(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】持続可能な潤滑剤
(51)【国際特許分類】
C10M 169/04 20060101AFI20241203BHJP
C10M 107/02 20060101ALN20241203BHJP
C10M 105/04 20060101ALN20241203BHJP
C10M 135/10 20060101ALN20241203BHJP
C10M 159/24 20060101ALN20241203BHJP
C10M 137/10 20060101ALN20241203BHJP
C10M 143/00 20060101ALN20241203BHJP
C10M 133/16 20060101ALN20241203BHJP
C10M 135/18 20060101ALN20241203BHJP
C10M 129/70 20060101ALN20241203BHJP
C10M 129/80 20060101ALN20241203BHJP
C10M 145/16 20060101ALN20241203BHJP
C10M 155/02 20060101ALN20241203BHJP
C10M 133/12 20060101ALN20241203BHJP
C10M 133/18 20060101ALN20241203BHJP
C10M 129/16 20060101ALN20241203BHJP
C10M 129/10 20060101ALN20241203BHJP
C10N 10/04 20060101ALN20241203BHJP
C10N 10/12 20060101ALN20241203BHJP
C10N 40/25 20060101ALN20241203BHJP
C10N 30/00 20060101ALN20241203BHJP
【FI】
C10M169/04
C10M107/02
C10M105/04
C10M135/10
C10M159/24
C10M137/10 A
C10M143/00
C10M133/16
C10M135/18
C10M129/70
C10M129/80
C10M145/16
C10M155/02
C10M133/12
C10M133/18
C10M129/16
C10M129/10
C10N10:04
C10N10:12
C10N40:25
C10N30:00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527383
(86)(22)【出願日】2022-11-10
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 US2022079642
(87)【国際公開番号】W WO2023086886
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524029068
【氏名又は名称】エボルブ ルブリカンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】リー リチャード ディー.
(72)【発明者】
【氏名】カーカム トーマス エル. ジュニア
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BA02A
4H104BA07A
4H104BA07C
4H104BB05C
4H104BB08C
4H104BB32C
4H104BB34C
4H104BB35C
4H104BE07C
4H104BE11C
4H104BE12C
4H104BG06C
4H104BG10C
4H104BH07C
4H104CB09C
4H104CJ01C
4H104DB07C
4H104EB05
4H104EB08
4H104EB09
4H104EB13
4H104FA02
4H104FA06
4H104LA20
4H104PA41
(57)【要約】
本開示は、新規の高性能の持続可能な非化石潤滑剤に関する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
前記組成物の総重量の約75%~約99%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、前記飽和炭化水素ベース油と、
少なくとも1つの添加剤と
を含む、前記組成物。
【請求項2】
組成物であって、
前記組成物の総重量の約50%~約75%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、前記飽和炭化水素ベース油と、
少なくとも1つの添加剤と
を含む、前記組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの添加剤が、潤滑油添加剤、粘度調整剤、耐摩耗添加剤、流動点降下剤、消泡剤、酸化防止剤、合成ベース油、安定剤、中間体、スルホン酸マグネシウム洗剤、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、合成エステル、及び/または抗菌剤のうちの1つ以上である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記飽和炭化水素ベース油が、(6E)-7,11-ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン、及び/または任意選択的に水素化されたそのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記飽和炭化水素ベース油が、前記組成物の総重量の約15重量%~約95重量%の範囲の量のSynNova 4と、前記組成物の総重量の約4重量%~約80重量%の範囲の量のSynNova 9とを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の総重量の約5%~約15%、約15%~約25%、約25%~約35%、約35%~約45%、または約90%~約100%の範囲の量の潤滑油添加剤を更に含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記潤滑油添加剤が、アルキルジチオリン酸亜鉛、Hitec 11163、EL26、HiTEC 8703、Infineum P6003、Infineum SV603、Priolube 1847、及び/またはInfineum P5920からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記潤滑油添加剤が、スルホン酸カルシウムを含む、請求項6または7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物の総重量の約1%~約5%、約5%~約10%、または約10%~約15%の範囲の量の粘度調整剤を更に含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記粘度調整剤が、DaeLimSynol 2000、SpectraSyn PAO 100、Spectrasyn 100、VII、VI-VII 7096、Infineum SV261L、AR 9100、及び/またはLubrizol 7067Cからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記粘度調整剤が、ポリアルファオレフィンを含む、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の総重量の約0重量%~約1重量%、約5%~約15%、約15%~約25%、約25%~約35%、及び約35%~約45%の範囲の量の耐摩耗添加剤を更に含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記耐摩耗添加剤が、CA-400、Sarkosyl O、Irgalube 353、Additin RC 3760、Molyvan 3000、及び/またはAdditin RC 4801からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記耐摩耗添加剤が、スルホン酸カルシウム、n-オレオイルサルコシン、プロパン酸、脂肪族アルコールのエステル、油溶性モリブデンジチオカルバメート、及び/またはコハク酸セミエステルからなる群から選択される1つ以上を含む、請求項12または13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の流動点降下剤を更に含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記流動点降下剤が、IR 649P及び/またはInfineum V385のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記流動点降下剤が、C8~C18フマル酸ジアルキルまたはマレイン酸酢酸ビニルコポリマーのうちの1つ以上を含む、請求項15または16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量の消泡剤を更に含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記消泡剤が、Foam Ban 130B及び/またはLZ888のうちの1つ以上を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記消泡剤が、シリコーン化合物を含む、請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物の総重量の約1%~約30%の範囲の量のアミン系酸化防止剤を更に含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記アミン系酸化防止剤が、Naugalube 750もしくはIrganox L06、及び/またはRC 7135からなる群から選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記アミン系酸化防止剤が、アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤及び/またはアルキル化フェニルアルファナフチルアミンのうちの1つ以上を含む、請求項21または22に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の抗菌防腐剤を更に含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記抗菌防腐剤が、FE01を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記抗菌防腐剤が、ヨードプロピニルブチルカルバメート及び/またはフェノキシエタノールのうちの1つ以上を含む、請求項24または25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物の総重量の約1%~約5%の範囲の量の抑制剤を更に含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記抑制剤が、OLOA 262を含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記抑制剤が、ジチオリン酸亜鉛を含む、請求項27または29に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の中間体を更に含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
前記中間体が、フェノールを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記中間体が、モノヒドロキシベンゼンを含む、請求項30または31に記載の組成物。
【請求項33】
前記組成物の総重量の約1%~約5%の範囲の量の安定剤を更に含む、請求項1~32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記安定剤が、亜リン酸アリールを含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記安定剤が、亜リン酸、2-エチルヘキシルジフェニルエステル、亜リン酸、及び/またはジイソデシルフェニルエステルを含む、請求項33または34に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物の総重量の約1%~約10%の範囲の量の合成油を更に含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
前記油が、SpectraSyn Elite 300 mPAO 300であるか、またはそれを含む、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物の総重量の約15%~約25%の範囲の量の高粘度ポリアルファオレフィンを更に含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記高粘度ポリアルファオレフィンが、Spectrasyn 100を含む、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物の総重量の約5%~約15%の範囲の量の合成エステルを更に含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記合成エステルが、polyDIDA及び/またはDIDAのうちの1つ以上を含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項42】
添加剤パッケージであって、
前記組成物の総重量の約65%~約70%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、前記飽和炭化水素ベース油と、
前記組成物の総重量の約5%~約15%の範囲の量の合成エステルと、
前記組成物の総重量の約5%~約15%の範囲の量の潤滑油添加剤と、
前記組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の摩擦調整剤と、
前記組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量の流動点降下剤と、
前記組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の抗菌防腐剤と、
前記組成物の総重量の約0%~約5%の範囲の量の抑制剤と、
前記組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量の消泡剤と、
前記組成物の総重量の約0%~約5%の範囲の量の粘度指数改良剤と
を含む、前記添加剤パッケージ。
【請求項43】
添加剤パッケージであって、
前記潤滑剤の総重量の約25重量%~約30重量%の範囲の量のアミン系酸化防止剤と、
前記潤滑剤の総重量の約5重量%~約10重量%の範囲の量の金属不活性化剤と、
前記潤滑剤の総重量の約70重量%~約75重量%の範囲の量の耐摩耗添加剤と、
前記潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量のブロックコポリマー界面活性剤と
を含む、前記添加剤パッケージ。
【請求項44】
請求項42または43に記載の添加剤パッケージを含む、請求項1~42のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記モノマー及び/またはオリゴマーが、ダイマー、トリマー、テトラマー、及び/またはペンタマーからなる群から選択される、請求項1~44のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月10日に出願された米国仮出願第63/277,986号、2021年11月10日に出願された米国仮出願第63/277,989号、2021年11月10日に出願された米国仮出願第63/277,990号、2021年11月12日に出願された米国仮出願第63/278,939号、及び2021年12月8日に出願された米国仮出願第63/287,465号の利益を主張し、それらの各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、非化石系炭化水素ベース油を含み、かつ石油系潤滑剤を上回る改善された特性を有する潤滑剤に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
世界の産業は、要求の厳しい用途において石油系潤滑油に完全に依存しているが、産業は、ますます厳しい持続可能性及び環境要件を満たさなければならない。現在、高性能バイオ潤滑剤及びカーボンネガティブな選択肢が完全に不足しており、それ故に、製造元の性能仕様を満たすことができる非石油製品が存在しないため、産業は、石油潤滑剤を利用せざるを得ない。
【0004】
産業は、サプライチェーン全体で炭素削減製品を模索するか、または炭素クレジット(利用可能な場合)の購入を強いられるという更に強い圧力を受けている。高性能の持続可能な非化石潤滑剤が必要である。
【発明の概要】
【0005】
概要
本開示は、組成物の総重量の約75%~約99%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、飽和炭化水素ベース油と、少なくとも1つの添加剤と、を含む、組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約50%~約75%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、飽和炭化水素ベース油と、少なくとも1つの添加剤と、を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの添加剤を含み、潤滑油添加剤、粘度調整剤、耐摩耗添加剤、流動点降下剤、消泡剤、酸化防止剤、合成ベース油、安定剤、中間体、スルホン酸マグネシウム洗剤、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、合成エステル、及び/または抗菌剤のうちの1つ以上である。
【0007】
いくつかの実施形態では、組成物は、(6E)-7,11-ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン、及び/または任意選択的に水素化されたそのモノマー及び/またはオリゴマーを含む飽和炭化水素ベース油を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、組成物の総重量の約15重量%~約95重量%の範囲の量のSynNova 4と、組成物の総重量の約4重量%~約80重量%の範囲の量のSynNova 9と、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約5%~約15%、約15%~約25%、約25%~約35%、約35%~約45%、または約90%~約100%の範囲の量の潤滑油添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑油添加剤は、アルキルジチオリン酸亜鉛、Hitec 11163、EL26、HiTEC 8703、Infineum P6003、Infineum SV603、Priolube 1847、及び/またはInfineum P5920からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、潤滑油添加剤は、スルホン酸カルシウムを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約1%~約5%、約5%~約10%、または約10%~約15%の範囲の量の粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、DaeLimSynol 2000、SpectraSyn PAO 100、Spectrasyn 100、VII、VI-VII 7096、Infineum SV261L、AR 9100、及び/またはLubrizol 7067Cからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、ポリアルファオレフィンを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約0重量%~約1重量%、約5%~約15%、約15%~約25%、約25%~約35%、及び約35%~約45%の範囲の量の耐摩耗添加剤を含む。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、CA-400、Sarkosyl O、Irgalube 353、Additin RC 3760、Molyvan 3000、及び/またはAdditin RC 4801からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、スルホン酸カルシウム、n-オレオイルサルコシン、プロパン酸、脂肪族アルコールのエステル、油溶性モリブデンジチオカルバメート、及び/またはコハク酸セミエステルからなる群から選択される1つ以上を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の流動点降下剤を含む。いくつかの実施形態では、流動点降下剤は、IR 649P及び/またはInfineum V385のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、流動点降下剤は、C8~C18フマル酸ジアルキルまたはマレイン酸酢酸ビニルコポリマーのうちの1つ以上を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量の消泡剤を含む。いくつかの実施形態では、消泡剤は、Foam Ban 130B及び/またはLZ888のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、消泡剤は、シリコーン化合物を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約1%~約30%の範囲の量のアミン系酸化防止剤を含む。いくつかの実施形態では、アミン系酸化防止剤は、Naugalube 750もしくはIrganox L06、及び/またはRC 7135からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤及び/またはアルキル化フェニルアルファナフチルアミンのうちの1つ以上を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の抗菌防腐剤を含む。いくつかの実施形態では、抗菌防腐剤は、FE01を含む。いくつかの実施形態では、抗菌防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート及び/またはフェノキシエタノールのうちの1つ以上を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約1%~約5%の範囲の量の抑制剤を含む。いくつかの実施形態では、抑制剤は、OLOA 262を含む。いくつかの実施形態では、抑制剤は、ジチオリン酸亜鉛を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の中間体を含む。いくつかの実施形態では、中間体は、フェノールを含む。いくつかの実施形態では、中間体は、モノヒドロキシベンゼンを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約1%~約5%の範囲の量の安定剤を含む。いくつかの実施形態では、安定剤は、亜リン酸アリールを含む。いくつかの実施形態では、安定剤は、亜リン酸、2-エチルヘキシルジフェニルエステル、亜リン酸、及び/またはジイソデシルフェニルエステルを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約1%~約10%の範囲の量の合成油を含む。いくつかの実施形態では、油は、SpectraSyn Elite 300 mPAO 300である。
【0020】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約15%~約25%の範囲の量の高粘度ポリアルファオレフィンを含む。いくつかの実施形態では、高粘度ポリアルファオレフィンは、Spectrasyn 100を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約5%~約15%の範囲の量の合成エステルを含む。いくつかの実施形態では、合成エステルは、polyDIDA及び/またはDIDAのうちの1つ以上を含む。
【0022】
本開示はまた、添加剤パッケージであって、組成物の総重量の約65%~約70%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、飽和炭化水素ベース油と、組成物の総重量の約5%~約15%の範囲の量の合成エステルと、組成物の総重量の約5%~約15%の範囲の量の潤滑油添加剤と、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の摩擦調整剤と、組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量の流動点降下剤と、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量の抗菌防腐剤と、組成物の総重量の約0%~約5%の範囲の量の抑制剤と、組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量の消泡剤と、組成物の総重量の約0%~約5%の範囲の量の粘度指数改良剤と、を含む、添加剤パッケージに関する。
【0023】
本開示はまた、添加剤パッケージであって、潤滑剤の総重量の約25重量%~約30重量%の範囲の量のアミン系酸化防止剤と、潤滑剤の総重量の約5重量%~約10重量%の範囲の量の金属不活性化剤と、潤滑剤の総重量の約70重量%~約75重量%の範囲の量の耐摩耗添加剤と、潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量のブロックコポリマー界面活性剤と、を含む、添加剤パッケージに関する。
【0024】
いくつかの実施形態では、組成物は、本開示の添加剤パッケージを含む。いくつかの実施形態では、モノマー及び/またはオリゴマーは、ダイマー、トリマー、テトラマー、及び/またはペンタマーからなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図2】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図3】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図4】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図5】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図6】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図7】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図8】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図9】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図10】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図11】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図12】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図13】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図14】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【
図15】本開示及び関連する仕様の潤滑剤の非限定的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
一態様では、本開示は、持続可能な植物バイオマスに由来する非化石炭化水素分子構造を含む、新規の高性能の持続可能な非化石潤滑剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の潤滑剤は、従来の高性能の合成石油生成物よりも性能が優れており、合成油とコスト競争力があり、現在の系との直接のドロップイン互換性を有し、19の適用可能な米国石油協会(API)認証を満たすかもしくは超える、及び/または劣った石油系潤滑剤に対する実行可能な代替物である。
【0027】
定義
前述の段落及び本明細書の残りの部分全体を通じて使用されるように、別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許及び刊行物は、それらの全体が参照により組み込まれる。
【0028】
本明細書で使用される「オレフィン」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する炭素水素を指す。例えば、本明細書に開示の態様によれば、オレフィンは、C14~C18の炭化水素鎖長を含み得、炭化水素鎖(アルファ-オレフィン)の末端(一次位置)または内部位置(内部オレフィン)に二重結合を有し得る。一実施形態では、オレフィンは、オレフィンが単一の二重結合基のみを含有することを意味するモノ-オレフィンである。
【0029】
本明細書で使用される「ダイマー」という用語は、化学的プロセスを介して2つのモノマーの組み合わせによって形成される分子を指し、ここで、モノマー中のモノマー単位は、同じタイプであっても、異なるタイプであってもよい。ダイマーは、モノマー間の化学反応及び/または他のタイプの結合によって形成され得る。一実施形態では、ダイマーは、2つのオレフィンモノマー間のオリゴマー化の生成物である。一実施形態では、トリマーは、3つのオレフィンモノマー間のオリゴマー化の生成物である。一実施形態では、テトラマーは、4つのオレフィンモノマー間のオリゴマー化の生成物である。一実施形態では、ペンタマーは、5つのオレフィンモノマー間のオリゴマー化の生成物である。
【0030】
「ダイマー総平均炭素数」という用語は、本明細書において、ダイマー中の炭素の総数を指すために使用される。従って、本明細書で言及される「C29~C36」ダイマーは、29~36の範囲の炭素原子の総平均数を有するダイマーである。
【0031】
飽和炭化水素ベース油
一態様では、本開示は、持続可能な植物バイオマスに由来する非化石炭化水素分子構造を含む、新規の高性能の持続可能な非化石潤滑剤を提供する。一態様では、本開示は、潤滑剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、1つ以上のベース油(例えば、炭化水素ベース油)を含む。本開示に有用なベース油の非限定的な例としては、長鎖及び短鎖アルファオレフィン、飽和炭化水素、ならびにアシル-グリセリドが挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示の潤滑剤は、従来の高性能の合成石油生成物よりも性能が優れており、合成油とコスト競争力があり、現在の系との直接のドロップイン互換性を有し、19の適用可能な米国石油協会(API)認証を満たすかもしくは超える、及び/または劣った石油系潤滑剤に対する実行可能な代替物である。
【0032】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、(6E)-7,11-ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン、及び/または任意選択的に水素化されたそのダイマー及び/またはトリマーを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、本開示の潤滑剤は、本開示の方法を使用して調製されたベース油(例えば、炭化水素ベース油)を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、ベース油は、C14~C18オレフィンモノマー(例えば、C14~C18アルファオレフィンモノマー)のダイマー、トリマー、テトラマー、及び/またはペンタマーを含む。いくつかの実施形態では、オレフィンモノマーは、C16オレフィンモノマー(例えば、C16アルファオレフィンモノマー)である。いくつかの実施形態では、ベース油は、C14~C18オレフィンモノマー(例えば、C14~C18アルファオレフィンモノマー)のC28~C36ダイマー、C14~C18オレフィンモノマー(例えば、C14~C18アルファオレフィンモノマー)のC42~C54トリマー、C14~C18オレフィンモノマー(例えば、C14~C18アルファオレフィンモノマー)のC56~C72テトラマー、及び/またはC14~C18オレフィンモノマー(例えば、C14~C18アルファオレフィンモノマー)のC70~C90ペンタマーを含む。いくつかの実施形態では、ベース油は、C16オレフィンモノマー(例えば、C16アルファオレフィンモノマー)のC32ダイマー、C48トリマー、C64テトラマー、及び/またはC80ペンタマーを含む。
【0035】
一態様では、潤滑剤は、飽和炭化水素ベース油を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、C14~C18オレフィンモノマーのオリゴマー(例えば、ダイマー、トリマー、テトラマー、及び/またはペンタマー)を含む。いくつかの実施形態では、ダイマーは、29~36の範囲の平均炭素数を有する。いくつかの実施形態では、ダイマー部分は、約422~約510の範囲の重量平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、トリマーは、42~55の範囲の平均炭素数を有する。いくつかの実施形態では、テトラマーは、56~72の範囲の平均炭素数を有する。いくつかの実施形態では、ペンタマーは、70~90の範囲の平均炭素数を有する。好適な飽和炭化水素ベース油の非限定的な例としては、SynNova 4及びSynNova 9が挙げられる。US20200165538及びUS20200216772号も参照されたく、それらの各々全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ダイマーを含む飽和炭化水素ベース油は、いかなる1-デセンも実質的に存在しない。例えば、ベース油の実施形態は、モノマー、ダイマー、またはトリマー形態の何れかにおいて、5重量%未満の1-デセン、及び3重量%未満の1-デセン、更には1重量%未満の1-デセンのような、より高いオリゴマー形態を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、模擬蒸留試験ASTM D2887に従って、単独で分岐した異性体を含有する、約10%未満、約5%未満、または約1%未満のダイマーを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油、または飽和炭化水素ベース油が2つ以上の異なる飽和炭化水素ベース油を含む場合の各飽和炭化水素ベース油は、以下の特性のうちの1つ以上を示す:
a)ASTM D5800によって測定される、約14%未満、約13%未満、約12%未満、約11%未満、約10%未満、または約9%未満であるNoack揮発性、
b)D2710-09に従って判定される、約1000mgのBr2/100g、約500mgのBr2/100gを下回るか、または約200mgのBr2/100gを下回る臭素指数、
c)1H NMRによって判定される、約22~約26の範囲にある平均分岐指数(BI)、
d)13C NMRによって判定される、約18~約26の範囲の平均パラフィン分岐近接性(BP)、
e)ASTM D2270に従って判定される、約125以上、約130以上、約135以上、または約140以上の粘度指数、
f)ASTM D97に従って判定される、約-20℃未満、約-27℃未満、約-30℃未満、約-33℃未満、約-36℃未満、約-39℃未満、または約-42℃未満の流動点、
g)ASTM D5293によって-35℃で測定される、約1800cP未満、約1700cP未満、約1600cP未満、約1500cP未満、約1400cP未満、約1300cP未満、約1200cP未満、または約1100cP未満のコールドクランク模擬(CCS)動的粘度、及び/または
h)ASTM D445-17aにより測定される、約3.7 cSt~約9.7 cSt、または約3.7 cSt~約4.8 cStの範囲にあるKV(100)。
【0039】
平均パラフィン分岐近接性(BP)は、以下の式によるダイマー部分における繰り返しメチレン基の含有量の尺度であり、
パラフィン分岐近接性(BP)=(ε炭素基の数/炭素基の総数)×100;
式中、ε炭素基が、任意の末端炭素原子基から分離されたα炭素基、または少なくとも4つの炭素基によって分岐する炭素基として定義される。
【0040】
分岐指数は、分岐の程度の尺度であり、以下の式に従って決定することができる:
分岐指数(BI)=(メチル基水素の総含有量/水素の総含有量)*100。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量の約40重量%~約99重量%、約40重量%~約50重量%、約50重量%~約60重量%、約60重量%~約70重量%、約70重量%~約80重量%、約80重量%~約90重量%、または約90重量%~約99重量%、約50重量%~約75重量%、または約75重量%~約99重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、潤滑剤の総重量の約53重量%、約57.7重量%、約58.9重量%、約63.4重量%、約67.87重量%、約77.8重量%、約79.2重量%、約80重量%、約80.3重量%、約82.25重量%、約83.4重量%、約83.52重量%、約83.72重量%、約85.25重量%、約85.3重量%、約85.4重量%、約85.52重量%、約87.52重量%、約86.3重量%、約90重量%、約95重量%、約99.1重量%の量の飽和炭化水素ベース油を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、C10~C18オレフィンモノマーのダイマー及び少なくとも1つの添加剤を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つ以上の異なる飽和炭化水素ベース油を含む混合物またはブレンドである。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つの異なる飽和炭化水素ベース油を含む。非限定的な例では、飽和炭化水素ベース油は、SynNova 4及びSynNova 9を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約15重量%~約95重量%、約15重量%~約25重量%、約25重量%~約35重量%、約35重量%~約45重量%、約45重量%~約55重量%、約55重量%~約65重量%、約65重量%~約75重量%、約75重量%~約85重量%、約85重量%~約95重量%の範囲の量のSynNova 4を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約15重量%、約22.5重量%、約23重量%、約23.02重量%、約23.01重量%、約31.6重量%、約32.6重量%、約34.02重量%、約39.02重量%、約45.4重量%、約53.9重量%、約80.3重量%、約83.72重量%、約86.3重量%、約94.44重量%の量のSynNova 4を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約4重量%~約80重量%、約4重量%~約6重量%、40重量%~約50重量%、50重量%~約60重量%、60重量%~約70重量%、70重量%~約80重量%の範囲の量のSynNova 9を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、約約約4.66重量%、5重量%、40重量%、約48.5重量%、約51.5重量%、約52.8重量%、約53重量%、約53.8重量%、約60.5重量%、約60.9重量%、約62.25重量%、約62.3重量%、約62.8重量%、約63.4重量%、約67.87重量%、または約79.2重量%の量のSynNova 9を含む。
【0043】
一実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、ベース油組成物の有意な重量パーセントとしてダイマーを含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約50重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、約98重量%以上、または約99重量%以上の量のダイマーを含む。
【0044】
添加剤
実施形態では、グリース及び完全に配合された潤滑油を含むことができる潤滑剤は、ベースストックに、有効量の少なくとも1つの添加剤、またはより典型的には、1つを超える添加剤を含有する添加剤パッケージを添加するか、または混合することによって調製され、添加剤は、洗剤、分散剤、酸化防止剤、耐摩耗添加剤、流動点降下剤、VI改良剤、摩擦改質剤、解乳化剤、消泡剤、腐食抑制剤、合成エステル、金属不活性化剤、及びシール膨潤制御添加剤のうちの少なくとも1つである。これらのうち、ほとんどの製剤化された潤滑油に共通するこれらの添加剤には、洗剤、分散剤、酸化防止剤、耐摩耗添加剤、及びVI改良剤または調整剤が含まれ、他の添加剤は、油の意図された使用に応じて任意選択的である。例えば、流動点降下剤または流動点降下剤として作用する材料を含む他の添加剤のほとんどは、典型的には、マルチグレード内燃機関油に添加される。有効量の1つ以上の添加剤、または1つ以上のそのような添加剤を含む添加剤パッケージは、1つ以上の仕様、例えば、内燃機関クランクケース、自動変速機油、タービンまたはジェット油、作動油などのための潤滑剤または潤滑油に関する仕様を満たすために、ベースストックに添加されるか、またはベースストックとブレンドされる。
【0045】
実施形態では、様々な製造元は、異なる用途または意図された使用に必要な性能仕様を満たすために完全に配合された潤滑油を形成するために、ベースストックまたはベースストックのブレンドに添加するための添加剤パッケージを販売し、添加剤パックに存在する様々な添加剤の正確な識別は、典型的には、製造元によって企業秘密として維持される。しかしながら、様々な添加剤の化学的性質は当業者に知られている。例えば、アルカリ金属スルホネート及びフェネートは周知の洗剤であり、ホウ酸化の有無にかかわらず、PIBSA(ポリイソブチレンコハク酸無水物)及びPIBSA-PAM(ポリイソブチレンコハク酸無水物アミン)は、よく知られており、使用されている分散剤である。VI改良剤及び流動点降下剤としては、アクリルポリマー及びポリメタクリレートなどのコポリマー、ポリアルキルメタクリレート、ならびにオレフィンコポリマー、酢酸ビニル及びエチレンのコポリマー、フマル酸ジアルキル及び酢酸ビニル、ならびに他の既知のものが挙げられる。最も広く使用されている耐摩耗添加剤は、金属が亜鉛であるZDDPなどの金属ジアキルジチオリン酸塩、金属カルバメート及びジチオカルバメート、エトキシル化アミンジアキルジチオリン酸塩及びジチオ安息香酸塩を含む無灰型である。いくつかの実施形態では、添加剤パッケージは、Infineum D3503L、Infineum D3503L、Evolve添加剤パッケージ、Infineum P5920、及び/またはInfineum D3337からなる群から選択される1つ以上である。
【0046】
本開示はまた、添加剤パッケージであって、組成物の総重量の約65%~約70%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、飽和炭化水素ベース油と、組成物の総重量の約5%~約15%または約1%~約20%の範囲の量の合成エステルと、組成物の総重量の約5%~約15%または約1%~約20%の範囲の量の潤滑油添加剤と、組成物の総重量の約0%~約1%または約0%~約5%の範囲の量の摩擦調整剤と、組成物の総重量の約0%~約0.5%または約0%~約5%の範囲の量の流動点降下剤と、組成物の総重量の約0%~約1%または約0%~約5%の範囲の量の抗菌防腐剤と、組成物の総重量の約0%~約5%または約0%~約10%の範囲の量の抑制剤と、組成物の総重量の約0%~約0.5%または約0%~約5%の範囲の量の消泡剤と、組成物の総重量の約0%~約5%または約0%~約10%の範囲の量の粘度指数改良剤と、を含む、添加剤パッケージを提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、添加剤パッケージを含む。いくつかの実施形態では、モノマー及び/またはオリゴマーは、ダイマー、トリマー、テトラマー、及び/またはペンタマーからなる群から選択される。
【0047】
一態様では、本開示は、添加剤パッケージであって、潤滑剤の総重量の約25重量%~約30重量%の範囲の量のアミン系酸化防止剤のうちの1つ以上、潤滑剤の総重量の約5重量%~約10重量%の範囲の量の金属不活性化剤、潤滑剤の総重量の約70重量%~約75重量%の範囲の量の耐摩耗添加剤、及び/または潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量のブロックコポリマー界面活性剤を含む、添加剤パッケージを提供する。
【0048】
摩擦改質剤としては、グリコールエステル及びエーテルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。ベンゾトリアゾールは、広く使用されている腐食抑制剤であるが、シリコーンは、よく知られている防汚剤である。
【0049】
酸化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール及びジフェニルアミンなどの妨害フェノール及び妨害芳香族アミンが挙げられるが、これらに限定されず、オレイン酸銅及びPIBSA銅などの銅化合物が周知である。これは、潤滑油に使用される様々な添加剤の例示的であるが非限定的なリストであることを意図している。
【0050】
したがって、実施形態では、添加剤パッケージは、多くの異なる化学系の添加剤を含有する可能性があり、多くの場合含有し、特定の添加剤または添加剤パッケージを用いた本発明のベースストックの性能を予測することはできない。その性能が、同じレベルの同じ添加剤を有する従来のPAO油の性能と異なることは、それ自体、本発明のベースストックの化学的性質が従来技術のベースストックの化学的性質と異なることの証明である。
【0051】
一態様では、潤滑剤は、洗剤を含む。いくつかの実施形態では、洗剤は、酸性ブローバイガスを中和し、錆を制御し、ラッカーを低減し、ピストンなどのエンジン構成要素上の堆積を防止するために使用される。当業者によって理解されるであろうように、任意の洗剤が、本開示によって企図される。洗剤の非限定的な例としては、Infineum P6003が挙げられる。いくつかの実施形態では、添加剤は、潤滑油添加剤、粘度調整剤、粘度改良剤、高粘度ポリアルファオレフィン、耐摩耗添加剤、流動点降下剤、消泡剤、酸化防止剤、合成ベース油、安定剤、中間体、スルホン酸マグネシウム洗剤、ネオペンチルグリコールジイソステアレート、及び抗菌剤のうちの1つ以上である。
【0052】
一態様では、添加剤は、潤滑油添加剤である。いくつかの実施形態では、潤滑油添加剤として、アルキルジチオリン酸亜鉛、Hitec 11163、CA-400、EL26、HiTEC 8703、Infineum P6003、Infineum SV603、Priolube 1847、及びInfineum P5920が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、潤滑油添加剤は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)を含有する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0重量%~約10重量%、約10重量%~約20重量%、約20重量%~約30重量%、約40重量%~約50重量%、約80重量%~約90重量%、または約95重量%~約100重量%の範囲の量で存在する。
【0053】
一態様では、潤滑剤は、粘度調整剤を含む。粘度調整剤は、潤滑油に高温及び低温の操作性を付与し、高温でも剪断安定性を維持し、低温でも許容できる粘度または流動性を示すことができる。例示的な粘度調整剤としては、ポリエステルを含む高分子量炭化水素ポリマーが挙げられ得る。粘度調整剤は、分散特性の付加などの他の特性または機能を含むように誘導体化され得る。好適な粘度調整剤の代表的な例としては、ポリブテン;ポリイソブチレン(PIB);エチレン及びプロピレンのコポリマー;ポリメタクリレート;メタクリレートコポリマー;不飽和ジカルボン酸及びビニル化合物のコポリマー;スチレン及びアクリルエステルのインターポリマー、ならびにスチレン/イソプレン、及び/またはスチレン/ブタジエンのコポリマー、ならびにそれらの部分水素化変異体を含むが、これらに限定されないスチレン系ポリマー;ならびにブタジエン及びイソプレンの部分水素化ホモポリマーなどのイソプレン/ブタジエンが挙げられる。例示的な粘度調整剤としては、Linden,New JerseyのInfineum USAが販売するSV277粘度調整剤添加剤などのスチレン-ジエン系ポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、低温での潤滑剤粘度を最小限に抑え、産業性能基準を満たし、低処理速度での優れた剪断安定性を有し、低温性能を保持し、高温での粘度制御を提供するために使用される。当業者によって理解されるであろうように、任意の粘度調整剤が、本開示によって企図される。粘度調整剤の非限定的な例としては、PAO 100が挙げられる。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、粘度指数改良剤(VII)である。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、DaeLimSynol 2000、SpectraSyn PAO 100、VII、VI-VII 7096、Infineum SV261L、AR 9100、及びLubrizol 7067Cからなる群から選択される。一態様では、粘度調整剤は、高粘度ポリアルファオレフィンを含む。一態様では、粘度調整剤は、メタロセンポリアルファオレフィンを含む。一態様では、粘度調整剤は、オレフィンコポリマーを含む。一態様では、粘度調整剤は、摩擦調整剤またはナノベース油添加剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、潤滑剤の総重量の約0重量%~約5重量%、約5重量%~約10重量%、または約10重量%~約20重量%の範囲の量で存在する。
【0054】
一態様では、添加剤は、耐摩耗添加剤である。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、CA-400、Sarkosyl O、Irgalube 353、Additin RC 3760、Molyvan 3000、及びAdditin RC 4801からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、無灰腐食抑制剤、極圧耐摩耗添加剤、摩擦低減剤/耐摩耗性化合物、全塩基価ブースター、または両親媒性オレイン酸誘導体腐食抑制剤からなる群から選択される。一態様では、耐摩耗添加剤は、n-オレオイルサルコシンを含む。一態様では、耐摩耗添加剤は、油溶性モリブデンジチオカルバメート(MoDTC)を含む。一態様では、耐摩耗添加剤は、液体無灰性ホスホロチオネート(プロパン酸、3-ビス(2-メチルプロポキシ)ホスフィノチオイルチオ-2-メチル-)を含む。一態様では、耐摩耗添加剤は、スルホン酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%または約70重量%~約80重量%の範囲の量で存在する。
【0055】
一態様では、添加剤は、流動点降下剤を含む。いくつかの実施形態では、流動点降下剤を使用して、潤滑剤中のワックス結晶が、低下した周囲温度で凝集または融合するのを防止する。いくつかの実施形態では、流動点降下剤は、流動性改良剤としても有用である。当業者によって理解されるであろうように、任意の流動点降下剤が、本開示によって企図される。いくつかの実施形態では、流動点降下剤は、IR 649PまたはInfineum V385のいずれかである。一態様では、流動点降下剤は、C8~C18フマル酸ジアルキルまたはマレイン酸酢酸ビニルコポリマーを含む。いくつかの実施形態では、流動点降下剤は、潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量で存在する。
【0056】
一態様では、添加剤は、消泡剤である。消泡剤は、当該技術分野において公知であり、有機シリコーン及び非シリコーン系消泡剤を含む。有機シリコーンの例としては、ジメチルシリコーン及びポリシロキサンが挙げられる。非シリコーン系抑泡剤の例としては、エチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートのコポリマー、エチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、及び酢酸ビニルのコポリマー、ポリエーテル、ポリアクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、消泡剤は、ポリアクリレートである。いくつかの実施形態では、消泡剤は、Foam Ban 130BまたはLZ888のいずれかである。いくつかの実施形態では、消泡剤は、組成物の総重量の約0%~約0.5%の範囲の量で存在する。
【0057】
一態様では、添加剤は、N,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチルル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N、N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチル-ブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビスル(2-メチル-フェニル)アミノエタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニルアミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ-及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ-及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ-及びジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、N-アリルフェノチアジン、N,N,N,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン、N,N-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリド-4-イル-ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリド-4-イル)セバケート、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オン、及び2、2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オール、ならびにそれらの組み合わせなどの酸化防止剤(例えば、アミン系酸化防止剤)である。好適な酸化防止剤の更なる例として、脂肪族または芳香族亜リン酸、チオジプロピオン酸またはチオジア酢酸のエステル、またはジチオカルバミン酸もしくはジチオホスホリン酸、2,2,12,12-テトラメチル-5,9-ジヒドロキシ-3,7,ltrithi atridec ane、及び2,2,15,15-テトラメチル-5,12-ジヒドロキシ-3,7,10,14-テトラチアヘキサデカンの塩、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。更に、硫化脂肪エステル、硫化脂肪及び硫化オレフィン、ならびにそれらの組み合わせを使用してもよい。いくつかの実施形態では、アミン系酸化防止剤は、Naugalube 750もしくはIrganox L06、及びRC 7135からなる群から選択される。一態様では、アミン系酸化防止剤は、高純度アルキル化フェニルアルファナフチルアミンを含む。一態様では、アミン系酸化防止剤は、アルキル化ジフェニルアミン酸化防止剤を含む。いくつかの実施形態では、アミン系酸化防止剤は、組成物の総重量の約1%~約30%の範囲の量で存在する。
【0058】
一態様では、添加剤は、抗菌防腐剤である。いくつかの実施形態では、抗菌防腐剤は、FE01である。いくつかの実施形態では、抗菌防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート及び/またはフェノキシエタノールのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、抗菌防腐剤は、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量で存在する。
【0059】
一態様では、添加剤は、抑制剤(例えば、防錆剤)である。いくつかの実施形態では、抑制剤は、OLOA 262である。いくつかの実施形態では、抑制剤は、ジチオリン酸亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、抑制剤は、組成物の総重量の約1%~約5%の範囲の量で存在する。
【0060】
一態様では、添加剤は、中間体である。いくつかの実施形態では、中間体は、フェノールである。いくつかの実施形態では、中間体は、モノヒドロキシベンゼンを含む。いくつかの実施形態では、中間体は、組成物の総重量の約0%~約1%の範囲の量で存在する。
【0061】
一態様では、添加剤は、安定剤である。いくつかの実施形態では、安定剤は、亜リン酸アリールである。いくつかの実施形態では、安定剤は、亜リン酸、2-エチルヘキシルジフェニルエステル、亜リン酸、及び/またはジイソデシルフェニルエステルのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、安定剤は、組成物の総重量の約1%~約5%の範囲の量で存在する。
【0062】
一態様では、添加剤は、合成油である。いくつかの実施形態では、油は、SpectraSyn Elite 300 mPAO 300である。いくつかの実施形態では、合成油は、組成物の総重量の約1%~約10%の範囲の量で存在する。
【0063】
一態様では、添加剤は、合成エステルである。いくつかの実施形態では、合成エステルは、polyDIDAエステル(例えば、DIDA)である。いくつかの実施形態では、約5重量%~約15重量%の範囲の量の合成エステル。
【0064】
組成物
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約50重量%~約70重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのオリゴマーを含み、ダイマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油と、
b)潤滑剤の総重量の約20重量%~約30重量%の範囲の量の粘度調整剤と、
c)潤滑剤の総重量の約10重量%~約15重量%の範囲の量の洗剤と、
d)潤滑剤の総重量の約0.1重量%~約1重量%の範囲の量の流動点降下剤と
を含む、潤滑剤を提供する。
【0065】
一態様では、潤滑剤は、粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、低温での潤滑剤粘度を最小限に抑え、産業性能基準を満たし、低処理速度で優れた剪断安定性を有し、低温性能を保持し、高温で粘度制御を提供するために使用される。当業者によって理解されるであろうように、任意の粘度調整剤が、本開示によって企図される。粘度調整剤の非限定的な例としては、Infineum SV603及びInfineum SV261Lが挙げられる。
【0066】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約20重量%~約30重量%、約21重量%~約29重量%、約22重量%~約28重量%、約23重量%~約27重量%、約25重量%~約27重量%、または約25.5重量%~約26.5重量%の範囲の量の粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約25重量%、約25.1重量%、約25.2重量%、約25.3重量%、約25.4重量%、約25.5重量%、約25.6重量%、約25.7重量%、約25.8重量%、約25.9重量%、約26重量%、約26.1重量%、約26.2重量%、約26.3重量%、約26.4重量%、約26.5重量%、約26.6重量%、約26.7重量%、約26.8重量%、約26.9重量%、または約27重量%の量の粘度調整剤を含む。
【0067】
一実施形態では、潤滑剤は、
a)潤滑剤の総重量の約56重量%~約57重量%の範囲の量のSynNova 4、及び潤滑剤の総重量の約4.5重量%~約5.5重量%の範囲の量のSynNova 9を含む、飽和炭化水素ベース油と、
b)潤滑剤の総重量の約25.5重量%~約26.5重量%の範囲の量のInfineum SV603を含む、粘度調整剤と、
c)潤滑剤の総重量の約12重量%~約13重量%の範囲の量のInfineum P6003を含む、洗剤と、
d)潤滑剤の総重量の約0.2重量%~約0.4重量%の範囲の量のInfineum V385を含む、流動点降下剤と
を含む。
【0068】
一実施形態では、潤滑剤は、
a)潤滑剤の総重量の約56.4重量%の量のSynNova 4と、
b)潤滑剤の総重量の約5重量%の量のSynNova 9と、
c)潤滑剤の総重量の約26重量%の量のInfineum SV603と、
d)潤滑剤の総重量の約12.3重量%の量のInfineum P6003と、
e)潤滑剤の総重量の約0.3重量%の量のInfineum V385と
を含む。
【0069】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約75重量%~約95重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、C10~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含む、飽和炭化水素ベース油と、
b)約10重量%~約35重量%の範囲の量の潤滑油添加剤と、
c)約0.5重量%~約10重量%の範囲の量の安定添加剤と、
d)約0.1重量%~約3重量%の範囲の量の中間添加剤と
を含む潤滑剤を提供する。
【0070】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約70重量%~約99重量%、約75重量%~約99重量%、または約80重量%~約95重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、約86重量%、約87重量%、約88重量%、約89重量%、約90重量%、約91重量%、約92重量%、約93重量%、約94重量%、または、約95重量%の量の飽和炭化水素ベース油を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つ以上の異なる飽和炭化水素ベース油を含む混合物またはブレンドである。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つの異なる飽和炭化水素ベース油を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、1つ以上の添加剤を更に含む。添加剤の非限定的な例としては、耐摩耗添加剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、亜リン酸アリール及びフェノールから選択される添加剤を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約1重量%~約40重量%、約10重量%~約35重量%、または約20重量%~約30重量%の範囲の量の潤滑油添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、または約30重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%~約15重量%、約0.5重量%~約10重量%、または約1重量%~約5重量%の範囲の量の安定添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、または約5重量%の範囲の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、亜リン酸アリールを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.01重量%~約5重量%、約0.1重量%~約3重量%、または約0.1重量%~約1重量%の範囲の量の中間添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約5重量%未満、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、または約1重量%未満の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、または約1重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、フェノールを含む。
【0076】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約50重量%~約90重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油と、
b)約1重量%~約20重量%の範囲の量の粘度調整剤と、
c)約1重量%~約20重量%の範囲の量の粘度指数改良剤(VII)と、
d)約1重量%~約20重量%の範囲の量の潤滑油添加剤と、
e)約0.01重量%~約2重量%の範囲の量の洗剤と、
f)約0.01重量%~約2重量%の範囲の量の第2の潤滑油添加剤と、
g)約0.01重量%~約1重量%の範囲の量の第1の摩擦調整剤と、
h)約0.01重量%~約1重量%の範囲の量の第2の摩擦調整剤と、
i)約0.1重量%~約5重量%の範囲の量の流動点降下剤と、
j)潤滑剤の総重量の約0.1重量%~約15重量%の範囲の量のアミン系酸化防止剤と
を含む、潤滑剤を提供する。
【0077】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約50重量%~約90重量%、約60重量%~約85重量%、約70重量%~約80重量%、または約75重量%~約80重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約77重量%、約77.1重量%、約77.2重量%、約77.3重量%、約77.4重量%、約77.5重量%、約77.6重量%、約77.7重量%、約77.8重量%、約77.9重量%、または約78重量%の量の飽和炭化水素ベース油を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つ以上の異なる飽和炭化水素ベース油を含む混合物またはブレンドである。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つの異なる飽和炭化水素ベース油を含む。非限定的な例では、飽和炭化水素ベース油は、SynNova 4及びSynNova 9を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約5重量%~約25重量%、約10重量%~約20重量%、約12重量%~約17重量%、または約14重量%~約16重量%の範囲の量のSynNova 4、及び潤滑剤の総重量の約50重量%~約75重量%、約60重量%~約65重量%、または約62重量%~約63重量%の範囲の量のSynNova 9を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約14.5重量%、約14.6重量%、約14.7重量%、約14.8重量%、約14.9重量%、約15重量%、約15.1重量%、約15.2重量%、約15.3重量%、約15.4重量%、または約15.5重量%の量のSynNova 4、及び潤滑剤の総重量の約62重量%、約62.1重量%、約62.2重量%、約62.3重量%、約62.4重量%、約62.5重量%、約62.6重量%、約62.7重量%、約62.8重量%、約62.9重量%、または約63重量%の範囲の量のSynNova 9を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、約4重量%~約10重量%、または約4重量%~約7重量%の範囲の量の粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約4重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7重量%の量の粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、SpectraSyn PAO 100である。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、粘度指数改良剤(VII)である。
【0080】
一態様では、潤滑剤は、洗剤を含む。いくつかの実施形態では、洗剤は、酸性ブローバイガスを中和し、錆を制御し、ラッカーを低減し、ピストンなどのエンジン構成要素上の堆積を防止するために使用される。当業者によって理解されるであろうように、任意の洗剤が、本開示によって企図される。洗剤の非限定的な例としては、HiTEC 60637が挙げられる。
【0081】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.01重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、または約0.3重量%~約0.5重量%の範囲の量の洗剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.30重量%、約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%、約0.39重量%、または約0.4重量%の量の洗剤を含む。いくつかの実施形態では、洗剤は、HiTEC 60637を含む。
【0082】
一態様では、潤滑剤は、摩擦調整剤を含む。いくつかの実施形態では、摩擦調整剤は、摩擦及び摩耗を低減するために使用される。当業者によって理解されるであろうように、任意の摩擦調整剤が、本開示によって企図される。摩擦調整剤の非限定的な例としては、Molyvan 3000及びAR 9100が挙げられる。
【0083】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.01重量%~約1重量%、0.01重量%~約0.5重量%、または0.01重量%~約0.2重量%の範囲の量の摩擦調整剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.11重量%、約0.12重量%、約0.13重量%、約0.14重量%、約0.15重量%、約0.16重量%、約0.17重量%、約0.18重量%、約0.19重量%、または約0.2重量%の量の流動点降下剤を含む。いくつかの実施形態では、摩擦改質剤は、Molyvan 3000を含む。いくつかの実施形態では、摩擦調整剤は、AR 9100を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、1つ以上の耐摩耗添加剤添加剤を更に含む。いくつかの実施形態では、耐摩耗添加剤は、流動点降下剤であってもよい。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、Hitec 11163、IR 649P、CA-400、及びRC 7135から選択される1つ以上の添加剤を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約0.6重量%の範囲の量の流動点降下剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、または約1重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、IR 649Pを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、約5重量%~約10重量%、または約7重量%~約9重量%の範囲の量の洗剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約7重量%、約7.1重量%、約7.2重量%、約7.3重量%、約7.4重量%、約7.5重量%、約7.6重量%、約7.7重量%、約7.8重量%、約7.9重量%、約8重量%、約8.1重量%、約8.2重量%、約8.3重量%、約8.4重量%、約8.5重量%、約8.6重量%、約8.7重量%、約8.8重量%、約8.9重量%、または約9重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、HiTEC 11163を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.01重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、または約0.3重量%~約0.5重量%の範囲の量の潤滑油添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.30重量%、約0.31重量%、約0.32重量%、約0.33重量%、約0.34重量%、約0.35重量%、約0.36重量%、約0.37重量%、約0.38重量%、約0.39重量%、または約0.4重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、CA-400を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%~約15重量%、約0.5重量%~約5重量%、または約0.5重量%~約2重量%の範囲の量のアミン系酸化防止剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、または約1.5重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、RC 7135を含む。
【0089】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約80重量%~約99重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油と、
b)約1重量%~約20重量%の範囲の量の潤滑油添加剤と、
c)約0.1重量%~約5重量%の範囲の量の流動点降下剤と、
d)潤滑剤の総重量の約1重量%~約20重量%の範囲の量の粘度指数改良剤(VII)と
を含む、潤滑剤を提供する。
【0090】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約80重量%~約99重量%、約82重量%~約95重量%、約83重量%~約90重量%、または約84重量%~約87重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約85重量%、約85.1重量%、約85.2重量%、約85.3重量%、約85.4重量%、約85.5重量%、約85.6重量%、約85.7重量%、約85.8重量%、約85.9重量%、または約86重量%の量の飽和炭化水素ベース油を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つ以上の異なる飽和炭化水素ベース油を含む混合物またはブレンドである。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、2つの異なる飽和炭化水素ベース油を含む。非限定的な例では、飽和炭化水素ベース油は、SynNova 4及びSynNova 9を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約40重量%~約50重量%、約42重量%~約48重量%、約44重量%~約47重量%、または約45重量%~約46重量%の範囲の量のSynNova 4、及び潤滑剤の総重量の約30重量%~約50重量%、約35重量%~約45重量%、または約39重量%~約41重量%の範囲の量のSynNova 9を含む。いくつかの実施形態では、飽和炭化水素ベース油は、潤滑剤の総重量の約45重量%、約45.1重量%、約45.2重量%、約45.3重量%、約45.4重量%、約45.5重量%、約45.6重量%、約45.7重量%、約45.8重量%、約45.9重量%、または約46重量%の量のSynNova 4、及び潤滑剤の総重量の約39.5重量%、約39.6重量%、約39.7重量%、約39.8重量%、約39.9重量%、約40重量%、約40.1重量%、約40.2重量%、約40.3重量%、約40.4重量%、または約40.5重量%の範囲の量のSynNova 9を含む。
【0093】
一態様では、潤滑剤は、粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、低温での潤滑剤粘度を最小限に抑え、産業性能基準を満たし、低処理速度で優れた剪断安定性を有し、低温性能を保持し、高温で粘度制御を提供するために使用される。当業者によって理解されるであろうように、任意の粘度調整剤が、本開示によって企図される。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、粘度指数改良剤(VII)である。
【0094】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、約4重量%~約10重量%、または約4重量%~約7重量%の範囲の量の粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約4重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約4.6重量%、約4.7重量%、約4.8重量%、約4.9重量%、約5重量%、約5.1重量%、約5.2重量%、約5.3重量%、約5.4重量%、約5.5重量%、約5.6重量%、約5.7重量%、約5.8重量%、約5.9重量%、約6重量%、約6.1重量%、約6.2重量%、約6.3重量%、約6.4重量%、約6.5重量%、約6.6重量%、約6.7重量%、約6.8重量%、約6.9重量%、約7重量%の量の粘度調整剤を含む。いくつかの実施形態では、粘度調整剤は、粘度指数改良剤(VII)である。
【0095】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、1つ以上の添加剤を更に含む。添加剤の非限定的な例としては、耐摩耗添加剤(例えば、潤滑剤または流動点降下剤)が挙げられる。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、Hitec 8703及びIR 649Pから選択される1つ以上の添加剤を含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約0.6重量%の範囲の量の流動点降下剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、または約1重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、IR 649Pを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約1重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、約5重量%~約10重量%、または約7重量%~約9重量%の範囲の量の潤滑油添加剤を含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、潤滑剤の総重量の約7重量%、約7.1重量%、約7.2重量%、約7.3重量%、約7.4重量%、約7.5重量%、約7.6重量%、約7.7重量%、約7.8重量%、約7.9重量%、約8重量%、約8.1重量%、約8.2重量%、約8.3重量%、約8.4重量%、約8.5重量%、約8.6重量%、約8.7重量%、約8.8重量%、約8.9重量%、または約9重量%の量の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は、HiTEC 8703を含む。
【0098】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約55重量%~約99重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油と、
b)約5重量%~約15重量%の範囲の量の潤滑油添加剤と、
c1)潤滑剤の総重量の約1重量%~約10重量%の範囲の量の粘度調整剤、または
c2)潤滑剤の総重量の0%~1%の範囲の量の流動点降下剤、のいずれかと、
d)潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量の全塩基価ブースターと、
e)任意選択的に、潤滑剤の総重量の約20重量%~約25重量%の範囲の量の含む性能添加剤パッケージと
を含む、潤滑剤を提供する。
【0099】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量の含むEcolabel添加剤パッケージ、
b)潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量の消泡剤、及び
c1)潤滑剤の総重量の約95重量%~約99重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油または
c2)潤滑剤の総重量の約80重量%~約99重量%の範囲の量の潤滑油添加剤
を含む、潤滑剤を提供する。
【0100】
いくつかの実施形態では、Ecolabel添加剤パッケージは、
a)潤滑剤の総重量の約25重量%~約30重量%の範囲の量のアミン系酸化防止剤と、
b)潤滑剤の総重量の約5重量%~約10重量%の範囲の量の金属不活性化剤と、
c)潤滑剤の総重量の約70重量%~約75重量%の範囲の量の耐摩耗添加剤と、
d)潤滑剤の総重量の約0重量%~約1重量%の範囲の量のブロックコポリマー界面活性剤と
を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、金属不活性化剤は、Additin RC 8239である。いくつかの実施形態では、ブロックコポリマー界面活性剤は、Pluronic L81である。
【0102】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約50重量%~約65重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油、または
b)組成物の総重量の約5重量%~約15重量%の範囲の量のEvolve添加剤パッケージと、
c)組成物の総重量の約15重量%~約20重量%の範囲の量の粘度調整剤と、
d)組成物の総重量の約15重量%~約20重量%の範囲の量の高粘度ポリアルファオレフィンと、
e)組成物の総重量の約5重量%~約10重量%の範囲の量の粘度改良剤と、
f)組成物の総重量の約5重量%~約15重量%の範囲の量の合成エステルと
を含む、潤滑剤を提供する。
【0103】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約65重量%~約70重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油、または
b)約5重量%~約10重量%の範囲の量の潤滑油添加剤と、
c)約0重量%~約1重量%の範囲の量の摩擦調整剤と、
d)約0重量%~約1重量%の範囲の量の流動点降下剤と、
e)約0重量%~約1重量%の範囲の量の抗菌防腐剤と、
f)約1重量%~約5重量%の範囲の量の抑制剤と、
g)約5重量%~約15重量%の範囲の量の粘度指数改良剤と、
h)組成物の総重量の約5重量%~約15重量%の範囲の量の合成エステルと
を含む、潤滑剤を提供する。
【0104】
一態様では、本開示は、
a)潤滑剤の総重量の約20重量%~約25重量%または約65重量%~約70重量%の範囲の量の飽和炭化水素ベース油であって、飽和炭化水素ベース油が、C14~C18オレフィンモノマーのモノマー及び/またはオリゴマーを含み、モノマー及び/またはオリゴマーが、29~36の範囲の平均炭素数を有する、飽和炭化水素ベース油、または
b)約10重量%~約20重量%の範囲の量の性能添加剤パッケージと、
c)約0重量%~約5重量%の範囲の量の粘度調整剤と、
d)任意選択的に、約1重量%~約15重量%または約70重量%~約80重量%の範囲の量の合成ベース油と
を含む、潤滑剤を提供する。
【0105】
本開示の好ましい実施形態が示され、本明細書に記載されるが、そのような実施形態は、単に例として提供され、本開示の範囲を限定することを意図されず、本開示の記載される実施形態に対する種々の代替形態が、実際に採用され得る。
【実施例】
【0106】
以下、本明細書に包含される実施形態について、以下の実施例を参照して記載する。これらの実施例は、例示のみを目的として提供されており、本明細書に包含される本開示は、決してこれらの実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提供される教示の結果として明らかになる、ありとあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
【0107】
実施例1:潤滑剤0W-40
表1に示される以下の構成成分を含む潤滑剤0W-40を調製した。
【0108】
【0109】
分析は、偏差または修正なしで使用されるASTM試験手順に従って実施した。これらの試験結果の精度は、参照した試験手順に記述されているものと一致するべきである。試験結果を、以下の表2及び3に示す。
【0110】
【0111】
【0112】
実施例2:合成作動油(ISO32/46/68)
表4に示される以下の構成成分を含む作動油(ISO 32/46/68)を調製した。物理的及び化学的性質を表5に示す。
【0113】
【0114】
【0115】
実施例3:本開示の潤滑剤の仕様
図1~13は、本明細書に開示される潤滑剤の仕様の非限定的な例を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の潤滑剤は、
図1~
図13に記載されている仕様のうちの1つ以上を含む。
【0116】
実施例4:15W-40ディーゼルエンジン油
表6に示される以下の構成成分を含む15W-40ディーゼルエンジン油を調製した。
【表6】
【0117】
実施例5:トラクタ液(THF 1000)
表7に示される以下の構成成分を含むトラクタ液(THF 1000)を調製した。
【0118】
【0119】
実施例6:再生可能なECORSAモータースポーツレーシング油
【表8】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
実施例10:15W-40 CK-4&10W-30 CK-4油
【表13】
【表14】
【0124】
実施例11:潤滑剤のバリエーションの構成成分
【表15】
【0125】
実施例12:10W-30 CK-4エンジン油
最初は、10W-30 CK-4エンジン油には、Chevron Oronite Additive OLOA 61105添加剤が含まれていた。全塩基価(TBN)は、エンジン運転中に形成された酸を油が中和する能力を測定する特性である。一般に、TBNが高い油は、酸及び燃焼副産物をよりよく中和し、より長い油寿命及び腐食からの保護を向上させる。高性能であるために、TBNは12に設定された。
【0126】
Chevron Oronite Additive OLOA 61105添加剤を含む10W-30 CK-4エンジン油の試料を試験し、硫酸化灰分を1.36%と特定したが、これは仕様を超えており、TBNは13.79に近かった。いかなる特定の理論に拘束されることを望まないが、これは高いTBNを設定することに起因すると仮定される。
【0127】
次いで、10W-30 CK-4エンジン油を再配合し、10のTBNのガイドラインを設定した。次いで、試料を試験し、1.09%の硫酸化灰分スコアを測定したが、これは仕様外であった。
【0128】
次いで、10W-30 CK-4エンジン油を再配合して、Infineum D3503Lに置き換えられたChevron Oronite Additive OLOA 61105を除去した。これらの試料は、TBNが8.62であり、処理率が14.6%である0.9%の硫酸化灰分を受け取った。この配合物は、再生可能なベース油含有率全体を1.5%上昇させ、VI含有量処理率を0.1%低下させ、より高い性能を可能にし、Chevron Oronite Additive OLOA 61105を含むエンジン油と比較して、より低い処理率でより高いTBNをもたらした。
【0129】
実施例13:本開示の組成物の非限定的な例
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【国際調査報告】