(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】機械工具と電力供給装置とを有するシステム、インターフェース及び電力供給装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20241203BHJP
B25F 5/02 20060101ALI20241203BHJP
B25F 5/00 20060101ALI20241203BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20241203BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20241203BHJP
【FI】
H01M50/296
B25F5/02
B25F5/00 H
H01M50/247
H01M50/244 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532802
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022081932
(87)【国際公開番号】W WO2023099203
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス ハートマン
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト シュタンガー
(72)【発明者】
【氏名】マークス ホルバーシュ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン シュミット
(72)【発明者】
【氏名】イェンス コンドラティウク
【テーマコード(参考)】
3C064
5H040
【Fターム(参考)】
3C064BA03
3C064BB13
3C064CA62
5H040AA06
5H040AS19
5H040DD22
(57)【要約】
本発明は、機械工具(10)と電力供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、電力供給装置は、機械工具に電力を供給するために提供される、システム(100)に関する。電力供給装置は、インターフェースによって機械工具に着脱可能に接続され得、インターフェース(30)は、少なくとも1つの雌型接触相手部(40)及び1つの雄型接触相手部(50)を含む。雌型接触相手部及び雄型接触相手部は、少なくとも1つの第1の接触領域(110)及び第2の接触領域(120)で互いに接触する。第1の接触領域は、第1の接触法線力によって画定され得る一方、第2の接触領域は、第2の接触法線力によって画定され得、第1の接触法線力(112)と第2の接触法線力(122)とは、異なる向きを有する。インターフェースは、雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための弾性要素も有し得る。さらなる態様では、本発明は、電力を伝達するためのインターフェース及び電力供給装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)と、前記電動工具(10)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、前記エネルギー供給装置(20)は、インターフェース(30)を介して前記電動工具(10)に着脱可能に接続され得、前記インターフェース(30)は、少なくとも雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)を含む、システム(100)において、前記雌型接触相手部(40)及び前記雄型接触相手部(50)は、少なくとも第1の接触領域(110)及び第2の接触領域(120)で互いに接触し、前記第1の接触領域(110)は、第1の接触法線力(112)によって画定可能であり、及び前記第2の接触領域(120)は、第2の接触法線力(122)によって画定可能であり、前記第1の接触法線力(112)と前記第2の接触法線力(122)とは、異なる向きを有することを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
前記第1の接触法線力(112)及び前記第2の接触法線力(122)は、互いに実質的に垂直に向けられることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
接続の場合の前記接触法線力の一方(112及び/又は122)は、前記インターフェース(30)の挿入方向(34)に実質的に垂直に向けられること、及び/又は接続の場合の他方の接触法線力(122及び/又は112)は、挿入方向(34)に実質的に平行に向けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記第2の接触領域(120)は、ストッパ(49)及び接触面(56)を含み、前記ストッパ(49)及び接触面(56)は、前記インターフェース(30)の挿入方向(34)に実質的に垂直に向けられることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記雄型接触相手部(50)の前部領域(54)は、接触面(56)を形成するために平坦であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記第1の接触法線力(112)及び前記第2の接触法線力(122)は、互いに角度デルタを形成し、前記角度デルタは、10~90度の角度範囲、好ましくは45~90度の角度範囲、特に好ましくは60~90度の角度範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記インターフェース(30)は、前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段(60)を含み、前記接触相手部(40、50)間の前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)は、前記少なくとも1つの雄型接触相手部(50)又は前記少なくとも1つの雌型接触相手部(40)に作用するように設計されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、付勢を生成するように構成され、前記付勢は、第1の接触法線力(112)に実質的に垂直に向けられることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)が作用する前記接触相手部(40又は50)は、移動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項7又は8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
雄型接触相手部(50)及び雌型接触相手部(40)は、それぞれの場合において、接続状態で前記エネルギー供給装置(20)及び/又は前記電動工具(10)の移動から切り離されるユニット(70)を形成することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの雌型接触相手部(40)及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部(50)を受け入れるための受入装置(80)を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、前記受入装置(80)に割り当てられること、又は前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)のそれぞれの接触ペアに割り当てられることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項13】
電動工具(10)とエネルギー供給装置(20)との間で電気エネルギーを伝達するためのインターフェース(30)において、少なくとも1つの雄型接触相手部(50)及び少なくとも1つの雌型接触相手部(40)と、前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段(60)とを含み、前記雌型接触相手部(40)及び前記雄型接触相手部(50)は、少なくとも第1の接触領域(110)及び第2の接触領域(120)で互いに接触することを特徴とするインターフェース(30)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有することを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、表面積A及び体積Vを有し、前記表面積対前記体積の比A/Vは、前記体積の立方根の逆数の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍より大きいことを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具とエネルギー供給装置とを含むシステムであって、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するために提供される、システムに関する。エネルギー供給装置は、インターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続され得、インターフェースは、少なくとも雌型接触相手部及び雄型接触相手部を含む。雌型接触相手部及び雄型接触相手部は、少なくとも第1の接触領域及び第2の接触領域で互いに接触する。第1の接触領域は、第1の接触法線力によって画定され得る一方、第2の接触領域は、第2の接触法線力によって画定され得、第1の接触法線力と第2の接触法線力とは、異なる向きを有する。加えて、インターフェースは、雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための弾性手段を含み得る。さらなる態様では、本発明は、電気エネルギーを伝達するためのインターフェース及びエネルギー供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるコードレス電動工具、例えば蓄電池型電動スクリュドライバ、ドリル、鋸、グラインダ等は、エネルギー供給目的のためにエネルギー供給装置に接続され得る。エネルギー供給装置は、例えば、蓄電池として構成され得るか又はそれを含み得る。蓄電池は、通常、蓄電池セルとしても公知の複数のエネルギー貯蔵セルを有し、これらにより電気エネルギーを受け取り、貯蔵し、再び放出し得る。蓄電池を電動工具に接続した場合、エネルギー貯蔵セルに貯蔵された電気エネルギーは、電動工具の消費部(例えば、ブラシレス電気モータ)に供給され得る。充電目的のため、すなわちエネルギー貯蔵セルに電気エネルギーを印加するため、蓄電池は、充電器などの充電装置に接続され、それにより電気エネルギーがエネルギー貯蔵セルに入り得る。
【0003】
電池作動式の電動工具を使用する場合又はそれを用いて作業する場合、電動工具及び電動工具に接続されたエネルギー供給装置に大きい振動及び衝撃が発生し得る。これは、特に電動工具が解体工具、例えばチッピングハンマー又は解体ハンマーである場合に当てはまる。電動工具の使用中の振動及び衝撃は、電動工具及びエネルギー供給装置の事実上すべての構成要素及びアセンブリに特定の量の負担をかける。この負担は、最終的にそれぞれの構成要素の損傷又は電動工具全体の故障につながり得る。
【0004】
電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースは、特定の技術的課題を構成する。インターフェースでは、電動工具の電気接点及びエネルギー供給装置の電気接点(「接触相手部」)は、エネルギー貯蔵セルに貯蔵される電気エネルギーが蓄電池から電動工具に伝送され得るように互いに接続される。
【0005】
特に、従来技術から知られているような従来のインターフェースは、いわゆる接触法線力が一方向、例えばクランプ方向又は差込み方向にのみ作用する電気エネルギー伝送のための接点を有する。本発明の目的のために、「接触法線力」という用語は、インターフェースの接触相手部間の接触領域に作用する力を意味すると理解される。換言すれば、それは、接触を形成するために接触相手部が互いに押し付けられる力を指し得る。これに関連して、高い接触法線力は、一方では、電力接点間の良好な機械的接触を得るために望ましい。他方で、接触法線力は、望ましくない差込みサイクルの摩耗を低く抑えるために大きくなりすぎないようにする必要がある。
【0006】
従来のインターフェースのもう1つの欠点は、電気エネルギーを伝送するための接触領域が1つのみあることが多いため、インターフェースのエネルギー伝送ポテンシャルが最適に利用されない可能性があることである。
【0007】
例えば、米国特許出願公開第2016 0126 533 A1号明細書は、コンバーチブル電池パックの輸送システムに関し、輸送中に電池パックの容量を減少させることができる輸送カプラが開示されている。
【0008】
独国特許出願公開第10 2016 120 329 A1号明細書は、電気装置又はエネルギーアキュムレータのための接続装置を記載している。
【0009】
特開2007-105816号公報は、電池駆動式電動工具を記載しており、特に電動工具のハウジング上の端子と電池上の端子との間の接続構造を記載しており、米国特許出願公開第2008 0084 181 A1号明細書は、電池パックのための自己調整端子ブロックを記載している。
【0010】
米国特許出願公開第2014 0326 477 A1号明細書は、電池パックのための絶縁システムを有する電動工具を記載している。
【0011】
欧州特許出願公開第3 653 340 A1号明細書は、電池インターフェースを有する手持ち式電動工具を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠陥及び欠点を克服すること並びにインターフェース及び電動工具とエネルギー供給装置とからなるシステムを提供することであり、これによりエネルギー供給装置から電動工具への特に高い放電電流又は大量の電気エネルギーの伝達を可能にすることができ、且つインターフェースの耐用年数を延ばすことができる。特に、当業者であれば、インターフェースが何度も差込み又はクランプ動作を繰り返した後でも最適に動作し続け、わずかな機械的偏差に直面しても堅牢に機能することを望むであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。独立請求項の主題に関連する有利な実施形態は、従属請求項に記載され得る。
【0014】
本発明によれば、電動工具とエネルギー供給装置とを含むシステムであって、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するように構成される、システムが提供される。エネルギー供給装置は、インターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続され得、インターフェースは、少なくとも雌型接触相手部及び雄型接触相手部を含む。雌型接触相手部及び雄型接触相手部は、第1の接触領域及び第2の接触領域で互いに接触する。本発明と関連して、これは、好ましくは、インターフェースが第1の接触領域及び第2の接触領域を含み、少なくとも1つの雌型接触相手部及び少なくとも1つの雄型接触相手部がインターフェースの接触領域で互いに接触することを意味する。その結果、少なくとも1つの雌型接触相手部と少なくとも1つの雄型接触相手部とが電力接点の対を形成し得、電流又は電気エネルギーが接触領域を介して電力接点間で交換される。本発明と関連して、エネルギー供給装置と電動工具とがインターフェースを介して互いに接続されるとき、電気エネルギーがエネルギー供給装置から電動工具の方に流れることが特に好ましい。エネルギー供給装置から電動工具への電気エネルギーの伝達は、特に、少なくとも1つの雌型接触相手部と少なくとも1つの雄型接触相手部との間の効果的な接触によって可能になり、本発明と関連した効果的な接触は、少なくとも1つの雌型接触相手部と少なくとも1つの雄型接触相手部との間の少なくとも2つの接触領域によって確立又は形成される。インターフェースの電力接点間に少なくとも2つの接触領域を設けることにより、少なくとも1つの雌型接触相手部と少なくとも1つの雄型接触相手部との間の接触抵抗を大幅に低減することができる。これにより、有利には、エネルギー供給装置から電動工具により大きい電流を伝達することができる。その結果、提案されたインターフェースは、インターフェースのより高い放電電流を可能にし得るため、提案されたエネルギー供給装置は、特に強力な電動工具へのエネルギー供給に特に適している。当然のことながら、インターフェースは、2つを超える、例えば3つ、4つ、5つ又はそれを超える接触相手部間の接触領域を有することもできる。
【0015】
本発明と関連して、電力接点が平らな接点として設計されることが好ましい。このように、インターフェースは、複数の接点、すなわち少なくとも2つの接触領域でエネルギー供給装置から電動工具への電気エネルギーの伝達を可能にする平らな接点を含む。この場合、複数の接点は、好ましくは、異なる方向に向けられた接触法線力を有する。その結果、インターフェースによる接触法線力は、インターフェースのクランプ方向又は差込み方向だけでなく、異なる方向にも作用するため、特に堅牢なインターフェースを提供することができる。さらに、異なる方向に接触法線力を提供することで、高加速時に接点が「持ち上がる」、すなわち互いに望ましくなく離れることを防ぎ得る。
【0016】
試験により、提案されたインターフェースは、一方では電力接点間で大量の電流及びエネルギー量を伝送するために必要な望ましい低い接触抵抗と、他方では望ましい低い差込みサイクル摩耗との相反する目的を解決するのに最適であることが示された。インターフェースは、好ましくは、少なくとも1つの雄型接触相手部及び少なくとも1つの雌型接触相手部を有する平らな接触システムとして説明され得る。
【0017】
さらに、少なくとも1つの雌型接触相手部と少なくとも1つの雄型接触相手部との間に2つ以上の接触領域を設けることにより、エネルギー供給装置から電動工具への電気エネルギーの伝達の等級、質及び量が製造公差及び弛緩プロセスにあまり依存しないことを保証し得る。有利には、提案されたエネルギー供給装置は、製造仕様が正確に遵守されず、インターフェースの接触相手部で軽微な機械的偏差が生じるか、又は弛緩、特に弾性ばね取り付け領域への高い熱負荷に起因する弛緩により接触法線力が低下しても、影響を受けにくく、依然としてエネルギー供給装置の高い放電電流を保証することが可能である。
【0018】
本発明のさらなる利点は、インターフェースの電力接点間に2つ以上の接触領域を設けることにより、接触相手部間の相対距離をかなり短縮できることである。電力接点間のこのような相対距離は、摩耗及びエネルギー供給装置から電動工具へのエネルギー伝送の低下を招き得るため、インターフェースの接触相手部間の相対運動の低減は、インターフェースの電流伝送能力を高いレベルに維持することに大きく寄与し、このようにして高い放電電流の伝送を可能にする。
【0019】
本発明によれば、第1の接触領域が第1の接触法線力によって画定可能であり、及び第2の接触領域が第2の接触法線力によって画定可能であることが提供され、第1の接触法線力と第2の接触法線力とは、異なる向きを有する。換言すれば、2つの接触法線力の向き又は方向は、一致せず、異なる。第1の接触法線力と第2の接触法線力との向き及び/又は方向が一致せず、角度範囲デルタだけ異なることが本発明と関連して好ましい。「接触領域が接触法線力によって画定可能である」又は画定されるという記述は、好ましくは、本発明と関連して、対応する接触法線力が、対応する接触領域で接触相手部が互いに作用又は押圧する方向を示すか又は記載することを意味する。例えば、インターフェースの第1の接触領域の第1の接触法線力は、雌型接触相手部の脚部が雄型接触相手部のブレードを押圧することによって定義され得る。このわずかな圧力は、特に、雌型接触相手部の弾性的で弾力性のある材料(例えば、ばね鋼)によって引き起こされる。第1の接触領域では、第1の接触法線力は、例えば、雄型接触相手部のブレードを通る仮想軸に対して実質的に垂直であり得る。換言すれば、好ましくは雄型接触相手部のブレードの中心を通る仮想軸をインターフェースの第1の接触領域の第1の接触法線力に対して実質的に垂直、すなわち「法線」であるように考えることができる。様々な接触領域の接触法線力の可能な向きが例えば
図4に示されている。
図4は、インターフェースの接触相手部を相互に接合することができる挿入方向も示す。本発明と関連して、第1の接触法線力がこの挿入方向に対して実質的に垂直に向けられ、第2の接触法線力が挿入方向に対して実質的に平行に向けられることが好ましい。このように、第1の接触法線力と第2の接触法線力とは、好ましくは、互いに実質的に垂直である。好ましくは、挿入方向は、雄型接触相手部のブレードを通して想像上配置することができる仮想軸と一致する。
【0020】
本発明と関連して、接触領域がそれぞれ接触相手部間の複数の接点を含むことが好ましい。本発明と関連して、これは、好ましくは、電気エネルギーを伝達するために、第1の接触領域及び/又は第2の接触領域の接触相手部が1つ又は複数の接点で互いに接触できることを意味する。
【0021】
第2の接触領域では、例えば、雌型接触相手部のストッパが雄型接触相手部の接触面と接触することができ、それにより接触面を介して電流が流れることができる。第2の接触領域は、第2の接触法線力によって説明することができ、この第2の接触法線力は、好ましくは、接触相手部の関係する構成要素(この場合、ストッパと接触面)が互いに作用又は押圧する方向を示す。本発明と関連して、第2の接触法線力は、例えば、挿入方向に対して実質的に平行であり得る。したがって、本発明と関連して、第1の接触法線力と第2の接触法線力とが異なる向きを有することが好ましい。
図4に示される、先に記載した例示的な本発明の実施形態では、第1の接触法線力と第2の接触法線力とが実質的に互いに垂直に向けられることが本発明と関連して好ましい。雌型接触相手部のストッパと雄型接触相手部の接触面は、一緒になって第2の接触領域を形成し、接触相手部間に密接な接触があるため、エネルギー供給装置から電動工具に高い放電電流を伝送するのに特に適していることが示されており、これは、さらに後述するように、接触相手部の少なくとも一方をばね取り付けすることによってさらに改善することができる。
【0022】
例えば、雌型接触相手部は、接触相手部間に特に安定した接続を形成するために、雄型接触相手部の接触面又は支持面と協働するストッパを有し得る。雌型接触相手部が正確に1つのストッパを含む場合、この1つのストッパが雌型接触相手部の対称面に配置されることが本発明と関連して好ましい。雌型接触相手部が2つのストッパを含む場合、接触相手部の改良された支持を確実にするために、これらの2つのストッパが可能な限り離れて配置された状態で存在することが本発明と関連して好ましい。雄型接触相手部の接触面又は支持面は、接触相手部間の接続の確立を促し、接触相手部の機械的損傷を防止するために傾斜路も有し得る。
【0023】
「実質的に垂直」という記述は、当業者にとって不明確な概念ではない。なぜなら、当業者は、この記述が、互いに数学的に正確に垂直である接触法線力だけでなく、数学的に正確な正規性からわずかなずれを示す接触法線力も含むことを知っているからである。このようなずれは、例えば、直角(90°)を基準として±10°の範囲又は±10%であり得る。本発明と関連して、第1の接触領域は、雌型接触相手部の少なくとも1つの脚部と雄型接触相手部の1つのブレードとによって形成されることが好ましい。本発明と関連して、雌型接触相手部は、好ましくは、2つの脚部を含む受入端子として形成されることが好ましい。脚部は、例えば、弾力性のある弾性材料から形成することができ、脚部材料の弾性特性により雄型接触相手部のブレードを押圧し得る。雌型接触相手部の少なくとも1つの脚部と雄型接触相手部のブレードとの間のこの接触は、好ましくは、インターフェースの第1の接触領域を形成する。本発明と関連して、第1の接触領域が、雌型接触相手部の2つの脚部と雄型接触相手部のブレードの中央領域とによって形成されることが特に好ましい。
【0024】
第1の接触法線力と第2の接触法線力とは、本発明と関連して異なる向きを有する。これに関連して、接触法線力間の角度デルタは、約90度であり得、すなわち、力法線力は、実質的に直角を形成し得る。
【0025】
互いに実質的に垂直であるそのような接触法線力は、例えば、
図4~6又は9(上部)に示されている。第1の接触法線力は、好ましくは、第1の接触領域に存在し、エネルギー供給装置の電動工具への挿入方向に対して実質的に垂直であり、第2の接触法線力は、第2の接触領域に存在し、エネルギー供給装置の電動工具への挿入方向に対して実質的に平行である。第1の接触法線力は、好ましくは、挿入方向には力成分を有さず、一方、第2の接触法線力は、実質的に完全に挿入方向に作用する。挿入方向における最大の可能な第2の力法線力が、有利には、インターフェースの特に良好な電流伝導性と、接触相手部間の特に安定した接続とをもたらし得ることが示されている。
【0026】
特に、建設現場での荒い作業、特に打撃式電動工具を使用した作業中の高い加速度による接触システムの多次元的で動的な負荷の場合、接触法線力が異なる向きに存在すると非常に有利である。例えば、第1の向きの第1の接触法線力に対して高い加速度が発生するとすぐに、この第1の接触領域が開く危険性がある。大電流に曝される接触部が開くと、火花放電につながる可能性があり、その結果、局所的な接触材料の摩耗が非常に大きくなり、接触抵抗が増加し、接触寿命が大幅に低下し得る。このような接触部の開放は、接触の持ち上がりと称することもでき、これは、例えば、火花放電又は最悪の場合には接触部の焼損を引き起こし得る。接触法線力が異なる向きに存在する場合、第1の接触領域が前述のように持ち上がると、異なる向きの第2の接触領域が電流の流れを引き継ぐ可能性がある。その結果、持ち上がる接触は全く通電されないか、少なくとも低い電流で通電され、持ち上がりにもかかわらず火花放電を回避又は低減できるため、接触部は損傷を受けないか少ない損傷で済み、耐用年数も損なわれない。
【0027】
接触法線力の向きの角度が約90度である場合、特に有利であることが分かっており、これは、加速方向が実質的に第1の接触法線力に対して作用する場合、第2の接触領域の加速度が非常に低くなるためである。
【0028】
第1の接触領域の接触部は、嵌合による摩耗にさらに曝され、これは局所的な接触材料を損傷させ得るため、接触抵抗を悪化させ、接触寿命を損なう可能性がある。好ましくは、第2の接触力が第1の接触法線力に対して実質的に垂直に向けられる場合、それは実質的に挿入方向に作用し得る。したがって、第2の接触領域は、差込み時に相対運動による負荷を受けないため、差込み摩耗が非常に少ない。
【0029】
本発明と関連して、第2の接触領域が独立した接触法線力で付勢されることが好ましい。これは、第1の接触領域を付勢する弾性要素が例えば破損又は弛緩によって損傷した場合でも、第2の接触領域を付勢し続ける独立した弾性要素が依然存在することを意味する。このようにして、機能的な冗長性を作り出すことができ、これにより、特に過酷な環境条件における高い機械的負荷の下で、接触システムの機能的な信頼性が保証される。本発明と関連して、接触相手部間の相対距離を減少させるための弾性手段の付勢は、挿入方向に又はそれに抗して作用することが好ましい。他方、雌型接触相手部は、弾性曲げ接触部として形成されることが多く、曲げ接触部によって発生する弾性力は、有利には、付勢に対して実質的に垂直であり、この付勢は、好ましくは、挿入方向に作用するか又は挿入方向に抗して作用する。この2つの空間方向における弾性ばね取り付けにより、接触部の持ち上がりが防止され得、建設現場の条件下でも特に安定した電流の流れが保証され得る。
【0030】
エネルギー供給装置と電動工具とは、インターフェースの構成要素間に直線状又は「傾斜」ストッパが形成されるように互いに接続することができる。直線状ストッパの場合、第2の接触法線力は、エネルギー供給装置の挿入方向に対して実質的に平行に配置されるように、第2の接触領域に好ましくは形成される(
図9(上部)を参照されたい)。傾斜ストッパは、好ましくは、第1の接触法線力と第2の接触法線力との間に90度未満の角度が形成されることによって特徴付けられる。電動工具の構成要素間に傾斜ストッパが形成される場合、第2の接触法線力は、好ましくは挿入方向に作用する有意な力成分を有することができる(
図9(下部)を参照されたい)。傾斜ストッパは、例えば、面取りされた接触面によって達成することができる。
【0031】
この場合、接触法線力が90度未満の角度デルタを互いに形成することが本発明と関連して好ましい場合がある。第1の接触法線力と第2の接触法線力との間の角度デルタが、10度を超える、好ましくは45度を超える、特に好ましくは60度を超える角度範囲にあることが本発明と関連して好ましい。したがって、好ましくは、角度デルタは10~90度の角度範囲、好ましくは45~90度の角度範囲、特に好ましくは60~90度の角度範囲にある。角度デルタの位置は
図10で見ることができる。角度デルタは前述の角度範囲の1つ内にあるため、第2の接触法線力は、挿入方向にかなりの力成分を有することができる。
【0032】
傾斜ストッパを有する変形形態は、ブレード上のプラグのセンタリングが望まれる場合に好ましく使用することができる。これにより、加速の結果としてプラグが回転するのを防ぐことができる。このようにして、両接触領域の有害な相対運動を有利に低減することができる。
【0033】
従来技術から知られているような多くのインターフェースは、電気エネルギーを伝達するための1つの接触領域のみを有し、発生する接触法線力は、挿入方向に対して直角、すなわち垂直である。その結果、そのようなインターフェースでは、接触法線力は、挿入方向に大きい力成分を有しない。本発明と関連して、異なる向きを有する異なる接触法線力を有し、且つまた力法線力又は力法線力の成分が挿入方向に作用することにより、提案されたインターフェースの電流伝達能力が改善され、同時に接触相手部間の特に強固で安定した接続が可能になり得る。
【0034】
本発明と関連して、インターフェースは、雄型接触相手部と雌型接触相手部との間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を含むことが好ましい。さらに、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に係合するように構成されることが好ましい場合がある。本発明の特に好ましい例示的な実施形態では、インターフェースの電力接点間の相対運動を低減するための弾性手段は、雌型接触相手部に係合する。したがって、本発明のこの例示的な実施形態では、例えば、インターフェースの少なくとも1つの雌型接触相手部は、ばね取り付けされた態様で存在し、少なくとも1つの雌型接触相手部は、さらに好ましくは、エネルギー供給装置上に存在する。相対運動を低減するための弾性手段は、本発明と関連して、好ましくは「弾性ばね取り付け手段」とも呼ばれる。提案されたインターフェースの弾性手段は、雄型及び/又は雌型接触相手部をばね取り付けするための弾性手段であることに留意すべきである。したがって、本発明は、電動工具と電動工具のインターフェース領域との間の先行技術から知られる複数の弾性手段から逸脱する。異なる向きの力法線力と組み合わせてインターフェースの接触相手部をばね取り付けすることで、インターフェースの電流伝導性と接続の堅牢性を大幅に改善できることが分かっている。これは特に、特に大量の電流又は電気エネルギーがインターフェースで伝達される場合、さらに電気エネルギーが長時間及び/又は現場条件下、すなわちときに強い振動を伴って伝達される場合に当てはまる。これらの利点は、特に、一方では少なくとも1つの弾性手段により、他方では特に雌型接触相手部の曲げ接触部としての設計によりもたらされ得る、上述の2つの空間方向における接触相手部の弾性ばね取り付けによってもたらされる。
【0035】
本発明と関連して、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が付勢を発生するように構成され、付勢は第1の接触法線力に対して実質的に垂直に向けられることが好ましい。このようにして、雄型接触相手部に対する、特にそのブレードに対する付勢の支持は、良好な導電特性を有する材料を介して提供することができる。好ましくは、その結果、一体型接触部を形成することができる。雌型接触相手部の構成要素は、好ましくは、付勢の方向において雄型接触相手部のブレード上にのみ支持されるため、少なくとも1つの雌型接触相手部と少なくとも1つの雄型接触相手部との間の相対運動の発生は、驚くべきことに効果的に回避される。換言すると、相対運動及び摩擦及び/又はフレッチング摩耗(フレッチング)の発生は、本発明及び付勢の向きが第1の接触法線力に対して実質的に垂直であることによって著しく低減し得る。有利には、特にインターフェースの接触相手部の差込み方向に対して実質的に垂直に作用する接触法線力によって引き起こされる差込みサイクル摩耗が、このようにしてかなり低減され得、それによりインターフェースの接触相手部の耐用年数がかなり延長され得る。特に、少なくとも1つの弾性手段は、雌型接触相手部を雄型接触相手部の方向に押圧するため、雌型接触相手部と雄型接触相手部との間に特に緊密な機械的接触が形成される。この緊密な機械的接触は、高い放電電流を伝達するのに適した特に低い接触抵抗を呈し、驚くべきことに、インターフェースの低い差込みサイクル摩耗が同時に観察される。
【0036】
さらに、試験により、付勢の提供又は付勢を発生させることができる少なくとも1つの弾性手段の提供が、電動工具にエネルギー供給装置を接続するための特に公差に依存しないインターフェースを提供することが示された。電力接点間の少なくとも2つの接触領域と組み合わせた少なくとも1つの付勢された電力接点又はばね取り付けされた電力接点を有するインターフェースは、極めて低い弛緩と低い差込み摩耗を有することがさらに見出されている。したがって、提案されたインターフェースは、高い電気的及び機械的負荷に対して特に堅牢である。それは、耐用年数も長く、驚くほど大きい放電電流又は単位時間あたりの大量の電荷の伝送にも適している。さらに、付勢は、第2の接触法線力に対して実質的に平行に向けることができる。接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、関係する接触相手部の一方に係合することができる。換言すると、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部又は少なくとも1つの雌型接触相手部に係合することができ、接触相手部は、電動工具とエネルギー供給装置との間の形状嵌め接続を形成する。さらに換言すると、弾性手段は、接触相手部の一方、すなわち雄型接触相手部又は雌型接触相手部のいずれかと係合して、電動工具とエネルギー供給装置との間に解放可能な接続を形成することができる。本発明の本質的な利点は、特に大きい電流を形状嵌め接続によって伝達できること及び驚くべきことに、接触相手部間の相対距離を、最小まで完全に低減されないとしても特に短く保持できることである。このようにして、有利に、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの耐用年数を大幅に延ばすことができる。本発明と関連して、インターフェースの雌型及び雄型接触相手部は、好ましくは、インターフェースの「電力接点」として記載することもできる。
【0037】
相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を提供することにより、蓄電池と電動工具との間の接触接続の相対運動及び実際の破損を結果として生じ得る、接触相手部に作用する振動及び衝撃を簡単に補正することが可能である。
【0038】
本発明により、特に、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を設けることにより、インターフェースの雄型及び雌型接触相手部間の相対距離を実質的に減少させることができ、それにより接触相手部間の機械的な摩擦損失及び電流伝導損失をかなりの程度まで減少させることができる。特に、本発明は、インターフェースの雄型及び雌型接触相手部間の相対距離を、例えば、0.3mm未満、好ましくは0.1mm未満、特に好ましくは0.05mm未満に減少させることができる。
【0039】
インターフェースの接触相手部の相対運動の低減又は相対距離の短縮は、幾つかの有利な効果を有する。第1の効果は、電動工具とエネルギー供給装置との間の形状嵌め及び/又は摩擦係合接続を形成する接触相手部間の相対運動又は相対距離に関する。これらの相対運動又は相対距離は、インターフェースの接触抵抗を望ましくなく増加させ得、この増加は、インターフェースの摩耗状態とは最初に無関係である。本発明と関連して、これは、好ましくは、システム構成要素間のインターフェースでインターフェースの接触相手部の望ましくない相対運動が生じた場合、電動工具及びエネルギー供給装置から構成されたシステムの新しい状態でも接触抵抗の増大が生じ得ることを意味する。さらに、接触相手部間の相対運動は、摩耗及び最終的には酸化につながる可能性があるため、インターフェースの接触抵抗は不都合なことにさらに増加する可能性がある。特に、接触相手部の貴金属層の摩耗が起こり、これは最終的に大気中の酸素を含む大気酸化及び/又はフレッチング摩耗につながる可能性がある。本発明が接触相手部間の相対運動、したがって接触抵抗を大幅に低減するという事実により、本発明は、提案されたインターフェースを使用して、特に大きい電流をエネルギー供給装置から電動工具に伝達できることを達成するのに大きく貢献する。さらに、本発明は、接触相手部の望ましくない摩耗を減少させ、したがって同様にインターフェースの耐用年数を延ばすことに価値ある貢献をする。
【0040】
本発明と関連して、インターフェースの電力接点間の相対距離を短縮するための弾性手段が、電動工具と、雄型及び雌型接触相手部から構成されるユニットとの間の機械的な切り離しをもたらすことが好ましい。代替的に、弾性手段は、電動工具と、雄型及び雌型接触相手部から構成されたユニットとの間の機械的な切り離しをもたらし得る。機械的な切り離しにより、接触相手部間の望ましくない相対運動は伝達されず、弾性手段によって有利に補正される。
【0041】
試験により、本発明は、雄型接触相手部と雌型接触相手部間の接触領域における望ましくない温度上昇を効果的に抑制できることが示された。例えば、接触相手部間の接触領域で測定された温度は、最大30度低下させることができるが、これは、接触相手部間の接触のグレード及び質が、本発明により、すなわち相対運動を低減するための弾性手段を提供することにより著しく改善され得るためである。接触抵抗の改善は、有利には、インターフェースの通電能力の増加につながり、それにより、本発明は、より高い電力クラスの電動工具、すなわち特に高出力の電動工具の動作又はそれらに対する電気エネルギー供給を可能にする。接触抵抗における電力損失の低減は、有利には、周囲の構成要素の熱負荷の低減につながり得る。特に、熱可塑性材料から構成された構成要素は、それにより、過剰な熱の導入による損傷から効果的に保護され得る。
【0042】
本発明と関連して、相対運動を低減するための弾性手段が作用する接触相手部は、移動可能に取り付けられることが好ましい。換言すると、相対運動を低減するための弾性手段が動作可能に接続される接触相手部は、移動可能に取り付けられ得る。本発明と関連して、移動可能に取り付けられた接触相手部及び/又は移動可能に取り付けられた受入装置は、ばね取り付けされることがさらに好ましい。インターフェースの接続相手毎に2つ以上の接触相手部が設けられる場合又は電動工具及び/又はエネルギー供給装置が2つ以上の受入装置を有する場合、本発明と関連して、移動可能に取り付けられた接触相手部及び/又は移動可能に取り付けられた受入装置は、ばね取り付けされることが好ましい場合がある。このようにして、接触相手部間の相対運動及び接触抵抗をさらに大幅に低減することができ、インターフェースの耐用年数を大幅に延ばすことができる。さらに、相対運動を低減するための弾性手段が、後述する受入装置に作用することが好ましい場合がある。受入装置は、雄型及び/又は雌型の電力接点を受け入れることができ、且つ同様に移動可能に取り付けることができる。受入装置は、特に電力接点間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段に動作可能に接続される場合又は前記弾性手段が受入装置に作用する場合、移動可能に取り付けられる。接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、少なくとも1つの雄型接触相手部又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように構成されるという記述は、好ましくは、個々の接触相手部が受入装置内に配置される本発明の例示的な実施形態において、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、個々の接触相手部が収容される受入装置に作用するように構成されることを意味する。受入装置は、弾性手段によって移動可能に取り付けられ得るか又はばね取り付けされ得る接触ブロック又は接触手段ブロックを形成し得る。本発明と関連して、受入装置は、インターフェースの接続相手、すなわち電動工具又はエネルギー供給装置の接触相手部を含むことが好ましい。しかしながら、本発明と関連して、接続相手の接触相手部の部分量をそれぞれ受け入れ得る幾つかの受入装置が設けられることが好ましい場合もある。好ましくは、これらの幾つかの受入装置は、相対運動を低減するための弾性手段がこれらの幾つかの受入装置に作用することによってもばね取り付けされ得る。したがって、受入装置は、電力接点、すなわち雌型及び雄型接触相手部並びに/又は通信要素を含み得る。本発明と関連して、相対運動を低減するための弾性手段が「弾性ばね取り付け手段」としても記載されることが好ましい。
【0043】
好ましくは、相対運動を低減するための弾性手段が作用する接触相手部は、接続状態で電動工具又はエネルギー供給装置に対して移動可能であるように取り付けられる。ばね取付けが電動工具側に設けられる場合、すなわち少なくとも1つの弾性手段が電動工具の接触相手部又は受入装置に作用する場合、電動工具の領域における結果として生じるばね取付けは、好ましくは、接続状態で電動工具に対して移動可能であるように対応する接触相手部が取り付けられることを達成するのに寄与する。ばね取付けがエネルギー供給装置側に設けられる場合、すなわち少なくとも1つの弾性手段がエネルギー供給装置の接触相手部又は受入装置に作用する場合、エネルギー供給装置の領域における結果として生じるばね取付けは、好ましくは、接続状態でエネルギー供給装置に対して移動可能であるように対応する接触相手部が取り付けられることを達成するのに寄与する。
【0044】
接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段が少なくとも1つの雄型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雌型接触相手部に作用するように構成されるという記述は、最初に、弾性手段が接触相手部のグループの1つ、例えばエネルギー供給装置上に配置されるすべての接触相手部又は電動工具上に配置されるすべての接触相手部に作用する可能性を含む。しかしながら、本発明と関連して、電動工具とエネルギー供給装置の両方がその接触相手部のための弾性ばね取り付け手段を含むことも好ましい場合がある。本発明のこの実施形態では、弾性手段は、少なくとも1つの雄型接触相手部と少なくとも1つの雌型接触相手部とに作用する。接触相手部の一方又は両方のグループが受入装置に配置される場合、弾性手段は、受入装置の1つに作用し得る。エネルギー供給装置と電動工具の両方の接触相手部が受入装置を有する場合、弾性手段は、両方の受入装置にも作用し得る。電動工具の接触相手部とエネルギー供給装置の接触相手部の両方への作用は、例えば、接続相手の一方であるエネルギー供給装置又は電動工具に硬いばねを使用し、他方の接続相手である電動工具又はエネルギー供給装置に柔らかいばねを使用することによって実施することができる。本発明と関連して、「硬いばね」という用語は高いばね剛性を有するばねとして理解され、「柔らかいばね」という用語は低いばね剛性を有するばねとして理解される。
【0045】
本発明と関連して、少なくとも1つの雄型接触相手部が電動工具に配置されることが好ましい。雄型接触相手部は、インターフェースの雌型接触相手部又は他のシステム構成要素に挿入され得るブレードを含み得る。本発明の有利な実施形態によれば、雄型接触相手部は、ピン状プラグコネクタ又はブレードとして設計され、インターフェースの雌型接触相手部は、ピン状プラグコネクタ又はブレードを受け入れるための弾性変形可能な脚部を有する終端として設計されることが提供され得る。雄型接触相手部は、突出領域とストッパによって形成することができ、突出領域は、エネルギー供給装置が電動工具に接続されたインターフェースの差込み状態(したがって「接続状態」)で雌型接触相手部の1つに挿入される。非接続状態では、電動工具とエネルギー供給装置とは、互いに独立及び分離し得る。これは、例えば、エネルギー供給装置が充電中であり、充電のために充電器内に配置される場合であり得る。本発明と関連して、少なくとも1つの雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることも好ましい場合がある。
【0046】
エネルギー供給装置は、好ましくは、少なくとも1つの蓄電池(アキュムレータ)を含み得、エネルギー供給装置は、電動工具に電気エネルギーを供給するように設計される。電気エネルギーは、特に電動工具がインターフェースを介してエネルギー供給装置に接続されている接続状態でエネルギー供給装置から電動工具に出力される。雌型及び雄型接触相手部は、接続状態で互いに係合し合い、その結果、電流又は電気エネルギーは、接触領域を介して接触相手部間を流れることができる。試験により、接触相手部の一方と係合する、接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を使用することにより、従来技術の場合のように従来の接触システムを使用する場合よりも、著しく高い電流を伝達できることが示されている。例えば、本発明は、50アンペア超、好ましくは70アンペア超、特に好ましくは100アンペア超の範囲の電流の伝達を可能にする。
【0047】
少なくとも1つの弾性手段を有する提案されたインターフェースを用いてより高い電流がエネルギー供給装置から電動工具の方に流れることができる理由は、エネルギー供給装置が雌型及び雄型接触相手部の少なくとも1つの接触ペアから切り離されるからである。この切り離しについては、以下でさらに記載する。
【0048】
相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、好ましくは、ばねなどの少なくとも1つの弾性要素を含み得る。ここで、弾性要素は、ばねの形態において、特に渦巻きばね、曲げばね又はコイルばねとして構成され得る。代替として、弾性要素は、弾性変形可能な材料から構成された構成要素として構成され得る。この場合、エラストマーも可能な材料である。したがって、複数の方向、すなわち接続要素に向かう方向又はそれから離れる方向だけでなく、接続要素の振動に関連する動きを容易に打ち消すことが可能である。加えて、インターフェースの接触相手部間の望ましくない相対運動は、弾性要素の使用によって効果的に短縮され得る。
【0049】
本発明と関連して、雌型接触相手部への挿入時、雄型接触相手部は、弾性手段が応力状態になるように少なくとも1つの弾性手段を圧縮することが好ましい。代替として又は追加として、少なくとも1つの雄型接触相手部は、ばね取り付けもされ得る。本発明と関連して、「ばね取り付け」という用語は、ばね取り付けされた接触相手部が、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段に動作可能に接続されることを意味すると理解されたい。換言すると、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段は、接触相手部の一方に作用し得、それにより有利には対応する接触相手部のばね取り付けが達成される。本発明と関連して、エネルギー供給装置と電動工具とが一緒に接続されている差し込まれた状態において、少なくとも1つの弾性手段は、応力又は張力のかかった状態にあることが好ましい。本発明と関連して、弾性手段は、エネルギー供給装置内の力の流れが前記弾性手段によって閉じられている非インストール状態でも付勢されることが好ましい。これにより、少なくとも1つの雌型接触相手部は、エネルギー供給装置上に支持され得る。接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段の応力により、特に接触システムが接続状態であるとき、雄型接触相手部と雌型接触相手部とは、互いに確実に押し付けられ、その結果、接触相手部間に特に良好な接触が形成される。接触相手部のこの「ばね取り付けされた」接触又は接触相手部の特に緊密な接触のため、結果として得られる接触の電力密度を著しく増加させることができ、その結果、50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える又は特に好ましくは100アンペアを超える範囲の電流を伝達することが可能である。同様に、提案される接触システムの耐用年数を実質的に延ばすこともでき、その結果、提案される接触システムは、インターフェースに対する比較的高い機械的及び/又は電気的要件を本発明によって最適に満たすことができることから、長い耐用年数及び/又は高い出力電流を有するエネルギー供給装置に特に適している。
【0050】
本発明と関連して、少なくとも1つの雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが好ましい。少なくとも1つの雌型接触相手部は、好ましくは、雄型接触相手部のブレードを受け入れるように設計される受入端子によって形成され得る。このために、雌型接触相手部は、弾性材料から構成される2つの脚部を有し得、脚部は、雄型接触相手部が雌型接触相手部又は受入端子の内部に位置するように、雄型接触相手部の挿入時に押し広げられる。本発明と関連して、この状況は、インターフェースの接続状態又は相互差込み状態と称される。雌型接触相手部の脚部が形成される材料の弾性のため、この接続状態における雌型接触相手部の受入端子の脚部は、雄型接触相手部のブレード又は突出領域を押圧し、それにより接触領域が接触相手部間に形成される。好ましくは、電流又は電気エネルギーは、この接触領域を介して接触相手部間で交換され、それにより、電流又は電気エネルギーはエネルギー供給装置から電動工具に向かって流れることができる。本発明と関連して、少なくとも1つの雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。
【0051】
雌型接触相手部の脚部は、好ましくは、ばね鋼を含み得るか又はそれから製造される。ばね鋼と同様に、弾性特性を有する他の金属、金属合金又はプラスチックを用いて雌型接触相手部を作製することもできる。CuFe2P又はCuCrSiTiなどの、良好な導電性、高い降伏強度及び/又は低い弛緩作用を有する材料が特に好ましい場合がある。
【0052】
本発明と関連して、雄型接触相手部との特に良好な接触を可能にするために、雌型接触相手部又は受入端子の脚部は、接触領域で最小間隔を有することが好ましい。雄型接触相手部に対する接触領域において、雌型接触相手部は、雌型接触相手部の脚部間の最小間隔によって画定されるテーパを好ましくは有する。本発明と関連して、雌型接触相手部の脚部は、接触領域、テーパの領域又は最小脚部間隔の領域において銅を含むか又は銅の層で被覆されることが好ましい。さらに、ニッケル及び/又は銀を含むコーティングも使用できるが、これに限定されない。提案されたインターフェースの雄型及び雌型接触相手部間の接触領域に好ましくは存在するコーティング材料により、エネルギー供給装置から電動工具への電流の流れ又は電気エネルギーの流れをさらに最適化することができ、その結果、特に、大電流、例えば50アンペア、70アンペア又は100以上のアンペアがインターフェースを介して流れることも可能である。
【0053】
エネルギー供給装置はインターフェースを介して電動工具に着脱可能に接続されるため、電動工具とエネルギー供給装置のそれぞれの電気接点は、好ましくは互いに摩擦係合式に当接し合う。ここで、雌型接触相手部は、好ましくは、弾力的に取り付けられたクランプ又は受入端子を含み得る一方、雄型接触相手部は、クランプ又は受入端子に挿入可能な挿入要素を有し得る。
【0054】
本発明と関連して、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が少なくとも1つの弾性要素を含むことが好ましい。好ましくは、雄型接触相手部及び雌型接触相手部は、雄型接触相手部を雌型接触相手部に挿入することによって生じる接続状態でユニットを形成することができる。本発明のこの実施形態では、接触相手部間の相対運動を低減するための弾性手段が、雌型接触相手部と雄型接触相手部のユニットに動作可能に接続される、すなわち、ユニット又はインターフェースの接触相手部の1つに係合することが好ましい。接続状態では、雄型及び雌型接触相手部のユニットは、エネルギー供給装置が雄型及び雌型接触相手部のユニットから独立して移動することができるように、電動工具の方又はエネルギー供給装置の方に押圧することができる。これにより、雄型及び雌型接触相手部の振動感応ユニットがエネルギー供給装置から切り離され、ユニットとエネルギー供給装置との切り離しにより、インターフェースの耐荷重能力、その耐用年数及び望ましくない加熱に対する堅牢性が著しく向上する。驚くべきことに、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段を設けることにより、雄型及び雌型接触相手部のユニットに、本発明と関連して「遊び」と呼ばれる運動空間を与えることができる。この運動空間内では、ユニットは、運動空間の境界壁に衝突することなく動くことができる。雄型及び雌型接触相手部のユニットが電動工具又はエネルギー供給装置に対して固定された位置に取り付けられる場合、エネルギー供給装置は、ユニットとは独立してユニットの周りを移動し得るため、エネルギー供給装置の移動は、接触及び振動に感応する雄型及び雌型接触相手部のユニットから切り離される。
【0055】
試験は、インターフェースに相対運動を低減するための弾性手段を設けることにより、インターフェースの接触相手部間のフレッチング摩耗(フレッチング)を実質的に低減できることを示した。このようにして、例えば、接触相手部のより低い品質で安価なコーティングが用いられ得るか、又は相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段の使用がインターフェースのより長い耐用年数及びより高い電力密度をもたらし、本発明と関連してより高い電力密度は、好ましくは、より高い電流を雄型及び雌型接触相手部のインターフェースを通して伝達できることを意味する。
【0056】
本発明は、エネルギー供給装置の望ましくない運動又は振動を防止することはできないが、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、有利には、接触及び振動の影響を受けやすいエネルギー供給装置の雄型及び雌型接触相手部のペアがそれらの運動及び振動から切り離され、したがって保護されることを保証する。
【0057】
本発明と関連して、少なくとも1つの雄型及び1つの雌型接触相手部がそれぞれの場合にユニットを形成し、接続状態では、このユニットは、エネルギー供給装置の移動から切り離されることが好ましい。有利には、雄型及び雌型接触相手部のユニットとエネルギー供給装置とのこの切り離しは、特に、接触相手部の1つ又は少なくとも1つの雄型及び雌型接触相手部のユニットに作用する相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段によって達成される。換言すると、本発明と関連して、弾性手段は、接触相手部間の相対運動を低減し、且つ接触相手部の1つ又は雄型及び雌型接触相手部のユニットに作用するように構成されることが好ましい。エネルギー供給装置からのユニットの切り離しは、特に、接触相手部間の相対経路を低減するための少なくとも1つの弾性手段がエネルギー供給装置に存在する場合に生じる。しかしながら、本発明と関連して、接触相手部間の相対距離を減少させるための少なくとも1つの弾性手段が電動工具上に存在することも好ましい場合がある。この場合、雄型及び雌型接触相手部のユニットは、好ましくは、電動工具から切り離され得る。
【0058】
本発明と関連して、インターフェースは、1~8つ、好ましくは2~6つ、最も好ましくは4つの雌型接触相手部を含むことが好ましい。好ましくは、インターフェースは、対応する数の雄型接触相手部を有し、それによりそれぞれの場合に1つの雄型接触相手部と1つの雌型接触相手部とが接触ペアを形成し得る。本発明と関連して、雄型接触相手部が電動工具上に配置され、雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが好ましい。当然のことながら、本発明と関連して、雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置され、雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。
【0059】
本発明と関連して、インターフェースが、少なくとも1つの雌型接触相手部及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部を受け入れるための受入装置を含む場合も好ましい。換言すると、受入装置は、少なくとも1つの雌型接触相手部若しくは少なくとも1つの雄型接触相手部又は少なくとも1つの雌型及び少なくとも1つの雄型接触相手部を受け入れるように構成され得る。本発明の好ましい例示的な実施形態では、受入装置は、少なくとも1つの雌型接触相手部を受け入れ得る。本発明と関連して、雌型接触相手部がインターフェース上に個々に配置されるか、又はそれらが受入装置の一部であることが好ましい場合があり、個々の雌型接触相手部又は受入装置は、電動工具又はエネルギー供給装置のいずれかの構成要素であり得る。本発明と関連して、個々の雌型接触相手部又は受入装置がエネルギー供給装置の一部であることが最も好ましい。
【0060】
受入装置は、雌型接触相手部及び/又は雄型接触相手部を受け入れることができるコンパートメント又はカセットを形成し得る。このようにして接触ブロックを有利に設けることができ、その結果、雌型接触相手部が一緒に移動できるか又は一緒に移動され得るようにする。好ましくは、受入装置は、1~8つ、好ましくは2~6つ、最も好ましくは4つの雌型接触相手部を受け入れることができる。
【0061】
本発明と関連して、インターフェースの接触相手部が個々にばねによって取り付けられるか、又は接触相手部によって形成される接触ブロックが全体としてばねによって取り付けられることが好ましい。接触相手部が個々にばねによって取り付けられる場合、接触相手部は、相対経路を低減するための弾性手段に個々に動作可能に接続され得る。インターフェースが例えばシステム要素、すなわち電動工具又はエネルギー供給装置の1つに4つの接触相手部を含む場合、弾性手段又は弾性要素は、これらの4つの接触相手部のそれぞれに割り当てられ得る。好ましくは、本発明のこの実施形態では、これは、「インターフェースの電力接点の個々のばね取付」と称される。代替として、本発明と関連して、好ましくは幾つかの接触相手部、雌型及び/又は雄型を含む接触ブロック全体が全体としてばねによって取り付けられることが好ましい場合がある。本発明と関連して、かかる接触ブロックは、接触手段ブロックとしても記載され、接触手段ブロックは、電力接点を有する受入装置によって形成され得る。本発明と関連して、接触ブロック又は受入装置は、弾性手段又は弾性要素に動作可能に接続されることが好ましい。これは、好ましくは、本発明と関連して、弾性手段又は弾性要素が接触ブロック又は受入装置に割り当てられることを意味する。好ましくは、本発明のこの実施形態では、これは、「ばね取付受入装置」又は「ばね取付接触手段ブロック」と称される。本発明と関連して、インターフェースは、電動工具とエネルギー供給装置との間でデータを交換するための通信要素を含むことが好ましい。例えば、インターフェースは、少なくとも2つの通信要素を含み得、第1の通信要素は、電動工具に配置され、第2の通信要素は、エネルギー供給装置に配置される。通信要素は、電動工具とエネルギー供給装置との間に通信リンクを確立するように構成され得、通信リンクは、ワイヤベース又はワイヤなしであり得る。換言すれば、電動工具とエネルギー供給装置との間の通信リンクは、ワイヤード又は「ワイヤレス」設計であり得る。例えば、電動工具とエネルギー供給装置との間のワイヤレス通信は、Bluetooth、WLAN、Zigbee、無線、近距離無線通信等に基づくことができる。例えば、通信要素として送信機と受信機を設けることができる。
【0062】
本発明の好ましい例示的な実施形態では、インターフェースは、4つの電力接点及び2つの通信要素を含む。電力接点及び通信要素は、受入装置内に一緒に配置され得、弾性ばね取り付け手段は、共通の受入装置と関連付けられる。しかしながら、電力接点が個別にばね取り付けされ、通信要素が独自の通信受入装置を有することも本発明と関連して好ましい。インターフェースの電力接点の個別のばね取り付けは、インターフェースの移動可能に取り付けられた電力接点に弾性手段が割り当てられることによって提供することができる。
【0063】
本発明と関連して、通信要素が受入装置に一体化されることが好ましい場合がある。換言すれれば、受入装置は、電動工具とエネルギー供給装置との間でデータを伝達するための少なくとも1つの通信要素を含み得る。本発明と関連して、通信要素は、特に通信接続がワイヤード型である場合、好ましくは「通信プラグ」と呼ぶこともできる。本発明と関連して、受入装置が2つの通信要素を有することが特に好ましく、通信要素は、受入装置内で好ましくは中央に配置され得る。例えば、好ましくは中央に配置された2つの通信要素の一方の側に2つの雌型接触相手部を配置することができ、通信要素の他方の側に2つの雌型接触相手部が同様に存在し得る。通信要素は、例えば、一方が他方の上にある状態で配置することができる。
【0064】
本発明の好ましい実施形態では、インターフェースの電力接点、すなわちインターフェースの雌型接触相手部及び雄型接触相手部は、個別にばね取り付けすることができる一方、別個の小型の受入装置がインターフェースの通信要素に設けられ、これにより通信要素のための別個のコンパートメント又はカセットが形成される。通信要素のための受入装置は、電動工具とエネルギー供給装置との間のインターフェースの一部でもあり得る。
【0065】
本発明と関連して、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が好ましくは全体として受入装置に割り当てられることが好ましい。この場合、例えば、4つの雌型接触相手部を受け入れることができる受入装置を、弾性要素によって対応するシステム構成要素 - 電動工具又はエネルギー供給装置 - に接続することが可能である。次いで切り離しが、例えば一方でエネルギー供給装置及び/又は電動工具と、他方で受入装置との間で行われ、それにより、受入装置内の雌型接触相手部は、エネルギー供給装置の運動及び/又は振動から切り離されるか又は保護される。しかしながら、本発明と関連して、切り離しが受入装置と電動工具との間で行われ、これにより、インターフェースは電動工具の運動及び/又は振動から有利に同様に切り離され得ることが同じく好ましい場合がある。
【0066】
試験は、雌型接触相手部の受入装置としてコンパートメントを用いることにより、傾斜運動に対して特に良好な保護が得られ、接点間の摩擦モーメントが特に上手く低減されることを示した。本発明のこの利点は、雌型接触相手部の個々の端子接点の支持面及び摩擦面が、挿入方向に対して横方向又は実質的に垂直に互いに広く離間しており、したがって取り付け部の大型のレバーアームによって動的な傾斜モーメントを特に良好に吸収できるという事実によって達成することができる。雌型接触相手部が受入装置によって受け入れられる場合、接触ブロックの支持面にも同じことが当てはまる。上の記述は、特に雄型接触相手部が受入装置によって受け入れられ、接触ブロックを形成する場合、雄型接触相手部にも同様に当てはまる。
【0067】
代替として、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、雌型及び雄型接触相手部のそれぞれの接触ペアに割り当てられることが好ましい場合がある。この場合、例えば、雌型及び雄型接触相手部の各接触ペアは、弾性要素など、相対運動を低減するためのそれ自体の弾性手段を有し得、弾性手段によってエネルギー供給装置の運動及び/又は振動から切り離されるか又は保護され得る。
【0068】
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、エネルギー供給装置と電動工具との間の相対運動を打ち消すことができる弾性手段が開示される。この場合、エネルギー供給装置及び電動工具は、インターフェースを介して互いに着脱可能に接続され、インターフェースは、雄型接触相手部及び雌型接触相手部を含む。特に、雌型接触相手部は、個々の接点の形態であり得、各雌型接触相手部は、雄型接触相手部又はそのブレードを受け入れるように構成される。代替的に、雌型接触相手部は、エネルギー供給装置又は電動工具の一部であり得る接触ブロック(「受入装置」又は「コンパートメント」)を形成し得る。本発明と関連して、雌型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることが特に好ましい。しかしながら、雌型接触相手部が電動工具上に配置されることも好ましい場合がある。同様に、雄型接触相手部は、個々の接点の形態で提供することができ、それぞれの場合において、雄型接触相手部は、電気エネルギーの伝達のための接触領域を有する雌型接触相手部と接触ペアを形成するように構成される。代替的に、雄型接触相手部は、エネルギー供給装置又は電動工具の一部であり得る接触ブロックを形成し得る。本発明と関連して、雄型接触相手部が電動工具に配置されることが特に好ましい。しかしながら、雄型接触相手部がエネルギー供給装置上に配置されることは同じく好ましい場合がある。接触相手部間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、好ましくは、インターフェース又は電動工具及びエネルギー供給装置の接触相手部間の相対運動を防止又は低減するように設計される。相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段は、ここでは、インターフェースの雄型接触相手部及び/又は雌型接触相手部に個別に作用することができる。しかしながら、相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段が、通常、2~8つの接触相手部によって形成される雌型接触相手部のための接触ブロック又は受入装置に作用することは、本発明と関連して好ましい場合がある。個々の雌型及び/若しくは雄型単一接点又はそれらから形成される接触ブロックは、電動工具上及びエネルギー供給装置上の両方に配置することができ、エネルギー供給装置の領域に雌型接触相手部を配置し、電動工具の領域に雄型接触相手部を配置することが特に好ましい。
【0069】
第2の態様では、本発明は、電動工具とエネルギー供給装置との間で電気エネルギーを伝達するためのインターフェースに関する。電動工具及びエネルギー供給装置のシステムに関して導入された用語、定義及び技術的利点は、好ましくは、インターフェースにも同様に適用される。インターフェースは、好ましくは、少なくとも1つの雄型接触相手部及び少なくとも1つの雌型接触相手部を有し、雌型接触相手部及び雄型接触相手部が少なくとも第1の接触領域及び第2の接触領域で互いに接触し、第1の接触領域が第1の接触法線力によって画定可能であり、及び第2の接触領域が第2の接触法線力によって画定可能であり、第1の接触法線力と第2の接触法線力とが異なる向きを有することを特徴とする。本発明と関連して、雄型及び雌型接触相手部は、それぞれの場合にユニットを形成することが好ましく、ユニットは、接続状態でエネルギー供給装置の移動から切り離される。
【0070】
さらなる態様では、本発明は、提案されるシステムで使用するためのエネルギー供給装置に関する。エネルギー供給装置は、好ましくは、特に長い耐用年数を有するエネルギー供給装置及び/又は特に高い電流、特に50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える定電流を出力するように構成されるエネルギー供給装置である。
【0071】
エネルギー供給装置は、好ましくは、蓄電池又は好ましくは充電式電池であり得る。本発明と関連して、明らかに、エネルギー供給装置は、2つ以上の蓄電池及び/又は電池を有することも可能である。蓄電池及び/又は電池は、例えば、円筒形セルを含むいわゆる電池パックを有し得る。これらの円筒形セルは、例えば、リチウムイオン、マグネシウムイオン及び/又はナトリウムイオンを含むがこれらに限定されない化学物質を含有し得る。しかしながら、例えば、直方体又は立方体のセルを有する他のセルタイプが本発明と関連して用いられ得る。
【0072】
エネルギー供給装置は、好ましくは、特に長い耐用年数を有するエネルギー供給装置及び/又は特に高い電流、特に50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える定電流を出力するように構成されるエネルギー供給装置である。特に長い耐用年数は、好ましくは、摩耗することなく、特に多数の挿入プロセス又は挿入サイクルに耐えることができるエネルギー供給装置をもたらし得る。加えて、特に長い耐用年数は、エネルギー供給装置の化学成分が、顕著に経年劣化することなく、これまでのエネルギー供給装置よりも頻繁に充電され得るように設計されることを意味し得る。提案された接触システムの主な利点は、このような強力なエネルギー供給装置が確実且つ容易に接続され得ることである。特に、インターフェースの接触相手部間の接触領域の数が多いため、提案された接触システムは大電流を伝達することができ、同時に、エネルギー供給装置の耐用年数全体を通して、摩耗することなく使用することができる。その結果、新しいセル及び電池技術の利点を本発明によって最適に利用することもできる。本発明により、電動工具及びエネルギー供給装置から構成されたシステムを提供することが結果として可能であり、このシステムは、特にシステム又はそのインターフェースに対して極めて高い電力要件及び/又は極めて高い耐用年数要件を課す用途及び使用に対しても、電池駆動式電動工具におけるエネルギー供給装置の効率的な使用を可能にする。
【0073】
本発明と関連して、エネルギー供給装置が少なくとも1つのエネルギー貯蔵セル(「セル」)を含み、少なくとも1つのセルが10ミリオーム(mOhm)未満の内部抵抗DCR_Iを有することが好ましい。本発明の好ましい構成では、少なくとも1つのセルの内部抵抗DCR_Iは、8ミリオーム未満、好ましくは6ミリオーム未満であり得る。ここで、内部抵抗DCR_Iは、好ましくは、規格IEC61960に従って測定される。内部抵抗DCR_Iは、特にエネルギー供給装置のセルの抵抗を表し、セルの構成要素又はアクセサリは、内部抵抗DCR_Iに寄与しない。低い内部抵抗DCR_Iは、放散される必要のある不要な熱が全く発生しないことを意味するために有利である。内部抵抗DCR_Iは、特に提案されるエネルギー供給装置のセルの内部で測定することができるDC抵抗である。内部抵抗DCR_Iは、当然のことながら、6.02ミリオーム、7.49ミリオーム、8.33ミリオーム、8.65ミリオーム又は9.5ミリオームなどの中間値もとり得る。
【0074】
10ミリオーム未満の少なくとも1つのセルの内部抵抗DCR_Iにより、低温で特に良好に動作し得るという意味で特に良好な熱特性を有するエネルギー供給装置を提供することが可能であり、冷却コストを驚くほど低く保ち得ることが見出された。特に、10ミリオーム未満のセル内部抵抗DCR_Iを有するエネルギー貯蔵装置は、特に強力な電動工具へ電気エネルギーを供給するのに特に適している。したがって、このようなエネルギー供給装置は、これまで専門家が蓄電池駆動式電動工具には開かれないと想定していた使用分野で、蓄電池駆動式電動工具の使用を可能にすることに価値ある貢献をすることができる。
【0075】
有利には、かかるエネルギー供給装置を使用して、本発明によるエネルギー供給装置を有する電池駆動式又は蓄電池駆動式電動工具に、周囲のプラスチック部品もエネルギー供給装置のセル内部のセル化学も損傷することなく、長期間にわたって高レベルの出力電力を供給することが可能になり得る。
【0076】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルの表面積Aに対する少なくとも1つのセルの抵抗の比は、0.2ミリオーム/cm2未満、好ましくは0.1ミリオーム/cm2未満、最も好ましくは0.05ミリオーム/cm2未満であることが好ましい。円筒形セルの場合、セルの表面は、例えば、円筒の外面並びにセルの上面及び底面によって形成され得る。さらに、本発明と関連して、少なくとも1つのセルの体積Vに対する少なくとも1つのセルの抵抗の比は、0.4ミリオーム/cm3未満、好ましくは0.3ミリオーム/cm3未満、最も好ましくは0.2ミリオーム/cm3未満であることが好ましい場合がある。直方体、立方体、球体等などの従来の幾何学的形状について、当業者は、かかる幾何学的物体の表面又は体積を計算するための式を知っている。本発明と関連して、「抵抗」という用語は、好ましくは、規格IEC61960に従って好ましくは測定することができる内部抵抗DCR_Iを示す。これは好ましくは直流抵抗である。
【0077】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、1.0W/(Ah・A)未満、好ましくは0.75W/(Ah・A)未満、特に好ましくは0.5W/(Ah・A)未満の加熱係数を有することが好ましい。さらに、少なくとも1つのセルは、1000アンペア/リットルを超える電流を略一定に出力するように設計され得る。放電電流は、少なくとも1つのセルの体積に関連して示され、体積測定単位「リットル」(l)が体積に対する単位として用いられる。本発明によるセルは、したがって、セル体積1リットル当たり1000Aを略一定に超える放電電流を出力することができる。換言すると、1リットルの体積を有するセルは、1000Aを超える略一定の放電電流を出力することができ、少なくとも1つのセルは、1.0W/(Ah・A)未満の加熱係数をさらに有する。本発明の好ましい構成では、提案されるエネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、0.75W/(Ah・A)未満、好ましくは0.5W/(Ah・A)未満の加熱係数を有し得る。加熱係数の単位は、ワット/(アンペア時・アンペア)である。加熱係数は、当然のことながら、0.56W/(Ah・A)、0.723W/(Ah・A)又は0.925W/(Ah・A)などの中間値も有し得る。
【0078】
本発明は、有利には、低減された加熱を示し、したがって高電力出力及び高電流、好ましくは定電流が動作のために望まれる電動工具に供給するのに特によく適した少なくとも1つのセルを有するエネルギー供給装置の提供を可能にする。特に、本発明は、電動工具の動作中及び電動工具に電気エネルギーを出力する場合に任意選択的に生成される熱を、特に単純で複雑ではない方法で放散することができる電動工具のためのエネルギー供給装置を提供するために用いることができる。試験は、本発明が、存在する熱をより効果的に放散させるために用いることができるだけではないことを示した。むしろ、本発明は、電動工具の動作中に発生する熱を抑制するか、又は発生する熱量を、本発明を用いて大幅に低減することができる。本発明は、電力及び放電電流に関して厳しい要件を有する電動工具にも最適な方法で電気エネルギーを供給することができるエネルギー供給装置を提供するために有利に用いることができる。換言すると、本発明は、例えば、建設現場で厳しい掘削作業又は解体作業を行うことができる特に強力な電動工具のためのエネルギー供給装置を提供することができる。
【0079】
本発明と関連して、「電動工具」という用語は、建設現場、例えば建築建設現場及び/又は土木建設現場で使用できる典型的な装置を意味するように理解される。電動工具は、ハンマードリル、チゼル装置、コアドリル、アングルグラインダー又はカットオフグラインダー、切断装置等であり得るが、これらに限定されない。さらに、建設現場で時折使用されるものなどの補助装置、例えばランプ、無線機、掃除機、測定装置、建設ロボット、手押し車、運搬装置、送り装置又は他の補助装置も本発明との関連で「電動工具」であり得る。電動工具は、特に移動式電動工具であり得、提案されるエネルギー供給装置は、特にスタンド取り付け式ドリル又は丸鋸などの固定式電動工具でも用いられ得る。しかしながら、特に蓄電池駆動式又は電池駆動式の手持ち式電動工具が好ましい。
【0080】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルが、12分未満、好ましくは10分未満、特に好ましくは8分未満の温度冷却半減期を有することが好ましい。本発明と関連して、これは、好ましくは、自由対流により、少なくとも1つのセルの温度が12、10又は8分未満で半分になることを意味する。温度冷却半減期は、好ましくは、エネルギー供給装置の非動作状態において、すなわちエネルギー供給装置が動作していない場合、すなわち電動工具に接続される場合に決定される。8分未満の温度冷却半減期を有するエネルギー供給装置は、主に強力な電動工具における使用に特に適していることが見出された。温度冷却半減期は、当然のことながら、8.5分、9分20秒又は11分47秒の値も有し得る。
【0081】
提案されるエネルギー供給装置の驚くほど低い温度冷却半減期に起因して、電動工具の動作中又は電動工具の充電中に発生する熱は、少なくとも1つのセル内に短時間のみ留まる。このようにして、セルを特に迅速に再充電することができ、電動工具で迅速に再利用することができる。その上、エネルギー供給装置又は提案されるエネルギー供給装置を有する電動工具の構成要素への熱負荷を大幅に低減することができる。結果として、エネルギー供給装置を保護し、その耐用年数を延ばすことができる。
【0082】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、エネルギー供給装置の電池パック内に配置されることが好ましい。一連の個々のセルは、好ましくは、電池パック内で組み合わせることができ、このようにして最適な方法でエネルギー供給装置に挿入することができる。例えば、5、6又は10個のセルが電池パックを形成し得、これらの数の整数倍も可能である。例えば、エネルギー供給装置は、例えば、5、6又は10個のセルを含み得る個々のセル列を有し得る。例えば、5つのセルの3列を有するエネルギー供給装置は、例えば、15個の個々のセルを含み得る。
【0083】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、少なくとも2.2Ah、好ましくは少なくとも2.5Ahの容量を有することが好ましい。試験は、前述の容量値が、建設産業における強力な電動工具の使用に特に良好に適しており、電気エネルギーの利用可能性及び電動工具の可能な耐用年数についてのそこでの要件を特に良好に満たすことを示した。
【0084】
エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、好ましくは、少なくとも10秒間、少なくとも20Aの放電電流を出力するように構成される。例えば、エネルギー供給装置のセルは、少なくとも10秒間、少なくとも20A、特に少なくとも25Aの放電電流を供給するように設計され得る。換言すると、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも20A、特に少なくとも25Aの連続電流を供給するように構成され得る。
【0085】
ピーク電流、特に短時間の電流は、エネルギー供給装置の激しい加熱につながり得ることも考えられる。したがって、本明細書中に記載される措置によって達成され得るような強力な冷却を有するエネルギー供給装置は、特に有利である。例えば、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、1秒間に少なくとも50Aを供給できると考えられる。換言すると、本発明と関連して、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、少なくとも1秒間、少なくとも50Aの放電電流を供給するように構成されることが好ましい。電動工具は、短い時間にわたって高い電力出力を多くの場合に必要とし得る。かかるピーク電流及び/又はかかる連続電流を供給することができるセルを有するエネルギー供給装置は、したがって、建設現場で用いられるものなどの強力な電動工具に特に適している可能性がある。
【0086】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、電解液を含むことが好ましく、電解液は、好ましくは、室温で凝集した液体状態で存在する。電解質は、リチウム、ナトリウム及び/又はマグネシウムを含み得るが、これらに限定されない。特に、電解質は、リチウム系であり得る。代替として又は追加として、前記電解質は、ナトリウム系でも有り得る。蓄電池がマグネシウム系であることも考えられる。電解質ベースのエネルギー供給装置は、少なくとも10V、好ましくは少なくとも18V、特に少なくとも28V、例えば36Vの定格電圧を有することができる。18~22Vの範囲内、特に21~22Vの範囲内の定格電圧が極めて特に好ましい。エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、例えば、3.6Vの電圧を有し得るが、これに限定されない。
【0087】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、例えば、1.5C、好ましくは2C、最も好ましくは3Cの充電率で充電されることが好ましい。充電率xCは、充電率xCの数値xに対応する1時間の何分の1かの時間で放電されたエネルギー供給装置を完全に充電するのに必要な電流強度を意味するものとして理解することができる。例えば、3Cの充電率は、20分以内に蓄電池を完全に充電することを可能にする。
【0088】
本発明と関連して、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルは、表面積A及び体積Vを有することが好ましく、体積に対する表面の比A/Vは、体積の立方根の逆数の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍より大きい。
【0089】
少なくとも1つのセルの表面積Aが体積Vの2乗の立方根の8倍よりも大きいという表現は、好ましくは、式A>8*V^(2/3)によっても表され得る。別の言い方をすれば、この関係は、体積に対する表面積の比A/Vが体積の立方根の逆数の8倍よりも大きい点で説明され得る。
【0090】
上記の関係が満たされているかどうかをチェックするために、同じ基本単位の値が常に用いられなければならない。例えば、表面積にm2単位の値が上記の式に用いられる場合、好ましくはm3単位の値が体積に用いられる。例えば、表面積に単位cm2の値が上記の式で用いられる場合、好ましくは単位cm3の値が体積に用いられる。例えば、表面積に単位mm2の値が上記の式で用いられる場合、好ましくは単位mm3の値が体積に用いられる。
【0091】
例えば、A>8*V^(2/3)の関係を満たすセル形状は、有利には、冷却効果にとって重要なセルの外表面積とセル体積との間の特に好ましい比を有する。本発明者らは、エネルギー供給装置の少なくとも1つのセルの体積に対する表面積の比がエネルギー供給装置からの熱の除去に重要な影響を及ぼすことを見出した。提案されるエネルギー供給装置の向上した冷却能力は、有利には、少なくとも1つのセルの一定の体積及び低い内部抵抗に対してセル表面積を増加させることによって達成することができる。本発明と関連して、セルの内部抵抗が低減される場合、好ましくは、低いセル温度と同時に高い電力出力が可能になることが好ましい。少なくとも1つのセルの内部抵抗を低減すれば、発熱が少なくなる。さらに、エネルギー供給装置内部の少なくとも1つのセルの表面積Aが、少なくとも1つのセルの体積Vの2乗の立方根の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍よりも大きいセルの使用により、低いセル温度が達成され得る。特に、これにより環境への熱の放出を改善することができる。
【0092】
前述の関係を満たすセルを有するエネルギー供給装置は、例えば、円筒形セルを有する以前から公知のエネルギー供給装置よりも大幅に効果的に冷却できることが見出された。上記の関係は、例えば、提案されるエネルギー供給装置のセルが円筒形の基本形状を有するが、表面積を増加する追加要素がその表面上に配置されるという事実によって満たすことができる。前記要素は、例えば、フィン、歯等であり得る。円筒形基本形状を有さず、むしろ全く異なる形状のセルも本発明の適用範囲内で用いられ得る。例えば、提案されるエネルギー供給装置のセルは、略立方形又は立方体状の基本形状を有し得る。「略」という用語は、ここでは当業者にとって不明確である、なぜなら、当業者は、例えば、窪み又は丸い角及び/又は縁を有する直方体も本発明と関連して用語「略立方体状」によって包含されるべきであることを知っているためである。
【0093】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルがセルコアを有することが好ましく、エネルギー供給装置の表面から5mmを超えて離間する点は、セルコア内に存在しない。エネルギー供給装置が放電される場合、例えばエネルギー供給装置が電動工具に接続され、電動工具を用いて作業が行われる場合、セルコア内に熱が発生し得る。本発明のこの特定の構成では、この熱は、エネルギー供給装置のセルの表面まで比較的短い経路で搬送することができる。熱は、表面から最適な方法で放散することができる。したがって、かかるエネルギー供給装置は、良好な冷却、特に比較的良好な自己冷却を示すことができる。限界温度に達するまでの時間を延長することができ、且つ/又は温度に達する状況を有利に完全に回避することができる。本発明のさらなる利点として、比較的均一な温度分布をセルコア内で達成することができる。これは、結果として蓄電池の均一な経年劣化を生じ得る。これにより、したがって、エネルギー供給装置の耐用年数を延ばすことができる。
【0094】
本発明と関連して、少なくとも1つのセルは、50アンペアを超える、好ましくは70アンペアを超える、最も好ましくは100アンペアを超える最大定電流出力を有することが好ましい。最大定電流出力は、セル又はエネルギー供給装置が上限温度に達することなく引き出すことができるセル又はエネルギー供給装置の電流量である。可能な上限温度は、60℃又は70℃の範囲内にあり得るが、これに限定されない。最大定電流出力の単位は、アンペアである。
【0095】
本発明に関連して言及されるすべての値の範囲の場合、すべての中間値も常に開示されていると考えるべきである。例えば、50~70Aの値、すなわち例えば51、62.3、54、65.55又は57.06アンペア等も最大定電流出力の場合に開示されていると考えるべきである。さらに、70~100Aの値、すなわち例えば72、83.3、96、78.55又は98.07アンペアも開示されていると考えるべきである。
【0096】
本発明と関連して、エネルギー供給装置は、80・t^(-0.45)を超える放電Cレートを有することが好ましく、ここで、文字「t」は、秒単位の時間を表す。Cレートは、有利には、エネルギー供給装置の充電及び放電電流の定量化を可能にし、ここで用いられる放電Cレートは、特にエネルギー供給装置の放電電流の定量化を可能にする。例えば、最大許容充電及び放電電流は、Cレートによって示すことができる。これらの充電及び放電電流は、好ましくは、エネルギー供給装置の定格容量に依存する。80・t^(-0.45)の異常に高い放電Cレートは、有利には、提案されるエネルギー供給装置が、建設産業で強力な電動工具を動作させるために必要とされる特に高い放電電流を達成するために用いられ得ることを意味する。例えば、放電電流は、50アンペアよりも大きい、好ましくは70アンペアよりも大きい、さらにより好ましくは100アンペアよりも大きい領域にあり得る。
【0097】
本発明と関連して、セルは、10ケルビン未満のセル温度勾配を有することが好ましい。セル温度勾配は、好ましくは、提案されるエネルギー供給装置の少なくとも1つのセル内の温度差の尺度であり、本発明と関連して、セルが可能な限り均一な温度分布を有すること、すなわちセルの内側領域の温度が、セルの側面又は外面の領域で測定される温度と可能な限り異ならないことが好ましい。
【0098】
さらなる利点は、以下の図の説明から明らかとなるであろう。図、本明細書及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者は、有用なさらなる組み合わせを形成するために、適宜、特徴を個別にも検討し、それらを組み合わせるであろう。
【0099】
図では、同一及び類似の構成要素は、同じ参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【
図1】電動工具及びエネルギー供給装置から構成されたシステムの好ましい実施形態を示す。
【
図2】提案されるシステムの好ましい実施形態のエネルギー供給装置の上面の可能な実施形態を示す。
【
図3】雌型及び雄型接触相手部から構成されたユニットの可能な実施形態を示す。
【
図4】2つの接触領域を有する雌型接触相手部と雄型接触相手部から構成されたインターフェースの可能な実施形態を示す。
【
図5】接続状態の雄型及び雌型接触相手部の異なる図を示す。
【
図6】分離状態の雄型及び雌型接触相手部の異なる図を示す。
【
図7】雌型接触相手部の好ましい実施形態の詳細図を示す。
【
図8】雄型接触相手部の好ましい実施形態の詳細図を示す。
【
図9】接触法線力が異なる向きを有する、雄型及び雌型接触相手部からなるペアの詳細図を示す。
【
図10】第1の接触法線力と第2の接触法線力との間の角度デルタの表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1は、電動工具10及びエネルギー供給装置20のシステム100の可能な実施形態を示す。
図1に示す本発明の例示的な実施形態では、電動工具10を画像左半分に示し、エネルギー供給装置20を画像右半分に示す。電動工具10は、2つの雄型接触相手部50を有し、特にブレード52が
図1に示される。雄型接触相手部50は、インターフェース30の一部であり、インターフェース30は、雌型接触相手部40もさらに有する。
図1に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、エネルギー供給装置20上に配置される。雌型接触相手部40は、個々の接触子を構成し得るか、又は
図1及び
図2に示すようにブロック若しくはコンパートメントに一体化され得る。雌型接触相手部40を有するブロック又はコンパートメントは、受入装置80(
図2を参照されたい)として説明される。
図1は、特に電動工具10とエネルギー供給装置20とが互いに分離している場合を示す。電動工具10及びエネルギー供給装置20は、一緒にシステム100を形成し得、エネルギー供給装置20は、電動工具10に電気エネルギーを供給するように構成される。加えて、インターフェース30は、雄型接触相手部50と雌型接触相手部40との間の相対距離を減少させるための弾性手段60を含む。少なくとも1つの弾性手段60は、例えば、ばね又は渦巻きばねであり得る弾性要素62を含み得る。しかし、他のすべての考えられる弾性要素62が可能であり、考えられる。雄型接触相手部50が雌型受入端子40内に導入されると、相対距離を減少させるための弾性手段60は、特に安定した接触が接触相手部40、50間に形成されるように圧縮される。かかる接点を
図3に示す。接触相手部40、50の接触及び相対距離を減少させるための弾性手段60の圧縮により、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70(
図3を参照されたい)が存在し得る遊び又は移動空間が生じる。エネルギー供給装置20の移動又は振動は、次いで、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70が移動空間の境界壁に衝突しないように十分な遊びを有することにつながる。したがって、エネルギー供給装置20は、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70から切り離され、それにより、雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40のユニット70は、特に良好に保護される。接触相手部40、50間の安定した接触は、特に高い電流がエネルギー供給装置20から電動工具10に流れ得ることを意味する。これは、特に接触相手部40、50間の接触抵抗を本発明によって実質的に低減することができるために達成され、それにより、特に接触相手部40、50間の接触領域32(
図3を参照されたい)で測定される温度も、先行技術から知られているような従来のインターフェースにおけるよりも大きく上昇しない。インターフェース30の接触領域32における低減された接触抵抗及び低減された温度のため、提案されたインターフェース30の耐用年数が満足に延長される。
【0102】
図1は、雄型接触相手部50が電動工具10上に配置され、雌型接触相手部40がエネルギー供給装置20上に配置されることを示すが、雄型接触相手部50がエネルギー供給装置20上に配置され、雌型接触相手部40が電動工具10上に配置される逆の配置も可能であり得る。特に、本発明と関連して、雄型接触相手部50は、ばねによって取り付けられる、すなわち相対距離を低減するための弾性手段60に接続されることが好ましい場合もある。
【0103】
図には、挿入方向34が示されており、これは、導電接続を形成するためにインターフェース30の接触相手部40、50が互いに差し込まれるか又は互いに押し込まれる方向を示す。
【0104】
図2は、提案されるシステム100の好ましい実施形態のエネルギー供給装置20の上面の可能な実施形態を示す。この図は、受入装置80内に配置される4つの雌型接触相手部40を示す。図示しない本発明の例示的な実施形態では、受入装置80は、雄型接触相手部50又は雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40も受け入れ得る。受入装置80は、特にインターフェース30の電力又は電流接点40、50を受け入れるように構成される。
【0105】
インターフェース30は、通信要素90を含み得、この通信要素90は、例えば、受入装置80の領域に配置され得るか又は受入装置80の構成要素であり得る。通信要素90は、受入装置80の中心又は中央に配置することができ、電動工具10とエネルギー供給装置20との間でデータを伝達するために設けることができる。さらに、
図2には、ばね、特に渦巻きばねとして形成された2つの弾性要素62が示されている。ばね62は、インターフェース30の電流又は電力接点40、50間の相対距離を減少させるための手段60を形成する。通信要素90は、電動工具10とエネルギー供給装置20との間に通信リンク92を確立するように設計することができ、通信リンク92は、有線又は無線の設計であり得る。通信リンク92は、
図1で通信要素90間の破線によって概略的に示されている。
【0106】
受入装置80は、通信要素90をさらに含み得、これらの通信要素90は、好ましくは、受入装置80の中心又は中央に配置される。通信要素90は、好ましくは、電動工具10とエネルギー供給装置20との間でデータを伝達するために設けられる。さらに、
図2には、ばね、特に渦巻きばねとして設計された2つの弾性要素62が示されている。ばね62は、相対距離を減少させるための手段60を形成する。
【0107】
図3は、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50のユニット70のさらなる可能な実施形態を示す。
図3は、特に雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50を有するインターフェース30を示す。特に、
図3は、電流又は電気エネルギーがエネルギー供給装置20から電動工具10に向かって流れることができるように、エネルギー供給装置20及び電動工具10が互いに接続された接続状態を示す。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の受入端子44又は脚部44内に配置され、接触相手部40、50は、一緒に接触領域32を形成し、この接触領域32を介して電流又は電気エネルギーをエネルギー供給装置20から電動工具10に伝送することができる。接触領域32は、特に雌型接触相手部40のテーパ42の領域に形成され、雌型接触相手部40の脚部44又は受入端子44の構成要素は、互いから最小距離を取る。したがって、雌型接触相手部40の脚部44は、雄型接触相手部50のブレード52に対して特に近接して位置する。本発明と関連して、接触領域32は好ましくは第1の接触領域110を表す。第1の接触法線力112は、インターフェース30の第1の接触領域110で挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられる。
【0108】
図4は、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50のユニット70のさらなる可能な実施形態を示す。
図4は、特に電力接点40、50を含むインターフェース30を示し、少なくとも1つの雌型接触相手部40は、接触相手部40、50間の相対距離を減少させるための弾性手段60を用いてばねにより取り付けられるか又は付勢される。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の内部48によって受け入れられ、この内部48は、雌型接触相手部40の脚部44によって形成される。接触相手部40、50間の接触は、特に
図4に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40の脚部44間の最小距離の領域に配置されるインターフェース30の接触領域32に存在する。この接触領域32は、好ましくは、本発明と関連して第1の接触領域110とも呼ばれる。第1の接触法線力112は、
図4において矢印が互いに指し合った状態で示されている。第1の接触法線力112は、好ましくは、雄型接触相手部50のブレード52を通る仮想中心軸に対して実質的に垂直である。第1の接触法線力112は、インターフェース30の第2の接触領域120によって画定される第2の接触法線力122に対して実質的に垂直にさらに形成され得る。
図4に示される本発明の例示的な実施形態では、第1の接触法線力112はインターフェース30の挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられ、第2の接触法線力122はインターフェース30の挿入方向34に対して実質的に平行に向けられる。
【0109】
第2の接触領域120は、雌型接触相手部40のストッパ49と雄型接触相手部50の接触面56とによって形成することができる。好ましくは、接触相手部40、50間の第2の接触領域120は、接触面49、56によって形成され、雌型接触相手部40は接触面49を有し、雄型接触相手部50は接触面56を有する。
図5に示す接触相手部40、50の接続状態では、接触相手部40、50の接触面49、56は、挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられる。接触面49、56は、表面法線によって表され得、
図5に示す本発明の例示的な実施形態における表面法線は、挿入方向34に対して実質的に平行に向けられる。第2の接触法線力122は、接触相手部40、50の接触面49、56間に作用し、これは好ましくは挿入方向34に実質的に平行に向けられる。第2の接触法線力122が作用する方向は、部分的な
図5b)において黒矢印で示されている。好ましくは、第2の接触法線力122は、第1の接触法線力112に対して実質的に垂直に向けられる。電流は、インターフェース30の第1の接触領域110と第2の接触領域120との両方で一方の接触相手部40、50から他方の接触相手部50、40に伝達することができる。試験により、電流の伝達は、特に損失がないことが示されており、これは、インターフェース30の接触相手部40、50間の緊密な接触によるものである。電流導体対70又は電力接点40、50の対70の接触相手部40、50の少なくとも一方がばねにより取り付けられる場合、電流の伝達がさらに改善される。
【0110】
図5及び6に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、2つのストッパ49を有する。本発明と関連して、これら2つのストッパ49はできるだけ離れていることが好ましく、これはインターフェース30の機械的安定性を向上させるからである。特に、雌型接触相手部40のストッパ49間の最大可能距離は、インターフェース30の通電能力を損なう可能性のあるインターフェース30の望ましくない傾きを効果的に防ぐ。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の内部48に突出するが、いずれの箇所にも当接しない。雄型接触相手部50のブレード52の前部領域54の尖った又はくさび形の構成は、好ましくは、雄型接触相手部50のブレード52が雌型接触相手部40の内部48にできるだけ容易にスライドできるように、雌型接触相手部40の接触脚部44を押し広げるように意図される。雌型接触相手部40の接触面47は、好ましくは、インターフェース30の接触相手部40、50間に相対距離を提供するように設計される。
【0111】
図5は、接続状態にある雄型接触相手部50と雌型接触相手部40の異なる図である。部分的な
図5aは、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50からなるユニット70の側面図を示し、部分的な
図5bは、雌型接触相手部40及び雄型接触相手部50からなるユニット70の上面図を示す。雌型接触相手部40は、電流導体36に接続された状態で存在し得、電流導体36は、例えば、インターフェース30の方向に電流又はエネルギーを伝導するために、エネルギー供給装置20のエネルギー貯蔵セルに接続することができる。電流導体36は、例えば、編組ワイヤによって形成することができる。雄型接触相手部50は、好ましくは、電動工具10上に配置され得るか又は電動工具10の部品であり得る。特に、雄型接触相手部50は、
図5に示すように、雄型接触相手部50と雌型接触相手部40とが互いに接続されたとき、そのブレード52を介して電流又はエネルギーを受けるように設計され得る。雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の内部48に受け入れられた状態で存在し得、2つの位置110、120で雌型接触相手部40の構成要素と接触した状態で存在し得る。本発明と関連して、これらの接触位置110、120は、第1の接触領域110及び第2の接触領域120と呼ばれる。第1の接触領域110は、雌型接触相手部40の脚部44のテーパ42の領域に存在する。このテーパ42の領域では、雌型接触相手部40の脚部44は、雄型接触相手部50のブレード52に押し付けられ、それにより接触相手部40、50間に第1の接触法線力112が作用し得る。この第1の接触法線力112は、好ましくは、互いに相対する接触相手部40、50の挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられる。第1の接触法線力112が作用する方向は、部分的な
図5b)において黒矢印で示されている。挿入方向34は、好ましくは、インターフェース30の接触相手部40、50を接続するために、雄型接触相手部50のブレード52が雌型接触相手部40の接触アーム44に挿入できる方向に対応する。
図5及び6は、それぞれ雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40からなるペア70を示す。本発明と関連して、インターフェース30又はその接続相手部10、20は、2つ以上の接触ペア70を含むことが好ましい。例えば、電動工具10及び/又はエネルギー供給装置20は、それぞれ4つの接触相手部40、50を含み得る。さらに、これらの接触相手部40、50は、受入装置80(
図1を参照されたい)に配置された状態で存在し得る。
【0112】
図5に示す本発明の例示的な実施形態では、1つの雌型接触相手部40は、ばねによって取り付けられる。これは、雌型接触相手部40が、例えば、ばね62又は他の弾性手段62であり得るばね取り付け手段60に接続されることを意味する。
図5に示す接触相手部40、50の接続状態では、弾性ばね取り付け手段60は、圧縮又は押圧された状態で存在する。結果として、接触相手部40、50からなるユニット70にバイアスがかかり、これは、ユニット70の結合解除をもたらす。したがって、
図5は、単一ばね取り付けされた雌型接触相手部40を示す。
【0113】
雌型接触相手部40は、雄型接触相手部50の接触面56と協働することができるストッパ49をさらに含み得る。これにより、接触相手部40、50間の接続の安定性を高めることができる。部分的な
図5a)に示す接触相手部のペア70の側面図では、雌型接触相手部40の2つのストッパ49が示されており、第1又は上側のストッパ49が雌型接触相手部40の上側に配置され、第2又は下側のストッパ49が雌型接触相手部40の下側に配置される。雌型接触相手部40が2つのストッパ49を有する場合、これらのストッパ49ができるだけ離れていることが本発明と関連して好ましい。雄型接触相手部50の接触面56と協働するストッパ49を設けることにより、接触相手部40、50の互いに対する傾きを効果的に抑制することができる。部分的な
図6a)から分かるように、接触面56は、接触相手部40、50に損傷が生じないように接触相手部40、50間の接続を確立する際に接触相手部40、50を互いの方へ案内するために、ストッパ49を案内するための傾斜路59を有することができる。
【0114】
図6は、分離された状態、すなわち接触相手部40、50が互いに接続されておらず、別々に存在する状態における雄型接触相手部50及び雌型接触相手部40の異なる図を示す。部分的な
図6aは、雌型接触相手部40と雄型接触相手部50からなるユニット70の側面図を示し、部分的な
図6bは、雌型接触相手部40と雄型接触相手部50からなるユニット70の上面図を示す。雄型接触相手部50は、
図6の左側に示され、雌型接触相手部40は、
図6の右側に示されている。雄型接触相手部50は、雌型接触相手部40に挿入するためのブレード52と、傾斜路59を有する接触面56とを含む。雄型接触相手部50のブレード52と雌型接触相手部40の接触脚部44は、好ましくは、本発明と関連して第1の接触領域110を形成し、雌型接触相手部40のストッパ49と雄型接触相手部50の接触面56は、第2の接触領域120を形成する。第2の接触法線力122は、第2の接触領域120に作用し、好ましくは、インターフェース30の挿入方向34に実質的に平行に向けられる。第2の接触法線力122が作用する方向は、
図6b)に黒矢印で示されている。ストッパ49及び接触面56、特にそれらを構成する表面が、インターフェース30の挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられることが本発明と関連して好ましい。換言すると、挿入方向34に対して実質的に平行に向けられる接触面49、56の表面法線を定義することができ、この表面法線は、接触面49、56に対して実質的に垂直に向けられる。
【0115】
第1の接触領域110は、雌型接触相手部40の接触アーム44と雄型接触相手部50のブレード52とによって形成することができる。この第1の接触領域110では、第1の接触法線力122が作用し、この第1の接触法線力122は、好ましくは、インターフェース30の挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられる。第1の接触法線力112が作用する方向は、
図6b)において黒矢印で示されている。
【0116】
図6に示す本発明の例示的な実施形態では、雌型接触相手部40は、ばね取り付けされた状態で存在し、すなわち、雌型接触相手部40は、弾性手段60に接続され、この弾性手段60は、
図6では弛緩状態にあり、すなわち、弾性ばね取り付け手段60のばね62又は弾性手段62は、非圧縮状態で存在する。
図6に示す雌型接触相手部40は、エネルギー供給装置20の構成要素であり得、雌型接触相手部40は、電流導体36を介してエネルギー供給装置20の他の構成要素に接続され得る。電流導体36は、編組ワイヤとして形成され得、且つ/又はそのようなワイヤを含み得る。
【0117】
図7は、雌型接触相手部40の好ましい実施形態の詳細図を示す。
図7に示す雌型接触相手部40の実施形態は、両側に2つの接触アーム44を有し、そこに雄型接触相手部50(
図7には図示せず)のブレード52を挿入することができる。雄型接触相手部50のブレード52と雌型接触相手部40の接触アーム44は、インターフェース30の第1の接触領域110を形成し得る。
図7に示す雌型接触相手部40は、弾性ばね取り付け要素60に接続されるため、雌型接触相手部50は、好ましくは、ばね取り付けされる。特に、
図7は、ストッパ49を示し、ストッパ49は、雄型接触相手部50(
図7には示されていない)の接触面56とインターフェース30の第2の接触領域120を形成し得る。電流は、インターフェース30の接触領域110、120を通して流れることができ、したがって、電気エネルギーは、一方の接触相手部40、50から他方の接触相手部50、40に伝送され得る。インターフェース30の接触領域110、120の通電領域は、特に
図8に示されている。ストッパ49は、接触相手部40、50間の可能な最も安定した機械的接続を可能にするために、可能な限り間隔をあけて配置される。特に、その距離は、第1の接触法線力112の方向に対して実質的に垂直であり、インターフェース30の挿入方向34に対して実質的に垂直である。ストッパ49間の最大可能距離により、特に、インターフェース30が傾斜動作に対して特に良好に保護されることが保証される。
【0118】
図8は、雄型接触相手部50の好ましい実施形態の詳細図を示す。
図8に示す雄型接触相手部50は、前部領域54と、上側及び下側の接触面56とを有するブレード52を含む。接触面56は、雌型接触相手部40(
図8には図示せず)のストッパ49と協働し得、第2の接触領域120を形成し得る。インターフェース30が接続された状態にあるとき、雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の構成要素と接触することなく、雌型接触相手部40の内部48に突出する。雄型接触相手部50のブレード52の前部領域54は、好ましくは、接触相手部40、50が接続されたときに雌型接触相手部40の接触アーム44を広げて、ブレード52を雌型接触相手部40の内部48に特に容易に挿入できるようにするために、テーパ状又はくさび状である。
【0119】
図8に示す雄型接触相手部50のブレード52の斜線が引かれた領域は、インターフェース30が接続されるとき、雌型接触相手部40の接触アーム44によって「保持」され、それにより接触相手部40、50間に第1の接触領域110が形成される。電流が両方の接触領域110、120を通して流れることができることが本発明と関連して好ましく、電流が通過するこれらの領域は、
図8で斜線が引かれて示されている。
【0120】
雄型接触相手部50は、傾斜路59も含み得、これは、雌型接触相手部40のストッパ49と雄型接触相手部50の接触面56とを互いに向けて案内するのに役立つ。
【0121】
図9は、接触法線力112、122の向きが異なる、雄型接触相手部50と雌型接触相手部40からなるペア70の詳細図を示す。
図9の上半分では、第1の力法線力112は、好ましくは、挿入方向34に対して実質的に垂直に向けられ、第2の力法線力122は、挿入方向34に対して実質的に平行に向けられる。接触法線力112、122を象徴するように意図された矢印間の四分の一円弧は、接触法線力112、122間に存在する直角を示す。
図9の上半分に示すような「直線状ストッパ」の場合、第2の力法線力122は、実質的に完全に挿入方向34の方向に作用する。雌型接触相手部40は、通常、雄型接触相手部50のブレード52を複数の空間方向から押圧することができるテーパ42を有する脚部44を有するため、異なる空間方向からブレード52に作用する2つの第1の力法線力112_1及び112_2が第1の力法線力112について
図9の上半分に象徴的に示されている。
【0122】
図9の下半分では、第2の力法線力122は、第1の力法線力112と角度デルタを形成する(
図10を参照されたい)。第2の力法線力122は、
図9の下半分で下向きの破線の垂直矢印によって象徴される投影Pによって挿入方向34に投影することができ、それにより第2の力法線力122の有意な力成分122_wKが得られる。主要な力成分122_wKは、挿入方向34に作用する第2の力法線力122の成分を表す。この成分の大きさ、すなわち第2の力法線力122の主要な力成分122_wKの大きさは、好ましくは角度デルタに依存する。角度デルタが小さいほど、第2の力法線力122の主要な力成分122_wKは小さくなり、すなわち挿入方向34に作用する第2の力法線力122の成分が小さくなる。第2の力法線力122の主要な力成分122_wKは、
図9の下半分では、挿入方向34に実質的に平行であり、投影Pに実質的に垂直である、左向きの太い破線の水平に延びる矢印によって示されている。
【0123】
特に、
図9の下半分は「傾斜ストッパ」を示し、雄型接触相手部50のブレード52は、雌型接触相手部40の傾斜接触面125と交わる。雌型接触相手部40の接触面125の傾斜位置は、第2の力法線力122の傾斜位置をもたらし、これにより、低減された第2の力法線力122_wKが挿入方向34に作用する。本発明と関連して、「低減された第2の力法線力122_wK」という語句は、好ましくは、挿入方向34における主要な力成分122_wKが、
図9の上半分のように力法線力112、122が互いに垂直である場合に生じる第2の力法線力122よりも常に小さいことを意味する。異なる方向に作用する2つの力法線力を有するインターフェースは、建設現場などの過酷な作業条件下で電気エネルギー及び大電流を伝達するのに特に適していることが示されている。
【0124】
図10は、第1の接触法線力112と第2の接触法線力122との間の角度デルタの表現を示す。角度デルタは、第1の力法線力112と第2の力法線力122の変位122*との間に形成される円弧によって示されている。第2の力法線力122の変位122*は、斜め下方に走る破線の矢印によって象徴され、その先端は第1の接触法線力112の先端と一致し、角度デルタの頂点を形成する。第2の力法線力122の変位122*を得るための変位経路は、
図10では、変位122*と第2の力法線力122との間に引かれ、且つ左を向く水平矢印によって象徴される。第1の力法線力112と第2の力法線力122の変位122*との間の角度は、好ましくは、第1の力法線力112と第2の力法線力122との間の角度デルタに対応する。第1の力法線力112は第1の接触領域110に作用し、第2の力法線力122は第2の接触領域120に作用する。
【符号の説明】
【0125】
10 電動工具
20 エネルギー供給装置
30 インターフェース
32 接触領域
34 挿入方向
36 電流導体
40 雌型接触相手部
42 テーパ
44 雌型接触相手部の脚部
46 雌型接触相手部の突出領域/台状部
47 雌型接触相手部の接触面
48 雌型接触相手部の内部
49 雌型接触相手部のストッパ
50 雄型接触相手部
52 ブレード
54 雄型接触相手部の前部領域
56 雄型接触相手部の接触面
59 傾斜路
60 相対移動を減少させるための手段
62 弾性要素
70 雌型及び雄型接触相手部のユニット
80 受入装置
90 通信要素
92 通信リンク
100 システム
110 第1の接触領域
112 第1の接触法線力
120 第2の接触領域
122 第2の接触法線力
125 雌型接触相手部の傾斜接触面
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具(10)と、前記電動工具(10)に電気エネルギーを供給するためのエネルギー供給装置(20)とを含むシステム(100)であって、前記エネルギー供給装置(20)は、インターフェース(30)を介して前記電動工具(10)に着脱可能に接続され得、前記インターフェース(30)は、少なくとも雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)を含む、システム(100)において、前記雌型接触相手部(40)及び前記雄型接触相手部(50)は、少なくとも第1の接触領域(110)及び第2の接触領域(120)で互いに接触し、前記第1の接触領域(110)は、第1の接触法線力(112)によって画定可能であり、及び前記第2の接触領域(120)は、第2の接触法線力(122)によって画定可能であり、前記第1の接触法線力(112)と前記第2の接触法線力(122)とは、異なる向きを有することを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
前記第1の接触法線力(112)及び前記第2の接触法線力(122)は、互いに実質的に垂直に向けられることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
接続の場合の前記接触法線力の一方(112及び/又は122)は、前記インターフェース(30)の挿入方向(34)に実質的に垂直に向けられること、及び/又は接続の場合の他方の接触法線力(122及び/又は112)は、挿入方向(34)に実質的に平行に向けられることを特徴とする、請求項
1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記第2の接触領域(120)は、ストッパ(49)及び接触面(56)を含み、前記ストッパ(49)及び接触面(56)は、前記インターフェース(30)の挿入方向(34)に実質的に垂直に向けられることを特徴とする、請求項
1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記雄型接触相手部(50)の前部領域(54)は、接触面(56)を形成するために平坦であることを特徴とする、請求項
1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記第1の接触法線力(112)及び前記第2の接触法線力(122)は、互いに角度デルタを形成し、前記角度デルタは、10~90度の角度範囲、好ましくは45~90度の角度範囲、特に好ましくは60~90度の角度範囲にあることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記インターフェース(30)は、前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段(60)を含み、前記接触相手部(40、50)間の前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)は、前記少なくとも1つの雄型接触相手部(50)又は前記少なくとも1つの雌型接触相手部(40)に作用するように設計されることを特徴とする、請求項
1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、付勢を生成するように構成され、前記付勢は、第1の接触法線力(112)に実質的に垂直に向けられることを特徴とする、請求項
7に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記相対運動を低減するための前記弾性手段(60)が作用する前記接触相手部(40又は50)は、移動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項
7に記載のシステム(100)。
【請求項10】
雄型接触相手部(50)及び雌型接触相手部(40)は、それぞれの場合において、接続状態で前記エネルギー供給装置(20)及び/又は前記電動工具(10)の移動から切り離されるユニット(70)を形成することを特徴とする、請求項
1に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記インターフェース(30)は、少なくとも1つの雌型接触相手部(40)及び/又は少なくとも1つの雄型接触相手部(50)を受け入れるための受入装置(80)を含むことを特徴とする、請求項
7に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、前記受入装置(80)に割り当てられること、又は前記相対運動を低減するための前記少なくとも1つの弾性手段(60)は、雌型接触相手部(40)及び雄型接触相手部(50)のそれぞれの接触ペアに割り当てられることを特徴とする、請求項
11に記載のシステム(100)。
【請求項13】
電動工具(10)とエネルギー供給装置(20)との間で電気エネルギーを伝達するためのインターフェース(30)において、少なくとも1つの雄型接触相手部(50)及び少なくとも1つの雌型接触相手部(40)と、前記接触相手部(40、50)間の相対運動を低減するための少なくとも1つの弾性手段(60)とを含み、前記雌型接触相手部(40)及び前記雄型接触相手部(50)は、少なくとも第1の接触領域(110)及び第2の接触領域(120)で互いに接触することを特徴とするインターフェース(30)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを含み、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、10ミリオーム未満の内部抵抗DCR_Iを有することを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載のシステムで使用するためのエネルギー供給装置(20)において、少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルを有し、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵セルは、表面積A及び体積Vを有し、前記表面積対前記体積の比A/Vは、前記体積の立方根の逆数の6倍、好ましくは8倍、特に好ましくは10倍より大きいことを特徴とするエネルギー供給装置(20)。
【国際調査報告】