(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】清掃看護用具
(51)【国際特許分類】
H02K 7/116 20060101AFI20241203BHJP
A61C 17/34 20060101ALI20241203BHJP
F16H 21/18 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H02K7/116
A61C17/34
F16H21/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527454
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2022121612
(87)【国際公開番号】W WO2023082876
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】202111331795.0
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523052971
【氏名又は名称】上海携福電器有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SHIFT ELECTRICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 489 Jinbai Road, Jinshan Industrial Zone, Shanghai 201506, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】戴 暁国
(72)【発明者】
【氏名】徐 振武
【テーマコード(参考)】
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3J062AA60
3J062AB27
3J062AC07
3J062BA12
3J062BA40
3J062CB02
3J062CB14
3J062CB32
3J062CB44
3J062CG83
5H607AA12
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607EE36
(57)【要約】
清掃看護用具は、ハウジング(1)と、回転運動を行うモータ(10)と、第2軸線を有し、チャンバから突出する駆動軸(11)と、モータ(10)の出力軸と駆動軸(11)とにそれぞれ接続され、出力軸の第1軸線回りの回転運動を駆動軸(11)の第2軸線回りの往復回動に変換するように構成されたリンク機構(7)と、を備え、リンク機構(7)は、出力軸に接続された主動輪(16)を備え、清掃看護用具は、ラック(20)を備え、ラック(20)は、ハウジング内にモータ(10)と隣接して設置され、ラック(20)は、ラック底壁(27)と、ラック底壁(27)から突出する第1ボス(24)及び第2ボス(23)とを有し、主動輪(16)は、第1ボス(24)の第1ボスチャンバ(30)に収容され、駆動軸(11)は、第2ボス(23)の孔部(21)に収容されて往復回動し、第2ボス(23)は、孔部(21)が第1ボスチャンバ(30)の真上に位置するように、第1ボス(24)の上方に重ねられている。ラック(20)は、重なった2つのボス(23,24)を設けてリンク機構(7)と駆動軸(11)を取り付けることによって、コンパクトな配置構造を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にチャンバが形成されるハウジング(1)と、
モータであって、前記モータが第1軸線を有する出力軸を備え、前記出力軸が回転運動を行い、前記モータが前記チャンバ内に配置されたモータ(10)と、
第2軸線を有し、前記チャンバから突出する駆動軸(11)と、
前記出力軸と前記駆動軸とにそれぞれ接続され、前記出力軸の前記第1軸線回りの回転運動を前記駆動軸の前記第2軸線回りの往復回動に変換するように構成されたリンク機構と、を備える清掃看護用具において、
前記ハウジング内に前記モータ(10)と隣接して設置されたラック(20)を備え、前記ラック(20)は、ラック底壁と、前記ラック底壁から突出する第1ボス(24)及び第2ボス(23)と、を有し、前記駆動軸は、前記第1ボス(24)に形成する第1ボスキャビティ(30)に少なくとも部分的に収容され、前記第2ボス(23)は、孔部(21)を有し、前記駆動軸(11)は、前記孔部(21)に収容されて前記往復回動を行い、前記第2ボス(23)は、前記孔部(21)が前記第1ボスキャビティ(30)の上方に位置するように、前記第1ボス(24)の上方に重ねられていることを特徴とする清掃看護用具。
【請求項2】
前記第2ボス(23)は、前記出力軸の第1軸線と前記駆動軸の第2軸線とが基本的に位置合わせされるように、前記第1ボス(24)の上方に重ねられていることを特徴とする請求項1に記載の清掃看護用具。
【請求項3】
前記第1ボスと前記第2ボスとの間には、ボス孔底部(22)が設けられ、前記ボス孔底部(22)は、前記駆動軸(11)の端部に当接し、前記ボス孔底部(22)は、前記第1ボス(24)及び前記第2ボス(23)の少なくとも一方と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の清掃看護用具。
【請求項4】
前記モータ(10)の前記出力軸には、第1ボスチャンバ内に少なくとも部分的に収容された主動輪が設けられ、
前記リンク機構は、
前記主動輪と噛合する従動輪(15)と、
前記従動輪に接続する従動輪偏心ロッドであって、前記従動輪偏心ロッドの中心軸線が前記従動輪の回転軸線に対して偏心配置された従動輪偏心ロッド(17)と、
一端が前記従動輪偏心ロッド(17)に接続されたリンク(14)と、
前記リンクの他端に接続する駆動軸偏心ロッド(13)と、
一端が前記駆動軸偏心ロッド(13)に連結され、他端が前記駆動軸に固定された駆動軸連結ロッド(12)と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の清掃看護用具。
【請求項5】
前記第1ボスは、前記主動輪を周方向に囲む第1ボス壁を有し、前記第1ボス壁は、切欠き部を有し、前記切欠き部では、前記従動輪と前記主動輪とが噛合していることを特徴とする請求項4に記載の清掃看護用具。
【請求項6】
前記駆動軸連結ロッド(12)の前記他端は、前記第2ボスの上方で前記駆動軸に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の清掃看護用具。
【請求項7】
前記ラックは、ラック外壁をさらに備え、前記ラック外壁は、前記ラック底壁から延出し、前記ラック底壁と一体的に形成して前記リンク機構を囲み、
前記ラック底壁は、前記第1ボスと前記ラック外壁との間に第1開孔が設けられ、前記第1開孔は、前記従動輪偏心ロッド(17)の一端を収容することを特徴とする請求項4に記載の清掃看護用具。
【請求項8】
前記ラックは、前記ラック底壁に固定された対向端を有して前記ラック外壁に固定されたラックカバーをさらに備え、前記ラックカバーには、第2開孔が設けられ、前記第2開孔は、前記従動輪偏心ロッド(17)の他端を収容することを特徴とする請求項7に記載の清掃看護用具。
【請求項9】
前記第2ボスは、前記第1ボスに対して別体で形成され、前記第2ボスは、前記第1ボスに係合することを特徴とする請求項1に記載の清掃看護用具。
【請求項10】
前記ラック底壁は、第1ボスの前記モータに近い側にボス底孔(25)を形成し、前記モータの前記出力軸は、前記ボス底孔を通って前記第1ボスキャビティ(30)内に入り込むことを特徴とする請求項1に記載の清掃看護用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動歯ブラシなどの清掃看護用具に関わるものであり、特に、駆動装置の回転運動を駆動軸の往復回動に変換するリンク機構を有する清掃看護用具、例えば電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
現在市場には、電動歯ブラシなど、手に持って使用するさまざまな電動的な清掃看護用具が存在している。電動歯ブラシは、ハンドルと、ハンドルから突出した駆動軸に取り付けられたブラシヘッドとを有する。ハンドルの内部には、回転電機が取り付けられている。回転電機から供給される駆動力は、その出力軸を介して出力され、平面四リンク構造を介して駆動軸の往復回転に変換され、その上のブラシヘッドを往復揺動させる。
【0003】
駆動装置としてモータを用いた従来の電動歯ブラシでは、回転電機の長手軸線とブラシヘッドを直接的に取り付けた駆動軸の長手軸線との両方が等しく互いにオフセットされており、オフセットの距離は、通常5mm以上であり、この場合、製品の体積を小さくするために、電動歯ブラシのブラシヘッドは、ハンドルの中心長手軸線に対して偏心して配置されている。
【0004】
しかしながら、従来の平面四リンク構造と駆動軸の取付構造の制限により、従来のモータ駆動の電動歯ブラシの全体的な外形輪郭は、比較的大きく、外観設計は、ブラシヘッドとハンドルの中心長手軸線とのオフセットによって制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、やはり従来のモータ駆動装置を備えた電動的な清掃看護用具を改良して、体積を小さくしながら外観の設計美学を高める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来技術における不足を克服するために、本発明は、清掃看護用具を提供し、該清掃看護用具は、内部にチャンバが形成されるハウジングと、モータであって、前記モータが第1軸線を有する出力軸を備え、前記出力軸が回転運動を行い、前記モータが前記チャンバ内に配置され、出力軸には、主動輪が設けられたモータと、第2軸線を有し、前記チャンバから突出する駆動軸と、前記出力軸の主動輪と前記駆動軸とにそれぞれ接続され、前記出力軸の前記第1軸線回りの回転運動を前記駆動軸の前記第2軸線回りの往復回動に変換するように構成されたリンク機構と、を備え、前記清掃看護用具は、前記ハウジング内に前記モータと隣接して設置されたラックを備え、前記ラックは、ラック底壁と、前記ラック底壁から突出する第1ボス及び第2ボスと、を有し、前記駆動軸は、前記第1ボスに形成する第1ボスキャビティに収容され、前記第2ボスは、孔部を有し、前記駆動軸は、前記孔部に収容されて前記往復回動を行い、前記第2ボスは、前記孔部が前記第1ボスキャビティの上方に位置するように、前記第1ボスの上方に重ねられている。
【0007】
本発明の別の態様によれば、前記第2ボスは、前記出力軸の第1軸線と前記駆動軸の第2軸線とが基本的に位置合わせされるように、前記第1ボスの上方に重ねられている。つまり、出力軸と駆動軸の長手軸線は、一直線上にあるか、または平行オフセット距離が1mm未満であり、駆動軸の遠位端は、出力軸の直上に位置している。
【0008】
このような駆動軸と出力軸の位置関係は、ハンドル部のサイズを小さくし、ブラシヘッドのハンドル部に対するオフセットを回避し、外形設計をより柔軟にする。
【0009】
重なった2つのボスを有するラックによって、モータの出力軸が駆動軸の軸線と基本的に位置合わせされた状態で、出力軸及び駆動軸の両方を同じラックを介して保持することができる。
【0010】
本発明のさらに別の態様によれば、第1ボスと前記第2ボスとの間には、ボス孔底部が設けられ、前記ボス孔底部は、前記駆動軸の端部に当接し、前記ボス孔底部は、前記第1ボス及び前記第2ボスの少なくとも一方と一体に形成されている。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、前記モータの前記出力軸には、前記第1ボスチャンバ内に少なくとも部分的に収容された主動輪が設けられ、前記リンク機構は、前記主動輪と噛合する従動輪と、前記従動輪に接続する従動輪偏心ロッドであって、前記従動輪偏心ロッドの中心軸線が前記従動輪の回転軸線に対して偏心配置された従動輪偏心ロッドと、一端が前記従動輪偏心ロッドに接続されたリンクと、前記リンクの他端に接続する駆動軸偏心ロッドと、一端が前記駆動軸偏心ロッドに連結され、他端が前記駆動軸に固定された駆動軸連結ロッドと、をさらに備える。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、前記第1ボスは、前記主動輪を周方向に囲む前記第1ボス壁を有し、前記第1ボス壁は、切欠き部を有し、前記切欠き部では、前記従動輪と前記主動輪とが噛合している。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、前記駆動軸連結ロッドの前記他端は、前記第2ボスの上方で前記駆動軸に固定されている。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、前記ラックは、ラック外壁をさらに備え、前記ラック外壁は、前記ラック底壁から延出し、前記ラック底壁と一体的に形成して前記リンク機構を囲み、前記ラック底壁は、前記第1ボスと前記外壁との間に第1開孔が設けられ、前記第1開孔は、前記従動輪偏心ロッドの一端を収容する。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、前記第2ボスは、前記第1ボスに対して別体で形成され、前記第2ボスは、前記第1ボスに係合する。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、前記ラック底壁は、第1ボスの前記モータに近い側にボス底孔を形成し、前記モータの前記出力軸は、ボス底孔を通って第1ボスキャビティ内に入り込む。
【発明の効果】
【0017】
本発明の好適な実施例によれば、ラックは、重なった2つのボスを設けてリンク機構と駆動軸を取り付けることによって、コンパクトな配置構造を提供する。特に有利なことに、本発明では、電動歯ブラシのブラシヘッドの長手軸線とハンドルの長手軸線は、基本的に一直線上にあり、同じラックを介して駆動軸をモータの出力軸に基本的に位置合わせし、位置決めが正確で、取り付けが便利である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明をより完全に理解するために、添付図面を参照して例示的な実施例の以下の説明を考慮することができる。
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の好適な実施例による電動歯ブラシを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の好適な実施例による
図1に示す電動歯ブラシの内部構造を示す斜視図であり、ハンドルハウジングの一部が取り外されている。
【
図3】
図3は、本発明の好適な実施例によるリンク機構を示す正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の好適な実施例によるモータ及びリンク機構を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の好適な実施例によるリンク機構を示す斜視図であり、四リンク構造を概略的に示す。
【
図6】
図6は、本発明の好適な実施例によるリンク機構を収容するラックの斜視図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の好適な実施例によるリンク機構を収容するラックの別の斜視図であり、駆動軸がラックに取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、具体的な実施例および図面に合わせて本発明を詳しく説明する。以下の記載では、本発明を十分に理解し易くするために、いろいろな詳細を説明するが、本発明が上記の記載と異なる別の形態で実施できることは明らかであり、当業者にとって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で実際の応用状況に応じて拡張・推論することができるので、本発明の保護範囲が上記の具体的な実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0021】
以下、電動歯ブラシ100を個人清掃看護用具の典型例として、添付図面に合わせて本発明の例示的な実施例をより詳細に説明する。以下、電動歯ブラシ100を例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定しない。本発明は、電気シェーバー、電気洗顔器、電気入浴器など、駆動装置により清掃動作を提供する清掃看護用具に適用してもよい。
【0022】
明確にするために、本明細書では、図に示すような1つの要素または特徴と他の要素(1つまたは複数)または特徴(1つまたは複数)との相互関係を簡単に説明するために、空間的相対位置を表す語彙、例えば「近位端/近位側」、「遠位端/遠位側」などを用い、「近位端/近位側」とは、清掃看護用具の使用時に清掃力が作用する位置に近い端部または側部を意味し、「遠位端/遠位側」とは、清掃看護用具の使用時に清掃力が作用する位置から離れた端部または側部を意味する。
【0023】
さらに、本願で使用される語彙「および/または」には、列挙された1つまたは複数の関連語彙のいずれか1つまたはすべての組合せが含まれる。
【0024】
本明細書では、「第1」などの語彙を用いて複数の要素または構成部分を説明したが、これらの要素または構成部分は、これらの語彙によって制限されるべきではない。これらの語彙は、単に1つの要素または構成部分を他の要素または構成部分と区別するために使用され、「順序」を含まない。したがって、以下に説明する要素または構成部分の序数語を相互に入れ替えても、本発明の構想と範囲を超えない。
【0025】
図1は、本発明の好適な実施例による清掃看護用具の斜視図を示し、当該清掃看護用具は、電動歯ブラシ100である。
【0026】
電動歯ブラシ100は、ハンドル部1と、ハンドル部1に着脱可能に取り付けられたブラシヘッド2とを主に備える。ハンドル部1は、ハンドルハウジング6と、ハンドルハウジング6に取り付けられた各機能部材とを備える。ブラシヘッド2には、ブラシ毛などの清掃要素4が設けられている。ハンドルハウジング6の中央部の略近位端側には、スイッチ部3が設けられており、使用者は、スイッチ部3を押すことで電動歯ブラシ100内部の各機能部材をオンして、ブラシヘッド2を往復運動させることができる。
【0027】
図2は、本発明の好適な実施例による電動歯ブラシ100の内部構成をさらに示す。
図2に示すように、電動歯ブラシ100の長手方向に沿って遠位端から近位端にかけて、電動歯ブラシ100は、ハンドルハウジング6に形成されたチャンバ内に設けられたバッテリ5と、配線基板8と、モータ10と、リンク機構7と、駆動軸11とを備える。また、
図2に示すように、ハンドルハウジング6内には、リンク機構7及び駆動軸11を収容保持するラック20と、ラック20の近位端側でラック20と一体に組付けられたラックカバー26とが設けられている。
【0028】
好ましい実施例では、バッテリ5は、ハンドル部1のチャンバの遠位端側に配置され、電動歯ブラシ100のモータ10に電力を供給する。配線基板8は、バッテリ5とモータ10との間に配置され、スイッチ及び関連の制御手段が取り付けられている。配線基板8は、モータ10の遠位端側に設置される一方、モータ10の出力軸は、モータ10の近位端側でリンク機構7へ延出する。モータ10が作動すると、出力軸は、その長手軸線L2(第1軸線)の回りに回転運動することができる。リンク機構7は、出力軸の回転運動を駆動軸11の長手軸線L1(第2軸線)周りの往復回動に変換するように、モータ10の出力軸における主動輪16と駆動軸11にそれぞれ接続されている。電動歯ブラシ100のハンドルハウジング6の近位端で、リンク機構7に接続された駆動軸11は、ブラシヘッド2を接続するように、ハンドルのハンドルハウジング6に形成されたチャンバから部分的に延出している。
【0029】
図3は、本発明の好適な実施例によるリンク機構7を示す平面図であり、
図4は、本発明の好適な実施例によるモータ10とリンク機構7を示す斜視図である。
図3及び
図4に示すように、リンク機構7は、従動輪15と、従動輪偏心ロッド17と、リンク14と、駆動軸偏心ロッド13と、駆動軸連結レバー12とを備えており、これらの部材が四リンク機構を構成している。
【0030】
具体的には、好ましい実施例では、主動輪16は、モータ10の出力軸に取り付けられた円柱状の歯車であり、主動輪16の回転軸線と出力軸の長手軸線L2とが一直線上にあり、モータ10の出力軸の回転が主動輪16を回転させる。従動輪15も円柱状の歯車であり、主動輪16と噛合し、従動輪15の回転軸線は、主動輪16の回転軸線と平行であるが距離を置いている。リンク機構7における従動輪偏心ロッド17は、基本的に長手方向に配置されて、従動輪15とリンク14にそれぞれ連結される。
【0031】
リンク14は、長手方向に対して横方向に配置され、従動輪偏心ロッド17と駆動軸偏心ロッド13にそれぞれ連結される。
図5から分かるように、リンク14は、第1孔18と第2孔19を有し、従動輪偏心ロッド17の一端は、第1孔18に挿入され、第1孔18の中心は、従動輪15の回転中心に対してオフセットし、従動輪偏心ロッド17は、中心がオフセットする第1孔18と従動輪15とを連結するように構成され、これにより、平面四リンク機構の駆動アームも構成されている。
【0032】
駆動軸偏心ロッド13は、リンク14と駆動軸連結ロッド12にそれぞれ連結されている。駆動軸偏心ロッド13の遠位端は、リンク14の第2孔19に挿入されている。駆動軸偏心ロッド13も基本的に長手方向に配置され、駆動軸11の片側にオフセットされている。
【0033】
駆動軸連結ロッド12は、駆動軸偏心ロッド13と駆動軸11にそれぞれ連結されている。リンク14と同様に、駆動軸連結ロッド12にも一定距離で離れた第1孔と第2孔があり、駆動軸偏心ロッド13が第1孔に挿入し、駆動軸11の遠位端が第2孔に挿入して貫通する。
【0034】
特に、
図3及び
図4に示すように、本発明では、リンク機構7の駆動軸連結ロッド12の第2孔の中心軸線は、主動輪16の回転軸線と基本的に位置合わせされ、すなわち、第2孔に挿入された駆動軸11の長手軸線L
1は、モータ10の出力軸に接続された長手軸線と基本的に位置合わせされる。特に説明する必要があるのは、本発明において、軸線と軸線とが「基本的に位置合わせされる」とは、2軸線が一直線上にあるか、または平行オフセット距離が1mm未満であることを意味する。
【0035】
図5は、上記リンク機構7からなる四リンク装置の概略図を示す。
図5において、O点は、駆動軸11の中心であり、A点は、リンク14の第2孔の中心であり、B点は、リンク14の第1孔の中心であり、すなわち従動輪偏心軸の中心軸線が位置する位置であり、C点は、従動輪15の回転中心である。モータ10の出力軸の回転は、主動輪16を回転させ、主動輪16の噛合は、従動輪15をC点回りに回転させ、従動輪15は、従動輪偏心ロッド17に固定され、従動輪15の回転は、従動輪偏心ロッド17をC点回りに回転させ、また、リンク14の第1孔の中心点BがC点に対してオフセットされ、O点の位置が固定されたので、従動輪偏心ロッド17のC点回りの回転に伴い、従動輪偏心ロッド17の回転は、リンク14、駆動軸偏心ロッド13、駆動軸連結ロッド12をC点回りに往復運動させて、駆動軸11をO点回りに往復回動させ、これにより、駆動軸11に取り付けられたブラシヘッド2の往復運動が実現される。要するに、駆動軸11、駆動軸連結ロッド12、リンク14、従動輪15及び従動輪偏心ロッド17は、平面四リンク構造を構成し、
図5に示すように、従動輪15の中心Cからリンク14の孔18の中心までの接続線は、平面四リンク構造の駆動アームを構成し、この駆動アームは、360度で連続して回転することができ、これにより、駆動軸11の長手軸線回りの往復回動が実現される。
【0036】
ラック20は、ハウジング内にモータ10と隣接して設けられ、特に、
図6及び
図7で説明したように、ラック20は、ラック底壁と、ラック外壁と、を備え、ラック外壁の内部には、ラック底壁から略長手方向に沿って突出する第1ボス24と第2ボス23があり、第1ボス24は、囲んで第1ボスキャビティ30を形成する第1ボス壁を有し、第2ボス23は、囲んで孔部21を形成する第2ボス壁を有する。第1ボスチャンバ30には、主に主動輪16が収容され、主動輪16は、第1ボスチャンバ30内で回転可能であり、孔部21には、駆動軸11の端部が収容され、駆動軸11は、第2ボスの孔部内で回転可能である。
図6に示すように、第2ボス23は、孔部21が第1ボスチャンバ30の上方に位置するように、長手方向に第1ボス24の上方に重ねられている。好ましくは、孔部21は、第1ボスチャンバ30の直上に位置し、すなわち、孔部21全体が第1ボスチャンバ30の長手方向上方の空間領域内に位置し、これにより、同じラック20を介して軸線が基本的に位置合わせされた出力軸および駆動軸11を保持して収容することができる。
【0037】
図3から分かるように、第1ボス24と第2ボス23との間には、ボス孔底部22が設けられ、この底部22の上面が駆動軸11の端部に当接し、駆動軸11を位置決め支持する役割を果たす。本発明の好適な実施例では、ボス孔底部22は、第2ボス壁と一体に形成され、これにより、第2ボス23の一部となる。しかし、理解すべきところは、他の代替的な実施例では、ボス孔底部は、例えば、第2ボス23の頂部の一部として、第1ボス24と一体的に形成してもよい。明らかに、第1ボス24と第2ボス23とボス孔底部とは、一体に形成されてもよい。
【0038】
さらに、
図6に示すように、ラック底壁27は、第1ボス24のモータ10に近い側でボス底孔25を形成し、モータ10の出力軸は、ボス底孔25を介して第1ボスキャビティ30内に入り込む。
図3に示すように、本発明の好適な実施例では、ボス底孔25の直径は、主動輪16よりやや大きく設定され、主動輪16の一部は、底孔25を通って延びている。理解すべきところは、他の代替的な実施例では、ボス底孔25は、モータ10の出力軸のみを通すように小さく設定されてもよい。
【0039】
また、第1ボス壁28には、特に切欠き部が設けられており、
図3、
図6から明らかなように、この切欠き部が提供する空間によって、第1ボスチャンバ30の内部に位置する主動輪16と、ボスチャンバ30の外部に基本的に位置する従動輪15とが互いに噛み合うことができる。
【0040】
また、ラック底壁27とラックカバー26には、2つの開孔がそれぞれ設けられ、2つの開孔は、好ましくは上下に沿って対応し、それらは、従動輪偏心ロッド17の近位端と遠位端をそれぞれ収容し、従動輪偏心ロッド17の従動輪15の駆動下での回転を許容する。
【0041】
リンク機構7がラック20内に取り付けられると、モータ出力軸に取り付けられた主動輪16は、第1ボスチャンバ30内に位置し、従動輪15は、第1ボスチャンバ30の外側とラック外壁29の空間に位置する。リンク14と駆動軸偏心ロッド13は、第2ボス壁とラック外壁29との間の空間に位置する。駆動軸連結ロッド12は、第2ボス23の上方とラックカバー26の下方との間の空間において横方向に延びており、その駆動軸11が穿設された孔の一端は、第2ボス23の上方に位置している。
【0042】
また、
図3に示すように、第2ボス23と第1ボス24とは、好ましくは独立した部材を形成し、第2ボス23の底部が第1ボス24の頂部に係合して取り付けられる。理解すべきところは、他の代替的な実施例において、第1ボス24及び第2ボス23は、ラックの底壁に固定的に組付けられて一体に形成されてもよい。第1ボス24及び第2ボス23は、ラック20と一体に射出成形されてもよい。
【0043】
本発明の好適な実施例によれば、ラック20は、重なった2つのボスを設けてリンク機構7と駆動軸11を取り付けることによって、コンパクトな配置構造を提供する。特に有利なことに、本発明では、電動歯ブラシ100のブラシヘッド2の長手軸線とハンドルの長手軸線は、基本的に一直線上にあり、同じラック20を介して駆動軸11をモータ10の出力軸に基本的に位置合わせし、位置決めが正確で、取り付けが便利である。
【0044】
本発明は、上記のように好ましい実施例で開示されたが、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、可能な変更および修正を行うことができる。したがって、本発明の技術案を逸脱しない内容と、本発明の技術実質に基づいて上記実施例に対して行ったいかなる修正、同等の変化および修飾も、本発明の請求項に規定された保護範囲内に入る。
【符号の説明】
【0045】
1 ハンドル部
2 ブラシヘッド
3 スイッチ部
4 清掃要素
5 バッテリ
6 ハンドルハウジング
7 リンク機構
8 配線基板
10 モータ
11 駆動軸
12 駆動軸連結ロッド
13 駆動軸偏心ロッド
14 リンク
15 従動輪
16 主動輪
17 従動輪偏心ロッド
18 第2孔
19 第1孔
20 ラック
21 孔部
22 ボス孔底部
23 第2ボス
24 第1ボス
25 ボス底孔
26 ラックカバー
27 ラック底壁
28 第1ボス壁
29 ラック外壁
30 第1ボスチャンバ
100 電動歯ブラシ
L1 駆動軸の長手軸線
L2 出力軸の長手軸線
O 駆動軸の中心
A リンク第1孔の中心
B リンク第2孔の中心
C 従動輪の回転中心
【国際調査報告】