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特表2024-545676吸収コアを製造するための装置、粒子再配向装置及び粒子を再配向する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-12-10
(54)【発明の名称】吸収コアを製造するための装置、粒子再配向装置及び粒子を再配向する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
A61F13/15 321
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535996
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2021085945
(87)【国際公開番号】W WO2023110085
(87)【国際公開日】2023-06-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルト・デーレン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BB01
3B200DB02
3B200EA01
(57)【要約】
本発明は、吸収製品のための吸収コア(C)を製造するための装置(1’、1”)に関し、前記吸収コア(C)は、繊維状材料(11、11’)、及び前記繊維状材料(11、11)の少なくとも一部を通して分布される粒子(200、200’)を含む。本発明は、粒子再配向装置(100)及び粒子を再配向する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収製品のための吸収コア(C)を製造するための装置(1’、1”)であって、前記吸収コア(C)は、繊維状材料(11、11’)及び前記繊維状材料(11、11’)の少なくとも一部を通して分布された粒子(200、200’)を含む前記装置(1’、1”)において、
前記装置(1’、1”)が、
少なくとも1つの金型(6、6’)を含む可動マット形成デバイス(3、13)であって、前記可動マット形成デバイス(3、13)は、機械方向(MD)に動くことができる、可動マット形成デバイス(3、13)と、
前記繊維状材料(11、11’)と前記粒子(200、200’)の少なくとも1つの混合物の少なくとも1層の混合物を前記少なくとも1つの金型(6、6’)内に堆積するために、前記繊維状材料(11、11’)と前記粒子(200、200’)の前記混合物を前記金型(6、6’)に向かって方向付けるための通路(7、7’)と、
前記通路(7、7’)の内側に開口(4a)を有する粒子供給導管(4、4’)と、
を含み、
前記装置(1’、11)は、前記粒子供給導管(4、4a’)の前記開口(4a)に隣接して配置された粒子再配向装置(100)を更に含み、前記粒子再配向装置(100、100’)は、前記機械方向(MD)又は前記機械方向(MD)の反対に前記機械方向(MD)に対して横方向(CD)に延在する枢軸(PA)を中心に枢動可能であり、それによって前記粒子(200、200’)を前記少なくとも1つの金型(6、6’)上の少なくとも1つの領域に再配向する、装置(1’、1”)。
【請求項2】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、凸表面(102)及び反対の凹表面(103)並びに周縁部(104)を有する基部(101)を含み、
第1の仮想面(P1)は、前記枢軸(PA)に沿って位置合わせされ、前記第1の仮想面(P1)に沿って切り取った前記基部(101)の断面が、U又はV字形であるように、前記基部(101)を2つの半体に二等分し、
第2の仮想面(P2)は、前記第1の仮想面(P1)に垂直であり、前記第1の仮想面(P1)及び前記第2の仮想面(P2)は、前記枢軸PAに沿って交差し、
第3の仮想面(P3)は、前記基部(101)を2つの半体に二等分し、前記第3の仮想面(P3)は、前記第1の仮想面(P1)及び前記第2の仮想面(P2)に垂直であり、前記第3の仮想面(P3)は、第1の軸(A1)に沿って前記第1の仮想面(P1)と交差し、第2の軸(A2)に沿って前記第2の前記仮想面(P2)と交差し、
前記粒子再配向装置(100、100’)は、前記第1の仮想面(P1)のそれぞれの側面上の前記凸表面(102)から延在し、基本的に前記第1の仮想面(P1)に平行な、少なくとも第1のフランジ(105a)及び第2のフランジ(105b)を含み、前記凹平面(103)又は前記凸表面(102)は、前記フランジ(105a)及び(105b)と共に、前記粒子(200、200’)を前記金型(6、6’)に向かって方向付け、
前記枢軸(PA)は、前記粒子再配向装置(100、100’)の重心(CG)又は前記第1の仮想面(P1)に沿って前記重心(CG)から一定距離に配置される、請求項1に記載の装置(1、1’)。
【請求項3】
前記第1の仮想面(P1)は、前記基部(101)を2つの等しい半体に二等分し、前記第3の仮想面(P3)は、前記基部を2つの等しい半体に二等分する、請求項2に記載の装置(1、1’)。
【請求項4】
前記粒子(200、200’)は、高吸収粒子、熱活性型接着粒子又は臭気吸収粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項5】
第3のフランジ(106)は、前記第1の仮想面(P1)と位置合わせされた前記凸表面(102)から延在し、前記第1の仮想面(P1)と平行である、請求項2~4のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項6】
第4のフランジ(108)は、前記第1のフランジと前記第2のフランジ(105a、105b)との間で前記第3の仮想面(P3)と位置合わせされた前記凸表面(102)から延在し、前記第3の仮想面(P3)と平行である、請求項2~5のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項7】
前記第3の仮想面(P3)に沿って切り取った断面における前記枢軸(PA)は、前記第1、第2及び/又は第3のフランジ(105a、105b、106)のそれぞれの最高点(H1、H2、H3)から、並びに前記第1の仮想面(P1)の各側面上の前記周縁部(104)の外点(PO1、PO2)から実質的に等しい所定の距離(D)に配置される、請求項2~6のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項8】
前記第1、第2及び/又は第3のフランジ(105a、105b、106)のそれぞれは、前記第1の仮想面(P1)の法線方向から見て、それぞれのフランジ(105a、105b、106)の最高点(H1、H2、H3)から前記凸表面(102)に向かって延在する湾曲した外部形状を有する、請求項2~7のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項9】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、一部が仮想楕円体(E)の仮想表面の形状を辿る前記基部(101)と一緒に、前記第1、第2及び/又は第3のフランジ(105a、105b、106)によって形成された外部輪郭を有する、請求項2~8のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項10】
前記粒子再配向装置(100、100’)の少なくとも一部は、前記粒子供給導管(4、4’)の前記開口(4a)の中に突出し、又は前記粒子再配向装置(100、100’)は、前記粒子供給導管(4、4’)の前記開口(4a)に近接して配置される、請求項2~9のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項11】
前記粒子供給導管(4、4’)の前記開口(4a)は、前記粒子再配向装置(100、100’)の前記外部輪郭が、前記粒子供給導管(4、4’)に隣接し、若しくは前記粒子供給導管(4、4’)の内側の少なくとも一部で自由に枢動できる、形状及び/又は直径を有する、請求項2~10のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項12】
前記第1及び前記第2のフランジ(105a、105b)は、互いから一定距離(D1)に配置され、これは、前記粒子供給導管(4、4’)の内径開口(DO)に等しい、より小さい又はより大きい、請求項2~11のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項13】
前記第1の仮想面(P1)に沿って切り取った断面における前記粒子再配向装置(100、100’)の前記基部(101)の最大幅(W2)は、前記粒子供給導管(4、4’)の前記内径(DO)以上である、請求項2~12のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項14】
前記粒子再配向装置(100)の前記第1の軸(A1)は、前記粒子供給導管(4、4’)の中心軸(CA)と位置合わせされる、請求項2~13のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項15】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、前記枢軸(PA)を中心に前記粒子再配向装置(100)を枢動させるために、シャフト接続要素(107)に接続可能な、シャフト(8)を収納するように適合された、前記枢軸(PA)に沿って延在する前記シャフト接続要素(107)を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項16】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、前記通路(7、7’)に回転可能に支持される、前記粒子再配向装置(100)に接続されたシャフト(108)により、前記枢軸(PA)を中心に枢動可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項17】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、モータ(10)により前記枢軸(PA)を中心に枢動可能である、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
【請求項18】
凸表面(102)及び反対の凹表面(103)並びに周縁部(104)を有する、基部(101)を含む粒子再配向装置(100、100’)であって、
第1の仮想面(P1)は、前記枢軸(PA)に沿って位置合わせされ、前記第1の仮想面(P1)における前記基部(101)の断面が、U又はV字形であるように、前記基部(101)を2つの半体に二等分し、
第2の仮想面(P2)は、前記第1の仮想面(P1)に垂直であり、前記第1の仮想面(P1)及び前記第2の仮想面(P2)は、前記枢軸(PA)に沿って交差し、
第3の仮想面(P3)は、前記基部(101)を2つの半体に二等分し、前記第3の仮想面(P3)は、前記第1の仮想面(P1)及び前記第2の仮想面(P2)に垂直であり、前記第3の仮想面は、第1の軸(A1)に沿って前記第1の仮想面(P1)と交差し、第2の軸(A2)に沿って前記第2の前記仮想面(P2)と交差し、
前記粒子再配向装置(100、100’)は、前記第1の仮想面(P1)のそれぞれの側面上の前記凸表面(102)から延在し、基本的に前記第1の仮想面(P1)に平行な、少なくとも第1のフランジ(105a)及び第2のフランジ(105b)を含み、
前記枢軸(PA)は、前記粒子再配向装置(100、100’)の重心(CG)又は前記第1の仮想面(P1)に沿って前記重心(CG)から一定距離に配置される、粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項19】
前記第1の仮想面(P1)は、前記基部(101)を2つの等しい半体に二等分し、前記第3の仮想面(P3)は、前記基部(101)を2つの等しい半体に二等分する、請求項18に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項20】
第3のフランジ(106)は、前記第1の仮想面(P1)と位置合わせされた前記凸表面(102)から延在し、前記第1の仮想面(P1)と平行である、請求項18又は19に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項21】
第4のフランジ(108)は、前記第1のフランジと前記第2のフランジ(105a、105b)との間で前記第3の仮想面(P3)と位置合わせされた前記凸表面(102)から延在し、前記第3の仮想面(P3)と平行である、請求項18~20のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項22】
前記第3の仮想面(P3)に沿って切り取った断面における前記枢軸(PA)は、前記第1、第2及び/又は第3のフランジ(105a、105b、106)のそれぞれの最高点(H1、H2、H3)から、並びに前記第1の仮想面(P1)の各側面上の前記周縁部(105)の外点(OP1、OP2)から実質的に等しい所定の距離(D)に配置される、請求項18~21のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項23】
前記第1、第2及び/又は第3のフランジ(105a、105b、105c)のそれぞれは、前記第1の仮想面(P1)の法線方向から見て、それぞれのフランジ(105a、105b、105c)の最高点(H1、H2、W3)から前記凸表面(102)に向かって延在する湾曲した外部形状を有する、請求項18~22のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項24】
前記粒子再配向装置(100)は、一部が仮想楕円体(E)の仮想表面の形状を辿る前記基部(101)と一緒に、前記第1、第2及び/又は第3のフランジ(105a、105b、106)によって形成された外部輪郭を有する、請求項18~23のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項25】
前記第1及び前記第2のフランジ(105a、105b)は、互いから一定距離に配置される、請求項18~24のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項26】
前記粒子再配向装置(100)の前記基部(101)は、前記第1の仮想面(P1)に沿って切り取った断面において最大幅(W2)を有する、請求項18~25のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項27】
前記粒子再配向装置(100)は、前記枢軸(PA)を中心に前記粒子再配向装置を枢動させるために、シャフト接続要素(107)に接続可能な、シャフト(108)を収納するように適合された、前記枢軸(PA)に沿って延在する前記シャフト接続要素(107)を含む、請求項18~26のいずれか一項に記載の粒子再配向装置(100、100’)。
【請求項28】
機械方向(MD)に動いている可動マット形成デバイス(3、13)上で少なくとも1つの金型(6、6’)に向かって前記粒子(200、200’)を方向付ける、通路(7、7’)の内側で粒子供給導管(4、4’)の開口(4a)から供給された粒子(100、100’)を再配向する方法であって、前記再配向は、前記開口(4a)に隣接して配置された粒子再配向装置(100)で行われ、前記粒子再配向装置(100)は、前記可動マット形成デバイス(3、13)の前記機械方向(MD)に対して横方向(CD)に延在する、枢軸(PA)を中心に枢動可能であり、前記方法は、前記枢軸(PA)を中心に前記粒子再配向装置(100、100’)を前記機械方向(MD)に沿った及び/又は反対方向に枢動させ、それによって前記粒子(200、200’)を前記少なくとも1つの金型(6、6’)上の少なくとも1つの領域に再配向するステップを含む、方法。
【請求項29】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、請求項18~27のいずれか一項に記載の粒子再配向装置である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、粒子(200、200’)が前記金型(6、6’)上のある特定の領域に方向付けられるように、第1のステップで開始位置から前記マット形成デバイス(3、13)と同じ方向、又は前記マット形成デバイス(3、13)と反対方向に第1の速度で枢動する、請求項28又は29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記粒子再配向装置(100、100’)は、第2のステップで、前記第1の速度より速い第2の速度で前記第1の方向と反対方向に枢動する、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収製品のための吸収コアを製造するための装置に関する。本開示は、粒子再配向装置及び粒子を再配向する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
オムツ、トレーニングパンツ、ナプキン、尿漏れパッド及び同種のものなどの吸収製品は、破砕した木材パルプ繊維などの柔らかいフラッフ材料を通常含む、吸収コアを含有する。様々な二次材料が、高吸収性高分子(SAP)、熱活性型接着繊維又は臭気吸収材料の粒子などの吸収フラッフ材料に組み込まれることが多い。高吸収性材料は、高吸収性粒子とも呼ばれ、それ自体の重量の何倍もの水及び体液を吸収する能力を有する高分子である。高吸収性材料は、フラッフパルプ繊維と混合されるか、又はフラッフパルプの層の間の層状構成内に加えられる。
【0003】
高吸収性高分子を含有するような吸収コアを生成する一方法は、吸収フラッフパルプの第1の層を形成することであり、その後すぐに高吸収性高分子は、フラッフパルプの頂部上に散布される。次いで吸収フラッフパルプの第2の層が、第2の材料の頂部上に置かれてコアを完成する。吸収コアは、吸収フラッフパルプ繊維の層の間に配列された2層以上の高吸収性高分子を更に含んでもよい。この方法により、高吸収性高分子がコア内でかなり離散帯域に集中する、層状構成を備えた製品が生成される。
【0004】
別法として、SAP粒子は、第1の材料(吸収フラッフパルプ繊維)と混合され、第1の材料を通して分布される。第1及び第2の層を含む吸収製品を作成することが更に公知であり、第1の層は、純粋な第1の材料を含有し、第2の層は、第1と第2の材料の混合物を含有する。
【0005】
コア内に第2の材料を非常に均一に分布した製品のための吸収コアを生成する一方法は、特許文献1に開示されている。前記開示では、材木パルプ繊維由来の吸収フラッフなどの、第1の材料を含有する吸収製品を作成するための装置が提示されている。前記吸収フラッフパルプは、真空形成チャンバの中に導入される。フラッフパルプの一部は、金型空洞の底部内に1層の純フラッフパルプを形成するように、マット形成ホイールにより形成チャンバを通って移送された金型の空洞の中に堆積される。高吸収性粒子又は熱活性型接着繊維などの第2の材料は、第1及び第2の材料の流れが混合帯域内で衝突するように、形成チャンバの中に導入される。金型は続くので、第2の材料は形成チャンバを通って進む。混合帯域から第1と第2の材料の混合物が、金型空洞内に堆積され、それによって充填する。その結果、純第1の材料によって形成された第1の層、並びに第1と第2の材料の混合物によって形成された第2の層を有する吸収コアができる。
【0006】
論じたように設計の吸収製品を製造するために公知の装置のより詳しい記載は、図1を参照してここで行う。図1は装置1を示し、離解ユニットからパルプ繊維が、空気の支援によりフード8a、8bまで、及びフードを通ってマット形成ホイール3に向かって移送される。マット形成ホイール3は、静止した吸引箱2を備え、その中は非常に低い圧力が行き渡っている。吸引箱は、パルプ繊維を含有する前記フードに面する。マット形成ホイール3の表面上に、ネット又は穿孔板などの空気透過手段が提供される。前記空気透過手段が、前記フード下で矢印3bによって示された方向に回転すると、パルプ繊維は、気流によって空気透過手段に向かって押し付けられ、連続したマットの形状でマット形成ホイールの周囲に沿ってパルプ繊維のコアを形成する。前記周囲は、異なる設計の別個の吸収コアを形成するための金型を備えてもよい。
【0007】
コアは、複数のフードの使用により複数の層に更に形成されてもよい。コアは、記載されたように、離散コアに形成されてもよく、又は連続マットに形成されたコアが形成される場合、それは後で所望の設計に切断されてもよい。
【0008】
高吸収性粒子(SAP)の流れは、パイプ4、すなわち粒子供給導管を通って1つ又は複数のフード8a、8bの中に高吸収性粒子を注入することにより、パルプ繊維に追加される。最後のフード(図ではフード8b)の後、コア形成は完了し、コアは、第2の静止吸引箱5内の低圧により、ホイール上の1つ又は複数の金型内に保持される。コアは、前記第2の吸引箱5を通過後、移送ドラム9に移送され、そこでコアは、例えば移送ドラムの上を通過中にコアに加えられた機械圧を用いて圧縮されてもよい。最後に、コアは、更なる処理又は包装のためにコンベア16に移送される。マット形成ホイール3からコンベア16への移送は、移送ドラムなしに行われてもよい。
【0009】
最終製品は、複数のコアから構成されてもよく、それによって前記最終製品のための製造組立体は、2つ以上のマット形成ホイール3から構成され、ホイールのそれぞれはコアを形成し、その上に2つ以上の得られるコアが、最終製品に組み立てられる。
【0010】
吸収コアを製造するこの方法は、金型全体を通して高吸収性粒子の均等な層を備えたコアを提供する。
【0011】
しかしコア内に、例えばコアの正面部又は背面部に高い吸収帯域を生成するために、高吸収性粒子を金型の特定領域に有することが好ましい場合があり得る。
【0012】
特許文献2は、基板内に正確に配置した基板に微粒子材料を断続的に加えるための方法及び装置を示す。しかし代替解決策が必要である。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5447677号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1053729号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
吸収コアの特定領域に粒子を分布することができ、同時に可撓性システムである、代替システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の第1の態様によれば、吸収製品のための吸収コアを製造するための装置が提供され、前記吸収コアは、繊維状材料及び前記繊維状材料の少なくとも一部を通して分散された粒子を含み、前記装置は、
- 少なくとも1つの金型を含む可動マット形成デバイスであって、前記可動マット形成デバイスは、機械方向に動くことができる、可動マット形成デバイスと、
- 前記繊維状材料及び前記粒子の少なくとも1つの混合物の少なくとも1層の混合物を少なくとも1つの金型内に堆積するために、前記繊維状材料及び前記粒子の前記混合物を前記金型に向かって方向付けるための通路と、
- 前記通路の内側に開口を有する粒子供給導管とを含む。
【0016】
装置は、前記粒子供給導管の前記開口に隣接して配置された粒子再配向装置を更に含み、前記粒子再配向装置は、前記機械方向に対して横方向に延在する枢軸を中心に前記機械方向又は前記機械方向に反対に枢動可能であり、それによって前記粒子を前記少なくとも1つの金型上の少なくとも1つの領域に再配向する。
【0017】
粒子供給導管の開口に隣接した枢軸を中心に枢動可能な粒子再配向装置を有することにより、粒子再配向装置は、粒子供給導管から金型上の少なくとも1つの特定領域に粒子を再配向することができる。開口に隣接するとは、粒子再配向装置が、開口に近接して配置されることを意味する。
【0018】
粒子を受領するべき金型上の領域は、既定されてもよい。また領域は、再画定されてもよく、すなわち吸収コアを作成する工程全体を通して変化してもよい。
【0019】
マット形成デバイスは、マット形成ホイール又はマット形成ベルトであってもよい。どちらも、デバイスの周囲に沿って延在する連続金型を備えてもよい。連続金型は、空気透過手段上に堆積された繊維が、連続層を形成するために使用されるべき時に利用され、連続層はその後、吸収製品の個々の吸収コアを形成するために、適切な寸法及び形状に切断される。別法として、一連の別個の金型は、マット形成デバイスの周囲に沿って配置されてもよい。別個の金型は、吸収製品の吸収コアを形成するために、特定の形状及び寸法のコアを直接形成するために使用される。可動マット形成デバイス上の1つ又は複数の金型は、機械方向に沿って動き、金型が動いている間に、粒子再配向装置は、第1のステップで可動マット形成デバイスと同じ方向又は反対方向のいずれかに枢動してもよい。枢動速度及び枢動方向に依存して、粒子は、金型上の1つ又は複数の特定領域に進むことができる。金型が1つ又は複数の特定領域内を粒子で充填されると、粒子再配向装置は、マット形成デバイスが一連の別個の金型を備える場合、粒子再配向装置が、第1の金型の後にくる金型を充填する準備ができるように、第2のステップで第1のステップと反対方向又は開始位置と同じ方向に動くことができる。粒子は、金型全てで同じ領域に分布することができ、又は金型によって異なってもよい。別法として、複数の金型、例えば10個の金型は、同じ領域を充填されてもよく、次いで次の10個の金型は、異なる領域を粒子で充填される。同じことが、連続金型の場合も当てはまるが、粒子は次に連続金型上で異なる位置に方向付けられるので、個々の吸収コアが切断されると、それらの所定の領域に粒子を有する。
【0020】
繊維状材料と粒子の少なくとも1つの混合物を金型に向かって方向付けるための通路は、フードによって形成されてもよい。
【0021】
粒子供給導管の開口は、繊維状材料及び粒子が、金型に到着する前に混合することができるように、可動マット形成デバイスから一定の距離に配置される。例えば距離は、100cm~200cm、より好ましくは130cm~170cmであってもよい。それ故に再配向された粒子は、金型内に配置される前に繊維状材料を混合されてもよい。
【0022】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、凸表面及び反対の凹表面並びに周縁部を有する基部を含む。第1の仮想面は前記枢軸に沿って位置合わせされ、前記第1の仮想面に沿って切り取った前記基部の断面が、U又はV字形であるように、前記基部を2つの半体に二等分する。第2の仮想面は、前記第1の仮想面に垂直であり、前記第1の仮想面及び前記第2の仮想面は、前記枢軸に沿って交差する。第3の仮想面は、前記基部を2つの半体に二等分する。前記第3の仮想面は、前記第1の仮想面及び前記第2の仮想面に垂直であり、前記第3の仮想面は、第1の軸に沿って前記第1の仮想面と交差し、第2の軸に沿って前記第2の前記仮想面と交差する。前記粒子再配向装置は、前記第1の仮想面のそれぞれの側面上の前記凸表面から延在し、基本的に第1の仮想面に平行な、少なくとも第1のフランジ及び第2のフランジを含み、前記凹表面又は前記凸表面は、前記フランジと共に、前記粒子を前記金型に向かって方向付け、前記枢軸は、前記粒子再配向装置の重心又は前記重心から前記第1の仮想面に沿って一定距離に配置される。
【0023】
粒子再配向装置の表面、すなわち凹表面又は前記凸表面が、前記フランジと共に、第1の位置、すなわち開始位置の粒子供給導管の開口に関連してどのように配置されるかに依存して、粒子は、金型上の少なくとも1つの領域に方向付けることができる。粒子再配向装置の特定の開始位置を選択することにより、粒子が存在することになる領域を決定することができる。
【0024】
枢軸は、次いで滑らかに回転できるので、粒子再配向装置の重心に配置されてもよい。しかし枢軸は、重心から一定距離に有しても依然として機能する。重心に枢軸を有する利点は、モータ荷重が、重心から一定距離に配置される場合より低くなることである。機械構造、例えば軸受け上の力も、枢軸が重心に配置される場合に低くなる。
【0025】
基部は、全体が長円形状を有してもよい。基部は、全体が丸い形状又はあらゆる適切な形状も有してもよい。2つのフランジは、第1の仮想面から同じ距離に配置されてもよい。
【0026】
一例示的実施形態では、第1の仮想面は、前記基部を2つの等しい半体に二等分し、前記第3の仮想面は、前記基部を2つの等しい半体に二等分する。このように、粒子再配向装置は、第1の仮想面及び第3の仮想面の各側面で対称であってもよい。
【0027】
一例示的実施形態では、前記粒子は、高吸収性粒子、熱活性型接着粒子又は臭気吸収粒子である。
【0028】
一例示的実施形態では、前記繊維状材料は、破砕した木材パルプ繊維などの柔らかいフラッフ材料である。
【0029】
一例示的実施形態では、前記第3のフランジは、前記第1の仮想面と位置合わせされた前記凸表面から延在し、前記第1の仮想面と平行である。第3のフランジは、第1のフランジと第2のフランジとの間に配置され、第1及び第2のフランジと同様に、粒子を方向付ける働きをする。粒子配向装置は、2つ又は3つのフランジを有するように限定されず、それ以上、例えば4つ又は5つのフランジを有してもよい。フランジは、前記第1の仮想面の法線方向から見た時に、丸い外部輪郭若しくは長方形形状又はあらゆる他の適切な形状を有してもよい。
【0030】
一例示的実施形態では、第4のフランジは、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間で前記第3の仮想面と位置合わせされた前記凸表面から延在し、前記第3の仮想面と平行である。この第4のフランジは、第1及び第2のフランジと一緒に接続し、第1のフランジと第2のフランジとの間に第3のフランジがある場合に、第3のフランジも一緒に接続する。第4のフランジは、粒子再配向装置に安定性を追加し得る。
【0031】
一例示的実施形態では、前記第3の仮想面に沿って切り取った断面における前記枢軸は、前記第1、第2及び/又は第3のフランジのそれぞれの最高点から、並びに第1の仮想面の各側面上の周縁部の外点から実質的に等しい所定の距離に配置される。それ故に枢軸と第1のフランジの最高点との間の距離は、枢軸と第2又は第3のフランジとの間の距離と同じである。枢軸と外点の1つとの間の距離は、枢軸とフランジの最高点との間の距離と同じである。すなわち第3の仮想面に沿って切り取った断面において、周縁部の第1の外点から各フランジの最高点を介して第1の仮想面の反対側の周縁部の第2の外点に部分円を描くことができる。部分円の半径は、所定の距離と同じである。
【0032】
一例示的実施形態では、前記第1、第2及び/又は第3のフランジのそれぞれは、前記第1の仮想面の法線方向から見て、それぞれのフランジの最高点から前記凸表面に向かって延在する湾曲した外部形状を有する。湾曲した外部形状は、第3の仮想面の両側面で対称であってもよい。湾曲した外部形状を有することにより、繊維状材料がフランジ上に積み重ねられ、後に落下して金型に入り、コアに剛性領域を生成し得ることを防ぐ。
【0033】
一例示的実施形態では、粒子再配向装置は、一部が仮想楕円体の仮想表面の形状を辿る基部と一緒に、第1、第2及び/又は第3のフランジによって形成された外部輪郭を有する。
【0034】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置の少なくとも一部は、粒子供給導管の前記開口の中に突出し、又は前記粒子再配向装置は、前記粒子供給導管の前記開口に近接して配置される。このようにして、粒子供給導管由来のほとんどの粒子は、粒子を金型に向かって方向付けるために、粒子再配向装置に衝突することが達成される。
【0035】
一例示的実施形態では、粒子供給導管の壁、すなわち粒子供給導管の端部と、第1及び第2との間、並びに/又は粒子再配向装置が枢動し、粒子供給導管を通過する時に、前記第3のフランジとの間に所定の距離を有する空隙が存在する。所定の距離は、無制御の気流が不要な方向に向かうのを低減するために、好ましくは最小化される。所定の距離は、好ましくは1mm~4mm、より好ましくは2mmであってもよい。
【0036】
一例示的実施形態では、前記粒子供給導管の前記開口は、前記粒子再配向装置の前記外部輪郭が、前記粒子供給導管に隣接し、若しくは前記粒子供給導管の内側の少なくとも一部で自由に枢動できる、形状及び/又は直径を有する。
【0037】
一例示的実施形態では、第1及び第2のフランジは、互いから一定距離に配置され、これは、粒子供給導管の内径開口に等しい、より小さい又はより大きい。距離が等しい又はより大きい場合、粒子は、凸表面が粒子供給導管の開口に面するように配置された時に、フランジの間の凸表面に衝突する。すなわち第2の面が、粒子供給導管の開口に面する時である。これは、特にフランジの一部が開口の中に突出する場合である。フランジの間の距離がより小さい場合、一部の粒子は、第1のフランジと周縁部との間の凸表面、及び/又は第2のフランジと反対側の周縁部との間の凸表面に衝突してもよい。
【0038】
一例示的実施形態では、前記第1の仮想面に沿って切り取った断面における粒子再配向装置の基部の最大幅は、粒子供給導管の内径以上である。これにより、ほとんどの粒子は基部に衝突し、基部の凸又は凹側のいずれかによって方向付けることができることが確実になる。
【0039】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置の前記第1の軸は、前記粒子供給導管の中心軸と位置合わせされる。このようにして、粒子配向装置が、粒子供給導管と位置合わせされることが確実になる。
【0040】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、前記枢軸を中心に前記粒子再配向装置を枢動させるために、シャフト接続要素に接続可能な、シャフトを収納するように適合された、前記枢軸に沿って延在する前記シャフト接続要素を含む。
【0041】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、前記通路に回転可能に支持される、前記粒子再配向装置に接続されたシャフトにより、前記枢軸を中心に枢動可能である。
【0042】
一例示的実施形態では、粒子再配向装置は、前記通路を形成するフードに取り付けられる。
【0043】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、モータにより前記枢軸を中心に枢動可能である。モータは、ACサーボモータであってもよい。モータは、プログラマブル位置制御システム、例えばコンピュータによって作動することができる。それ故に、モータはプログラム可能であるので、粒子再配向装置は、粒子が工程中に金型の1つ又は複数の特定領域に分布されるように、異なる開始位置を取ることができる。これは、全ての金型に対して同じ1つ若しくは複数の領域であっても、又は金型毎に異なってもよい。ACサーボモータは、例えば前記粒子再配向装置が、例えば18個の自由にプログラム可能な位置、すなわち18個の開始位置を有するように設定することができる。制限は、使用不可能な位置を回避できることである。しかしモータ及び位置制御システムは、これに限定されない。粒子再配向装置が、枢軸を中心にあらゆる位置に、すなわち枢動を開始する前に供給導管の中心軸にあらゆる角度で配置することができるように、モータを自由にプログラムし得る。プログラマブル位置制御システムは、粒子再配向装置が、マット形成デバイスに対して所定の方向及び速度で枢動するように、特定の枢動方向及び枢動速度に設定することもできる。
【0044】
本開示の別の態様によれば、凸表面及び反対の凹表面並びに周縁部を有する、基部を含む粒子再配向装置が提供される。第1の仮想面は前記枢軸に沿って位置合わせされ、前記第1の仮想面における前記基部の断面が、U又はV字形であるように、前記基部を2つの半体に二等分する。第2の仮想面は、前記第1の仮想面に垂直であり、前記第1の仮想面及び前記第2の仮想面は、前記枢軸に沿って交差する。第3の仮想面は、前記基部を2つの半体に二等分し、前記第3の仮想面は、前記第1の仮想面及び前記第2の仮想面に垂直であり、前記第3の仮想面は、第1の軸に沿って前記第1の仮想面と交差し、第2の軸に沿って前記第2の前記仮想面と交差する。前記粒子再配向装置は、前記第1の仮想面のそれぞれの側面上の前記凸表面から延在し、基本的に第1の仮想面と平行な、少なくとも第1のフランジ及びである第2のフランジを含む。前記枢軸は、前記粒子再配向装置の重心、又は前記第1の仮想面に沿って前記重心から一定距離に配置される。上記の装置内の粒子再配向装置について記載されたものと同じ利点が当てはまる。
【0045】
一例示的実施形態では、第1の仮想面は、前記基部を2つの等しい半体に二等分し、前記第3の仮想面は、前記基部を2つの等しい半体に二等分する。このようにして、粒子再配向装置は、第1の仮想面及び第3の仮想面の各側面で対称であってもよい。
【0046】
一例示的実施形態では、第3のフランジは、前記第1の仮想面と位置合わせされた前記凸表面から延在し、前記第1の仮想面と平行である。第3のフランジは、第1のフランジと第2のスラックとの間に配置され、第1及び第2のフランジと同様に、粒子を方向付ける働きをする。粒子配向装置は、2つ又は3つのフランジを有するように限定されず、それ以上、例えば4つ又は5つのフランジを有してもよい。フランジは、前記第1の仮想面の法線方向から見た時に、丸い外部輪郭若しくは長方形形状又はあらゆる他の形状を有してもよい。
【0047】
一例示的実施形態では、第4のフランジは、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間で前記第3の仮想面と位置合わせされた前記凸表面から延在し、前記第3の仮想面と平行である。
【0048】
一例示的実施形態では、前記第3の仮想面に沿って切り取った断面における前記枢軸は、前記第1、第2及び/又は第3のフランジのそれぞれの最高点から、並びに第1の仮想面の各側面上の周縁部の外点から実質的に等しい所定の距離に配置される。
【0049】
一例示的実施形態では、前記第1、第2及び/又は第3のフランジのそれぞれは、前記第1の仮想面の法線方向から見て、それぞれのフランジの最高点から前記凸表面に向かって延在する湾曲した外部形状を有する。湾曲した外部形状を有することにより、繊維状材料がフランジ上に積み重ねられ、後に落下して金型に入り、コアに剛性領域を生成し得ることを防ぐ。
【0050】
一例示的実施形態では、粒子再配向装置は、一部が仮想楕円体の仮想表面の形状を辿る基部と一緒に、第1、第2及び/又は第3のフランジによって形成された外部輪郭を有する。
【0051】
一例示的実施形態では、第1及び第2のフランジは、互いから一定の距離に配置される。
【0052】
一例示的実施形態では、粒子再配向装置の基部は、前記第1の仮想面に沿って切り取った断面において最大幅を有する。
【0053】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、前記枢軸を中心に前記粒子再配向装置を枢動させるために、シャフト接続要素に接続可能な、シャフトを収納するように適合された、前記枢軸に沿って延在する前記シャフト接続要素を含む。
【0054】
粒子再配向装置自体に関した上記の特徴の利点及び解明は、上記の装置内の粒子再配向装置になされた利点及び解明と同じである。
【0055】
本開示の別の態様によれば、機械方向に動いている可動マット形成デバイス上で少なくとも1つの金型に向かって前記粒子を方向付ける、通路の内側で粒子供給導管の開口から供給された粒子を再配向する方法が提供される。前記再配向は、前記開口に隣接して配置された粒子再配向装置で行われる。前記粒子再配向装置は、前記可動マット形成デバイスの前記機械方向に対して横方向に延在する、枢軸を中心に枢動可能である。方法は、前記枢軸を中心に前記粒子再配向装置を前記機械方向に沿った及び/又は反対方向に枢動させ、それによって前記粒子を前記少なくとも1つの金型上の少なくとも1つの領域に再配向するステップを含む。枢軸を中心に枢動可能な粒子再配向装置を有することにより、粒子再配向装置は、粒子を粒子供給導管から金型上の特定の所定の1つ又は複数の領域に再配向することができる。マット形成デバイスは、マット形成ホイール又はマット形成ベルトであってもよい。どちらも、デバイスの周囲に沿って延在する連続金型を備えてもよい。連続金型は、空気透過手段上に堆積された繊維が、連続層を形成するために使用されるべき時に利用され、これはその後、吸収製品の個々の吸収コアを形成するために、適切な寸法及び形状に切断される。別法として、一連の別個の金型は、マット形成デバイスの周囲に沿って配置されてもよい。別個の金型は、吸収製品の吸収コアを形成するために、特定の形状及び寸法のコアを直接形成するために使用される。可動マット形成デバイス上の金型は、機械方向に沿って動き、金型が動いている間に、粒子再配向装置は、第1のステップで可動マット形成デバイスと同じ方向又は反対方向のいずれかに枢動してもよい。枢動速度及び枢動方向に依存して、粒子は、金型上の1つ又は複数の特定領域に進むことができる。金型が特定領域内を粒子で充填されると、粒子再配向装置は、第2のステップで第1のステップと反対方向、又はマット形成デバイスが一連の別個の金型を備える場合、粒子再配向装置が、第1の金型の後にくる金型を充填する準備ができるような位置と同じ方向に動くことができる。粒子は、金型全体において同じ領域に分布することができ、又は金型によって異なってもよい。別法として、複数の金型、例えば10個の金型は、同じ領域を充填され、次の10個の金型は、異なる領域を粒子で充填される。同じことが、連続金型の場合も当てはまるが、粒子は連続金型上の異なる位置に方向付けられるので、個々の吸収コアが切断される時に、それらの所定の領域に粒子を有する。
【0056】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、上記のような粒子再配向装置である。
【0057】
一例示的実施形態では、前記粒子再配向装置は、粒子が前記金型上のある特定の領域に方向付けられるように、第1のステップで開始位置からマット形成デバイスと同じ方向、又はマット形成デバイスと反対方向に第1の速度で枢動する。これを行う利点は、粒子が金型のある特定の1つ又は複数の領域に、例えば金型の一端で、例えば吸収コアの正面がまず機械方向に進む場合に、正面に分布することができることである。枢動に起因して、粒子は、金型の他の領域以外の1つの領域に集中することができる。それ故に、粒子は、ある特定の領域に方向付けられる、すなわち粒子は、金型がマット形成デバイスの機械方向に動いている時に、金型上の意図した領域を辿る。従来の粒子分布、例えば高吸収性粒子分布では、枢動可能な粒子再配向装置なしに、粒子は、金型内に均一に分布されるはずである。第1の速度は、金型に近い粒子が、マット形成デバイスと同じ速度、すなわち金型の速度で進むように適合することができる。例えば、粒子再配向装置が、金型に最も近い粒子に金型と同じ速度及び同じ方向を与える第1の速度で同じ方向に枢動する場合、粒子は所定の領域内の金型内に配置される。金型内の粒子の領域を変えるために、粒子再配向装置自体の開始位置が変更されてもよい。粒子再配向装置は、マット形成デバイスより遅い速度若しくは速い速度で回転し、及び/又はマット形成デバイスと同じ方向若しくは反対方向に枢動してもよい。これは、非常に柔軟なシステムを提供し、この場合、粒子は金型内のあらゆる領域に配置することができ、領域は、金型毎に変えることができ、又は複数の金型に対して同じであることが可能である。
【0058】
一例示的実施形態では、第2のステップで、粒子再配向装置は、第1の速度より速い第2の速度で第1の方向と反対方向に枢動している。これを行う利点は、粒子がある特定の領域に分布された時に、粒子再配向装置が開始位置に戻って枢動するので、例えば第1の金型が粒子をその画定された領域に受領した時に、粒子再配向装置は、次の金型上の同じ領域又は別の領域に粒子を分布する準備ができることである。1つのみの金型が存在し、1つの長いコアを作成し、後に別個のコアに分離される場合、同じことが起き、特定の領域は、他より多い粒子を有することになる。
【0059】
概して、本開示を通して使用される全ての用語は、本明細書で特段に明確に定義されない限り、当技術分野においてそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの(a/an)/その(the)[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ、その他]」の全ての言及は、特段の明示的な記載がない限り、その要素、デバイス、構成要素、手段、ステップ、その他の少なくとも1つの事例への言及としてオープンに解釈されるべきである。
【0060】
本開示の例示的実施形態の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な開示から、並びに図面から明らかになろう。例示的実施形態の異なる特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、以下に明瞭に記載されたもの以外の実施形態を生成するために組み合わされてもよいことが、当業者には容易に認識されよう。
【0061】
本開示の上記並びに追加の目的、特徴及び利点は、同じ参照番号が類似要素に対して使用される添付図面を参照して、本発明の例示的実施形態の以下の例証及び非限定の詳述を通してより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】従来の吸収コア製造装置を概略的に示す。
図2】マット形成ホイールを備えた、本開示の一態様による製造装置の実施形態を概略的に示す。
図3】マット形成ベルトを備えた、本開示の一態様による製造装置の実施形態を概略的に示す。
図4図2の一部を斜視的に示す。
図5図2及び4におけるA-A断面だが、側面から見た粒子再配向装置を備えたA-A断面を示す。
図6】モータ及び接続プレートに接続された、図2-5における粒子再配向装置の実施形態を斜視的に概略的に示す。
図7図5におけるB-B断面を示す。
図8a】本開示の一態様による下方を向くフランジを備えた、図5、6及び7における粒子再配向装置を斜視的に示す。
図8b】上方を向くフランジを備えた、180度枢動した図8aの粒子再配向装置を斜視的に示す。
図8c】上方を向くフランジを備えた、第3の仮想面に沿って切り取った図8a及び8bにおける粒子再配向装置の断面を示す。
図8d】上方を向くフランジを備えた、第1の仮想面の法線方向から見た、図8a及び8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。
図9a図7における製造装置の異なる位置、すなわち図5におけるB-B断面だが、側面から粒子再配向装置を備えた、図8a及び図8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。図9a’は、図9aにおける粒子再配向装置の拡大図を示し、図9a”は、図9aにおけるマット形成ホイール上の充填された金型を斜視的に示す。
図9b図7における製造装置の異なる位置、すなわち図5におけるB-B断面だが、側面から粒子再配向装置を備えた、図8a及び図8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。図9b’は、図9bにおける粒子再配向装置の拡大図を示し、図9b”は、図9bにおけるマット形成ホイール上の充填された金型を斜視的に示す。
図9c図7における製造装置の異なる位置、すなわち図5におけるB-B断面だが、側面から粒子再配向装置を備えた、図8a及び図8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。図9c’は、図9cにおける粒子再配向装置の拡大図を示し、図9c”は、図9cにおけるマット形成ホイール上の充填された金型を斜視的に示す。
図9d図7における製造装置の異なる位置、すなわち図5におけるB-B断面だが、側面から粒子再配向装置を備えた、図8a及び図8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。図9d’は、図9aにおける粒子再配向装置の拡大図を示し、図9d”は、図9dにおけるマット形成ホイール上の充填された金型を斜視的に示す。
図9e図7における製造装置の異なる位置、すなわち図5におけるB-B断面だが、側面から粒子再配向装置を備えた、図8a及び図8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。図9e’は、図9eにおける粒子再配向装置の拡大図を示し、図9e”は、図9eにおけるマット形成ホイール上の充填された金型を斜視的に示す。
図9f図7における製造装置の異なる位置、すなわち図5におけるB-B断面だが、側面から粒子再配向装置を備えた、図8a及び図8bにおける粒子再配向装置を概略的に示す。図9f’は、図9fにおける粒子再配向装置の拡大図を示し、図9f”は、図9fにおけるマット形成ホイール上の充填された金型を斜視的に示す。
図10図5及び7における粒子再配向装置及び粒子供給導管の拡大図を斜視的に示す。
図11a】本開示の一態様による、粒子再配向装置の第2の実施形態を概略的に示す。
図11b】本開示の一態様による、粒子再配向装置の第2の実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
全ての図は、非常に概略的であり、必ずしも同じ縮尺ではなく、図は、本発明を明瞭にするために必要な部分のみを示し、他の部分は割愛され、又は提案されたに過ぎない。
【0064】
次に本開示の様々な態様について、例示的実施形態が示された添付図面を参照して、以下により完全に記載される。しかし例示的実施形態は、多くの異なる形を取ってもよく、本明細書に説明された実施形態の詳細に限定されると解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、徹底及び完全のために提供される。同様の参照記号は、記載を通して類似要素を指す。
【0065】
本開示は、使用後に洗濯する、又は別法により修復若しくは吸収製品として再使用することを意図しない製品を意味する、使い捨て吸収衛生製品に使用できる吸収コアの作り方に言及し、例えばそれらは1回使用後に捨てることを意図し、またリサイクルし、堆肥にし、又は別法により環境に対応する手法で捨てるように構成されてもよい。「吸収製品」とは、尿及び/若しくは血液、並びに/又は固体排泄物を含有するような、身体の液体を吸収し、或いは吸収するように適合される製品を意味する。
【0066】
使い捨て吸収衛生製品若しくは物品とも呼ばれる「吸収製品」は、身体の浸出液を吸収して含有する消耗品を指し、より詳細には、身体から排出された様々な浸出液を吸収して含有するために、着用者の身体に接して又は近位に置かれる製品を指す。吸収衛生製品とも呼ばれる吸収物品は、例えばオムツ、生理用ナプキン、及び尿漏れパッドを含む。オムツは、例えばオールインワン・オムツ、パンツ型オムツ及びベルト式オムツを含む。オムツは、乳児、幼児又は成人用のオムツであることが可能である。
【0067】
図2では、本発明の様々な態様による液体吸収製品の吸収コアを製造するための装置1’が開示されている。
【0068】
装置は、図1に開示されたものと類似した装置であり、それ故に、等価装置の様々な部品は、概して等価物である部品と同じ参照番号が与えられている。
【0069】
離解ユニット(図示せず)からの繊維状材料、すなわちパルプ繊維11は、セルロースフラッフパルプとも呼ばれ、気流の助けにより、ここではフードと呼ばれる形成チャンバ8a、8bの中に送達される。形成チャンバ、すなわちフード8a、8bのそれぞれは、通路7を形成する。吸収製品のコアCを形成するためのマット形成ホイール3は、各フード8a、8bの開口の下流の下で回転するように配置され、前記フードで封止接続される。マット形成ホイール3は、矢印3aによって示された方向に回転し、矢印3aは、機械方向MDでもある。図2による実施形態では、デバイスは、2つのフード8a及び8bを備える。各フード開口に面して、回転しない第1の吸引箱2は、マット形成ホイール3の内側に配置される。空気透過手段は、空気を前記吸引箱2からマット形成ホイールの半径方向内方に通すことができるために、マット形成ホイール3の周囲に沿って配置される。前記フード8a、8bから空気透過手段を通る空気を吸引するために、第1の吸引箱2に低圧が行き渡って、前記半径方向内方に通る空気の流れ15が発生する。前記低圧は、示されていないファンを用いて発生されてもよい。
【0070】
フード8a、8bに送達された繊維11は、流れ15によってマット形成ホイール3の周囲に向かって前進され、空気透過手段に対してそこに堆積され、空気透過手段は、あらゆるネット、穴が提供されたプレート、繊維又は同種のもの(図示せず)から構成されてもよい。
【0071】
マット形成ホイール3は、マット形成ホイールの周囲に沿って延在する、連続金型を備えてもよい。連続金型は、空気透過手段上に堆積された繊維が、連続層を形成するために使用されるべき時に利用され、連続層は、吸収製品の個々の吸収コアを形成するために適切な寸法及び形状に実質的に切断される。図では、一連の別個の金型6が、マット形成ホイール3の周囲に沿って配置される例が示されている。別個の金型は、吸収製品の吸収コアを形成するために、特定の形状及び寸法のコアを直接形成するために使用される。金型の変形は、当技術分野で公知であり、本明細書で更に検討する必要はない。
【0072】
パルプ繊維11は、吸収製品の吸収コアを形成するために、追加された原料として特定の特質を備えた他の繊維又は粒子と組み合わされることが多い。そのように追加された原料は、高吸収性粒子、熱活性型接着粒子又は臭気吸収粒子であってもよい。図2では、高吸収性粒子200が追加されている。しかし他の粒子が追加される場合、他の粒子は、図2~11fに関して記載された高吸収性粒子200と同じ方法で追加することができる。
【0073】
高吸収性粒子は、大量の流体を吸収剤上で化学結合して流体保持ゲルを形成するタイプの吸収高分子材料、いわゆる高吸収性高分子から作成される。
【0074】
高吸収性高分子は、吸収製品の分野で周知であり、そのような製品の吸収特性を向上させる働きをするために使用される。高吸収性高分子は、方法NSWP241.0.R2(15)に従って測定された際に、0.9%生理食塩水の重量の少なくとも5倍を吸収することができるような、ヒドロゲルを形成すると大量の流体を吸収することができる水膨潤性及び水不溶性高分子によって構成される。高吸収性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、架橋澱粉、グアーガム、キサンタンガム、架橋ポリアクリレート、及び同種のものなどの無機又は有機架橋親水性高分子であってもよい。高分子は、例えば粉末、小粒、微粒子、フィルム、発泡体及び繊維の形であってもよい。流体と接触すると、そのような高吸収性高分子は、流体をそれらの構造に吸収することによって膨張する。概して高吸収性高分子は、侵襲された流体をそのような物品に迅速に吸収することができ、そのような流体が漏れないように維持し、流体の侵襲後であっても乾燥した感覚を提供する働きをすることができる。
【0075】
フード8aでは、パルプ繊維11のみが、金型6内の生成されたコアCの第1の層を形成するために使用される。
【0076】
第2のフード8bは、開口4aを有する粒子供給導管4を備え、追加される高吸収性粒子200は、開口4aを通って注入される。粒子供給導管4の開口4aの領域では、粒子再配向装置100は、接続プレート300を介してフード8に装着される。
【0077】
図4及び図5も参照されたい。図4は、図2の一部を斜視的に示す。すなわち図4は、第2のフード8b及びその金型6を備えたマット形成ホイール3を斜視的に示す、すなわち第1のフード8aは取り除かれている。図5は、側面から見た、すなわち断面図ではない、粒子再配向装置を備えた図2におけるA-A断面を示す。
【0078】
高吸収性粒子200は、粒子再配向装置100により金型6上の既定の1つ又は複数の領域に再配向されている。これは、図9a~9fに更に記載されて示される。
【0079】
高吸収性粒子200は、粒子再配向装置100の下の領域でパルプ繊維11と混合され、それらは、パルプ繊維11と追加された粒子の混合物としてマット形成ホイール3上の金型6に向かって方向付けられる流れ15に追加される。粒子再配向装置100に起因して、高吸収性粒子200は、金型6上の特定の領域に方向付けられる。
【0080】
それ故に、第1の形成された層が第1のフード8aから回転し、第2のフード8bに入る際に、パルプ繊維11と追加された高吸収性粒子200の混合物は、吸収製品のコアを構築するために第1の層の頂部上の1領域に高吸収性粒子200をより多く備えた第2の層を形成する。
【0081】
先行技術に従って、論じたように、金型6内で完成したコアは、ホイール3の表面上で移送ドラム9に、最後にコンベアベルト16(図2参照)に移送される。移送ドラム9は除外されてもよい。粘着された繊維のコアをマット形成ホイール3の表面に保持するために、前記ホイールは、ホイール3の内側に回転しない第2の吸引箱5を備え、コアに吸引効果を働かせるので、コアはホイールの表面に付着する。前記第2の吸引箱5は、形成チャンバ、フード8a、8bの最後の1つから、コアがホイール3上で移送される限り、マット形成ホイールの表面に沿って作用する。代替実施形態では、吸引箱5は、マット形成ホイールの完全な第2の弧に沿って作用しないので、前記コアが移送ドラム又はコンベアベルト16に送達される時に、表面に吸着されることなくコアをマット形成ホイール3からより容易に離す。
【0082】
装置内に1つのフードのみを提供することができることを認識するべきである。例えばコアがパルプ繊維と混合した高吸収性粒子の1層のみを有するべき場合。最終製品が複数のコアから構成され得る際、前記最終製品のための装置は、2つ以上のマット形成ホイール3から構成されてもよく、ホイールのそれぞれはコアを形成し、すぐに2つ以上の得られるコアが、最終製品に組み立てられる。各マット形成ホイールは、記載されたように、例えば2つのフード、その一方内の粒子供給導管及び粒子供給導管の開口付近に配置された粒子再配向装置を備えたものと類似した設計を有してもよい。
【0083】
別法として、マット形成ホイールに、金型を含むマット形成ベルトを使用することができる。図3は、その外部表面に金型6’を備えたマット形成ベルト13を備えた、装置1”を概略的に示す。マット形成ベルト13は、駆動モータによって駆動されてもよく、駆動モータは、ギア機構(図示せず)を介してベルトを駆動することに関与することができる。図1及び2と同様に、装置1”は、2つのフード8a’及び8b’を含む。形成チャンバ/フード8a’、8b’は、それぞれが通路7’を形成する。吸収製品のコアを形成するためのマット形成ベルト13は、フード8a’、8b’の下流開口の下で回転するように配置され、前記フードで封止接続される。マット形成ベルト13は、矢印13aによって示された方向に動き、矢印13aは、機械方向MDである。図による実施形態では、デバイスは、2つのフード8a’及び8b’を備える。各フード開口に面して、回転しない第1の吸引箱2’は、マット形成ベルト13の内側に配置される。空気透過手段は、空気が前記吸引箱2’からマット形成ベルトの内方を通ることができるために、マット形成ベルト13の周囲に沿って配置される。前記フード8’から空気透過手段を通る空気を吸引するために低圧が第1の吸引箱2’に行き渡って、前記半径方向内方を通る空気の流れ15’を発生する。前記低圧は、示されていないファンを用いて発生されてもよい。
【0084】
回転しない第2の吸引箱5’は、ベルト13の内側に配置され、コアCに吸引効果を働かせるので、コアCがマット形成ベルト13から離れ、移送ベルト16’に移送されるまで、コアCはベルトの表面に付着する。
【0085】
フード8a’、8b’に送達された繊維11’は、マット形成ベルト13に向かう流れ15’によって前進され、空気透過手段に対してそこに堆積され、空気透過手段は、あらゆるネット、穴が提供されたプレート、繊維又は同種のもから構成されてもよい。
【0086】
マット形成ベルト13は、マット形成ベルトの外部表面に沿って延在する連続金型を備えてもよい。図には、一連の別個の金型6’が、別個のコアCを形成するマット形成ベルト13の外部表面に沿って配置された例が示されている。連続金型は、空気透過手段上に堆積された繊維が、連続層を形成するために使用されるべき時に利用され、その後、連続層は、吸収製品の個々の吸収コアCを形成するために、適切な寸法及び形状に切断される。別個の金型は、吸収製品の吸収コアを形成するために、特定の形状及び寸法のコアを直接形成するために使用される。金型の変形は、当技術分野で公知であり、本明細書で更に論じる必要はない。
【0087】
図2と同様に、図3は、フード8a’内で、パルプ繊維11’のみが、金型6’内に生成されたコアCの第1の層を形成するために使用されることを示す。第2のフード8b’は、それを通って追加される粒子が注入される開口を有する、粒子供給導管4’を備える。
【0088】
図2~10におけるものと類似した粒子再配向装置100が、供給導管4’の開口に隣接して配置される。類似した粒子再配向装置100は、接続プレートを介してフードに取り付けられる。高吸収性粒子200’は、図2~10における粒子200と同じ方法で再配向され、図9a~9fに更に記載される。それ故に、粒子再配向装置100の機能は、図2及び図4~10における装置1’と一緒に記載される。
【0089】
図5は、図2及び図4におけるA-A断面だが、側面から見た粒子再配向装置100を備えて示す。粒子再配向装置100は、接続プレート300を介してフード8bに装着される。図4及び6も参照されたい。フード8bは通路7を形成し、通路7は、前記高吸収性粒子を1つの金型6に向かって方向付ける。粒子再配向装置100は、枢軸PAを中心に枢動可能であり、枢軸PAは断面CDに沿って延在し、断面CDは、前記粒子再配向装置100が、前記機械方向MDに沿って及び反対に枢動可能に動くことができ、前記高吸収性粒子200を前記少なくとも1つの金型6上の異なる領域に再配向するように、可動マット形成デバイス3の機械方向MDに垂直である。図7も参照されたい。図7は、図5におけるB-B断面を示す。これは、前記粒子再配向装置100上の異なる表面によって行われる。図8a~8dは、粒子再配向装置100をより詳細に示す。
【0090】
粒子再配向装置100は、粒子再配向装置100に接続され、粒子再配向装置100を通って延在するシャフト108(図2、5及び6参照)を介して、モータ10により枢軸PAを中心に枢動可能である。モータは、ACサーボモータであってもよい。図6は、フードのない、シャフト108及び接続プレート300を介してモータ10に接続された、粒子再配向装置100を斜視的に示す。
【0091】
モータ10は、例えばコンピュータ内のプログラム可能な位置制御システムによって作動することができる。それ故に、モータはプログラム可能であるので、粒子再配向装置は、高吸収性粒子が金型6の特定領域に分布されるように、異なる開始位置を取ることができる。これは、金型6の全てに対して同じ領域であってもよく、又は金型6によって異なってもよい。ACサーボモータは、例えば前記粒子再配向装置100が、複数の異なる再配向位置、例えば18個の自由にプログラム可能な位置、すなわち開始位置を有するように設定することができる。しかしモータ及び位置制御システムは、これに限定されない。粒子再配向装置100が、枢軸を中心にあらゆる位置に、すなわち供給導管4の中心軸CAにあらゆる角度で配置することができるように、モータを自由にプログラムしてもよい。
【0092】
図8a及び8bは、粒子再配向装置100を2つの異なる方向から斜視的に示す。図8aは、粒子再配向装置100を第1の方向に示す。図8bは、粒子再配向装置100を第2の方向に示し、この場合、粒子再配向装置100は、枢軸PAを中心に180度枢動されている。
【0093】
粒子再配向装置100は、基部101を含み、基部101は、凸表面102及び反対の凹表面103並びに周縁部104を有する。基部101は、全体が長円形状であり、所定の厚さを有する。基部101は、別法として、丸い形状又は本出願に適切なあらゆる他の形状を有してもよい。
【0094】
第1の仮想面P1は、枢軸PAに沿って位置合わせされ、前記第1の仮想面P1における前記基部101の断面が、U又はV字形であるように、前記基部101を2つの等しい半体に二等分する。基部101は、図ではU字形であり、第1の仮想面P1の法線方向から見た粒子再配向装置100の図である図8dに見られる。
【0095】
第2の仮想面P2は、前記第1の仮想面P1に垂直に配置される。第1の仮想面P1及び前記第2の仮想面P2は、前記枢軸PAに沿って交差する。
【0096】
第3の仮想面P3は、前記基部101を2つの等しい半体に二等分する。第3の仮想面P3は、前記第1の仮想面P1及び前記第2の仮想面P2に垂直である。第3の仮想面P3は、第1の軸A1に沿って前記第1の仮想面P1と交差する。第3の仮想面P3は、第2の軸A2に沿って前記仮想面P2とも交差する。
【0097】
第3の仮想面P3に沿って切り取った断面における基部101の凹表面103及び凸表面102は、基本的にまっすぐであり、第2の軸と平行である。これは、第3の仮想面P3に沿って切り取った断面を示す、図8Cに見られる。
【0098】
粒子再配向装置100は、前記第1の仮想面P1の両側面の前記凸表面102から延在し、第1の仮想面P1と基本的に平行な少なくとも2つのフランジ、第1のフランジ105a及び第2のフランジ105bを更に含む。凹表面103又は前記凸表面102は、前記フランジ105a、105bと一緒に、金型6が装置1’、1”に装着された時に、高吸収性粒子200を金型6に方向付ける。2つのフランジ105a、105bは、第1の仮想面P1から同じ所定の距離に配置される。第3のフランジ106は、前記第1の仮想面P1と位置合わせされた前記凸表面102から延在し、前記第1の仮想面P1と平行である。
【0099】
第4のフランジ108は、前記第3の仮想面P3と位置合わせされた前記凸表面102から延在し、前記第3の仮想面P3と平行である。第4のフランジ108は、第1のフランジ105aと第3のフランジ106との間、及び第3のフランジ106と第2のフランジ105bとの間に延在する。この第4のフランジは、第1、第2、及び第3のフランジ105a、105b、106より低いことが好ましい場合、機械的剛性を加える。
【0100】
凸表面102から延在する第1のフランジ105a、第2のフランジ105b及び第3のフランジ106のそれぞれは、所定の高さを有する。所定の高さは、第3の仮想面P3と交差する点が最高である。各フランジは、所定の厚さも有する。厚さは、フランジ粒子再配向装置が、十分に強いように選択することができる。3つ全てのフランジ105a、105b、106は、第3の仮想面P3の片面上の周縁部104から反対側の周縁部104に延在する。しかしフランジ105a、105b、106は、周縁部104から一定距離に延在してもよい。
【0101】
図8cは、第3の仮想面P3から切り取った、粒子再配向装置100の断面を示す。枢軸PAは、粒子再配向装置100の重心CG(図8aも参照されたい)に配置される。枢軸PAは、各フランジ105a、105b、106の最高点H1、H2、H3から実質的に等しい所定の距離Dに配置される。枢軸PAは、第3の仮想面に沿って切り取った断面における仮想面P1の各側面の周縁部104の外点OP1、OP2からも、実質的に同じ等しい所定の距離Dに配置される。それ故に、図8cに示された断面、すなわち仮想面P3に沿って切り取った断面では、周縁部の第1の外点OP1から各フランジ105a、105b、106の最高点H1、H2、H3を介して、第1の仮想面P1の反対側の周縁部104の第2の外点PO2に部分円を描くことができ(図示せず)、この場合、部分円の中点は重心CGと一致し、部分円の半径は所定の距離Dである。
【0102】
第1及び第2のフランジ105a、105bは、互いから距離D1に配置され、距離D1は、粒子供給導管4、4’の開口4aの内径DO(図7参照)に基本的に等しい。しかし距離は、開口の内径より小さくても大きくてもよい。
【0103】
前記第3の仮想面P3に沿って切り取った断面における粒子再配向装置100の最大幅W1(図8c及び図7参照)は、基本的に全ての粒子が基部に衝突するように、粒子供給導管の直径開口DO以上であってもよい。図7では、最大幅W1は、粒子供給導管4の直径開口DOより大きく示されている。
【0104】
図8dは、第1の仮想面P1の法線方向から見た時の粒子再配向装置100を示す。粒子再配向装置100の基部101の最大幅W2は、基本的に全ての粒子が粒子再配向装置に衝突するように、粒子供給導管4の直径開口より大きい。
【0105】
粒子再配向装置100の最大幅W3は、基部101の最大幅W2より大きい。基部及び粒子再配向装置の最大幅は、第1の仮想面P1に沿って切り取った断面にある。
【0106】
フランジ105a、105b、106のそれぞれは、図8dに見られる湾曲した外部形状を有し、これは、その最高点H1、H2、H3から下方に第3の仮想面P3の両側、すなわち軸A1の両側の周縁部104に湾曲する。すなわち第1、第2及び/又は第3のフランジのそれぞれは、前記第1の仮想面P1の法線方向から見て、前記最高点から開始して前記凸基部102に向かう湾曲外部形状を有する。
【0107】
第3のフランジ106の外部輪郭は、その最高点H2から粒子配向装置の最大幅W3における点PF1に、及びその点PF1から基部の外縁部104に向かって湾曲して軸A1の両側面で対称である。第1及び第2のフランジ105a、105bは、一致する曲率を有する。曲率は、基部101並びに基部101の凸側面102上で粒子再配向装置100の凸表面102から延在する第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106が、仮想楕円体E(図8b参照)の一部の形状全体となるようなものである。すなわち第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106bの外部輪郭は、基部101と一緒に部分仮想楕円体Eの仮想表面の形状を辿る。
【0108】
図5及び7に示されたように、粒子再配向装置100は、粒子供給導管4の開口4a付近に配置される。図10は、図5及び7における粒子再配向装置100及び粒子供給導管4を透視的に拡大して示す。前記高吸収性粒子再配向装置100の第1の軸A1は、前記粒子供給導管4の中心軸CAと位置合わせされる。
【0109】
第2のフランジ105a、105bは、粒子供給導管4の壁と位置合わせされ、第3のフランジ106は、粒子供給導管4の開口4aの中に延在する。粒子供給導管4の端部は、すなわち開口4aで、粒子再配向装置100に適合される。端部は、粒子再配向装置100のフランジの一部が、粒子供給導管4の開口の中に突出すると、粒子再配向装置100が粒子供給導管4に衝突することなく、枢動、すなわち回転することができるように設計されてもよい。例えば粒子供給導管4の端部は、第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106bの外部輪郭と一致する形を有してもよく、第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106bは、基部101と一緒に、部分仮想楕円体の仮想表面の形状を辿る。すなわち粒子供給導管4の端部は、部分仮想楕円体の仮想表面に対応する形状を有してもよい。図5及び特に図10に見られるように、粒子供給導管4の端部は、前記粒子配向装置の前記第1の仮想面P1の法線方向から見た時に凹形状を有し、前記粒子配向装置の前記第3の仮想面P3の法線方向から見た時に凸形状を有する(平面については図8a参照)。それ故に、開口を形成する粒子供給導管4の端部は、粒子供給導管4の周囲の周りに凹/凸拡張として有する。好ましくは、粒子配向装置100は、第1のフランジ105aと、フランジが粒子供給導管4の中心軸CAと平行で、開口4aを向く時の、粒子供給導管4の端部との間に最小空間、すなわち距離D2があるように配置される。同じことが第2のフランジ105b及び第3のフランジ106に当てはまる。第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106、並びに枢軸PAから端点PO1及びPO2に対して同じである距離D2、並びに部分仮想楕円体の仮想表面の形状を辿るフランジの形状に起因して、粒子配向装置100は、枢動中に粒子供給導管4に衝突しない。フランジと粒子供給導管4の端部との間の空間は、制御されない気流が不要な方向に入るのを低減するために好ましくは最小化される。距離は1~4mm、より好ましくは2mmであってもよい。
【0110】
次に図8a~8dの粒子再配向の例について記載される。例えば粒子供給導管4の内径DOが46mmで2mmの壁を備える場合、ステンレス鋼から作成された粒子配向装置100は、以下の寸法を有してもよい。
【0111】
長円基部は2mmの厚さであり、湾曲部を形成する凹側面上の半径R(図8d参照)で湾曲している。半径は18mmである。軸A1の各側面上で、基部は、湾曲部から平坦部109に移行する。平坦部109の間の角度αは60度である。基部は平坦部を有すると限定されず、1つの湾曲部であってもよい。
【0112】
基部の最大幅W2は49mmである。W3は60mmである。枢軸PAと各フランジ105a、105b、106の最高点H1、H2、H3との間、及び枢軸PAと周縁部104の各外点OP1、OP2との間の所定の距離Dは45mmである。それ故に、湾曲が外点OP1、OP2と各フランジ105a、105b、106の最高点H1、H2、H3との間に描かれる場合、部分円を描くことができる。次いで部分円は、45mmの半径を有する。円の中心軸は、枢軸PAと位置合わせされる。
【0113】
平面P3に沿って切り取った断面における基部101の最大幅W1は、約90mmである。
【0114】
フランジ105a、105b、106のそれぞれは、1mmの厚さを有する。前記第1の仮想面P1の法線方向から見た時の第3のフランジ106の外部形状は、その最高点H2から粒子配向装置の最大幅W3における点PF1、及びその点PF1から基部の外縁部に向かって湾曲して軸A1の両側面で対称に湾曲する。
【0115】
第1及び第2のフランジ105a、105bの外部輪郭は、一定距離で第3のフランジ106の外部輪郭を辿る。距離は、粒子配向装置が部分仮想楕円体Eの全体形状を得るように選択されるべきである。
【0116】
この例では、粒子供給導管4の開口は、可動マット形成デバイスから一定距離に配置される。距離は、ここでは150cmであるので、繊維状材料及び粒子は、金型に到着する前に混合することができる。粒子再配向装置100は、粒子供給導管4の中に突出し、粒子は、金型に到着する前に繊維状材料を混合される。
【0117】
図5、7及び10は、粒子再配向装置の一部が、粒子供給導管4の中に延在することを示すが、粒子再配向装置100は、これに限定されず、開口から一定距離に配置することができる。距離は、粒子供給導管4由来のほぼ全ての粒子が粒子再配向装置100に衝突するように選択されるべきである。
【0118】
粒子再配向装置200は、シャフト108を収納するように適合された前記枢軸PAに沿って延在するシャフト接続要素107(図8a及び8b参照)を更に含み、シャフト108は、前記枢軸PAを中心に前記粒子再配向装置を枢動させるために(図5及び6参照)、前記シャフト接続要素107に接続可能である。シャフト接続要素100は、ここでは開口を備えた粒子再配向装置100内に円筒形状を有するように例示されており、シャフトは開口を通って延在し、開口と接続される。
【0119】
粒子再配向装置200は、ステンレス鋼から作成される。しかし強靭であり耐摩耗性である、あらゆる他の材料を使用することができる。
【0120】
粒子再配向装置100のフランジ105a、105b、106及び長円基部101の形は、それらが一緒に仮想楕円体E(図8b参照)の一部の全体形状を形成することが記載されている。すなわち第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106bの外部輪郭は、基部101と一緒に部分仮想楕円体Eの仮想面の形状を辿る。しかし粒子再配向装置は、これに限定されない。第1、第2及び第3のフランジ105a、105b、106bは、第1の仮想面P1の法線方向から見た時に別の湾曲形状を有してもよい。それらは長方形形状であってもよい。それ故に粒子供給導管4の端部は、次いで粒子再配向装置の形状に適合される。
【0121】
図9a~9fは、フード8bの内側の異なる開始位置において、図8a~8dに記載されて示された枢動可能な粒子再配向装置100を備えた、図4の装置1’を示す。粒子供給導管4の出口4a、粒子再配向装置100の枢動方向、及び枢動速度に関連した粒子再配向装置100の開始位置に基づいて、高吸収性粒子200は、金型6上の少なくとも1つの領域に分布することができる。すなわち粒子再配向装置100は、再配向表面を含み、再配向表面は、前記通路7の内側の粒子再配向装置100の位置に依存して、機械方向MD及び/又は断面方向CDにおける前記高吸収性粒子200を前記機械方向MDに再配向するように適合される。前記粒子再配向装置100の再方向表面は、第1、第2、第3及び第4のフランジ105a、105b、106、108又は凹表面103を一緒に備えた凸表面102である。
【0122】
図9a~9fの装置1’は、図4~7に示されたのと同じ装置であり、高吸収性粒子200を機械方向MDに動いている可動マット形成デバイス3上の1つの金型6に向かって再配向する。金型6内に吸収コアが形成される。吸収コアは、正面部、背面部、及び正面部と背面部との間に位置付けられた分岐部を含む。コアは、前記コアの長さに沿って延在し、前記正面部、分岐部及び背面部と交差する長手方向軸を有し、吸収コアは、前記長さに垂直に延在する幅、並びに少なくとも2つの対向する端部及び前記端部の間に位置付けられた少なくとも2つの対向する側面を含む周長を有する。金型6の形状は、コアの外部輪郭を形成し、金型の長手方向軸ACは、機械方向MDに延在するので、金型6の先頭部6aは、吸収コアの正面部を形成する部分であってもよく、後方部6bは、吸収コアの背面部を形成してもよく、先頭部6aと後方部6bとの間の中間部6cは、分岐部(図9a”~9f”参照)を形成する。以下の例では、金型の先頭部6aは、コアの正面部を形成し、後方部6bは、コアの背面部を形成するが、逆であってもよい。
【0123】
図9a~9fでは、粒子再配向装置100は、図4~7の粒子再配向装置100に比べて、粒子供給導管4の開口4aから短い距離に配置された理由を示すためのものであるが、高吸収性粒子の大部分が粒子再配向装置に衝突する限り、図4~7に記載されたように配置された場合も同じような働きをする。
【0124】
高吸収性粒子200の再配向は、前記開口4aに隣接して配置された粒子再配向装置100で行われ、前記粒子再配向装置100は、前記可動マット形成デバイス3の前記機械方向MDに対して横方向CDに延在する枢軸PAを中心に枢動可能である。図9a’~9f’は、図9a~9fのそれぞれの粒子再配向装置100のそれぞれの拡大であるが、わずかに斜視的に示されており、例示目的で矢印Aは、高吸収性粒子200が、粒子再配向装置100に衝突する方向、及び粒子再配向装置100に衝突後に続く方向を記号で表す。
【0125】
高吸収性粒子200を特定の領域に分布するために、粒子再配向装置100は、工程の間に枢動する必要がある。粒子再配向装置100が静止している場合、高吸収性粒子200は、吸収コアの全長にわたって等しく分布されるはずである。それ故に装置1’は、製造中に前記機械方向MDに沿った及び/又は反対の方向に枢軸PAを中心に粒子再配向装置100を枢動し、それによって前記高吸収性粒子200を前記少なくとも1つの金型6上の異なる領域に方向付ける。
【0126】
図9aでは、粒子再配向装置100は、凹表面103が、粒子供給導管の開口4aにわずかに傾斜した位置で面する開始位置に位置付けられるので、高吸収性粒子200は、フード8bに入る時に、金型6のより先頭部106aに向かって凹表面103によって方向付けられる。そのため高吸収性粒子が粒子供給導管4に由来する時(図9a’の矢印A)、高吸収性粒子は、凹表面103に衝突し、金型6に向かって下方に落ちる前に、外縁部OP1に向かって凹表面を下方に摺動する。第1のステップでは、高吸収性粒子が通路7に入り、粒子再配向装置100に衝突するのと同時に、粒子再配向装置100は、第1の方向、矢印Bに第1の速度で枢動している。第1の速度は、金型6に近い高吸収性粒子が、マット形成デバイス3と同じ速度で同じ方向、すなわち高吸収性粒子200が、金型6の先頭部6aに、機械方向MDに延在する金型の中心線ACに沿って方向付けられるように、機械方向MDに進むようにするべきである。この結果は図9a”に見られる。粒子再配向装置の枢動に起因して、高吸収性粒子200は、金型6のその他の領域よりある領域に集中される。それ故に、吸収コアは、この場合、より多くの高吸収性粒子200を正面部6aにその中心線ACに沿って有する。しかしその他の領域に入る粒子もあり得ることを認識するべきである。
【0127】
粒子供給導管4の開口4aは、可動マット形成デバイス3から一定距離に配置されるので、繊維状材料11及び高吸収性粒子200は、金型に達する前に混合することができる。図9a”に示された金型6内に高吸収性粒子200を備えた領域で、粒子は繊維状材料11と混合される。金型内の高吸収性粒子200の周りの領域も、繊維状材料11が工程を通して連続して加えられるので、繊維状材料(図示せず)を備える。
【0128】
第2のステップでは、粒子再配向装置100は、開始位置に戻って第1の方向の反対方向に第2のより速い速度で枢動する。これを行う利点は、高吸収性粒子が特定領域に分布されると、粒子再配向装置100が、その開始位置に戻って枢動するので、例えば第1の金型6がその既定の領域に高吸収性粒子を受領すると、粒子再配向装置は、高吸収性粒子を次の金型6上の同じ所定の領域に分布する準備ができることである。1つの長いコアを作成し、後で別個のコアに分離される、1つの金型のみが存在する場合、同じことが起き、特定の領域は、他より多い高吸収性粒子を有する。別法として、枢動して戻る、すなわち第1の方向と反対方向に枢動する代わりに、粒子再配向装置は、同じ第1の方向に第2のより速い速度でその開始位置に戻って枢動を続けることができる。
【0129】
図9b~9fの装置は、同じ方法で機能するが、粒子再配向装置100の開始位置は、高吸収性粒子を金型の異なる領域に分布するために異なる。開始位置のみが、図9b~9fに対して、高吸収性粒子200が、開始位置の結果として金型6に分布される方法が記載される。粒子再配向装置200の枢動、すなわち第1及び第2のステップの両方の速度及び方向は、図9aについて記載されたものと同じである。マット形成ホイールの回転、すなわち方向及び速度は、図9aについて記載されたものと同じ方法である。しかし枢動方向も、粒子再配向装置がその開始位置に位置付けられる方法、及び粒子が金型内の望ましい場所に依存して、機械方向の反対であることも可能であることを理解するべきである。例えば図9aについて、第1のステップの枢動方向が、機械方向と反対であった場合、より多くの粒子が中心線ACに沿うはずである。粒子再配向装置100は、粒子を金型内で望み通りに分布することができるように、異なる速度及び異なる方向に動くようにプログラム可能であることを認識するべきである。ある金型に形成されたコアが、別の金型、例えば最初の金型の隣の金型に形成されたコアと異なるように、金型によって開始位置が異なってもよいことも認識するべきである。
【0130】
図9bでは、粒子再配向装置100は、より多くの高吸収性粒子200が、フード8bに入る金型6のより先頭部6aに向かって分布されるが、その領域の金型6の全幅が高吸収性粒子を獲得し得る(図9b”参照)ように、機械のより横方向CDにも分布されるように位置付けられる。これにより、コアの正面だがコアの全幅にもわたってより多くの高吸収性粒子200を与える。これは、高吸収性粒子200がフランジ及び凸表面102によって方向付けられる(図9b’の矢印A参照)ように、フランジ105a、105b、106が、粒子供給導管の開口4aにわずかに傾斜した状態で、粒子再配向装置をその開始位置に開口4aに傾斜して有することによって達成される。高吸収性粒子200は、特に第1のフランジ105a、及び第3のフランジ106により、また粒子は第4のフランジ108の両側の凸表面102上も摺動するので、先頭部6aに向かって、その位置におけるコアの全幅にわたって、第4のフランジ108にもより、方向付けられる。
【0131】
図9cでは、粒子再配向装置100は、より多くの高吸収性粒子200が、金型6の先頭部6aと後方部6bとの間のより中間部6cに向かって分布されるが、その領域の金型6の全幅が高吸収性粒子200を獲得し得る(図9c”参照)ように、機械のより横方向CDにも分布されるように位置付けられる。これにより、より多くの高吸収性粒子200をコアの分岐部だが、コアの全幅にもわたって与える。これは、高吸収性粒子200が、フランジ105a、105b並びに凸表面102、また第4のフランジ108にもより、中間部6cに向かって方向付けられる(図9c’の矢印A参照)ように、粒子再配向装置100のフランジをその開始位置において、粒子供給導管の開口4aに向けて有することによって達成される。高吸収性粒子は、第4の壁108の両側で粒子配向装置100に衝突し、それ故に粒子200は、金型6の全幅にわたって方向付けられる。
【0132】
図9dでは、粒子配向装置100は、より多くの高吸収性粒子200が、金型6のより後方部6bに向かって分布されるが、その領域の金型6の全幅が高吸収性粒子を獲得し得る(図9d”も参照)ように、機械のより横方向CDにも分布されるように位置付けられる。これにより、より多くの高吸収性粒子200をコアの背面部だが、コアの全幅にもわたって与える。これは、高吸収性粒子200がフランジ及び凸表面102、並びに特に第2のフランジ105b及び第3のフランジ106、また第4のフランジ108にもより、後方部6bに向かって方向付けられる(図9d’の矢印A参照)ように、フランジが、粒子供給導管の開口4aにわずかに傾斜した位置だが、図9bの反対方向に面する状態で、粒子再配向装置100をその開始位置において粒子供給導管4の開口4aに傾斜して有することによって達成される。高吸収性粒子200は、第4の壁108の両側で粒子配向装置100の凸表面102にも衝突し、それ故に、粒子200は、金型6の全幅にわたって方向付けられる。
【0133】
図9eでは、粒子再配向装置100は、より多くの高吸収性粒子200が、中心線ACに沿って(図9e”参照)金型6のより後方部6bに向かって分布されるように位置付けられる。これは、粒子供給導管の開口4aにわずかに傾斜した位置だが、図9aの反対方向に面する凹表面103を有することによって達成される。この開始位置を有することにより、高吸収性粒子200は、凹表面103によって金型6のより後方部6bに向かって方向付けられる(図9e’の矢印A参照)。
【0134】
図9fでは、粒子再配向装置100は、より多くの高吸収性粒子200が、先頭部6a及び後方部6bの両方に向かって、金型6の中心線ACに沿って(図9f”も参照)分布されるように位置付けられる。これにより、より多くの高吸収性粒子200を中心線ACに沿ってコアの正面部及び背面部の両方に与える。これは、高吸収性粒子200が、凹表面103によって2方向に方向付けられる(図9f’の矢印A参照)ので、高吸収性粒子が凹表面103に衝突する時に、高吸収性粒子が、いずれの方向にも方向付けられ、外周縁部104を超えて金型6に向かって落ちることがあるように、粒子供給導管4の開口4aに面する粒子再配向装置100の凹表面103を開始位置に有することによって達成される。
【0135】
粒子再配向装置100の異なる開始位置は、図9a~9fに記載されたものに限定されない。開始位置は、その間のあらゆる位置であってもよい。位置は、モータを作動させるコンピュータプログラムによって設定して調節することができる。金型内の高吸収性粒子の位置は、金型に対して粒子再配向装置の開始位置、基部及び/又は粒子供給導管の開口に対する粒子再配向装置のフランジの位置、粒子再配向装置の枢動の速度及び/又は枢動方向によって操作することができる。
【0136】
フランジに対して記載された粒子は、高吸収性粒子であると記載されている。しかし熱活性型接着粒子又は臭気吸収粒子などの他の粒子も、同様の方法で分布されてもよいことを認識するべきである。
【0137】
図11a~11bは、わずかに異なる形状を有する基部101を除いて、同様の特徴を備えた図8a~8dと同様の粒子再配向装置100’を示す。相違のみについて記載する。基部101は、依然として凸表面102及び凹表面103並びに周縁部104を有するが、基部は「鞍形」を有する。基部101の一般的な三次元形状は、平面楕円がその上に重ねられている双曲放物線の表面によって画定された形状として記載することができる。
【0138】
本開示は、記載された態様、変形、代替及び本開示の例示的実施形態の全ての考えられる組合せも網羅する。
【0139】
更に本開示は、前述の態様又は例に限定されないが、以下の特許請求の範囲内で他の態様及び例示的実施形態に当然適用可能である。
【0140】
特許請求の範囲に記載された参照記号は、特許請求の範囲によって保護される事項の程度を限定するとみなすべきではなく、それらの唯一の機能は、特許請求の範囲をより容易に理解させることである。
【符号の説明】
【0141】
1 装置
2 第1の吸引箱
3 マット形成ホイール(マット形成デバイス)
4 供給導管
5 第2の吸引箱
6 第1の金型
7 通路
8 フード
9 移送ドラム
10 モータ
11 繊維状材料
13 ベルト
16 コンベア
100 高吸収性粒子再配向装置
101 基部
102 凸表面(凸基部、凸側面)
103 凹表面
104 外縁部(外周縁部)
106 第3のフランジ
107 シャフト接続要素
108 第4のフランジ
109 平坦部
200 粒子再配向装置
300 接続プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図10
図11a
図11b
【国際調査報告】