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▶ インペリアル、タバコ、リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】喫煙代用システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20241203BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20241203BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532572
(86)(22)【出願日】2022-12-16
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 EP2022086322
(87)【国際公開番号】W WO2023111255
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】21215006.4
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】501024897
【氏名又は名称】インペリアル、タバコ、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IMPERIAL TOBACCO LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒラ, ヤン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AB21
4B162AD06
4B162AD23
(57)【要約】
サーモスタット加熱器制御部を有する非燃焼加熱式デバイスが提供され、加熱器活動化期間が閾値を超過したことを監視することによって、パフが発生したことが判定される。加熱器活動化期間を閾値に対して監視することからパフを判定することで、流量センサが見落とし得るより弱いパフを検出することが可能になることが判明したことが有利である。たとえば、流量センサは、55ml/秒の平均流量を有するパフを検出することが可能となり得るが、その流量の2分の1または3分の1の平均流量を有するより弱いパフを検出することはできない可能性がある。一方、特に弱いパフの場合、加熱器活動化期間に基づいてパフを判定することで、より確実なパフ検出指示を提供することができることが判明した。正確かつ確実なパフ検出は、複数の機能にとって有利である。特に、正確かつ確実なパフ検出により、各喫煙セッション中のパフカウントを判定することが可能になる。例として、パフカウントを使用して、パフの数を超過していないかどうかに基づいて、喫煙セッションを延長することができるかどうかを識別することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱器要素(223)と、温度センサと、サーモスタット加熱器制御部を含む制御システム(208)とを備え、前記サーモスタット加熱器制御部が、前記温度センサの出力に基づいて、前記加熱器要素を活動化および非活動化し、前記加熱器要素の温度を動作温度内で維持するように構成されている、エアロゾル生成デバイス(101、201)において、
前記制御システムが、活動化期間が閾値を超過したことを判定したことに基づいて、パフが開始されたことを判定するように構成されている
ことを特徴とする、エアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項2】
前記閾値が固定の閾値である、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項3】
前記閾値が、先行する活動化期間の平均に基づいている、請求項1に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項4】
先行する活動化期間の前記平均が、固定数の先行する活動化期間の平均である、請求項3に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項5】
前記閾値が、先行する活動化期間の前記平均からの固定オフセットとして判定される、請求項3または4に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項6】
前記閾値が、先行する活動化期間の前記平均の増加割合として判定される、請求項3または4に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項7】
前記制御システムが、パフが開始されたという前記判定を使用して、前記デバイスのさらなる機能を制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項8】
前記制御システムが、パフが開始されたという前記判定の数をカウントするためのカウント機能を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項9】
前記カウント機能が、喫煙セッションの終了時にリセットされる、請求項8に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項10】
前記喫煙セッション中に最小のカウントに到達しなかった場合、前記制御システムが、前記喫煙セッションを延長するように構成されている、請求項9に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項11】
前記デバイスが、細長い本体(209)を備え、前記細長い本体の端部が、エアロゾル形成物品(102)に係合するように構成されており、前記加熱器要素が、前記エアロゾル形成物品に挿入されるように構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス(101、201)と、エアロゾル形成物品とを備えるシステム(100)。
【請求項13】
エアロゾル生成デバイス(101、201)を制御する方法であって、
加熱器要素(223)を活動化および非活動化して、前記加熱器要素の温度を動作温度内で維持することと、
前記加熱器要素の活動化期間が閾値を超過したことを判定することと、
前記加熱器要素の前記活動化期間が前記閾値を超過したという前記判定に基づいて、パフが開始されたことを判定することとを含む方法。
【請求項14】
先行する活動化期間の平均を計算することと、前記計算された平均に基づいて、前記閾値を判定することとを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
喫煙セッション中にパフが開始されたという判定の数をカウントすることと、前記喫煙セッション中に最小のカウントに到達しなかった場合、前記喫煙セッションを延長することとを含む、請求項13または14に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙代用システムに関し、それだけには限らないが詳細には、デバイスを含む喫煙代用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの喫煙は、喫煙者を、潜在的に有害な物質にさらすものと一般的にみなされている。タバコが燃えること、および/またはタバコの燃焼によって引き起こされる熱、ならびにタバコの煙それ自体における燃えたタバコの成分を通して、著しい量の潜在的に有害な物質が生成されると一般的に考えられている。
【0003】
シガレットなどの従来の可燃性喫煙物品は、通常、ラッパーによって取り囲まれたタバコの細片を含む円柱状のタバコロッドを含み、通常は、巻かれたタバコロッドと当接関係で軸方向に位置合わせされた円柱状フィルタも含む。フィルタは、通常、プラグラップによって外接された濾過材料を含む。巻かれたタバコロッドおよびフィルタは、フィルタの長さ全体および巻かれたタバコロッドの隣接部分に外接する巻かれた帯状のチップペーパーによって一緒にまとめられる。このタイプの従来のシガレットは、フィルタとは反対の位置にある端部に火をつけて、タバコロッドを燃やすことによって使用される。喫煙者は、シガレットの口側端またはフィルタ端で吸い込むことによって、自身の口の中に主流煙を受け入れる。
【0004】
タバコなどの有機材料の燃焼は、タールおよび他の潜在的に有害な副産物を生み出すことが知られている。タバコの喫煙を回避するために、さまざまな喫煙代用システム(または「代用喫煙システム」)が提案されている。
【0005】
そのような喫煙代用システムは、喫煙をやめ、ニコチンへの依存を克服することを望む人々に向けたニコチン置換療法の一部を形成することができる。
【0006】
喫煙代用システムは、エアロゾル(「蒸気」とも呼ばれる)を生み出すことによって、ユーザが喫煙の行為をシミュレートするのを可能にする電子システムを含み、エアロゾルは、口を通って肺の中に吸い込まれ(吸入され)、次いで吐き出される。吸入されたエアロゾルは、通常、従来の喫煙に関連付けられた匂いおよび健康リスクのない、または匂いおよび健康リスクがより少ない、ニコチンおよび/または風味付けを有している。
【0007】
一般に、喫煙代用システムは、従来の喫煙および可燃性タバコ製品で体験したものと同様の体験および満足感をユーザに提供しながら、喫煙の習慣的行為の代用を提供することを意図している。いくつかの喫煙代用システムは、喫煙代用物品(「消耗品」とも呼ばれる)を使用し、そのような喫煙代用物品は、従来のシガレットに似せて設計されており、一端にマウスピースのついた円柱状の形である。
【0008】
喫煙代用システムの人気および使用は、過去数年間で急速に成長している。これらのシステムは、タバコの喫煙をやめたいと望む常習的な喫煙者を支援する。
【0009】
いくつかの異なるカテゴリの喫煙代用システムが存在し、その各々が、異なる喫煙代用アプローチを利用する。
【0010】
喫煙代用システムのための1つのアプローチが、いわゆる加熱式タバコ(「HT」)アプローチであり、このアプローチでは、タバコ(「eリキッド」ではない)は、加熱され、または加温されて蒸気を放出する。HTは、「非燃焼加熱式」(「HNB」)としても知られている。タバコは、葉タバコであっても再構成タバコであってもよい。蒸気は、ニコチンおよび/または風味付けを含有することができる。HTアプローチにおいて、その意図は、タバコが燃やされずに加熱され、すなわちタバコが燃焼を受けないことである。
【0011】
典型的なHT喫煙代用システムは、デバイスおよび消耗品を含むことができる。消耗品は、タバコ材料を含むことができる。デバイスおよび消耗品は、物理的にともに結合されるように構成されてよい。使用において、デバイスの加熱要素によってタバコ材料に熱が付与されてよく、タバコ材料を通る空気流が、タバコ材料における成分を蒸気として放出させる。蒸気はまた、タバコ材料におけるキャリア(このキャリアは、たとえばプロピレングリコールおよび/または野菜グリセリンを含むことができる)、加えて、タバコから放出される揮発性化合物から形成されてもよい。放出された蒸気は、タバコを通して吸い込まれた空気流に同伴されてよい。
【0012】
蒸発した場所から消耗品の出口(たとえば、マウスピース)へと、蒸気が消耗品を通過する(空気流に同伴される)とき、蒸気は、冷え、凝結して、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを形成する。エアロゾルは、通常、揮発性化合物を含有する。
【0013】
HT喫煙代用システムにおいては、タバコ材料を燃やすこととは対照的に、加熱することにより、喫煙中に通例生み出されるより多くの有害な化合物をより少なくさせる、またはより少量にさせると信じられている。結果として、HTアプローチは、タバコが燃えること、タバコの燃焼、および熱分解(pyrolytic)劣化を通して生じ得る、匂いおよび/または健康リスクを低減することができる。
【0014】
ユーザ体験を強化し、HT喫煙代用システムの機能を改善するために、喫煙代用システム、特にHT喫煙代用システムの改善された設計が必要とされている。
【0015】
本開示は、上記の課題に鑑みて考案された。
【発明の概要】
【0016】
最も一般的に、本発明の態様は、サーモスタット加熱器制御部を有する非燃焼加熱式デバイスに関し、加熱器活動化期間が閾値を超過したことを監視することによって、パフが発生したことが判定される。加熱器活動化期間を閾値に対して監視することからパフを判定することで、流量センサが見落とし得るより弱いパフを検出することが可能になることが判明したことが有利である。たとえば、流量センサは、55ml/秒の平均流量を有するパフを検出することが可能となり得るが、その流量の2分の1または3分の1の平均流量を有するより弱いパフを検出することはできない可能性がある。一方、特に弱いパフの場合、加熱器活動化期間に基づいてパフを判定することで、より確実なパフ検出指示を提供することができることが判明した。正確かつ確実なパフ検出は、複数の機能にとって有利である。特に、正確かつ確実なパフ検出により、各喫煙セッション中のパフカウントを判定することが可能になる。例として、パフカウントを使用して、パフの数を超過していないかどうかに基づいて、喫煙セッションを延長することができるかどうかを識別することができる。
【0017】
サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素を必要とされる動作温度で維持するために、加熱器要素をオンおよびオフにするように構成される。たとえば、必要とされる動作温度は帯域であってよい。帯域は、エアロゾル生成基材をエアロゾル化するのに好適になるように、好適に判定される。加熱器の温度が帯域の上限を上回ったことが検出されたとき、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器をオフにする。すなわち、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素へ電力が供給されることを防止する。加熱器要素がオフであるとき、加熱器要素温度は低下する。加熱器要素温度が帯域の下限を下回ったことが検出されたとき、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器をオンにするように構成される。すなわち、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素へ電力を提供する。加熱器要素がオンであるとき、加熱器要素は熱くなり、このサイクルが繰り返される。加熱器がオフにされてから再びオンに戻されるまでの期間(すなわち、温度が上限から降下してから下限までの期間)を、加熱器非活動化期間と呼ぶ。加熱器がオンにされてから再びオフに戻されるまでの期間(すなわち、温度が下限から上昇してから上限までの期間)を、加熱器活動化期間と呼ぶ。加熱器活動化期間および次の加熱器非活動化期間を、単一のサーモスタットサイクルと呼ぶ。典型的には、動作温度(すなわち、エアロゾル形成基材からエアロゾルを生成するために必要とされる温度)で加熱器温度を維持するために、1秒につき複数のサーモスタットサイクルが存在してよい。
【0018】
一般に、喫煙セッションは、消耗品をデバイスに挿入することによって開始され、デバイスは活動化される。たとえば、開始ボタンを活動化することができる。開始されると、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素を活動化して、加熱器要素を動作温度まで温めるように構成される。すなわち、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素へ電力を提供するように構成される。加熱器要素が温度に到達すると、サーモスタット加熱器制御部は、サーモスタットサイクルを完了し、喫煙セッションの終了まで加熱器要素温度を動作温度帯域内で維持する。喫煙セッションの終了(典型的には、所定の総喫煙セッション時間に基づく)後、サーモスタット加熱器制御部は加熱器要素を非活動化し、加熱器要素が冷める。セッションの終了後、加熱器が動作温度に到達すると、セッションの開始がユーザに通知される。これらの期間の間、ユーザはシステムで吸入して消耗品から空気を吸い込み、加熱器要素が消耗品を加熱することによって生成されたエアロゾルを吸う。各吸入をパフと呼ぶ。ユーザは、自身の好みに応じてパフを完了することができる。ユーザが喫煙セッション中に最小数のパフを完全していない場合、喫煙セッションの時間を延長するようにデバイスを構成可能であることが好ましい。その結果、パフの数を正確に繰り返し判定することが可能であることは、いつセッションを延長するべきかを判定するのに有利である。しかし、他の有用な機能もエアロゾル生成装置に組み込むことができ、または組み込まれる可能性があり、これはパフの判定および/またはパフ数のカウントに依拠する。
【0019】
例示的な実施形態によれば、セッション中のサーモスタットサイクルの活動化期間を監視することによって、パフが発生したことが判定される。すなわち、加熱器がウォームアップし、セッションが開始した後、サーモスタット加熱器制御部は、複数のサーモスタットサイクル(すなわち、1秒につき複数のサーモスタットサイクル)を完了するように構成される。外部からの影響がなければ(すなわち、ユーザがパフを開始しないとき)、連続するサーモスタットサイクルの加熱器活動化期間は比較的安定していることが判明した。すなわち、加熱器要素温度は自然に調整され、加熱器活動化期間は比較的一定である。パフが発生すると、システムから空気流を吸い込むことによって加熱器要素が強制的に冷却され、パフが開始した後のその加熱器活動化期間が延長される。すなわち、サーモスタットコントローラは、加熱器要素の温度が動作温度帯域の上限を上回ってサーモスタット加熱器制御部が加熱器要素をオフにするまでより長く活動化されるように、加熱器要素を制御する。各サーモスタットサイクルの活動化期間を監視することにより、閾値を超過した加熱器活動化期間を識別することによって、パフを判定することができることが好適である。ここで、閾値は所定の閾値であってよく、または閾値は、以前の複数の活動化期間の平均、たとえば活動化期間ローリング平均に基づくものであってよい。
【0020】
上述したように、「エアロゾル生成装置」(または「電子(e)シガレット」)は、ユーザによる吸入のためにエアロゾルをユーザへ送達するように構成された装置であってよいことが理解されよう。装置は、加えて/別法として、従来の可燃性喫煙物品の代わりに使用されることが意図される場合、「喫煙代替装置」と呼ぶこともできる。本明細書では、可燃性「喫煙物品」とは、熱分解温度を上回る加熱(典型的には、燃焼および/または熱分解による)を介して煙(固体粒子およびガスを含むエアロゾル)を生じさせるシガレット、シガー、パイプ、または他の物品を指す。装置によって生成されるエアロゾルは、0.2~7ミクロン、または10ミクロン未満、または7ミクロン未満の粒径を有するエアロゾルを含むことができる。この粒径は、加熱器温度、蒸気が凝縮してエアロゾルになるときの冷却速度、乱流および速度を含む流れ特性のうちの1つまたは複数の制御によって実現することができる。エアロゾル生成装置によるエアロゾルの生成は、入力デバイスによって制御することができる。入力デバイスは、ユーザによって活動化されるように構成することができ、たとえばアクチュエータ(たとえば、作動ボタン)および/もしくは空気流量センサを含むことができ、またはそのような形態をとることができる。例示的な実施形態において、エアロゾル生成装置(喫煙代替装置)は、エアロゾル生成デバイス(喫煙代替デバイス)および消耗品(エアロゾル形成物品)を備える。
【0021】
言い換えれば、例示的な実施形態は、加熱器要素と、温度センサと、サーモスタット加熱器制御部を含む制御システムとを備えるエアロゾル生成デバイスを提供する。制御システムは、サーモスタット加熱器制御部を動作させて加熱器要素を活動化することによって、喫煙セッションを開始するように構成される。サーモスタット加熱器制御部は、温度センサの出力に基づいて、サーモスタットサイクル中に加熱器要素を活動化および非活動化し、加熱器要素温度を動作温度帯域間で維持するように構成される。制御システムは、各サーモスタットサイクルの活動化期間を監視し、活動化期間が閾値を超過したことを判定したことに基づいて、パフが開始されたことを判定するように構成される。
【0022】
任意選択の特徴について、次に説明する。これらは、単独で、または任意の態様との任意の組合せで、適用可能である。
【0023】
例示的な実施形態において、加熱器要素は加熱器ロッドであることが好適であるが、サーモスタット制御(すなわち、動作温度を維持するためのオン/オフ調節)によって操作されるブレード、コイル、または電磁誘導システムなどの他の加熱器要素も想定される。
【0024】
例示的な実施形態において、温度センサは、加熱要素の温度を監視する。たとえば、温度センサは、加熱要素に直接固定することができる。いくつかの実施形態において、温度センサは、加熱要素に形成された抵抗トラックであってよく、そこから抵抗の変化により温度を導き出すことができる。温度センサの出力は、サーモスタット加熱器制御部によって、加熱要素の温度が動作温度帯域を上回るまたは下回ることを判定するために使用される。
【0025】
例示的な実施形態において、サーモスタット加熱器制御部および制御システムは、同じであっても、別個のユニットであってもよい。さらに、制御システムは、デバイスの1つまたは複数の機能を完了するために必要なコントローラおよびメモリを含むことができる。ここで、機能は、当技術分野では知られているように、デバイスのさらなる機能を含むことができる。特に、制御システムは、判定されたパフの数をカウントするためのカウント機能を備えることができる。ここで、カウント機能は、喫煙セッションの終了時にリセットされてよい。しかし、異なる期間に対するパフカウントが有用になるデバイスの機能も存在し得ることが想定される。制御システムは、パフのカウント数を使用することができることが好適である。たとえば、制御システムは、パフのカウント数に基づいて、喫煙セッション期間を延長するかどうかを判定することができる。制御システムは、加えて、または別法として、デバイスの他の機能を制御するために、または外部デバイスへ情報を伝送するために、パフのカウント数、またはパフ検出を使用することができる。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態において、制御システムは、活動化期間が所定の閾値を超過したとき、パフを判定するように構成される。すなわち、パフが判定される活動化期間(加熱器要素のオン時間の長さ)は、固定の長さとして制御システム内で事前に決定されてよい。しかし、好ましい実施形態において、それを上回るとパフが判定される活動化期間に対する閾値は、以前の複数のサーモスタットサイクルの活動化期間の平均に基づくものであってよい。ここで、複数の連続するサーモスタットサイクルは、固定の数の以前のサイクル(たとえば、ローリング平均)であってよい。閾値が以前のサーモスタットサイクルの平均に基づく例示的な実施形態において、閾値は、増加割合(すなわち、活動化期間が平均より10%大きいとき、パフが判定される)または固定オフセット(すなわち、活動化期間が平均より100ミリ秒長いとき、パフが判定される)に基づいて判定することができる。以前の活動化期間の平均からの増加割合によって閾値が判定される例示的な実施形態において、増加割合は、10%超、または20%超、または30%超、または40%超であってよい。以前の活動化期間の平均からの固定オフセットによって閾値が判定される例示的な実施形態において、固定オフセットは、100ミリ秒超、または150ミリ秒超、または200ミリ秒超であってよい。
【0027】
エアロゾル生成デバイス(すなわち、デバイス)は、細長い本体を備えることができる。細長い本体の端部は、エアロゾル形成物品に係合するように構成されてよい。たとえば、本体は、加熱式タバコ(HT)消耗品(または非燃焼加熱式(HNB)消耗品)に係合するように構成されてよい。用語「加熱式タバコ」および「非燃焼加熱式」は、燃焼されるのではなく加熱されるタイプの消耗品について説明するために、本明細書で区別なく使用される(または、そのような消耗品とともに使用するためのデバイスについて説明するために、区別なく使用される)。デバイスは、消耗品の少なくとも一部分を受け取るように(すなわち、消耗品に係合するように)構成された空洞を含むことができる。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成体(たとえば、エアロゾル形成基質によって担持される)を含むタイプとしてよい。
【0028】
デバイスは、エアロゾル形成物品を加熱する加熱器を含むことができる。加熱器は、加熱要素を含むことができ、加熱要素は、デバイスの本体から延びるロッドの形としてよい。加熱要素は、エアロゾル形成物品に係合するように構成された本体の端部から延びることができる。
【0029】
加熱器(したがって、加熱要素)は、本体に堅く取り付けられてよい。加熱要素は、長手方向軸を画定するように細長くすることができ、たとえば、実質的に円形の横断方向プロファイル(すなわち、加熱要素の長手方向軸に対して横断方向)を有することができる(すなわち、加熱要素を略円柱状としてよい)。別法として、加熱要素は、方形の横断方向プロファイルを有することができる(すなわち、加熱器を「ブレード加熱器」としてよい)。別法として、加熱要素は、管の形状としてよい(すなわち、加熱器を「管状加熱器」としてよい)。加熱要素は、他の形をとってもよい(たとえば、加熱要素が長円形の横断方向プロファイルを有してもよい)。加熱要素の横断方向プロファイルの形状および/またはサイズ(たとえば、直径)は、加熱要素の長さ全体(または実質的に長さ全体)にわたって概して一貫したものとしてよい。
【0030】
加熱要素は、長さ15mm~25mm、たとえば長さ18mm~20mm、たとえば長さ約19mmとしてよい。加熱要素は、1.5mm~2.5mmの直径、たとえば2mm~2.3mmの直径、たとえば約2.15mmの直径を有することができる。
【0031】
加熱要素は、セラミックから形成されてよい。加熱要素は、Al2O3を含むコア(たとえば、セラミックコア)を含むことができる。加熱要素のコアは、1.8mm~2.1mm、たとえば1.9mm~2mmの直径を有することができる。加熱要素は、Al2O3を含む外層(たとえば、外側セラミック層)を含むことができる。外層の厚さは、160μm~220μm、たとえば170μm~190μm、たとえば約180μmとしてよい。加熱要素は、加熱トラックを含むことができ、加熱トラックは、加熱要素に沿って長手方向に延びることができる。加熱トラックは、加熱要素の外層とコアとの間に挟まれてよい。加熱トラックは、タングステンおよび/またはレニウムを含むことができる。加熱トラックは、約20μmの厚さを有することができる。
【0032】
加熱要素は、(デバイスの)空洞に位置してよく、空洞の内部ベースから空洞の開口の方へ(たとえば、長手方向軸に沿って)延びることができる。加熱要素の長さ(すなわち、加熱器の長手方向軸に沿った長さ)は、空洞の深さより小さくすることができる。したがって、加熱要素は、空洞の長さの一部分のみにわたって延びることができる。すなわち、加熱要素は、空洞の開口を通って(または越えて)延びなくてよい。
【0033】
加熱要素は、エアロゾル形成物品が空洞に受け入れられたとき、エアロゾル形成物品(たとえば、HT消耗品)に挿入されるように構成されてよい。その点で、加熱要素の遠位端(すなわち、デバイスに取り付けられた加熱要素のベースから遠位)が、先細りした部分を含むことができ、それにより、エアロゾル形成物品への加熱要素の挿入を容易にすることができる。エアロゾル形成物品が空洞に受け入れられたとき、加熱要素はエアロゾル形成物品に完全に貫入することができる。すなわち、加熱要素の長さ全体または実質的に長さ全体が、エアロゾル形成物品に受け入れられてよい。
【0034】
加熱要素は、エアロゾル形成物品(たとえば、HT消耗品)の一部を形成するエアロゾル形成基質の軸方向の長さより小さい、または実質的に同じ長さを有することができる。したがって、そのようなエアロゾル形成物品がデバイスに係合されたとき、加熱要素は、エアロゾル形成基質のみに貫入することができ、エアロゾル形成物品の他の構成要素は貫入しなくてよい。加熱要素は、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質の実質的に軸方向の長さ全体にわたって、エアロゾル形成基質に貫入することができる。したがって、加熱要素によって貫入されたとき、加熱要素(たとえば、その外周面)から周辺のエアロゾル形成基質へ、熱が伝達され得る。すなわち、熱は、径方向外方(円柱状の加熱要素の場合)またはたとえば径方向内方(管状加熱器の場合)へ伝達され得る。
【0035】
加熱器が管状加熱器である場合、管状加熱器の加熱要素は、空洞の少なくとも一部分を取り囲むことができる。エアロゾル形成物品の一部分が空洞に受け入れられたとき、加熱要素は、エアロゾル形成物品の一部分を取り囲む(すなわち、エアロゾル形成物品のその部分を加熱する)ことができる。特に、加熱要素は、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質を取り囲むことができる。すなわち、エアロゾル形成物品がデバイスに係合されたとき、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質は、(管状)加熱要素の内面に隣接して位置してよい。加熱要素が活動化されたとき、加熱要素の内面から径方向内方へ熱が伝達されて、エアロゾル形成基質を加熱することができる。
【0036】
空洞は、(たとえば、円周)壁(または複数の壁)を含むことができ、(管状)加熱要素は、この壁の少なくとも一部分の周りに延びることができる。このようにして、壁は、加熱要素の内面とエアロゾル形成物品の外面との間に位置してよい。空洞の壁(または複数の壁)は、加熱要素からエアロゾル形成物品への熱伝導を可能にするために、熱伝導性材料(たとえば、金属)から形成されてよい。したがって、加熱要素から、空洞壁(または複数の壁)を通って、空洞に受け入れられたエアロゾル形成物品のエアロゾル形成基質へ、熱が伝導され得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、デバイスは、エアロゾル形成物品に係合するように構成された本体の端部に配置されたキャップを含むことができる。デバイスが、加熱要素を有する加熱器を含む場合、キャップは、加熱要素を少なくとも部分的に囲むことができる。キャップは、加熱要素へのアクセスが提供される開放位置と、キャップが加熱要素を少なくとも部分的に囲む閉鎖位置との間で、可動としてよい。キャップは、デバイスの本体に摺動可能に係合されてよく、開放位置と閉鎖位置との間で摺動可能としてよい。
【0038】
キャップは、デバイスの空洞の少なくとも一部分を画定することができる。すなわち、空洞は、キャップによって完全に画定されてよく、またはキャップおよび本体の各々が、空洞の一部分を画定してよい。キャップが空洞を完全に画定する場合、キャップは、加熱要素を空洞に受け入れる(キャップが閉鎖位置にあるとき)ための開口部を含むことができる。キャップは、空洞への開口を含むことができる。開口は、エアロゾル形成物品の少なくとも一部分を受け取るように構成されてよい。すなわち、エアロゾル形成物品は、開口を通って空洞に挿入されてよい(デバイスに係合される)。
【0039】
キャップは、エアロゾル形成物品がデバイスに係合された(たとえば、空洞に受け入れられた)とき、エアロゾル形成物品の一部分のみが空洞に受け入れられるように構成されてよい。すなわち、エアロゾル形成物品の一部分(空洞に受け入れられていない部分)が、開口から突出してよい(すなわち、開口を越えて延びる)。エアロゾル形成物品のこの(突出)部分は、エアロゾル形成物品の末端(たとえば、口側端)としてよく、この末端は、デバイスによって形成されたエアロゾルを吸入する目的で、ユーザの口に受け入れられてよい。
【0040】
デバイスは、電源を含むことができ、または電源(たとえば、デバイスとは別個の電源)に接続可能としてよい。電源は、加熱器に電気的に接続可能としてよい。その点で、加熱器への電源の電気的接続を変更(たとえば、トグル)することは、加熱器の状態に影響を及ぼし得る。たとえば、加熱器への電源の電気的接続をトグルすることで、加熱器をオン状態とオフ状態との間でトグルすることができる。電源は、パワーストアとしてよい。たとえば、電源は、電池または再充電可能な電池(たとえば、リチウムイオン電池)としてよい。
【0041】
デバイスは、入力接続(たとえば、USBポート、Micro USBポート、USB-Cポートなど)を含むことができる。入力接続は、電源供給口などの外部電力源に接続するように構成されてよい。入力接続は、場合により、内部電源(たとえば、電池または再充電可能な電池)の代用として使用されてよい。すなわち、入力接続は、加熱器に電気的に接続可能としてよい(加熱器に電力を提供するため)。したがって、いくつかの形態において、入力接続は、デバイスの電源の少なくとも一部を形成してよい。
【0042】
電源が再充電可能な電源(再充電可能な電池など)を含む場合、入力接続は、電源を充電および再充電するために使用されてよい。
【0043】
デバイスは、ユーザインターフェース(UI)を含むことができる。いくつかの実施形態において、UIは、ユーザから動作コマンドを受け取るための入力手段を含むことができる。UIの入力手段は、ユーザがデバイスの動作の少なくとも1つの形態を制御することを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、入力手段は、デバイスをオン状態とオフ状態との間で切り換えるための電源ボタンを含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、UIは、加えて、または別法として、ユーザに情報を伝達するための出力手段を含むことができる。いくつかの実施形態において、出力手段は、デバイス(および/またはエアロゾル形成物品)の状態をユーザに示すためのライトを含むことができる。ユーザに示されるデバイス(および/またはエアロゾル形成物品)の状態は、加熱器の動作を示す状態を含むことができる。たとえば、状態は、加熱器がオフ状態であるかオン状態であるかを含むことができる。いくつかの実施形態において、UIユニットは、ボタン、ディスプレイ、タッチスクリーン、スイッチ、ライトなどのうちの少なくとも1つを含むことができる。たとえば、出力手段は、1つまたは複数(たとえば、2つ、3つ、4つなど)の発光ダイオード(「LED」)を含むことができ、発光ダイオードは、デバイスの本体に位置してよい。
【0045】
デバイスは、パフセンサ(たとえば、空気流センサ)をさらに含むことができ、パフセンサは、UIの入力手段の一部を形成する。パフセンサは、ユーザがエアロゾル形成物品の端部(すなわち、末端(口側端))で吸い込んだことを検出するように構成されてよい。パフセンサは、たとえば、圧力センサまたはマイクロフォンとしてよい。パフセンサは、パフの状態を示す信号を生み出すように構成されてよい。信号は、ユーザが(エアロゾル形成物品からのエアロゾルを)吸い込んだことを、たとえば2値信号の形で示すことができる。別法として、または加えて、信号は、吸込みの特徴(たとえば、吸込みの流量、吸込みの時間の長さなど)を示すことができる。
【0046】
デバイスは、コントローラを含むことができ、またはコントローラに接続可能としてよく、コントローラは、デバイスの少なくとも1つの機能を制御するように構成されてよい。コントローラは、マイクロコントローラを含むことができ、マイクロコントローラは、たとえば、プリント回路基板(PCB)に取り付けられてよい。コントローラはまた、メモリ、たとえば不揮発性メモリを含むことができる。メモリは、命令を含むことができ、命令は、実施されたとき、コントローラに、方法の特定のタスクまたはステップを実行させることができる。デバイスが入力接続を含む場合、コントローラは、入力接続に接続されてよい。
【0047】
コントローラは、加熱器(およびたとえば、加熱要素)の動作を制御するように構成される。したがって、コントローラは、デバイスに係合されたエアロゾル形成物品のエアロゾル形成部分の蒸発を制御するように構成されてよい。コントローラは、電源によって加熱器に印加される電圧を制御するように構成されてよい。たとえば、コントローラは、加熱器に(電源の)全出力電圧を印加することと、加熱器に電圧を印加しないこととの間で、トグルするように構成されてよい。別法として、または加えて、制御ユニットは、より複雑な加熱器制御プロトコルを実施してもよい。
【0048】
デバイスは、電源によって供給された出力電圧を調整して調整電圧を形成するための電圧調整器をさらに含むことができる。調整電圧は、次に、加熱器に印加されてよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、デバイスがUIを含む場合、コントローラは、UIの1つまたは複数の構成要素に動作可能に接続されてよい。コントローラは、UIの入力手段からコマンド信号を受け取るように構成されてよい。コントローラは、コマンド信号に応答して、加熱器を制御するように構成されてよい。たとえば、コントローラは、UIから「オン」および「オフ」コマンド信号を受け取るように構成されてよく、それに応答して、対応するオンまたはオフ状態になるように、加熱器を制御することができる。
【0050】
コントローラは、UIの構成要素へ出力信号を送るように構成されてよい。UIは、そのような出力信号(コントローラから受け取る)に応答して、出力手段を介して、情報をユーザへ伝達するように構成されてよい。たとえば、デバイスが1つまたは複数のLEDを含む場合、LEDは、コントローラに動作可能に接続されてよい。したがって、コントローラは、LEDの点灯を(たとえば、出力信号に応答して)制御するように構成されてよい。たとえば、コントローラは、加熱器の状態(たとえば、オンまたはオフ)に従って、LEDの点灯を制御するように構成されてよい。
【0051】
デバイスがセンサ(たとえば、パフ/空気流センサ)を含む場合、コントローラは、センサに動作可能に接続されてよい。コントローラは、センサからの信号(たとえば、デバイスおよび/または係合されたエアロゾル形成物品の状態を示す)を受け取るように構成されてよい。コントローラは、センサからの信号に基づいて、加熱器、または出力手段の形態を制御するように構成されてよい。
【0052】
デバイスは、外部デバイスと無線で(たとえば、Bluetooth(たとえば、Bluetoothの低エネルギー接続)またはWiFiを介して)通信するように構成された無線インターフェースを含むことができる。同様に、入力接続は、デバイスと外部デバイスとの間の通信を提供するために、外部デバイスに有線接続するように構成されてよい。
【0053】
外部デバイスは、移動デバイスとしてよい。たとえば、外部デバイスは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、またはスマートカーとしてよい。外部デバイス(たとえば、移動デバイス)には、アプリケーション(たとえば、アプリ)がインストールされてよい。アプリケーションは、有線または無線接続を介したデバイスと外部デバイスとの間の通信を容易にすることができる。
【0054】
無線または有線インターフェースは、外部デバイスとデバイスのコントローラとの間で信号を伝達するように構成されてよい。この点で、コントローラは、外部デバイスから受け取った信号に応答して、デバイスの形態を制御することができる。別法として、または加えて、外部デバイスは、デバイス(たとえば、デバイスのコントローラ)から受け取った信号に応答することができる。
【0055】
例示的な態様において、前述の態様による喫煙代替デバイスと、エアロゾル形成物品とを備える喫煙代替システムが提供される。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成物品の上端にエアロゾル形成基材を備えることができる。物品は、喫煙代替物品、たとえば加熱タバコ(HT)消耗品(非燃焼加熱式(HNB)消耗品としても知られている)の形としてよい。
【0056】
前述の態様の文脈で上述した本開示のすべての任意選択の特徴は、さらなる態様にも等しく当てはまる。前述の態様の文脈で上述した検出要素および/または少なくとも1つの変形可能な壁のすべての任意選択の特徴はまた、さらなる態様にも等しく当てはまる。
【0057】
本明細書では、用語「上流」および「下流」は、蒸気/エアロゾルの流れ方向を指すことを意図しており、すなわち物品/消耗品の下流端は、エアロゾルがユーザによる吸入のために消耗品を出る口側端または出口である。物品/消耗品の上流端は、下流端とは反対の位置にある端部である。
【0058】
エアロゾル形成基質は、エアロゾルを形成することができる少なくとも1つの揮発性化合物を放出するために、加熱することが可能である。エアロゾル形成基質は、物品/消耗品の上流端に位置してよい。
【0059】
エアロゾルを生成するために、エアロゾル形成基質は、少なくとも1つの揮発性化合物を含み、そのような揮発性化合物は、蒸発/エアロゾル化されるように意図され、吸入されるときに、ユーザに、気晴らし効果および/または薬用効果を提供することができる。好適な化学的および/または生理学的に活性な揮発性化合物は、ニコチン、コカイン、カフェイン、アヘン剤およびオピオイド、カチンおよびカチノン、カバラクトン、mysticin、ベータ・カルボリンアルカロイド、サルビノリンAからなる群を、上記の任意の組合せ、機能的等価物、および/または合成の代替物と一緒に含む。
【0060】
エアロゾル形成基質は、植物材料を含むことができる。植物材料は、Amaranthus dubius、Arctostaphylos uva-ursi(クマコケモモ)、Argemone mexicana、Amica、Artemisia vulgaris、イエローティー(Yellow Tees)、Galea zacatechichi、Canavalia maritima(ベイビーン(Baybean))、Cecropia mexicana(グアムラ(Guamura))、Cestrum noctumum、Cynoglossum virginianum(ワイルドコンフリー(wild comfrey))、Cytisus scoparius、ダミアナ(damiana)、Entada rheedii、Eschscholzia califomica(ハナビシソウ)、Fittonia albivenis、Hippobroma longiflora、Humulus japonica(カナムグラ)、Humulus lupulus(ホップ)、Lactuca virosa(ワイルドレタス)、Laggera alata、Leonotis leonurus、Leonurus cardiaca(ヨウシュメハジキ)、Leonurus sibiricus(メハジキ)、Lobelia cardinalis、Lobelia inflata(ロベリアソウ)、Lobelia siphilitica、Nepeta cataria(イヌハッカ)、タバコ属種(タバコ)、Nymphaea alba(セイヨウスイレン)、Nymphaea caerulea(ルリスイレン)、ケシ(Opium poppy)、Passiflora incamata(チャボトケイソウ)、Pedicularis densiflora(インディアンウォーリアー(Indian Warrior))、Pedicularis groenlandica(エレファントヘッド(Elephant’s Head))、Salvia divinorum、Salvia dorrii(タバコ・セージ(Tobacco Sage))、サルビア属種(セージ)、Scutellaria galericulata、Scutellaria lateriflora、Scutellaria nana、Scutellaria属種(タツナミソウ)、Sida acuta(ホソバキンゴジカ)、Sida rhombifolia、Silene capensis、Syzygium aromaticum(チョウジ)、Tagetes lucida(ミントマリーゴールド)、Tarchonanthus camphoratus、Tumera diffusa(ダミアナ)、モウズイカ属(モウズイカ)、Zamia latifolia(マコンハ・ブラーバ(Maconha Brava))を含むリストから選択された少なくとも1つの植物材料を、上記の任意の組合せ、機能的等価物、および/または合成の代替物と一緒に含むことができる。
【0061】
植物材料は、タバコとしてよい。任意のタイプのタバコが使用されてよい。これは、それだけに限定されるものではないが、鉄管乾燥タバコ、バーレイタバコ、メリーランドタバコ、暗色空気乾燥タバコ、オリエンタルタバコ、暗色火干タバコ、ペリックタバコ、およびルスチカタバコを含む。これはまた、上述したタバコのブレンドを含む。
【0062】
タバコは、葉タバコ、茎タバコ、タバコ粉末、タバコダスト、タバコ派生物、膨化タバコ、均質タバコ、刻みタバコ、押出しタバコ、刻みラグタバコ、および/または再構成タバコ(たとえば、スラリーリーコンまたは紙リーコン)の1つまたは複数を含むことができる。
【0063】
エアロゾル形成基質は、均質(たとえば、紙/スラリーリーコン)タバコの収集シート、またはそのようなシートから形成された収集細片/ストリップを含むことができる。
【0064】
エアロゾル形成基質は、湿潤剤、風味剤、充填剤、水性/非水性溶媒、および結合剤から選択された1つまたは複数の添加物を含むことができる。
【0065】
風味剤は、固体または液体の形で提供されてよい。風味剤は、メントール、リコリス、チョコレート、果実風味(たとえば、柑橘類、サクランボなどを含む)、バニラ、香辛料(たとえば、ショウガ、シナモン)、およびタバコ風味を含むことができる。風味剤は、エアロゾル形成基質全体にわたって均一に分散されても、エアロゾル形成基質全体にわたって離れた場所および/またはさまざまな濃度で提供されてもよい。
【0066】
エアロゾル形成基質は、物品/消耗品が従来のシガレットに似るように、実質的に円柱状の形状で形成されてよい。エアロゾル形成基質は、5~10mm、たとえば6~9mmまたは6~8mm、たとえば約7mmの直径を有することができる。エアロゾル形成基質は、10~15mm、たとえば約12または13mmなど11~14mmの軸方向の長さを有することができる。
【0067】
物品/消耗品は、少なくとも1つのフィルタ要素を含むことができる。物品/消耗品の下流/口側端に、末端フィルタ要素が位置してよい。
【0068】
フィルタ要素または少なくとも1つのフィルタ要素(たとえば、末端フィルタ要素)は、酢酸セルロースまたはポリプロピレンのトウから構成されてよい。少なくとも1つのフィルタ要素(たとえば、末端フィルタ要素)は、活性炭から構成されてよい。少なくとも1つのフィルタ要素(たとえば、末端要素)は、紙から構成されてよい。フィルタ要素または各フィルタ要素は、少なくとも部分的(たとえば全体的)に、プラグラップ、たとえば紙プラグラップによって外接されてよい。
【0069】
外接するチップ層、たとえばチップペーパー層によって、末端フィルタ要素(物品/消耗品の下流端)を上流要素につなぎ合わせて、物品/消耗品を形成することができる。チップペーパーは、末端フィルタ要素の軸方向の長さより長い軸方向の長さを有することができ、したがってチップペーパーは、末端フィルタ要素と、あらゆる隣接上流要素を取り囲むラップ層とに完全に外接する。
【0070】
いくつかの実施形態において、物品/消耗品は、エアロゾル形成基質から生成(熱交換による)されたエアロゾルを、ユーザによって吸入される前に冷却するように適合されたエアロゾル冷却要素を含むことができる。
【0071】
物品/消耗品は、エアロゾル形成基質と消耗品の下流端との間に空間または空洞を画定するスペーサ要素を含むことができる。スペーサ要素は、紙筒を含むことができる。スペーサ要素は、(紙)ラップ層によって外接されてよい。
【0072】
理解されるように、例示的な実施形態および態様の物品およびシステムは、消耗品およびデバイスを動作可能に接続し、吸入して消耗品から空気を吸い込むことによって、エアロゾルを生成するために使用することができる。加熱器がその動作温度にある間に吸入が完了したとき、加熱器は消耗品(すなわち、エアロゾル生成基材)からエアロゾルを生成し、エアロゾルは、ユーザによる吸入のために空気流に同伴される。この方法は、本明細書に記載されているかどうかにかかわらず、当技術分野では知られている任意の数のさらなる方法ステップを含むことができることがさらに理解されよう。最も一般的に、この方法は、エアロゾル生成デバイスを制御して、加熱器要素を活動化および非活動化し、加熱要素の温度を動作温度内で維持することを含むことが重要である。この方法は、加熱器要素の活動化期間が閾値を超過したことを判定することを特徴とする。本明細書に説明するように、活動化期間が閾値を超過したことに基づいてパフを判定することは、空気流量センサを使用する従来の方法より確実かつ正確なパフを判定する方法となり得る。したがって、例示的な実施形態において、この方法は、加熱器の活動化期間が閾値を超過したという判定に基づいて、パフが開始されたことを判定することを含む。
【0073】
例示的な実施形態は、先行する活動化期間の平均を計算することと、計算された平均に基づいて閾値を判定することとを含むことができることが好適である。先行する活動化期間の平均は、固定の数の活動化期間(すなわち、ローリング平均)であってよい。
【0074】
この方法は、喫煙セッション中にパフが開始されたという判定の数をカウントすることと、喫煙セッション中に最小のカウントに到達しなかった場合、喫煙セッションを延長することとを含むことができる。すなわち、固定の長さの喫煙セッション中にユーザが最小数の吸入を吸入しなかった場合、喫煙セッション延長期間に入ることによって、喫煙セッションを延長することができる。
【0075】
理解されるように、例示的な方法は、本明細書に記載する例示的な実施形態および態様によるデバイスまたはシステムを使用または動作または制御する方法を含むことができる。
【0076】
例示的な方法は、非燃焼加熱式デバイスを動作させる方法であってよい。たとえば、この方法は、使用の際にエアロゾル生成消耗品(202)が受け取られるデバイスの空洞を覆うための閉鎖部の位置を判定するステップと、閉鎖部の判定された位置に基づいて、デバイスの加熱器を制御するステップとを含むことが好適である。
【0077】
この方法は、コントローラに付随するセンサによって、閉鎖部の位置を判定することを含むことができ、コントローラは、閉鎖部がデバイス内の空洞を覆う第1の位置に閉鎖部があるとき、センサから受け取った信号に基づいて、加熱器を非活動化することが好適である。
【0078】
例示的な実施形態および態様は、記載の態様および好ましい特徴の組合せが、明白に容認できないまたは明示的に回避される場合を除いて、そのような組合せを含む。
【0079】
相互に排他的な場合を除いて、上記の態様のいずれか1つに関連して説明する特徴またはパラメータは、いずれの他の態様にも適用されてよいことが、当業者には認識されよう。さらに、相互に排他的な場合を除いて、本明細書に記載する任意の特徴またはパラメータは、いずれの態様に適用されてもよく、かつ/または本明細書に記載する任意の他の特徴もしくはパラメータと組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
例示的な実施形態を理解することができるように、およびそのさらなる態様および特徴を認識することができるように、添付の図面を参照して、本開示の原理を例示する実施形態について、これよりさらに詳細に論じることにする。
【0081】
図1A】喫煙代用システムの概略図である。
図1B図1Aの喫煙代用システムの変形例の概略図である。
図2A】消耗品がデバイスに係合されている、喫煙代用システムの第1の実施形態の正面図である。
図2B】消耗品がデバイスから切り離されている、喫煙代用システムの第1の実施形態の正面図である。
図2C】喫煙代用システムの第1の実施形態の消耗品の断面図である。
図2D】喫煙代用システムの第1の実施形態のデバイスの端部の詳細図である。
図2E】代替喫煙システムの第1の実施形態の断面図である。
図3】喫煙セッション中の加熱器の活動化および非活動化期間に対して加熱要素の温度が描かれている、サーモスタット加熱器制御部を示す代表的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本開示の態様および実施形態について、添付の図を参照して次に論じる。さらなる態様および実施形態は、当業者には明らかである。この本文で触れるすべての文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
図1Aは、喫煙代用システム100の概略的な全体像を提供する概略図である。システム100は、代用喫煙デバイス101と、消耗品102の形のエアロゾル形成物品とを含み、消耗品102は、エアロゾル形成体103を含む。システムは、エアロゾル形成体103を加熱することによって、エアロゾル形成体を蒸発させるように構成される(ユーザによる吸入のための蒸気/エアロゾルを形成する)。
【0084】
示されているシステムにおいて、加熱器104は、消耗品102の一部を形成し、エアロゾル形成体103を加熱するように構成される。この変形例において、加熱器104は、たとえば消耗品102がデバイス101に係合されたとき、電源105に電気的に接続可能である。加熱器104からの熱により、エアロゾル形成体103が蒸発し、蒸気を生じさせる。次に蒸気は凝結してエアロゾルを形成し、エアロゾルは最終的にユーザによって吸引される。
【0085】
システム100は、電源105をさらに含み、電源105は、デバイス101の一部を形成する。他の実施形態において、電源105は、デバイス101の外部に位置してよい(ただし、デバイス101に接続可能である)。電源105は、電源105が加熱器104に電力を供給することが可能になるように(すなわち、エアロゾル形成体103を加熱する目的)、加熱器104に電気的に接続可能である。したがって、加熱器104への電源105の電気的接続を制御することで、加熱器104の状態の制御を提供する。電源105は、パワーストア、たとえば電池または再充電可能な電池(たとえば、リチウムイオン電池)としてよい。
【0086】
システム100は、コネクタ106(たとえば、USBポート、Micro USBポート、USB-Cポートなどの形)を含むI/Oモジュールをさらに含む。コネクタ106は、外部電力源、たとえば電源供給口に接続するように構成される。コネクタ106は、電源105の代用として使用されてよい。すなわち、コネクタ106は、加熱器104に電気を供給するように、加熱器104に電気的に接続可能としてよい。そのような実施形態において、デバイスは電源を含まなくてよく、代わりにシステムの電源が、コネクタ106および外部電力源(コネクタ106が電気的接続を提供する)を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、コネクタ106は、電源105再充電可能な電池を含む場合、電源105を充電および再充電するために使用されてよい。
【0088】
システム100はまた、ユーザインターフェース(UI)107を含む。図示しないが、UI107は、ユーザからコマンドを受け取るための入力手段を含むことができる。UI107の入力手段により、ユーザは、システム100の動作の少なくとも1つの形態を制御することが可能になる。入力手段は、たとえば、ボタン、タッチスクリーン、スイッチ、マイクロフォンなどの形としてよい。
【0089】
UI107はまた、ユーザに情報を伝達するための出力手段を含む。出力手段は、たとえば、ライト(たとえば、LED)、ディスプレイ画面、スピーカ、振動生成器などを含むことができる。
【0090】
システム100は、コントローラ108をさらに含み、コントローラ108は、デバイス101の少なくとも1つの機能を制御するように構成される。示されている実施形態において、コントローラ108は、デバイス101の構成要素であるが、他の実施形態では、デバイス101とは別個(ただし、デバイス101に接続可能)としてよい。コントローラ108は、加熱器104の動作を制御するように構成され、たとえば電源105から加熱器104へ印加される電圧を制御するように構成することができる。コントローラ108は、電源105の全出力電圧が加熱器104に印加されるオン状態と、電圧が加熱器104に印加されないオフ状態との間で、加熱器104への電力の供給をトグルするように構成することができる。
【0091】
図示しないが、システム100はまた、電源105からの出力電圧を調整して調整電圧を形成するための電圧調整器を備えることができる。次いで、この調整電圧を加熱器104に印加することができる。
【0092】
加熱器104に接続されることに加えて、コントローラ108は、UI107に動作可能に接続される。したがって、コントローラ108は、UI107の入力手段から入力信号を受け取ることができる。同様に、コントローラ108は、UI107へ出力信号を伝送することができる。応答して、UI107の出力手段は、出力信号に基づいて、ユーザへ情報を運ぶことができる。コントローラはまた、メモリ109を備えており、メモリ109は不揮発性メモリである。メモリ109は命令を含み、命令は、実装されたとき、コントローラに、方法の特定のタスクまたはステップを実行させる。
【0093】
図1Bは、図1Aのシステム100の変形例を示す概略図である。図1Bのシステム100’において、加熱器104は、デバイス101ではなく、消耗品102の一部を形成する。この変形例において、加熱器104は、たとえば消耗品102がデバイス101に係合されたとき、電源105に電気的に接続可能である。
【0094】
図1Aおよび図1Bのシステム100、100’は、各々例示的な実施形態による加熱タバコ(HT)システムまたはeシガレットシステムという2つの広いシステムカテゴリのうちの1つとして実装することができる。各システムカテゴリについて、以下に説明する。
【0095】
図2Aおよび図2Bは、加熱タバコ(HT)喫煙代替システム200を示す。システム200は、図1Aまたは図1Bに関連して説明したシステム100、100’の一例である。システム200は、非燃焼加熱式(HNB)デバイス201およびHT消耗品202を含む。上記の図1Aおよび図1Bの説明は、図2Aおよび図2Bのシステム200にも適用可能であり、したがって繰り返さないこととする。
【0096】
デバイス201および消耗品202は、消耗品202をデバイス201に係合することができるように構成される。図2Aは、デバイス201および消耗品202を係合された状態で示し、図2Bは、デバイス201および消耗品202を切り離された状態で示す。
【0097】
デバイス201は、本体209およびキャップ210を含む。使用において、キャップ210は、本体209の端部で係合される。これらの図からは明らかでないが、キャップ210は、本体209に対して可動である。特に、キャップ210は摺動可能であり、本体209の長手方向軸に沿って摺動することができる。
【0098】
デバイス201は、デバイス201の長手方向軸に沿ってデバイス201の本体209の外面に線形に配置された複数の発光ダイオード(LED)211の形の出力手段(デバイス201のUIの一部を形成する)を含む。ボタン212も、デバイス201の本体209の外面に配置され、複数のLED211から軸方向に(すなわち、長手方向軸に沿って)隔置される。
【0099】
図2Cは、システム200の消耗品202の詳細断面図を示す。消耗品202は、シガレットに概ね類似している。その点で、消耗品202は、略円柱状の形を有し、7mmの直径および70mmの軸方向の長さを有する。消耗品202は、エアロゾル形成基質213、末端フィルタ要素214、上流フィルタ要素215、およびスペーサ要素216を含む。他の実施形態において、消耗品は、冷却要素をさらに含むことができる。冷却要素は、蒸気の凝結を容易にするために、エアロゾル形成基質213によって形成された蒸気と熱を交換して、蒸気を冷却することができる。
【0100】
エアロゾル形成基質213は、実質的に円柱状であり、消耗品202の上流端217に位置し、システム200のエアロゾル形成体を含む。その点で、エアロゾル形成基質213は、デバイス201によって加熱されて蒸気を放出するように構成される。放出された蒸気は、次に、エアロゾル形成基質213を流れる空気流に同伴される。空気流は、ユーザが消耗品202の下流端218(すなわち、末端または口側端)で吸い込む作用によって生み出される。
【0101】
本実施形態において、エアロゾル形成基質213はタバコ材料を含み、タバコ材料は、たとえば、タバコ植物の任意の好適な部分(たとえば、葉、茎、根、皮、種、および花)を含むことができる。タバコは、葉タバコ、茎タバコ、タバコ粉末、タバコダスト、タバコ派生物、膨化タバコ、均質タバコ、刻みタバコ、押出しタバコ、刻みラグタバコ、および/または再構成タバコ(たとえば、スラリーリーコンまたは紙リーコン)の1つまたは複数を含むことができる。たとえば、エアロゾル形成基質213は、均質(たとえば、紙/スラリーリーコン)タバコの収集シート、またはそのようなシートから形成された収集細片/ストリップを含むことができる。
【0102】
エアロゾルを生成するために、エアロゾル形成基質213は、少なくとも1つの揮発性化合物を含み、そのような揮発性化合物は、蒸発/エアロゾル化されるように意図され、吸入されるときに、ユーザに、気晴らし効果および/または薬用効果を提供することができる。エアロゾル形成基質213は、1つまたは複数の添加物をさらに含むことができる。たとえば、そのような添加物は、湿潤剤(たとえば、プロピレングリコールおよび/または野菜グリセリン)、風味剤、充填剤、水性/非水性溶媒、および/または結合剤の形としてよい。
【0103】
末端フィルタ要素214もまた、実質的に円柱状であり、エアロゾル形成基質213の下流で、消耗品202の下流端218に位置する。末端フィルタ要素214は、孔219(たとえば、空気流のため)が形成された中空フィルタ要素の形である。孔219の直径は2mmである。末端フィルタ要素214は、多孔質の(たとえば、モノアセテートの)フィルタ材料から形成される。上述したように、消耗品202の下流端218(すなわち、末端フィルタ214が位置する)は、ユーザが吸い込む消耗品202のマウスピース部分を形成する。空気流は、上流端217から、消耗品202の構成要素を通って吸い込まれて、下流端218から出る。空気流は、ユーザが消耗品202の下流端218(すなわち、マウスピース部分)で吸い込むことによって駆動される。
【0104】
上流フィルタ要素215は、エアロゾル形成基質213と末端フィルタ要素214との間で、エアロゾル形成基質213に軸方向に隣接して位置する。末端フィルタ214と同様に、上流フィルタ要素215は、中空フィルタ要素の形であり、孔220が中空フィルタ要素を通って軸方向に延びる。このようにして、上流フィルタ215は、空気流制限器として作用することができる。上流フィルタ要素215は、多孔質の(たとえば、モノアセテートの)フィルタ材料から形成される。上流フィルタ要素215の孔220は、末端フィルタ要素214より大きい直径(3mm)を有する。
【0105】
スペーサ216は、紙筒の形であり、上流フィルタ要素215と末端フィルタ要素214との間に空洞またはチャンバを画定する。スペーサ216は、エアロゾル形成基質213からの蒸気/エアロゾルの冷却および混合の両方を可能にするように作用する。スペーサは、7mmの外径および14mmの軸方向の長さを有する。
【0106】
これらの図からは明らかでないが、エアロゾル形成基質213、上流フィルタ215、およびスペーサ216は、紙ラップ層によって外接される。末端フィルタ214は、チップ層によって外接され、チップ層はまた、紙ラップ層の一部分に外接する(末端フィルタ214を消耗品202の残りの構成要素に接続するため)。上流フィルタ215および末端フィルタ214は、プラグラップの形のさらなるラップ層によって外接される。
【0107】
次にデバイス201を再び参照すると、図2Dは、消耗品202に係合するように構成されたデバイス201の端部の詳細図を示す。デバイス201のキャップ210は、キャップ210によって画定された内部空洞222への開口221を含む(図2Dからより明らかである)。開口221および空洞222は、消耗品202の少なくとも一部分を受け取るように形成される。消耗品202をデバイス201に係合するとき、消耗品202の一部分が、開口221を通って空洞222に受け入れられる。係合後(図2B参照)、消耗品202の下流端218は、開口221から突出し、したがってデバイス201からも突出する。開口221は、横方向に配置されたノッチ226を含む。消耗品202が開口221に受け入れられたとき、これらのノッチ226は開いたままであり、たとえばデバイス201の端部を覆うためのカバーを保持するために使用され得る。
【0108】
図2Eは、デバイス201を通る中心長手方向平面の断面図を示す。デバイス201は、消耗品202が係合された状態で示されている。
【0109】
デバイス201は加熱器204を含み、加熱器204は加熱要素223を含む。加熱器204は、デバイス201の本体209の一部を形成し、本体209に堅く取り付けられる。示されている実施形態において、加熱器204はロッド加熱器であり、加熱要素223が円形の横断方向プロファイルを有している。他の実施形態において、加熱器は、ブレード加熱器(たとえば、方形の横断方向プロファイルを有する加熱要素)または管状加熱器(たとえば、管状の形を有する加熱要素)の形としてよい。
【0110】
加熱器204の加熱要素223は、空洞222の内部ベースから長手方向軸に沿って開口221の方へ突出する。この図から明らかなように、加熱要素の長さ(すなわち、長手方向軸に沿った長さ)は、空洞222の深さより小さい。このようにして、加熱要素223は、開口221から突出せず、または開口221を越えて延びない。
【0111】
消耗品202が空洞222に受け入れられたとき(図2Eに示す)、加熱要素223は、消耗品202のエアロゾル形成基質213に貫入する。特に、加熱要素223は、挿入されたとき、エアロゾル形成基質213の軸方向の長さのほぼ全体にわたって延びる。したがって、加熱器204が活動化されたとき、加熱要素223の外周面からエアロゾル形成基質213へ、熱が径方向に伝達される。
【0112】
デバイス201は、電子機器空洞224をさらに含む。再充電可能な電池205(リチウムイオン電池)の形の電源が、電子機器空洞224に位置する。
【0113】
デバイス201は、USBポート206の形のコネクタ(すなわち、デバイス201のIOモジュールの一部を形成する)を含む。たとえば、コネクタは、別法として、たとえばマイクロUSBポートまたはUSB-Cポートとしてよい。USBポート206は、再充電可能な電池205を再充電するために使用されてよい。
【0114】
デバイス201は、電子機器空洞224に位置するコントローラ(図示せず)を含む。コントローラは、プリント回路基板(PCB)に取り付けられたマイクロコントローラを含む。USBポート206はまた、コントローラ208に接続される(すなわち、PCBおよびマイクロコントローラに接続される)。
【0115】
コントローラ208は、デバイス201の少なくとも1つの機能を制御するように構成される。たとえば、コントローラ208は、加熱器204の動作を制御するように構成される。加熱器204の動作のそのような制御は、コントローラが加熱器204への再充電可能な電池205の電気的接続をトグルすることによって実現されてよい。たとえば、コントローラ208は、ユーザがボタン212を押下したことに応答して、加熱器204を制御するように構成される。ボタン212を押下することで、コントローラが、加熱器204に電圧(再充電可能な電池205から)が印加される(加熱要素223が加熱される)ことを可能にし得る。
【0116】
コントローラはまた、デバイス201または消耗品202の(たとえば、検出された)状態に応答して、LED211を制御するように構成される。たとえば、コントローラは、デバイス201がオン状態にあるかオフ状態にあるかを示すように、LEDを制御することができる(たとえば、デバイスがオン状態にあるとき、LEDのうちの1つまたは複数が、コントローラによって点灯されてよい)。
【0117】
デバイス201は、パフセンサ225の形のさらなる入力手段(すなわち、ボタン212に加えて)を含む。パフセンサ225は、ユーザが消耗品202の下流端218で吸い込んだ(すなわち、吸入した)ことを検出するように構成される。パフセンサ225は、たとえば、圧力センサ、流量計、またはマイクロフォンの形としてよい。パフセンサ225は、電子機器空洞224内のコントローラ208に動作可能に接続され、したがって、パフ状態(すなわち、吸い込んでいるか吸い込んでいないか)を示すパフセンサ225からの信号が、コントローラ208への入力を形成する(したがって、コントローラ208によって反応されてよい)。
【0118】
理解されるように、デバイス201(またはエアロゾル生成デバイス)の加熱要素223(または加熱器要素)は、コントローラ208(または制御システム)によって、活動化されて消耗品を加熱するように制御される。例示的な実施形態において、制御システムは、サーモスタット加熱器制御部を備える。サーモスタット加熱器制御部は、当技術分野では知られており、加熱器要素へ供給される電力をオンとオフとの間で調節することによって動作する。その結果、図3に示すように、喫煙セッションを開始するようにデバイスが操作されたとき(Sstart)、サーモスタット加熱器制御部は加熱器を活動化する(すなわち、「オンレベル」で加熱器へ電力を提供する)。加熱器要素はウォームアップ期間に入り、加熱器要素は、消耗品からエアロゾルを生成するのに好適な温度まで温められる。ウォームアップ期間中、加熱器要素は、加熱器温度が動作温度帯域の上限(Tmax)を超過するまで活動化される。デバイスは、加熱器要素の温度を監視するための温度センサ(図示せず)を備えることが好適である。たとえば、温度センサは、加熱器要素の外面に直接取り付けることができる。温度センサの出力は、サーモスタット加熱器制御部によって、上限Tmaxを超過したことを判定するために好適に使用される。
【0119】
温度上限を超過したことをサーモスタット加熱器コントローラが判定したとき、ウォームアップ期間は終了し、加熱器要素は非活動化される。すなわち、サーモスタット加熱器制御部は、加熱要素が温度上限に到達したことを判定し、加熱器要素への電力をオフにする。デバイスは、ウォームアップ期間が終了した(すなわち、加熱器が温度に達し、パフを開始することができる)ことを通知するための警告をユーザに提供するように好適に構成される。警告は、視覚的な警告であっても、触覚フィードバック警告であっても、または好適な別の警告であってもよい。図3では、ウォームアップ期間中の加熱器要素の活動化期間が期間Awarmupとして示されている。すなわち、ウォームアップ中の加熱器要素の活動化期間は、加熱器要素を動作温度まで温めるために加熱器要素が活動化される期間(すなわち、時間の長さ)である。
【0120】
知られているように、サーモスタット加熱器制御部は、喫煙セッションの期間中、加熱器要素温度を動作温度帯域内で維持するように構成される。その結果、図3に示すように、加熱器がオフにされる(非活動化期間に入る)と、加熱器要素は冷める。加熱器要素が動作温度帯域の下限(Tmin)を下回る温度まで冷めたことを温度センサが感知したとき、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素を活動化する(たとえば、電力を提供する)。加熱器要素に電力が供給されると、加熱器要素は温まり、制御プロセスが繰り返される。
【0121】
加熱器要素がオンである時間を活動化期間と呼び、加熱器がオフである期間を非活動化期間と呼ぶ。連続する活動化期間および非活動化期間をサーモスタットサイクル(Tcycle)と呼ぶ。サーモスタット加熱器制御部は、典型的には、喫煙セッション中に複数のサーモスタットサイクルを完了する。図3では、活動化期間A1~Anがウォームアップ後に示されている。パフが発生していないときは、加熱器要素が非活動化期間中に上限から一貫した速度で冷める傾向があるため、連続するサーモスタットサイクルの活動化期間は比較的安定している。典型的な活動化期間は約300ミリ秒であってよい。
【0122】
図3では、パフがPstartで開始されるものとして示されている。パフは、消耗品から空気を吸い込むための消耗品でのユーザによる吸入からなり、エアロゾルが空気流に同伴され、ユーザによって吸入される。パフ動作により消耗品から空気が吸い込まれることは、加熱器要素の強制的な冷却として作用する傾向がある。その結果、パフの開始後の加熱器要素の活動化期間(Apuff)は、先行するサーモスタットサイクルの活動化期間より検出可能に大きくなることが判明した。すなわち、活動化期間(すなわち、加熱器オン時間)を監視することにより、活動化期間が本明細書に記載する閾値を上回ったことを判定することによって、パフを検出することが可能になる。
【0123】
パフの開始後、加熱器要素は引き続きサーモスタットサイクルを繰り返して、加熱器要素を動作温度帯域の下限と上限との間で維持する。一定のパフ(すなわち、流量)により、活動化期間はパフを判定するための閾値を下回ることができ、したがって、活動化期間がパフを判定するための閾値より長くなるたびに、パフを判定することができる。別法として、または加えて、制御システムは、検出されたパフからの期間内の活動化期間を無視するように構成することもできる。
【0124】
喫煙セッション中、ユーザは、好みに応じてデバイスで自由に吸入することができる。図3に示すように、上記で説明したように、各パフの開始(Pstart)後には、活動化期間の識別可能な増大が存在する。したがって、活動化期間が閾値を上回ったことが判定されるたびにカウントするように、制御システムを構成することによって、セッション中のパフの数をカウントすることができる。制御システムは、デバイスの機能を動作させる際、パフ検出またはパフカウントを使用するように構成することができる。
【0125】
制御システムは、開始から所定の時間が経過した後、喫煙セッションを停止するように構成される。セッションの終了は、開始と同様に、ユーザに警告することができる。セッションが終了した後、サーモスタット加熱器制御部は、加熱器要素への電力をオフにし、加熱器要素は、次のセッションの開始に備えて冷める。
【0126】
パフカウントを使用して、所定の時間が経過する間に最小数のパフを超過していない場合、喫煙セッションを延長することが知られている。したがって、パフの繰り返し可能で確実な判定を行うことが有利である。
【0127】
図3に示すサーモスタットサイクルは代表例であり、加熱器要素のオン/オフ状態後の温度のヒステリシス効果を考慮しない。
【0128】
それを上回ると活動化期間がパフの開始を表すことが判定される閾値は、制御システムで事前に設定することができる。たとえば、パフがない場合、加熱器要素は、約300ミリ秒の活動化期間で温度を維持するように制御されてよく、制御システムは、500ミリ秒を上回る加熱器活動化期間を、パフが開始されたという指示として認識し、したがって活動化期間が固定の閾値を超過したときに、パフを判定するように構成することができる。代替実施形態において、制御システムは、平均活動化期間に基づいて、パフが開始されたことを判定することができる。たとえば、活動化期間A1~Anを平均化することができ、制御システムは、活動化期間を監視し、測定された活動化期間が平均より大きくなったときに、パフを判定する。いくつかの実施形態において、制御システムは、活動化期間が平均より所定のオフセットだけ大きくなったときに、パフが発生したことを判定することができることが想定される。たとえば、平均加熱器活動化期間が310ミリ秒である場合、制御システムは、平均に固定のオフセットを足した値として閾値を計算するように構成することができる。すなわち、固定のオフセットが200ミリ秒であった場合、パフを判定するための閾値は、510ミリ秒より大きい活動化期間になるはずである。一方、同じ例において、平均が290ミリ秒であった場合、活動化期間が490ミリ秒を超過したときに、パフが判定されるはずである。別法として、制御システムは、平均を上回る増加割合として閾値を設定するように構成することもできる。たとえば、割合が40%より大きくなるように設定された場合、平均が300ミリ秒であった場合、加熱器活動化期間が420ミリ秒を超過したとき、パフが判定されるはずであり、一方、平均が320ミリ秒であった場合、加熱器活動化期間が448ミリ秒を超過したとき、パフが判定されるはずである。
【0129】
パフを判定するための閾値が以前のサーモスタットサイクルの平均活動化期間に基づく例示的な実施形態において、平均は、活動化期間に先行する固定数のサイクルが判定されることに基づくローリング平均であってよい。
【0130】
本発明について、上述した例示的な実施形態とともに説明したが、多くの等価の修正形態および変形形態は、この開示が与えられたとき、当業者には明らかである。したがって、上述した本発明の例示的な実施形態は、限定的ではなく例示的であるとみなされる。本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、記載する実施形態に対して、さまざまな変化が加えられてもよい。
【0131】
あらゆる疑問を回避するために、本明細書に提供されるあらゆる理論的説明は、読み手の理解を改善する目的で提供されたものである。本発明者らは、これらの理論的説明のいずれにも拘束されることを望まない。
【0132】
本明細書で使用されるあらゆる項目名は、構成のみを目的としたものであり、記載する主題を限定すると解釈されるべきではない。
【0133】
続く特許請求の範囲を含む本明細書全体を通して、別段コンテキストが要求しない限り、単語「有する(have)」、「含む(comprise)」、および「含む(include)」、ならびに「having」、「comprises」、「comprising」、および「including」などの変化形は、記述された完全体またはステップ、あるいは完全体またはステップの群を含めることを含意するように理解されることになるものの、いかなる他の完全体またはステップ、あるいは完全体またはステップの群も排除するものではない。
【0134】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、別段コンテキストが明白に指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の参照を含むことに留意されたい。本明細書では、範囲は、「概ね(about)」1つの特定の値から、および/または「概ね(about)」別の特定の値までとして表されてよい。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、接頭辞「約(about)」の使用によって、値が近似として表現されるとき、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。数値に関連する用語「約(about)」は、任意選択であり、たとえば±10%を意味する。
【0135】
単語「好ましい(preferred)」および「好ましくは(preferably)」は、本明細書において、いくつかの状況下で特定の利益を提供することができる本発明の実施形態を指すために使用される。しかし、他の実施形態もまた、同じまたは異なる状況下で好ましいことがあることを理解されたい。したがって、1つまたは複数の好ましい実施形態への言及は、他の実施形態が有用でないことを意味または含意するものではなく、本開示の範囲または特許請求の範囲から他の実施形態を除外することを意図したものでもない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
【国際調査報告】