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特表2024-545553光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置
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  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図1a
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図1b
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図2a
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図2b
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図3
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図4
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図5a
  • 特表-光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置 図5b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および制御装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/24 20060101AFI20241203BHJP
   B23Q 15/22 20060101ALI20241203BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B23Q17/24 C
B23Q15/22
G01M11/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518165
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 EP2022072391
(87)【国際公開番号】W WO2023072451
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】102021128352.3
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521565028
【氏名又は名称】デーエムゲー モリ ウルトラソニック レーザーテック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】DMG MORI ULTRASONIC LASERTEC GMBH
【住所又は居所原語表記】Gildemeisterstrasse 1, 55758 Stipshausen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランツマン ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ヨナス
(72)【発明者】
【氏名】ゲーベル フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ドリンガー ヴィクトール
【テーマコード(参考)】
2G086
3C001
3C029
【Fターム(参考)】
2G086AA04
3C001KA01
3C029AA02
3C029AA03
3C029AA40
(57)【要約】
本発明は、数値制御工作機械100で機械加工をする光導波路10の光導波コアボディ1の位置を決定する方法を提供し、光導波路10は、光導波路10の第1端面3から光導波路10の第2端面4まで延在する、少なくともコアボディ1とそれを取り囲むシェルボディ2とを備える。本方法は、少なくとも光源装置211および検出装置212を含む光学測定システム200を提供することと、光源装置211が光導波路10を照射することを含む、光学測定システム210が光導波路10の第1端面3を測定することと、検出装置212が、光導波路10の照射によって第1端面3から放出される放射線を検出することと、検出した放射線に基づいて、シェルボディ2に対する、第1端面3上のコアボディ1の中心点5の位置を決定することと、を備える。本方法は、数値制御工作機械100で実行され、光導波路10を数値制御工作機械100の工作台20上にクランプすることをさらに含む。光学測定システム200は、数値制御工作機械100に配置され、第1端面3の測定は、数値制御工作機械100に配置された光学測定システム200によって、工作台20にクランプされた光導波路10上で行われる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値制御工作機械(100)で機械加工をする、光導波路(10)の光導波コアボディ(1)の位置を決定する方法であって、
前記光導波路(10)は、少なくとも前記コアボディ(1)とそれを囲むシェルボディ(2)とを備え、これらは両方とも前記光導波路(10)の第1端面(3)から前記光導波路(10)の第2端面(4)まで延在し、
前記方法は、
-少なくとも光源装置(211)と、検出装置(212)と、を備える光学測定システム(200)を提供することと、
-前記光学測定システム(200)を用いて前記光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定することと、
を備え、
前記第1端面(3)を測定することは、
-前記光源装置(211)によって前記光導波路(10)を照射することと、
-前記検出装置(212)によって、前記光導波路(10)を照射した結果として前記第1端面(3)から放出された放射線を検出することと、
-前記検出された放射線に基づいて、前記シェルボディ(2)に対する、前記第1端面(3)の前記コアボディ(1)の中心点(5)の位置を決定することと、
を有し、
-前記光導波路(10)を、前記数値制御工作機械(100)の工作台(20)にクランプし、
前記光学測定システム(200)は、前記数値制御工作機械(100)に配置され、前記工作台(20)にクランプされた前記光導波路(10)の前記第1端面(3)の測定は、前記数値制御工作機械(100)に配置された前記光学測定システム(200)によって実行されることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定するために、前記光導波路(10)を照射することは、
-前記光源装置(211)によって、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)の少なくともサブセクションを照射することを備えること、
を特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定するために、前記光導波路(10)を照射することは、
-前記光源装置(211)によって、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の少なくともサブセクションを照射することを備えること、
を特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光学測定システム(200)は、前記光源装置(211)により提供される前記照射光を反射する反射装置(220)をさらに備え、
前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定することは、
-前記反射装置(220)が、前記照射された第1端面(3)から始まり、続いて前記第2端面(4)から発されて前記第2端面(4)に戻る、前記光導波路(10)を通って誘導される放射線の少なくとも一部分を反射するように、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)に対向かつ面している前記反射装置(220)を配置することを、さらに備えること、
を特徴とする、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記光学測定システム(200)の前記検出装置(212)および前記光源装置(211)が、画一された測定装置(210)として設計されること、
を特徴とする、
先の請求項の一つに記載の方法。
【請求項6】
前記光学測定システム(200)の少なくとも一部、特に前記検出装置(212)と、前記工作台(20)とは、前記工作機械(100)の少なくとも1本の数値制御可能な軸によって互いに相対的に移動可能であること、
を特徴とする、
先の請求項の一つに記載の方法。
【請求項7】
前記工作機械(100)は、工具を収容するように構成された作業スピンドル(41)を有する機械加工装置(40)を備え、前記光学測定システム(200)の少なくとも前記検出装置(212)が前記機械加工装置(40)に配置されており、
前記工作機械(100)は、複数の数値制御可能な軸、特に3本の直線軸および2本の回転軸を介して、前記工作台(20)と、前記機械加工装置(40)とを、互いに相対的に移動させるように構成されていること、
を特徴とする、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記光学測定システム(200)の少なくとも前記検出装置(212)は、前記機械加工装置(40)の前記作業スピンドル(41)に収容されること、
を特徴とする、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
-前記工作機械の第1座標系における前記工作機械(10)、特に工作台固定座標系(21)における前記工作台(20)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置を決定することと、
-前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の前記決定された位置と、前記シェルボディ(2)に対する前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の前記決定された相対位置とに基づいて、前記工作機械の前記第1座標系における前記工作機械(100)、特に前記工作台固定座標系(21)における前記工作台(20)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の位置を決定することと、
をさらに備えること、
を特徴とする、
先の請求項の一つに記載の方法。
【請求項10】
前記工作機械(100)に対する前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置の決定は、タッチプローブ装置を有する、前記工作機械(100)に配置された触覚測定システムによって実行されること、
を特徴とする、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
-前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の位置と、前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(100)の前記第1端面(3)の位置と、に基づいて、前記工作機械(100)に対する、前記コアボディ(1)の中心線(7)の位置を決定すること、をさらに備えること、
を特徴とする、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
-前記光源装置(211)によって前記クランプされた光導波路(10)を照射することと、
-前記検出装置(212)によって、前記クランプされた光導波路(10)の照射により前記第2端面(4)から放出された放射線を検出することと、
-前記第2端面(4)から発せられる検出された放射線に基づいて、前記シェルボディ(2)に対する、前記第2端面(4)上の前記コアボディ(1)の中心点(6)の位置を決定することと、
を備える、
-前記数値制御工作機械(100)に配置された前記光学測定システム(200)によって、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)を測定することと、
-前記工作機械(100)の前記第1座標系またはさらなる座標系における前記工作機械(100)、特に前記工作台固定座標系(21)における前記工作台(20)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)の位置を決定することと、
-前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)の前記位置と、前記シェルボディ(2)に対する、前記第2端面(4)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(6)の前記決定された相対位置とに基づいて、前記工作機械(100)の前記第1座標系または前記さらなる座標系における前記工作機械(100)、特に前記工作台固定座標系(21)における前記工作台(20)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(6)の位置を決定すること、
をさらに備えること、
を特徴とする、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
-前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1および第2端面(3、4)における前記コアボディ(1)の前記中心点(5、6)の前記位置に基づいて、前記工作機械(100)に対する、前記コアボディ(1)の中心線(7)の位置を決定すること、をさらに備えること、
を特徴とする、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
数値制御工作機械(100)で光導波路(10)を機械加工する方法であって、
前記光導波路(10)は、前記光導波路(10)の第1端面(3)から前記光導波路(10)の第2端面(4)まで延在する、少なくとも1つの光導波コアボディ(1)と、それを囲むシェルボディ(2)とを有し、
前記方法は、
-数値制御工作機械(100)に、工作台(20)と、工具を収容するように配置された作業スピンドル(41)を備えた機械加工装置(40)とを設けることであって、前記工作機械(100)は、複数の数値制御可能な軸、特に3本の直線軸および2本の回転軸を介して、前記工作台(20)および前記機械加工装置(40)を互いに相対的に移動させるように構成されていることと、
-前記光導波路(10)を前記工作機械(100)の前記工作台(20)にクランプすることと、
-請求項1から13のいずれか一つに記載の方法に従って、前記工作台(20)に取り付けられた前記光導波路(10)の前記光導波コアボディ(1)の位置を決定することと、
-前記決定された位置を、前記工作機械(100)を制御するように構成された制御装置(50)に提供することと、
-少なくとも決定され前記制御装置(50)に提供される前記位置に応じて、前記作業スピンドル(41)によって収容される工具により、前記クランプされた光導波路(10)を機械加工することと、
を備えること、
を特徴とする、
方法。
【請求項15】
前記光導波コアボディ(1)の位置を決定することは、
-前記工作機械(100)の前記作業スピンドル(41)が、前記光学測定システム(200)の前記検出装置(212)および任意で前記光源装置(211)を収容すること、
前記クランプされた光導波路(10)を機械加工することは、
-前記工作機械(100)の前記作業スピンドル(41)が、工具をピックアップすること、
を特徴とする、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記クランプされた光導波路(10)を前記機械加工することは、材料を除去する機械加工であること、
を特徴とする、
請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記光導波路(10)を機械加工する前記作業スピンドル(41)によって収容される前記工具は、前記クランプされた光導波路(10)の機械加工中に、材料除去を目的とした工具の一部を、特に超音波領域の振動数で振動させるように構成された振動発生器を備えること、
を特徴とする、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記クランプされた光導波路(10)の前記コアボディ(1)の中心線(7)の位置を前記制御装置(50)に提供することでは、前記クランプされた光導波路(10)の前記光導波コアボディ(1)の位置を決定することが、請求項11または13の一つに記載の方法に従って行われること、
を特徴とし、
前記クランプされた光導波路(10)を機械加工することは、
-少なくとも1つの流路を前記クランプされた光導波路(10)の前記シェルボディ(2)に挿入することであって、前記挿入される流路は、前記第1端面(3)から前記コアボディ(1)の前記中心線(7)に実質的に平行に、少なくとも部分的に前記シェルボディ(2)を通って、特に前記第2端面(4)まで連続して延在すること、を備える、
請求項16または17の一つに記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの流路を前記シェルボディ(2)に挿入することは、
-前記コアボディ(1)の前記中心線(7)が前記工具を担持する作業スピンドル(41)のスピンドル軸の延長線に実質的に平行であるように、前記制御装置(50)に提供される前記コアボディ(1)の前記中心線(7)の位置に応じて、前記数値制御可能な複数の軸のうちの1本以上の軸を駆動することで、前記工作台(20)と前記機械加工装置(41)とを位置合わせすることと、
-前記工具を担持する作業スピンドル(41)と前記工作台(20)とを前記スピンドル軸に沿って送り方向に相対的に移動させることと、
を備えること、
を特徴とする、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
光導波路(10)を機械加工する工作機械(100)であって、
前記光導波路(10)は、前記光導波路(10)の第1端面(3)から前記光導波路(10)の第2端面(4)まで延在する、少なくとも1つの光導波コアボディ(1)と、それを囲むシェルボディ(2)と、を有し、
前記工作機械(100)は、数値制御工作機械(100)であって、少なくとも
-工作台(20)と、
-工具を収容するように構成された作業スピンドル(41)を有する機械加工装置(40)と、
-前記工作機械(100)を制御するように構成された制御装置(50)と、
-前記工作台(20)と前記機械加工装置(40)との相対運動のための前記制御装置(50)を介した制御可能な、複数の数値制御可能な軸と、
を備え、
光源装置(211)および検出装置(212)を備え、前記制御装置(50)に接続することができる光学測定システム(200)を、前記工作機械(100)に配置することができることと、
前記工作機械(100)に配置された前記光学測定システム(200)を有する前記制御装置(50)は、前記工作台(20)上に取り付けられた前記光導波路(10)の第1端面(3)を、前記光学測定システム(200)によって測定するように構成されることと、
を特徴とし、
前記制御装置(50)は、前記クランプされた光導波路(10)を照射するように前記光源装置(211)を制御するように少なくとも構成され、
前記検出装置(212)は、前記照射されたクランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)から発せられる放射線を検出し、この説明的な検出データを前記制御装置(50)の評価部(51)に送信するように構成され、
前記評価部(51)は、前記送信された検出データに基づいて、前記シェルボディ(2)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の中心点(5)の位置を決定するように構成される、
工作機械(100)。
【請求項21】
前記制御装置(50)の前記評価部(51)は、前記工作機械(100)、特に前記工作台(20)に対する、前記取り付けられた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置を、特に触覚測定システムを用いて決定するように構成されており、前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の前記位置と、前記シェルボディ(2)に対して決定された、前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の前記相対位置とに基づいて、前記工作機械(100)、特に前記工作台(20)に対する、前記取り付けられた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の位置を決定するようにさらに構成されていること、
を特徴とする、
請求項20に記載の工作機械(100)。
【請求項22】
前記光学測定システム(200)は、前記第1端面(3)を測定する際に、前記光源装置(211)が、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)を照射するように設計されたこと、
を特徴とする、
請求項20または21の一つに記載の工作機械(100)。
【請求項23】
前記光学測定システム(200)は、前記第1端面(3)を測定する際に、前記光源装置(211)が、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を照射するように設計されたこと、
を特徴とする、
請求項22に記載の工作機械(100)。
【請求項24】
前記光学測定システム(200)は、前記光源装置(211)によって提供される前記照射光を反射する反射装置(220)をさらに備え、これは、前記第1端面(3)を測定する際に前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)に対向して配置され、後者に面していること、
を特徴とする、
請求項23に記載の工作機械(100)。
【請求項25】
前記光学測定システム(200)が配置されると、少なくとも前記検出装置(212)は、前記工作機械(100)の機械フレーム(60)に対して移動可能な機械部品、特に前記機械フレーム(60)に対して移動可能な機械加工装置(40)に配置されること、
を特徴とする、
請求項20から24の一つに記載の工作機械(100)。
【請求項26】
前記光学測定システム(200)が配置されると、少なくとも前記検出装置(212)は、前記機械加工装置(40)の前記作業スピンドル(41)によって収容されること、
を特徴とする、
請求項25に記載の工作機械(100)。
【請求項27】
前記制御装置(50)は、前記クランプされた光導波路(10)を機械加工する前記制御装置(50)の前記評価部(51)の1以上の判定結果に応じて、前記複数の数値制御可能な軸のうちの少なくとも1つ、特に全てを制御するように構成されること、
を特徴とする、
請求項20から26の一つに記載の工作機械(100)。
【請求項28】
前記クランプされた光導波路(10)の材料除去をする機械加工をする前記工作機械(100)は、工具を備えており、この工具は、前記作業スピンドル(41)によって収容されるものであり、また、前記クランプされた光導波路(10)の機械加工中に、特に超音波領域の振動数で、材料除去のために提供される前記工具の一部を振動させるように構成された振動発生器を有していること、
を特徴とする、
請求項20から27の一つに記載の工作機械(100)。
【請求項29】
請求項20から28のいずれか一つに記載の工作機械(100)に用いられる制御装置(50)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御工作機械で機械加工される光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、数値制御工作機械における光導波路の機械加工方法、光導波路を機械加工する工作機械、および工作機械で用いる制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光導波路の使用は従来技術から知られており、エネルギー伝送、データおよび信号伝送を伴う通信技術、照明などの目的で多くの分野で使用されている。このような光導波路は、しばしば光導波路ケーブル、光ファイバケーブルなどとも呼ばれ、電磁放射線、特に光を透過するように設計されており、この目的のために、少なくとも1つの光導波コアボディ(光ファイバとも呼ばれる)と、それを取り囲むシェルボディと、から構成され、透過される電磁放射線または光は、コアボディの長手方向に沿って誘導される。
【0003】
通信技術の分野において、光導波路は、電気伝導体に比べて著しく高い伝送速度と伝送範囲を提供しており、送信機と受信機の間に大きな遅延時間を生じさせることなく、ロスのほとんどない通信を可能にする。
【0004】
このような光導波路を製造する過程では、初期の光導波路または光導波路ブランクは加熱され、その後の変形延伸工程でコアボディまたは光導波路の長手方向に沿って延伸される。延伸工程の実施次第で、長手方向に対して1/40000程度の長さの変化を実現することができ、例えば、長さ1メートルの光導波路ブランクから長さ40キロメートルの光導波路を延伸することができる。
【0005】
このような延伸工程の準備段階では、光導波路または光導波路ブランクの準備加工が、通常、工作機械で行われる。例えば、従来技術から知られている延伸工程のためのそのような準備の過程において、シェルボディによって囲まれたコアボディに対して可能な限り平行に走る穴がシェルボディに挿入される。光導波路を変形可能にし、長さ方向に延伸できるようにするため、熱延伸工程では当該穴に高温の流体を流す。
【0006】
準備加工は、高精度で、比較的小さな公差に準拠して実施されなければならず、光導波路または機械加工される光導波路ブランクの元の形状における製造関連のずれによって、コアボディは通常、シェルボディの中央に正確に配置されず、さらに困難なものになっている。
【0007】
このようなずれを補償するために、機械加工される光導波路または光導波路ブランクを光学顕微鏡を用いて測定し、光導波路内のコアボディの位置を決定する方法が、従来技術から知られている。測定された光導波路または機械加工される光導波路ブランクは、次いで工作機械にクランプされて、測定結果を考慮した機械加工が施される。
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの課題は、従来技術と比較して、工作機械上で光導波路を機械加工する、改善された、とりわけ、より正確な方法を提供することである。
【0009】
この課題を解決するために、請求項1に記載の光導波路の光導波コアボディの位置決定方法、請求項14に記載の光導波路の機械加工方法、請求項20に記載の光導波路を機械加工する工作機械、および請求項29に記載の制御装置を提供する。
【0010】
それぞれの従属項は、個別にまたは組み合わせて提供することができる好ましい実施形態を参照する。
【0011】
第1の態様によれば、数値制御工作機械で機械加工するための光導波路の光導波コアボディの位置決定方法が提供され、光導波路は、少なくともコアボディと、コアボディを囲むシェルボディとを備え、両者は、光導波路の第1端面から光導波路の第2端面まで延在する。本方法は、少なくとも光源装置と検出装置とを含む光学測定システムを提供することと、光学測定システムによって光導波路の第1端面を測定することと、を備え、測定することは、光源装置によって光導波路を照射することと、光導波路を照射することで第1端面から放出される放射線を、検出装置で検出することと、検出された放射線に基づいて、第1端面におけるコアボディの中心点の、シェルボディに対する位置を決定することと、を備える。本方法は、数値制御工作機械で実行され、光導波路を数値制御工作機械の工作台にクランプすることをさらに備える。光学測定システムは、数値制御工作機械に配置され、数値制御工作機械に配置された光学測定システムによって、工作台に取り付けられた光導波路の第1端面の測定が行われる。
【0012】
本方法は、従来技術から知られている別々の手順と決別するもので、光導波路が、その後の機械加工のために工作機械にクランプされている間に、光導波コアボディの位置を決定する目的で測定されることを可能にする。光導波路ブランク自体も光導波路であるので、光導波路は光導波路ブランクとしても理解されるものである。
【0013】
従来技術と比較して、a)クランプ状態における光導波路の実際の形状、特にコアボディのシェルボディに対する相対位置と、b)測定結果と、の間のずれは、提供される方法によって大幅に低減または補償することができる。
【0014】
従来技術から知られている手順では、このようなずれは、特に、工作機械の外部で測定された光導波路を工作機械の作業スペースに挿入して、そこでクランプすることによって生じる可能性がある。これは、例えば、工作機械の外部の測定環境と作業スペースの測定環境との条件が異なることによって引き起こされる可能性があるもので、例えば、温度の差が、熱による光導波路の変形につながり、その結果、測定結果からのずれと、それに準じた、その後の加工精度の低下につながる可能性がある。工作機械におけるクランプ力の印加によって引き起こされる機械的変形(弾性変形を含む)も生じ得る。
【0015】
本発明に係る工作機械において、その後の機械加工のために既にクランプされている光導波路を測定することで、測定環境が同時に機械加工環境に対応するだけでなく、測定およびそれから得られた測定結果に基づく機械加工が、光導波路に対して本質的に同じ境界条件下で行われることになる。その結果、従来技術で生じていた前述のずれが皆無になるため、特に精密な機械加工を、ほぼ完全な測定結果に基づいて実施することができる。
【0016】
この意味で、工作機械によるその後の機械加工の精度は、シェルボディに対する、クランプされた光導波路の第1端面上のコアボディの中心の相対位置を知ることで、既に向上している。例えば、第1端面においてシェルボディを機械加工する際に、工具がコアボディではなくシェルボディに適用されることを確実にすることができる。さらに、工具の当該適用位置は、例えば所定の距離を維持するために、コアボディに対して特に正確に位置づけることができる。
【0017】
放射線を全て検出可能にするため、あるいは照射可能にするために、第1端面を測定する前に、例えば、工作台または測定システム自体を移動させて、クランプされた光導波路またはその第1端面に対して光学測定システムを位置合わせすることが必要な場合がある。
【0018】
第1端面を測定する過程で実施される光導波路の照射は、好ましくは、光源装置によって提供される光周波数範囲からの電磁放射線で実施され、この電磁放射線は、紫外線、可視光線および赤外線を含むが、検出装置が、光源装置によって提供される電磁放射線の周波数範囲の少なくとも一部を検出するのに適している限り、これに限定されるべきではない。検出装置は、好ましくはカメラ、特に好ましくは顕微鏡カメラであって、その後の中心点を決定するステップのために検出された放射線から画像データを導出する。通常のカメラと比較して、顕微鏡カメラは、より高い画像解像度を実現できるため、より高い測定精度を実現することができる。
【0019】
第1端面が放出する放射線は、光導波路を照射することで起こるあらゆる電磁放射線として理解されるものであり、この電磁放射線は、例えば、第1端面からの放出プロセス、透過プロセス、または反射プロセスを介して検出装置に入射する。
【0020】
一般的に異なるシェルボディおよびコアボディの光伝導特性に起因して、コアボディが放出する放射線とシェルボディが放出する放射線との差、例えば強度の差や周波数の差(純粋な環境光での検出と比較して)は、検出装置によって第1端面が放出する放射線を検出する際に、光導波路の標的を定めた照射によって増大し得る。こうして得られた画像データは、当該ボディ間のコントラストをより高く示し、ひいてはコアボディの中心位置決定の精度を向上させる。検出された放射線のコントラストが増大するという簡素化された表現は、クラッディングの放射線成分とコアボディの放射線成分との間の差が大きくなるという前述の状況を説明することを意図するもので、これに基づいて、端面上の当該ボディ間のコントラストが増大した画像データを導出することができる。
【0021】
特に好ましいのは、コアボディに透過する照射の割合がシェルボディに透過する光源装置の照射の割合よりも大きくなるように、光導波路を照射する際、照射の大部分がコアボディへ行われることである。光導波路として使用するために必要な、コアボディの非常に優れた導電特性により、検出される放射線のコントラストはさらに増大する。
【0022】
位置という用語は、一般に、空間の説明に適した情報の組み合わせを意味すると理解され、それによって、選択された基準系に対する、説明される物体の位置および任意で向きを、選択された基準系に対して明確に特定することができる。基準系は、位置を特定するための基準を定義するもので、機械運動学の分野では、通常、物理的物体、特に機械部品に相当する。例えば、工作機械の機械フレーム、工作機械の工作台、または光導波路自体を基準系として定義することができる。数学的説明のために、基準系は、通常、ボディまたは基準系に固定された座標系が割り当てられる。物体またはボディの位置は、選択された基準系に対する物体固定点の位置としてのみ理解されるべきである。これは、例えば、基準系の(基準系に固定された)座標系における物体固定点の位置ベクトルによって特定することができる。一方、向きは、選択された基準系に対する物体の向きまたは傾きを指す。これは、例えば、基準系の座標系に対する物体固定座標系の回転角度によって特定することができる。
【0023】
相対位置が特定されるそれぞれの基準系は、通常、以下では「に対する」という前置詞を用いて特定される。個々の基準系には、任意の数の座標系を割り当てることができる。なお、基準系に属する座標系の原点および基底ベクトルの選択は、決して規定されるものではなく、任意に選択できる。さらに、異なるものの一致する基準系の座標系を、例えばそれらをシフトおよび/または回転させることで、互いに変換することもできる。
【0024】
シェルボディに対する、コアボディの中心の決定された相対位置は、好ましくは、光導波路に固定された座標系で示され、したがって、シェルボディに固定された座標系でも示され、この座標系は、好ましくは、第1端面または第2端面上に原点を有し、好ましくは、その基底ベクトルの2つが第1端面または第2端面の平面にある。このようにして、(基準系としての)シェルボディに対する、第1端面上のコアボディの中心の位置は、当該座標系における位置ベクトルを特定することで、特に簡易に特定することができる。
【0025】
この場合の第1端面上の中心点などの、点自体の位置は、方向に関する情報を必要としないが、例えば、コアボディの中心線は、例えば第1端面上の中心点までの位置を説明する位置ベクトルと、中心線の方向を説明する方向ベクトルとによって記述することができる。
【0026】
当該中心点の位置を決定することは、当該中心点が、第1端面におけるコアボディの中心線の貫通点に対応し、製造または形成工程に起因して、通常は第1端面の形状的中心点に対応しておらず、また光導波路ごとに異なるため、その後の機械加工に不可欠である。
【0027】
好ましくは、本方法は、工作機械の外部で測定し、それに基づいて光導波コアボディの位置を決定する前に行われるステップによって補うことができる。この従来技術のステップで決定された位置は、クランプされた光導波路上で決定された位置、この場合は少なくとも第1端面上のコアボディの中心点によって補うことができる。この目的のために、本方法は、好ましくは、工作機械の制御装置による使用が可能な、クランプすることで起こる光導波コアボディの位置のずれに関連する1以上の補償パラメータを、上流工程からの測定結果と、少なくとも光導波路がクランプされた際の、シェルボディに対して決定された、第1端面上のコアボディの中心点の位置と、に基づいて決定することを備える。
【0028】
前述のステップは、シェルボディに対して決定された、第1端面上の位置に限定されるものではなく、任意に、本方法の以下の好ましい実施形態で決定された位置(第2端面上の中心点、コアボディの中心線など)に基づいて実施することもできる。このように決定された補償パラメータは、当該ずれを補償する役割を果たし、その結果、光導波路の、その後の機械加工における精度を向上させる。
【0029】
好ましい実施形態では、クランプされた光導波路の第1端面を測定するためにクランプされた光導波路を照射することは、クランプされた光導波路の第2端面の少なくともサブセクションを光源装置で照射することを備える。
【0030】
第1端面が発する照射放射線は、本質的に、光源装置による、光導波路、特にコアボディを通って第2端面から透過される照射放射線の一部を有する。
【0031】
好ましくは、第2端面上のコアボディの端面は、照射されたサブセクション内に完全に位置しており、特に好ましくは、第2端面上のサブセクション上のコアボディの端面の面積割合は、サブセクションに対する第2端面上のシェルボディの端面の面積割合よりも大きい。その結果、照射放射線の大部分がコアボディを透過し、検出される放射線のコントラストがさらに高まり、位置決定が改善される。
【0032】
好ましい実施形態では、クランプされた光導波路の第1端面を測定するためにクランプされた光導波路を照射することは、クランプされた光導波路の第1端面の少なくともサブセクションを光源装置で照射することを備える。
【0033】
この場合、第1端面が放出する放射線は、本質的に、光源装置による、光導波路、特にコアボディを通って透過される照射放射線の一部の、第1端面によって反射される部分と第2端面において反射される部分とから構成される。
【0034】
照射および検出が同じ端面、ここでは第1端面に対して行われるという事実のために、上述の実施形態と比較して有利な方法で、特にコンパクトな光学測定システムを提供することが可能であり、これにより、光源装置および検出装置は、互いに局所的に近接して、好ましくは共通のハウジング内に配置され、例えば、工作機械上での光学測定システムの取り扱い(例えば、工具台からピックアップする形または測定システムを移動させる形)がかなり簡素化される。
【0035】
したがって、当該装置らは、1ステップで光導波路または第1端面に対向して一緒に位置決めすることができるが、局所的に別々の設計の場合は、検出装置および光源装置の位置づけに時間がかかる。
【0036】
シェルボディとコアボディの検出された放射線の差、ひいてはコントラストをさらに増大させるために、光導波路によって第1端面から透過される放射線のより大きな割合を第1端面に戻すよう誘導するため、例えばミラーの形態の反射装置を第2端面に配置することが特に有用である。
【0037】
好ましい実施形態では、光学測定システムは、光源装置によって提供される照射放射線を反射するための反射装置をさらに備え、クランプされた光導波路の第1端面を測定することは、照射された第1端面から開始し、その後に第2端面から発せられる、光導波路を通って誘導される放射線の少なくとも一部を、反射装置が第2端面に反射するように、クランプされた光導波路の第2端面に対向かつ面している反射装置の配置をさらに備える。
【0038】
好ましくは、第1端面上のコアボディの端面は、照射されたサブセクション内に完全に位置し、特に好ましくは、第1端面上のサブセクション上のコアボディの端面の面積割合は、サブセクションに対する第1端面上のシェルボディの端面の面積割合よりも大きい。これにより、検出された放射線のコントラストがさらに増大し、位置検出が改善される。
【0039】
好ましい実施形態では、光学測定システムの検出装置と光源装置は、常に互いに対して一定の相対的な位置関係を有するように、画一された測定装置として設計される。これにより、測定装置のみを配置するだけで、2つの別個に設計された装置を位置づけする必要がないため、クランプされた光導波路に対する光学測定システムの配置が簡素化される。
【0040】
好ましい実施形態では、光学測定システムの少なくとも一部、特に検出装置と、工作台とが、工作機械の少なくとも1本の数値制御可能な軸によって互いに相対的に移動可能である。
【0041】
このようにして、クランプされた光導波路と光学測定システムとの相対的な位置合わせの可能性が、工作機械の制御可能な軸を介して、特に第1端面を測定するまでの準備期間に実施され、これにより、様々な利点を有する概念的に異なる測定構成を工作機械に実装することができる。例えば、形状の異なる光導波路を、その都度新しい形状に位置合わせを手動で調整することなく測定することができ、これは、数値制御工作機械自体によって行うことができる。別の例では、光導波路が取り付けられた工作台は、機械加工エリアとは別の、測定を目的とした作業スペースのエリアに移動させることができ、光学測定システムは工作機械の機械フレーム上に強固に設置され、これにより、測定システムは機械加工エリアから可能な限り離れて、生じ得るいかなる汚染からも可能な限り保護される。別の例では、測定システムは、少なくとも1本の数値制御可能な軸を介して工作機械の作業スペースに出入りすることができ、これにより、作業スペースでの機械加工中に測定システムを汚染から完全に保護することができる。
【0042】
数値制御可能な軸による横移動は、ここでは、工作機械の並進軸/並進軸に沿った直線軸を介した並進運動と、回転軸/回転軸を中心とした回転軸を介した回転運動との両方を意味すると理解される。
【0043】
特に好ましい実施形態では、工作機械は、工具を保持するように構成された作業スピンドルを有する機械加工装置を備え、少なくとも光学測定システムの検出装置は、機械加工装置に配置される。さらに、工作機械は、複数の数値制御可能な軸、特に3本の直線軸および2本の回転軸を介して、工作台および機械加工装置を互いに相対的に移動させるように構成される。光源装置および検出装置を備えた画一された測定装置は、機械加工装置に配置されることが特に好ましい。
【0044】
これにより、工作台に取り付けられた光導波路に関する光学測定システムの位置決めが特に柔軟に行える。同時に、数値制御可能な軸を多数備えた、特に5軸機械として設計された工作機械は、位置が決定された後、クランプされた光導波路上で多種多様な方向に多種多様な機械加工作業を実行する可能性を提供する。特に、機械加工装置が機械フレームに対して3本の直線軸にわたって移動可能であり、工作台が機械フレームに対して2本の回転軸にわたって移動可能である5軸機械設計は、機械加工がほぼすべての最終形状を得ることを可能にするもので、これにより、そこにクランプされた光導波路を1台の工作機械で測定できるだけでなく、必要な全ての機械加工工程をその後に実施することができるため、時間を節約できるだけでなく、複数の工作機械および/または外部測定装置の間で再クランプすることによって生じる加工エラーや不正確さを回避することができる。
【0045】
さらに、測定用の検出装置と、その後の機械加工用の工具とが、同じ機械部品上に配置されているので、工具による機械加工中に利用される位置決定の結果が、異なる機械部品間の位置公差によって改ざんされてしまうことがなく、機械加工に関して特に精密な位置決定が可能になる。
【0046】
この実施形態では、検出装置および光源装置は、コンパクトであるため移動が容易な光学測定システムを提供するために、画一された測定装置として設計されることが特に好ましい。
【0047】
特に好ましい実施形態では、光学測定システムの少なくとも検出装置、好ましくは画一された測定装置は、機械加工装置の作業スピンドルに収容される。
【0048】
これにより、有利なことに、光学測定システムは、測定システムおよびその後の加工用工具のためのユニバーサルインターフェースとして機能する作業スピンドルによる、挿入および取り外しが可能になる。例えば、検出装置または測定装置全体を、工程前に工具マガジンまたは工具ホルダーから取り外し、その後工具マガジンに戻すことができる。さらに、工具および検出装置は、機械加工装置に対して本質的に同じ位置に配置されるため、その後の加工に関する位置決定の精度がさらに向上する。
【0049】
特に好ましい実施形態では、本方法は、工作機械の第1座標系における、クランプされた光導波路の第1端面の、工作機械に対する位置を、特に工作台固定座標系における、工作機械の機械フレームに対する位置を、または工作台固定座標系における、工作台に対する位置を決定することと、クランプされた光導波路の第1端面の決定された位置およびシェルボディに対する第1端面上のコアボディの中心の決定された相対位置に基づいて、工作機械の第1座標系における、クランプされた光導波路の第1端面上のコアボディの中心の、工作機械に対する位置を、特に工作台固定座標系における工作機械の機械フレームに対する位置を、または工作台固定座標系における工作台に対する位置を決定することと、をさらに備える。
【0050】
これにより、工作機械の制御装置が利用するのに適した光導波路の位置または光導波路の第1端面の位置の説明が特に簡単な方法で提供され、これは、シェルボディに対する、第1端面の中心点の予め決定された位置と共に、制御装置による利用が可能な当該中心点の位置の説明につながる。
【0051】
工作機械の基準系は、工作機械の全ての可能な基準系であると理解され、それにより、個々の機械部品は基準系として理解され得る。決定された位置を説明するための基準系の選択は、選択された基準系の座標系の選択と同様に任意であり、説明のために選択された座標系は第1座標系と呼ばれる。従来技術から知られているように、工作機械の運動学は、それぞれが異なる基準系(すなわち機械部品)に割り当てられた複数の座標系を用いて説明することができ、これらの座標系は、数値制御可能な軸の位置パラメータに基づいて互いに変換することができる。制御装置が工作機械の制御を行う工作機械の基準系に応じて、光導波路に関する決定された位置は、制御装置による利用のために、制御に使用される基準系の座標系に変換される。工作台を工作台固定座標系で基準系として説明する利点は、工作台に対して決定された光導波路の位置が、一定の位置(光導波路が工作台に固定されている)であり、工作機械の他の基準系に比較的容易に変換できることである。
【0052】
好ましい実施形態では、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面の位置は、工作機械に配置された、タッチプローブ装置を備える触覚測定システムを用いて決定される。
【0053】
好ましくは、触覚測定システムによって、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面の位置を決定することは、触覚測定システムのタッチプローブ装置によって、工作機械に対する、クランプされた光導波路の表面点の1つ以上の位置を検出することと、検出された1つ以上の位置に基づいて、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面の位置を決定することと、を備える。
【0054】
好ましくは、触覚測定システムによって、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面の位置を決定することは、クランプされた光導波路の形状に関する少なくとも1つの形状パラメータを、特にCADデータの形態で提供することをさらに備え、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面の位置を決定することは、提供された少なくとも1つの形状パラメータに基づいて追加的に実施される。
【0055】
タッチプローブ装置を備えた触覚測定システムを使用することで、工作機械に対する光導波路の位置を、可能な限り簡単に、かつ技術的に確立された方法で決定することができる。
【0056】
特に好ましい実施形態では、本方法は、工作機械に対して決定された、クランプされた光導波路の第1端面上のコアボディの中心の位置と、工作機械に対して決定された、クランプされた光導波路の第1端面の位置とに基づいて、工作機械に対する、コアボディの中心線の位置を決定することをさらに備える。位置は、必要であれば、事前に変換しておけば、工作機械の第1座標系でも任意の他の座標系でも特定することができる。
【0057】
このようにして、第1端面に直交する中心線という単純化された仮定を使用する、コアボディの中心線の位置を決定する最初のアプローチが提供される。第1端面の位置とそこにあるコアボディの中心とが既知であれば、単純化された仮定に照らして、工作機械に対する中心線の位置、例えば第1座標系における中心線の位置を短時間で特定することができる。
【0058】
特に好ましい実施形態では、本方法は、数値制御工作機械に配置された光学測定システムによって、クランプされた光導波路の第2端面を測定することと、工作機械に対する、取り付けられた光導波路の第2端面の位置を決定することと、工作機械に対する、取り付けられた光導波路の第2端面上のコアボディの中心点の位置を決定することと、をさらに備え、前述のステップは、第1端面上の中心点の位置を決定する文脈で既に説明した、任意の有利なまたは好ましい実施形態に類似的に実施することができる。
【0059】
このようにすることで、第2端面におけるコアボディの中心位置を、制御装置が使用可能な形で提供することもできる。
【0060】
好ましい実施形態において、本方法は、工作機械に対して決定された、クランプされた光導波路の前記第1および第2端面におけるコアボディの中心の位置に基づいて、工作機械に対する、コアボディの中心線の位置を決定することをさらに備える。位置は、必要であれば、事前に変換しておけば、工作機械の第1座標系でも任意の他の座標系でも特定することができる。
【0061】
このようにして、制御装置による使用が可能な第1および第2端面上のコアボディの中心の位置の説明に基づいて、工作機械に対する、コアボディの中心線の位置の特に精密な説明が、有利な方法で可能になり、このことは、端面に対して直交しているというコアボディの単純化された仮定とは対照的に、シェルボディ内のコアボディの製造に関連した角度ずれ(図1bも参照)を高精度で検出することもでき、これは、その後の機械加工中に適宜考慮されることができる。
【0062】
本発明の第2の態様によれば、数値制御工作機械で光導波路を機械加工する方法が提供され、光導波路は、本発明の第1の態様の説明の過程で既に説明した構造を有する。本方法は、工作台と、工具を収容するように構成された作業スピンドルを有する機械加工装置と、を有する数値制御工作機械を提供することを備え、工作機械は、複数の数値制御可能な軸、特に3本の直線軸および2本の回転軸を介して、工作台と機械加工装置とを互いに相対的に移動させるものであり、本方法は、光導波路を工作機械の工作台にクランプすることと、本発明の第1の態様による方法に従って、工作台にクランプされた光導波路の光導波コアボディの位置を決定することと、決定された位置を、工作機械を制御するために設定された制御装置に提供することと、クランプされた光導波路を、少なくとも制御装置に提供された決定された位置に応じて、作業スピンドルによって収容された工具によって加工することと、を備える。
【0063】
第2の態様による方法は、第1の態様による有利な方法によって測定された光波ボディの機械加工に関するものであり、上述の光波誘導コアボディの位置の精密な決定に基づいて、クランプされた光導波路の特に精密な機械加工を可能にする。
【0064】
提供される数値工作機械は、好ましくは、工作台が機械フレームに対して2本の回転軸を介して移動可能であり、機械加工装置が機械フレームに対して3本の直線軸を介して移動可能である5軸機械である。これは、クランプされた光導波路および作業スピンドルの特に柔軟かつほぼ無制限の位置決めを可能にするもので、ほぼ無制限の機械加工を可能にする。
【0065】
好ましい実施形態では、光導波コアボディの位置を決定するために、特に画一された測定装置として設計され得る光学測定システムの検出装置および任意で光源装置が、工作機械の作業スピンドルによって収容され、クランプされた光導波路を機械加工するために、工具が工作機械の作業スピンドルによって収容される。
【0066】
その結果、作業スピンドルは、有利なことに、光学測定システムおよび工具の両方のインターフェースとして機能し、その後の機械加工に関する位置決定における誤差を最小限にする。
【0067】
好ましい実施形態において、クランプされた光導波路の機械加工は、材料除去工程である。材料除去は、好ましくは、切削工具によって、またはレーザ放射を使用するレーザベースの工具によって実施することができる。
【0068】
熱延伸工程に備えて、材料は、例えばシェルボディにクランプ部を形成する、または流体ベースの加熱のための穴/流路を形成するために、除去される。コアボディの位置を知ることで、機械加工中にコアボディを損傷してしまうことを避けられるという利点がある。代わりに、材料は、特に低い公差を維持しながら、コアボディに対して所定の関係で除去することができる。
【0069】
好ましい実施形態では、光導波路を機械加工する作業スピンドルによって保持される工具は、振動発生器を備えており、この振動発生器は、クランプされた光導波路の機械加工中に、材料除去を目的とする工具の一部を、特に超音波領域の振動数で振動させるように励振するよう構成されている。
【0070】
これは、機械加工に必要な力を大幅に軽減するだけでなく、通常は硬脆性材料でできているシェルボディを、比較的高い表面品質で、例えば低い粗度で、低い製造公差に準拠して機械加工することを可能にする。
【0071】
そのような高い表面品質は、乱流のないほぼ層流が流路壁との境界領域で実現できるため、熱延伸工程で加熱流体を後に通過させるための流路の挿入に特に有利である。
【0072】
好ましい実施形態では、クランプされた光導波路のコアボディの中心線の位置を制御装置に提供するために、工作機械に対する、クランプされた光導波路の当該中心線の位置が決定される第1の態様による方法の好ましい実施形態に従って、クランプされた光導波路の光導波コアボディの位置は決定される。クランプされた光導波路の機械加工は、クランプされた光導波路のシェルボディに少なくとも1本の流路を挿入すること、好ましくは少なくとも2本の流路を挿入することを備え、挿入される流路または複数の流路は、第1端面からコアボディの中心線に実質的に平行に、少なくとも部分的にシェルボディを通って、特に第2端面まで連続して延在する。
【0073】
流路または複数の流路を平行に挿入することで、光導波路は、熱延伸工程のために最適に準備され、したがって、流路を流れる流体と、それと平行に走るコアボディとの間の熱伝達は一定に保たれ、距離の変化による変動がなくなる。このようにして、コアボディを均一に変形させながら、特に均一な熱延伸工程を実行することができる。挿入は、一方の端面から連続的に行うことも可能であり、第1端面から部分的に行い、次いで第2端面から行うこともでき、2つの部分的な流路が結合する。
【0074】
本質的に平行とは、中心線の位置が正確に決定されているにもかかわらず、製造中のずれを完全に避けることができないことを意味する。したがって、本質的に平行とは、工作機械が維持できる精度の範囲内での平行と理解される。
【0075】
好ましい実施形態では、少なくとも1本の流路をシェルボディに挿入することは、制御装置に提供されるコアボディの中心線の位置に応じて、複数の数値制御可能な軸のうちの1本以上の軸を制御することで、コアボディの中心線が工具を担持する作業スピンドルのスピンドル軸の延長線と実質的に平行になるように、工作台と機械加工装置とを位置合わせすることと、スピンドル軸に沿った送り方向への、工具を担持する作業スピンドルと工作台との相対移動と、を備える。
【0076】
このようにして、コアボディの中心線は、スピンドル軸の送り方向にちょうど平行になるよう位置合わせされるため、流路を挿入する際には、スピンドル軸に沿った送り運動用に設定された数値制御可能な軸のみが制御されればよい。そのため、実際の機械加工動作は、制御技術の点で特にシンプルに保たれる。
【0077】
本発明の第3の態様によれば、光導波路を機械加工する工作機械が提供され、光導波路は、少なくとも光導波コアボディと、コアボディを囲み、光導波路の第1端面から光導波路の第2端面まで延在するシェルボディと、を有する。工作機械は、数値制御工作機械として設計され、少なくとも1つの工作台と、工具を収容するように構成された作業スピンドルを有する機械加工装置と、工作機械を制御するように配置された制御装置と、工作台と機械加工装置との相対移動のために制御装置を介して数値制御することができる複数の軸と、を備える。工作機械に、光源装置と検出装置とを備え、制御装置に結合することができる光学測定システムを配置することができ得る。制御装置は、工作機械に光学測定システムが配置された状態で、工作台に取り付けられた光導波路の第1端面を、光学測定システムによって測定するように構成され、制御装置は少なくとも、取り付けられた光導波路を検出するよう、クランプされた光導波路を照射するよう光源装置を制御するように構成され、検出装置は、照射された、クランプされた光導波路の第1端面から発せられる放射線を検出し、この記述的検出データを制御装置の評価部に送信するように構成される。評価部は、送信された検出データに基づいて、クランプされた光導波路の第1端面上のコアボディの中心点の、シェルボディに対する位置を決定するように構成される。
【0078】
したがって、工作機械は、この点および好ましい実施形態において既に説明した全ての利点を備えた、本発明の第1および第2の態様による方法を実施するために適合される。
【0079】
好ましくは、光学測定システムは工作機械の一部として設計される。
【0080】
好ましい実施形態では、制御装置の評価部は、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面の位置、特に工作台に対する位置を、特に触覚測定システムを用いて決定するように構成され、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面のコアボディの中心の位置、特に工作台に対する位置を、工作機械に対して決定された第1端面の位置に基づいて決定するように、また、工作機械に対する、クランプされた光導波路の第1端面のコアボディの中心の位置、特に工作台に対する位置を、a)工作機械に対して決定された、クランプされた光導波路の第1端面の位置と、b)シェルボディに対して決定された、第1端面上のコアボディの中心の相対位置と、に基づいて決定するように、さらに構成される。
【0081】
好ましい実施形態では、光学測定システムは、第1端面を測定する際に、光源装置が、クランプされた光導波路の第2端面を照射するように設計される。
【0082】
好ましい実施形態では、光学測定システムは、第1端面を測定する際に、光源装置が、クランプされた光導波路の第1端面を照射するように設計される。
【0083】
好ましい実施形態では、光学測定システムは、第1端面を測定する際に、クランプされた光導波路の第2端面に対向するように配置され、光源装置から供給される照射光を反射する、反射装置をさらに備える。
【0084】
好ましい実施形態では、少なくとも検出装置は、光学測定システムが設置された状態で、工作機械の機械フレームに対して相対的に移動可能な機械部品、特に機械フレームに対して相対的に移動可能な機械加工装置に配置される。
【0085】
好ましい実施形態では、少なくとも検出装置は、光学測定システムが設置された状態で、機械加工装置の作業スピンドルに収容される。
【0086】
好ましくは、光源装置および検出装置は、画一された測定装置として設計される。
【0087】
好ましい実施形態では、制御装置は、制御装置の評価部の1以上の判定結果によって、クランプされた光導波路の機械加工のための複数の数値制御可能な軸のうちの少なくとも1本を制御するように構成される。
【0088】
判定結果は、クランプされた光導波路の第1端面および/または第2端面を測定する過程で決定された任意の位置として理解されるものである。
【0089】
好ましい実施形態では、クランプされた光導波路の材料除去加工を行う工作機械は、作業スピンドルによって保持される、振動発生器を有する工具を備えており、この振動発生器は、クランプされた光導波路の機械加工中に、材料除去を目的とする工具の一部を、特に超音波領域の振動数で振動させるように励振するよう構成されている。
【0090】
第4の態様によれば、本発明の第3の態様による、工作機械において使用するための制御装置が提供される。
【0091】
このように、既存の工作機械は、本発明の第3の態様による工作機械の機能、特に評価部により提供される、光導波コアボディの位置決定の可能性によって、比較的容易に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
さらなる好ましい実施形態およびそれらの利点、ならびに前述の態様および特徴のさらに具体的な実施形態が、添付の図面に示される図面の助けを借りて以下で説明される。
図1a】機械加工前の光導波路の概略例を示す斜視図である。
図1b】機械加工前の光導波路の概略例を示す斜視図である。
図2a】本発明の第1の態様の第1および第2の実施形態例による方法を実施するための概略構造を示す。
図2b】本発明の第1の態様の第1および第2の実施形態例による方法を実施するための概略構造を示す。
図3】工作台、クランプ装置および光導波路を有する図2aおよび図2bの構造の一部の斜視図を示す。
図4】本発明の第3の態様の実施形態例による工作機械の一部の斜視図を示す。
図5a】本発明の第1の態様の実施形態例による方法の例示的なシーケンスのフローチャートを示す。
図5b図5aのフローチャートに基づく、本発明の第2の態様の一実施形態による方法の例示的なシーケンスのフローチャートを示す。
【0093】
本発明は、以下に記載される実施形態及びその実施形態の特徴に決して限定されないことが強調される。本発明はさらに、独立請求項の保護範囲内で、前記実施形態の修正、特に、説明された実施形態の個々のまたは複数の特徴の修正および/または組み合わせから生じるものを含む。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1aおよび図1bは、機械加工前の光導波路の概略例を示す斜視図である。
【0095】
図1aは、光導波コアボディ1と、それを囲むシェルボディ2と、を備える円筒形状の光導波路10を示す。コアボディ1およびシェルボディ2は、光導波路10の長手方向軸に対して、光導波路10の第1端面3から第2端面4まで延在する。基準系として、シェルボディ2に対するコアボディ1の位置を説明するために、例示的な光導波路またはシェルボディ固定座標系11が示され、その原点は第1端面3の中心にあり、それによって基底ベクトルx(xの上に→)およびy(yの上に→)は、第1端面3の平面内にあり、基底ベクトルz(zの上に→)は、光導波路10の中心線9に沿って走っている。
【0096】
測定され、その後に機械加工される光導波路は、通常、ここに示されるように、実質的に円筒形の形状を有し、シェルボディ2の内側に延在するコアボディ1もまた実質的に円筒形である。しかしながら、本発明は、このような形状の光導波路のみに限定して使用することを意図するものではない。
【0097】
製造工程上、コアボディ1は、一般に、第1端面3上の中心点5と第2端面4上の中心点6とを結ぶ中心線7に沿ってシェルボディ2のちょうど中心を通らない。したがって、図1aに示す例では、コアボディ1は、光導波路10の中心線9と平行に、かつそこから離れた位置を走っている。
【0098】
中心点は、第1および第2端面3、4のそれぞれの断面の表面中心点として理解されるものであり、光導波路の断面は、第1または第2端面3、4自体に正確に相当する。
【0099】
コアボディ1の位置を説明するために、ここでは、第1端面3上の中心点5または第2端面4上の中心点6に対する位置ベクトルr(rの上に→)と、コアボディ1の中心線7の方向を説明する方向ベクトル8を用いることができる。
【0100】
より具体的な図1aのケースとは対照的に、図1bは、シェルボディ2に対するコアボディ1の位置がより一般的である例示的な光導波路10を示しており、コアボディ1の中心線7は、光導波路10の中心線9と平行ではない。第1端面3上の中心点5から開始して、コアボディ1の中心線7の方向ベクトル8は、第1端面3に直交しないが、第1端面3の面法線(ここではz(zの上に→)と平行に走る)に対する対応角を有している(図3も参照)。
【0101】
図1aおよび図1bの例から分かるように、シェルボディ2に対するコアボディ1の位置は、製造工程によって大きく変化する可能性があるので、光導波路10の正確な機械加工を確実にするためには、対応する位置の決定が必要となる。これは、本発明の第1の態様による方法によって特に有利に解決され、その過程において、少なくとも第1端面3上の中心点5の位置が決定される。特に有利には、第2端面4上の中心点6の位置と、そこから導出され得る中心点5および6を結ぶ中心線7の方向ベクトル8も決定される。
【0102】
以上の光導波路の説明に基づき、方法および工作機械の実施形態を以下に説明する。
【0103】
図2aは、本発明の第1の態様の第1の実施形態例による方法を実施する概略構造を示すもので、第3の態様による、部分的に描かれた工作機械で第1端面3を照射して測定する際に、クランプされた光導波路10の光導波コアボディ1の位置を決定するものである。
【0104】
光導波路10は、ここでは完全には図示されない工作機械の工作台20にクランプ装置30を介してクランプされ、クランプ装置30は、対応する固定ボルト34を介して工作台20の上側に固定される。工作台は、例えば機械フレームや回転スイベルテーブルの機械フレーム又はスイベルアームに対して、駆動装置22を備えるロータリー軸を介して第1回転軸Rを中心に回転することができる(図4も参照)。
【0105】
位置を決定する機構は、同じハウジング内で画一された測定装置210として設計されている光源211および顕微鏡カメラ212のほか、反射器220も含む、光学測定システム200を備える。光源211および顕微鏡カメラ212の光路は、測定装置210のハウジングの同じ開口部を通って生じ、この目的のために半透過性ミラー213を使用する。光学測定システム200は、ここでは明示的に示されていなくても工作機械に配置されるものであり、示されている構造は決して顕微鏡カメラに限定されるものではなく、光源から放出される放射線の少なくとも一部を検出することができるあらゆる検出装置の使用が可能であることに留意すべきである。
【0106】
第1端面3を測定する際には、測定装置210が第1端面3に対向することで、光源211からの照射光が半透過性ミラー213を介して第1端面3に当たって、そこで部分的に透過および反射される。第2端面4に向けられた透過部分は、第1端面から測定装置210の方向に放射される照射光が、第1端面3において反射された部分と、反射器220において反射された照射光の部分と、で本質的に構成されるように、光導波路から出た後に、第2端面4に面している反射器によって大部分が第2端面4に反射される。
【0107】
第1端面3からの照射光は、半透過性ミラー213を通過し、その後方に配置された顕微鏡カメラ212によって撮像される。
【0108】
光学測定システム200は、工作機械の制御装置50に接続されており、制御装置50は、少なくとも1つの評価部51を備えている。好ましくは、制御装置50は、工作機械の数値制御可能な軸を制御するための制御部52と、受信したデータのほかに工作機械の制御プログラムも保存して検索できる記憶部53と、をさらに備える。
【0109】
顕微鏡カメラ212によって撮影された放射線は、顕微鏡カメラ212によって対応する画像データに変換されて制御装置50の評価部51に送信されるか、撮影された生のデータ(撮影データ)が直接送信される。
【0110】
評価部51は、送信されたデータに基づいて、第1端面3上の、クランプされた光導波路10のコアボディ1の中心点の位置を決定するように構成される。この目的のために、コアボディ1およびシェルボディ2の放射成分の違いに基づいて、評価された取得データにおいてそれらを異なる物体として認識し、任意の数学的方法、通常は数値的方法を用いて、コアボディ1の中心、およびシェルボディ2に対する、第1端面3上でのそれの位置を決定する、任意の一般的な従来技術の画像およびパターン認識方法を使用することができる。
【0111】
評価部51によって決定された位置は、制御装置50が使用できる形態で出力され、その結果、クランプされた光導波路10の、その後の機械加工は、当該決定された位置に応じて行うことができる。
【0112】
好ましくは、シェルボディ2に対して決定された、コアボディ1の中心点の位置は、工作機械に対する中心点の位置を得るために、工作機械、例えば工作台20に対する光導波路10の位置に対して直接オフセットされる。光導波路の位置は、例えば、工作台固定座標系21における光導波路点の位置ベクトルによって示すことができる(図3も参照)。
【0113】
光導波路10の第1端面3を測定した後に、工作台20を第1回転軸Rを中心に回転させることで、それを180°回転させることができ、したがって、第2端面4も同様に測定することができる。この意味で、位置の決定は、好ましくは、第1端面3の画像または取得データを受信した後に、第2端面4を測定するための再位置合わせを独立して指示し、(第1端面3を測定する際と同様に)工程において光源211および顕微鏡カメラ212を制御する制御装置50によって完全に自動的に実行される。
【0114】
図2bは、本発明の第1の態様の第2の実施形態例による方法を実施するための概略構造を示し、第3の態様による部分的に描かれた工作機械で第2端面4を照射して第1端面3を測定する際に、クランプされた光導波路10の光導波コアボディ1の位置を決定するためのものである。
【0115】
図2bに示す構造は、図2aの構造にほぼ相当するものだが、光学測定システム200およびそれに対応して位置を決定するための手順が異なっている。
【0116】
図2bでは、光源211および検出装置も均一の測定装置210として設計されるが、図2aの構造とは対照的に、取り付けられた光導波路10の第2端面4が照射される。この目的のために、測定装置210は、光導波路10を顕微鏡カメラ212と光源211との間に配置することを可能にする、光導波路10にわたるウェブ214を有する例示的なU字形の設計を有する。
【0117】
この場合、第1端面3によって放出され、検出装置212によって検出される放射線は、実質的に、光導波路10を通って透過する、光源211が第2端面4を照射する成分からなる。これに基づいた評価部51による評価は、図2aの処理と同じである。
【0118】
図3は、工作台20、クランプ装置30、および取り付けられた光導波路10を有する図2aおよび図2bの構造の一部の斜視図を示し、光導波路10の簡略化された表現は、図1bに示されるような表現に置き換えられている。
【0119】
図2aおよび図2bの図に加えて、図3は、下部31および上部32を備え、その間に光導波路10がクランプされるクランプ装置30の詳細な構造を示している。クランプは、対応するクランプボルト(ここでは図示せず)によって行われるものであり、上側の穴35を通して上部32に挿入され、下部31と上部32との間に位置する光導波路10を固定するために、適切なねじ加工相手部品で下部31に螺合される。
【0120】
クランプ装置30自体が、穴33を通って導かれる固定ボルト(図2a、2b参照)を介して工作台20の上側に固定されることで、光導波路装置10が、工作台20にクランプされる。
【0121】
図2aおよび図2bに加えて、工作台20はまた、図3では第1回転軸Rに対して直交する第2回転軸Rを中心に回転することができる第2ロータリー軸を有する。
【0122】
以下では、工作機械または工作機械の工作台20に対する、クランプされた光導波路10のコアボディ1の中心線7の位置を、対応的に選択された工作機械の基準系として例示的に説明する。
【0123】
工作台20の説明には、正規直交の工作台固定座標系21を選択した。座標系21の原点は、例として工作台20の中央に置かれ、それにより、基底ベクトルx(xの上に→)およびy(yの上に→)は、工作台20の上部と平行に走り、基底ベクトルz(zの上に→)は、それに直交する。
【0124】
本発明の第1の態様による方法の好ましい実施形態の意味で、第1端面3および第2端面4を測定することにより、第1端面3の中心点5および第2端面4の中心点6の両方を、シェルボディ2または光導波路10自体に対して示すことができる。例として、光導波路固定座標系11内を走る位置ベクトルのみが示されている。r(rの上に→)が示されている。第2端面4上の中心点6について、ここでは図示されない等価物とのベクトル加算によって、中心線7の方向ベクトル8が決定され、これは、例えば、第1端面3に関して示されている傾斜角αおよびβによって説明することができる。
【0125】
光導波路10の位置は、工作台固定座標系22の原点から光導波路固定座標系11の原点までの位置ベクトルr(rの上に→)によって説明される。r(rの上に→)は、工作台20に対する中心点5を特定するために使用することができる。位置ベクトルr(rの上に→)は、例えば、位置決定のために少なくとも第1端面を調べる工作機械の触覚測定システムの支援を用いて、決定することができる。工作台に対する中心線7の向きは、方向ベクトル8を用いて同様に説明することができる。
【0126】
図3に示す座標系11および21の基底ベクトルは、対で平行に延び、したがって、工作台20に対する第1端面3の向きの、例えば傾斜角による説明は、不要かまたは自明である。この時点で、第1端面は、クランプまたは製造に起因して工作台20の座標系21に対して傾斜している可能性があり、工作台20に対する第1端面3の位置を示すために、対応する傾斜角を決定しなければならないことに留意すべきである。この目的のために、例えば、光導波路または第1端面3のいくつかの表面点を触覚測定システムで調べることができ、これにより、第1端面3の平面は、なかでも、工作台固定座標系22で説明することができる。
【0127】
図4は、本発明の第3の態様の実施形態例による工作機械100の一部の斜視図を示し、クランプされた光導波路10の第1端面3を測定するための図1aの構造と実質的に対応する構造を有する。
【0128】
工作機械100は、5軸機械として設計され、機械フレーム60と、方向L、LおよびLに沿って(それぞれ前方および後方に)3本の直線軸を介してこれに対して移動可能であり、作業スピンドル41を担持する機械加工装置40と、機械フレーム60に対して2本の回転軸周りに回転スイベルテーブルとして設計され、その上側には、光導波路10をクランプするクランプ装置30が締結されている工作台20と、を備える。ここでは図示されない第1ロータリー軸の回転軸は、クランプ装置3が締結されるテーブル面に対して直交し、第2ロータリー軸の回転軸Rは、再び第1ロータリー軸の回転軸に対して直交している。
【0129】
図示の構成では、単一の測定装置210が作業スピンドル41内に収容され、測定装置は、図1aに示す測定装置に本質的に対応し、内部に顕微鏡カメラおよび光源が配置されている。
【0130】
測定装置210および光導波路10は、横移動によって互いに対して位置づけすることができ、図示の向きは、本発明の第1の態様による方法に従ってクランプされた光導波路10の第1端面3を測定する目的で採用されており、その過程で、工作台20の回転運動によって垂直に位置合わせされた光導波路10は、その第1端面3が照射される。
【0131】
工作台20の下方に、透過した照射光を反射して光導波路10の第2端面4に戻す反射器220が配置されていることで、第1端面3に向けられた測定装置210の顕微鏡カメラで放射線が検出され、コントラストが増大する。
【0132】
工作機械100は、ここに図示しない制御装置を備えており、制御装置は、作業スピンドル41内に収容された測定装置210に接続され、顕微鏡カメラによって検出された放射線を評価して、シェルボディに対する、第1端面3上のコアボディの中心点の相対位置を決定する評価部を備えている。
【0133】
図5aは、本発明の第1の態様の実施例による方法の例示的なシーケンスのフローチャートを示す。
【0134】
ステップS1において、少なくとも光源装置および検出装置を含む光学測定システムが配置される数値制御工作機械の工作台に光導波路がクランプされる。光導波路は、光導波路の第1端面から光導波路の第2端面まで延在する、少なくとも1つの光導波コアボディと、それを囲むシェルボディとを有する。
【0135】
ステップS2~S5では、クランプされた光導波路の第1端面は、工作機械に配置された光学測定システムによって測定される。
【0136】
ステップS2では、クランプされた光導波路は、光学測定システムに対して位置合わせされる。
【0137】
ステップS3では、光学測定システムの光源装置によって、クランプされた光導波路、特にクランプされた光導波路の第1または第2端面が照射される。
【0138】
ステップS4では、光学測定システムの検出装置が、光導波路が照射されたことで光導波路の第1端面が放出した放射線を検出する。
【0139】
ステップS5では、ステップS4で検出された放射線に基づいて、架けられた光導波路の第1端面における、シェルボディに対する、コアボディの中心点の位置を決定する。
【0140】
図5bは、本発明の第2の態様の実施形態例による方法の例示的シーケンスのフローチャートを示す。
【0141】
第1のステップS1*では、本方法の過程で機械加工される光導波路の光導波コアボディの位置は、工作台と、工具を収容するように構成された作業スピンドルを有する機械加工装置とを有し、複数の数値制御可能な軸を介して工作台および機械加工装置を互いに相対的に移動させるように構成される、数値制御工作機械で決定される。位置は、本発明の第1の態様による方法に従って決定され、図5bでは、類似のステップS1~S5を有する図5aに記載されたシーケンスに正確に対応する。
【0142】
ステップS2*では、ステップS1*の過程で決定された位置が、工作機械を制御するために設定された数値制御工作機械の制御装置に提供される。
【0143】
ステップS3*では、(前述のように)ステップS1*からステップS1でクランプされた光導波路の機械加工が、工作機械の作業スピンドルによって収容された工具によって、少なくともステップS2*から決定され制御装置に提供された位置に応じて最終的に実行される。
【0144】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。
【0145】
本発明は、上述の実施形態およびそれらの実施形態の特徴に決して限定されないことが再度強調される。本発明はさらに、独立請求項の保護範囲内で、前記実施形態の修正、特に、説明された実施形態の個々のまたは複数の特徴の修正および/または組み合わせから生じるものを含む。
【符号の説明】
【0146】
1 コアボディ
2 シェルボディ
3 第1端面
4 第2端面
5 第1端面におけるコアボディの中心
6 第1端面におけるコアボディの中心
7 コアボディの中心線
8 中心線の方向ベクトル
9 光導波路の中心線
10 光導波路
11 光導波路固定座標系
20 工作台
21 工作台固定座標系
22 第1ロータリー軸の駆動装置
30 クランプ装置
31 クランプ装置の下部
32 クランプ装置の上部
33 ボルトを固定するための穴
34 固定ボルト
35 ボルトをクランプするための穴
40 機械加工装置
41 作業スピンドル
50 制御装置
51 評価部
52 制御可能な軸のための制御部
53 記憶部
60 機械フレーム
100 工作機械
200 光学測定システム
210 測定装置
211 光源
212 顕微鏡カメラ
213 半透過性ミラー
214 バー
220 反射器
第1回転軸
第2回転軸
第1並進方向
第2並進方向
第3並進方向

図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値制御工作機械(100)で機械加工をする、光導波路(10)の光導波コアボディ(1)の位置を決定する方法であって、
前記光導波路(10)は、少なくとも前記コアボディ(1)と前記コアボディ(1)を囲むシェルボディ(2)とを備え、前記コアボディ(1)および前記シェルボディ(2)は両方とも前記光導波路(10)の第1端面(3)から前記光導波路(10)の第2端面(4)まで延在し、
前記方法は、
-少なくとも光源装置(211)と、検出装置(212)と、を備える光学測定システム(200)を提供することと、
-前記光学測定システム(200)を用いて前記光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定することと、
を備え、
前記第1端面(3)を測定することは、
-前記光源装置(211)によって前記光導波路(10)を照射することと、
-前記検出装置(212)によって、前記光導波路(10)を照射した結果として前記第1端面(3)から放出された放射線を検出することと、
-前記検出された放射線に基づいて、前記シェルボディ(2)に対する、前記第1端面(3)の前記コアボディ(1)の中心点(5)の位置を決定することと、
を有し、
-前記光導波路(10)を、前記数値制御工作機械(100)の工作台(20)にクランプし、
前記光学測定システム(200)は、前記数値制御工作機械(100)に配置され、前記工作台(20)にクランプされた前記光導波路(10)の前記第1端面(3)の測定は、前記数値制御工作機械(100)に配置された前記光学測定システム(200)によって実行されることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定するために、前記光導波路(10)を照射することは、
-前記光源装置(211)によって、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)の少なくともサブセクションを照射することを備えること、
を特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定するために、前記光導波路(10)を照射することは、
-前記光源装置(211)によって、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の少なくともサブセクションを照射することを備えること、
を特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光学測定システム(200)は、前記光源装置(211)により提供される照射光を反射する反射装置(220)をさらに備え、
前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を測定することは、
-前記反射装置(220)が、前記照射された第1端面(3)から始まり、続いて前記第2端面(4)から発されて前記第2端面(4)に戻る、前記光導波路(10)を通って誘導される放射線の少なくとも一部分を反射するように、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)に対向かつ面している前記反射装置(220)を配置することを、さらに備えること、
を特徴とする、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記光学測定システム(200)の前記検出装置(212)および前記光源装置(211)が、画一された測定装置(210)として設計されること、
を特徴とする、
求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記光学測定システム(200)の少なくとも一部と、前記工作台(20)とは、前記工作機械(100)の少なくとも1本の数値制御可能な軸によって互いに相対的に移動可能であること、
を特徴とする、
求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記工作機械(100)は、工具を収容するように構成された作業スピンドル(41)を有する機械加工装置(40)を備え、前記光学測定システム(200)の少なくとも前記検出装置(212)が前記機械加工装置(40)に配置されており、
前記工作機械(100)は、複数の数値制御可能な軸を介して、前記工作台(20)と、前記機械加工装置(40)とを、互いに相対的に移動させるように構成されていること、
を特徴とする、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記光学測定システム(200)の少なくとも前記検出装置(212)は、前記機械加工装置(40)の前記作業スピンドル(41)に収容されること、
を特徴とする、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
-前記工作機械の第1座標系における前記工作機械(100)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置を決定することと、
-前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の前記決定された位置と、前記シェルボディ(2)に対する前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の前記決定された相対位置とに基づいて、前記工作機械の前記第1座標系における前記工作機械(100)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の位置を決定することと、
をさらに備えること、
を特徴とする、
求項に記載の方法。
【請求項10】
前記工作機械(100)に対する前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置の決定は、タッチプローブ装置を有する、前記工作機械(100)に配置された触覚測定システムによって実行されること、
を特徴とする、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
-前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の位置と、前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置と、に基づいて、前記工作機械(100)に対する、前記コアボディ(1)の中心線(7)の位置を決定すること、をさらに備えること、
を特徴とする、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
-前記光源装置(211)によって前記クランプされた光導波路(10)を照射することと、
-前記検出装置(212)によって、前記クランプされた光導波路(10)の照射により前記第2端面(4)から放出された放射線を検出することと、
-前記第2端面(4)から発せられる検出された放射線に基づいて、前記シェルボディ(2)に対する、前記第2端面(4)上の前記コアボディ(1)の中心点(6)の位置を決定することと、
を備える、
-前記数値制御工作機械(100)に配置された前記光学測定システム(200)によって、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)を測定することと、
-前記工作機械(100)の前記第1座標系またはさらなる座標系における前記工作機械(100)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)の位置を決定することと、
-前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)の前記位置と、前記シェルボディ(2)に対する、前記第2端面(4)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(6)の前記決定された相対位置とに基づいて、前記工作機械(100)の前記第1座標系または前記さらなる座標系における前記工作機械(100)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(6)の位置を決定すること、
をさらに備えること、
を特徴とする、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
-前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1および第2端面(3、4)における前記コアボディ(1)の前記中心点(5、6)の前記位置に基づいて、前記工作機械(100)に対する、前記コアボディ(1)の中心線(7)の位置を決定すること、をさらに備えること、
を特徴とする、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
数値制御工作機械(100)で光導波路(10)を機械加工する方法であって、
前記光導波路(10)は、前記光導波路(10)の第1端面(3)から前記光導波路(10)の第2端面(4)まで延在する、少なくとも1つの光導波コアボディ(1)と、前記コアボディ(1)を囲むシェルボディ(2)とを有し、
前記方法は、
-数値制御工作機械(100)に、工作台(20)と、工具を収容するように配置された作業スピンドル(41)を備えた機械加工装置(40)とを設けることであって、前記工作機械(100)は、複数の数値制御可能な軸を介して、前記工作台(20)および前記機械加工装置(40)を互いに相対的に移動させるように構成されていることと、
-前記光導波路(10)を前記工作機械(100)の前記工作台(20)にクランプすることと、
-請求項1または2に記載の方法に従って、前記工作台(20)に取り付けられた前記光導波路(10)の前記光導波コアボディ(1)の位置を決定することと、
-前記決定された位置を、前記工作機械(100)を制御するように構成された制御装置(50)に提供することと、
-少なくとも決定され前記制御装置(50)に提供される前記位置に応じて、前記作業スピンドル(41)によって収容される工具により、前記クランプされた光導波路(10)を機械加工することと、
を備えること、
を特徴とする、
方法。
【請求項15】
前記光導波コアボディ(1)の位置を決定することは、
-前記工作機械(100)の前記作業スピンドル(41)が、前記光学測定システム(200)の前記検出装置(212)および任意で前記光源装置(211)を収容することを備えること
前記クランプされた光導波路(10)を機械加工することは、
-前記工作機械(100)の前記作業スピンドル(41)が、工具をピックアップすることを備えること
を特徴とする、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記クランプされた光導波路(10)を前記機械加工することは、材料を除去する機械加工であること、
を特徴とする、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記光導波路(10)を機械加工する前記作業スピンドル(41)によって収容される前記工具は、前記クランプされた光導波路(10)の機械加工中に、材料除去を目的とした工具の一部を振動させるように構成された振動発生器を備えること、
を特徴とする、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記クランプされた光導波路(10)の前記コアボディ(1)の中心線(7)の位置を前記制御装置(50)に提供することでは、前記クランプされた光導波路(10)の前記光導波コアボディ(1)の位置を決定することが、請求項11に記載の方法に従って行われること、
を特徴とし、
前記クランプされた光導波路(10)を機械加工することは、
-少なくとも1つの流路を前記クランプされた光導波路(10)の前記シェルボディ(2)に挿入することであって、前記挿入される流路は、前記第1端面(3)から前記コアボディ(1)の前記中心線(7)に平行に、少なくとも部分的に前記シェルボディ(2)を通って、延在すること、を備える、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの流路を前記シェルボディ(2)に挿入することは、
-前記コアボディ(1)の前記中心線(7)が前記工具を担持する作業スピンドル(41)のスピンドル軸の延長線に平行であるように、前記制御装置(50)に提供される前記コアボディ(1)の前記中心線(7)の位置に応じて、前記数値制御可能な複数の軸のうちの1本以上の軸を駆動することで、前記工作台(20)と前記機械加工装置(4)とを位置合わせすることと、
-前記工具を担持する作業スピンドル(41)と前記工作台(20)とを前記スピンドル軸に沿って送り方向に相対的に移動させることと、
を備えること、
を特徴とする、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
光導波路(10)を機械加工する工作機械(100)であって、
前記光導波路(10)は、前記光導波路(10)の第1端面(3)から前記光導波路(10)の第2端面(4)まで延在する、少なくとも1つの光導波コアボディ(1)と、前記コアボディ(1)を囲むシェルボディ(2)と、を有し、
前記工作機械(100)は、数値制御工作機械(100)であって、少なくとも
-工作台(20)と、
-工具を収容するように構成された作業スピンドル(41)を有する機械加工装置(40)と、
-前記工作機械(100)を制御するように構成された制御装置(50)と、
-前記工作台(20)と前記機械加工装置(40)との相対運動のための前記制御装置(50)を介した制御可能な、複数の数値制御可能な軸と、
を備え、
光源装置(211)および検出装置(212)を備え、前記制御装置(50)に接続することができる光学測定システム(200)を、前記工作機械(100)に配置することができることと、
前記工作機械(100)に配置された前記光学測定システム(200)を有する前記制御装置(50)は、前記工作台(20)上に取り付けられた前記光導波路(10)の第1端面(3)を、前記光学測定システム(200)によって測定するように構成されることと、
を特徴とし、
前記制御装置(50)は、クランプされた光導波路(10)を照射するように前記光源装置(211)を制御するように少なくとも構成され、
前記検出装置(212)は、前記照射されたクランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)から発せられる放射線を検出し、この説明的な検出データを前記制御装置(50)の評価部(51)に送信するように構成され、
前記評価部(51)は、前記送信された検出データに基づいて、前記シェルボディ(2)に対する、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の中心点(5)の位置を決定するように構成される、
工作機械(100)。
【請求項21】
前記制御装置(50)の前記評価部(51)は、前記工作機械(100)に対する、前記取り付けられた光導波路(10)の前記第1端面(3)の位置を決定するように構成されており、前記工作機械(100)に対して決定された、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)の前記位置と、前記シェルボディ(2)に対して決定された、前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の相対位置とに基づいて、前記工作機械(100)に対する、前記取り付けられた光導波路(10)の前記第1端面(3)上の前記コアボディ(1)の前記中心点(5)の位置を決定するようにさらに構成されていること、
を特徴とする、
請求項20に記載の工作機械(100)。
【請求項22】
前記光学測定システム(200)は、前記第1端面(3)を測定する際に、前記光源装置(211)が、前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)を照射するように設計されたこと、
を特徴とする、
請求項20または21に記載の工作機械(100)。
【請求項23】
前記光学測定システム(200)は、前記第1端面(3)を測定する際に、前記光源装置(211)が、前記クランプされた光導波路(10)の前記第1端面(3)を照射するように設計されたこと、
を特徴とする、
請求項22に記載の工作機械(100)。
【請求項24】
前記光学測定システム(200)は、前記光源装置(211)によって提供される照射光を反射する反射装置(220)をさらに備え、前記反射装置(220)は、前記第1端面(3)を測定する際に前記クランプされた光導波路(10)の前記第2端面(4)に対向して配置され、前記第2端面(4)に面していること、
を特徴とする、
請求項23に記載の工作機械(100)。
【請求項25】
前記光学測定システム(200)が配置されると、少なくとも前記検出装置(212)は、前記工作機械(100)の機械フレーム(60)に対して移動可能な機械部品に配置されること、
を特徴とする、
請求項20または21に記載の工作機械(100)。
【請求項26】
前記光学測定システム(200)が配置されると、少なくとも前記検出装置(212)は、前記機械加工装置(40)の前記作業スピンドル(41)によって収容されること、
を特徴とする、
請求項25に記載の工作機械(100)。
【請求項27】
前記制御装置(50)は、前記クランプされた光導波路(10)を機械加工する前記制御装置(50)の前記評価部(51)の1以上の判定結果に応じて、前記複数の数値制御可能な軸のうちの少なくとも1つを制御するように構成されること、
を特徴とする、
請求項20または21に記載の工作機械(100)。
【請求項28】
前記クランプされた光導波路(10)の材料除去をする機械加工をする前記工作機械(100)は、工具を備えており、前記工具は、前記作業スピンドル(41)によって収容されるものであり、また、前記クランプされた光導波路(10)の機械加工中に材料除去のために提供される前記工具の一部を振動させるように構成された振動発生器を有していること、
を特徴とする、
請求項20または21に記載の工作機械(100)。
【請求項29】
請求項20または21に記載の工作機械(100)に用いられる制御装置(50)。
【国際調査報告】