(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】多段圧縮機及び空調ユニット
(51)【国際特許分類】
F25B 1/10 20060101AFI20241203BHJP
F24F 3/00 20060101ALI20241203BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20241203BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20241203BHJP
F25B 1/047 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
F25B1/10 E
F24F3/00 A
F25B1/00 311B
F25B43/00 M
F25B43/00 W
F25B1/047 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510285
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2022107751
(87)【国際公開番号】W WO2023109130
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】202111526275.5
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517441262
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンス、インコーポレイテッド オブ チューハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シャオクン
(72)【発明者】
【氏名】リ、イン
(72)【発明者】
【氏名】ロン、ジョンケン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、チーリャン
(72)【発明者】
【氏名】リアン、ハオミン
(57)【要約】
本開示は、多段圧縮機及び空調ユニットを提供する。多段圧縮機は、フラッシュ・タンクを含み、フラッシュ・タンクは、多段圧縮機内に配置され、フラッシュ・タンクの冷媒入口は、凝縮器と連通するように構成され、フラッシュ・タンクの蒸気出口は、多段圧縮機の高圧段吸込口と連通し、フラッシュ・タンクの液体出口は、蒸発器と連通するように構成される。本開示の多段圧縮機及び空調ユニットは、圧縮機の効率を効果的に向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュ・タンク(10)を備える多段圧縮機であって、
前記フラッシュ・タンク(10)は、前記多段圧縮機内に配置され、
前記フラッシュ・タンク(10)の冷媒入口(101)は、凝縮器(21)と連通するように構成され、前記フラッシュ・タンク(10)の蒸気出口(102)は、前記多段圧縮機の高圧段吸込口(35)と連通し、前記フラッシュ・タンク(10)の液体出口(103)は、蒸発器(22)と連通するように構成される、多段圧縮機。
【請求項2】
前記フラッシュ・タンク(10)のフラッシュ・チャンバ(11)及び液体貯蔵領域(12)を備えて形成されたハウジング(31)をさらに備え、前記液体貯蔵領域(12)は、前記フラッシュ・チャンバ(11)の下方に配置され、前記冷媒入口(101)及び前記液体出口(103)は、両方とも前記ハウジング(31)上に設けられ、前記蒸気出口(102)及び前記高圧段吸込口(35)は、両方とも前記ハウジング(31)内に配置される、請求項1に記載の多段圧縮機。
【請求項3】
前記ハウジング(31)内に設けられた高圧段構造(32)及び低圧段構造(33)をさらに備え、前記フラッシュ・タンク(10)は、前記高圧段構造(32)と前記低圧段構造(33)との間に配置される、請求項2に記載の多段圧縮機。
【請求項4】
前記高圧段構造(32)及び前記低圧段構造(33)は、対称的に配置され、連結器(34)によって接続され、
前記フラッシュ・チャンバ(11)は前記連結器(34)の位置に配置され、前記液体貯蔵領域(12)は前記連結器(34)の下方に配置される、請求項3に記載の多段圧縮機。
【請求項5】
前記冷媒入口(101)は、前記フラッシュ・チャンバ(11)と連通し、前記フラッシュ・チャンバ(11)の上方に配置され、
前記液体出口(103)は、前記液体貯蔵領域(12)と連通する、請求項2から4までのいずれか一項に記載の多段圧縮機。
【請求項6】
バッフル・プレート(13)は、前記ハウジング(31)内に設けられ、前記バッフル・プレート(13)は、前記連結器(34)と前記液体貯蔵領域(12)との間に配置される、請求項4に記載の多段圧縮機。
【請求項7】
多孔質フィルタ・スクリーンは、前記ハウジング(31)内に設けられ、前記多孔質フィルタ・スクリーンは、前記連結器(34)と前記液体貯蔵領域(12)との間に配置される、請求項2から6までのいずれか一項に記載の多段圧縮機。
【請求項8】
前記フラッシュ・タンク(10)は、前記多段圧縮機の前記内部に配置されたタンク構造(10’)を備え、前記タンク構造は、前記フラッシュ・タンク(10)のフラッシュ・チャンバ(11)と液体貯蔵領域(12)とを形成する、請求項1に記載の多段圧縮機。
【請求項9】
前記タンク構造(10’)は、前記多段圧縮機の排気側に配置される、請求項8に記載の多段圧縮機。
【請求項10】
前記多段圧縮機内に設けられた高圧段構造(32)と低圧段構造(33)とをさらに備え、前記タンク構造(10’)は、前記高圧段構造(32)と低圧段構造(33)との間に配置される、請求項8又は9に記載の多段圧縮機。
【請求項11】
前記多段圧縮機は、二段圧縮機である、請求項1から10までのいずれか一項に記載の多段圧縮機。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の前記多段圧縮機を備える空調ユニット。
【請求項13】
前記凝縮器(21)と前記蒸発器(22)とをさらに備え、前記凝縮器(21)は、前記フラッシュ・タンク(10)の前記冷媒入口(101)と連通し、前記蒸発器(22)は、前記フラッシュ・タンク(10)の前記液体出口(103)と連通する、請求項12に記載の空調ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2021年12月14日に出願された中国出願第202111526275.5号に基づき、優先権を主張するものである。その中国出願の内容は、その全体が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、冷凍技術の分野、特に多段圧縮機及び空調ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
多段圧縮機(スクリュ圧縮機など)は、業務用空調ユニットの主要部分であり、業務用空気調和装置の「心臓」と呼ばれる。現在、大型の業務用空調ユニットは、圧縮機の排気温度を調整し、冷凍能力を向上させるために、一般的に、圧縮機及び外部補給空気構造(外部プレート熱交換器など)を使用する。しかしながら、このような外部構造は、複雑なパイプラインと、圧縮機の効率に影響を与える大きな圧力損失とを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者に知られている関連技術では、圧縮機の外部補給構造の複雑なパイプラインと大きな圧力損失とによって、圧縮機の効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
多段圧縮機及び空調ユニットは、関連技術における圧縮機の低効率の問題を解決するために、本開示の実施例で提供される。
【0006】
上記の目的を達成するために、本開示の一態様によれば、フラッシュ・タンクを含む多段圧縮機が提供され、フラッシュ・タンクは多段圧縮機内に配置され、フラッシュ・タンクの冷媒入口は、凝縮器と連通するように構成され、フラッシュ・タンクの蒸気出口は、多段圧縮機の高圧段吸込口と連通し、フラッシュ・タンクの液体出口は、蒸発器と連通するように構成される。
【0007】
いくつかの実施例では、多段圧縮機は、フラッシュ・タンクのフラッシュ・チャンバ及び液体貯蔵領域を備えて形成されたハウジングを含み、液体貯蔵領域は、フラッシュ・チャンバの下方に配置され、冷媒入口及び液体出口は、両方ともハウジング上に設けられ、蒸気出口及び高圧段吸込口は、両方ともハウジング内に配置されている。
【0008】
いくつかの実施例では、多段圧縮機は、ハウジング内に設けられた高圧段構造及び低圧段構造をさらに含み、フラッシュ・タンクは、高圧段構造と低圧段構造との間に配置される。
【0009】
いくつかの実施例では、高圧段構造及び低圧段構造は、対称的に配置され、連結器によって接続され、フラッシュ・チャンバは、連結器の位置に配置され、液体貯蔵領域は、連結器の下方に配置される。
【0010】
いくつかの実施例では、冷媒入口は、フラッシュ・チャンバと連通し、フラッシュ・チャンバの上方に配置され、液体出口は、液体貯蔵領域と連通する。
【0011】
いくつかの実施例では、バッフル・プレートは、ハウジング内に設けられ、バッフル・プレートは、連結器と液体貯蔵領域との間に配置される。
【0012】
いくつかの実施例では、多孔質フィルタ・スクリーンは、ハウジング内に設けられ、多孔質フィルタ・スクリーンは、連結器と液体貯蔵領域との間に配置される。
【0013】
いくつかの実施例では、フラッシュ・タンクは、多段圧縮機の内部に配置されたタンク構造を含み、タンク構造は、フラッシュ・タンクのフラッシュ・チャンバと液体貯蔵領域とを形成する。
【0014】
いくつかの実施例では、タンク構造は、多段圧縮機の排気側に配置される。
【0015】
いくつかの実施例では、多段圧縮機は、多段圧縮機内に設けられた高圧段構造と低圧段構造とをさらに含み、タンク構造は、高圧段構造と低圧段構造との間に配置される。
【0016】
いくつかの実施例では、多段圧縮機は、二段圧縮機である。
【0017】
本開示の別の態様によれば、上述の多段圧縮機を含む空調ユニットが提供される。
【0018】
いくつかの実施例では、空調ユニットは、凝縮器と蒸発器とをさらに含み、凝縮器は、フラッシュ・タンクの冷媒入口と連通し、蒸発器は、フラッシュ・タンクの液体出口と連通する。
【0019】
フラッシュ・タンクが圧縮機内に配置されている構造により、蒸発器に入るメイン・ループ冷凍剤のエンタルピ差の拡大が可能になり、冷凍剤の単位質量当たりの圧縮機の冷凍能力が増大し、さらに、圧縮機の効率が向上する。先行技術の圧縮機及び外部補給空気構造と比べて、本開示は、フラッシュ・タンクが圧縮機内に配置されるのを可能にし、パイプラインの接続によって生じる圧力損失を低減させるために、外部パイプラインを減らすか、又は省くことさえもでき、圧力損失を低減させることにより、圧縮機の効率が効果的に向上し得る。さらに、圧縮機に内蔵されているフラッシュ・タンクは、空調ユニット全体をよりコンパクトにし、設置面積を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の実施例Iにおける多段圧縮機の構造図である。
【
図2】本開示の実施例Iにおける多段圧縮機の内部構造図である。
【
図3】本開示の実施例IIにおける多段圧縮機の内部構造図である。
【
図4】本開示の実施例Iにおける多段圧縮機の冷媒のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示のさらなる詳細な説明は、添付の図面及び特定の実施例と併せて以下に提供されるが、本開示を限定するものではない。
【0022】
図1及び
図2を参照すると、本開示の実施例Iによれば、フラッシュ・タンク10を含む多段圧縮機が提供される。フラッシュ・タンク10は、多段圧縮機内に配置されている(
図1の破線のボックス部分は、フラッシュ・タンクの構造部分である)。フラッシュ・タンク10の冷媒入口101は、凝縮器21と連通するように構成され、フラッシュ・タンク10の蒸気出口102は、多段圧縮機の高圧段吸込口と連通し、フラッシュ・タンク10の液体出口103は、蒸発器22と連通するように構成される。
【0023】
図4の冷媒のフロー図と関連して、凝縮器21からの冷凍剤は、低圧でフラッシュ・タンク10内に入り、そこで急速に蒸発し、冷凍剤蒸気を発生させ、次いで、蒸気出口102から多段圧縮機の高圧段吸込口35に入って二段圧縮を受ける。冷凍剤の他の部分は、冷えて飽和液冷凍剤を形成し、メイン・ループ内の蒸発器22に向かって液体出口を通り、蒸発器22に入って熱伝達及び蒸発を起こし、圧縮機内に吸い込まれ、それにより、全サイクルを完了する。フラッシュ・タンク10が圧縮機内に配置されている構造により、蒸発器に入るメイン・ループ冷凍剤のエンタルピ差の拡大が可能になり、冷凍剤の単位質量当たりの圧縮機の冷凍能力が増大し、さらに、圧縮機の効率が向上する。
【0024】
関連技術の圧縮機及び外部補給空気構造と比べて、本開示は、フラッシュ・タンク10が圧縮機内に配置されるのを可能にし、パイプラインの接続によって生じる圧力損失を低減させるために、外部パイプラインを減らすか、又は省くことさえもでき、圧力損失を低減させることにより、圧縮機の効率を効果的に向上させることができる。さらに、圧縮機内に配置されているフラッシュ・タンクは、空調ユニット全体をよりコンパクトにし、設置面積を減少させることができる。
【0025】
図2を具体的に参照すると、多段圧縮機は、ハウジング31を含む。ハウジング31は、フラッシュ・タンク10のフラッシュ・チャンバ11と液体貯蔵領域12を備えて形成される。液体貯蔵領域12は、フラッシュ・チャンバ11の下方に配置される。冷媒入口101及び液体出口103は、両方ともハウジング31上に設けられ、蒸気出口102及び高圧段吸込口35は、両方ともハウジング31内に配置される。すなわち、フラッシュ・タンク10は、多段圧縮機と一体的に鋳造及び成型された構造である。フラッシュ・チャンバ11及び液体貯蔵領域12(一般的に、液体貯蔵タンク構造、又は液体貯蔵チャンバ構造)は、ハウジング31内に形成され、冷媒入口101及び液体出口103は、ハウジング31上の対応する位置に形成される。
【0026】
さらに、本実施例では、蒸気出口102及び高圧段吸込口35(多段圧縮機の高圧段構造の吸込口)は、高圧段吸込口内に構造的に合併される。すなわち、高圧段吸込口は、本来の吸込口であり、フラッシュ・チャンバ11の蒸気出口102でもある。フラッシュ・チャンバ11での急速な蒸発によって形成された冷凍剤蒸気は、高圧段吸込口35に直接入る。当然のことながら、図示されていない他の実施例では、蒸気出口102及び高圧段吸込口35は、パイプラインによって、又は、圧縮機内に形成されたチャネルによって連通されていてもよい。
【0027】
高圧段構造32及び低圧段構造33は、ハウジング31内に設けられ、低圧段構造33は、冷媒の第1弾圧縮を行うように構成され、高圧段構造32は、冷媒の第2弾圧縮を行うように構成され、フラッシュ・タンク10は、高圧段構造32と低圧段構造33との間に配置される。すなわち、フラッシュ・タンク10は、多段圧縮機の中圧段位置に配置される。このような構成の利点は、圧縮機全体のサイズが縮小され得ることであり、圧縮機全体をよりコンパクトな構造にし、設置面積を縮小することができる。
【0028】
多段圧縮機の内部構造空間をさらに利用するために、本実施例では、高圧段構造32及び低圧段構造33は、対称的に配置され、連結器34によって接続され、フラッシュ・チャンバ11は連結器34の位置に配置され、液体貯蔵領域12は連結器34の下方に配置される。高圧段構造及び低圧段構造は、ミラー配置であり、連結器によって接続される。
【0029】
冷媒入口101は、フラッシュ・チャンバ11と連通し、フラッシュ・チャンバ11の上方に配置されており、液体出口103は、液体貯蔵領域12と連通している。重力の作用を利用して、冷媒入口101は、フラッシュ・チャンバ11の上方に配置され、その結果、フラッシュ・チャンバ11に入る冷媒(冷凍剤)の蒸発後に形成される液体冷凍剤は、重力の作用下で、ハウジングの内壁に沿って液体貯蔵領域12内に落下し、液体出口103は、あるレベルまで蓄積された飽和液冷凍剤を蒸発器22内に導入する。
【0030】
いくつかの実施例では、バッフル・プレート13は、ハウジング31内に設けられ、バッフル・プレート13は、連結器34と液体貯蔵領域12との間に配置される。バッフル・プレート13を設けることにより、一方では、冷凍剤の乱流を増大させて急速な蒸発を実現することができ、他方では、吸引プロセスの間、気流の流れによってフラッシュ・タンクから液体冷凍剤を運ぶのを避けることができる。当然のことながら、図示されていない他の実施例では、バッフル・プレート13を多孔質フィルタ・スクリーンに交換することができ、多孔質フィルタ・スクリーンがハウジング31内に設けられているという違いがあるだけで、基本構造では、本実施例と実質的に同じであり、多孔質フィルタ・スクリーンは、連結器34と液体貯蔵領域12との間に配置される。多孔質フィルタ・スクリーンは、吸引中に液体が運ばれるのを防ぎつつ、油を濾過する役割を果たす。
【0031】
本実施例の多段圧縮機は、二段圧縮機であり、スクリュ圧縮機である。
【0032】
凝縮器21からの、及び、絞り部品23を通過した後の冷凍剤は、連結器34の上方の冷媒入口101から低圧でフラッシュ・チャンバ11内に入り、そこで急速に蒸発し、冷凍剤蒸気を発生させ、次いで、吸気流とともに多段圧縮機の高圧段に入って二段圧縮を受ける。冷凍剤の他の部分は、冷えて、フラッシュ・タンク10の底部で液体貯蔵領域12内に蓄積する飽和液冷凍剤を形成し、特定のレベルまで蓄積後に、フラッシュ・タンク10の底部の冷凍剤は、液体出口103から出て、メイン・ループ内の第2の絞り要素24(絞りオリフィス・プレート、電子膨張弁などであってもよい)によってさらに流れを抑えられ、次いで、蒸発器22に入って熱伝達及び蒸発を起こし、その後、圧縮機内に吸い込まれ、それにより、全サイクルを完了する。
【0033】
図3に示すように、本開示の実施例IIによれば、フラッシュ・タンク10を含む多段圧縮機が提供される。フラッシュ・タンク10は、多段圧縮機内に配置される。フラッシュ・タンク10の冷媒入口101は、凝縮器21と連通するように構成され、フラッシュ・タンク10の蒸気出口102は、多段圧縮機の高圧段吸込口と連通し、フラッシュ・タンク10の液体出口103は、蒸発器22と連通するように構成される。フラッシュ・タンク10は、多段圧縮機の内部に配置されたタンク構造10’を含み、タンク構造10’は、フラッシュ・タンク10のフラッシュ・チャンバ11と液体貯蔵領域12とを形成する。
【0034】
本実施例では、タンク構造10’は、多段圧縮機の排気側に配置される。
図3の多段圧縮機のための冷媒の流れ方向の矢印を参照すると、右側が、多段圧縮機の排気側である。凝縮器21からの冷凍剤は、底部のパイプラインからタンク構造10’内に入って、フラッシュ蒸発し、次いで、気体は上記パイプラインから中圧段に入り、冷凍剤液は、側方の底部から流れを抑えられて、その後、蒸発器22に戻る。
【0035】
タンク構造10’は、多段圧縮機の構造及び内部空間に応じた位置に配置することができる。図示されていない他の実施例では、高圧段構造32及び低圧段構造33は、多段圧縮機内に設けられてもよく、タンク構造10’は、高圧段構造32と低圧段構造33との間に配置される。これにより、タンク構造は、中圧段のより近くに、又は中圧段に配置され、冷媒流動距離を減少させることができる。
【0036】
本開示の実施例IIによれば、上記実施例の多段圧縮機を含む空調ユニットが提供される。
【0037】
空調ユニットの冷媒入口サイクルは、凝縮器21と蒸発器22とを含む。凝縮器21は、フラッシュ・タンク10の冷媒入口101と連通し、蒸発器22は、フラッシュ・タンク10の液体出口103と連通する。
【0038】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本出願による例示的な実施形態に限定することを意図していないことに留意されたい。ここで使用されるように、文脈上、別段明確な指示がない限り、単数形は、複数形も含むことを意図している。さらに、「含む(comprise)」及び/又は「含む(include)」という用語は、本明細書で使用するとき、特徴、ステップ、動作、装置、構成要素、及び/又はそれらの組合せの存在を示すことも理解されたい。
【0039】
本出願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上述の図面において、「第1の」、「第2の」などの用語は、類似する対象を区別するために使用され、特定の順番又は順序を記載するために使用する必要がないことに留意されたい。そのように使用されるデータは、本明細書で記載される本出願の実施形態が、本明細書で図示又は記載されている以外の順序で実施することができるように、適切な状況で交換可能であると理解されるべきである。
【0040】
当然のことながら、本開示の好ましい実施形態が、上述される。当業者は、本開示の基本原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び変更を行うこともできることが留意されるべきであり、これらの改良及び変更はまた、本開示の保護範囲内に包含されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュ・タンク(10)を備える多段圧縮機であって、
前記フラッシュ・タンク(10)は、前記多段圧縮機内に配置され、
前記フラッシュ・タンク(10)の冷媒入口(101)は、凝縮器(21)と連通するように構成され、前記フラッシュ・タンク(10)の蒸気出口(102)は、前記多段圧縮機の高圧段吸込口(35)と連通し、前記フラッシュ・タンク(10)の液体出口(103)は、蒸発器(22)と連通するように構成される、多段圧縮機。
【請求項2】
前記フラッシュ・タンク(10)のフラッシュ・チャンバ(11)及び液体貯蔵領域(12)を備えて形成されたハウジング(31)をさらに備え、前記液体貯蔵領域(12)は、前記フラッシュ・チャンバ(11)の下方に配置され、前記冷媒入口(101)及び前記液体出口(103)は、両方とも前記ハウジング(31)上に設けられ、前記蒸気出口(102)及び前記高圧段吸込口(35)は、両方とも前記ハウジング(31)内に配置される、請求項1に記載の多段圧縮機。
【請求項3】
前記ハウジング(31)内に設けられた高圧段構造(32)及び低圧段構造(33)をさらに備え、前記フラッシュ・タンク(10)は、前記高圧段構造(32)と前記低圧段構造(33)との間に配置される、請求項2に記載の多段圧縮機。
【請求項4】
前記高圧段構造(32)及び前記低圧段構造(33)は、対称的に配置され、連結器(34)によって接続され、
前記フラッシュ・チャンバ(11)は前記連結器(34)の位置に配置され、前記液体貯蔵領域(12)は前記連結器(34)の下方に配置される、請求項3に記載の多段圧縮機。
【請求項5】
前記冷媒入口(101)は、前記フラッシュ・チャンバ(11)と連通し、前記フラッシュ・チャンバ(11)の上方に配置され、
前記液体出口(103)は、前記液体貯蔵領域(12)と連通する、請求項2から4までのいずれか一項に記載の多段圧縮機。
【請求項6】
バッフル・プレート(13)は、前記ハウジング(31)内に設けられ、前記バッフル・プレート(13)は、前記連結器(34)と前記液体貯蔵領域(12)との間に配置される、請求項4に記載の多段圧縮機。
【請求項7】
多孔質フィルタ・スクリーンは、前記ハウジング(31)内に設けられ、前記多孔質フィルタ・スクリーンは、前記連結器(34)と前記液体貯蔵領域(12)との間に配置される、請求項2から
4までのいずれか一項に記載の多段圧縮機。
【請求項8】
前記フラッシュ・タンク(10)は、前記多段圧縮機の前記内部に配置されたタンク構造(10’)を備え、前記タンク構造は、前記フラッシュ・タンク(10)のフラッシュ・チャンバ(11)と液体貯蔵領域(12)とを形成する、請求項1に記載の多段圧縮機。
【請求項9】
前記タンク構造(10’)は、前記多段圧縮機の排気側に配置される、請求項8に記載の多段圧縮機。
【請求項10】
前記多段圧縮機内に設けられた高圧段構造(32)と低圧段構造(33)とをさらに備え、前記タンク構造(10’)は、前記高圧段構造(32)と低圧段構造(33)との間に配置される、請求項8又は9に記載の多段圧縮機。
【請求項11】
前記多段圧縮機は、二段圧縮機である、請求項1から
4までのいずれか一項に記載の多段圧縮機。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項に記載の前記多段圧縮機を備える空調ユニット。
【請求項13】
前記凝縮器(21)と前記蒸発器(22)とをさらに備え、前記凝縮器(21)は、前記フラッシュ・タンク(10)の前記冷媒入口(101)と連通し、前記蒸発器(22)は、前記フラッシュ・タンク(10)の前記液体出口(103)と連通する、請求項12に記載の空調ユニット。
【国際調査報告】