(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】外部装置と接続されるバッテリーパックコネクター
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20241203BHJP
H01R 24/60 20110101ALI20241203BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20241203BHJP
H01M 50/59 20210101ALI20241203BHJP
H01M 50/204 20210101ALN20241203BHJP
H01M 50/284 20210101ALN20241203BHJP
【FI】
H01M50/296
H01R24/60
H01M50/588
H01M50/59
H01M50/204 401D
H01M50/284
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533307
(86)(22)【出願日】2023-04-06
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 KR2023004670
(87)【国際公開番号】W WO2023200183
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0044721
(32)【優先日】2022-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ハク・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョ・ヨン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヒュン・イ
【テーマコード(参考)】
5E223
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E223AA01
5E223AA28
5E223AB56
5E223BA01
5E223BB12
5E223CB50
5E223EC79
5H040AA19
5H040AS04
5H040DD05
5H040DD14
5H043AA19
5H043FA08
5H043GA23
5H043GA25
5H043JA01D
5H043JA13D
5H043LA02D
(57)【要約】
本発明は、外部装置と接続されるバッテリーパックコネクター構造に関し、より詳細には、バッテリーパックコネクターの(-)ピンは、(+)ピンよりも突出して延設されて、外部装置の接続の際に外部装置コネクターに(+)ピンよりも先行して電気的に接続されるように構成されたバッテリーパックコネクター構造に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセル同士を電気的に接続して(+)出力端を構成する(+)導電性プレートと、
前記複数のバッテリーセル同士を電気的に接続して(-)出力端を構成する(-)導電性プレートと、
前記(+)導電性プレート及び(-)導電性プレートに接続されて外部装置と接続されるバッテリーパックコネクターと、
を備える、バッテリーパック。
【請求項2】
前記バッテリーパックコネクターは、
一方の端が前記(+)導電性プレートに接続され、他方の端が外部装置コネクターに接続されるパック(+)ピンと、
一方の端が前記(-)導電性プレートに接続され、他方の端が外部装置コネクターに接続されるパック(-)ピンと、
を備えてなる、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記バッテリーパックコネクターのパック(-)ピンは、
前記パック(+)ピンよりも突出して延設されて、外部装置の接続の際に外部装置コネクターにパック(+)ピンよりも先行して電気的に接続されるように配置されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記バッテリーパックコネクターは、
温度感知素子に接続されたアプリケーションピンをさらに備え、
前記アプリケーションピンは、前記パック(-)ピンとともに、前記パック(+)ピンよりも突出して延設されている、請求項2または3に記載バッテリーパック。
【請求項5】
前記バッテリーパックコネクターのパック(-)ピンは、
前記パック(+)ピンと同じ長さに形成されており、
前記パック(-)ピンの内部の導体パターンが前記パック(+)ピンの内部の導体パターンよりも長くなるように延設されて、外部装置の接続の際に外部装置コネクターにパック(+)ピンよりも先行して電気的に接続されるように配置されている、請求項2に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
バッテリーパックと外部装置とを電気的に接続するバッテリーパックコネクターにおいて、
絶縁性のベース基板と、
前記ベース基板の上に形成されて外部装置と電気的な接続経路を形成する複数本の接続ピンと、
を備えてなり、
前記複数本の接続ピンは、
前記バッテリーパックの(+)出力端と接続されたパック(+)ピンと、
前記バッテリーパックの(-)出力端と接続されたパック(-)ピンと、
を備えてなる、バッテリーパックコネクター。
【請求項7】
前記パック(+)ピンは、前記パック(+)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端が前記パック(-)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されている、請求項6に記載のバッテリーパックコネクター。
【請求項8】
前記バッテリーパックコネクターは、
温度感知素子に接続されたアプリケーションピンをさらに備え、
前記アプリケーションピンは、
前記パック(-)ピンとともに、前記パック(+)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されている、請求項6または7に記載のバッテリーパックコネクター。
【請求項9】
前記パック(-)ピンは、
前記パック(+)ピンと同じ長さに形成されており、
前記パック(-)ピンの内部の導体パターンが前記パック(+)ピンの内部の導体パターンよりも長くなるように延設されて、外部装置の接続の際に外部装置コネクターにパック(+)ピンよりも先行して電気的に接続されるように配置されている、請求項6に記載のバッテリーパックコネクター。
【請求項10】
バッテリーパックを製造する方法において、
導電性プレートを用いて複数のバッテリーセル同士を電気的に接続するバッテリーセル接続ステップと、
絶縁性のベース基板の上に外部装置との電気的な接続経路を形成するための複数本の接続ピンを配置するバッテリーパックコネクター構成ステップと、
を含む、バッテリーパックの製造方法。
【請求項11】
前記バッテリーセル接続ステップは、
(+)導電性プレートを用いて前記複数のバッテリーセル同士を電気的に接続して(+)出力端を構成する(+)出力端構成ステップと、
(-)導電性プレートを用いて前記複数のバッテリーセル同士を電気的に接続して(-)出力端を構成する(-)出力端構成ステップと、
を含んでなる、請求項10に記載のバッテリーパックの製造方法。
【請求項12】
前記バッテリーパックコネクター構成ステップは、
前記バッテリーパックの(-)出力端にバッテリーパックコネクターのパック(-)ピンを接続するパック(-)ピン接続ステップと、
前記バッテリーパックの(+)出力端にバッテリーパックコネクターのパック(+)ピンを接続するパック(+)ピン接続ステップと、
を含んでなる、請求項11に記載のバッテリーパックの製造方法。
【請求項13】
前記パック(+)ピンは、前記パック(+)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端がパック(-)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されている、請求項12に記載のバッテリーパックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と接続されるバッテリーパックコネクターに関し、より詳細には、外部装置とバッテリーパックコネクターとの締結の際にバッテリーICに誤作動が起こることを防ぐように形成されたバッテリーパックコネクター構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近頃、自動車に深刻な衝突が感知されれば自動的に緊急電話をかけたり、緊急事態あるいは非常事態が生じたときに搭乗者が自ら電話をかけたりして申告及び救助の要請をする車両緊急通報システム(以下、「eCallシステム」と称する)が開発されている。
【0003】
eCallシステムは、自動車に搭載されて電源を供給するバッテリーにより動作される。ところが、自動車に事故が起きた場合などの緊急事態の際にバッテリーに問題が生じると、前記eCallシステムへの電源の供給が円滑に行えなくなる懸念があるため、このような状況に備えて別途のeCallシステム用のバッテリーが用いられている。
【0004】
一方、eCallシステム用のバッテリーに適用されるコネクターは、一般に、雄/雌(Male/Female)締結の際に逆挿し込みの防止構造を採用しているものの、接地線の接触を用いた電気的な安定性の側面からみると、未だ実現レベルには至っていないのが現状である。
【0005】
これにより、バッテリーパックと外部装置との締結の際に、外部装置コネクターにバッテリーパックのGNDピン((-)ピン)が先に接触しなくなる恐れがあり、この場合、別途のオペレーターの挿し込み作業によって接地(GND)が電気的に揺れてしまう結果、バッテリー管理ICの誤動作の発生を引き起こしてしまうという問題がある。
【0006】
これと関連する先行技術文献としては、下記に掲げるものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本公開特許特開2007-280872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題を解決するために創作されたものであって、その目的は、外部装置の接続の際に外部装置コネクターにパック(+)ピンよりもパック(-)ピンが先行して接触するように配列されたバッテリーパックコネクター構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックは、複数のバッテリーセルと、バッテリーセル同士を電気的に接続して(+)出力端を構成する(+)導電性プレートと、バッテリーセル同士を電気的に接続して(-)出力端を構成する(-)導電性プレートと、前記(+)導電性プレート及び(-)導電性プレートに接続されて外部装置と接続されたバッテリーパックコネクターと、を備えてなる。
【0010】
より具体的には、前記バッテリーパックコネクターは、前記(+)導電性プレートに接続されたパック(+)ピンと、前記(-)導電性プレートに接続されたパック(-)ピンと、を備えてなる。
【0011】
ここで、前記バッテリーパックコネクターのパック(-)ピンは、前記パック(+)ピンよりも突出して延設されて、外部装置の接続の際に外部装置コネクターにパック(+)ピンよりも先行して電気的に接続されるように配置されたことを特徴とする。
【0012】
一方、前記バッテリーパックコネクターは、温度感知素子に接続されたアプリケーションピンをさらに備え、前記アプリケーションピンは、前記パック(-)ピンとともに、前記パック(+)ピンよりも突出して延設されたことを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックと外部装置とを電気的に接続するバッテリーパックコネクターは、絶縁性のベース基板と、前記ベース基板の上に形成されて外部装置と電気的な接続経路を形成する複数本の接続ピンと、を備えてなり、前記複数本の接続ピンは、バッテリーパックの(+)出力端と接続されたパック(+)ピンと、バッテリーパックの(-)出力端と接続されたパック(-)ピンと、を備えてなる。
【0014】
ここで、前記パック(+)ピンは、その導電パターンの外部装置側の一方の端が前記パック(-)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されたことを特徴とする。
【0015】
一方、前記バッテリーパックコネクターは、温度感知素子に接続されたアプリケーションピンをさらに備え、前記アプリケーションピンは、前記パック(-)ピンとともに、前記パック(+)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを製造する方法は、導電性プレートを用いて複数のバッテリーセル同士を電気的に接続するバッテリーセル接続ステップと、絶縁性のベース基板の上に外部装置との電気的な接続経路を形成するための複数本の接続ピンを配置するバッテリーパックコネクター構成ステップと、を含む。
【0017】
より具体的には、前記バッテリーセル接続ステップは、(+)導電性プレートを用いてバッテリーセル同士を電気的に接続して(+)出力端を構成する(+)出力端構成ステップと、(-)導電性プレートを用いてバッテリーセル同士を電気的に接続して(-)出力端を構成する(-)出力端構成ステップと、を含んでなる。
【0018】
一方、前記バッテリーパックコネクター構成ステップは、前記バッテリーパックの(-)出力端にバッテリーパックコネクターのパック(-)ピンを接続するパック(-)ピン接続ステップと、前記バッテリーパックの(+)出力端にバッテリーパックコネクターのパック(+)ピンを接続するパック(+)ピン接続ステップと、を含んでなる。
【0019】
ここで、前記パック(+)ピンは、その導電パターンの外部装置側の一方の端がパック(-)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、外部装置とバッテリーパックとの締結に際して、外部装置コネクターにバッテリーパックコネクターの(+)ピンよりも(-)ピンが先行して接触して、接地線の未接触の発生を防ぐことができる。
【0021】
これにより、別途のオペレーターの挿し込み作業に起因するバッテリー管理ICの誤動作の発生を防ぐことにより、バッテリーパックの安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックと外部装置コネクターの斜視図である。
【
図2】(a)及び(b)は、従来のバッテリーパックの外部接続端子と外部装置コネクターとの締結状態を上から見下ろした平面図である。
【
図3】(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックの外部接続端子と外部装置コネクターとの締結状態を上から見下ろした平面図である。
【
図4】(a)~(c)は、本発明の他の実施形態に係るバッテリーパックコネクターと外部装置コネクターとの締結状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように本発明の実施形態について詳しく説明する。しかしながら、本発明は、種々の異なる形態に具体化可能であり、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではない。なお、図中、本発明を明確に説明するために、説明とは無関係な部分は省略し、明細書の全般に亘って、類似の部分には類似の図面符号を付している。
【0024】
以下、添付図面に基づいて、本発明について詳しく説明する。
【0025】
1.本発明の実施形態に係るバッテリーパック
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックと外部装置コネクターの斜視図である。
【0027】
図1を参照すると、バッテリーパック100と外部装置コネクター200との接続は、接続溝110に形成されたピン差込口120に対応する前記外部装置コネクター200のコネクターピン210が差し込まれる構造を有している。前記コネクターピン210が差し込まれると、前記バッテリーパック100のピン差込口120側の内部に配備されているバッテリーパックの(+)ピン及び(-)ピンと前記外部装置コネクター200のコネクターピン210とがそれぞれ接触し合うことに伴い、前記バッテリーパック100と外部装置(図示せず)との間に電気的な接続経路が形成される。
【0028】
一方、
図1には示されていないが、バッテリーパック100の内部には、複数のバッテリーセルと、前記バッテリーセル同士を電気的に接続して(+)端及び(-)端をそれぞれ構成する(+)導電性プレート及び(-)導電性プレートが構成されている。(+)導電性プレート及び(-)導電性プレートは、ニッケルプレートから構成されてもよく、バッテリーセルの(+)端及び(-)端と(+)導電性プレート及び(-)導電性プレートとの間にはPTC(正の温度係数)素子が介在していてもよい。
【0029】
図1にはピン差込口120、コネクターピン210がそれぞれ3本ずつ存在する場合が示されているが、アプリケーションの種類/形状に応じて多種多様な数が形成可能であることは通常の技術者にとって自明である。
【0030】
一方、
図1に示されているバッテリーパックの形態は単なる一つの例示に過ぎず、本発明はこれに何ら限定されるものではなく、他の形態に実現されることも可能である。上述した
図1の図面符号100と称される構成要素は、必ずしもバッテリーパックを備える構造に構成される必要はなく、図面符号100の装置は、別途のバッテリーパック(図示せず)に接続されるバッテリーパックコネクター100であってもよい。
【0031】
図2は、従来のバッテリーパックコネクターと外部装置コネクターとの締結状態を概略的に示す平面図である。
図2の(a)は、バッテリーパックのコネクターピンが4本である場合を示すものであり、
図2の(b)は、バッテリーパックのコネクターピンが5本である場合を示すものである。
【0032】
図2に示されているように、従来のバッテリーパックコネクター10は、絶縁性のベース基板12の上に外部装置と電気的な接続経路を形成する複数本の接続ピン14:142a、142b、144a、144b、144cが構成され、このとき、複数本の接続ピン14を構成するパック(+)ピン144:144a、144b、144cとパック(-)ピン142:142a、142bとは、互いに同じ長さを有する構造となっている。このような構造の場合、外部装置コネクター200との締結の際に、外部装置コネクター200のコネクターピン210とバッテリーパックコネクター120のパック(-)ピン(GND pin)142とがパック(+)ピン144よりも先に接触しないが故に、オペレーターの差し込みに伴い、GNDが電気的に揺れてしまう結果、バッテリー管理IC(Battery Management IC)に誤動作が起こってしまうという問題がある。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックコネクターと外部装置コネクターとの締結状態を示す平面図である。
図3の(a)は、バッテリーパックのコネクターピンが4本である場合を示すものであり、
図3の(b)は、バッテリーパックのコネクターピンが5本である場合を示すものであり。
図3の(c)は、バッテリーパックのコネクターピンのうちの1本を拡大してその構造を示したものである。
【0034】
図3に示されているように、バッテリーパックコネクター130は、絶縁性のベース基板132の上に外部装置と電気的な接続経路を形成する複数本の接続ピン134が構成されるが、このとき、従来とは異なり、複数本の接続ピン134を構成するパック(+)ピン1344:1344a、1344b、1344cとパック(-)ピン1342:1342a、1342bとは、互いに異なる長さを有する構造となっている。
【0035】
前記複数本の接続ピンは、
図3の(c)に示されているように、雌(female)端子の形状を呈して、外部装置コネクター200のコネクターピン210が差し込まれることに伴い、電気的に接続される構造を有する。
【0036】
より具体的には、パック(-)ピン1342a、1342bがパック(+)ピン1344a、1344b、1344cよりも突出して延びている構造である。換言すれば、パック(+)ピン1344a、1344bの導電パターンの外部装置側の一方の端がパック(-)ピンの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されるのである。このような構造により、バッテリーパック100と外部装置(図示せず)との締結に際して、外部装置コネクター200のコネクターピン210にパック(+)ピン1344a、1344b、1344cよりもパック(-)ピン1342a、1342bが先行して接触することが可能になる。
【0037】
すなわち、外部装置コネクター200のコネクターピン210:210a、210b、210c、210dが図中の上下方向に進んで、それぞれ1本のパックピンの差し込み空間に差し込まれるが、
図3に示すように、パック(-)ピン1342a、1342bの端部が図中の上部に延びているため、コネクターピン210b、210cが210a、210bよりも先行して電気的に接続されるのである。
【0038】
このとき、
図3の(c)に示されているように、接続ピン134のそれぞれは、導体から構成された導体パターン13441が内部にコネクターピン収容部13443を備える形態に構成され、下端の接続部13442は、バッテリーパックに備えられているバッテリーセルと電気的に接続される接続部である。外部装置コネクターピン210は、ピン差込口を介してバッテリーパックコネクター130の内部に差し込まれ、さらなる差し込みが行われることに伴い、コネクターピン210の側面は接続ピン134の導体パターン13441の間のコネクターピン収容部13443に差し込まれて導体パターン13441の内側面と接続され、パック(-)ピン1342a、1342bに先に接続することになる。
【0039】
したがって、従来のバッテリーパックと外部装置との締結に際して、バッテリーパックコネクターのパック(-)ピン(GND pin)が先に接触しないことに起因して起こり得るバッテリー管理IC(Battery Management IC)の誤動作の発生といった問題を防ぐことができる。
【0040】
一方、図示はしないが、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックコネクター130は、温度感知素子に接続されるアプリケーションピン(図示せず)をさらに備えていてもよい。アプリケーションピン(図示せず)は、
図3に示されている前記パック(-)ピン1342a、1342bとともに、前記パック(+)ピン1344a、1344b、1344cと突出して延設された構造を有する。
【0041】
図4は、本発明の他の実施形態に係るバッテリーパックコネクターと外部装置コネクターとの締結状態を示す平面図である。
図4の(a)は、バッテリーパックのコネクターピンが4本である場合を示すものであり、
図4の(b)は、バッテリーパックのコネクターピンが5本である場合を示すものであり、
図4の(c)は、
図4の(a)及び
図4の(b)を構成する各パック(+)ピン及びパック(-)ピンの構造を示す図である。
【0042】
バッテリーパックコネクター140:142、144は、絶縁性のベース基板142の上に外部装置と電気的な接続経路を形成する複数本の接続ピン144が構成されるが、複数本の接続ピン144の長さは互いに同じであるものの、複数本の接続ピン144を構成する(+)パックピンと(-)パックピンの導体パターンの長さが互いに異なる構造となっている。
【0043】
パックの接続ピン144は、パックピンベース144a1、144b1、144c1、142a1、142b1及び導体パターン144a2、144b2、144c2、142a2、142b2を備えてなり、各導体パターンは、内側にピン収容部1441が形成されるようにU字状に形成される。
【0044】
パックピンベース144a1、142a1は不導体から形成され、パックピンベースの内側の導体パターン144a2、142a2を支持する。前述したように、導体パターンの間に形成されたピン収容部に外部装置コネクターピン210が差し込まれて接続される。
【0045】
このとき、
図3とは異なり、パックピンベースの高さはいずれも同じ高さに形成されて、全体的なパックピンの高さは同じである。これに対し、パック(+)ピン144に形成されるパック(+)ピン導体パターン144a2、144b2、144c2は、その高さがパック(-)ピン142に形成されるパック(-)ピン導体パターン142a2、142b2よりも低くなるように形成されて、外部装置コネクターピン210a~210eが各パックピンに形成されたピン収容部14443に差し込まれるとき、パック(-)ピン導体パターン142a2、142b2に先に接続されるようにする。
【0046】
各パックピンの下部は、導体パターンが露出されるように構成されて、それぞれバッテリーの(+)導電性プレート、(-)導電性プレート、GNDに接続され、各導体パターンの上端部には傾斜した断面を有する傾斜部144a3、144b3、144c3、142a3、142b3が形成されて、外部装置コネクターピン210の差し込みを円滑にする。
【0047】
2.本発明の実施形態に係るバッテリーパックの製造方法
【0048】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを製造する方法は、下記のようなステップを含んでいてもよい。
【0049】
2.1.バッテリーセル接続ステップ
【0050】
バッテリーセル接続ステップは、導電性プレートを用いて複数のバッテリーセル同士を互いに電気的に接続するステップである。
【0051】
より具体的には、(+)導電性プレートを用いてバッテリーセル同士を電気的に接続して(+)出力端を構成し、(-)導電性プレートを用いてバッテリーセル同士を電気的に接続して(-)出力端を構成することができる。
【0052】
2.2.バッテリーパックコネクター構成ステップ
【0053】
バッテリーパックコネクター構成ステップは、外部装置とバッテリーパックとを電気的に締結するためのバッテリーパックコネクターを構成するステップであって、絶縁性のベース基板130の上に外部装置との電気的な接続経路を形成するための複数本のパック接続ピン134、144を配置することを含む。
【0054】
2.2.1.パック(-)ピン接続ステップ
【0055】
パック(-)ピン接続ステップは、前記バッテリーパック接続ステップを用いて構成されたバッテリーパックの(-)出力端にパック(-)ピンを接続するステップである。ここで、上述したように、パック(-)ピン1342a、1342bは、
図3に示されているように、パック(+)ピンよりも突出して延びている構造に形成する。このため、バッテリーパック100と外部装置(図示せず)との接続に際して、外部装置コネクター200のコネクターピン210にバッテリーパック100のパック(+)ピン1344a、344b、1344cよりもパック(-)ピン1342a、1342bが先行して電気的に接続される。
【0056】
また、
図4に示されているように、パック(+)ピンの導体パターン144a2、144b2、144c2よりもパック(-)ピンの導体パターン142a2、142b2が長くなるように延設する。
【0057】
2.2.2.パック(+)ピン接続ステップ
【0058】
パック(+)ピン接続ステップは、前記バッテリーパック接続ステップを用いて構成されたバッテリーパックの(+)出力端にパック(+)ピンを接続するステップである。ここで、パック(+)ピン1344a、1344b、1344cは、
図3に示されているように、その導電パターンの外部装置側の一方の端がパック(-)ピン1342a、1342bの導電パターンの外部装置側の一方の端よりも短くなるように形成されている。
【0059】
図4の実施形態の場合には、パック(-)ピンの長さは、パック(+)ピンの長さと同じ長さに形成するが、導体パターン142a2、142b2が先に接続された後、パック(+)ピンの導体パターンが先に外部装置に接続されるようにパック(+)ピンの導体パターン144a2、144b2、144c2がパック(-)ピンの導体パターン142a2、142b2よりも短くなるように形成する。
【0060】
2.2.3.アプリケーションピン接続ステップ
【0061】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックコネクター構成ステップは、アプリケーションピン接続ステップをさらに含んでいてもよい。図示はしないが、前記バッテリーパックコネクター構成ステップは、バッテリーパック100の温度感知素子(図示せず)にアプリケーションピン(図示せず)を接続することを含む。ここで、アプリケーションピン(図示せず)は、前記パック(-)ピン1342a、1342bとともに、前記パック(+)ピン1344a、1344b、1344cよりも突出して延びた構造に形成されている。
【0062】
一方、本発明の技術的思想は、前記実施形態に基づいて具体的に記述されたが、前記実施形態はその説明のためのものであり、その制限のためのものではないということに留意すべきである。なお、本発明の技術分野における当業者であれば、本発明の技術思想の範囲内において種々の実施形態が実施可能であるということが理解できる筈である。
【0063】
本発明の図面において使われている符号及びその名称は、下記の通りである。
【符号の説明】
【0064】
100:バッテリーパック
110:接続溝
120:ピン差込口
130:バッテリーパックコネクター
132:ベース基板
134:接続ピン
200:外部装置コネクター
210:コネクターピン
【国際調査報告】