(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】衝突補強部品及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
B21D 22/08 20060101AFI20241203BHJP
B21D 22/04 20060101ALI20241203BHJP
B21D 53/88 20060101ALI20241203BHJP
B62D 25/20 20060101ALN20241203BHJP
【FI】
B21D22/08
B21D22/04
B21D53/88 Z
B62D25/20 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529159
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 KR2022020308
(87)【国際公開番号】W WO2023113455
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0179479
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ホン-ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ドン-グン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 フィ-ゴン
【テーマコード(参考)】
3D203
4E137
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB06
3D203BB22
3D203CA25
3D203CA33
3D203CA37
3D203CA58
3D203CA72
4E137AA12
4E137BB01
4E137CA09
4E137CA24
4E137EA14
4E137GA03
4E137GA15
4E137GB03
(57)【要約】
本発明に係る衝突補強部品は、長さ方向の両側にそれぞれ形成された側壁と、両側の前記側壁の上端を結ぶ上板を有する部品本体と、上記部品本体の長さ方向の両端部にそれぞれ曲げ形成された端部フランジと、を含み、上記部品本体は、素材にスタンピングロールが複数回回転圧迫するロールスタンピングの連続的な繰り返しによって形成されて、上記部品本体は、上板に長さ方向に沿って形成されたビードを有する胴体部と、上記胴体部と端部フランジの継ぎ目部分として、上記胴体部及び端部フランジと一体型であり、上板が平坦な境界部と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向の両側にそれぞれ形成された側壁と、両側の前記側壁の上端を結ぶ上板とを有する部品本体と、
前記部品本体の長さ方向の両端部にそれぞれ曲げ形成された端部フランジと
を含み、
前記部品本体は、素材にスタンピングロールが複数回回転圧迫するロールスタンピングの連続的な繰り返しによって形成され、
前記部品本体は、
上板に長さ方向に沿って形成された複数個のビードを有する胴体部と、
前記胴体部と端部フランジの継ぎ目部分として、前記胴体部及び端部フランジと一体型であり、上板が平坦な境界部と
を含む、衝突補強部品。
【請求項2】
前記胴体部は、
長さ方向に複数個が互いに離隔して位置し、上板に前記ビードが形成されたビード領域と、
複数個の前記ビード領域の間に位置し、上板が平坦な中間部ノービード領域と
を含む、請求項1に記載の衝突補強部品。
【請求項3】
前記ビード領域は、前記ビードが上板に幅方向に複数個が互いに離隔して配置された、請求項2に記載の衝突補強部品。
【請求項4】
前記中間部ノービード領域の長さ方向の長さは、前記境界部と端部フランジを合わせた長さ方向の長さの2倍と同様であるか、又は2倍よりも大きい、請求項2に記載の衝突補強部品。
【請求項5】
素材の長さ方向に沿ってスタンピングロールを複数回回転圧迫させてロールスタンピングを連続的に繰り返すロールスタンピング段階と、
前記素材の両端部のそれぞれを曲げて端部フランジを形成させるフランジ形成段階と
を含み、
前記ロールスタンピング段階において、
前記素材に複数個のビード領域と、複数個の前記ビード領域の間に中間部ノービード領域を形成させ、両端部のそれぞれに端部ノービード領域を形成させる、衝突補強部品の製造方法。
【請求項6】
前記ロールスタンピング段階は、
前記素材に前記スタンピングロールを複数回圧迫回転しながら前記素材を折り曲げて両側の側壁及び上板を形成させる全体折り曲げ工程と、
前記素材の長さ方向の一端部に平坦な上板を形成させて、前記端部ノービード領域を形成させる第1端部ノービード工程と、
前記素材の上板に複数個のビードを長さ方向に互いに離隔して形成させて複数個の前記ビード領域を形成させるビード工程と、
複数個の前記ビードの間に平坦な上板を形成させ、前記中間部ノービード領域を形成させる中間部ノービード工程と、
前記素材の長さ方向の他端部に平坦な上板を形成させて、前記端部ノービード領域を形成させる第2端部ノービード工程と
を含み、
前記第1端部ノービード工程、ビード工程、中間部ノービード工程、及び第2端部ノービード工程は、前記全体折り曲げ工程の過程で行われ、前記中間部ノービード工程は、前記ビード工程の過程で行われる、請求項5に記載の衝突補強部品の製造方法。
【請求項7】
前記中間部ノービード工程によって形成される前記中間部ノービード領域の長さ方向の長さは、前記第1端部ノービード工程または第2端部ノービード工程によって形成される前記端部ノービード領域の長さ方向の長さの2倍と同様であるか、又は2倍よりも大きい、請求項6に記載の衝突補強部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝突補強部品及びこの製造方法であって、シートクロスメンバのように衝突対比のために剛性が補強された衝突補強部品及びこの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールスタンピング(Roll Stamping)技術は、既登録特許であるロールスタンピング装置(登録番号10-1417278)、ロールスタンピング装置(登録番号10-1786260)、ロールスタンピング装置及び方法(登録番号10-1917450)に説明されている技術である。
【0003】
ロールスタンピング技術の核心は、長さ方向に断面が変化する形状の部品をロールフォーミング(Roll Forming)装置を用いて製造することである。
【0004】
しかし、長さ方向に形状変化がある部品は、通常のロールフォーミング(Roll Forming)工法で製造することが不可能である。したがって、金型を利用するプレス成形で製造することが一般的である。しかし、素材の強度が高い場合、大きさの大きい部品の成形には非常に高いプレス容量が必要であるため、製造が容易ではない。
【0005】
したがって、ロールスタンピングは、このような制約を解決することができる有用な技術である。但し、ロールスタンピングは基本的にロールフォーミング装置を利用する技術であるため、長さが非常に長い部品において長さ方向の形状変化がある場合、現実的に適用することが容易ではない。すなわち、スタンピングロールの周囲に部品の長さ方向の形状を刻む必要があるため、部品の長さが長い場合、スタンピングロールの直径を大きくする必要があるが、このようなスタンピングロールの直径の増加はロールフォーミング装置を全体的にかなり大きくしなければならないという問題に直結するため、設置空間的な側面において現実的に適用が難しい実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1417278号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1786260号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-1917450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであり、長さの長い素材での部品製造時にスタンピングロールの直径を増加せずともロールスタンピング方式で製造することができる衝突補強部品及びこの製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による衝突補強部品は、長さ方向の両側のそれぞれに形成された側壁と、両側の上記側壁の上端を結ぶ上板を有する部品本体と、上記部品本体の長さ方向の両端部のそれぞれに曲げ形成された端部フランジと、を含み、上記部品本体は、素材にスタンピングロールが複数回回転圧迫するロールスタンピングの連続的な繰り返しによって形成されて、上記部品本体は、上板に長さ方向に沿って形成されたビードを有する胴体部と、上記胴体部と端部フランジとの継ぎ目部分として、上記胴体部及び端部フランジと一体型であり、上板が平坦な境界部と、を含む。
【0009】
ここで、上記胴体部は、長さ方向に複数個が互いに離隔して位置し、上板に上記ビードが形成されたビード領域と、複数個の上記ビード領域の間に位置し、上板が平坦な中間部ノービード領域と、を含むことができる。
【0010】
このとき、上記ビード領域は、上記ビードが上板に幅方向に複数個が互いに離隔して配置されることができる。
【0011】
また、上記中間部ノービード領域の長さ方向の長さは、上記境界部と端部フランジを合わせた長さ方向の長さの2倍と同様であるか、2倍よりも大きいことができる。
【0012】
一方、本発明の他の側面によると、素材の長さ方向に沿ってスタンピングロールを複数回回転圧迫させて、ロールスタンピングを連続的に繰り返すロールスタンピング段階と、上記素材の両端部のそれぞれを曲げて端部フランジを形成させるフランジ形成段階と、を含み、上記ロールスタンピング段階において、上記素材に複数個のビード領域と、複数個の上記ビード領域との間に中間部ノービード領域を形成させ、両端部のそれぞれに端部ノービード領域を形成させる衝突補強部品の製造方法が提供される。
【0013】
具体的には、上記ロールスタンピング段階は、上記素材に上記スタンピングロールを複数回圧迫回転しながら上記素材を折り曲げて両側の側壁及び上板を形成させる全体折り曲げ工程と、上記素材の長さ方向の一端部に平坦な上板を形成させて、上記端部ノービード領域を形成させる第1端部ノービード工程と、上記素材の上板に複数個のビードを長さ方向に互いに離隔して形成させて複数個の上記ビード領域を形成させるビード工程と、複数個の上記ビード間に平坦な上板を形成させ、上記中間部ノービード領域を形成させる中間部ノービード工程と、上記素材の長さ方向の他端部に平坦な上板を形成させ、上記端部ノービード領域を形成させる第2端部ノービード工程と、を含み、上記第1端部ノービード工程、ビード工程、中間部ノービード工程、及び第2端部ノービード工程は、上記全体折り曲げ工程過程で行われ、上記中間部ノービード工程は、上記ビード工程過程で行われることができる。
【0014】
このとき、上記中間部ノービード工程によって形成される上記中間部ノービード領域の長さ方向の長さは、上記第1端部ノービード工程または第2端部ノービード工程によって形成される上記端部ノービード領域の長さ方向の長さの2倍と同様であるか、2倍よりも大きいことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による衝突補強部品は、素材にスタンピングロールが複数回回転圧迫するロールスタンピングの連続的な繰り返しで部品本体が形成されることにより、部品本体の胴体部にはビード領域が形成され、ノービード領域を有する境界部が胴体部から延びて端部フランジにつながる一体型構造で構成されることにより、胴体部のビード領域によって剛性を補強することができ、これと同時に境界部のノービード領域によって端部フランジの曲げ変形形成が円滑かつ容易になるようにする効果を有する。
【0016】
そして、本発明に係る衝突補強部品の製造方法は、素材の長さ方向に沿ってスタンピングロールを複数回回転圧迫させて、ロールスタンピングを連続的に繰り返すロールスタンピング段階が構成されることにより、長さ方向の形状変化が周期的に繰り返されるように部品を構成させながら長さが非常に長い部品をスタンピングロールの直径を増加せずとも製造することができ、併せて上述した境界部も容易に形成させることができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術によるシートクロスメンバを示した図面である。
【
図2】本発明による衝突補強部品を示した図面である。
【
図5】本発明による衝突補強部品の製造方法を示したフローチャートである。
【
図6】
図5の衝突補強部品の製造方法におけるロールスタンピング段階を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができるように好ましい実施例を詳細に説明する。但し、本発明の好ましい実施例を詳細に説明するに当たって、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。なお、類似した機能及び作用をする部分については、図面全体にわたって同一符号を付与する。なお、本明細書において、「上」、「上部」、「上面」、「下」、「下部」、「下面」、「側面」などの用語は図面を基準としたものであり、実際には構成要素が配置される方向によって変わることができる。
【0019】
なお、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の構成要素を挟んで「間接的に連結」されている場合も含まれる。さらに、ある構成要素を「含む」とは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0020】
図1は、従来技術によるシートクロスメンバを示した図面である。
【0021】
図面を参照すると、シートクロスメンバ10は、車両から衝突に備えた補強部品、すなわち衝突補強部品として車両の下部に構成される。
【0022】
このようなシートクロスメンバ10は、帽子状断面を有する形状として1つの単位部品で構成される。
【0023】
このようなシートクロスメンバ10は、長さ方向に沿った断面形状の変化がないことによって、ロールフォーミングで製造が可能である。すなわち、ロールフォーミング部品の両端に後加工でフランジ11を生成させることで、シールサイド20に溶接することができる。
【0024】
しかし、単に両側の側壁10aと平坦な上板10bのみで形成された構造によっては、衝突に備えた補強が不足する限界点がある。
【0025】
このような限界点を克服するために、図面には示されていないが、上板にビード(他の部分に比較して比較的上側に隆起した部分)が含まれたシートクロスメンバが製造されることができる。
【0026】
しかし、上板の全体に長さ方向に沿ってビードが形成された場合には、すなわち長さ方向の両端までビードが長く形成された場合には、製造過程において曲げ変形させるフランジの生成が非常に難しくなる。
【0027】
換言すると、シートクロスメンバの端部が単なる帽子状の断面ではなく、ビードにより複数回屈曲(折り曲げ)した断面の周縁を有する複雑な断面形状を有することによって、フランジ生成のために端部を曲げ変形させることが非常に難しくなる。
【0028】
したがって、シートクロスメンバの端部にのみビードがない単なる帽子状の断面構造を形成するために、シートクロスメンバを1つの単位部品ではなく複数個の単位部品で構成される。すなわち、ビードのある構造を有する単位部品とビードのない単なる帽子状の断面構造を有する別途の単位部品を互いに連結(溶接等で結合)することで、シートクロスメンバを作ることができる。
【0029】
しかし、このように端部にビードがない単なる帽子状の断面構造の場合、端部を曲げ変更させてフランジを生成するには容易であるが、一体型ではなく複数個の単位部品が結合されてシートクロスメンバが作られるようになると、単位部品同士が連結された部位(一例として溶接された部位)の剛性が他の部位に比べて比較的劣ることによって衝突補強部品として活用するには問題がある。
【0030】
図2は、本発明による衝突補強部品を示した図面であり、
図3は、
図2のAを示した拡大図であり、
図4は、
図2のBを示した拡大図である。
【0031】
図面を参照すると、本発明による衝突補強部品1000は、上述の問題を解決するために、端部にビード(他の部分と比較して比較的上側に隆起した部分)がない単なる断面構造を有する境界部120が構成され、このような境界部120は、他の部分とは別途の部材ではなく一体型構造で構成される。
【0032】
具体的には、本発明は部品本体100と端部フランジ200を含む。
【0033】
上記部品本体100は、素材にスタンピングロールが複数回回転圧迫するロールスタンピングの連続的な繰り返しによって形成される。
【0034】
このような方法により製造される部品本体100は、構造的に、長さ方向の両側のそれぞれに形成された側壁Sと、両側の側壁Sの上端を結ぶ上板Uを有する。
【0035】
そして、上記端部フランジ200は、部品本体100の長さ方向の両端部のそれぞれに曲げられて形成される。このような端部フランジ200は、一例として、シールサイドなどの他の部品に溶接される部分である。
【0036】
ここで、上記部品本体100は、胴体部110と、境界部120を含む。
【0037】
上記胴体部110は、上板Uに長さ方向に沿って形成されたビード111aを有する。
【0038】
また、上記境界部120は、胴体部110と端部フランジ200との継ぎ目部分として、胴体部110及び端部フランジ200と一体型である。
【0039】
このとき、境界部120の上板Uは、ビードが形成されていない平坦な構造をなす。このような境界部120は、実質的に長さがかなり短い部分であり、胴体部110と端部フランジ200との間の境界ラインのような部分である。
【0040】
さらに具体的には、上記胴体部110はビード領域111と、中間部ノービード領域112を含む。
【0041】
上記ビード領域111は、長さ方向に複数個が互いに離隔して位置し、上板Uにビード111aが形成される。すなわち、ビード領域111は長さ方向に長く形成されるが、中間に中間部ノービード領域112があるため、複数個が互いに離隔して位置する。一例として、図面に示されたように、2つが互いに離隔して配置されることができる。
【0042】
このように複数個が長さ方向に離隔配置されたビード領域111は、後述する部品製造方法で説明されるようにロールスタンピングで製造されることによって形成される。すなわち、スタンピングロールが素材を複数回回転圧迫させることにより、ビード111aが長さ方向に複数個離隔して形成される。
【0043】
さらに、上記ビード領域111は、ビード111aが上板Uに幅方向に複数個が互いに離隔して配置されることができる。このようにビード領域111が幅方向に複数個が離隔して配置されると、衝突補強部品1000の剛性を増大させる。
【0044】
また、上記中間部ノービード領域112は、複数個のビード領域111の間に位置し、上板Uが平坦な構造をとる。
【0045】
上述したように、胴体部110には、長さ方向にビード領域111が互いに離隔して配置され、このように離隔した部分である複数個のビード領域111の間に上板Uが平坦な中間部ノービード領域112が形成される。
【0046】
スタンピングロールには、ビード111aを形成させるための凹凸構造を有し、これと共に境界部120を形成させるために平坦な部分を有するが、スタンピングロールの大きさ(直径)が設置空間側面などの様々なことを考慮して適正な大きさ(直径)を有する場合、長さが長い衝突補強部品1000を製造するためには、複数回回転圧迫することにより、境界部120のように上板Uが平坦な中間部ノービード領域112が形成されるようになる。
【0047】
すなわち、上記中間部ノービード領域112のような構造によって、本発明の衝突補強部品1000は、スタンピングロールの複数回回転圧迫による製造方法によって実現されることができる。
【0048】
そして、上記境界部120は、部品本体100の長さ方向の両端部のそれぞれに位置し、上板Uが平坦な部分として胴体部110と端部フランジ200の境界ラインと同じ部分であり、端部フランジ200が曲げ形成時に円滑かつ容易に形成されることができるようにする。
【0049】
上記端部フランジ200は、曲げ変形される前に境界部120から一体型に延びた構造をとるが、境界部120が、ビードがない単なる帽子状の断面構造をとることにより、端部フランジ200に対する曲げ変形が円滑かつ容易に行われることができる。
【0050】
このように、本発明は、複数回転するスタンピングロールによる製造方式をとることによって、中間部ノービード領域112の長さ方向の長さは、境界部120と端部フランジ200を合わせた長さ方向の長さの2倍と同様であるか、2倍よりも大きい構造を成すようになる。
【0051】
長さが長い素材を有し、設定された長さを有する複数個の衝突補強部品1000を製造する際に、複数個の衝突補強部品1000になるように素材がロールスタンピングされた後にカッティングされて分かれるため、中間部ノービード領域112の長さが、上板Uが平坦な端部ノービード領域121である境界部120と端部フランジ200を合わせた長さの2倍にならなければならず、カッティング時に一部が損失されることもあるため、十分な端部フランジ200を形成させることを考慮して、2倍よりも大きい条件を取ることもできる。
【0052】
図5は、本発明による衝突補強部品の製造方法を示したフローチャートであり、
図6は、
図5の衝突補強部品の製造方法におけるロールスタンピング段階を示したフローチャートである。
【0053】
図2~
図4に基づいて、
図5及び
図6を参照すると、本発明による衝突補強部品の製造方法は、ロールスタンピング段階S100と、フランジ形成段階S200を含む。
【0054】
上記ロールスタンピング段階S100は、素材の長さ方向に沿ってスタンピングロールを複数回回転圧迫させてロールスタンピングを連続的に繰り返す段階である。
【0055】
また、上記フランジ形成段階S200は、ロールスタンピング段階S100の後に進行される段階であり、素材の両端部のそれぞれを曲げて端部フランジ200を形成させる段階である。
【0056】
長さ方向に長い形状の素材を用いてシートクロスメンバのような衝突補強部品を製造する際に、このようなロールスタンピング段階S100とフランジ形成段階S200を経て製品が完成される。
【0057】
ここで、上記ロールスタンピング段階S100では、素材に複数個のビード領域111と、複数個のビード領域111との間に中間部ノービード領域112を形成させ、両端部のそれぞれに端部ノービード領域121を形成させる。
【0058】
具体的には、上記ロールスタンピング段階S100は、全体折り曲げ工程S110、第1端部ノービード工程S120、ビード工程S130、中間部ノービード工程S130、及び第2端部ノービード工程S150を含む。
【0059】
上記全体折り曲げ工程S110では、素材にスタンピングロールを複数回圧迫回転しながら素材を折り曲げて両側の側壁S及び上板Uを形成させる。
【0060】
また、上記第1端部ノービード工程S120では、素材の長さ方向の一端部に平坦な上板Uを形成させて端部ノービード領域121を形成させる。
【0061】
そして、上記ビード工程S130では、素材の上板Uに複数個のビード111aを長さ方向に互いに離隔して形成させて複数個のビード領域111を形成させる。
【0062】
また、上記中間部ノービード工程S130では、複数個のビード111aの間に平坦な上板Uを形成させて中間部ノービード領域112を形成させる。
【0063】
また、上記第2端部ノービード工程S150では、素材の長さ方向の他端部に平坦な上板Uを形成させて端部ノービード領域121を形成させる。
【0064】
このとき、第1端部ノービード工程S120、ビード工程S130、中間部ノービード工程S130、及び第2端部ノービード工程S150は全体折り曲げ工程S110の過程で行われ、中間部ノービード工程S130は、ビード工程S130の過程で行われる。
【0065】
すなわち、スタンピングロールが素材を複数回回転圧迫しながら素材に両側の側壁Sと上板Uを形成させる過程で、順次第1端部ノービード工程S120、ビード工程S130、及び第2端部ノービード工程S150が行われ、このとき、ビード工程S130の過程で中間部ノービード工程S130が行われる。すなわち、スタンピングロールが素材を複数回回転圧迫する過程で第1端部ノービード工程S120、ビード工程S130、中間部ノービード工程S130、及び第2端部ノービード工程S150が行われる。
【0066】
そして、上記フランジ形成段階S200では、ロールスタンピング段階S100の後に上面が平坦な端部ノービード領域121を曲げて端部フランジ200を形成させる。
【0067】
一方、上記中間部ノービード領域112の長さ方向の長さは端部ノービード領域121の長さ方向の長さの2倍と同様であるか、2倍よりも大きいことができる。
【0068】
長さが長い素材を有し、設定された長さを有する複数個の衝突補強部品1000を製造する際に、複数個の衝突補強部品1000になるように、素材がロールスタンピング段階S100でロールスタンピングされた後にカッティングされて分かれるため、中間部ノービード領域112の長さが上板Uが平坦な端部ノービード領域121の長さの2倍にならなければならず、カッティング時に一部が損失されることもあるため、十分な端部フランジ200を形成させることを考慮して2倍よりも大きい条件をとることもできる。
【0069】
結果的に、本発明による衝突補強部品1000は、素材にスタンピングロールが複数回回転圧迫するロールスタンピングの連続的な繰り返しによって部品本体100が形成されることにより、部品本体100の胴体部110にはビード領域111が形成され、ノービード領域を有する境界部120が胴体部110から延びて端部フランジ200につながる一体型構造で構成されることによって、胴体部110のビード領域111によって剛性を補強することができ、これと同時に境界部120のノービード領域によって端部フランジ200の曲げ変形の形成が円滑かつ容易になるようにする。
【0070】
そして、本発明に係る衝突補強部品の製造方法は、素材の長さ方向に沿ってスタンピングロールを複数回回転圧迫させ、ロールスタンピングを連続的に繰り返すロールスタンピング段階S100が構成されることにより、長さ方向の形状変化が周期的に繰り返されるように部品を構成させながら、長さが非常に長い部品をスタンピングロールの直径を増加せずとも製造することができ、併せて上述された境界部120も容易に形成させることができる。
【0071】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施されることができるということが理解できる。それ故に、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0072】
100 部品本体 110 胴体部
111 ビード領域 111a ビード
112 中間部ノービード領域 120 境界部
121 端部ノービード領域 200 端部フランジ
1000 衝突補強部品 S 側壁
U 上板 S100 ロールスタンピング段階
S110 全体折り曲げ工程 S120 第1端部ノービード工程
S130 ビード工程 S140 中間部ビード工程
S150 第2端部ノービード工程
S200 フランジ形成段階
【国際調査報告】