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特表2024-545665車両オーディオシステムにおけるマルチバンドベース管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】車両オーディオシステムにおけるマルチバンドベース管理
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/14 20060101AFI20241203BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H04R3/14
H04R1/02 102B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535565
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022081584
(87)【国際公開番号】W WO2023114864
(87)【国際公開日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/265,447
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515301041
【氏名又は名称】アティエヴァ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース、ピーター ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カラリス、アントニオス
(72)【発明者】
【氏名】アグラワル、アルヴィンド
【テーマコード(参考)】
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
5D017AE15
5D017AE17
5D220AA14
(57)【要約】
車両におけるマルチバンドベース管理を実行する方法は:車両におけるオーディオシステムによって、オーディオ信号から第1のベースオーディオ情報を分離する段階、前記第1のベースオーディオ情報は、第1の周波数未満の前記オーディオ信号の全てのコンテンツを含む;前記車両の前記オーディオシステムの複数のウーファのうちの各々に第2のベースオーディオ情報を提供する段階、前記第2のベースオーディオ情報は、第2の周波数を超える前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む;及び前記複数のウーファの全てよりも少数のウーファに第3のベースオーディオ情報を提供する段階、前記第3のベースオーディオ情報は、前記第2のベースオーディオ情報以外の前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両におけるマルチバンドベース管理を実行する方法であって、
前記車両におけるオーディオシステムによって、オーディオ信号から第1のベースオーディオ情報を分離する段階、前記第1のベースオーディオ情報は、第1の周波数未満の前記オーディオ信号の全てのコンテンツを含む;
前記車両の前記オーディオシステムの複数のウーファのうちの各々に第2のベースオーディオ情報を提供する段階、前記第2のベースオーディオ情報は、第2の周波数を超える前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む;及び
前記複数のウーファの全てよりも少数のウーファに第3のベースオーディオ情報を提供する段階、前記第3のベースオーディオ情報は、前記第2のベースオーディオ情報以外の前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む、
を備える、方法。
【請求項2】
前記第3のベースオーディオ情報は、前記複数のウーファのうちの第1のウーファに提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3のベースオーディオ情報は、前記第1のウーファが前記複数のウーファのうちの少なくとも第2のウーファよりも大きい筐体サイズを有することに基づいて、前記第1のウーファに提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のベースオーディオ情報は、ウーファタイプに基づいて、前記第1のウーファに提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第3のベースオーディオ情報は、前記車両のトランク領域において複数の第1のウーファに提供される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のウーファは、前記車両のトランク領域に位置決めされている、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のウーファのうちの第2のウーファは、前記車両のフロントに位置決めされており、前記第3のベースオーディオ情報ではなく、前記第2のベースオーディオ情報が、前記第2のウーファに提供される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記車両は、前記車両の前記フロントにおいて複数の第2のウーファを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
車両のためのオーディオシステムであって、
非ウーファスピーカ;
第1のウーファ及び第2のウーファ;
オーディオ信号から第1のベースオーディオ情報を、前記オーディオ信号の残りの部分が前記非ウーファスピーカに提供される前に分離する第1のフィルタ、前記第1のベースオーディオ情報は、第1の周波数未満の前記オーディオ信号の全てのコンテンツを含む;
前記第1のウーファ及び前記第2のウーファに第2のベースオーディオ情報を提供するための第2のフィルタ、前記第2のベースオーディオ情報は、第2の周波数を超える前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む;及び
前記第2のウーファではなく前記第1のウーファに第3のベースオーディオ情報を提供するための第3のフィルタ、前記第3のベースオーディオ情報は、前記第2のベースオーディオ情報以外の前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む、
を備える、オーディオシステム。
【請求項10】
前記第1のウーファは、前記第2のウーファよりも大きい筐体サイズを有する、請求項9に記載のオーディオシステム。
【請求項11】
前記第1のウーファは、前記第2のウーファとは異なるタイプである、請求項9に記載のオーディオシステム。
【請求項12】
少なくとも2つの第1のウーファを更に備え、前記第2のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第1のウーファに提供され、前記第3のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第1のウーファに提供される、請求項9に記載のオーディオシステム。
【請求項13】
前記第1のウーファは、前記車両のトランク領域に位置する、請求項9に記載のオーディオシステム。
【請求項14】
前記第2のウーファは、前記車両のフロントに位置決めされている、請求項13に記載のオーディオシステム。
【請求項15】
前記車両の前記フロントに位置決めされた少なくとも2つの第2のウーファを更に備え、前記第2のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第2のウーファに提供され、前記第3のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第2のウーファに提供されない、請求項14に記載のオーディオシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「MULTIBAND BASS MANAGEMENT IN VEHICLE AUDIO SYSTEM」と題する2021年12月15に提出された米国特許出願第63/265,447号に対する優先権を主張し、同米国特許出願の開示は、その全体が本明細書において参照によって組み込まれる。
【0002】
本開示は、車両のオーディオシステムにおけるマルチバンドベース管理を実行することに関する。
【背景技術】
【0003】
車両は数十年にわたってオーディオシステムを備えているが、それらは概して、映画館等の公的会場、又は急速に発展しているハイエンドの家庭用サラウンドサウンドシステムの分野において使用されている最も洗練されたシステムに近いリスニング体験を提供することが可能ではなかった。車両技術の前進及び複素化は、車両に著しくより強力なコンピュータ処理リソースを提供することによって、及び運転中に車両を著しくより静かにすることによって、この点に関して状況を変化させてきている。しかしながら、車両に特有の幾つかの物理的制約が、本来であれば存在しないかもしれない追加の課題を導入し得る。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様では、車両におけるマルチバンドベース管理を実行する方法は:車両におけるオーディオシステムによって、オーディオ信号から第1のベースオーディオ情報を分離する段階、前記第1のベースオーディオ情報は、第1の周波数未満の前記オーディオ信号の全てのコンテンツを含む;前記車両の前記オーディオシステムの複数のウーファのうちの各々に第2のベースオーディオ情報を提供する段階、前記第2のベースオーディオ情報は、第2の周波数を超える前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む;及び前記複数のウーファの全てよりも少数のウーファに第3のベースオーディオ情報を提供する段階、前記第3のベースオーディオ情報は、前記第2のベースオーディオ情報以外の前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む、を備える。
【0005】
実装は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。前記第3のベースオーディオ情報は、前記複数のウーファのうちの第1のウーファに提供される。前記第3のベースオーディオ情報は、前記第1のウーファが前記複数のウーファのうちの少なくとも第2のウーファよりも大きい筐体サイズを有することに基づいて、前記第1のウーファに提供される。前記第3のベースオーディオ情報は、ウーファタイプに基づいて、前記第1のウーファに提供される。前記第3のベースオーディオ情報は、前記車両のトランク領域において複数の第1のウーファに提供される。前記第1のウーファは、前記車両のトランク領域に位置決めされている。前記複数のウーファのうちの第2のウーファは、前記車両のフロントに位置決めされており、前記第3のベースオーディオ情報ではなく、前記第2のベースオーディオ情報が、前記第2のウーファに提供される。前記車両は、前記車両の前記フロントにおいて複数の第2のウーファを有する。
【0006】
第2の態様では、車両のためのオーディオシステムは:非ウーファスピーカ;第1及び第2のウーファ;オーディオ信号から第1のベースオーディオ情報を、前記オーディオ信号の残りの部分が前記非ウーファスピーカに提供される前に分離する第1のフィルタ、前記第1のベースオーディオ情報は、第1の周波数未満の前記オーディオ信号の全てのコンテンツを含む;前記第1及び第2のウーファに第2のベースオーディオ情報を提供するための第2のフィルタ、前記第2のベースオーディオ情報は、第2の周波数を超える前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む;及び前記第2のウーファではなく前記第1のウーファに第3のベースオーディオ情報を提供するための第3のフィルタ、前記第3のベースオーディオ情報は、前記第2のベースオーディオ情報以外の前記第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む、を備える。
【0007】
実装は、以下の特徴のうちのいずれか又は全てを含むことができる。前記第1のウーファは、前記第2のウーファよりも大きい筐体サイズを有する。前記第1のウーファは、前記第2のウーファとは異なるタイプである。前記オーディオシステムは、少なくとも2つの第1のウーファを更に備え、前記第2のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第1のウーファに提供され、前記第3のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第1のウーファに提供される。前記第1のウーファは、前記車両のトランク領域に位置する。前記第2のウーファは、前記車両のフロントに位置決めされている。前記オーディオシステムは、前記車両の前記フロントに位置決めされた少なくとも2つの第2のウーファを更に備え、前記第2のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第2のウーファに提供され、前記第3のベースオーディオ情報は、前記少なくとも2つの第2のウーファに提供されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複数のロケーションにあるウーファを有する車両の一例を概略的に示す図である。
【0009】
図2】マルチバンドベース管理を実行することができる車両オーディオシステムの一例を示す図である。
【0010】
図3】マルチバンドベース管理の一例を示す図である。
【0011】
図4】コンピュータシステムの例示のアーキテクチャを示す図である。
【0012】
様々な図面における同様の参照符号又は番号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、複数のウーファを有する車両のオーディオシステムにおけるマルチバンドベース管理を実行するシステム及び技法の例を与える。車両における全てのウーファのうちのいずれのウーファがベースオーディオのいずれの部分を再生するべきであるかを制御する際に、車両におけるウーファの異なる特性及び/又は性能特性を考慮に入れることができる。例えば、一部のベースオーディオは、車両のウーファの全てによって再生することができ、一方、その代わりに、最低周波数を有するベースオーディオは、そのような周波数において比較的より良好な性能を有するウーファのうちの1つ又は複数のみによって再生することができる。例えば、全てのウーファが、およそ同じサイズ又は技術的特性を有し得、性能差は、主にウーファのためのそれぞれの筐体サイズに由来し得る。別の例として、ウーファは、それらが異なるタイプであることを理由に異なる性能特性を有し得る。本開示は、これらの及び/又は他の課題に対処することができる。
【0014】
本明細書において説明される例は、車両に言及する。車両は、搭乗者又は積荷、又はその両方を輸送する機械である。車両は、少なくとも1つのタイプの燃料又は他のエネルギー源(例えば、電気)を使用する1つ又は複数のモータを有することができる。車両の例としては、車、トラック、及びバスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。車輪の数は、複数のタイプの車両の間で異なることができ、車輪のうちの1つ又は複数(例えば、全て)を車両の推進のために使用することができる。車両は、1人又は複数人の人を収容する搭乗者コンパートメントを含むことができる。少なくとも1人の車両の乗員は、運転者であるとみなすことができ;その場合、様々な道具、器具、又は他のデバイスを運転者に提供することができる。車両によって運ばれる任意の人は、当該人が車両を運転しているか否か又はどの程度運転しているか、又は当該人が車両を運転するための制御装置の全て又は一部のみへのアクセスを有するか否か、又は当該人が車両を運転するための制御装置を欠いているか否かにかかわらず、車両の「運転者」又は「搭乗者」と称され得る。
【0015】
本明細書において説明される例は、フィルタに言及する。本明細書において使用される場合、フィルタは、オーディオ情報の2つ又はそれよりも多くの成分を互いから区別する(例えば、分離、隔離、又はソートする)ことができる任意の技術を含む。例えば、デジタル信号処理において、フィルタは、オーディオ信号を分割して2つ又はそれよりも多くのその構成部分にするために使用することができる。
【0016】
図1は、複数のロケーションにあるウーファ102及び104A~104Bを有する車両100の一例を概略的に示している。車両100は、ここでは、上面図において示されている。ウーファ102及び104A~104Bは、車両100内部(例えば、限定されるものではないが、搭乗者コンパートメント内又はトランクスペース内)に位置決めされている(例えば、マウントされている)。包括的なスピーカシンボルによって表されるウーファ102及び104A~104Bは、ここでは明確性のために車両100の筐体の外部に概略的に示されている。幾つかの実装では、ウーファ102及び104A~104B(例えば、それらのそれぞれのボイスコイル)は、互いにおよそ同じサイズであり、及び/又は同等の技術仕様を有することができる。しかしながら、以下で例示されるように、ウーファ102及び104A~104B全ての性能(例えば、低周波数性能)が、必ずしも互いに同じ又は同様であるとは限らない。ウーファ102及び/又は104A~104Bは、本明細書における他の箇所で説明される1つ又は複数の他の例とともに使用することができる。
【0017】
ウーファ102は、筐体106を有するものとして概略的に示されている。概して、筐体は、スピーカのフロント音放射及びリア音放射の間の音相殺の発生を防止又は低減しようとすることができる。幾つかの実装では、筐体106は、車両100の幾つかの又は全ての他のウーファのための筐体よりも比較的小さいものとすることができる。例えば、ウーファ102は、車両100のAピラー又は車両ボディの別の部分にマウントすることができる。したがって、筐体106は、車両100の構造的特性に起因して比較的限られたサイズであり得る。上記の又は他の理由で、ウーファ102は、特定の低周波数性能特性を有することができる。幾つかの実装では、車両100は、ウーファ102の2つ又はそれよりも多くのインスタンスを(例えば、2つのAピラーの各々に1つずつ)有することができる。
【0018】
ウーファ104A~104Bは、筐体108を有するものとして概略的に示されている。幾つかの実装では、筐体108は、車両100の幾つかの又は全ての他のウーファのための筐体よりも比較的大きいものとすることができる。例えば、ウーファ104A~104Bは、車両100のリアの方に(例えば、トランクスペースに後退させる等で、車両100のトランク領域において)マウントすることができる。したがって、筐体108は、比較的大きいサイズとすることができる。示されているように、車両は、トランクスペース内に又はこのトランクスペースに隣接して1つよりも多くのボイスコイル(例えば、ウーファ104A~104Bによって表される2つのボイスコイル)を有することができる。上記の又は他の理由で、ウーファ104A~104Bは、特定の低周波数性能特性を有することができる。例えば、ウーファ104A~104Bの低周波数性能特性は、ウーファ102の低周波数性能特性よりも良好であり得る。本開示に係るシステム及び技法は、例えば今言及された状況に対処するために、マルチバンドベース管理を実行することができる。
【0019】
図2は、マルチバンドベース管理を実行することができる車両オーディオシステム200の一例を示している。図3は、オーディオ情報の周波数を表す軸の形式でマルチバンドベース管理の一例300を示している。車両オーディオシステム200及び/又は例300は、本明細書における他の箇所で説明される1つ又は複数の他の例とともに使用することができる。車両オーディオシステム200は、図4を参照して以下で説明される幾つかの又は全ての例を使用して実装することができる。
【0020】
車両オーディオシステム200は、少なくとも1つのオーディオソース202を備える。オーディオソース202は、車両に対してローカル(例えば、ローカルハードドライブ、メモリ、又は他のオーディオストレージデバイス)とすることもできるし、又はリモート(例えば、1つ又は複数のコーディングフォーマットにおいてオーディオコンテンツを供給する1つ又は複数の遠隔に位置するサーバへのネットワーク接続)とすることもできる。ここでは、オーディオソース202からのオーディオコンテンツ204は、オーディオ情報のチャネル206を含むものとして概略的に示されている。例えば、チャネル206は、横方向チャネル、高さチャネル、又はウーファチャネルのうちの1つ又は複数を含むことができる。1つ又は複数のチャネルを使用することができる。
【0021】
車両オーディオシステム200は、オーディオソース202からオーディオコンテンツ204を受信又は取得することができるオーディオプロセッサ208を備えることができる。オーディオプロセッサ208は、オーディオコンテンツ204のオーディオ信号からベースオーディオ情報302を分離することができるフィルタ210を備える。ベースオーディオ情報302は、周波数304未満のオーディオ信号の全てのコンテンツを含む。フィルタ210は、(矢印によって概略的に示されるように)ベースオーディオ情報302以外のオーディオ信号の残りの部分を、以下で例示されるツイータスピーカ218、ミッドレンジスピーカ220、又はフルレンジスピーカ222の1つ又は複数のスピーカに提供することができる。
【0022】
オーディオプロセッサ208は、(矢印によって概略的に示されるように)ベースオーディオ情報306を、オーディオシステム200のウーファ224のうちの各1つに提供することができるフィルタ212を備える。ベースオーディオ情報306は、周波数308を超えるベースオーディオ情報302の全てのコンテンツを含む。周波数308は、周波数304よりも低い。すなわち、周波数308を超える全てのベースオーディオ情報が、オーディオシステム200におけるウーファ224の全てによって再生される。例えば、ウーファ224は、図1におけるウーファ102及び104A~104B及び/又は他のウーファの全てを含むことができる。
【0023】
オーディオプロセッサ208は、(矢印によって概略的に示されるように)ベースオーディオ情報310を、ウーファ224の全てよりも少数のウーファに提供することができるフィルタ214を備える。ベースオーディオ情報310は、ベースオーディオ情報306以外のベースオーディオ情報302の全てのコンテンツを含む。ベースオーディオ情報310は、ウーファ224A等の、ウーファ224のうちの1つ又は複数のウーファを含むサブセットに提供することができる。すなわち、ウーファ224Aには、ベースオーディオ情報306及びベースオーディオ情報310の両方を含むベースオーディオ情報302の全てを提供することができる。対照的に、ウーファ224のうちの別の1つ(例えば、図1におけるウーファ102)には、ベースオーディオ情報310ではなくベースオーディオ情報306を提供することができる。
【0024】
幾つかの実装では、ウーファ224Aは、ウーファ224のうちの少なくとも別の1つよりも良好な低周波数性能特性を有するウーファを含むことができる。例えば、ウーファ224Aは、図1におけるウーファ104A~104Bのうちの一方又は両方を含むことができる。ベースオーディオ情報310は、ウーファ224Aがウーファ224の少なくとも別の1つよりも大きい筐体サイズを有することに基づいて、ウーファ224Aに提供することができる。ベースオーディオ情報310は、ウーファ224Aがウーファ224の少なくとも別の1つとは異なるタイプであることに基づいて、ウーファ224Aに提供することができる。
【0025】
概略的に示されているように、車両216において少なくともオーディオプロセッサ208を実装することができる。車両216は、限定されるものではないが、ツイータスピーカ、ミッドレンジスピーカ、フルレンジスピーカ、及び/又はウーファを含む1つ又は複数のタイプのスピーカを備える。各スピーカ(タイプ)は、電気的入力を音波に変換するための1つ又は複数のトランスデューサ(例えば、ボイスコイル)を備えることができる。車両216は、車両216内で複数の配置のうちのいずれかを有することができるn個のツイータスピーカ218を備えることができる。車両216は、車両216内で複数の配置のうちのいずれかを有することができるm個のミッドレンジスピーカ220を備えることができる。車両216は、車両216内で複数の配置のうちのいずれかを有することができる(時としてツイドラスピーカ(twiddler speaker)と称される)p個のフルレンジスピーカ222を備えることができる。車両216は、車両216内で複数の配置のうちのいずれかを有することができるq個のウーファ224(例えば、サブウーファ)を備えることができる。ツイータスピーカ218、ミッドレンジスピーカ220、及び/又はフルレンジスピーカ222の1つ又は複数のスピーカのセットは、非ウーファスピーカと称され得る。
【0026】
上記の例は、車両のためのオーディオシステム(例えば、オーディオシステム200)が、非ウーファスピーカ(例えば、ツイータスピーカ218、ミッドレンジスピーカ220、及び/又はフルレンジスピーカ222の1つ又は複数のスピーカ);第1及び第2のウーファ(例えば、図1におけるウーファ104A及び102);オーディオ信号(例えば、オーディオコンテンツ204)から第1のベースオーディオ情報(例えば、ベースオーディオ情報302)を、オーディオ信号の残りの部分が非ウーファスピーカに提供される前に分離する第1のフィルタ(例えば、フィルタ210)、第1のベースオーディオ情報は、第1の周波数(例えば、周波数304)未満のオーディオ信号の全てのコンテンツを含む;第1及び第2のウーファに第2のベースオーディオ情報(例えば、ベースオーディオ情報306)を提供するための第2のフィルタ(例えば、フィルタ212)、第2のベースオーディオ情報は、第2の周波数(例えば、周波数308)を超える第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む;及び第2のウーファではなく第1のウーファに第3のベースオーディオ情報(例えば、ベースオーディオ情報310)を提供するための第3のフィルタ(例えば、フィルタ214)、第3のベースオーディオ情報は、第2のベースオーディオ情報以外の第1のベースオーディオ情報の全てのコンテンツを含む、を備えることができることを示している。
【0027】
図4は、本明細書において説明されるシステム、装置、及び/又は技法のいずれか、又は様々な可能な実施形態において利用され得る他の任意のシステム、装置、及び/又は技法を含む、本開示の態様を実装するために使用することができるコンピューティングデバイス400の例示のアーキテクチャを示している。
【0028】
図4に示されているコンピューティングデバイスを使用して、本明細書において説明されるオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、及び/又は(ソフトウェアエンジンを含む)ソフトウェアモジュールを実行することができる。
【0029】
コンピューティングデバイス400は、幾つかの実施形態では、中央処理ユニット(CPU)等の少なくとも1つの処理デバイス402(例えば、プロセッサ)を備える。様々な製造業者、例えば、Intel社又はAdvanced Micro Devices社から様々な処理デバイスが入手可能である。この例では、コンピューティングデバイス400は、システムメモリ404、及び、システムメモリ404を含む様々なシステムコンポーネントを処理デバイス402に結合するシステムバス406も備える。システムバス406は、限定されるものではないが、様々なバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用する、メモリバス、又はメモリコントローラ;ペリフェラルバス;及びローカルバスを含む、使用することができる任意の数のタイプのバス構造のうちの1つである。
【0030】
コンピューティングデバイス400を使用して実装することができるコンピューティングデバイスの例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、(スマートフォン、タッチパッドモバイルデジタルデバイス、又は他のモバイルデバイス等の)モバイルコンピューティングデバイス、又はデジタル命令を処理するように構成された他のデバイスが挙げられる。
【0031】
システムメモリ404は、リードオンリメモリ408及びランダムアクセスメモリ410を備える。起動中等にコンピューティングデバイス400内で情報を転送するように機能する基本ルーチンを含む基本入力/出力システム412を、リードオンリメモリ408に記憶することができる。
【0032】
コンピューティングデバイス400は、幾つかの実施形態では、デジタルデータを記憶するためのハードディスクドライブ等の二次記憶デバイス414も備える。二次記憶デバイス414は、二次記憶インターフェース416によってシステムバス406に接続される。二次記憶デバイス414、及びその関連付けられたコンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス400のための(アプリケーションプログラム及びプログラムモジュールを含む)コンピュータ可読命令、データ構造及び他のデータの不揮発性でかつ非一時的なストレージを提供する。
【0033】
本明細書において説明される例示の環境は二次記憶デバイスとしてハードディスクドライブを採用しているが、他の実施形態では他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が使用される。これらの他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体の例としては、磁気カセット、フラッシュメモリカード、ソリッドステートドライブ(SSD)、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタル多用途ディスクリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、又はリードオンリメモリが挙げられる。幾つかの実施形態は、非一時的媒体を含む。例えば、コンピュータプログラム製品を、非一時的記憶媒体において有形に具現化することができる。加えて、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、ローカルストレージ又はクラウドベースストレージを含むことができる。
【0034】
二次記憶デバイス414、及び/又は、オペレーティングシステム418、1つ又は複数のアプリケーションプログラム420、(本明細書において説明されるソフトウェアエンジン等の)他のプログラムモジュール422、及びプログラムデータ424を含むシステムメモリ404に、複数のプログラムモジュールを記憶することができる。コンピューティングデバイス400は、任意の適したオペレーティングシステムを利用することができる。
【0035】
幾つかの実施形態では、ユーザは、1つ又は複数の入力デバイス426を通じてコンピューティングデバイス400に入力を提供する。入力デバイス426の例としては、キーボード428、マウス430、(例えば、音声及び/又は他のオーディオ入力のための)マイクロフォン432、(タッチパッド又はタッチ感知ディスプレイ等の)タッチセンサ434、及び(例えば、ジェスチャ入力のための)ジェスチャセンサ435が挙げられる。幾つかの実装では、入力デバイス426は、存在、近接、及び/又は運動に基づく検出を提供する。他の実施形態は、他の入力デバイス426を含む。入力デバイスは、システムバス406に結合されている入力/出力インターフェース436を通じて処理デバイス402に接続することができる。これらの入力デバイス426は、パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、又はユニバーサルシリアルバス等の任意の数の入力/出力インターフェースによって接続することができる。入力デバイス426及び入力/出力インターフェース436の間の無線通信も可能であり、幾つかの可能な実施形態では、ほんの数例を挙げると、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)無線技術、802.11a/b/g/n、セルラ、超広帯域(UWB)、ZigBee(登録商標)、又は他の無線周波数通信システムを含む。
【0036】
この例示の実施形態では、モニタ、液晶ディスプレイデバイス、発光ダイオードディスプレイデバイス、プロジェクタ、又はタッチ感知ディスプレイデバイス等のディスプレイデバイス438も、ビデオアダプタ440等のインターフェースを介してシステムバス406に接続される。ディスプレイデバイス438に加えて、コンピューティングデバイス400は、スピーカ又はプリンタ等の様々な他のペリフェラルデバイス(図示せず)を含むことができる。
【0037】
コンピューティングデバイス400は、ネットワークインターフェース442を通じて1つ又は複数のネットワークに接続することができる。ネットワークインターフェース442は、有線及び/又は無線通信を提供することができる。幾つかの実装では、ネットワークインターフェース442は、無線信号を送信及び/又は受信するための1つ又は複数のアンテナを含むことができる。ローカルエリアネットワーキング環境又は(インターネット等の)ワイドエリアネットワーキング環境において使用される場合、ネットワークインターフェース442は、イーサネット(登録商標)インターフェースを含むことができる。他の可能な実施形態は、他の通信デバイスを使用する。例えば、コンピューティングデバイス400の幾つかの実施形態は、ネットワークにわたって通信するためのモデムを含む。
【0038】
コンピューティングデバイス400は、少なくとも何らかの形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス400によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体を含む。例示として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0039】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ等の情報を記憶するように構成された任意のデバイスにおいて実装される揮発性及び不揮発性のリムーバブル及び非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリメモリ、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリメモリ、デジタル多用途ディスク又は他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ストレージデバイス、又は所望の情報を記憶するために使用され得るとともに、コンピューティングデバイス400によってアクセスされ得る他の任意の媒体を含むが、これらに限定されるものではない。
【0040】
コンピュータ可読通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータを搬送波又は他の伝送メカニズム等の被変調データ信号において具現化し、任意の情報伝達媒体を含む。「被変調データ信号」という用語は、その特性のうちの1つ又は複数が、信号内の情報をエンコードするような方式で設定又は変更された信号を指す。例示として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワーク又は直接有線接続等の有線媒体、及び音響、無線周波数、赤外線、及び他の無線媒体等の無線媒体を含む。上記のうちの任意のものの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0041】
図4に示されているコンピューティングデバイスは、1つ又は複数のそのようなコンピューティングデバイスを含み得るプログラマブル電子機器の一例でもあり、複数のコンピューティングデバイスが含まれる場合、そのようなコンピューティングデバイスは、本明細書において開示される様々な機能、方法、又は動作を集合的に実行するように適したデータ通信ネットワークにともに結合することができる。
【0042】
幾つかの実装では、コンピューティングデバイス400は、ADASコンピュータとして特徴付けることができる。例えば、コンピューティングデバイス400は、人工知能(AI)の分野で生じるタスクを処理するために時として使用される1つ又は複数のコンポーネントを含むことができる。その場合、コンピューティングデバイス400は、ADAS又はAI全般の需要に対して十分な処理電力及び必要なサポートアーキテクチャを含む。例えば、処理デバイス402は、マルチコアアーキテクチャを含むことができる。別の例として、コンピューティングデバイス400は、処理デバイス402に加えて、又はその一部として、1つ又は複数のコプロセッサを含むことができる。幾つかの実装では、少なくとも1つのハードウェアアクセラレータをシステムバス406に結合することができる。例えば、グラフィックス処理ユニットを使用することができる。幾つかの実装では、コンピューティングデバイス400は、1つ又は複数のADASタスクをハンドリングするためにニューラルネットワーク固有ハードウェアを実装することができる。
【0043】
本明細書の全体を通して使用される「実質的に」及び「約」という用語は、処理時のばらつきに起因するもの等の小さい変動を説明及び考慮するために使用される。例えば、それらは、±5%未満又はそれに等しい、例えば±2%未満又はそれに等しい、例えば±1%未満又はそれに等しい、例えば±0.5%未満又はそれに等しい、例えば±0.2%未満又はそれに等しい、例えば±0.1%未満又はそれに等しい、例えば±0.05%未満又はそれに等しいことを指すことができる。また、本明細書において使用される場合、「a」又は「an」等の不定冠詞は、「少なくとも1つ」を意味する。
【0044】
前述の概念及び以下でより詳細に論述される追加の概念の全ての組み合わせが、(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)本明細書において開示される本発明の主題の一部であると企図されていることを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書において開示される本発明の主題の一部であると企図されている。
【0045】
複数の実装が説明された。それにもかかわらず、本明細書の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正が加えられ得ることが理解されるであろう。
【0046】
加えて、図に示される論理フローは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序、又は連続した順序を要求しない。加えて、他の処理が提供されてもよいし、又は説明されたフローから処理が排除されてもよく、説明されたシステムに他のコンポーネントが追加されてもよいし、又は説明されたシステムから他のコンポーネントが削除されてもよい。したがって、他の実装が以下の特許請求の範囲に記載の範囲内に含まれる。
【0047】
説明された実装の特定の特徴が本明細書において説明されたように示してきたが、今や多くの修正、置換、変更及び均等物が当業者には想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、実装の範囲に入る全てのそのような修正及び変更を包含するよう意図されていることを理解されたい。それらは、限定ではなく単なる例示として提示されており、形態及び詳細の様々な変更が加えられてよいことを理解されたい。相互に排他的な組み合わせを除き、本明細書において説明された装置及び/又は方法の任意の部分が任意の組み合わせにおいて組み合わされてよい。本明細書において説明される実装は、説明された異なる実装の機能、コンポーネント、及び/又は特徴の様々な組み合わせ及び/又は部分組み合わせを含むことができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】