(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】通信デバイスを介したハンドジェスチャーのレーダーベース検出
(51)【国際特許分類】
G01S 7/285 20060101AFI20241203BHJP
G01S 13/42 20060101ALI20241203BHJP
G01S 13/522 20060101ALI20241203BHJP
G01S 13/89 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G01S7/285
G01S13/42
G01S13/522
G01S13/89
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534167
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2021084930
(87)【国際公開番号】W WO2023104307
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100199705
【氏名又は名称】仙波 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】ラフィーク, ライハン
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB01
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC11
5J070AC20
5J070AD09
5J070AD10
5J070AD13
5J070AE09
5J070AF10
5J070AH31
5J070AH50
5J070AK08
5J070AK14
5J070BE01
(57)【要約】
通信デバイス(10)と動作の対応する方法(700)とが、デバイス(10)のユーザによるハンドジェスチャーのレーダーベース検出のためにデバイス(10)の通信回路(12)を再使用することに基づいて、ジェスチャー認識を提供する。1つまたは複数の実施形態における動作の有利な一態様が、デバイス(10)から放出されたレーダーパルス(60)に対応する反射信号(62)を受信するための、デバイス(10)の個々の通信信号受信機(52)のアグリゲーションの使用である。1つまたは複数の実施形態における動作の別の有利な態様が、規定されたジェスチャーの確実な認識のための、反射信号(62)から取得された測定データ(76)を評価するための、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)または他の機械学習(ML)アルゴリズムなど、ジェスチャー認識アルゴリズム(78)の使用である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイス(10)による動作の方法(700)であって、前記方法(700)は、
前記通信デバイス(10)のアンテナ(54)から複数のレーダーパルス(60)を送信すること(702)と、
前記レーダーパルス(60)のうちのそれぞれのものに対応する反射信号(62)を受信すること(704)であって、
各反射信号(62)が、前記通信デバイス(10)の個々の通信信号受信機(52)の受信機帯域幅(68)よりも大きい信号帯域幅(64)を有し、各反射信号(62)が、前記個々の通信信号受信機(52)のアグリゲーションを使用して受信され、
前記アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機(52)が、前記反射信号(62)のそれぞれの周波数ビン(66)内にある、前記反射信号(62)の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号(72)を出力する、
反射信号(62)を受信すること(704)と、
前記複数のレーダーパルス(60)について取得された前記それぞれのビン信号(72)に対して測定を実施することによって測定データ(76)を生成すること(706)と、
複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズム(78)を介して前記測定データ(76)を評価すること(708)と、
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が前記複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、前記通信デバイス(10)における対応する制御アクションを開始すること(710)と
を行うことによってジェスチャー検出を実施することを含む、方法(700)。
【請求項2】
前記レーダーパルス(60)を送信することが、通信信号(18)を送信するために前記通信デバイス(10)によって使用される信号周波数の倍数である信号周波数を使用して前記レーダーパルス(60)を送信することを含み、前記方法(700)が、前記個々の通信信号受信機(52)による周波数ダウンコンバージョンのために使用されるミキサ周波数をセットするために同じ倍数を使用することを含む、請求項1に記載の方法(700)。
【請求項3】
ジェスチャー検出を実施するために、前記方法(700)が、アクティブのとき、前記倍数に従って局部発振器(LO)信号を乗算する、周波数乗算器回路をアクティブ化することを含み、前記LO信号が、前記通信デバイス(10)の送信周波数および受信周波数を制御する、請求項2に記載の方法(700)。
【請求項4】
前記個々の通信信号受信機(52)を調整することが、前記個々の通信信号受信機(52)のうちのそれぞれのものによって使用されるミキサ周波数を増分的にオフセットすることを含み、前記増分的にオフセットされたミキサ周波数が前記それぞれの周波数ビン(66)に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項5】
各反射信号について、前記対応するビン信号(72)が、各々、同相(I)信号と直交(Q)信号とを含み、前記ビン信号(72)に対して行われる前記測定が信号電力測定(74)を含み、したがって、前記測定データ(76)が反射強度マップを含み、前記マップ中の各値が、特定の受信サンプリング時間における、前記レーダーパルス(60)のうちの特定のものについての、および前記周波数ビン(66)のうちの特定のものにおける、反射信号強度を指示する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項6】
前記測定データ(76)を生成することは、前記複数のレーダーパルス(60)が送信される送信ウィンドウによって規定された一方の次元と、各反射信号(62)を受信するために使用されるサンプリングウィンドウによって規定された他方の次元とを有する2次元データセットとしてレーダー画像を形成することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項7】
前記2次元データセット中の個々の値がレーダー画像ピクセルであり、各レーダー画像ピクセルが、前記複数のレーダーパルス(60)における、前記サンプリングウィンドウ内の特定のサンプリング時間において、特定の周波数ビン(66)について、および特定のレーダーパルス(60)についてとられた信号強度測定である、請求項6に記載の方法(700)。
【請求項8】
前記対応する制御アクションを開始することが、前記通信デバイス(10)のホストプロセッサ上で稼働するソフトウェアアプリケーションによる使用のために、前記検出されたハンドジェスチャーの指示(80)を含むメッセージまたはシグナリング(82)を提供することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項9】
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が、前記規定されたハンドジェスチャーのうちのそれぞれのものについて特徴的な代表的測定データ(76)を使用してトレーニングされた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項10】
前記方法(700)が、通信するために1つまたは複数の第1の時間中に前記通信デバイス(10)の通信回路(12)を使用し、ジェスチャー認識を実施するために1つまたは複数の第2の時間中に前記通信回路(12)を使用する、時間多重化構成において前記ジェスチャー検出を実施することを含み、前記通信回路(12)が、前記個々の通信信号受信機(52)を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項11】
通信回路(12)と、
処理回路(14)と
を備える通信デバイス(10)であって、前記処理回路(14)は、
前記通信デバイス(10)のアンテナ(54)から複数のレーダーパルス(60)を送信することと、
前記レーダーパルス(60)のうちのそれぞれのものに対応する反射信号(62)を受信することであって、
各反射信号(62)が、前記通信デバイス(10)の個々の通信信号受信機(52)の受信機帯域幅(68)よりも大きい信号帯域幅(64)を有し、各反射信号(62)が、前記個々の通信信号受信機(52)のアグリゲーションを使用して受信され、
前記アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機(52)が、前記反射信号(62)のそれぞれの周波数ビン(66)内にある、前記反射信号(62)の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号(72)を出力する、
反射信号(62)を受信することと
を行うように前記通信回路(12)を制御するように設定され、
前記処理回路(14)は、
前記複数のレーダーパルス(60)について取得された前記それぞれのビン信号(72)に対して測定を実施することによって測定データ(76)を生成することと、
複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズム(78)を介して前記測定データ(76)を評価することと、
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が前記複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、前記通信デバイス(10)における対応する制御アクションを開始することと
を行うようにさらに設定された、通信デバイス(10)。
【請求項12】
前記レーダーパルス(60)が、通信信号(18)を送信するために前記通信デバイス(10)によって使用される信号周波数の倍数である信号周波数を有し、前記処理回路(14)が、前記個々の通信信号受信機(52)による周波数ダウンコンバージョンのために使用されるミキサ周波数をセットするために同じ倍数を使用する、請求項11に記載の通信デバイス(10)。
【請求項13】
ジェスチャー検出を実施するために、前記処理回路(14)が、アクティブのとき、前記倍数に従って局部発振器(LO)信号を乗算する、周波数乗算器回路をアクティブ化するように設定され、前記LO信号が、前記通信デバイス(10)の送信周波数および受信周波数を制御する、請求項12に記載の通信デバイス(10)。
【請求項14】
前記個々の通信信号受信機(52)が、前記個々の通信信号受信機(52)のうちのそれぞれのものによって使用される増分的にオフセットされたミキサ周波数に従って調整され、前記増分的にオフセットされたミキサ周波数が前記それぞれの周波数ビン(66)に対応する、請求項11から13のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項15】
各反射信号について、前記対応するビン信号(72)が、各々、同相(I)信号と直交(Q)信号とを含み、前記ビン信号(72)に対して行われる前記測定が信号電力測定(74)を含み、したがって、前記測定データ(76)が反射強度マップを含み、前記マップ中の各値が、特定の受信サンプリング時間における、前記レーダーパルス(60)のうちの特定のものについての、および前記周波数ビン(66)のうちの特定のものにおける、反射信号強度を指示する、請求項11から14のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項16】
前記処理回路(14)は、前記複数のレーダーパルス(60)が送信される送信ウィンドウによって規定された一方の次元と、各反射信号(62)を受信するために使用されるサンプリングウィンドウによって規定された他方の次元とを有する2次元データセットを含むレーダー画像として前記測定データ(76)を生成するように設定された、請求項11から15のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項17】
前記2次元データセット中の個々の値がレーダー画像ピクセルであり、各レーダー画像ピクセルが、前記複数のレーダーパルス(60)における、前記サンプリングウィンドウ内の特定のサンプリング時間において、特定の周波数ビン(66)について、および特定のレーダーパルス(60)についてとられた信号強度測定(74)である、請求項16に記載の通信デバイス(10)。
【請求項18】
前記対応する制御アクションを開始するために、前記処理回路(14)が、前記通信デバイス(10)のホストプロセッサ上で稼働するソフトウェアアプリケーションによる使用のために、前記検出されたハンドジェスチャーの指示(80)を提供するメッセージまたはシグナリング(82)を出力するように設定された、請求項11から17のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項19】
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が、前記規定されたハンドジェスチャーのうちのそれぞれのものについて特徴的な代表的測定データ(76)を使用してトレーニングされた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む、請求項11から18のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項20】
前記処理回路(14)が、通信するために1つまたは複数の第1の時間中に前記通信デバイス(10)の通信回路(12)を使用し、ジェスチャー認識を実施するために1つまたは複数の第2の時間中に前記通信回路(12)を使用する、時間多重化構成においてジェスチャー検出を実施するように前記通信デバイス(10)を制御するように設定され、前記通信回路(12)が、前記個々の通信信号受信機(52)を含む、請求項11から19のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項21】
前記通信回路(12)が、1つまたは複数の通信信号送信機(50)または専用レーダーパルス送信機(140)を使用して、前記通信デバイス(10)の2つまたはそれ以上のアンテナ(54)からレーダーパルス(60)を送信するように設定された、請求項19または20に記載の通信デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
通信デバイスと動作の対応する方法とが、規定されたジェスチャーを認識するためにジェスチャー認識アルゴリズムを使用する、およびデバイスのユーザによるハンドジェスチャー(hand gesture)のレーダーベース検出のためにデバイスの通信回路を再使用する、ジェスチャー認識を提供する。
【背景技術】
【0002】
ハンドヘルドデバイスにジェスチャー認識能力を組み込むことがいくつかの課題を提示する。そのようなデバイスは、異なる角度において保持されるかまたは異なる角度に配置され得、これは、ジェスチャー認識のために使用されるデバイスセンサーとユーザの手との間の観点および距離を変化させる。変化する観点および距離は、満足なユーザ体感のために必要とされる種類の確実性および応答性を伴う、ジェスチャーを検出する能力を悪化させる。他の問題は、ジェスチャー検知システムを、サイズ、電力消費、およびコストに関する厳しい制約を有するデバイスに適応させることの困難など、より平凡である。
【0003】
ジェスチャー認識に対する知られている手法は、視覚ベース認識の使用またはレーダーベース認識の使用を含む。両方の技術は、付随する利点を有するが、いずれかの使用は、上記で指摘された理由のうちの少なくともいくつかのために、より小さいハンドヘルドデバイスのコンテキストにおける厄介な問題を伴う。たとえば、ハンドヘルド通信デバイスにおけるレーダーベースジェスチャー認識に対する一般的な手法は、専用レーダー回路の追加を伴う。Shahzad Ahmed、Karam Dad Kallu、Sarfaraz Ahmed、およびSung Ho Cho。「Hand Gestures Recognition Using Radar Sensors for Human-Computer-Interaction:A Review」Remote Sens.2021年,13(3)、527を参照されたい。
【0004】
レーダーを使用するハンドジェスチャー検出のための好適な解決を達成することは、たとえば、60GHzにおけるまたは60GHzを上回る、高い信号周波数の使用を必要とする。検出距離は、一般に、ハンドヘルドデバイスのコンテキストでは遠くない。さらに、パルスレーダーコンテキストでは、たとえば、いくつかのシナリオでは10センチメートル程度の、ハンドヘルドデバイスにとって一般的な短い検出距離は、短いレーダーパルス、たとえば、100ピコ秒または100ピコ秒未満のパルスの使用を必要とする。厄介な問題は、放出されたレーダーパルスに対応する戻り反射の受信および処理を、そのような信号を受信するために必要とされる広帯域幅の結果として、および、さらに、反射信号からハンドジェスチャーを確実に認識することに関連する複雑さのために、伴う。
【発明の概要】
【0005】
通信デバイスと動作の対応する方法とが、デバイスのユーザによるハンドジェスチャーのレーダーベース検出のためにデバイスの通信回路を再使用することに基づいて、ジェスチャー認識を提供する。1つまたは複数の実施形態における動作の有利な一態様が、デバイスから放出されたレーダーパルスに対応する反射信号を受信するための、デバイスの個々の通信信号受信機のアグリゲーションの使用である。1つまたは複数の実施形態における動作の別の有利な態様が、規定されたジェスチャーの確実な認識のための、反射信号から取得された測定データを評価するための、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)または他の機械学習(ML)アルゴリズムなど、ジェスチャー認識アルゴリズムの使用である。
【0006】
例示的な一実施形態が、通信デバイスによる動作の一方法を含む。方法ステップまたは動作が、通信デバイスのアンテナから複数のレーダーパルスを送信することと、レーダーパルスのうちのそれぞれのものに対応する反射信号を受信することとを行うことによってジェスチャー検出を実施することを含む。各反射信号が、通信デバイスの個々の通信信号受信機の受信機帯域幅よりも大きい信号帯域幅を有する。各反射信号は、個々の通信信号受信機のアグリゲーションを使用して受信され、アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機は、反射信号のそれぞれの周波数ビン内にある、反射信号の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号を出力する。さらなる方法動作が、デバイスが、複数のレーダーパルスについて取得されたそれぞれのビン信号に対して測定を実施することによって測定データを生成することと、複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズムを介して測定データを評価することと、ジェスチャー認識アルゴリズムが複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、通信デバイスにおける対応する制御アクションを開始することとを含む。
【0007】
別の例示的な実施形態が、通信回路と処理回路とを含む通信デバイスを含む。処理回路は、通信デバイスのアンテナから複数のレーダーパルスを送信することと、レーダーパルスのうちのそれぞれのものに対応する反射信号を受信することとを行うように通信回路を制御するように設定される。各反射信号が、通信デバイスの個々の通信信号受信機の受信機帯域幅よりも大きい信号帯域幅を有する。各反射信号は、個々の通信信号受信機のアグリゲーションを使用して受信され、アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機は、反射信号のそれぞれの周波数ビン内にある、反射信号の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号を出力する。処理回路は、複数のレーダーパルスについて取得されたそれぞれのビン信号に対して測定を実施することによって測定データを生成することと、複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズムを介して測定データを評価することと、ジェスチャー認識アルゴリズムが複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、通信デバイスにおける対応する制御アクションを開始することとを行うようにさらに設定される。
【0008】
もちろん、本発明は、上記の特徴および利点に限定されない。実際、当業者は、以下の発明を実施するための形態を読み、添付の図面を見ると、追加の特徴および利点を認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】無線通信ネットワークを伴うコンテキストにおいて示される、ジェスチャー認識のために設定された通信デバイスの一実施形態のブロック図である。
【
図2】一実施形態による、通信デバイスの通信回路についての詳細のブロック図である。
【
図3】一実施形態による、スペクトルおよび帯域幅と、反射信号の、周波数ビンへの有利な再分割とに関する、放出されたレーダーパルスに対応する反射信号についての例示的な波形のプロットである。
【
図4】一実施形態による、通信デバイスによる反射信号受信、処理、および評価についての、信号処理およびデータフローのブロック図である。
【
図5A】一実施形態による、受信された反射信号のI成分およびQ成分について取得された測定データを含むデータ構造の図である。
【
図5B】一実施形態による、受信された反射信号のI成分およびQ成分について取得された測定データを含むデータ構造の図である。
【
図6】一実施形態による、通信デバイスにおけるジェスチャー認識システムの実装のための例示的な回路構成のブロック図である。
【
図7】一実施形態による、ジェスチャーされた認識を実施するための、通信デバイスによる動作の一方法の論理フロー図である。
【
図8】ジェスチャー認識のために設定された通信デバイスの別の実施形態のブロック図である。
【
図9】ジェスチャー認識のために設定された通信デバイスのまた別の実施形態のブロック図である。
【
図10】別の実施形態による、ジェスチャー認識を実施するための、通信デバイスによる動作の一方法の論理フロー図である。
【
図11】通信デバイスによって認識可能であるハンドジェスチャーの規定されたセットにおいて表され得るものなど、例示的なハンドジェスチャーの図である。
【
図12】ジェスチャー認識のために、受信された反射信号から取得された測定データを処理するための、信号処理およびデータフローの一実施形態のブロック図である。
【
図13】通信信号受信機と、通信信号受信のための受信機の使用および反射信号受信のための受信機の再使用をサポートする対応する回路との一実施形態のブロック図である。
【
図14】レーダーパルスの生成および送信のための、通信デバイス中の回路の一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、1つまたは複数の実施形態による、通信デバイス10を示す。デバイス10は、通信回路12と、処理回路14と、ストレージ16とを備える。処理回路14は、デバイス10と無線通信ネットワーク22との間で交換され得るものなど、通信信号18を送信することと、通信信号20を受信することとを行うために通信回路12と協働するように設定される。
【0011】
例示的なネットワーク22が、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表された仕様に従って動作する第5世代(5G)新無線(New Radio:NR)ネットワークなど、無線通信ネットワークを含む。ネットワーク22は、基地局、または他のタイプのアクセスポイントなど、1つまたは複数の無線ネットワークノード26を備える無線アクセスネットワーク(RAN)24を含む。コアネットワーク(CN)28が、デバイス10を、インターネットなど、1つまたは複数の外部ネットワーク32に通信可能に結合することとともに、デバイス10をネットワーク22に接続するための認証機能およびモビリティ管理機能を提供する、1つまたは複数のCNノード30を含む。
【0012】
通信回路12は、無線周波数(RF)トランシーバ回路、たとえば、送信されるべきデータを含んでいるベースバンド情報信号から生成されたRF信号を送信するように設定された、および受信されたRF信号から取得されたデータを含んでいるベースバンド情報信号を出力するように設定された、回路を含む。この点について、通信回路12は、少なくともいくつかのベースバンド処理回路とともにアナログRF回路を備え、無線モデムとして動作するものとして理解され得る。次には、処理回路14は、通信回路12を介した送信のためのベースバンド情報信号を生成するかまたはさもなければ提供し、受信されたRF信号から取得されたベースバンド情報信号を処理するかまたはさもなければハンドリングする。
【0013】
1つまたは複数の実施形態では、処理回路14は、ストレージ16によって提供されるものなど、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令の実行に基づいて特別に適応された、1つまたは複数のマイクロコントローラまたは他のデジタルプロセッサを備える。
図1は、図中の設定データ34、すなわち、「CFG.データ」の1つまたは複数のアイテムを記憶することとともに、図中の「(1つまたは複数の)CP」として示されている1つまたは複数のコンピュータプログラム32を記憶するものとしてストレージ16を示すことによって、そのような構成を示唆する。
【0014】
本明細書の関心ポイントが、処理回路14および通信回路12を介したジェスチャー認識システム40の実装である。ジェスチャー認識のための、通信回路12の再使用と、その再使用の特定の態様とが、ジェスチャー認識システムのいくつかの利点の中の1つを表し、これは、デバイス10が、ユーザによるハンドジェスチャーを検出し、それらのハンドジェスチャーに応答することに基づいて、デバイス10のユーザがデバイス10と対話することを可能にする。別の有利な態様が、ユーザの手のレーダーベース「イメージング」から取得された測定データからのユーザのハンドジェスチャーの確実な認識を提供するジェスチャー認識アルゴリズムの実装である。
【0015】
図1の例によるデバイス10のさらなるエレメントが電力供給源42である。少なくとも1つの実施形態では、電力供給源42はバッテリーベースであり、これは、スマートフォン、あるいは通信能力をもつ他のパーソナルコンピューティングまたはメディアデバイスなど、ハンドヘルドまたはさもなければモバイルデバイスとしてのデバイス10の実装に適する。
【0016】
図2は、少なくとも1つの通信信号送信機50と複数の通信信号受信機52とを含むものとしての通信回路12の例示的な一実施形態を示す。各通信信号受信機52が、受信機チェーンまたは受信信号処理経路を備え、各経路が、デバイス10の複数のアンテナ54の中のそれぞれのものに対応する。アンテナ54は、デバイス10による受信ビームフォーミングのために使用されるアンテナアレイのエレメントであり得る。受信ビームフォーミングでは、着信RF信号がアンテナ54の各々に当たり、アンテナごとの信号が、アンテナのそれぞれの信号処理経路、すなわち、それぞれの通信信号受信機52に供給される。したがって、デバイス10は、同じ受信された信号の複数のアンテナ固有バージョンを有し、ここで、それらの複数の信号は、それぞれ、ビームフォーミングベクトルに従って重み付けされ、コヒーレントに組み合わせられ得る。ビームフォーミングは、アナログ領域またはデジタル領域のいずれかにおいて行われ得る。
【0017】
ハンドジェスチャーの検出は、デバイス10が、レーダーパルス60を放出することと、放出されたレーダーパルス60に対応する反射信号62の受信のためにデバイス10の複数の通信信号受信機52を再利用することとに基づく。レーダーパルス60の送信は、デバイス10の1つまたは複数の通信信号送信機50の再使用に依拠するか、または専用パルス送信機の使用を伴う。
【0018】
しかしながら、送信されたレーダーパルス60、および対応する反射信号は、個々の通信信号受信機52の受信機帯域幅を超える信号帯域幅を有する。本明細書で開示されるジェスチャー検出動作の有利な一態様が、デバイス10が、反射信号受信のために使用される通信信号受信機52のうちの各々のものを反射信号62の異なるスペクトルセグメント、すなわち、周波数帯域に調整することによって、その事実を補償することである。すなわち、反射信号受信について、各通信信号受信機52は、反射信号62によって名目上スパンされたスペクトルのそれぞれのセグメント中の反射信号コンテンツの受信のために調整される。
【0019】
図3は、77ギガヘルツ(GHz)の中心周波数を有する、および約73GHzから約81GHzまでの電磁スペクトルをスパンする(メインローブ)信号帯域幅64を有する、例示的な反射信号62を示す。ジェスチャー認識システム40は、反射信号62のスペクトルを複数の周波数ビン66に効果的に分割し、各周波数ビン66が、反射信号62を受信するための、アグリゲーションにおいて使用される個々の通信信号受信機52のうちのそれぞれのものの受信機帯域幅を表す。この様式で通信信号受信機52をアグリゲートすることは、アグリゲーション中の各受信機52を、その受信機の受信機帯域幅68が周波数ビン66のうちのそれぞれのものに配置されるように、調整することを伴う。
【0020】
図4は、デバイス10によって放出されたレーダーパルス60に対応する反射信号62を受信するための、アグリゲートされた受信機、すなわち、個々に調整された受信機のアグリゲーションを使用するコンテキストにおける、例示的な信号処理またはデータフローを示す。
図4は、デバイス10の複数のアンテナ70に当たる反射信号62を示し、これは、アンテナごとの信号70をもたらす。各アンテナごとの信号70の受信処理が、たとえば、フィルタ処理と、増幅と、ダウンコンバージョンと、デジタル化とを含み、対応するビン信号72をもたらす。各ビン信号72が、反射信号62の受信のためにアグリゲーションにおいて使用される通信信号受信機52のうちのそれぞれのものに対応する。したがって、各ビン信号72は、対応する受信機52が調整された周波数ビン内に入る、反射信号62の信号成分に対応する。
【0021】
デバイス10中の回路は、ビン信号72に対して測定を実施し、これは、各ビン信号72についての対応する信号測定74をもたらす。各反射信号62に対して行われる例示的な測定が、対応するレーダーパルス60の放出を基準とするサンプリングウィンドウ内のそれぞれの測定サンプル時間におけるビン信号72の強度を反映する信号電力測定である。
【0022】
サンプリングウィンドウの長さが、デバイス10の検出範囲に対応し、すなわち、そのウィンドウは、デバイス10が、対応する反射信号62を監視する、レーダーパルス60の放出の後の間隔を規定する。したがって、所与のレーダーパルス60の放出に応じて受信された反射信号62は、レーダーパルス60のローカル散乱に応じた、複数の反射を潜在的に含んでいるものとして理解されるべきである。各反射信号62を考察する別のやり方が、各反射信号62が、レーダーパルス60によって照射されたローカル物体の数、配置、および性質に応じた、複数の戻り反射の合成物であり得ることである。
【0023】
各受信処理経路によって提供された信号測定74は、たとえば、規定されたサンプリングレートにおいてとられた信号強度測定を含む。したがって、各放出されたレーダーパルス60について、ジェスチャー検出システム40は、複数の測定セットを取得し、1つの測定セットが各受信処理経路に対応し、すなわち、各測定セットが、測定されている反射信号62のそれぞれの周波数ビンに対応し、各測定セットは、それぞれの周波数ビンによって占有された、信号スペクトル全体の部分内の、反射信号62についてとられた信号測定を含む。一連のレーダーパルス60、すなわち、レーダーパルス60のコヒーレントバーストを放出することと、各レーダーパルス60についての測定セットを収集することとに基づくジェスチャー検出では、ジェスチャー認識システム40は、レーダーパルス60のセットに関する測定データ76を堆積する。したがって、測定データ76は、レーダーパルス60の所与のセット内のすべてのレーダーパルス60について、各対応する反射信号62の各周波数ビンについての規定されたサンプリング時間において行われた信号測定74を含むかまたは信号測定74から導出される。
【0024】
測定データ評価プロセスは、ジェスチャー認識アルゴリズム(GRA)78に従って測定データ76を評価し、少なくとも、測定データ76が、ジェスチャー認識システム40によって認識可能であるジェスチャーの規定されたセットの中にあるジェスチャーに特徴的であると、GRA78が決定したインスタンスにおいて、検出出力80を作り出す。
【0025】
図5Aおよび
図5Bは、一実施形態による、測定データ76を示す。所与の反射信号62に関して各通信信号受信機52によって提供されたビン信号72は、同相(I)信号と直交(Q)信号とのペアを含み、したがって、反射信号62の各周波数ビンについて取得された信号測定74は、ビン信号72を含む、I信号とQ信号とのペアについての測定のジョイントセットを含む。レーダーパルス60のセット上の各レーダーパルス60について行われたビンごとの測定をアグリゲートすることが、あるタイプの「レーダー画像」として理解され得る2次元データセットをもたらす。
図5Aは、1つのそのようなデータセット中に含まれる例示的なI成分データ76Aを示し、
図5Bは、同じデータセット中に含まれる例示的なQ成分データ76Bを示す。
【0026】
したがって、レーダー画像としての測定データ76の例示的なフォーマットが2次元(2D)データセットを備える。データセットの一方の次元または軸が、複数のレーダーパルス60が放出される送信ウィンドウによって規定され、たとえば、この次元は、レーダーパルス1、レーダーパルス2など、パルスカウントによってインデックス付けされる。データセットの他方の次元または軸が、通信デバイス10が、放出されたレーダーパルス60のうちの1つに対応する反射信号62を受信する、サンプリングウィンドウによって規定され、すなわち、この次元は、サンプルカウントによってインデックス付けされる。レーダーパルスカウントによる次元インデックスは、「低速時間」次元と呼ばれることがあり、サンプルカウントによってインデックス付けされる次元は、「高速時間」次元、または、より詳細には、反射信号サンプルがビンごとにとられるので、「高速周波数ビン」次元と呼ばれることがある。
【0027】
概して、各反射信号62は、各ビン66についての信号測定、すなわち、各反射信号についてとられるサンプルの最大数までの、サンプル時間1における測定、サンプル時間2における測定などのセットとして表される。言い換えれば、ジェスチャーを検出することは、複数のレーダーパルス60を放出し、各レーダーパルス60についての対応する反射信号62を測定することを含む。各反射信号62は、複数のサンプル時間の各々においてとられたサンプル値によって表される。各サンプル時間において、サンプル値(測定)が各ビン信号72についてとられる。
図5Aおよび
図5Bに示されている例示的な詳細を使用して、1つまたは複数の実施形態における測定データ76が、反射信号62の帯域幅68を再分割すべき16個の周波数ビン66に基づいて、50個のレーダーパルス60のセットに関して取得されたI信号およびQ信号強度測定を含む。
【0028】
測定データ76をレーダー画像として合成することが、いくつかの実施形態では、有利な検出処理を与え得るが、GRA78への入力のための他のデータ構成が企図される。一例では、測定データ76は、GRA78に連続的に供給される、ビンごとの/パルスごとの測定を含み得、GRA78は、ジェスチャー認識処理のために必要に応じてデータを再構成または合成する。
【0029】
ジェスチャー認識システム40の少なくとも1つの実施形態が、機械学習ベース検出器としてのGRA78の実装に基づく。特定の例が、ジェスチャーの規定されたセットの中の個々のジェスチャーを認識するようにトレーニングされた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)としてのGRA78の実装を伴う。CNNベースジェスチャー検出器としてのGRA78の1つまたは複数の特定の実施形態が、
図5Aおよび
図5Bに示されているものなど、レーダー画像フォーマットでの測定データ76の形成に依拠する。2次元(2D)「画像」フォーマットでは、各「ピクセル」が、特定のレーダーパルス60/反射信号62について、特定のサンプリング時間における、特定の周波数ビン66についての信号測定(たとえば、強度)を備える。
【0030】
CNNは、入力データとして測定データ76を受信するように設定された入力層と、測定データ76から認識されたジェスチャーを指示する値を出力する出力層と、入力層と出力層との間のいくつかの隠れ層とを備える。隠れ層は、たとえば、畳み込み層と、プーリング層と、全結合層とを含み、それらの層は、入力データにおけるパターンを検出するために協働する。CNN理論、構造、および動作に関する広範な例示的な情報が、Michelucci、Umberto、Advanced Applied Deep Learning:Convolutional Neural Networks and Object Detection、Apress 2019年に掲載されている。
【0031】
ジェスチャー認識システム40によって認識可能である規定されたジェスチャーのセットがあり得、
図4に示されている検出出力80は、それらのジェスチャーのうちの1つがいつ検出されたかを示す。もちろん、たとえば、デバイス10上で実行する特定のソフトウェアが、いくつかのジェスチャー、たとえば、ジェスチャー認識システム40によって認識可能であるジェスチャーの母集団のサブセットのみに応答するときなど、任意の特定の時間において使用可能である特定のジェスチャーがあり得る。同様に、常に使用可能であるジェスチャーのあるサブセットがあり得、たとえば、それらのジェスチャーは、ユーザによるデバイス10のオペレーティングシステムレベル制御に関係する。
【0032】
いずれの場合も、
図4に示されている信号処理フローは、ジェスチャー認識システム40による制御アクション開始により続く。たとえば、ジェスチャー認識システム40は、認識された特定のジェスチャーを識別するメッセージまたは他のシグナリング82を送る。そのようなメッセージは、デバイス10のオペレーティングシステムまたは実行環境によって与えられるアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、デバイス10上で実行するより高いレベルのソフトウェアアプリケーションに流れ得る。
【0033】
本開示のコンテキストにおいて理解されるものとしての「ジェスチャー認識システム40」は、処理回路とRF回路とを備える。特定の特徴が、RF回路が、ジェスチャー検出のために、反射信号62を受信および処理する際に使用するための、通信使用から一時的に再設定された、デバイス10の通信信号受信機52を含むことである。少なくとも1つの実施形態におけるRF回路のさらなるエレメントが、たとえば、制御スイッチと、対応する周波数逓倍器とを含み、それらは、通信信号のために使用される1つまたは複数の周波数の倍数である信号周波数において、レーダーパルス60を生成することと、対応する反射信号62を処理することとを行うために使用される。たとえば、デバイス10は、30GHzの範囲内の通信信号を送信および/または受信するが、レーダーパルス60は、30GHzのある倍数における周波数、たとえば、2×30GHz=60GHzを有する。
【0034】
ジェスチャー認識システム40は、ジェスチャー認識のために通信回路12の再使用を制御するために、たとえば、通信使用とジェスチャー認識使用との間で通信回路12または通信回路12の少なくとも関与する構成要素を多重化するために必要とされる、制御回路をも含む。ジェスチャー認識システム40は、たとえば、信号測定を行うかまたは少なくとも測定データ76をコンパイルすることに関連する、信号処理と、GRA78を実装するために使用される処理回路とをさらに含む。少なくとも1つの実施形態では、そのような処理回路の一部または全部が共有される。たとえば、
図1に示されている処理回路14は、着信および発信通信信号のベースバンド処理を提供する、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のデジタル処理回路を備え、そのような回路はまた、ジェスチャー認識処理と通信回路制御とを提供するように設定される。他の実施形態では、ジェスチャー認識システム40、またはジェスチャー認識システム40の少なくともデジタル処理エレメントが、GRA78の実装に専用のニューラル処理リソースを含み得る、別個の集積回路(IC)または他のアセンブリにおいて具現される。
【0035】
図6は、構成の図示されたエレメントのうちの1つまたは複数が、スタンドアロンであるかまたはさもなければジェスチャー認識に専用であり得るか、あるいは他の機能と共有され得るという理解に基づく、ジェスチャー認識システム40の例示的な構成を示す。制御回路90、たとえば、記憶されたプログラム命令を実行するマイクロプロセッサが、通信回路12が通信モードにおいて動作するのかジェスチャー認識モードにおいて動作するのかを制御するための制御信号を通信回路12に送ることなど、ジェスチャー認識動作を制御する。
【0036】
制御回路90はまた、レーダーパルス放出の直接制御を提供し得、たとえば、制御回路90は、レーダーパルス60の放出について、図に示されていないレーダーパルス回路を直接制御し得る。さらなるエレメントが、ビンごとの/パルスごとの信号測定74を取得するために使用される測定を実施し得る測定回路92を含むか、または通信回路12は、それらの測定を実施し得、測定回路92は、測定データ76全体を、GRA78を実装する評価回路94に入力するために使用されるバッファリングまたはキューイング論理を備える。
【0037】
制御回路90、測定回路92、および評価回路94のうちのいずれか1つまたは複数が、
図1に示されている処理回路14の全部または一部を形成するマイクロプロセッサまたは他のデジタルプロセッサにおいて機能的に実現され得、そのような回路は、通信信号についてのベースバンド信号処理など、他の機能を実施し得る。したがって、少なくとも1つの実施形態では、ジェスチャー認識システム40は、処理回路14および通信回路12に統合または包摂された追加された機能と見なされ得る。たとえば、通信回路12は、通信信号20と比較して、反射信号62の受信および処理のために通信信号受信機52を一時的に再利用するために必要とされる、1つまたは複数の追加の回路エレメントを含み、そのような回路は、適切な受信周波数をセットすることと、通信信号受信機52のうちの個々のものを周波数ビン66のうちのそれぞれのものと整合させることとを行うためのものである。
【0038】
しかしながら、ジェスチャー認識システム40の少なくとも一部分が、デバイス10において実装される、ジェスチャー認識、および、随意に、1つまたは複数の他の機械学習(ML)または人工知能(AI)機能のために使用される専用回路を備え得る。たとえば、1つまたは複数の実施形態における処理回路14が、ジェスチャー認識アルゴリズム78を実装するグラフィックス処理ユニット(GPU)またはニューラルプロセッサ(NP)を含む。
【0039】
ジェスチャー認識システム40がどのように実装されるかにかかわらず、
図7は、通信デバイス10による動作の方法700を含む一実施形態を示す。方法700は、
- 通信デバイス10のアンテナ54から複数のレーダーパルス60を送信すること(ブロック702)と、
- レーダーパルス60のうちのそれぞれのものに対応する反射信号62を受信すること(ブロック704)であって、各反射信号62が、デバイス10の個々の通信信号受信機52の受信機帯域幅68よりも大きい信号帯域幅64を有し、各反射信号62が、個々の通信信号受信機52のアグリゲーションを使用して受信され、アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機52が、反射信号62のそれぞれの周波数ビン66内にある、反射信号62の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号72を出力する、反射信号62を受信すること(ブロック704)と、
- レーダーパルス60について取得されたそれぞれのビン信号72に対して測定を実施することによって測定データ76を生成すること(ブロック706)と、
- 複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズム78を介して測定データ76を評価すること(ブロック708)と、
- ジェスチャー認識アルゴリズム78が複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、デバイス10における対応する制御アクションを開始すること(ブロック710)と
を行うことによってジェスチャー検出を実施することを含む。
【0040】
レーダーパルス60を送信することは、たとえば、通信信号18を送信するためにデバイス10によって使用される送信周波数の倍数である送信周波数を使用してレーダーパルス60を送信することと、個々の通信信号受信機52による周波数ダウンコンバージョンのために使用されるミキサ周波数をセットするために同じ倍数を使用することとを含む。倍数は、1つまたは複数の実施形態では、「2」など、整数倍であり、「2」は、レーダーパルス60/反射信号62の信号周波数が、レーダーパルス60/反射信号62が、ジェスチャー認識ではなく通信信号受信のために使用されるとき、通信信号受信機52によって受信される通信信号20の2倍の信号周波数であることを意味する。
【0041】
対応して、ジェスチャー検出を実施するために、そのような実施形態による方法700は、周波数乗算器回路をアクティブ化することを含む。アクティブのとき、周波数乗算器回路は、倍数に従って局部発振器(LO)信号を乗算する。LO信号は、通信デバイス10の送信周波数および受信周波数を制御する。例示的な設定が、30GHz範囲中の通信信号周波数と60GHz範囲中のレーダー信号周波数とを使用する。通信信号周波数がレーダー信号周波数と同じである実施形態では、周波数乗算器回路は、デバイス10/ジェスチャー認識システム40から省略される。
【0042】
反射信号62を受信する際のアグリゲートされた使用のために個々の通信信号受信機52を調整することは、たとえば、個々の通信信号受信機52のうちのそれぞれのものによって使用されるミキサ周波数を増分的にオフセットすることを含む。増分的にオフセットされたミキサ周波数はそれぞれの周波数ビン66に対応する。すなわち、反射信号受信のためにアグリゲーション中で使用される通信信号受信機52の各々は、その通信信号受信機52の受信機帯域幅68が、周波数ビン66のうちのそれぞれのものによってスパンされたスペクトル周波数と整合されるように、調整される。
【0043】
通信回路12の1つまたは複数の実装形態では、各受信された反射信号62について、対応するビン信号72は、各々、同相(I)信号と直交(Q)信号とを含む。ビン信号72に対して行われた信号測定は、たとえば、信号電力測定を含み、したがって、測定データ76は反射強度マップを含む。マップ中の各値は、特定の周波数ビン66中のレーダーパルス60のうちの特定のものについての、その特定のレーダーパルス60に関する特定の受信サンプリング時間における、反射信号強度を指示する。そのような動作をサポートして、各通信信号受信機52は、たとえば、一定の間隔で、関連するビン信号72をサンプリングする、アナログデジタル変換器(ADC)を備え、サンプリングは、レーダーパルス60の放出によってトリガされ、とられたサンプルの総数がサンプリングウィンドウを規定する。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、測定データ76を生成することは、複数のレーダーパルス60が送信される送信ウィンドウによって規定された一方の次元と、各反射信号62を受信するために使用されるサンプリングウィンドウによって規定された他方の次元とを有する2次元データセットとしてレーダー画像を形成することを含む。2次元データセット中の個々の値が、レーダー画像「ピクセル」として理解され得る。少なくとも1つのそのような実施形態では、各レーダー画像ピクセルは、複数のレーダーパルス60における、サンプリングウィンドウ内の特定のサンプリング時間において、特定の周波数ビン66について、および特定のレーダーパルス60についてとられた信号強度測定である。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、ジェスチャー認識アルゴリズム78は、規定されたハンドジェスチャーのうちのそれぞれのものについて特徴的な代表的測定データ76を使用してトレーニングされた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む。他の機械学習実装形態がジェスチャー認識アルゴリズム78の実装のために使用され得る。ジェスチャー認識アルゴリズム78の実装形態詳細にかかわらず、デバイス10によって認識されるべきハンドジェスチャーの規定されたセット中の各ハンドジェスチャーに割り振られたインデックス値または他の識別子があり得、ジェスチャー認識アルゴリズム78は、検出されたジェスチャーに割り振られたインデックスまたは識別子の値を出力することによって、規定されたハンドジェスチャーの検出を指示し得る。
【0046】
したがって、
図4に示されている指示80は、ハンドジェスチャーのあらかじめ規定されたセットの中からの、デバイス10によって検出された特定のジェスチャーを識別する、インデックスまたは識別子値であり得る。指示80の委細にかかわらず、ハンドジェスチャーを認識したことに応答して、対応する制御アクションを開始することは、通信デバイス10のホストプロセッサ上で稼働するソフトウェアアプリケーションによる使用のために、検出されたハンドジェスチャーの指示80を提供するメッセージまたはシグナリング82を出力することを含む。
【0047】
少なくとも1つの実施形態では、方法700は、通信するために1つまたは複数の第1の時間中に通信デバイス10の通信回路12を使用し、ジェスチャー検出を実施するために1つまたは複数の第2の時間中に通信回路12を使用する、時間多重化構成においてジェスチャー検出を実施することを含む。再使用に関与する通信回路12は、少なくとも、反射信号62の受信および処理のためにアグリゲーション中で動作される個々の通信信号受信機52を含む。ジェスチャー認識動作と通信動作との間の、通信回路12の時間多重化動作の一例が、デバイス10上で稼働する1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを伴う。(1つまたは複数の)ソフトウェアアプリケーションは、通信回路12を介してリモートデバイスまたはサーバと通信することを伴う1つまたは複数の通信サービスを使用し、制御アクションが、デバイス10のユーザによる特定のハンドジェスチャーの検出に応答してとられる、1つまたは複数のジェスチャー入力機能を含む。
【0048】
対応する一例が、通信回路12と、処理回路14とを含む通信デバイス10を備え、処理回路14は、(a)通信デバイス10のアンテナ54から複数のレーダーパルス60を送信することと、(b)レーダーパルス60のうちのそれぞれのものに対応する反射信号62を受信することであって、各反射信号62が、通信デバイス10の個々の通信信号受信機52の受信機帯域幅68よりも大きい信号帯域幅64を有する、反射信号62を受信することとを行うように通信回路12を制御するように設定される。各反射信号62は、個々の通信信号受信機52のアグリゲーションを使用して受信される。アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機52は、反射信号62のそれぞれの周波数ビン内にある、反射信号62の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号72を出力する。
【0049】
処理回路14は、(c)複数のレーダーパルス60について取得されたそれぞれのビン信号72に対して測定を実施することによって測定データ76を生成することと、(d)複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズム78を介して測定データ76を評価することと、(e)ジェスチャー認識アルゴリズム78が複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、通信デバイス10における対応する制御アクションを開始することとを行うようにさらに設定される。
【0050】
レーダーパルス60は、たとえば、通信信号18を送信するために通信デバイス10によって使用される信号周波数の倍数である信号周波数を有する。そのような場合、処理回路14は、個々の通信信号受信機52による周波数ダウンコンバージョンのために使用されるミキサ周波数をセットするために同じ倍数を使用する。この意味でミキサ周波数を「セットすること」は、少なくとも1つの実施形態では、通信信号受信機52を、反射信号62によって占有されるスペクトルを論理的に再分割する周波数ビン66に対応する受信周波数に調整するために、通信信号受信機52によって使用される混合周波数を変更する、通信信号受信機52に関連する回路においてスイッチするかまたはさもなければその回路をアクティブ化する、制御信号または信号を出力することを含む。そのような回路は、ジェスチャー認識システム40に属するものと見なされ得る。
【0051】
特定の例として、少なくとも1つの実施形態では、ジェスチャー検出を実施するために、処理回路14は、アクティブのとき、倍数に従ってLO信号を乗算する、周波数乗算器回路をアクティブ化するように設定され、LO信号は、通信デバイス10の送信周波数および受信周波数を制御する。そのような構成は、レーダーパルス60のために使用されるべき信号周波数が、通信信号のために使用される信号周波数または周波数帯域を上回る実装形態において、有利である。対応して、通信信号周波数とターゲットにされたレーダー信号周波数とが同じである、デバイス10の実装形態では、周波数乗算器回路は必要とされない。
【0052】
しかしながら、ジェスチャー認識システム40は、依然として、反射信号62の受信および処理のためにアグリゲートされた個々の通信信号受信機52のためのオフセットミキサ周波数を作成して、各そのような通信信号受信機52の受信機帯域幅68を周波数ビン66のうちのそれぞれのものに「据える」ために使用される、回路を含むことになる。すなわち、反射信号62によって占有されるスペクトルバンドをサブバンドに再分割することと、サブバンド、すなわち、周波数ビン66のうちのそれぞれのもの内で信号成分を受信するためのアグリゲートされた通信信号受信機52のうちの個々のものを使用することとを行うために、個々の通信信号受信機52は、個々の通信信号受信機52のうちのそれぞれのものによって使用される増分的にオフセットされたミキサ周波数に従って調整される。ここで、増分的にオフセットされたミキサ周波数はそれぞれの周波数ビン66に対応する。
【0053】
デバイス10の少なくとも1つの実施形態では、デバイス10によって受信された各反射信号62について、対応するビン信号72は、各々、同相I信号と直交Q信号とを含む。ビン信号72に対して行われる測定は、上述の測定74(たとえば、I信号電力測定およびQ信号電力測定)としての信号電力測定を含む。この手法は、反射強度マップを含む測定データ76をもたらし、マップ中の各値が、特定の受信サンプリング時間における、レーダーパルス60のうちの特定のものについての、および周波数ビン66のうちの特定のものにおける、反射信号強度を指示する。
【0054】
少なくとも1つの実施形態における処理回路14は、複数のレーダーパルス60が送信される送信ウィンドウによって規定された一方の次元と、各反射信号62を受信するために使用されるサンプリングウィンドウによって規定された他方の次元とを有する2次元データセットを含むレーダー画像として測定データ76を生成するように設定される。2次元データセット中の個々の値がレーダー画像ピクセルであり、各レーダー画像ピクセルは、複数のレーダーパルス60における、サンプリングウィンドウ内の特定のサンプリング時間において、特定の周波数ビン66について、および特定のレーダーパルス60についてとられた信号強度測定である。
【0055】
少なくとも1つの実施形態における処理回路14は、通信するために1つまたは複数の第1の時間中に通信デバイス10の通信回路12を使用し、ジェスチャー認識を実施するために1つまたは複数の第2の時間中に通信回路12を使用する、時間多重化構成においてジェスチャー検出を実施するように通信デバイス10を制御するように設定される。ジェスチャーを認識したことに応答して、対応する制御アクションを開始するために、1つまたは複数の実施形態における処理回路14は、通信デバイス10のホストプロセッサ上で稼働するソフトウェアアプリケーションによる使用のために、検出されたハンドジェスチャーの指示80を提供するメッセージまたはシグナリング82を出力するように設定される。
【0056】
図8は、通信デバイス10の別の例についての詳細を示し、無線トランシーバ100が、
図1において導入された通信回路12の一例を表し、ベースバンドプロセッサ102が、
図1において導入された処理回路14の一例を表す。この構成によれば、通信信号送信および受信のために設定されることに加えて、無線トランシーバ100は、レーダー信号送信および反射信号受信のために設定され、たとえば、無線トランシーバ100は、レーダーパルス60を生成/放出するための回路を含み、無線トランシーバ100は、放出されたレーダーパルス60に対応する反射信号62を受信および処理のためのものと本明細書で説明される、アグリゲートされた様式で無線トランシーバ100の複数の個々の通信信号受信機52を動作させるための回路を含む。
【0057】
ベースバンドプロセッサ102は、通信信号動作のためにおよびジェスチャー検出動作のために無線トランシーバ100を制御する。通信送信および受信のためのベースバンド処理を提供することに加えて、ベースバンドプロセッサ102は、通信信号使用とジェスチャーされた認識使用との間で通信信号受信機52の時間多重化(共用)を制御する。少なくとも1つの実施形態では、ベースバンドプロセッサ102は、ホストプロセッサ104からのシグナリングに応答してジェスチャー認識を実施し、ホストプロセッサ104は、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーション108を稼働するための実行環境106、たとえば、ランタイム環境を提供する。そのようなアプリケーション108は、ジェスチャー認識を要求し、ホストプロセッサ104からベースバンドプロセッサ102に進むシグナリングを生じ得るか、またはさもなければ、そのようなシグナリングがベースバンドプロセッサ102からホストプロセッサ104に流れたことに基づいて、ジェスチャー関係シグナリング、たとえば、認識されたジェスチャーの指示を受信し得る。
【0058】
ベースバンドプロセッサ102の例示的な実装形態が、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラムの実行に基づいて、特別に、本明細書で説明されるジェスチャー認識動作を実施するように適応された、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは他のプログラム的に設定されたデジタル回路を含む。
図8におよび
図1に示されているストレージ16は、そのような媒体の一例であり、ストレージ16は、たとえば、SRAM、DRAM、フラッシュ、EEPROM、固体ディスク(SSD)、またはそれらの任意の混合など、1つまたは複数のタイプのメモリまたは記憶デバイスを含む。ストレージ16は、たとえば、コンピュータプログラムおよび/または設定データのより長期のストレージのための不揮発性メモリとともに、プログラム実行およびデータ処理のための揮発性の、ワーキングメモリを提供する。
【0059】
図8の例において示されているデバイス10はユーザインターフェース110をも含み、ユーザインターフェース110は、たとえば、(1つまたは複数の)ソフトウェアアプリケーション108の実行に関連する、制御入力を提供することまたは出力データを表示することを行うために使用され得るものなど、タッチスクリーンを含む。少なくとも1つの実施形態では、デバイス10は、ユーザ対話の代替のまたは追加の手段としてジェスチャー認識を使用する。
【0060】
図9は、たとえば、メモリに記憶されたコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、
図1に示されている処理回路14によってまたは
図7に示されているベースバンドプロセッサ102によって機能的に実現され得るものなど、ジェスチャー認識システム40に関連する処理エレメントの別の例示的な実装形態を示す。ここで、処理エレメントは、「処理ユニット」または「処理モジュール」あるいは単に「ユニット」または「モジュール」と呼ばれることがあり、それらは、ジェスチャー認識システム40に起因する制御動作および処理動作を行うように設定された論理を備える。モジュールのセット900が、制御モジュール902と、測定モジュール904と、評価モジュール906とを含む。
【0061】
制御モジュール902は、通信デバイス10のアンテナ54からの複数のレーダーパルス60の送信と、レーダーパルス60のうちのそれぞれのものに対応する反射信号62の対応する受信とを制御するかまたはさもなければ開始する。測定モジュール904は、複数のレーダーパルス60について取得されたそれぞれのビン信号72に対して測定を実施すること、または少なくとも、通信回路12/無線トランシーバ100において実装された測定回路からそのような測定を受信し、編成することによって、測定データ76を生成する。評価モジュール906はジェスチャー認識アルゴリズム78を実装し、制御モジュール902は、ジェスチャー認識アルゴリズム78が複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、通信デバイス10における対応する制御アクションを開始する。
【0062】
上記の例示的な実施形態を念頭に置いて、ユーザ機器(UE)または他のハンドヘルド電子デバイスなど、例示的な通信デバイスが、ミリメートル波(mmW)通信回路を含む。詳細には、デバイスは、ビームフォーミングおよび/または改善された信号受信のためのものなど、複数のmmW受信機、すなわち、受信信号処理チェーンを含み、そのような受信機の一部または全部が、デバイス10のユーザによるハンドジェスチャーを検出するために、デバイス10によって放出されたレーダーパルス60に対応する反射信号を受信するために、一時的に再利用される。再利用することは、たとえば、受信機を、受信機が、通信信号周波数がレーダー信号周波数とは異なる場合、放出されたレーダーパルス60に関連する信号周波数の受信のために設定されるように、再調整することを伴う。そのような再調整は、たとえば、場合によっては通信信号受信のために受信機によって使用されるLO信号を乗算することによって行われる。
【0063】
各受信機についてのオフセットLOの周波数は、各受信機からのダウンコンバートされた信号が、受信された反射信号62の異なる周波数ビン66からのものであるようなやり方で、セットされる。したがって、アグリゲーションでは、受信された反射信号62のすべての周波数情報が、その情報を受信するために使用される複数の受信機によってキャプチャされる。各受信機から出力されたダウンコンバートされた信号、たとえば、受信機によって提供されたビン信号が、たとえば、受信された反射信号のI成分とQ成分とを含む。
【0064】
受信された反射信号62のそれぞれの周波数ビン66を表す、各受信機からのダウンコンバートされたI信号とQ信号とが、受信機のADCのサンプリング時間内に組み込まれる。統合されたI信号とQ信号との対応する電力が、受信機のADCを介して測定される。そのような測定は、本明細書で前に説明されたように、レーダー画像と呼ばれることがあるデータセットを形成する。ハンドジェスチャーの規定されたセットについて取得された画像は、機械学習(ML)に基づくジェスチャー認識アルゴリズムのためのトレーニング入力として働く。たとえば、ジェスチャーの規定されたセット中の各ジェスチャーに対応する複数のレーダー画像が、ジェスチャー認識アルゴリズムとして動作する、CNNをトレーニングするために使用される。
【0065】
そのような動作の態様が以下を含む。
・ マルチアンテナデバイスの受信機、たとえば、ビームフォーミングアレイ中の受信機を利用すること、
・ 受信機のうちのそれぞれのものに適用されたLO周波数をオフセットすることによって、それぞれの受信機を反射信号の異なる周波数ビンに調整すること、
・ 各受信機のADCについてのサンプリング時間にわたって統合することによって、各受信機によって出力されたI信号およびQ信号を測定すること、
・ I信号およびQ信号についての測定データの経路および周波数補正のための較正を実施すること、
・ 低速時間データ(複数のレーダーパルス中の連続パルス)を用いて、各ジェスチャー移動についての連続測定を実施すること、
・ 各周波数ビンについての測定されたIデータおよびQデータに基づいて低速時間対高速周波数画像データを作成すること、
・ ジェスチャーを認識するために、CNNなどのMLを使用すること、ならびに
・ CNNトレーニングのために、ジェスチャー検出のための利用可能な高速時間/低速時間画像を高速周波数/低速時間画像にトランスレートすること、すなわち、ジェスチャーの規定されたセット中の各ジェスチャーに特徴的である、時間領域中の高解像度レーダー検知データが、CNNが、ライブレーダー検知中にデバイスによって後で獲得された高速周波数/スロット時間画像を認識するように、CNNのためのトレーニングデータとして周波数領域にトランスレートされ得る。
【0066】
図10は、
図1の通信デバイス10など、通信デバイスによって実施される、方法1000を含む例示的な一実施形態を示す。示されている詳細は、レーダー信号周波数が通信信号周波数の2倍、すなわち、2xであり、したがって、「2xLO」が、通信信号のダウンコンバージョンのための関与する通信信号受信機52によって使用されるLO周波数の2倍の周波数であるLOを指示すると仮定する。
【0067】
方法1000は、デバイス10の単一の送信機または複数の送信機を使用して、あるビーム幅をもつ、ジェスチャーレーダー周波数におけるパルス信号を送ること(ブロック1002)を含む。方法1000は、デバイス10が、デバイス10のいくつかのアンテナ54を介して、対応する反射信号を受信すること(ブロック1004)により続き、各アンテナ経路が、対応する低雑音増幅器(LNA)を含む。
【0068】
各受信機は、ダウンコンバージョンのために受信機によって使用される混合周波数をセットするために使用されるオフセット周波数に基づいて、その受信機が受信した反射信号の部分、すなわち、その受信機が調整されたそれぞれの周波数ビン内の反射信号の部分をダウンコンバートする(ブロック1006)。方法1000は、各受信機が、不要な信号成分をなくすかまたは少なくとも減衰させるために、ローパスフィルタを用いてその受信機のビン信号をフィルタ処理すること(ブロック1008)と、通信信号処理のために使用されるサンプリング周波数と同じまたはサンプリング周波数とは異なり得る、反射信号処理のために使用されるサンプリング周波数においてビン信号をデジタル化すること(ブロック1010)とにより続く。バンドパスフィルタが、1つまたは複数の実装形態において、たとえば、システム実装形態と、クロック雑音抑圧の必要とに依存して、ローパスフィルタの代わりに使用され得る。
【0069】
方法1000はまた、反射信号を受信および処理するために使用される複数の通信信号受信機52にわたるビン信号、すなわち、ビン信号のとられたデジタルサンプルの整合および較正を実施すること(ブロック1012)を含み得る。この点について、ビン信号は、サンプリングがビン信号にわたってコヒーレントであるように、時間的に整合されるべきであることを諒解されたい。
【0070】
処理は、ビン信号測定から形成されたレーダー画像の作成および処理(ブロック1014)により続く。この画像は、画像の一方の次元が、各受信された反射信号についての周波数ビンにわたって起こる高速サンプリング(すなわち、サンプリングウィンドウ内のサンプル)対レーダーパルス送信の連続によって表されるより低速の時間(すなわち、送信ウィンドウ)を指すことを示すために、高速周波数対低速時間画像と呼ばれることがある。処理は、さらに、ジェスチャー識別のための、MLの使用(ブロック1016)により続く。
【0071】
図11は、規定されたハンドジェスチャーの一例を示し、そのジェスチャーは、「オーケー」ジェスチャーと呼ばれることがある。
図12は、そのようなジェスチャーを認識することに関連する処理およびデータ構成を示す。特に、
図12は、ジェスチャーを認識するための、トレーニングされたニューラルネットワーク(NN)カーネルの使用を示す。トレーニングされたNNカーネルは、たとえば、トレーニングデータに基づくアクティブ化のセットを含む。
【0072】
図13は、通信信号受信機52についての例示的な詳細を示し、ここで、「N個の」そのような受信機があり、Nは、1よりも大きい正の整数である。各受信機52がそれぞれのアンテナ54に関連し、そのアンテナ54は、デバイス10によるビームフォーミング受信のために使用されるアレイまたはパネル中のアンテナエレメントであり得る。
【0073】
各受信機52によって提供された受信信号処理経路またはチェーンが、LNA120と、第1のミキサ122と、第2のミキサ124と、ローパスフィルタ130と、ADC126と、較正/整合回路128とを含む。
図13は、ジェスチャー検出が、通信信号周波数の2倍の周波数である信号周波数を使用すると仮定する。したがって、第1のミキサ122は、通信信号処理のために1xLOモードにおいて使用され、反射信号処理のために2xLOモードにおいて使用され、たとえば、反射信号周波数は、通信信号周波数の2x周波数である。処理回路14は、ミキサ122が1x混合周波数を使用するのか2x混合周波数を使用するのかを制御するために、1x/2x制御信号を出力し得る。
【0074】
第2のミキサ124は、反射信号処理のためにアクティブであり、この場合も、処理回路14からの制御シグナリングを介してアクティブ化/非アクティブ化され得る。第2のミキサ124は、受信機52を反射信号62によって占有されるスペクトルのそれぞれの周波数ビン66に調整するオフセット周波数を追加する。
図3を参照されたい。ADC126の前のローパスフィルタ130は、ADC126への入力周波数を制御し、すなわち、不要な周波数が、エイリアシング問題を防ぐために抑制される。ADC126は、デジタル化されたビン信号72をなすデジタル化されたサンプルを作り出し、較正/整合回路128は、受信機経路にわたる信号/サンプルの時間整合を提供する。図は、整合/デジタル化されたビン信号72が処理回路14に供給されることを示す。
【0075】
LO136は、制御信号に応答して、1xまたは2xモードにおいて動作し、第1のミキサ122に供給する。同様に、オフセットLO138のセットが、周波数ビンオフセッティングのために、対応する第2のミキサ124にそれぞれのオフセット周波数信号を提供する。LO138は、アクティブ化制御シグナリングに応じてアクティブまたは非アクティブである。
【0076】
図14は、レーダーパルス生成および放出に関する、通信デバイス10の一実施形態を示す。例示的な構成では、通信デバイス10は、生成器制御シグナリングに応答する専用レーダーパルス送信機140を含み、生成器制御シグナリングは、1つまたは複数の実施形態では処理回路14によって提供される。スイッチ142が、デバイス10のアンテナ54がレーダーパルス送信機140と結合されるのかデバイス10の通信信号送信機50のうちの1つと結合されるのかを制御する。処理回路14から出力されたスイッチ制御シグナリングが、1つまたは複数の実施形態では、通信モードとジェスチャー認識モードとの間でスイッチするためにスイッチ142を制御する。スイッチ142はまた、通信モードにおける半二重動作のために、受信モードおよび送信モードからアンテナ54をスイッチすること提供し得るか、または示されていない1つまたは複数の追加のスイッチがそのようなスイッチングを提供し得る。
【0077】
特に、開示された(1つまたは複数の)本発明の修正および他の実施形態が、上記の説明および関連する図面において提示される教示の恩恵を得る当業者に、想到されるであろう。したがって、(1つまたは複数の)本発明が、開示された特定の実施形態に限定されるべきでないことと、修正および他の実施形態が、本開示の範囲内に含められるものであることとを理解されたい。本明細書では特定の用語が採用され得るが、それらの用語は、一般的および説明的意味で使用されるにすぎず、限定の目的のためのものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイス(10)による動作の方法(700)であって、前記方法(700)は、
前記通信デバイス(10)のアンテナ(54)から複数のレーダーパルス(60)を送信すること(702)と、
前記レーダーパルス(60)のうちのそれぞれのものに対応する反射信号(62)を受信すること(704)であって、
各反射信号(62)が、前記通信デバイス(10)の個々の通信信号受信機(52)の受信機帯域幅(68)よりも大きい信号帯域幅(64)を有し、各反射信号(62)が、前記個々の通信信号受信機(52)のアグリゲーションを使用して受信され、
前記アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機(52)が、前記反射信号(62)のそれぞれの周波数ビン(66)内にある、前記反射信号(62)の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号(72)を出力する、
反射信号(62)を受信すること(704)と、
前記複数のレーダーパルス(60)について取得された前記それぞれのビン信号(72)に対して測定を実施することによって測定データ(76)を生成すること(706)と、
複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズム(78)を介して前記測定データ(76)を評価すること(708)と、
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が前記複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、前記通信デバイス(10)における対応する制御アクションを開始すること(710)と
を行うことによってジェスチャー検出を実施することを含む、方法(700)。
【請求項2】
前記レーダーパルス(60)を送信することが、通信信号(18)を送信するために前記通信デバイス(10)によって使用される信号周波数の倍数である信号周波数を使用して前記レーダーパルス(60)を送信することを含み、前記方法(700)が、前記個々の通信信号受信機(52)による周波数ダウンコンバージョンのために使用されるミキサ周波数をセットするために同じ倍数を使用することを含む、請求項1に記載の方法(700)。
【請求項3】
ジェスチャー検出を実施するために、前記方法(700)が、アクティブのとき、前記倍数に従って局部発振器(LO)信号を乗算する、周波数乗算器回路をアクティブ化することを含み、前記LO信号が、前記通信デバイス(10)の送信周波数および受信周波数を制御する、請求項2に記載の方法(700)。
【請求項4】
前記個々の通信信号受信機(52)を調整することが、前記個々の通信信号受信機(52)のうちのそれぞれのものによって使用されるミキサ周波数を増分的にオフセットすることを含み、前記増分的にオフセットされたミキサ周波数が前記それぞれの周波数ビン(66)に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項5】
各反射信号について、前記対応するビン信号(72)が、各々、同相(I)信号と直交(Q)信号とを含み、前記ビン信号(72)に対して行われる前記測定が信号電力測定(74)を含み、したがって、前記測定データ(76)が反射強度マップを含み、前記マップ中の各値が、特定の受信サンプリング時間における、前記レーダーパルス(60)のうちの特定のものについての、および前記周波数ビン(66)のうちの特定のものにおける、反射信号強度を指示する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項6】
前記測定データ(76)を生成することは、前記複数のレーダーパルス(60)が送信される送信ウィンドウによって規定された一方の次元と、各反射信号(62)を受信するために使用されるサンプリングウィンドウによって規定された他方の次元とを有する2次元データセットとしてレーダー画像を形成することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項7】
前記2次元データセット中の個々の値がレーダー画像ピクセルであり、各レーダー画像ピクセルが、前記複数のレーダーパルス(60)における、前記サンプリングウィンドウ内の特定のサンプリング時間において、特定の周波数ビン(66)について、および特定のレーダーパルス(60)についてとられた信号強度測定である、請求項6に記載の方法(700)。
【請求項8】
前記対応する制御アクションを開始することが、前記通信デバイス(10)のホストプロセッサ上で稼働するソフトウェアアプリケーションによる使用のために、前記検出されたハンドジェスチャーの指示(80)を含むメッセージまたはシグナリング(82)を提供することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項9】
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が、前記規定されたハンドジェスチャーのうちのそれぞれのものについて特徴的な代表的測定データ(76)を使用してトレーニングされた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項10】
前記方法(700)が、通信するために1つまたは複数の第1の時間中に前記通信デバイス(10)の通信回路(12)を使用し、ジェスチャー認識を実施するために1つまたは複数の第2の時間中に前記通信回路(12)を使用する、時間多重化構成において前記ジェスチャー検出を実施することを含み、前記通信回路(12)が、前記個々の通信信号受信機(52)を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項11】
通信回路(12)と、
処理回路(14)と
を備える通信デバイス(10)であって、前記処理回路(14)は、
前記通信デバイス(10)のアンテナ(54)から複数のレーダーパルス(60)を送信することと、
前記レーダーパルス(60)のうちのそれぞれのものに対応する反射信号(62)を受信することであって、
各反射信号(62)が、前記通信デバイス(10)の個々の通信信号受信機(52)の受信機帯域幅(68)よりも大きい信号帯域幅(64)を有し、各反射信号(62)が、前記個々の通信信号受信機(52)のアグリゲーションを使用して受信され、
前記アグリゲーション中の各個々の通信信号受信機(52)が、前記反射信号(62)のそれぞれの周波数ビン(66)内にある、前記反射信号(62)の信号成分を受信するように調整され、対応するビン信号(72)を出力する、
反射信号(62)を受信することと
を行うように前記通信回路(12)を制御するように設定され、
前記処理回路(14)は、
前記複数のレーダーパルス(60)について取得された前記それぞれのビン信号(72)に対して測定を実施することによって測定データ(76)を生成することと、
複数の規定されたハンドジェスチャーを検出するようにトレーニングされたジェスチャー認識アルゴリズム(78)を介して前記測定データ(76)を評価することと、
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が前記複数の規定されたハンドジェスチャーのうちの1つを検出したことに応答して、前記通信デバイス(10)における対応する制御アクションを開始することと
を行うようにさらに設定された、通信デバイス(10)。
【請求項12】
前記レーダーパルス(60)が、通信信号(18)を送信するために前記通信デバイス(10)によって使用される信号周波数の倍数である信号周波数を有し、前記処理回路(14)が、前記個々の通信信号受信機(52)による周波数ダウンコンバージョンのために使用されるミキサ周波数をセットするために同じ倍数を使用する、請求項11に記載の通信デバイス(10)。
【請求項13】
ジェスチャー検出を実施するために、前記処理回路(14)が、アクティブのとき、前記倍数に従って局部発振器(LO)信号を乗算する、周波数乗算器回路をアクティブ化するように設定され、前記LO信号が、前記通信デバイス(10)の送信周波数および受信周波数を制御する、請求項12に記載の通信デバイス(10)。
【請求項14】
前記個々の通信信号受信機(52)が、前記個々の通信信号受信機(52)のうちのそれぞれのものによって使用される増分的にオフセットされたミキサ周波数に従って調整され、前記増分的にオフセットされたミキサ周波数が前記それぞれの周波数ビン(66)に対応する、請求項11から13のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項15】
各反射信号について、前記対応するビン信号(72)が、各々、同相(I)信号と直交(Q)信号とを含み、前記ビン信号(72)に対して行われる前記測定が信号電力測定(74)を含み、したがって、前記測定データ(76)が反射強度マップを含み、前記マップ中の各値が、特定の受信サンプリング時間における、前記レーダーパルス(60)のうちの特定のものについての、および前記周波数ビン(66)のうちの特定のものにおける、反射信号強度を指示する、請求項11から14のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項16】
前記処理回路(14)は、前記複数のレーダーパルス(60)が送信される送信ウィンドウによって規定された一方の次元と、各反射信号(62)を受信するために使用されるサンプリングウィンドウによって規定された他方の次元とを有する2次元データセットを含むレーダー画像として前記測定データ(76)を生成するように設定された、請求項11から15のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項17】
前記2次元データセット中の個々の値がレーダー画像ピクセルであり、各レーダー画像ピクセルが、前記複数のレーダーパルス(60)における、前記サンプリングウィンドウ内の特定のサンプリング時間において、特定の周波数ビン(66)について、および特定のレーダーパルス(60)についてとられた信号強度測定(74)である、請求項16に記載の通信デバイス(10)。
【請求項18】
前記対応する制御アクションを開始するために、前記処理回路(14)が、前記通信デバイス(10)のホストプロセッサ上で稼働するソフトウェアアプリケーションによる使用のために、前記検出されたハンドジェスチャーの指示(80)を提供するメッセージまたはシグナリング(82)を出力するように設定された、請求項11から17のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項19】
前記ジェスチャー認識アルゴリズム(78)が、前記規定されたハンドジェスチャーのうちのそれぞれのものについて特徴的な代表的測定データ(76)を使用してトレーニングされた畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含む、請求項11から18のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項20】
前記処理回路(14)が、通信するために1つまたは複数の第1の時間中に前記通信デバイス(10)の通信回路(12)を使用し、ジェスチャー認識を実施するために1つまたは複数の第2の時間中に前記通信回路(12)を使用する、時間多重化構成においてジェスチャー検出を実施するように前記通信デバイス(10)を制御するように設定され、前記通信回路(12)が、前記個々の通信信号受信機(52)を含む、請求項11から19のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【請求項21】
前記通信回路(12)が、1つまたは複数の通信信号送信機(50)または専用レーダーパルス送信機(140)を使用して、前記通信デバイス(10)の2つまたはそれ以上のアンテナ(54)からレーダーパルス(60)を送信するように設定された、請求項
11から20
のいずれか一項に記載の通信デバイス(10)。
【国際調査報告】