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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】能動カメラレンズシステムフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/55 20230101AFI20241203BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20241203BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20241203BHJP
   G03B 7/18 20210101ALI20241203BHJP
【FI】
H04N23/55
G02F1/13 505
G03B11/00
G03B7/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531583
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022051102
(87)【国際公開番号】W WO2023097088
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】17/537,456
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517102248
【氏名又は名称】パナビジョン インターナショナル,エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン イオバンニ ガリンド
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ピー. ハグマイアー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル キース ササキ
(72)【発明者】
【氏名】ガイ ハミルトン マクヴィッカー
【テーマコード(参考)】
2H002
2H083
2H088
5C122
【Fターム(参考)】
2H002CC00
2H002FB39
2H002GA72
2H002GA77
2H002HA11
2H002JA08
2H083AA05
2H083AA15
2H083AA26
2H083AA32
2H083AA41
2H083AA52
2H083AA53
2H088EA33
2H088GA10
2H088GA13
2H088JA06
5C122DA03
5C122DA04
5C122EA42
5C122FB17
5C122FD01
5C122FD02
5C122FE01
5C122FF03
5C122FF08
5C122FF13
5C122GE01
5C122HB05
(57)【要約】
電子カメラフィルタは、カメラシステムと共に使用するために構成された電子ディスプレイを備え、中性濃度フィルタとして、カメラへの経路に対して異なるレベルの画像フィルタリングを提供する。電子ディスプレイはプログラム可能であり、カメラレンズのアイリス、フォーカス、ズーム、または露出計測定の異なる設定に関連する異なる所望のフィルタレベルを提供するために較正することができる。電子ディスプレイは、手動で較正されてもよく、または電子ディスプレイメモリに保存された較正情報またはその他の方法でダウンロードされた較正情報によって較正されてもよい。フィルタレベル設定をプログラムし較正する機能により、電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリス、フォーカス、ズーム、または露出計と同期して動作し、所望の組み合わせの、または相乗的な光学特性を提供することができる。電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリス、フォーカス、および/またはズームを制御するために使用されるのと同じコントローラによって、同期した動作を提供するように制御されてもよい。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラで使用するためのフィルタであって、
カメラに送られる画像をフィルタリングするためにカメラレンズシステムに取り付けられるように構成された電子ディスプレイであって、該電子ディスプレイが該カメラレンズのアイリスT絞り設定、該カメラレンズのフォーカス設定、該カメラレンズのズーム設定、および露出計の露光量測定値の少なくとも1つに較正されたフィルタレベル設定を有する、前記電子ディスプレイと、
該電子ディスプレイの該フィルタリングを電気的に制御するように構成されたコントローラと、
該コントローラを制御するための制御信号を受信するための受信手段と、
を備え、
該電子ディスプレイは、該カメラレンズのアイリス、該カメラレンズのフォーカス、該カメラレンズのズーム、および該露出計の少なくとも1つと同期して動作し、該それぞれの較正されたフィルタレベル設定に従って、異なるアイリスT絞り設定、異なるフォーカス設定、異なるズーム設定、および異なる露光量測定値の少なくとも1つに基づいてフィルタ設定を変更するように構成されている、前記フィルタ。
【請求項2】
前記電子ディスプレイが、前記画像をフィルタリングするための液晶を内部に含む、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記電子ディスプレイが、中性濃度フィルタであり、前記フィルタレベル設定が、異なる中性濃度レベルである、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記電子ディスプレイが、前記画像をフィルタリングするための1つ以上の有機発光ダイオードを内部に含む、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記電子ディスプレイに結合されたハウジングをさらに備え、前記コントローラおよび前記受信手段が該ハウジング内に配置されている、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記電子ディスプレイのためのフレームの少なくとも一部を構成する、請求項4に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズに結合するためのマットボックスに着脱可能に結合するように構成されている、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項8】
前記電子ディスプレイのフィルタレベル設定が、前記カメラレンズのアイリスT絞り設定に較正され、前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズのアイリスと同期して動作する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記電子ディスプレイのフィルタレベル設定が、前記カメラレンズのフォーカス設定に較正され、前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズのフォーカスと同期して動作する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記電子ディスプレイのフィルタレベル設定が、前記カメラレンズのアイリス設定に較正され、前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズのアイリスと同期して動作し、前記カメラレンズのアイリスが、前記カメラレンズのフォーカスと同期して動作する、請求項7に記載のフィルタ。
【請求項11】
前記電子ディスプレイのフィルタレベル設定が、前記露出計の前記露光量測定値に較正され、前記電子ディスプレイが、前記露出計と同期して動作する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記電子ディスプレイが、第1の部分と第2の部分とを含み、該第1の部分と該第2の部分の両方が光を通過させるように構成され、前記コントローラは、該第1の部分が前記画像をフィルタリングすると同時に該第2の部分が前記画像をフィルタリングしないように、前記電子ディスプレイの前記フィルタリングを電気的に制御するように構成されている、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記コントローラは、前記第2の部分が前記画像をフィルタリングすると同時に前記第1の部分が前記画像をフィルタリングしないように、前記電子ディスプレイの前記フィルタリングを電気的に制御するように構成されている、請求項12に記載のフィルタ。
【請求項14】
前記受信手段が、ワイヤレス信号受信機を備える、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項15】
前記受信手段が、シリアル入力ポートを備える、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項16】
前記フィルタが、前記カメラシレンズステムの物体側に取り付けられている、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項17】
カメラシステム用のフィルタであって、
該カメラシステムの光路内の該カメラシステムの一部に結合するように構成され、かつ該カメラシステム用の該電子ディスプレイを通過する画像をフィルタリングするように構成された電子ディスプレイであって、該電子ディスプレイが、該電子ディスプレイを通過する光に対して異なるレベルの中性濃度フィルタリングを提供できるように構成された液晶を含む、前記電子ディスプレイと、
カメラレンズの異なるアイリスT絞り設定、カメラレンズのフォーカス設定、カメラレンズのズーム設定、および露出計の露光量測定値の少なくとも1つに較正されている、異なるプログラムされた中性濃度フィルタ設定を保存する手段と、
該電子ディスプレイの該フィルタリングを制御するように構成されたコントローラと、
該コントローラを制御するための制御信号を受信するための受信手段と、
を備え、
該電子ディスプレイは、該カメラレンズのアイリス、該カメラレンズのフォーカス、該カメラレンズのズーム、および該露出計の少なくとも1つと同期して動作するように制御され、該それぞれの較正されたフィルタ設定に従って、異なるアイリスT絞り設定、異なるフォーカス設定、異なるズーム設定、および異なる露光量測定値の少なくとも1つに基づいて、該電子ディスプレイによって提供される該中性濃度レベルを変更する、前記フィルタ。
【請求項18】
前記フィルタが、前記カメラシステムのカメラレンズと前記カメラシステムの受像器との間で前記カメラシステムに結合するように構成されている、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項19】
前記フィルタが、前記カメラシステムの前記カメラレンズの物体側で前記カメラシステムに結合するように構成されている、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項20】
異なるアイリスT絞り設定、フォーカス設定、ズーム設定、および異なる露光量測定値の少なくとも1つに異なる中性濃度フィルタ設定を割り当てるようにフィルタをプログラムすることを可能にするように構成されたプロセッサをさらに含み、それによって前記較正されたフィルタ設定を提供する、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項21】
前記較正されたフィルタ設定が、前記カメラレンズのアイリスに較正され、前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズのアイリスと同期して動作する、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項22】
前記較正されたフィルタ設定が、前記カメラレンズのフォーカスに較正され、前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズのフォーカスと同期して動作する、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項23】
前記較正されたフィルタ設定が、前記カメラレンズのアイリスに較正され、前記電子ディスプレイが、前記カメラレンズのアイリスと同期して動作し、前記カメラレンズのフォーカスが、前記カメラレンズのアイリスと同期して動作する、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項24】
前記較正されたフィルタ設定が、前記露光量測定値に較正され、前記電子ディスプレイが、前記露出計と同期して動作する、請求項17に記載のフィルタ。
【請求項25】
カメラ、カメラレンズ、およびカメラシステムに結合された電子ディスプレイを含む該カメラシステムの画像をフィルタリングする方法であって、
該カメラレンズのアイリスT絞り設定、該カメラレンズのフォーカス設定、該カメラレンズのズーム設定、および露出計の露光量測定値の少なくとも1つで較正されているフィルタ設定を該電子ディスプレイデバイスに入力するステップと、
該電子ディスプレイで該カメラを通過する光の量をフィルタリングするステップであって、該フィルタリングするステップの間、該電子ディスプレイが、該カメラレンズのアイリス、該カメラレンズのフォーカス、該カメラレンズのズーム、および該露出計の少なくとも1つと同期して動作し、それぞれのカメラレンズのアイリス、カメラレンズのフォーカス、カメラレンズのズーム、および露出計に関連付けられた較正されたフィルタ設定を提供するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項26】
前記入力するステップが、アイリスT絞り設定、フォーカス設定、ズーム設定、および露光量測定値の少なくとも1つを、関連する電子ディスプレイフィルタ設定でプログラミングするステップを含み、これによって前記較正されたフィルタ設定を生成する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記フィルタリングするステップが、前記電子ディスプレイデバイス内の液晶によって提供され、中性濃度フィルタリングを提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記電子ディスプレイデバイスが、前記カメラレンズのアイリスと同期して動作し、前記フィルタリングするステップの間、前記電子デバイスが、前記カメラレンズのアイリス設定で較正されるフィルタ設定を提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記電子ディスプレイデバイスが、前記カメラレンズのフォーカスと同期して動作し、前記フィルタリングするステップの間、前記電子デバイスが、前記カメラレンズのフォーカスで較正されるフィルタ設定を提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記電子ディスプレイデバイスが、前記カメラレンズのフォーカスと同期して動作する前記カメラレンズのアイリスと同期して動作し、前記フィルタリングするステップの間、前記電子デバイスが、前記カメラレンズのアイリスで較正されるフィルタ設定を提供する、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記電子ディスプレイデバイスが、前記露出計と同期して動作し、前記フィルタリングするステップの間、前記電子デバイスが、前記露出計で較正されるフィルタ設定を提供する、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本特許出願は、2018年4月13日に出願された米国仮出願第62/657,574号の利益を主張する、2019年4月11日に出願された米国特許出願第16/381,433号の継続出願(現在の米国特許第11,184,510号)である、2021年11月23日に出願された米国特許出願第17,534,318号の一部継続出願である、2021年11月29日に出願された米国特許出願第17/537,456号に基づき、その優先権を主張するものであり、これらの特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
(背景)
カメラ用のフィルタは、カメラに入射する光の量を減らしたり、他の光学効果(画像の色を変化させるなど)を生成するのに使用される。これらのフィルタは、フィルタによって生成される光学効果を変化させるために手作業で交換する必要がある。映画製作においては、撮影中にフィルタを手作業で交換することはできない。また、撮影の合間にフィルタを交換する手間がかかることで、映画制作のコストが高くなってしまうこともある。例えば、カメラが高いクレーンに設置されている場合、手作業でフィルタを交換するためにはクレーンを下げる必要がある。
【0003】
また、映画制作において、特定の撮影に要求されるフィルタリングのレベルまたは量は、カメラまたはレンズの特定の設定によって変化し得る。この設定には、カメラレンズの絞りまたはアイリスの設定、カメラレンズのズームの設定、カメラレンズのフォーカスの設定、および/またはカメラまたは撮影される対象物の周囲の照明が含まれ得るが、これらに限定されない。従って、これらの設定を変更すると、ユーザはしばしば、そのような設定の変更に対応するためにフィルタを変更することになる。
【0004】
そのため、手作業でフィルタを交換する必要がなく、カメラのフィルタリングを変化させる、より効率的な方法が必要となる。さらに、使用中に1つ以上のカメラシステムまたはカメラレンズの設定に加えられた変更に基づいてフィルタリングの変更を可能にするため、手動でフィルタを交換することなく、カメラのフィルタリングレベルを変更する、より効率的な方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
(概要)
本開示は、カメラシステム、またはカメラレンズ、または露出計のようなカメラに付随する物体とマッチング、ペアリング、または較正されるように構成されている電子ディスプレイを提供することにより、上記のニーズに対処するものであり、例えば、中性濃度フィルタとして機能する場合、カメラシステム、レンズシステム、またはカメラに付随する物体に変更が加えられたときに、そのような較正されたフィルタレベルを提供し、それによって電子ディスプレイとカメラシステム、レンズシステム、または付随する物体との間の同期された動作を提供する。
【0006】
一例では、本明細書で開示される電子ディスプレイは、カメラレンズシステムに取り付けられるように構成され、カメラに通過する画像をフィルタリングするように構成される。一例では、フィルタは、カメラシレンズステムの物体側に取り付けられる。一例では、フィルタは、カメラとカメラレンズシステムの間に介在するか、またはカメラレンズシステムの異なる要素の間に介在してもよく、またはカメラ内に介在してもよい。一例では、フィルタは、カメラレンズとカメラシステムの受像器との間でカメラシステムに結合され得る。一例では、電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリスT絞り設定、カメラレンズのフォーカス設定、カメラレンズのズーム設定、および露出計の露光量測定値の少なくとも1つに、ユーザプログラミングなどによって較正されたフィルタレベル設定を備える。一例では、電子ディスプレイは、電子ディスプレイのフィルタリングを電気的に制御するように構成されたコントローラを備える。電子ディスプレイは、コントローラを制御するための制御信号を受信するための受信手段も備える。一例では、受信手段は、ワイヤレス信号受信機を備える。一例では、受信手段は、それとのケーブル接続によって制御信号を受信するためのシリアル入力ポートを備える。
【0007】
一例では、電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリス、カメラレンズのフォーカス、カメラレンズのズーム、および露出計の少なくとも1つの動作と同期して動作し、それぞれの較正されたフィルタ設定に従って、異なるアイリスT絞り設定、異なるフォーカス設定、異なるズーム設定、および異なる露光量測定値の少なくとも1つに基づいて、フィルタ設定を較正された設定に変更するように構成されている。このように構成すると、電子ディスプレイのフィルタレベルが異なるカメラレンズ要素または対象物の設定に較正されると、電子ディスプレイとカメラレンズ要素または対象物は、異なるカメラレンズ要素または対象物の設定にマッチングされた、較正されたフィルタレベルを提供する電子ディスプレイと同期して動作することができる。
【0008】
一例では、電子ディスプレイが、画像をフィルタリングするための液晶を内部に備える。このような例では、電子ディスプレイは、中性濃度フィルタであり、較正されるフィルタ設定は、異なる中性濃度レベルである。一例では、電子ディスプレイが、画像をフィルタリングするための1つ以上の有機発光ダイオードを内部に含む。一例では、電子ディスプレイは、それに結合されたハウジングを備え、コントローラと受信手段は、ハウジング内に配置される。一例では、ハウジングが、電子ディスプレイのためのフレームの少なくとも一部を構成する。一例では、電子ディスプレイが、カメラレンズに結合するためのマットボックスに着脱可能に結合するように構成されている。あるいは、電子ディスプレイは、異なるカメラレンズ要素またはセクション間、カメラレンズとカメラ間(例えば、レンズの後ろ、またはカメラ内/内部)に結合または装着可能に構成されたハウジング備えてもよい。
【0009】
一例では、電子ディスプレイのフィルタ設定が、カメラレンズのアイリスT絞り設定に較正され、電子ディスプレイが、カメラレンズのアイリスと同期して動作する。一例では、電子ディスプレイのフィルタ設定が、カメラレンズのフォーカス設定に較正され、電子ディスプレイが、カメラレンズのフォーカスと同期して動作する。一例では、電子ディスプレイのフィルタ設定が、カメラレンズのズーム設定に較正され、電子ディスプレイが、カメラレンズのズームと同期して動作する。一例では、電子ディスプレイのフィルタ設定が、カメラレンズのアイリス設定に較正され、電子ディスプレイが、カメラレンズのアイリスと同期して動作し、カメラレンズのアイリスが、カメラレンズのフォーカスと同期して動作する。一例では、電子ディスプレイは、アイリス、フォーカス、およびズームのいずれか1つで較正され、較正されるアイリス、フォーカス、およびズームと同期して動作するが、電子ディスプレイと較正されないアイリス、フォーカス、ズームの他の1つ以上は、較正されたレンズ要素と同期して動作してもよい。一例では、電子ディスプレイのフィルタ設定が、露出計の露光量測定値に較正され、電子ディスプレイが、露出計と同期して動作する。
【0010】
一例では、電子ディスプレイが、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分と第2の部分の両方が光を通過させるように構成され、コントローラは、第1の部分が画像をフィルタリングすると同時に第2の部分が画像をフィルタリングしないように、電子ディスプレイのフィルタリングを電気的に制御するように構成されている。一例では、コントローラは、第2の部分が画像をフィルタリングすると同時に第1の部分が画像をフィルタリングしないように、電子ディスプレイのフィルタリングを電気的に制御するように構成されている。
【0011】
一例では、電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリスT絞り設定、カメラレンズのフォーカス設定、カメラレンズのズーム設定、および露出計の露光量測定値の少なくとも1つで電子ディスプレイのフィルタ設定を較正することにより、カメラシステムの画像の光をフィルタリングする。一例では、電子ディスプレイは、電子的に制御されて光をフィルタリングする液晶を備え、電子ディスプレイを可変中性濃度フィルタとして機能させることができる。一例では、較正ステップは、電子ディスプレイ上のユーザ入力を使用して、または電子ディスプレイのメモリに保存されるか、または電子ディスプレイのメモリにダウンロードされる事前にプログラムされた較正設定によって実行され得る。一例では、電子ディスプレイデバイスは、較正された事前設定されたフィルタレベルを備えてもよく、または較正された未設定のフィルタレベルの範囲を備えてもよい。一例では、電子ディスプレイは、較正中に所望される特定のフィルタレベルに対応するために、必要に応じて微調整または変更することができる現在のフィルタレベルを備えてもよい。較正ステップが実行されると、電子ディスプレイは、アイリス、フォーカス、ズーム、または露出計と同期して動作するように制御され、アイリス、フォーカス、ズーム、または露出計の変更によって較正されたフィルタレベルを提供し、カメラへの画像の経路に対して所望の度合いのフィルタリングを提供することができる。一例では、ユーザコントローラは、カメラレンズのアイリス、カメラレンズのフォーカス、カメラレンズのズーム、および露出計の少なくとも1つとの電子ディスプレイの同期動作を容易にする。
【0012】
このように構成すると、電子ディスプレイは、較正され、カメラレンズ要素設定または補助カメラシステム対象物の特定の変化に対して微調整され得る所望のレベルの性能(例えば、光フィルタリング)を提供し、較正されたカメラレンズ要素または補助対象物との電子ディスプレイの同期動作を容易にし、それにより、カメラレンズ設定の変更中にフィルタを交換する必要性、またはカメラレンズ設定の変更中にフィルタの設定を手動で変更する必要性を回避し、操作の柔軟性およびカメラ操作効率を向上させる。さらに、変更されたカメラレンズ設定に関連する所望の較正されたレベルの光フィルタリングを提供する機能は、他の方法では不可能であった、または容易に利用できなかった所望の組み合わせ、または相乗的な光学特性をその場で提供し、それにより、そのような機能を含むカメラシステムのユーザにとって、利用可能な光学特性の範囲が大幅に拡大される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
(図面の簡単な説明)
本明細書で開示されるシステム、装置、及び方法の特徴及び利点は、明細書、特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによりさらに深く理解されることが分かるであろう。
【0014】
図1】本開示の実施形態に係るフィルタの正面図を示す。
【0015】
図2図1に示したフィルタとは異なるフィルタリングを有する、図1に示したフィルタの正面図を示す。
【0016】
図3図1に示したフィルタとは異なるフィルタリングを有する、図1に示したフィルタの正面図を示す。
【0017】
図4】本開示の実施形態に係る制御端末の制御インターフェースの正面図を示す。
【0018】
図5図5A、5B、および5Cは、それぞれ、本開示の実施形態に係る入力の拡大図を示す。
【0019】
図6A】本開示の実施形態に係る、液晶が利用された電子ディスプレイの一部の正面視分解斜視図を示す。
【0020】
図6B】本開示の実施形態に係る、有機発光ダイオードが利用された電子ディスプレイの一部の正面視分解斜視図を示す。
【0021】
図6C】本開示の実施形態に係る、液晶が利用された電子ディスプレイの正面図であり、液晶が1つの動作状態にあるときを示している。
【0022】
図6D】本開示の実施形態に係る、液晶が利用された図6Cの電子ディスプレイであり、液晶が第2の動作状態にあるときを示している。
【0023】
図7A】本開示の実施形態に係るフィルタリングを実行する電子ディスプレイの正面斜視図を示す。
【0024】
図7B】本開示の実施形態に係るフィルタリングを実行する電子ディスプレイの正面斜視図を示す。
【0025】
図7C】本開示の実施形態に係る、1つ以上の有機発光ダイオードのパネルと組み合わせて利用される液晶のパネルの正面斜視図を示す。
【0026】
図8】本開示の実施形態に係るカメラシステムの側面図を示す。
【0027】
図9】本開示の実施形態に係るカメラシステムの正面斜視図を示す。
【0028】
図10】本開示の実施形態に係るカメラシステムの側面図を示す。
【0029】
図11】本開示の実施形態に係る、モバイルデバイスのカメラと組み合わせて使用するための電子ディスプレイの拡大図を示す。
【0030】
図12】本明細書で開示される例示的な電子ディスプレイの部分斜視図を示す。
【0031】
図13】例示的なユーザコントローラによって操作される、本明細書で開示される例示的な電子ディスプレイを含む例示的なカメラシステムの概略図を示す。
【0032】
図14】例示的な露出計と共に使用される、本明細書で開示される例示的な電子ディスプレイを含む例示的なカメラシステムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(詳細な説明)
図1は、本開示の実施形態に係るフィルタ10の正面図を示す。フィルタ10は、好ましくは、カメラシステムの一部としてのカメラレンズと一緒に使用するためのものである。フィルタ10は、電子ディスプレイ12を含んでもよく、ハウジング14を含んでもよい。フィルタ10は、コントローラ16、電源18、および入力20を含んでもよい。
【0034】
電子ディスプレイ12は、透明(光学的に光透過性)であってもよく、可視光を透過することができる。電子ディスプレイ12は、電子ディスプレイ12のフィルタリングが電子的に制御されるように構成されていてもよい。電子ディスプレイ12は、カメラレンズのために電子ディスプレイ12の物体側の画像をフィルタリングするように構成されていてもよい。フィルタリングは、様々な方法で行うことができ、電子ディスプレイ12を透過する光の量を減らしたり、電子ディスプレイ12を透過する光の色を変化させたり、もしくは透過する光の特性を変化させたりすることを含んでもよい。例えば、フィルタリングは、電子ディスプレイ12を透過した光を拡散させたり、電子ディスプレイ12を透過した光を様々な方向に広げたりすることによって、電子ディスプレイ12の物体側の画像をフィルタリングすることによって、様々な効果を引き起こすことができる。フィルタリングは、電子ディスプレイ12の物体側の画像を重畳して表示する電子ディスプレイ12から光を出射することによって行われてもよい。出射光は、カメラレンズによって受光される光の色や量(強度)を変化させてもよい。
【0035】
電子ディスプレイ12は、1つ以上の画素(図6A中、符号22として示され、図6B中、符号24として示される)を含んでいてもよい。複数の画素が利用される場合、画素の配列が提供されてもよい。他の実施形態では、単一ピクセル(または1x1ピクセル配列)が利用されてもよい。電子ディスプレイ12は、電子ディスプレイ12に含まれる液晶を利用して、画像のフィルタリング処理を行ってもよい。また、電子ディスプレイ12は、画像をフィルタリングするために、電子ディスプレイ12に含まれる有機発光ダイオードを利用してもよい。他の実施形態では、電子ディスプレイの他の形態が利用されてもよい。例えば、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、量子ドット等を利用してもよい。カメラで使用するために画像をフィルタリングする目的で調整することが可能な電子技術のすべての形態が、本明細書に開示されるような電子ディスプレイの範囲に含まれることが理解されよう。
【0036】
電子ディスプレイ12は、前面26と、背面(前面に対向する)とを有してもよく、1つ以上の側面28を含んでもよい。図1では、4つの側面が示されている。ハウジング14は、電子ディスプレイ12の一側面に配置され、フィルタ10の境界を形成してもよい。1つの実施形態では、境界は、電子ディスプレイ12の全体を囲むように延びてもよく、電子ディスプレイ12のための枠を形成してもよい。ハウジング14は、フレームの一部を構成してもよく、フレームは、電子ディスプレイ12の全部または一部の周りに延びていてもよい。
【0037】
フィルタ10は、マットボックスの標準的なフィルタスロットに収まるようなサイズであってもよい。フィルタ10は、カメラ用のサイズであってもよいし、映画撮影カメラ用のサイズであってもよい。フィルタ10は、矩形状の形状を有していてもよい。1つの実施形態では、フィルタ10は、垂直方向の寸法が約4インチ、水平方向の寸法が約5.65インチの大きさであってもよい。1つの実施形態では、フィルタ10は、垂直方向の寸法が約6インチ、水平方向の寸法が約6インチの大きさであってもよい。フィルタ10は、厚さ約4ミリの大きさであってもよい。他の実施形態では、フィルタ10のサイズは変更されてもよい。1つの実施形態では、フィルタ10の寸法は、水平方向または垂直方向の寸法が7インチを超えないように構成されてもよい。1つの実施形態では、フィルタ10は、水平方向または垂直方向の寸法が6.5インチを超えないように構成されてもよい。1つの実施形態では、フィルタ10の厚さは、10ミリメートルを超えない大きさであってもよい。1つの実施形態では、電子ディスプレイ12は、水平方向または垂直方向の寸法が7インチを超えない大きさを有してもよく、あるいは水平方向または垂直方向の寸法が6.5インチを超えない大きさを有してもよい。1つの実施形態では、電子ディスプレイ12は、水平方向または垂直方向の寸法が140ミリメートルを超えない大きさを有してもよい。フィルタ10および電子ディスプレイ12のサイズは、好ましくは、フィルタ10がカメラレンズと一緒に使用できるように、カメラレンズのサイズを考慮して設定され、そのサイズは、特定のタイプのカメラおよびカメラ用アプリケーションに応じて変化することが理解される。
【0038】
1つの実施形態では、フィルタ10および電子ディスプレイ12の形状は、図1に示す形状から変更されてもよい。例えば、丸形や円形、正方形などの他の形状を利用してもよい。例えば、フィルタ10および電子ディスプレイ12は、カメラレンズ要素間、カメラレンズとカメラ間、またはカメラ内に装着するように構成することができる。
【0039】
電子ディスプレイ12は、光が通過するためのフィルタ10の一部を構成している。ハウジング14およびフィルタ10の他の電気部品は、ハウジング14および他の電気部品がカメラレンズによって撮像される画像の視野を妨げないように、フィルタ10の視野開口の外側に配置されていることが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、ハウジング14および電気部品は、視野開口内にあってもよい。例えば、ハウジング14および/または電気部品は、それらの存在によって画像の視野が妨げられないように、透明であってもよい。
【0040】
コントローラ16は、電子ディスプレイ12のフィルタリングを電気的に制御するために使用されてもよい。コントローラ16は、電子ディスプレイ12に電気的に結合されていてもよい。コントローラ16は、電子ディスプレイ12のフィルタリングを制御するためのマイクロプロセッサ等を含んでもよい。コントローラ16は、電子ディスプレイ12の特性を変化させてフィルタリングを電気的に制御してもよい。例えば、コントローラ16は、電子ディスプレイ12を透過する光の量を変化させてもよく、光の色を変化させてもよく、また電子ディスプレイ12から画像を変化させる光を出射させてもよい。コントローラは、使用されている電子技術の特定のタイプに応じて、電子ディスプレイの1つ以上の特性を変化させる目的で有用なように、異なる構成となることが理解されよう。図1に示す実施形態では、コントローラ16は、ハウジング14内に配置されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、コントローラ16は、電子ディスプレイ12とは別個に配置されていてもよい。例えば、コントローラは、レンズシステムの一部であってもよく、電子ディスプレイ12がレンズシステムに結合するときに、電子ディスプレイ12に装着されてもよい。また、コントローラ16は、レンズシステムから離れて配置されてもよく、もしくは、電子ディスプレイ12と通信してディスプレイ12を制御してもよい。コントローラ16は、電気回路(不図示)を介して電子ディスプレイ12と電気的に接続されてもよい。電気回路は、電子ディスプレイ12を通過した画像に写り込まないように透明であってもよい。
【0041】
電源18は、フィルタ10の電気部品に電力を供給するために使用されてもよい。電源は、図1に示すように、ハウジング14内に配置されてもよく、他の実施形態では、フィルタ10から離れて配置されてもよい。例えば、電源18は、レンズシステムの一部であってもよく、フィルタ10がレンズシステムに結合するときに、フィルタ10に装着されてもよい。他の実施形態では、電源18は、レンズシステムから離れて配置されてもよい。電源18は、電池、コンデンサ、太陽電池、ACまたはDC電源、外部エネルギーを受信するためのプラグ、他の形態の電源を備えてもよい。1つの実施形態では、電源18は、誘導送信機(誘導コイルまたは他の形態の送信機など)から誘導エネルギーを受信するための誘導受信機(誘導コイルまたは他の形態の受信機など)を備えてもよい。誘導受信機は、誘導送信器に近接して配置されてもよく、フィルタ10に電力を供給するため、またはフィルタ10のバッテリまたは他の蓄電装置を充電するためのエネルギーを無線で受信してもよい。1つの実施形態では、例えば、電源18が透明である実施形態においては、電源18は、電子ディスプレイ12の視野開口内に配置されてもよい。
【0042】
入力20は、コントローラ16を制御するためのコントロールを受信するためのものであってもよい。入力20は、図1に示すように、ハウジング14内に配置されてもよいし、コントローラ16または電源18と同様、ハウジング14から離れて配置されてもよい。例えば、入力20は、レンズシステムの一部であってもよく、フィルタ10がレンズシステムに結合するときに、フィルタ10に装着されてもよい。他の実施形態では、入力20は、レンズシステムから離れて配置されてもよい。入力20は、無線信号受信機を備えてもよい。入力20は、Wi-Fi、Bluetooth、ピアツーピア接続、セルラー接続、無線接続、または他の形態の無線信号通信を介して無線信号を受信するように動作してもよい。1つの実施形態では、入力20は、コントロールを受信するために物理的に接続する有線接続を備えてもよい。例えば、有線接続により、カメラシステムの操作者が電子ディスプレイ12を制御することができるようにしてもよい。有線接続は、コントロールを受信するプラグ等の有線接続を備えてもよい。1つの実施形態では、入力20は、ユーザが制御を提供することを可能にする手動入力(ノブ、ボタン、スライダ、または他の形態の入力など)を備えてもよい。また、他の形態の入力20を利用してもよい。入力20が受信するコントロールは、様々な形態を有することができ、制御信号、手動入力、または他の形態のコントロールから構成されていてもよい。コントロールは、無線(または有線接続)で提供されてもよい。コントロールは、コントローラ16を制御するためのコマンドであってもよい。
【0043】
入力20は、制御端末30と接続されてもよい。制御端末30は、入力20と無線で通信するリモート端末を構成してもよい。制御端末30は、入力20にコントロールを送信するように構成されてもよく、入力20からフィルタ10の状態に関する情報を受信するように構成されてもよい。このように、入力20は、受信機だけでなく、送信機を構成してもよい。1つの実施形態では、制御端末30は、有線接続を介して入力20と通信してもよい。制御端末30は、コンピュータ、タブレット、スマートフォンなどから構成されてもよく、他の形態の端末装置から構成されてもよい。制御端末30は、フィルタ10専用のコントローラを構成してもよい。制御端末30は、例えば、フィルタ10が利用されるレンズシステムまたはカメラシステムの一部であってもよい。
【0044】
制御端末30は、電子ディスプレイ12のフィルタリングを設定または制御するために利用されてもよい。制御端末30は、ユーザが電子ディスプレイ12のフィルタリングを設定または制御するために利用される制御インターフェースを有していてもよい。例えば、制御インターフェースは、電子ディスプレイ12のフィルタリングを設定または制御するために使用されるソフトウェアアプリケーション(または「アプリ」)の一部であってもよい。また、制御インターフェースは、フィルタ10の状態に関して受信した情報を表示してもよい。図4は、例えば、タブレットの形態の制御端末30を示している。ディスプレイ31は、カメラで受信した画像を表示してもよい。制御端末30は、タッチスクリーンの形態の制御インターフェースを利用してもよい。制御インターフェースは、フィルタ10のフィルタリングの色、明るさ、または他の形態を変化させることができる、タッチスライダなどのインターフェースコントロール33を含んでもよい。1つの実施形態では、ユーザは、フィルタリングが行われるべき画像の位置を示すために、制御インターフェースの特定の部分にタッチしてもよい。例えば、ユーザは、雲34を囲ったりタッチするなどして、雲のみのフィルタリングが変化するように選択してもよい。ユーザは、フィルタリングを行うために、または異なるタイプのフィルタリングを行うために、画像全体または画像の一部を選択してもよい。他の形態の制御インターフェースおよびインターフェースコントロール33が利用されてもよい。
【0045】
一例では、電子ディスプレイは、カメラシステム、カメラレンズ、またはカメラレンズシステムと共に使用するように構成された再プログラム可能な電子ディスプレイである。電子ディスプレイは、カメラレンズの前方(すなわち、レンズ前方の構成)に使用および配置されるように構成されるが、以下に説明するように、本明細書で開示される電子ディスプレイは、リレーシステム、または光線路がシーケンシャルサイクルから迂回する任意の非シーケンシャル光学系の中間像で構成されてもよい。したがって、本明細書で開示される電子ディスプレイは、代替的に、カメラレンズの後方、例えば、カメラレンズシステムに介在して、またはカメラレンズシステムとカメラとの間に介在して使用され得ることを理解されたい。
【0046】
他の実施形態では、電子ディスプレイ12のフィルタリングを設定または制御するために、他の形態のソフトウェアが使用されてもよい。他の制御インターフェースを利用してもよい。例えば、標準的なキーパッド、または一連のボタンやノブを制御インターフェースとして利用してもよい。ユーザは、電子ディスプレイのフィルタリングの所望のプロパティを設定してもよいし、他の形態の制御と共に、電子ディスプレイ12が実行する変動フィルタリングシーケンスを選択してもよい。
【0047】
図5A-5Cは、本明細書に開示されたフィルタで利用され得る、他の入力の形態を示している。図5Aでは、1つ以上のボタンの形態の入力35がフィルタの本体に設けられていてもよい。ユーザは、ボタンを押すことにより、コントローラを制御するため、またはフィルタをプログラムするための制御入力を入力35に受信させることができる。図5Bでは、スライダの形態の入力37がフィルタの本体に設けられていてもよい。一例では、フィルタは、例えば、中性濃度フィルタとして機能するように構成されている場合、ユーザがフィルタリングのレベルを調整または微調整することを可能にする単一のボタン、一連のボタン、および/またはスライダーもしくはスクロールホイールを含むことができる。一例では、電子ディスプレイは、事前設定されたフィルタリングレベルを有するようにプログラムされてもよい。一例では、電子ディスプレイは、このようなユーザ入力によってアクセス可能な6つの事前設定されたフィルタリングレベルを有してもよい。一例では、レベルは、ND 0.3、ND 0.6、ND 0.9、ND 1.2、ND 1.5、およびND 1.8である。中性濃度フィルタとしての特定の事前設定されたフィルタリングレベルが提供されているが、本明細書で開示されるような電子ディスプレイは、6つとは異なる数の事前設定されたフィルタリングレベルを提供するように構成されてもよく、各事前設定に関連するフィルタリングレベルは、提供される例とは異なってもよいことを理解されたい。さらに、事前設定されたフィルタリングレベルが開示されているが、電子ディスプレイは、事前設定されたまたは固定されたフィルタリングレベル間の段階的な変更の代わりに、各特定のカメラの使用または撮影のために微調整されたフィルタリングの完全にカスタマイズされたレベルをユーザに提供する目的で、スケーリングされたフィルタリングレベル、勾配フィルタリングレベル、または漸次フィルタリングレベルを提供するようにプログラムまたは構成されてもよいことを理解されたい。図12を参照すると、一例では、電子ディスプレイ100は、カスタムフィルタリングレベルおよび/またはフィルタリングレベルの微調整を提供するためのより高度な制御を可能にするために、段階的または勾配レベルフィルタリングを提供するために、所望のフィルタリングレベルの程度に段階的または勾配的な微調整を可能にする(上述したように)ユーザインタフェースとして、ボタン102および104の両方、およびスクロールホイール106を備えてもよい。ユーザは、スライダをスライドさせることにより、入力37にコントローラを制御するためのコントロールを受信させることができる。図5Cでは、制御端末41に結合されたコード39の形態の入力がフィルタに結合されてもよい。コード39は、シリアル入力など、電子ディスプレイの入力に着脱可能に挿入することができる。ユーザは、コントローラの制御やフィルタの動作を制御するための制御端末41を介してコントロールを入力してもよい。
【0048】
一例では、電子ディスプレイは、異なるタイプのレンズおよび/またはカメラでの使用を可能にするために、および/または、特定の撮影または撮影環境に要求される、同じカメラ/またはレンズで電子ディスプレイが異なって機能することを可能にするために、電子ディスプレイを適合させる目的で、再プログラム可能であり得るオンボードプロセッサおよびメモリ(図示せず)を備えて構成される。一例では、電子ディスプレイは、電子ディスプレイ自体へのユーザ入力によって再プログラムされるように構成されてもよく、またこれはワイヤレスで実行されてもよく、また電子ディスプレイ上のシリアルポートなどの接続ポートを介した有線電子接続によって実行されてもよい。図12を参照すると、例示的な電子ディスプレイ100は、電子ディスプレイをプログラムするため、電子ディスプレイを操作するため(例えば、電子ディスプレイによって生成されるフィルタリングレベルを変更するため)、および/または適切な電源から電子ディスプレイに電力を供給するために、ケーブルなどとの接続に対応するように構成されるインレットポート108(例えば、シリアルインレットポート)を備える。一例では、電子ディスプレイが、電子ディスプレイをリモートで制御および/または再プログラムおよび/または給電できるように構成されているシリアルポート接続108を有することが望まれる。一例では、電子ディスプレイは、上述のように再プログラム可能に構成され、電子ディスプレイを制御する目的でシリアル出力を生成する任意の適切なシステムとの使用を容易にするように構成され、これには、シリアルポートと接続される外部ドングルなどを使用して電子ディスプレイにワイヤレスでコマンド/送信を注入することが含まれるが、これに限定されない。
【0049】
一例では、電子ディスプレイプロセッサおよびメモリは、特定の撮影に使用するために電子ディスプレイを適合させるカスタムソフトウェアをプログラミングするために、現場での電子ディスプレイの再プログラミングを可能にするように構成されたブートローダなどを備えてもよい。このような例では、電子ディスプレイは、その後、現場でデフォルトのソフトウェアで再プログラムすることができる。このように構成すると、現場でカスタムソフトウェアで再プログラムする機能を提供して、電子ディスプレイの適応性と柔軟性を大幅に拡大し、多様なカメラ使用アプリケーションに対応する(この場合も、電子ディスプレイをカメラとの接続から切り替えたり、または取り外したりする必要はない)。
【0050】
1つの実施形態では、電子ディスプレイは、カメラシステムのレンズコントローラに結合されることによって操作され得る。例えば、有用であれば、あるいは望まれるのであれば、入力は、電子ディスプレイのフィルタリングがカメラレンズのアイリス、フォーカス、ズーム、またはカメラレンズの他の光学的特徴、またはカメラまたは撮影対象物の近くの照明状態の変化に応じて変化するように構成することができる。これは、カメラシステム等のレンズコントローラとのコード接続または他の形態の接続(例えば、ワイヤレス通信等)を通して生じる可能性がある。
【0051】
カメラレンズのアイリスに同期した電子ディスプレイ- 1つの実施形態では、電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリスの変化に応じてフィルタリングの度合いを変化させるように構成することができる。このような実施形態では、電子ディスプレイは、アイリスの動きが電子ディスプレイによって提供されるフィルタリングの度合いに所望の変化をもたらすようにアイリスに同期している。一例では、アイリスおよび関連する電子ディスプレイの動きは、Preston MDR-3フォーカス/アイリスコントローラなどの携帯型制御装置またはコントローラ(図13に示す)によってワイヤレスで制御することができる。特定のタイプのカメラレンズ制御装置が開示されているが、他のタイプの制御装置も使用できることを理解されたい。一例では、このコントローラは、電子ディスプレイをアイリスとは別に操作するように構成されてもよく、アイリスおよび電子ディスプレイに送信される制御コマンドによって、アイリスと同期するように電子ディスプレイを制御するように構成されてもよく、例えば、アイリスおよび電子ディスプレイは、コントローラの同じ制御チャネル上で操作される。
【0052】
一例では、電子フィルタがアイリスの変化に同期して変化する中性濃度フィルタとして機能する場合、電子ディスプレイがアイリスの異なるT絞り設定と所望のNDレベルをマッチングさせるように特別にプログラムされ、それによって異なるアイリス設定にマッチングする被写界深度(DF)ランプモード設定を提供することが望まれる。一例では、アイリス絞り設定による較正のための、デフォルトのプログラム可能な電子ディスプレイ設定は、連続する5つの中性濃度設定である。このような例では、中性濃度設定は、ND 0.6で始まる。値は、ND 0.6(2絞り)、ND 0.9(3絞り)、ND 1.2(4絞り)、ND 1.5(5絞り)、ND 1.8(6絞り)である。一例では、これらの中性濃度値は、ユーザによってアイリスの所望の絞り設定にマッチングされる。ユーザは、アイリス絞り設定の範囲全体で一定レベルの露出を維持するために、これらをマッチングさせる。これにより、(電子ディスプレイの同期動作によって)一定レベルの露出を維持しながら、アイリス絞りを変化させることによって、浅い被写界深度(アイリスの小さい絞り)から大きい被写界深度(大きい絞り)まで変化させることができる。
【0053】
電子ディスプレイをカメラレンズのアイリスで較正するために、既存の電子ディスプレイの中性濃度設定は、デフォルトまたは以前に保存された設定を消去することによって変更され、これは、ボタン等の押下によってユーザが電子ディスプレイに入力することで行うことができる。図12を参照すると、一例では、電子ディスプレイ100が通常モードにある間、ユーザが内側矢印ボタン102を一定時間(例えば、約3秒間)押下し続けることによって、デフォルトの電子ディスプレイ設定が消去される。一例では、電子ディスプレイは、例えば、1つ以上のライト110の形態の視覚インジケータを有する。デフォルトの電子ディスプレイス設定が消去されると、例えば、3秒後に、1つ以上のライト110は、消去が完了したことを示すために暗くなる。一例では、視覚インジケータは、電子ディスプレイ上の1つ以上のLEDの形態である。
【0054】
デフォルトの電子ディスプレイ設定またはDFランプモードが消去されると、電子ディスプレイは、DFランプモードをアイリスにプログラムする目的で(較正、ペアリング、またはマッチングプロセス中に)、ユーザによってその設定が入力される状態になる。一例では、ユーザが電子ディスプレイ上の外側矢印ボタン104を一定時間押下し続けることにより、電子ディスプレイは設定プログラミングモード、すなわちDFランプモードになる。一例では、外側矢印ボタンは、電子ディスプレイがDFランプモードに入ったことを視覚的に表示すまで押下し続けられる。一例では、その期間は約3秒であり、視覚的表示は電子ディスプレイ上の1つ以上のライト110の点灯である。一例では、1つ以上のライトは、DFランプモードに入ったことを示すティール光色を発するLEDインジケータである。電子ディスプレイプログラミングモードに入ると、電子ディスプレイは、レンズアイリスの異なる状態(すなわち、T絞り設定)と中性濃度レベルを較正、マッチング、またはペアリングするようにプログラムされ得る。
【0055】
一例では、電子ディスプレイの中性濃度設定は、以下の方法に従ってカメラ/カメラレンズのアイリスと較正、マッチング、またはペアリングされる。電子ディスプレイが通常モードの状態で(例えば、デフォルトの中性濃度設定が消去され、電子ディスプレイがエンター状態でない状態で)、カメラレンズのアイリスは、電子ディスプレイの中性濃度設定またはDFプルに対して最も暗い所望のT絞り設定に設定される。一例では、このアイリス設定は、電子ディスプレイの1つ以上の所望の中性濃度値またはレベルと較正、マッチング、またはペアリングされる。電子ディスプレイが、特定の固定数の絞りまたは中性濃度の設定(例えば、6絞り)を提供するように構成されている例では、最も暗い所望のアイリスT絞り設定は、2絞りの中性濃度(例えば、それぞれND 0.6)で較正、マッチング、またはペアリングされ得る。その後、電子ディスプレイはプログラミング、すなわちDFランプモードになり、上述したような状態に入る。この状態において、電子ディスプレイの中性濃度設定は、中性濃度レベルと特定のアイリスT絞り設定との較正、マッチング、またはペアリングを調整し、微調整するために、例えば、ホイール106を使用することにより、ユーザ入力によって調整され得る。一例では、ユーザが内側矢印ボタン102を押下することによって、中性濃度設定が電子ディスプレイによって受理され、受理は電子ディスプレイ上の1つ以上のライト110の点滅によって視覚的に確認される。その後、アイリスは次の所望のT絞り設定に設定され、電子ディスプレイは上述のように調整され、別の所望のレベルの中性濃度を提供する。電子ディスプレイが事前設定された中性濃度設定を有するように構成されている例では、ユーザは、外側矢印ボタン104を瞬間的に押下して、次の中性濃度設定に移動することができる。中性濃度値は、ホイール106を使用することにより、上述のようにアイリスT絞り設定に微調整/調整することができ、内側矢印ボタン102を押下して受理の視覚的確認を得ることにより、上述のように所望の値を受理することができる。アイリスを次のT絞り設定に調整し、そのT絞り設定を電子ディスプレイの所望の中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングするこのプロセスは、すべての所望のアイリスT絞りが電子ディスプレイの中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングされるまで繰り返される。これは、電子ディスプレイをアイリスに較正し、両者の同期動作を容易にする方法の一例である。
【0056】
電子ディスプレイが6つの事前設定された中性濃度レベルまたは値を有するように構成されている例では(例では、事前設定された各中性濃度レベルは、それ自身の指定されたライト110を有する)、電子ディスプレイがDFランプモードにあるとき、電子ディスプレイ中性濃度設定の範囲がND 0.6とND 1.8の間に制限されるため、最後のアイリスT絞り設定が、最初のT絞り設定から5絞り以下であることが望まれる。 カメラ使用アプリケーションまたはカメラユーザが、5未満のアイリスT絞り設定を要求する場合、較正プロセス中、電子ディスプレイの中性濃度レベルは、新しいT絞り設定に移動することなく、移動またはスキップされ得る。
【0057】
電子ディスプレイがアイリスと較正、マッチング、またはペアリングされた後、必要であれば(例えば、太陽が雲の中に入ったり、雲から出たりした場合)アイリス範囲を調整することができる。上述したように、これは、電子デバイスをプログラミング入力モード、例えばDFランプモードにすることによって行うことができる。アイリス範囲を1絞りだけ開けるために(例えば、T 11からT 2.8の範囲からT 8からT 2の範囲にするために)、ユーザは電子ディスプレイ上の外側矢印ボタン104を1回だけ押下してもよい。アイリス範囲を1絞りだけ閉めるために(例えば、T 8からT 2の範囲からT 11からT 2.8の範囲にするために)、ユーザは電子ディスプレイ上の内側矢印ボタン102を1回だけ押下してもよい。調整されたアイリス範囲に対応するように中性濃度レベルを微調整するために、ユーザが2つの矢印ボタンの間のホイール106を動かすことによって、電子フィルタの中性濃度レベルを上下に動かすこともできる。
【0058】
電子ディスプレイとアイリスの所望の較正が完了したら、LEDライト110が点灯しなくなるまで、電子ディスプレイの外側矢印ボタン104を一定時間(例えば、3秒間)押下し続けることによって、電子フィルタプログラミングモード(例えば、DFランプモード)を終了し、電子ディスプレイを通常の動作に戻すことができる。一例では、電子ディスプレイは、プログラムされたアイリス較正中性濃度設定(例えば、DFランプモード設定)をオンボードメモリに保存するように構成されている。電子ディスプレイの電源が切断されると、電源投入時にメモリから設定が読み込まれる。電子ディスプレイが新しいレンズと共に使用される場合、較正手順は、電子ディスプレイとアイリス動作を同期させるために繰り返され、この場合、ユーザは、取り外されたレンズに関連する既存の較正された設定を消去し(前述のように)、再プログラムし、新しいレンズのアイリスT絞り設定を、前述の方法で電子ディスプレイ中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングする。このように構成すると、電子ディスプレイは、さまざまな異なるカメラレンズと同期したアイリス動作のために較正されるようにプログラムすることができる。
【0059】
電子ディスプレイの中性濃度レベルをカメラレンズのアイリスT絞りレベルに較正、マッチング、またはペアリングするための特定の方法を上記で説明したが、これは1つのアプローチに過ぎず、中性濃度レベルをアイリスT絞りレベルとペアリングまたはマッチングするために同様の方法で機能する他のアプローチが本明細書で開示される電子ディスプレイの範囲内であることを理解されたい。例えば、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、具体的に記載されるものとは異なる6つを超えるか、または6未満の事前設定された中性濃度設定を有してもよく、および/または事前設定されるか、またはそうでない異なる可能な中性濃度レベルの連続的な勾配を有してもよく、そのような実施形態に対して、アイリスT絞り設定をそのような中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングするプロセスは、記載されているような、アイリスT絞り設定がそれぞれ1つ以上の所望の電子ディスプレイ中性濃度レベルに較正されるのと同様の一般的なアプローチを含むことができる。一例では、アイリスが閉位置からより開位置へ動くにつれて、電子ディスプレイのペアリングされた中性濃度レベルが増加し、それによって電子ディスプレイを通過してカメラレンズに至る光の量を減少させるように機能することが望まれる。
【0060】
アイリス設定を電子ディスプレイの中性濃度レベルまたは設定に較正するための上述の方法の代替として、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、異なるタイプのレンズについて較正されたアイリスT絞り設定および関連する中性濃度レベルをその中に保存したメモリを含むように構成されてもよい。例えば、電子ディスプレイは、周知の技術によって、そのような既存のアイリス較正情報を電子ディスプレイのメモリにロードまたはダウンロードできるように構成することができる。電子ディスプレイをアイリスに較正するためのこのような代替プロセスはすべて、本明細書に開示するような電子ディスプレイの範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0061】
一例では、ユーザコントローラは、電子ディスプレイとアイリスT絞り設定を制御するために、上述のように構成され得る。図13は、カメラレンズのアイリス204、カメラレンズのフォーカス206、カメラレンズのズーム208、電子ディスプレイ210、マットボックス212、ユーザコントローラ214、レシーバ/トランスミッタまたはトランシーバーデバイス216、および電気ケーブル226、228、230と接続されたカメラ202を備えるカメラシステム200を示す。一例では、コントローラ214は、1つ以上の異なるチャンネルを使用して制御信号を送信するように構成され得る。一例では、電子ディスプレイとアイリスの同期動作が望まれる場合、電子ディスプレイ210とアイリス204は、同じチャンネル上にあるコントローラ214からの信号を受信するように構成され、それにより、ユーザがコントローラの単一の制御機能または要素を操作することによって、電子ディスプレイとアイリスの同期動作を可能にする。一例では、コントローラ214は、コントローラ上のアイリス制御要素を動かすことによって、電子ディスプレイとアイリスの同期動作を可能にすることができ、このアイリス制御要素は、ノブ218、スイッチ220、スライダ222などの形態であってもよい。一例では、コントローラ214は、レシーバ/トランスミッタデバイス216によって受信された単一のチャンネル上でワイヤレスアイリス制御信号224を送信する。一例では、レシーバ/トランスミッタデバイス216は、受信したワイヤレス信号を電気信号に変換し、別個のケーブル228及び230を介して電子制御信号を、アイリス204を動かす動作機構232の各々と、アイリス204に較正されるように中性濃度レベルを変更する電子ディスプレイ210のシリアル入力234とに向けるように構成される。
【0062】
カメラレンズのフォーカスに同期した電子ディスプレイ- 1つの実施形態では、電子ディスプレイは、カメラレンズのフォーカスの変化に応じてフィルタリングの度合いを変化させるように構成することができる。このような実施形態では、電子ディスプレイは、フォーカスの変化が電子ディスプレイによって提供されるフィルタリングの度合いに所望の/較正された変化をもたらすように、フォーカシング機構と同期して動作する。一例では、電子ディスプレイを写真用レンズのフォーカシング動作に同期させる機能は、マクロ/マイクロ撮影に伴うストップロスを補正するように動作する。伝統的に、マクロ/マイクロ写真で発生する照明損失は、フォーカスの引き込みまたはランプ中にアイリスの手動調整によって対応してきた。このような従来の方法は正確ではなく、観察される被写界深度およびピンぼけ特性にさらなる変化をもたらす。このように、電子ディスプレイの動作をフォーカスに同期させることは、マクロ共役物体にフォーカシングする際に、開口損失をはるかに高い解像度で補償し、観察される深度を一定に保ち、撮影画像のピンボケ特性を一定に保つように動作するため、望まれている。
【0063】
一例では、フォーカスと電子ディスプレイの動きは、上述したような携帯型コントローラまたは制御システムによって、例えばワイヤレスで制御され得る。一例では、このコントローラは、例えば、フォーカス機構と電子ディスプレイが同じ制御チャンネル上で操作される場合、フォーカス機構に送られる制御信号またはコマンドによって、フォーカスと同期して電子ディスプレイを制御するために使用することができる。電子ディスプレイとフォーカスの動作を同期して制御する上記の方法が開示されているが、同じ機能を達成するためのさまざまな異なる方法またはアプローチがあり、そのような他のすべての方法およびアプローチが本開示の範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0064】
電子ディスプレイがフォーカスの変化に同期する中性濃度フィルタとして機能する例では、電子ディスプレイが中性値設定(例えば、マクロフォーカスモード設定)を修正するように特別にプログラムされることが望まれる。電子ディスプレイをカメラレンズのフォーカスで較正するために、中性濃度設定(例えば、マクロフォーカスモード設定)は、デフォルトまたは以前に保存された設定を消去することによって変更され、これは、ボタン等の押下によってユーザが電子ディスプレイに入力することで行うことができる。一例では、電子ディスプレイの中性濃度設定は、電子ディスプレイ100をアイリスで較正するために上述したのと同じ方法で、すなわち、電子ディスプレイが通常モードにある間、ユーザが内側矢印ボタン102を一定時間(例えば、約3秒間)押下し続けることによって消去される。一例では、電子ディスプレイは、例えば1つ以上のライト110の形態の視覚インジケータを有する。中性濃度設定(例えば、マクロフォーカスモード設定)が消去されると、例えば3秒後に、1つ以上のライトが消去が完了したことを示すために暗くなる。一例では、視覚インジケータは、電子ディスプレイ上の1つ以上のLEDの形態である。
【0065】
デフォルトまたは以前の中性濃度設定(例えば、マクロフォーカスモード設定)が消去されると、電子ディスプレイは、その後、中性濃度設定を(例えば、マクロフォーカスモードで)フォーカスにプログラムする目的で(較正、マッチング、またはペアリングプロセス中に)ユーザによって入力される。一例では、ユーザが電子ディスプレイ100上の外側矢印ボタン104を一定時間押下し続けることにより、電子ディスプレイはプログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)に入る。一例では、外側矢印ボタンは、電子ディスプレイがプログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)に入ったことを視覚的に表示すまで押下し続けられる。一例では、その期間は約3秒であり、視覚的表示は電子ディスプレイ上の1つ以上のライト100の点灯である。一例では、1つ以上のライトは、マクロフォーカスモードに入ったことを示すティール光色を発するLEDインジケータである。電子ディスプレイプログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)に入ると、電子ディスプレイは、フォーカスの異なる状態または設定と較正、マッチング、またはペアリングするようにプログラムされ得る。
【0066】
一例では、電子ディスプレイは、以下の方法に従ってカメラレンズのフォーカスと較正、マッチング、またはペアリングされる。電子ディスプレイが通常モードの状態で(例えば、デフォルトまたは以前の中性濃度設定が消去され、電子ディスプレイがエンター状態でない状態で)、カメラレンズのフォーカスは、電子ディスプレイでプログラミングするための所望の初期焦点値に設定される。一例では、この焦点値または設定は、電子ディスプレイの1つ以上の所望の中性濃度値またはレベルと較正、マッチング、またはペアリングされる。一例では、電子ディスプレイは、特定の固定数の絞りまたは中性濃度の設定(例えば、6絞り)を提供するように構成されている。一例では、電子ディスプレイは、カメラレンズのフォーカスで較正された5つの中性濃度設定を提供するように較正されている。このような例では、初期焦点値は、例えば、それぞれND 0.6である、2絞りの中性濃度で較正、マッチング、またはペアリングされ得る。その後、電子ディスプレイは、上述したように、プログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)になる。この状態において、電子ディスプレイの中性濃度設定は、中性濃度レベルと特定のフォーカス値または設定との較正、マッチング、またはペアリングを調整し、微調整するために、例えば、ホイール106を使用することにより、ユーザ入力によって調整され得る。一例では、ユーザが内側矢印ボタン102を押下することによって、中性濃度設定が電子ディスプレイによって受理され、受理は電子ディスプレイ上のライト110の点滅によって視覚的に確認される。その後、カメラレンズのフォーカスは次の値または設定に移動し、電子ディスプレイは別の所望のレベルの中性濃度を提供するように調整される。電子ディスプレイが設定された中性濃度設定を有するように構成されている例では、ユーザは、外側矢印ボタン104を瞬間的に押下して、次の中性濃度設定に移動することができる。中性濃度値は、ホイール106を使用することにより、上述のようにフォーカス値または設定に微調整または調整することができ、所望の中性濃度値は、内側矢印ボタン102を押下して受理の視覚的確認を得ることにより、上述のように受理することができる。カメラレンズのフォーカスを次の値または設定に調整し、そのフォーカス値または設定を電子ディスプレイの所望の中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングするこのプロセスは、すべての所望のフォーカスレベルが電子ディスプレイの中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングされるまで繰り返される。これは、電子ディスプレイをフォーカスに較正し、両者の同期動作を容易にする方法の一例である。
【0067】
電子ディスプレイが6つの設定された中性濃度レベルまたは値を有するように構成されている例では、電子ディスプレイがプログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)にあるとき、較正のための電子ディスプレイ中性濃度設定の範囲がND 0.6とND 1.8の間の5つの設定に制限されるため、最後のフォーカス値または設定が、最初のフォーカス値または設定から5つの設定以下であることが望まれる。カメラ使用アプリケーションまたはカメラユーザが、5つ未満のフォーカス値または設定を要求または希望する場合、較正プロセス中、中性濃度レベルは、新しいフォーカス値または設定に移動することなく、移動またはスキップされ得る。
【0068】
電子ディスプレイがカメラレンズのフォーカスと較正、マッチング、またはペアリングされた後、必要であれば(例えば、太陽が雲の中に入ったり、雲から出たりした場合)露出範囲を調整することができる。上述したように、これは、電子ディスプレイをプログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)にすることによって行うことができる。露光範囲を1つの値または設定だけ開けるために、ユーザは電子ディスプレイ上の外側矢印ボタン104を1回だけ押下してもよい。露光範囲を1つの値または設定だけ閉めるために、ユーザは電子ディスプレイ上の内側矢印ボタン102を1回だけ押下してもよい。微調整のために、ユーザが2つの矢印ボタンの間のホイール106を動かすことによって、露出範囲を上下に動かすこともできる。
【0069】
電子ディスプレイとフォーカスの所望の較正が完了したら、LEDライトが点灯しなくなるまで、電子ディスプレイの外側矢印ボタン104を一定時間(例えば、3秒間)押下し続けることによって、プログラムされた中性濃度設定を終了し、電子ディスプレイを通常の動作に戻すことができる。電子ディスプレイは、プログラムされた較正フォーカスおよび中性濃度設定をオンボードメモリに保存するように構成されている。電子ディスプレイの電源が切断されると、電源投入時にメモリから設定が読み込まれる。電子ディスプレイが新しいレンズと共に使用される場合、次いで、較正手順は、電子ディスプレイとカメラレンズのフォーカスの所望の同期動作を提供するために繰り返され、この場合、ユーザは、取り外されたレンズに関連する既存の較正された中性濃度設定を消去し(前述のように)、再プログラムし、新しいレンズのフォーカス値または設定を、前述の方法で電子ディスプレイ中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングする。このように構成すると、電子ディスプレイは、さまざまな異なるカメラレンズと同期したフォーカス動作のために較正されるようにプログラムすることができる。
【0070】
電子ディスプレイの中性濃度レベルをカメラレンズのフォーカス値または設定に較正、マッチング、またはペアリングするための特定の方法を上記で説明したが、これは1つのアプローチに過ぎず、中性濃度レベルをフォーカス値または設定と較正、マッチング、またはペアリングするために同様の方法で機能する他のアプローチが本明細書で開示される電子ディスプレイの範囲内であることが意図されることを理解されたい。例えば、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、具体的に記載されるものとは異なる6つを超えるか、または6つ未満の中性濃度設定を有してもよく、および/または異なる可能な中性濃度レベルの連続的な勾配を有してもよく、そのような実施形態に対して、フォーカス値または設定をそのような中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングするプロセスは、記載されているような、フォーカス値または設定がそれぞれ1つ以上の電子ディスプレイ中性濃度レベルに較正されるのと同様の一般的なアプローチを含むことができる。一例では、フォーカスが初期値から最終値へ動くにつれて、電子ディスプレイ値のペアリングされた中性濃度レベルが増加し、それによって電子ディスプレイを通過してカメラレンズに至る光の量を減少させることが望まれる。
【0071】
フォーカス値または設定を電子ディスプレイの中性濃度レベルまたは設定に較正するための上述の方法の代替として、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、異なるタイプのレンズについて較正されたフォーカス値および関連する中性濃度レベルをその中に保存したメモリを含むように構成されてもよい。例えば、電子ディスプレイは、周知の技術によって、そのような既存の較正情報を電子ディスプレイのメモリにロードまたはダウンロードできるように構成することができる。電子ディスプレイをフォーカスに較正するためのこのような代替プロセスはすべて、本明細書に開示するような電子ディスプレイの範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0072】
一例では、ユーザコントローラ214は、電子ディスプレイ210とフォーカス値または設定を制御するために、上述のように構成され得る。一例では、コントローラは、上述のように、ユーザ入力によってフォーカスを制御するように構成されてもよく、この入力は、アイリスの入力と同じであってもよく、また異なっていてもよい。一例では、フォーカスは、アイリスとは異なるユーザ入力によって制御される。電子ディスプレイとフォーカスの同期動作のために、コントローラ214は、1つのチャンネルを使用してフォーカス206を制御するように構成されている。一例では、コントローラ214は、コントローラから受信した制御信号を変換し、有線ケーブル228を介してフォーカス206を動かす動作機構236に、および有線ケーブル230を介して電子ディスプレイ210のシリアル入力234に、制御信号を別々に提供するように動作する、上記に開示されたレシーバ/トランスミッタデバイス216によって受信される1つのチャンネルを介してワイヤレス制御信号224を提供する。このように構成すると、ユーザがコントローラ214を操作してフォーカスを変更すると、電子ディスプレイも較正された中性濃度値に変更される。電子ディスプレイとフォーカスの動作を同期して制御する上記の方法が開示されているが、同じ機能を達成するための他の方法またはアプローチが存在する可能性があり、そのような他のすべての方法およびアプローチが本開示の範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0073】
カメラレンズのアイリスおよびカメラレンズのフォーカスに同期した電子ディスプレイ- 上述のように、電子ディスプレイは、カメラレンズのアイリスまたはカメラレンズのフォーカスに同期した動作を提供するように較正することができる。別の例では、電子ディスプレイは、アイリスとフォーカスが互いに同期した動作を提供するように構成されている一方で、それぞれに関して上述したように、アイリスまたはフォーカスの一方の同期した動作を提供するように構成されてもよい。一例では、電子ディスプレイはアイリスと較正されてもよく、コントローラ214は、上述のようにアイリス204と電子ディスプレイ210の同期動作を提供するように構成されてもよい。さらに、カメラレンズフォーカス206は、アイリス204と同期した動作を提供するために、コントローラ214によって操作されてもよく、これは、一例では、コントローラ214がアイリス204のための制御信号(例えば、ワイヤレス信号)を単一チャンネルで提供することによって達成され得る。一例では、レシーバ/トランスミッタデバイス216は、コントローラから制御信号を受信し(例えば、ワイヤレスでプロバイダから受信し)、3つの電気制御信号を、例えばケーブル接続226、228、230によって、アイリス204を動かす動作機構232、フォーカス206を動かす動作機構236、および電子ディスプレイ210のシリアルポート234のそれぞれに別々に供給する。この例では、フォーカスはアイリスと同期して動作し、電子ディスプレイはアイリスと同期して動作し、アイリスで較正された中性濃度レベルを提供する。代わりに、電子ディスプレイはフォーカスと較正されてもよく、コントローラは、アイリスをフォーカスに同期して動作させる制御信号をレシーバ/トランスミッタデバイスを介して提供するように動作し、電子ディスプレイはフォーカスに同期して動作し、フォーカスで較正された中性濃度レベルを提供する。上記の例は、本明細書で開示されるような電子ディスプレイが、カメラレンズのアイリスおよびカメラレンズのフォーカスの両方と同期して較正および動作することができるいくつかの方法を例示したものである。電子ディスプレイ、アイリス、およびフォーカスのこのような同期動作を達成するために、上述した以外の較正および/または制御方法およびアプローチが使用されてもよく、このような他のすべての方法およびアプローチは、本明細書の範囲内にあることが意図されることが理解される。
【0074】
上記の例では、電子ディスプレイは、アイリスおよび/またはフォーカスに関して上述したのと同じ方法でプログラムされ、較正されることが理解される。
【0075】
カメラレンズのズームに同期した電子ディスプレイ- 1つの実施形態では、電子ディスプレイは、カメラレンズのズームの変化に応じてフィルタリングの度合いを変化させるように構成することができる。このような実施形態では、電子ディスプレイは、ズームの変化が電子ディスプレイによって提供されるフィルタリングの度合いに所望の/較正された変化をもたらすように、ズームと同期している。非固定瞳ズームレンズでは、レンズのズーム特性およびフォーカス特性(マクロ特性)に応じてレンズの絞りが変化し、その絞りの差を中性濃度の変化で補正するため、電子ディスプレイの動作をズームに同期させることが望まれる。一例では、ズームと電子ディスプレイの動きは、上述したような携帯型コントローラ214または制御システムによって、例えばワイヤレスで制御され得る。一例では、コントローラ214は、例えば、カメラレンズのズームと電子ディスプレイが同じ制御チャンネル上で操作される場合、ズーム機構に送られる制御信号またはコマンドによって、ズーム208と同期して電子ディスプレイを制御するために使用することができる。電子ディスプレイとズームの動作を同期して制御する上記の方法が開示されているが、同じ機能を達成するためのさまざまな異なる方法またはアプローチがあり、そのような他のすべての方法およびアプローチが本開示の範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0076】
電子ディスプレイがズームの変化に同期する中性濃度フィルタとして機能する例では、電子ディスプレイが中性値設定(例えば、ズームモード設定)を修正するように特別にプログラムされることが望まれる。電子ディスプレイをカメラレンズのズームで較正するために、中性濃度設定(例えば、ズームモード設定)は、デフォルトまたは以前に保存された中性濃度設定を消去することによって変更され、これは、ボタン等の押下によってユーザが電子ディスプレイに入力することで行うことができる。一例では、電子ディスプレイの中性濃度設定は、電子ディスプレイ100をアイリスで較正するために上述したのと同じ方法で、すなわち、電子ディスプレイが通常モードにある間、ユーザが内側矢印ボタン102を一定時間(例えば、約3秒間)押下し続けることによって消去される。一例では、電子ディスプレイは、例えば1つ以上のライト110の形態の視覚インジケータを有する。中性濃度設定(例えば、ズームモード設定)が消去されると、例えば3秒後に、1つ以上のライトが消去が完了したことを示すために暗くなる。一例では、視覚インジケータは、電子ディスプレイ上の1つ以上のLEDの形態である。
【0077】
デフォルトまたは以前の中性濃度設定(例えば、ズームモード設定)が消去されると、電子ディスプレイは、その後、中性濃度設定を(例えば、ズームモードで)ズームにプログラムする目的で(較正、マッチング、またはペアリングプロセス中に)ユーザによって入力される。一例では、ユーザが電子ディスプレイ上の外側矢印ボタン104を一定時間押下し続けることにより、電子ディスプレイはプログラミングモード(例えば、ズームモード)に入る。一例では、外側矢印ボタン104は、電子ディスプレイがプログラミングモード(例えば、ズームモード)に入ったことを視覚的に表示すまで押下し続けられる。一例では、その期間は約3秒であり、視覚的表示は電子ディスプレイ上の1つ以上のライト110の点灯である。一例では、1つ以上のライトは、ズームモードに入ったことを示すティール光色を発するLEDインジケータである。電子ディスプレイプログラミングモード(例えば、ズームモード)に入ると、電子ディスプレイは、ズームの異なる状態または設定と較正、マッチング、またはペアリングするようにプログラムされ得る。
【0078】
一例では、電子ディスプレイは、以下の方法に従ってカメラレンズのズームと較正、マッチング、またはペアリングされる。電子ディスプレイが通常モードの状態で(例えば、デフォルトまたは以前の中性濃度設定が消去され、電子ディスプレイがエンター状態でない状態で)、カメラレンズのズームは、電子ディスプレイでプログラミングするための所望の初期ズーム値に設定される。一例では、このズーム値または設定は、電子ディスプレイの1つ以上の所望の中性濃度値またはレベルと較正、マッチング、またはペアリングされる。電子ディスプレイが、特定の固定数の絞りまたは中性濃度の設定(例えば、6絞り)を提供するように構成されている例では、電子ディスプレイは、カメラレンズのズームで較正された5つの中性濃度設定を提供するように構成される。このような例では、初期ズーム値は、例えば、それぞれND 0.6である、2絞りの中性濃度で較正、マッチング、またはペアリングされ得る。その後、電子ディスプレイは、上述したように、プログラミングモード(例えば、マクロフォーカスモード)になる。この状態において、電子ディスプレイの中性濃度設定は、中性濃度レベルと特定のズーム値または設定との較正、マッチング、またはペアリングを調整し、微調整するために、例えば、ホイール106を使用することにより、ユーザ入力によって調整され得る。一例では、ユーザが内側矢印ボタン102を押下することによって、中性濃度設定が電子ディスプレイによって受理され、受理は電子ディスプレイ上のライト110の点滅によって視覚的に確認される。その後、カメラレンズのズームは次の値または設定に移動し、電子ディスプレイは別の所望のレベルの中性濃度を提供するように調整される。電子ディスプレイが事前設定された中性濃度設定を有するように構成されている例では、ユーザは、外側矢印104ボタンを瞬間的に押下して、次の中性濃度設定に移動することができる。中性濃度値は、ホイール106を使用することにより、上述のように事前設定された値からズーム値または設定までの間で微調整または調整することができ、所望の中性濃度値は、内側矢印ボタン102を押下して受理の視覚的確認を得ることにより、上述のように受理することができる。カメラレンズのズームを次の値または設定に調整し、そのズーム値または設定を電子ディスプレイの所望の中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングするこのプロセスは、すべての所望のズームレベルまたは設定が関連する電子ディスプレイの中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングされるまで繰り返される。これは、電子ディスプレイをズームに較正し、両者の同期動作を容易にする方法の一例である。
【0079】
電子ディスプレイが6つの設定された中性濃度レベルまたは値を有するように構成されている例では、電子ディスプレイがプログラミングモード(例えば、ズームモード)にあるとき、較正のための電子ディスプレイ中性濃度設定の範囲がND 0.6とND 1.8の間の5つの設定に制限されるため、最後のズーム値または設定が、最初のズーム値または設定から5つの設定以下であることが望まれる。カメラ使用アプリケーションまたはカメラユーザが、5つ未満のズーム値または設定を要求または希望する場合、較正プロセス中、中性濃度レベルは、新しいズーム値または設定に移動することなく、移動またはスキップされ得る。
【0080】
電子ディスプレイがカメラレンズのズームと較正、マッチング、またはペアリングされた後、必要であれば(例えば、太陽が雲の中に入ったり、雲から出たりした場合)露出範囲を調整することができる。上述したように、これは、電子ディスプレイをプログラミングモード(例えば、ズームモード)にすることによって行うことができる。露光範囲を1つの値または設定だけ開けるために、ユーザは電子ディスプレイ上の外側矢印104ボタンを1回だけ押下してもよい。露光範囲を1つの値または設定だけ閉めるために、ユーザは電子ディスプレイ上の内側矢印ボタン102を1回だけ押下してもよい。微調整のために、ユーザが2つの矢印ボタンの間のホイール106を動かすことによって、露出範囲を上下に動かすこともできる。
【0081】
電子ディスプレイとズームの所望の較正が完了したら、LEDライトが点灯しなくなるまで、電子ディスプレイの外側矢印ボタン104を一定時間(例えば、3秒間)押下し続けることによって、プログラムされた中性濃度設定を終了し、電子ディスプレイを通常の動作に戻すことができる。電子ディスプレイは、プログラムされた較正ズームおよび中性濃度設定をオンボードメモリに保存するように構成されている。電子ディスプレイの電源が切断されると、電源投入時にメモリから設定が読み込まれる。電子ディスプレイが新しいレンズと共に使用される場合、次いで、較正手順は、電子ディスプレイとカメラレンズのズームの所望の同期動作を提供するために繰り返され、この場合、ユーザは、取り外されたレンズに関連する既存の較正された中性濃度設定を消去し(前述のように)、再プログラムし、新しいレンズのズーム値または設定を、前述の方法で電子ディスプレイ中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングする。このように構成すると、電子ディスプレイは、さまざまな異なるカメラレンズと同期したズーム動作のために較正されるようにプログラムすることができる。
【0082】
電子ディスプレイの中性濃度レベルをカメラレンズのズーム値または設定に較正、マッチング、またはペアリングするための特定の方法を上記で説明したが、これは1つのアプローチに過ぎず、中性濃度レベルをズーム値または設定と較正、マッチング、またはペアリングするために同様の方法で機能する他のアプローチが本明細書で開示される電子ディスプレイの範囲内であることが意図されることを理解されたい。例えば、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、具体的に記載されるものとは異なる6つを超えるか、または6つ未満の中性濃度設定を有してもよく、および/または異なる可能な中性濃度レベルの連続的な勾配を有してもよく、そのような実施形態に対して、ズーム値または設定をそのような中性濃度レベルに較正、マッチング、またはペアリングするプロセスは、記載されているような、ズーム値または設定がそれぞれ1つ以上の電子ディスプレイ中性濃度レベルに較正されるのと同様の一般的なアプローチを含むことができる。一例では、ズームが初期値から最終値へ動くにつれて、電子ディスプレイ値のペアリングされた中性濃度レベルが増加し、それによって電子ディスプレイを通過してカメラレンズに至る光の量を減少させることが望まれる。
【0083】
ズーム値または設定を電子ディスプレイの中性濃度レベルまたは設定に較正するための上述の方法の代替として、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、異なるタイプのレンズについて較正されたズーム値および関連する中性濃度レベルをその中に保存したメモリを含むように構成されてもよい。例えば、電子ディスプレイは、周知の技術によって、そのような既存の較正情報を電子ディスプレイのメモリにロードまたはダウンロードできるように構成することができる。電子ディスプレイをズームに較正するためのこのような代替プロセスはすべて、本明細書に開示するような電子ディスプレイの範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0084】
一例では、ユーザコントローラは、電子ディスプレイとズーム値または設定を制御するために、上述のように構成され得る。一例では、コントローラ214は、上述のように、ユーザ入力によってズームを制御するように構成されてもよく、この入力は、アイリスまたはフォーカスの入力と同じであってもよく、また異なっていてもよい。一例では、カメラレンズのズーム208は、アイリスまたはフォーカスとは異なるユーザ入力によって制御される。電子ディスプレイとズームの同期動作のために、コントローラ214は、1つのチャンネルを使用してズームを制御するように構成されている。一例では、コントローラ214は、コントローラから受信した制御信号を変換し、ズーム208を動かす動作機構238に入力されるケーブル237と、電子ディスプレイ210のシリアル入力234に接続されるケーブル230を介して、電気制御信号を別々に提供するように動作する、上記に開示されたレシーバ/トランスミッタデバイス216によって受信される1つのチャンネルを介してワイヤレス制御信号224を提供する。このように構成すると、ユーザがコントローラ214を操作してズームを変更すると、電子ディスプレイも較正された中性濃度値に変更される。電子ディスプレイとズームの動作を同期して制御する上記の方法が開示されているが、同じ機能を達成するためのさまざまな異なる方法またはアプローチがあり、そのような他のすべての方法およびアプローチが本開示の範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0085】
所望により、ズームは、アイリスまたはフォーカスの1つ以上と同期して動作してもよく、この場合、電子ディスプレイは、上述の方法で、アイリス、フォーカス、またはズームの1つに較正される。このような例では、コントローラは、レシーバ/トランスミッタデバイスによってワイヤレスで受信される制御信号を(例えば、単一チャンネルで)提供するように構成し、動作させることができ、トランスミッタデバイスは、ズームおよびフォーカス、ズームおよびアイリス、またはズーム、アイリスおよびフォーカスに、およびアイリスとズームの1つ以上とズームの所望の同期した動きのための電子ディスプレイに、別個のケーブルを介して制御信号を送信するように構成され、電子ディスプレイは、このようなカメラレンズ要素のうちの1つに較正される。
【0086】
露出計に同期した電子ディスプレイ - 一例では、電子ディスプレイは露出計の露出測定に同期させることができ、露出計によって電子ディスプレイに提供される光露出情報が、電子ディスプレイのフィルタレベルを変更するように動作し得る。図14は、カメラ302、カメラレンズシステム304、および電子ディスプレイ306を備えるカメラシステム300を示している。一例では、電子ディスプレイは、そのメモリに保存された露出計の露出測定値情報を提供するように構成されてもよく、この情報は、露出計の露光測定値を中性濃度レベルまたは値とマッチングさせる表などの形態で、露出計の露出測定値の供給源とワイヤレスまたは有線通信によって電子ディスプレイのメモリにダウンロードされてもよい。代わりに、電子ディスプレイは、カメラレンズ要素について説明したのと同様の方法でユーザによって較正され、例えば、上述したように、電子デバイス上のボタンおよび較正のための一連のステップを使用することによって、露出計の露光測定値とペアリングされる選択された中性濃度レベルを提供してもよい。一例では、露出計308(TENMA 72-7250デジタル露出計など)を使用して、電子ディスプレイとのワイヤレスまたは有線接続によって露出測定値を電子ディスプレイに送信し、電子ディスプレイは、保存された露出測定較正情報に基づいて生成される中性濃度レベルを変更することができる。露出計がカメラシステムの近くで使用されるような例では、露出計の露出測定値は、電子ディスプレイシリアル入力312に接続された電気ケーブル310によって電子ディスプレイ306に送信されてもよい。露出計がカメラシステムによって撮像される対象物の近くで使用されるような例では、露出計の露出測定値は、露出測定値をワイヤレス315でワイヤレスレシーバ316に送信するワイヤレストランスミッタ314の使用などによって、ワイヤレスで電子ディスプレイ306に送信されてもよく、ワイヤレストランスミッタ314はケーブル318によって露出計308に接続され、ワイヤレスレシーバはケーブル320によって電子ディスプレイ306のシリアル入力312に接続される。
【0087】
一例では、電子ディスプレイは、少なくとも2つの異なるモード動作に従ってこのように使用することができる。一例では、電子ディスプレイは連続メータモードで動作し、露出計は電子ディスプレイに露出測定情報を連続的に提供し、電子ディスプレイは異なる露光測定値に対応するために必要に応じて中性濃度レベルを変更する。一例では、電子ディスプレイは、露出測定値が断続的に電子ディスプレイに送信され、受信した露出測定値に基づいて中性濃度レベルに変更が加えられる非連続メータモードで動作してもよい。一例では、露出計は、特定のカメラ撮影の用途および/またはアプリケーションによって求められる任意の場所に配置することができ、例えば、露出計は、カメラに近接して配置することができ、またはカメラレンズによって撮影される、関心のある対象物/画像の近傍に配置することができる。
【0088】
露出計との使用のために同期化された電子ディスプレイの特定の例と、それを使用する方法を説明したが、同じ所望の機能を提供する、そのような同期化された露出計と電子ディスプレイの使用を実施する異なる方法が存在する可能性があり、そのような異なる方法または変形はすべて、本明細書に開示するような電子ディスプレイの範囲内にあることが意図されることを理解されたい。
【0089】
プログラム可能な機能(例えば、フィルタレベル設定)を有する本明細書で開示されるような電子ディスプレイは、異なるカメラシステムの場所に配置されて使用されるように構成することができる。上述したように、本明細書に開示されるような電子ディスプレイは、カメラレンズの物体側(例えば、レンズの前)に配置されてもよいが、本明細書に開示されるようなプログラム可能な電子ディスプレイは、特定の最終用途に応じて、カメラレンズの異なる要素またはセクションの間に配置されてもよく、カメラレンズとカメラの間(例えば、レンズの後ろ)に配置されてもよく、またはカメラの内部に配置されてもよく、そのような電子ディスプレイの配置のすべてが、本明細書に開示されるような電子ディスプレイの範囲内であることが意図されることが理解される。
【0090】
1つの実施形態では、フィルタは、受信された画像またはカメラに提供された画像に基づいて自律的に操作されてもよい。カメラに提供された画像を検出するためにセンサが利用されてもよく、受信された画像に基づいてフィルタリングを自動的に変化させるために、コントロールがフィルタ入力に提供されてもよい。例えば、シーンが明るい場合には、フィルタは、画像の明るさを自動的に減少させるように構成されてもよい。センサは、カメラと一緒に配置されてもよく、他の場所に配置されてもよい。1つの実施形態では、カメラは、カメラによって受信された画像に基づいて、フィルタの入力に対してコントロールを提供するように構成されてもよい。例えば、カメラ(カメラのデジタルイメージセンサなど)が明るいシーンを見ていることを検出した場合、明るさを減少させるためにフィルタの入力にコントロールを提供することができる。従って、フィルタは、画像に基づいてフィードバックループで動作することができる。
【0091】
電子ディスプレイ12、コントローラ16、電源18、および/または入力20は、レンズシステムに着脱可能に結合されたユニットを構成してもよい。ユニットは、図1に示すように、結合された電子ディスプレイ12とハウジング14とを備えてもよい。ユニットは、現在の非電子ディスプレイと同様のサイズおよび形状を有していてもよく、よって、これらの非電子ディスプレイと交換して、同様のマットボックス、またはレンズにフィルタを結合する他の方法で使用することができる。1つの実施形態では、フィルタ10およびその部品は、レンズシステムと一体であってもよく、取り外し可能でなくてもよい。他の実施形態では、特定の部品は、レンズシステムから分離可能であってもよく、特定の部品は、レンズシステムと一体であってもよい。他の実施形態では、本明細書に開示された特定の部品は、完全に外されてもよい。
【0092】
電子ディスプレイ12は、画像を所望の量、または所定の態様でフィルタリングしてもよい。図1に示す実施形態では、電子ディスプレイ12は、電子ディスプレイ12を通して見られる画像の全体をフィルタリングしている。画像には、人物32、雲34、樹木36が含まれている。樹木36の全体、雲34の全体、および人物32の一部がフィルタリングされる(フィルタリングは、図1中の斜線で表される)。フィルタリングは、電子ディスプレイ12を通って伝達される画像からの光の量を減らしたり、画像から電子ディスプレイ12を通過する光の色を変化させたり、透過する光の特性を変化させる(例えば、画像を拡散させたり、フレアを付与することによって)その他の方法によって行われてもよい。また、フィルタリングは、電子ディスプレイ12の物体側の画像に重畳される、電子ディスプレイ12からの出射光によって含まれてもよい。出射光は、カメラレンズによって受光される光の色や量(強度)を変化させてもよい。
【0093】
電子ディスプレイ12を透過する画像からの光が減少する実施形態では、光の減少は、様々な形態を有してもよい。例えば、光の減少は、画像のすべての色に対して実質的に均等にフィルタリングすることができる中性濃度フィルタ(NDフィルタ)と同様であってもよい。しかしながら、フィルタリングの量は、電子的に変化させることができ、それにより、電子ディスプレイが電子的な可変中性濃度フィルタとして機能することを可能にする。1つの例では、光の減少は、電子ディスプレイ12内の液晶によって、所望の量の光が電子ディスプレイ12を通過しないように、電子ディスプレイ12内の液晶によって引き起こされてもよい。液晶による光の透過率は、電気的に変化させることができる。光の透過率は、約50%(0.3NDフィルタと同様)から約25%(0.6NDフィルタと同様)まで、約12.5%(0.9NDフィルタと同様)まで、約6.25%(1.2NDフィルタと同様)まで、約3.125%(1.5NDフィルタと同様)まで、約1.5625%(1.8NDフィルタと同様)まで、約0.78125%(2.1NDフィルタと同様)まで、および全透過率の上、下、およびその間の範囲であってもよい。また、カラーフィルタが電子ディスプレイ12と共に使用される実施形態では、電子ディスプレイ12の個々の画素を通過する光の色を変化させてもよい。光の透過率(またはフィルタの濃度)は、必要に応じて、電子的に任意の所望量(例えば、99%、65%等)に変化させることができる。電子ディスプレイ12を通過する光の色は、任意の所望のスペクトルの色に変化させることができる。
【0094】
有機発光ダイオード(OLED)が利用される実施形態では、OLEDは、様々な明るさレベルで光を発するように設定されてもよく、カラーフィルタリングが利用される実施形態では、様々な色レベルで光を発するように設定されてもよい。電子ディスプレイ12は、画像からの光に、OLEDからの光を所定の明るさ及び色(カラーフィルタリングが利用される実施形態では)で加えることによって、画像をフィルタリングしてもよい。画像からの光は、電子ディスプレイ12を透過し、OLEDから加えられた光によって変更されてもよい。変更は、画像全体(図1に示すように)で行われてもよく、ピクセル単位で行われてもよい。1つの実施形態では、OLEDは、画像の明るさを効果的に低減するために、所定の明るさの光を発するように構成されてもよい。
【0095】
電子ディスプレイ12の電子的性質上、電子ディスプレイ12の1つ以上の部分は、多様なフィルタリング特性を有していてもよい。画素単位でばらつきが生じる場合がある。図2は、例えば、フィルタリングされた画像を電子ディスプレイ12の一部38に有する電子ディスプレイ12を図示している。なお、ディスプレイの別の部分40はフィルタリングされた画像を有していない。つまり、電子ディスプレイ12は、目盛り付きフィルタとして動作している。フィルタリングされた部分と非フィルタリングされた部分との間の遷移は、急なものであってもよく、必要に応じて滑らかであってもよい。
【0096】
図3は、フィルタリングされた選択部分を有する電子ディスプレイ12を示している。図3の例では、樹木36の上部と雲34はフィルタリングされているが、他の部分はフィルタリングされていない。「覆い焼き・焼き込み」効果の一形態が発生する場合がある。
【0097】
電子ディスプレイ12のフィルタリングの種類および位置は、画素単位で行われてもよい。図1-3に示すように、必要に応じて、様々なフィルタリングの種類および位置が提供されてもよい。フィルタリングの変形は、フィルタの入力に提供されるコントロールに基づいて行われてもよい。本明細書に開示されているように、コントロールは、様々な形態をとることができる。
【0098】
電子ディスプレイ12のフィルタリングの変形は、動的に行われてもよい。フィルタリングの種類や位置は、動的に変化してもよい。ユーザは、例えば、様々なフィルタリングパターンが生じるように、個々の画素のフィルタリングを迅速にシフトするために電子ディスプレイ12を電子的に制御することができる(例えば、図1に示されたフィルタリングパターンから、図2に示されたパターンへ、図3に示されたパターンへと動的にシフトすることができる)。ユーザは、制御端末30等から受信したコントロールを介して、フィルタリングの任意の機能を設定することができる。フィルタリングは、画素単位で設定されてもよい。例えば、図4に示すコントロールインターフェースでは、ユーザは、所望のフィルタリング特性を得るために個々の画素を選択することができる。
【0099】
フィルタリングは、濃度領域を通って滑らかに変化してもよい。カスタムフィルタパターンを形成するためにフィルタリングを使用してもよい。フィルタリングは、カメラ制御と組み合わせて使用してもよい。例えば、カメラの絞りは、フィルタリングと同様に、前景の物体にピントを合わせたまま、背景の物体にピントを合わせたりピントを外したりするように変化してもよい(絞りフィルタリングの一形態)。
【0100】
電子ディスプレイ12の利点は、典型的には非電気的なフィルタがカメラシステムで使用されており、カメラシステムから手動で交換する必要があることである。加えて、撮影中にフィルタを交換することはできない。さらに、カメラが昇降式のクレーンに設置されている場合、個人が手動でフィルタを交換するためには、クレーンを降ろす必要がある。電子ディスプレイ12は、遠隔で変更できる可変フィルタを可能にする。フィルタは、撮影中に動的に変更することができる。ユーザは、物理的にカメラに触れる必要はない。
【0101】
図6Aは、液晶が利用されている電子ディスプレイ12の部分の実施形態を示している。ディスプレイ12の部分は、ディスプレイ12の前面および後面にそれぞれ対応する、前面パネル42および後面パネル44を含んでもよい。パネル42、44は光学ガラス製であってもよい。ディスプレイ12は、互いに直交する方向に配向された偏光フィルタパネル46、48を含んでもよい。トランジスタと電極を備えるコントロール層50を利用してもよい。液晶52が利用され、画素22のアレイに分割されてもよい。カラーフィルタリングが望まれる実施形態では、カラーフィルタ54が使用されてもよい。カラーフィルタ54は、組み合わせて着色画素を形成する、赤色、緑色、および青色のサブピクセルを含んでもよい。着色されたサブピクセルを透過する光は、電子ディスプレイ12を透過する光の色を決定する。液晶ディスプレイ(LCD)技術の原理に沿って、液晶52への電圧は、液晶の配向を変化させるために変化させてもよい。液晶への電圧に基づいて、様々な量の光が液晶52によって透過され得る。しかしながら、電子ディスプレイ12では、標準的なLCD技術とは異なり、バックライトがない。画像自体は、電子ディスプレイ12を通過した光を生成する。他の実施形態では、液晶を用いた電子ディスプレイ12は、図示したものとは異なる用途および構造を有していてもよい。例えば、1つの実施形態では、1つの画素が利用されてもよく(1x1配列)、画像の明るさを所望の量に変化させるために利用されてもよい。1つの実施形態では、内部層50、52、54の順序または存在は、電子ディスプレイ12の所望の構造に応じて変化してもよい。1つの実施形態では、偏光フィルタパネル46、48の存在または構造は、必要に応じて変化してもよい。
【0102】
図6Bは、OLEDが利用される電子ディスプレイ12の部分の実施形態を示している。ディスプレイ12の部分は、ディスプレイ12の前面および後面にそれぞれ対応する、前面パネル56および後面パネル58を含んでもよい。パネル56、58は光学ガラス製であってもよい。ディスプレイ12は、カソード60とアノード62を含んでもよい。電子制御64は、トランジスタマトリクスの形態で提供されてもよい。画素24の配列に分割された有機層66が設けられてもよい。カラーフィルタリングが提供される実施形態では、画素24は、発光色のサブピクセルに配置されてもよい。図6Bに示すように、3つの画素24が示されており、これらは、赤、緑、および青の画素であってもよい。画素24は、発光色(例えば、紫色やオレンジ色の発光色)のサブピクセルに配置されていてもよい。他の実施形態では、色はOLEDによって提供されない場合がある。また、OLEDパネルは、透明であってもよく、OLEDからの光によって変更された画像の光を透過させてもよい。OLEDの構成は、図6Bに示す構成とは異なる場合がある。1つの実施形態では、構成は、アクティブマトリクス(AMOLED)であってもよく、他の実施形態では、パッシブ(PMOLED)であってもよい。1つの実施形態では、単一のOLED画素(1x1配列)が提供されてもよい。
【0103】
図6A~6Dに示すパネルは、反射防止ハードコーティングが施されていてもよい。Ravgは、入射角が15度で、400-700nmにおいて0.2%以下であってもよい。透過波面精度は、好ましくは1/2λ以下であってもよい。
【0104】
液晶を使用するための図6Aに示された実施形態は、ある種の液晶ディスプレイアーキテクチャを示しているが、本明細書に開示されているような電子ディスプレイの目的で液晶を利用する電子デバイスは、他のタイプのアーキテクチャを有していてもよく、そのようなすべての異なるアーキテクチャは本開示の範囲内にあることが理解されよう。図6Cから6Eには、図6Aに示されているものとは異なるアーキテクチャを有する液晶を利用した電子ディスプレイ100の実施形態が示されている。この例では、液晶は、2つの材料(すなわち、染料材料または「ゲスト」と、液晶材料または「ホスト」)で満たされた液晶セルからなるゲストホスト液晶アーキテクチャで提供される。一例では、ゲスト材料およびホスト材料の両方が、セルの内部で棒状の形状を呈している。このような電子ディスプレイの透過状態は、液晶層の配向の違いによって制御することができる。
【0105】
電子ディスプレイを通る光の透過は、液晶のゲストホスト色素層によって制御される。この層の上に異なる電圧を印加することで、液晶のダイレクターの向きを異なる状態に変化させることができる。色素分子の化学構造が液晶分子と似ているため、色素分子は液晶ダイレクターと整列する。図6C~6Dは、電子ディスプレイ100を示すと共に、2つの代表的な状態のためのダイレクター構造の概略図を提供する。無偏光の光が色素材料に入射すると、偏光依存性吸収が起こる。液晶ゲストホスト色素層にねじれを導入することで、液晶層を介して色素の配向が異なるため、吸収が偏光により依存しないものとなる。
【0106】
図6Cは、光の透過を減少させるために液晶ダイレクターが第1の状態(102)に配置された電子ディスプレイ100を図示している。図6Dは、光の透過を増加させるために液晶ダイレクターが第2の状態(104)に配置された電子ディスプレイ100を図示している。電子ディスプレイに印加される電界に基づいて、液晶ダイレクターのアライメントの変位が変化する。
【0107】
他の実施形態では、他の形態の電子ディスプレイが使用されてもよい。
【0108】
図7Aは、液晶63が光を拡散させることによって画像をフィルタリングするために利用される電子パネル61の実施形態を示している。液晶は、電圧または他の形態のエネルギーが液晶から印加または除去されたときに、ランダムに配向するように構成されていてもよい。液晶の向きが変わると、光の散乱が起こり、光の拡散が生じる場合がある。拡散の程度は、液晶から印加または除去される電圧または他の形態のエネルギーの量を変化させることによって変化させることができる。図7Aの右端の画像は、液晶のランダムな配向を示している。
【0109】
図7Bは、液晶67または粒子(ガラス繊維の破片など)が光を広げることによって画像をフィルタリングするために利用される電子パネル65の実施形態を示している。液晶または他の粒子は、電圧または他の形態のエネルギーが印加または除去されたときに、ある方向に配向するように構成されていてもよい。例えば、液晶等の粒子は、水平方向に配向するように構成されてもよい。液晶または粒子の配向が水平に整列すると、パネル65を通過する光の水平フレアが、「ストリーク」フィルタの動作に類似して発生する場合がある。他の実施形態では、アライメントの他の方向およびフレアリングの他の方向が提供されてもよい。例えば、垂直フレア、または斜めのフレアが提供されてもよく、これもまた、「ストリーク」フィルタの動作と同様である。1つの実施形態では、液晶または他の粒子は、放射状フレアが生じるように、放射状に配向されて構成されてもよい。フレアリングの程度は、液晶または粒子から印加または除去される電圧または他の形態のエネルギーの量を変化させることによって変化させることができ、それに応じて液晶または粒子の配向を変化させる。図7Bの右端の画像は、光の水平方向のフレアを生じさせる、液晶または粒子の水平方向の配向を示している(他の配向も提供されてもよいが)。
【0110】
1つの実施形態では、液晶とOLEDの組み合わせが利用されてもよい。図7Cは、1つ以上のOLEDを含む電子パネル71と液晶を含む電子パネル73とを組み合わせて利用する電子パネル69の構成を示している。パネル71、73は、OLEDパネルおよび液晶パネルのそれぞれについて、本明細書に開示された方法に従って動作してもよい。パネル71、73は、両パネル71、73を光が通過するように積層された態様で構成されてもよい。従って、電子パネル73は、画像を暗くしたり明るくしたり(または本明細書に開示されている他の光学効果を生成したり)してもよく、電子パネル71は、フィルタリングを生成するために、結果として得られる画像上にオーバーレイ光を追加してもよい。
【0111】
本明細書に開示された電子パネルは、本明細書に開示された装置、システム、および方法によって制御されてもよい。パネルとパネル効果の組み合わせは、必要に応じて提供され得る。
【0112】
図8は、カメラシステム70の側面図を示している。カメラシステム70は、カメラ72を含んでもよく、レンズシステム74を含んでもよい。レンズシステム74は、カメラレンズ76を含んでもよく、マットボックス78を含んでもよい。マットボックス78は、フィルタ10を受けるためのフィルタスロット80を含んでもよい。フィルタ10は、カメラレンズ76の物体側82(カメラが画像を受け取る画像側とは反対側)に配置されてもよい。カメラレンズ76は、1つ以上の個別のレンズ素子から構成されてもよい。
【0113】
フィルタ10は、マットボックス78に着脱可能に結合されていてもよい。マットボックス78は、従来の映画撮影用のマットボックスであってもよい。
【0114】
他の実施形態では、レンズシステム74またはカメラシステム70へのフィルタ10の結合の他の形態が利用されてもよい。例えば、ねじ込み式、スナップ式、または他の形態の機械的接続が結合のために提供されてもよい。
【0115】
図9は、カメラシステム70の正面斜視図を示す。フィルタ10は、マットボックス78内に設置されている。
【0116】
図10は、フィルタ10がカメラレンズ76とカメラ72の受像器69との間に配置された実施形態を示している。受像機69は、カメラ画像を受信するためのデジタルセンサやフィルムなどから構成されてもよいし、他の形態の受像機から構成されてもよい。フィルタ10は、本明細書に開示されたフィルタリングを提供するように構成されていてもよいが、カメラレンズ76 の画像側と受像器69の物体側に構成されていてもよい。レンズ76を構成する複数のレンズ素子73、75、77が示されている。フィルタ10は、カメラシステム71の光路内に配置されている。特定の実施形態では、フィルタ10は、好ましくは、本明細書に開示されたOLEDフィルタリングを提供するためのOLEDを含んでもよい。フィルタ10は、カメラシステム71に着脱可能に、または恒久的に結合されていてもよい。
【0117】
本明細書の実施形態では、カメラ72は、動画撮影用のカメラ(フィルムまたはデジタルカメラ)であってもよく、静止画撮影用のカメラ、例えばスチルフォト用のカメラであってもよい。カメラは、映画撮影用(映画製作用)に使用される場合もあれば、映画撮影以外の用途や商業目的で使用される場合もある。1つの実施形態では、カメラは、モバイルデバイス(スマートフォンまたは他の形態のモバイルデバイス)であってもよい。
【0118】
図11は、例えば、本明細書に開示された実施形態に係る電子ディスプレイ81を含むフィルタ79を示す。フィルタ79は、モバイルデバイス85のカメラのカメラレンズ83の物体側に結合される。本明細書に開示されたフィルタリングが提供されてもよい。フィルタ79は、モバイルデバイス85に着脱可能に結合されていてもよい。着脱可能な結合は、接着剤、ねじまたはスナップフィット、あるいは他の形態の結合を介して行われてもよい。1つの実施形態では、フィルタ79は、カメラレンズ83の画像側に配置されてもよく、したがって、モバイルデバイス85に恒久的に結合されてもよい。
【0119】
1つの実施形態では、フィルタ、電子ディスプレイ、および他の装置、システム、並びに方法は、カメラでの使用に限定されない。フィルタ、電子ディスプレイ、および他の装置、システム、並びに方法は、他の光学的実施形態、例えば、拡張現実ビューア(ヘッドセット、ハンドセット、およびそのようなものを含む)および仮想現実ビューア(ヘッドセット、ハンドセット、およびそのようなものを含む)で使用することができる。
【0120】
本開示は、本明細書に開示された装置、およびシステムに限定されるものではないが、本明細書に開示された装置、およびシステムのいずれかを使用、提供、または実行するすべての方法、およびそれらのそれぞれの特徴にも及ぶ。
【0121】
締めくくりとして、本明細書の態様は具体的な実施態様を参照して強調されているが、当業者であれば、これらの開示されている実施態様は、本明細書に開示されている主題の原理の単に例示であることが容易に分かるであろうことを理解すべきである。従って、開示されている主題は、決して本明細書に記載されている特定の方法論、手順、及び/又は試薬などに限定されないことを理解すべきである。従って、本明細書の趣旨から逸脱することなく、本明細書中の教示に従って、開示されている主題に対する様々な修正又は変更又はそれらの他の構成が可能である。最後に、本明細書中で使用されている専門用語は、単に特定の実施態様を記述するためのものであり、本明細書に開示されているシステム、装置、及び方法の範囲を限定するものではく、特許請求の範囲によってのみ定義される。従って、システム、装置、及び方法は、詳細に図示及び記載されているものに限定されない。
【0122】
本発明者らに知られている本発明を実施するための最良の形態を含むシステム、装置、及び方法の特定の実施態様が、本明細書に記載されている。当然のことながら、これらの記載されている実施態様の変形形態は、上記記載を読めば当業者には明らかである。本発明者は、当業者がそのような変形形態を適宜用いることを想定しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されているものとは異なる方法でシステム、装置、及び方法が実施されることを企図している。従って、システム、装置、及び方法は、本明細書に添付されている特許請求の範囲に列挙されている主題の全ての変形形態及び均等物を適用法により認められるものとして含むものである。さらに、本明細書に特に明記しない限り、あるいは文脈に明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形形態における上記実施態様の任意の組み合わせがシステム、装置、及び方法により包含される。
【0123】
システム、装置、及び方法の他の実施態様、要素、又は工程のグループ化は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、個々に、あるいは本明細書に開示されている他のグループの構成要素との任意の組み合わせで参照及び特許請求することができる。グループの1つ以上の構成要素は、利便性及び/又は特許性を理由に、グループに含めたり、そこから削除したりすることができるものと想定される。任意のそのような包含又は削除が生じた場合、本明細書は、そのグループを修正されたものとして含めるものとし、従って、添付の特許請求の範囲に使用されている全てのマーカッシュ群の記載を満たすものとする。
【0124】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用されている特性、項目、量、パラメータ、性質、用語などを表わす全ての数は、「約」という用語により、全ての場合に修正されるものとして理解されるべきである。本明細書で使用される「約」という用語は、そのように定量された特性、項目、量、パラメータ、性質又は用語が、変動し得るが、本明細書で論じられている所望の操作またはプロセスを実行し得る近似値を包含することを意味する。
【0125】
システム、装置、及び方法を記載する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)に使用される「1つの(a)」「1つの(an)」「その(前記)(the)」という用語及び同様の指示物は、本明細書に特に明記しない限り、あるいは文脈に明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。本明細書に記載されている全ての方法は、本明細書に特に明記しない限り、あるいは文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書に提供されているありとあらゆる例又は例を表わす言葉(例えば、「など」)の使用は、システム、装置、及び方法を単により良く理解するためのものであり、特許請求の範囲に別段の記載がない限り、システム、装置、及び方法の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいずれの言葉も、システム、装置、及び方法の実施に必須なあらゆる特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0126】
本明細書で参照及び特定されている全ての特許、特許公開公報、及び他の刊行物の開示内容全体が、例えば、システム、装置、及び方法に関して使用され得るそのような刊行物に記載されている組成物及び方法論を記載及び開示するために、個々に、かつ明確に参照により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は単に、本出願の出願日より前のそれらの開示のために提供されている。この点に関してはいずれも、本発明者らが、先願発明により、あるいはあらゆる他の理由のために、そのような開示に先行する権利がないということを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文献の日付に関する全ての記載又は内容に関する表現は、本出願人に利用可能な情報に基づくものであり、これらの文献の日付又は内容の正確性に関するいかなる承認も構成するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】