置された第2ダンピング部材とをさらに含む。
【0014】
さらに、前記鏡筒の外側には第1接着剤溝が開設され、前記支持スタンドの内側には延在方向が光軸に平行となる第2接着剤溝が開設され、前記第1ダンピング部材は、前記第1接着剤溝に固定的に装着され且つ前記第2接着剤溝にスライド装着される。
【0015】
さらに、前記鏡筒の2つの前記第2磁気セットに向かう外側にはいずれも、突出した第2巻線ブロックが設置され、前記駆動コイルは、対応する前記第2巻線ブロックに外嵌され、前記鏡筒の前記第1磁気セットに向かう側には配線溝が開設され、2つ前記駆動コイルの間にはリードが接続され、前記リードは、前記配線溝内に嵌設される。
【発明の効果】
【0016】
本願の効果は、以下の通りである。
鏡筒は、レンズアセンブリ(図示せず)を固定するために用いられ、鏡筒は、支持スタンド内に弾性的に接続されているため、鏡筒は、支持スタンドに追従して移動可能となるとともに支持スタンドに対して移動可能となり;支持スタンドは、一方の第1囲い壁のみに第1磁気セットが設置され、また2つの第2囲い壁にそれぞれ1つの第2磁気セットが設置されているため、支持スタンドの3側のみに磁気セットが設置され、他方の第1囲い壁にカウンタウェイトが設置され、それにより支持スタンドの全体の質量バランスを保証することができ;台座に設置された、第1磁気セットに対応する防振コイルは、支持スタンド3が第1方向(Y軸方向)に移動するように第1磁気セットを駆動するために用いられ、2つの第2磁気セットに対応する防振コイルは、支持スタンドが第2方向(X軸方向)に移動するように第2磁気セットを駆動するために用いられ、それにより光学防振(OIS:optical image stabilization)が図られ;鏡筒の外側に設置され且つ2つの第2磁気セットの内側にそれぞれ間隔を隔てる2つの駆動コイルは、鏡筒を光軸(Z軸)方向に移動駆動するために用いられ、それによりオートフォーカス(AF:auto focusing)が図られる。本願では、3つの側辺のみに磁気セットが設置され、防振コイルが3つのみ設置され、駆動コイルが2つのみ設置されているため、レンズ駆動装置の構成部品を減少させ、オートフォーカス及び防振の性能を保証し、コストを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本願のレンズ駆動装置の全体構成を示す模式図である。
【
図2】本願のレンズ駆動装置の
図1におけるA-A方向に沿って切断した構成を示す模式図である。
【
図3】本願のレンズ駆動装置の
図1におけるB-B方向に沿って切断した構成を示す模式図である。
【
図4】本願のレンズ駆動装置の構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態を参照して本願をさらに説明する。
【0019】
図1~
図6に示すように、レンズ駆動装置を提供し、当該レンズ駆動装置は、台座1と、台座1に固定されて収容キャビティを形成するハウジング2と、台座1の頂側に支持され且つ収容キャビティ内に収容された支持スタンド3と、支持スタンド3内に弾性的に接続された鏡筒4と、台座1に設置された防振駆動アセンブリ5と、支持スタンド3に設置された磁気回路アセンブリ6と、鏡筒4に設置されたフォーカス駆動アセンブリ7とを含み、支持スタンド3は、互いに対向して平行な2つの第1囲い壁31と、互いに対向して平行な2つの第2囲い壁32とを含み、第1囲い壁31と第2囲い壁32との延在方向は、互いに垂直であり、磁気回路アセンブリ6は、一方の第1囲い壁31に固定された第1磁気セット61と、他方の囲い壁に固定されたカウンタウェイト62と、2つの第2囲い壁32にそれぞれ固定された2つの第2磁気セット63とを含み、防振駆動アセンブリ5は、台座1に固定され且つそれぞれ第1磁気セット61及び2つの第2磁気セット63と間隔を隔てる3つの防振コイル51を含み、フォーカス駆動アセンブリ7は、鏡筒4の外側に固定され且つ2つの第2磁気セット63の内側にそれぞれ間隔を隔てる2つの駆動コイル71を含む。
【0020】
鏡筒4は、レンズアセンブリ(図示せず)を固定するために用いられ、鏡筒4は、支持スタンド3内に弾性的に接続されるため、鏡筒4は、支持スタンド3に追従して移動可能となりかつ支持スタンド3に対して移動可能となり、支持スタンド3は、一方の第1囲い壁31のみに第1磁気セット61が設置され、別の2つの第2囲い壁32に1つの第2磁気セット63がそれぞれ設置されるため、支持スタンド3は、3側のみに磁気セットが設置され、他方の第1囲い壁31にカウンタウェイト62が設置され、それにより支持スタンド3の全体の質量バランスを保証することができ、台座1に設置された、第1磁気セット61に対応する防振コイル51は、支持スタンド3が第1方向(Y軸方向)に移動するように第1磁気セット61を駆動するために用いられ、2つの第2磁気セット63に対応する防振コイル51は、支持スタンド3が第2方向(X軸方向)に移動するように第2磁気セット63を駆動するために用いられ、それにより光学防振(OIS:optical image stabilization)が図られ、鏡筒4の外側に設置され且つ2つの第2磁気セット63の内側にそれぞれ間隔を隔てる2つの駆動コイル71は、鏡筒4を光軸(Z軸)方向に移動駆動するために用いられ、それによりオートフォーカス(AF:auto focusing)が図られる。本実施形態では、3つの側辺のみに磁気セットが設置され、防振コイル51が3つのみ設置され、駆動コイル71が2つのみ設置されているため、レンズ駆動装置の構成部品を減少させ、オートフォーカス及び防振の性能を保証し、コストを節約することができる。
【0021】
さらに、第1磁気セット61は、第1磁性鋼611を含み、第1磁性鋼611のN極は、支持スタンド3の内側に向かい、第2磁気セット63は、光軸方向に積み重ねて固定された第2磁性鋼631及び第3磁性鋼632を含み、第2磁性鋼631のN極は、支持スタンド3の内側に向かい、第3磁性鋼632のS極は、支持スタンド3の内側に向かう。具体的には、第2磁性鋼631及び第3磁性鋼632は、矩形ブロック状であり、形状が同じであり、同一の第2磁気セット63における第2磁性鋼631及び第3磁性鋼632は、一体に接着固定され、第2磁性鋼631は、第3磁性鋼632の台座1から離反する側に位置され、且つ、2つの駆動コイル71は、それぞれ2つの第2磁気セット63と位置が対応し、このようにして、第2磁気セット63は、駆動コイル71に対してより大きな駆動力及びより良好な線形性を提供することができ、オートフォーカスの性能を保証することができ、さらに、第2磁気セット63は、同時に防振コイル51の駆動部材とし、鏡筒4の第2方向(X軸方向)における防振駆動を実現することができる。
【0022】
磁気回路アセンブリ6は、支持スタンド3の内部に嵌設され且つ鏡筒4の外側を周回する磁気伝導リング64をさらに含み、第1磁性鋼611と第2磁性鋼631と第3磁性鋼632とはいずれも、径方向に磁気伝導リング64と少なくとも部分的に重なる。支持スタンド3は、プラスチック材料を採用することができ、磁気伝導リング64は、支持スタンド3の内部に一体に射出成形され、磁気伝導リング64の設置により、第1磁気セット61及び第2磁気セット63の内側への磁界強度を向上させ、駆動コイル71に対する駆動力を向上させることができ、且つ、磁束の漏れを減少させることができる。
【0023】
さらに、第1囲い壁31の内側には、第1嵌合溝311が開設され、第2囲い壁32の内側には、第2嵌合溝321が開設され、第1嵌合溝311及び第2嵌合溝321はいずれも、支持スタンド3の台座1に近接する側を貫通し、第1磁気セット61及びカウンタウェイト62は、対応する第1嵌合溝311内にそれぞれ嵌設され、第2磁気セット63は、対応する第2嵌合溝321内に嵌設される。第1磁気セット61及びカウンタウェイト62は、接着方式を採用して第2嵌合溝321内にそれぞれ固定されてもよく、カウンタウェイト62は、支持スタンド3の全体の質量バランスを均一にして、レンズ駆動装置が使用時により安定になるように、第1磁気セット61の重量に相当する金属材料を採用することができる。第2磁気セット63における第2磁性鋼及び第3磁性鋼は、接着方式を採用して第2嵌合溝321内に固定されてもよい。第1嵌合溝311及び第2嵌合溝321のそれぞれは支持スタンド3の台座1近接する側を貫通するため、第1磁気セット61及び第2磁気セット63の底部は支持スタンド3の底側に露出し、第1磁気セット61及び第2磁気セット63の磁界透過にさらに有利となり、防振性能を向上させる。
【0024】
さらに、台座1の頂側の角部位置にはいずれも、角部位置規制ブロック11が設置され、隣接する角部位置規制ブロック11の間には切り欠きが形成され、防振コイル51に対応する切り欠き内には第1巻線ブロック12が設置され、防振コイル51は、中空コイルであり且つ対応する第1巻線ブロック12の外に外嵌され、光軸方向において、角部位置規制ブロック11と第1巻線ブロック12との高さはいずれも、防振コイル51の高さよりも大きい。具体的には、防振コイル51は、中が中空であり、且つ第1巻線ブロック12は、防振コイル51の中心中空部を通過して防振コイル51の内側に当接し、防振コイル51の底側は、切り欠きの底面に密着し、したがって、第1巻線ブロック12及び角部位置規制ブロック11の頂面はいずれも、防振コイル51の頂面より高く、台座1はプラスチック材料を採用し、したがって、第1巻線ブロック12及び角部位置規制ブロック11は、支持スタンド3の底側又は磁気セットの底側が防振コイル51に直接的に衝突することを防止することができ、防振コイルへの保護を図り、より安全で確実である。なお、第1巻線ブロック12は、防振コイル51の中空部分を充填するストリップ状であってもよく、このようにして、第1巻線ブロック12の外側と防振コイル51の内側とは、締まり嵌めとされ、第1巻線ブロック12は、複数の凸型ブロックであってもよく、両端に位置する凸型ブロックは、防振コイル51の内側壁の両端にそれぞれ当接し、それにより防振コイル51は、第1巻線ブロック12と安定に接続される。第1巻線ブロック12と防振コイル51の組立密着性をさらに向上させるために、第1巻線ブロック12と防振コイル51との間は、接着剤で接着固定されてもよい。
【0025】
さらに、レンズ駆動装置は、台座1内に嵌設されたインサート8をさらに含み、防振コイル51は、インサート8にスポット溶接接続される。具体的には、インサート8は、台座1の内部に一体に射出成形された線路であり、インサート8の一部は、台座1に突出して接点として外部回路に接続され、また、防振コイル51は、直接的にインサート8とスポット溶接して電気接続を実現し、フレキシブル回路板(FPC)を設置する必要がなく、電気伝導の部品を減少させ、プロセスが簡単であり、コストがより低く、また、フレキシブル回路板(FPC)を減少させ、依然として防振電気信号の伝送性能を保証することができ、信号の伝送の効果がより高くなる。
【0026】
さらに、レンズ駆動装置は、両端が支持スタンド3及び鏡筒4にそれぞれ固定された弾性接続片9と、鏡筒4の外側の角部位置と支持スタンド3の内側の対応する角部位置との間に設置された第1ダンピング部材10と、台座1の頂側の角部位置と支持スタンド3の底側の対応する角部位置との間に設置された第2ダンピング部材(図示せず)とをさらに含む。具体的には、レンズ駆動装置の4つ角部位置に第1ダンピング部材10及び第2ダンピング部材が設置され、第1ダンピング部材10及び第2ダンピング部材はいずれも、ダンピングゴムを採用することができ、レンズの外壁と支持スタンド3の内壁との間に第1ダンピング部材10を設置することにより、レンズの径方向における衝突に対する緩衝を実現することができ、支持スタンド3と台座1との間に第2ダンピング部材を設置することにより、レンズの光軸方向における衝突に対する緩衝を実現することができ、このようにして、レンズ駆動装置の衝突防止性能を向上させることができ、より安全で確実である。
【0027】
さらに、鏡筒4の外側には第1接着剤溝41が開設され、支持スタンド3の内側には延在方向が光軸に平行である第2接着剤溝33が開設され、第1ダンピング部材は、第1接着剤溝41に固定的に装着され且つ第2接着剤溝33にスライド装着される。具体的には、第1接着剤溝41と第2接着剤溝33とは、正対して設置され、第1ダンピング部材10は、ブロック状であり、第1ダンピング部材10の両端は、第1接着剤溝41にそれぞれ固定され且つ第2接着剤溝33内にスライド接続され、第2接着剤溝33の延在方向が光軸に平行であるため、このようにして、第1ダンピング部材10は、第2接着剤溝33内で光軸方向に沿ってスライドすることができ、したがって、鏡筒4は、光軸方向において変位調整を安定的に実現することができ、光軸に垂直な方向に緩衝を実現することができる。
【0028】
さらに、鏡筒4の2つの第2磁気セット63に向かう外側にはいずれも、突出した第2巻線ブロック42が設置され、駆動コイル71は、対応する第2巻線ブロック42に外嵌され、鏡筒4の第1磁気セット61に向かう側には配線溝43が開設され、2つ駆動コイル71の間にリード72が接続され、リード72が配線溝43内に嵌設される。具体的には、第2巻線ブロック42は、鏡筒4の外側に設けられた複数の突起を含むことができ、本実施形態において、第2巻線ブロック42は、互いに間隔を隔てて設置される3つの突起を含み、3つの突起と駆動コイル71の内側とは、締まり嵌めとされ、且つ、3つの突起と駆動コイル71との間は、接着固定されることができ、それにより駆動コイル71は、鏡筒4に安定的に組み立てられ、配線溝43の延在方向は、鏡筒4の周方向であり、リード72は、配線溝43内に嵌設されるため、配線溝43の2つの側壁は、リード72に対して位置規制を実現して、リード72の脱落を防止することができ、リード72と配線溝43との間は、リード72と鏡筒4との間の接続の安定性をさらに向上させるために、接着の方式によってさらに固定されてもよい。
【0029】
上述したのは、本願の実施形態であり、当業者にとって、本願の創造的構想を逸脱しない前提で、種々の改良も行ってもよいが、これらは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘されるべきである。
【国際調査報告】