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特表2024-545637ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤およびその調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤およびその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 57/20 20060101AFI20241203BHJP
   C09K 23/16 20220101ALI20241203BHJP
   C09K 23/14 20220101ALI20241203BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20241203BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
A01N57/20 G
C09K23/16
C09K23/14
A01P13/00
A01N43/80 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024534172
(86)(22)【出願日】2023-04-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2023090406
(87)【国際公開番号】W WO2023207923
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202210457620.2
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】523277622
【氏名又は名称】南通江山▲農▼▲薬▼化工股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Nantong Jiangshan Agrochemical & Chemicals Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】No. 998, Jiangshan Rd., Economic and Technological Development Zone, Nantong City, Jiangsu Prov. 226000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】王利
(72)【発明者】
【氏名】朱▲艶▼梅
(72)【発明者】
【氏名】董▲塁▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼泳
(72)【発明者】
【氏名】樊梅云
【テーマコード(参考)】
4D077
4H011
【Fターム(参考)】
4D077AC05
4D077AC06
4D077AC07
4D077CA12
4D077DB03Y
4D077DB10X
4D077DB10Y
4D077DC28X
4D077DC28Y
4D077DC39X
4D077DC39Y
4D077DC51X
4D077DC51Y
4D077DC59X
4D077DC59Y
4D077DC67X
4D077DC67Y
4H011AB01
4H011BA02
4H011BB10
4H011BB17
4H011BC06
4H011BC18
4H011BC20
4H011DA16
4H011DA17
4H011DC05
4H011DC06
4H011DF03
4H011DF06
4H011DG16
(57)【要約】
本発明は、A01P13/00技術分野に関し、より具体的には、ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤およびその調製方法に関する。ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤は、成分として、重量部で、22~44部のグリホサートアンモニウム塩、0.5~1.5部のベンジルアゾール、3~8部の湿潤分散剤、10~15部の乳化剤、1~2部の構造調整剤、100部に補足する溶媒を含む。本出願における分散可能油懸濁剤は、従来技術におけるベンジルアゾールの分解問題を解決し、且つ該分散可能油懸濁剤はペースト化の問題がなく、優れた耐高温性、耐低温性を有し、且つ好ましい希釈安定性、持続発泡性および懸濁率を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分として、重量部で22~44部のグリホサートアンモニウム塩、0.5~1.5部のベンジルアゾール、3~8部の湿潤分散剤、10~15部の乳化剤、1~2部の構造調整剤、および100部に補足する溶媒を含むことを特徴とする、ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項2】
前記グリホサートアンモニウム塩と前記ベンジルアゾールの重量比が(28~38):1であることを特徴とする、請求項1に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項3】
前記湿潤分散剤が、スルホン酸塩類、ポリカルボン酸塩類、硫酸塩類分散剤のうちの1種または複数種であり、好ましくは、前記湿潤分散剤が、TSC-930、SP-OF3498D、GY-EM05、WELOD461から選択される1種または複数種であることを特徴とする、請求項2に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項4】
前記乳化剤が、OD21、ODE286、TSC901から選択される1種または複数種であることを特徴とする、請求項3に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項5】
前記湿潤分散剤と前記乳化剤との重量比が5:(11~14)であることを特徴とする、請求項4に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項6】
前記構造調整剤が、ホワイトカーボンブラックおよび/または有機ベントナイトであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項7】
前記構造調整剤が、(1~3):1の重量比であるホワイトカーボンブラックおよび有機ベントナイトであることを特徴とする、請求項6に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項8】
前記分散可能油懸濁剤が、さらに5~10重量部の相乗剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤。
【請求項9】
ベンジルアゾール、湿潤分散剤、乳化剤、構造調整剤、溶媒、グリホサートアンモニウム塩を混合した後、研磨することを含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤の調製方法。
【請求項10】
ベンジルアゾール、湿潤分散剤、乳化剤、構造調整剤、溶媒を混合して油相を形成することと、油相をサンドミルに添加し、油相を循環させた後、グリホサートアンモニウム塩を添加し、研磨することとを含むことを特徴とする、請求項9に記載の分散可能油懸濁剤の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、A01P13/00技術分野に関し、より具体的には、ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンジルアゾールをグリホサートと配合して、顕著な相乗作用をもたらし、即効性および持続性を効果的に向上させ、分散可能油懸濁剤、懸濁剤、水性エマルジョン、水分散性顆粒、顆粒剤等の剤型を調製することができる。しかしながら、高含有量のグリホサートの添加によって、生産過程において管路の詰まりが発生しやすくなるとともに、分散可能油懸濁剤はペースト化、原薬分解の問題が生じる。
【0003】
中国特許CN113491269Aは、ベンジルアゾール、グリホサート、界面活性剤、pH調整剤、構造安定剤、溶媒および油基を含む除草剤組成物を提供するが、生産過程におけるスケールアップ実験においてもペースト化のリスクがあり、且つその成分の種類が多く、生産効率の低下をもたらすとともに、その原料および調製方法によっては、管路の詰まり問題が生じる。
【0004】
したがって、ベンジルアゾールおよびグリホサートアンモニウム塩を含有する分散可能油懸濁剤を提供し、原料の種類を低減し、ペースト化、管路の詰まり等の問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術に存在するいくつかの問題に対して、本発明の第1の態様は、成分として、重量部で22~44部のグリホサートアンモニウム塩、0.5~1.5部のベンジルアゾール、3~8部の湿潤分散剤、10~15部の乳化剤、1~2部の構造調整剤、および100部に補足する溶媒を含む、ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤を提供する。
【0006】
一実施形態において、前記グリホサートアンモニウム塩とベンジルアゾールの重量比は(28~38):1であり、好ましくは、33:1である。
【0007】
一実施形態において、前記湿潤分散剤は、スルホン酸塩類、ポリカルボン酸塩類、硫酸塩類分散剤のうちの1種または複数種であり、好ましくは、前記湿潤分散剤は、TSC-930、SP-OF3498D、GY-EM05、WELOD461から選択される1種または複数種である。
【0008】
一実施形態において、前記乳化剤は、OD21、ODE286、TSC901から選択される1種または複数種である。
【0009】
一実施形態において、乳化剤がOD21である場合、湿潤分散剤は、TSC-930、SP-OF3498D、GY-EM05から選択される1種または複数であり、乳化剤がODE286である場合、湿潤分散剤はSP-OF3498Dであり、乳化剤がTSC901である場合、湿潤分散剤はSP-OF3498Dである。
【0010】
好ましくは、前記湿潤分散剤と乳化剤との重量比は、5:(11~14)であり、より好ましくは5:12である。
【0011】
出願人は、意外なことに、本出願における特定の種類および配合比の乳化剤と湿潤分散剤との組み合わせを選択し、少ない種類の助剤が存在する条件下で、得られた分散可能油懸濁剤が、より良好な粘度を有し、研磨過程および常温におけるペースト化のリスクがないとともに、熱/低温貯蔵後にベンジルアゾールの分解率が低下し、貯蔵寿命を延長させることを実験で発見し、出願人は、考えられる原因が特定の湿潤分散剤と乳化剤によって形成されるシステム、長い炭素鎖間の相互作用であり、且つ特定の湿潤分散剤および乳化剤に担持された極性基が、湿潤分散剤の櫛形構造を原薬分子間の分散安定性を高め、極端な条件下で、ベンジルアゾール分子の脱出を回避することであると考える。
【0012】
一実施形態において、前記構造調整剤がホワイトカーボンブラックおよび/または有機ベントナイトである。
【0013】
好ましくは、前記構造調整剤は、(1~3):1の重量比であるホワイトカーボンブラックと有機ベントナイトであり、より好ましくは重量比が(1~2):1である。
【0014】
本出願人は、意外なことに、本出願における特定の助剤が存在する条件下では、得られた分散可能油懸濁剤の底部に少量の固体が凝集し、有機ベントナイトを添加した後も底部に少量の固体が凝集することを実験で発見した。固体凝集の状況を解決するために、当業者は、通常、添加する助剤を調整することによって、原薬成分の分散性を向上させる。しかしながら、出願人は、本出願における特定の助剤を調整すると、高い油析出率および熱/低温貯蔵条件でベンジルアゾールの分解問題を引き起こすことを発見した。出願人は、意外なことに、構造調整剤が(1~2):1の重量比であるホワイトカーボンブラックと有機ベントナイトである場合、本出願における特定の湿潤分散剤と乳化剤助剤とを配合させる条件で、得られた分散可能油懸濁剤は、その底部に固体凝集がなく、同時に本出願における分散可能油懸濁剤の油析出性および耐寒性と耐熱性に影響を与えず、構造調整剤の油析出性および耐寒性と耐熱性への影響を回避することを発見した。出願人は、考えられる原因が、本出願における特定の湿潤分散剤および乳化剤が存在する条件下で、該特定の重量比のホワイトカーボンブラックおよび有機ベントナイトが、オレイン酸メチルエステル溶媒中に3次元構造を形成し、一定の粘度を維持し、ペースト化のリスクがないことであると考える。
【0015】
また、出願人は、意外なことに、本出願における特定の構造調整剤、湿潤分散剤、および乳化剤の組み合わせ、同時に本出願の特定の調製方法により、単一溶媒のオレイン酸メチルの存在下で、得られた分散可能油懸濁剤が、より優れた希釈安定性および持続発泡性を有することを発見した。出願人は、各分子が3次元構造の空間内で制御され、かつ大小分子鎖間が相互に配合され、時間が経つにつれてより緊密に絡み合うことを回避し、システム全体がより安定した粘度を維持すると考える。
【0016】
また、出願人は、意外なことに、追加の高速浸透剤、その他の界面活性剤などを添加しなくても、本出願で得られた分散可能油懸濁剤が、好ましい分散性、浸透性、濡れ性、密着性、ターゲット付着性、蒸散耐性、展延性などを有することを発見した。
【0017】
本出願において、溶媒は特に限定されず、当業者により従来から選択することができる。好ましい実施形態において、前記溶媒はオレイン酸メチルである。
【0018】
一つの実施形態において、前記ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤は、さらに、5~10重量部の相乗剤を含む。
【0019】
本出願において相乗剤としては、例えば、高速浸透剤T、スルホコハク酸ジエチルヘキシルNa、ジオクチルソジウムスルホサクシネートなどの陰イオン性界面活性剤、陰イオン性-非イオン性二重構造スルホン酸塩、例えば、脂肪族アルコールポリオキシエチレンエーテル、脂肪族アルコールポリオキシエチレンエーテルポリオキシプロピレンエーテル、Tweenなどの非イオン性界面活性剤、デカンアミド系物質などが挙げられる。
【0020】
本出願における相乗剤の商標は、3075V、FTRT(FTRTは登録商標です)TT、FIRT(FIRTは登録商標です)TV3、T-100、245-LQ-(TH)、L-1505-LQ-(AP)、4166などが挙げられる。
【0021】
本発明の第2の態様は、ベンジルアゾール、湿潤分散剤、乳化剤、構造調整剤、溶媒を混合して油相を形成することと、油相をサンドミルに添加し、油相を循環させた後、グリホサートアンモニウム塩を添加し、研磨することとを含む分散可能油懸濁剤の調製方法を提供する。
【0022】
一実施形態において、前記分散可能油懸濁剤の調製方法は、ベンジルアゾールをオレイン酸メチルに溶解し、その後、残りの原料を添加してせん断した後、均一な油相を形成することと、サンドミルに0~50℃の湯を入れた後、油相を添加し、油相の循環が正常になった後、グリホサートアンモニウム塩を添加して研磨し得ることとを含む。
【0023】
出願人は、本出願における分散可能油懸濁剤中のグリホサートアンモニウム塩の重量比が比較的高く、調製過程において、グリホサートアンモニウム塩が沈降し、ブロッキングしやすいことなどによって循環管路が詰まることをもたらすことを実験で発見した。しかし、出願人は、意外なことに、まず、本出願におけるベンジルアゾール、特定の湿潤分散剤、乳化剤、構造調整剤、溶媒を混合した後、油相を循環させた後、グリホサートアンモニウム塩を添加し、この場合、グリホサートアンモニウム塩による管路の詰まり問題を回避し、且つ後期において研磨際の加工性がよく、理想的な粒子径分布を得ることができることを発見した。出願人は、考えられる原因が、本出願において形成された油相にグリホサートアンモニウム塩を添加し、この場合、油相の流動性により、グリホサートアンモニウム塩を添加した後の初期によく分散循環させることができ、局所的なグリホサートアンモニウム塩の沈降による管路の詰まりを回避し、また、該方法により得られた分散可能油懸濁剤の転倒後の残留物が少ないことであると考える。
【0024】
本発明は、従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0025】
本出願における分散可能油懸濁剤は、従来技術におけるベンジルアゾールの分解問題を解決し、且つ該分散可能油懸濁剤はペースト化の問題がなく、優れた耐高温性、耐低温性を有し、且つ好ましい希釈安定性、持続発泡性および懸濁率を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は本出願の実施例1の分散可能油懸濁剤を使用した3日後の除草(アゲラタム、エノコログサ、ヤナギダテ)の効果図である。
図2図2は本出願の実施例1の分散可能油懸濁剤を使用した7日後の除草(アゲラタム、エノコログサ、ヤナギダテ)の効果図である。
図3図3は本出願の実施例1の分散可能油懸濁剤を使用した3日後の除草(オヒシバ、エノコログサ、アシ、ツバナ、メヒシバ、モギ、ヒメジョオン、テツドウグサ、カナムグラ、ヨメナ、ヤブガラシ、タコノアシ)の効果図である。
図4図4は本出願の実施例1の分散可能油懸濁剤を使用した15日後の除草(オヒシバ、エノコログサ、アシ、ツバナ、メヒシバ、モギ、ヒメジョオン、テツドウグサ、カナムグラ、ヨメナ、ヤブガラシ、タコノアシ)の効果図である。
図5図5は本出願の実施例1の分散可能油懸濁剤を使用した30日後の除草(オヒシバ、エノコログサ、アシ、ツバナ、メヒシバ、モギ、ヒメジョオン、テツドウグサ、カナムグラ、ヨメナ、ヤブガラシ、タコノアシ)の効果図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、具体的な実施形態により本発明を説明するが、以下に示す具体的な実施例に限定されない。
実施例1
【0028】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤は、重量部で、具体的な成分として、33部のグリホサートアンモニウム塩、1部のベンジルアゾール、5部の湿潤分散剤TSC-930、12部の乳化剤OD21、1部のホワイトカーボンブラック、1部の有機ベントナイト、100部に補充するオレイン酸メチルを含む。
【0029】
ここで、グリホサートアンモニウム塩は当社が製造され、純度が96%以上であり、ベンジルアゾールは当社が製造され、純度が92%以上であり、湿潤分散剤TSC-930は竹本油脂株式会社から購入され、乳化剤OD21は無錫頤景豊科技有限公司から購入され、ホワイトカーボンブラックは南通市葉律新材料販売有限公司から購入され、有機ベントナイトは張家港保税区広興国際貿易有限公司から購入された。
【0030】
該分散可能油懸濁剤の調製方法は以下の通りである。
(1)ベンジルアゾールをオレイン酸メチルに溶解した後、残りの原料を添加し、高速せん断機5速で5min剪断して均一な油相を形成し使用に備える。
(2)横型サンドミルに50℃の湯を入れ、割合でまず油相を投入し、循環が正常になった後、グリホサートアンモニウム塩を添加し、粒子径D97が6.235μm、D10が0.527μm、D50が1.090μm、D90が3.446μmであるように研磨する。
【0031】
該実施例で得られた分散可能油懸濁剤を試験し、試験結果を表1に示す。
【表1】
備考:油析出率の試験環境は、14日間で高温貯蔵し、常温で長期間放置し、高温貯蔵から室温に移することであり、いずれも明らかな油析出がない。
【0032】
該実施例で得られた分散可能油懸濁剤に対して薬効試験を行った。
【0033】
室内試験は以下の通りである。
「試験雑草」イチビ、スベリヒユ、オヒシバ、メヒシバ、ヒエ
「試験単位」浙江農林大学緑色農薬協同創新中心(陳傑)
「試験方法」
温室(28±5℃)の鉢植えの植物に対して茎と葉をミスト散布し、3つの重複を設定し、別途ブランク対照を設置する。植物を処理した後に温室で通常に培養し、定時に植物株の反応症状を観察し、薬を散布した後10日目に雑草の地上部分の生重量を計量し、生重量と防除効果を計算し、完全に枯死した雑草の防除効果を100%で計算する。
「試験結果」
イチビ、スベリヒユ、オヒシバ、メヒシバ、ヒエは、いずれも除草性が90.0%以上となった。
【0034】
圃場試験は以下の通りである。
【0035】
試験1
「試験地点」臨安市径山鎮緑君衣庄
「試験単位」浙江農林大学緑色農薬協同創新中心(陳傑)
「試験時間」2021.07.06~2021.08.05
「製剤使用量」190g/ムー
「主要雑草」アゲラタム、エノコログサ、ヤナギダテ、雑草は熟成結実期にあり、被覆度は80~100%である。
「試験結果」
図1に示すように、薬を散布した後3日目、一定の中毒症状を示し、雑草の葉は萎れ始め、図2に示すように、薬を散布した後7日目に効果が顕著である。
【0036】
試験2
「試験地点」江山会社東場区空地(業務発展部の社内スタッフによって完成)
「試験時間」2021.8.9~2021.9.8
「製剤使用量」180g/ムー
「主要雑草」オヒシバ、エノコログサ、アシ、ツバナ、メヒシバ、モギ、ヒメジョオン、テツドウグサ、カナムグラ、ヨメナ、ヤブガラシ、タコノアシ
「試験結果」
図3に示すように、薬を散布した後3日目、一定の中毒症状を示し、図4に示すように、薬を散布した後15日目、効果が顕著であり、図5に示すように、薬を散布した後30日目、雑草はほとんどなくなる。
実施例2
【0037】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3494Dに置き換えられ、江蘇▲ちん▼宇化工科技有限公司から購入されたことである。
【0038】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤の調製方法は、実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3494Dに置き換えられたことである。
実施例3
【0039】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は、実施例1と同じであり、異なる点は、有機ベントナイト0.5部である。
【0040】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じである。
【0041】
実施例2および実施例3の分散可能油懸濁剤はいずれも明らかな油析出現象が発生しなかった。
実施例4
【0042】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は、実施例1と同じであり、異なる点は、5部の湿潤分散剤TSC-930と12部の乳化剤OD21が17部のハンツマンWELOD461に置き換えられたことである。
【0043】
分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930および乳化剤OD21が461に置き換えられたことである。
実施例5
【0044】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3498Dに置き換えられたことである。
【0045】
分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3498Dに置き換えられ、ステップ(2)において粒子径D97が2.824μmになるまで研磨したことである。
実施例6
【0046】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3498Dに置き換えられ、乳化剤OD21がODE286に置き換えられたことである。
【0047】
分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3498Dに置き換えられ、乳化剤OD21がODE286に置き換えられたことである。
実施例7
【0048】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤SP-OF3498Dに置き換えられ、乳化剤OD21がTSC901に置き換えられたことである。
【0049】
分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤3498Dに置き換えられ、乳化剤OD21がTSC901に置き換えられ、粒子径D97が2.577μmになるまで研磨したことである。
実施例8
【0050】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤GY-EM05に置き換えられたことである。
【0051】
分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤TSC-930が湿潤分散剤GY-EM05に置き換えられ、粒子径D97が2.458μmになるまで研磨したことである。
実施例9
【0052】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じである。
【0053】
分散可能油懸濁剤の調製方法は実施例1と同じであり、異なる点は、ステップ(2)において粒子径D97が2.787μmになるまで研磨したことである。
【0054】
実施例4~実施例9の試験結果を表2に示す。
【表2】
【0055】
そのうち、粘度、希釈安定性、持続発泡性の試験方法は実施例1と同じである。
【0056】
懸濁率の試験方法または試験基準は、標準硬水を用いて被試験試料を適切な濃度の懸濁液に調製する。所定の条件でメスシリンダーに一定時間静置し、底部の10分の1の懸濁液と沈殿物における有効成分質量を測定する。
【0057】
試験過程において、実施例5および実施例9で得られた分散可能油懸濁剤の希釈安定性が合格であり、且つ実施例9で得られた分散可能油懸濁剤の分散性が実施例5の分散可能油懸濁剤より優れ、実施例9の分散可能油懸濁剤が雲霧状に分散した。
実施例10~15
【0058】
実施例10~実施例15は、分散可能油懸濁剤を提供し、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、ホワイトカーボンブラックと有機ベントナイトの含有量が異なることであり、調製方法と具体的な実施形態は実施例1と同じであり、異なる点は粒子径D97が異なることであり、具体的には表3を参照する。
【表3】
実施例16~26
【0059】
実施例16~26は、分散可能油懸濁剤を提供し、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤と乳化剤の種類が異なることであり、具体的には表4を参照する。
【表4】
実施例27-33
【0060】
ベンジルアゾールを含有する分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、湿潤分散剤と乳化剤の種類が異なることであり、具体的には表5を参照する。
【0061】
調製方法と具体的な実施形態は実施例1と同じであり、異なる点は、添加した対応する湿潤分散剤および乳化剤が異なることである。
【表5】
【0062】
本出願の実施例5と実施例28の配合方法は同じであり、その試験結果のばらつきが合理的な範囲内であり、試験結果が安定である。
実施例34~39
【0063】
分散可能油懸濁剤について、具体的な成分は実施例1と同じであり、異なる点は、グリホサートアンモニウム塩がグリホサート酸であり、湿潤分散剤、乳化剤が異なり、成分が安定剤のポリリン酸ナトリウムをさらに含むことであり、具体的には表6を参照する。
【表6】
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】